JP2009003464A - 広視野球面レンズおよび保護アイウェア - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な視覚特性を備える眼鏡レンズを提供する。
【解決手段】レンズ28および30は、球状または球状ベースとして一般的に表すことができ、好ましくは表面は球状であり、一連のものにおけるすべての処方値について35mm未満の固定半径を有し、レンズは球状裏面を有し、基準球体を含むか、または定義された球状シェル内に置かれるものとして表される。各々の場合において、基準球体またはシェルの半径ならびに着用時のレンズの場所は、基準球体またはシェルの中心が目の回転中心の付近または内部に位置するようにされる。
【選択図】図3
【解決手段】レンズ28および30は、球状または球状ベースとして一般的に表すことができ、好ましくは表面は球状であり、一連のものにおけるすべての処方値について35mm未満の固定半径を有し、レンズは球状裏面を有し、基準球体を含むか、または定義された球状シェル内に置かれるものとして表される。各々の場合において、基準球体またはシェルの半径ならびに着用時のレンズの場所は、基準球体またはシェルの中心が目の回転中心の付近または内部に位置するようにされる。
【選択図】図3
Description
本発明は、改良された眼用レンズ要素およびアイウェアに関し、処方レンズ、眼鏡、サングラス、レーザー保護アイウェア、ならびにそれらのためのフレーム、コーティングおよびエッジ加工が含まれる。
大部分の従来の処方レンズは比較的平坦なベースカーブを有している。そのようなレンズは、周辺歪みおよび/または物理的なサイズの制限のため、視野が限定される。それらの比較的平坦な形状のため、レンズによりもたらされる目に対する保護量が、特に側頭付近で限定される。
より広い視野およびより大きい目の保護を提供すべくラップアラウンド型アイウェアが開発されてきた。ラップアラウンド設計により、多様で時には印象的なアイウェア用の全体的スタイルも可能になる。しかしながら、ラップアラウンド型アイウェアは、典型的には非処方である。これらの製品も、典型的には6〜10Dの平坦なベースカーブを有している。ラップ(wrap)(そして時にはレイク(rake))は、着用時の方向にレンズ光軸を回転および/または並進移動させすることにより達成される。例えば、Raytonの米国特許第1,741,536号、Houstonらの米国特許第5,689,323号を参照されたい。これによって、着用者の視線が光軸から逸脱し、光学的性能が大きく低下することがよくある。周辺視野は典型的には劣っている。
眼科学の歴史の初期には、より大きい視野または目の保護を提供するための手段としてではなかったが、急勾配で湾曲した処方レンズが記載されている。曲率と透視度数との間の関係は、いわゆる「チェルニングの」楕円において示される。これは約100年前に初めて記載されたもので、最小の収差を有するレンズ曲率とレンズ度数との組み合わせを特定しようとするものである。チェルニングの楕円の一般的な形状は図1に示してある。図1は、屈折率、頂点距離、レンズ厚さ等のレンズパラメーターについての仮定の典型的な値について与えられる。チェルニング楕円は、レンズパラメーターの様々な仮定値についてその楕円形および傾斜配向を保持するのに対して、楕円上の正確な位置は変わり得る。図1の楕円は、円焦点(ゼロ非点収差)遠視野について解いた補正フォン・ローア方程式(Morganにちなむ)から導き出される。
楕円の下部10は、従来の処方眼用レンズにおいて典型的に用いられるレンズ度数についての比較的平坦な表面の選択を説明する、いわゆる「オストワルトセクション」である。曲線の上部12は、「ウォラストンセクション」と呼ばれ、ずっと急勾配で湾曲したレンズを表すものであり、そのようなものを作ろうとする試みの歴史上の例があるけれども(例えば、ウォラストン自身)、レンズ形態としていまだかつて受け入れられたことはない。M.Jalie、「眼用レンズの原理」464頁(第4版、ロンドン、1994)参照。製作が困難なため、そのような初期のレンズは、おそらく開口が小さいものであり、その結果、おそらく、見かけ上の理由および視野が制限されるために受け入れ難いと見なされたであろう。
急勾配で湾曲した球状表面を持つ最近のレンズは、無水晶体症(水晶体を外科的に除去した場合のような、目の自然の水晶体の欠損)治療用に作られてきた。これらのレンズの一般形は、図2に示してある。M.Jalieの151頁を参照されたい。そのようなレンズは本質的に水晶体代替品として働き、厚さが大きくプラス度数が高い(+5Dより大きく、典型的には+12D以上)ことを特徴とする。これらのレンズの開口Aはサイズが小さく、例えば直径が26または28mmである。典型的には、そのような無水晶体症レンズは、平板放射状フランジ14を有している。
今日では、従来型の処方レンズの大部分は、比較的平坦で、単一視野で、オストワルトセクションのメニスカスレンズであり、平坦な輪郭の眼鏡フレームに窓ガラスのように嵌め込まれる。
従来のオストワルトセクションアイウェアは、特定の反射または反射防止特性を持たせるために、時にカバー、処理またはコーティングされる。最もなじみがあるのは、入射光スペクトルのある部分を選択的にブロックするためのコーティングを施したサングラスである。いくつかのそのようなレンズは、入射スペクトル波長の選択的な選択または吸収により、見る人に対して好ましい色を作り出すように設計される。そのようなコーティングは、金属鏡面層および/または真空蒸着またはスパッタリングコーティングした金属酸化物のスタックを伴い得る。例えば、サングラス用のコーティングは、Auwarterの米国特許第2,758,510号に開示されている。別の例として、特定の多層反射防止コーティングが、Gellerの米国特許第第4,070,097号に開示されている。米国特許第5,719,705号および第5,959,518号も参照されたい。従来のオストワルトセクションレンズも時に、強烈な紫外線または赤外線放射、あるいはレーザー光線から着用者を保護するために特別にコーティングされる。
本願出願人は、急勾配で湾曲したレンズの特性を研究し、さらに一般的に処方されたプラスまたはマイナス透視度数を有する一連のレンズを検討した。本願出願人は、そのようなレンズが、原則として、広い視野と目の保護を提供できることを観察した。しかしながら、そのような広視野レンズの実用化は、いくつかの問題により妨げられるであろう。一般に、製造および歪みの問題、ならびに利用可能な一般的な非点収差補正すなわち「cyl」処方の有りまたは無しで一般的なプラスまたはマイナス度数処方の範囲を作り出すことの問題がある。
より微妙な問題は、一般的な処方度数範囲を提供するために必要な表面度数の範囲が広いことにより生じる。図1のレンズの仮定の場合、例えば、ウォラストンセクションは、+5D〜−8Dの製品ライン透視度数範囲について約15D〜約20Dの表面度数における変化を教示しているものと理解される。これは、約29〜約39mmの表面曲率半径における変化に対応し、広視野を提供するのに十分大きいレンズの全体サイズおよび形状の大きい変化を表す。そのようなレンズは、窓ガラスのように単一のフレームサイズに嵌め込むことはできないが、実際は、個々の処方自身が、それ自身の特定のフレームサイズおよびスタイルを指示するであろう。そのような独特なスタイルには価値がある一方で、それらは、一貫した外観を持つ大量販売用アイウェアの提供とは両立しない。
本発明の広義の目的は、良好な視覚特性を備える眼鏡レンズを提供することである。
本発明の他の目的は、製造および供給が容易な一連の急勾配のベースカーブレンズを提供することである。
本発明の他の目的は、広視野を介して良好な視野特性を有する眼鏡レンズを提供することである。
本発明の他の目的は、周辺領域での歪みが少ない、急勾配で湾曲したレンズを提供することである。
本発明の他の目的は、より効果的な目保護を与えるアイウェアを提供することである。
本発明の他の目的は、一般的な度数と非点収差処方における急勾配で湾曲したレンズを提供することである。
本発明の他の目的は、処方範囲について、一貫した外観およびフレーム形態を備える、急勾配で湾曲した処方のためのレンズアイウェアを提供することである。
いくつかの付加的な利点は、本発明の教示により実現し得る。視野の増大により、側頭部のエッジが着用者に見えない(見かけ上のエッジなし)アイウェアの製造が可能になる。本発明の教示により、いくつかの急勾配で湾曲したレンズにおける拡大効果および関連した歪みの減少も可能になる。
他の利点としては、様々な処方における優れた周辺視野特性を備えるレンズにおいて、これまで達成できなかったオプションをアイウェア設計者に提供できることがある。これらには、より小さい輪郭のレンズ、位相的かつ見かけ上興味深い3次元湾曲したレンズエッジおよび眼鏡リム、ならびにより容易に視界から隠されるエッジ厚さおよび表面を使えることが含まれる。
他の利点としては、特定の要求される見かけ上の特性ならびに特定の反射率および反射防止率特性を提供するべくあつらえられた新規なサンレンズおよび保護アイウェアの提供が含まれる。
これらならびに他の目的および利点は、以下の本文および図面から明らかになるであろう。
(発明の概要)
一般に、本発明はアイウェアおよびそのための眼用レンズ要素に関する。眼用レンズ要素は、状況に応じ、完成品またはエッジ加工した眼用レンズ、半完成品レンズ、レンズブランクまたはそのための成型品が含まれ得る。ラミネートのレンズまたはレンズブランクを形成するためのウエハーも含まれる。
一般に、本発明はアイウェアおよびそのための眼用レンズ要素に関する。眼用レンズ要素は、状況に応じ、完成品またはエッジ加工した眼用レンズ、半完成品レンズ、レンズブランクまたはそのための成型品が含まれ得る。ラミネートのレンズまたはレンズブランクを形成するためのウエハーも含まれる。
本発明は図3を参照して例示され、この図は、本発明の急勾配で湾曲した同心レンズのいくつかの幾何学的局面を例示するものである。図3は、左右の目(それぞれ20および22)の水平断面図を示す。各目は回転中心24および26を有しているのが示してある。回転中心は、ほぼ1〜2mmの直径CDを有する眼球内のある体積であると理解され、この回転中心のまわりを、凝視方向が変わるにつれて目が回転するように見える。図3に例示されるように、急勾配で湾曲した左右のレンズ28および30が目の近くに位置づけられる。この図では、各レンズの光軸は、各目の視線と同一線上にあり、各目についての線32および34で表される。これらの線は、いくつかのレンズ面を説明するために本文中で後に用いられる座標のz軸も表す(x−y平面は、図の平面に対して垂直である)。
レンズ28および30は、球状または球状ベースとして一般的に表すことができる。好ましい実施例においては、表面は球状であり、一連のものにおけるすべての処方値について35mm未満の固定半径を有している。他の実施例においては、レンズは球状裏面を有し、基準球体を含むか、または定義された球状シェル内に置かれるものとして最もよく表される。各々の場合において、基準球体またはシェルの半径ならびに着用時のレンズの場所は、基準球体またはシェルの中心が目の回転中心の付近または内部に位置するようにされる。表面が左目の回転中心に中心付けられた半径Rの球体である場合が図3の左目について例示されている。
