JP2008540522A - 骨の形成および保存を促進するための方法 - Google Patents

骨の形成および保存を促進するための方法 Download PDF

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Abstract

骨形成の誘発を必要としている被験体において骨形成を誘発する方法であって、被験体における骨芽細胞活性の増大を機械的に誘発するステップおよび被験体における少なくとも1つの骨同化剤の血中濃度を上昇させるステップを含む。本方法のこれらのステップは、いかなる順番で実施されてもよいが、同化剤の濃度の上昇と機械的に誘発された骨芽細胞活性の増大とが重複するように、時間的に充分に近接して実施される。本方法は、付加的に、被験体を少なくとも1つの再吸収阻害薬の血中濃度が上昇した状態にするステップを含んでいてよく、ここで、その高められた濃度は、骨芽細胞活性によりもたらされた新骨成長の再吸収を防止するのに充分な濃度である。本方法を用いることにより、骨の生成および保存において被験体の特定の骨をターゲットとし、より急速な骨の生成および骨同化薬のより早期の中止が可能になる。本方法を実施することができるように適合化されたキットも提供される。

Description

関連出願との相互参照
この出願は2005年5月11日に出願された出願番号第11/128,095号の一部継続出願であり、同様に、その出願は2004年5月14日に出願された仮出願第60/571,200号に基づき優先権を主張したものであり、それらの出願の内容は具体的に本明細書に組み入れられる。
連邦政府支援研究開発に関する供述
本明細書で開示されている発明は、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)から得られたNIH認可番号第DE12110号の下での政府の支援を受けて成されたものである。従って、政府は、この発明における特定の権利を有している。
発明の分野
本発明は、一般的には、被験体における骨形成を促進させるための方法に関係する。より詳細には、本発明は、急速な骨形成を誘発し、その後、例えば骨の再吸収を最小化することにより、そのようにして生成された骨を保存するための方法に関するものである。本発明を用いることにより、被験体の特定の骨を個別的にターゲット化して修復、強化、再形成及び/又はモデリングすることができる。また、本発明は、この発明の方法を実施するためのキットも対象としている。
発明の背景
骨は、脊椎動物における種々の極めて重要な役割を果たす多目的構造物である。骨は、身体を支え、身体に形状を与える枠組みを提供する。骨は、個人の生存期間の間、連続的な再生またはリモデリングを受ける。骨は、基質として知られている非生体材料内に広く散在している生細胞からなっている。2つの主要なタイプの細胞が骨のリモデリングに関与している:骨芽細胞は骨の形成にかかわっており、破骨細胞は骨の再吸収にかかわっている。基質は骨芽細胞の作用により形成され、骨芽細胞は、骨に弾力性をもたらすコラーゲンなどの骨基質タンパク質、更には骨に硬さを付与するカルシウムおよびリンから形成される無機塩を生成し、分泌する。骨組織が成熟すると、幾分かの骨芽細胞が骨基質に捕捉され、正常な細胞活動を果たす成熟骨細胞である骨細胞に分化する。これらの骨細胞は、骨基質を通じて他の骨細胞とつながり、骨内における圧力または亀裂を感じ取ることができる。従って、骨細胞は、破骨細胞が骨の修復及び/又は再生を行う際に、骨の再吸収作用を果たすべき場所を指示するのに役立っている。
破骨細胞は、存在している骨を再吸収する細胞であり、従って、骨の成長、修復および再生を促進する。破骨細胞は、単核食細胞の融合から発生する多核細胞である。破骨細胞はプロトンを分泌し、これらのプロトンが破骨細胞と骨との間に位置する細胞外コンパートメントのpH値を下げる。この低いpH値は、骨結晶の溶解を促進し、骨基質を消化するリソソーム酵素を活性化する。従って、破骨細胞は、骨表面のうちの僅か0.5%のみを覆っている、強力で効果的な骨再吸収細胞である。骨の形成に関して述べれば、骨芽細胞は、骨コラーゲンおよび他のタンパク質から形成される、「類骨」として知られている構造物を生成する。その後、骨芽細胞は、石灰化された骨組織を生成すべく、類骨内へのカルシウムおよび他の無機質の沈着をコントロールする。骨の形成が完了すると、骨芽細胞は扁平化し、骨の表面に表層を形成する。「表層細胞」として知られているこれらの扁平化骨芽細胞は、骨に出入りするカルシウムの通過を調節する。更に、これらの扁平化骨
