JP2009055118A - 可視光通信の受信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の送信源に対応する受光素子アレイを用いた受信システムの提供
【解決手段】フォトダイオードもしくはフォトトランジスタをアレイ状に集積化した受光素子アレイ130、その上にレンズ光学系120をおき、対象物の状況を受光素子アレイ130上に結像して、さらにアレイ130中の任意の場所の受光素子を選択する。
このような構成で、送信源や照明110が複数ある状況においても、任意の送信源のみから効率よく信号を受信できる。
このアレイ選択は、必ずしもひとつの受光素子に限らず、2×2や3×3など四角形状や、場合によっては円形形状のように、目標とする送信源の状況に応じて任意に変化させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】フォトダイオードもしくはフォトトランジスタをアレイ状に集積化した受光素子アレイ130、その上にレンズ光学系120をおき、対象物の状況を受光素子アレイ130上に結像して、さらにアレイ130中の任意の場所の受光素子を選択する。
このような構成で、送信源や照明110が複数ある状況においても、任意の送信源のみから効率よく信号を受信できる。
このアレイ選択は、必ずしもひとつの受光素子に限らず、2×2や3×3など四角形状や、場合によっては円形形状のように、目標とする送信源の状況に応じて任意に変化させることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、可視光通信の受信システムに関し、特に、最小検出感度が良好であり、また、複数の送信源がある場合にも対応することができる可視光通信の受信システムに関するものである。
近年、可視LEDを用いて光通信を行う照明光通信が注目されている(非特許文献1参照)。
赤外線リモコン、赤外線LANに代表される従来の空間光通信では、光源として赤外線LED・LDを用い、受光素子として赤外線フィルターとシリコンフォトダイオードを用いている。しかしながら、照明光通信は可視光を用いるため、特定波長のフィルターの使用が難しく、太陽光や照明光が受光素子であるフォトダイオードに混入するという問題をもつ。
また、照明の光量は、距離により大幅に減少するため、最小検出感度が良好でかつ大きな光量でも出力が飽和しない、すなわち大きなダイナミックレンジが求められる。
さらに、照明光通信特有の問題として、送信源が複数ある状況が考えられる。この場合、単一のフォトダイオードで検出した場合には混信を引き起こしてしまう。
赤外線リモコン、赤外線LANに代表される従来の空間光通信では、光源として赤外線LED・LDを用い、受光素子として赤外線フィルターとシリコンフォトダイオードを用いている。しかしながら、照明光通信は可視光を用いるため、特定波長のフィルターの使用が難しく、太陽光や照明光が受光素子であるフォトダイオードに混入するという問題をもつ。
また、照明の光量は、距離により大幅に減少するため、最小検出感度が良好でかつ大きな光量でも出力が飽和しない、すなわち大きなダイナミックレンジが求められる。
さらに、照明光通信特有の問題として、送信源が複数ある状況が考えられる。この場合、単一のフォトダイオードで検出した場合には混信を引き起こしてしまう。
「可視光通信による統合型光無線システムの研究開発」Optronics2007年1月号,pp.190−194.
