JP2008547035A - ネイティブゲル電気泳動用の液体状タンパク質マーカー - Google Patents

ネイティブゲル電気泳動用の液体状タンパク質マーカー Download PDF

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Abstract

非変性ゲル用のマーカーセットが提供される。当該タンパク質分子量マーカーは液体状で提供され、4℃の液体状態で少なくとも2ヵ月間、−20℃で少なくとも1年間安定である。また、前記マーカー及び液体状の安定な未変性タンパク質マーカーを含むキットを使用して、電気泳動によりタンパク質の分子量を測定する方法も提供される。更に、液体状分子量マーカーを販売することによって収入を得る方法が提供される。

Description

関連出願の相互参照
2005年10月7日に出願された本特許出願は、米国特許法§119(e)に従い、米国特許仮出願第60/694816号(2005年6月27日出願)及び第601724668号の優先権を主張し、それらの全開示内容が本発明に援用される。
技術分野
本発明は広義には生体分子の分離に関し、具体的には生体分子の電気泳動分離用のスタンダードに関する。
背景情報
最近のプロテオミクスに関する研究の急増により、新しく同定されたタンパク質の特性を解析し、タンパク質−タンパク質相互作用を研究するプロテオミクス研究領域の早期の発展に寄与するための、より多くのツールに対するニーズを生み出した。ネイティブ電気泳動は、この研究領域の研究者を支援するツールの1つである。他に類のない解像度電気泳動能力と組み合わせた、未変性タンパク質の形態及びタンパク質の複雑な四次構造を維持する能力により、この技術はタンパク質−タンパク質相互作用の分析のための強力なツールである。従来のネイティブ電気泳動は、トリス−グリシンシステムを使用した高いpH条件であるため、高pH条件感受性のタンパク質に悪影響を与えるおそれがあり、ゆえに未変性タンパク質分析でもごく限られた範囲でのみ適用されていた。より広い適用性を有し、中性付近での操作pHを特徴とする技術はSchaegger及びvon Jagow(1991)により開発され、ブルーネイティブ ポリアクリルアミドゲル電気泳動(Blue Native Polyacrylamide Gel Electrophoresis)(BN PAGE)と名づけられた。
天然のゲル電気泳動を使用してタンパク質−タンパク質間相互作用及び高次構造を評価するためには、信頼性が高く精密な分子量マーカーが必要となる。しかしながら、当該マーカーは変性剤の非存在下で一定の移動プロフィールを保持しなければならないにもかかわらず、液状のそれらの時間経過における安定性は予測可能でないため、それらは信頼性に欠けるか、あるいは使用において不都合が存在していた。
発明の概要
本発明は、ネイティブ電気泳動のタンパク質分子量マーカーセットであって、当該分子量マーカーのセットが、異なる分子量を有する2つ以上のタンパク質の液状混合物である、上記セットの提供に関する。好ましい実施態様では、本発明のタンパク質分子量マーカーセットは、22℃の条件で、液状で少なくとも2ヵ月間安定である。若干の好ましい実施態様では、本発明のタンパク質分子量マーカーセットは、4℃の条件で、液状で少なくとも3ヵ月間安定である。若干の好ましい実施態様では、本発明のタンパク質分子量マーカーセットは、−20℃で凍結させた液体の状態で少なくとも1年安定である。若干の好ましい実施態様では、本発明のタンパク質分子量マーカーセットは、−20℃で凍結させた液体の状態で少なくとも3年間安定である。
若干の好ましい実施態様では、当該マーカーは視覚的に検出可能なタンパク質マーカーを含有する。
若干の好ましい実施態様では、当該マーカーはプロテアーゼ阻害剤であるタンパク質を含有する。
若干の好ましい実施態様では、当該マーカーは700kDaを超える分子量で移動するタンパク質を含有する。若干の好ましい実施態様では、当該マーカーは1MDaを超える分子量で移動するタンパク質を含有する。若干の好ましい実施態様では、当該マーカーは少なくとも1.2MDaの分子量で移動するタンパク質を含有する。
若干の好ましい実施態様では、本発明はネイティブ電気泳動用のタンパク質分子量マーカーセットであって、当該分子量マーカーセットが3以上、4以上、5以上又は6つ以上の異なる分子量の液体状のタンパク質の混合物である上記セットの提供に関する。本発明のタンパク質分子量マーカーセットは、−20℃で凍結させた液体の状態で少なくとも1年間安定である。
別の態様では、本発明はネイティブ電気泳動用のタンパク質分子量マーカーセットを含むキットであって、当該分子量マーカーのセットが2以上、3以上、4以上、5以上又は6つ以上の異なる分子量の液体状のタンパク質の混合物である上記キットの提供に関する。本発明のタンパク質分子量マーカーセットは、−20℃で凍結させた液体の状態で少なくとも1年間安定である。当該キットは更に、電気泳動のための試薬(1つ以上の色素、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の電気泳動用緩衝液又は1つ以上の電気泳動ゲルなど)を含む。当該キットは更に使用説明書を含んでもよい。
別の態様では、本発明は、電気泳動を用いてタンパク質又はタンパク質複合体のネイティブにおける分子量を決定する方法であって、タンパク質若しくはタンパク質複合体の移動距離を、本発明に記載の分子量マーカー中の2つ以上のタンパク質の移動距離と比較する方法の提供に関する。
別の態様では、本発明は収入を得る方法であって、液体状の分子量スタンダードのセットを顧客に提供して、その対価(例えば金銭)を得る方法の提供に関する。
発明の詳細な説明
定義
以下の説明では、組み換えDNA技術及びタンパク質化学の分野において使用する多くの用語が広範囲に使用される。かかる用語の範囲を含めた、本明細書及び特許請求の範囲を明確にかつ一貫して理解するために、以下の通り定義する。
本発明では、「1つの(“a”、“an”、および“one”)」の用語は、対象となる事項が「少なくとも1つ」又は「1つ以上」であることを意味する。但し、それらが記載されている文脈において特定又は釈明される場合を除く。
本発明では、「約」又は「凡そ」の用語は、いかなる数値の場合も、その特定の値の±10%の値を意味する。例えば「約50℃」(又は「凡そ50℃」)とは、45℃から55℃までの温度範囲(境界を含む)のことを指す。同様に、「約100mM」(又は「及び100mM」)とは、90mMから110mMまで濃度範囲(境界を含む)のことを指す。
本発明における「ネイティブ」という用語は、変性していない又は非変性であるという意味であり、特に1)ペプチド又はタンパク質間の分子間相互作用を崩壊させない条件であって、それらの三次元構造(天然状態のタンパク質、又は無細胞インビトロ翻訳システムにおいて合成されたタンパク質の三次元構造のいずれか)を維持する条件か、又は2)天然状態のタンパク質、又は無細胞インビトロ翻訳システムにおいて合成されたタンパク質の三次元構造と同じ又は実質的に同じ三次元構造を有するタンパク質のことを指す。三次元構造は、タンパク質の二次構造、三次構造又は四次構造であってもよい。
「ネイティブゲル」又は「非変性ゲル」は、変性物質(例えばタンパク質構造を崩壊させる変性作用を有する界面活性剤であって、例えば陰イオン系界面活性剤(例えばSDS又はLDS)又はカオトロピック剤(尿素、ホルムアミド、グアニジン、ヨウ化カリウムなど))を含まないゲルのことを指す。
本発明では、「未変性分子量マーカー」、「ネイティブマーカー」及び「未変性タンパク質スタンダード」は、非変性状態の2つ以上のタンパク質であって、2つ以上のタンパク質が異なる分子量を有し、少なくとも1つのタンパク質分離操作(例えばネイティブゲル電気泳動)により分離できるものを指す。
本明細書で使用される「ラベル」という用語は、標的又は化合物に結合させた本発明の方法に使用する際に、直接又は間接的に(例えばそのスペクトル特性、形態又は活性に関して)検出可能である化学基又はタンパク質を意味する。ラベルは直接検出可能(フルオロフォア、発色団)であってもよく、間接的に検出可能(ハプテン又は酵素)であってもよい。かかるラベルとしては、限定はされないが、放射線計数装置で測定できる放射性同位元素、分光光度計で視覚的に観察若しくは測定できる色素、染色物質又は他の発色団、スピンラベルアナライザで測定できるスピンラベル、及び蛍光ラベル(フルオロフォア)(出力シグナルは、適切な分子アダクトの励起によって発生し、染色物質に吸収される光による励起によって視覚化できるか、又は、例えば標準的な蛍光測定器又は画像処理システムで正確に測定できる)が挙げられる。化学発光物質をラベルとし、シグナル化合物若しくは金属含有物質の化学的修飾によって出力シグナルを発生させてもよく、又は酵素をラベルとし、酵素に依存する第2のシグナル(例えば無色の基質からの着色生成物の形成)を発生させてもよい。ラベルという用語は、基質に続いて添加することにより検出可能なシグナルを生成する共役分子に選択的に結合できる「タグ」又はハプテンのことを指してもよい。例えば、タグとしてビオチンを使用し、更にセイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)とアビジン又はストレプトアビジンとのコンジュゲートを使用してタグと結合させ、更に比色基質(例えばテトラメチルベンジジン(TMB)、又は蛍光基質(例えばAmplex Red試薬:Molecular Probe社製))を使用してHRPの存在を検出することができる。多くのラベルが当業者に公知であり、RICHARD P.HAUGLAND,MOLECULAR PROBES HANDBOOK OF FLUORESCENT PROBES AND RESEARCH PRODUCTS (9th edition,CD−ROM,September 2002),上記.に記載されている粒子、染色物質、フルオロフォア、ハプテン、酵素及びそれらの比色基質、蛍光及び化学発光基質及びその他のラベルが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で用いられる「直接検出可能な」という用語は、材料の存在又は材料から発生するシグナルが、化学的処理又は物質の添加を必要とせずに観察、計測又はフィルムによって直接検出可能である態様のことを指す。
「染色物質」とは視覚的に検出可能なラベルである。染色物質は例えば発色団又はフルオロフォアであってもよい。フルオロフォアは可視光又は非可視光(例えば紫外線)によって励起状態となることができる。
「アミノ酸」とは、20種の天然のアミノ酸であってもよく、又は天然において産生されるか、あるいは化学的若しくは酵素的誘導体化、又は合成によって生物体の外側に産生されるアミノ酸の誘導体(例えばヒドロキシプロリン、セレノメチオニン、アジドアミノ酸など)であってもよい。
「保存的アミノ酸置換」とは、類似の側鎖を有する残基に見られる互換性のことを指す。例えば、脂肪族側鎖を有する一群のアミノ酸として、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシンが挙げられ、脂肪族水酸基側鎖を有するアミノ酸の群として、セリン及びトレオニンが挙げられ、酸性側鎖を有する一群のアミノ酸として、グルタミン酸及びアスパラギン酸が挙げられ、アミノ基含有側鎖を有する一群のアミノ酸として、アスパラギン及びグルタミンが挙げられ、芳香族側鎖を有する一群のアミノ酸として、フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファンが挙げられ、塩基性側鎖を有する一群のアミノ酸として、リジン、アルギニン及びヒスチジンが挙げられ、硫黄含有側鎖を有する一群のアミノ酸として、システイン及びメチオニンが挙げられる。好ましい保守的アミノ酸置換の群としては、バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルアラニン−チロシン、リジン−アルギニン、アラニン−バリン、グルタミン酸−アスパラギン酸、及びアスパラギン−グルタミンが挙げられる。
本発明では、「タンパク質」とはポリペプチド又は一連の2つ以上のアミノ酸を意味し、それらは天然物あるいは合成物(修飾アミノ酸又は天然において公知でないアミノ酸)であってもよく、ペプチド結合により結合している。具体的には、「ペプチド」とは10kDa未満のポリペプチドを指す。本発明では、「タンパク質」の用語にはペプチドが包含される。本発明の文脈において、「タンパク質」の用語は、マルチサブユニット構造のタンパク質複合体のことを指す場合もある。
「天然に存在する」という用語は、同じ組成を有する物質が天然において存在するという事実のことを指す。例えば、ウイルスなどの生物体に存在するポリペプチド又はポリヌクレオチド配列、天然の供給源から単離されるポリペプチド又はポリヌクレオチド配列、並びに実験室において故意に修飾しなかったポリペプチド又はポリヌクレオチド配列は「天然に存在する」。
