JP2008544224A - 静脈血栓塞栓症の診断のための方法および組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、被験体における症状に基づく鑑別診断、予後診断、および治療計画の決定のための方法および組成物に関する。本発明は特に、静脈血栓塞栓症、肺塞栓症、および/または深部静脈血栓症の確定または除外、並びにそれらの症状におけるリスク層別化のために選択される方法および組成物に関する。

Description

本発明は静脈血栓塞栓症(“VTED”)に関連する診断マーカーの同定および使用に関する。種々の観点においては、本発明はVTED、肺塞栓症、および深部静脈血栓症の診断に使用するための方法および組成物、並びにそれらの患者におけるリスクの層別化に関する。
発明の背景に関する以下の記述は、単に読者の本発明の理解を促進するために提供するものであって、本発明の従前技術を記述または構成すると認めるものではない。
静脈血栓塞栓症(“VTED”)とは、深部静脈血栓症(DVT)および肺塞栓症(PE)を含む一連の症状を意味する。VTEDの推定年間発症率は100,000人当たり117例である。発症率は60歳以上で顕著に上昇し、85歳では100,000人当たり900例という高さになりうる。Silversteinら,Ard. Intern. Med. 158: 585-93, 1998。VTEDのリスク因子には加齢、長期臥床、手術、外傷、腫瘍、妊娠、エストロゲン投与(例えば経口避妊ピル、ホルモン治療、タモキシフェン)、うっ血性心不全、高ホモシスチン血症、血液粘性を変化させる疾患(例えば赤血球増加症、鎌状赤血球症、多発性骨髄腫)、および遺伝性血栓症素因がある。VTED患者の約75%は少なくとも1つの確立されたリスク因子を有する。Heitら, Arch. Intern. Med. 162: 1245-48, 2002。
臨床的に最も重要なPEは下肢、特に膝窩、大腿部、または腸骨静脈の近位DVTに由来する。MoserおよびLeMoine, Ann. Intern. Med. 94(4 pt 1): 439-44, 1981。上肢DVTは、より頻度は低いものの、PEを誘発しうる。上肢DVTの更に頻度が低い原因としてパジェット・シュレター(Paget-Schroetter)症候群(若年運動選手における特発性上肢DVT)がある。DVTの典型的症状には患肢の膨張、疼痛、および退色がある。身体診察により、血栓が形成された静脈の触診可能なコード(cord)、片側浮腫、熱感、および表在静脈怒張の所見が得られうる。それらのDVTの典型的な症状は診断価値の低いものであり、他の疾患(例えば筋骨格障害、蜂巣炎、および静脈不全)でも起こりうる。DVT同様、PEも他の疾患に伴う一連の非特異的兆候および症状を特徴とする。既存の心肺疾患を有さない個体における最も一般的な症状は呼吸困難、胸膜炎性胸痛、咳、下肢浮腫、下肢疼痛、喀血、および動悸である。
“D-ダイマー”として知られるフィブリン分解ポリペプチドは内因性線維素溶解のマーカーであり、従って静脈血栓塞栓症患者の血液中で検出されるはずである。最近の研究では、臨床評価およびD-ダイマーアッセイの陰性結果を併せることによりDVTが効果的に除外されることが明らかとなった。Wellsら, N. Engl. J. Med. 349: 1227-1235, 2003。同様に、D-ダイマー試験と臨床評価との併用は、救急科に訪れる患者のPEを除外するのに有効である。Wellsら, Ann. Intern. Med. 135: 98-107, 2001。
発明の概要
本発明は静脈血栓塞栓症の検出マーカーの同定および使用、並びにVTED患者におけるリスクの層別化に関する。本明細書に記載する方法および組成物は、当該分野における種々の型のVTEDの診断および鑑別に使用する迅速、高感度、かつ特異的な診断アッセイの必要性に合致する。更に、本発明の方法および組成物を使用して、患者の治療、並びに更なる診断および/または予後指標の開発を促進することもできる。
種々の観点においては、本発明は以下に関する:患者におけるVTEDの診断、予後、または鑑別に関連するマーカーを同定するための物質および方法;患者の診断および治療、並びに/または治療計画の経過のモニタリングにおけるそれらマーカーの使用;VTEDに関連する1またはそれ以上の有害転帰のリスクがある被験体を同定するためのそれらマーカーの使用;および、それらの症状の治療または予防において(例えば有効性に関して)利益をもたらしうる化合物および医薬組成物のスクリーニング。
本発明の第1の観点においては、VTED、PE、および/またはDVTの診断法について記述する。それらの方法は、被験体から得た1またはそれ以上の試験サンプルについて1またはそれ以上のアッセイを行い(それらのアッセイは本明細書に記載するマーカーの1またはそれ以上を検出するよう構成される)、実施したアッセイの結果を(通常はマーカーの存在または量の形態で)使用して被験体にVTED、PE、および/またはDVTが存在するかしないかを判定することを含む。好ましくは、異なる生化学マーカーを検出する複数の異なるアッセイを併せて診断“パネル(panel)”に使用する。それらのパネルは2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、もしくはそれ以上、または個別のアッセイを含んでもよく、必要により被験体の身体的特徴に関連する1またはそれ以上の数値を含んでもよい。最も好ましくは、これらのパネルは被験体から得た1またはそれ以上の試験サンプルについて複数のアッセイを実施することを含み、それらのアッセイは以下から成る群から選択される複数のマーカーを検出するよう構成される:血圧調節関連マーカー、炎症関連マーカー、アポトーシス関連マーカー、活性酸素種関連マーカー、心筋障害関連マーカー、肺障害関連マーカー、並びに凝固および止血関連マーカー。
関連する観点においては、本発明はVTED、PE、および/またはDVTに罹患した被験体の1またはそれ以上の臨床転帰のリスクを判定する方法を特徴とする。それらの方法は、被験体から得た1またはそれ以上の試験サンプルについて1またはそれ以上のアッセイを行い(それらのアッセイは本明細書に記載する1またはそれ以上のマーカーを検出するよう構成される)、実施したアッセイの結果を(通常はマーカーの存在または量の形態で)使用して被験体の1またはそれ以上の転帰のリスクを判定することを含む。診断の場合と同様、好ましくは異なる生化学マーカーを検出する複数の異なるアッセイを併せて予後“パネル”に使用する。それらのパネルは2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、もしくはそれ以上、または単一のアッセイを含んでもよく、必要により被験体の身体的特徴に関連する1またはそれ以上の数値を含んでもよい。
それらの方法に使用するのに好適なマーカーについての詳細を以下に記載する。好ましくはそれらの方法は以下から成る群から選択される1またはそれ以上のマーカーを検出するよう構成した1またはそれ以上のアッセイを実施することを含む:酸性カルポニン、アドレノメデュリン、アンジオポイエチン-4、塩基性カルポニン、BMP-4、BNP、BNP1-1O8、BNP3-108、BNP79-108、カスパーゼ-3、CCL11、CGRP、CK-BB、CK-MB、CRP、D-ダイマー、sELAF、エンドセリン-1、GSTP、hFABP、IL-1ra、IL-25、レプチン、sLTBR、MCP-1、MMP-9、MPO、NDKA、ニューロピリン-2、NGAL、PLGF-1、PLGF 1+2、活性型プロテインC、総プロテインC、PSAP-A、PSAP-B、PSAP-C、PSAP-D、sRAGE、sPECAM-1、スペクトリン145、TIE-2、組織因子、sTNFR1a、sTNFRSF7、TNFsR14、TpP、UFDP1H、UPA、VCAM-1、VE-カドヘリン、VEGF、sVEGF-R1、VWF-インテグリン、およびANP28-151。これらの好ましいマーカーは個別に使用するか、あるいは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、もしくはそれ以上、または単一のアッセイを含み、必要により被験体の身体的特徴に関連する1またはそれ以上の数値を含むパネルとして使用してもよい。
ある態様では、アッセイ(単数または複数)の結果(単数または複数)のそれぞれをVTED、PE、および/またはDVTの診断または予後に関係するレベル(“閾値”)と比較してもよい。被験体の選択されたマーカーの結果のそれぞれを目的の各マーカーの予後診断の閾値と相関させることにより、被験体を(例えばこれらの疾病の1つに罹患している、またはこれらの疾病の1つに罹患していない)診断群に割り当ててもよい。同様に、被験体のマーカー結果を各マーカーの閾値と相関させることによって、被験体が将来的に1またはそれ以上の有害転帰を有する可能性またはリスクを測定してもよい。
他の態様では、パネル中の1またはそれ以上のマーカーについての特定の閾値によらないで、被験体から得たマーカーレベルのプロフィールが特の診断または予後を示唆しているかどうかを判定する。むしろ、本発明はマーカーのプロフィール全体の評価を用いてもよい。例えば、種々のマーカーレベルでのパネルについて、特定のマーカー・パネルの感度を(1-特異度)に対してプロットしたROC曲線を作成することにより、被験体由来のマーカー測定値のプロフィールを併せて考慮して、個体において観察される症状(単数または複数)が特定の基礎疾患に起因する大局的な可能性(数値によるスコアまたはリスク%で表される“パネル応答”)を求めてもよい。それらの態様では、ある種のマーカー・サブセット上昇(または低下)がある患者において特定の診断を示すのに十分である一方で、別の患者においては異なるマーカー・サブセットの上昇(または低下)が同じ、または別の診断を示すのに十分であり得る。それらの分析の実施方法は後述する。
更に別の態様では、1またはそれ以上のマーカーを複数回測定し、マーカーの一時的な変化を用いて、観察される症状(単数または複数)の特定の原因の1またはそれ以上を確定または除外する。例えば、1またはそれ以上のマーカーを開始時と2回目に測定し、一定期間にわたるマーカーレベルの変化(または変化がないこと)を測定してもよい。それらの態様では、開始時から第2の時点までのマーカーの上昇によって1またはそれ以上の症状の根底にある特定の疾病、特定の予後などを診断してもよい。同様に、開始時から第2の時点までのマーカーの低下によって1またはそれ以上の症状の根底にある特定の疾病、特定の予後などを診断してもよい。1またはそれ以上のマーカーの一時的な変化を1時点でのマーカーレベルと併用して、マーカー・パネルの鑑別能を高めてもよい。更に別の選択として、“パネル応答”をマーカーとして扱い、パネル応答の一時的な変化によって1またはそれ以上の症状の根底にある特定の疾病、特定の予後などを診断してもよい。
受信者動作特性曲線または“ROC曲線”は、一般に、変数の値を“健常群”および“罹患群”におけるその相対頻度に対してプロットすることによって作成し、ここで“健常”および“罹患”は単に目的とする特性の非存在または存在を示す。いずれの特定のマーカーでも、“罹患”した被験体と罹患していない被験体のマーカーレベル分布は重複すると考えられる。それらの条件下では試験によって健常と罹患が100%の精度で完全に鑑別されることはなく、重複領域はその試験が健常と罹患を鑑別できない部分を示している。閾値の選択は、試験で異常だと見なされる値より上(または、マーカーが疾病によってどのように変化するかによっては、下)、そして試験で正常と見なされる値より下で選択する。ROC曲線下面積は、感知された測定値によって疾病の正確な同定ができる可能性の尺度である。ROC曲線は、試験結果が必ずしも正確な数字を示さない場合でも使用できる。結果をランク付けすることさえできればROC曲線を作成できる。例えば、“罹患”サンプルについての試験結果を程度に従ってランク付けしてもよい(例えば1=低、2=正常、3=高)。このランキングを“健常”群での結果と相関させてROC曲線を作成できる。これらの方法は、当該分野で周知である。例えばHanleyら, Radiology 143: 29-36 (1982)参照。
好ましくは、複数のマーカーアッセイ結果を併せることによって、個別にマーカーから得た結果より分析の診断価値を高める。また、当業者に理解されるように、診断マーカー、鑑別診断マーカー、予後マーカー、発症時マーカー(time of onset markers)などを1つのアッセイまたは装置に併せてもよい。例えば、装置または機器で測定されたある種のマーカーアッセイ結果を用いてVTED、PE、および/またはDVTを診断してもよい。各疾病をマーカー群を用いて診断してもよく、それらのマーカー群は独自のマーカーを含んでもよいし、あるいは他の群の一方または両方と重複するマーカーを含んでもよい。マーカーは一般に、例えば異なる分析パラメータ群(例えば閾値または異なる重み係数)を異なる目的(単数または複数)のマーカー(単数または複数)に適用することによって、複数の目的で使用してもよい。例えばあるマーカーをある濃度または重みで、単独またはより大きいパネルの一部として使用して、VTED、PE、および/またはDVTの診断を下し、同じマーカーを異なる濃度または重みで、単独またはより大きなパネルの一部として使用して診断と共に予後診断をしてもよい。
診断および/または予後診断試験の感度および特異度は試験の分析学的“特性”のみに依存するのではなく、異常結果を構成するものの定義にも依存する。実際に、好ましい態様では、マーカーおよび/またはマーカーパネルは、少なくとも75%の感度、より好ましくは少なくとも80%の感度、更に好ましくは少なくとも85%の感度、更により好ましくは少なくとも90%の感度、そして最も好ましくは少なくとも95%の感度であって、更に、少なくとも75%の特異度、より好ましくは少なくとも80%の特異度、更に好ましくは少なくとも約85%の特異度、更により好ましくは少なくとも90%の特異度、そして最も好ましくは少なくとも95%の特異度を有する。特に好ましい態様では、感度および特異度の両方が少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、更に好ましくは少なくとも85%、更により好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95%である。
他の態様では、試験のリスク予測または疾病診断能力の尺度として陽性尤度比、陰性尤度比、オッズ比、または危険度を用いる。陽性尤度比の場合、1の値は、陽性結果が得られる可能性が “罹患群”および“コントロール群”の両方の被験体で等しいことを示す;1より大きい値は、陽性結果が得られる可能性が罹患群でより高いことを示す;そして1より小さい値は、陽性結果が得られる可能性がコントロール群でより高いことを示す。陰性尤度比の場合、1の値は、陰性結果が得られる可能性が “罹患群”および“コントロール群”の両方の被験体で等しいことを示す;1より大きい値は、陰性結果が得られる可能性が罹患群でより高いことを示す;そして1より小さい値は、陰性結果が得られる可能性がコントロール群でより高いことを示す。ある好ましい態様では、好ましくはマーカーおよび/またはマーカー・パネルの選択は、陽性または陰性尤度比が少なくとも約1.5以上または約0.67以下、より好ましくは少なくとも約2以上または約0.5以下、更に好ましくは少なくとも約5以上または約0.2以下、更により好ましくは少なくとも約10以上または約0.1以下、そして最も好ましくは少なくとも約20以上または約0.05以下となるように行う。この場合の“約”という用語は所定の測定値の+/- 5%を意味する。
オッズ比の場合、1の値は、陽性結果が得られる可能性が “罹患群”および“コントロール群”の両方の被験体で等しいことを示す;1より大きい値は、陽性結果が得られる可能性が罹患群でより高いことを示す;そして1より小さい値は、陽性結果が得られる可能性がコントロール群でより高いことを示す。ある好ましい態様では、好ましくはマーカーおよび/またはマーカー・パネルの選択は、オッズ比が少なくとも約2以上または約0.5以下、より好ましくは少なくとも約3以上または約0.33以下、更に好ましくは少なくとも約4以上または約0.25以下、更により好ましくは少なくとも約5以上または約0.2以下、そして最も好ましくは少なくとも約10以上または約0.1以下となるように行う。この場合の“約”という用語は所定の測定値の+/- 5%を意味する。
危険率の場合、1の値は、エンドポイント(例えば死亡)の相対的リスクが “罹患群”および“コントロール群”の両方の被験体で等しいことを示す;1より大きい値はリスクが罹患群でより高いことを示す;そして1より小さい値はリスクがコントロール群でより高いことを示す。ある好ましい態様では、好ましくはマーカーおよび/またはマーカーパネルの選択は、危険率が少なくとも約1.1以上または約0.91以下、より好ましくは少なくとも約1.25以上または約0.8以下、更に好ましくは少なくとも約1.5以上または約0.67以下、更により好ましくは少なくとも約2以上または約0.5以下、そして最も好ましくは少なくとも約2.5以上または約0.4以下となるように行う。この場合の“約”という用語は所定の測定値の+/- 5%を意味する。
1またはそれ以上のマーカーは単独で考慮すると診断価値がないかもしれないが、パネルの一部として使用すれば特定の診断/予後診断を行うのに大きな価値があり得る。例えばあるマーカーが特定の診断/予後の同定に特に有用である場合、パネル中の1またはそれ以上のマーカーに重み係数を適用してもよく、所定のレベルではそれ単独で陽性結果を示すのに十分なように重みづけを行ってもよい。同様に、特定のマーカー単独ではいずれのレベルでも陽性結果を示すのに十分でなく、パネル中の1またはそれ以上の他のマーカーと併せなければ結果を示さないように重み係数を設定してもよい。
代表的なパネルを本明細書に記載するが、1またはそれ以上の特定のマーカーを検出するためのアッセイを、臨床的に有用な結果を提供するように保ちつつ、これらの代表的なパネルから置換、付加、または削除してもよい。パネルはVTED、PE、および/もしくはDVTの特異的マーカー;そして/または非特異的マーカー(例えば原因に関係なく炎症によって上昇または低下するマーカー;原因に関係なく止血の変化によって上昇または低下するマーカーなど)のいずれを含んでもよい。非特異的(および/または特異的)マーカーは個別ではVTED、PE、および/またはDVTを診断できず、実質的には、特定の変化の“フィンガープリント”パターンとして疾患または疾病の特異的指標として作用してもよい。上記のように、変化のパターンを1つのサンプルから得てもよく、あるいは必要によりパネル中の1またはそれ以上のメンバーの一時的変化(またはパネル応答値の一時的変化)を考慮してもよい。
