JP2008546429A - バイオフィルム処理およびカテーテル救出のためのダプトマイシン - Google Patents

バイオフィルム処理およびカテーテル救出のためのダプトマイシン Download PDF

Info

Publication number
JP2008546429A
JP2008546429A JP2008514786A JP2008514786A JP2008546429A JP 2008546429 A JP2008546429 A JP 2008546429A JP 2008514786 A JP2008514786 A JP 2008514786A JP 2008514786 A JP2008514786 A JP 2008514786A JP 2008546429 A JP2008546429 A JP 2008546429A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
daptomycin
catheter
biofilm
infection
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008514786A
Other languages
English (en)
Inventor
アルダー,ジエフリー
シルバーマン,ジヤレド
モーテイン,ローレンス
バン・プラグ,アンドリユー
Original Assignee
キュービスト ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by キュービスト ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド filed Critical キュービスト ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
Publication of JP2008546429A publication Critical patent/JP2008546429A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L2/00Methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects other than foodstuffs or contact lenses; Accessories therefor
    • A61L2/16Methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects other than foodstuffs or contact lenses; Accessories therefor using chemical substances
    • A61L2/18Liquid substances or solutions comprising solids or dissolved gases
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/04Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • A61K38/12Cyclic peptides, e.g. bacitracins; Polymyxins; Gramicidins S, C; Tyrocidins A, B or C
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K45/00Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
    • A61K45/06Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

ダプトマイシンは、バイオフィルムの処理(特に、S.エピデルミディスに感染したカテーテルに対する中心静脈カテーテルの救済)に用いることができる。ダプトマイシンを用いたカテーテルの救済は、迅速な殺菌性、静止期細菌に対する活性、バイオフィルムへの浸透および活性を示す。本発明は、ダプトマイシンに関与するバイオフィルム処理またはカテーテル救済に有用な製剤、方法、および製品を提供する。特定の製剤は、バイオフィルムの細菌に対して迅速な殺菌曲線を有するラクトリンゲル溶液中のダプトマイシンを含む。

