JP2009031076A - Inspection system - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、撮影レンズのMTF,OTFを測定する検査システムに関する。 The present invention relates to an inspection system for measuring MTF and OTF of a photographing lens.
撮影レンズ(写真レンズ)は古くより開発されているが、近頃はデジタルカメラが銀塩カメラにとって変わってきたため、DCモーターや超音波モーターを搭載したオートフォーカスの撮影レンズが主流となっている。ユーザーの多くはパソコン画面で等倍のサイズで鑑賞するので、撮影レンズにとっては、従来に比べて性能の良し悪しやピントの甘さがはっきりと現れるようになった。このような写真レンズにアクチュエータを搭載するにあたって、レンズの軽量化や移動量縮小、機構部のスペース確保が必須となる。小型高倍率ズームに防振機能のついたレンズは技術の結晶であり多くの一般的なユーザーに求められている。また、様々な制約を受けながら、製造技術の進歩により、レンズ設計は非球面の面数の増加、その形状の自由度向上や異常分散ガラスの多用が可能となり従来にない結像性能を得ている。その反面、設計性能の向上により部品精度向上や組立も従来よりも光学調整が多くなり厳しくなっているのは言うまでもない。 Shooting lenses (photographic lenses) have been developed for a long time, but recently, digital cameras have changed for silver halide cameras, so autofocus shooting lenses equipped with DC motors and ultrasonic motors have become mainstream. Many users watch at the same size on a personal computer screen, so the performance of lenses and the sweetness of focus have become clearer for photographic lenses. When mounting an actuator on such a photographic lens, it is essential to reduce the weight of the lens, reduce the amount of movement, and ensure the space for the mechanism. A lens with an anti-vibration function in a small high-power zoom is a crystal of technology and is required by many general users. In addition, due to the progress of manufacturing technology, the lens design can increase the number of aspheric surfaces, improve the degree of freedom of its shape, and use anomalous dispersion glass. Yes. On the other hand, it goes without saying that the improvement in design performance and the improvement in parts accuracy and assembly are more severe due to more optical adjustments than in the past.
オートフォーカスの検出はレンズの開放Fナンバーから2段または3段絞った軸上光束の一部で位相差法を用いるのが一般的である。ところが群間隔が出ていない等で球面収差が測定光束と撮影時の開口の領域で大きく異なってしまうという問題や、非球面の製造上の形状が、測定光束が通る領域で誤差がある場合、カメラが合焦と判定しても得られた画像はピント位置がずれた画像となり、その崩れた球面収差の影響で画質が悪化するという問題が発生する。そのため、アパーチャーを絞った時の最良像面と開放での最良像面との差が重要となっている。銀塩カメラの時代では大伸ばしをするユーザーは一部であり、ヘビーユーザーであっても収差もレンズの特徴と捉えていた感がある。一方、銀塩カメラで許された球面フレアが、デジタルでは単なるぼけた画像と評される場合が多い。そのため、一般的なユーザーが画像をパソコンで拡大して評価する現在、レンズ組立調整後の許容収差や開放時と絞った時との最良像面の変動を評価する必要がある。一般に製品の最終検査にあたっては、開放で投影機を用いての解像力評価あるいはMTF測定となることが多い(例えば、特許文献1参照)。この場合、人為的な判断が入る余地がないMTF測定での検査の方が望ましい。アパーチャー開放時の最良像面と絞った時の最良像面の測定はMTF測定時間短縮の為別途行われ、レンズ内にその変動量と方向を記憶させていた。
このようにユーザーが満足するレンズを供給するには、レンズの開放時の光学特性のみならず、絞り込んだ時の光学特性と開放時からの最良像面の変動とを検査する必要がある。光学特性の評価を投影解像力で行う場合、レンズに対してチャートをモーターで光軸方向に動かして評価面にピント合わせをする。しかしながら、同時に最良像面位置の変動を検査する為にレンズのアパーチャーを電気制御して、合焦位置をステッピングモーターのパルス数より知るとしても最良像面位置を目視で判断する事となり、量産検査に対応するには難しいという課題があった。すなわち、光学特性を評価し同時に最良像面位置の変動を測定し被検レンズに書き込む動作を短時間に行う事が量産検査では求められている。 In order to supply a lens that satisfies the user in this way, it is necessary to inspect not only the optical characteristics when the lens is opened, but also the optical characteristics when the lens is closed and the change in the best image plane since the lens is opened. When evaluating the optical characteristics with the projection resolving power, the lens is moved in the optical axis direction with a motor to focus on the evaluation surface. However, at the same time, even if the lens aperture is electrically controlled to check the fluctuation of the best image plane position, the best image plane position will be judged visually even if the focus position is known from the number of pulses of the stepping motor. There was a problem that it was difficult to deal with. That is, mass production inspection is required to perform an operation for evaluating the optical characteristics and simultaneously measuring the fluctuation of the best image plane position and writing to the lens to be examined.
