JP2009016709A - 量子ドット作製法と量子ドット半導体 - Google Patents

量子ドット作製法と量子ドット半導体 Download PDF

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高明 間野
Kazuki Mitsuishi
和貴 三石
Takashi Kuroda
隆 黒田
Kazuaki Sakota
和彰 迫田
Nobuyuki Oguchi
信行 小口
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Abstract

【課題】従来に望むことの出来ない高密度で、かつサイズ揺らぎの少ない均一な量子ドットの作成が可能な方法を提供する。
【解決手段】従来のGaAs(100)基板でなく、GaAs(311)A基板上にガリウムのみを供給して液状のガリウム金属微粒子を作製し、その液滴に砒素分子線を照射してガリウム砒素に結晶化することにより、サイズ揺らぎの少ない量子ドットを作製する。
【選択図】図3

Description

本発明は、液滴エキタピシー法によりGaAs基板上に量子ドットを形成する量子ドット作製法と量子ドット半導体に関し、より詳しくは、量子ドットの密度と均一性を向上することに関する。
量子ドットのサイズ揺らぎと発光の半値幅について:量子ドットはそのサイズが変化すると、量子閉じ込めエネルギーが変化するため発光する波長(エネルギー)が変化する。そのため、サイズの揺らぎが大きい量子ドット群の発光特性は、幅広い波長(エネルギー)にわたって広がり、その半値幅は広い物となる。量子ドットの半導体レーザ等の応用のためには、なるべくサイズ揺らぎの少ない量子ドットを高密度に作製することが望まれている。
非特許文献1で示されているように従来のGaAs(100)基板を用いたものでは、液滴の密度は最大でも3×1010/cmであった。この特許文献1及び非特許文献1に示されているように、GaAs(100)基板を用いたものでは、液滴を結晶化する際の砒素分子線強度を低下させると、結晶化後のナノ構造の形状が変化し量子ドットの形成は不可能となる。
これに対し非特許文献1では、量子ドットを作製するために高強度の砒素分子線を液滴に照射して結晶化しているため、量子ドットのサイズの均一性が悪く、半値幅の狭い発光を得ることは不可能であった。
特開2006−060088 Jpn. J. Appl. Phys. 39、L79−L81、2000年、2月、K. Watanabe、N.Koguchi, Y. Gotoh
以上のような実情に鑑み、本発明は、従来に望むことの出来ない高密度でかつ均一な量子ドットの作成が可能な方法を提供することを目的とする。
本発明の量子ドット作製法は、GaAs(311)A基板上に量子ドットを形成することを特徴とする。
また、量子ドット半導体は、量子ドットがGaAs(311)A基板上に形成されていることを特徴とする。
GaAs(311)A基板上に液滴エピタキシー法により量子ドットを作成することにより、3×10/cm〜1×1011/cmの範囲で量子ドットの密度を制御する事に成功した。また、同基板を用いる事により、量子ドットの均一性に関しても、成長条件により広い範囲で制御可能となった。このような量子ドットをもつ半導体の半値幅は23meV〜100meV超を実現した。
液滴エピタキシー法は、上記非特許文献1に記載されているように、InAs/GaAs等の格子不整合な系に於いても適用できる。そのため、本手法が、実施例のGaAs量子ドットをGaSb、InAs、InP、InSb量子ドットに置き換えたもの、また、実施例2のGaAs(311)A基板をInP(311)A基板に置き換えされに、GaAs量子ドットをInAs、InSb量子ドットに置き換えた場合に於いても、同様の構造の作製が可能である事容易に類推できる。
液滴エピタキシー法は、化合物半導体の量子ドットを作製する手法で、図1を参照して、ガリウム砒素量子ドットの作製を例として説明すると、基板上にガリウムのみを供給してガリウムの液体金属微粒子を作製し、続いて砒素を供給してその液滴をガリウム砒素に結晶化する事により、量子ドットを作製する。