目の回転中心上またはその付近に中心付けられた所与半径の球状ベースの選択により、頂点距離dvに制約が加えられ、これは瞳孔36の面とレンズの裏面38との間の距離として図3の左目について例示してある。表面半径および裏面形状は、レンズ厚さおよびレンズ材料の屈折率のような他の設計パラメータと関連して、後に詳述するようにレンズの光学特性を決定する。
本願出願人は、図4に示されるタイプのデータアレイによって本発明のレンズ設計が分析および説明されることを見出した。この図は2人の発明者にちなみ「モリス−スプラット」図と呼ばれる。
この図においては、各ドットは、ドットの中心にグリッドポイントがあるという特性を有するレンズからの理論的光線追跡プロットの中心にある。右側の「y」軸は、レンズ表面の度数をジオプターで示す(n=1.530の屈折率について正規化される)。下方の「x」軸は、レンズ中心におけるレンズの透視度数を示す。これはレンズのプラスまたはマイナス度数処方に対応する。この図では、各レンズがポリカーボネート(n=1.586)で作られ、マイナス度数レンズの場合には1.8mmの中心厚さを有し、プラスレンズの場合の中心厚さは処方時に個別に決定されるため、全体的なレンズの最小厚さは、58mm直径のレンズブランクの周辺部において1mmであると仮定される。各レンズは、表面が目の回転中心から33.1mmとなるように目に対して位置づけられ、これは16.0ジオプタの表面度数を有するレンズと同心である。
個々のグリッドポイントの各々には、40度までの目回転角に対する光線追跡結果が現れる。各グリッドポイントの黒い区域は、処方に対するRMS(二乗平均)度数誤差が0.125ジオプタ未満である各レンズの領域を表し、0.375ジオプタまでの調節を可能にする。RMS度数誤差は、以下で数学的に定義する。この基準はレンズ性能に関する優れた指標であると考えられる。
図4における完全に塗りつぶされた円は、任意の方向において目の回転が40度を超える場合のRMS度数誤差が0.125ジオプタ未満であるレンズを表す。環状部分をまわりに有するドットについては、RMS度数誤差は、目のある程度の中間回転角度では0.125ジオプタを超えて上昇し、ある小さな角度領域に入ると再度その閾値未満へ降下する。
局所的に最大のドットの楕円形外形は、本願出願人が選択したレンズパラメータの特別な場合について生成されたチェルニングの楕円にほぼ対応する。従来の経験から、高品質レンズを製造するには球状レンズ(表および裏に球状面を有するレンズ)の表面は、チェルニングの楕円に従わねばならない。しかしながら、モリス−スプラット図は、レンズパラメータを適切に選択するために、優れたレンズを製造することが可能であるほぼ水平な領域がこの図にあることを示している。高品質の光学特性を有する平坦球状レンズを広範囲の表面曲率にわたって製造できることが知られている(透視度数0付近にある大きなドットの垂直線によって示される事実)。多くのそのようなレンズは今日市場において入手可能である。モリス−スプラット図に例示される新規なアイデアは、レンズパラメータを適切に選択することにより、単一の急勾配で湾曲した表面または球状基準面もしくはシェルを用いて、広範囲の処方による高品質の球状レンズを製造できるというものである。16ジオプタ(線40上のグリッドポイント)の表面度数を用いるレンズの低RMS度数誤差領域は、少なくとも−6〜+4ジオプタの範囲にわたる広い角度範囲(ほぼ全体がまたは完全に塗りつぶされた円)を有することに留意されたい。すべての処方の95%がこの範囲に入る。従って、単一の適切に選択された高度数表面またはベースカーブを用いて、広範囲の有用な処方に対する高品質の眼用球状レンズを製造することが可能である。さらに、図4から明らかなように、優れたレンズ品質と、同じフレームスタイルが使用できるよう十分に一貫したレンズ形状とを提供しつつ、単一度数または正確な同心からわずかに逸脱させることができる。
図5は、本発明の好ましい実施例の優れた光学的品質を有する一連のレンズを例示する。この実施例においては、表面は約16D±約1/2Dとなるように選択される。この範囲は水平線50および52の間に位置する。特に好ましい実施例により、−2D〜+2D(区域54)、−6D〜+4D(区域54および56)、または−8D〜+5D(区域54、56および58)の範囲の処方を有する一連のレンズが提供される。
比較の目的で、この特定の場合に関するチェルニング楕円60のウォラストンセクションの一部分が図5の図形に重ね合わされている。前方曲線および水平方向ブロックに表される透視度数範囲は、−8D〜+5Dの透視度数では表面に5Dのばらつきがあり、透視度数範囲の中央での曲率がはるかに急に傾斜していることを示すチェルニング楕円の教示と矛盾していることをこの図は示している。
本発明の好ましい実施例としては、着用者の目の回転中心と同心の単一の基準球面により定義された一連の眼用レンズ要素が含まれ、その場合、球面は、25mm〜50mm、より好ましくは30〜35mm、そして最も好ましくは約33mm±約1mmの曲率半径を有する。
有利には、一連のレンズ要素に適切な処方度数およびcyl補正が付与される。表面が球状である実施例では、裏面は適切な透視度数およびcyl補正を提供するように構成される。好ましい実施例において、一連のレンズ要素は、1/4D増分で上記範囲内の透視度数を含み得る。各度数の保管レンズ要素には、例えば1/4Dの増分で0D〜−2Dの種々の共通非点収差処方の各々が付与される。レンズ要素が球対称であるため、cyl補正の角度が、エッジ加工およびガラス嵌め時にレンズ要素を適切に回転することにより選択され得ることが理解されるであろう。
従来の非点収差補正は、主子午線に関連して説明されることがよくあるトロイド面に基づくもので、すなわちこれはレンズ光軸に中心づけられた直交子午線であり、最大および最小曲率軌跡を表す。cyl補正を提供するためにバレルトロイドおよびドーナツトロイドの両方が用いられてきた。以下に説明するように、本願出願人は、急勾配で湾曲したレンズのための新規な非点収差補正面を開発しており、これらの面は、バレルトロイドとドーナツトロイドとの間に置かれるものとして説明でき、これらの各々は同じ主子午線と、主子午線に沿った同じ度数を有する。そのような2つの面は以下で詳述する「全円形子午線」面および「平均トロイド」面である。
本発明のレンズの形状を説明する。用語「急勾配な曲率」は、この文脈においては、レンズまたは参照球体もしくはシェルの全体的形状を説明するために用いられる。特定の実施例において、曲率は、レンズの内部または外部に置かれるか、レンズの面を含んでいる面または球状シェルの曲率の平均半径として定量化できる。
本発明のレンズはさらに、大きな視野角によって全体的な形状に特徴があり、視野角は光軸と側頭または鼻の最端部との間の角度として表されることが多い。本発明の好ましい実施例によると、レンズは球状表面の中心に中心づけられた角度を張っており、この角度は80°より大きく、好ましい実施例では100°よりも大きい。もちろんこれらの周辺領域でレンズが光学的に使用可能であるならば、そのような角度はレンズの視界を示すものであることが理解されるであろう。
本発明のレンズの独特な位相形状はサジタル深さまたは「中空」深さによってさらに特徴づけられ、これらは一般に、レンズおよびレンズエッジの3次元性の測定値である。これらの深さは、以下に説明するように、レンズの前方平行面と側頭の最端部の点との間の距離に関する。本発明の好ましい実施例によると、目の回転中心に中心づけられた50mm以下の平均半径と、少なくとも8mmの中空深さとを有するレンズが提供される。特に好ましい実施例において、表面の半径は約33mm±約1mmであり、中空深さは少なくとも10mmである。
本発明は、処方アイウェアを提供するための方法も含む。これらの方法は、急勾配な曲率を有するレンズ要素を用いる。好ましい実施例では、厚さが2mm以下で半径50mm以下の球状シェル内にある表面を用いる。レンズ要素が、処方された透視度数および処方された非点収差補正を持つように、裏面がレンズ要素内に形成される。レンズ要素は、球状シェルの中心が、目の回転中心またはその近くに置かれるように着用者に対して位置づけられ、これは、処方された透視度数を含む種々の透視度数を有する一連のレンズ要素に共通な球状シェル半径に対応する標準開口を有するフレームの中に嵌め込むことによりなされる。アイウェアは、処方された度数および非点収差補正を、着用者の全視覚固定範囲にわたり提供する。
本発明は、特別に設計された眼鏡フレームも含む。好ましい実施例において、一連の眼用レンズに使用するのに適した眼鏡フレームが提供され、レンズの各々は25mm〜35mmの単一半径を有する球状面と、球状面に関連して種々の共通処方を提供するように選択された第2の面とを有する。好ましい実施例においては、フレームは、球状面の中心が左目および右目の回転中心またはそれらの付近にそれぞれ置かれるように、着用者の左右のレンズを支持するように適合される。眼鏡フレームは、左右レンズを係合するための側頭部品およびリム部分を含んでもよい。各レンズを係合するリム部分は、前記球状面の半径にほぼ等しい半径を有する基準球体上の閉曲線の形で形成し得る。そのような眼鏡フレームにおいては、閉曲線の鼻の最端部の点および側頭の最端部の点は、頂点が球状面の中心に置かれた90°よりも大きい円弧を張り得る。
眼鏡フレームは、左側頭部品、右側頭部品およびノーズブリッジを含み得る。好ましい実施例において、ノーズブリッジは、球状面の中心を目の中心に位置づけるようにレンズの隔たりを水平方向に調節可能にする調節可能長さを有する。他の実施例においては、側頭部品を支持するための新規な取り付け部品および蝶番を備えたリムレスフレームが提供され、蝶番はそれぞれのレンズの側頭エッジにおいて基準球状面に直接取り付けられるように適合される。
本発明は、急勾配で湾曲したレンズ、とりわけ半径が約31mm〜33mmの少なくとも1つの球状面を有するレンズと共に用い得る新規なレンズエッジ加工も含む。
そのような場合には、レンズは、レンズエッジ面がレンズの球面にほぼ垂直になるようにエッジ加工され得る。そのようなレンズで作られたアイウェアはリムレスとすることができ、エッジ面は着用者には本質的に見えなくできる。なぜならば、着用者の注視がその方向に投げられる時には、エッジ面は着用者のほぼ視線上にあるからである。さらに、外部の観察者へのエッジ外観を最小限にできる。そのようなエッジ面は、球状面の曲率中心と交差する軸のまわりで回転させたミルによって生成できる。好ましい実施例において、エッジ面は、この面が球状面の曲率中心について小さい円弧を張るようにようにカットされ、その円弧は、レンズの光軸を含む任意の面内にある。
本発明は、アイウェアに取り付けるように適合された急勾配で湾曲したレンズ要素を作るための方法も含む。この方法は、その前面の実質的な部分にわたり主子午線に沿って35mm未満の曲率半径を有するレンズブランクの成形を含み得る。成形後、成形レンズブランク上に裏面がカットされ、これが、表面と共に、非ゼロ処方透視度数を提供する。最終的に、レンズブランクはエッジ加工されて、少なくとも8mmの最大中空深さを有するエッジ加工レンズとなる。カットされた裏面は表面と共に、非ゼロ非点収差補正を着用者に提供するように設計し得る。
