JP2009022369A5 - - Google Patents
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Description
この発明は、乳腺がんの切除手術の手術計画に使用される画像の表示技術に関する。
乳腺がんの切除手術の手術計画では、図7に示すようなVR(Volume Rendering)画像やMPR(Multi-Planar Reconstruction)画像が使用される。ここで、MPR画像とは、X線CT装置やMRI装置などにより得られた画像データに基づいて作成されるコロナル像、サジタル像、アキシャル像、オビリーク像などである(特許文献1参照)。術者は、図7の画像での基準点(ニップル)10から腫瘍までの距離を参考にしながら切除手術の手術計画をたてる。
しかしながら、図7に示したVR画像やMPR画像では、基準点10から腫瘍までの2次元の直線距離は計測することができるが、手術時に必要な基準点10から腫瘍までの体表面に沿った距離を計測することができないという問題がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、乳腺がんの手術時に必要な基準点10から腫瘍までの体表面に沿った距離を計算して表示する医用画像撮影装置、医用画像処理装置および医用画像処理プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、被検体を撮影して画像データを収集し、該収集した画像データを用いて医用画像を表示する医用画像撮影装置であって、前記画像データを用いて腫瘍範囲を特定する腫瘍範囲特定手段と、前記腫瘍範囲特定手段により特定された腫瘍範囲の体表面輪郭上における対応位置を求める位置特定手段と、前記位置特定手段により求められた前記対応位置と基準点との体表面輪郭上での距離を算出して医用画像上に表示する画像表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項10記載の本発明は、被検体を撮影して収集された画像データから医用画像を生成して表示する医用画像処理装置であって、前記画像データを用いて腫瘍範囲を特定する腫瘍範囲特定手段と、前記腫瘍範囲特定手段により特定された腫瘍範囲の体表面輪郭上における対応位置を求める位置特定手段と、前記位置特定手段により求められた前記対応位置と基準点との体表面輪郭上での距離を算出して医用画像上に表示する画像表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項11記載の本発明は、被検体を撮影して収集された画像データから医用画像を生成して表示する医用画像処理プログラムであって、前記画像データを用いて腫瘍範囲を特定する腫瘍範囲特定手順と、前記腫瘍範囲特定手順により特定された腫瘍範囲の体表面輪郭上における対応位置を求める位置特定手順と、前記位置特定手順により求められた前記対応位置と基準点との体表面輪郭上での距離を算出して医用画像上に表示する画像表示制御手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
請求項1、9または10記載の本発明によれば、術者は腫瘍の位置を正確に把握することができる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る医用画像撮影装置、医用画像処理装置および医用画像処理プログラムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、本実施例では、本発明をX線CT装置に適用した場合を中心に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、MRI装置、超音波装置、マンモグラフィ装置など他の医用画像撮影装置にも同様に適用することができる。
まず、本実施例に係るX線CT装置の構成について説明する。図1は、本実施例に係るX線CT装置の構成を示す図である。ガントリ100は、X線管101と、例えば64列または256列といったいわゆる多列型(2次元アレイ型とも言う)のX線検出器103とを有する。X線管101とX線検出器103は、回転軸RAまわりに回転可能に支持された円環状のフレーム102に搭載される。X線検出器103は、X線管101に対向する。フレーム102は、回転部107の駆動により例えば0.4秒/回転の高速で回転される。高電圧発生装置109からスリップリング108を経由してX線管101に管電圧が印加され、フィラメント電流が供給される。それによりX線管101からX線が発生される。X線検出器103は、被検体を透過したX線を検出する。
