JP2009023291A - トラックアジテータのドラムの洗浄水の回収方法およびドラム - Google Patents

トラックアジテータのドラムの洗浄水の回収方法およびドラム Download PDF

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Abstract

【課題】モルタルが付着したトラックアジテータのドラムを希釈溶液で洗浄して、その後分離される上澄水のみを回収する洗浄水の回収方法を提供する。
【解決手段】トラックアジテータのドラム(3)の鏡板(8)に上澄排水口(7)を設ける。ドラム(3)を安定剤入りの希釈溶液で洗浄して、上澄水(U)とスラッジ状のモルタル(T)とに重力により分離する。上澄排出口(7)を開いて回収ホースを接続する。ドラム(3)を所定量だけ回転して、上澄排水口(7)をスラッジ状のモルタル(T)よりも上方の、上澄水(U)中の所定の排水位置に位置させる。そして、上澄排水口(7)から所定量の上澄水(U)を回収する。
【選択図】図2

Description

本発明は、トラックアジテータのドラムの内部をセメント成分の凝固を遅延させる安定剤入りの希釈溶液で洗浄し、所定時間経過後に上澄水とスラッジ状のモルタルとに分離される、前記上澄水を回収する方法およびトラックアジテータのドラムに関するものである。
計量された所定量のセメント、砂、砂利等からなるコンクリート、同様に所定量のセメントと砂とからなるモルタル、等のセメント製品は、一般に所定箇所に設けられているバッチャープラントにおいて製造されている。このようなバッチャープラントにおいて製造される、いわゆるレディーミクストコンクリートは、トラックアジテータのドラムに積み込まれて打設現場まで運搬され、そして打設現場においてドラムを逆回転して荷卸される。ところで、全量が荷卸されても、ドラムの内壁やドラム内の羽根等にはモルタルが付着したままとなる。このような、いわゆる付着モルタルを放置すると、ドラム内で固化してドラムや羽根を傷めるので、固化する前にドラム内を水等で洗浄して付着モルタルを除去する必要がある。ところで、洗浄後の水はセメント成分を含んでいるので産業廃棄物にあたり、格別に設けられた洗浄水処理施設等で処理してから廃棄する必要がある。このように実施すると、洗浄水処理施設の建設費や処理費がかかるだけでなく、付着モルタルも無駄になる。また、処理後の排水が環境に与える影響も全く無いとは言えず、近年の自然環境への負荷低減の流れにも逆行する。
JIS A 5308 および 付属書4
上記非特許文献1の付属書4には、トラックアジテータの付着モルタルの再利用方法が規定されている。この規定によると、コンクリートの荷卸後、コンクリートの練混から所定時間が経過する前に、モルタルの固化を防ぐ所定量の安定剤入りの希釈溶液をドラム内の羽根等に噴射して付着モルタルを洗い落とし、さらにドラムを高速で回転して付着モルタルをスラリー化し、そしてその後24時間以内にドラムに新たなコンクリートを積み込んで、スラリー化された付着モルタルと混練するようになっている。この規定によると、付着モルタルを無駄に廃棄することなく再利用できる。したがって、この規定通りに実施すると、自然環境を破壊する恐れも無く、また格別に洗浄水処理施設等を設ける必要もない。
ところで、前記非特許文献1の付属書4には、いくつかの制約が規定されている。第1に、積載量10tのトラックアジテータ1台に対して使用できる安定剤入りの希釈溶液は、上限が50Lまでに制限されている。これは、安定剤入りの希釈溶液を大量に使用すると、新たにコンクリートを積み込んでも、混練後のコンクリートの水分量を適切に調整できなくなるからである。しかしながら、ドラム内の羽根に付着したモルタルを洗浄するには、50Lの安定剤入りの希釈溶液では必ずしも十分とは言えず、羽根に直接安定剤入りの希釈溶液を噴射しても、また安定剤入りの希釈溶液を投入後にドラムを高速で回転しても、付着モルタルを完全にスラリー化することは困難である。
また、前記非特許文献の付属書4には、上記の条件で安定剤入りの希釈溶液を使用した場合、新たに積み込むコンクリートは3m以上とするという制約が設けられている。これは、使用される安定剤入りの希釈溶液が、安定剤1Lに対し水道水を49Lの割合で加えると、濃度が高くなるので、新たに積み込むコンクリートが少量の場合、積み込んだ後のコンクリート中に含まれる安定剤の濃度が高くなり、コンクリートの凝結時間や強度等の品質に悪影響を与えるからである。しかしながら、コンクリートの打設現場で必要なコンクリート量が、3m以下の少量の場合には問題となる。
