JP2009018782A - 車両用ドア構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】組付作業性に優れ見栄えの良い車両用ドアを提供する。
【解決手段】昇降する窓ガラス15を収納する箱状のドアボックス1Aを、ドアウェザーストリップ4を取付ける部位で分割し、ドアボックス車両内側10A及び窓枠12からなるドアモジュール10と、ドアボックス車両外側20Aからなるドアシェル20を構成する。そしてドアモジュール10とドアシェル20との結合部及び締付けボルト6を、取付けたドアウェザーストリップ4で覆い隠し外から見えなくした。
【選択図】図2
【解決手段】昇降する窓ガラス15を収納する箱状のドアボックス1Aを、ドアウェザーストリップ4を取付ける部位で分割し、ドアボックス車両内側10A及び窓枠12からなるドアモジュール10と、ドアボックス車両外側20Aからなるドアシェル20を構成する。そしてドアモジュール10とドアシェル20との結合部及び締付けボルト6を、取付けたドアウェザーストリップ4で覆い隠し外から見えなくした。
【選択図】図2
Description
自動車等に装備され窓ガラスが昇降自在な車両用ドア構造に関する。
窓ガラスを収納するドアボックスは、ドアアウタパネルとドアインナパネルのヘミング成形により一体化され、ドア骨格となるドアシェルを形成する。窓枠を有する場合、窓枠も一体化される。自動車の生産ラインは、大別してボデーの溶接ライン、塗装ライン、部品の組付けラインの順で一本のメインラインを形成する。メインラインの外で生産されたドアシェルは、メインラインに運ばれ塗装前のボデーに一旦仮組みされ建付け調整後、塗装を終えたボデーから取外される。窓枠を有する場合、窓枠もボデーと同色で塗装される。取外されたドアシェルは、ドアサブラインに運ばれ各種部品が組付けられる。完成したドアは、再びメインラインに運ばれボデー本体に取付けられる。最近ではドアインナパネルに大穴を設け、その大穴を塞ぐキャリアプレートに部品を集積したドアモジュールも実用化されている。
しかしながら、ドアサブラインでの部品取付けベースとなるドアシェルは、塗装を終えたメインラインから供給され、ドア組付完了後、再びメインラインに戻される。つまり、メインラインの一部の区間を迂回して合流するため、ドアサブラインのリードタイム、生産タクトは完全にメインラインと同期させる必要がある。そのためドアサブラインはメインラインと同じ工場敷地内に設置する必要がある。またメインラインには複数車種が混在して流れる場合が一般的で、車1台当りドアは4枚必要で組込まれる部品と種類も多いため、ドアサブラインは組立工場内に広大な敷地を必要とする。またキャリアプレートによるドアモジュールは、ドアサブラインの短縮に有効だが部品集積率が低く、コスト増加に見合う効果が少ない。
またドアボックス部が一体構造のため、窓ガラスはドアボックス部上方の狭い開口部から挿入する必要がある。またガラス昇降ユニット、ドアロック、ワイヤハーネス等はドアインナに作業穴を設け狭いドアボックスの内部に取付け、結線する必要がある。これらの作業は、作業穴が狭くワークが見えづらいため大変困難で熟練を要す。また作業穴は、防水のためサービスホールカバーで塞ぐ必要がある。
また窓枠を黒色にすると見栄えが向上するが、塗装工程で窓枠だけ黒色塗装するとコストが掛かるため、窓枠の車両外側だけ黒色粘着フィルムを貼付けている。
またトリム、アームレスト、インナハンドル等の車室側に取付く部品の取付け方法は、クリップ、ボルト等による。しかし車室側から見えなくするため、複雑な構造によるコスト増加は避けられず、ドア分解時のサービス性を著しく損ねている。
請求項1記載の車両用ドア構造は、ドア外周部にウェザーストリップを備え、窓ガラス昇降ユニットを内蔵する車両用ドアにおいて、窓ガラスを収納するドアボックスが前記ウェザーストリップ取付け部で車両外側と車両内側に分割されボルト等により脱着可能な構造を有し、かつ分割したドアボックスの結合端末部及び結合ボルト等が前記ウェザーストリップを取付けることにより外から見えなくした。
請求項2記載の車両用ドア構造は、分割された前記ドアボックスの車両内側でドアモジュールを構成し、そのドアモジュールに窓枠が含まれる。