他の核酸(又はヌクレオチド)又はタンパク質(又はアミノ酸)配列に「由来」する核酸(又はヌクレオチド)又はタンパク質(又はアミノ酸)配列とは、それが由来する少なくとも一部の配列と同じであるか、又はそれが由来する少なくとも一部の配列と高い相同性を有する配列にいずれかを指す。天然のタンパク質の配列に由来するアミノ酸配列を、「天然のタンパク質から派生したアミノ酸配列」と称してもよい。天然の核酸配列に由来する核酸配列を、「天然の核酸から派生した核酸配列」と称してもよい。「相同性が高い」とは、アミノ酸レベルで配列が少なくとも80%同一である、アミノ酸レベルで好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくはアミノ酸レベルで少なくとも95%同一であることを意味する。本発明のタンパク質スタンダードでは、2つの核酸配列は、それらが少なくとも65%同一、好ましくは少なくとも70%同一であるとき「相同性を有する」といい、それらが少なくとも80%同一、好ましくは少なくとも90%同一であるとき「高い相同性を有する」という。
「組換え技術」には、組換え型核酸の製造又は使用法が包含され、(組換えを行い、天然の類似した核酸分子と構造的に異なる核酸分子とした核酸)。当該組換え技術では、例えば制限酵素、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、ポリメラーゼ、リガーゼ、組換え酵素、メチラーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、トポイソメラーゼなどを使用して、キメラ核酸分子を作製し、ヌクレオチド配列を変化させ、あるいは核酸配列中への核酸の添加又は削除を行うことができる。当該組換え技術には、生物体から直接又は間接的に単離した核酸分子を、他の供給源由来の1つ以上の核酸配列と連結させる方法が含まれる。例えば、他の供給源からの配列はいかなる核酸配列でもあってもよく、例えば遺伝子発現制御配列(例えば、プロモーター配列、転写エンハンサー配列、転写におけるインデューサー又はプロモーターと結合する配列、転写終結配列、翻訳制御配列、IRES、スプライス部位、ポリA付加配列、ポリA配列など)ベクター、タンパク質コード配列などが挙げられる。ある核酸分子の供給源とは異なる供給源からの核酸配列は、生物体から単離されて直接又は間接的に異なる生物体のゲノムに由来する又はゲノム中の核酸配列であってもよい。ゲノム中の核酸配列は、染色体の配列であってもよく、また染色体外の配列(例えばエピソームの核酸配列又は細胞オルガネラのゲノムの核酸配列であってもよい)。組換え技術にはまた、核酸を細胞に導入する方法が包含され、例えば形質転換、ウイルスによるトランスフェクションなどにより細胞内に組換え核酸分子を形成させる方法が挙げられる。「組換え技術」にはまた、核酸コンストラクト(例えば組換えRNA分子)による生成物及び組換えタンパク質の合成及び単離が包含される。「組換え技術」の用語は、「遺伝子工学」及び「組換え[DNA]技術」と相互に交換可能に使用される。
「組換えタンパク質」とは、組換え核酸分子又はコンストラクトから産生されるタンパク質である。組換えタンパク質は、組換え核酸コンストラクトを有する細胞(生物体の細胞又は培養された原核若しくは真核生物の細胞)内で産生させることもでき、あるいは例えばインビトロ転写及び/又は翻訳システムを使用してインビトロで産生させることもできる。
「実質的に異ならない」又は「実質的に同じ」とは、比較対象となる組成物又は成分が、比較される値の大きい方に対して10%未満しか異ならないことを意味する。
本明細書で用いられる「精製された」という用語は、タンパク質の調製物であって、例えば、細胞混合物中、又は内因的に存在するタンパク質若しくは複合体(血清タンパク質若しくは細胞溶解物など)が存在する環境中に、当該タンパク質に関連して通常存在するタンパク質の混入が実質的にないものを指す。
「実質的に精製された」という用語は、ある種又は活性の状態が支配的な種又は活性として存在すること(例えば、モルベースで組成物中の他のいかなる個々の種又は活性よりも多いこと)を指し、好ましくは、実質的に精製されたフラクションとは、対象となる種又は活性が、存在する全ての高分子又は活性が少なくとも約50%(モル濃度、重量又は活性ベース)含まれる組成物を指す。通常、実質的に純粋な組成物とは、組成物に存在するすべての高分子種又は活性に対してそれが約80%以上、好ましくは約85%、90%又は95%以上含まれる組成物を指す。
本明細書で使用される「サンプル」という用語は、検出又は定量化のための生体分子又は分析物を含有するあらゆる材料を意味する。
「抗菌剤」とは、1つ以上の微生物を破壊するか又は成長を阻害する化合物であり、当該微生物は原核生物(例えばバクテリア)又は真核生物(例えば菌類)であってもよい。抗菌剤は、塩又は金属(例えば銀又は水銀)、アジ化化合物(例えばアジ化ナトリウム)又は天然もしくは合成化合物(有機抗生物質)などであってもよい。
「顧客」とは、ゲノム及びプロテオミックな製品及びサービスの供給を受けようとする、政府又は組織などの、あらゆる個人、研究所又は事業体(例えば会社、大学又は組織)のことを指す。顧客は通常、供給業者に対価(通常金銭)を支払うことによって製品又はサービスの供給を受ける。
「供給業者」とは、ゲノム及びプロテオミックな製品及びサービスを供給しようとする、あらゆる個人、研究所又は事業体(例えば会社、大学又は組織)のことを指す。供給業者は通常、顧客から対価(通常金銭)を受け取ることによって製品又はサービスを供給する。供給業者は通常、商品又はサービスを商業的に供給し、また商品に関しては、顧客に対して直接又は間接的に配送する。
「商品」とは、商品流通の過程で販売及び/又は配送される生産物を指す。例えば、商品は通常は販売され、更に出荷の際、供給業者から顧客に対して、直接配送される場合も、又は間接的に第三者経由で配送される場合もある。
液体状未変性タンパク質マーカーセット
本発明は、ネイティブゲル電気泳動用のタンパク質分子量マーカーセットであって、未変性タンパク質分子量マーカーセットが、異なる分子量を有する2つ以上の液状のタンパク質の混合物である当該セットの提供に関する。「液体状」という用語は、タンパク質のセットが溶液状態であることを意味するが、タンパク質分子量マーカーセットは凍結溶液として提供してもよい。異なる分子量を有する2つ以上のタンパク質の混合物は、非変性(ネイティブ)ゲルにおけるそれらの移動度が、それらの分子量と相関する態様で選択される。すなわち、ネイティブ分子量マーカーの全てのタンパク質セットでは、当該タンパク質セットはそれらの分子量の逆の順序の移動度を示し、すなわち、タンパク質セット中のより小さい分子量のタンパク質の移動度は、より大きな分子量のタンパク質よりも単位時間あたりで大きな移動距離を示す。好ましくは、非変性ゲル上の液状の未変性タンパク質マーカー中に含まれる少なくとも2つのタンパク質の移動度はそれらの分子量の関数であり、すなわち、ネイティブゲル電気泳動における液状の未変性タンパク質マーカーのセット中に含まれるタンパク質の移動度は分子量に対して(又は分子量の関数(例えば分子量の対数)として)プロットすることができ、また移動度対分子量の曲線及びその曲線を表す式は、0.9超好ましくは0.95超、より好ましくは0.97、0.98又は0.99超のR値を有する態様で作成することができる。
好ましくは液体状未変性タンパク質マーカーセットには、異なる分子量を有する少なくとも2つのタンパク質(好ましくは少なくとも3つのタンパク質)であって、それらの移動度が分子量の関数であるタンパク質が含まれる。上記タンパク質の1つ以上はマルチサブユニットタンパク質であってもよい。マルチサブユニットタンパク質は複数の形態で液体状未変性タンパク質マーカーセット中に存在してもよく、ここで「複数の形態」とは、異なるサブユニット組成であることを指す。上記タンパク質の1つ以上は、複数の形態で存在するマルチサブユニットタンパク質であってもよく、異なる形態を有するマルチサブユニットタンパク質は異なる分子量を有し、異なる形態を有するマルチサブユニットタンパク質の移動度はそれらの分子量の関数である。液体状未変性タンパク質マーカーは、異なる分子量を有する2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は20以上のタンパク質を含んでもよく、それら移動度がそれらの分子量の関数であり、それらの1つ以上がマルチサブユニットタンパク質であってもよい。マルチサブユニットタンパク質は、複数の形態で液体状未変性タンパク質マーカーセットに存在してもよい。異なる形態のマルチサブユニット液体状未変性タンパク質マーカーセットは異なる分子量を有してもよく、各形態のマルチサブユニットタンパク質の移動度が、それらの分子量の関数である。
幾つかの実施形態では、液体状未変性タンパク質マーカーセットは、5キロダルトン(kDa)〜2000kDa、又は8kDa〜1500kDaの分子量を有する2つ以上のタンパク質を含む。タンパク質の各々は通常、ネイティブのポリアクリルアミドゲルで分離できる異なる分子量を有する。
若干の好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーセットは、50kDa以下〜250kDa以上にわたる分子量を有する少なくとも2つのタンパク質を含む。若干の好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーセットは、50kDa以下〜250kDa以上にわたる分子量を有する少なくとも3つのタンパク質を含む。若干の好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーセットは、50kDa以下〜500kDa以上にわたる分子量を有する少なくとも3つのタンパク質を含む。若干の好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーセットは、20kDa以下〜250kDa以上にわたる分子量を有する少なくとも3つのタンパク質を含む。若干の好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーセットは、20kDa以下〜500kDa以上にわたる分子量を有する少なくとも3つのタンパク質を含む。若干の好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーセットは、20kDa以下〜700kDa以上にわたる分子量を有する少なくとも3つのタンパク質を含む。若干の好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーセットは、50kDa以下〜700kDa以上にわたる分子量を有する少なくとも3つのタンパク質を含む。若干の好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーセットは、20kDa以下〜1,000kDa以上にわたる分子量を有する少なくとも3つのタンパク質を含む。若干の好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーセットは、50kDa以下〜700kDa以上にわたる分子量を有する少なくとも3つのタンパク質を含む。
例えばマーカーセットは、2〜15のタンパク質、また特定の例としては6〜10のタンパク質を、5kDa〜2000kDa、又は8〜1500kDa、又は20kDa〜1500kDaの範囲で含む。当該タンパク質の各々は通常異なる分子量を有し、ネイティブのポリアクリルアミドゲルで分離できる。
若干の好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーセットは、20kDa以下〜250kDa以上にわたる分子量を有する少なくとも3つのタンパク質を含み、ネイティブゲル電気泳動における液体状未変性タンパク質マーカーセットのタンパク質の移動度が、分子量に対して(又は分子量の関数(例えば分子量の対数)として)プロットでき、移動度/分子量の曲線は、0.9超、好ましくは0.95超、より好ましくは0.97、0.98又は0.99超のR値を有する態様で作成することができる。マーカーセットは、例えば2〜15のタンパク質を含んでもよく、特定の例としては、6〜10のタンパク質を、20kDa以下〜500kDa以上の分子量の範囲で含み、ネイティブゲル電気泳動における液体状未変性タンパク質マーカーセットのタンパク質の移動度が、分子量に対してプロットでき、移動度/分子量の曲線は、0.9超、好ましくは0.95超、より好ましくは0.97、0.98又は0.99超のR値を有する態様で作成することができる。若干の好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーセットは20kDa以下〜750kDa以上にわたる分子量を有する少なくとも6つのタンパク質を含み、ネイティブゲル電気泳動における液体状未変性タンパク質マーカーセットのタンパク質の移動度が、分子量に対してプロットでき、移動度/分子量の曲線は、0.9超、好ましくは0.95超、より好ましくは0.97、0.98又は0.99超のR値を有する態様で作成することができる。若干の好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーセットは、20kDa以下〜1,200kDa以上にわたる分子量を有する少なくとも6つのタンパク質を含み、ネイティブゲル電気泳動における液体状未変性タンパク質マーカーセットのタンパク質の移動度が、分子量に対してプロットでき、移動度/分子量の曲線は、0.9超、好ましくは0.95超、より好ましくは0.97、0.98又は0.99超のR値を有する態様で作成することができる。