特に好ましい態様では、本明細書に記載する診断および予後診断の方法および組成物に用いられる複数のアッセイは、凝固および止血関連マーカー(単数または複数)を検出するよう構成したアッセイを少なくとも1つ、好ましくは2またはそれ以上含む。特に好ましい凝固および止血関連マーカーには以下から成る群から選択されるものがある:プラスミン、トロンビン、抗トロンビン-III、フィブリノーゲン、1またはそれ以上の型のフォン・ヴィレブランド因子、D-ダイマー、PAI-1、可溶性ウロキナーゼ・プラスミノーゲン活性化因子細胞表面受容体(uPAR)、プロテインC、可溶性内皮プロテインC受容体(EPCR)、TAF1、フィブリノペプチドA、プラスミン-α2アンチプラスミン複合体、血小板因子4、血小板由来増殖因子、P-セレクチン、プロトロンビンフラグメント1+2、B-トロンボグロブリン、トロンビン・アンチトロンビンIII複合体、トロンボモジュリン、血栓前駆体タンパク質、組織因子、組織因子経路阻害剤α、および組織因子経路阻害剤β、またはそれらに関連するマーカー。
別の特に好ましい態様では、本明細書に記載する診断および予後診断の方法および組成物に使用される複数のアッセイは血圧調節関連マーカー(単数または複数)を検出するよう構成されたアッセイを少なくとも1つ、好ましくは2またはそれ以上含む。特に好ましい血圧調節関連マーカーは以下から成る群から選択される:心房性ナトリウム利尿ペプチド(“ANP”)、プロANP、B型ナトリウム利尿ペプチド(“BNP”)、NT-プロBNP、プロBNP、C型ナトリウム利尿ペプチド、ウロテンシンII、ウロコルチンI、ウロコルチンII、ウロコルチンIII、アルギニンバソプレシン、アルドステロン、アンジオテンシンI、アンジオテンシンII、アンジオテンシンIII、ブラジキニン、カルシトニン、プロカルシトニン、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、アドレノメデュリン、カルシフォシン(calcyphosine)、エンドセリン-2、エンドセリン-3、レニン、およびウロジラチン(urodilatin)、またはそれらに関連するマーカー。最も好ましいマーカーはBNP、プロBNP、NT-プロBNP、BNP79-108、およびBNP3-108、またはそれらに関連するマーカーから成る群から選択される。
更に別の特に好ましい態様では、本明細書に記載する診断および予後診断の方法および組成物に使用される複数のアッセイは炎症関連マーカー(単数または複数)を検出するよう構成されたアッセイを少なくとも1つ、好ましくは2またはそれ以上含む。特に好ましいマーカーは以下から成る群から選択される:急性期反応物質、細胞接着分子、例えば血管細胞接着分子(“VCAM”)、細胞間接着分子-1(“ICAM-1”)、細胞間接着分子-2(“ICAM-2”)、および細胞間接着分子-3(“ICAM-3”)、C-反応性プロテイン、HMG-1(別称HMGB1)、インターロイキン、例えばIL-1β、IL-6、IL-8、インターロイキン-1受容体アゴニスト、単球走化性タンパク質-1、カスペース-3、リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素、マスト細胞トリプターゼ、好酸球カチオン性タンパク質、KL-6、ハプトグロビン、腫瘍壊死因子α、腫瘍壊死因子β、Fasリガンド、可溶性Fas(Apo-1)、TRAIL、TWEAK、フィブロネクチン、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)、および血管内皮増殖因子(“VEGF”)、またはそれらに関連するマーカー。
急性期反応物質は以下から成る群から選択してもよい:ヘプシジン、HSP-60、HSP-65、HSP-70、非対称性ジメチルアルギニン(一酸化窒素合成酵素の内因性阻害剤)、マトリクス・メタロプロテイナーゼ11、3、および9、デフェンシンHBD-1、デフェンシンHBD-2、血清アミロイドA、酸化LDL、インスリン様増殖因子、形質転換増殖因子β、インターα阻害剤、e-セレクチン、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、低酸素誘導因子1α、誘導型一酸化窒素合成酵素(“I-NOS”)、細胞内接着分子、乳酸脱水素酵素、マトリクス・メタロプロテイナーゼ9、(“MMP-9”)、単球走化性ペプチド1(“MCP-1”) 、n-アセチルアスパラギン酸塩、プロスタグランジンE2、核因子の受容体活性化因子(“RANK”)リガンド、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1A、およびシスタチンC、またはそれらに関連するマーカー。
同様に、本明細書に記載する診断および予後診断の方法および組成物に使用される複数のアッセイは活性酸素種関連マーカー(単数または複数)を検出するよう構成されたアッセイを少なくとも1つ、好ましくは2またはそれ以上含む。マーカー(単数または複数)は以下から成る群から選択される:スーパーオキシド・ジスムターゼ、グルタチオン、αトコフェロール、アスコルビン酸塩、誘導型一酸化窒素合成酵素、脂質過酸化生成物、一酸化窒素、ミエロペルオキシダーゼ、および呼気炭化水素(好ましくはエタン)、またはそれらに関連するマーカー。
更なるマーカーおよび/またはマーカー類をそれらのパネルに付加し、疾病を鑑別する更なる能力を提供してもよい。例えば炎症反応およびそれに起因する毛細血管への影響、並びに組織の酸化の低下には1またはそれ以上の急性期反応関連マーカー、1またはそれ以上の血管組織関連マーカー、および1またはそれ以上の組織特異的(例えば神経特異的)マーカーが関与し、それらのレベルは虚血状態で増加する。好ましくは、α-2アクチン、塩基性カルポニン1、β-1インテグリン、酸性カルポニン、カルデスモン、システインリッチタンパク質-2(“CRP 2”または“CSRP 2”)、エラスチン、フィブリリン1、潜在型形質転換増殖因子β結合タンパク質4(“LTBP4”)、平滑筋ミオシン、平滑筋ミオシン重鎖、およびトランスゲリン(transgelin)、またはそれらに関連するマーカー(集合的に“血管組織関連マーカー”と称する)から成る群から選択される1またはそれ以上のマーカーをそれらのパネルに含有させてもよい。更なるマーカー種、例えば心筋障害関連マーカー、神経組織障害関連マーカー、肺障害関連マーカーなどについて以下に記載する。
好ましい肺障害関連マーカーは以下から成る群から選択してもよい:好中球エラスターゼ、KL-6、LAMP 3、LAMP3、肺サーファクタント・プロテインA、肺サーファクタント・プロテインB、肺サーファクタント・プロテインC、肺サーファクタント・プロテインD、 ホスホリパーゼD、PLA2G5、SFTPC、HTI56、およびHTII280、またはそれらに関連するマーカー。
好ましい心筋障害関連マーカーは以下から成る群から選択してもよい:心筋トロポニンI(遊離型および/または複合型)、心筋トロポニンT(遊離型および/または複合型)、アネキシンV、B-エノラーゼ、CK-MB、グリコーゲンホスホリラーゼ-BB、心型脂肪酸結合タンパク質、ホスホグリセリン酸ムターゼ、およびS-100ao、またはそれらに関連するマーカー。
本明細書に記載するマーカーおよびマーカーアッセイを種々に組み合わせて好適なマーカー・パネルを構築してもよい。種々の態様では、複数のマーカーは少なくとも1つの凝固および止血関連マーカー、並びに少なくとも1つの炎症関連マーカーを含む;複数のマーカーは少なくとも1つの血圧調節関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む; 複数のマーカーは少なくとも1つの血圧調節関連マーカー、少なくとも1つの炎症関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む; 複数のマーカーは少なくとも1つのアポトーシス関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む; 複数のマーカーは少なくとも1つの活性酸素種関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む;複数のマーカーは少なくとも1つの心筋障害関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む; 複数のマーカーは少なくとも1つの肺障害関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む; 複数のマーカーは少なくとも1つの血圧調節関連マーカー、少なくとも1つの心筋障害関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む; 複数のマーカーは少なくとも1つの血圧調節関連マーカー、少なくとも1つの肺障害関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む; 複数のマーカーは少なくとも1つの血圧調節関連マーカー、少なくとも1つのアポトーシス関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む; 複数のマーカーは少なくとも1つの血圧調節関連マーカー、少なくとも1つのアポトーシス関連マーカー、少なくとも1つの炎症関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む; または、複数のマーカーは少なくとも1つの血圧調節関連マーカー、少なくとも1つの心筋障害関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む。これらの組み合わせは制限を意味しない。
これらのマーカーを種々に組み合わせてもよい。例えば好ましい方法は、以下から成る群から選択される1またはそれ以上のマーカーを検出するよう構成された1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のアッセイを含んでもよい:B型ナトリウム利尿ペプチド、NT-プロBNP、プロBNP、BNP79-108、BNP3-108、肺サーファクタント・プロテインA、B、C、および/もしくはD、カスペース-3、CRP、D-ダイマー、TpP、MCP-1、MMP-9、ミエロペルオキシダーゼ、遊離型心筋トロポニンI、複合型心筋トロポニンI、遊離型および複合型心筋トロポニンI、遊離型心筋トロポニンT、複合型心筋トロポニンT、遊離型および複合型心筋トロポニンT、総心筋トロポニン、またはそれらに関連するマーカー(単数または複数)。
特に好ましいパネルは以下を検出するよう構成されたアッセイの実施を含む:D-ダイマー、1またはそれ以上の血圧調節関連マーカー(好ましくはB型ナトリウム利尿ペプチド、NT-プロBNP、プロBNP、BNP79-108、またはBNP3-108から成る群から選択される)、および/または、1もしくはそれ以上の心筋障害関連マーカー(好ましくは遊離型心筋トロポニンI、複合型心筋トロポニンI、遊離型および複合型心筋トロポニンI、遊離型心筋トロポニンT、複合型心筋トロポニンT、遊離型および複合型心筋トロポニンT、総心筋トロポニン、アネキシンV、B-エノラーゼ、CK-MB、グリコーゲンホスホリラーゼ-BB、心型脂肪酸結合タンパク質、ホスホグリセリル酸ムターゼ、およびS-100aoから成る群から選択される)、またはそれらに関連するマーカー。
他の特に好ましいパネルは以下を検出するよう構成されたアッセイの実施を含む:D-ダイマー、1またはそれ以上の血圧調節関連マーカー(好ましくはB型ナトリウム利尿ペプチド、NT-プロBNP、プロBNP、BNP79-108、またはBNP3-108から成る群から選択される)、および/または、1もしくはそれ以上の肺障害関連マーカー(好ましくは好中球エラスターゼ、KL-6、LAMP 3、LAMP3、肺サーファクタント・プロテインA、肺サーファクタント・プロテインB、肺サーファクタント・プロテインC、肺サーファクタント・プロテインD、ホスホリパーゼD、PLA2G5、SFTPC、HTI56、およびHTII280から成る群から選択される)、またはそれらに関連するマーカー。
更に別の特に好ましいパネルは以下を検出するよう構成されたアッセイの実施を含む:D-ダイマー、1またはそれ以上の血圧調節関連マーカー(好ましくはB型ナトリウム利尿ペプチド、NT-プロBNP、プロBNP、BNP79-108、またはBNP3-108から成る群から選択される)、1またはそれ以上の心筋障害関連マーカー(好ましくは遊離型心筋トロポニンI、複合型心筋トロポニンI、遊離型および複合型心筋トロポニンI、遊離型心筋トロポニンT、複合型心筋トロポニンT、遊離型および複合型心筋トロポニンT、総心筋トロポニン、アネキシンV、B-エノラーゼ、CK-MB、グリコーゲンホスホリラーゼ-BB、心型脂肪酸結合タンパク質、ホスホグリセリル酸ムターゼ、およびS-100aoから成る群から選択される)、および1またはそれ以上の肺障害関連マーカー(好ましくは好中球エラスターゼ、KL-6、LAMP 3、LAMP3、肺サーファクタント・プロテインA、肺サーファクタント・プロテインB、肺サーファクタント・プロテインC、肺サーファクタント・プロテインD、ホスホリパーゼD、PLA2G5、SFTPC、HTI56、およびHTII280から成る群から選択される)、またはそれらに関連するマーカー。
本明細書に記載するように、これらのマーカーは1つの時点で測定してもよく、そして/または複数の時点で測定して、一定時間にわたるマーカーレベル(単数または複数)の変化を算出してもよい。
関連する観点では、本発明は上記の方法に使用するためのマーカー・パネルの同定法に関係する。診断および/または予後診断に有用なマーカー・パネルの構築において、ある種のマーカーの存在またはレベルを測定することによって多くの有望なマーカーのデータを被験体群から得てもよい。その後、被験体群を組に分けてもよい。例えば第1の組は疾病を有する、あるいはより一般的には第1症状段階にあることが確認されている被験体を含む。この症状段階の確認はより厳密、かつ/または高価な試験によって行われる。第2の組の被験体は第1の組に分類されなかったものから選択される。
これらの組の被験体から得られるデータは複数のマーカーのレベルを含む。好ましくは各患者で同じマーカーセットに関するデータが得られる。代表的なマーカーを本明細書に記載する。目的の疾病とマーカー(単数または複数)の関連性が実際に既知である必要はない。これらの被験体の組を1またはそれ以上のマーカーの関連性について比較する方法を後述する。本明細書に記載する方法および系の態様を用いて、いずれの候補マーカーが疾病もしくは症状の診断または所定の予後診断に最も関連性があるかを確認してもよい。
別の観点では、本発明はVTED、PE、および/またはDVTを示す被験体において使用するための治療計画を決定する方法に関する。好ましくは、方法は本明細書に記載する方法を実施してVTED、PE、および/もしくはDVTを確定または除外すること;そして/またはVTED、PE、および/もしくはDVTと診断された被験体の予後を判定することを含む。その後、被験体に判定された症状および/または予後に基づいて1またはそれ以上の治療計画を選択できる。
更なる観点では、本発明はVTED、PE、および/もしくはDVTを確定もしくは除外し;そして/またはVTED、PE、および/もしくはDVTと診断された被験体の予後を特定するためのキットに関する。好ましくは、これらのキットは患者サンプル中の複数のマーカーレベルを測定するための装置および試薬、並びにアッセイを行うための説明書を含む。キットは必要により、マーカーレベル(単数または複数)を相関させて診断および/または予後診断を行うための1またはそれ以上の方法を含む。好ましくはそれらのキットは少なくとも1つ、好ましくは2またはそれ以上の上記アッセイを実施するために十分な試薬および/または食品医薬品局(FDA)に認可されたラベルを含有する。
更に別の観点では、本発明はVTED、PE、および/もしくはDVTを確定または除外し;そして/またはVTED、PE、および/もしくはDVTと診断された被験体の予後を判定するための装置に関する。それらの装置は好ましくは複数の診断ゾーンを含み、そのそれぞれから1またはそれ以上の上記アッセイの結果を示すシグナルが得られる。それらの装置を“アレイ”または“マイクロアレイ”と称してもよい。サンプルを装置と反応させた後、診断ゾーン(単数または複数)からシグナルが生成され、次いでこれを目的のマーカーの存在または量と相関させてもよい。多くの好適な装置が当業者に知られている。
発明の詳細な説明
本発明は一部には被験体における診断、予後診断、および治療計画の決定のための方法および組成物に関する。本発明は特に、VTED、PE 、および/もしくはDVTを確定もしくは除外し、そして/またはVTED、PE、および/もしくはDVTと診断された被験体の予後を判定するために選択された方法および組成物に関する。
鑑別診断とは、被験体から観察される特徴と可能性のある疾患の特徴との比較に基づいて特定の被験体の症状の根底にある特定の疾患(単数または複数)を診断する方法をいう。鑑別診断で考慮しなければならない疾患の幅により、医師が指示せねばならない試験のタイプおよび数はかなり大きくなりうる。医師はその後、一連の試験から得た情報を統合し、症状の範囲および/または被験体から得た診断試験結果を最もよく表す臨床診断を下さなければならない。
治療のために受診する患者は多くの場合、疾病を示す身体的特徴または機能の主要な観察可能な変化を1つまたは少数しか示さない。多くの場合はVTEDの場合と同様、これらの“症状”は非特異的であり、多くの考えられる疾患が同じ観察可能な症状(単数または複数)を示しうる。
本発明は、1またはそれ以上の非特異的症状の鑑別診断の助けとなる方法および組成物について記載するが、これは観察された症状に対して考えられる1つ(好ましくは複数)の病因を確定または除外するように構築された診断マーカーを提供することによる。本明細書に記載する症状に基づく鑑別診断は、患者から観察される非特異的症状の根底にある可能性のある疾病を鑑別するために構築された診断マーカー・パネルを用いて行うことができる。
定義