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、量産検査に有効な、レンズの光学特性の評価とアパーチャーの開放及び絞った状態での最良像面とを同時に測定可能な検査システムを提供することを目的とする。 The present invention has been made in view of such problems, and is an inspection system that is effective for mass-production inspection and capable of simultaneously measuring the optical characteristics of a lens and opening the aperture and the best image plane in a squeezed state. The purpose is to provide.
前記課題を解決するために、本発明に係る検査システム(例えば、実施形態における検査装置1)は、チャートが形成されたチャート板と、光源から出射してチャートを通過した光線を被検レンズにより結像させた像として検出する撮像素子(例えば、軸上用および軸外用受光センサー13,14)と、被検レンズのアパーチャーの作動を制御するとともに、撮像素子で検出された像の強度分布から被検レンズの光学特性を算出する制御装置とを有して構成される。そして、制御装置が、被検レンズのアパーチャーを開放された状態に制御して、この被検レンズによる像の強度分布を取得する第1のステップ、被検レンズのアパーチャーを絞った状態に制御して、この被検レンズによる像の強度分布を取得する第2のステップ、アパーチャーが開放されたとき、および、アパーチャーが絞られたときの強度分布のそれぞれからMTF値を求める第3のステップ、および、これらのMTF値からアパーチャーが開放されたとき、および、アパーチャーが絞られたときの最良像面の位置の差を求める第4のステップから構成される。
In order to solve the above-described problems, an inspection system according to the present invention (for example, the
このような本発明に係る検査システムにおいて、制御装置が、第1および第2のステップで、被検レンズによる像の強度分布を取得する前に、アパーチャーが開放された状態で、像の強度分布を測定して、撮像素子から所定以上の強度を得るためのこの撮像素子におけるアパーチャーが開放されているときの蓄積時間を算出するステップを有して構成されることが好ましい。さらに、この蓄積時間を算出するステップにおいて、アパーチャーが開放されているときの蓄積時間から、アパーチャーが絞られているときの蓄積時間を算出するように構成されることが好ましい。 In such an inspection system according to the present invention, before the control device acquires the intensity distribution of the image by the test lens in the first and second steps, the intensity distribution of the image with the aperture opened. It is preferable to have a step of calculating the accumulation time when the aperture in the image sensor for obtaining a predetermined intensity or more from the image sensor is opened. Further, in the step of calculating the accumulation time, it is preferable that the accumulation time when the aperture is narrowed is calculated from the accumulation time when the aperture is opened.
また、本発明に係る検査システムにおいて、撮像素子が、チャート板のチャートによる軸上像を検出する軸上用受光センサーと、チャート板のチャートによる軸外像を検出する軸外用受光センサーとから構成されることが好ましい。 In the inspection system according to the present invention, the imaging element includes an on-axis light receiving sensor that detects an on-axis image based on a chart on the chart plate, and an off-axis light receiving sensor that detects an off-axis image based on the chart on the chart plate. It is preferred that
本発明に係る検査システムを以上のように構成すると、量産検査に有効な、レンズの光学特性の評価とアパーチャーの開放及び絞った状態での最良像面とを同時に測定することができ、この光学特性から最良像面の光軸上の位置の差を正確に測定することができる。 When the inspection system according to the present invention is configured as described above, it is possible to simultaneously measure the evaluation of the optical characteristics of the lens, the aperture opening, and the best image plane in the squeezed state, which are effective for mass production inspection. From the characteristics, it is possible to accurately measure the difference in position on the optical axis of the best image plane.