芽細胞は、ホルモンの活性化により、骨芽細胞の分化および活性化を促進するタンパク質を生成する。従って、新たな骨の生成は、類骨の着床(lying down)、類骨の成熟および類骨の石灰化を必要とするゆっくりとしたプロセスである。破骨細胞とは対照的に、骨芽細胞は骨表面のうちの30%を覆っている。
骨格の骨は、全体を通じ、完全に充実性ではない。外側の骨、即ち、皮質骨は、数個の小さな管を有するにすぎず、全体を通じて実質的に充実性である。しかし、皮質骨から内方には、海綿骨として知られているスポンジ状の骨が所在している。海綿骨は、骨髄液、幹細胞および幾分かの脂肪細胞で満たされた複数の空隙または空洞を定める骨梁のハニカム構造からなっている。これらの骨髄腔内には、とりわけ、現存している骨の破壊に関与し、また、それに対応して、破壊された骨、または損傷もしくは疾患、例えば骨粗鬆症などにより別な様式で失われた骨に取って代わる新たな骨の生成に関与する、高度に特殊化された様々な細胞が存在している。
骨の物理的構造は、疾患および損傷を含め、様々な要因によって損なわれ得る。最も一般的な骨疾患の1つは骨粗鬆症であり、骨粗鬆症は低骨量および骨組織の構造劣化を特徴とし、これらの特徴は、骨の脆弱性および特に股関節、脊椎および手首の骨折しやすさの増大をもたらす。骨粗鬆症は、骨の再吸収速度が骨の形成速度を上回っているような不均衡が存在するときに発現する。これは、一部には、破骨細胞が3日間に破壊する骨量を骨芽細胞が再建するのに6か月かかるという事実によるものである。その一方で、骨損傷は、骨の局所的外傷を含む。
当技術分野においては、(1)例えば疾患により骨量が低減している患者、(2)骨折などのけがを引き起こす骨外傷を被りやすい患者、および(3)骨、例えば椎骨の強化を必要としている患者において、骨の形成を促進させるための様々な方法がよく知られている。しかし、典型的には、これらの障害を治療するためのそのような従来技術による方法は、本質的に全身的である。即ち、それらの方法は、単一体として骨格全体を治療するものである。それ故、一般的には、これらの方法は、例えば骨粗鬆症または骨折などによる骨外傷によって引き起こされる疾患の影響による骨の損失のためにもっと集中的な治療が必要となり得る1つまたはそれ以上の特定の骨、例えば股関節、肩、脊椎及び/又は手首などの骨をターゲットにすることができない。その上、従来技術による方法は、しばしば、不所望に長い治療計画を必要とし、これには患者のコンプライアンスの問題が付随する。
従って、この分野で働いている者にとっては、長い間、骨量が低減している被験体における骨形成をもっと迅速に、且つ、もっとターゲット化された方法で誘発する方法、特に、そのようにして生成された新たな骨の保持の増強と相まった方法に対する切実な必要性が存在している。本発明は、上で述べられている一般的な全身的効果に加え、急速な骨形成が求められるそのような治療を最も必要としている1つもしくはそれ以上の特定の骨または骨様部位を特異的にターゲットとすることを可能にする。以下で説明されているように、本発明の方法およびキットは、特に、急速性が高められたもっと効果的な骨形成をもたらし、その一方で、そのようにして生成された骨の保持を可能にし、これにより、所望の機能を見事に満たすことができるようになされている。
発明の概要
従って、本発明の1つの目的は、骨同化剤を用いる治療期間を短縮し、これにより、安全性および薬物経済学的な利点をもたらし得るように、被験体における急速な骨形成を誘発するための方法を提供することである。
また、骨量が低減している被験体において、急速な速度で骨形成を誘発するための方法を提供することも本発明の目的であり、この方法は、付加的に被験体の骨格全体に有益な骨形成効果をもたらしながら、被験体の特定の骨をターゲットとして骨量を増大させることができる。
本発明の別の目的は、骨折を防止及び/又は治療するため、被験体における急速な骨形成を誘発することができる方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、例えば股関節、膝および肩のプロテーゼ及び/又は歯科用インプラントなどの他のタイプのインプラントに対する固着機構(anchoring mechanism)として機能させるべくそのような付加的な骨を必要としている被験体における急速な骨形成を誘発することができる方法を提供することである。
本発明の尚も更なる目的は、例えば脊椎圧挫などの症状による慢性痛を軽減するため、骨の強化を必要としている被験体における急速な骨形成を誘発することができる方法を提供することである。
本発明の更に別の目的は、本発明によりそのようにして生成されたそのような付加的な骨のあらゆる実質的な部分の再吸収を低減することができる方法を提供することである。