これらの問題を解決するため、本発明では、フォトダイオード・アレイを用いた受光素子やその信号処理回路を含む可視光通信の受信システムを提案する。
上述の目的を達成するために、本発明は、光源の画像を撮る撮像素子と、受光素子アレイと、該受光素子アレイ中の1個又は複数の受光素子を選択する選択回路と、前記撮像素子からの光源画像から、送信している光源を特定して、前記受光素子アレイから対応する受光素子を選択し、受光素子アレイから受信したデータを取り入れる制御部とを備えることを特徴とする可視光通信の受信システムである。
前記撮像素子と前記受光素子アレイは、ハーフミラーにより、光源からの光を分割して入力する構成でもよく、また、前記撮像素子と前記受光素子アレイは、同じ側に設置されており、光源からの光を並列に入力する構成でもよい。
前記制御部は、送信光源を特定する処理において、前記撮像素子からの画像を前記受光素子アレイの受光素子と同数に分割して、その分割した部分の光量が一番大きい部分に対応する受光素子を選択するとよい。
前記受光素子アレイの受光素子は、CMOS集積回路のためのウエルに拡散をして構成したnpn又はpnpフォトトランジスタとするとよい。
さらに、前記受光素子アレイの受光素子は、カレントミラー回路で電流増幅を行うとよく、また、このカレントミラー回路は電流増幅比を変えた構成が複数あり、受信した光量により選択するとさらによい。
受光素子の出力から、コンデンサを用いてDC分を除去し、背景光を除去するとよい。
前記撮像素子と前記受光素子アレイは、ハーフミラーにより、光源からの光を分割して入力する構成でもよく、また、前記撮像素子と前記受光素子アレイは、同じ側に設置されており、光源からの光を並列に入力する構成でもよい。
前記制御部は、送信光源を特定する処理において、前記撮像素子からの画像を前記受光素子アレイの受光素子と同数に分割して、その分割した部分の光量が一番大きい部分に対応する受光素子を選択するとよい。
前記受光素子アレイの受光素子は、CMOS集積回路のためのウエルに拡散をして構成したnpn又はpnpフォトトランジスタとするとよい。
さらに、前記受光素子アレイの受光素子は、カレントミラー回路で電流増幅を行うとよく、また、このカレントミラー回路は電流増幅比を変えた構成が複数あり、受信した光量により選択するとさらによい。
受光素子の出力から、コンデンサを用いてDC分を除去し、背景光を除去するとよい。
受光素子アレイとその信号処理回路により、送信源が複数ある状況においても混信が起こらないよう適切に選択することができる。また、フォトトランジスタ・アレイを用いると大きな受光感度を得ることができる。
さらに、必要に応じてカレントミラー回路で電流増幅やオート・ゲインコントロールをする手法を提案した。
その上、太陽光や照明光の混入に対しては、コンデンサを用いることで、背景光の除去を行い、受光素子や初段アンプのゲインを上げても、出力が飽和しないようにした。
さらに、必要に応じてカレントミラー回路で電流増幅やオート・ゲインコントロールをする手法を提案した。
その上、太陽光や照明光の混入に対しては、コンデンサを用いることで、背景光の除去を行い、受光素子や初段アンプのゲインを上げても、出力が飽和しないようにした。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。
実施形態の受光素子の概略構成を図1で説明する。
図1において、フォトダイオードもしくはフォトトランジスタをアレイ状に集積化した受光素子アレイ130、その上にレンズ光学系120をおき、対象物の状況を受光素子アレイ130上に結像して、さらにアレイ130中の任意の場所の受光素子を選択する。このような構成で、送信源や照明110が複数ある状況においても、任意の送信源のみから効率よく信号を受信できる。
このアレイ中の受光素子選択は、必ずしもひとつの受光素子に限らず、2×2や3×3など四角形状や、場合によっては円形状のように目標とする送信源の状況に応じて任意に変化させることができる。
受光素子アレイの例として、8×8のフォトダイオード・アレイ130の写真を図2(a)に示す。図2(b)は、ダイオードアレイの一部を拡大したものである。
実施形態の受光素子の概略構成を図1で説明する。
図1において、フォトダイオードもしくはフォトトランジスタをアレイ状に集積化した受光素子アレイ130、その上にレンズ光学系120をおき、対象物の状況を受光素子アレイ130上に結像して、さらにアレイ130中の任意の場所の受光素子を選択する。このような構成で、送信源や照明110が複数ある状況においても、任意の送信源のみから効率よく信号を受信できる。