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施例においては、拡大投影型で複数画角を同時に測定できるMTF,OTFの検査装置であって、チャートと被検レンズ間のシフト構造を無くして受光センサーが機械軸と垂直な面内でシフトする(この垂直面内で移動する)構造を特徴とする検査装置を用いる場合について説明する。まず、本実施例に係る検査装置1の構成について説明する。この検査装置1は、図1に示すように、内部に光源2およびチャート板3を有し、被検レンズ(撮影レンズ)4を保持する照明部5と、この照明部5に対して相対移動可能な測定部6とを有して構成される。
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. In this embodiment, an MTF / OTF inspection apparatus that can measure a plurality of angles of view at the same time in an enlarged projection type, and the light receiving sensor is a surface perpendicular to the mechanical axis without the shift structure between the chart and the lens to be tested. A case will be described in which an inspection apparatus characterized by a structure that shifts within (moves within this vertical plane) is used. First, the configuration of the
光源2、チャート板3、および、被検レンズ4は、照明部5において、光軸上(以降の説明においては、検査装置1の「機械軸7」と呼ぶ)上に並んで配置されている。なお、この実施例においては、光源2から放射された光線は、光ファイバー2aおよび図示しないコンデンサレンズ等により機械軸7上に放射され、チャート板3に照射される。また、この照明部5には、チャート板3を機械軸7に沿って前後に移動させ、さらに、取り付けられた被検レンズ4と通信をしてアパーチャーの開閉制御を行う照明側制御部17が設けられている。
The light source 2, the
一方、測定部6は、受光側(被検レンズ4を挟んで光源2の反対側)に配置され、機械軸7に対して垂直な平面を有する平板状の受け部8が設けられている。この受け部8の光源2側の面(受光側の面)には、この受け部8に対して受光側の面上で相対移動可能な2軸の大きなプレート(以下、「大ステージ9」と呼ぶ)と、この大ステージ9を受け部8上で作動させる大ステージ駆動部10とが設けられる。さらに、その大ステージ9の受光側の面上で相対移動可能な1軸の小さなプレート(以下、「小ステージ11」と呼ぶ)とこの小ステージ11を大ステージ9上で作動させる小ステージ駆動部12とが設けられている。なお、小ステージ11は大ステージ9上に複数設けられる(例えば、図2の場合は、矩形状の大ステージ9の対角線方向に4個の小ステージ11を設けた場合を示している)。この場合、図2に示すように、小ステージ11は、大ステージ9に対して対角線方向に(大ステージ9の中心部から放射状に)相対移動可能に構成される。なお、以降の説明において大ステージ9の中心を「測定側の原点」と呼ぶ。
On the other hand, the measuring unit 6 is disposed on the light receiving side (on the opposite side of the light source 2 with the
この大ステージ9の測定側の原点には、図2に示すように、軸上用受光センサー13が設けられており、また、各々の小ステージ11には、軸外用受光センサー14が設けられている。軸上用受光センサー13は、検査装置1の設置面(地面)に対して垂直方向に延びた縦ラインセンサー13aと、水平方向に延びた横ラインセンサー13bとから構成される。一方、軸外用受光センサー14は、大ステージ9の測定側の原点から対角線方向に延びた(放射状に延びた)縦ラインセンサー14aと、この対角線方向に延びた線と直交する方向に延びた横ラインセンサー14bとから構成される。この検査装置1において、全てのセンサー13,14の受光面が、略同一平面内(以下、この平面を「測定平面」と呼ぶ)に位置するように配置されている。
As shown in FIG. 2, an on-axis