本発明における「タンパク質」は、タンパク質又はペプチドであってもよく、互いに共有結合又は非共有結合的により結合する多サブユニットを有してもよい。本発明の用語「タンパク質」にはまた、タンパク質複合体が包含される。マルチサブユニットタンパク質又はタンパク質複合体のサブユニットは好ましくは、非変性条件の下で結合している状態が維持される。ネイティブにおけるタンパク質又はタンパク質複合体の分子量とは、サブユニット又は構成タンパク質が分離していないときのタンパク質又はタンパク質複合体の分子量である。更に、例えば異なるサブユニット組成及び異なる分子量によって特徴づけられる2つ以上の形態を有する複数の形態のタンパク質を有する態様も本発明の範囲内である。例えば、当該タンパク質は、二量体及び四量体、又は五量体及び六量体などとしてマーカーセットに存在してもよい。
本発明の液体状未変性タンパク質マーカーセットに含まれるタンパク質は、原核若しくは真核生物起源の天然のタンパク質であってもよく、それは、天然の供給源(例えば生物体、組織(血液、血漿又は血清を含む)、培養細胞又は細胞培養の培地)から単離することができる。本発明の液体状未変性タンパク質マーカーセットに含まれるタンパク質は、培養細胞(原核若しくは真核生物の細胞であってもよい)において合成される組換えタンパク質であってもよく、そのタンパク質が通常発現される細胞と同じでも異なってもよく、又はインビトロ翻訳システムにおいて合成されてもよい。液体状未変性タンパク質マーカーセットに含まれるタンパク質は、天然のタンパク質の変異体であってもよく、例えば、アミノ酸レベルで、天然のタンパク質と少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%の配列同一性を有する。液体状未変性タンパク質マーカーセットに含まれるタンパク質は、人工タンパク質であってもよく、1つ以上の天然のタンパク質との配列同一性を有してもよく、又は有しなくてもよい。
本発明の液体状未変性タンパク質マーカーセットに含まれるタンパク質は、非変性電気泳動条件下で、それらの分子量の逆の順序の移動度を示す。そのため、1つ以上のタンパク質又はタンパク質複合体を含むサンプルとして、同じゲル上で本発明に記載のタンパク質分子量マーカーセットを用いることにより、研究者は1つ以上のタンパク質又はタンパク質複合体のサンプルのネイティブにおける分子量を、非変性電気泳動における分子量マーカーセットのタンパク質の移動距離と、1つ以上のタンパク質又はタンパク質複合体のサンプルの移動距離とを比較することによって推定できる。
好ましい実施態様では、セット中のタンパク質は液体調製物中に使用前に混合されている。そのため、使用前にユーザーがタンパク質を緩衝液中に溶解させる必要がなく、また適当な規模の異なる分子量のタンパク質を有するセットを調製するために個々のタンパク質溶液を混合する必要もない。若干の好ましい実施態様のタンパク質分子量マーカーセットのタンパク質は、液体状タンパク質分子量マーカーセットのアリコートをネイティブゲルに直接ロードできる濃度で含まれる。セット中の各タンパク質は、直接視認でき、又はタンパク質染色(例えばタンパク質染色物質又は色素(例えばクーマシー(登録商標)、SYPRO(登録商標))又は銀染色)が可能な濃度で含まれる。例えば、未変性タンパク質分子量マーカーセットの提供された成分タンパク質の濃度は、1ミリリットル(mL)当り約5μg/mL〜約10mg/mL、又は好ましくは約10μg/mL〜約5mg/mL、より好ましくは約50μg/mL〜約2mg/mL、更に好ましくは約100μg/mL〜約1mg/mLである。未変性タンパク質マーカーのセットに含まれる異なる成分タンパク質は、異なる濃度で存在してもよい。
好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーセットは、ネイティブ電気泳動(例えばトリス−グリシンネイティブゲル、トリス−酢酸ネイティブゲル又はブルーネイティブゲル)と適合性を有する緩衝液中にタンパク質を含有し、また非変性の「高分子量」化合物(例えばグリセロール)、及び任意に色素をサンプル容器に添加し、ロードを簡便化させてもよい。他の化合物(例えば塩、酸化防止剤、抗菌剤、還元剤、キレート剤)又はプロテアーゼ阻害剤を任意に添加してもよい。液体マーカータンパク質溶液には、1つ以上の変性作用を有さない界面活性剤を含有させてもよい。好ましくは、タンパク質を溶解させる緩衝液は、中性(pH6超〜8未満)又はその付近、好ましくは約6.5〜7.5のpHである。典型的な液体状ネイティブマーカーセットの溶液は、50mMのビストリス/HCl(pH7.0)、50mMのNaCl、10%(w/v)のグリセロール、0.001%のポンソーSである。
液体状ネイティブマーカーセットのタンパク質の安定性により、この「レディー・トゥー・ユース(ready−to−use)」としての簡便化が可能となる。本発明では、「安定性」とはタンパク質の分子量が変化する程に分解(例えばタンパク分解)されないことを意味するか、又はネイティブゲルにおけるタンパク質の移動度が変化する程に変性しないことを意味する。タンパク質の変性は、例えば、サブユニットの解離、タンパク質形態変化、凝集又はこれらの組合せによりゲルにおける移動度の変化を生じさせうる。
本発明の液体状ネイティブマーカーセットは、−20℃以下で少なくとも1年間安定であり、例えば−20℃以下で少なくとも3年間安定である。好ましくは、当該液体状ネイティブマーカーセットは4℃以下の温度で少なくとも1ヶ月間安定である。好ましくは、液体状ネイティブマーカーセットは4℃以下の温度で少なくとも2ヵ月間安定である。若干の態様では、液体状ネイティブマーカーセットは4℃で少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12ヶ月間安定であるか、又は、−20℃で2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、24、36、48及び60ヶ月間安定である。
これらの安定性の基準は、マーカーセットの高温度によるロット試験及び加速劣化試験に基づいてもよい。加速劣化に基づく、相当する貯蔵期間の算出は、Q10=2.0と仮定した場合の以下の方程式により行われる。T日における相当貯蔵時間=2.0[(TH−−TL)/10]×Tで保存した日数式中、Tは低温(℃)であり、Tは高温(℃)である。例えば、30℃における30日の保存は、−20℃における960日の保存に相当する(2.0[(30−−20)/10]×30=960)。
移動度が一致すること
液体状ネイティブ分子量マーカーセットは、所定の温度で所定の期間にわたり、1ロットのマーカーセットのアリコートの貯蔵後、当該マーカーセットを、以前試験したときに安定であるとされた他のロットのマーカーセットと共に、互いに隣接するレーンにおいてゲル電気泳動を行ったとき、+/−0.02のRf(滞留係数(Retardation Factor))単位の許容範囲内で、試験ロットのマーカーバンドのRf(移動度)と、以前安定であると判断されたロットの同じマーカーバンドが一致する態様として安定である(Rf単位は、個々のタンパク質の移動距離を、全ての移動距離で除した数値である)。
非マーカーバンドが最小であること
好ましくは、液体状ネイティブ分子量マーカーセットは、所定の温度で所定の期間にわたる貯蔵後、マーカーセットをゲル電気泳動にかけ、ゲルを染色し、更にスキャンして画像解析(デンシトメーター)を実施したとき、マーカー以外のいかなるバンドの強度(ピーク高)も、2つの隣接するマーカーバンドの弱い方(ピーク高が小さい方)の強度に対して20%以下である態様として安定である。
一貫した電気泳動パターン
好ましくは、液体状ネイティブ分子量マーカーセットは、所定の温度で所定の期間にわたる貯蔵後、マーカーセットをゲル電気泳動にかけ、ゲルを染色し、マーカーセットの視覚による試験を行った場合に、これらの基準から安定であると判断された過去のロットの液体状ネイティブマーカーの性能と比較したときに、パフォーマンス(例えばバンド鋭さ)において他のいかなる顕著な相違も見出せない態様として安定である。
本発明のマーカーセットは、複数ロットのマーカーセットが、加速老化試験において一貫した移動度、最小の非マーカーバンド、及び一貫した電気泳動パターンの基準をクリアーできる意味において安定であり、それによりマーカーセットは液体(凍結)状態において、−20℃で少なくとも6ヵ月間安定で、信頼性が高い。
好ましい実施態様では、本発明のタンパク質分子量マーカーセットは、−20℃の液体(冷凍)形態で少なくとも1年間安定である。若干の好ましい実施態様では、本発明のタンパク質分子量マーカーセットは、−20℃の液体(冷凍)形態で少なくとも3年間安定である。若干の好ましい実施態様では、本発明の液体状タンパク質分子量マーカーセットは、4℃の液状形態で少なくとも1ヶ月間安定である。若干の好ましい実施態様では、本発明の液体状タンパク質分子量マーカーセットは、4℃の液状形態で少なくとも2ヵ月間安定である。若干の好ましい実施態様では、本発明の液体状タンパク質分子量マーカーセットは、4℃の液状形態で少なくとも3ヵ月間安定である。若干の好ましい実施態様では、本発明の液体状タンパク質分子量マーカーセットは、4℃の液状形態で少なくとも6ヵ月間安定である。
好ましくは、本発明の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットは、−20℃で少なくとも1年の貯蔵寿命を示す。若干の好ましい実施態様では、本発明の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットは、4℃で少なくとも1ヵ月の貯蔵寿命を示す。貯蔵寿命とは、商品が大多数の顧客の予想に一致する態様のパフォーマンスを示すことを意味する。この場合、液体状ネイティブマーカーは顧客が許容できるだけの期間において一貫したパフォーマンスを示し、当該貯蔵寿命期間において移動度の変化が5%以下に留まる。好ましくは、当該マーカーは貯蔵寿命期間における移動度変化が2.5%以下に留まり、より好ましくは、貯蔵寿命期間における移動度変化が2%以下に留まり、より好ましくは、貯蔵寿命期間における移動度変化が1%以下に留まり、更に好ましくは、貯蔵寿命期間における移動度変化が0.2%以下に留まる。
好ましくは、液体状ネイティブマーカーは顧客が許容できるだけの期間においてバンド強度及びパターンが維持され、貯蔵寿命期間におけるバンド幅又は強度の変化が20%以下に留まる。若干の好ましい実施態様では、当該マーカーは貯蔵寿命期間におけるバンド強度及びパターンの変化が10%以下に留まる。
本発明の液体状ネイティブ分子量マーカーセットに含有させるタンパク質は、液体形態においてネイティブの立体構造が安定に保たれるという以外に、トリス−グリシン及びブルーネイティブゲル電気泳動システムにおいて良好な移動特性及びバンド解像度を提供する特性を有するという観点から選択される。特にトリス−グリシンゲルの場合、タンパク質が電気泳動条件の操作pH(トリスグリシンネイティブ電気泳動条件はゲルシステムの操作において約9.3のpHを生じさせる)より低いpIを有することが、陽極へのそれらの移動が緩衝液システムにおけるそれらの電荷によって妨害されないために必要である。移動距離を算出し、バンドを確認するとき、シャープなバンド解像度であることは有利である。
好ましい実施態様では、ネイティブゲル電気泳動用のタンパク質分子量マーカーセットは、3つ以上のタンパク質、4つ以上のタンパク質、5つ以上のタンパク質又は6つ以上のタンパク質を含有する。マーカー調製物中に多種類のタンパク質を含有させることにより、サンプルタンパク質の分子量測定の範囲及び正確さが増加する。液状のレディー・トゥー・ロード(ready−to−load)形態の単一のネイティブマーカー調製物中の、6つのタンパク質の組合せ(各々がネイティブ電気泳動システムにおいて1つ以上の高解像度のバンドを示し、混合物中の各タンパク質が4℃で少なくとも1ヶ月間安定である)により、タンパク質分子量測定の正確さ、及びユーザに対するより大きな簡便性を提供する。
本発明の天然の液体状分子量マーカーセットは、液状において安定で望ましい分子量範囲をカバーするタンパク質のセットとして調製される。好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーセットは、異なる分子量を有する3つ以上のタンパク質を含む。若干の好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーセットは異なる分子量を有する4以上、5以上又は6つ以上のタンパク質を含む。マーカーセット中の1つ以上のタンパク質は、複数のオリゴマー形態として存在してもよい。タンパク質は、最高50kDa、最高100kDa、最高200kDa、最高400kDa又は最高800kDaの分子量範囲にわたってもよい。好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーセットに含まれるタンパク質は1MDa以上の分子量範囲にわたってもよい。