このアレイ中の受光素子選択は、必ずしもひとつの受光素子に限らず、2×2や3×3など四角形状や、場合によっては円形状のように目標とする送信源の状況に応じて任意に変化させることができる。
受光素子アレイの例として、8×8のフォトダイオード・アレイ130の写真を図2(a)に示す。図2(b)は、ダイオードアレイの一部を拡大したものである。
<撮像素子による光源の特定>
複数ある送信源の状況は、別に設けた撮像素子を用い、撮像素子で撮影した光源の画像を使用して、送信している送信源を把握することができる。この撮像素子と受光素子との関連を図3に示す。
図3(a)において、光源110からの光をハーフプリズム・ビームスプリッタ150で2分割して、その一つをCCD素子やCMOS−CCD素子による撮像素子140に入力させる。さらに、その画像を画像処理することで、送信源の状況を判定する。
この画像の取り込みは、ハーフプリズム・ビームスプリッタ150に限らず、図3(b)に示すように、カメラでいう2眼方式のように受光素子130と撮像素子140を並べる事でも実現できる。
また、フォトダイオード・アレイと、CCD素子やCMOS−CCD素子による撮像素子とを同一シリコンチップに集積化した素子を用いても実現可能である。
いずれにしても、チップ上の受光素子をアレイ状に分割して、撮像素子140による対象物の画像から、送信源に対応する受光素子の部分を選択することができる。
複数ある送信源の状況は、別に設けた撮像素子を用い、撮像素子で撮影した光源の画像を使用して、送信している送信源を把握することができる。この撮像素子と受光素子との関連を図3に示す。
図3(a)において、光源110からの光をハーフプリズム・ビームスプリッタ150で2分割して、その一つをCCD素子やCMOS−CCD素子による撮像素子140に入力させる。さらに、その画像を画像処理することで、送信源の状況を判定する。
この画像の取り込みは、ハーフプリズム・ビームスプリッタ150に限らず、図3(b)に示すように、カメラでいう2眼方式のように受光素子130と撮像素子140を並べる事でも実現できる。
また、フォトダイオード・アレイと、CCD素子やCMOS−CCD素子による撮像素子とを同一シリコンチップに集積化した素子を用いても実現可能である。
いずれにしても、チップ上の受光素子をアレイ状に分割して、撮像素子140による対象物の画像から、送信源に対応する受光素子の部分を選択することができる。
このように、対象物からの光を撮像素子であるCCD素子やCMOS−CCD素子に入力させ、さらにその画像を画像処理することで、送信源を判定する。
この構成・処理を図4〜図7を用いて詳しく説明する。
図4は構成の概略図であり、図5は図4の構成における動作を示すフローである。図4,図5において、撮像素子140で撮影した複数の送信源を有している光源の画像をCPUシステム150に取り込み(S152)、画像処理して、光通信を行っている送信源を特定する(S154)。そして、複数の受光素子アレイ130から、受信すべき受光素子を特定する切り替え制御を行い(S156)、特定された受光素子からの受信データを取り込む(S158)。
このときの画像処理の最も単純な手法として、白黒画像を取り込み、その中で最も強度の強い箇所を選択するようなアルゴリズムとなる。
この構成・処理を図4〜図7を用いて詳しく説明する。
図4は構成の概略図であり、図5は図4の構成における動作を示すフローである。図4,図5において、撮像素子140で撮影した複数の送信源を有している光源の画像をCPUシステム150に取り込み(S152)、画像処理して、光通信を行っている送信源を特定する(S154)。そして、複数の受光素子アレイ130から、受信すべき受光素子を特定する切り替え制御を行い(S156)、特定された受光素子からの受信データを取り込む(S158)。
このときの画像処理の最も単純な手法として、白黒画像を取り込み、その中で最も強度の強い箇所を選択するようなアルゴリズムとなる。
これを実現する一手法として、白黒画像をフォトダイオード・アレイ130と同じ数のピクセルに分割して、ピクセル内の画素のビットマップ白黒画像の濃さに対応する値を利用する。この処理を、図6を用いて説明する。
図6は、640×480のピクセルを有する撮像素子140を用いて、8×8の受光素子アレイ(フォトダイオード・アレイ)の受光素子を選択する場合の処理を表している。