なお、軸上用および軸外用受光センサー13,14を構成する縦ラインセンサー13a,14aは、後述するように、チャート板3に形成されたチャートのM(メリジオナル)像を検出するために用いられ、横ラインセンサー13b,14bは、チャートのS(サジタル)像を検出するために用いられる。
The
チャート板3は、被検レンズ4の像面の位置(すなわち、フィルム面或いは撮像面に相当する位置)に配置されている。このチャート板3には、点像チャート若しくはスリットが形成されるが、以降の説明においてはスリットで構成した場合について説明する。このチャート板3には、チャート板の中心(以下、「チャート板の原点」と呼ぶ)に、機械軸7を含むように配置された軸上検査用チャートと、機械軸7を含まずこの機械軸7から離れた位置(チャート板の原点から対角線方向)に配置された軸外検査用チャートとが形成されている(図示せず)。そして、この軸上検査用および軸外検査用チャートは、軸上用および軸外用受光センサー13,14の構成に対応しており、また、軸上及び軸外検査用チャートは、それぞれM像用チャート及びS像用チャートから構成され、これらのチャートはいずれもスリットとして形成されている。光源2から放射され、チャート板3のチャート(スリット)を透過した光線が、被検レンズ4により軸上用および軸外用受光センサー13,14上に結像される。このとき、軸上用および軸外用受光センサー13,14を構成する各センサー13a13b,14a,14bと、チャート板3の軸上および軸外検査用チャートの像とは、直交するように構成されている。なお、チャート板3を点像チャート(ピンホール)として構成した場合は、軸上用受光センサー13および軸外用受光センサー14の各々を、一つのエリアセンサーで構成することも可能である。
The
以上のような検査装置1において、チャート板3に形成された軸上検査用チャート(センタースリット)の像(これを「軸上像」と呼ぶ)は軸上用受光センサー13上に結像し、軸外検査用チャートの像(これを「軸外像」と呼ぶ)はそれぞれ対応する軸外用受光センサー14上に結像するのが理想的な結像状態である。しかし、被検レンズ4が、ディストーションの大きなレンズである場合は、例えば、軸上において軸上用受光センサー13で軸上像を取り込むことができても、軸外では軸外像が軸外用受光センサー14から外れてしまうことがある。このようなとき、小ステージ駆動部12で、小ステージ11を大ステージ9に対して相対移動させることにより、軸外用受光センサー14を放射方向に移動させて軸外像を取り込むことができる。
In the
一方、被検レンズ4に透過偏心があると、軸上用および軸外用受光センサー13,14からチャート像が外れてしまう。そのため、大ステージ駆動部10で大ステージ9を測定平面内で作動させて軸上像(センタースリット位置)を軸上用受光センサー13で走査する(この場合、軸上用受光センサー13と軸外用受光センサー14とを同時に同じ量と方向にアラインメントした状態となる)。そして、上述のように、軸外用受光センサー14(実際には小ステージ11)を小ステージ駆動部12で放射方向に作動させて軸外像を走査し軸外光束に対してアラインメントした状態とする。このように軸上用および軸外用受光センサー13,14を2段階でアラインメントすることで、高速に測定できる対象が広がる。
On the other hand, if the
このような検査装置1においては、軸外光束の結像位置を軸外用受光センサー14によりセンシングして理想像高からの偏差や実際の画角が分かり、全方位の非対称性が判断できる。また、この実施例のようにM像とS像のラインセンサー(縦ラインセンサー13a,14aと横ラインセンサー13b,14b)を用いた場合はM像用センサーから実像高が分かる。なお、本実施例においては、図2に示すように放射状に稼働しうる小ステージ11を設けることにより、写真レンズのような偏芯の大きいレンズやディストーションの大きいレンズなど、製造誤差による画角の変化の大きいレンズの測定も可能となる。また、本実施例では軸外用受光センサー14のM像とS像を検出する縦ラインセンサー14aと横ラインセンサー14bとが小ステージ11上にあり一体に動くように構成されているが、縦ラインセンサー14aと横ラインセンサー14bとをそれぞれ独立したプレート上に配置して、それぞれ独立して作動するように構成することも可能である。
In such an
なお、受け部8には、測定部6を機械軸7に沿って移動させる(図1においては左右方向に移動させる)測定駆動部15が設けられている。これらの大ステージ駆動部10、小ステージ駆動部12、測定駆動部15、軸上用受光センサー13、および、軸外用受光センサー14と、照明側制御部17とは制御装置16に電気的に接続されており、大ステージ駆動部10、小ステージ駆動部12、および、測定駆動部15の作動が制御されて、測定部6、大および小ステージ9,11の作動が制御され、また、照明側制御部17を介してチャート板3および被検レンズ4の作動が制御されるとともに、軸上用および軸外用受光センサー13,14からの検出信号が処理される。
