JP2008546324A - 選択的信号増幅のための方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
エルビウムの単一コイル及び受動光スプリッタを有する受動光ネットワーク用モジュールであって、デジタル信号及びアナログ信号は中心局/ヘッドエンド及び加入者建物からモジュールを通過するが、アナログ信号のみが信号増幅のためにエルビウムの単一コイルを通過する。
Description
本発明は、一般に、受動光ネットワークに関し、より特定的には、選択的信号増幅のための受動光ネットワークモジュールに関する。
本出願は、同時出願され、引用により全体が本明細書に組み入れられる「METHODS AND APPARATUS FOR MULTIPLE SIGNAL AMPLIFICATION」という表題の米国特許出願に関する。
受動光ネットワーク(PON)は、メトロポリタン・エリア・ネットワークのエンドユーザ又は加入者へ/から高帯域幅情報を提供するために使用される。通常、PONは、最高で32の総分割比を提供する1段階又は2段階の受動分割を備え、高価な放送機器及びデジタル・ダウンストリーム機器の費用分担を提供するファイバベースのツリーアーキテクチャ・ネットワークである。既存のPONは、専用ファイバドロップによって各加入者の建物まで約20キロの到達範囲を備え、異なる波長での共有TDMA(時分割多重アクセス)アップストリームを備え、さらに定義によれば、外部ファイバ設備に電力を備えていない。PONは使用されているものの、加入者一人当たりの費用が高いこと及び通信サービスプロバイダ又は通信事業者への利益率が低いことから、商業的には広く採用されてこなかった。高帯域幅及び双方向リンク上の双方向サービスに対する需要の増加に基づき、通信サービスプロバイダは様々な理由でPONに再び関心を抱いている。第1に、ファイル共有及びソフトウェアダウンロードなどの新たな用途には、現在のデジタル加入者回線(DSL)技術が提供できるものよりも、ずっと速い接続速度が必要となる。第2に、ケーブルテレビ(CATV)会社が提供するサービスとの激しい競争があり、CATV会社は既に放送テレビジョン市場の大部分を握っており、同質のインターネット接続及び電話サービスを提供している。通信サービスプロバイダが競争力を維持するためには、CATVのファイバ同軸ハイブリッドシステムの帯域幅を上回り得る技術及びネットワークを提供して、その幾つかはTV、POTS(基本電話サービス)及びインターネット接続などを含む、加入者が希望する全てのサービスを提供することが望ましい。
総称的にFTTxと呼ばれる、Fiber−to−the−home(FTTH)、fiber−to−the−business(FTTB)及びfiber−to−the−premises(FTTP)は、まさにそのような技術である。通信サービスプロバイダは、機器の価格を納得のいく投資利益率を与えるレベルにするFTTx PONソリューションを標準化しようと試みている。現行の加入者機器費用は、1段階又は2段階分割からの32−way共有であっても、数千ドルにのぼる。本発明は、外部設備での電力供給なしで、外部設備での増幅を検討することで、費用分担の問題に取り組む。増幅によって、「ロスバジェット」と呼ばれるシステム内の光パワーの減衰総量を改善し、付加的な分割及び/又は送信距離を増大できるようになることで、内部構造整備費、特にヘッドエンド電子機器及び光学機器費を、より多くの加入者に配分する。中心局(COs)の既存の分布から、距離の増大は必要ではないかもしれないが、幾つかのCOsを1つに集約することは、通常の送信距離を伸ばし、特に普及率が低いときに重要な機器の稼働率を改善する。
PONの種々の増幅モードは、以前から提案されており、文献中で周知のものである。しかし、付加的な機器の共有による費用節約を改善するため、増幅費を削減するのに必要な増幅モードが必要とされる。
本発明の1つの態様は、受動光ネットワーク(PON)で採用されるモジュールであり、モジュールは、エルビウムの単一コイル及び受動光スプリッタを有し、これによって、多数の信号は、CO/ヘッドエンド及び加入者からモジュールを通過し、アナログ放送信号のみが、モジュールに収容されたエルビウムコイルを通過する。