ネイティブの液体状分子量マーカーセットにおいて使用するオリゴマータンパク質は、いかなる個数のサブユニットを有してもよい。オリゴマータンパク質のサブユニットは、同じであっても異なってもよい。場合によっては、分子量マーカーセットの1つ以上タンパク質は1つ以上のネイティブの形態で提供され、この場合異なるネイティブの形態は異なる分子量を示す。例えば、マルチサブユニットタンパク質は、異なるサブユニット組成又は異なるオリゴマー形態を有するネイティブの形態でマーカーセット中に存在してもよく、それによりゲルにおいて複数のマーカーバンドが得られる。
本発明は、セット中のタンパク質の1つ以上がネイティブにおける700kDa以上の分子量を有するタンパク質分子量マーカーセットの提供に関する。本発明はまた、セット中のタンパク質の1つ以上がネイティブにおける1MDa(1000kDa)以上の分子量を有するタンパク質分子量マーカーセットの提供に関する。本発明はまた、セット中のタンパク質の1つ以上がネイティブにおける1.2MDa(1200kDa)以上の分子量を有するタンパク質分子量マーカーセットの提供に関する。
液体状ネイティブ分子量マーカーセットの成分タンパク質は、約0.05〜5mg/mLの濃度、好ましくは約0.1〜約2.5mg/mLの濃度、より好ましくは約0.2〜1mg/mLの濃度で調製してもよい。液体状マーカーセット中の各成分タンパク質は好ましくは、タンパク質染色によって視覚化したときに、十分な解像度及び強度の電気泳動バンドが得られる態様で最適化される。
他の新しい態様として、本発明は、セット中のタンパク質の少なくとも1つが視覚的に検出可能である分子量マーカーセットの提供に関する。例えば、未変性タンパク質ゲル用の分子量マーカーセットに含まれるタンパク質の1つ以上は、1つ以上の発色団又はフルオロフォアを含有してもよい。液体状ネイティブマーカーセット中のタンパク質は、天然の蛍光タンパク質であってもよく、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)又はその変異体(野生型GFPよりも輝度を増強させた、又は吸収及び放出波長を変化させた変異体を含む)、又は赤色蛍光タンパク質(Dsレッド又は他の花虫綱動物の蛍光タンパク質)又はその変異体(野生型の蛍光花虫綱動物タンパク質と比較して輝度を増強させた、又は吸収及び放出波長を変化させた変異体を含む)が挙げられる。本発明の若干の態様では、フィコビリソームのタンパク質は1つのタンパク質分子量マーカーである。例えば、フィコシアニン、アロフィコシアニン又はフィコエリトリンが分子量マーカーセットのタンパク質の1つであってもよい。フィコエリトリン(例えばフィコエリトリンR、B又はY)は、ゲル上のその位置においてユーザが直ちに視認可能な赤色を生じさせるという利点を有する。それらはネイティブにおける分子量の順に移動するため、ユーザは、マーカーレーンの各場所でタンパク質を確認することができる。当該タンパク質を使用することにより、ゲル電気泳動中でさえも、サンプルの移動速度又は染色若しくは非染色タンパク質の位置を評価することが可能となる。本発明は、液状において4℃で少なくとも2ヵ月間、及び−20℃で少なくとも1年間安定であるタンパク質を多種類含む液体状ネイティブマーカーセットであって、少なくとも1つのタンパク質がゲル上でそのネイティブの、染色されない形態で視認可能である当該セットの提供に関する。
若干の好ましい実施態様では、本発明の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットは、少なくとも1つのプロテアーゼ阻害剤をタンパク質マーカーの1つとして含む。プロテアーゼ阻害剤は、存在しうる混入プロテアーゼを特異的に阻害することによってマーカーセットの安定性を向上させることができる。例えば、マーカーセット中の1つ以上のタンパク質の調製においては、微量のプロテアーゼが存在してもよい。プロテアーゼ阻害剤は、システインプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ又はメタロプロテアーゼの阻害剤であってもよい。例えば、タンパク質マーカーセットは、タンパク質分子量マーカーとしてトリプシン阻害剤(例えば卵白トリプシン阻害剤又はダイズトリプシン阻害剤)を含有してもよい。
使用方法
ネイティブゲル電気泳動の間、本発明の分子量マーカーセット中のタンパク質は、それらのネイティブにおける分子量の関数である速度で移動する。すなわち、本発明の未変性タンパク質液体マーカーを使用して、同じ電気泳動にかけられたタンパク質複合体又はタンパク質のネイティブにおける分子量を、サンプルのタンパク質マーカー及びタンパク質の移動距離を使用して推定することができる。例えば、電気泳動中にサンプルタンパク質が移動した距離を、電気泳動中に1つ以上のマーカータンパク質が移動した距離と比較して、サンプルタンパク質の相対的なサイズを測定することができる。他の例では、セットに含まれるタンパク質の分子量(又は分子量の関数)は、ネイティブゲルによる液体状タンパク質マーカーセットの電気泳動により得られたそれらの移動距離の直接的又は間接的な関数としてプロットすることができる。例えば、セットに含まれるタンパク質の分子量の対数を、ネイティブゲルによる液体状タンパク質マーカーセットの電気泳動により得られたそれらの移動距離の直接的又は間接的な関数としてプロットすることができる。得られる曲線を使用して、同じゲルのその移動距離から、サンプルタンパク質の推定分子量を測定することができる。一例を挙げると、タンパク質分子量マーカーセットの各タンパク質の分子量の対数は、移動距離の関数としてプロットすることができ、1つ以上のサンプルタンパク質又はタンパク質複合体のネイティブにおける分子量は、得られるネイティブにおける分子量マーカー曲線及び同じゲルで電気泳動させた1つ以上のサンプルタンパク質又はタンパク質複合体の移動距離を使用して推定することができる。
ネイティブゲルシステム上の分子量の測定は正確ではないが、天然の形態における目的の1つ以上のタンパク質の分子量を推定できるため有用性を発揮しうる。本発明の液体状ネイティブマーカーセットを使用して、非変性条件下でタンパク質複合体又はタンパク質の推定分子量若しくは相対分子量を測定でき、そこでは目的のタンパク質及び分子量マーカーセットが非変性ゲルに別にロードされる。タンパク質サンプル及び液体状マーカーセットはゲル電気泳動にかけられ、マーカータンパク質及び1つ以上のサンプルタンパク質の移動距離が測定される。タンパク質の分子量(又は分子量の対数)は、それらの移動距離の関数としてプロットされる。サンプルタンパク質の分子量は、値をその移動距離に対応する曲線に置くことにより決定される。
若干の好ましい実施態様では、目的のタンパク質若しくはタンパク質複合体、又は目的のサンプルでは、アクリルアミド濃度の異なる多種類のネイティブゲルで電気泳動を行ってもよい。各電気泳動操作において、本発明のマーカータンパク質セットは、同じゲル上で他のサンプルと一緒に泳動する。異なるアクリルアミド濃度における各マーカーの移動度から、1つ以上のサンプルタンパク質の分子量、又は周知のファーガソンプロット線を使用して複合体の分子量を推定する(Gallagher,”Native Discontinuous Electrophoresis and Generation of Molecular Weight Standard Curves(Ferguson Plots)”in Current Protocols in Protein Science、Coliganら、eds.John Wiley and Sons,N.Y.(1995)、and Andrews,Electrophoresis:Theory,Techniques and Biochemical and Clinical Applications,2nd ed.Oxford University Press,N.Y,(1986)。
ネイティブゲルは、いかなるポリマー又はポリマーの組合せで調製してもよく、それによりポアサイズが所定のポリマー濃度において比較的均一な(又は一定の範囲内の)ゲルが得られる。ポリアクリルアミドゲルはタンパク質の分離用の典型的なゲルである。ポリアクリルアミドゲルはいかなる濃度であってもよく、目的のタンパク質を分離できる。例えば、ポリアクリルアミドゲルは約1.5%〜約30%のポリアクリルアミド濃度、好ましくは約2%〜約25%のポリアクリルアミド濃度、更に本発明において特に好ましい実施態様では約2.5%〜約20%のポリアクリルアミド濃度である。またポリアクリルアミドゲルには通常、若干のパーセンテージで架橋結合ポリマー(例えばN,N’−メチレンビスアクリルアミド)を含有させる。若干の好ましい実施態様では、当該ポリアクリルアミドゲルは、ゲルのポリアクリルアミドの濃度が低濃度から高濃度への濃度勾配を有するゲルである。例えば、未変性タンパク質電気泳動において使用する勾配ゲルは、3%〜12%のポリアクリルアミドの濃度勾配、又は4%〜16%のポリアクリルアミドの濃度勾配を有してもよい。タンパク質及びペプチド分離用の重合ゲルを調製し使用する方法には、タンパク質及びペプチド分離用の非変性ゲルを調製し使用することが包含され、公知技術である。
例えば、トリス−グリシン又はトリス−酢酸ゲルが未変性タンパク質分離に使用でき、又はビストリスポリアクリルアミドゲルを用いた「ブルーネイティブ」(BN)ゲルを使用することもできる。未変性タンパク質分離用のトリスグリシン及びトリス酢酸ゲルは従来技術において周知である。またブルーネイティブゲルの使用(陰極緩衝液、タンパク質サンプル緩衝液又はその両方にクーマシー(登録商標)G−250色素が含まれる)は従来技術において公知であり、Schagger H及びvon Jagow G(1991)”Blue native electrophoresis for isolation of membrane protein complexes in enzymatically active form”Anal.Biochem.199:223−231、Schagger H,Cramer WA,and von Jagow G(1994)”Analysis of molecular masses and oligomeric states of protein complexes by blue native electrophoresis and isolation ofmembrane protein complexes by two−dimensional native electrophoresis”Anal.Biochem.217:220−230、及びSchagger H(2001)”Blue−native gels to isolate protein complexes from mitochondria”Methods Cell BioI.65:231−244.に記載されている。この電気泳動方法では、クーマシー(登録商標)G−250色素はネイティブ状態のタンパク質と結合し、タンパク質に負電荷を与える。負に荷電するクーマシー(登録商標)染色タンパク質はそれらの分子量と比例した速度で陽極側に移動する。
未変性タンパク質マーカーを他のタンパク質分離及び解析技術のスタンダードとして使用してもよく、限定されないが例えば半固体(例えばゲル)又は液体溶媒での等電点電気泳動、HPLC及びFPLCなどの、分子量、荷電又はそれらの組み合わせに基づくクロマトグラフィ分離など、電気泳動(限定されないが例えばキャピラリー電気泳動、フリーフロー電気泳動、非変性(ネイティブ)ゲル電気泳動、変性ゲル電気泳動、質量分析及びクロマトフォーカシングなど)が挙げられる。これらの方法では、未変性タンパク質スタンダードはタンパク質(好ましくは非変性)を含むサンプルに添加してもよく、又は上記の分析若しくは分離法を用い、サンプルと並列若しくは直列に、分析若しくは分離してもよい。1つ以上の未変性タンパク質スタンダードのシグナル強度、分離時間又は距離を、同じパラメータの1つ以上のサンプルタンパク質と比較して、1つ以上のサンプルタンパク質の分子量、サイズ、濃度、電荷又は電化対質量比率の比較値若しくは算出値を得えることができる。
典型的な液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット
本発明は、未変性タンパク質分子量マーカーセット用のタンパク質であって、1)4℃で少なくとも1ヶ月間の安定性を示し、2)−20℃で少なくとも1年間の安定性を示し、及び3)トリス−グリシン及びブルーネイティブゲルシステムで電気泳動したときにシャープ(非拡散)なバンド解像度を示すタンパク質の提供に関する。当該タンパク質には、ウシ血清から単離したIgM、ウマの脾臓から単離したアポフェリチン、B−フィコエリトリン、ブタの心臓から単離した乳酸デヒドロゲナーゼ、ウシ血清アルブミン、及びダイズトリプシン阻害剤を含有することが確認されている。ネイティブの形態のこれらのタンパク質の分子量を表1に示す。