本明細書で使用する“マーカー”という用語は、タンパク質、ポリペプチド、糖タンパク質、プロテオグリカン、脂質、リポタンパク質、糖脂質、リン脂質、核酸、炭水化物など、または小分子であって、被験体から得た試験サンプルのスクリーニングのための標的として使用するものをいう。本発明でマーカーとして使用する“タンパク質またはポリペプチド”は任意のそれらフラグメント、特に免疫学的に検出可能なフラグメントを含むことを意図する。マーカーは他の測定可能な物理的特性、例えば以下から得られる結果を含んでもよい:血圧測定、体温測定、パルス酸素濃度測定、既往歴、X線撮影、心電図、トレッドミル運動負荷試験、血液化学検査、心エコー検査、気管支誘発試験、肺活量測定、パルス酸素濃度測定、食道pHモニタリング、咽頭鏡検査、コンピュータ断層撮影、組織診、細胞診、磁気共鳴映像法など。同様に、マーカーは以下のような臨床“スコア”を含んでもよい:検査前確率割当、肺高血圧症“ダニエル”スコア、NIH卒中スコア、ElebuteおよびStonerの敗血症スコア、感染性心内膜炎のデューク(Duke)基準、Mannheimの腹膜炎指標、“アパッチ ”スコアなど。
好ましくは、以下に記載する方法は被験体由来の1またはそれ以上のマーカーを利用する。本明細書で使用する“被験体由来マーカー”という用語は被験体の1またはそれ以上の細胞で発現または生成されるタンパク質、ポリペプチド、リン脂質、核酸、プリオン、糖タンパク質、プロテオグリカン、糖脂質、脂質、リポタンパク質、炭水化物、または小分子マーカーをいう。1またはそれ以上のマーカーの存在、非存在、量、または量の変化は特定の疾患が存在することを示しうるか、または特定の疾患が存在しないことを示しうる。膜に結合した形態で存在することが知られているマーカー(例えばI型膜タンパク質、細胞表面受容体など)の場合、一般に、必要に応じたスプライシングおよび/または開裂、並びに原形質膜からの遊離によって、体液中で測定されうる可溶型を生成する。
更に、“非被験体由来マーカー”を使用してもよい。それらのマーカーは本明細書に定義するような被験体由来ではないが、当業者が観察できる被験体の特性である。それらのマーカーについては前述した通りであり、種々の測定可能な特性および/または臨床スコアが含まれる。このリストは制限を意図するものではない。
本明細書で使用する“関連マーカー”という用語は、特定の被験体由来マーカーの1またはそれ以上のフラグメント、またはその生合成親化合物であって、マーカーそのものの代わりに、または独立したマーカーとして検出されうるものをいう。例えばヒトBNPは108アミノ酸前駆体分子(以下、BNP1-108と記載する)のタンパク分解によって誘導される。成熟BNP、“BNPナトリウム利尿ペプチド”または“BNP-32”はこの前駆体のアミノ酸77-108に相当する32アミノ酸分子であり、BNP77-108とも称する。残りの残基1-76を以下、BNP1-76と記載する。更に、関連マーカーは親マーカーの共有結合修飾(例えばメキオニン残基の酸化、ユビキチン化、システイン化(cysteinylation)、リン酸化、ニトロシル化、グリコシル化など)の結果であってもよい。
108アミノ酸のBNP前駆体、プロBNP(BNP1-108)の配列は以下の通りである(下線は成熟BNP(BNP77-108)):
Figure 2008544224
BNP1-108は、以下の配列を有するより大きな前駆体、プレプロBNPとして合成する(太字は“プレ”配列):
Figure 2008544224
成熟BNPそのものを本発明においてマーカーとして使用してもよいが、プレプロBNP、BNP1-108、およびBNP1-76分子は成熟BNPの代わりとして、またはそれ自体をマーカーとして測定しうるBNP関連マーカーである。更に、これらの分子の1またはそれ以上のフラグメント(例えばBNP77-106、BNP79-106、BNP76-107、BNP69-108、BNP79-108、BNP80-108、BNP81-108、BNP83-108、BNP39-86、BNP53-85、BNP66-98、BNP30-103、BNP11-107、BNP9-106、およびBNP3-108から成る群から選択されるBNP関連ポリペプチド)も血液循環中に存在しうる。また、BNPフラグメントを含むナトリウム利尿ペプチドフラグメントは1またはそれ以上の酸化可能なメチオニンを含んでもよく、それらが酸化してメチオニンスルホキシドまたはメチオニンスルホンとなることによって更なるBNP関連マーカーが生成される。例えば米国特許第10/419,059号(2003年4月17日出願)参照(参照により、全ての表、図面、および特許請求の範囲を含め、その全体が本明細書に組み込まれる)。好ましいBNP関連分子はプロBNP、NT-プロBNP、BNP79-108、およびBNP3-108である。
マーカーフラグメントの生成は進行性の過程であって、特に、マーカーの組織への放出を引き起こす事象の開始からサンプルを採取または分析するまでの経過時間;サンプル採取からサンプル分析までの経過時間;問題の組織サンプルのタイプ;保存状態;存在するタンパク分解酵素の量;などの関数でありうるため、1またはそれ以上のマーカーのアッセイを構築する際も、またそれらのアッセイを実施する際も、この分解を考慮して正確な予後および診断結果を得る必要がある。更に、複数のマーカーフラグメントを識別する個別の抗体を用いて、種々のフラグメントの存在または量を個別に検出してもよい。この個々の検出結果により、複数のフラグメントを単一のアッセイで複数のフラグメントを検出する場合に比較して、より正確な予後または診断結果が得られうる。例えば、異なる重み係数を種々のフラグメント測定値に適用して、サンプル中に当初から存在するナトリウム利尿ペプチドの量をより正確に算出してもよい。
同様に、本明細書に記載する多くのマーカーを、より大型の前駆体分子として合成し、その後加工して成熟マーカーとする;そして/またはマーカーのフラグメントの形態で血液循環中に存在する。従って、本明細書に記載する各マーカーの“関連マーカー”は、BNPについて記載するのと同様の方法で同定および使用してもよい。
血液循環からのポリペプチドマーカーの除去は多くの場合、分解経路を伴う。更に、それらの分解経路の阻害剤はある種の疾病の治療に有望である。例えばTrindadeおよびRouleau, Heart Fail. Monit. 2: 2-7, 2001参照。しかしながら、ポリペプチドマーカーの測定は一般に、分子の分解状態を考慮せず、無傷型の測定に焦点が当てられてきた。ポリペプチドマーカーの分解経路およびこの分解で生成される産物を理解してアッセイを構築し、サンプル中の特定の生物学的に活性な型のポリペプチドマーカーを正確に測定してもよい。目的の生体活性型ポリペプチドマーカー(単数または複数)およびマーカーから誘導される不活性フラグメントの両方を意図せずに測定すると、サンプル中の生体活性型(単数または複数)の濃度を過剰評価しうる。
臨床サンプル中に存在しうる分解フラグメントを考慮しなければ、診断または予後診断法の確度に関して深刻な結果を招きうる。例えば単純な場合で、BNPに関するサンドイッチ免疫アッセイを行う場合を考えると、存在していた有意量(例えば50%)の生体活性型BNPが、今や不活性型に分解されている。生体活性型BNPおよび不活性型フラグメント(単数または複数)に共通する領域に結合する抗体で構築した免疫アッセイはサンプル中に存在する生体活性型ポリペプチドの量を2倍に過剰評価し、“偽陽性”の結果を与える可能性がある。サンプル中に存在する生体活性型(単数または複数)の過剰評価は患者管理においても深刻な結果を招きうる。再びBNPの例を考えると、BNP濃度を用いて、(例えば上昇したレベルが治療時に正常値に回復するかどうか、BNPをモニタリングすることによって)治療が有効であるかどうかを判断してもよい。上記の同じ“偽陽性”BNP結果によって、医師は現在の治療が有効でないという誤った印象から、治療を継続、増加、または改変しうる。
同様に、本明細書に記載する1またはそれ以上のマーカーの複合状態を考慮する必要がありうる。例えば、トロポニンは筋肉中で主に3つのトロポニンポリペプチド(T、I、およびC)を含む“三元複合体”として存在する。しかし、トロポニンIおよびトロポニンTは血液中ではI/T/C三元複合体以外の形態で循環する。すなわち、(i)遊離型心筋特異的トロポニンI、(ii)二元複合体(例えばトロポニンI/C複合体)、および(iii)三元複合体のそれぞれが全て血液中で循環する。更に、トロポニンIおよびTの“複合状態”は、患者において、例えば遊離型トロポニンポリペプチドが他の循環しているトロポニンポリペプチドに結合することによって、時間と共に変化しうる。トロポニンの“複合状態”を考慮していない免疫アッセイでは、目的の心筋特異的アイソフォームの全てが検出されない可能性がある。
本明細書で使用する“試験サンプル”という用語は、目的の被験体(例えば患者)の診断、予後、または評価の目的で得た体液のサンプルをいう。ある態様では、進行中の症状の転帰または症状に対する治療計画の効果を判断する目的でそれらのサンプルを得てもよい。好ましい試験サンプルには血液、血清、血漿、脳脊髄液、尿、唾液、痰、および胸水がある。更に、当業者に認識されるように、試験サンプルは分画または精製操作(例えば全血の血清または血漿成分への分離)後のほうがより容易に分析できる。
本明細書で使用する“複数”とは少なくとも2をいう。好ましくは、複数は少なくとも3、より好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも10、更に好ましくは少なくとも15,そして最も好ましくは少なくとも20である。特に好ましい態様では、複数は多数、すなわち少なくとも100である。
本明細書で使用する“被験体”とは、ヒトまたは非ヒト生物をいう。従って、本明細書に記載する方法および組成物はヒトおよび動物の疾患の両方に適用できる。更に、被験体は生体が好ましいが、同様に本発明を死後分析に使用してもよい。好ましい被験体は“患者”、すなわち治療を受けている、または医療機関で評価を受けている生きたヒトである。これには、明確な疾病を有さず、病理学的兆候について調査を受けているヒトが含まれる。
本明細書で使用する“診断”とは、当業者が、患者が所定の疾病または症状に罹患しているかいないかを推定および/または判定することができる方法をいう。当業者は多くの場合、1またはそれ以上の診断指標、すなわちマーカーに基づいて診断を下すが、そのマーカーの存在、非存在、量、または量の変化は症状の存在、重篤度、または非存在を示す。
同様に、多くの場合、予後診断は1またはそれ以上の“予後指標”の測定によって行われる。これらはマーカーであり、患者(または患者から得たサンプル)におけるその存在または量は所定の経過または転帰が起こる可能性を示す。例えば、1またはそれ以上の予後指標がそれらの患者から得たサンプル中で十分高い(または低い)レベルに到達すれば、そのレベルはその患者が、より低い(またはより高い)マーカーレベルを示す同様の患者に比較して将来的に転帰を経験する可能性が高いことを示す。罹患率または死亡率の高さに関係する予後指標のレベルまたはレベル変化は、患者において“有害転帰の素因の高さに関係する”と見なされる。
診断および予後診断マーカーの使用に関して本明細書で使用する“相関させる”という用語は、患者におけるマーカー(単数または複数)の存在または量を、所定の疾病に罹患した、もしくはそのリスクがあることが知られている患者;または所定の疾病に罹患していないことが知られている患者におけるその存在または量と比較することをいう。上記のように、患者サンプル中のマーカーレベルを特定の診断に関係することが知られているレベルと比較することができる。サンプルのマーカーレベルは診断との相関が為されていると考えられる。すなわち当業者はマーカーレベルを使用して患者が特定の型の診断(diagnosis)に罹患しているかどうか判定し、それに従って対応することができる。あるいはまた、サンプルのマーカーレベルを良好な転帰(例えば疾病の非存在など)に関係することが知られるマーカーレベルと比較することができる。好ましい態様では、ROC曲線を用いてマーカーレベルのプロフィールを総体的な可能性または特定の転帰と相関させる。
本明細書で使用する“診断の確定”というフレーズは、当業者が患者において特定の疾患が存在するか、または存在しないかを確定できる方法をいう。“診断”という用語は、100%の確度で特定の疾患の存在もしくは非存在を確定する能力をいうのではなく、あるいは所定の経過もしくは転帰が起こる確率の方が高いことをいうのでもない。むしろ、当業者に理解されるように、“診断”という用語は、被験体においてある種の疾患が存在する可能性がより高くなっていることをいう。好ましい態様では、診断は疾患が存在する見込みが約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約75%、約90%、および約95%高いことを示す。この関係で“約”という用語は+/-2%をいう。
本明細書で使用する“分離した”という用語は、非連続な表面領域をいう。すなわち、いずれの領域の部分でもない境界線が2つの領域のそれぞれを完全に包囲していれば、その2つの領域は分離している。
本明細書で使用する“独立して処理できる(addressable)”という用語は、特定のシグナルが得られうる分離した表面領域をいう。
本明細書で使用する“抗体”という用語は、抗原またはエピトープに特異的に結合する能力のある免疫グロブリン遺伝子(単数または複数)またはそのフラグメントから誘導された、それをモデルにした、または実質的にそれにコードされるペプチドまたはポリペプチドをいう。例えば以下参照:Fundamental Immunology, 第3版, W.E. Paul編, Raven Press, N.Y. (1993);Wilson (1994) J. Immunol. Methods 175:267-273; Yarmush (1992) J. Biochem. Biophys. Methods 25:85-97。抗体という用語は、抗原を結合する能力を保持する抗原結合部分、すなわち“抗原結合部位”(例えばフラグメント、サブ配列、相補性決定領域(CDR))を含み、それらには以下がある:(i)VL、VH、CL、およびCH1ドメインから成る一価フラグメントであるFabフラグメント;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド結合によって連結された2つのFabフラグメントを含む二価フラグメントであるF(ab’)2フラグメント;(iii)VHおよびCH1ドメインから成るFdフラグメント;(iv)抗体の一本のアームのVLおよびVHドメインから成るFvフラグメント;(v)VHドメインから成るdAbフラグメント(Wardら, (1989) Nature 341:544-546);および単離された相補性決定領域(CDR)。一本鎖抗体も参照により“抗体”の用語に含まれる。
好ましいアッセイは、抗体に結合するポリペプチドを示すアッセイ結果を提供する免疫アッセイであり、それらの抗体は、関連マーカーであってアッセイで使用する抗体に結合するのに必要なエピトープ(単数または複数)を含有するポリペプチドと共に、目的の標的分子に特異的に結合する。目的の標的分子を“検出するよう構成”したアッセイは、必須ではないが、特定の標的を特異的に検出してもよい(すなわち、一つの型の分子(例えばBNP)を検出するが、関連分子(例えばプロBNP) は検出しない)。抗体エピトープは8個のアミノ酸の序列なので、他のポリペプチドがアッセイで使用する抗体に結合する必要のあるエピトープ(単数または複数)を含んでいれば、免疫アッセイは他のポリペプチド(例えば関連マーカー)を検出する。従って、特定の分子を検出する(例えばBNPを検出する)よう構成したアッセイは、サンプル中に存在しうる他の関連ポリペプチドがアッセイで検出されるのに必要なエピトープを含有していれば、それを検出しうる(例えばプロBNPを、BNPまたはプロBNPの1またはそれ以上のフラグメントと共に検出しうる)。
“特異的に結合する”という用語は、抗体がその意図される標的および好適な関連マーカーとのみ結合することを示すものではない。むしろ、その意図する標的への親和性が非標的分子に対する親和性に比較して約5倍高ければ、抗体は“特異的に結合する”。好ましくは、抗体の親和性は非標的分子に対する親和性に比較して少なくとも約5倍、好ましくは10倍、より好ましくは25倍、更に好ましくは50倍、そして最も好ましくは100倍またはそれ以上高い。好ましい態様では、抗体または他の結合物質と抗原間の特異的結合は少なくとも106 M-1の結合親和性を意味する。好ましい抗体は少なくとも約107 M-1、好ましくは約108 M-1から約109 M-1、約109 M-1から約1010 M-1、または約1010 M-1から約1011 M-1の親和性で結合する。
親和性はKd =koff /konで算出する(koffは解離速度定数、konは会合速度定数、そしてKdは平衡定数である)。親和性は、平衡状態で種々の濃度(c)での標識されたリガンドのfraction bound(r)の測定によって確認できる。スキャッチャード式:r/c=K(n-r)を用いてデータをグラフ化する:式中、r=平衡状態における結合リガンドのモル数/受容体のモル数;c=平衡状態における遊離型リガンド濃度;K=平衡会合定数;そしてn=受容体分子ごとのリガンド結合部位の数である。グラフ分析によって、X軸上のrに対してr/cをY軸上にプロットし、スキャッチャードプロットを作成する。親和性は直線の負の傾きである。koffは結合した標識されたリガンドと未標識の過剰なリガンドとの競合によって決定される(例えば米国特許第6,316,409号参照)。ターゲッティング物質のその標的分子に対する親和性は、好ましくは少なくとも約1x10-6モル/リットル、より好ましくは約1x10-7モル/リットル、更に好ましくは約1x10-8モル/リットル、更により好ましくは約1x10-9モル/リットル、そして最も好ましくは約1x10-10モル/リットルである。スキャッチャード分析による抗体親和性の測定は当該分野で周知である。例えばvan Erpら, J. Immunoassay 12: 425-43, 1991;NelsonおよびGriswold, Comput. Methods Programs Biomed. 27: 65-8, 1988参照。
マーカーパネルの同定
本発明によれば、被験体の鑑別診断および/またはリスク層別化のための1またはそれ以上のマーカーの同定のための方法および系を提供する。疾病状態の診断に有用なマーカーの好適な同定法は以下の詳述されている:米国仮出願第60/436,392号(2002年12月24日出願)、PCT出願US03/41426号(2003年12月23日出願)、米国特許出願第10/331,127号(2002年12月27日出願)、およびPCT出願US03/41453号(それぞれ、全ての表、図面、および特許請求の範囲を含め、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