別の態様において、本発明は、FTTx PONを提供し、FTTx PONは、1つ又はそれ以上の高出力ポンプを有するCO/ヘッドエンドと、多数の信号を結合するための波長分割マルチプレクサ/デマルチプレクサ(WDM)システムと、エルビウムの単一コイル及び受動光スプリッタを有するモジュールとを有し、それによって、多数の信号がモジュールを通過するが、アナログ放送信号のみが、ファイバドロップを複数の加入者位置に与えるために、エルビウムコイル、ローカルコンバージェンスポイント(LCP)、及び1つ又はそれ以上のネットワークアクセスポイント(NAP)を通過する。代替的な実施形態においては、モジュールは、エルビウムコイルを、加入者建物内の機器による反射から保護するための随意的なアイソレータを有してもよい。好ましい実施形態においては、モジュールを有するFTTx PONは、LCPで1×32分割、NAPで1×4分割を提供し、したがって、128分割及び20キロメートルのネットワーク到達範囲を与える。対照的に、通常のPONは、LCPで1×4、1×8又は1×16分割、NAPで1×4分割を提供し、最大で32分割及び20キロまでのネットワーク到達範囲を提供するが、両方同時に提供するわけではない。好適な実施形態においては、エルビウムコイルは、CO/ヘッドエンドとLCPとの間に配置され、より好ましい実施形態においては、モジュールは、LCPスプリッタの直前に配置される。
さらに別の態様において、本発明は、受動光ネットワークのLCPに隣接する増幅器/スプリッタパッケージを提供する。好ましい実施形態においては、パッケージは、エルビウムの単一コイル及び受動光スプリッタを有し、これによって多数の信号がCO/ヘッドエンド及び加入者からパッケージを通過するが、アナログ放送信号のみがエルビウムコイルを通過する。パッケージ内で、デジタル・ダウンストリーム信号は、複数のWDMによりアナログ信号から分離され、再結合される。アナログ及びデジタル信号は、LCPの第1分割点で、1×32に分割されることが好ましい。さらに別の実施形態においては、付加的な分割又はより長いネットワーク範囲のために、CO/ヘッドエンドの半導体光増幅器(SOA)によって、付加的なゲインが達成される。SOAは、デジタル・ダウンストリームに対してはブースタ増幅器として機能し、デジタル・アップストリームに対しては前置増幅器として機能する。特定のポンプ共有構成、雑音指数の最適範囲、コイル長、ポンプ力、ゲイン及びゲイン平坦度に関して種々の実施形態が提供される。
本発明の付加的な特徴及び利点は、以下の詳細な説明に記載され、当業者であれば、一部はその説明から容易に明らかであり、又は、特許請求の範囲並びに添付の図面による詳細な説明を含む本明細書に説明される本発明を実施することにより認識される。
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、本発明の例示的な実施形態を提示するものであり、特許請求される通りに本発明の性質及び特性を理解するための全体像又は枠組みを提供することを意図するものであることを理解されたい。添付の図面は、本発明のさらなる理解のために含まれており、本明細書に組み込まれ、その一部となるものとする。図面は、詳細な説明と共に、本発明の種々の実施形態を説明し、その原理及び動作を説明するのに役立つ。さらに、図面及び説明は、例示的なものであることを目的としており、制限的なものではない。
ここで、本発明の例示的な実施形態を詳細に説明し、その例は、添付の図面に示されている。出来る限り、同じ参照番号が同じ又は同様な部品を指すように、図面全体を通して使用される。モジュールがPONに採用されるが、このモジュールは、エルビウムのコイル及び受動光スプリッタを有するものであり、多数の信号がモジュールを通過し、信号の一部のみが信号増幅のためにエルビウムコイルを通過し、これは図1に示され、全体が参照番号20によって表される。