The receiving
図3は、被検レンズ4の制御機構を示しており、この被検レンズ4の作動を制御する制御手段41と、測距手段42及び測光手段43と、この被検レンズ4を構成するレンズ群を光軸方向に移動させるモーター機構45と、このモーター機構45を駆動させるレンズ位置駆動手段44と、絞り機構47と、この絞り機構47を駆動させる露光調節手段46とから構成されている。制御手段41は、測距手段42からの距離情報を元にレンズ位置駆動手段44を制御してモーター機構45を作動させることによりオートフォーカスを行うとともに、測光手段43からの照度情報を元に露光調節手段46を制御して絞り機構47の開度の調節を行うように構成されている。本実施例では、外部とのインタフェースを介して照明部5の照明側制御部17とこの制御手段41とが電気的に接続されており、制御装置16から送信される制御信号(レンズ位置制御情報及び絞り開度制御情報)を元にモーター機構45及び絞り機構47の作動が制御され、測定が行われるように構成されている。
FIG. 3 shows a control mechanism of the
この検査装置1における被検レンズ4の測定においては、予め被検レンズ4の理想的なレンズデータを用いて、像面から物体面までを光線追跡してその撮影距離と実際の物体高を求めておく。制御装置16は、検査装置1のチャート板3と軸上用及び軸外用受光センサー13,14の距離を、測定駆動部15の作動を制御して測定部6を機械軸7に沿って移動させることにより、計算上の撮影距離と一致させる。
In the measurement of the
ここで、上述のような被検レンズ4を照明部5にセットすると、その被検レンズ4に透過偏芯がある場合は、スリット像が大ステージ9の測定側の原点からずれた所に形成される。このような場合、大ステージ9を測定面内で縦方向と横方向に作動させてセンタースリット像を走査し、軸上用受光センサー13の縦ラインセンサー13a及び横ラインセンサー13b(あるいは、エリアセンサー)からの検出信号を制御装置16で処理してチャート板3の軸上像の像位置を検出する。この像位置の検出方法としては、例えば、点像あるいは線像の重心又は一番出力の高い画素の座標を像の位置として検出する。このとき、被検レンズ4の透過偏芯誤差が大きい場合、1組のラインセンサー13a,13b(軸上用受光センサー13)からチャート像が完全に外れてしまう場合がある。よって、大ステージ9を作動させて走査する手順を予め制御装置16に設定しておく必要がある。例えば、大ステージ9が、ある矩形の範囲を外側から内側に向かって渦巻き状に作動させることにより、効率的に走査するように構成すると、走査する時間を節約できる。制御装置16は、走査した後、軸上用受光センサー13(ラインセンサー13a,13bの各々)の中心(或いはエリアセンサーの中心)に軸上検査用チャートの像が位置するように大ステージ9を移動させ、その位置を原点として記憶し、センタリングを終了する(この原点が、上述の測定側の原点に一致する)。
Here, when the
また、制御装置16は、小ステージ11についても、大ステージ9の対角線方向に作動させて、上述の軸上用受光センサー13と同様に、軸外用受光センサー14の検出値から軸外像が軸外用受光センサー14の中心に位置するようにこの小ステージ11を作動させる。なお、小ステージ11については、図2に示すように矩形状の大ステージ9の対角線方向(斜め45°)に作動させる構成だけでなく、上下方向と左右方向の2軸で作動させるように構成することも可能である。
The
この検査装置1による被検レンズ4の検査は、制御装置16から制御信号を照明側制御部17に送信し、チャート板3を光軸(機械軸7)に対して所定の移動量だけ前後させて(例えば、0.1mm刻みで、最良像面となる位置を基準に±1.0mm程度)デフォーカスし、最良像面とその前後の領域を軸上用および軸外用受光センサー13、14で測定し、チャート板3のチャート像のコントラストと位相の変化を空間周波数の関数として算出することにより、この測定値からOTF,MTFを算出する。このとき、この検査装置1においては、軸上像と軸外像は同時に検出することができるので、短時間で被検レンズ4の光学特性(OTM,MTF)を検査することができる。
In the inspection of the