1つの実施例において、累進表面度数付加がレンズブランクの表面に成形される。これに代えて、累進表面度数付加は、レンズブランクにカットされた裏面に組み入み得る。
本発明の他の局面は、上述の35mm未満の曲率半径を有する球状光学面を持つレンズのような急勾配で湾曲したサンレンズに関する。サンレンズは、本発明の急勾配で湾曲したレンズをコーティングおよび/または着色することによって作られる。好ましい実施例においては、光学面(例えば、表面)を、とりわけ好ましい実施例においては一般に青色の、部分的に反射性の誘電性スタックでコーティングし得る。表面コーティングは、比較的高い屈折率および比較的低い屈折率を有している交互の層で構成されるスパッタリング堆積した多層コーティングとし得る。とりわけ、表面コーティングは、ケイ素およびジルコニウムの酸化物層のスタックとすることができ、ジルコニウム酸化物層の少なくとも1つは、厚さが約10nmよりも大きい。コーティングは、その反射率が約480nm以上の波長の入射光の場合に減少しはじめ、近赤外領域で比較的に低いまま留まるように設計される。
本発明は、それぞれが球状面を有する左右のレンズを含む保護アイウェアにも関する。各球状面は、好ましくは、約31mm〜35mmの曲率半径を有している。フレームは、左右のレンズの各々の球状面の中心が、左右の目の回転中心にほぼ位置づけられるように、着用者の顔面上でレンズを支える。
多層コーティングは、レンズに入射する放射がそれぞれの目へ透過するのを少なくとも部分的にブロックするために各レンズ上に形成できる。層は、入射放射のスペクトルの少なくとも1つの選ばれた部分を少なくとも部分的にブロックするために選ばれた屈折率および厚さを有している。サンレンズの実施例においては、紫外光が少なくとも部分的にブロックされ得る。レーザー放射からの保護も、工業的または軍事的設定においてアイウェアにより提供できる。この場合に、コーティングおよび/または色素は、選択されたスペクトルの範囲のレーザー光をブロックするために提供される。特に、赤外レーザー放射は少なくとも部分的にブロックされ得る。入射レーザー放射は、そのパワーレベルを目の安全レベルまで低減するのに十分なだけブロックされる。軸外し入射放射は、スタックにより妨げられ、色素により吸収され、および/または網膜に達しない光路を有している。
本発明の保護アイウェアの実施例において、有利には、視野の着用者に広視野を提供する一方で、網膜に達するすべての方向から到来する放射の間に立つように、各レンズは眼窩部の鼻マージンから眼窩部の側頭領域へ、そして眼窩部のより低部のマージンからより上部のマージンへ延びている。
上記は、本発明の概要としてのみ意図されるものであり、本発明の範囲はクレームの文言およびその等価物によって決定される。
(図面および実施例の詳細な説明)
アウトライン
I.基本的レンズジオメトリ
II.非点収差の補正
III.拡大効果および歪みの低減
IV.レンズ製造
V.レンズ設計例の計算された性能
VI.嵌められたレンズおよび眼鏡フレーム
VII.コーティング、サンレンズおよび保護アイウェア
I.基本的レンズジオメトリ
本発明に従って製造されたレンズの基本的ジオメトリを最初に論じる。図6A、図6Bおよび図6Cはそれぞれ、本発明に従うエッジ加工されたレンズ100の正面図、側面図および上面図を示す。図6Aにおける原点102はレンズの光学中心の場所であり、着用時の瞳孔中心の設計場所である。エッジ加工されたレンズの外形104が図6Aの正面斜視図に示される。図6Bにはレンズの側頭エッジ106および鼻エッジ108が示される。図6Cにはレンズの上エッジ110および下エッジ112が示される。図6のレンズの実施例においては、レンズの表面は急勾配の球状曲線であり、その右側最端部が線114で示される。
アウトライン
I.基本的レンズジオメトリ
II.非点収差の補正
III.拡大効果および歪みの低減
IV.レンズ製造
V.レンズ設計例の計算された性能
VI.嵌められたレンズおよび眼鏡フレーム
VII.コーティング、サンレンズおよび保護アイウェア
I.基本的レンズジオメトリ
本発明に従って製造されたレンズの基本的ジオメトリを最初に論じる。図6A、図6Bおよび図6Cはそれぞれ、本発明に従うエッジ加工されたレンズ100の正面図、側面図および上面図を示す。図6Aにおける原点102はレンズの光学中心の場所であり、着用時の瞳孔中心の設計場所である。エッジ加工されたレンズの外形104が図6Aの正面斜視図に示される。図6Bにはレンズの側頭エッジ106および鼻エッジ108が示される。図6Cにはレンズの上エッジ110および下エッジ112が示される。図6のレンズの実施例においては、レンズの表面は急勾配の球状曲線であり、その右側最端部が線114で示される。
本発明の実施例の急勾配の球状曲率は多様な方法でレンズに設計することができる。上記で論じた好ましい実施例において、レンズ要素の表面は目の回転中心に中心づけられるかまたはその付近にある単一半径の球体である。これに代えて、一連のレンズ要素の裏面は一定の急勾配の球状面であり、回転中心に中心づけられるかまたはその付近に置かれ得る。これらの実施例において、他方の面は変化し得る曲率を有し、曲率は着用者に少なくとも適切な透視度数を提供するように選択される。例えば、16D球状表面が一連のレンズ要素に選択される場合、その大子午線上で20Dの、かつその小子午線上で18Dの曲率を有する裏面が、−2Dcylによって−4Dの透視度数を提供するために使用される。これに代えて、レンズ要素の一定半径面が裏面に置かれる場合、特定の処方に関して選択された対応面が表面に置かれ得る。
他の代替例においては、レンズ要素または面は球状シェル内に位置するように制限される。このジオメトリは図7に示してある。2つの同心球体154および156が、点Pの中心と2つの半径r1およびr2とにより定義され、ここでr2>r1である。同時に、球体がシェルSを定義する。レンズ158は鼻の最端部の点Qと側頭の最端部の点Oとを有して示される。レンズの表面160はシェルS内に位置する。
本発明による光学レンズ要素の表面は、球状、トーリックまたは回転対称非球状面とし得る。さらに視野を改善するため、本発明による光学レンズ要素の表面および/または裏面は、光学性能および/または見かけ上の外見を改善するために球状形状から逸脱した形状を有してもよい。上述で説明したように、表面および/または裏面は、レンズ着用者に見える光学収差の測定値を表す、選択されたメリット関数を最小にするように、最適化の課題を解くことにより導き出し得る。これに代えて、またはこれに加えて、補正によりレンズ要素の見かけ上の外見を改善し得る。これに代えて、後により詳細に説明するように、シェル内の面は多焦点累進レンズとし得る。
好ましい実施例において、半径r1およびr2の長さは2mm以下しか異ならず、より好ましい実施例では半径の一方は約33mmであり、r1およびr2の長さの差は約0.1mm以下である。表面は75°よりも大きい角度OPQであり、好ましくは90°よりも大きく、より好ましくは100°よりも大きい角度を張る。この角度はレンズによってもたらされる広視界の測定値である。
これに代えて、レンズは、図7のシェルSに類似した態様で定義されたシェル内に全体が位置するように定義されてもよく、r1およびr2の長さの差は6mm未満である。
さらに、かつ代替的に、レンズは図7の半径r1を有する球体の部分OQのような、急勾配で湾曲した球体の一部を含むものとして定義され得る。基準球体は、レンズ要素の表面および裏面の中間に位置する球体とし得る。本発明の実施例において、この急勾配で湾曲した球体は、さもなければ引用により本明細書に組み込まれる米国特許第5,187,505号に従って製造される2つのレンズウエハの当接面を定義し得る。そのような場合、眼用レンズまたはレンズブランクは、裏および表ウエハのラミネートとして形成される。ウエハの当接面が球状であるため、面の一方に適用されたcyl補正の所望の配向を達成するためにウエハを回転し得ることが理解されるであろう。これは累進レンズを提供するにあたり特に有用である。
本発明のレンズ要素の新規なジオメトリの他の局面が図8に示してある。急勾配の球状曲率を有し、目の回転中心172とほぼ同心のレンズ170が示してある。前方平行面Pはレンズの球状表面174に接している。レンズの光軸176は面Pに対して垂直であり、目の回転中心を通る。裏面は参照番号178で識別される。レンズは側頭方向に側頭エッジ180まで延びる。レンズの新規なジオメトリは、中空深さZHによって部分的に定義され、これは光軸におけるレンズの裏面178とエッジ180との間の垂直方向距離である。関連する寸法ZFは前方平行面Pとエッジ180との間の距離である。
歪みのような、本発明のレンズの周辺光学特性を考慮することは有益である。そのような場合、図9に示されるように、光軸Oに中心づけられた半角φの円錐の内側または外側に位置するレンズ特性を参照し得る。図9において、θは30°の角として示される。本発明の好ましい実施例において、一連のレンズ要素は、少なくとも25°の角度θによって定義される円錐を通して0.125D未満の面非点収差を有する。
本発明のレンズ要素は、中心視についてのRMS度数(power)誤差(以下で定義される)が30°未満の目の回転角度に対して3/8D未満となるようにし得る。さらに、レンズ要素は、中心視についてRMS度数誤差が、30°より大きく40°未満の目の回転角度に対して1/2D未満となるようにし得る。最後に、レンズ要素は、中心視についてRMS度数誤差が、40°より大きく50°未満である目の回転角度に対して3/4D未満であるようにし得る。
好ましい実施例において、レンズ要素は、目が回転して側頭方向に30°の角度で固定される周辺視野に関して、RMS度数誤差が固定位置の角度±5°について3/8D未満であり、RMS度数誤差が固定位置の角度±10°について0.65D未満であり、RMS度数誤差が固定位置の角度±30°について1.0D未満であるように構成し得る。
本発明のいくつかの特徴および従来レンズとの比較が図10に例示してある。図10(a)は、従来レンズおよび本発明の急勾配で湾曲した球状レンズについて選択された外形の平面図を示す。従来の6Dベースレンズ200が図10(b)に示され、本発明による16Dベースレンズ202が図10(c)に示され、これらはいずれも図10(a)と同じ平面外形を有する。見かけの視界は、瞳孔面上の瞳孔中心Cに中心づけられたエッジ光線の間で測定される。従来のベース6レンズ200は約105°の見かけの視界を有し、それに対してレンズ202は約130°の見かけの視界を有する。より大きなレンズブランクおよび平面外形が用いられる場合、ほぼ図10(d)に示されるサイズの16Dベースレンズ204が製造され得る。そのようなレンズは、約170°の見かけの視界を生み出す眼窩領域の鼻マージン206から側頭マージン208まで水平方向に延び得る。そのようなレンズは、まっすぐに凝視した時に着用者に見える側頭エッジは全くない。さらに、側頭レンズエッジ厚さ210は、後ろ方向に湾曲するため、他人に容易に見えず、従ってレンズの見かけ上の外見が改善される。最後に、レンズの裏面212により、広い範囲の処方について、通常長さの睫毛から離れる。