当業者に認識されるように、マーカーの単変量解析を行い、複数のマーカーの単変量解析からのデータを合わせて異なる疾病状態を鑑別するためのマーカーのパネルを構築することができる。それらの方法には重回帰分析、相互作用項の決定、段階的回帰、神経回路網(neural net)法などがある。
鑑別診断に有用なマーカー・パネルの構築において、ある種のマーカーの存在またはレベルに関する試験によって、可能性のある多くのマーカーに関するデータを1つの被験体群から得てもよい。被験体群を2組に分ける。第1組は、疾患を有する、または、より一般的には第1症状段階にあることが確認されている被験体を含む。例えばこの第1組の患者はVTED、PE、および/またはDVTと診断された患者であってもよい。この症状段階の確認は、症状段階を確認するためのより厳密かつ/または高価な試験によって行ってもよい。以下、この第1組の被験体を“罹患”と称する。
第2組の被験体は単に第1組に分類されない被験体である。以下、この第2組の被験体を“非罹患”と称する。好ましくは第1組および第2組はそれぞれほぼ同数の被験体を含む。この組は健常者であり、そして/または別の心疾患に罹患した患者であってもよい。
これらの組の被験体から得られるデータには複数のマーカーのレベルが含まれる。同じマーカー群に関するデータが各患者から入手できるのが好ましい。このマーカー群は、特定の疾病または症状の検出に関係する疑いのある候補マーカーを全て含んでもよい。実際の関連性が知られている必要はない。本明細書に記載する方法および系の態様を使用して、いずれの候補マーカーが疾病または症状の診断に最も関連性が高いかを確認してもよい。2組の被験体における各マーカーのレベルは、例えばガウス分布のように、広範にわたって分布しうる。しかしながら、分布が一致する必要はない。
上記のように、多くの場合、マーカーは患者を罹患または非罹患のいずれかに確実に同定することはできない。例えば、患者が重複した領域内に分類されるマーカーレベルを有すると測定されれば、試験の結果は患者の診断に役立たない。人工的なカットオフを用いて疾病または症状の検出に関するポジティブとネガティブの試験結果を識別してもよい。カットオフをどこで選択しても、診断ツールとしての単一のマーカーの有効性は影響を受けない。カットオフの変更は単に、単一マーカーの使用から得られる偽陽性数および偽陰性数間のトレードオフを生じるだけである。それらの重複を有する試験の有効性は多くの場合、ROC(受信者動作特性)曲線を用いて表される。ROC曲線は当業者に周知である。
ROC曲線の横軸は(1-特異度)を示し、偽陽性の割合と共に増加する。曲線の縦軸は感度を示し、真陽性の割合と共に増加する。従って、選択した特定のカットオフに関して(1-特異度)の値を測定し、相当する感度を得てもよい。ROC曲線下面積は測定されたマーカーレベルが疾病または症状の正確な同定を行うことができる可能性の尺度である。従ってROC曲線下面積を用いて試験の有効性を測定できる。
上記のように、単一のマーカーレベルの測定では有用性に限界があり、例えばそれは炎症によって非特異的に増加するかもしれない。更なるマーカーの測定によって更なる情報が得られるが、無関係である可能性のある2つの測定値レベルを好適に組み合わせるのは困難である。本発明の態様による方法および系では、罹患および非罹患患者の組の種々のマーカーレベルに関係するデータを用いて有用なパネル応答が得られるマーカー・パネルを構築してもよい。データはデータベース(例えばMicrosoft Access、Oracle、他のSQLデータベース)、または単にデータファイルとして得てもよい。データベースまたはデータファイルは、例えば患者の識別子(例えば氏名または番号)、存在する種々のマーカーのレベル、および患者が罹患か非罹患)を含んでもよい。
次に、各マーカーについてまず人為的に有効領域を選択してもよい。有効領域の位置は最初は任意の地点で選択してもよいが、この選択は下記の最適化処理に影響を与えうる。この点で、可能性のある最適位置近くに選択することは、最適化の実施者がより迅速に収束を行う助けとなりうる。好ましい方法では、最初に有効領域を2組の患者の重複領域の中心付近に集中させる。ある態様では、単に有効領域をカットオフ地点としてもよい。他の態様では、有効領域をゼロより大きい長さとしてもよい。この点に関して、中心値および長さで有効領域を定義してもよい。実際には、有効領域の限界の初期選択は各被験体組の既定のパーセンタイルに従って行ってもよい。例えば、その地点より上で既定のパーセンタイルの罹患患者が測定される、という点をカットオフ領域の右(上)端として使用してもよい。
その後、各患者の各マーカー値を指標に対してマッピングしてもよい。指標には有効領域より低い値と、有効領域より高い別の値を割り当てる。例えば、一般にマーカーの値が非罹患患者でより低く、罹患患者でより高い場合、ゼロ指標を特定のマーカーの低値に割り当て、陽性診断の見込みが低い可能性があることを示す。他の態様では、多項式に基づいて指標を算出してもよい。多項式の係数は罹患および非罹患患者間のマーカー値の分布に基づいて決定してもよい。
種々のマーカーの相対的重要度を重み係数によって示してもよい。重み係数は最初に各マーカーの係数として割り当ててもよい。有効領域の場合と同じように、重み係数の初期選択は任意の許容される値で行ってもよいが、この選択は最適化処理に影響を与える。この点で、可能性のある最適位置近くに選択するは、最適化の実施者がより迅速に収束を行う助けとなりうる。好ましい方法では、許容される重み係数は0から1の範囲であり、各マーカーの重み係数の初期値を0.5としてもよい。好ましい態様では、各マーカーの重み係数の初期値は、それ自体がマーカーの有効性と関連していてもよい。例えば、1つのマーカーについてROC曲線を作成し、ROC曲線下面積をそのマーカーの重み係数の初期値として用いてもよい。
次に、2組のそれぞれにおける各被験体に関してパネル応答を算出してもよい。パネル応答は、各マーカーレベルをマッピングした指標および各マーカーの重み係数の関数である。好ましい態様では、各被験体(j)のパネル応答(R)は以下のように表される:
Rj = ΣWiIi,j,
式中、iはマーカー指数であり、jは被験体指数であり、Wiはマーカーiの重み係数であり、Iは被験体jについてマーカーiのマーカーレベルをマッピングした指標の値であり、そしてΣは全候補マーカーiの総和である。“R”値を“パネル指数”と称する。
マーカー値ではなく指標値を用いる利点の一つは、異常に高いまたは低いマーカーレベルによって特定のマーカーに関する罹患または非罹患の診断の見込みが変化しないことである。一般に、一定レベルより高いマーカー値は一定の疾病状態を示す。そのレベルより高いマーカー値も、同じ確かさで疾病状態を示す。従って、異常に高いマーカー値が、その疾病状態の見込みが異常に高いことを示すとは限らない。有効領域の片側で一定である指標を使用することにより、この問題を回避できる。
パネル応答はマーカーレベルおよび他の因子、例えば患者の人種および性別、種々の臨床所見、臨床“スコア”、例えば肺高血圧“ダニエル”スコア、NIH卒中スコア、ElebuteおよびStonerの敗血症スコア、感染性心内膜炎のデューク基準、Mannheimの腹膜炎指標、“アパッチ ”スコアなどを含むいくつかのパラメータの一般関数であってもよい。パネル応答に寄与する他の因子には一定時間にわたる特定のマーカー値の傾きがある。例えば、患者が最初に病院に到着した時点で特定のマーカーを測定してもよい。同じマーカーを1時間後に測定し、変化のレベルをパネル応答に反映させてもよい。更に、更なるマーカーが他のマーカーから誘導され、パネル応答値に寄与してもよい。例えば、2つのマーカー値の比率がパネル応答の算出因子であってもよい。
それぞれの被験体組の各被験体でパネル応答を得た後、各組のパネル応答の分布を分析してもよい。有効パネルの選択を容易にするために目的関数を定義してもよい。目的関数は一般的にパネルの有効性を示すものであり、例えば罹患組の被験体のパネル応答と非罹患組の被験体のパネル応答の重複によって表される。このように、目的関数を最適化して、例えば重複を最小にすることによって、パネルの有効性を最大限にしてもよい。
好ましい態様では、2組の被験体のパネル応答を表すROC曲線を用いて目的関数を定義してもよい。例えば、目的関数はROC曲線下面積を反映してもよい。曲線下面積を最大化することによって、マーカーパネルの有効性を最大限にしてもよい。他の態様では、ROC曲線の他の特徴を用いて目的関数を定義してもよい。例えば、ROC曲線の傾きが1と等しくなる点は有用な特徴であり得る。他の態様では、感度および特異度の積が最大となる点を“ニー(knee)”と称することがあるが、これを用いてもよい。ある態様では、ニーでの感度が最大である。更なる態様では、既定の特異度レベルでの感度を用いて目的関数を定義してもよい。他の態様では、既定の感度レベルでの特異度を用いてもよい。更に別の態様では、これらROC曲線の特徴の2またはそれ以上を組み合わせて用いてもよい。
パネル中のマーカーの一つが診断を行う疾病または症状に特異的であることも可能である。それらのマーカーがある閾値より上または下であれば“陽性”試験結果を返すように(return)パネル応答を調整してもよい。しかしながら、閾値が満足のいくものでない場合でも、マーカーのレベルを可能性のある寄与因子として目的関数に使用してもよい。
最適化アルゴリズムを用いて目的関数を最大化または最小化してもよい。最適化アルゴリズムは当業者に周知であり、それらには一般的に使用できる最小化または最大化関数(例えばSimplex法および他の制約付き最適化法)がある。当業者に理解されるように、最小化関数には、(局所的最小値ではなく)大域的最小値の探索の際に他より優れている。最適化処理で、各マーカーの有効領域の位置およびサイズを変化させ、マーカーごとに少なくとも2自由度を提供してもよい。本明細書ではそれらの変数パラメータを独立変数と称する。好ましい態様では、最適化アルゴリズムの反復にわたって各マーカーの重み係数を変化させることができる。種々の態様では、これらのパラメータの順列を独立変数として使用してもよい。
上記のパラメータに加え、各マーカーのセンスを独立変数として用いてもよい。例えば多くの場合、あるマーカーがより高いレベルであることは一般に罹患状態または非罹患状態のいずれを示しているのか、知られていない。それらの場合、両側で最適化処理を行うのが有用であり得る。実際には、これはいくつかの方法で行ってもよい。例えば、ある態様では、センスは最適化処理でプラスとマイナスが逆転する全く別個の独立変数であってもよい。あるいはまた、センスは重み係数をマイナスとすることによって実行してもよい。
最適化アルゴリズムは同様に一定の制約と共に提供してもよい。例えばあるROC曲線を特定の値より高い曲線下面積となるように制約してもよい。曲線下面積が0.5であるROC曲線は完全な無秩序を示し、1.0の曲線下面積は2組が完全に分離されていることを示す。従って、特に目的関数に曲線下面積が組み込まれない場合、許容される最小値(例えば0.75)を制約として用いてもよい。他の制約には特定のマーカーの重み係数の制限がある。更なる制限によって、全ての重み係数の合計を特定の値(例えば1.0)に制限してもよい。
最適化アルゴリズムの反復は一般に、制約を満たしつつ、目的関数を最小化または最大化させるように独立パラメータを変化させる。反復数は最適化処理で制限してもよい。更に、2つの連続する反復間の目的関数の相違が既定の閾値未満であって、最適化アルゴリズムが局所的最小値または最大値の領域に達したことが確認されたら、最適化処理を終了してもよい。
従って、最適化処理によって、各マーカーの重み係数およびマーカー値を指標に対してマッピングするための有効領域を含むマーカー・パネルを得てもよい。その後、あるマーカーを変化させるか、またはパネルから除去し、十分な結果が得られるまで処理を反復する。パネル中の各マーカーの有効な寄与を確認し、マーカーの相対的重要度を同定してもよい。ある態様では、最適化処理から得られた重み係数を用いて各マーカーの相対的重要度を決定してもよい。最も係数が低いマーカーを除去または置換してもよい。
場合によっては、最も低い重み係数が最も低い重要度を示す訳ではない。同様に、最も高い重み係数が最も高い重要度を示さないかも知れない。例えば、関連するマーカーが診断に無関係であっても、最適化処理によって高い係数となりうる。この場合、係数を低くする利点はない。この係数を変化させても目的関数の値に影響しない。
試験の確度の測定を可能とするために、“標準的基準(gold standard)”となる試験基準を選択し、それによって前記の方法による比較のために被験体を2またはそれ以上の群に選択することができる。試験の確度の基準はFischerら, Intensive Care Med. 29: 1043-51, 2003に記載されるようにして得てもよく、これを使用して所定のマーカーまたはマーカー・パネルの有効度を決定してもよい。これらの基準には感度および特異度、的中率、尤度比、診断オッズ比、およびROC曲線面積がある。上記のように、好適な試験はこれらの種々の基準について、1またはそれ以上の下記のような結果を示しうる:少なくとも75%の感度で少なくとも75%の特異度;ROC曲線面積が少なくとも0.7、より好ましくは少なくとも0.8、更に好ましくは少なくとも0.9、そして最も好ましくは0.95;および/または陽性尤度比(感度/(1-特異度)で算出)が少なくとも5、より好ましくは少なくとも10、そして最も好ましくは少なくとも20であり、陰性尤度比((1-感度)/特異度で算出)が0.3またはそれ未満、より好ましくは0.2またはそれ未満、そして最も好ましくは0.1またはそれ未満。
代表的なマーカー
好ましい態様では、以下の記述において、本明細書に記載するあるマーカーのヒト前駆体に関するSwiss-Prot寄託番号を提供する。更なるマーカーは以下、一般名で記載する。
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マーカーの個別での使用(“一変量”)に加え、本明細書に記載するマーカーから成るパネルを構築して、目的の鑑別診断に関係する必要情報を得てもよい。それらのパネルは2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の個別マーカーを使用して構築してもよい。当業者は単一のマーカー、またはより大きなマーカー・パネルを含むマーカーサブセットの分析を行い、種々の臨床状況における臨床的感度または特異度を最適化することができる。これらには、限定されるわけではないが外来、緊急診療、救命救急診療、集中治療、モニタリングユニット、入院患者、外来患者、診療所、クリニック、および健康診断の状況がある。更に、当業者は単一のマーカー、またはより大きなマーカー・パネルを含むマーカーサブセットを診断域の調整をしながら前記の各状況で使用し、臨床的感度および特異度を最適化することができる。本明細書に記載する方法による好適なマーカーパネルの同定に使用するための更なる代表的なマーカーを以下に簡単に記載する。
更なるマーカー
本明細書に記載するマーカーおよび/またはその関連マーカーから成るパネルを構築し、目的の診断に関係する必要情報を得てもよい。それらのパネルは2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上の個別マーカーを使用して構築してもよい。当業者は単一のマーカー、またはより大きなマーカー・パネルを含むマーカーサブセットの分析を行い、種々の臨床状況における臨床的感度または特異度を最適化することができる。これらには、限定されるわけではないが外来、緊急診療、救命救急診療、集中治療、モニタリングユニット、入院患者、外来患者、診療所、クリニック、および健康診断の状況がある。更に、当業者は単一のマーカー、またはより大きなマーカー・パネルを含むマーカーサブセットを、前記の各状況で診断域の調整をしながら使用し、臨床的感度および特異度を最適化することができる。
以下の表に、本発明で使用するための更なる好ましいマーカーの一覧を示す。更なる詳細は米国特許US2005/0148029号に記載されており、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載するように、これらの各マーカーに関連するマーカーも本発明に包含される。マーカーの分類とは以下のカテゴリーをいう:血圧調節;血圧調節関連マーカー;炎症:炎症関連マーカー;アポトーシス:アポトーシス関連マーカー;活性酸素:活性酸素関連マーカー;心筋障害:心筋障害関連マーカー;肺障害:肺障害関連マーカー;凝固および止血:凝固および止血関連マーカー;血管組織:血管組織関連マーカー;神経組織障害:神経組織障害関連マーカー;コラーゲンの合成および分解:コラーゲンの合成および分解に関連するマーカー;組織障害:全身組織障害関連マーカー。
Figure 2008544224
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マーカーのユビキチン化
ユビキチン介在型タンパク分解は多くの過程、例えば細胞外物質が細胞内に取り込まれる経路、細胞膜からの生化学シグナルの移動、および細胞機能の調節(例えば転写オン/オフスイッチ)において重要な役割を果たす。ユビキチン系は免疫の応答および構築と関連づけられている。ユビキチンは分解の標的となるタンパク質にコンジュゲートする76アミノ酸のポリペプチドである。ユビキチン-タンパク質コンジュゲートはユビキチンをタンパク質から分裂させる26Sタンパク分解複合体によって認識され、次いで分解される。
報告されているように、敗血症は骨格筋中で非リソソーム系エネルギー依存型タンパク分解経路によってタンパク質分解を刺激し、ユビキチンmRNAの筋肉レベルも上昇したために、結果は、敗血症による筋タンパク質の分解はエネルギー・ユビキチン依存型タンパク分解経路の亢進的活性化によって起こることを示していると解釈されてきた。同じタンパク分解経路が除神経、絶食、アシドーシス、癌、および火傷によって起こる筋肉の分解と関連づけられている。従って、一般に、ユビキチン化されたタンパク質または特異的ユビキチン-タンパク質コンジュゲートもしくはそのフラグメントのレベルは本発明の更なるマーカーとして測定できる。Tiaoら, J. Clin. Invest. 99: 163-168, 1997参照。更に、ユビキチンそのものの循環レベルは本明細書に記載する方法において有用なマーカーであり得る。例えばMajetschakら, Blood 101: 1882-90, 2003参照。