詳細な説明全体を通して、現行のフルサービス・アクセスネットワーク標準は、アナログ・ダウンストリームを1550から1560ナノメートル(nm)の間、デジタル・ダウンストリームを1480から1490nmの間、さらにデジタル・アップストリームを1260から1360nmの間に指定している。本発明は、これらの波長指定を保持する。ここで図1を参照すると、受動増幅要素22及び一対の波長分割マルチプレクサ(WDM)24を収容する、増幅/スプリッタモジュール20を有するPONの一部が示されている。1つの実施形態において、受動増幅要素22は、エルビウムの単一コイルであり、エルビウムの単一コイル22として参照されることもある。ここで使用される「受動増幅要素」という用語は、エルビウムのコイルのように電気がなくても光信号を増幅できる全てのものを指す。1つの実施形態において、1×32スプリッタ26は、モジュール20の構成要素とすることができる。幾つかの実施形態においては、1×32分割は、モジュール20の下流方向にあるローカルコンバージェンスポイント(LCP)で発生する(図2の参照番号52)。
モジュール20アーキテクチャは、第1光分岐28と、第2光分岐30とを有し、ここで第1光分岐28は、エルビウムの単一コイル22を有する。アナログ・ダウンストリーム、デジタル・ダウンストリーム及びデジタル・アップストリームを含む全ての多数の信号は、CO/ヘッドエンド32及び加入者34(図2の参照番号34)からモジュール20を通過するが、アナログ放送信号のみが、増幅のために第1光分岐を通過する。第1及び第2光分岐28、30は、アナログ信号が第1分岐を通過し、デジタル信号は同時に第2分岐30を通過するという意味で平行である。2つの受動帯域通過光フィルタは、一方がモジュール20の入力端部31に設置され、もう一方が出力端部33に設置され、デジタル・アップストリーム及びダウンストリーム信号をリダイレクトさせて、増幅器/スプリッタパッケージ内の第2の、もう1つの経路に通す。
第1光分岐28は、エルビウムゲインスペクトルの1550乃至1560nmの帯域で機能する。エルビウムコイル22は、コイル22に入射する弱いアナログ信号を励起することによって、増幅器として機能する。エルビウムコイル22は、アナログ信号を増大させ、デジタル信号のロスバジェットよりも約3dBだけ悪いアナログ信号のロスバジェットを補償する。幾つかの実施形態においては、アナログ信号のロスバジェットは、エルビウムコイル22によって提供されるゲインによって、デジタル信号のロスバジェットと等しくされる。換言すると、約3dBのエルビウムゲインは、3つの全ての信号に対するロスバジェットを等しくする。
ダウンストリームデジタル信号は、第1WDM36で、ダウンストリームアナログ信号から分離され、その後、第2WDM38によって、エルビウムコイル22の後に再結合される。アップストリームデジタル信号は、逆の順序で分離され、その後、再結合される。上述の通り、第1及び第2WDM36、38は両方とも、簡易な低域通過フィルタとすることができる。第1モジュールWDM36の前に、多数の信号が、種々の波長の光により運ばれて、単一の光ファイバ40を通過し、通常のWDMシステム42を通過する。通常のWDMシステム42は、それぞれがマルチプレクサに連結された一連の送信機を有する送信システムを含む。マルチプレクサは、光ファイバ40に連結された出力部を提供する。図示しないが、受信側端部は、デマルチプレクサ及び一連の受信機を有するシステムである。光ファイバ40は、受信システムのデマルチプレクサの入力部にも連結される。WDMは、適切な波長で光信号を送信し、光ファイバ40に沿って送信のために信号を結合する。
光ファイバは、ノースカロライナ州ヒッコリー所在のコーニングケーブルシステムズ社から入手可能な、SMF−28(登録商標)、HI980又はHI1060の単一モード光ファイバとすることができ、これらのファイバは、エルビウムドープされたファイバと連結されたときに、接続損失が一貫して低い。ゲイン平坦化フィルタ(GFF)は、1550から1560nmの帯域幅が十分に平坦であるという事実により必要とされない。随意的なアイソレータ44を第1光分岐28のモジュール内に収容して、顧客建物内の機器による反射からエルビウムコイル22を保護することができる。
