JP2009008068A - フリーピストンエンジンおよびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電量に応じてエンジンの負荷を変更した場合でも、エンジンを効率よく運転できるようにする。
【解決手段】シリンダハウジング31内に互いに直列に一対のピストン33A、34A(33B、34B)が摺動自在に嵌合されて、一対のピストン間に燃焼室35A(35B)が構成される。シリンダハウジング31に形成された吸気ポート36A(36B)および排気ポート37A(37B)が、一対のピストンの往復動に応じて開閉される。一対のピストンの往復動に応じて、発電機12(コイル45と磁石46)の発電が行われる。発電機の発電量に応じてエンジンの負荷が制御される一方、エンジンの負荷に応じて、一対のピストンのシリンダハウジング31に対する軸線方向の相対位置が変更される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フリーピストンエンジンおよびその制御方法に関するものである。
近時、燃焼ガスの有する熱エネルギを高効率に取り出すという観点から、フリーピストンエンジンが注目されている。特許文献1には、フリーピストンエンジンのピストンに設けた永久磁石が、リニア発電機の磁界内を往復動されることにより発電を行うものが開示されている。また、特許文献1には、1つのシリンダ(シリンダボア)内に互いに直列に一対のピストンを摺動自在に嵌合して、この一対のピストンの間に燃焼室を構成したものが開示されている。すなわち、燃焼室での燃焼圧力を受けたときに、一対のピストンが互いに離間する方向に駆動されるものが開示されている。さらに、特許文献1には、シリンダボアに開口された吸気ポートと排気ポートとをシリンダ軸線方向に間隔を開けて配置して、一対のピストンの往復動に応じて吸気ポートと排気ポートとが開閉されるもの、つまり吸気ポート、排気ポートの燃焼室に対する連通と遮断とが一対のピストンの往復動に応じて切替えられるものが開示されている。
特開2005−155345号公報
フリーピストンエンジンは、クランクシャフトが存在しないために、圧縮比可変であるという特徴がある(上死点位置と下死点位置とが常時一定とはならない)。この圧縮比を積極的に変更することや、あるいは例えば燃料噴射量、点火時期、発電量等の負荷変更等の運転状態の変更に応じて自動的に圧縮比が変更される場合もある。このように、圧縮比が変更された場合、シリンダに対するピストンの相対位置関係が変更されることになる(上死点位置あるいは下死点位置が変更される)。
ところで、フリーピストンエンジンを、例えばハイブリッド車における発電用、あるいはコジェネシステムにおける発電用として利用する場合、発電量の変更に応じて、エンジンの運転状態、特にエンジンの負荷となる燃料噴射量を変更することが要求される。発電量に応じてエンジンの負荷を変更する場合、吸気ポート、排気ポートを一対のピストンの往復動に応じて開閉するようにしたままでは、エンジンの効率的な運転が阻害されてしまうことになり、この点においてなんらかの対策が望まれることになる。より具体的には、例えば発電量を低下させるのに伴って燃料噴射量を減少させた場合、着火性確保のために圧縮比を大きくせざるを得ず、この結果、圧縮エネルギ確保のためにピストン速度が速くなって、燃料噴射の回数が増大して、燃費の悪化をまねくことになる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、発電量に応じてエンジンの負荷を変更した場合でも、エンジンを効率よく運転できるようにしたフリーピストンエンジンおよびその制御方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明におけるフリーピストンエンジンにあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
シリンダハウジングに形成されたシリンダボア内に互いに直列に一対のピストンを摺動自在に嵌合されて、該一対のピストンの間に燃焼室が構成され、
前記シリンダハウジングに形成された吸気ポートおよび排気ポートが、前記一対のピストンの往復動に応じて開閉されるように前記シリンダボア内に開口されたフリーピストンエンジンにおいて、
前記一対のピストンの往復動に応じて発電を行う発電機と、
前記発電機の発電量を制御する発電制御手段と、
前記発電機の発電量に応じてエンジンの負荷を制御する燃焼制御手段と、
前記燃焼制御手段によって制御されるエンジンの負荷に応じて、前記一対のピストンの前記シリンダハウジングに対するシリンダ軸線方向の相対位置を変更する位置変更手段と、
を備えているようにしてある。
上記解決手法によれば、位置変更機構によって、一対のピストンのシリンダハウジングに対するシリンダ軸線方向の相対位置を変更することによって、ピストンによる吸気ポート、排気ポートの開閉タイミングが変更されることになる。すなわち、エンジンの負荷の変更に応じて上記相対位置を変更することによって、エンジンの負荷に応じた最適な充填効率を得ることができ、燃費の悪化を防止することができる。また、上記相対位置の変更は、ピストン(ピストンリング)のシリンダボア内面に対する摺動範囲が変更されることになって、同じ摺動範囲のまま運転を行う場合に比して、摺動範囲の摩耗に起因してシリンダボア内面に段差が形成されてしまう事態を防止あるいは抑制する上でも好ましいものとなる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2〜請求項9に記載のとおりである。すなわち、
