JP2009020259A - 透過光量可変素子および投射型表示装置 - Google Patents

透過光量可変素子および投射型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】所定の波長帯域において一定の透過率で制御可能な透過光量制御素子を提供する。
【解決手段】2枚または3枚の平行に配置された透明基板の対向する面のうちのいずれか一方の面に屈折率の異なる光学薄膜が積層された第1の多層膜部材からなる回折格子を有し、回折格子の凹部に、電圧を印加できる空隙に充填する液晶の常光屈折率よりも高い屈折率となる光学媒質を含み、凹部の屈折率を液晶の常光屈折率よりも高くすることで常光時に凹部と凸部との屈折率差を小さくして透過率を高めるとともに、液晶に電圧を印加することで透過光量の制御性が向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、入射した光の光量を切り替えて透過させる透過光量可変素子および投射型表示装置に関する。
投射画像を表示する投射型表示装置として、例えば、入射光を映像信号に応じて変調し透過光を投射して画像を表示する液晶投射型表示装置(例えば、特開2001−264728号公報参照)、および、画素毎に有する微小ミラーの反射角を映像信号に応じて変化させて反射光量を変調し、変調して得られた光を投射して画像を表示するDMD(Digital Micromirror Device 登録商標)型の投射型表示装置(例えば、特開2004−361856号公報参照)がある。
例として、図7に液晶投射型表示装置50の構成図を示す。光源1を出射した光は、反射鏡2を反射してほぼ光軸に平行な光となり、照明光学系3を介して透過光量可変素子8によって光量を調整された光が偏光子4に進み、偏光子4によって所定の直線偏光方向の光にされる。偏光子4を出射した光は、画像表示用空間光変調素子としての液晶パネル5によって偏光状態の変調を受け検光子6に入射し、検光子6を通過することによって所定の偏光成分のみが投射レンズ系7に出射し、投射レンズ系7を通過して不図示のスクリーン等に投射表示される。
ここで、液晶投射型表示装置に使用される透過光量可変素子8は、スクリーン等に投射表示させる場所の明るさによって光量を調整する素子であり、液晶に電圧を印加し、その印加電圧の大きさによって透過させる光量の調整を実現しているものである。また、電圧を印加するための電極を分割して透過光量可変素子を透過する光の光量を各電極部ごとに調整することで、場所の明るさに対応して投射画像のコントラストが最大になるように調整できる機能を実現している(特許文献1)。
従来の透過光量可変素子は、2枚の基板の一方に断面が凹凸状となる多層格子部材を設け液晶を充填した構造であり、この液晶に電圧を印加することで透過と回折機能を発現させ透過光量を調整していた。このような設計においては、光利用効率を高めるために、広帯域で入射する光の波長に対応する液晶の常光屈折率(n)に合わせて多層格子部材(n)の屈折率を調整していた。多層格子部材は、高屈折率部材と低屈折率部材との層からなり、特許文献1では多層膜の平均屈折率を低くして液晶の屈折率と整合させるため、低屈折率の部材の屈折率が約1.41と低い材料を使用して実現している。低屈折率の部材となる屈折率約1.41の透光性材料として、実際には、MgFやプラズマアシストなしで成膜した多孔質SiOが考えられる。
国際公開第2006/082901号パンフレット
しかしながら、MgFで作製した膜は膜自体の強度に問題がある上、回折格子構造を作製する過程でのエッチング加工に難点があり、また、多孔質のSiOは機械的強度が弱く、長期使用時の信頼性に問題があった。さらに、低屈折率の部材として機械的強度および信頼性に優れるSiO結晶膜を用いて多層格子部材を形成すると、これらの材料で作製する多層格子部材よりも平均屈折率が高くなる。この差が生じるため、多層格子部材の平均屈折率と格子凹部に含まれる液晶の常光屈折率とが一致しなくなる。すると、それらの屈折率差から回折が生じ、電圧を制御して液晶の常光屈折率を用いる場合でも、透過光量可変素子を透過する光の透過率が下がってしまうという問題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、加工性が容易で信頼性が高くかつ、光利用効率が高く広帯域にわたって略一定となる透過光量を制御性よく調整できる透過光量可変素子および投射型表示装置を提供するものである。
本発明は、平行に配置された少なくとも2枚の透明基板と、前記透明基板の対向する一対の前記透明基板のいずれか一方の面に設けられた断面形状が周期的な凹凸状の回折格子となる第1の多層膜部材と、前記回折格子の凹部の一部に設けられる光学媒質と、一対の前記透明基板間に前記回折格子および前記光学媒質を埋めるように挟持された液晶と、前記液晶に電圧を印加するための透明電極と、を備え、前記第1の多層膜部材は、屈折率が異なる複数種の光学薄膜が基板と垂直方向に積層された多層構造を有し、前記光学媒質の屈折率は、前記液晶の常光屈折率より高い透過光量可変素子を提供する。