本出願人は、付着モルタルを洗浄するのに十分な量の安定剤入りの希釈溶液を使用でき、かつ新たに積み込むコンクリートの量が少量でも、コンクリートの凝結時間や強度等の品質に悪影響を与えない、付着モルタルの再利用方法を提案している。この方法は、低濃度の安定剤入りの希釈溶液、例えば平均気温が25℃の場合、安定剤1.5Lに対し水道水998.5Lを加えた安定剤入りの希釈溶液1000Lをトラックアジテータのドラムに投入して、付着モルタルをスラリー化する。次いで、スラリー状のモルタルをドラム内で所定時間放置して、固形物がほとんど混合されていない上澄水と、固形物の割合が高い沈殿物、すなわちスラッジ状のモルタルとに分離する。最後に、950Lの上澄水をドラムから回収して、ドラム内に残された50Lのスラッジ状のモルタルに新たなコンクリートを積み込んで混練して、付着モルタルを再利用する方法である。
本出願人が提案している上記付着モルタルの再使用方法によると、ドラムの洗浄に大量の安定剤入りの希釈溶液が使用できるので、ドラムを容易にかつ十分に洗浄できる。そして、最終的に再利用されるスラッジ状のモルタルに含まれる安定剤は絶対量が少ないので、新たに積み込むコンクリートが少量でも問題はない。さらに、回収された上澄水は安定剤入りの希釈溶液として他のトラックアジテータのドラムの洗浄に再利用できるので、安定剤自体の使用量も少なくて済むという、優れた利点も認められる。しかしながら、実施するときにトラックアジテータのドラム内から上澄水を回収するときに問題が生じることがある。上澄水を回収する方法としては、ポンプが取り付けられているホースの先端部、あるいは水中ポンプをドラムの上部の開口端から所定深さに差し込んで、ポンプを駆動して上澄水を吸い上げ、ドラムの外に設けられた希釈溶液槽に回収する方法が考えられる。このように実施すると、ホースあるいはポンプが沈められる位置によっては、上澄水だけでなく、スラッジ状のモルタルも吸い上げてしまう恐れがある。また、ポンプ等が沈められる時に、上澄水が攪拌されてしまい、スラッジ状のモルタルが再び上澄水に混ざってしまう可能性もある。スラッジ状のモルタルが吸い上げられないように、かつ上澄水が攪拌されないように、作業者がドラム内を目視により直接ホースあるいはポンプの投入位置を操作しながら上澄水を回収することもできるが、手間がかかり作業効率も悪く作業コストがかかってしまう。他の方法として、上澄水とスラッジ状のモルタルを区別せずにドラムの外に排出し、ドラムの外部において上澄水のみを分離し、スラッジ状のモルタルをドラム内に戻すこともできる。しかしながら、ドラムの外部に上澄水のみを分離する濾過装置が格別に必要になり、またスラッジ状のモルタルをドラム内に戻す作業も必要とし、実施不可能に近い。
したがって、本発明はトラックアジテータのドラム内で上澄水とスラッジ状のモルタルとに分離される、前記上澄水のみを効率的に回収することができる洗浄水の上澄水の回収方法および上澄水のみを回収することができるトラックアジテータのドラムを提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、トラックアジテータのドラムの壁面の所定位置に上澄排水口が設けられる。望ましくは、ドラムの鏡板の所定位置に設けられる。そして、上澄水を回収するときは、前記上澄排水口を、スラッジ状のモルタルよりも上方の、上澄水中の所定の水位の排水位置に位置させる。すなわち、前記ドラムを所定量だけ回転駆動して位置させる。次いで、前記上澄排水口を開いて所定量の上澄水を排水するように構成される。または、上澄排水口に回収ホースを接続して所定の槽に回収するように構成される。
かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、トラックアジテータのドラムの内部をセメント成分の凝固を遅延させる安定剤入りの希釈溶液で洗浄し、所定時間放置後に上澄水とスラッジ状のモルタルとに分離される、前記上澄水を回収する方法であって、前記ドラムの壁面に設けられている上澄排水口を、分離された前記上澄水の所定の水位の排水位置に位置させ、そして前記上澄水を所定の槽に回収するように構成される。