前記位置変更手段が、前記燃焼室を構成する際の前記一対のピストンのシリンダ軸線方向の距離を変化させることなく、該一対のピストンの前記シリンダハウジングに対するシリンダ軸線方向の相対位置を変更する、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、大きな燃焼圧力に抗することなく、相対位置の変更を小さい力でもって行うことができる。
前記シリンダハウジングとは別個独立して、前記ピストンを保持するピストン保持用ハウジングを備え、
前記位置変更手段が、シリンダ軸線方向における前記シリンダハウジングとピストン保持用ハウジングとの距離を変化させるものとして構成されている、
ようにしてある(請求項3対応)。この場合、ピストンを、シリンダハウジングのみに保持させるのではなく、別途ピストン保持用ハウジングに保持させて、このシリンダハウジングとピストン保持用ハウジングとの距離変更によって、一対のピストンとシリンダハウジングとのシリンダ軸線方向の相対位置を変更することができる。
前記位置変更手段は、前記一対のピストン間における発電態様を互いに相違させるものとして設定されている、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、発電態様を相違させることによって位置変更を行うことができ、構造の簡単化やコスト低減等の上でも好ましいものとなる。
前記位置変更手段は、前記一対のピストン間において、1サイクル中での発電を実行する時期を相違させるものとして設定されている、ようにしてある(請求項5対応)。この場合、位置変更のために発電態様を相違させるためのより具体的なものが提供される。
前記位置変更手段は、前記一対のピストン間において、1サイクル中での発電負荷の変化態様を相違させるものとして設定されている、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、発電負荷を相違させることによって位置変更を行うことができ、構造の簡単化やコスト低減等の上でも好ましいものとなる。
前記吸気ポートと排気ポートとが、シリンダ軸線方向に間隔を開けて前記シリンダボア内に開口され、
前記位置変更手段は、エンジンの負荷が大きいときは小さいときに比して、前記一対のピストンが前記吸気ポート側寄りの位置となるように位置変更を行う、
ようにしてある(請求項7対応)。この場合、吸気ポートと排気ポートとの位置関係を考慮して、エンジンの負荷に応じた具体的な位置変更の態様が提供される。
前記位置変更手段は、
エンジンの負荷が第1所定値と該第1所定値よりも大きい値に設定された第2所定値との間にあるときは、前記一対のピストンがシリンダ軸線方向において所定の基準位置となるようにし、
エンジンの負荷が前記第1所定値よりも小さいときは、前記一対のピストンが前記基準位置よりも前記排気ポート側寄りの位置となるようにし、
エンジンの負荷が前記第2所定値よりも大きいときは、前記一対のピストンが前記基準位置よりも前記吸気ポート側寄りの位置となるようにする、
ようにしてある(請求項8対応)。この場合、使用頻度の高いエンジンの負荷範囲では基準位置のままとして、相対位置の変更を極力行わないですむようにする上で好ましいものとなる。
エンジンが圧縮自己着火式とされ、
前記吸気ポートが、圧縮状態での混合気を供給するための掃気ポートとされ、
エンジンの負荷が、燃料噴射量とされている、
ようにしてある(請求項9対応)。この場合、圧縮自己着火式は、簡単な構造ですみかつ使用燃料の融通性の高いものとなる一方、燃料噴射量の変更に応じて圧縮比をかなり大きく変化せざるを得ないために燃費悪化を生じやすいものとなるが、エンジンの負荷に応じて上記相対位置を変更することによって、エンジンの負荷に応じた最適な充填効率を得ることができるので、燃料噴射量の変更に伴う燃費悪化を効果的に防止することができる。
前記目的を達成するため、本発明におけるフリーピストンエンジンの制御方法にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項10に記載のように、
シリンダハウジングに形成されたシリンダボア内に互いに直列に一対のピストンが摺動自在に嵌合されて、該一対のピストンの間に燃焼室が構成され、
前記シリンダハウジングに形成された吸気ポートおよび排気ポートが、前記一対のピストンの往復動に応じて開閉されるように前記シリンダボア内に開口され、
前記一対のピストンの往復動に応じて駆動される発電機によって発電を行うようにしたフリーピストンエンジンの制御方法において、
前記発電機の発電量を制御する第1のステップと、
前記発電機の発電量に応じてエンジンの負荷を制御する第2のステップと、
前記第2のステップで制御されるエンジンの負荷に応じて、前記一対のピストンの前記シリンダハウジングに対するシリンダ軸線方向の相対位置を変更する第3のステップと、
を備えているようにしてある。上記解決手法によれば、請求項1に対応したフリーピストンエンジンの制御方法が提供される。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項11以下に記載のとおりである。
前記第3のステップでは、前記一対のピストン間における発電態様を互いに相違させることによって前記相対位置を変更する、ようにしてある(請求項11対応)。この場合、請求項4に対応した制御方法が提供される。