マーカーとして使用するタンパク質は、様々な供給源から任意に取得することが可能であり、例えば、免疫グロブリンM(ウシ血清、Sigma I8135)、免疫グロブリンM(ウシ血清、Accurate Chemical AIM07)、免疫グロブリンM(マウス、Invitrogen(Zymed)02−6800)、免疫グロブリンM(Rat、Invitrogen(Zymed)02−9888)、アポフェリチン(ウマ脾臓、Sigma A3660)、アポフェリチン(ウマ脾臓、Calbiochem 178440)、アポフェリチン(ウマ脾臓、MP Bio 100260)、B−フィコエリトリン(単細胞赤色藻類、Alexis610−145−M002)、B−フィコエリトリン(Porphyridium sordidum又はPorphyridium cruendum由来、Cyanotech 100301)、Calbiochem 427211から乳酸デヒドロゲナーゼ(Porcine Heart)、乳酸デヒドロゲナーゼ(ウシ心臓、Sigma L3916)、乳酸デヒドロゲナーゼ(ブタ心臓、Sigma L7525)、乳酸デヒドロゲナーゼ(ウサギ筋肉、Calbiochem 427217)、アルブミン(ウシ血清、Sigma A2153)、アルブミン(ウシ血清、Sigma A0281)、アルブミン(ウシ血清、Sigma A3059)、アルブミン(ウシ血清、Sigma A8531)、アルブミン(ウシ血清、フィッシャーBP1605−100)、アルブミン(ウシ血清、VWR EM−2905)、アルブミン(ウシ血清、Boehringer Mannheim238040)、トリプシン阻害剤(ダイズ、Fluka(シグマ)93619)、トリプシン阻害剤(ダイズ、Fluka(シグマ)93620)、トリプシン阻害剤(ダイズ、USB 21730)、トリプシン阻害剤(ダイズ、Sigma T9003)、トリプシン阻害剤(ダイズ、Calbiochem 650357)及びトリプシン阻害剤(ダイズ、Amresco K213)。
表1:液体状未変性マーカーセットのタンパク成分
Figure 2008547035
列記したタンパク質のうちの2つ以上を、液体状ネイティブマーカーセットとして、いかなる組合せで用いてもよい。液体状未変性タンパク質マーカーセットの好ましい組成は、1mg/mLのウシ血清IgM、0.4mg/mLのウマ脾臓アポフェリチン、0.2mg/mLの藻類B−フィコエリトリン、0.2mg/mLのブタ心臓乳酸デヒドロゲナーゼ、0.2mg/mLのウシ血清アルブミン及び0.2mg/mLのダイズトリプシン阻害剤である。
これらのタンパク質(安定性、貯蔵寿命及びネイティブのポリアクリルアミドゲル上の非拡散バンドを提供することの特性のために選択される)をそれぞれ独立に使用して、そのマーカータンパク質のネイティブゲルにおける移動を、1つ以上のサンプルタンパク質のそれと比較してもよい。本発明は、同じネイティブゲル上において、比較用に分子量マーカーとしてウシ血清IgMを使用して、1つ以上のタンパク質のネイティブにおける相対分子量を測定する方法を包含する。本発明はまた、同じネイティブゲル上において、比較用に分子量マーカーとして馬の脾臓アポフェリチンを使用して、1つ以上のタンパク質のネイティブにおける相対分子量を測定する方法を包含する。本発明はまた、同じネイティブゲル上において、比較用に分子量マーカーとしてB−フィコエリトリンを使用して、1つ以上のタンパク質のネイティブにおける相対分子量を測定する方法を包含する。本発明はまた、同じネイティブゲル上において、比較用に分子量マーカーとして豚のような心臓乳酸デヒドロゲナーゼを使用して、1つ以上のタンパク質のネイティブにおける相対分子量を測定する方法を包含する。本発明はまた、同じネイティブゲル上において、比較用に分子量マーカーとしてウシ血清アルブミンを使用して、1つ以上のタンパク質のネイティブにおける相対分子量を測定する方法を包含する。本発明はまた、同じネイティブゲル上において、比較用に分子量マーカーとしてダイズトリプシン阻害剤を使用して、1つ以上のタンパク質のネイティブにおける相対分子量を測定する方法を包含する。
液体状ネイティブマーカーを有するキット
液体状ネイティブマーカーセットはキットとして販売してもよく、当該キットは2つ以上のタンパク質を含有する液体状混合物としての未変性タンパク質分子量マーカーを含む少なくとも1つのチューブ又はバイアルを有する。チューブ又はバイアルには、5μL〜5mLの液体ネイティブマーカー(例えば10μL〜2.5mL、例えば25μL〜1mL又は100μL〜500μL)が含まれていてもよい。
好ましい実施態様では、液体状未変性タンパク質マーカーキットは、ネイティブ電気泳動(例えばトリス−グリシンネイティブゲル、トリス−行酢酸塩ネイティブゲル又はブルーネイティブゲル)との適合性を有する非変性緩衝液中のマーカータンパク質を含み、非変性の「高分子」化合物(例えばグリセロール)及び任意に染色物質を添加してサンプルウェルへのロードを簡便化してもよい。他の化合物(例えば塩、酸化防止剤、抗菌剤(例えばアジ化ナトリウム)、還元剤、キレート剤又はプロテアーゼ阻害剤)を任意に加えてもよい。キットとして提供される液体マーカータンパク質溶液には、変性作用を有さない1つ以上の界面活性剤を添加してもよい。典型的な液体状ネイティブマーカーセット容液は、50mMのビストリス/HCl(pH7.0)、50mMのNaCl、10%w/vのグリセロール、0.001%のポンソーS及びアジ化ナトリウムを含む。
本発明の具体的実施態様は、異なる分子量を有し、ネイティブの立体構造を有する少なくとも2つのタンパク質を含有する溶液を含む液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを含む容器であって、非変性ゲルにおける前記少なくとも2つのタンパク質の移動度がそれらの分子量の関数であり、前記液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットが4℃で少なくとも1ヶ月間安定である容器と、液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを含有する第二容器と、及び/又は少なくとも1つのネイティブゲル試薬とを含むキットであって、前記少なくとも1つのネイティブゲル試薬が、クーマシーG−250色素、非変性サンプル緩衝液、変性作用を有さない界面活性剤、又は事前成型非変性ゲルであるキットの提供に関する。
好ましくは、キット中の液体状ネイティブマーカーセットは、タンパク質マーカーセットのアリコートを更に希釈しないでゲルに直接ロードする濃度で提供されるが、若干の用途ではマーカーを電気泳動前に希釈してもよい。例えば、前記少なくとも2つのタンパク質の各々又は前記液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット中のタンパク質は、0.05mg/mL〜5mg/mL、又は0.1mg/mL〜2mg/mLの濃度で存在してもよい。
ゲル中の1レーンに0.5μL〜50μLをロードすることができ、クーマシー、SYPRO又は銀染色などにより視覚化できるように、液体状タンパク質マーカーを調製することができ、好ましくは1μL〜25μLを、ゲル中の1レーンにロードし、クーマシー、SYPRO又は銀染色により視覚化できるように調製する。
液体状マーカーセットは、2つ以上の容器を含むキットとして提供してもよい。この方法では、ユーザは、1つの容器を4℃で保存し、その他の容器を−20℃で保存してより長期間保存することができる。例えば、キットは2、3以下の通り4、5又はそれ以上の容器として提供してもよく、その結果、ユーザは第一の容器を即時使用のためにマーカーを解凍することなく4℃で簡便に保存することができ、第一容器の中身が減少するまでは−20℃でその他の容器を保存することができる。
異なるタンパク質組成を有するマーカーセットを、単一のキット中に含めてもよい。例えば、異なるマーカーセットは、異なる分子量範囲を有するタンパク質セットを含んでもよい。
当該キットは少なくとも1つのタンパク質精製、単離若しくは調製用の試薬、又は少なくとも1つのゲル試薬、例えばサンプル又はタンパク質の可溶化緩衝液、変性作用を有さない界面活性剤(例えばドデシルマルトシド、オクチルグルコシド、ジギトニン)、クーマシー(登録商標)G−250)、ゲルローディング緩衝液、電気泳動緩衝液、事前成型ネイティブゲル又はゲル染色液を更に含んでなってもよい。事前成型ネイティブゲルは、例えばトリス−グリシンゲル、トリス−酢酸ゲル又はBis−トリスゲルであってもよい。当該キットには、a)電気泳動のマーカーの使用法、及び好ましくはb)同じゲルにおいて電気泳動させる1つ以上のサンプルタンパク質の分子量を推定する際の、上記マーカーの液体状ネイティブマーカーセットとしての使用法に関する情報を記載した説明書を含めてもよい。あるいは、当該説明書にはユーザに指示をa)若しくはb)、又はその両方に関する情報を記載したウェブサイトを参照として掲載してもよい。
収益方法
本発明の具体的態様は、商品流通を利用して販売される商品である液体状未変性タンパク質マーカーセットの提供に関する。商品は通常、ラベルを付与し及び/又はキットとして販売される。液体状未変性タンパク質マーカーセットは、供給業者(例えば営利を目的とする事業体)により顧客に販売される。好ましい態様の商品は、レディー・トゥー・ユース(ready−to−use)型の市販用の調製物であり、溶液中の未変性タンパク質スタンダードセットに含まれる少なくとも2つのタンパク質が凍結状態若しくは液体状態で商業的供給業者からユーザに提供される。市販用の分子量マーカーセットは、適当な緩衝液中に適当な濃度で調製してもよく、特に少なくとも一部の液体状タンパク質分子量マーカーセットがゲルに直接ロードできる態様が好ましい。
本発明の他の実施形態は、液体状未変性タンパク質分子量マーカーを販売することによって収入を得る方法の提供に関する。当該方法は、ネイティブ電気泳動用の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを購入する手段を提供することを含む。液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットは、異なる分子量を有し、ネイティブの立体構造を有する少なくとも2つのタンパク質の溶液を含む。当該方法は、液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを購入する手段を起動させ、支払い情報を入力するステップを更に含んでもよい。当該方法は更に、顧客からマーカーセットの提供者への支払いステップを含んでもよい。当該セットは2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20又は25種類のタンパク質を含んでもよい。
マーカーセットを購入する手段は、バイオリサーチ用試薬の業者が分子量マーカーの販売に用いるいかなる販売方法を含めてもよい購入機能である。当該方法としては、電話システム及び/又はコンピュータベースのシステムなどが挙げられる。非限定的な例として、当該方法は、インターネットページ、又は他のローカルネットワーク若しくはワイドエリアネットワーク上のページに表示された分子量マーカー購入のためのリンクを含んでもよい。それに加え、又はその代わりに、当該手段は電話又は文書によるオーダーシステムであってもよい。他の手段としては、従来のメール又はオーダーによる直接的なオーダー、あるいは例えば販売員経由による口頭によるオーダーであってもよい。液体状ネイティブマーカーは供給センターに在庫させてもよく、顧客は液体状ネイティブマーカーを含む1つ以上の容器を取り、ページ、本若しくは元帳に、又はコンピュータを使用して取った量を記録してもよく、それは在庫センターの一部で行ってもよく、又は顧客のパーソナルコンピュータ(PC)経由のアクセスでもよい。商品の取り出し及びその取り出し記録は購入者が行ってもよく、又は在庫センター又は商品の供給元が行ってもよい。製品取り出しの記録は、液体状ネイティブマーカーの代金を支払う顧客の側の合意を構成する。顧客は分子量マーカーセットを購入するために上記のいずれかの典型的な手段を使用する。
マーカーセットの購入の際、顧客は供給業者に対価を提供する。通常、顧客から供給業者に払われる購入品の対価の形態は金銭である。通常、外部ベンダーである供給業者は対価と引きかえに顧客(通常はエンドユーザー顧客)にマーカーセットを出荷する。在庫センターを経由する場合、外部ベンダーは通常、研究機関又は会社内の在庫センターに出荷し、購入者は液体状ネイティブマーカーセットを取り出し、その後(典型的には商品取り出し記録を基に供給業者が発行する請求を受領した後に)購入料金を支払う。顧客が未変性タンパク質ゲルを購入するいかなる典型的な顧客であってもよいことが理解されよう。例えば、当該顧客は、調査機関(例えば研究所又は営利団体)の研究者であってもよい。顧客は医学診断企業又は製薬企業であってもよい。
マーカーセットは例えば2〜15種類のタンパク質を含んでもよく、具体的な例としては、5kDa〜2000kDa又は8〜1500kDaの分子量を有する6〜10種類のタンパク質を含む。タンパク質の各々は通常、ネイティブのポリアクリルアミドゲルで分離できる異なる分子量を有する。
マーカーは例えば、クーマシーG250染色ゲルの1レーン当り0.5ドル〜20ドル、好ましくは1ドル〜10ドルのコストとすることができる。例えば、マーカーチューブには、5μL〜2500μLの液体状マーカーセットを含めることができ、1ドル〜5000ドルのコストとするとができるが、通常は50ドル〜2500ドルである。例えば、チューブには液体マーカーセットを200μL〜300μLを含めてもよく、その濃度は、2〜10μLをゲルレーン上へロードしてもクーマシーブルー染色によって視覚化できるのに十分な濃度である。200μL〜300μLチューブにかかるコストは、例えば50ドル〜500ドル(米ドル)でありえる。