本発明の別の目的は、上述の付加的な骨形成により骨の再形成/モデリングを可能にすべく、急速な骨形成を誘発することができる方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、上で説明されている本発明の方法を実施することができるようになされたキットを含む製造品を提供することである。
1つの好適な実施形態においては、本発明の方法はヒト被験体に使用される。しかし、本発明は獣医学的な適用も付加的に想定している。
1つの実施形態においては、本発明は、骨形成の誘発を必要としている被験体において骨形成を誘発する方法を提供し、その方法は:(a)被験体における骨芽細胞活性の増大を機械的に誘発するステップ;および(b)被験体における少なくとも1つの骨同化剤の血中濃度を、例えばそのような作用物質を投与することにより、またはそのような作用物質の自然形成をもたらす化合物を投与することにより上昇させるステップ;を含む。前述のこれらのステップは、いかなる順番で実施されてもよいが、同化剤の濃度の上昇と機械的に誘発された骨芽細胞活性の増大とが少なくとも部分的に重複するように、時間的に充分に近接して実施される。
本発明の1つの更なる実施形態においては、本方法は、被験体の少なくとも1つの骨を治療のためのターゲットとするステップを含み、ここで、それぞれのそのようなターゲットとされた骨は、その内部に骨髄腔を定めている。その骨髄腔は、とりわけ、ある量の骨髄および複数の骨芽細胞を含んでいる。本方法は、更に、骨髄腔内の内容物を機械的に変化させ、これにより、刺激することによってその内部の骨芽細胞の分化及び/又は活性を増大させるステップを含む。本方法は、付加的に、被験体に少なくとも1つの骨同化剤を投与するステップを含み、その投与ステップにおいては、被験体内における同化剤の血中レベルを自然なレベルを超えて上昇させ、これにより、上述の機械的に誘発された骨芽細胞活性を長持ちさせるのに充分な期間および濃度で骨同化剤を投与することを含む。そのような骨成長を促進させることが望まれている骨内における骨髄腔の内容物のこの機械的
な改変は、被験体の特定の骨を個別的にターゲットとして、その内部で骨形成を誘発することができる。
本発明は、更に、骨量が低減している被験体において骨形成を誘発する方法を提供し、その方法は、被験体の少なくとも1つの骨を治療のためのターゲットとするステップを含み、ここで、それぞれのターゲットとされた骨は、その内部に骨髄腔を定めている。その骨髄腔は、ある量の骨髄および複数の骨芽細胞を含んでいる。本発明の方法は、更に、骨髄腔内の内容物を機械的に変化させ、これにより、刺激することによってその内部の骨芽細胞活性を増大させるステップ(例えば、骨芽細胞を刺激することによる分化の増大または骨形成の増大)を含む。その後、骨量は、その増大された骨芽細胞活性により腔内において増量される。本方法は、付加的に、被験体に少なくとも1つの骨同化剤を投与するステップを含み、この投与ステップにおいては、被験体内における同化剤の血中レベルを自然なレベルを超えて上昇させ、これにより、上述の機械的に誘発された骨芽細胞活性を長持ちさせるのに充分な期間および濃度で骨同化剤を投与することを含む。しかし、本方法は、更に、(1)骨同化剤の投与と同時に、(2)骨同化剤の投与と重複して、または(3)骨同化剤の投与後のいずれかのタイミングで、再吸収阻害薬を投与するステップを含み、その投与ステップにおいては、上述の骨芽細胞活性により生成された新骨の再吸収を低減させるのに充分な期間および濃度で付加的に再吸収阻害薬を投与することを含む。従って、上で述べられている方法の場合と同様に、そのような刺激された成長が望まれている骨における骨髄腔の内容物の機械的な改変は、被験体の特定の骨を個別的にターゲットとして骨形成を増強することができる。
本発明は、更に、被験体の骨内における骨形成を誘発するための方法を提供し、その方法は、骨髄腔の内部における骨成長を誘発するため、骨髄腔の内容物を機械的に変化させるステップを含み、ここで、前述の骨は、そのような内容物の機械的な改変により刺激され、従って、その内部における骨芽細胞の分化活性を増大させる。本発明は、更に、前述の被験体に、ある量の再吸収阻害薬を投与するステップを含み、この投与ステップにおいては、前述の骨芽細胞活性により生成された新骨の再吸収を実質的に防止するのに充分な期間および濃度で再吸収阻害薬を投与することを含む。必ずしもサケカルシトニンでなくてもよいが、サケカルシトニンであってよい再吸収阻害薬は、機械的な改変と同時に及び/又は機械的な改変後に投与されてよい。この方法は、骨同化剤を投与するステップを含まない。