当業者に認識されるように、ユビキチンに関するアッセイは、ユビキチンそのもの、ユビキチン-タンパク質コンジュゲート、またはユビキチンおよびユビキチン-タンパク質コンジュゲートの両方を認識するように構築してもよい。例えばサンドイッチ免疫アッセイに使用する抗体は、固相抗体および標識された抗体の両方が、コンジュゲートしていないユビキチンおよびユビキチン・コンジュゲートの両方における結合に使用できるユビキチンの一部を認識するように構築する。あるいはまた、筋タンパク質トロポニンのユビキチン・コンジュゲートに特異的なアッセイは、ユビキチンを認識する抗体(固相上または標識)およびトロポニンを認識する第2の抗体(他の固相上または標識)を用いてもよい。
本発明は本明細書に記載する任意のマーカーのユビキチン・コンジュゲートの測定を意図する。マーカーとして検出するのに好ましいユビキチン-筋タンパク質コンジュゲートには、限定されるわけではないがトロポニンI/ユビキチン、トロポニンT/ユビキチン、トロポニンC/ユビキチン、二元および三元トロポニン複合体/ユビキチン、アクチン/ユビキチン、ミオシン/ユビキチン、トロポミオシン/ユビキチン、およびα-アクチニン/ユビキチンがある。
アッセイ測定法
本発明のマーカーを検出および分析するための多くの方法および装置は当業者に周知である。患者の試験サンプル中のポリペプチドまたはタンパク質に関しては、多くの場合、免疫アッセイ装置および方法が使用される。例えば米国特許第6,143,576号;6,113,855号;6,019,944号;5,985,579号;5,947,124号;5,939,272号;5,922,615号;5,885,527号;5,851,776号;5,824,799号;5,679,526号;5,525,524号;および5,480,792号参照(それぞれ、全ての表、図面、および特許請求の範囲を含むその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。これらの装置および方法は種々のサンドイッチ、競合、または非競合アッセイ形式において標識された分子を利用し、目的に分析物の存在または量に関係するシグナルを生成させることができる。更に、ある方法および装置、例えばバイオセンサーおよび光学免疫アッセイを使用して、標識された分子を必要とせずに分析物の存在または量を測定してもよい。例えば米国特許第5,631,171号および第5,955,377号参照(それぞれ、全ての表、図面、および特許請求の範囲を含むその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。また、当業者に認識されるように、本明細書に記載する免疫アッセイを実施することのできる免疫アッセイ分析装置の中には免疫アッセイロボット装置(限定されるわけではないが例えばBeckman Access、Abbott AxSym、Roche ElecSys、Dade Behring Stratusシステム)がある。
マーカーの分析は免疫アッセイ(最も好ましくはサンドイッチ免疫アッセイ)を用いて行うのが好ましいが、他の方法も当業者に周知である(例えばマーカーRNAレベルの測定)。マーカーの存在または量は、一般に各マーカーに特異的な抗体を用い、特異的結合を検出することによって測定する。任意の好適な免疫アッセイを使用してもよく、それらには例えば酵素結合型免疫アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、競合結合アッセイなどがある。抗体のマーカーへの特異的免疫学的結合は直接または間接的に検出してもよい。直接標識には蛍光または発光タグ、金属、色素、放射性核種などが抗体に結合したものがある。間接標識には当業者に周知の種々の酵素、例えばアルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼなどがある。
マーカーに特異的な固定化された抗体の使用も本発明で企図される。抗体は種々の固相支持体上に固定化してもよく、それらには例えば磁気またはクロマトグラフィー充填剤粒子、アッセイ箇所(例えばマイクロタイターウェル)の表面、固体担体物質片または膜(例えばプラスチック、ナイロン、紙)などがある。固相支持体上に抗体または配列させた複数の抗体をコーティングして、アッセイ・ストリップを調製することができる。次いでこのストリップを試験サンプルに浸漬した後、洗浄および検出段階で迅速に処理し、測定可能なシグナル(例えば着色スポット)を得る。
マーカーの個別または連続アッセイでは、好適な装置には臨床検査分析装置、例えばElecSys(Roche)、the AxSym(Abbott)、the Access(Beckman)、the AD VIA(登録商標)CENTAUR(登録商標)(Bayer)免疫アッセイシステム、the NICHOLS ADVANTAGE(登録商標)(Nichols Institute)免疫アッセイシステムなどがある。好ましい装置は、1つの検査装置で複数のマーカーの同時アッセイを行う。特に有用な物理フォーマットは、複数の異なる分析物を検出するための複数の分離した、独立して処理できる位置にある表面を含む。それらのフォーマットにはタンパク質マイクロアレイまたは“タンパク質チップ”(例えばNgおよびIlag, J. Cell Mol. Med. 6: 329-340 (2002)参照)およびある種のキャピラリー装置(例えば米国特許第6,019,944号参照)がある。これらの態様では、分離した表面位置のそれぞれは、各位置での検出のために1またはそれ以上の分析物(単数または複数)(例えばマーカー)を固定化する抗体を含んでもよい。あるいはまた、表面は表面の分離した位置に固定化された1またはそれ以上の分離した粒子(例えばマイクロ粒子またはナノ粒子)を含んでもよく、マイクロ粒子は検出のために1つの分析物(例えばマーカー)を固定化する抗体を含む。
本発明の好ましいアッセイ装置は、1またはそれ以上のアッセイのために、固相にコンジュゲートした第1の抗体およびシグナル発生要素にコンジュゲートした第2の抗体を含む。それらのアッセイ装置は、1またはそれ以上の分析物のためのサンドイッチ免疫アッセイを実施するように構築される。これらのアッセイ装置は好ましくはサンプル適用ゾーン、およびサンプル適用ゾーンから固相にコンジュゲートした第1の抗体を含む第2の装置内領域への流路を更に含む。
流路に沿ったサンプルの流れは受動的(例えばキャピラリー、静水、または一度サンプルを適用すれば装置の更なる操作を必要としない他の力)、能動的(例えば機械ポンプ、電気浸透ポンプ、遠心力、高空気圧など)、または受動的および能動的駆動力を組み合わせたものによって駆動してもよい。最も好ましくは、サンプル適用ゾーンに適用したサンプルは流路に従って、固相にコンジュゲートした第1の抗体およびシグナル発生要素にコンジュゲートした第2の抗体の両方に接触する(サンドイッチ免疫アッセイ形式)。当業者は必要により更なる要素、例えば血漿または血清を血液から分離するフィルター、混合チャンバーなどを含ませてもよい。代表的な装置はThe Immunoassay Handbook(第2版)David Wild(編), Nature Publishing Group, 2001の41章に“Near Patient Tests: Triage(登録商標)Cardiac System”のタイトルで記載されている(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
上記のマーカーから成るパネルを構築し、鑑別診断に関係する必要情報を得てもよい。それらのパネルは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、もしくはそれ以上、または個別のマーカーを用いて構築してもよい。当業者は単一のマーカー、またはより大きなマーカー・パネルを含むマーカー・サブセットの分析を行い、種々の臨床状況における臨床的感度または特異度を最適化することができる。これらには、限定されるわけではないが外来、緊急診療、救命救急診療、集中治療、モニタリングユニット、入院患者、外来患者、診療所、クリニック、および健康診断の状況がある。更に、当業者は単一のマーカー、またはより大きなマーカー・パネルを含むマーカー・サブセットを、前記の各状況で診断域の調整をしながら使用し、臨床的感度および特異度を最適化することができる。アッセイの臨床的感度はそのアッセイが正確に予測する罹患者のパーセンテージとして定義され、アッセイの特異度はそのアッセイが正確に予測する非罹患者のパーセンテージとして定義される(Tietz Textbook of Clinical Chemistry(第2版), Carl BurtisおよびEdward Ashwood(編), W.B. Saunders and Company, p. 496)。
マーカーの分析は種々の物理フォーマットで同様に実施できる。例えば、マイクロタイタープレートまたは自動化を用いて大量の試験サンプルの処理を容易にすることができる。あるいはまた、単一サンプル形式を構築し、例えば外来輸送(ambulatory transport)または緊急治療室の状況で、時機を逸せずに迅速な治療および診断を行う助けとしてもよい。
別の態様では、本発明はマーカー分析のためのキットを提供する。好ましくはそれらのキットは少なくとも1つの試験サンプルを分析するための装置および試薬、並びにアッセイを実施するための説明書を含む。必要により、キットは一定の診断を確定または除外するためにマーカー・パネルについて実施する免疫アッセイから得られる情報を使用するための1またはそれ以上の方法を含んでもよい。本明細書に記載する方法に適用できる他の測定法にはクロマトグラフィー(例えばHPLC)、質量分析法、受容体に基づくアッセイ、およびそれらを組み合わせたものがある。
抗体の選択
抗体の産生および選択を行うにはいくつかの方法がある。例えばある方法は目的のポリペプチドを精製するか、または(例えば当該分野で周知の固相ペプチド合成法によって)目的のポリペプチドを合成するものである。例えばGuide to Protein Purification, Murray P. Deutcher(編), Meth. Enzymol. Vol 182 (1990);Solid Phase Peptide Synthesis, Greg B. Fields(編), Meth. Enzymol. Vol 289 (1997);Kisoら, Chem. Pharm. Bull. (Tokyo) 38: 1192-99, 1990;Mostafaviら, Biomed. Pept. Proteins Nucleic Acids 1: 255-60, 1995;Fujiwaraら, Chem. Pharm. Bull. (Tokyo) 44: 1326-31, 1996参照。次いで、選択されたポリペプチドを、例えばマウスまたはウサギに投与し、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体を産生させる。当業者に認識されるように、例えばAntibodies, A Laboratory Manual(編), Harlow and David Lane, Cold Spring Harbor Laboratory (1988), Cold Spring Harbor, N.Y.に記載されるように、抗体の産生のために多くの方法が使用できる。当業者に認識されるように、抗体を模倣した結合フラグメントまたはFabフラグメントを種々の方法で遺伝情報から調製することもできる(Antibody Engineering:A Practical Approach (Borrebaeck, C(編)), 1995, Oxford University Press, Oxford;J. Immunol. 149, 3914-3920 (1992))。
更に、選択した標的への結合に関するポリペプチド・ライブラリーの構築およびスクリーニングを行うためのファージディスプレー法の使用が多くの文献に報告されている。例えばCwirlaら, Proc. Natl Acad. Sci USA 87, 6378-82, 1990;Devlinら, Science 249, 404-6, 1990, ScottおよびSmith, Science 249, 386-88, 1990;およびLadnerら, 米国特許第5,571,698号参照。ファージディスプレー法の基本コンセプトはスクリーニングすべきポリペプチドをコードするDNAおよびポリペプチド間の物理的結合の構築である。この物理的結合は、ポリペプチドをコードするファージゲノムを封入したカプシドの一部としてポリペプチドを提示するファージ粒子によって得られる。ポリペプチドおよびその遺伝物質間の物理的結合の確立によって、異なるポリペプチドを保有する大量のファージの同時マススクリーニングが可能となる。標的に対する親和性を有するポリペプチドを提示するファージは標的に結合し、これらのファージは標的に対するアフィニティースクリーニングによって濃縮される。これらのファージから提示されるポリペプチドの同一性はその各ゲノムから決定される。その後これらの方法を用いて、所望の標的に対して結合親和性を有すると同定されたポリペプチドを慣例的な方法によって大量合成できる。例えば米国特許第6,057,098号参照(全ての表、図面、および特許請求の範囲を含むその全体が、参照により本明細書に組み込まれる)。
これらの方法で生成した抗体を、まず精製された目的のポリペプチドとの親和性および特異度に関するスクリーニングを行い、必要により、その結果を結合から排除されることが所望されるポリペプチドと抗体との親和性および特異度と比較することによって選択してもよい。スクリーニング法は、マイクロタイタープレートの分離されたウェルに精製されたポリペプチドを固定化させることを伴ってもよい。その後、有望な抗体または抗体群を含む溶液をそれぞれのマイクロタイターウェルに注入し、約30分から2時間インキュベートする。次いでマイクロタイターウェルを洗浄し、標識した2次抗体(例えば産生される抗体がマウス抗体の場合、アルカリホスファターゼにコンジュゲートした抗マウス抗体)をウェルに添加し、約30分間インキュベートした後、洗浄する。ウェルに基質を添加し、固定化されたポリペプチド(単数または複数)に対する抗体が存在する箇所を色素反応で明らかにする。
その後、そのようにして同定した抗体を、選択したアッセイ設計における親和性および特異度について更に分析する。標的タンパク質に関する免疫アッセイの構築では、精製した標的タンパク質は、選択が行われた抗体を用いる免疫アッセイの親和性および特異度の判定のための標準の役割をする。種々の抗体の結合親和性は異なりうる;抗体対(例えばサンドイッチアッセイで)は立体的に互いに干渉しうる、などのため、抗体のアッセイ挙動は、抗体の絶対的な親和性および特異度よりも重要な基準である。
当業者に認識されるように、抗体または結合フラグメントの生成、並びに種々のポリペプチドに対する親和性および特異度に関するスクリーニングおよび選択において多くの方法を取りうるが、これらの方法は本発明の範囲に変化を与えない。
治療計画の選択
特定の非特異的兆候の考え得る原因は多種多様な疾病でありうるため、これらの可能性のある原因に対する好適な治療も同様に多種多様でありうる。しかしながら、一度診断が下されると、臨床医はその診断に適合する治療計画を容易に選択することができる。本明細書に記載する診断法に関連して検討される多数の疾患についての好適な治療は当業者に周知である。例えばMerck Manual of Diagnosis and Therapy(第17版) Merck Research Laboratories, Whitehouse Station, NJ, 1999参照。
更に、本明細書に記載する方法および組成物から予後に関する情報が得られるため、本発明のパネルおよびマーカーを使用して治療経過をモニタリングしてもよい。例えば予後状態の改善または悪化は特定の治療が有効または無効であることを示す。
以下の実施例は本発明を例証するためのものである。これらの実施例は本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1 血液サンプリング
血液標本は訓練を受けた研究者が抗凝固剤としてEDTAを使用して回収し、10分間またはそれ以上遠心分離を行う。血漿成分を無菌凍結バイアルに移し、-20℃またはそれ以下で凍結する。各患者の病歴によって、アッセイデータの統計分析を容易にすることができる。
実施例2 被験体群
以下の実施例6、7、8、および9で、120検体の健常者コントロールからサンプルを得た。試験集団は予め登録した入院患者および救急患者で肺塞栓症が確認された患者から成る。適格性の審査の一因となる選定基準は、コンピュータ断層撮影(CT)胸部血管造影スキャンまたは肺換気・血流(V/Q)スキャンのいずれかに基づく肺塞栓症の診断可能性である。除外は以下の基準によって行った:(1)ヘパリン治療の開始後>12時間、(2)収縮期低血圧(15分以上の間隔で連続して測定した2つの測定値が<100mm Hg)、(3)線溶療法、カテーテルによる血栓破砕(catheter fragmentation)、または外科的塞栓除去術での初期治療、(4)6ヶ月後死亡率が>50%と推定される疾病(例えば転移性癌、末期AID、移植または人工透析の予定のない末期心不全または腎不全)、(5)患者に治療を行わないという治療計画、(6)心エコー検査による右心室機能の測定ができない構造的または臨床状態、(7)何らかの理由による永久的歩行不能、(8)予想される監禁期間が>6ヶ月の囚人、(9)医師の拒否、(10)インフォームド・コンセント過程での参加の不能または不希望。インフォームド・コンセント後に適用した除外は以下である:(1)CT血管造影の再解釈で肺塞栓症が陰性であり、更にCT静脈造影および静脈超音波検査のいずれでも深部静脈血栓症の所見が得られない、(2)心エコー検査の実施不能、(3)患者の試験からの離脱、または生存者における追跡調査の未実施。
PEおよび/またはDVTと診断された被験者100人、並びにPEおよび/またはDVTと診断された後に有害転帰(6ヶ月間の追跡調査期間にわたる死亡、ショック状態、挿管、入院中の血栓除去手術、または重度身体障害(右心室拡張、中度もしくは重度の運動機能低下、sPAP>35かつ安静時呼吸困難または歩行時<330mと定義)と定義)を示した被験体37人から、登録時にサンプルを採取した。
実施例3 生化学アッセイ