Description

中心静脈カテーテル(CVC)は、長期治療を必要とする場合がある状態、例えば疼痛、感染もしくは癌を治療するためのまたは栄養分を供給するための薬剤を患者に提供するために用いられている。中心静脈カテーテルは、皮膚表面に近い静脈内に薬剤を輸送する静脈内(IV)カテーテルよりも長期に留置することができる。バイオフィルムは、CVCに発生する場合があり、CVCの表面上およびこの中で細菌、例えばS.エピデルミディス(S. epidermidis)の蓄積を含む。バイオフィルムは、処理することが困難である。これは、細菌の中には静止期にある細菌もいて、および/またはバイオフィルムは侵透することが困難である場合があるからである。
発明の要旨
バイオフィルム処理(特に、S.エピデルミディスに感染したカテーテルに対する中心静脈カテーテルの救出(salvage))は、ダプトマイシンで行うことができる。ダプトマイシンを用いたカテーテルの救出は、迅速な殺菌性、静止期の細菌に対する活性、およびバイオフィルムへの侵透および活性を含んでいよう。本発明は、ダプトマイシンを伴うバイオフィルム処理またはカテーテル救出に有用な製剤、方法、および製品を提供する。特定の製剤は、ラクトリンゲル液中にダプトマイシンを含む。
発明の詳細な説明
インビボモデルの概説
S.エピデルミディスのグリコカリックス(glycocalyx)を産生する臨床分離株を用いて、CVC感染のラットモデルを確立した。感染したカテーテルを通した採血によって、および剖検で末梢組織における細菌総量の測定によって感染を観測した。治療のシミュレーションでのダプトマイシン(5mg/mlで30分の注入)は、一時的に、検出不能なレベルまでカテーテル感染を減少させたが、感染の再起はよく見られた。ロック療法のシミュレーションでのダプトマイシン(5mg/mlで18時間ロック)は、治療的であり、再起を防止した。このモデルでのバンコマイシン(ロック療法での治療的である)はまた、臨床データは非常に制限されているが、認められている臨床経験とは反対に高レベルの有効性を有していた。
(本発明の特定の実施例)
A.CVC感染のラットモデル
頸静脈にカテーテルが挿入された雄性スプラーグ・ドーリー(Sprague Dawley)ラット(約250g)をこれらの試験に用いた。ラットのカテーテル(ポリウレタン製チューブ、内径0.025インチ)にS.エピデルミディスの培養物を5×10CFU/mlで接種した。カテーテル全量は、約40μlである。接種後1時間で、カテーテルをヘパリン処理した生理食塩水で洗い流し、毎日の洗浄によって維持した。カテーテルの感染は、毎日、採血を平板培養し、定量することによって監視した。
ダプトマイシン、バンコマイシンおよびナフシリンを治療に用いた。2種類の投与計画を用いた。第1は、全4日間、1日1回の30分間の輸液ラインでダプトマイシンを5mg/mlで投与する臨床注入を模倣し、毎日2回の60分間の5mg/mlでのバンコマイシンと比較した。第2の処方計画は、5mg/mlでのダプトマイシンまたはバンコマイシンの18時間曝露を用いた抗生物質のロック療法を模倣し、3日間毎日ヘパリン処理した生理食塩水で洗浄した。両方の処方計画では、動物は、皮下経路によって適切な抗生物質を非経口的に投与され、生体全体への曝露を模倣した(5mg/mlで輸液ラインを介した正確な投薬量を投与することが不可能であったためである。)。大半の試行は、治療期間を必要とし、生き残った細菌コロニーが原因となる感染の再発を監視するための抗生物質療法を行わない期間があった。
感染レベルは、感染したカテーテルを通した毎日の採血によって観測した。最終の摘出については、最終の採血がなされ、次に、洗浄したカテーテルが摘出され、超音波、ボルテックスおよび平板培養によって生き残った細菌について分析した。大静脈、心臓、肺、腎臓および脾臓を、無菌的な摘出、均質化および平板培養によって潜在的な移転性感染部位として分析した。
ラットモデルにおけるCVC救出結果
S.エピデルミディスのいくつかの異なる分離株をCVCモデルで試験した。分離株1315および1318が、カテーテルの感染および抗生物質の感受性に基づいてさらに試験するために選ばれた。
Figure 2008546429
Figure 2008546429
図1は、感染したカテーテルを通した採血によって観察された、安定なCVC感染が、接種後の第1日から第8日を通じて、5から6log10CFU/mlで維持されていたことを示す。CVC採血カウント[黒塗りシンボル]は、摘出したカテーテル[白抜きシンボル]から回収したカウントと類似していた。第5から7日の採血後に与えられた30分間のダプトマイシン(ラクトリンゲル中)の顕著な効果は、採血および摘出したカテーテルのCFUカウント[第6から8日]の両方によって示された。
図2は、採血によって、および摘出したカテーテルの超音波によって回復したCFUにおいて良好な相関があることを示す(R=0.81)。
図3は、CVC感染に対するダプトマイシン注入療法の有効性を示す。ダプトマイシン(白抜き三角、白抜き菱形)は日に1回投与され、バンコマイシン(黒塗り菱形)は日に2回投与され、両者は、治療3日後(第8日)、検出不能なレベルまでカテーテル感染を最大に減少させた。摘出したカテーテル(第9日)は、採血と同様のCFUカウントを示した。生理食塩水で処理したCVC感染は、感染経路を通じて>1×10CFU/mlの血液を生じた。
図4は、転移性感染におけるダプトマイシンおよびバンコマイシン注入療法の有効性を示す。生理食塩水で処理したCVC感染は、カテーテル先端への近接に比例して転移性感染を示した。大静脈、より少ない程度に肺および心臓組織の全ては、S.エピデルミディスの回復可能なCFUを示した。脾臓および腎臓は、CFUをほとんどない示さないかまたは全く示さなかった。ダプトマイシンおよびバンコマイシン療法(図3としての同じシンボルキー)の両方は、いずれの部位でも非常に少ない転移性感染を示した。
