JP2009029657A - アルカリ土壌用植物用鉄供給剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】水溶液状態で高いFe2+イオン濃度を有し、Fe2+イオンの酸化が抑制されるアルカリ土壌用植物用鉄供給剤を提供する。
【解決手段】本発明のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤は、クロロゲン酸、タンニン酸及びカフェイン酸のうちの1種の有機酸成分と、硫酸鉄とが溶解されている水溶液からなる。また、有機酸成分がクロロゲン酸であり、硫酸鉄の質量(a)とクロロゲン酸の質量(b)との比(a/b)が0.2以下である場合、有機酸成分がタンニン酸であり、硫酸鉄の質量(a)とタンニン酸の質量(b)との比(a/b)が0.4以下である場合、及び有機酸成分がカフェイン酸であり、硫酸鉄の質量(a)とカフェイン酸の質量(b)との比(a/b)が0.5以下である場合は、Fe2+イオンの維持率がより高く、育成植物にアルカリ性環境下でより確実にFe成分を供給することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルカリ土壌用植物用鉄供給剤に関する。更に詳しくは、本発明は、アルカリ性環境下でも水溶液状態で高いFe2+イオン濃度を有し、且つFe2+イオンの酸化が抑制されるアルカリ土壌用植物用鉄供給剤に関する。
鉄は植物にとって微量必須元素であり、欠乏すると、葉が黄白化する、及び蛋白質の合成反応が損なわれる等の特有の症状を生じることが知られている。また、鉄はイオン化された状態で取り込まれる。しかし、アルカリ性環境下では、Feイオンの酸化が大きく加速される。加えて、アルカリ性環境下では、Feイオンのほとんどが、いわゆる水酸化鉄となって沈殿してしまう。そのため、Feイオンをアルカリ性環境下でイオン状態で長期間保持することは極めて困難である。
この植物に対して鉄を供給する組成物として、(1)鉄粉や転炉滓、水酸化鉄などの使用が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。更に、(2)硫酸鉄及び硝酸鉄等の水溶性無機鉄塩を用いる方法、並びに(3)エチレンジアミン四酢酸(以下、単に「EDTA」という。)等による鉄錯体を用いる方法等が知られている。
特開平8−277183号公報
しかし、上記(1)の特許文献1に記載の鉄含有組成物から溶出される鉄分、及び上記(2)の方法で得られる鉄分は、酸性環境下では機能するとしても、アルカリ性環境下では、いわゆる水酸化鉄となって沈殿してしまい、植物が取り込める状況を作り出すことは極めて困難である。
一方、上記(3)の方法において用いられるEDTA等の、特に窒素原子及び/又は硫黄原子を有する強いキレート化剤の多くは、Feに対するよりも高い錯体安定性が発揮される多くの金属原子が存在するため、土壌中の重金属等を固定して土壌汚染を引き起こすこと、及び地下水に溶け込んで水汚染を引き起こすこと、等が危惧される。
本発明は、上記の従来の問題を解決するものであり、アルカリ性環境下でも高いFeイオン濃度を保持することができ、且つFe2+イオンの酸化が抑制されるアルカリ土壌用植物用鉄供給剤(以下、「植物用鉄供給剤」ということもある。)を提供することを目的とする。
本発明者等は、アルカリ土壌で育成される植物の鉄分不足を解消するアルカリ土壌用植物用鉄供給剤について検討した。
Feイオンはアルカリ性環境下では水酸化鉄(III)となって沈殿してしまい、イオン状態を保持することは困難である。特に一般的なアルカリ土壌の水素イオン指数(以下、pHという。)であるpH7.5〜9.5の範囲ではFeイオンはそのほぼ全量が沈殿してしまう。