個々のアッセイを以下の実施例4および5に記載するように実施した。以下のマーカーに結合するようにアッセイを構築し、以下の例で以下の単位を用いて結果を報告する(別名および測定単位は丸括弧内):酸性カルポニン(ng/mL);アドレノメデュリン(pg/ml);アンジオポイエチン-4(ng/ml);塩基性カルポニン(ng/ml);骨形成タンパク質(BMP-4)(ng/ml);B型ナトリウム利尿ペプチド(BNP、BNP77-108)(pg/ml);BNP1-1O8(プロBNP)(pg/ml);BNP3-108(pg/ml);BNP79-108(pg/ml);カスパーゼ-3(ng/mL);CCL-11(pg/ml);カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)(pg/ml);クレアチンキナーゼ-BB(CK-BB)(ng/ml);クレアチンキナーゼ-MB(CK-MB)(ng/ml);C-反応性プロテイン(CRP)(μg/ml);D-ダイマー(ng/ml);可溶性エラスチンフラグメント(sELAF)(ng/ml);エンドセリン-1(pg/ml);グルタチオン-S-トランスフェラーゼ3(GSTP)(ng/ml);心型脂肪酸結合タンパク質(hFABP)(ng/ml);インターロイキン-1受容体アンタゴニスト(IL-1ra)(pg/ml);インターロイキン-25(IL-25)(pg/ml);レプチン(ng/ml);可溶性リンホトキシンb受容体(sLTBR、sTNFRSF3)(ng/ml);単球走化性タンパク質-1(MCP-1)(pg/ml);マトリクス・メタロプロテイナーゼ-9(MMP9)(ng/ml);ミエロペルオキシダーゼ(myloperoxidase)(MPO)(ng/ml);ミオグロビン(MYO)(ng/ml);ヌクレオシド2リン酸キナーゼA(NDKA)(ng/ml);ニューロピリン-2(ng/ml);好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)(ng/ml);胎盤成長因子-1(PLGF-1)(pg/ml);胎盤成長因子1および2(PLGF-1/2)(pg/ml);ANP28-151(des-Asn-Pro proANP)(ng/ml);活性化プロテインC(ng/ml);総プロテインC(潜在型+活性PC)(ng/ml);肺サーファクタント・プロテインA(PSAP-A)(ng/ml);肺サーファクタント・プロテインB(PSAP-B)(ng/ml);肺サーファクタント・プロテインC(PSAP-C)(ng/ml);肺サーファクタント・プロテインD(PSAP-D)(ng/ml);高度グリコシル化最終産物の可溶性受容体(sRAGE)(ng/ml);可溶性血小板内皮細胞接着分子-1(sPECAM-1)(ng/ml);スペクトリンα鎖120kDa(スペクトリン120)(pg/ml);スペクトリンα鎖145kDa(スペクトリン145)(ng/ml);アンジオポイエチン-1受容体(TIE-2)(ng/ml);組織因子(pg/ml);可溶性腫瘍壊死因子受容体1a (sTNFR1a)(ng/ml);可溶性腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー7(sTNFRSF7、cd27)(ng/ml);可溶性腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー14(TNFsR14)(ng/ml);心筋トロポニンI(遊離型および複合型)(cTNI)(ng/ml);血栓前駆タンパク質(TpP)(μg/ml);ユビキチン融合分解タンパク質1ホモログ(UFDPlH)(ng/ml);ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(UPA)(ng/ml);血管細胞接着タンパク質1(VCAM-1)(ng/ml);VE-カドヘリン(cd144抗原)(ng/ml);血管内皮増殖因子(VEGF)(pg/ml);可溶性flt-1(sVEGF-R1)(pg/ml);可溶性kdr(sVEGF-R2)(ng/ml);VWFインテグリンドメインを含有するフォン・ヴィレブランド因子(VWF-インテグリン)(ng/ml)。
図1-4にこれらの測定値のいくつかの結果をSPSS 10.1ソフトウェア(SPSS社)を用いて算出したものを箱髭法で示す。
実施例4 マイクロタイタープレートに基づく生化学分析
マイクロタイタープレートでのサンドイッチ免疫アッセイで、選択した分析物に対するモノクローナル抗体をビオチン化した(N-ヒドロキシスクシンイミドビオチンを抗体あたり約5部の比で使用)。その後、抗体-ビオチン・コンジュゲートを標準的なアビジン384ウェル・マイクロタイタープレートのウェルに添加し、プレートに結合しなかった抗体コンジュゲートを除去した。これによってマイクロタイタープレート中に“抗マーカー”を生成した。同じ分析物に対する別のモノクローナル抗体をアルカリホスファターゼにコンジュゲートさせた(例えばスクシンイミジル4-[N-マレイミドメチル]-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)およびN-スクシンイミジル3-[2-ピリジルジチオ]プロピオネート(SPDP)(Pierce, Rockford, IL)を使用)。
ビオチン化された抗体を予めアビジンでコーティングしておいたマイクロタイタープレートにピペッティングし、60分間インキュベートした。未結合の抗体を含む溶液を除去し、ウェルを洗浄バッファー(150mM NaCl、0.1%アジ化ナトリウム、および0.02% Tween-20を含有する20mMホウ酸塩(pH 7.42)から成る)で洗浄した。添加したHAMA阻害剤を含有する血漿サンプル(10μLまたは20μLのCCL4)をマイクロタイタープレートのウェルにピペッティングし、60分間インキュベートした。次いでサンプルを除去し、ウェルを洗浄バッファーで洗浄した。その後、抗体-アルカリホスファターゼ・コンジュゲートをウェルに添加し、更に60分間インキュベートした後、抗体コンジュゲートを除去し、ウェルを洗浄バッファーで洗浄した。基質(AttoPhos(登録商標), Promega, Madison, WI)をウェルに添加し、蛍光産物の生成速度を、試験したサンプル中の分析物の濃度と相関させた。
マイクロタイタープレートでの競合免疫アッセイでは、選択した分析物に対するマウスモノクローナル抗体をマイクロタイタープレートのウェルに添加し、予めマイクロタイタープレートのウェル表面に吸着させておいたヤギ抗マウス抗体(Pierce, Rockford, IL)に結合させて固定化した。60分間のインキュベーション後、未結合のマウスモノクローナル抗体を除去した。これによってマイクロタイタープレート中に“抗マーカー”を生成した。選択した分析物と同じ、またはそれに関係し、モノクローナル抗体が結合できる精製ポリペプチドを、抗体のビオチン化に関して上に記載したのと同様にビオチン化した。このビオチン化したポリペプチドをHAMA阻害剤の存在下でサンプルと混合し、外因的に添加したビオチン化ポリペプチドおよびサンプルに内在する未標識分析物分子の両方を含有する混合物を生成した。添加するモノクローナル抗体およびビオチン化マーカーの量は種々の因子に依存し、実験的に漸増させて、選択した分析物について満足のいく用量応答曲線を得た。
この混合物をマイクロタイタープレートに添加し、マウスモノクローナル抗体と120分間反応させた。120分のインキュベート後、未結合の物質を除去し、Neutralite-アルカリホスファターゼ(Southern Biotechnology;Birmingham, AL)を添加して固定化されたビオチン化ポリペプチドに結合させた。基質(上記)をウェルに添加し、蛍光産物の生成速度を結合したビオチン化ポリペプチドの量と相関させ、従って、標本中の内因性の分析物量と逆相関させた。
実施例5 マイクロ流体素子に基づく生化学分析
本質的に以下の記載のようにマイクロ流体素子を用いて免疫アッセイを行った: The Immunoassay Handbook(第2版)David Wild(編), Nature Publishing Group, 2001,41章“Near Patient Tests: Triage(登録商標)Cardiac System”。
サンドイッチ免疫アッセイでは、必要なアッセイ試薬の全て(HAMA阻害剤を含む)を乾燥した形態で含有するマイクロ流体素子に血漿サンプルを添加する。血漿をフィルターに通過させ、粒子状物質を除去する。血漿はキャピラリー作用によって“反応槽”に入る。この反応槽は目的の分析物に好適な蛍光ラテックス粒子-抗体コンジュゲート(以下、FETL-抗体コンジュゲートと称する)を含有し、いくつかの選択された分析物に対するFETL-抗体コンジュゲートを含有してもよい。FETL-抗体コンジュゲートは血漿中に溶解して反応混液となり、これはインキュベーション時間中(約1分間)、反応槽に保持され、血漿中の目的の分析物(単数または複数)が抗体に結合することが可能となる。インキュベーション時間の後、反応混液はキャピラリー作用によって検出レーンに移動する。目的の分析物(単数または複数)に対する抗体を“検出レーン”の表面上の分離した捕捉ゾーンに固定化する。反応槽で生成された分析物/抗体-FETL複合体は好適な検出ゾーン上で捕捉されてサンドイッチ複合体を形成し、未結合のFETL-抗体コンジュゲートは過剰の血漿によって検出レーンから廃液槽に洗浄除去される。捕捉ゾーンに結合した分析物/抗体-FETL複合体の量を蛍光光度計(Triage(登録商標) MeterPlus, Biosite社)で定量し、血漿標本中の選択した分析物の量と相関させる。
競合免疫アッセイでは、操作および工程は、以下の点を除いて、サンドイッチ免疫アッセイでの記載と同様である。ある形態では、蛍光ラテックス粒子-マーカー(FETL-マーカー)コンジュゲートを反応槽に施与し、血漿中に溶解させて反応混液とする。この反応混液はサンプルに内在する未標識の分析物およびFETL-マーカー・コンジュゲートの両方を含有する。反応混液を目的の分析物の捕捉ゾーンと接触させると、未標識の内因性分析物およびFETL-マーカー・コンジュゲートは限定された数の抗体結合部位を巡って競合する。従って、捕捉ゾーンに結合したFETL-マーカー・コンジュゲートの量は血漿標本中に存在する内因性の分析物の量に逆相関する。別の形態では、サンドイッチ免疫アッセイに関して上に記載したように、抗体-FETLコンジュゲートを反応槽に施与する。この形態では、捕捉ゾーンは検出レーンの表面上に固定化されたマーカーを含む。遊離の抗体-FETLコンジュゲートは捕捉ゾーン上のこの固定化されたマーカーに結合するが、目的の分析物に結合した抗体-FETLコンジュゲート、この固定化されたマーカーには容易には、または全く結合しない。この場合も、ゾーンに捕捉されたFETLの量は血漿標本中の選択した分析物の量に逆相関する。当業者に認識されるように、選択した分析物(単数または複数)の特性および濃度によって、いずれの形態を使用してもよい。
サンプル集団標本と同様に処理したEDTA血漿に重量測定的に希釈した精製タンパク質(選択した分析物と同じであるか、またはそれに関係し、アッセイで検出できるもの)を用いてアッセイのキャリブレーションを行った。精製したマーカー・タンパク質の添加前に血漿中に存在した分析物の内在レベルを測定し、標準物質中のマーカー値の割り当てにおいて考慮に入れた。標準物質中の内在レベルを低下させることが必要な場合は、標準的な免疫親和法を用いて内在する分析物を血漿から除去した。標準物質について、サンプル集団標本と同様にアッセイを行い、得られたデータを用いて“用量応答”曲線を作成したが(分析物濃度の関数として表したアッセイシグナル)、これを用いて被験体標本から得られたアッセイシグナルから分析物の濃度を測定してもよい。
実施例6 VTEDの診断指標としてのマーカーの使用
PEおよび/またはDVT罹患群において下記のバイオマーカーが健常コントロールに比較して有意に高いレベルであるという知見が得られた(中央値に関するノンパラメトリック・クラスカル・ワリス検定、全てp<0.001(ただしMCP-1はp<0.007)。結果を以下の表に示す。
Figure 2008544224
Figure 2008544224
マーカーについてROC分析を行い、以下の結果を得た。
Figure 2008544224
実施例7 VTEDにおける予後診断指標としてのマーカーの使用
有害転帰を起こしたPEおよび/またはDVT被験体では、有害転帰を起こさなかったPEおよび/またはDVT被験体に比較してBNP、BNP3-108、およびMCP-1のレベルが有意に高かった。比較のため、ウィルコクスン検定のp値はそれぞれ0.002、0.004、および0.0312である。
表3:PEおよび/またはDVT;健常=有害転帰なし;罹患=上記実施例2で定義した有害転帰。
マーカーについてもROC分析を行い、以下の結果を得た:
Figure 2008544224
試験群における有害転帰率は28%であった。患者が過去に心肺疾患の病歴を保有、医療パネル陽性(持続的低酸素血症(患者の室内空気呼吸時のパルス酸素濃度計の測定値<95%と定義)、または12誘導心電図による肺高血圧症の兆候(ダニエルスコア>8と定義)、または血清トロポニンT濃度測定による心筋細胞壊死の兆候(>0.1ng/mL))、D-ダイマー>8μg/mL、B型ナトリウム利尿ペプチド>90pg/mLである場合、有害転帰の可能性(すなわち陽性的中率)はそれぞれ57%、42%、50%、57%に増加する。トロポニンT>0.1ng/mL、D-ダイマー>8μg/mL、またはB型ナトリウム利尿ペプチド>90pg/mLの組み合わせから成る3マーカー・パネルの感度、特異度、および確度はそれぞれ72%(95% CI:57-84%)、68%(58-76%)、および69%(61-76%)であった。
実施例8 VTEDにおけるリスク層別化のためのパネル
PCT出願US03/41426(2003年12月23日出願)に記載される方法を用いてVTEDにおけるリスク層別化のための代表的なパネルを同定した。多数の可能性のあるマーカーから開始し、反復法を適用した。この方法では、マーカーに関する個々の閾値濃度をカットオフそのものとして使用せず、各患者に関するアッセイ値を比較および標準化するための値として使用する。ウィンドウ因子(Window factor)を用いてカットオフ値の上および下の最小および最大値を算出した。最大値より高いアッセイ値を最大に設定し、最小値より低いアッセイ値を最小値に設定する。個々のマーカーの重みの絶対値の合計は1となる。マーカーの負の重みはコントロール群のアッセイ値が罹患群のものより高いことを示す。
カットオフ、ウィンドウ、および重み係数を用いて“パネル応答”を算出する。患者およびコントロールの全集団に関するパネル応答について、個々のマーカーで一般的に行うのと同様にROC分析を行い、“パネル応答“カットオフを選択してパネルの所望の感度および特異度を得る。各反復セットの後、等式への寄与が最も少ない因子を除去し、減少したマーカーを用いて反復過程を再開してもよい。許容されるパネル感度および特異度が得られる最小数のマーカーとなるまで、この過程を継続する。
本実施例において“罹患”データセットはPEおよび/またはDVT並びに有害転帰(実施例3で定義)を有すると診断された被験体の集団を表し、“健常”データセットはPEおよび/またはDVTを有するが有害転帰は有さないと診断された被験体集団を表す。入院時にこれらの被験体のサンプルを得た。
Figure 2008544224
実施例9 VTEDの診断に関するパネル
Figure 2008544224
実施例10 被験体集団
以下の実施例11および12では、緊急医療施設での来院時に2つの試験のうちの1つに登録した439検体のヒト被験者からサンプルを採取した。確定基準として、被験体が肺塞栓症または深部静脈血栓症を有する疑いがあることを必要条件とした。除外基準には、現在発症しているPEもしくはDVTの治療を既に受けている者、活性型心不全を有する者、透析を必要とする腎疾患の病歴、またはMI、PTCA、CABG、もしくは不安定狭心症の過去1ヶ月以内の発症がを含めた。試験に登録しなかった明らかに健常な個体の集団(n=49)を健常コントロールサンプルとして選択した。
登録した被験体439名の診断(医療施設で使用される標準的な臨床法による)は以下の通りであった:
57 PE+ 382 PE-
51 DVT+ 381 DVT- 7 DVT状態不明
予後の評価では、被験体を45日間にわたって追跡調査した。以下の転帰が観察された:
PE+患者57名中:4名が追跡調査中に死亡;23名が有害転帰併発(入院時にICU入室、追跡調査期間中にPEが再発、および/または追跡調査期間中に死亡と定義)。
登録被験体439名中:11名が追跡調査中に死亡;34名が有害転帰併発(同じ定義で)。
実施例11 VTEDにおける診断および予後指標としての個々のマーカーの使用
診断比較のため、被験体集団を以下の(1)から(4)の亜群に分けた:(1)試験の登録基準外から集めた健常被験体;(2)PE+(肺塞栓症陽性、かつ、DVT陽性、陰性、または未確定);(3)DVT+(DVT陽性、かつ、肺塞栓症陽性または陰性);および(4)PE-(肺塞栓症陰性、かつ、DVT陽性、陰性、または未確定)。予後比較のため、被験体集団を更に(5)から(12)の亜群に分けた:(5)PE+かつ追跡調査期間にわたって生存;(6)PE+かつ追跡調査期間中に死亡;(7)全ての登録被験体で45日目に生存;(8)全ての登録被験体で追跡調査期間中に死亡;(9)PE+かつ追跡調査期間中有害転帰非併発;(10)PE+かつ追跡調査期間中に1またはそれ以上の有害事象併発;(11)全ての登録被験体で追跡調査期間中に有害転帰非併発;および(12)全ての登録被験体で追跡調査期間中に1またはそれ以上の有害転帰併発。マーカー・アッセイを上記実施例3、4、および5の記載に基づいて実施した。これらの群のそれぞれでのアッセイ結果を以下の表7に示す。
Figure 2008544224
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以下の表8および9に、個別マーカー・アッセイのそれぞれについて、種々の被験体群を識別する単変量能力解析によって得た結果を示す。データは、特定の群の比較のためにROC曲線下面積として表し(標準的な受信者動作特性法に従って算出)、2つの群が統計的に異なるかどうかを評価するクラスカル・ワリス検定を用いて算出したp値を含む。
Figure 2008544224
Figure 2008544224