前記第3のステップでは、前記一対のピストン間において、1サイクル中での発電を実行する時期を相違させることによって前記相対位置を変更する、ようにしてある(請求項12対応)。この場合、請求項5に対応した制御方法が提供される。
前記第3のステップでは、前記一対のピストン間において、1サイクル中での発電負荷の変化態様を相違させるものとして設定されている、ようにしてある(請求項13対応)。この場合、請求項6に対応した制御方法が提供される。
本発明によれば、発電量に応じたエンジンの負荷変更に起因して燃費が悪化してしまう事態を防止あるいは抑制して、エンジンを効率よく運転できる。
図1は、車両としての自動車を駆動するモータへの給電用としてフリーピストンエンジンを利用した場合の実施形態を示すものである。この図1において、1は駆動用(走行用)のモータで、実施形態ではACモータで構成されている。2R、2Lは左右の駆動輪(前輪または後輪)であり、この駆動輪2R、2Lは、デファレンシャルギア3を介してモータ1によって駆動される。
10は、発電ユニットであり、この発電ユニット10は、ピストンやシリンダを含むフリーピストンエンジン11と発電機12とを含めたユニット体として構成されている。フリーピストンエンジン11は、発電機12を駆動するもので、発電機12によって発電された電力(交流)は、整流器20によって直流に変換された後、DC−ACコンバータ21を介してモータ1に供給される一方、余剰電力はバッテリ22に供給される。また、バッテリ22からの電力が、上記DC−ACコンバータ21を介してモータ1に供給されるようにもなっている。制動時の回生エネルギを回収するため、制動時には、モータ1によって発電された電力が、整流器23によって直流に変換された後、DC−DCコンバータ24によって昇圧されてバッテリ22に供給される。
自動車の運転状態に応じた電力供給の流れは、例えば次のように行われるが、フリーピストンエンジン10による最大発電量は、モータ1による最大出力を確保できる程度に十分に大きいものとされている。
(1)要求発電量が極めて少ないとき
発進時や極軽負荷時でかつバッテリ22の蓄電量が大きいときである。このときは、発電機12での発電は行われず(フリーピストンエンジン11の停止状態)、バッテリ22からのみモータ1へ電力が供給される。
(2)要求発電量が少ないとき
軽負荷〜中負荷時でかつバッテリ22の蓄電量が多いときである。このときは、発電機12での発電が行われて(フリーピストンエンジン11が作動)、発電機12からもっぱらモータ1へ電力が供給される(若干の余剰電力分を発電して、余剰電力をバッテリ22に蓄電するようにしてもよい)。
(3)要求発電量が中〜大のとき
軽負荷〜高負荷時でかつバッテリ22の蓄電量が少ないときである。このときは、発電機12で走行に必要な電力以上の十分な発電が行われて(フリーピストンエンジン11が作動)、発電機12からモータ1へ電力が供給されると共に、十分な余剰電力がバッテリ22に蓄電される。
(4)回生制動時
モータ1が駆動輪2R、2Lによって駆動される発電機として機能されるときである。このときは、モータ1で発電された電力がバッテリ22に蓄電される。なお、フリーピストンエンジン11は、停止してもよいが、次の発電に備えて、極低速で運転を継続させることもできる。
次に、発電ユニット10の一例について、図2を参照しつつ説明する。まず、フリーピストンエンジン11の部分に着目して説明すると、フリーピストンエンジン11は、実質的に2組の第1エンジン30Aと第2エンジン30Bとによって構成されている。31はシリンダハウジングであり、互いに平行な2つの第1シリンダボア32Aと第2シリンダボア32Bとが形成されている。第1シリンダボア32A内には、一対(2つ)のピストン33Aと34Aとが摺動自在に嵌合されて、一対のピストン33Aと34Aとの間に1つの燃焼室35Aが形成されている。同様に、第2シリンダボア32B内には、一対(2つ)のピストン33Bと34Bとが摺動自在に嵌合されて、一対のピストン33Bと34Bとの間に1つの燃焼室35Bが形成されている。
上記燃焼室35Aには、シリンダ軸線方向に間隔をあけて、吸気ポート36Aと排気ポート37Aとが開口されている。同様に、燃焼室35Bにも、シリンダ軸線方向に間隔をあけて、吸気ポート36Bと排気ポート37Bとが開口されている。各エンジン30A、30Bは、2サイクルの自己着火式とされて、吸気ポート36A(36B)から供給された吸気が燃焼室35A(35B)で燃焼されると、一対のピストン33Aと34A(33Bと34B)とが互いに離間する方向に駆動され、燃焼室35A(35B)内の排気ガスは、排気ポート37A(37B)から外部に排出されることになる。後述するように、2つのエンジン30Aと30Bとの各ピストン同士が連結されて、例えば第1エンジン30Aのピストン33Aと34Aとが互いに離間するときは、第2エンジン30Bのピストン33Bと34Bとが互いに接近するように連係されて、一方のエンジンの燃焼圧力によって、他方のエンジンを圧縮するようになっている。これにより、圧縮のためにピストンを戻り方向に付勢するためのリターンスプリングを別途要しないものとなっている。
次に、発電機12の部分に着目して説明する。まず、41は、ピストン保持用ハウジングであり、このピストン保持用ハウジング41は、シリンダハウジング31に対して、シリンダ軸線方向に間隔をあけて配設されている。ピストン保持用ハウジング41には、合計4組のリニア発電機43A、44A、43B、44Bが、シリンダ軸線方向と直交する方向に間隔をあけて構成されている。すなわち、各発電機43A、44A、43B、44Bは、それぞれ、固定された円筒状の発電コイル45と、発電用コイル45内に摺動自在に嵌合された磁石(永久磁石あるいは電磁石)46とを有し、各磁石46の移動方向はシリンダ軸線方向とされている。