この構成により、回折格子の凸部を形成する多層膜部材の平均屈折率に対して回折格子の凹部を埋める液晶の常光屈折率が低い材料を使用した場合でも、凹部に含まれる光学媒質により凹部の平均屈折率が大きくなり、凸部の平均屈折率との差を小さくすることができる。これにより、透過光量可変素子に光を入射させて凹部と凸部との屈折率の差によって生じる透過光量の減少を抑制することができ、液晶材料選択の自由度が大きく好適である。ここで、凸部とは回折格子構造の多層膜部材の部分であり、凹部とは凸部の間にあり多層膜部材の底辺から頂点までの高さの部分である。したがって、凸部の頂点より高い部分にある液晶は凸部および凹部いずれにも含まれない。
また、前記第1の多層膜部材は、第1の高屈折率材料と第1の低屈折率材料との2種類の光学材料から形成される上記に記載の透過光量可変素子を提供する。
この構成により、必要最小限の部材で多層膜を形成することができるため生産効率が向上し好適である。
また、前記第1の高屈折率材料がTaであり、前記第1の低屈折率材料がSiOである上記に記載の透過光量可変素子を提供する。
この構成により、安定した材料を使用することできるので、信頼性の高い多層膜が得られるので、好適である。
また、前記光学媒質は、前記基板に垂直方向に積層された第2の多層膜部材から形成され、前記第2の多層膜部材の平均屈折率は前記液晶の常光屈折率より高い屈折率を有する上記に記載の透過光量可変素子を提供する。
この構成により、回折格子の凸部を形成する多層膜部材の屈折率の平均値に対して、入射する光の波長分散を考慮した凹部の平均屈折率との差をさらに小さく調整することができ、透過光量可変素子の光利用効率をさらに大きくすることができる。さらに、透明基板に対して凹部に透明基板より屈折率の大きい材料を含むとき、多層膜構造にすることによって内部干渉による透過率の低減を抑制することができるので好適である。
また、前記第2の多層膜部材は、第2の高屈折率材料と第2の低屈折率材料との2種類の光学材料から形成される上記に記載の透過光量可変素子を提供する。
この構成により、必要最小限の部材で多層膜を形成することができるため生産効率が向上し好適である。
また、前記第2の高屈折率材料がTaであり、前記第2の低屈折率材料がSiOである上記に記載の透過光量可変素子を提供する。
この構成により、安定した材料を使用することできるので、信頼性の高い多層膜が得られるので、好適である。
また、平行に配置された前記透明基板を3枚とし、一対の前記透明基板に挟持された前記液晶の配向方向と、他の一対の前記透明基板に挟持された前記液晶の配向方向とが略直交となる上記に記載の透過光量可変素子を提供する。
この構成により、入射する光の偏光状態がランダムであっても光量の制御が可能となり、入射偏光依存性がない透過光量可変素子を実現することができる。
また、前記透明電極が複数の領域に分割され、前記複数の領域ごと電圧を印加することができる上記に記載の透過光量可変素子を提供する。
この構成により、透過光量可変素子に入射する光に対して領域ごとに光量を変えて透過させることができるので、光量制御方式の自由度が向上する。
また、前記回折格子の格子ピッチが10μm以下である上記に記載の透過光量可変素子を提供する。
この構成により、回折格子に入射する光の回折角が大きくなり、直進する光の光路と大きく異ならせることができるため迷光となる回折光が透過せず、精度の良い制御ができるので好ましい。
また、前記透過光量可変素子に460nm〜660nmの波長帯域の光を前記透明基板に対して垂直に入射するとき、該波長帯域における透過率の最大値と最小値との差が20%以内となる上記に記載の透過光量可変素子を提供する。
この構成により、入射する光が可視光領域の広い範囲において液晶に印加する電圧がどの大きさにおいても透過率が略一定のレベルを維持できるので、光量の制御性が向上する。
さらに、所定の光源と、入射光の映像信号に応じて変調して出射させる画像表示用空間変調素子と、複数のレンズからなり、前記光源が出射した光を前記画像表示用空間光変調素子に集光照明する照明光学系と、前記画像表示用空間変調素子から出射した光を投射する投射レンズ系と、前記光源を出射した光が前記投射レンズ系を通過するまでの光路中に1つ以上配置された、上記に記載の透過光量可変素子と、を備えた投射型表示装置を提供する。
この構成により、光のコントラストが大きく信頼性が高くかつ、光量の制御が容易な投射型表示装置を実現できる。
本発明は、少なくとも2枚の平行配置された透明基板の対向面のいずれかの面に断面が凹凸となる回折格子が形成されて一対の透明基板で液晶を充填して挟持され、凸部が多層膜で形成され、凹部には液晶の常光屈折率より大きい屈折率の光学媒質が含まれ、挟持される液晶に電圧が印加できる構造にすることによって、光利用効率が高く信頼性に優れ、光量制御が容易な透過光量制御素子および投射型表示装置を提供できるものである。