II.非点収差の補正
本発明による急勾配で湾曲した球状レンズにより、cyl補正が着用者の処方の一部である場合に特定の問題が生じる。普通のトーリック裏面では許容できる性能は提供されないことがある。特に、従来のトーリックは急勾配で湾曲したレンズの周辺部でうまく機能しない。
本発明による急勾配で湾曲した球状レンズにより、cyl補正が着用者の処方の一部である場合に特定の問題が生じる。普通のトーリック裏面では許容できる性能は提供されないことがある。特に、従来のトーリックは急勾配で湾曲したレンズの周辺部でうまく機能しない。
cylRx(光線の傾斜といったものを無視する)にとって理想的な裏面は、処方に適した一定の面非点収差を有するであろう。そのような面は存在しない。トーリック面は、この理想に近い製造可能なものである。2つの標準的タイプのトーリック面があり、これらはドーナツトーリックおよびバレルトーリックと呼ばれることがある。各々は固定軸まわりに円形の円弧を掃引することにより得られる。円の半径が、固定軸までのその最大距離よりも小さければドーナツトーリックであり、そうでなければバレルトーリックである。いずれのタイプのトーリックも2つの主子午線に沿った円形断面を有する。このこと(かつ対称性)のため、接線度数はこれらの子午線に沿ったすべての場所で正しい。さらに、このタイプのトーリックは、サジタル度数が正しい、「好ましい」子午線を有する。ドーナツトーリックの場合、それは下接線度数子午線であり、バレルトーリックの場合は上接線度数子午線である。ゼロ接線およびサジタル誤差は、面非点収差が好ましい子午線に沿って等しくゼロであることを意味する。
急勾配で湾曲したレンズの従来のトーリックの例が図11Aおよび図11Bに示してある。どちらの例も、名目上の2cylについて、赤道180度子午線上で接線度数18ジオプタ(@n=1.530)であり、90度では20ジオプタである。プロットは直径が45mmであり、0.1ジオプタの輪郭を有する。円形の主子午線曲率C1およびC2が図11Cに示してある。C1およびC2は、90°の角度で極Pの中心点で交差する。他の「主でない」子午線が中心点から放射状に広がるものとして定義され得ることが理解されであろう。
好ましい軸は、図11のプロットから明らかである。中心から0、10および20mmの半径のまわりで0〜90度の角度を形成する接線およびサジタル面度数が図12A〜図12Dに示してある。
これらの図面から、ドーナツトーリックおよびバレルトーリックの両方がすべての半径に対して0および90度で正しい接線度数を有することに注目し得る。ドーナツトーリックは0度では正しいサジタル度数を有するが、90度では誤差があり、誤差は半径とともに増加する。バレルトーリックは90度では正しいサジタル度数を有するが、0度では誤差があり、この誤差は半径とともに増加する。
これらのトーリックの両方を中心として明らかに非対称であるものがあり、それらの各々は好ましい子午線を有する。しかしながら、主子午線に沿って正しい接線度数を維持するが、より対称的にサジタル度数を扱う関数がある。所望の接線挙動を有する関数を構築するやり方は、あらゆる子午線に沿った断面が円形になることを余儀なくすることである。関数は下記の形を有するであろう。
ここで、R(θ)はθ子午線に沿った曲率半径であり、r=√(X2+Y2)である。R(0)およびR(90)の値は所望の接線度数で固定され、中間角度における度数はこれらの限界値に対して補間法を適用することにより決定される。補間の形式は、上記の度数プロファイルの形式がほぼ正弦波状になるという認識から来る。従って、R(θ)についての良好な1次近似は下記の通りとなるであろう。
ここで、Pは接線度数であり、nは度数を曲率に変換するのに必要な屈折率である。矢状挙動に対する支配をさらに加えるため、補間にさらなるフーリエ項を追加することができる。接線挙動に対する支配をさらに増すため、度数はrにおける多項式となり得る。単純な面の場合、さらなる自由度は要求されない。図13A、Bのプロットは、トーリックについて上記で示したような角度の関数として接線およびサジタル度数を示す。中間角度における接線誤差がドーナツトーリック未満であり、バレルトーリックよりも大きいことに留意されたい。サジタル度数は0および90ではr=0の場合について正しいが、半径の増加とともに多少とも対称的に両方の子午線上で欠け始める。軸対称ではない面の場合、接線曲率に対する角度態様からの弱い寄与がある。これは、通常のベクトルが円形断面と同じ面にないからである。
「偏りのない」cyl補正を作り出す別の方法は、従来のドーナツトーリックおよびバレルトーリックの平均をとることである。こうすることにより、円形子午線から構築された面の場合の結果と類似した結果が得られる。平均をとったトーリックに関する角度プロットが図14A、Bに示され、そこではZ=aBZB+(1−aB)ZDであり、ここでZはレンズの面高さであり、ZBは従来のバレルトーリックの面高さであり、ZDは従来のドーナツトーリックの面高さであり、aBは1>aB>0となるような重み係数である。図14A、Bは、aB=0.5の特定の場合を示すものである。
図14のプロットから断言するのは難しいが、これらの円形子午線および平均をとったトーリック面に関する接線およびサジタル度数の角度挙動には大きな差異がある。図15の輪郭プロットは、平均をとったトーリックおよび円形子午線関数の面非点収差を比較するものである。プロットは、上述の例と同じ0.1ジオプタの輪郭と45mmの直径とを有する。
非点収差は、平均トーリックの場合よりも円形子午線面の場合の方が単純な挙動をする。角度補間へのフーリエ項追加の効果を示すため、1つの余分な係数を、楕円形に見える輪郭を「切り上げる」ように調節することができる。その結果を図16に示す。子午線は依然としてすべて円形断面を有し、角度補間のみがわずかに変更されていることに注目されたい。
円形子午線および平均トーリック面は注目すべきさらなる特性を有する。主子午線からずれた任意の点にある面の面非点収差は、同じ点におけるバレルトーリックまたはドーナツトーリックの面非点収差のうち大きい方よりも少ない。さらに、平均トーリックまたは円形子午線面は、同じ処方のバレルトーリックとドーナツトーリックとの間に位置する(中間Z値を有する)。
上述のトーリックは、本発明の好ましい実施例のレンズの裏面として使用するのに好ましいが、レンズに提供するために従来のトーリックまたは一般化トーリックを使用することができる。
これに代えて、本発明のレンズ要素の面補正は、対称多項式の下記の数式に従って裏面を製造することにより提供し得る。
レンズの光学収差の多くの測定値は下記のように定義される。
ここでεは焦点誤差マトリクスであり、下記のように書ける。
ここで、正規直交基の組を選択するとε12=ε21である。
レンズの光学特性を特定的に考慮することによりこれらの項を計算する場合、光学平均度数誤差、光学cyl誤差およびRMS光学度数誤差の項が適用される。
メリット関数は、最適化されたレンズの特定の用途に応じて下記の関数から選択され得る。
ここで、合計は目の回転数θに対してとられる。
M4の場合には、サンプル点θが「まっすぐな」位置からの水平方向、垂直方向または斜め方向の回転を表すか否かにより種々のぶれ測定値が使用される。このモードは、非球面「最小接線誤差」設計戦略のある程度の一般化を提供し得る。
モードM3およびM5はそれぞれ、「最小非点収差誤差」および「最小平均度数誤差」戦略を表す。
さらなる実施例において、レンズの外見面を表すメリット関数にある項を含め得る。例えば、Mを単独で使用する代わりに、修正されたメリット関数が下記の式によって定義され得る。
ここで、ηθはMにおいて考慮されたサンプルの目の回転数θを示し、rは特定のレンズ半径であり、Vは半径rに向かうレンズ体積である。係数λは平均レンズ厚さに重みをつけるものであることがわかる。
III.拡大および歪みの低減
眼鏡レンズはそれを通して見えた物体を縮小または拡大する。これは従来の眼鏡レンズの主面が水晶体に近接して置かれ、目の入射瞳と一致しないからである。一般に、プラス度数のレンズはものを大きく見せ、マイナス度数のレンズはものを小さく見せる。拡大は、周辺視界における物体の認識方向も変え、見かけの視界がレンズを通して見えた真の視界とは異なるようにする。
眼鏡レンズはそれを通して見えた物体を縮小または拡大する。これは従来の眼鏡レンズの主面が水晶体に近接して置かれ、目の入射瞳と一致しないからである。一般に、プラス度数のレンズはものを大きく見せ、マイナス度数のレンズはものを小さく見せる。拡大は、周辺視界における物体の認識方向も変え、見かけの視界がレンズを通して見えた真の視界とは異なるようにする。
拡大に加えて、眼鏡レンズはさらに、それを通して見えた物体の形状を歪ませる。まっすぐ正面を見ている目の場合、マイナスレンズはいわゆる「バレル歪み」を引き起こし、この場合矩形の物体は周辺部で圧縮され、正方形はバレルのように見える。逆に、プラス度数のレンズは「ピンクッション歪みを引き起こし、正方形の隅を引き伸ばす。
これら2つの効果はともに、物体のサイズ、形状および位置の認識低下を増大する。眼科光学の教科書は、眼鏡レンズにおける歪みを補正するのは実用的ではないと教え、拡大効果を軽減することが望ましいということについては触れていない。それでも、コンタクトレンズの視野に関して喧伝される利点の1つは、レンズが目に密着することにより拡大および歪みの影響が軽減し、視野がより自然に補正できることである。眼鏡レンズの拡大および歪みの軽減は、可能であれば望ましいと思われる。
遠方の物体については、拡大効果は下記の式によって定義される。
ここで、d(図3のdv)はレンズの裏面から目の入射瞳までの距離であり、Fvはジオプタで表した裏面頂点度数であり、tはメートルで表した厚さであり、nは屈折率であり、F1はジオプタで表した表面度数である。
最初の括弧内にある式の部分は、どれだけの拡大がレンズ度数によるものかを示すため「度数係数」と呼ばれることが多い。dが0に等しければ、度数係数は1に等しいであろう。換言すると、目と接触しているレンズの場合にはこの度数による拡大が非常に少なく、これはコンタクトレンズの場合に言える。眼鏡レンズは目、瞼または睫との接触を回避するよう目から離れたところに位置づけられるため、この項はプラスレンズの場合には1より大きく、マイナスレンズの場合には1未満である。換言すると、プラス度数の眼鏡レンズは拡大し、マイナスレンズは縮小する傾向にある。状況に応じ、「拡大効果」という用語は拡大および縮小の両方を表すために用いられる。
第2の括弧内の式の部分は通常「形状係数」と呼ばれ、これはこの係数が、レンズの厚さおよび曲率とともに拡大率がどのように変化するかを示すからである。レンズに厚みがない場合、tは0に等しくこの項は1に等しいであろう。第3次光学の理想的な「薄いレンズ」では形状による拡大効果はない。コンタクトレンズは極端に薄く作れるので、この状況に近くなる。眼鏡レンズは損傷を回避するためにかなりの厚みを持たせてあり、常に正の表面曲率を有するため、この項は常に1より大きい。換言すると、すべての正のメニスカス眼鏡レンズはそれらの形状のために拡大する傾向にある。