本発明は、付加的に、そのような骨形成を必要としている被験体の少なくとも1つのターゲットとされた骨における骨形成を促進させるためのキットを提供する。1つの実施形態においては、前述のキットは、その内部に少なくとも1つの骨同化剤を有する少なくとも1つの容器、更には少なくとも1つのターゲットとされた骨における骨髄腔の内容物を変化させるための機械的改変装置を含む。別の実施形態においては、前述のキットは、その内部に少なくとも1つの骨再吸収阻害薬を有する容器、更には選定された骨における骨髄腔の内容物を変化させるための機械的改変装置を含んでいてよい。尚も更なる1つの実施形態においては、前述のキットは、少なくとも1つの骨同化剤および少なくとも1つの骨再吸収阻害薬を伴う複数の容器、更には上で説明されている機械的改変装置を含んでいてよい。いずれにおいても、前述のキットは、付加的に、骨髄腔から内容物の少なくとも一部を抜き取るための排出装置を備えていてよい。
本発明の好適な実施形態についての詳細な説明
第1の実施形態においては、本発明は、新骨形成の誘発を必要としている被験体において、そのような新骨形成を誘発する方法を提供する。本方法は、被験体における骨芽細胞活性の増大を機械的に誘発するステップ、および被験体における少なくとも1つの骨同化
剤の血中濃度を上昇させるステップを含む。上述のこれらのステップは、いかなる順番で実施されてもよいが、同化剤の濃度の上昇と機械的に誘発された骨芽細胞活性の増大とが少なくとも部分的に重複するように、時間的に充分に近接して実施されるべきである。
骨成長の誘発は、例えばそのような骨成長が現在起こっていない場所に新たな骨または付加的な骨を発生させる方法及び/又は既に形成過程にある骨の成長を刺激する方法(即ち、骨成長の急速性を増大させる方法)を含むことができる。決して理論により拘束されるものではないが、本出願人らは、骨成長の誘発が(1)被験体における骨芽細胞活性の機械的な誘発と(2)被験体における少なくとも1つの骨同化剤の血中濃度の上昇とが結び付いた組み合わせ効果により起こるものと確信している。この説明全体を通じ、使用されている場合、本発明のプロセスにより形成されると述べられている骨は、単に骨梁のみに限定されるものではなく、以下の付加的な「タイプ」の骨:緻密骨、皮質骨及び/又は層板骨;のうちのいずれか1つもしくはそれ以上も含むものと解釈すべきである。
骨芽細胞活性の増大の機械的な誘発は、本発明の1つの好適な実施形態においては、骨髄潅注および除去のプロセスにより得ることができる。ここでも、決して理論により拘束されるものではないが、本出願人らは、骨髄潅注および除去プロセスが骨髄腔内にクロットの形成をもたらし、このクロット形成が、次々に起こる一連の生化学的な反応を通じ、被験体における骨芽細胞活性を増大させることに寄与しているものと考えている。
別の実施形態においては、骨芽細胞活性の増大は、代替的に、上述の機械的な誘発を付加的な形態の誘発と組み合わせることにより、例えば生化学的な誘発などと組み合わせることにより得ることができる。そのような生化学的な誘発は、被験体に、例えば、ある量の血液因子、例えば因子(「F」)VII、因子VIIaまたはそれらの組み合わせなどを投与することにより得ることができる。組織または血管の損傷後、血漿FVII/FVIIaが組織因子(組織トロンボプラスチン)に結合することにより、クロット形成が始まる。この複合体(FVII/FVIIa+トロンボプラスチン)は、最終的にフィブリンの沈着および血小板の活性化をもたらす凝固カスケードの活性化を導く一連の事象を開始させる。この複雑な一連の事象は、部分的に、骨髄内における骨芽細胞の刺激に寄与することができる。因子VIIおよびVIIaは、Novo Nordiskから市販されている。
本発明の方法を用いて得られる骨芽細胞活性の増大は、必ずしもこれらに限定するものではないが:(1)骨芽細胞の分化、即ち、付加的な骨芽細胞の生成、(2)被験体における骨形成の誘発において既に存在している骨芽細胞の活性及び/又は有効性の増大、および(3)それらの組み合わせ;を含めた様々な要因によるものであってよい。本発明の1つの好適な実施形態においては、骨芽細胞活性の増大は、上で記されているすべての機能を含む。
1つの実施形態においては、この少なくとも1つの骨同化剤の血中濃度は、1つまたはそれ以上の骨同化剤を被験体に直接的に投与することにより高められてよい。
本発明の1つの更なる実施形態においては、本方法は、付加的に、被験体の1つまたはそれ以上の特定の骨を「ターゲット化して」骨成長を誘発することを含む。このターゲット化は、骨髄腔の内部の骨芽細胞活性の増大を誘発すべく、ターゲットとされたそれぞれの骨における骨髄腔の内容物を機械的に変化させることにより果たされる。