図2に示すように、従来のGaAs(100)基板上では、200℃から350℃の範囲では、液滴の密度は基板温度と式1(GaAs(100)基板上の液滴密度のフィッティング曲線の式)の関係にあり、密度は最大でも2×1010/cm程度であった。
式1
これに対して、GaAs(311)A基板を用いることにより、上記の温度範囲の全域で密度が増加し、最大で1×1011/cmという、高密度の液滴が形成可能となった。なお、図1の説明で述べたように、この液滴は結晶化する事により、一つの液滴が一つの量子ドットとなることから、この密度はそのまま形成される量子ドットの密度と考えることができる。
図3は、液滴を量子ドットへ結晶化する際の砒素分子線強度を変化させた際の結晶化後の構造の形状の顕微鏡像であるが、GaAs(100)基板上では、分子線強度の減少に伴い、形状が変化してしまうため、量子ドットの形成には2×10−4Torrの砒素分子線照射が必要である。それに対して、GaAs(311)A基板上では、砒素分子線強度を減少させても形状は保たれており、弱い砒素分子線照射に於いても量子ドット形成が可能である。
GaAs量子ドットをAlGaAs層によりサンドイッチした構造を例にして、図4にその発光特性を示す。
図5には、同様な構造のGaAs(100)基板上の量子ドットの例を示すが、前述と同様に非常に高強度の砒素分子線照射を用いることが必須であるため、サイズ揺らぎ大きな量子ドットが形成され、観察される発光の半値幅は100meV以上と非常に大きな値である。
図6−8は本実施例において、GaAs(311)A基板上でも、砒素分子線強度を変えても量子ドットの形成が可能で、弱い強度の砒素を照射した際に均一性の高い量子ドットが形成されることを示している。それにより、半値幅50meV以下の発光が観察される。
なお、GaAs(311)A基板上でも、高強度の砒素分子線による結晶化を行うと、(100)基板上と同様にサイズ揺らぎの大きな量子ドットが形成され、100meVを超える半値幅の発光が観察される。(図9参照)
液滴エピタキシー法は、基板と量子ドット材料の格子定数が等しい材料系に適用できる量子ドットの自己形成手法であるが、これまでGaAs(100)基板を用いた液滴エピタキシー法により作成した量子ドットは、最大でも密度が2〜3×1010/cmで、さらに、大きなサイズ揺らぎに起因する発光の半値幅の広いため、しきい値電流、変調特性等に於いて優れた特性が予測されている量子ドットレーザを実現する事は困難であった。しかしこの技術により、高密度かつ高均一な量子ドットが実現されることにより、従来の技術では実現不可能であったGaAs/AlGaAsなどの格子整合な系において自己形成量子ドットを用いた量子ドットレーザデバイスを実現することが可能となる。
液滴エピタキシー法の模式図 GaAs(100)及び(311)A基板上のガリウム液滴密度の比較を示すグラフ。 (100)及び(311)A基板上の液滴を異なる強度の砒素照射により結晶化した後のGaAsナノ構造の形状を示す顕微鏡写真。 発光特性を測定するために作製した構造の模式図 (100)基板上に形成した量子ドットの発光特性と顕微鏡像(砒素強度2×10−4torr) (311)A基板上に形成した量子ドットの発光特性と顕微鏡像(砒素強度2×10−6torr) (311)A基板上に形成した量子ドットの発光特性と顕微鏡像(砒素強度1×10−5torr) (311)A基板上に形成した量子ドットの発光特性と顕微鏡像(砒素強度2×10−6torr) (311)A基板上に形成した量子ドットの発光特性と顕微鏡像(砒素強度2×10−4torr)

Claims (2)

  1. 液滴エキタピシー法によりGaAs基板上に量子ドットを形成する量子ドット作製法であって、GaAs(311)A基板上に量子ドットを形成することを特徴とする量子ドット作製法。
  2. GaAs基板上に量子ドットが形成されてなる量子ドット半導体であって、量子ドットがGaAs(311)A基板上に形成されていることを特徴とする量子ドット半導体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018011076A (ja) * 2014-10-22 2018-01-18 株式会社東芝 光学デバイスおよび光学デバイスを製造する方法

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