図5は、CVC感染の再発予防におけるダプトマイシン(生理食塩水およびラクトリンゲル注入)およびバンコマイシンの有効性を記録する。生理食塩水[白抜き菱形]またはリンゲル[黒塗り菱形]中のダプトマイシン(30分間の投薬、1日1回、第5から8日)は、第9日までに検出不能なレベルまで感染を減少させた。dHO中のバンコマイシン(60分間の投薬、1日2回、第5から8日)(白抜き三角)は、第8日までに陰性の採血培養物を生じた。抗生物質を含まないヘパリン洗浄の6日後(第15日)、ダプトマイシン−生理食塩水で処置した動物のうち3/6は、カテーテルを通した陽性採血を生じた。ダプトマイシン−ラクトリンゲルグループに関しては、たった1/6が、陽性採血を生じた。摘出したカテーテルは、ダプトマイシン−生理食塩水グループの5/6、およびダプトマイシン−リンゲルグループの3/6において、陽性なS.エピデルミディスCFUを生じた。バンコマイシンで処置した動物は、第15日で、0/6の陽性採血および2/6の陽性カテーテルを生じた。ラクトリンゲル中のダプトマイシンは、応答速度に関して生理食塩水中のダプトマイシンより優っており、有効性を維持していた。
図6は、CVC感染におけるロック療法(18時間曝露QD×3)の有効性を示す。ロック療法(第5、6および7日)によって与えられた3種の抗生物質は、全て一時的に浄化された採血をもたらした(第8日)。抗生物質を含まないヘパリン洗浄の7日後、全ナフシリン処置した動物は、陽性カテーテルを生じた。ダプトマイシン処置した動物については、0/6が陽性採血を示し、摘出時に1/6が陽性カテーテル(低い感染レベル)を示した。バンコマイシン処置した動物は、陽性の採血およびカテーテルを示さなかった。
図7は、移転性感染におけるロック療法の有効性を示す。バンコマイシンおよびダプトマイシンのロック療法はともに、SC投薬と組み合わせて、浄化し、転移性感染の再発を防止した。ナフシリン処置した動物はかなりの割合で、複数の部位で陽性の転移性感染を示した。
CVC感染およびカテーテルの得られたバイオフィルムの性質は、組織病理学を通じて決定された。組織病理学のデータは、下記のように要約することができる。
1.移植後8日、ラットの中心静脈カテーテルモデルは、カテーテルの内腔面において細菌コロニーの有無を問わずに局所的なバイオフィルムを発生する。この時点で、バイオフィルの厚さは、7から15ミクロンで変化する。
2.移植後12日、内腔面のバイオフィルムを形成する原線維は、より密集され、より組織化されているように見え、バイオフィルム層は僅かに厚くなっている(最大25ミクロン)。
3.生理食塩水の陰性対照では、細菌コロニーが、バイオフィルムに存在し、グラム陽性菌として同定された。
4.カテーテルを介した5mg/mLのダプトマイシン処理は、バイオフィルム形成を防止しなかったが、バイオフィルムのグラム陽性菌コロニーの成長および存在を妨げた。しかしながら、球菌様のグラム陽性の個々の円形構造体があった。
5.カテーテルを通した5mg/mLのバンコマイシン処理は、バイオフィルム形成を防止せず、またはバイオフィルムのグラム陽性菌コロニーの成長および存在を完全には妨げなかった。
図8は、カテーテル先端および大静脈の周辺組織でのCVC感染の写真を示す。
感染後第8日で、バイオフィルムが、留置カテーテルの大部分の内腔面に存在していた。これらのバイオフィルムは、表面に強く付着していた。これらのバイオフィルムは、数が変化する好塩基性顆粒状細菌コロニーと混ざって、好酸性の線維状から顆粒状の材料から構成されていた。グラム菌株は、グラム陽性菌である細菌コロニーであることが判明した。また、グラム染色した断面は、黄色がかった色から金色の線維組織としてバイオフィルムを着色し、<5から25ミクロンまで変化する。最後に、内皮表面は、軽度の過形成、および内皮下の線維性肥厚を示した。感染後第8日でのバイオフィルムの出現を示す図9を参照されたい。
未処理のラットでの移植後第12日で、前回と同じく、バイオフィルムは、留置カテーテルの内腔面に存在する傾向にあり、厚さは5から25ミクロン、数が変化する好塩基性顆粒状細菌コロニー(グラム菌株であると判明した)を含んでいた。しかしながら、前回とは対照的に、内腔のタンパク円柱(protein cast)の焦点部分は、より組織化されているように見え、無数の青みがかった細菌コロニーを含んでいた。感染後第12日でのバイオフィルムの出現を示す図10を参照されたい。図10に示されるように、インビボでの細菌バイオフィルムに対するそれぞれ30分および60分の点滴注入によるダプトマイシンおよびバンコマイシンの有効性の組織病理学的証拠を調査した。ラットA1は負の対照として用い、生理食塩水(カテーテルを介した2mL/kg SC+生理食塩水)を受け;ラットA6は、低い投薬量のダプトマイシン(カテーテルを介した10mg/kg SC+5mg/mL)を受け;ラットA12は、高い投薬量のダプトマイシン(カテーテルを介した33mg/kg SC+5mg/mL)を受け;ラットA17は、バンコマイシン(カテーテルを介した50mg/kg SC+5mg/mL)を受けた。4匹のラットの組織を評価した。下記の図11は、4匹全てのラットに関する所見で構成されている。
図11は、注入療法の4日後のダプトマイシンおよびバンコマイシンの有効性の組織病理学的証拠を提供する。図11では、左から右へ、画像は、それぞれラットA1、A6、A12、およびA17のCVC組織を示す。上段の画像は、全てH&E染色され、下段の画像は、全てグラム染色である。実際の細菌コロニー(赤および青の矢印)を含むバイオフィルムは、生理食塩水で処理したラット(A1)およびバンコマイシンで処理したラット(A17)にのみ同定された。ラット#A12は、高い投薬量のダプトマイシンを受けているが、ピンポイントの大きさの青色に染色した円形構造物(グラム染色)を有する焦点を示した。これらの円形構造体は、細胞膜を包囲するかまたは取り囲んでいた。これらの円形の物体は、細菌コロニーであるとは解明されていない。