拡大効果を排除するためには、式を1に等しく設定しなければならず、そのため度数係数と形状係数との積は1に等しい必要がある。プラスレンズの度数係数および形状係数はいずれも1より大きいため、それらの積は1にはなることはできず、正のメニスカス形態のプラスレンズから拡大効果を排除することはできない。一方、マイナスレンズの度数係数は1未満であり、形状係数は1より大きいため、これらの係数を打消すことは可能である。
これを行なうために、単位拡大についてこの式を解く必要がある。これを行なうと、下記の関係が得られる。
この式は、眼鏡の拡大効果を排除するレンズ厚さを特定する。レンズの第2の主面を目の入射瞳に置くとうまくいく。実用的な厚さでこれを達成するには、2つのもの、すなわちマイナスレンズ度数と非常に急勾配の曲線とが必要である。
(歪み)
第3次理論によると、歪みは非実用的なまでに急勾配で湾曲したレンズにおいてしか除去できない。Jalie,M.「眼用レンズの原理」、4版462頁参照。
第3次理論によると、歪みは非実用的なまでに急勾配で湾曲したレンズにおいてしか除去できない。Jalie,M.「眼用レンズの原理」、4版462頁参照。
第3次理論では実際には、35ジオプタを超える裏面曲線が必要であり、これは目の入射瞳付近でほぼ同心であり、そのような面は実際には非実用的である。目の入射瞳付近で両方の面が同心状になる真に同心のレンズ設計では、歪みは全くない。なぜならば、レンズの対称性により、斜めの物体からの光束のすべてが中央の物体からのものと同じ面傾斜に遭遇するからである。目の入射瞳付近での同心性には極端に急勾配の曲線は要求されないが、幾分平坦な曲線でも入射瞳に近接して置かれた主面を有するレンズと組合せた場合には歪みが飛躍的に低減されることを見出した。これはマイナス度数レンズにおける縮小を低減するように設計されたレンズによって行なわれ、この結果、目の回転中心まわりにほぼ同心状に配置されたレンズが得られる。
実際に、目の回転中心まわりでレンズを同心状に配置することは非常に望ましい。なぜならこれにより、周辺視界にある物体を見ようとして目が回転したときに目に対するレンズの対称性が改善され、その結果解像度が改善されるからである。レンズの一方の面が目の回転中心まわりで同心状に配置されることを厳密に要求するならば、歪みを事実上除去する厚さを導出できる。この場合、レンズ厚さに関する特定の形式の式が必要である。
例えば、その表面が目の回転中心まわりで同心状に配置されたレンズの場合、表面の半径、着用距離、屈折率、裏面頂点度数、および目の回転中心からの入射瞳までの距離によってtを求めることができる。この場合、
ここで、
はレンズの形状係数であり、r1=表面の半径であり、df=レンズ表面から入射瞳の面までの距離であり、Keは、図3に示されるように目の回転中心から目の入射瞳までの距離である。
図17A〜図17Cはこの種の設計の利点を示すものである。図17Aは、グリッドが見る人の左右に45°延びるように、ある大きな距離から見えるより大きなグリッドを表す。図17Bは、従来の−5.00Dレンズを着用した人が見る物の計算されたイメージであり、グリッドは小さく見え形状が歪んで見える。図17Cは、上記式に従って歪みを排除するよう設計されたレンズの着用者に見える計算されたイメージを示す。このイメージは元の物体とほぼ同一に見える。
IV.レンズ製造
本発明による眼用レンズ要素は、適切な任意の材料から作り得る。ポリマー材料が用い得る。ポリマー材料は任意の適切なタイプのものとし得る。ポリマー材料は、ポリカーボネートタイプなどの熱可塑性材料またはジアリルグリコールカーボネートなどの熱硬化性材料を含んでもよく、例えば、CR−39(PPGインダストリーズ社)を用い得る。
本発明による眼用レンズ要素は、適切な任意の材料から作り得る。ポリマー材料が用い得る。ポリマー材料は任意の適切なタイプのものとし得る。ポリマー材料は、ポリカーボネートタイプなどの熱可塑性材料またはジアリルグリコールカーボネートなどの熱硬化性材料を含んでもよく、例えば、CR−39(PPGインダストリーズ社)を用い得る。
ポリマー品は、例えばその開示全体が引用により本明細書に組み込まれる米国特許第4,912,155号または米国特許出願番号第07/781,392号に記載されるように、架橋性ポリマー成型組成物から形成し得る。
ポリマー材料は、例えば、フォトクロミック色素を含む色素を含むことができ、これはポリマー材料製造に使用されるモノマー処方に添加できる。
本発明による光学レンズ要素は、エレクトロクロミックおよび/または液晶コーティングを含む付加的な標準コーティングを表面または裏面にさらに含み得る。レンズ表面は反射防止(AR)コーティングを含んでもよく、これは例えば開示全体が引用により本明細書に組み込まれる米国特許第5,704,692号に記載のタイプのものとし得る。サングラスのレンズを作ったり、または所望の見かけ上の効果を提供するため、部分的反射コーティングをレンズに適用し得る。レンズの表面は、これに代えて、またはこれに加えて、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる米国特許第4,954,591号に記載のタイプの耐磨耗性コーティングを含み得る。
表面および裏面は、反応抑制剤、例えば上述のサーモクロミックおよびフォトクロミック色素を含む色素、偏光剤、UV安定剤および屈折率を変更し得る材料などの成型組成物に従来から用いられている1つ以上の面処理を含み得る。
図18は、本発明の教示によるレンズ要素の製造に適する金型を示す。金型は表金型部分300と、裏金型部分302と、閉フランジ部分304とを含む。レンズ要素は、ポート308を通して液状のレンズ材料を注入することにより、金型間のキャビティ306中で形成し得る。空気はポート310を通って逃げる。レンズ要素が硬化すると、金型部分が分離される。レンズ要素は金型から取り出されるときに放射状フランジ312を有しているのが観察されるであろうが、これは後の処理において除去される。
本発明のレンズ要素を成型するための方法および装置は、2000年9月8日提出の、「熱可塑性レンズの成型方法、およびそれにより製造された急勾配で湾曲したおよび/または薄いレンズ」と題されたKingsburyらの米国特許出願番号第09/658,496号に記載されており、その内容は引用により本明細書にその全体が組み込まれる。
V.レンズ設計例の計算された性能
(例1)
表1は、本発明に従って作られたポリカーボネートレンズと従来の低ベースカーブレンズとの、計算された性能の比較を示す。
(例1)
表1は、本発明に従って作られたポリカーボネートレンズと従来の低ベースカーブレンズとの、計算された性能の比較を示す。
(例2)
図19は、−6D、−3Dおよび+3D度数の急勾配で湾曲した一連の球状レンズ要素(それぞれ図19(a)、図19(c)および図19(e))と対応する低ベースカーブSola Perma−Poly(登録商標)素材レンズ(それぞれ図19(b)、図19(d)および図19(f))との計算された比較を示す。
図19は、−6D、−3Dおよび+3D度数の急勾配で湾曲した一連の球状レンズ要素(それぞれ図19(a)、図19(c)および図19(e))と対応する低ベースカーブSola Perma−Poly(登録商標)素材レンズ(それぞれ図19(b)、図19(d)および図19(f))との計算された比較を示す。
急勾配で湾曲した球状レンズ要素は、レンズ断面400に示されるように、本質的に同一な16Dの球状表面を有する。一般に、急勾配で湾曲した球状レンズ要素により周辺歪みが改善される。図19(a)および図19(c)のレンズも、マイナス処方において低いRMS度数誤差を示す。
(例3)
図20は、16D表面−3D透視度数および−2の裏面cyl補正が付与された急勾配で湾曲した2つの球状レンズの計算された比較を示す。
図20は、16D表面−3D透視度数および−2の裏面cyl補正が付与された急勾配で湾曲した2つの球状レンズの計算された比較を示す。
図20(a)のレンズは従来のドーナツトーラス裏面を有し、図20(b)のレンズは上記のタイプの全円形子午線裏面を有する。後者は、RMS度数誤差が優れており、歪みがいくらか改善されている。
(例4)
最後の例の組(図21および図22)は、従来のベースカーブ累進レンズと本発明による累進レンズとの比較を示す。
最後の例の組(図21および図22)は、従来のベースカーブ累進レンズと本発明による累進レンズとの比較を示す。
図21は、従来の湾曲Sola XL累進レンズの遠視野特性と、急勾配で湾曲した(16D)ベースカーブを有するレンズ要素に類似した累進形式が置かれたレンズとを比較する。
図22は、Sola XL累進レンズと図21の急勾配で湾曲したレンズとの近視野特性を比較する。
一般的に言えば、本発明に従って作られた累進レンズは、着用位置で着用者の目の回転中心とほぼ同心の急勾配で湾曲した基準球体または球状シェルによって特徴づけられる。そのようなレンズは、遠視野用の上方観察ゾーンと、上観察ゾーンよりも高い度数を有する近視野用下方観察ゾーンと、上方ゾーンと下方ゾーンとをつなぐ中間ゾーンとを有し、上ゾーンと下ゾーンとの間で度数は変化し、比較的低い面非点収差のコリドーを含む。
1つの実施例において、急勾配で湾曲した基準球体は、上方観察ゾーンの中央部分の表面に対応する。別の実施例において、累進面はレンズの表面にあり、約2mm未満の厚さの、急勾配で湾曲した球状シェル内に位置する。いずれの実施例においても、シェルまたは基準球体の曲率半径は50mm未満とすることができ、好ましくは約30mm〜35mm、最も好ましくは約33mm±約2mmとし得る。累進レンズの適切な表面設計は、例えば、1997年7月10日提出の本願出願人の、現在は米国特許第5,861,935となっている特許出願番号第08/782,493号に示される。
VI.嵌められたレンズおよび眼鏡フレーム
本発明で使用される眼鏡フレームは、図3に示されるおよその位置において本発明のレンズを保持するように適合される。眼鏡フレームは、リムレス、部分リム、またはフルリムとし得る。
本発明で使用される眼鏡フレームは、図3に示されるおよその位置において本発明のレンズを保持するように適合される。眼鏡フレームは、リムレス、部分リム、またはフルリムとし得る。
好ましい実施例において、レンズは、眼鏡フレームに取付けた場合に、本質的に傾斜したりラップ角を示したりしない。眼鏡フレームは、レンズの光軸の位置を、着用者のまっすぐな視野の軸に対応するよう変更するための、調節可能な機構を含み得る。
図23は、本発明のレンズ402および404ならびに眼鏡フレームを含むアイウェア400を示す斜視図である。レンズ形状により見かけ上好ましい物が得られる。図23の眼鏡フレームは、リム部分406と側頭部品408および410と共に示してある。各レンズを囲む眼鏡フレームのリムは、レンズの急勾配で湾曲した基準球体上またはその付近に位置する閉曲線に対応するように適合される。処方範囲にわたりこの曲率が一貫していることにより、単一フレームまたはフレーム設計がこの範囲での任意の処方に対して適合され得る。