発電機43Aの磁石46は、連結部材53Aを介して、ピストン33Aと連結されている。発電機44Aの磁石46は、連結部材54Aを介して、ピストン34Aと連結されている。発電機43Bの磁石46は、連結部材53Bを介して、ピストン33Bと連結されている。発電機44Bの磁石46は、連結部材54Bを介して、ピストン34Bと連結されている。さらに、発電機43Aの磁石46(つまりピストン33A)と発電機44Bの磁石46(つまりピストン34B)とが連結部材55によって連結され、発電機44Aの磁石46(つまりピストン34A)と発電機43Bの磁石46(つまりピストン33B)とが連結部材56によって連結されている。このような連結によって、例えば第1エンジン30Aのピストン33Aと34Aとが互いに離間するときは、第2エンジン30Bのピストン33Bと34Bとが互いに接近するように連係されて(ピストン33Bと34Bとが離間するときは、ピストン33Aと34Aとが接近する)、一方のエンジンの燃焼圧力によって、他方のエンジンを圧縮するようになっている。これにより、圧縮のためにピストンを戻り方向に付勢するためのリターンスプリングを別途要しないものとなっている。
図2中、61はベース部材であり、このベース部材61は、設置面62に固定されている。設置面62は、例えば、自動車の場合は車体(フレーム)とされ、コジェネシステムの場合は設置床面とされる。このようなベース部材61上に、前述したシリンダハウジング31とピストン保持用ハウジング41とが設置される。シリンダハウジング31は、ベース部材61上に、スライダ63を介してシリンダ軸線方向に所定範囲(例えば20mm)変位可能に保持されている。これに対して、ピストン保持用ハウジング41は、ベース部材61上に固定されている。これにより、シリンダハウジング31は、ピストン保持用ハウジング41に対して、シリンダ軸線方向に相対変位可能となっている。
シリンダハウジング31をピストン保持用ハウジング41に対して相対的に変位させるために、ピストン保持用ハウジング41には、モータ71によって回転駆動されるピニオン72が保持されている。一方、シリンダハウジング31には、ピニオン72に噛合されるラック73が固定されている。ラック73は、シリンダ軸線方向に伸びている。これにより、モータ71によってピニオン72を正逆回転させると、シリンダハウジング31が、ピストン保持用ハウジング41に対して接近、離間されることになり、モータ71の回転位置を制御することによって、シリンダハウジング31のピストン保持用ハウジング41に対する相対距離が所望の大きさに変更される。勿論、各エンジン30Aと30Bとは、同一仕様とされ、かつ吸気量や燃料供給量等が全て同じ条件でもって運転されるものである。
上記モータ71の回転位置は、マイクロコンピュータを利用して構成されたコントローラ(制御ユニット)Uによって制御される。図3に示すように、このコントローラUには、車速センサ76で検出された車速(車速信号)と、アクセル開度センサで検出されたアクセル開度(アクセル開度信号)が入力される。そして、コントローラUは、後述のように、モータ71の制御(位置変更手段の機能)と、発電機12での発電量の制御(発電量制御手段の機能)と、燃料噴射弁78からの燃料噴射量の制御(燃焼制御手段の機能)とを行う。なお、燃料噴射弁78は、吸気ポート36A、36Bに連なる吸気通路(図示略)中に燃料噴射を行うもので、吸入空気はあらかじめ図示を略す圧縮ポンプで圧縮された状態とされていて、吸入空気と噴射燃料とが混合された混合気は圧縮状態でもって燃焼室35A、35Bに供給されるようになっている(吸気ポート36A、36Bが掃気ポートとなっている)。
次に、ピストン33Aと34Aに着目して、シリンダハウジング31に対するシリンダ軸線方向の相対位置の変更の点について説明する(ピストン33Bと34Bとについても同じである)。まず、図5は、燃料噴射量と吸入新規量との設定例を示すものであり、図中、λは空気過剰率、Aは第1所定値、Bは第1所定値よりも大きい値となる第2所定値である。λ=5はほぼ着火限界となるものであり(リーン燃焼の限界)、λが1〜2の間は排気ガス中のNOxが増大する領域である。図5の例では、燃料噴射量が第1所定値Aよりも小さい低負荷時においては、λが5となるように一定λとされる。また、燃料噴射量が第2所定値よりも大きい高負荷時には、λが2となるように一定λとされる。そして、燃料噴射量が第1所定値と第2所定値との間にある中負荷時には、燃料噴射量の減少に応じて徐々にλが大きくなるようにされる。これにより、新規吸入空気量と燃料噴射量と燃焼室内での残留EGR量とは、燃料噴射量(負荷)に応じて図6に示すようになる。
図5,図6に示すような対応関係を得るために、一対のピストン33Aと34Aが(33Bと34Bについても同じ)シリンダハウジング31に対してなすシリンダ軸線方向の相対位置が、燃料噴射量に応じて変更される。すなわち、図4に示すように、燃料噴射量が上記第1所定値Aと第2所定値Bとの間にある中負荷時相当のときは、図9に示すように、一対のピストン33Aと34Aとのシリンダ軸線方向中間位置(燃焼室35Aのシリンダ軸線方向中間位置)が、吸気ポート36Aと排気ポート37Aとのほぼ中間位置とされる(基準位置で、燃焼室位置が0と表現される場合もある)。このとき、各ピストン33A、34Aの変位の状況(ピストン位置)と、吸気ポート36Aと排気ポート37Aとの開口面積が変化される状況が、図9に示される。