当該購入機能は、本発明に係る分子マーカーに直接又は間接的に関連する製品の購入にも使用できる。例えば、当該購入機能は非変性ゲルの購入に更に使用してもよく、事前成形した単一濃度又は3〜20%のアクリルアミド濃度勾配ゲル(ネイティブのトリスグリシンゲル(例えばNovex(登録商標))、トリスグリシンゲル(Invitrogen、カールズバッド、CA、など)、ネイティブのトリス酢酸ゲル(例えばNuPAGE(登録商標)Novex(登録商標))、トリス酢酸ゲル(Invitrogen、カールズバッド、CA)及びビストリスゲル(例えばNativePAGE(商標)Novex(登録商標)ビストリスゲル(Invitrogen、カールズバッド、CA)など)、及び/又はクーマシー(登録商標)G−250などのクーマシー(登録商標)ブルー染色物質が例示されるがこれらに限定されない。液体状ネイティブマーカーなどの購入に含めてもよい他の染色物質は、限定されないが、銅タンパク質ゲル染色、銀タンパク質ゲル染色及びSYPRO(登録商標)ゲル染色が例示される。関連製品としては、電気泳動緩衝液が挙げられる。
顧客に販売する液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを以下に記載する。例えば、液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットは通常、4℃で少なくとも1ヶ月間安定であり、具体的態様では少なくとも4℃で2、3、4、5、6、7、8、9、10、11若しくは12ヶ月間、又は−20℃で2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、24、36、48ヶ月間、並びに4℃又は−20℃で60ヶ月間以上安定である。
当該方法は、液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを輸送することを更に含んでもよい。例えば、当該輸送は州間の商業的な輸送であってもよい。当該輸送は通常、供給業者によって顧客に対して行われる。当該顧客は通常、供給業者と同じ設備内に存在しない。当該輸送は通常、運送業者又は政府組織(例えば米郵政公社)によって行われる。
本発明に係る他の実施態様は、収入を得る方法であって、少なくとも2つのタンパク質の溶液を含有する液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを購入するための購入機能を顧客に提供することを含み、液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを購入する際に購入機能が使用されると、購入機能及び液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットの供給業者において収入が発生する方法に関する。
他の実施形態では、本発明はまた、液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット及び/又は本発明に係るキットの販売方法であって、電話注文システムの入力機能を顧客に提示することと、及び/又はコンピュータシステムの一部としてエントリのデータ入力フィールド又は選択可能リストを顧客に提出することを含み、当該液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット及び/又は当該キットが入力機能を使用して確認される方法の提供に関する。入力機能がコンピュータシステムの一部である(例えばインターネットサイトの1つ以上のページに表示される)場合、顧客に対して通常オンライン購入機能(例えばオンラインショッピングカート)が表示され、顧客は当該購入機能を使用して、希望する液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット及び/又はキットを購入する。一態様では、複数の識別子を顧客に提供し、その各々が液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット、及び/又は異なるボリュームのキットを識別し、又は成型ネイティブゲル又は染色物質(例えばクーマシー(登録商標)染色)などの関連製品と共に識別される。当該方法は、液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット及び/又は本発明に係るキットを購入する購入機能を起動させることを更に含んでもよい。
例えば、当該収入を得る方法は、販売の申し出(例えば購入機能にリンクを付与すること)と、及び/又は2つ以上のタンパク質をレディー・トゥー・ユース(ready−to−use)型の調製物として含有する液体状未変性タンパク質マーカーセットを販売することを含む。すなわち、本発明に係る収入を得る方法の例では、未変性タンパク質マーカーセットは、ネイティブ電気泳動(例えばトリスグリシンネイティブゲル、トリス酢酸ネイティブゲル又はブルーネイティブゲル)との適合性を有する液緩衝液中に含まれ、非変性の「高分子量」化合物(例えばグリセロール)、及び任意に色素をサンプル容器に添加し、ロードを簡便化させてもよい。他の化合物(例えば塩、酸化防止剤、抗菌剤、還元剤、キレート剤)又はプロテアーゼ阻害剤を任意に添加してもよい。液体マーカータンパク質溶液には、1つ以上の変性作用を有さない界面活性剤を含有させてもよい。好ましくは、タンパク質を溶解させる緩衝液は、中性(pH6超〜8未満)又はその付近、好ましくは約6.5〜7.5のpHである。典型的な液体状ネイティブマーカーセットの溶液は、50mMのビストリス/HCl(pH7.0)、50mMのNaCl、10%(w/v)のグリセロール、0.001%のポンソーSである。溶液は抗菌剤(例えばアジ化ナトリウム)を任意に含んでもよい。当該購入機能は、電話による購入機能又はインターネットページに提供される購入機能(例えばインターネットショッピングカート機能の一部)であってもよい。
本発明にはまた、ネイティブスタンダードを販売することによって収入を得る方法が含まれる。当該方法は、本発明の液体状タンパク質分子量マーカーセットを顧客に提供することと、液体状タンパク質分子量マーカーセット中に含まれる2つ以上のタンパク質の分子量か、又は、インターネットアクセスによって利用可能な、前記液体状タンパク質分子量マーカーセット中に含まれる前記2つ以上のタンパク質の分子量を提供するウェブサイトのワールドワイドウェブアドレスのいずれか若しくは両方が記載されている説明書を提供することと、液体状タンパク質分子量マーカーセットの提供と引きかえに顧客から収入を受けることを含む。好ましい実施態様では、説明書、ウェブサイト又はその両方には、電気泳動スタンダードとして液体状ネイティブ分子量マーカーを使用してタンパク質の分子量を算出するための指示、及び/又は分子量マーカーのゲルバンドを示す典型的なゲルの画像が掲載される。
好ましくは、液体状ネイティブマーカーはキットとして注文され、顧客に提供される。収入を得る方法は、顧客に対して、顧客が液体状ネイティブ分子量マーカーセットを注文できるウェブサイトを提供することを含んでなってもよい。また、ウェブサイトでは電子的に処理を記録でき、請求書を発行できる。
以下に実施例を示すが、いささかも本発明を限定するものではない。
<実施例1>液体ネイティブマーカーセットの電気泳動
以下の濃度で、表1に示したタンパク質を含有する液体状未変性タンパク質マーカーセットを調製した。1mg/mLのIgM、0.4mg/mLのアポフェリチン、0.32mg/mLのB−フィコエリトリン、0.3mg/mLの乳酸デヒドロゲナーゼ、0.2mg/mLのBSA及び0.5mg/mLのダイズトリプシン阻害剤。液体状ネイティブマーカーセット(LNM)を、3つの異なるゲルシステムにより電気泳動させた。それぞれ、マーカー調製物(50mMのBisTris/HCl(pH7.0)、50mMのNaCl、10%w/vグリセロール、0.001%のポンソーS)を5μLずつゲルに直接ロードした。図1Aは、異なるゲルシステムで電気泳動し、クーマシー(登録商標)G−250色素(Colloidal Blue Staining Kit、Invitrogen、カールズバッド、CA)で染色した液体状ネイティブマーカーセットを示す。最も左のレーンは、マーカーセットを4−16%のブルーネイティブアクリルアミドゲルで電気泳動させたときの結果を示す。中間のレーンは、マーカーセットを3−12%のブルーネイティブアクリルアミドゲルで電気泳動させたときの結果を示す。ブルーネイティブゲルの場合、50mMのビストリス、50mMのトリシンを含む緩衝液を用い、90分間、150V(一定)で電気泳動を行った。最も右のレーンは、約9.3の操作pHにてマーカーを4−12%のトリスグリシンゲルで電気泳動させたときの結果を示す。トリスグリシンゲルの場合、25mMのトリス、192mMのグリシンを含む緩衝液を用い、111分間、125V(一定)で電気泳動を行った。
図1Bは、3−8%及び7%のアクリルアミド・トリス酢酸ゲル電気泳動を行った、同じマーカー調製物を示し、図1Bは4−12%、8−16%及び4−20%のアクリルアミド・トリス−Glycineゲル電気泳動を行った、同じマーカー調製物を示す。いずれの場合も、ゲルをクーマシー(登録商標)G−250色素(Colloidal Blue Staining Kit、Invitrogen、カールズバッド、CA)で染色した。図2は、ストック液濃度を×0.05希釈し、4−12%、8−16%、そして、4−20%のアクリルアミド・トリス−グリシンゲルで電気泳動し、銀染色(SilverQuest(商標)タンパク質ゲル染色)した、同じ液体状ネイティブマーカー(LNM)調製物を示す。
これらの図は、当該マーカーの使用により、幾つかのゲルシステムにおいて実質的に検出可能な非マーカーバンドを生じさせることなく、それらの分子量の順に移動するシャープなバンドが得られることを示す。
<実施例2>異なるゲルシステムにおける、液体状ネイティブマーカーセットの移動度
実施例1と同様に調製した液体状未変性タンパク質マーカーセット(LNM)を、市販のマーカーセット(凍結乾燥形態で顧客に提供される「HMWマーカー」)と一緒に、3−12%のブルーネイティブ(BN)ゲルで電気泳動させた。得られたHMWマーカーからのタンパク質におけるMW対Rfの対数プロット線、及び液体ネイティブマーカー(非染色)未変性タンパク質スタンダードを図3に示す。スタンダード曲線は最適な二次多項式として作成した。HMWマーカー曲線の方程式は以下の通りである。y=1.7281x+0.864x+3.1126;LNMセットの方程式は以下の通りである。y=0.1309x−2.2903x+3.7427。市販のマーカーセットのR二乗値は0.9746であった。実施例1のLNMセットのR二乗値は0.994であった。
図4は、同じ4−16%のブルーネイティブゲルで電気泳動させた2つのマーカーセットを示す。スタンダード曲線は最適な一次式として作成した。HMWマーカー曲線の方程式は以下の通りである。y=−2.4265x+3.3933;LNMセットの方程式は以下の通りである。y=−2.5249x+3.4989。市販の「HMWマーカー」セットのR二乗値は0.9888であった。実施例1の液体状ネイティブマーカーセットのR二乗値は0.993であった。
図5は、4−12%のトリス−グリシンゲルで電気泳動させた2つのマーカーセットを示す。スタンダード曲線は最適な一次式として作成した。HMVマーカー曲線の方程式は以下の通りである。y=2.4762x−4.3472x+3.6169;LNMセットの方程式は以下の通りである。y=−2.6745x−0.0148x+2.9478。市販の「HMWマーカー」セットのR二乗値は0.9847であった。実施例1の液体状ネイティブマーカーセットのR二乗値は0.994であった。
<実施例3>液体状ネイティブマーカーセットの安定性
3−12%及び4−16%のブルーネイティブゲルを用い、実施例1にて説明した本発明の新規な液体状ネイティブマーカーのロットを、実施例1に記載の組成を有する、以前に試験を通過したLNMのロットと隣りあわせで電気泳動(1レーン当り5μL)させた。Colloidal Blue Stainingキットによる染色後、ゲルを300dpiのtiff画像としてスキャンし、色及びグレイスケール画像として保存した。画像分析(デンシトメトリ)を実施し、移動(Rf)及びピーク高の値を、サンプルレーンで検出されるすべてのバンドに関してTotalLabソフトウェアにより算出した。LNMのためのQC仕様を、以下のように規定した:
移動:新規ロットのマーカーバンドのRfが、隣接するレーンにロードした、以前に試験を通過したロットのマーカーバンドにおけるRf単位と、許容度+/−0.02Rfで一致すること、
マイナーなバンド:いかなる非マーカーバンドのピーク高も、それに隣接する2つのマーカーバンドのピーク高の小さい方に対して20%以下であること、
視覚:以前に試験を通過したロット比較し、新規なロットの視覚試験で、いかなる顕著なパフォーマンスの相違も見られないこと。