(実施例2)
静止期細菌のインビトロモデル
静止期細菌における抗菌化合物の殺菌活性の影響を評価した。S.エピデルミディスおよびS.アウレウス(S.aureus)の培養物は、静止期(>1×10)まで成長させ、遠心分離し、2回洗浄し、次に、生理食塩水またはラクトリンゲル液に再懸濁させた。5mg/mlのダプトマイシンまたはバンコマイシンのいずれかを用いて培養物を処理し、生菌の減少を24時間中測定し、殺菌動力学を測定した。
生理食塩水では、ダプトマイシンおよびバンコマイシンのいずれも、S.エピデルミディスの静止期培養物に対して殺菌活性がなかった。図12を参照されたい。
図13は、静止期のS.エピデルミディスに対するラクトリンゲル中の5mg/mlのダプトマイシンおよびバンコマイシンの活性を比較する。ラクトリンゲルでは、ダプトマイシンは、S.エピデルミディスの静止期培養物に対して迅速に殺菌性であった。これに関する1つの可能な説明としては、ラクトリンゲル液は、生理学的濃度のカルシウムを提供するということである。バンコマイシンはラクトリンゲルでは殺菌活性がなかった。
(実施例3)
バイオフィルムのインビトロモデル(R.Patelら、2005)
メチシリン耐性凝固的陰性ブドウ球菌のバイオフィルムを、ガラス製試験管中で24時間、約10細胞/cmまで成長させ、浮遊細菌を洗い流し、抗菌剤を含むミューラー・ヒントン(Mueller Hinton)ブロス(ダプトマイシン試験では50mg/mLまでカルシウムを補給した)を試験管に添加した。試験した抗菌剤の濃度は、64から1μg/mLまで2倍希釈したダプトマイシン、リファンピン、またはダプトマイシン+0.5μg/mLのリファンピンであった。検査体は、大気中で37℃で一晩温置した。リンスしたバイオフィルム中の細胞密度は、抗菌剤の添加前および温置後に測定した。抗菌剤を用いた温置後の細菌密度の変化を測定し、バイオフィルムの細菌の99.9%を殺菌した抗菌剤の最低濃度として表した。リファンピンを含む検査体から回復した細菌は、リファンピン感受性について試験した。
インビトロでの細菌活性は、≦32μg/mLのダプトマイシンを用いた30のうち27個の分離株において、メチシリン耐性凝固的陰性ブドウ球菌のバイオフィルムに対するダプトマイシンについて観察した。リファンピン耐性の出現は、リファンピンへの曝露後に、27のうち5個の分離株において検出され、ダプトマイシン+0.5μg/mLのリファンピンへの曝露後に、27のうち6個の分離株において検出された;ダプトマイシンは、MRCNSバイオフィルムにおいてリファンピン耐性の出現を防げなった。
Figure 2008546429
結論
インビトロでは、ダプトマイシンは、静止期のS.エピデルミディスに対して細菌性であり、バンコマイシンは細菌性ではなかった。
ラットの中心静脈カテーテル(CVC)では、S.エピデルミディスで発生したバイオフィルムモデルは、ラットの右心房内に伸長する頸部カテーテルにおいて確かめられた安定な感染を提供した。カテーテルのバイオフィルム(厚さ25μm)は、組織病理学的に観察された。感染したカテーテルを通した採血による重度感染(10CFU/ml)が見られ、より低い感染密度は血液および臓器(しかし、カテーテル先端に最も近いところで高く、例えば、大静脈、心臓、肺)において観察された。感染したCVCを通した採血は、感染レベルと相関した。
カテーテルに染み込ませた5mg/ml(臨床的な輸液濃度)のダプトマイシンは、治療的に効果があった。より短期(30分間)の曝露(5mg/mL、QD×4)で、バイオフィルムを検出不能なレベルまで減少させが、感染の再起が一般的であった。より長期のロック療法(18時間)曝露(5mg/mL、QD×4)は、バイオフィルムを検出不能なレベルまで減少させ、感染の再起を大幅に防いだ。ラクトリンゲル(カルシウムを含む)に染み込ませたダプトマイシンは、生理食塩水に染み込ませたダプトマイシンと比較して、顕著に優れた効果を提示した。
バンコマイシンは、このモデルでは、インビトロでの静止期のS.エピデルミディスに対して(リンゲル中のダプトマイシンと)同等に効果的であったが、ダプトマイシンはラクトリンゲル中で殺菌性であり、バンコマイシンは殺菌性ではなかった。最後に、インビトロにおいて、メチシリン耐性凝固的耐性ブドウ球菌のバイオフィルムに対して、ダプトマイシンは、リファンピンよりも低濃度で殺菌性であった。
カテーテル感染の安定性、およびダプトマイシン処置の短期間の効果、およびCVC採血と摘出したCVC(CFU/ml)カウントの相関を示す。 採血によって測定したCFUと摘出したカテーテルからのCFUとの間の相関を示す。 CVC感染に対するダプトマイシンおよびバンコマイシンの有効性を比較する(30または60分の注入、第6から9日)。 転移性感染に対するダプトマイシンおよびバンコマイシン注入療法の有効性を比較する。 CVC感染の再発防止におけるダプトマイシン(生理食塩水およびリンゲル注入)およびバンコマイシンの有効性を比較する。 CVC感染におけるロック療法(18時間曝露QD×3)の有効性を比較する。 転移性感染におけるロック療法の有効性を示す。 カテーテル先端および大静脈の周辺組織でのCVC感染の観察を示す。 感染後第8日のバイオフィルムの出現を示す。 感染後第12日のバイオフィルムの出現を示す。 注入療法の4日後、ダプトマイシンおよびバンコマイシンの有効性の組織病理学的証拠を比較する。 静止期のS.エピデルミディスに対する生理食塩水中の5mg/mlダプトマイシンおよびバンコマイシンの活性を比較する。 静止期のS.エピデルミディスに対するラクトリンゲル中の5mg/mlダプトマイシンおよびバンコマイシンの相対活性を示す。