まず、640×480のピクセル(図6(a)参照)の両端の80ピクセルをカットして、480×480の正方形のピクセルとして処理を行う(図6(b)参照)。そして、480×480のピクセルを8×8の正方形の部分に区切り、8×8のフォトダイオードとの対応をとる(図6(c)参照)。白黒ビットマップでは、0から255の値で黒から白を表しているため、図6(c)のように分割した格子部分の各ピクセルのすべての画素の値を加算して、その値を各ピクセルで比較し、最大値(最高輝度)となるピクセルが最も明るい場所と判断する(図6(d)黒い格子の部分参照)。
このほかにも、より柔軟に特定の明るさ以上の部分を抜き出し、それをフォトダイオード・アレイに対応させる手法などが考えられる。
図6は、640×480のピクセルを有する撮像素子140を用いて、8×8の受光素子アレイ(フォトダイオード・アレイ)の受光素子を選択する場合の処理を表している。
まず、640×480のピクセル(図6(a)参照)の両端の80ピクセルをカットして、480×480の正方形のピクセルとして処理を行う(図6(b)参照)。そして、480×480のピクセルを8×8の正方形の部分に区切り、8×8のフォトダイオードとの対応をとる(図6(c)参照)。白黒ビットマップでは、0から255の値で黒から白を表しているため、図6(c)のように分割した格子部分の各ピクセルのすべての画素の値を加算して、その値を各ピクセルで比較し、最大値(最高輝度)となるピクセルが最も明るい場所と判断する(図6(d)黒い格子の部分参照)。
このほかにも、より柔軟に特定の明るさ以上の部分を抜き出し、それをフォトダイオード・アレイに対応させる手法などが考えられる。
また、カラー画像を用いても同様の処理が行える。この際に、白色LEDを対象とした場合は、カラー画像を白黒変換して上記の処理をする。RGB型3原色LEDを対象とする場合は、カラー画像のR,G,Bのデータを利用することで、各色の中で最も強い場所を別々に特定できる。このように色別にした送信用の光を用いて、光通信を分割することもできる。この場合、受光する側も色別に区別して受信する必要がある。
実際に、応用形態において、例えば携帯電話に搭載する場合では、携帯の画像画面にフォトダイオード・アレイが選ばれている場所を表示して、自動認識させると同時にユーザーが方向キーなどでフォトダイオードが選ばれている場所を変更できるようにして、アルゴリズムが間違って照明などを選んだ場合のエラー訂正や、ユーザーが別の部分の情報源を選択できるようにする。
実際に、応用形態において、例えば携帯電話に搭載する場合では、携帯の画像画面にフォトダイオード・アレイが選ばれている場所を表示して、自動認識させると同時にユーザーが方向キーなどでフォトダイオードが選ばれている場所を変更できるようにして、アルゴリズムが間違って照明などを選んだ場合のエラー訂正や、ユーザーが別の部分の情報源を選択できるようにする。
図7は、6×6のフォトダイオードで構成したアレイから、特定のフォトダイオードを選択するための構成を説明する図である。
図7において、6×6のフォトダイオード・アレイを構成する36個のダイオード136は、6個のダイオードのグループ(136−1〜136−6)を選択する6個のスイッチ回路134と、そのグループのうちの1個を選択するスイッチ回路132で構成されている。この回路構成で、スイッチ回路132,134の開閉を制御して、6×6個のフォトダイオードの1つを選択する。そして、選択したフォトダイオードで対応する光源からの光を受信して電気信号に変換し、トランスインピーダンス・アンプ138で増幅する。
図7において、6×6のフォトダイオード・アレイを構成する36個のダイオード136は、6個のダイオードのグループ(136−1〜136−6)を選択する6個のスイッチ回路134と、そのグループのうちの1個を選択するスイッチ回路132で構成されている。この回路構成で、スイッチ回路132,134の開閉を制御して、6×6個のフォトダイオードの1つを選択する。そして、選択したフォトダイオードで対応する光源からの光を受信して電気信号に変換し、トランスインピーダンス・アンプ138で増幅する。
<受光素子であるフォトダイオードの構成>
次に、光通信の受光素子であるフォトダイオード又はフォトトランジスタの構成について説明する。
まず、フォトダイオード又はフォトトランジスタの1素子の構成の一例を示したものが図8である。図8に示したフォトダイオードやフォトトランジスタは、n−wellプロセスのCMOSで構成した場合である。