請求項1記載の車両用ドア構造では、分割したドアボッツクスの車両内側で各種部品を集積したドアモジュールを構成すれば、ドアサブラインの工程短縮が可能でコンパクトな組立工場が可能になる。その場合、ドアモジュール組立のリードタイム、生産タクトは、メインラインと同期させる必要がない。またドアボックス部を分割することにより、作業方向の制約が無く、部品を目視確認しながら簡単に取付けられるので作業者の熟練を必要としない。さらに作業穴を必要としないため防水対策が簡略化できる。またトリム、アームレスト、インナハンドル等の車室側に取付く部品は、車両外側からボルト結合等で簡単に車室側から見えなくできるため、結合構造のコスト削減ができ、ドア分解時のサービス性も著しく改善できる。またウェザーストリップの取付けでドアボックスの分割部が隠れるためドアの見栄えを損ねない。
請求項2記載の車両用ドア構造では、窓枠がボデーと別の塗装工程を経由するため窓枠全体を容易に黒色塗装することができる。そのため請求項1記載の効果に加えてドアの見栄えを向上できる。さらにドアモジュールに窓枠が含まれることでモジュールの部品集積率が飛躍的に高まり、ドアサブラインが大幅に工程短縮され、更にコンパクトな組付工場が可能になる。
図1は、本発明の車両用ドア1を車室側から見た側面図を示す。ドアボックス1Aとは、昇降する窓ガラス15を収納する箱状の部位を指す。ドアボックス1Aの内部には、ガラス昇降ユニット14、窓ガラス15、ドアロック16、窓枠12から延長された前後のガラスガイド121、122、およびインパクトビーム24が内蔵されている。ワイヤハーネス18は、ドアボックス1Aを貫通して配設され、ガラス昇降ユニット14、ドアロック16をはじめ、図示しないがドアボックス1Aの内部で配線されている。ドアボックス1Aの車両内側には、ドアトリム13をベースにアームレスト131、インナハンドル132が取付けられている。ドアボックス1Aの車両前側には、アッパヒンジ25、ロアヒンジ26がボルト留めされている。
図2は、本発明の車両用ドア1を車室側から見た分解斜視図を示す。ドア1はドアボックス車両内側10Aからなるドアモジュール10と、ドアボックス車両外側20Aからなるドアシェル20にて構成されている。ドアモジュール10は、窓枠12が一体化したドアインナパネル11をベースにガラス昇降ユニット14、窓ガラス15、ドアロック16、ガラスガイド121、122、及びドアトリム13、アームレスト131、インナハンドル132、及びドアミラー17、ワイヤハーネス18で構成される。ドアインナパネル11の外周部には、ドアモジュール10を取付けるためのボルト穴10aが数箇所設けてある。一方ドアシェル20は、ドアアウタパネル21、ドアアウタリンフォースパネル22、及びドアインバクトビーム24から構成され、ドア骨格部を形成する。ドアシェル20には、ドアモジュール10をボルト締めするための数箇所の雌ねじ部20aと、ワイヤハーネス18を通すための逃がし形状20bが形成されている。
図3は、図1におけるアッパヒンジ25の取付け部のI−I部分断面図を示す。ウエルドナット221がドアアウタリンフォースパネル22に溶接されており、ドアモジュール10は、ドアインナパネル11の外周フランジ部でボルト6にてドアシェル20のドアアウタリンフォースパネル22に取付けられている。その取付け部においては、クリップ41が埋め込まれたドアウェザーストリップ4が、ドアインナパネル11に取付きボルト6を覆い隠すと共に、ドアウェザーストリップ4のリップ部4aがドアインナパネル11の外周端末部を覆い隠し、フロントピラー部3aに密着している。ドアアウタリンフォースパネル22は、ヒンジサイドリンフォースパネル23にて補強されウエルドナット222が溶接されており、アッパヒンジ25がボルト251にて取付けられている。ボデーのフロントピラー部3aにはウエルドナット311が溶接されており、アッパヒンジ25がボルト252にて取付けられている。このためドア1は、アッパヒンジ25、ロアヒンジ26を介して開閉自在にボデーのフロントピラー部3aに取付けられる。またフロントピラー部3aのフランジ部には、ドアオープニングウェザーストリップ5が取付けられドアインナパネル11に密着している。ガラスガイド121にはガラスラン151が圧入されており、昇降する窓ガラス15を案内している。ドアトリム13の端末部は、ドアインナパネル11に密着しており、図示しないがドアトリム13は、ボルトもしくはクリップ等でドアインナパネル11に取付けられている。
図4は、図1におけるII−II部分断面図を示す。ドアインナパネル11の外周フランジ部は、ドアモジュール10の取付けボルト6(図3参照)の無い一般部形状を示し、端末部に設けたステップ形状11aがドアウェザーストリップ4の倒れ込みを防止している。ドアウェザーストリップ4は、そのリップ部4aがドアインナパネル11の外周端末部を覆い隠し、ロッカー部3bに密着している。