好ましいVTED、PE、および/またはDVTの診断アッセイには、前記の表において3つの比較群のいずれかのROC面積が>0.6である1またはそれ以上のマーカーを検出するよう構成されたものがある。これらには以下のマーカーの1またはそれ以上を検出する1またはそれ以上のアッセイがある:酸性カルポニン、アドレノメデュリン、塩基性カルポニン、BMP-4、BNP、BNP1-1O8、BNP3-108、BNP79-108、CCL11、CK-BB、CRP、D-ダイマー、sELAF、エンドセリン-1、GSTP、IL-1ra、IL-25、レプチン、sLTBR、MMP-9、MPO、NDKA、ニューロピリン-2、NGAL、PLGF-1、PLGF 1+2、活性型プロテインC、総プロテインC、PSAP-A、PSAP-C、sRAGE、sPECAM-1、TIE-2、組織因子、sTNFR1a、sTNFRSF7、TNFsR14、TpP、UFDP1H、UPA、VCAM-1、VE-カドヘリン、VEGF、sVEGF-R1、VWF-インテグリン、およびANP28-151。特に好ましいアッセイには、前記の表において3つの比較群のいずれかのROC面積が>0.7であるマーカーを検出するようものがある。これらには以下のマーカーの1またはそれ以上を検出する1またはそれ以上のアッセイがある:酸性カルポニン、アドレノメデュリン、塩基性カルポニン、BNP1-1O8、BNP3-108、CK-BB、CRP、D-ダイマー、sELAF、GSTP、IL-1ra、MMP-9、MPO、NDKA、ニューロピリン-2、NGAL、PLGF 1+2、総プロテインC、sTNFR1a、UFDP1H、VCAM-1、VEGF、sVEGF-R1、およびVWF-インテグリン。最も好ましいアッセイには、前記の表において3つの比較群のいずれかのROC面積が>0.8であるマーカーを検出するものがある。これらには以下のマーカーの1またはそれ以上を検出する1またはそれ以上のアッセイがある:アドレノメデュリン、塩基性カルポニン、D-ダイマー、GSTP、MMP-9、NDKA、ニューロピリン-2、総プロテインC、およびUFDP1H。
あるアッセイ(例えばBNP、BNP3-108、BNP79-108、CRP、D-ダイマー、sELAF、GSTP、sLTBR、MPO、NDKA、sTNFR1a、TNFsRU、UFDP1H、sVEGF-R1、およびVWF-インテグリンの1またはそれ以上を検出するもの)で群(4)と群(2)の識別においてROC面積が>0.6であるものは、VTEDの原因の識別、そして特にPEとDVTの識別に好適である。
これらの好ましいマーカーおよびマーカー・アッセイはそれぞれ個別で使用するか、またはこれらの好ましいマーカーの1、2、3、4、5、6、またはそれ以上と、必要によりこれらの好ましいマーカー以外の更なるマーカーの1またはそれ以上を含むパネルで使用してもよい。本発明の診断法を用いてVTED、PE、および/またはDVTを確定または除外してもよく、これらの疾病に関係する臨床兆候および症状と併用するのが最も好ましい。
Figure 2008544224
Figure 2008544224
VTED、PE、および/またはDVTと診断された被験体の予後診断に好ましいアッセイには、前記の表において4つの比較群のいずれかのROC面積が>0.6である1またはそれ以上のマーカーを検出するよう構成されたものがある。これらには以下のマーカーの1またはそれ以上を検出する1またはそれ以上のアッセイがある:酸性カルポニン、アドレノメデュリン、アンジオポイエチン-4、塩基性カルポニン、BMP-4、BNP、BNP1-1O8、BNP3-108、BNP79-108、CCL11、CGRP、CK-BB、CK-MB、CRP、D-ダイマー、sELAF、hFABP、IL-1ra、IL-25、レプチン、sLTBR、MCP-1、MMP-9、MPO、NDKA、ニューロピリン-2、NGAL、PLGF 1+2、活性型プロテインC、PSAP-A、PSAP-B、PSAP-C、PSAP-D、sRAGE、sPECAM-1、スペクトリン145、組織因子、sTNFR1a、sTNFRSF7、TNFsR14、TpP、UFDP1H、UPA、VCAM-1、VE-カドヘリン、VEGF、sVEGF-R1、VWF-インテグリン、およびANP28-151。特に好ましいアッセイには、前記の表において4つの比較群のいずれかのROC面積が>0.7であるマーカーを検出するものがある。これらには以下のマーカーの1またはそれ以上を検出する1またはそれ以上のアッセイがある:酸性カルポニン、アドレノメデュリン、塩基性カルポニン、BMP-4、BNP、BNP3-108、CK-BB、CK-MB、CRP、D-ダイマー、sELAF、IL-25、レプチン、MCP-1、MMP-9、MPO、NDKA、NGAL、PSAP-A、PSAP-B、sPECAM-1、sTNFRSF7、UFDP1H、UPA、VEGF、およびsVEGF-R1。最も好ましいアッセイには、前記の表において4つの比較群のいずれかのROC面積が>0.8であるマーカーを検出するものがある。これらには以下のマーカーの1またはそれ以上を検出する1またはそれ以上のアッセイがある: CRP、D-ダイマー、IL-25、レプチン、MCP-1、PSAP-A、PSAP-B、sPECAM-1、UFDP1H、およびVEGF。
これらの好ましいマーカーおよびマーカー・アッセイはそれぞれ個別で使用するか、またはこれらの好ましいマーカーの1、2、3、4、5、6、もしくはそれ以上と、必要によりこれらの好ましいマーカー以外の更なるマーカーの1またはそれ以上を含むパネルで使用してもよい。本発明の予後診断法を用いてVTED、PE、および/またはDVTを有すると診断された被験体の予後を判定してもよく、これらの疾病に関係する臨床兆候および症状と併用するのが最も好ましい。
実施例12 肺塞栓症の診断のためのパネル
以下の実施例において、“罹患”データセットはPEおよび有害転帰(実施例3で定義)を有すると診断された、実施例10に記載した被験体集合からの被験体集団を表し、“健常”データセットはPEの診断が除外された、実施例10記載の被験体集合からの被験体集団を表す。入院時にこれらの患者のサンプルを得た。PCT出願US03/41426号(2003年12月23日出願)および実施例8記載の方法を用いてマーカー・パネルを同定した。
以下のマーカーを選択してパネルに使用した:D-ダイマー(単変量ROC 0.887);MPO(単変量ROC 0.789);NDKA(単変量ROC 0.682);ニューロピリン-2(単変量ROC 0.52);CRP(単変量ROC 0.809);VEGF-r1(単変量ROC 0.651);TNF-sR14(単変量ROC 0.614);sPECAM-1(単変量ROC 0.51);組織因子(単変量ROC 0.588)。
Figure 2008544224
上記のデータで示すように、実施例11からの好ましいマーカーを検出するアッセイを含むパネルを用いて被験体に肺塞栓症の診断を下すことができる。更に、ROC面積によって測定されるように、それらのパネルによって、マーカーを個別に使用する方法より優れた診断法が得られる。それらのパネルは好ましくは実施例11からの好ましいマーカー・アッセイの2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上を含む。最も好ましいパネルはD-ダイマーを検出するアッセイ、およびD-ダイマー以外の実施例11からの好ましいマーカーの1またはそれ以上を検出する1またはそれ以上のアッセイを含む。
当業者に容易に認識されるように、本発明は目的を実施し、言及した結果および利点、並びにそこに内在するものを得るのに十分適合する。本明細書に記載する実施例は好ましい態様を示すものであり、例証的なものであって、本発明の範囲の制限を意図するものではない。
当業者に容易に認識されるように、種々の置換および改変を、本発明の範囲および意図から逸脱することなく、本明細書に記載する発明に施与してもよい。
本明細書で言及した全ての特許および文献は、本発明が属する分野における通常の技術者のレベルを示す。全ての特許および文献は、各個別文献が参照により組み込まれることが明確かつ個別に示されるのと同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に例証的に記載した本発明は、本明細書に特に開示していない任意の要素(単数または複数)、制限(単数または複数)を欠いた状態で好適に実施してもよい。従って、例えば本明細書中の各場合において、“を含む”、“本質的に…から成る”、および“から成る”という用語はそれぞれ他の2つの用語のいずれかと置換してもよい。使用した用語および表現は制限ではなく説明の用語として使用したものであり、それらの用語および表現の使用に当たっては開示および記載した特徴と同等のもの、またはその一部を除外することを意図するものではなく、請求する本発明の範囲内で種々の修飾を行うことが可能であることは認識されるところである。従って、本発明について好ましい態様および他の特徴によって具体的に開示したが、当業者は本明細書に開示するコンセプトの修飾および変更を行ってもよく、それらの修飾および変更は、添付の特許請求の範囲に定義する本発明の範囲内に含まれると見なされる。
他の態様について、添付の特許請求の範囲に記載する。
図1は、コントロールおよびVTED被験体における種々の被験体由来マーカーの測定値を箱髭図で示す。 図2は、コントロールおよびVTED被験体における種々の被験体由来マーカーの測定値を箱髭図で示す。 図3はに、コントロールおよびVTED被験体における種々の被験体由来マーカーの測定値を箱髭図で示す。 図4は、コントロールおよびVTED被験体における種々の被験体由来マーカーの測定値を箱髭図で示す。

Claims (63)

  1. 静脈血栓塞栓症を有する可能性のある被験体の診断、または静脈血栓塞栓症と診断された被験体の予後診断を行う方法でって、
    前記被験体から得たサンプルについてアッセイ法を実施し、ここで、前記アッセイ法は血圧調節関連マーカー、炎症関連マーカー、アポトーシス関連マーカー、活性酸素種関連マーカー、心筋障害関連マーカー、肺障害関連マーカー、並びに凝固および止血関連マーカーから成る群から独立して選択される複数の被験体由来マーカーの存在または量に関係する複数の検出可能なシグナルを生成し;そして
    前記アッセイ法から得たシグナルを、前記被験体における静脈血栓塞栓症の存在もしくは非存在、または前記被験体における転帰の可能性と相関させる
    ことを含む上記方法。
  2. 相関させる段階が、前記複数の被験体由来マーカーのそれぞれの濃度を測定し、そして、各マーカー濃度を前記被験体における静脈血栓塞栓症の存在もしくは非存在を示す閾値レベルと、または前記被験体における転帰の可能性と、個別に比較することを含む、請求項1記載の方法。
  3. 相関させる段階が、前記複数の被験体由来マーカーのそれぞれの濃度を測定し、前記複数の被験体由来マーカーの濃度に基づいて1つのパネル応答値を算出し、そして、指標値を、前記被験体における静脈血栓塞栓症の存在もしくは非存在を示す閾値レベルと、または前記被験体における転帰の可能性と、個別に比較することを含む、請求項1記載の方法。
  4. 複数のマーカーが、少なくとも1つの凝固および止血関連マーカー、並びに少なくとも1つの炎症関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  5. 複数のマーカーが、少なくとも1つの血圧調節関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  6. 複数のマーカーが、少なくとも1つの肺障害関連マーカー並びに少なくとも1つの血圧調節関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  7. 複数のマーカーが、少なくとも1つの血圧調節関連マーカー、少なくとも1つの炎症関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  8. 複数のマーカーが、少なくとも1つのアポトーシス関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  9. 複数のマーカーが、少なくとも1つの活性酸素種関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  10. 複数のマーカーが、少なくとも1つの心筋障害関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  11. 複数のマーカーが、少なくとも1つの肺障害関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  12. 複数のマーカーが、少なくとも1つの血圧調節関連マーカー、少なくとも1つの心筋障害関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  13. 複数のマーカーが、少なくとも1つの血圧調節関連マーカー、少なくとも1つの肺障害関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  14. 複数のマーカーが、少なくとも1つの血圧調節関連マーカー、少なくとも1つのアポトーシス関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  15. 複数のマーカーが、少なくとも1つの血圧調節関連マーカー、少なくとも1つのアポトーシス関連マーカー、少なくとも1つの炎症関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  16. 複数のマーカーが、少なくとも1つの血圧調節関連マーカー、少なくとも1つの心筋障害関連マーカー、少なくとも1つの肺障害関連マーカー、並びに少なくとも1つの凝固および止血関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  17. サンプルがヒト由来である、請求項1記載の方法。
  18. サンプルが、血液、血清、および血漿から成る群から選択される、請求項1記載の方法。
  19. アッセイ法が免疫アッセイ法である、請求項1記載の方法。
  20. 複数の被験体由来マーカーが、心房性ナトリウム利尿因子、B型ナトリウム利尿ペプチド、B型ナトリウム利尿ペプチド関連マーカー、C型ナトリウム利尿ペプチド、ウロテンシンII、ウロコルチンI、ウロコルチンII、ウロコルチンIII、アルギニンバソプレシン、アルドステロン、アンジオテンシンI、アンジオテンシンII、アンジオテンシンIII、ブラジキニン、カルシトニン、プロカルシトニン、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、アドレノメデュリン、カルシフォシン、エンドセリン-2、エンドセリン-3、レニン、およびウロジラチン、またはそれらに関連するマーカーから成る群から選択される1またはそれ以上の血圧調節関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  21. 複数の被験体由来マーカーが、B型ナトリウム利尿ペプチド、NT-プロBNP、プロBNP、BNP79-108、またはBNP3-108を含む、請求項20記載の方法。
  22. 複数の被験体由来マーカーが、急性期反応物質、血管細胞接着分子、細胞間接着分子-1、細胞間接着分子-2、細胞間接着分子-3、C-反応性プロテイン、カスペース-1、HMG-1、IL-1β、IL-6、IL-8、インターロイキン-1受容体アゴニスト、単球走化性タンパク質-1、カスペース-3、リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素、マスト細胞トリプターゼ、好酸球カチオン性タンパク質、KL-6、ハプトグロビン、腫瘍壊死因子α、腫瘍壊死因子β、フィブロネクチン、マクロファージ遊走阻止因子、および血管内皮増殖因子、またはそれらに関連するマーカーから成る群から選択される1またはそれ以上の炎症関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  23. 複数の被験体由来マーカーが、ヘプシジン、HSP-60、HSP-65、HSP-70、S-FASリガンド、非対称性ジメチルアルギニン、マトリクス・メタロプロテイナーゼ11、3、および9、デフェンシンHBD1、デフェンシンHBD2、血清アミロイドA、酸化型LDL、インスリン様増殖因子、形質転換増殖因子β、インターα阻害剤、e-セレクチン、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、低酸素誘導因子1α、誘導型一酸化窒素合成酵素、細胞内接着分子、乳酸脱水素酵素、単球走化性ペプチド-1 、n-アセチルアスパラギン酸塩、プロスタグランジンE2、核因子リガンドの受容体活性化因子、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1A、およびシスタチンC、またはそれらに関連するマーカーから成る群から選択される1またはそれ以上の急性期反応物質を含む、請求項22記載の方法。