Claims (16)

  1. ラクトリンゲル液中のダプトマイシンおよび抗凝固剤を含む、カテーテルのバイオフィルムを処理するためのダプトマイシン製剤。
  2. 前記溶液中のダプトマイシンが少なくとも1mg/mLである、請求項1に記載のダプトマイシン製剤。
  3. 前記溶液中のダプトマイシンが少なくとも5mg/mLである、請求項1に記載のダプトマイシン製剤。
  4. 前記溶液中のダプトマイシンが少なくとも10mg/mLである、請求項1に記載のダプトマイシン製剤。
  5. 前記抗凝固剤がカルシウムと結合しない、請求項1に記載のダプトマイシン製剤。
  6. カテーテルのバイオフィルムのレベルを減少させるための方法であって、ラクトリンゲル液中のダプトマイシンの溶液をカテーテルに提供し、これによりカテーテルのバイオフィルムのレベルを減少させることを含む、方法。
  7. 前記溶液が少なくとも30分間提供される、請求項3に記載の方法。
  8. 前記バイオフィルムが検出不能なレベルまで減少する、請求項3に記載の方法。
  9. 前記バイオフィルムが減少し、再発しない、請求項3に記載の方法。
  10. 前記溶液が1日1回投与される、請求項3に記載の方法。
  11. 前記溶液が1日2回投与される、請求項3に記載の方法。
  12. 前記溶液が少なくとも1日4回投与される、請求項3に記載の方法。
  13. 前記溶液中のダプトマイシンの濃度が少なくとも1mg/mLである、請求項3に記載の方法。
  14. 前記溶液中のダプトマイシンの濃度が少なくとも5mg/mLである、請求項3に記載の方法。
  15. バイオフィルムを処置するのに十分な量のダプトマイシンを有するラクトリンゲル液を含む、カテーテルのバイオフィルムを処理するためのキット。
  16. カルシウムおよび抗凝固剤を含む溶液中のダプトマイシンを含む、カテーテルのバイオフィルムを処理するためのダプトマイシン製剤。
JP2008514786A 2005-05-31 2006-05-31 バイオフィルム処理およびカテーテル救出のためのダプトマイシン Pending JP2008546429A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US68592505P 2005-05-31 2005-05-31
PCT/US2006/021006 WO2006130629A2 (en) 2005-05-31 2006-05-31 Daptomycin for the treatment of biofilm and catheter salvage