請求項2に記載の発明は、トラックアジテータのドラムの内部をセメント成分の凝固を遅延させる安定剤入りの希釈溶液で洗浄して、前記ドラムの壁面に設けられている上澄排水口に所定長さの排水ホースを取り付け、そして前記上澄排水口を所定の排水位置に予め位置させてから所定時間放置して上澄水とスラッジ状のモルタルとに分離し、そして分離した上澄水を所定の槽に回収するように構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の回収方法において、前記ドラムの鏡板に設けられている上澄排水口から所定の槽に回収するように、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の回収方法において、前記上澄排水口に回収ホースを接続して所定の槽に回収するように構成される。
請求項5に記載の発明は、一方が開放され、他方が鏡板で閉鎖されているドラムが所定方向に回転駆動されるようになっているトラックアジテータであって、前記ドラムの壁面又は鏡板の所定位置には、該ドラム内でスラッジ状のモルタルから分離される上澄水を前記ドラムの外部へ排水するようになっている上澄排水口が設けられ、該上澄排水口は必要に応じて閉鎖あるいは開放されるように構成され、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のトラックアジテータにおいて、前記上澄排水口には上澄回収用の回収ホースが接続されるように構成される。
以上のように、本発明によると、トラックアジテータのドラムの内部をセメント成分の凝固を遅延させる安定剤入りの希釈溶液で洗浄し、所定時間放置後に上澄水とスラッジ状のモルタルとに分離される、前記上澄水を回収する方法であって、前記ドラムの壁面又は鏡板に設けられている上澄排水口を、分離された前記上澄水の所定の水位の排水位置に位置させ、そして前記上澄水を所定の槽に回収するので、すなわちドラムを回転して所定位置にするだけで、上澄水のみを容易に回収できるという本発明に特有の効果が得られる。このとき、前記上澄排水口は、上澄水の所定の水位の排水位置に位置しているので、スラッジ状のモルタルが混入するようなことはない。また、ドラムを所定位置に位置させるだけで、上澄水を回収できるので、作業効率は高く、作業コストもかからない。
また、他の発明によると、トラックアジテータのドラムの内部をセメント成分の凝固を遅延させる安定剤入りの希釈溶液で洗浄して、前記ドラムの壁面または鏡板に設けられている上澄排水口に所定長さの排水ホースを取り付け、そして前記上澄排水口を所定の排水位置に予め位置させてから所定時間放置して上澄水とスラッジ状のモルタルとに分離し、そして分離した上澄水を所定の槽に回収するので、すなわち排水位置に予め位置させてから分離するので、一旦分離された上澄水とモルタルとが混じり合うことがないという効果がさらに得られる。
さらに他の発明によると、トラックアジテータのドラムの壁面又は鏡板に上澄排水口を設けるだけで、既存のドラムにも容易に適用でき、上澄水のみを容易に回収できるトラックアジテータのドラムを安価に提供できる効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図により説明する。本実施の形態に係るトラックアジテータ1も、特に図1の(イ)に示されているように、概略的には従来周知のトラックアジテータと同様に構成されている。すなわち、シャーシ2、その軸心が水平面に対して傾斜して回転自在にシャシー2上に搭載されているドラム3、このドラム3を軸心回りに回転駆動する駆動装置4、ドラム3の上方の開口部近傍に設けられている投入ホッパ5、ドラム3の開口部の下方に設けられ、ドラム3に積み込まれたセメント製品例えばコンクリートが排出される排出シュート6等から構成されている。このように構成されているドラム3の内部には、図には示されていないが、従来周知のように螺旋状の羽根が取り付けられている。したがって、駆動装置4によってドラム3を所定の方向に回転駆動すると、螺旋状の羽根もドラム3と共に駆動され、輸送中のコンクリートは攪拌される。逆方向に回転駆動すると、ドラム3中のコンクリートは排出シュート6ら排出される。