図24は、着用者の顔に着用された場合の、図23のアイウェアの側面図である。この図は、レンズの急勾配で傾斜した曲率およびレンズエッジの複雑な3次元形状により得られる着用者の外見に関する別の局面を示す。この図は、比較的小さいサイズのレンズにより広い視野および目に対する優れた保護が提供されることを示す。
図25A、Bは、本発明によるアイウェアの実施例412を前方から見た図であり、本発明のいくつかの機械的局面を示す。図25の実施例の眼鏡フレームはノーズブリッジ414ならびに蝶番式側頭部品416および418を含む。これらの構成要素を併せると、3部材のリムレス眼鏡フレームが構成される。
側頭部品416と418は、蝶番420および422と、取付タブ424および426とを含む。好ましい実施例において、タブ424および426は、レンズの球状表面に取付けられる。これらの取付面は、処方された透視度数およびレンズのcyl補正に関係なく、フレームに対して一貫した位置および角度関係で置かれることが理解されるであろう。同様に、ノーズブリッジ414のタブ428および430は、レンズのそれぞれの表面エッジに表面取付けできる。
ノーズブリッジ414は、図25Bにおいて断面図で示される。有利には、ノーズブリッジは種々の着用者に通常見られる種々の瞳孔距離(図3のPD)を補償するための調節可能長さに作られる。この調節可能な特徴により、レンズの光軸が着用者の両目の視野軸と整列できるようになる。この調節可能な特徴を生み出すのに適切な1つの機械的構造が図25Bに示されるが、移動または柔軟構造の他の組み合わせをこの目的に適合できることが理解される。図25Bの実施例では、タブ428および430の各々が、それぞれ部材432および434によって保持され、これらは管436の両端に挿入される。固定ネジ438および440は、部材432および434を定位置に保持する。固定ネジは、管の中で部材432および434を種々の位置まで摺動させることによりノーズブリッジ長さを調節可能にするよう緩めることができる。
図26(a)は、本発明のアイウェア実施例500の平面図である。アイウェアはリムレスタイプである。左のレンズ502および右のレンズ504は、急勾配で湾曲し、エッジ加工されたレンズである。好ましい実施例においては、これらのレンズは、上記のように曲率半径が50mm未満、好ましくは35mm未満の、一般に球状である前方光学面506をそれぞれ有している。着用時位置においては、各レンズの球状面の曲率半径中心は、着用者のそれぞれの目の回転中心PL、PRにほぼ位置する。
レンズ502および504は、レンズを着用者の顔面上で支持するために、ノーズブリッジ508により連結される。左右の側頭部品510および512が設けられ、左右のレンズの側頭エッジにそれぞれ取り付けられる。好ましい取り付け方法を、図26(b)に関連して論じる。
図26(b)は、右の取り付け部品514およびヒンジ516による右の側頭部品512の右レンズ504への取り付けを示す図26(a)の実施例の細部である。好ましい実施例において、右の取り付け部品はアーチ形であり、一般にレンズ504の前方面の球面曲率に沿って続く。取り付け部品514のノーズ部分518はレンズの表面上に置かれる。ボルト520およびナット522のような螺合固定システムは、取り付け部品をレンズの定位置に保持するために使用できる。好ましい実施例において、取り付け部品の突出部526を受け入れて取り付け部品をより固定し、さらにボルト520の主軸528まわりでのその回転を妨げるために、レンズにエッジノッチ524を設けることができる。好ましい実施例において、ファスナーの主軸528は、レンズの球状面の曲率中心を横切る放射状線上に位置する。
本発明のレンズ要素の好ましいエッジ加工も、図26(b)において詳細に示される。示されているように、レンズのエッジ面530は、レンズの球状面の半径方向532にほぼ沿って位置する。着用時位置では、この半径方向は、目の回転中心、PRにほぼ中心づけられる。このエッジ形態により、着用者にはレンズエッジが本質的に見えなくなる。なぜならば、目が回転する時に、エッジ面が着用者によりエッジオンに見られ、その結果、凝視角度はレンズエッジに向けられるからである。さらに、エッジ面はサイズが小さくされ、外部の観察者への外見が最小限になる。このエッジ加工の詳細は図27および図28に例示する。
図27A〜図27Dは、レンズの球状面534の半径方向、Rにほぼ沿って位置するいくつかの種々のエッジ輪郭を例示する。これらの図に例示されるように、エッジ面の断面は、球状面の接線Tにその外周部においてほぼ垂直、すなわち、視線は、エッジ面とほぼ共面である。
図27A〜図27Dにおいては、各エッジ面の断面は、目の回転中心Pについて小さい角度範囲θ内に位置し、従って着用者にはほとんど見えない。図27Aの例においては、エッジ面の断面は直線536であり、θは0に接近する。図27Bの例においては、さもなければ安全上の問題をもたらすことがある鋭いエッジを取り除くために若干の丸みつけが実施されている。図27Cの例においては、溝538がエッジに切ってあり、これはアイウェアのリムに対応して形成された部分540と嵌まり合うように適合されている。最後に、図27Dの例においては、エッジ面にビード542が形成されており、これはアイウェアフレームの溝付きリム544と嵌まり合うに適合されている。これらの後のケースでは、エッジ面は着用者にとりほとんど見えない。
図27B、図27Cおよび図27Dの例においては、有利には、レンズ全周まわりでθは約5°未満である。この状況は図28に例示されており、これは本発明の好ましい実施例に従って作られたエッジ加工したレンズ546の絵画図である。レンズのエッジ面548は、レンズの球状面550の接線に垂直な環である。この環は、それが1つの平面中に完全にあるわけではないという意味で三次元である。エッジ面は、2つの一般に円錐形552および554の間にあり、角度θを張っており、この角度は、レンズ周辺の種々の位置で多少変わり得るが、典型的には3°±1.5°未満である。
図29A〜図29Cは、いくつかのレンズエッジ加工法を例示するものである。図29Aは、従来のオストワルトセクションレンズ560のエッジ加工を示すもので、軸564まわりで回転される従来のミル562を用い、この軸は参照軸566と平行に保持される(この軸はレンズブランクの光軸とすることができる)。ミルの軸564は、矢印568により示されるようにレンズ周辺を動かされてエッジ面を形成する。急勾配で湾曲したレンズ570をエッジ加工するための同様な手法の使用は図29Bに示してある。その結果、エッジ加工されたレンズは、鋭いエッジ572および着用者の周辺視野における大きい角度を張るエッジ面を持つ。
本発明の好ましい実施例に従って、図29Cに例示されるように、急勾配で湾曲したレンズ570のエッジ面574は、レンズの球状面の曲率中心Cを横切っている軸576まわりで回転されるミル562によって生成できる。以前は、そのような配置は、非急勾配で湾曲したレンズをエッジ加工するためにのみ使用されてきた。
VII.コーティング、サンレンズおよび保護アイウェア
A.コーティング
本発明のもののような高い曲率の面を有しているレンズ要素は、反射率/透過率を制御するためにフィルムでコーティングするのがとりわけ困難なことがある。これらの難題は、少なくとも部分的に、典型的なコーティング、蒸着およびスパッタリングシステムのジオメトリにより引き起こされる。これらのシステムは、比較的平坦なレンズ要素の中心からエッジへ比較的均一なフィルムを形成することができる。しかしながら、面曲率が急勾配になるにつれてより大きい変動が観察される。レンズ要素の知覚される色は、フィルム厚さと共に変化する。この色は、視角の変化によってもレンズ全体にわたって変わることがある。この効果は、急勾配で湾曲したレンズにおいてより大きい。これらの問題は、「ロールオフ」と呼ばれることがある。
A.コーティング
本発明のもののような高い曲率の面を有しているレンズ要素は、反射率/透過率を制御するためにフィルムでコーティングするのがとりわけ困難なことがある。これらの難題は、少なくとも部分的に、典型的なコーティング、蒸着およびスパッタリングシステムのジオメトリにより引き起こされる。これらのシステムは、比較的平坦なレンズ要素の中心からエッジへ比較的均一なフィルムを形成することができる。しかしながら、面曲率が急勾配になるにつれてより大きい変動が観察される。レンズ要素の知覚される色は、フィルム厚さと共に変化する。この色は、視角の変化によってもレンズ全体にわたって変わることがある。この効果は、急勾配で湾曲したレンズにおいてより大きい。これらの問題は、「ロールオフ」と呼ばれることがある。
レンズ要素、特に大きく湾曲したレンズ要素をコーティングするための技術は、「実質的に均衡のとれた反射率を示すコーティングされたレンズ」と題された上記の国際出願番号第PCT/AU99/01029号に開示されている。複数の酸化被膜層の「スタック」により構成されるコーティングの様々なタイプも論じられている。そのようなスタックは、図30Aに一般的に例示される。この例では、急勾配で湾曲したレンズ600は、球状前面602が多層フィルム604で被覆されている(一定比率では描かれていない)。
コーティングされた急勾配で湾曲したレンズ要素の中心からエッジにかけて一般に均一な淡青色の外観を提供する反射防止コーティングの例は、種々の厚さの酸化ケイ素および酸化ジルコニウムの5つの層のスタックで構成される。スタックは、下記の表Iに示してある。
ロールオフの低減だけでなく、レンズは、レンズ表面の指紋が目立ちにくくなり、他の系統的および非系統的な製造のばらつきに影響されにくくなる。これらの利点は、従来のオストワルトセクションレンズにおいても達成できる。
前述の酸化物コーティングのスパッタリング堆積技術は、2000年6月28日提出のBurtonらの米国特許出願番号第09/605,401号に開示されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図31および図32は、本発明のコーティングの様々な局面を例示する。図31は、ナノメートルで表した光波長の関数としてパーセントで表した反射のプロットである。この図は、表Iのスタックの反射率を、緑がかった色を有する従来のスタック(破線)と比較するものである。
堆積されたフィルム厚さが3%以上変動すると、通常有意かつ顕著な色変化が引き起こされる。緑の呈色は、反射スペクトル(図31)中の「ハンプ」650の効果であり、斜めの角度で見た時に、スペクトルの青色端部へ移動するように見える。これが起こる場合には、スペクトルの赤色端部での反射率がより強くなる。これは結局、(所望の黄色/緑色ではなくて)ピンクまたは紫色という結果になる。
対称的に、表I(青色)のスタックは、スペクトル中の約480nmにおけるピークまたはハンプ652で表されるような青色部分における支配的量の可視光反射率を示す反射率スペクトルを生み出す。青色コーティングは、スペクトルの赤外領域中まで非常に低い反射率を示し、720nmで0.5%未満、好ましくは0.25%である。