図8(a)とその等価回路である図8(b)において、p型基板210のn−well(n型ウエル)220内にp拡散を行い、n−well220の下のp型基板を利用してp−n−p構造230,240(ウエル内の左と右の長方形参照)を作る。n−well220をVDDにした場合は、このp拡散の構造240(左の長方形)はフォトダイオードとして動作する。しかし、n−well220をMOSFETスイッチで切り離すと、p−n−p構造230(右の長方形)は、トランジスタのベース部分がフロート状態となり、フォトトランジスタ230として動作する。
このフォトトランジスタ230を0.35μmCMOSプロセス製作して、その感度を実測した結果、このフォトトランジスタの応答感度は、p拡散のフォトダイオードよりも約40倍高感度(赤:波長650nmの場合)であることがわかった。フォトトランジスタ構成にしたときのディメリットは、応答速度が遅くなることである。
p拡散のフォトダイオードに一体化したDRGC型トランスインピーダンス・アンプを組み合わせた場合、その応答速度は100MHz以上あるのに対して、フォトトランジスタ構成にしたときの応答速度は、33kHz程度と遅くなった。しかしながら、この速度でも可視光IDの通信用には使用できる。
なお、上述のことは、p−well内のn拡散のn−p−n構造で構成したフォトトランジスタでも同様である。
次に、光通信の受光素子であるフォトダイオード又はフォトトランジスタの構成について説明する。
まず、フォトダイオード又はフォトトランジスタの1素子の構成の一例を示したものが図8である。図8に示したフォトダイオードやフォトトランジスタは、n−wellプロセスのCMOSで構成した場合である。
図8(a)とその等価回路である図8(b)において、p型基板210のn−well(n型ウエル)220内にp拡散を行い、n−well220の下のp型基板を利用してp−n−p構造230,240(ウエル内の左と右の長方形参照)を作る。n−well220をVDDにした場合は、このp拡散の構造240(左の長方形)はフォトダイオードとして動作する。しかし、n−well220をMOSFETスイッチで切り離すと、p−n−p構造230(右の長方形)は、トランジスタのベース部分がフロート状態となり、フォトトランジスタ230として動作する。
このフォトトランジスタ230を0.35μmCMOSプロセス製作して、その感度を実測した結果、このフォトトランジスタの応答感度は、p拡散のフォトダイオードよりも約40倍高感度(赤:波長650nmの場合)であることがわかった。フォトトランジスタ構成にしたときのディメリットは、応答速度が遅くなることである。
p拡散のフォトダイオードに一体化したDRGC型トランスインピーダンス・アンプを組み合わせた場合、その応答速度は100MHz以上あるのに対して、フォトトランジスタ構成にしたときの応答速度は、33kHz程度と遅くなった。しかしながら、この速度でも可視光IDの通信用には使用できる。
なお、上述のことは、p−well内のn拡散のn−p−n構造で構成したフォトトランジスタでも同様である。
<受光回路における増幅率の制御>
可視光通信の課題として、光量が距離により大幅に減少するため大きなダイナミックレンジが求められる点が挙げられる。必要に応じてさらに電流を増やすために、カレントミラー回路により電流を増やす。その一例を図9に示す。
図9(a)に示すような、MOSFET320,330で構成するカレントミラー回路において、電流増幅率を20倍としても、コンピュータによるシミュレーションにおいて、数10kHz程度の応答速度が得られることが確認された。
さらに、図9(b)に示すように、MOSFET320とMOSFET332,334,336とで、電流増幅比を変えたカレントミラー回路を複数つくり、対象の光量に応じて、スイッチ352,354,356により任意のMOSFET332,334,336を選ぶことで、オート・ゲインコントロールの機能を持たせることも可能である。
図9では、フォトダイオード310を用いている例を示しているが、フォトトランジスタを用いた場合でも、同様に適用することができる。
可視光通信の課題として、光量が距離により大幅に減少するため大きなダイナミックレンジが求められる点が挙げられる。必要に応じてさらに電流を増やすために、カレントミラー回路により電流を増やす。その一例を図9に示す。
図9(a)に示すような、MOSFET320,330で構成するカレントミラー回路において、電流増幅率を20倍としても、コンピュータによるシミュレーションにおいて、数10kHz程度の応答速度が得られることが確認された。
