JP2009008176A - 磁性流体シール装置及び気密処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁性流体シール装置の寿命故障を故障前に診断することができる診断装置を内蔵した磁性流体シール装置及び気密処理装置を提供する。
【解決手段】磁性流体シール装置4のハウジング11内に、磁性流体からなるシール層18に向けて光を出射する発光部21と、発光部21との間でシール層18を挟む位置に設けられた受光部22と、を設ける。発光部21から出射されシール層18を透過した光を、受光部22が受光することにより、磁性流体の劣化に起因するシール層18の形成不全を検出する。
【選択図】図2
【解決手段】磁性流体シール装置4のハウジング11内に、磁性流体からなるシール層18に向けて光を出射する発光部21と、発光部21との間でシール層18を挟む位置に設けられた受光部22と、を設ける。発光部21から出射されシール層18を透過した光を、受光部22が受光することにより、磁性流体の劣化に起因するシール層18の形成不全を検出する。
【選択図】図2
Description
本発明は、磁性流体シール装置及び気密処理装置に関し、特に、磁性流体シール装置の劣化を診断する診断装置を内蔵した磁性流体シール装置、及びこの磁性流体シール装置を備えた気密処理装置に関する。
従来より、半導体プロセスなどに使用する気密チャンバーにおいて、気密を破らずに外部と内部との間で回転運動を伝達する手段として、磁性流体シール装置が使用されている。磁性流体シール装置においては、筒状のハウジングの内部に回転軸が挿通されており、この回転軸を囲むように環状の永久磁石が設けられており、ハウジングと回転軸との間には磁性流体が注入されている。磁性流体とは、油等からなる溶媒中に磁性粒子が分散された流体である。磁性流体は、ハウジングと回転軸との間に注入されることにより、磁束密度が高いところに集まり、ハウジングと回転軸との間にシール層を形成する。これにより、チャンバー内の気密を維持したまま、回転軸をハウジングに対して回転自在とすることができる。
しかしながら、磁性流体シール装置においては、溶媒の揮発などにより磁性流体が劣化すると、シール層が安定して形成されなくなり、気密性が突然失われるという寿命故障の問題がある。例えば、半導体プロセスを実行している真空チャンバーにおいて、気密性が突然失われると、真空が破られ、処理中のウェーハが損傷を受けてしまう。プロセス装置によっては、1つのチャンバー内に数百枚のウェーハを装入して処理を行っているため、これらのウェーハが回復不能な損傷を受けると、その損害は甚大である。また、高真空が突然破られると、真空チャンバーに接続されたポンプなどの排気手段にも損傷を与えてしまう。
そこで、特許文献1には、チャンバー内の真空度を継続的に測定することにより、シール層が安定して形成されなくなったことを検知する技術が開発されている。しかし、この技術においては、チャンバー内の真空度が低下してから初めて異常が検出されるため、異常が検出されたときには既に、被処理物及び排気設備がある程度損傷を受けてしまっている。このように、従来の技術によっては、磁性流体の劣化による気密性の喪失を事後的に検知することしかできなかった。すなわち、従来、磁性流体シール装置の寿命故障を故障前に診断する手段は存在しなかった。
特開2003−166653号公報
本発明の目的は、磁性流体シール装置の寿命故障を故障前に診断することができる診断装置を内蔵した磁性流体シール装置及び気密処理装置を提供することである。
本発明の一態様によれば、磁石を有する筒体と、前記筒体内に挿通された回転軸と、磁性流体からなり、前記磁石の磁力により前記筒体と前記回転軸との間に形成されるシール層と、前記シール層に向けて光を出射する発光部と、前記発光部との間で前記シール層を挟む位置に設けられた受光部と、を備えたことを特徴とする磁性流体シール装置が提供される。
本発明の一態様によれば、気密チャンバーと、前記筒体が前記気密チャンバーの内部と外部とを連通するように取り付けられた前記磁性流体シール装置と、を備えたことを特徴とする気密処理装置が提供される。
本発明によれば、磁性流体シール装置の寿命故障を故障前に診断することができる診断装置を内蔵した磁性流体シール装置及び気密処理装置を実現することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る気密処理装置を例示する模式図であり、