(第1の実施の態様)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る透過光量可変素子の模式的な構成を示す断面図である。図1において透過光量可変素子10は、平行に配置された一対の透明基板11a、11bと、透明基板11aの一対の基板の対向面側に設けられ、多層構造を有する透明部材により周期的な凹凸をなすように配置された第1の多層膜部材13と、周期的な凹凸の溝を浅くするように凹部に設けられた光学媒質として単層光学部材14と、凹凸を埋めるように挟持された液晶15と、液晶15に電圧を印加するための透明電極12a、12bと、シール材16と、透明電極12a、12b間に所定の波形の電圧を印加するための配線17とを含むように構成される。凹部は、この単層光学部材14と液晶15とから構成され、凹部に含まれる液晶の屈折率変化により光路長を変化させる。
図1において、透明基板11a、11bとして、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート等を用いるのでもよいが、耐久性等の点からガラス基板が好適である。また、この第1の多層膜部材13および単層光学部材14と液晶15との界面、透明電極12bと液晶15との界面に図示しない配向膜を設ける。配向膜はポリイミド、PVA等の配向膜材料を成膜しラビング処理を施す方法により実現でき、液晶の配向制御性を向上でき、好適である。そのほか、無機材料からなる配向膜として、例えば、SiONを斜め蒸着して得られた薄膜、イオンビーム照射して配向処理した膜を用いることができる。これら、斜め蒸着やイオンビーム照射による配向処理は、ラビングでは配向処理が難しい凹凸状の格子部材の凹部の配向規制力に優れているので、好ましい。
第1の多層膜部材13を構成する各透明部材は、屈折率の異なる複数の光学部材が積層された多層構造(以下、このような層構造の膜を単に多層膜という)を有する。上記の多層構造となる多層格子部材13を用いることによって、多層膜内の光の干渉状態を波長毎に変えることができる。これは、実効的に第1の多層膜部材13の屈折率の波長分散を制御して所望のものとでき、回折効率や透過率の波長依存性も制御するためのものである。
第1の多層膜部材13は、例えば真空蒸着法やスパッタ法を用いて屈折率の異なる複数の誘電性薄膜を厚さ方向に周期的に堆積する。その後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて凸部を多層膜の構造に加工して得られる。光学薄膜の材料としては、Si、Ta、Nb、Ti、Al、Mg、Ca等の酸化物が信頼性の点で好ましい。2種類の光学薄膜の材料を組み合わせる場合、SiOやTaの組み合わせが、互いの屈折率差が大きくて設計が容易であり、また信頼性、短波長域における透過率、耐光性、作製の制御性等の点から好ましい。この場合、例えばイオンプレーティング法によって酸素、窒素、アルゴンガスなどを導入させた真空チャンバーにRF電圧を印加させてプラズマを発生させた雰囲気内で成膜することで強度、信頼性が向上した膜を形成できる。
表1は、第1の多層格子部材13の光学薄膜の材料、層構造を説明するための一例の表である。
Figure 2009020259
表1には、2種類の光学薄膜(例えばL1、L2)が交互に合計19層積層される第1の多層膜部材13の層構造の例である。層L1で代表される光学薄膜は、屈折率が1.46、膜厚が0.202μmであり、層L2で代表される光学薄膜は、屈折率2.20、膜厚が0.038μmである。また、透明基板11a、11bの屈折率は1.52である。
一般に回折格子の回折効率は、凹凸格子の凹部と凸部とを透過する屈折率と距離の積で表される光路長の差と、入射する光の波長との比に依存して変化する。以下では、回折効率の波長依存性を小さくする方法について詳細に説明する。回折効率の波長依存性を小さくするために、利用波長帯域内で光路長差/波長を一定に近づける必要がある。つまり、光路長差の短波長側で小さくし、長波長側で大きくする必要がある。この光路長差の波長依存性を適切な値に近づけるために、凹凸格子を第1の多層膜部材13により構成することが好ましい。
具体的には、表1に示す多層膜の例では、光量を可変したい波長帯域を利用波長帯域とし、この場合は460〜660nmの範囲の可視光領域とした。多層膜面に垂直の方向から入射する光の波長がこの利用波長帯域であれば高い透過率を示し、利用波長範囲と異なる波長の光に対しては低い透過率を示し、このように多層膜が光を反射する波長帯域である反射帯域を有する場合、460nmより短い波長側である短波長側では、多層膜での光の干渉により実効的な屈折率が大きくなり、逆に660nmより長い長波長側では、実効的な屈折率が小さくなる。
この多層膜を凹凸格子状に加工して第1の多層膜部材13とする。また、図1において凹部は単層光学部材14と液晶15とからなるが、上記のように凹部に含まれる液晶は単層光学部材14の高さから第1の多層膜部材13と同じ高さまでを埋める部分に相当する。単層光学部材14には、液晶15の常光屈折率(n)より大きい屈折率の材料を用いることで、単層光学部材14のような光学媒質を形成しないときに比べて凹部の平均常光屈折率を上げることができる。また、凹凸状の回折格子のピッチは、狭いほど光の直進方向に対する回折角度が大きくなる。投射型表示装置では、回折光は不要な迷光となるのでできるだけ回折角度が大きい方が好ましい。したがって、回折させる光の十分な回折角を得るために格子ピッチは10μm以下が好ましく、4μm以下であればより好ましい。図1では、回折格子の長手方向はY軸に平行であり、周期ピッチはX軸に対して例えば一つの凸部を形成する第1の多層膜部材の左端から隣り合う第1の多層膜部材の左端までの長さに相当する。