さらに、図9(b)に示すように、MOSFET320とMOSFET332,334,336とで、電流増幅比を変えたカレントミラー回路を複数つくり、対象の光量に応じて、スイッチ352,354,356により任意のMOSFET332,334,336を選ぶことで、オート・ゲインコントロールの機能を持たせることも可能である。
図9では、フォトダイオード310を用いている例を示しているが、フォトトランジスタを用いた場合でも、同様に適用することができる。
<照明光等の影響除去>
さらに、可視光通信で問題となる太陽光、照明光などの影響を除去するため、図10に示すように、フォトダイオード310の回路300とトランスインピーダンス・アンプ340の間にコンデンサ360を入れるとよい。
光通信の信号をキャリア伝送のように交流にのせたり、Non−Return−zero(NRZ)方式のように一定の値が続かない信号伝送方式では、それらの信号はコンデンサを通過できるが、一定の太陽光、照明光は通過できないので除去できる。
これにより、フォトトランジスタとカレントミラー回路を組み合わせて受光感度の高い素子を形成して、さらに後段のトランスインピーダンス・アンプの抵抗値を上げたとしても、太陽光などで出力電圧が飽和することを避けることができる。
この回路の動作をコンピュータによるシミュレーションで確認したのが、図11であり、低い周波数で利得が下がりDC分が除去されているが、コンデンサの容量値が小さいと、見かけ上のコンデンサのインピーダンスが大きくなり、電流がコンデンサ側に流れないため、利得が減少することがわかった。
また、容量値を大きくしすぎるとDC分の除去の効果が下がり、コンデンサの値に最適値があることがわかった。シミュレーションの結果では、フォトダイオード自身の寄生容量の10−100倍程度が適当である。
このようにして、DC分を除去した後、トランスインピーダンス・アンプで電圧変換して、必要に応じて後段に通信に用いている周波数帯を通過させるバンドパスフィルタを入れることで、安定して信号を取り出すことができる。
図11では、フォトダイオード310を用いている例を示しているが、フォトトランジスタを用いた場合でも、同様に適用することができる。
さらに、可視光通信で問題となる太陽光、照明光などの影響を除去するため、図10に示すように、フォトダイオード310の回路300とトランスインピーダンス・アンプ340の間にコンデンサ360を入れるとよい。
光通信の信号をキャリア伝送のように交流にのせたり、Non−Return−zero(NRZ)方式のように一定の値が続かない信号伝送方式では、それらの信号はコンデンサを通過できるが、一定の太陽光、照明光は通過できないので除去できる。
これにより、フォトトランジスタとカレントミラー回路を組み合わせて受光感度の高い素子を形成して、さらに後段のトランスインピーダンス・アンプの抵抗値を上げたとしても、太陽光などで出力電圧が飽和することを避けることができる。
この回路の動作をコンピュータによるシミュレーションで確認したのが、図11であり、低い周波数で利得が下がりDC分が除去されているが、コンデンサの容量値が小さいと、見かけ上のコンデンサのインピーダンスが大きくなり、電流がコンデンサ側に流れないため、利得が減少することがわかった。
また、容量値を大きくしすぎるとDC分の除去の効果が下がり、コンデンサの値に最適値があることがわかった。シミュレーションの結果では、フォトダイオード自身の寄生容量の10−100倍程度が適当である。
このようにして、DC分を除去した後、トランスインピーダンス・アンプで電圧変換して、必要に応じて後段に通信に用いている周波数帯を通過させるバンドパスフィルタを入れることで、安定して信号を取り出すことができる。
図11では、フォトダイオード310を用いている例を示しているが、フォトトランジスタを用いた場合でも、同様に適用することができる。
<まとめ>
本出願では、可視光光通信に適した受光素子を提案した。
受光素子アレイとその信号処理回路により、送信源が複数ある状況においても混信が起こらないよう適切に選択する手法や、大きな受光感度を得るためにフォトトランジスタ・アレイを用いる方法も提案している。
さらに必要に応じてカレントミラー回路で電流増幅やオート・ゲインコントロールをする手法を考案した。
さらに、太陽光や照明光の混入に対しては、コンデンサを用いてDC光の除去を行い、受光素子や初段アンプのゲインを上げても、出力が飽和しない方法を提案した。
本出願では、可視光光通信に適した受光素子を提案した。
受光素子アレイとその信号処理回路により、送信源が複数ある状況においても混信が起こらないよう適切に選択する手法や、大きな受光感度を得るためにフォトトランジスタ・アレイを用いる方法も提案している。