一般的にDAS(Data Acquisition System)と呼ばれているデータ収集回路104は、X線検出器103からチャネルごとに出力される信号を電圧信号に変換し、増幅し、さらにディジタル信号に変換する。このデータ(生データ)は非接触データ伝送装置105を経由してガントリ100の外部のコンソール内に収容された前処理装置106に送られ、そこで感度補正等の補正処理を受け、再構成処理の直前段階にあるいわゆる投影データとして記憶装置112に記憶される。
記憶装置112は、再構成処理を行う再構成装置114、利用者が指示などの入力に用いる入力装置115、画像等を表示する表示装置116、画像処理を行う画像処理装置200とともに、装置全体を制御するシステムコントローラ110にデータ/制御バス111を介して接続される。
画像処理装置200は、再構成装置114により再構成されたデータを用いてVR画像やMPR画像を表示装置116に表示する装置であり、画像データ記憶部210と、乳腺がん画像表示制御部220とを有する。画像データ記憶部210は、再構成されたデータ、VR画像データなどを記憶する記憶部である。
乳腺がん画像表示制御部220は、乳腺がんの切除手術が行われる乳房のVR画像やMPR画像を表示する処理部である。具体的には、この乳腺がん画像表示制御部220は、腫瘍範囲を特定し、乳房のVR画像上に表示する。また、この乳腺がん画像表示制御部220は、基準点10から腫瘍範囲までの体表面上での距離を計算してVR画像上に表示する。
図2は、基準点10から腫瘍範囲30までの体表面上での距離を説明するための説明図である。乳腺がん画像表示制御部220は、基準点10を含み体軸に垂直な面(以下「基準面」という)20を基準点10の周りに回転して腫瘍範囲30を囲む二つの面および腫瘍範囲30の断面積が最大となる面を特定し、特定した三つの面と体表面とが交差して得られる三つの交線の長さを算出して表示する。
図2では、基準面20を基準点10の周りに回転して腫瘍範囲30を囲む二つの面および腫瘍範囲30の断面積が最大となる面を3本の線(例えば一点鎖線)で示し、AおよびBが腫瘍範囲30を囲む二つの面上で基準点10から腫瘍範囲30までの距離が計算される曲線を示している。
また、乳腺がん画像表示制御部220は、特定した三つの面それぞれが基準面20となす三つの角度を算出して表示する。図3は、乳腺がん画像表示制御部220が表示する三つの距離および角度の一例を示す図である。同図に示すように、この例では、基準面20を基準点10の周りに回転して腫瘍範囲30を囲む二つの面上で基準点10から腫瘍範囲30まで体表面上での距離は4.8cmと4.2cmである。また、基準面20を基準点10の周りに回転して腫瘍範囲30の断面積が最大となる面上で基準点10から腫瘍範囲30まで体表面上での距離は5.3cmである。また、三つの面が基準面20となす角は−70°、−86度、−100°である。
次に、乳腺がん画像表示制御部220の処理手順について図4および図5を用いて説明する。図4は、腫瘍位置が不明である場合の乳腺がん画像表示制御部220の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、腫瘍位置が不明である場合には、乳腺がん画像表示制御部220は、VR画像またはMPR画像上で基準点10の指定を利用者から受け付ける(ステップS11)。そして、受け付けた基準点10を含み体軸に垂直な面すなわち基準面20のMPR画像を作成して表示する(ステップS12)。
そして、利用者にMPR画像の面(MPR面)を基準点10を中心に回転させて腫瘍を含む面を指定させ(ステップS13)、利用者が指定した面およびその近傍の3次元ボリュームデータから腫瘍範囲30を特定する(ステップS14)。そして、基準面20を基準点10を中心に回転して腫瘍範囲30を囲む二つの面および腫瘍の断面積が最大になる面を特定し、各面が基準面20となす角度を計算する(ステップS15)。