図2は、本実施形態に係る磁性流体シール装置を例示する断面図である。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る気密処理装置を例示する模式図であり、
図2は、本実施形態に係る磁性流体シール装置を例示する断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る気密処理装置1は、例えば、半導体プロセスにおいて使用される真空処理装置である。気密処理装置1においては、真空チャンバー2が設けられており、真空チャンバー2内の雰囲気を制御する雰囲気制御手段3が設けられている。雰囲気制御手段3は、例えば、真空チャンバー2内の気圧を制御する排気手段であり、ポンプ3a及び弁3bなどによって構成されている。
また、気密処理装置1には、磁性流体シール装置4が設けられている。磁性流体シール装置4は、真空チャンバー2に取り付けられており、真空チャンバー2内の気密を保持したまま、真空チャンバー2の外部と内部との間で回転運動を伝達する手段である。磁性流体シール装置4には、真空チャンバー2の外部から内部まで引き込まれた回転軸16が設けられている。例えば、回転軸16の両端部のうち、真空チャンバー2の外部に位置する一端部には、回転軸16に対して回転運動を付加する駆動手段5が連結されている。一方、真空チャンバー2の内部に位置する他端部には、回転軸16から回転運動を与えられることによって作動するウェーハ処理手段6が連結されている。
図2に示すように、本実施形態に係る磁性流体シール装置4においては、非磁性材料からなるハウジング11が設けられている。ハウジング11の形状は筒状であり、真空チャンバー2の開口部2aに連通されるように、真空チャンバー2に取り付けられている。ハウジング11の内側には、環状の永久磁石12が固定的に取り付けられている。また、永久磁石12の両側には、1対の極部材13が固定的に取り付けられている。極部材13は磁性材料からなり、その形状は環状である。これにより、一方の極部材13は永久磁石12のN極に接しており、他方の極部材13は永久磁石12のS極に接している。極部材13は永久磁石12よりもハウジング11の内側まで延出している。ハウジング11、永久磁石12及び1対の極部材13により、真空チャンバー2の内部と外部とを連通するように真空チャンバー2に取り付けられた筒体15が構成されている。
そして、前述の回転軸16は、筒体15の内部を挿通している。すなわち、環状の永久磁石12及び極部材13は回転軸16を囲んでいる。また、回転軸16は磁性材料によって形成されている。回転軸16においては、円柱形のシャフト16aが1本設けられており、このシャフト16aの外側面における極部材13に対向する位置に、複数本、例えば、図2に示す例では6本のリング16bが取り付けられている。リング16bはシャフト16aを囲んでおり、その中心軸はシャフト16aの中心軸と一致している。これにより、筒体15と回転軸16との最近接点は、極部材13とリング16bとの間となっている。極部材13とリング16bとは接しておらず、その間には例えば0.1ミリメートル程度の隙間17が形成されている。この結果、永久磁石12のN極から出射した磁力線は、一方の極部材13、隙間17、リング16b、シャフト16a、リング16b、隙間17、他方の極部材13を通過して、永久磁石12のS極に入射する閉じたループを形成する。
更に、ハウジング11と回転軸16との間には、磁性流体が注入されている。磁性流体は、例えば、油等からなる溶媒中に酸化鉄等からなる磁性粒子が分散された流体である。磁性流体は、スパイク現象により磁束密度が大きな空間に集まり、永久磁石12の磁力線に沿って配置されるため、隙間17内に充填されてシール層18を形成する。このシール層18により、隙間17が封止される。シール層18は流体によって形成されているため、回転軸16が回転しても、回転軸16に与える摩擦力は小さい。これにより、真空チャンバー2内の気密を維持したまま、回転軸16を筒体15に対して回転自在とすることができる。
そして、本実施形態に係る磁性流体シール装置4においては、ハウジング11内に、光を出射する発光部21が設けられている。発光部21は、例えば、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)又はLD(Laser Diode:レーザーダイオード)などの発光素子からなり、シール層18に向けて光を出射する位置に配置されている。発光部21に電力を供給するための配線23は、ハウジング11の外部に引き出されている。