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008546429A true JP2008546429A (ja) 2008-12-25

Family

ID=37482241

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008514786A Pending JP2008546429A (ja) 2005-05-31 2006-05-31 バイオフィルム処理およびカテーテル救出のためのダプトマイシン

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8003673B2 (ja)
JP (1) JP2008546429A (ja)
CA (1) CA2610716A1 (ja)
WO (1) WO2006130629A2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6696412B1 (en) 2000-01-20 2004-02-24 Cubist Pharmaceuticals, Inc. High purity lipopeptides, Lipopeptide micelles and processes for preparing same
US20060014674A1 (en) 2000-12-18 2006-01-19 Dennis Keith Methods for preparing purified lipopeptides
US9981069B2 (en) 2007-06-20 2018-05-29 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Bio-film resistant surfaces
EP2018864A1 (en) * 2007-07-23 2009-01-28 Biomet Deutschland GmbH Pharmaceutical composition, substrate comprising a pharmaceutical composition, and use of a pharmaceutical composition
EP2504353B2 (en) 2009-11-23 2023-09-13 Cubist Pharmaceuticals LLC Lipopeptide compositions and related methods
EP4066849A1 (en) * 2012-09-11 2022-10-05 Hospira Australia Pty Ltd Daptomycin formulations and uses thereof
EP3684436A1 (en) 2017-09-22 2020-07-29 Becton, Dickinson and Company 4% trisodium citrate solution for use as a catheter lock solution
AU2020293635A1 (en) * 2019-06-14 2022-01-27 Debiopharm International S.A. Medicament and use thereof for treating bacterial infections involving biofilm
US11173189B2 (en) 2020-03-12 2021-11-16 Baxter International Inc. Daptomycin formulations containing a combination of sorbitol and mannitol