従って、本発明の方法は、骨の修復、即ち、外傷による骨折の場合などにおける骨の修復に有用なだけでなく、骨折を防止するため、2重エネルギーX線吸収測定法(「DEXA」)または他の技法により骨量及び/又は骨密度の増大を必要としていることが示され
ている被験体、または骨が弱くなっていることにより脊椎の圧挫などの症状に起因する慢性痛を被っている患者などの場合における部位特異的な様式での骨の強化にも有用である。更に、上で記されているように、本発明の方法は、付加的に、人工の股関節、膝関節および肩関節などのプロテーゼ用及び/又は歯科用インプラントなどのインプラント用のアンカーとして機能することが必要とされる新骨を提供(および保持)するのに役立つ。
尚も更なる1つの実施形態においては、本発明の方法は、付加的に、被験体に少なくとも1つの再吸収阻害薬の高められた血中濃度をもたらすステップを含み、ここで、この高められた濃度は、本発明によって機械的に誘発された骨芽細胞活性の増強によりもたらされた新骨成長の再吸収を低減させるのに充分な濃度である。
1つの実施形態においては、本発明は、骨形成の誘発を必要としている被験体において、骨形成を誘発する方法を提供し、ここで、その方法は、(a)被験体における骨芽細胞活性の増大を機械的に誘発するステップ;および(b)被験体における内因性骨同化剤の高められた血中レベルをもたらす少なくとも1つの物質を被験体に投与するステップ;を含む。本方法のステップは、いかなる順番で実施されてもよいが、同化剤の濃度の上昇と機械的に誘発された骨芽細胞活性の増大とが少なくとも部分的に重複するように、時間的に充分に近接して実施される。本方法の1つの実施形態においては、内因性骨同化剤の高められた発現をもたらす物質は石灰溶解剤(calcilytic agent)であってよい。本発明の方法に有用な石灰溶解剤は、これらに限定するものではないが、カルシウム受容体へのカルシウムの結合を制限し、これにより、内因性PTHの放出を引き起こすあらゆる物質を含む。そのような石灰溶解化合物の例が米国特許第6,362,231号;第6,395,919号;第6,432,656号および第6,521,667号で説明されており、これらの特許の内容は、参照により本明細書に組み入れられる。
本発明は、更に、骨量が低減している被験体または骨外傷を被っている被験体における骨形成を誘発する方法を提供する。この方法は、被験体の少なくとも1つの骨を治療すべきターゲットとするステップを含み、ここで、ターゲットとされたそれぞれの骨は、その内部に骨髄腔を定めている。骨髄腔は、とりわけ、ある量の骨髄および複数の骨芽細胞を含む。本発明の方法は、更に、骨髄腔の内容物を機械的に変化させ、これにより、刺激することによってその内部の骨芽細胞活性を増大させるステップを含む。本方法は、付加的に、被験体に、少なくとも1つの骨同化剤を投与するステップを含み、この投与ステップにおいては、被験体内における同化剤の血中レベルを自然なレベルを超えて上昇させ、これにより、機械的に誘発された骨芽細胞活性を長持ちさせるのに充分な期間および濃度で骨同化剤を投与することを含む。例えば、人体内で内因的に生成される骨同化剤は遊離酸の形態のPTH[1−84]であり、このPTH[1−84]は、生来、ヒト被験体の血液中に、1リットル当たり約8ピコモル(pモル)未満のレベルで見いだされる。従って、本発明の実践は、上で示されているように、被験体内における骨同化剤の血中レベルをそのような自然なレベルを超えた相応したレベルにまで上昇させることを要件として含む。従って、上述のことに加え、骨髄腔の内容物の機械的な改変により、被験体の特定の骨をターゲットとして骨形成を増強することができる。
本発明の1つの実施形態においては、骨形成は、骨折の治癒の急速性を高めるため、被験体の骨における長骨骨折の部位で誘発されてよい。別の実施形態においては、本方法は、更に、そこに管理された様式で付加的な骨形成を誘発することにより、被験体の少なくとも1つのターゲットとされた骨を再形成またはモデリングするステップを含む。
本出願人らは、驚くべきことに、骨芽細胞活性の初期バーストと少なくとも部分的に重複する期間の間、骨同化剤の血中レベルを高めることにより、骨芽細胞活性の初期バーストが予想外に高いレベルで維持され得ることを発見した。この効果は、図1のグループC