本実施の形態に係るトラックアジテータ1は、従来周知のトラックアジテータと比較して、図1の(ア)に示されているように、ドラム3の所定位置に上澄排水口7が設けられている点で異なっている。上澄排水口7は、図示の実施の形態によると、ドラム3の鏡板8の円周部近傍に明けられた孔から構成され、図には正確に示されていないが、この上澄排水口7には排水口栓9とカップリング装置とが設けられ、通常は排水口栓9で閉鎖され、上澄水を回収するときは後述する回収ホース26がワンタッチで接続されるようになっている。
図1の(イ)には、本発明の実施の形態に係るトラックアジテータと、このトラックアジテータと関連して使用される希釈溶液貯蔵設備20とが模式的に示されている。希釈溶液貯蔵設備20は、セメント成分の凝固を遅延させる希釈溶液、すなわち安定剤入りの希釈溶液を貯蔵する設備であり、本発明の実施の形態に係るトラックアジテータのドラム内から回収される上澄水を安定剤入りの希釈溶液として貯蔵したり、トラックアジテータのドラムに安定剤入りの希釈溶液を供給したりする設備である。
希釈溶液貯蔵設備20は、安定剤入りの希釈溶液を貯蔵する希釈溶液槽21、回収した上澄水を希釈溶液槽21に送る希釈溶液回収装置25、希釈溶液槽21に貯蔵されている安定剤入りの希釈溶液をトラックアジテータのドラム3に供給する希釈溶液供給装置35、各種のポンプ、流量計などを操作する操作盤40等から構成されている。安定剤供給槽23には、従来周知の安定剤が貯蔵され、この安定剤は必要に応じて安定剤注入管22を介して希釈溶液槽21に供給されるようになっている。
希釈溶液回収装置25は、トラックアジテータ1のドラム3の上澄排水口7にワンタッチで接続される回収ホース26からなっいている。この回収ホース26には、固形物を濾過するラインフィルタ27、ドラム3中の上澄水を吸引して加圧するポンプ28、回収される上澄水を計量する流量計29等が介装され、そして1次貯留槽31の上方に開放されている。1次貯留槽31は、回収される上澄水を一時的に貯留して、さらに上澄水中に含まれている細かい粒子を沈殿させるもので、この1次貯留槽31中の上澄水は、揚水ポンプ32が介装されている移送管33により希釈溶液槽21に送られるようになっている。希釈溶液供給装置35は、一方が希釈溶液槽21の底部近くに、そして他方がドラム3の投入ホッパ5の所定位置に開口する希釈溶液供給管あるいは希釈溶液供給ホース36からなっている。この希釈溶液供給ホース36には揚水ポンプ37が設けられている。
次に、図1、2を参照して、本実施の形態に係るアジテータトラックおよび希釈溶液貯蔵設備20の作用について説明する。準備作業として安定剤入りの希釈溶液を用意する。操作盤40の所定のスイッチを操作すると、安定剤注入管22を介して安定剤供給槽23から安定剤が希釈溶液層21に供給されると共に、図に示されていない水道水供給管から水道水が希釈溶液槽21に供給され、安定剤が希釈される。安定剤としては、例えばグレースケミカル株式会社製の登録商標名「リカバー」が使用され、本実施の形態においては、例えば1日の平均気温が25℃以下の場合、安定剤1.5Lに対して水道水998.5Lの割合で希釈する。所定の安定剤入りの希釈溶液が希釈溶液槽21に貯められた後に、操作盤40のスイッチを操作して、水道水および安定剤の供給を停止する。これで準備作業を終わる。
従来周知のように、トラックアジテータ1は、バッチャープラントと1カ所または複数箇所のコンクリート打設現場のと間を往復して、バッチャープラントで混練されたコンクリートをドラム3に積み込んで、コンクリート打設現場まで運搬し、荷卸する。このような、コンクリートの積み込みおよび荷卸を繰り返した後の、最終のコンクリート荷卸終了後、コンクリートの混練から3時間以内に、トラックアジテータ1を希釈溶液貯蔵設備20まで移動する。そして、図1の(イ)において符号Aで示されている位置、すなわち希釈溶液供給ホース36の開口先端部の下に投入ホッパ5が位置するように、トラックアジテータ1を希釈溶液貯蔵設備20に横付けする。操作盤40の所定のスイッチを操作して、揚水ポンプ37を駆動すると、希釈溶液槽21に貯蔵されている安定剤入りの希釈溶液が希釈溶液供給ホース36から投入ホッパ5を介してトラックアジテータ1のドラム3内に供給される。安定剤入りの希釈溶液が1000L供給された時点で、操作盤40の所定のスイッチを操作して、あるいは自動的に揚水ポンプ37を停止する。