燃料噴射量が上記第1所定値Aよりも小さい低負荷時相当のときは、図4に示すように、一対のピストン33Aと34Aが、シリンダハウジング31に対して相対的に、前記基準位置よりも排気ポート37A側に変更される。これにより、図10に示すように、基準位置にある場合に比して、排気ポート37Aが遅閉じされることにより充填率が低下され、また吸気ポート36Aの行程面積が減少されることにより掃気量(新気量)が減少される。これにより、同じ圧縮比を得ようとした場合、圧縮前のピストン速度を小さく(遅く)することができ、エンジン速度を下げることができる。つまり、エンジン速度の低下によって、燃焼回数が減少され(燃料噴射回数の減少)、摩擦も減少され、高効率を維持できることになる。なお、ピストンの有効ストロークも、基準位置の場合に比して小さくなる。
燃料噴射量が前記第2所定値Bよりも大きい高負荷時相当のときは、図4に示すように、一対のピストン33Aと34Aが、シリンダハウジング31に対して相対的に、前記基準位置よりも吸気ポート36A側に変更される。これにより、図11に示すように、基準位置にある場合に比して、排気ポート37Aが早閉じとされて、充填率を向上させることができる。また、吸気ポート36Aの行程面積が増大されて、掃気量(新気量)が増大される。これにより、同じ圧縮比を得ようとした場合、圧縮前のピストン速度を早くすることができ、エンジン速度を上げることができる。なお、ピストンの有効ストロークは、基準位置の場合に比して大きくなる。
図7、図8は、前述したピストン33A、34Aのシリンダハウジング31に対するシリンダ軸線方向の相対位置変更を、燃料噴射量(エンジンの負荷)に応じて行うことの利点を図式的に示すものである。すなわち、図7は、エンジンスピードと出力との関係を示すもので、従来は、出力の変化に応じたエンジンスピードの変化が緩やかであるが(ほぼ一定)、本発明の場合は、出力が小さくなるとエンジンスピードが小さくなる度合が大きいものとなる。つまり、出力の大きさに応じた適切なエンジンスピードにすることが可能となって、エンジンを高効率で運転するのに好ましいということが理解される。
図8は、要求出力(燃料噴射量とみることができる)と、着火性との関係を示すもので、従来のもの(ピストンのシリンダハウジングに対する相対位置を燃料噴射量に応じて変更しないもの)と本発明とでは、要求出力が大きい状態では、着火性は殆ど同じである。しかしながら、従来のものでは、要求出力が低下すると大きく着火限界が低下することになるが、本発明においては、要求出力が低下されても着火性が低下する度合いが小さいものとなる。換言すれば、従来のものでは、着火性の限界から、要求出力をある程度以上に小さくすることは不可能であったが、本発明では、低負荷時にピストンのシリンダハウジングに対する相対位置を基準位置よりも排気ポート側とすることで内部EGR量を増加させて、燃焼室内の温度を高めるようにしたので、従来では不可能であった要求出力が十分に小さい状態(低負荷時)でも着火性を確保することができる(より小さい要求出力状態での運転を行うことが可能になる)。
図12は、コントローラUによる制御例を示すフローチャートであり、以下このフローチャートについて説明する。なお、以下の説明でQはステップを示す。まず、Q1において、車速とアクセル開度とが読み込まれる。次いで、Q2において、車速をアクセル開度とに基づいて、発電要求量が決定される。この後、Q3において、Q2で決定された要求発電量に応じて、燃料噴射量が決定される。そして、Q4において、コントローラUに記憶されている図5に示すマップを参照して、燃料噴射量に対応した吸入新規量が決定される。
上記Q4の後、Q5において、エンジンの負荷(実施形態では燃料噴射量)が、図4あるいは図5に示す第1所定値Aよりも小さいか、あるいは第2所定値Bよりも大きいか否かが判別される。このQ5の判別でNOのときは、Q6において、ピストン33A、34A(33B、34Bについても同じ)のシリンダハウジング31に対するシリンダ軸線方向位置が、前述の基準位置(図9に対応した位置)とされる。
前記Q5の判別でYESのときは、Q7において、ピストン33A、34A(33B、34Bについても同じ)のシリンダハウジング31に対するシリンダ軸線方向位置が、前述の基準位置から変更される(図10または図11に対応した位置)。勿論、燃料噴射量が第1所定値Aよりも小さいときに図10に対応した位置とされ、燃料噴射量が第2所定値Bよりも大きいときに図11に対応した位置とされる。
図13、図14および図17は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前記実施形態と同一構成要素には同一符号を付してその重複した説明は省略する(このことは以下の第3の実施形態以下においても同じ)。本実施形態では、一対のピストン33A、34A(発電機43A、44A)による発電態様を互いに相違させることによって、一対のピストン33A、34A間の距離を一定に保持したまま、該一対のピストン33A、34Aのシリンダハウジング31に対するシリンダ軸線方向の相対位置関係を変更するようにしてある(33B、34Bによる発電態様についても同じ)。このため、本実施形態では、シリンダハウジング31がベース部材61に対して一体化されて、シリンダハウジング31とピストン保持用ハウジング41とがベース部材61を介して一体とされると共に、モータ71を有しない設定とされている。また、シリンダ30Bの吸気ポート36Bと排気ポート37Bとの位置が、第1の実施形態(図2)の場合とは逆になっている。