また、ハウジング11内には、入射された光を電気信号に変換することによって光を検出する受光部22も設けられている。受光部22は、例えば、PD(Photo Diode:フォトダイオード)などの受光素子からなり、発光部21との間でシール層18を挟む位置に配置されている。受光部22から出力信号を取り出すための配線24は、ハウジング11の外部に引き出されている。なお、配線23及び24をハウジング11の外部に引き出すために、ハウジング11には穴が形成されているが、この穴はコーキングなどでシールされている。
発光部21及び受光部22を、シール層18を挟む位置に配置することにより、発光部21から出射した光は、複数層のシール層18を通過して、受光部22に入射する。図2においては、発光部21から受光部22までの光路を光路Lとして示している。一例では、発光部21は、真空チャンバー2側に配置された極部材13よりも真空チャンバー2側の位置に配置されており、受光部22は、真空チャンバー2から遠い側に配置された極部材13よりも真空チャンバー2から遠い位置に配置されている。発光部21、受光部22、配線23及び24により、本実施形態に係る診断装置が構成されている。
次に、本実施形態の動作について説明する。
気密処理装置1においては、上述の如く、磁性流体が永久磁石12の磁力線に沿って配置されることによりシール層18が形成され、隙間17がシールされる。これにより、真空チャンバー2内の気密を維持したまま、回転軸16を回転させることができる。このとき、真空チャンバー2の外部の大気雰囲気と内部の真空雰囲気との間の圧力差は、1層のシール層18のみによって支えられているわけではなく、複数層のシール層18によって分担して支えられている。
気密処理装置1においては、上述の如く、磁性流体が永久磁石12の磁力線に沿って配置されることによりシール層18が形成され、隙間17がシールされる。これにより、真空チャンバー2内の気密を維持したまま、回転軸16を回転させることができる。このとき、真空チャンバー2の外部の大気雰囲気と内部の真空雰囲気との間の圧力差は、1層のシール層18のみによって支えられているわけではなく、複数層のシール層18によって分担して支えられている。
この状態で、真空チャンバー2内に半導体ウェーハなどの被処理物を装入し、雰囲気制御手段3によって真空チャンバー2内を真空とする。そして、回転軸16を介して回転運動を真空チャンバー2内に導入し、ウェーハ処理手段6によって半導体ウェーハに対する処理を実行する。このとき、発光部21に一定量の光を出射させることにより、この光の一部がシール層18を透過して受光部22に到達し、受光部22によって電気信号に変換される。
ところが、熱的負荷又は経時変化などによって磁性流体の溶媒が揮発すると、磁性流体が劣化し、粘度が変化すると共に体積が減少する。これにより、徐々にシール層18が薄くなり、局所的且つ一時的に途切れるようになる。すなわち、シール層18が安定して形成されなくなり、シール層18の形成不全が発生する。なお、上述の如く、真空チャンバー2の外部の大気雰囲気と内部の真空雰囲気との間には複数層のシール層18が介在しているため、1層のシール層18が局所的且つ一時的に途切れても、直ちに真空チャンバー2内の気密性が失われる訳ではない。このため、このようなシール層の形成不全は真空チャンバー2内の真空度を測定しているだけでは検知できず、見過ごされてしまう。しかし、磁性流体の劣化を放置して気密処理装置1を使い続けると、いずれ複数層のシール層18が同時に途切れ、残りのシール層18だけでは圧力差を支えられなくなってしまい、気密性が突然失われる。
そこで、本実施形態においては、上述の如く、発光部21及び受光部22を設けている。これにより、シール層18における光路L上に位置する部分が薄くなったり途切れたりすると、受光部22が受光する光量が増加する。このため、受光部22の受光量を継続的にチェックすることにより、磁性流体の劣化の進行を把握することができる。これにより、気密性が失われる前に、寿命故障の発生を予測できるようになる。例えば、受光量の変化を示すグラフに瞬間的なピークが認められれば、光路L上に存在する複数層のシール層18のうちの1層が瞬間的に途切れていたことが推測される。また、このグラフのベースラインが徐々に増加していたら、シール層18が全体的に薄くなりつつあることが推定される。そして、このような兆候が認められた場合には、速やかに適当な処置を行うことにより、処理中の半導体ウェーハ及び雰囲気制御手段3が損傷を受けることを防止できる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