上述の通り、分割はモジュール20内で発生することがあるが、通常は増幅後LCP内で発生する。LCPは、CO/ヘッドエンド32からの第1スプリッタであり、典型的には、CO/HE32と1つ又はそれ以上のネットワークアクセスポイント(NAP)との間に設置される(図2の参照番号54)。1つの実施形態においては、LCPでの本発明の分割比は1×32に改善したのに対して、従来の分割比は、LCPで1×4、1×8又は1×16であった。1つの実施形態においては、エルビウムコイル22を有するモジュール20は、LCPの直前に、CO/ヘッドエンド32から約0から20キロメートルの距離に設置される。増幅器/スプリッタモジュール20は、エンクロージャ内に含まれてもよいし又は付加的なネットワーク構成要素を有するエンクロージャ内に収容されてもよい。モジュール20をLCP内に設置してもよい。1つの実施形態においては、遠隔励起エルビウムコイル22の規格は、1550乃至1560nmの波長(チャネル数による)、約5乃至15mの長さ、9乃至13.5dBmの光入力(15dBmピン、1dB接続損失、1.25乃至5と仮定)、3乃至13dBのゲイン(一定ゲイン)、最大0.5dB/nmのゲイン傾斜(CSO<−59に対して)、そして5.0乃至6.7dBの雑音(6.75dBで<0.5dB△CNR)を有する。モジュール20は、外部設備での電力供給がなくても、外部設備での増幅を提供する。1つ又はそれ以上の1480nmポンプ46から発生する波長は、遠隔的にエルビウムコイル22を励起し、それによって、エルビウムコイル22及びアナログ送信信号を活性化する。エネルギーは、LCPを超えて伝播することはないが、LCPでの分割を増加させるための信号を増幅するのに使用される。誘導ブリルアン散乱(SBS)は、1550nmで信号の忠実度を阻害するが、1480nmでは忠実度は重要ではなく、光電力のみが重要である。約63乃至約100mWの出力が、20キロメートルのネットワークには望ましいが、ネットワークの長さ及び分割数により異なることがある。出力範囲は、必要最低限量から出ないようにされて、処理可能なSNRを保証し、最高出力から出ないようにされて、誘導ブリルアン散乱(SBS)の発現を避ける。代替的な実施形態においては、LCPで1×4、1×8又は1×16分割を有する通常のネットワークは、エルビウムコイル及び低出力レーザダイオードを使用することにより、本発明の原理から恩恵を受けて、同数の加入者に電力を供給することができる。
ここで図2を参照すると、CO/ヘッドエンド32の1480nmポンプ46及びLCPスプリッタ26の直前のエルビウムコイル22を有するFTTx PONを示すブロック図が示されている。図示される実施形態においては、デジタル・ダウンストリーム信号48及びアナログ・ダウンストリーム50信号は、ポンプWDM46の前で結合される。CO/ヘッドエンド32は、1つ又はそれ以上の高出力ポンプを有する。典型的には、WDMシステム42は、多数の信号を結合し、CO/ヘッドエンド32の直後に配置される。エルビウムの単一コイル22及び一対のWDMを有するモジュール20は、WDMシステム42とLCP52との間に配置される。1つ又はそれ以上のNAP54は、通常LCP52と加入者建物54との間に配置される。LCP52での分割比が1×32のとき、信号レベルは、騒音レベル程度まで低下することはないように、モジュール20はポンプ46から最大20キロメートルの距離に配置されることが好ましく、この段階では、エルビウムコイルは、騒音と信号を区別することが出来ないこともある。
図3を参照すると、エルビウムのコイルがLCP52に取り付けられた、128の総分割及び20キロメートルの到達範囲をもつ例示的なFTTx PONを示すブロック図が示される。エルビウムのコイル22は、LCP分割比及び/又はネットワーク到達範囲を増大させる。幾つかの実施形態では、FTTx PONはLCPで1×32分割56を与え、NAPで1×4分割58を与え、それによって128分割及び約20キロメートルのネットワーク到達範囲を提供する。図示される例示的なFTTx PONにおいては、CO/ヘッドエンド32との間の距離は約0乃至18キロメートルの範囲とすることができ、LCP52から個々のNAP54への距離は約0乃至4キロメートルの範囲とすることができ、NAP54から加入者建物34への専用ドロップは、128分割を備えるネットワークの最高到達範囲がおよそ20キロメートルであるのに対し、約0乃至500フィートに及ぶ範囲になることがある。図では、ファイバコイル40が示され、モジュール20がCO/HE32から間隔を置いてあり、これらのコイルがエルビウムコイル22と混同されることがないように示されている。