各ピストン33A、34A、33B、34Bによる発電態様を相違させるために、図13に示すように、各発電機43A、43B、44A、44Bにおける発電用コイル45の一端と整流器20の入力端子との間に、スイッチ81を接続してある。スイッチ81は、コントローラUによって開閉制御されるもので、本実施形態ではデューティ制御されるようになっている。なお、スイッチ81としては、リレースイッチ、スイッチングトランジスタ等、デューティ制御による応答性に対応できるものであれば、適宜のスイッチを用いることができる。
一対のピストン33A、34Aによる1サイクルあたりの発電態様は、一対のピストン33A、34Aのシリンダハウジング31に対する相対位置を変更する必要のないときは、互いに等しくされる。
これに対して、上記相対位置を変更するときは、一対のピストン33Aと34Aとの間で発電態様が変更される。すなわち、一方のピストン33Aによる発電は、例えば図14(a)に示すように、1サイクルの全期間に渡って平均的に実行される。この一方、他方のピストン34Aによる発電は、例えば図14(b)に示すように、1サイクルの前期にのみ集中して実行される。ただし、実施形態では、各ピストン33Aと34Aとによる1サイクルあたりの発電総量は互いに等しく設定されているが、発電総量を違いに相違させることもできる。これにより、ピストン34Aの速度が燃焼初期時から急激に低下される一方、ピストン33Aの速度はゆっくりと低下される。そして、一対のピストン33A、34Aが燃焼室35Aを構成するようにもっとも近接した状態では、各ピストン33A、34Aは、シリンダハウジング31に対して、一方のピストン34A側に相対変位された状態とされる。
なお、互いに機械的に連結されたピストン33Aと34B(34Aと33B)の発電態様は互いに同じになるように制御されるが、この機械的な連結をなくすことによって、2組の一対のピストン33A、34Aと33B、34Bとの発電態様の変更の自由度が高まるものとなる。また、本実施形態のように、互いに機械的に連結されたピストン33Aと34B(34Aと33B)の発電態様が互いに同じになるように制御した方が、互いに機械的に連結されたピストン同士の減速度合が等しくなるため、連結部材53A、53B、54A、54Bおよび55,56にかかるピストンからの反力を低減する上で好ましいものとなる。その際に、図17に示すように、機械的に連結されたピストン同士は同じポート側に位置させる(機械的に連結されたピストン33Aと34Bはともに吸気ポート側、34Aと33Bはともに吸気ポート側)ことで、気筒内の掃気量(新気量)がシリンダ30Aと30Bの間で略同じになるため、いずれのシリンダにおいても負荷に応じた最適な充填効率を得ることができる。
上述したように、本実施形態では、一対のピストン33Aと34A(33Bと34B)による発電態様を変更するという簡単な手法によって、一対のピストン33A、34A(33B、34B)のシリンダハウジング31に対するシリンダ軸線方向での相対位置を変更することができる。また、デューティ制御によって、発電量を実質的に無段階に変更することが可能となる。勿論、シリンダハウジング31とピストン保持用ハウジング41とを一体に形成することができる他、モータ71が不要になるので、全体として構造簡単化やコスト低減の上でも好ましいものとなる。
図15は、本発明の第3の実施形態を示すもので、前記第2の実施形態に対応するもので、発電量を段階的に変更可能としたものである(図17の構成を採択してある)。すなわち、各発電機43A、44A、43B、44Bの発電用コイル(45に相当)を、複数(実施形態では3個)のコイル45a〜45cの分割構成とし、かつ磁石(46に相当)を複数の分割磁石46a〜46cの分割構成としてある。そして、各分割コイル45a〜45cの一端と整流器20との間に、それぞれコントローラUによって開閉制御されるスイッチ82a、82bあるいは82c(スイッチ81に対応)を介在させるようにしてある。
各スイッチ82a〜82cをONしておく態様を、一対のピストン33A、34A(33Bと34B)とで相違させることにより、1サイクルあたりの発電総量を互いに等しくしつつ、一対のピストン33A、34Aのシリンダハウジング31に対するその軸線方向の相対位置を変更することが可能になる。例えば、一方のピストン34Aに対応したスイッチ82a〜82cについては、1サイクルの前期においてのみ全てONする一方、他方のピストン33Aに対応するスイッチ82a〜82cについては、1サイクルの全期間について例えば2つのスイッチ82aと82bとの2つのスイッチのみをONにすることにより、一対のピストン33A、34Aのシリンダハウジング31に対する相対位置が変更される。
図16は、本発明の第4の実施形態を示すものである(図17の構成を採択してある)。本実施形態では、一対のピストン33A、34A(33B、34Bについても同じ)の発電用コイル45は、図5の場合と同様にそれぞれ1つのみ設ける一方、整流器(20に相当)を、ピストン33A用の整流器20aとピストン34A用の整流器20bとに別個に設けてある。そして、各発電用コイル45の一端を整流器20aあるいは20bに接続するのに、直接整流器20aあるいは20bに接続すると共に、これと並列に、コントローラUによって開閉制御されるスイッチ83aあるいは83b(スイッチ81に対応)および電気的負荷としてのキャパシタ84を介しても接続するようにしてある。本実施形態では、スイッチ83aは一方のピストン33A用であり、スイッチ83bは他方のピストン34A用である。