また、アルカリ土壌を擁する地域では、土壌のみでなく使用される農業用水等もアルカリ性であり、例えば、各種の鉄供給剤を散布液とするために農業用水等と接触させると、たちまち橙色懸濁状態を呈し、鉄イオンの多くが水酸化物等の沈殿物となって失われてしまう。このように、実際のアルカリ土壌地域においては、植物の光合成に大きく貢献するFe成分を植物体に吸収させるまでに多くの困難を伴い、Feをイオン状態で植物体に十分に供給させるには至っていないのが現状である。
本発明者等は、各種の有機酸等と各種の鉄源とを組み合わせた植物用鉄供給剤を検討するなかで、特定の組み合わせにおいてアルカリ性環境下でも高いFeイオン濃度を維持することができ、且つFe2+イオンの酸化が抑制される場合があることを知見し、本発明を完成させるに至った。
本発明は以下のとおりである。
1.クロロゲン酸、タンニン酸及びカフェイン酸のうちの1種の有機酸成分と、硫酸鉄とが溶解されている水溶液からなることを特徴とするアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
2.上記有機酸成分がクロロゲン酸であり、上記硫酸鉄の質量(a)と該クロロゲン酸の質量(b)との比(a/b)が0.2以下である上記1.に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
3.上記有機酸成分がタンニン酸であり、上記硫酸鉄の質量(a)と該タンニン酸の質量(b)との比(a/b)が0.4以下である上記1.に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
4.上記有機酸成分がカフェイン酸であり、上記硫酸鉄の質量(a)と該カフェイン酸の質量(b)との比(a/b)が0.5以下である上記1.に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
各種の有機酸成分と硫酸鉄とが溶解されている水溶液からなる本発明のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤によれば、特に有機酸成分と硫酸鉄との使用割合を適切に調整することにより、高いpH環境下、即ち、アルカリ性環境下でもFe成分をイオン状態に保持することができる。そのため、アルカリ性環境下でも育成植物にFe成分を十分に供給することができる。また、前記の各種の有機酸を使用しているため、環境負荷がなく、使用上安全であり、その結果、アルカリ性環境下で育成植物に対して確実にFe成分を供給することができる。
特に、有機酸成分がクロロゲン酸であり、硫酸鉄の質量(a)とクロロゲン酸の質量(b)との比(a/b)が0.2以下である場合、有機酸成分がタンニン酸であり、硫酸鉄の質量(a)とタンニン酸の質量(b)との比(a/b)が0.4以下である場合、及び有機酸成分がカフェイン酸であり、硫酸鉄の質量(a)とカフェイン酸の質量(b)との比(a/b)が0.5以下である場合は、Fe2+イオンの維持率がより高く、育成植物にアルカリ性環境下でより確実にFe成分を供給することができる。
上記質量比で有機酸成分と硫酸鉄とを混合した場合、水溶液を水溶液Xとし、水溶液XのFeイオン濃度をD(mg/リットル)とし、水溶液Xに水酸化ナトリウムを添加してpHが9.0である水溶液Yを調製し、水溶液YのFeイオン濃度をD(mg/リットル)としたときに、D/Dを0.6以上とすることができ、育成植物にアルカリ性環境下でFe成分をより十分に供給することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤は、クロロゲン酸、タンニン酸及びカフェイン酸のうちの1種の有機酸成分と、硫酸鉄とが溶解されている水溶液からなることを特徴とする。