表1のような光学薄膜により第1の多層膜部材13を形成すると、第1の多層膜部材13の平均屈折率n(各層の光学薄膜の屈折率と厚さとの積の総和/各層の厚さの総和)は約1.57となる。使用する液晶15の常光屈折率nは、この第1の多層膜部材13の平均屈折率と一致するような材料を用いると回折格子を透過する光の光路長差を「0」に近づけることができるので、透過率を向上させることができる。しかし、使用する液晶材料の常光屈折率nは1.5程度であるので、凹部をこの液晶材料のみで構成すると透過率を向上させることはできない。したがって、凹部にnより高い屈折率となる光学媒質を含ませることで、このような特性の液晶材料を用いて第1の多層格子部材13の平均屈折率nと一致させることができるので、液晶材料の選択自由度が向上し、好ましい。
具体的に、第1の多層膜部材13の平均屈折率nと、液晶15が常光となる時の凹部の平均屈折率とを一致させるため、凹部に液晶15の常光屈折率nよりも高い屈折率である単層光学部材14を適切な膜厚で設けることで実現することができる。凸部と凹部との屈折率を一致させることで入射する光の透過率を最大とすることができるが、所定の波長帯域において機能を実現するために第1の多層膜部材13、単層光学部材14および液晶15の波長分散特性も考慮して最大の透過率となるように設計する必要がある。また、屈折率が高い単層光学部材14を用いることで、単層光学部材の厚さを薄くすることができるので好ましい。
光量可変素子10は、液晶15に印加する電圧の大きさによって液晶の実効屈折率が変化し、入射する光の透過率を調整させるものである。光量可変素子10の機能として、所望の波長帯域の光がこの回折格子に入射するとき、光の回折効率の低い透過時と、回折効率の高い遮光時における透過率の差が大きいことがコントラストを大きくできる点で好ましい。回折格子としては、凹部となる単層光学部材14と液晶15とを通過する光と、凸部となる第1の多層膜部材13を通過する光との光路長差が、光量可変素子10に入射する光の波長をλとすると、遮光時には実質的に上記光路差が(2n+1)・λ/2、透過時にはnλとなるように設計する(nは整数)ことで機能を実現することができる。さらに、それぞれnの値が「0」とすると、膜厚を薄くすることができ透過率が向上するのでとくに好ましい。
また、本発明の適用は、表1に示す多層膜の例には限られず、凹部となる単層光学部材14と液晶15とを通過する光と第1の多層膜部材13を通過する光との光路長差が、遮光時と透過時に、それぞれ実質的に上記の設計に準ずる材料および膜厚の構成であればよい。
液晶15は屈折率異方性を有し、特性としては誘電異方性が正のものでも負のものでもよい。以下、説明の便宜上液晶15は、誘電異方性が正(電圧を印加すると電界方向に液晶分子の長軸方向が揃う)のものを用いるものとする。また、以下、液晶15の常光屈折率をnとし、異常光屈折率をnとする。
ここで、凹部に含まれる単層光学部材14の屈折率と常光屈折率nとの平均屈折率を平均常光屈折率no_avr、凹部に含まれる単層光学部材14の屈折率と異常光屈折率nとの平均屈折率を平均異常光屈折率ne_avrとして説明する。このとき、no_avrまたはne_avrうちのいずれか一方の屈折率を、第1の多層膜部材13の屈折率nと実質的に一致させる。例えば、no_avr=nとしたとき、凸部と凹部との光路差が半波長の奇数倍となる|ne_avr−n|・d=(2n+1)・λ/2となるように設計する(nは整数)。このようにすると、光量可変素子10は液晶15に対して電圧非印加時、電圧印加時に上記いずれかの状態となるので、電圧の大きさによって透過率の制御が容易となり好ましい。以下、回折格子の透過時で凸部と凹部との屈折率が一致、遮光時で屈折率差がλ/2として説明する。
透明電極12a、12bは、ITOやSnO等の金属酸化物薄膜、金属薄膜等を用いることができるが、ITOやSnO等が透過率が高く好ましい。透明電極は液晶15の配向方向を電圧によって変えることができればよく、透明基板11a面上または回折格子の凹凸部表面上に設けることができるが、透明基板11a面上は信頼性が向上するので好ましい。また、透明基板12a、12bの対向しない面には図示しない反射防止膜を設けることにより透過率を向上させることができる。
図5に、透明電極102a、102bを、複数の分割電極111、112、113の領域に分割した場合の構成例を説明するため、X−Y平面からの図を示す。以下では、説明の便宜上、図面上の白く表された分割電極は光が透過し、メッシュの施された分割電極は印加された電圧に応じて光の一部が回折して透過率が低くなっているものとする。