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003063745A1 (en) * 2002-01-28 2003-08-07 Dsu Medical Corporation High-viscosity antibacterials for cannulaes
WO2004104019A2 (en) * 2003-05-14 2004-12-02 Zengen, Inc. Anti-inflammatory/anti-microbial peptides for use in dialysis

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6777420B2 (en) * 2001-06-15 2004-08-17 Microbiotix, Inc. Heterocyclic antibacterial compounds

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003063745A1 (en) * 2002-01-28 2003-08-07 Dsu Medical Corporation High-viscosity antibacterials for cannulaes
WO2004104019A2 (en) * 2003-05-14 2004-12-02 Zengen, Inc. Anti-inflammatory/anti-microbial peptides for use in dialysis

Also Published As

Publication number Publication date
WO2006130629A2 (en) 2006-12-07
WO2006130629A3 (en) 2009-04-23
US20090298750A1 (en) 2009-12-03
CA2610716A1 (en) 2006-12-07
US8003673B2 (en) 2011-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008546429A (ja) バイオフィルム処理およびカテーテル救出のためのダプトマイシン
Von Eiff et al. Infections associated with medical devices: pathogenesis, management and prophylaxis
Hawser et al. Resistance of Candida albicans biofilms to antifungal agents in vitro
Soboh et al. Effects of ciprofloxacin and protamine sulfate combinations against catheter-associated Pseudomonas aeruginosa biofilms
CN1901801B (zh) 镓抑制生物膜形成
Raad et al. Minocycline and ethylenediaminetetraacetate for the prevention of recurrent vascular catheter infections
Ryder Catheter-related infections: it’s all about biofilm
US7572439B2 (en) Enzyme disruption of bacterial biofilms
Bestul et al. Antibiotic lock technique: review of the literature
ES2731658T3 (es) Derivados triazolo(4,5-d)pirimidina para uso en la prevención y tratamiento de infección bacteriana
Capdevila et al. Lack of antimicrobial activity of sodium heparin for treating experimental catheter-related infection due to Staphylococcus aureus using the antibiotic-lock technique
Vicaretti et al. An increased concentration of rifampicin bonded to gelatin-sealed Dacron reduces the incidence of subsequent graft infections following a staphylococcal challenge
Belyansky et al. Lysostaphin-coated mesh prevents staphylococcal infection and significantly improves survival in a contaminated surgical field
Powell et al. A passive system using rifampin to create an infection-resistant vascular prosthesis
Giacometti et al. Comparative efficacies of quinupristin-dalfopristin, linezolid, vancomycin, and ciprofloxacin in treatment, using the antibiotic-lock technique, of experimental catheter-related infection due to Staphylococcus aureus
WO2006107944A2 (en) Improved method and apparatus for treating bacterial infections in devices
Bose et al. A challenge to medical science
US20100221237A1 (en) Enzyme disruption of bacterial biofilms
CN104159446B (zh) 透皮静脉通路锁定溶液
AU2018205685B2 (en) Antimicrobial compositions, including antimicrobial hydrogels, effective against mature biofilms
Owusu-Ababio et al. Efficacy of sustained release ciprofloxacin microspheres against device-associated Pseudomonas aeruginosa biofilm infection in a rabbit peritoneal model
Espersen et al. Experimental foreign body infection in mice
Sousa et al. Nanotechnology applied to medical biofilms control
Kumar et al. Advanced acuity in microbial biofilm genesis, development, associated clinical infections and control
Schinabeck et al. Biofilm-related indwelling medical device infections

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090527

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20101221

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120327

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120918