異なるロットのLNMのアリコートを、加速劣化シミュレーションを実施する目的で異なる温度で保存し、更に5μLのアリコートをブルーネイティブ及びトリスグリシンゲルで電気泳動させた(図6)。染色ゲルの画像をTotalLabソフトウェアを使用したデンシトメトリにより解析し、方法の中で述べたようなQC基準に従って、合格又は不合格のステータスを決定した。レーン1:市販の分子量マーカー;レーン2:LNMのロットA、4℃で91日間保存;レーン3:LNMのロットB、4℃で67日間保存;レーン4:LNMのロットB、22℃で67日間保存;レーン5:LNMのロットB、30℃で67日間保存;レーン6:LNMのロットC、4℃で66日間保存;レーン7:LNMのロットC、22℃で66日間保存;レーン8:LNMのロットC、30℃で66日間保存。
LNMのロットCは、22℃、66日の時点ですべてのゲルにおいて安定性の基準を通過したが(図6、レーン7)、30℃、66日の時点(図6、レーン8)では基準を満たさなかった。LNMのロットBは、LDHバンドの不適当なサンプルローディングのため、基準を満たさなかった(図6、レーン3−5)。長期の保存により出現する問題となるバンドは、それらのピーク高が隣接するマーカーバンドのピーク高の20%を超えるとき、基準を満たさなくなる。問題となるバンドがロットC(図6、レーン7)の22℃、66日の時点で観察されるものの、それらは極わずかであり、ゆえにそれらは軽微であるとみなされ、安定性基準を満たすものと考えられる。加速劣化試験に関して述べた方程式を用いると、22℃、66日間の結果から、−20℃では1213日(3.3年)、又は4℃では230日(7.6ヵ月)間と算出された。以上より、上記マーカーは−20℃で少なくとも3年の保存安定性、又は4℃で少なくとも6ヵ月の保存安定性を示した。
本願明細書の全ての引用文献は、全開示内容が援用される。本発明において用いられる見出しはあくまで便宜上のものであり、本発明を限定することを目的としない。見出しを有するセクション中の開示は、異なる見出しを有する他のセクション中での開示に適用することも可能である。本発明を上記実施例に関して記載したが、適切な修正変更を、本発明の技術思想と範囲の中で適宜実施できることが理解されよう。
異なるゲルシステムで電気泳動を行い、クーマシー(登録商標)G−250で染色された天然のマーカーを示す。本発明のネイティブマーカーを、(左から右に)4−16%のブルーネイティブゲル、3−12%のブルーネイティブゲル及び4−12%のトリス−グリシンゲルで電気泳動したときの状態を示す。 3−8%及び7%のアクリルアミド・トリス−酢酸ゲルで電気泳動した際の、本発明のネイティブマーカーを示す。 6%、4−12%、8−16%及び4−20%のアクリルアミド・トリス−グリシンゲルで電気泳動した際の、本発明のネイティブマーカーを示す。 ストック溶液の濃度に対して×0.05まで希釈した同じマーカー組成物を、4−12%、8−16%及び4−20%のアクリルアミド・トリス−グリシンゲルで電気泳動し、銀染色したときの状態を示す。 市販のHMWマーカー(ダイヤモンド形)及び液体状未変性タンパク質スタンダード(正方形)タンパク質を、4−16%のブルーネイティブゲルで電気泳動した際の、分子量対Rfの対数プロット線を示す。最適な2次多項式を使用してスタンダード曲線をプロットした。 市販のHMWマーカー(ダイヤモンド形)及び液体状未変性タンパク質スタンダード(正方形)タンパク質を、4−16%のブルーネイティブゲルで電気泳動した際の、分子量対Rfの対数プロット線を示す。最適な2次多項式を使用してスタンダード曲線をプロットし、方程式及びR値を図示する。 市販のHMWマーカー(ダイヤモンド形)及び液体状未変性タンパク質スタンダード(正方形)タンパク質を、4−12%のトリス−グリシンゲルで電気泳動した際の、分子量対Rfの対数プロット線を示す。最適な2次多項式を使用してスタンダード曲線をプロットし、方程式及びR値を図示する。 異なるゲルシステムで電気泳動を行い、クーマシー(登録商標)G−250で染色された液体状のネイティブマーカー(LNM)を示す。レーン1:市販の分子量マーカー。レーン2:LNMのロットA(4℃で91日間保存)。レーン3:LNMのロットB(4℃で67日間保存)。レーン4:LNMのロットB(22℃で67日間保存)。レーン5:LNMのロットB(30℃で67日間保存)。レーン6:LNMのロットC(4℃で66日間保存)。レーン7:LNMのロットC(22℃で66日間保存)。レーン8:LNMのロットC(30℃で66日間保存)。A)3−12%のブルーネイティブゲルで電気泳動した本発明のネイティブマーカー。B)4−16%のブルーネイティブゲルで電気泳動した本発明のネイティブマーカー。C)4−12%のトリス−グリシンゲルで電気泳動した本発明のネイティブマーカー。

Claims (90)

  1. 異なる分子量を有し、ネイティブの立体構造を有する、少なくとも2つのタンパク質を含有する溶液を含み、
    非変性ゲルにおけるマーカーセットのタンパク質の移動度がそれらの分子量の関数であり、液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットのタンパク質が−20℃で少なくとも1ヶ月間安定である、
    ネイティブ電気泳動用の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  2. 前記液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットが商品である、請求項1記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  3. 前記液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットがレディー・トゥー・ユース(ready−to−use)型の市販調製物である、請求項2記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  4. 前記少なくとも2つのタンパク質が、溶液中で4℃で少なくとも1ヶ月間安定である、請求項1記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  5. 前記少なくとも2つのタンパク質が、溶液中で−20℃で少なくとも1年間安定である、請求項1記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  6. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つがプロテアーゼ阻害剤である、請求項1記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  7. 前記プロテアーゼ阻害剤がトリプシン阻害剤である、請求項6記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  8. 前記プロテアーゼ阻害剤がダイズトリプシン阻害剤である、請求項7記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  9. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つが少なくとも1つの発色団又は少なくとも1つのフルオロフォアを含む、請求項1記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  10. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つが1つの発色団を含む、請求項9記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  11. 前記少なくとも1つのタンパク質がフィコシアニン、アロフィコシアニン又はフィコエリトリンである、請求項10記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  12. 前記少なくとも1つのタンパク質がB−フィコエリトリンである、請求項11記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  13. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つが、700kDa超の天然の分子量を有する、請求項1記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  14. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つがアポフェリチンである、請求項13記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  15. 前記アポフェリチンがウマ由来のアポフェリチンである、請求項14記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  16. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つが、少なくとも1MDaの分子量を有する、請求項1記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  17. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つがIgMである、請求項16記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  18. IgMがウシ血清由来のIgMである、請求項17記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  19. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つが乳酸デヒドロゲナーゼである、請求項1記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  20. 乳酸デヒドロゲナーゼがブタ由来の乳酸デヒドロゲナーゼである、請求項19記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  21. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つがウシ血清アルブミン(BSA)である、請求項1記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  22. 異なる分子量を有する少なくとも3つのタンパク質を含む、請求項1記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  23. 異なる分子量を有する少なくとも4つのタンパク質を含む、請求項22記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  24. 異なる分子量を有する少なくとも5つのタンパク質を含む、請求項23記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  25. 異なる分子量を有する少なくとも6つのタンパク質を含む、請求項24記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  26. IgM、アポフェリチン、B−フィコエリトリン、乳酸デヒドロゲナーゼ、BSA及びダイズトリプシン阻害剤を含む、請求項25記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  27. 前記液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットが、4℃で少なくとも1ヶ月の貯蔵寿命を示す、請求項1記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  28. 前記溶液が抗菌剤を含む、請求項1記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  29. 前記溶液が変性作用を有する界面活性剤以外の界面活性剤を含む、請求項1記載の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット。
  30. 異なる分子量を有し、ネイティブの立体構造を有する少なくとも2つのタンパク質を含有する溶液を含む液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを含む容器であって、非変性ゲルにおける前記少なくとも2つのタンパク質の移動度がそれらの分子量の関数であり、前記液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットが4℃で少なくとも1ヶ月間安定である、容器、および、