ところで、以上のような検査装置1を用いて被検レンズ4のほぼ正確なOTF値を確保するためには、線像強度分布あるいは点像強度分布を取り込む際にセンサー(軸上用若しくは軸外用受光センサー13,14)の蓄積時間を調節し出力が所定の値以上であることが望ましい。例えば、出力が12ビットのセンサーを用いる場合は、8ビット以上の出力であることが望ましい。しかしながら、図4に示すようにデフォーカスで得られる強度分布は、最良像面付近で得られる強度分布より光軸上に遠く離れれば離れる程サンサーの出力が低くなる。OTF,MTF値の精度の為にはデフォーカスして取り込む強度分布毎に所定の強度以上の出力が確保できるように最適な蓄積時間を決定すれば良いが、強度分布を取り込み、この出力から蓄積時間を求める過程に時間がかかり量産検査には向かないことになる。なお、予め被検レンズ4の光学系の明るさの情報、例えばFナンバーを用いて蓄積時間を求める方法がある。しかしながら、光学系の明るさを照度として考えたとき、個々のレンズの収差あるいは組み立て調整の出来により強度分布の広がりは変化し当然照度は変わってくる。ゆえに設計値上ではFナンバーが同じであっても焦点距離によって強度分布の広がりは異なり、さらに製造誤差により同じ種類のレンズでも各々強度分布が異なり、最適な蓄積時間は一義的に決められない。
By the way, in order to ensure an almost accurate OTF value of the
以上より、センサーの最適な蓄積時間は一度ある蓄積時間で強度分布を取り込んだ結果から判断しないとわからない。そこで、本実施例においては、最良像面を含む領域において、短い蓄積時間で各デフォーカスポイントの強度分布を取り込み、その出力の高いデフォーカスポイントの出力から測定時の蓄積時間を算出するように構成されている。 From the above, the optimum accumulation time of the sensor cannot be determined unless it is judged from the result of taking the intensity distribution once in a certain accumulation time. Therefore, in this embodiment, in the region including the best image plane, the intensity distribution of each defocus point is captured in a short accumulation time, and the accumulation time at the time of measurement is calculated from the output of the defocus point having a high output. It is configured.
以下、測定のための蓄積時間の算出方法について図5を合わせて用いて説明する。蓄積時間tsで取得した強度分布のある画素の出力をWsとすると、所定の強度以上の出力Wtを確保するための蓄積時間tuは次式(1)で求められる。なお、この処理は軸上用及び軸外用受光センサー13,14の蓄積時間を決定するものであるため、被検レンズ4の光学性能を測定するためのすべての領域に対してデフォーカスする必要はなく、最良像面を含む限定された範囲で実施されれば良い(例えば、上述のように±1.0mm移動して測定するときには、±0.5mmの範囲とすることができる)。また、蓄積時間の算出のための強度分布の測定は、軸上用受光センサー13の検出結果が用いられる。
Hereinafter, a method for calculating the accumulation time for measurement will be described with reference to FIG. Assuming that the output of a pixel having an intensity distribution acquired at the accumulation time ts is Ws, the accumulation time tu for securing an output Wt of a predetermined intensity or higher is obtained by the following equation (1). Since this process determines the accumulation time of the on-axis and off-axis
次にアパーチャーを絞ったときであるが、開放からn段絞った場合の蓄積時間tu′は、次式(2)で求められる。 Next, when the aperture is narrowed, the accumulation time tu ′ when the aperture is narrowed by n stages is obtained by the following equation (2).