各スイッチ83aと83bとのうち、いずれか一方をONすると共に、他方をOFFすることにより、ONされた側のスイッチに対応したピストンの発電負荷が、他方のピストンの発電負荷に対して増大されることになる。勿論、両方のスイッチ83aと83bとを共にON(または共にOFF)しておくことにより、一対のピストン33Aと34Aとにおける発電負荷が共に等しくされる。一対のピストン33Aと34Aとのシリンダハウジング31に対する相対位置を変更する際には、上述したスイッチ83aと83bとのON、OFFの制御によって行うことができる。すなわち、スイッチ83aと83bとをONするタイミングを1サイクルあたりで変更することにより、1サイクルあたりの発電総量を一対のピストン33Aと34Aとで互いに等しく設定しつつ、一対のピストン33A、34Aのシリンダハウジング31に対する相対位置を、当初に発電負荷が大きくされたピストン寄りの位置に変更することができる。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。フリーピストンエンジン11は、1つのエンジン30Aのみ(あるいは30Bのみ)でもよく(単気筒)、あるいは3組以上(3気筒以上)であってもよい。ピストンを図2に示すような一対構造として採択しない場合は、例えば、ピストンを圧縮方向に変位させるための力を、別途設けたリターンスプリングによって得るようにしてもよい。
発電機12(43A〜44B)は、リニア式に限らず、回転式であってもよい(例えば、ピストンの往復運動をラックアンドピニオン機構によって正逆回転運動に変換して、回転式発電機を正逆回転させることによって発電させるようにする)。フリーピストンエンジンは、火花点火式であってもよく、あるいは4サイクル式にする等、適宜の形式を採択することができる。シリンダハウジング31を固定する一方(例えばベース部材61にシリンダハウジング31を固定)、一対のピストン33Aと34A(33Bと34B)とを、その相対距離が変更されないようにしてシリンダハウジング31に対して変位させるようにしてもよい。例えば、図2の構造において、シリンダハウジング31およびピストン保持用ハウジング41をそれぞれベース部材61に固定して、例えば連結部材55と56とをそれぞれシリンダ軸線方向に同一距離だけ変位させるようにしてもよい。シリンダハウジング31とピストン保持用ハウジング41との相対距離の変更は、モータ71に限らず、油圧式アクチュエータによって行うようにしてもよい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
フリーピストンエンジンを自動車の走行用モータへの給電用として利用した場合の実施形態を示す全体系統図。 本発明によるフリーピストンエンジンの一例を示す側面断面図。 本発明の制御系統をブロック図的に示す図。 エンジンの負荷に応じたピストン位置の変更方向を示す図。 燃料噴射量に応じた吸入新規量の設定例を示す図。 図5に示す設定例に対応した燃料噴射量と新規吸気量と内部EGR残量との関係を示す図。 エンジンスピードと出力との対応関係を従来の場合と対比して示す図。 要求出力と着火性との関係を従来の場合と対比して示す図。 中負荷時でのピストン位置と吸気ポート、排気ポートの開口面積の関係を示す図。 低負荷時でのピストン位置と吸気ポート、排気ポートの開口面積の関係を示す図。 高負荷時でのピストン位置と吸気ポート、排気ポートの開口面積の関係を示す図。 本発明の制御例を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態を示すもので、発電用コイル部分の回路図。 図13に示すスイッチの制御例を示すタイムチャート。 本発明の第3の実施形態を示すもので、図13に対応した回路図。 本発明の第4の実施形態を示すもので、図13に対応した回路図。 本発明の第2〜第4の実施形態が適用されるフリーピストンエンジンを示すもので、図2に対応した側面断面図。
符号の説明
10:発電ユニット
11:フリーピストンエンジン
12:発電機
20:整流器
20a、20b:整流器(図16)
30A:第1エンジン
30B:第2エンジン
31:シリンダハウジング
32A:第1シリンダボア
32B:第2シリンダボア
33A、34A:ピストン
33B、34B:ピストン
35A、35B:燃焼室
36A、36B:吸気ポート
37A、37B:排気ポート
41:ピストン保持用ハウジング
45:発電用コイル
45a〜45c:分割コイル(図15)
61:ベース部材
63:スライダ
71:モータ
72:ピニオン
73:ラック
75:位置センサ
82a〜82c:スイッチ(図15)
83a、83b:スイッチ(図16)
84:キャパシタ(図16)
U:コントローラ

Claims (13)

  1. シリンダハウジングに形成されたシリンダボア内に互いに直列に一対のピストンが摺動自在に嵌合されて、該一対のピストンの間に燃焼室が構成され、
    前記シリンダハウジングに形成された吸気ポートおよび排気ポートが、前記一対のピストンの往復動に応じて開閉されるように前記シリンダボア内に開口されたフリーピストンエンジンにおいて、
    前記一対のピストンの往復動に応じて発電を行う発電機と、