上述の如く、本実施形態によれば、発光部21から出射しシール層18を通過した光を受光部22によって受光し、この受光量を評価することにより、シール層18が形成不全を起こし、薄くなったり途切れたりしていることを検知することができる。これにより、磁性流体の劣化の進行を監視し、磁性流体シール装置4の寿命故障を診断することができる。このように、本実施形態によれば、気密性が喪失する前に磁性流体の劣化を検知し、磁性流体シール装置の寿命故障を診断することができる診断装置、この診断装置を内蔵した磁性流体シール装置及び気密処理装置を実現することができる。
上述の如く、本実施形態によれば、発光部21から出射しシール層18を通過した光を受光部22によって受光し、この受光量を評価することにより、シール層18が形成不全を起こし、薄くなったり途切れたりしていることを検知することができる。これにより、磁性流体の劣化の進行を監視し、磁性流体シール装置4の寿命故障を診断することができる。このように、本実施形態によれば、気密性が喪失する前に磁性流体の劣化を検知し、磁性流体シール装置の寿命故障を診断することができる診断装置、この診断装置を内蔵した磁性流体シール装置及び気密処理装置を実現することができる。
なお、本実施形態においては、発光部21及び受光部22をスポット状に構成する例を示したが、回転軸16を囲むリング状に構成してもよい。これにより、シール層18の形成不全がどの位置で発生しても、確実に検知することができる。また、発光素子及び受光素子自体はハウジング11の外部に設け、これらの素子に結合された光ファイバーをハウジング11の内部に引き込んでもよい。この場合は、光ファイバーにおけるハウジング内に引き込まれた側の端部が、発光部及び受光部となる。これにより、ハウジング11内に発光部21及び受光部22を配置する必要がなくなり、スペース上の制約が緩和される。更に、受光部22の出力信号はコンピューターなどに取り込んでもよく、チャート用紙に記録してもよく、メーターなどに出力して技術者がリアルタイムに確認してもよい。更にまた、本実施形態においては、永久磁石12を1個のみ設ける例を示したが、本発明はこれに限定されず、永久磁石は複数個設けてもよく、例えば、極部材と永久磁石を交互に配列してもよい。更にまた、本実施形態に係る気密処理装置は真空処理装置には限定されず、内部の圧力が大気圧よりも高い高圧処理装置であってもよく、内部の圧力を大気圧としたまま内部の雰囲気ガスの組成を制御して処理を行う装置であってもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図3は、本実施形態に係る診断装置を例示するブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係る診断装置10においては、ハウジング11の外部に、受光部22に配線24を介して接続された微分回路31と、この微分回路31に接続された警報回路32とが設けられている。微分回路31は、受光部22の出力信号が入力されて、この出力信号の微分値、すなわち、変化量を求める回路である。また、警報回路32は、微分回路31の出力信号、すなわち、変化量が入力されて、この変化量が予め設定された基準値を超えたときに、警報信号を出力する回路である。なお、図3においては、便宜上、配線23(図2参照)は図示されておらず、また、シール層18が図示されている。
図3は、本実施形態に係る診断装置を例示するブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係る診断装置10においては、ハウジング11の外部に、受光部22に配線24を介して接続された微分回路31と、この微分回路31に接続された警報回路32とが設けられている。微分回路31は、受光部22の出力信号が入力されて、この出力信号の微分値、すなわち、変化量を求める回路である。また、警報回路32は、微分回路31の出力信号、すなわち、変化量が入力されて、この変化量が予め設定された基準値を超えたときに、警報信号を出力する回路である。なお、図3においては、便宜上、配線23(図2参照)は図示されておらず、また、シール層18が図示されている。