この場合、実際にフルスキャンして蓄積時間を求めるのではなく、上述の式(1)で求めた開放時の最良像面のOTF,MTFの算出のために最適な蓄積時間tuより、式(2)を用いてtu′を設定するのが望ましい。さらに測定時間を短縮するには絞った時の蓄積時間tu′を開放時の蓄積時間tuと同じとして測定することが望ましい。暗電流や外乱の影響で低い空間周波数のOTF,MTF値が高めになるが、一般に絞ったときの光学特性で合否判定をする事は少なく、絞ったときの最良像面位置は暗電流や外乱からの影響は大きくないからである。 In this case, the accumulation time is not actually obtained by performing a full scan, but the equation (1) is calculated from the optimum accumulation time tu for calculating the OTF and MTF of the best image plane at the time of opening obtained by the above equation (1). It is desirable to set tu ′ using 2). Further, in order to shorten the measurement time, it is desirable to measure with the accumulation time tu 'when narrowed down being the same as the accumulation time tu when open. Although the OTF and MTF values at low spatial frequencies increase due to the influence of dark current and disturbance, it is generally rare to make a pass / fail judgment based on the optical characteristics when the aperture is stopped, and the best image plane position when the aperture is reduced is dark current or disturbance This is because the influence from is not great.
それでは、このような検査装置1を用いて被検レンズ4の光学特性(OTF,MTF)と、アパーチャーの開放及び絞ったときの最良像面の位置を測定する方法について図6及び図7を用いて説明する。まず、軸上用及び軸外用受光センサー13,14の蓄積時間を決定するために、最良像面を含む領域において、短い蓄積時間で各デフォーカスポイントの強度分布をスキャンして軸上用受光センサー13から取り込む(ステップS100)。そして、その出力の高いデフォーカスポイントの測定結果から、上述の式(1)、(2)を用いて蓄積時間を算出する(ステップS110)。次に、制御装置16から照明側制御部17に制御信号を送信し、被検レンズ4のアパーチャーを開放状態にし(ステップS120)、照明側制御部17を介してチャート板3を光軸(機械軸7)に対して所定の移動量だけ前後させてデフォーカスし、上述の蓄積時間tuにより最良像面とその前後の領域のチャート像の強度分布を取得する(ステップS130)。さらに、制御装置16から制御信号を照明側制御部17送信して被検レンズ4のアパーチャーを例えばFナンバー5.6あるいはFナンバー8程度に絞り(ステップS140)、同様に照明側制御部17を介してチャート板3を機械軸7に対して所定の移動量だけ前後させてデフォーカスし、上述の蓄積時間tu′により最良像面とその前後の領域のチャート像の強度分布を取得する(ステップS150)。なお、アパーチャーの制御をメカ機構で行うレンズの場合は装置側にカメラが有しているメカ機構と同等のものを持たせればよい。
6 and 7 show a method for measuring the optical characteristics (OTF, MTF) of the
以上のようにして、被検レンズ4のアパーチャーが開放したときと絞り込んだときとの2種類のチャート像の強度分布を取得し、これらの強度分布をフーリエ変換し特定の低い空間周波数、例えば10[lp/mm]のOTF,MTFを算出する(ステップS160)。この場合、上述のステップS130及びS150において、同ピッチでデフォーカスを行いチャート像の強度分布を取り込むことが好ましい。なお、解放時と絞り込んだ時の最良像面の位置の差は、MTF値から求められる。すなわち、10[lp/mm]のMTF値のピーク値からベスト像面位置を算出する。なお、MTFピーク値は最も高いデフォーカスポイントからその付近のデフォーカスポイント数点をスプラインで補間し求めるとよい。または最小二乗法でフィッテングして求めてもよい。図7に示すように、開放時のベスト像面の光軸上の位置をd0、絞ったときのベスト像面の光軸上の位置をd′とするならば最良像面の変動はd0−d′として求められ、制御装置16は、この値を被検レンズ4と通信してレンズのメモリ内に書き込む。メモリ内には複数の撮影距離に対してのフォーカス群を光軸方向に動かす駆動量の設計値を書き込みそこにd0−d′を付加する事で合焦が正確となる。
As described above, the intensity distributions of two types of chart images, when the aperture of the
以上説明したように、本実施例に示す検査装置1によれば、被検レンズ4のアパーチャーが開放されたときの光学特性(OTF,MTF値)だけでなく、このアパーチャーを絞ったときの光学特性を検出することができる。さらに、これらの光学特性(特にMTF値)を用いて、アパーチャーの開放時と絞ったときの最良像面の光軸上の位置の差を正確に測定することができる。
As described above, according to the