必要に応じてトラックアジテータ1を他の場所、例えば、図1の(イ)において符号Bで示されている場所へ移動する。そして、駆動装置4によってドラム3を高速で所定の方向に回転駆動し、適宜反対方向にも回転駆動する。そうすると、ドラム3の内部や羽根が洗浄されて、付着モルタルはスラリー化する。このとき、本実施の形態によると、多量の安定剤入りの希釈溶液が使用されているので、比較的短時間でドラム3の内部や羽根が洗浄される。ドラム3の回転を停止した状態で、そのまま翌日までスラリー状のモルタルをドラム3内に放置する。ドラム3の回転を停止して放置するときは、ドラム3の上澄排水口7がスラリー状のモルタルの液面よりも高所に位置するような位置に放置するのが望ましい。
翌日、ドラム3内で放置されたスラリー状のモルタルは、図2の(ア)に示されているように、固形物がほとんど混じっていない上澄水Uと、固形物の割合が高いスラッジ状のモルタルTとに、重力により分離される。ドラム3に設けられている上澄排水口7から排水口栓9を取り外す。このとき、上澄排水口7は上澄水Uの液面よりも高所に位置しているので、排水口栓9を取り外しても上澄水Uが上澄排水口7から流出することはない。次いで、回収ホース26を上澄排水口7にワンタッチで取り付ける。
ドラム3を、図2の(イ)において矢印Kで示されているように方向に静かに回転駆動して、上澄排水口7が上澄水Uの液面よりも下方で、かつスラッジ状のモルタルTよりも上方の、上澄水U中の所定水位で停止する。このとき、ドラム3の回転駆動は可及的に低速で行い、分離された上澄水Uとスラッジ状のモルタルTが攪拌されて混合されないように留意する。上澄排水口7から上澄水Uが流れ出て、回収ホース26の内部は上澄水Uで満たされた状態となる。操作盤40の所定のスイッチを操作して、ポンプ28を起動する。そうすると、上澄水Uはドラム3の内部から、回収ホース26、ラインフィルタ27、揚水管30を経て1次貯留槽31に回収される。このとき、固形物がドラム3から流出することはないが、流出してもラインフィルタ27が設けられているので、固形物が1次貯留槽31に混入することはない。流量計29で計測される上澄水Uの累積流量が950Lに達した時点で、操作盤40の所定のスイッチを操作して、ポンプ28を停止する。ドラム3を回転駆動して、上澄排水口7が上澄水の液面より高所になる位置に停止する。上澄排水口7から回収ホース26を取り外して、上澄排水口7に排水口栓9を取り付けて閉栓する。取り外された回収ホース26を所定の場所に保管する。
上澄水Uが回収されたドラム3の内部には、未回収の上澄水Uとスラッジ状のモルタルTが50Lだけ残留している。所定のバッチャープラントにおいて、新たなコンクリートを積み込んで、これらの残留物と混練して、コンクリートを得る。本実施の形態によると、大量の上澄水Uが回収されているので、残留物に含まれている安定剤は極少量である。したがって、新たに積み込むコンクリートは、0.5mのような少量でも、コンクリートの品質を損なうようなことはない。
1次貯留槽31に回収された上澄水Uは、1次貯留槽31で所定の時間だけ滞留され、さらに微小な固形物が沈殿される。その後、操作盤40の所定のスイッチを操作してポンプ32を起動すると、上澄水Uは移送管33を経由して希釈溶液槽21に移送され、希釈溶液槽21に貯蔵される。これにより、安定剤希釈溶液として再利用される。希釈溶液槽21に貯蔵されている安定剤希釈溶液は、適宜試験紙によって品質をチェックし、必要に応じて操作盤40の所定のスイッチを操作して、安定剤や水道水を希釈溶液槽21に注入する。なお、試験紙には、例えばグレースケミカルズ株式会社製の商品名「リカバーペーパー」を使用することができる。貯蔵されている安定剤入りの希釈溶液は、同一のトラックアジテータ、あるいは他のトラックアジテータのドラムの洗浄に再利用される。
上記した実施の形態の作用では、準備作業としてあらかじめ安定剤を希釈しておき、希釈溶液槽21に貯蔵されていた安定剤入りの希釈溶液を使用する旨説明されているが、当初はドラム3内に所定量の水道水と安定剤とを直接供給してもよい。また、希釈溶液貯蔵設備20のポンプの起動および停止、安定剤供給槽23からの安定剤の注入および停止は、操作盤40のスイッチを作業員が手動的に操作して行うように説明されているが、1次貯留槽31や希釈溶液槽21に水位計を設け、水位の変動を検出してポンプの起動および停止を自動化することもできる。また、希釈溶液槽21に水質計を設け、計測値が設定値になるように安定剤と水道水の注入および停止を自動的に実施することもできる。