およびDで得られた曲線を比較することにより立証される。骨同化剤が存在していない場合には、骨形成の初期バーストの後、すぐに、新たに形成された骨の破骨細胞による再吸収が続発する(例えば、図1のグループCの曲線を参照のこと)。図1のグループEで得られた曲線は、PTH骨同化剤単独の投与により骨成長の増大が誘発されているが、この増大は、骨髄除去(bmx)プラスPTHの投与の組み合わせにより達成されたレベルまでには上昇していないことを示している。図1に示されている結果は、明らかに、bmxおよびPTH投与の組み合わせが、bmxまたはPTH単独の効果に比べ、骨形成の程度、スピードおよび寿命の予想外の増大をもたらし、更にはターゲットとされた部位に特異的な反応をもたらすことを実証している。表1(以下)は、図1のグループA〜Eで得られた曲線のベースとなっている値を示している。第1週目および第2週目における対照グループ(グループA)および擬似グループ(グループB)での読み取りは行われなかったため、これらの値は、これら2つのグループに対する曲線を作成する目的で見積もられた。表1は、更に、各グループで得られた値に対する標準偏差を記載しており、これらの標準偏差は図1にも示されている。
本明細書で示されている場合、bmx処置は、常に、ラットの左大腿骨に施されたものであり、決して右大腿骨に施されたものではない。しかし、本明細書で説明されている試験プロトコル全体を通じ、骨同化剤の全身的効果を検出するための対照として、この非除去対側大腿骨を分析した。即ち、この対側(右)大腿骨で果たされた結果により、bmx処置に起因する効果を除外することが可能になる。更に、ラットの右大腿骨対照の分析により、本発明者らにとっては、左大腿骨のbmx処置がラットの身体内に位置する他の骨格部位に何らかの影響を及ぼしたかどうかを決定することも可能になる。
上で指示されているように、図1に示されており、且つ、表1にまとめられている値は、全骨の全体的な密度を測定するDEXA法を用いて得られた値である。しかし、末梢骨定量的コンピュータ断層撮影(「pQCT」)は、あらゆる選定された部位における骨の仮想「薄片」の密度を提供する。本発明者らにより得られたpQCT値は、骨が穿孔により破壊された部位である骨の骨端レベルで得られた値である。従って、上で検討されている実験によって本発明者らにより取得されたpQCT測定値は、PTH単独の場合と比べたbmx+PTHの組み合わせに対して総骨含量の改善を示さなかった。これは、bmx手術が骨端骨(皮質骨部分と骨梁部分との両方)を通じる穿孔からなっていたという事実によるものであり、この穿孔は、骨を破壊し、従って、pQCTがマイナス方向の骨密度を読み取る原因となる。
図2は、とりわけ、重複(即ち、PTH投与との重複)またはその後の再吸収阻害薬サケカルシトニン(sCT)の投与により達成される更なる有益な効果を示すために与えられている。先ず、グループH(bmx単独)およびグループJ(bmxを伴うPTH+sCT)で得られた曲線とグループI(bmx+PTH+sCT)で得られた曲線との比較
は、本発明の方法の使用に起因する相乗効果の尚も更なる証拠を与えている。これに加え、グループIで得られた曲線は、bmxとPTH投与との組み合わせにより生じる骨芽細胞活性の初期バーストに続く再吸収阻害薬sCTの投与が、新たに形成された骨が破骨細胞の作用により再吸収される割合を有意に低減することも実証している。表2(以下)は、図2の曲線のベースとなっている値を示している。第1週目および第2週目の期間における対照グループ(グループF)および擬似グループ(グループG)での読み取りは行われなかったため、これらの値は、これら2つの曲線を作成する目的で見積もられた。表2は、各グループで得られた値に対する標準偏差を記載しており、これらの標準偏差は図2にも示されている。
図3は、上で説明されているグループA〜Jのうちの幾つかから得られたラットからの左および右大腿骨全体の一連の高分解能放射線像を表している。示されているそれぞれの図において、処置方式が放射線像の下側左隅に指示されている。以下の略語が使用されている:対照=手術なし;擬似=何ら骨髄除去を伴わない手術;BMX=骨髄除去;PBS=リン酸緩衝生理食塩水;PTH=副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH);およびCT=サケカルシトニン。更に、上で指示されているように、処置方式の説明で「bmx」を指示している図3(c)〜(e)の右大腿骨の図において、これは、示されている大腿骨に対応する大腿骨、即ち、左大腿骨にbmx処置が施されたという事実を表している。この用語法は、更に、この検討の残りの部分全体を通じて一貫してそのまま用いられる。放射線像に示されている比較的明るい(比較的放射線不透過性の高い)領域は、比較的濃密な骨成長領域を指示している。