例えば、微分回路31及び警報回路32は集積回路チップとして構成され、発光部21及び受光部22と共に磁性流体シール装置に内蔵されている。これにより、発光部21、受光部22、配線23及び24、微分回路31並びに警報回路32からなる診断装置は、磁性流体シール装置に内蔵されている。なお、微分回路31及び警報回路32は外付けされており、発光部21及び受光部22はハウジング11に対して着脱可能とされており、これにより、診断装置は磁性流体シール装置から独立していてもよい。これは前述の第1の実施形態及び後述する第3の実施形態においても同様である。
本実施形態においては、受光部22が受光した光を電気信号に変換して微分回路31に対して出力する。微分回路32は、この受光量を表す電気信号を微分することにより、受光量の変化量を求め、警報回路32に対して出力する。警報回路32は、この変化量を基準値と比較し、基準値よりも大きい場合には警報信号を出力する。
警報信号の扱い方は、気密処理装置の種類及び運用によって異なる。例えば、警報発信装置(図示せず)を設け、この警報発信装置に警報信号が入力されるようにしておき、警報信号が入力されたときに警報を発信して担当技術者に知らせるようにしてもよい。又は、警報信号が出力されたときには自動的に駆動手段5(図1参照)を停止させるようにしてもよく、自動的に雰囲気制御手段3を制御して真空チャンバー2内の気圧を大気圧に戻し、半導体ウェーハの処理自体を中止してもよい。なお、この場合には、半導体ウェーハに対する処理の進行状況に応じて処理を中止するタイミングを選択し、処理中の半導体ウェーハに損傷を与えないようにすることが好ましい。
また、シール層18の形状は、永久磁石12による磁力の他に、回転軸16の回転によっても影響を受ける。すなわち、磁性流体には、回転軸16の回転に起因する遠心力によって、ハウジング11に向かう方向に力が作用し、また、回転軸16の外周面の摩擦力によって、回転軸16の回転方向に引きずられる。このため、受光部22の受光量は、回転軸16の回転数に依存して変化する。従って、警報回路32は、誤報の発信を回避するために、回転軸16の回転数が変化したときには、警報信号を出力しないようにすることが好ましい。回転軸16の回転数は、駆動手段5(図1参照)のモータ用エンコーダ又はレゾルバ信号によって検知すればよい。
本実施形態によれば、磁性流体が劣化して受光部22の受光量が変化したときに、その変化を自動的に検出して警報信号を出力することができる。これにより、担当技術者が常に受光量の変化を気にかけている必要がなくなる。本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
なお、発光部21がLED又はLDなどによって構成されている場合には、これらの素子は温度によって出力光の周波数及び強度が変化するため、この変化を補償する補償回路(図示せず)を設けてもよい。また、受光部22と微分回路32との間には、受光部22の出力信号を増幅する増幅回路(図示せず)を設けてもよい。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図4は、本実施形態に係る磁性流体シール装置を例示する断面図であり、
図5は、本実施形態に係る診断装置を例示するブロック図である。
図4は、本実施形態に係る磁性流体シール装置を例示する断面図であり、
図5は、本実施形態に係る診断装置を例示するブロック図である。
図4に示すように、本実施形態に係る磁性流体シール装置4aにおいては、前述の第1の実施形態に係る磁性流体シール装置4の構成に加えて、補償用の受光部25が設けられている。受光部25の構成は受光部22の構成と同様であるが、その配設位置が異なっている。すなわち、受光部25は、ハウジング11内におけるシール層18から見て発光部21側の空間内に設けられている。これにより、受光部25は、発光部21から出射した光を、シール層18を介さずに受光する。なお、発光部21から受光部25までの光路には、ミラー(図示せず)などを介在させてもよい。受光部25には、受光部25から出力信号を取り出すための配線26が接続されており、この配線26はハウジング11の外部に引き出されている。
また、図5に示すように、ハウジング11の外部には、演算回路33、微分回路34及び警報回路35が設けられている。演算回路33は、配線24及び26が接続され、受光部22の受光量と受光部25の受光量との差の値を求める回路である。微分回路34は、演算回路33の出力信号、すなわち、差の値が入力され、この差の値を微分することにより、差の値の変化量を求める回路である。警報回路35は、微分回路34の出力信号、すなわち、差の値の変化量が入力されて、この変化量が予め設定された基準値を超えたときに、警報信号を出力する回路である。なお、図5においては、便宜上、配線23(図4参照)は図示されておらず、また、シール層18が図示されている。