本発明の植物用鉄供給剤はアルカリ土壌において使用される。このアルカリ土壌とは、風燥した土壌10gに蒸留水25ミリリットルを加えて1時間振とうし、得られた懸濁液のpHを測定した場合に、そのpHが7を越える土壌のことをいう。また、このアルカリ土壌には、本来的なアルカリ土壌及び非アルカリ土壌が後天的に、例えば、施肥、砂漠化等によりアルカリ化してなるアルカリ土壌が含まれる。上記の本来的なアルカリ土壌としては、貝化石土壌、石灰質土壌、珊瑚質土壌等の各種の石灰質成分が含まれる土壌が挙げられる。これらの石灰質成分は1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。更に、これらの各種の石灰質成分が含まれるアルカリ土壌と、非アルカリ土壌との混合土壌であって、全体としてアルカリ土壌である土壌も含まれる。
上記「有機酸成分」は、クロロゲン酸、タンニン酸、カフェイン酸のうちの1種である。クロロゲン酸、タンニン酸及びカフェイン酸はいずれもヒドロキシル基を有する有機酸であり、これらのうちのいずれを用いてもよい。
上記「水溶液」は、有機酸成分と硫酸鉄とが水に溶解されて得られた水溶液である。
硫酸鉄が水に溶解して生成した鉄イオンは、アルカリ性環境下では、前記のように、Fe3+イオンであるときは水酸化鉄となって沈殿してしまい、Fe2+イオンであるときは酸化されてFe3+イオンとなり、同様に水酸化鉄となって沈殿してしまう。そのため、植物が鉄分を取り込むことができない。一方、本発明の植物用鉄供給剤では、特定の有機酸成分が溶解されているため、錯塩の形成等により、鉄がイオン状態で維持され、植物が取り込むことができる。
水に溶解させる有機酸成分と硫酸鉄との質量比は、上記のようにアルカリ性環境下で鉄を高い割合でイオン状態に保持させるためには特定の質量比とすることが好ましい。有機酸成分がクロロゲン酸である場合、硫酸鉄の質量(a)とクロロゲン酸の質量(b)との比(a/b)は0.2以下であることが好ましい。この比は0.05〜0.2であることがより好ましい。また、有機酸成分がタンニン酸である場合、硫酸鉄の質量(a)とタンニン酸の質量(b)との比(a/b)は0.4以下であることが好ましい。この比は0.05〜0.4、特に0.05〜0.35であることがより好ましい。更に、有機酸成分がカフェイン酸である場合、硫酸鉄の質量(a)とカフェイン酸の質量(b)との比(a/b)は0.5以下であることが好ましい。この比は0.05〜0.5、特に0.05〜0.35であることがより好ましい。硫酸鉄と各々の有機酸との質量比が上記の範囲内であれば、アルカリ性環境下でも鉄を高い割合でイオン状態に保持させることができ、所要量の鉄分を植物により安定して供給することができる。

上記質量比で前記した有機酸成分と硫酸鉄とを溶解させることにより、本発明の植物用鉄供給剤では、水溶液を水溶液Xとし、水溶液XのFeイオン濃度をD(mg/リットル)とし、水溶液Xに水酸化ナトリウムを添加してpHが9.0である水溶液Yを調製し、水溶液YのFeイオン濃度をD(mg/リットル)とした場合に、D/Dを0.6以上とすることができる。このように、アルカリ性環境下でも鉄が高い割合でイオン状態に保持され、Fe成分を植物に十分に供給することができる。また、水に溶解させる有機酸成分と硫酸鉄との合計のうちの硫酸鉄の質量割合を低くすると、Feイオンの絶対量は減少するものの、より高い割合で鉄をイオン状態に保持することができ、D/Dを0.7以上とすることができ、0.8以上とすることもできる。鉄は植物にとって必須元素ではあるが、微量でよいため、上記のようにイオン状態での保持率を高くすることにより、植物に所要量のFe成分を十分に供給することができる。特にタンニン酸及びカフェイン酸では、硫酸鉄の質量比が0.4以下になると、鉄がイオン状態で保持される割合が急激に高くなり、所要量の鉄分を植物に安定して供給することができる。
本発明の植物用鉄供給剤では、Fe2+イオン濃度は、例えば、文献[土壌養分分析法(発行所;株式会社養賢堂)、300〜301頁]に記載のジピリジルによる比色定量法(以下、ジピリジル法という。)により測定することができる。
有機酸成分粉末及び硫酸鉄粉末の各々の粉末粒子の形状及び粒径等は特に限定されない。更に、水も特に限定されず、種々の水を用いることができる。例えば、純水及びイオン交換水等の高度に精製された水であってもよく、水道水、工業用水、農業用水及び地下水等であってもよい。