そして、体表面に腫瘍範囲30を投影し(ステップS16)、ステップS15で特定した三つの面での体表面輪郭線をCT値変化に基づいて検出する(ステップS17)。そして、検出した三つの体表面輪郭線上で基準点10から腫瘍範囲30までの3次元曲線の長さをそれぞれ算出し(ステップS18)、三つの3次元曲線の長さおよび三つの面が基準面20となす角度を乳房のVR画像上に腫瘍範囲30とともに表示する(ステップS19)。
このように、利用者が腫瘍を含む面として指定した面およびその近傍の3次元ボリュームデータから腫瘍範囲30を特定し、特定した腫瘍範囲30に基づいて、基準点10から腫瘍範囲30までの体表面に沿った3次元距離を算出して表示することによって、乳腺がんの切除手術を支援することができる。なお、ここでは、体表面に腫瘍範囲30を投影することとしたが、腫瘍範囲の体表面輪郭上における対応位置を求めることができれば他の方法を用いることもできる。
図5は、腫瘍位置が既知である場合の乳腺がん画像表示制御部220の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、腫瘍位置が既知である場合には、乳腺がん画像表示制御部220は、VR画像またはMPR画像上で基準点10と腫瘍の指定を利用者から受け付ける(ステップS21)。そして、基準点10と腫瘍を含む面およびその近傍の3次元ボリュームデータから腫瘍範囲30を特定する(ステップS22)。そして、基準面20を基準点10を中心に回転して腫瘍範囲30を囲む二つの面および腫瘍の断面積が最大になる面を特定し、各面が基準面20となす角度を計算する(ステップS23)。
そして、体表面に腫瘍範囲30を投影し(ステップS24)、ステップS23で特定した三つの面での体表面輪郭線をCT値変化に基づいて検出する(ステップS25)。そして、検出した三つの体表面輪郭線上で基準点10から腫瘍範囲30までの3次元曲線の長さをそれぞれ算出し(ステップS26)、三つの3次元曲線の長さおよび三つの面が基準面20となす角度を乳房のVR画像上に腫瘍範囲30とともに表示する(ステップS27)。
このように、腫瘍位置が既知である場合には利用者に腫瘍の位置を指定させることによって腫瘍範囲30を特定し、特定した腫瘍範囲30に基づいて、基準点10から腫瘍範囲30までの体表面に沿った3次元距離を算出して表示することができる。
なお、ここでは、腫瘍を含む面およびその近傍の3次元ボリュームデータを用いて腫瘍範囲30を自動で特定することとしたが、腫瘍範囲30を利用者に画像上で指定させるようにすることもできる。あるいは、かん流処理(Perfusion処理)により得られる機能画像に対して、単位体積および単位時間あたりの血流量、単位体積あたりの血流量、血液平均通過時間などのパラメータに関する閾値処理を行うことによって、腫瘍範囲30を自動検出するようにすることもできる。図6に、かん流処理により得られた機能画像に対して所定のパラメータに関する閾値処理を行うことによって特定した腫瘍範囲30を乳房のVR画像上に重ねて表示した例を示す。
上述してきたように、本実施例では、乳腺がん画像表示制御部220が、腫瘍範囲30を特定し、基準点10から腫瘍範囲30までの3次元距離を計算してVR画像上に表示するとともに、基準点10からの腫瘍の方向および範囲を基準面20からの角度で表示することとしたので、術者は腫瘍の位置を正確に把握することができる。したがって、術者による乳腺がんの削除手術を支援することができる。
また、本実施例では、乳腺がん画像表示制御部220が、かん流処理などで特定した腫瘍範囲30をVR画像に重ねて表示することとしたので、術者は腫瘍の位置を正確に把握することができる。
なお、本実施例では、X線CT装置がVR画像やMPR画像を表示する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、X線CT装置やMRI装置が収集した画像データを取得し、取得した画像データを処理してVR画像やMPR画像を表示する医用画像処理装置、あるいはコンピュータを医用画像処理装置として機能させる医用画像処理プログラムにも同様に適用することができる。
以上のように、本発明は、乳腺がんの削除手術において、画像を用いて手術計画を作成する場合に有用である。
10 基準点
20 基準面
30 腫瘍範囲
100 ガントリ
101 X線管
102 フレーム
103 X線検出器
104 データ収集回路(DAS)
105 非接触データ伝送装置
106 前処理装置
107 回転部
108 スリップリング
109 高電圧発生装置
110 システムコントローラ
111 データ/制御バス