図4を参照すると、単一の高出力ポンプレーザダイオード46が、2つのPON60、62の間で分割される、ポンプ共有構成を示すブロック図が示されている。3デシベル(dB)タップカプラ又はスイッチカプラ64が、調整可能なゲインを提供するために使用されることがあり、これは、PONの損失がファイバ距離、分割比、コネクタの数と異なるために又は他の理由のために不均一な場合に有効な特徴である。これは、2つのファイバ出力部を備えるNAPで特に有効であり、1つのポンプが各NAPを制御する。図2に示されるように、エルビウムコイル22は、CO/ヘッドエンド32の後の各PON内に配置されるが、LCP52の前に配置される。図5を参照すると、2つの低出力ポンプレーザダイオード46が、2つのPON60、62の間で共有される、ポンプ共有構成の代替的な実施形態を示すブロック図が示されている。この構成の1つの利点は、ポンプが故障した場合の信頼性が高いことである。ポンプ46は、アナログ経路の増幅エルビウムコイル22を駆動するために使用される。2つのポンプ46の構成において、両方のレーザが、アナログ経路のエルビウムコイル22を駆動することができる。両方の構成において、ポンプレーザダイオード46は、スイッチカプラ64及びそれぞれのWDM装置42によってエルビウムコイル22を駆動する。いずれのポンプ構成に対しても、PON60、62の各々へのゲイン又は出力は、独立して制御され得る。
さらに別の実施形態において、本発明は、受動光ネットワークのLCP52における増幅器/スプリッタパッケージを提供する。パッケージはエルビウムの単一コイル22及び受動光スプリッタを有し、それによって多数の信号が、CO/ヘッドエンド32及び加入者からパッケージを通過するが、アナログ放送信号のみがエルビウムコイルを通過することが好ましい。前述の実施形態のように、デジタル・ダウンストリーム信号は、複数のWDMによって、パッケージ内でアナログ信号から分離及びアナログ信号と再結合される。アナログ及びデジタル信号は、LCP52の第1分割点で1×32に分割されることが好ましい。この特定の実施形態においては、付加的な分割又はより長いネットワーク到達範囲のために、付加的なゲインが、CO/ヘッドエンド32の半導体光増幅器(SOA)により実現されることがある。SOAは、デジタル波長に合わせた広域ゲイン帯域幅を提供し、ファイバ型エルビウム増幅器は、アナログ信号の高出力に理想的である。SOAは、デジタル・ダウンストリームに対してはブースタ増幅器として機能し、デジタル・アップストリームに対しては前置増幅器として機能する。SOAを含む実施形態は、図6に示される。
図6を参照すると、デジタル波長に合わせたSOAを有するヘッドエンドの1つの実施形態を説明するブロック図が示されている。アナログ信号及びデジタル信号は、全てFSAN対応である。近接波長間隔のために、ポンプ46及びデジタル・ダウンストリーム48は、WDM42の前の偏光マルチプレクサ(PMUX)によって結合される。デジタル1490nm信号用プリアンプ70及び1310nmデジタル・アップストリーム信号74用のSOAブースタ72の場所が図示される。簡易な帯域通過フィルタ機能をWDMに使用することができる。LCP52は、ローカルコンバージェンスポイント又はCO/ヘッドエンド32からの第1スプリッタである。さらに、この解決策では、顧客建物のトリプレクサ内の送信機が、帯域限定型である必要がない。SOAと比較して、さらに制限されたエルビウム帯域幅は、分布還流型(DFB)又は垂直共振器表面発光レーザ(VCSEL)送信機に、温度に対する信号ゲインを維持させる。
表1(a)及び表1(b)を参照すると、デジタル光信号対雑音比(OSNR)への増幅器の雑音指数の影響が図示されており、表1(a)はデジタル・ダウンストリームであり、表1(b)はデジタル・アップストリームである。8.5dBのQに対応する2.1dBのOSNRは、622Mb/秒のデータ転送速度で十分である。エルビウムゲイン帯域幅は、1550nmと1560nmとの間である。これは発光スペクトルの平坦部であるため、付加的なゲイン平坦化フィルタは必要とされない。SOAは、エルビウムよりも広い帯域幅を備えており、これによって非冷却ファブリ・ペロー(FP)レーザダイオードの使用が可能になる。