図5は、図1におけるIII−III部分断面図を示す。ドアロック16は、ドアインナパネル11の内側にボルト等で取付けられており、ボデーのセンタピラー部3cに取付けられたストライカー31と噛合い、ドア1のロック及び解除をしている。ドアウェザーストリップ4は、そのリップ部4aがドアインナパネル11の外周端末部を覆い隠し、センタピラー部3cに密着している。
次に、本発明の実施形態におけるドア1が、ボデーに取付くまでの工程を説明する。メインラインの外で溶接、ヘミング成形により一体化した未塗装のドアシェル20には、ボルト251によりアッパヒンジ25、ロアヒンジ26が取付けられる。メインラインに運ばれたドアシェル20は、塗装前のボデーフロントピラー部3aにボルト252にて一旦仮組みされ、建付け調整が施される。ボデーと同色に塗られたドアシェル20は、ボルト251が外され、アッパヒンジ25、ロアヒンジ26をボデーに残し取外される。取外されたドアシェル20は、ドアサブラインに運ばれガラスアウタウェザーストリップ(図示なし)が取付けられる。同じくメインラインの外で組立てられたドアモジュール10は、ドアサブラインに運ばれ数本のボルト6(図3参照)でドアシェル20がドアモジュール10に取付けられる。次にアウタハンドル(図示なし)が取付けられる。最後にボルト6及びドアボックス1Aの分割部を覆うように、ドア1の外周に環状のドアウェザーストリップ4(図3参照)が取付けられ、ドアサブラインでの組付けが完了する。組付けが完了したドア1は、車室内の部品組付けが完了したメインラインに戻される。そしてボデーに残したアッパヒンジ25、ロアヒンジ26に再びボルト251にて取付けられる。最後にワイヤハーネス18をボデー側のワイヤハーネス(図示なし)に結線すれば一連の取付け作業が完了する。
本発明のドア1においては、従来のドアサブラインで組付ける大半の部品が予めドアモジュール10に組込まれているため、ドアサブラインが飛躍的に工程短縮され、コンパクトな組立工場が可能になる。更に、メインラインを流れる全ての車種がこのドア構造を採用すれば、大掛かりな設備を必要とするドアサブラインを廃止して、簡易設備で生産可能なセル生産方式に切替えることもできる。
一方、ドアモジュール10は、ドアシェル20の外周部にボルト6で留められるため、ドアシェル20に対し精度良く取付けができ、建付け調整を必要としない。そのためメインラインの外で生産されるドアモジュール10の組立リードタイム、生産タクトは、メインラインと同期させる必要が無く、柔軟な生産方式が採用できる。例えば組付け部品が多く生産台数の少ない高級車は、設備が安価なセル生産方式でドアモジュール10を組立てる等が考えられる。またアウタハンドルの作動を除けば、全ての電動式及び機械式の作動確認が可能であり、高品質なドアモジュール10を提供できる。
またドア1のドアボックス1Aの内側に取付くガラス昇降ユニット14、窓ガラス15、ガラスラン151、ドアロック16、ワイヤハーネス18等の部品は、大きく開口したドアモジュール10の車両外側から取付けられ、ワイヤハーネス18に結線される。これらの作業は、障害物も無く目視確認が容易である。そのため作業性が飛躍的に改善され熟練した作業者を必要としない。
またドアインナパネル11に作業穴が無くなると様々なコスト削減が可能になる。例えば、作業穴を覆うサービスホールカバーが廃止され防水対策の簡略化が可能となる。更に、トリム表皮を直接ドアインナパネル11に貼付けドアトリム13の簡素化が可能である。更に、ドアインナパネル11を板金から樹脂にすれば、ドアトリム13が不要になるだけでなく、部品取付け部に必要な小部品を一体成形して部品点数を大幅に削減し、コスト削減が可能になる。
従来、ドアトリム13、アームレスト131、インナハンドル132等の車室側に取付く意匠部品は、車室側から留めるボルトを見せたくないため、その取付け構造が複雑でコストが避けられなかった。しかし本発明のドアモジュール10では、車両外側からボルト留めし簡単に車室側から見えなくできるため、結合構造のコスト削減が可能である。一方、ドア1の分解作業は、まずドアアウタハンドルを取外す。そしてドアボックス1Aのドアウェザーストリップ4を捲り上げ、ボルト6を取外してドアモジュール10を分離すことから始まる。しかし各部品及び取付け構造が丸見えのため、そのサービス性は著しく改善できる。
また図3に示すように、ドアウェザーストリップ4が、ドアインナパネル11に取付きボルト6を覆い隠すと共に、ドアウェザーストリップ4のリップ部4aがドアインナパネル11の外周端末部を覆い隠している。これによりドアボックス1Aの分割部を完全に隠すことができ、ドアの見栄えを損ねない。また通常ドアモジュール10は、ボデーと別の塗装工程を経由して生産される。そのため一体構造の窓枠12及びドアインナパネル11は、マスキング作業なしでボデー色に関係なく黒色塗装でき、ドア1の見栄えを向上できる。