112 記憶装置
114 再構成装置
115 入力装置
116 表示装置
200 画像処理装置
210 画像データ記憶部
220 乳腺がん画像表示制御部
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210 画像データ記憶部
220 乳腺がん画像表示制御部
Claims (11)
- 被検体を撮影して画像データを収集し、該収集した画像データを用いて医用画像を表示する医用画像撮影装置であって、
前記画像データを用いて腫瘍範囲を特定する腫瘍範囲特定手段と、
前記腫瘍範囲特定手段により特定された腫瘍範囲の体表面輪郭上における対応位置を求める位置特定手段と、
前記位置特定手段により求められた前記対応位置と基準点との体表面輪郭上での距離を算出して医用画像上に表示する画像表示制御手段と
を備えたことを特徴とする医用画像撮影装置。 - 前記画像表示制御手段は、基準点を含み体軸に垂直な面を基準点の周りに回転して腫瘍範囲を囲む二つの面および腫瘍範囲の断面積が最大となる面を特定し、特定した三つの面と体表面とがそれぞれ交差して得られる三つの交線に沿った基準点から腫瘍範囲までの距離を前記体表面輪郭上での距離として算出して表示することを特徴とする請求項1に記載の医用画像撮影装置。
- 画像表示制御手段は、基準点を含み体軸に垂直な面と前記三つの面とがなす三つの角度をさらに算出して表示することを特徴とする請求項2に記載の医用画像撮影装置。
- 前記画像データから3次元ボリュームデータを生成する3次元ボリュームデータ生成手段をさらに備え、
前記腫瘍範囲特定手段は、基準点を通り体軸に垂直な面を基準点の周りに回転して得られる面のうち腫瘍を含む面および3次元ボリュームデータを用いて腫瘍範囲を特定することを特徴とする請求項1、2または3に記載の医用画像撮影装置。 - 前記画像データから3次元ボリュームデータを生成する3次元ボリュームデータ生成手段をさらに備え、
前記腫瘍範囲特定手段は、利用者により指定された腫瘍位置および3次元ボリュームデータを用いて腫瘍範囲を特定することを特徴とする請求項1、2または3に記載の医用画像撮影装置。 - 前記腫瘍範囲特定手段は、かん流処理により腫瘍範囲を特定することを特徴とする請求項1、2または3に記載の医用画像撮影装置。
- 前記画像表示制御手段は、前記腫瘍範囲特定手段により特定された腫瘍範囲を医用画像上にさらに表示することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の医用画像撮影装置。
- 前記画像表示制御手段は、被検体のVR画像またはMPR画像を表示することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の医用画像撮影装置。
- 前記画像データは、前記被検体の乳房を撮影して収集された乳房の画像データであり、
前記医用画像は、乳房画像であり、
前記画像表示制御手段は、前記位置特定手段により求められた前記対応位置と基準点との体表面輪郭上での距離を算出して乳房画像上に表示することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の医用画像撮影装置。 - 被検体を撮影して収集された画像データから医用画像を生成して表示する医用画像処理装置であって、
前記画像データを用いて腫瘍範囲を特定する腫瘍範囲特定手段と、
前記腫瘍範囲特定手段により特定された腫瘍範囲の体表面輪郭上における対応位置を求める位置特定手段と、
前記位置特定手段により求められた前記対応位置と基準点との体表面輪郭上での距離を算出して医用画像上に表示する画像表示制御手段と
を備えたことを特徴とする医用画像処理装置。 - 被検体を撮影して収集された画像データから医用画像を生成して表示する医用画像処理プログラムであって、
前記画像データを用いて腫瘍範囲を特定する腫瘍範囲特定手順と、
前記腫瘍範囲特定手順により特定された腫瘍範囲の体表面輪郭上における対応位置を求める位置特定手順と、
前記位置特定手順により求められた前記対応位置と基準点との体表面輪郭上での距離を算出して医用画像上に表示する画像表示制御手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする医用画像処理プログラム。
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