この図で示されているように、最良の結果、即ち、最大の骨成長は、サケカルシトニンなどの再吸収阻害薬の存在を伴って、またはそのような再吸収阻害薬の存在を伴わずに、副甲状腺ホルモンなどの同化剤の投与と組み合わせて骨髄除去(bmx)術を施したときに達成された。特に、図3(d)および3(e)を参照のこと。同化剤の投与に起因する右(非除去)大腿骨に改善が見られた(即ち、図3(d)のケースにおける21日間毎日PTH、および1〜7日目まで毎日PTH、続いて、7〜21日目まで毎日サケカルシトニンの投与(図3e))が、対応する左大腿骨は、bmx処置の適用と同化剤の投与との複合効果により、右大腿骨よりも一層大きな改善を示した。
上で提示されているすべてのデータは、ラット大腿骨の遠位骨端部分のみで実施された分析に基づくものである。しかし、続いて、本発明者らは、この骨端のレベルにおける骨密度の読み取りにかかわる上述の欠点を回避するため、これらの実験動物の大腿骨の残りの部分、特に皮質骨幹軸の長さ方向に沿った領域で更なる分析を行った。骨幹軸の中央部
分を選択したが、それは、骨の骨端部分で行われる測定とは対照的に、この代替的な部位においては、その骨髄腔は、本明細書で開述されている如く、骨が本発明の方法により処置されない限り、また、骨がそのようにして処置されるまで、通常、骨梁を含んでおらず、骨髄細胞のみであるため、骨幹軸骨髄腔内に形成された骨梁の増大を測定するのが比較的簡単であるという理由によるものである。これらの付加的な分析の結果に向けられた以下の検討において、読者は、骨髄除去(bmx)術が、すべてのケースにおいて、これらの試験動物の左大腿骨においてのみ実施されたという事実を思い起こすべきである。換言すれば、右大腿骨における骨髄部分の除去は行われなかった。従って、右大腿骨に関する説明図またはグラフにそのラットが受けた処置方式を記述するために略語「bmx」などとラベルが付けられた以下で検討されている右大腿骨の図において、そのようなラベル付けは、その図が、それらの実験動物の対応する左大腿骨が本明細書で開述されている様式で骨髄除去処置を受けた右大腿骨の図、またはそのような右大腿骨の分析により得られた値を提示するグラフであることを意味していることを理解すべきである。ここで記されている分析の結果および以下で更に開述されている分析の結果は、PTH単独の場合と比べて、bmx+PTHの組み合わせで総骨含量が改善されていることを明白に示しており、この改善は、存在していたが、骨のpQCT分析においては単に検出できなかったものである。
図4(a〜d)は、上の表1及び/又は2に記載されている種々のグループからのラットの左大腿骨骨幹軸内における骨梁とある程度までの全骨との両方の形成をグラフで示しており、ここで、その左大腿骨は、副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH)を含む1つもしくはそれ以上の骨同化剤およびサケカルシトニンなどの1つもしくはそれ以上の再吸収阻害薬の同時投与及び/又はその後の投与と組み合わせたbmx(骨髄除去)処置を受けた。図から分かるように、新たな骨梁の最大の形成は、bmxと副甲状腺ホルモンとの複合効果によって左大腿骨骨幹軸で起こった。次に高いレベルの新骨形成は、7日間副甲状腺ホルモンを投与し、その後、続けてサケカルシトニンを投与することにより起こった。bmxプラスサケカルシトニンの組み合わせにおいて有益な結果が付加的に観測された。これらの最後の2つの組み合わせの効果は、bmxにより誘発された有意な初期骨形成を保護するが、副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH)単独の場合と同じ程度ではなかった。最も効果の少ない組み合わせ、即ち、骨密度の改善において、時間の経過と共に最も急速に効果が低減した組み合わせはbmx+緩衝剤(リン酸緩衝生理食塩水、即ち「PBS」)であり、ここで、この緩衝剤は、それ自体で使用したときに、既知の同化作用を有していない。
図4(b)および4(d)は、同じ動物の対応する右大腿骨骨幹軸で得られた結果、即ち、骨髄除去(bmx)が行われなかった右大腿骨骨幹軸で得られた結果を示すために与えられている。右大腿骨が受けた唯一の処置が骨同化剤の全身的投与によるものであったため、殆どまたは全く新骨形成は観測されず、即ち、密度は実質的に一定のままであった。この1つまたは複数の同化剤は、それ自体で骨密度に何らかの現実的な好ましい効果を持つには短すぎる期間投与された。実際、右大腿骨骨幹軸に対する総骨密度曲線は実質的に直線を呈しており、これは、総密度の測定値が皮質骨の測定値を含んでいるという事実に起因するものである。その上、同化剤は皮質骨の密度を増大させるのに充分な期間投与されなかったため、総密度は変わらないままであった。
表3(以下)は、図4(a〜d)の曲線のベースとなっている値を示している。この表は、付加的に、各分析で得られた値に対する標準偏差(「sd」)を含んでおり、これらの標準偏差は図4(a〜d)にも示されている。