急勾配のレンズ曲率の効果は図32に例示される。理解されるように、各レンズの中心におけるスペクトルの赤色端の反射率は、青色コーティングの場合よりも緑色コーティングの場合のほうが高い。しかしながら、反射がレンズのエッジに向かって測定される場合には、緑色コーティングが、スペクトルの赤部分で反射率が大きく増大するのに対して、青色コーティングは低い赤反射率で安定していることが明瞭に見られる。
レンズのエッジへ向かっての、この赤反射の増大の結果は、「緑色」コーティングが明るい紫色に変わる(緑+赤=紫)ことである。この効果は、青色コーティングの場合にはどのような有意な程度でも生じない。色ロールオフに対するこの感度減少の最終結果は、AR堆積時に色の一致を維持するために標準レンズ曲率グルーピングの必要が大きく減少することである。急勾配で湾曲したレンズ表面が、面全体にわたって、あるいはその面の大いに増大した部分(緑色コーティングのようなより普通のコーティングと比較して)にわたってそれらの色を保持することが明白であろう。
B.サンレンズ
可視およびUV域の光の波長を選択的にブロックするサンレンズまたはサングラスを提供することは常套的である。そのようなレンズは、目保護およびファッションデザインの両方の用途を有している。レンズを通る光の波長は、プラスチック製ボディ中の光吸収性色素を使用することにより選択し得る。これに代えて、あるいは加えて、レンズに鏡面反射コーティングを適用し得る。これらの技術は、本発明の急勾配で湾曲したレンズに適用できる。さらに、これらの技術は、上述の反射防止コーティングと共に用い得る。例えば、上記のARコーティングは、日光を部分的にブロックする色素を含んでいるレンズの目側の光学面に適用できるであろう。これに代えて、前方光学面が例えば鮮やかな青い反射性コーティングで鏡面コーティングされる一方で、上記のARコーティングをレンズの目側の光学面に適用できるであろう。
可視およびUV域の光の波長を選択的にブロックするサンレンズまたはサングラスを提供することは常套的である。そのようなレンズは、目保護およびファッションデザインの両方の用途を有している。レンズを通る光の波長は、プラスチック製ボディ中の光吸収性色素を使用することにより選択し得る。これに代えて、あるいは加えて、レンズに鏡面反射コーティングを適用し得る。これらの技術は、本発明の急勾配で湾曲したレンズに適用できる。さらに、これらの技術は、上述の反射防止コーティングと共に用い得る。例えば、上記のARコーティングは、日光を部分的にブロックする色素を含んでいるレンズの目側の光学面に適用できるであろう。これに代えて、前方光学面が例えば鮮やかな青い反射性コーティングで鏡面コーティングされる一方で、上記のARコーティングをレンズの目側の光学面に適用できるであろう。
C.レーザー保護アイウェア
上記の急勾配で湾曲した球状面レンズ要素は、レーザー保護アイウェアにおいて有利に用い得る。好ましい実施例において、アイウェアは、各レンズの曲率中心を、アイウェアが使われるそれぞれの目の回転中心に置くように設計される。さらに、レンズは、レンズがほぼ眼窩の鼻マージンから側頭マージンへ、および眼窩の下マージンから上マージンへ延びるようにエッジ加工し得る。これに代えて、レンズは、前記眼窩マージンへ延びるアイウェアフレームに取り付け得る。これらの形態にはいくつかの有益な効果がある。第1に、レンズは目を効果的に取り囲み、エッジまわりの迷光漏れを低減または防止できる。第2に、本質的に瞳孔を通って伝達され得るレンズに入射するすべての光は、球状面の接線への垂線に関して約25°〜30°以内になる。入射角がより大きい光は、瞳孔を通って導かれない。レンズ上または内部のレーザー光ブロック手段は、球状面の接線への垂線のこのほぼ30°の角度範囲内のレーザー光のビームをブロックするように調整し得る。
上記の急勾配で湾曲した球状面レンズ要素は、レーザー保護アイウェアにおいて有利に用い得る。好ましい実施例において、アイウェアは、各レンズの曲率中心を、アイウェアが使われるそれぞれの目の回転中心に置くように設計される。さらに、レンズは、レンズがほぼ眼窩の鼻マージンから側頭マージンへ、および眼窩の下マージンから上マージンへ延びるようにエッジ加工し得る。これに代えて、レンズは、前記眼窩マージンへ延びるアイウェアフレームに取り付け得る。これらの形態にはいくつかの有益な効果がある。第1に、レンズは目を効果的に取り囲み、エッジまわりの迷光漏れを低減または防止できる。第2に、本質的に瞳孔を通って伝達され得るレンズに入射するすべての光は、球状面の接線への垂線に関して約25°〜30°以内になる。入射角がより大きい光は、瞳孔を通って導かれない。レンズ上または内部のレーザー光ブロック手段は、球状面の接線への垂線のこのほぼ30°の角度範囲内のレーザー光のビームをブロックするように調整し得る。
バンドブロッキング光学フィルタは、ブロックすべき光の入射角度に敏感になり得ることは知られている。一般的に、そのようなフィルタは設計中心として垂直入射光を使う。フィルタの有効性は、一般的に変化し、通常は垂線からの入射角の逸脱と共に減少する。このジオメトリは、図30Aにおいて、それぞれ入射角φ1およびφ2を有している2つの任意の光線R1およびR2について例示してある。角度φ1およびφ2は、光線R1およびR2がレンズの面と交差する点における垂線N1およびN2に関して測定される。(垂線は、接平面T1およびT2に対して、それらのそれぞれの交点において垂直である)。一般に、上で論じたフィルタの場合、φが大きければ大きいほど、フィルタ効果は効果的がなくなるであろう。
本発明の急勾配で湾曲したレンズは、典型的には関連入射角度φのより小さい範囲を呈し、これにより、例えば、垂線から約30°までの効果的な除去角度を有するフィルタの使用が可能になる。急勾配で湾曲したレンズのこの局面は、図30Bおよび図30Cに示される2つのレンズ例の比較において例示される。図30Bに示されるレンズ610は、オストワルトセクション、−4Dベースレンズである。図30Cに示されるレンズ612は、−4D透視度数および約15.5Dの球状表面を有する急勾配で湾曲したレンズである。入射光線の分析は、両方のレンズが1.5の屈折率および約2mmの中心厚さを有していると仮定している。1cm直径瞳孔Pが、レンズ裏面がその光軸O−Oと交差している点の2cm後ろに位置していることも想定されている。
種々の入射光線が図30Bおよび図30Cにプロットされている。光線は、光軸O−Oにおいて各レンズに接する平面PTと交差する光束から選ばれる。束は、光軸O−Oの上下に0、5、10、15および20mmの距離で試験される。各束から、(i)レンズ面上の入射点におけるレンズへの垂線に関して最大の角φを有し、および(ii)レンズにより屈折された場合に瞳孔の最下点Lに到達する、光線が選ばれる。これらの選ばれた光線は、平面PT上の光軸の上下のそれらの個々の距離(例えば、5mm、10mm等)により識別される。
以下の表は、図30Bおよび図30Cのレンズについての入射光線の各々についての計算された角度を示す。
(角度φは、正および負の両方の角度として表わされる。正の角度は、図に示されるようにレンズ垂線から時計回りのビーム回転を示し、負の角度は、レンズ垂線から反時計回りのビーム回転を示す。)
この例では、オストワルトセクションレンズについてのφは、多くの位置において30°より大きく、かつ光軸からの距離に伴って、+20mm位置における53.7の高さまで劇的に増大する。対称的に、図30Cの急勾配で湾曲したレンズについては、角度φは30°未満に留まる。
この例では、オストワルトセクションレンズについてのφは、多くの位置において30°より大きく、かつ光軸からの距離に伴って、+20mm位置における53.7の高さまで劇的に増大する。対称的に、図30Cの急勾配で湾曲したレンズについては、角度φは30°未満に留まる。
レーザー光の選択的ブロッキングは、1つ以上の光学バンドブロックフィルタで達成できる。レーザー光の選択的ブロッキングを作り出す好ましい方法は、潜在的に有害なレーザー光をブロックするように調整された薄膜スタックを用いることである。以下は、遠距離通信において頻繁に使われる2つのレーザー光波長、すなわち1310nmおよび1550nmレーザー光を効果的にブロックするバンドフィルタの例である。光学フィルタは、表IIIにおいて層構成および厚さについて記載される。
光学設計の語法において、このスタックは以下の表現により記述される:
「1.12(0.5L H 0.5L)1.06(0.5L H 0.5L)1.03(0.5L H 0.5L)(LHL)∧6
1.03(0.5L H 0.5L)1.06(0.5L H 0.5L)1.12(0.5L H 0.5L)」
ここで、HおよびLは、それぞれ高屈折性および低屈折率材料の目標波長における1/4波長光学的厚さを示す。表IIIの例では、低屈折率材料は二酸化ケイ素であり、高屈折率材料は二酸化チタンである。レーザー光からの保護のためのバンドブロックフィルタを提供するために、従来設計の種々の他のスタックが使用できることが理解されるであろう。
「1.12(0.5L H 0.5L)1.06(0.5L H 0.5L)1.03(0.5L H 0.5L)(LHL)∧6
1.03(0.5L H 0.5L)1.06(0.5L H 0.5L)1.12(0.5L H 0.5L)」
ここで、HおよびLは、それぞれ高屈折性および低屈折率材料の目標波長における1/4波長光学的厚さを示す。表IIIの例では、低屈折率材料は二酸化ケイ素であり、高屈折率材料は二酸化チタンである。レーザー光からの保護のためのバンドブロックフィルタを提供するために、従来設計の種々の他のスタックが使用できることが理解されるであろう。
表IIIの例を続けると、光学濃度(透過百分率の対数の負号)は、図33に入射光波長の関数としてプロットしてある。この図からわかるように、ブロックされたバンドは、約1400nmに中心がある広いバンドである。大部分の可視波長は通過される(すなわち、光学濃度は0に近い)。
図33のプロットは、入射点におけるレンズ面の接線Tに垂直な線Nについて0度の入射角φを想定している(図30A参照)。スタックの光学濃度は、入射角φが0から増加するにつれて変化することが予期される。SおよびP偏光ならびに1310nmおよび1550nm波長の入射光について予期されるずれは、図34においてプロットされている。
より具体的には、図34において、光学濃度は0〜60°の入射角の関数としてプロットされる。光入射が増加するにつれて、全体のブロックバンドが左へ(青に向かって)シフトすることが理解されるであろう。このため、光学濃度は、1310nm波長の場合に増大する。入射角φが増大するにつれて、1550ラインの光学濃度が減少する。表IIIのスタックについては、30度未満の角度において、光の約0.7%未満が伝達され、偏光を問わず、20度未満では光のわずか約0.2%が伝達される。これは、商用安全アプリケーションには十分であると信じられる。もっとも、軍用要件はより厳格であり、さらに特定のバンドにおいてより大きい光学濃度を有するスタックデザインが要求されることがある、