また、この検査装置1によれば、チャート板3の軸上像及び軸外像を同時に検出することができるため、短い測定時間で精度良く複数画角の光学特性(OTF,MTF)を同時に測定することが可能となり、量産検査等に使用することができる。また、透過偏芯の比較的大きな写真レンズのような光学特性を、機械軸7を基準として規定した像高の光学性能により評価することが可能となる。さらに、軸外用受光センサー14を軸上用受光センサー13と独立して作動可能とすることで、検査装置1に高い汎用性を持たせることができる。
Further, according to the
さらに、これまでの拡大投影型の検査装置では、チャート板3および被検レンズ4への振動などの外乱も拡大されてしまうため外乱に弱いという欠点があったが、本実施例に係る検査装置1では、チャート板3と被検レンズ4間の装置1のシフト機構が省略できるため、外乱に強い装置構造を取ることが可能となる。
Furthermore, in the conventional magnifying projection type inspection apparatuses, disturbances such as vibrations on the
なお、以上の実施例においては、軸上用受光センサー13と軸外用受光センサー14とを設け、チャート板3の軸上像と軸外像とを同時に測定可能に構成した検査装置1を用いた場合について説明したが、本発明がこの構成に限定されることはなく、例えば、軸上像だけを検出するように構成されていても同様の効果を得ることができる。
In the above embodiment, the
1 検査装置(検査システム) 2 光源 3 チャート板 4 被検レンズ
13 軸上用受光センサー(撮像素子) 14 軸外用受光センサー(撮像素子)
16 制御装置
DESCRIPTION OF
16 Control device
Claims (4)
光源から出射して前記チャートを通過した光線を被検レンズにより結像させた像として検出する撮像素子と、
前記被検レンズのアパーチャーの作動を制御するとともに、前記撮像素子で検出された前記像の強度分布から前記被検レンズの光学特性を算出する制御装置とを有し、
前記制御装置が、
前記被検レンズの前記アパーチャーを開放された状態に制御して、前記被検レンズによる前記像の強度分布を取得する第1のステップ、
前記被検レンズの前記アパーチャーを絞った状態に制御して、前記被検レンズによる前記像の強度分布を取得する第2のステップ、
前記アパーチャーが開放されたとき、および、前記アパーチャーが絞られたときの前記強度分布のそれぞれからMTF値を求める第3のステップ、および、
前記MTF値から前記アパーチャーが開放されたとき、および、前記アパーチャーが絞られたときの最良像面の位置の差を求める第4のステップ
から構成される検査システム。 A chart board on which a chart is formed;
An image sensor that detects a light beam emitted from a light source and passed through the chart as an image formed by a test lens;
A control device that controls the operation of the aperture of the test lens and calculates the optical characteristics of the test lens from the intensity distribution of the image detected by the imaging device;
The control device is
A first step of controlling the aperture of the lens to be opened to obtain an intensity distribution of the image by the lens;
A second step of obtaining an intensity distribution of the image by the test lens by controlling the aperture of the test lens to be in a narrowed state;
A third step of determining an MTF value from each of the intensity distributions when the aperture is opened and when the aperture is throttled; and
An inspection system comprising a fourth step of obtaining a difference in position of the best image plane when the aperture is released from the MTF value and when the aperture is reduced.
前記第1および第2のステップで、前記被検レンズによる前記像の強度分布を取得する前に、前記アパーチャーが開放された状態で、前記像の強度分布を測定して、前記撮像素子から所定以上の強度を得るための前記撮像素子における前記アパーチャーが開放されているときの蓄積時間を算出するステップを有して構成された請求項1に記載の検査システム。 The control device is
In the first and second steps, before acquiring the intensity distribution of the image by the lens to be examined, the intensity distribution of the image is measured in a state where the aperture is opened, The inspection system according to claim 1, further comprising a step of calculating an accumulation time when the aperture in the image sensor for obtaining the above intensity is opened.
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