なお、前記安定剤入りの希釈溶液の濃度、使用量等が外気温度、トラックアジテータのドラムの容量等により、前記実施の形態と異なる値となることは明らかである。
本発明に係るトラックアジテータのドラム3は、上記実施の形態に限定されることなく色々な形で実施できる。例えば、上澄排水口7はドラム3の下方の鏡板8の円周部近傍に設けるように説明されているが、ドラム3の径が最大となる胴部に設けても良い。また、上澄排水口を2つ以上設けて、回収ホース26が接続しやすい上澄排水口から上澄水を回収するように実施することもできる。さらには、上澄水を回収するとき、高低差があればポンプ28を使用することなく、重力により回収できることは明らかである。また、トラックアジテータ1を希釈溶液槽21の上方に止めると、回収ホース26を介することなく、直接的に希釈溶液槽21に回収することもできる。
また、前記実施の形態では、上澄水とスラッジ状のモルタルとに分離した後に、ドラムを回転して上澄排水口が上澄水の液面よりも下方で、かつモルタルよりも上方の、上澄水中の所定水位で停止させる旨説明されているが、上澄排水口にドラムを回転しても邪魔にならない程度の長さのホースを接続して、スラリーが上澄排水口から漏れないようにし、そしてドラムを所定量の上澄水を回収する位置へ予め駆動してから、上澄水とモルタルに分離するように実施することもできる。このように実施すると、上澄排水口の位置を排水位置に合わせる必要がないので、一旦分離された上澄水とモルタルが混じることはない。
排水位置に
本実施の形態に係るトラックアジテータと希釈溶液貯蔵設備を示す図で、その(ア)はトラックアジテータのドラムを示す斜視図、その(イ)はトラックアジテータと希釈溶液貯蔵設備を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係るトラックアジテータのドラムを示す斜視図で、その(ア)は上澄排水口が上澄水の液面よりも高所に位置している状態を、その(イ)は上澄水中に位置している状態をそれぞれ示す斜視図である。
符号の説明
1 トラックアジテータ 3 ドラム
7 上澄排水口 8 端板
9 排水口栓 20 希釈溶液貯蔵設備
21 希釈溶液槽 23 安定剤供給槽
26 回収ホース

Claims (6)

  1. トラックアジテータのドラムの内部をセメント成分の凝固を遅延させる安定剤入りの希釈溶液で洗浄し、所定時間放置後に上澄水とスラッジ状のモルタルとに分離される、前記上澄水を回収する方法であって、
    前記ドラムの壁面に設けられている上澄排水口を、分離された前記上澄水の所定の水位の排水位置に位置させ、そして前記上澄水を所定の槽に回収することを特徴とするトラックアジテータのドラムの洗浄水の回収方法。
  2. トラックアジテータのドラムの内部をセメント成分の凝固を遅延させる安定剤入りの希釈溶液で洗浄して、前記ドラムの壁面に設けられている上澄排水口に所定長さの排水ホースを取り付け、そして前記上澄排水口を所定の排水位置に予め位置させてから所定時間放置して上澄水とスラッジ状のモルタルとに分離し、そして分離した上澄水を所定の槽に回収することを特徴とするトラックアジテータのドラムの洗浄水の回収方法。
  3. 請求項1又は2に記載の回収方法において、前記ドラムの鏡板に設けられている上澄排水口から所定の槽に回収することを特徴とするトラックアジテータのドラムの洗浄水の回収方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの項に記載の回収方法において、前記上澄排水口に回収ホースを接続して所定の槽に回収することを特徴とするトラックアジテータのドラムの洗浄水の回収方法。
  5. 一方が開放され、他方が鏡板で閉鎖されているドラムが所定方向に回転駆動されるようになっているトラックアジテータであって、
    前記ドラムの壁面又は鏡板の所定位置には、該ドラム内でスラッジ状のモルタルから分離される上澄水を前記ドラムの外部へ排水するようになっている上澄排水口が設けられ、該上澄排水口は必要に応じて閉鎖あるいは開放されるようになっていることを特徴とするトラックアジテータのドラム。
  6. 請求項5に記載のトラックアジテータにおいて、前記上澄排水口には上澄回収用の回収ホースが接続されるようになっているトラックアジテータのドラム。
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