有機酸成分粉末と硫酸鉄粉末とは、前記の有機酸成分と硫酸鉄との質量比と同様の質量比とすることが好ましい。また、有機酸成分粉末と、硫酸鉄粉末と、水の各々の使用量は特に限定されない。
本発明の植物用鉄供給剤の使用方法も特に限定されない。例えば、土壌に散布する、土壌に散布した後、混合する、対象植物の根元等へ灌水する、対象植物の葉面に散布する、水耕栽培用の栽培液に配合して使用し、この栽培液に対象植物の根を浸漬する等の使用方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
[1]Feイオン維持率の評価
以下のようにして、有機酸と硫酸鉄とが溶解され、且つそれらの質量比が異なる水溶液を調製した。
(1)1、2、3及び6mgの硫酸第一鉄(FeSO・7HO)を精秤し、容量100ミリリットルのビーカーに投入し、これに100ミリリットルの蒸留水を加えて溶解させた。
(2)6mgのクロロゲン酸を精秤し、上記(1)の水溶液に投入して溶解させた。
(3)容量1000ミリリットルのビーカーに800ミリリットルの蒸留水を投入し、水酸化ナトリウムによりpHを7.0に調整した。
(4)上記(3)のpHが調整された蒸留水に、上記(2)の水溶液を加え、更に100ミリリットルの蒸留水を加えて全量を1000ミリリットルとした。
(5)上記(4)の水溶液のpHを硫酸により4.5に調整し、また、水酸化ナトリウムにより9.0に調整した。
(6)上記(5)のpH調整から1時間経過後、上記(5)のクロロゲン酸と硫酸第一鉄との質量比及びpHの異なる8種類の水溶液を孔径0.45μmのメンブランフィルタによりろ過し、ジピリジル法により含有されるFe2+イオン量を測定した。
タンニン酸及びカフェイン酸についても上記(1)〜(5)と同様にしてpHが調整された水溶液を調製し、上記(6)と同様にしてFe2+イオン量を測定した。
クロロゲン酸、タンニン酸及びカフェイン酸を用いた場合の、Fe2+イオン量に基づいて算出したpHが4.5から9.0に上昇したときの各々のFe2+イオンの保持率を表1に示す。また、クロロゲン酸、タンニン酸及びカフェイン酸を用いたときの結果を、それぞれ図1〜3に示す。
保持率(%)=(pHが9.0のときの有機酸と硫酸第一鉄との質量比が1.0、0.5、0.33又は0.17であるときのFe2+イオン量/pHが4.5のときの有機酸と硫酸第一鉄との質量比が1.0、0.5、0.33又は0.17であるときのFe2+イオン量)×100
尚、図1〜3において、「Fe/CHLR」は硫酸第一鉄とクロロゲン酸との質量比、「Fe/TNN」は硫酸第一鉄とタンニン酸との質量比、「Fe/CAF」は硫酸第一鉄とカフェイン酸との質量比の意味である。
表1及び図1のクロロゲン酸の場合、硫酸第一鉄とクロロゲン酸との質量比が1.0であるときは、保持率が39%であるが、質量比が0.33であるときは保持率は53%と十分に高く、質量比が0.17であるときは62%とより高くなっており、クロロゲン酸では質量比が0.2以下であれば、保持率60%以上を確保可能であることが分かる。また、表1及び図2、3によれば、タンニン酸では質量比が0.4以下、カフェイン酸では質量比が0.5以下であれば、保持率60%以上を確保可能であることが分かる。
[2]イネの育成
(1)水耕液の調製
1000ミリリットルの蒸留水に、Ca(NO・4HOを2000μM、MgSO・7HOを500μM、KSOを700μM、KClを100μM、及びKHPOを100μM溶解させ、この水溶液のpHを水酸化ナトリウムにより6.0に調整して予備水耕液を調製した。その後、容量50ミリリットルのメスフラスコに、前記[1]、(1)〜(4)で調製した有機酸と硫酸第一鉄とを含有する水溶液1ミリリットルを投入し、これに更に上記の予備水耕液99ミリリットルを加えて水耕液を調製した。
イネの栽培