    液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット及び/又は少なくとも1つのネイティブゲル試薬を含む第二容器であって、前記少なくとも1つのネイティブゲル試薬が、クーマシーG−250色素、非変性サンプル緩衝液、変性作用を有さない界面活性剤、又は事前成型非変性ゲルである、第二容器
    を含む、キット。
  31. 前記液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット中の前記少なくとも2つのタンパク質の各々が、0.05mg/mL〜2mg/mLの濃度で存在する、請求項30記載のキット。
  32. 液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを含む少なくとも2つの容器を含む、請求項30記載のキット。
  33. 前記液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットが3つ以上の容器により提供される、請求項32記載のキット。
  34. 異なる容器により提供される2つ以上の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを含み、前記2つ以上の液体状のタンパク質分子量マーカーセットの各々が異なるタンパク質のセットを含む、請求項33記載のキット。
  35. 前記液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを含む容器と事前成型非変性ゲルとを含む、請求項30記載のキット。
  36. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つがプロテアーゼ阻害剤である、請求項30記載のキット。
  37. 前記プロテアーゼ阻害剤がトリプシン阻害剤である、請求項36記載のキット。
  38. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つが発色団を含む、請求項30記載のキット。
  39. 前記少なくとも1つのタンパク質がB−フィコエリトリンである、請求項38記載のキット。
  40. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つが少なくとも1MDaの分子量を有する、請求項30記載のキット。
  41. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つがIgMである、請求項40記載のキット。
  42. ネイティブ条件下で少なくとも1つのタンパク質の推定分子量若しくは相対分子量を測定する方法であって、
    タンパク質を含むサンプルと、少なくとも2つのタンパク質の溶液を含有する液体状タンパク質分子量マーカーセットを含むサンプルとをネイティブゲルにアプライする段階(前記液体状未変性タンパク質分子量マーカーセット中のタンパク質は4℃で少なくとも1ヶ月間安定である)と、
    ネイティブゲルにおいて前記サンプル及び前記液体状タンパク質分子量マーカーを電気泳動させる段階と、
    前記サンプル中の1つ以上のタンパク質の移動を、液体状タンパク質分子量マーカーセット中の1つ以上のタンパク質と比較し、それによりネイティブ条件下で少なくとも1つのタンパク質の推定分子量若しくは相対分子量を測定する段階と
    を含む、方法。
  43. 前記サンプル中の1つ以上のタンパク質の移動距離を、液体状タンパク質分子量マーカーセット中の2つ以上のタンパク質のうちの少なくとも2つの移動距離と比較して、前記1つ以上のタンパク質の推定分子量若しくは相対分子量を測定する、請求項42記載の方法。
  44. 前記サンプルが、非変性ゲルにおける、液体状タンパク質分子量マーカーセットとは別のウェル又はローディングゾーンにロードされる、請求項42記載の方法。
  45. レディー・トゥー・ユース(ready−to−use)型の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを提供し、可溶化又は更なる希釈を行わずに前記ネイティブゲルに直接アプライする、請求項42記載の方法。
  46. 前記アプライ段階の前に、顧客に前記液体状未変性タンパク質分子量マーカーを凍結形態又は解凍された液状形態で出荷することを更に含む、請求項42記載の方法。
  47. 前記アプライ段階の前に、4℃で1ヵ月間液体状未変性タンパク質分子量セットを保存することを更に含む、請求項42記載の方法。
  48. ネイティブゲルへのアプライが、ネイティブのトリスグリシンゲルへのアプライ、ネイティブのトリス酢酸ゲルへのアプライ、又はブルーネイティブゲルへのアプライである、請求項42記載の方法。
  49. ネイティブゲルに、タンパク質を含有するサンプル、及び、異なる分子量を有する少なくとも3つのタンパク質の溶液を含む液体状タンパク質分子量マーカーセットを含有するサンプルをアプライすることを含む、請求項42記載の方法。
  50. ネイティブゲルに、タンパク質を含有するサンプル、及び、異なる分子量を有する少なくとも4つのタンパク質の溶液を含む液体状タンパク質分子量マーカーセットを含有するサンプルをアプライすることを含む、請求項42記載の方法。
  51. ネイティブゲルに、タンパク質を含有するサンプル、及び、異なる分子量を有する少なくとも5つのタンパク質の溶液を含む液体状タンパク質分子量マーカーセットを含有するサンプルをアプライすることを含む、請求項42記載の方法。
  52. ネイティブゲルに、タンパク質を含有するサンプル、及び、異なる分子量を有する少なくとも6つのタンパク質の溶液を含む液体状タンパク質分子量マーカーセットを含有するサンプルをアプライすることを含む、請求項42記載の方法。
  53. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つがプロテアーゼ阻害剤である、請求項42記載の方法。
  54. 前記プロテアーゼ阻害剤がトリプシン阻害剤である、請求項53記載の方法。
  55. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つが発色団を含む、請求項42記載の方法。
  56. 前記少なくとも1つのタンパク質がB−フィコエリトリンである、請求項55記載の方法。
  57. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つが、少なくとも1MDaの分子量を有する、請求項42記載の方法。
  58. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つがIgMである、請求項57記載の方法。
  59. 未変性タンパク質分子量スタンダードを販売することによって収入を得る方法であって、
    a)異なる分子量を有し、ネイティブの立体構造を有する少なくとも2つのタンパク質を含有する溶液を含む、ネイティブ電気泳動用の液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを顧客に提供すること
    を含む、方法。
  60. 前記液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットが4℃で少なくとも1ヶ月間安定である、請求項59記載の方法。
  61. b)前記顧客に、
    前記液体状タンパク質分子量マーカーセット中の前記2つ以上のタンパク質の分子量、又は、
    インターネットアクセスによって利用可能な、前記液体状タンパク質分子量マーカーセット中の前記2つ以上のタンパク質の分子量を提供するウェブサイトのワールドワイドウェブアドレス、
    のうちの少なくとも1つが記載されている説明書を提供することと、
    c)液体状タンパク質分子量マーカーセットの提供と引きかえに顧客から収入を受けることと
    を更に含む、請求項59記載の方法。
  62. 前記顧客にウェブサイトを提供することを更に含み、前記顧客が前記ウェブサイトにアクセスすることにより前記液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを注文できる、請求項61記載の方法。
  63. 少なくとも2つのタンパク質を含有する溶液を含む液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを購入するための購入機能を顧客に提供することを含み、前記購入機能が液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを購入するために使用される、
    収入を得る方法。
  64. 液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを購入することを更に含む、請求項63記載の方法。
  65. 前記提供が、購入機能及び液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットのいずれか又はその両方の供給業者により実施される、請求項63記載の方法。
  66. 前記顧客が、液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを購入するために購入機能を使用する、請求項63記載の方法。
  67. 前記購入機能が、電話システム及び/又はコンピュータに基づくシステムにより提供される、請求項66記載の方法。
  68. 前記購入機能がインターネットに基づくシステムにより提供される、請求項66記載の方法。
  69. 前記購入機能が非変性ゲルを購入するために更に使用される、請求項63記載の方法。
  70. 前記購入機能がクーマシーブルー染色液を購入するために更に使用される、請求項63記載の方法。
  71. 少なくとも2つのタンパク質を含有する溶液を含む液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを販売することを含む、収入を得る方法。
  72. 前記液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットが、4℃で少なくとも1ヶ月の貯蔵寿命を示す、請求項71記載の方法。
  73. 対価を得るために顧客に、少なくとも2つのタンパク質を含有する溶液を含む液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットを販売することを含む、収入を得る方法。
  74. 前記対価が金銭である、請求項73記載の方法。
  75. 前記液体状タンパク質分子量マーカーセットが異なる分子量を有する少なくとも3つのタンパク質を含有する溶液を含む、請求項59、63、71又は73のいずれか1項記載の方法。
  76. 前記液体状タンパク質分子量マーカーセットが異なる分子量を有する少なくとも4つのタンパク質を含有する溶液を含む、請求項59、63、71又は73のいずれか1項記載の方法。
  77. 前記液体状タンパク質分子量マーカーセットが異なる分子量を有する少なくとも5つのタンパク質を含有する溶液を含む、請求項59、63、71又は73のいずれか1項記載の方法。
  78. 前記液体状タンパク質分子量マーカーセットが異なる分子量を有する少なくとも6つのタンパク質を含有する溶液を含む、請求項59、63、71又は73のいずれか1項記載の方法。
  79. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つがプロテアーゼ阻害剤である、請求項59、63、71又は73のいずれか1項記載の方法。
  80. 前記プロテアーゼ阻害剤がトリプシン阻害剤である、請求項80記載の方法。
  81. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つが発色団を含む、請求項59、63、71又は73のいずれか1項記載の方法。
  82. 前記少なくとも1つのタンパク質がB−フィコエリトリンである、請求項81記載の方法。
  83. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つが、少なくとも1MDaの分子量を有する、請求項59、63、71又は73のいずれか1項記載の方法。
  84. 前記少なくとも2つのタンパク質の少なくとも1つがIgMである、請求項83記載の方法。
  85. 2つ以上のタンパク質を含有する溶液、及び、商品が液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットであることを示すラベルを含む、商品。
  86. 顧客に配送される、請求項85記載の商品。
  87. 4℃で少なくとも1ヶ月の貯蔵寿命を示す、請求項85記載の商品。
  88. 4℃で少なくとも1ヶ月の貯蔵寿命を示す、請求項85記載の商品。
  89. 前記液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットが、−20℃で少なくとも1年間安定である、請求項85記載の商品。
  90. 前記液体状未変性タンパク質分子量マーカーセットがレディー・トゥー・ユース(ready−to−use)型の調製物である、請求項85記載の商品。
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