図5(a)には、全分割電極111、112、113が同一の電位にされ、全領域を光が透過する様子が示されている。同様に、図2(b)には、分割電極113の電位が切り替えられ、分割電極113の領域で透過率が低下している。図2(c)には、分割電極112の電位も切り替えられ、分割電極112、113の領域も透過率が低下している。このように構成することによって、分割電極111、112、113が設けられた領域ごとに光の透過率を変えることができる。
図6は、図5に示す透明電極12a、12bと同様に複数の分割電極の領域に分割した場合の構成例を説明するためのX−Y平面の図である。図6に示す分割電極121、122、123の形状は、投射型表示装置を構成する照明光学系にマイクロレンズ(フライアレイレンズ)が含まれる場合に用いることが好適なものである。すなわち、分割電極121、122、123の形状は、端の部分が上記のマイクロレンズのセルの形状に相似し、各セルごとに光の透過率を変えることができるものである。
シール材16は、液晶15を一対の透明基板11a、11b間に密封するために設けられるものである。シール材16としては、エポキシ樹脂等の熱硬化型高分子からなる樹脂、紫外線硬化型樹脂等を用いることができる。また、シール材16として、所望のセル間隔を得るためにガラスファイバ等のスペーサを数%混入させたものを用いてもよい。配線17としては、透明電極12a、12b間に所定の波形の電圧を印加するためのものであり、フレキシブル配線等を用いることができる。
以下、透過光量可変素子10の作用について図1を用いて説明する。液晶15に電圧を印加することでZ軸方向に進行する光の屈折率を実効的に変化させることができる。第1の多層膜部材13の屈折率nと凹部に含まれる単層光学部材14と液晶15との実効的な平均屈折率とを実質的に等しくすると、回折格子に入射する光は回折することなく透過し、高い透過率を得ることができる。これに対して、印加する電圧の大きさを変化させて第1の多層膜部材13の屈折率nと凹部に含まれる単層光学部材14と液晶15との実効的な屈折率とを異ならせると、回折格子に入射する光は光路長差を生じるため、回折が生じ透過率が小さくなる。印加する電圧を調整してこの光路長差がλ/2になると回折効率が最大となり、透過率がほぼ「0」となる遮光状態を実現できる。以下、印加する電圧の値をV(変数)として説明する。
以下、説明を簡単にするため、透過光量可変素子10に入射する光は、液晶分子の長軸方向に一致する第1の多層膜部材13の長手方向となるY軸方向に直線偏光し、かつ、電圧非印加時に液晶分子は、基板11a、11bにほぼ平行であるとする。また、印加電圧が充分に大きな値Vのとき、液晶分子の長軸方向は、基板11a、11bにほぼ垂直(Z軸にほぼ平行)になるとする。このようにすると、Z軸方向で入射する光に対して液晶15の実効的な屈折率は、電圧印加時(V=V)にはnとなり、電圧非印加時(V=0)にはnとなる。したがって、凹部に含まれる単層光学部材14と液晶15からなる平均屈折率も電圧印加時(V=V)にはno_avrとなり、電圧非印加時(V=0)にはne_avrとなる。
第1の多層膜部材13の実効的な屈折率nと凹部の平均常光屈折率no_avrとを実質的に等しくして電圧印加時(V=V)の透過率を高く設計する。一方、印加電圧を徐々に低下させるとそれに合わせて液晶分子の長軸方向が透明基板に対して水平方向に近づくので、凹部の平均屈折率が大きくなって平均異常光屈折率ne_avrに近づく。このとき、nとne_avrとの屈折率差によって回折格子に入射する光の光路差が発生し、回折が生じるため透過率は小さくなる。さらに印加電圧を低下させて電圧を非印加(V=0)にすると、この光路長差が入射する光の波長λに対して|ne_avr−n|・d=λ/2となる設計において回折効率が最大かつ、透過率がほぼ「0」となる遮光状態となる。
上記では、電圧非印加時(V=0)に液晶分子の長軸方向が基板に対して平行となる構成を例にしたが、電圧非印加時(V=0)に液晶分子の長軸方向が基板に対してほぼ垂直となり、充分に高い印加電圧(V=V)で液晶分子が基板に対して平行になるような誘電異方性(Δε)が負の液晶を用いることもできる。この場合、電圧非印加時に高い透過率を得ることができるので、何らかの原因で電圧を印加できない故障時にも高い透過率を保持し、故障時に光が遮光されるのを防止することができる。
(第2の実施の態様)
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る透過光量可変素子の模式的な構成を示す断面図であり、第1の実施の形態に係る構成と同様の部材は図1と同じ符号を付している。第1の実施の形態には、凹部に光学媒質として単層光学部材14を設けたが、第2の実施の形態では、光学媒質として凹部に第2の多層膜部材24を設けたものである。他の構成、機能は同じものであり、第2の多層膜部材24は少なくとも2種類以上の光学部材を積層した構造である。多層膜部材24は液晶15の常光屈折率nに比べて高い屈折率となるように光学部材および膜厚を設計することで第1の多層膜部材13の屈折率に対して実質的に一致するように設計することができる。また、多層膜構造により内部干渉を抑制して最大となる透過率を高く、コントラストの向上を実現できるものである。