  24. 複数の被験体由来マーカーが、プラスミン、フィブリノーゲン、D-ダイマー、β-トロンボグロブリン、血小板因子4、フィブリノペプチドA、血小板由来増殖因子、プロトロンビン・フラグメント1+2、プラスミン・α2アンチプラスミン複合体、トロンビン・アンチトロンビンIII複合体、P-セレクチン、トロンビン、フォン・ヴィレブランド因子、組織因子、および血栓前駆タンパク質、またはそれらに関連するマーカーから成る群から選択される1またはそれ以上の凝固および止血関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  25. 複数の被験体由来マーカーが、S-アセチルグルタチオン、シトクロムC、カスペース3、カテプシンD、およびα-スペクトリン、またはそれらに関連するマーカーから成る群から選択される1またはそれ以上のアポトーシス関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  26. 複数の被験体由来マーカーが、遊離型心筋トロポニンI、複合型心筋トロポニンI、遊離型および複合型心筋トロポニンI、遊離型心筋トロポニンT、複合型心筋トロポニンT、遊離型および複合型心筋トロポニンT、総心筋トロポニン、アネキシンV、B-エノラーゼ、CK-MB、グリコーゲンホスホリラーゼ-BB、心型脂肪酸結合タンパク質、ホスホグリセリン酸ムターゼ、およびS-100ao、またはそれらに関連するマーカーから成る群から選択される1またはそれ以上の心筋障害関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  27. 複数の被験体由来マーカーが、好中球エラスターゼ、KL-6、LAMP 3、LAMP3、肺サーファクタント・プロテインA、肺サーファクタント・プロテインB、肺サーファクタント・プロテインC、肺サーファクタント・プロテインD、 ホスホリパーゼD、PLA2G5、SFTPC、HTI56、およびHTII280、またはそれらに関連するマーカーから成る群から選択される1またはそれ以上の肺障害関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  28. 複数の被験体由来マーカーが、スーパーオキシド・ジスムターゼ、グルタチオン、αトコフェロール、アスコルビン酸塩、誘導型一酸化窒素合成酵素、脂質過酸化生成物、一酸化窒素、ミエロペルオキシダーゼ、および呼気中炭化水素(好ましくはエタン)、またはそれらに関連するマーカーから成る群から選択される1またはそれ以上の活性酸素種関連マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  29. 複数の被験体由来マーカーが、B型ナトリウム利尿ペプチド、NT-プロBNP、プロBNP、BNP79-108、BNP3-108、カスペース-3、CRP、D-ダイマー、TpP、MCP-1、MMP-9、ミエロペルオキシダーゼ、遊離型心筋トロポニンI、複合型心筋トロポニンI、遊離型および複合型心筋トロポニンI、遊離型心筋トロポニンT、複合型心筋トロポニンT、遊離型および複合型心筋トロポニンT、総心筋トロポニン、肺サーファクタント・プロテインA、肺サーファクタント・プロテインB、肺サーファクタント・プロテインC、肺サーファクタント・プロテインD、またはそれらに関連するマーカーから成る群から選択される1またはそれ以上のマーカーを含む、請求項1記載の方法。
  30. 複数の被験体由来マーカーが、B型ナトリウム利尿ペプチド、NT-プロBNP、プロBNP、BNP79-108、BNP3-108、カスペース-3、CRP、D-ダイマー、TpP、MCP-1、MMP-9、ミエロペルオキシダーゼ、遊離型心筋トロポニンI、複合型心筋トロポニンI、遊離型および複合型心筋トロポニンI、遊離型心筋トロポニンT、複合型心筋トロポニンT、遊離型および複合型心筋トロポニンT、総心筋トロポニン、肺サーファクタント・プロテインA、肺サーファクタント・プロテインB、肺サーファクタント・プロテインC、肺サーファクタント・プロテインD、またはそれらに関連するマーカーから成る群から選択される複数のマーカーを含む、請求項29記載の方法。
  31. 複数の被験体由来マーカーが、B型ナトリウム利尿ペプチド、NT-プロBNP、プロBNP、BNP79-108、BNP3-108、カスペース-3、CRP、D-ダイマー、TpP、MCP-1、MMP-9、ミエロペルオキシダーゼ、遊離型心筋トロポニンI、複合型心筋トロポニンI、遊離型および複合型心筋トロポニンI、遊離型心筋トロポニンT、複合型心筋トロポニンT、遊離型および複合型心筋トロポニンT、総心筋トロポニン、肺サーファクタント・プロテインA、肺サーファクタント・プロテインB、肺サーファクタント・プロテインC、肺サーファクタント・プロテインD、またはそれらに関連するマーカーから成る群から選択される、請求項29記載の方法。
  32. 少なくとも1つの非被験体由来マーカーを測定することを更に含み、前記非被験体由来マーカーを前記被験体における静脈血栓塞栓症の存在もしくは非存在、または前記被験体における転帰の可能性と相関させる、請求項1記載の方法。
  33. 複数の被験体由来マーカーが、D-ダイマー、B型ナトリウム利尿ペプチド、NT-プロBNP、プロBNP、またはBNP3-108から成る群から選択される1もしくはそれ以上の血圧調節関連マーカー、および遊離型心筋トロポニンI、複合型心筋トロポニンI、遊離型および複合型心筋トロポニンI、遊離型心筋トロポニンT、複合型心筋トロポニンT、遊離型および複合型心筋トロポニンT、総心筋トロポニン、アネキシンV、B-エノラーゼ、CK-MB、グリコーゲンホスホリラーゼ-BB、心型脂肪酸結合タンパク質、ホスホグリセリン酸ムターゼ、およびS-100aoから成る群から選択される1もしくはそれ以上の心筋障害関連マーカー、肺サーファクタント・プロテインA、肺サーファクタント・プロテインB、肺サーファクタント・プロテインC、肺サーファクタント・プロテインD、またはそれらに関連するマーカーを含む、請求項1記載の方法。
  34. 静脈血栓塞栓症と診断された被験体の予後を診断する方法であって、
    前記被験体から得たサンプルについてアッセイ法を実施し、ここで、前記アッセイ法はB型ナトリウム利尿ペプチドまたはそれに関連するマーカーの存在または量に相関する検出可能なシグナルを生じ;および
    前記アッセイ法から得たシグナルを前記被験体における転帰の可能性と相関させる
    ことを含む上記方法。
  35. 前記アッセイ法が、前記被験体における転帰の可能性と相関する前記1またはそれ以上の他の被験体由来マーカーの存在または量と相関する1またはそれ以上の検出可能なシグナルを更に生成する、請求項34記載の方法。
  36. 前記1またはそれ以上の他の被験体由来マーカーが、遊離型心筋トロポニンI、複合型心筋トロポニンI、遊離型および複合型心筋トロポニンI、遊離型心筋トロポニンT、複合型心筋トロポニンT、遊離型および複合型心筋トロポニンT、総心筋トロポニン、およびD-ダイマー、肺サーファクタント・プロテインA、肺サーファクタント・プロテインB、肺サーファクタント・プロテインC、肺サーファクタント・プロテインD、またはそれらに関連するマーカーから成る群から選択される1またはそれ以上のマーカーを含む、請求項35記載の方法。
  37. 被験体由来マーカーではない前記被験体の特性の少なくとも1つを測定することを更に含み、ここで、前記特性は前記被験体における転帰の可能性に相関する、請求項34記載の方法。
  38. 静脈血栓塞栓症と診断された被験体の予後を診断する方法であって、
    前記被験体から得たサンプルについてアッセイ法を実施し、ここで、前記アッセイ法は遊離型心筋トロポニンI、複合型心筋トロポニンI、遊離型および複合型心筋トロポニンI、遊離型心筋トロポニンT、複合型心筋トロポニンT、遊離型および複合型心筋トロポニンT、および総心筋トロポニン、またはそれらに関連するマーカーから成る群から選択される1またはそれ以上の心筋障害関連マーカーの存在または量と相関する検出可能なシグナルを生成し;そして
    前記アッセイ法から得たシグナルを前記被験体における転帰の可能性と相関させる
    ことを含む上記方法。
  39. 前記アッセイ法が、前記被験体における転帰の可能性と相関する前記1またはそれ以上の他の被験体由来マーカーの存在または量と相関する1またはそれ以上の検出可能なシグナルを更に生成する、請求項38記載の方法。
  40. 前記1またはそれ以上の他の被験体由来マーカーが、B型ナトリウム利尿ペプチド、NT-プロBNP、プロBNP、BNP79-108、BNP3-108、肺サーファクタント・プロテインA、肺サーファクタント・プロテインB、肺サーファクタント・プロテインC、肺サーファクタント・プロテインD、およびD-ダイマー、またはそれらに関連するマーカーから成る群から選択される1またはそれ以上のマーカーを含む、請求項39記載の方法。
  41. 被験体由来マーカーではない前記被験体の特性の少なくとも1つを測定することを更に含み、前記特性が前記被験体における転帰の可能性に相関する、請求項38記載の方法。
  42. 静脈血栓塞栓症を有する可能性のある被験体を診断するか、または静脈血栓塞栓症と診断された被験体の予後を診断する方法であって、
    前記被験体から得た1またはそれ以上のサンプルについて1またはそれ以上のアッセイを実施し、ここで、前記アッセイは、酸性カルポニン、アドレノメデュリン、アンジオポイエチン-4、塩基性カルポニン、骨形態形成プロテイン-4(BMP-4)、B型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、BNP1-1O8(プロBNP)、BNP3-108、BNP79-108、CCL11、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、クレアチンキナーゼ-BB(CK-BB)、クレアチンキナーゼ-MB(CK-MB)、C-反応性プロテイン(CRP)、可溶性エラスチンフラグメント(sELAF)、エンドセリン-1、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ3(GSTP)、心型脂肪酸結合プロテイン(hFABP)、IL-1ra、IL-25、レプチン、可溶性リンホトキシンB受容体(sLTBR)、単球走化性プロテイン-1(MCP-1)、マトリクス・メタロプロテイナーゼ-9(MMP-9)、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、ヌクレオチド2リン酸キナーゼA(NDKA)、ニューロピリン2、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)、胎盤成長因子-1(PLGF-1)、胎盤成長因子1および2(PLGF-1+2)、活性化プロテインC、総プロテインC、肺サーファクタント・プロテインA(PSAP-A)、肺サーファクタント・プロテインB(PSAP-B)、肺サーファクタント・プロテインC(PSAP-C)、肺サーファクタント・プロテインD、高度グリコシル化最終産物の可溶性受容体(sRAGE)、可溶性血小板内皮細胞接着分子-1(sPECAM-1)、スペクトリンα鎖145kDa(スペクトリン145)、可溶性アンジオポイエチン-1受容体(TIE-2)、組織因子、可溶性腫瘍壊死因子受容体1a (sTNFR1a)、可溶性腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー7(sTNFRSF7)、可溶性腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー14(TNFsR14)、血栓前駆タンパク質(TpP)、ユビキチン融合分解タンパク質1ホモログ(UFDP1H)、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(UPA)、血管細胞接着タンパク質1(VCAM-1)、VE-カドヘリン、血管内皮増殖因子(VEGF)、可溶性flt-1(sVEGF-R1)、インテグリンドメインを含有するフォン・ヴィレブランド因子(VWF-インテグリン)、およびANP28-151から成る群から選択される1またはそれ以上のマーカーを検出するよう構成され;そして
    前記アッセイから得た結果を、前記被験体における静脈血栓塞栓症の存在もしくは非存在、または前記被験体における転帰の可能性と相関させる
    ことを含む上記方法。
  43. 前記方法が、前記アッセイから得た結果を前記被験体における肺塞栓症の存在または非存在と相関させることを含む、請求項42記載の方法。
  44. 前記方法が、前記アッセイから得た結果を前記被験体における深部静脈血栓症の存在または非存在と相関させることを含む、請求項42記載の方法。
  45. 前記方法が、前記アッセイから得た結果を前記被験体における肺塞栓症および深部静脈血栓症間の識別と相関させることを含む、請求項42記載の方法。
  46. 前記サンプル中の1またはそれ以上の更なるマーカーを検出するよう構成した1またはそれ以上の更なるアッセイを実施することを更に含み、前記相関段階が、前記アッセイの結果および前記1またはそれ以上の更なるアッセイの結果を前記被験体における静脈血栓塞栓症の存在もしくは非存在、または前記被験体における転帰の可能性と相関させることを含む、請求項42記載の方法。
  47. 前記1またはそれ以上の他のマーカーが、特異的心筋障害関連マーカー、肺塞栓症関連マーカー、血圧調節関連マーカー、凝固および止血関連マーカー、炎症関連マーカー、およびアポトーシス関連マーカーから成る群から独立して選択される、請求項46記載の方法。
  48. 前記1またはそれ以上の更なるマーカーがD-ダイマーを含む、請求項46記載の方法。
  49. 被験体がヒトである、請求項42記載の方法。
  50. サンプルが、血液、血清、および血漿から成る群から選択される、請求項42記載の方法。
  51. 前記1またはそれ以上のアッセイが1またはそれ以上の免疫アッセイであり、前記相関段階が、前記アッセイのそれぞれからシグナルを生成させ、前記シグナルのそれぞれを前記マーカーの一つの測定濃度に変換することを含む、請求項42記載の方法。
  52. 相関させる段階が、前記測定濃度のそれぞれを、非罹患集団と罹患集団を鑑別するために選択された閾値濃度と比較することを更に含む、請求項51記載の方法。
  53. 前記方法が、前記アッセイから得た結果を前記被験体における静脈血栓塞栓症の存在または非存在と相関させることを更に含み、かつ、前記方法が、前記被験体から得た1またはそれ以上のサンプルについて1またはそれ以上のアッセイを実施することを含み、ここで、前記アッセイは、酸性カルポニン、アドレノメデュリン、塩基性カルポニン、BMP-4、BNP、BNP1-1O8、BNP3-108、BNP79-108、CCL11、CK-BB、CRP、D-ダイマー、sELAF、エンドセリン-1、GSTP、IL-1ra、IL-25、レプチン、sLTBR、MMP-9、MPO、NDKA、ニューロピリン-2、NGAL、PLGF-1、PLGF 1+2、活性型プロテインC、総プロテインC、PSAP-A、PSAP-C、sRAGE、sPECAM-1、TIE-2、組織因子、sTNFR1a、sTNFRSF7、TNFsR14、TpP、UFDP1H、UPA、VCAM-1、VE-カドヘリン、VEGF、sVEGF-R1、VWF-インテグリン、およびANP28-151から成る群から選択される1またはそれ以上のマーカーを検出するよう構成される、請求項42記載の方法。
  54. 前記方法が、前記アッセイから得た結果を前記被験体における静脈血栓塞栓症の存在または非存在と相関させることを含み、かつ、前記方法が、前記被験体から得た1またはそれ以上のサンプルについて1またはそれ以上のアッセイを実施することを含み、ここで、前記アッセイは、酸性カルポニン、アドレノメデュリン、塩基性カルポニン、BNP1-1O8、BNP3-108、CK-BB、CRP、sELAF、GSTP、IL-1ra、MMP-9、MPO、NDKA、ニューロピリン-2、NGAL、PLGF 1+2、総プロテインC、sTNFR1a、UFDP1H、VCAM-1、VEGF、sVEGF-R1、およびVWF-インテグリンから成る群から選択される1またはそれ以上のマーカーを検出するよう構成される、請求項42記載の方法。
  55. 前記方法が、前記アッセイから得た結果を前記被験体における静脈血栓塞栓症の存在または非存在と相関させることを含み、かつ、前記方法が、前記被験体から得た1またはそれ以上のサンプルについて1またはそれ以上のアッセイを実施することを含み、ここで、前記アッセイは、アドレノメデュリン、塩基性カルポニン、GSTP、MMP-9、NDKA、ニューロピリン-2、総プロテインC、およびUFDP1Hから成る群から選択される1またはそれ以上のマーカーを検出するよう構成される、請求項42記載の方法。
  56. 前記方法が、前記アッセイから得た結果を前記被験体における転帰の可能性と相関させることを含み、かつ、前記方法が、前記被験体から得た1またはそれ以上のサンプルについて1またはそれ以上のアッセイを実施することを含み、ここで、前記アッセイは、酸性カルポニン、アドレノメデュリン、アンジオポイエチン-4、塩基性カルポニン、BMP-4、BNP、BNP1-1O8、BNP3-108、BNP79-108、CCL11、CGRP、CK-BB、CK-MB、CRP、sELAF、hFABP、IL-1ra、IL-25、レプチン、sLTBR、MCP-1、MMP-9、MPO、NDKA、ニューロピリン-2、NGAL、PLGF 1+2、活性型プロテインC、PSAP-A、PSAP-B、PSAP-C、PSAP-D、sRAGE、sPECAM-1、スペクトリン145、組織因子、sTNFR1a、sTNFRSF7、TNFsR14、TpP、UFDP1H、UPA、VCAM-1、VE-カドヘリン、VEGF、sVEGF-R1、VWF-インテグリン、およびANP28-151から成る群から選択される1またはそれ以上のマーカーを検出するよう構成される、請求項42記載の方法。
  57. 前記方法が、前記アッセイから得た結果を前記被験体における転帰の可能性と相関させることを含み、かつ、前記方法が、前記被験体から得た1またはそれ以上のサンプルについて1またはそれ以上のアッセイを実施することを含み、ここで、前記アッセイは、酸性カルポニン、アドレノメデュリン、塩基性カルポニン、BMP-4、BNP、BNP3-108、CK-BB、CK-MB、CRP、sELAF、IL-25、レプチン、MCP-1、MMP-9、MPO、NDKA、NGAL、PSAP-A、PSAP-B、sPECAM-1、sTNFRSF7、UFDP1H、UPA、VEGF、およびsVEGF-R1から成る群から選択される1またはそれ以上のマーカーを検出するよう構成される、請求項42記載の方法。
  58. 前記方法が、前記アッセイから得た結果を前記被験体における転帰の可能性と相関させることを含み、かつ、前記方法が、前記被験体から得た1またはそれ以上のサンプルについて1またはそれ以上のアッセイを実施することを含み、ここで、前記アッセイは、CRP、IL-25、レプチン、MCP-1、PSAP-A、PSAP-B、sPECAM-1、UFDP1H、およびVEGFから成る群から選択される1またはそれ以上のマーカーを検出するよう構成される、請求項42記載の方法。
  59. 前記方法が少なくとも2つの前記アッセイを実施することを含む、請求項42記載の方法。
  60. 前記方法が少なくとも3つの前記アッセイを実施することを含む、請求項42記載の方法。
  61. 前記方法が少なくとも4つの前記アッセイを実施することを含む、請求項42記載の方法。
  62. 前記方法が少なくとも5つの前記アッセイを実施することを含む、請求項42記載の方法。
  63. 前記方法が少なくとも6つの前記アッセイを実施することを含む、請求項42記載の方法。

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