両方の波長および約33°までの入射角における偏光について、スタックの透過率が1%未満に留まることが図34から認められるであろう。これよりも大きい入射角は、保護されている目の回転中心付近にその曲率中心が位置する本明細書に記載の急勾配で湾曲したレンズ中において網膜に向けられることがないであろう。しかしながら、強い反射、屈折または光漏れにより引き起こされる好ましくない透過に対して保険をかけるため、レンズボディは、放射吸収色素を含む熱可塑性物質から成型することもできる。
両方の波長および約33°までの入射角における偏光について、スタックの透過率が1%未満に留まることが図34から認められるであろう。これよりも大きい入射角は、保護されている目の回転中心付近にその曲率中心が位置する本明細書に記載の急勾配で湾曲したレンズ中において網膜に向けられることがないであろう。しかしながら、強い反射、屈折または光漏れにより引き起こされる好ましくない透過に対して保険をかけるため、レンズボディは、放射吸収色素を含む熱可塑性物質から成型することもできる。
従って、急勾配の球状曲率を持つ新規で高い光学品質のレンズ要素が処方透過度数およびcyl補正と共に提供され、さらにそれを使用するように適合させた眼鏡フレームに取り付けられる。これらの設計は、非常に効果的なサングラスおよびレーザー保護アイウェアのような他の保護アイウェアでの使用に容易に適合される。
本発明をさまざまな実施例および例に関連して説明してきた。しかしながら、保護されるべき本発明は、前記の特許請求の範囲および法律において認識されるその等価物によって定義される。
Claims (44)
- アイウェアに取付けるようになされたレンズであって、該レンズは約35mm未満の曲率半径を有する球状面を有し、レンズの曲率中心が目のほぼ回転中心に置かれるように位置づけられるようになされ、前方向視線から側頭方向に55°よりも広い視界を提供するよう十分に大きく、さらに、その表面全体にわたり概略均一な色を観察者に呈する反射防止コーティングを有することを特徴とするレンズ。
- 前記表面は、少なくとも1つの球面であり、33.25mm±1mmの曲率半径を有することを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
- 前記レンズは、表面および目側光学面の双方に反射防止コーティングを有することを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
- 前記レンズは、非ゼロ処方透過度数を有することを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
- 前記レンズは、着用者の非点収差を補正する目側面を有することを特徴とする請求項4に記載のレンズ。
- 前記反射防止コーティングは、概略青色に見えるレンズの少なくとも1つの光学面に適用された誘電性スタックであることを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
- 前記コーティングは、レンズの少なくとも1つの光学面に真空蒸着された比較的高い屈折率と比較的低い屈折率とを有する層により構成されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
- 前記面コーティングは、ケイ素およびジルコニウムの酸化物層のスタックであり、少なくとも1つのジルコニウム酸化物層の厚さが約100nmより大きいことを特徴とする請求項7に記載のレンズ。
- 可視光用コーティングの反射率は、約480nmに局所的な極大を有することを特徴とする請求項7に記載のレンズ。
- 長さが2mm以下しか異ならない半径を有する2つの同心球体によって定義された球状シェル内に位置する第1の光学面を有するエッジ加工されたサンレンズであって、前記半径のうちより小さい方は長さが50mm以下であり、面のエッジ上の少なくとも2つの点OおよびQは、シェルの中心Pに対して80°よりも大きい角度OPQを張ることを特徴とするレンズ。
- 前記第1の光学面は、33.25±1mmの曲率半径を有することを特徴とする請求項10に記載のレンズ。
- 前記第1の光学面は、15.5D〜16.5Dの面度数を有することを特徴とする請求項10に記載のレンズ。
- 前記第1の光学面は、前方レンズ面であり、レンズの裏面は、+2D〜−5.75Dから選ばれた度数をレンズが有するように構成されることを特徴とする請求項12に記載のレンズ。
- 前記レンズの裏面は、2.5Dまでの選ばれた非点収差補正をレンズが有するように構成されることを特徴とする請求項10に記載のレンズ。
- 前記角度OPQは、90°より大きいことを特徴とする請求項10に記載のレンズ。
- 前記レンズは、120°より大きい角度OPQを有するレンズブランクから作られることを特徴とする請求項10に記載のレンズ。
- 前記レンズは、前方表面の曲率中心が、着用時位置における着用者の目のほぼ回転中心に位置づけられるように、アイウェアに取り付けられることを特徴とする請求項10に記載のレンズ。
- 前記レンズは、その表面全体にわたり概略均一な色を観察者に呈することを特徴とする請求項10に記載のレンズ。
- 表面は、その反射率が約380nm以上の波長の入射光の場合に減少し始め、可視スペクトルの残り全体にわたって低いまま留まる誘電性スタックでコーティングされることを特徴とする請求項10に記載のレンズ。
- 保護アイウェアであって、
各々が球状面を有し、各球状面が約31mm〜35mmの曲率半径を有する、左右のレンズと、
左右のレンズの各球状面の中心が、左右の目の回転中心にほぼ位置づけられるように、着用者の顔面上でレンズを支えるための手段と、
レンズに入射する放射がそれぞれの目へ透過するのを少なくとも部分的にブロックするために各レンズに関連付けられた手段とを含むことを特徴とするアイウェア。 - 前記透過ブロック手段は、各レンズ上の多層フィルムであり、フィルムの各層は、入射放射のスペクトルの少なくとも1つの選ばれた部分を少なくとも部分的にブロックするために選ばれた異なる屈折率および厚さを有することを特徴とする請求項20に記載のアイウェア。
- 前記アイウェアは、サングラスであり、紫外光は少なくとも部分的にブロックされることを特徴とする請求項21に記載のアイウェア。
- 選ばれたスペクトル範囲中のレーザー放射が少なくとも部分的にブロックされることを特徴とする請求項21に記載のアイウェア。
- 赤外レーザー放射が少なくとも部分的にブロックされることを特徴とする請求項23に記載のアイウェア。
- 入射レーザー放射は、そのパワーレベルを目に安全なレベルまで低減するのに十分なだけブロックされる少なくとも1つの遠距離通信レーザー光波長を含むバンド中にあることを特徴とする請求項23に記載のアイウェア。
- 瞳孔に入射するすべての角度から到来するレーザー放射をブロックするために、各レンズは支持手段と共に眼窩領域の鼻マージンから眼窩領域の側頭マージンへ、さらに眼窩領域の下部マージンから上部マージンンへ延びることを特徴とする請求項23に記載のアイウェア。
- 瞳孔に入射するすべての角度から到来するレーザー放射をブロックするために、各レンズは眼窩領域の鼻マージンから眼窩領域の側頭マージンへ、さらに眼窩領域の下部マージンから上部マージンンへ延びることを特徴とする請求項23に記載のアイウェア。
- 前記支持手段は、左右の側頭部品とノーズブリッジとを含み、各レンズは、各目の前方視線から側頭方向に55°より広い視野をそれぞれ提供するのに十分大きいことを特徴とする請求項20に記載のアイウェア。
- 前記透過ブロック手段は、そのブロック特性がレンズに入射する光線の入射角に影響されるフィルタであり、
着用位置において、着用者の目の瞳孔に達する光線は、入射点におけるそれぞれのレンズの表面への垂線から30°以下だけ逸脱し、
前記フィルタは、入射点におけるレンズの表面への垂線から少なくとも30°の入射角全体にわたり、入射光線のパワーレベルを安全なレベルまで低減するのに有効であることを特徴とする請求項20に記載のアイウェア - アイウェアであって、
約31mm〜35mmの曲率半径を有する少なくとも1つの球状面を各々が有する左右のレンズと、
左右のレンズの各々の球状面の中心が、左右の目の回転中心にほぼ位置づけられるように、着用者の顔面上でレンズを支えるための左右の側頭部品とノーズブリッジとを含むアイウェアフレームとを含み、
レンズのエッジ面がその球状面の接線にほぼ垂直になるように、各レンズがエッジ加工されていることを特徴とするアイウェア。 - 前記アイウェアフレームはリムレスであることを特徴とする請求項30に記載のアイウェア。
- 前記フレームは、ファスナーによって左右のレンズにそれぞれ取り付けられた左右の側頭取り付け部品をさらに含み、前記ファスナーの主軸は、ほぼ球状面の曲率中心を通るライン上に配向されることを特徴とする請求項31に記載のアイウェア。
- 前記各レンズの球状面は、それぞれのレンズの前方表面であることを特徴とする請求項30に記載のアイウェア。
- 前記各レンズのエッジ面は、実質的に任意の単一平面外に位置するラインに沿ってレンズの球状面と交差することを特徴とする請求項30に記載のアイウェア。
- 前記エッジ面は、球状面の曲率中心と交差する軸線まわりに回転されるミルにより生成されることを特徴とする請求項30に記載のアイウェア。
- 前記ミルは、アイウェアフレームのリムと嵌まり合うように適合された溝付きエッジ面をカットすることを特徴とする請求項35に記載のアイウェア。
- 前記ミルは、アイウェアフレームの溝付きリムと嵌まり合うように適合されたビードをエッジ面に残すことを特徴とする請求項35に記載のアイウェア。
- 前記ミルにより残されたどのような鋭利なエッジも、ベベリングにより除去されることを特徴とする請求項35に記載のアイウェア。
- 少なくとも1つのレンズのエッジは、レンズ中心よりも実質的に厚く、そのレンズのエッジ面は、ほぼ5°以下の円弧Θを、レンズの光軸を含む任意の平面内に前記円弧が位置する球状面の曲率中心に関して張るようにカットされることを特徴とする請求項30に記載のアイウェア。
- アイウェアに取り付けるように適合された、非ゼロの処方透過度数を有する急勾配で湾曲したレンズ要素を製造する方法であって、
表面の実質的な部分にわたって主子午線に沿って35mm未満の曲率半径を有するレンズブランクを成型するステップと、
成型されたレンズブランクに、表面と共に非ゼロ処方透過度数を提供する裏面をカットするステップと、
レンズブランクをエッジ加工して、少なくとも8mmの最大中空深さを有するエッジ加工レンズを提供するステップとを含むことを特徴とする方法。 - カットされた裏面は、表面と共に、非ゼロ非点収差補正を着用者に提供することを特徴とする請求項40に記載の方法。
- 着用者に非点収差補正を提供するために、裏面の生成において円形子午線トロイドが用いられることを特徴とする請求項41に記載の方法。
- 累進面度数付加が、少なくともレンズ要素の表面により提供されることを特徴とする請求項40に記載の方法。
- 累進面度数付加が、少なくともレンズ要素の裏面により提供されることを特徴とする請求項40に記載の方法。
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