これまでドアモジュール10に窓枠12を含むドア1の実施例を取上げた。図示しないが本発明によれば、窓枠の無いドア(サッシュレスドア)にも応用可能であることは容易に想像できる。また意匠的に窓枠をボデーと同色にしたい場合がある。その場合、図示しないがドアシェルに窓枠が一体化したドアにおいても応用可能である。つまり図2のドアモジュール10の構成部品から窓枠12及びドアミラー17がドアシェル側に構成されるドアである。この場合、車両前後のガラスガイド、ガラスランをベルトラインで分離し、窓ガラスと共にドアモジュール側へ取込むことになる。ただし実施例と比較して、ドアモジュールの部品集積率低下により、ドアサブラインでの工程短縮効果は若干損なわれる。しかしこれまで説明してきた本発明の様々な効果を考えれば、その効果は大きい。
1 ドア、1A ドアボックス 3a フロントピラー部、3b ロッカー部、3c センタピラー部 4 ドアウェザーストリップ、4a リップ部、5 ドアオープニングウェザーストリップ、6 ボルト 10 ドアモジュール、10A ドアボックス車両内側 11 ドアインナパネル、12 窓枠、13 ドアトリム、14 ガラス昇降ユニット 15 窓ガラス、16 ドアロック、17 ドアミラー、18 ワイヤハーネス 20 ドアシェル、20A ドアボックス車両外側 21 ドアアウタパネル、22 ドアアウタリンフォースパネル 23 ヒンジサイドリンフォースパネル、24 ドアインバクトビーム、25 アッパヒンジ、26 ロアヒンジ 31 ストライカー、41 クリップ、121、122 ガラスガイド、151 ガラスラン、221、222 ウエルドナット、251、252 ボルト
Claims (2)
- ドア外周部にウェザーストリップを備え、窓ガラス昇降ユニットを内蔵する車両用ドアにおいて、窓ガラスを収納するドアボックス部が前記ウェザーストリップ取付け部で車両外側と車両内側に分割されボルト等により脱着可能な構造を有し、かつ分割したドアボックス部の結合端末部及び結合ボルト等が前記ウェザーストリップを取付けることにより外から見えなくしたことを特徴とする車両用ドア構造。
- 分割された前記ドアボックスの車両内側でドアモジュールを構成し、そのドアモジュールに窓枠が含まれることを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007208587A JP2009018782A (ja) | 2007-07-12 | 2007-07-12 | 車両用ドア構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007208587A JP2009018782A (ja) | 2007-07-12 | 2007-07-12 | 車両用ドア構造 |
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JP2009018782A true JP2009018782A (ja) | 2009-01-29 |
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JP2007208587A Pending JP2009018782A (ja) | 2007-07-12 | 2007-07-12 | 車両用ドア構造 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017035935A (ja) * | 2015-08-07 | 2017-02-16 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用ドア構造 |
-
2007
- 2007-07-12 JP JP2007208587A patent/JP2009018782A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017035935A (ja) * | 2015-08-07 | 2017-02-16 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用ドア構造 |
US10286762B2 (en) | 2015-08-07 | 2019-05-14 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle door structure |
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