次に、本実施形態の動作及び効果について説明する。
本実施形態によれば、受光部25が発光部21から出射された光をシール層18を介さずに受光して、その光量を測定することにより、経年変化又は温度変化などによる発光部21の発光量の変動を検出することができる。そして、演算回路33が、受光部22の受光量と受光部25の受光量との差の値、すなわち、シール層18を透過した光の量と透過していない光の量との差の値を求めることにより、受光部22の受光量から、発光部21の発光量の変動の影響を除去することができる。これにより、長期間にわたり安定して磁性流体シール装置の診断を行うことができる。本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。なお、本実施形態においても、受光部22と演算回路33との間、及び受光部25と演算回路33との間に、それぞれ増幅回路(図示せず)を設けてもよい。
本実施形態によれば、受光部25が発光部21から出射された光をシール層18を介さずに受光して、その光量を測定することにより、経年変化又は温度変化などによる発光部21の発光量の変動を検出することができる。そして、演算回路33が、受光部22の受光量と受光部25の受光量との差の値、すなわち、シール層18を透過した光の量と透過していない光の量との差の値を求めることにより、受光部22の受光量から、発光部21の発光量の変動の影響を除去することができる。これにより、長期間にわたり安定して磁性流体シール装置の診断を行うことができる。本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。なお、本実施形態においても、受光部22と演算回路33との間、及び受光部25と演算回路33との間に、それぞれ増幅回路(図示せず)を設けてもよい。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
1 気密処理装置、2 真空チャンバー、2a 開口部、3 雰囲気制御手段、3a ポンプ、3b 弁、4、4a 磁性流体シール装置、5 駆動手段、6 ウェーハ処理手段、10、10a 診断装置、11 ハウジング、12 永久磁石、13 極部材、15 筒体、16 回転軸、16a シャフト、16b リング、17 隙間、18 シール層、21 発光部、22、25 受光部、23、24、26 配線、31、34 微分回路、32、35 警報回路、33 演算回路、L 光路
Claims (4)
- 磁石を有する筒体と、
前記筒体内に挿通された回転軸と、
磁性流体からなり、前記磁石の磁力により前記筒体と前記回転軸との間に形成されるシール層と、
前記シール層に向けて光を出射する発光部と、
前記発光部との間で前記シール層を挟む位置に設けられた受光部と、
を備えたことを特徴とする磁性流体シール装置。 - 前記受光部の受光量の変化量を求める微分回路と、
前記変化量が基準値を超えたときに警報信号を出力する警報回路と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の磁性流体シール装置。 - 前記シール層から見て前記発光部側に設けられ、前記発光部から出射した光を前記シール層を介さずに受光する他の受光部と、
前記受光部の受光量と前記他の受光部の受光量との差の値を求める演算回路と、
前記差の値の変化量を求める微分回路と、
前記変化量が基準値を超えたときに警報信号を出力する警報回路と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の磁性流体シール装置。 - 気密チャンバーと、
前記筒体が前記気密チャンバーの内部と外部とを連通するように取り付けられた請求項1乃至3のいずれか1つに記載の磁性流体シール装置と、
を備えたことを特徴とする気密処理装置。
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JP (1) | JP2009008176A (ja) |
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2007
- 2007-06-28 JP JP2007170456A patent/JP2009008176A/ja active Pending
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