SOA雑音指数に対して、一台のみの増幅器があり、データ転送速度が低いと仮定すると、雑音指数は、デジタル伝送性能に厳しい要件を設定しない。通常のSOAの比較的高い雑音指数で十分である。しかし、アナログ雑音指数は、0.5dBより少ない搬送波対雑音比劣化に対して、6.7dB以下にとどまることが好ましい。エルビウムファイバ増幅器は、ポンプ電力が適切に指定されれば、これを実現し得る。したがって、上述のハイブリッド増幅器構成は、アクセスネットワークに十分な性能を提供し、指定されたFSAN波長内にとどまる。SOAは、デジタル波長に合わせた広ゲイン帯域幅を提供し、ファイバベースのエルビウム増幅器は、アナログ信号の高出力に理想的である。通常の雑音指数は、送信を阻害しない。将来的な費用削減のために、SOAは送信機又は受信機に統合されることができる。
LCPの前にエルビウムコイルでアナログ信号を増幅する1つの利点は、分割の増加に対して、信号強度を押し上げることであり、これが費用削減につながる。PONのファイバ設備外部での遠隔増幅は、アナログ信号の誘導ブリルアン散乱を避ける一方、高額な共有機器の費用を、より多くの加入者に分散させる。今日、ほとんどSBS限定の信号電力が、CO/ヘッドエンドで始まり、アナログ信号電力バジェットを最大化する。遠隔増幅は、ゲインが加えられる前、スプリッタの直前に、信号電力がファイバ設備で低下することを可能にする。ゲインは、電力バジェット電力バジェットを増加させて、より多くの光分割、ファイバ、又はコネクタからの損失の増加が可能になる。今日のアーキテクチャ及び構成要素の費用を考えると、光分割を増加させることで、最大の費用節約が提供され、CO/ヘッドエンドから8kmまでの加入者に対しては1×16分割から、及び、CO/ヘッドエンドから約8から20キロメートルまでの間にいる加入者に対しては1×32から少なくとも1×128分割まで増加させる。約7dBという、必要な付加的なゲインは、遠隔励起エルビウムコイルで、費用効率良く実現される。増強された送信機速度の将来的な上昇は、増幅器ゲインの増強によって調整され得る。
当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなしに、本発明に種々の変形及び変更が加えられ得ることが明らかであろう。したがって、本発明は、本発明の変形及び変更が特許請求の範囲及びそれに相当するものの範囲内であるのであれば、本発明の変形及び変更を網羅することを意図している。
Claims (20)
- 受動光ネットワークにおいて使用するためのモジュールであって、
エルビウムの単一コイルと、
受動光スプリッタと、を有し、
デジタル信号及びアナログ信号は中心局/ヘッドエンド及び加入者建物からモジュールを通過し、アナログ信号のみが信号増幅のためにエルビウムの単一コイルを通過する、ことを特徴とするモジュール。 - 前記デジタル信号及びアナログ信号は、フルサービスアクセスネットワーク標準準拠であり、アナログ・ダウンストリームは1550nm乃至1560nmの間に、デジタル・ダウンストリームは1480nm乃至1490nmの間に、デジタル・アップストリームは1260nm乃至1360nmの間に定められる、ことを特徴とする請求項1記載のモジュール。
- 加入者建物内の機器による反射から前記エルビウムの単一コイルを保護するように機能するアイソレータを更に有する、ことを特徴とする請求項1記載のモジュール。
- 前記受動光スプリッタは、モジュールの入力端部に配置された第1帯域通過光フィルタと、モジュールの出力端部に配置された第2帯域通過光フィルタとを有し、前記第1及び第2帯域通過光フィルタは、デジタル・ダウンストリーム信号及びデジタル・アップストリーム信号をリダイレクトさせて、前記アナログ信号から分離したモジュール内の別の経路を通すように機能する、ことを特徴とする請求項1記載のモジュール。
- 前記エルビウムの単一コイルによって、約3dBのエルビウムゲインが、前記アナログ信号に適用される、ことを特徴とする請求項1記載のモジュール。