第2の多層膜部材24は、複数の光学薄膜から構成されるので、光学薄膜の組み合わせおよび膜厚を調整することで屈折率を調整できる。したがって、凹部の平均常光屈折率と第1の多層膜部材13の屈折率とを波長分散特性も含めて微調整することができるので、透過率の制御性が向上し好ましい。第2の多層膜24は2種類以上の屈折率の異なる材料によって構成することができるが、2種類の材料で構成されていると生産性の点からも好ましい。光学部材としては、Ta、SiO、CeO、HfO、SnOなどがあるが、膜の安定性の点からTaおよびSiOで構成することが好ましい。
表2は、第2の多層膜部材24の光学薄膜の材料、層構造を説明するための一例の表である。
Figure 2009020259
第2の多層膜部材24を設けた透過光量可変素子20の作用について図2を用いて説明する。作用としては第1の実施の形態と同様であり、凹部の光学媒質である第2の多層膜部材24の屈折率と液晶15の常光屈折率nとの平均常光屈折率no_avrが、第1の多層膜部材13の屈折率nと実質的に等しくなるように設計する。さらに第2の多層膜部材24の屈折率と液晶15の異常光屈折率nとの平均異常光屈折率ne_avrと、多層格子部材13の屈折率mとの差が、入射する光の波長λ、第1の多層膜部材13の高さをdとしたときに、|ne_avr−n|・d=λ/2となるようにする。このような設計の下では、液晶15に印加する電圧によって制御よく入射光の透過率を調整できる。
(第3の実施の態様)
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る透過光量可変素子の模式的な構成を示す断面図である。これは、第1の実施の形態に係る構成の透過光量可変素子を透明基板11aの裏面側にも同構成を施したものであるが、第1の多層膜部材13と同じ光学薄膜構成となる第1の多層膜部材23の格子の長手方向が互いに直交して配置されている点が異なる。図示しない液晶15、25の配向方向はそれぞれ第1の多層膜部材13、23の長手方向に平行となるよう処理をする。
第1および第2の実施の形態に係る透過光量可変素子10、20は、入射する直線偏光の光の方向は回折格子の長手方向、つまりY軸方向に平行な偏光状態において機能するものである。第3の実施の形態に係る透過光量可変素子30は、ランダムな偏光方向の光が入射してもX軸成分の光、Y軸成分の光のいずれにおいても透過光量を制御することができるものである。図3は第3の実施の形態に係る構成の一例であり、偏光方向に限らずランダム偏光に対して透過光量を制御する他の構成として、第1の多層膜部材23の長手方向が第1の多層膜部材13と同様にY軸に平行であるが、液晶25の配向方向がX方向である場合である。このように第3の実施の形態に係る透過光量可変素子30は、例えば、DMD投射型表示装置等のランダムに偏光している光を変調して投射する装置において配置すると有用である。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
以下、本発明の実施例1に係る透過光量可変素子10について図1を用いて説明する。透明基板11a、11bとして、厚さ0.6mmの石英ガラス基板を用いる。透明基板11a、11bの表面にスパッタ法を用いて、300Ω/□程度のシート抵抗となるITO膜を成膜し、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術により透明電極12a、12bを形成する。
透明電極を形成した基板を洗浄、乾燥後、スパッタ法を用いて、透明基板11aの透明電極12aが形成された面上に、表1に示す層構造および膜厚となるようにSiO膜とTa膜を交互に成膜して多層膜を形成する。各膜の形成にはイオンプレーティング法によりプラズマを発生させた雰囲気中で実施する。表1で、奇数層(例えばL19層)の屈折率1.46に相当する光学薄膜がSiOであり、偶数層(例えばL18層)の屈折率2.20に相当する光学薄膜がTaである。この多層膜に対して、フォトリソグラフィ技術と、多層膜構造を離隔させるようにエッチング加工を実施して周期ピッチが6μmの回折格子となる第1の多層膜部材13を形成する。
エッチング加工後、真空蒸着によってTa膜を190nm形成し、リフトオフ工程によって凸部上のTa膜を除去する。これにより、凹部に単層光学部材14に相当する膜厚190nmのTa膜が形成される。透明基板11a、11bの対向させる面上に図示しない配向膜材料としてポリイミドをフレキソ印刷法により厚さ50nm形成する。その後、ポリイミドの膜に回折格子の長手方向であるY方向に平行にラビングするにより配向処理を施す。
次に、エポキシ樹脂からなるシール材16を透明基板11bの対向させる面上に印刷し、熱圧着により液晶セルを作製する。ここで、シール材16中に図示しないガラスファイバを混ぜて、セルギャップを均一化する。続いて、真空注入法を用いて、低分子液晶を2枚の透明基板間の空隙となる液晶セルに注入し、図示しない封止材を用いて液晶セルの注入口を封止する。ここでは、589nmの光に対する常光屈折率nが1.52、異常光屈折率nが1.65の屈折率異方性を有する液晶を使用する。次に、配線17であるフレキシブル回路基板を透明電極12a、12bと電気的に導通するように設ける。配線17としてフレキシブル回路基板を介して、遮光量を制御するための電気信号が透明電極12a、12bに入力される。