    前記発電機の発電量を制御する発電制御手段と、
    前記発電機の発電量に応じてエンジンの負荷を制御する燃焼制御手段と、
    前記燃焼制御手段によって制御されるエンジンの負荷に応じて、前記一対のピストンの前記シリンダハウジングに対するシリンダ軸線方向の相対位置を変更する位置変更手段と、
    を備えている、ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  2. 請求項1において、
    前記位置変更手段が、前記燃焼室を構成する際の前記一対のピストンのシリンダ軸線方向の距離を変化させることなく、該一対のピストンの前記シリンダハウジングに対するシリンダ軸線方向の相対位置を変更する、ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記シリンダハウジングとは別個独立して、前記ピストンを保持するピストン保持用ハウジングを備え、
    前記位置変更手段が、シリンダ軸線方向における前記シリンダハウジングとピストン保持用ハウジングとの距離を変化させるものとして構成されている、
    ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  4. 請求項1において、
    前記位置変更手段は、前記一対のピストン間における発電態様を互いに相違させるものとして設定されている、ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  5. 請求項1において、
    前記位置変更手段は、前記一対のピストン間において、1サイクル中での発電を実行する時期を相違させるものとして設定されている、ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  6. 請求項1において、
    前記位置変更手段は、前記一対のピストン間において、1サイクル中での発電負荷の変化態様を相違させるものとして設定されている、ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
    前記吸気ポートと排気ポートとが、シリンダ軸線方向に間隔を開けて前記シリンダボア内に開口され、
    前記位置変更手段は、エンジンの負荷が大きいときは小さいときに比して、前記一対のピストンが前記吸気ポート側寄りの位置となるように位置変更を行う、
    ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  8. 請求項7において、
    前記位置変更手段は、
    エンジンの負荷が第1所定値と該第1所定値よりも大きい値に設定された第2所定値との間にあるときは、前記一対のピストンがシリンダ軸線方向において所定の基準位置となるようにし、
    エンジンの負荷が前記第1所定値よりも小さいときは、前記一対のピストンが前記基準位置よりも前記排気ポート側寄りの位置となるようにし、
    エンジンの負荷が前記第2所定値よりも大きいときは、前記一対のピストンが前記基準位置よりも前記吸気ポート側寄りの位置となるようにする、
    ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、
    エンジンが圧縮自己着火式とされ、
    前記吸気ポートが、圧縮状態での混合気を供給するための掃気ポートとされ、
    エンジンの負荷が、燃料噴射量とされている、
    ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  10. シリンダハウジングに形成されたシリンダボア内に互いに直列に一対のピストンが摺動自在に嵌合されて、該一対のピストンの間に燃焼室が構成され、
    前記シリンダハウジングに形成された吸気ポートおよび排気ポートが、前記一対のピストンの往復動に応じて開閉されるように前記シリンダボア内に開口され、
    前記一対のピストンの往復動に応じて駆動される発電機によって発電を行うようにしたフリーピストンエンジンの制御方法において、
    前記発電機の発電量を制御する第1のステップと、
    前記発電機の発電量に応じてエンジンの負荷を制御する第2のステップと、
    前記第2のステップで制御されるエンジンの負荷に応じて、前記一対のピストンの前記シリンダハウジングに対するシリンダ軸線方向の相対位置を変更する第3のステップと、
    を備えていることを特徴とするフリーピストンエンジンの制御方法。
  11. 請求項10において、
    前記第3のステップでは、前記一対のピストン間における発電態様を互いに相違させることによって前記相対位置を変更する、ことを特徴とするフリーピストンエンジンの制御方法。
  12. 請求項10において、
    前記第3のステップでは、前記一対のピストン間において、1サイクル中での発電を実行する時期を相違させることによって前記相対位置を変更する、ことを特徴とするフリーピストンエンジンの制御方法。
  13. 請求項10において、
    前記第3のステップでは、前記一対のピストン間において、1サイクル中での発電負荷の変化態様を相違させるものとして設定されている、ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
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