容量60ミリリットルの容器に、2.0gの綿と50ミリリットルの上記(1)で調製した水耕液、及び比較のため同量の綿と上記の予備水耕液50ミリリットル、とを投入した栽培容器を準備した。その後、芽だししたイネ(Oriza Sativa cv Nerica 1)の種を綿の上に乗せ、容器に半透明の蓋をした。これを30℃に調温されたガラス室に静置し、3日間経過後、温度を25℃に変更し、比較のための苗の草丈が約5cmになったときに蓋を外し、ガラス室から容器を取り出し、苗の成長の様子を観察した。
クロロゲン酸を用いた水耕液の場合の結果を、比較のための予備水耕液のみの場合の結果とともに図4に示す。また、同様に、タンニン酸の場合の結果を図5に、カフェイン酸の場合の結果を図6に示す。
図4〜6によれば、有機酸の種類によらず、いずれの場合も予備水耕液のみを用いたときに比べて苗がより大きく成長しており、本発明の植物用鉄供給剤の植物育成の作用効果が裏付けられている。
尚、本発明では、上記の実施例の記載に限られず、本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、水に有機酸成分と硫酸鉄とを溶解させた水溶液から水を除去して固形物(粉末)とし、この固形物の状態で貯蔵又は搬送し、使用時、この固形物を再び水に溶解して水溶液とし、植物用鉄供給剤として使用することもできる。この場合、使用する水量は有機酸成分と硫酸鉄との合計と水との質量比が前記の範囲となるようにすることが好ましい。
本発明のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤は、農林分野の広範な用途において使用することができる。例えば、アルカリ土壌における、農産物の生産、水耕栽培、園芸植物の生産、公園及びゴルフ場等の植生の保持、森林保持等に幅広く利用することができる。
クロロゲン酸と硫酸第一鉄との質量比と、Fe2+イオンの保持率との相関を表すグラフである。 タンニン酸と硫酸第一鉄との質量比と、Fe2+イオンの保持率との相関を表すグラフである。 カフェイン酸と硫酸第一鉄との質量比と、Fe2+イオンの保持率との相関を表すグラフである。 クロロゲン酸と硫酸第一鉄とを用いて製造した植物用鉄供給剤を使用してイネを育成したときの育成状況を、植物用鉄供給剤を使用しなかったときと比較した説明図である。 タンニン酸と硫酸第一鉄とを用いて製造した植物用鉄供給剤を使用してイネを育成したときの育成状況を、植物用鉄供給剤を使用しなかったときと比較した説明図である。 カフェイン酸と硫酸第一鉄とを用いて製造した植物用鉄供給剤を使用してイネを育成したときの育成状況を、植物用鉄供給剤を使用しなかったときと比較した説明図である。

Claims (4)

  1. クロロゲン酸、タンニン酸及びカフェイン酸のうちの1種の有機酸成分と、硫酸鉄とが溶解されている水溶液からなることを特徴とするアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
  2. 上記有機酸成分がクロロゲン酸であり、上記硫酸鉄の質量(a)と該クロロゲン酸の質量(b)との比(a/b)が0.2以下である請求項1に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
  3. 上記有機酸成分がタンニン酸であり、上記硫酸鉄の質量(a)と該タンニン酸の質量(b)との比(a/b)が0.4以下である請求項1に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
  4. 上記有機酸成分がカフェイン酸であり、上記硫酸鉄の質量(a)と該カフェイン酸の質量(b)との比(a/b)が0.5以下である請求項1に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
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