上記のように作製された透過光量可変素子10にY方向に平行な直線偏光の光をZ軸に平行に入射すると、液晶15に対し電圧非印加時には、第1の多層膜部材13の屈折率と、単層光学部材であるTaの屈折率と液晶の異常光屈折率との平均屈折率である平均異常光屈折率との差により回折作用が生じる。一方、液晶15に電界がZ軸方向に平行になるように電圧を印加すると、電圧の大きさに応じて液晶分子の長軸方向のチルト角が変化する。すると、Y方向に平行な偏光方向の光に対する実効的な屈折率が変化し、入射する光の回折効率も同様に変化する。これより、光の進行方向であるZ軸方向に透過する光の透過率が変化し、印加電圧によって制御可能な透過光量可変素子10を実現することができる。
図8は、上記で作製された透過光量可変素子10に、回折格子のY軸に平行な直線偏光の光を入射した場合の透過率の波長依存性を示すものである。6つの曲線は、透明電極12a、12b間に印加する電圧の大きさを変え、液晶の実効的な屈折率を変えたときの透過率の波長依存性を示す。図8に示す曲線は、波長650nmの光に対して透過率が低い方から順に、液晶の実効的な屈折率nが1.64、1.62、1.60、1.58、1.56および1.52となるように電圧が印加されている。
このように、透過率が液晶の実効的な屈折率(印加電圧)に応じて変化し、可視光領域である460〜660nmの波長帯域において透過率の変動が20%以内となる略一定の特性を示す透過光量可変素子10が得られる。
(実施例2)
以下、本発明の実施例2に係る透過光量可変素子20について図2を用いて説明する。実施例1において凹部の光学媒質としての単層光学部材14の代わりに第2の多層膜部材24とし、格子ピッチを4μmとする点が異なるが、それ以外の構成は同じであり、使用する他の部材も実施例1に示すものと同一である。透明電極12aを成膜した基板を洗浄、乾燥後、スパッタ法を用いて、透明基板11aの透明電極12aが形成された面上に、表1に示す層構造および膜厚となるようにSiO膜とTa膜とを交互に成膜して多層膜を形成する。この多層膜に対して、フォトリソグラフィ技術と、多層膜構造を離隔させるようにエッチング加工を実施して周期ピッチが4μmの回折格子を形成する。エッチング加工後、真空蒸着によって表2に示す層構造および膜厚となるようにSiO膜とTa膜とを交互に成膜して第2の多層膜部材24を形成する。その後、リフトオフ工程によって凸部上のSiO膜とTa膜とを除去する。これにより、凹部に第2の多層膜部材24に相当する膜厚257nmの膜が形成される。
図示しないポリイミドによる配向膜を形成し、エポキシ樹脂からなるシール材16を透明基板11bの対向させる面上に印刷し、熱圧着により液晶セルを作製する。ここで、シール材16中に図示しないガラスファイバを混ぜて、セルギャップを均一化する。続いて、真空注入法を用いて、低分子液晶を2枚の透明基板間の空隙となる液晶セルに注入し、図示しない封止材を用いて液晶セルの注入口を封止する。透明電極12a、12bには配線17に相当するフレキシブル回路基板を経由して遮光量を制御するための電気信号を入力する。
図9は、上記で作製された透過光量可変素子20に、回折格子のY軸に平行な直線偏光の光を入射したときの透過率の波長依存性を示すものである。6つの曲線は、透明電極12a、12b間に印加する電圧の大きさを変え、液晶の実効的な屈折率を変えたときの透過率の波長依存性を示。図9に示す曲線は、波長650nmの光に対して透過率が低い方から順に、液晶の実効的な屈折率が1.64、1.62、1.60、1.58、1.56および1.52となるように電圧が印加されている。
このように、透過率が液晶の実効的な屈折率(印加電圧)に応じて変化し、可視光領域である460〜660nmの波長帯域において透過率の変動が20%以内となる略一定の特性を示す透過光量可変素子20が得られる。
(比較例)
図4に比較例として、回折格子の凹部には膜を形成せずに液晶15のみが充填されている構成である透過光量可変素子30を示す。第1の多層膜部材13には表1の光学薄膜の材料および膜厚に設定し、液晶15も実施例1および実施例2と同じ物性の材料を用いるものである。
図10は、上記で作製された透過光量可変素子30に、回折格子のY軸に平行な直線偏光の光を入射したときの透過率の波長依存性を示すものである。6つの曲線は、透明電極12a、12b間に印加する電圧の大きさを変え、液晶の実効的な屈折率を変えたときの透過率の波長依存性を示。図10に示す曲線は、波長650nmの光に対して透過率が低い方から順に、液晶の実効的な屈折率が1.64、1.62、1.60、1.52、1.58および1.56となるように電圧が印加されている。