- 付加的な追加ゲインは、デジタル・ダウンストリーム信号を増幅し、かつデジタル・アップストリーム信号を前置増幅するように機能する、中心局/ヘッドエンドに設置された1つ又はそれ以上の半導体光増幅器を使用して達成される、ことを特徴とする請求項1記載のモジュール。
- モジュールがローカルコンバージェンスポイントの直前の受動光ネットワーク内に配置される、ことを特徴とする請求項1記載のモジュール。
- 前記エルビウムの単一コイルによる前記アナログ信号の増幅は、前記受動光ネットワークのローカルコンバージェンスポイントで、1×32の分割比を可能にする、ことを特徴とする請求項7記載のモジュール。
- デジタル信号及びアナログ信号を発生させるための中心局/ヘッドエンドと、
前記デジタル信号及びアナログ信号を分割するための受動光ネットワークの第1分割点として機能するローカルコンバージェンスポイントと、
加入者建物と、
前記中心局/ヘッドエンドと前記ローカルコンバージェンスポイントとの間に設置されたモジュールと、を有し、
前記モジュールは、エルビウムのコイル及び受動光スプリッタを収容し、それによって、デジタル信号及びアナログ信号は前記中心局/ヘッドエンド及び加入者建物から該モジュールを通過し、前記アナログ信号のみが、前記モジュール内に収容された前記エルビウムのコイルを通過する、ことを特徴とするネットワーク。 - 前記モジュールは第1及び第2光分岐を構成し、前記第1光分岐は、前記アナログ信号のみを増幅するための前記エルビウムのコイルを有し、前記第2光分岐は、前記デジタル信号をリダイレクトさせて、前記モジュール内の別の経路を通す、ことを特徴とする請求項9記載の受動光ネットワーク。
- 前記エルビウムのコイルは、1550nm乃至1560nmの帯域内のアナログ信号を増幅する、ことを特徴とする請求項9記載の受動光ネットワーク。
- 前記エルビウムのコイルは、前記デジタル信号及びアナログ信号の損失を等しくするのに十分なゲインを与える、ことを特徴とする請求項9記載の受動光ネットワーク。
- 前記受動光スプリッタは、前記モジュールの入力端部に配置された第1帯域通過光フィルタと、前記モジュールの出力端部に配置された第2帯域通過光フィルタとを有し、前記第1及び第2帯域通過光フィルタは、前記デジタル信号をリダイレクトさせるように機能する、ことを特徴とする請求項9記載の受動光ネットワーク。
- 前記モジュールは、128分割の総分割比及び/又は20kmのネットワーク到達範囲のために、前記ローカルコンバージェンスポイントでの前記デジタル信号及びアナログ信号の1×32分割、及びダウンストリームネットワークアクセスポイントでの1×4分割を可能にするのに十分なアナログ信号におけるゲインを与える、ことを特徴とする請求項9記載の受動光ネットワーク。
- デジタル・ダウンストリーム信号を増幅し、デジタル・アップストリーム信号を前置増幅するために、中心局/ヘッドエンドに1つ又はそれ以上の半導体光増幅器を更に有する、ことを特徴とする請求項9記載の受動光ネットワーク。
- 前記モジュールは、前記アナログ信号を増幅するために、前記光ネットワークの分割点の直前に配置される、ことを特徴とする請求項9記載の受動光ネットワーク。
- 前記エルビウムのコイルは、長さが約5乃至15メートルの範囲である、ことを特徴とする請求項9記載の受動光ネットワーク。
- 受動光ネットワーク損失が、ファイバ距離、分割比、又はコネクタの数の距離により不均一であるとき、前記中心局/ヘッドエンドが、調整できるゲインを提供するために、2つの受動光ネットワークとスイッチカプラとの間に単一のポンプ分割を有する、ことを特徴とする請求項9記載の受動光ネットワーク。
- 前記中心局/ヘッドエンドは、単一のスイッチカプラを通る2つの受動光ネットワークの間で共有される2つのポンプを有する、ことを特徴とする請求項9記載の受動光ネットワーク。
- 全てでない信号の増幅が、受動増幅要素及び受動光スプリッタを収容するモジュールを通して発生して、多数の信号がヘッドエンド及び加入者からモジュールを通過し、全てでない信号は、前記モジュール内に収容された前記受動増幅要素を通過する、ことを特徴とする受動専用ネットワーク。
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