さらに必要に応じてカレントミラー回路で電流増幅やオート・ゲインコントロールをする手法を考案した。
さらに、太陽光や照明光の混入に対しては、コンデンサを用いてDC光の除去を行い、受光素子や初段アンプのゲインを上げても、出力が飽和しない方法を提案した。
Claims (8)
- 光源の画像を撮る撮像素子と、
受光素子アレイと、
該受光素子アレイ中の1個又は複数の受光素子を選択する選択回路と
前記撮像素子からの光源画像から、送信している光源を特定して、前記受光素子アレイから対応する受光素子を選択し、受光素子アレイから受信したデータを取り入れる制御部と
を備えることを特徴とする可視光通信の受信システム。 - 請求項1に記載の可視光通信の受信システムにおいて、
前記撮像素子と前記受光素子アレイは、ハーフミラーにより、光源からの光を分割して入力することを特徴とする可視光通信の受信システム。 - 請求項1に記載の可視光通信の受信システムにおいて、
前記撮像素子と前記受光素子アレイは、同じ側に設置されており、光源からの光を並列に入力することを特徴とする可視光通信の受信システム。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の可視光通信の受信システムにおいて、
前記制御部は、送信光源を特定する処理において、前記撮像素子からの画像を前記受光素子アレイの受光素子と同数に分割して、その分割した部分の光量が一番大きい部分に対応する受光素子を選択することを特徴とする可視光通信の受信システム。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の可視光通信の受信システムにおいて、
前記受光素子アレイの受光素子は、CMOS集積回路のためのウエルに拡散をして構成したnpn又はpnpフォトトランジスタであることを特徴とする可視光通信の受信システム。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の可視光通信の受信システムにおいて、
前記受光素子アレイの受光素子に対して、カレントミラー回路で電流増幅を行うことを特徴とする可視光通信の受信システム。 - 請求項6に記載の可視光通信の受信システムにおいて、
前記カレントミラー回路は電流増幅比を変えた構成が複数あり、受信した光量により、選択することを特徴とする可視光通信の受信システム。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の可視光通信の受信システムにおいて、
受光素子の出力から、コンデンサを用いてDC分を除去し、背景光を除去することを特徴とする可視光通信の受信システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007217436A JP2009055118A (ja) | 2007-08-23 | 2007-08-23 | 可視光通信の受信システム |
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JP2007217436A JP2009055118A (ja) | 2007-08-23 | 2007-08-23 | 可視光通信の受信システム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109964421A (zh) * | 2016-11-16 | 2019-07-02 | 昕诺飞控股有限公司 | 用于可见光通信的接收器、方法、终端设备、光透射结构和系统 |
WO2023047446A1 (ja) * | 2021-09-21 | 2023-03-30 | 日本電気株式会社 | 受信装置および通信装置 |
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2007
- 2007-08-23 JP JP2007217436A patent/JP2009055118A/ja active Pending
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CN109964421A (zh) * | 2016-11-16 | 2019-07-02 | 昕诺飞控股有限公司 | 用于可见光通信的接收器、方法、终端设备、光透射结构和系统 |
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