このように、透過率が液晶の実効的な屈折率(印加電圧)に応じて変化するが、可視光領域である460〜660nmの波長帯域において屈折率が1.52における透過光が波長によって一定になっておらず、電圧を印加して液晶15がほぼ常光屈折率nとなったときに透過率の制御が困難な特性となる。実施例1および実施例2では常光屈折率nとなるときの電圧(V=V)以上では最大透過率となるように安定しているのに対し、比較例ではV=V以上では透過率が一定とならないので、最大透過率となるようにするために、電圧の微調整が必要となる。
本発明に係る透過光量可変素子および投射型表示装置は、可視光の波長帯域において液晶に印加する電圧によって光の透過率を効率よく制御することができる。また、透過光量可変素子を構成する光学材料として加工性および信頼性に優れる材料を選択できるので、生産性が向上できかつ、信頼性の高い透過光量可変素子および投射型表示装置を実現できる。
本発明の第1の実施態様における透過光量可変素子の構成を示す模式図。 本発明の第2の実施態様における透過光量可変素子の構成を示す模式図。 本発明の第3の実施態様における透過光量可変素子の構成を示す模式図。 比較例における透過光量可変素子の構成を示す模式図。 本発明の実施の形態に係る透明電極を構成する分割電極の一例(略円形)を示す模式図。 本発明の実施の形態に係る透明電極を構成する分割電極の他の一例(マイクロレンズ用)を示す模式図。 本発明の実施の形態に係る液晶投射型表示装置の構成の一例を示す模式図。 本発明の実施例1における入射光の波長に対する透過率の特性図。 本発明の実施例2における入射光の波長に対する透過率の特性図。 比較例における入射光の波長に対する透過率の特性図。
符号の説明
1 光源
2 反射鏡
3 照明光学系
4 偏光子
5 液晶パネル
6 検光子
7 投射レンズ系
8、20、30、40 透過光量可変素子
11a、11b、21b 透明基板
12a、12b、22a、22b 透明電極
13、23 第1の多層膜部材
14 単層光学部材
15、25 液晶
16、26 シール材
17、27 配線
24 第2の多層膜部材
50 液晶投射型表示装置
111、112、113、121、122、123 透明電極

Claims (11)

  1. 平行に配置された少なくとも2枚の透明基板と、
    前記透明基板の対向する一対の前記透明基板のいずれか一方の面に設けられた断面形状が周期的な凹凸状の回折格子となる第1の多層膜部材と、
    前記回折格子の凹部の一部に設けられる光学媒質と、
    一対の前記透明基板間に前記回折格子および前記光学媒質を埋めるように挟持された液晶と、
    前記液晶に電圧を印加するための透明電極と、を備え、
    前記第1の多層膜部材は、屈折率が異なる複数種の光学薄膜が基板と垂直方向に積層された多層構造を有し、
    前記光学媒質の屈折率は、前記液晶の常光屈折率より高い透過光量可変素子。
  2. 前記第1の多層膜部材は、第1の高屈折率材料と第1の低屈折率材料との2種類の光学材料から形成される請求項1に記載の透過光量可変素子。
  3. 前記第1の高屈折率材料がTaであり、前記第1の低屈折率材料がSiOである請求項2に記載の透過光量可変素子。
  4. 前記光学媒質は、前記基板に垂直方向に積層された第2の多層膜部材から形成され、
    前記第2の多層膜部材の平均屈折率は前記液晶の常光屈折率より高い屈折率を有する請求項1〜3いずれか1項に記載の透過光量可変素子。
  5. 前記第2の多層膜部材は、第2の高屈折率材料と第2の低屈折率材料との2種類の光学材料から形成される請求項4に記載の透過光量可変素子。
  6. 前記第2の高屈折率材料がTaであり、前記第2の低屈折率材料がSiOである請求項5に記載の透過光量可変素子。
  7. 平行に配置された前記透明基板を3枚とし、一対の前記透明基板に挟持された前記液晶の配向方向と、他の一対の前記透明基板に挟持された液晶の配向方向とが略直交となる請求項1〜6いずれか1項に記載の透過光量可変素子。
  8. 前記透明電極が複数の領域に分割され、前記複数の領域ごと電圧を印加することができる請求項1〜7いずれか1項に記載の透過光量可変素子。
  9. 前記回折格子の格子ピッチが10μm以下である請求項1〜8いずれか1項に記載の透過光量可変素子。
  10. 前記透過光量可変素子に460nm〜660nmの波長帯域の光を前記透明基板に対して垂直に入射するとき、該波長帯域における透過率の最大値と最小値との差が20%以内となる請求項1〜9いずれか1項に記載の透過光量可変素子。
  11. 所定の光源と、
    入射光の映像信号に応じて変調して出射させる画像表示用空間変調素子と、
    複数のレンズからなり、前記光源が出射した光を前記画像表示用空間光変調素子に集光照明する照明光学系と、
    前記画像表示用空間変調素子から出射した光を投射する投射レンズ系と、
    前記光源を出射した光が前記投射レンズ系を通過するまでの光路中に1つ以上配置された、請求項1〜10いずれか1項に記載の透過光量可変素子と、を備えた投射型表示装置。
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