図5は、以下の処置方式を受けたラットの血清中における、殺した時点で測定されたオステオカルシンレベルをグラフで表したものである:bmx+PBS;bmx+副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH);bmx+サケカルシトニン(CT);およびbmx+副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH)+CT。オステオカルシンは
、骨芽細胞の個数に関する生化学的なマーカー、即ち、新骨成長の尺度であり、動物の血清中において測定され得ることが当業者により広く知られている。図5において、最も高く、且つ、最も一貫したレベルのオステオカルシンは、骨髄除去(bmx)プラス副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH)による処置を受けた動物の血清中において見られた。PTH処置は早くも7日目にオステオカルシンレベルを上昇させ、この高いレベルが21日目まで持続した。更に、bmx+サケカルシトニンの組み合わせは、少なくとも2週間(14日間)の間、比較的安定した状態のオステオカルシン値をもたらした。これは、CTが再吸収阻害薬であり、従って、CTの投与は破骨細胞の個数を低減させるが、骨芽細胞の個数を増大させないため、完全に想定されたものであった。即ち、CTの投与は、骨代謝回転の速度を低減させる。
表4(以下)は、図5の曲線のベースとなっている値を示している。表4は、付加的に、指示されているそれぞれの分析により得られた値に対する標準偏差を与えており、これらの標準偏差は図5にも示されている。
図6は、対照ラットおよび処置されたラットの左大腿骨骨幹軸から採取した代表的な骨の微小コンピュータ断層撮影(MicroCT)分析の結果を示している。処置方式がそれぞれの図の下側左隅に示されており、そこで使用されている略語は図3〜5で使用されている略語と同じである。この図は、そのような各骨幹軸の断面を通じる図を提供している。図から分かるように、最良の結果、即ち、最も広範な新骨成長は、骨髄除去(bmx)+7日間毎日副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH);bmx+14日間毎日副甲状腺ホルモン;bmx+21日間毎日副甲状腺ホルモン;およびbmx+1〜7日目までの間副甲状腺ホルモン、続いて7〜21日目までの間サケカルシトニンの投与のケースで達成された。予想通り、対照および擬似の両ケースでは新骨成長が観測されず、bmxおよびPBS緩衝液で処置したケースにおいては、一時的な新骨成長が達成されたにすぎなかった。
図7は、図6で試験されたのと同じラットの右大腿骨骨幹軸から得られた大腿骨切片でのMicroCT分析の結果を示している。この図から分かるように、この骨幹軸の内部骨髄腔内には新たに形成された付加的な骨が実質的に存在しなかった。これは、この右大腿骨が除去処置を受けなかったという事実によるものである。繰り返しになるが、「bmx」とラベル付けされているあらゆる右大腿骨の図は、対応する左大腿骨が骨髄除去を受けたことを意味するものと解釈すべきであることに注意が必要である。従って、右大腿骨骨幹軸内において生じたあらゆる付加的な成長は、当該動物に投与された同化剤の全身的効果に起因するものである。
図8は、以下の処置方式を受けた代表的なラットにおける左大腿骨の染色および脱石灰化された骨切片の図を示している:対照第0日目;対照第21日目;擬似第21日目;bmx第0日目;bmx+7日間毎日PBS;bmx+14日間毎日PBS;bmx+21日間毎日PBS;bmx+7日間毎日副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH);bmx+14日間毎日PTH、およびbmx+21日間毎日PTH。この図により示されているように、骨髄除去+同化剤投与の同時作用を受けたラットからの大腿骨の骨髄腔内においては、骨成長の明らかな改善、即ち、骨成長の増大が存在する。更に、最大のそのような増大は、bmx処置が同化剤の最も長い期間の投与と組み合わせられたケース、即ち、bmx+21日間毎日PTHのケースで見られている。これらの図は、本発明の方法の有効性を示す実質的な更なる証拠を提示している。
図9は、図8の各図よりも高い倍率で撮影された、以下の処置方式を受けたラットの左大腿骨骨髄腔内の図である:a)対照第0日目、b)対照第21日目、c)擬似第21日目、d)骨髄除去(bmx)+7日間毎日リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、e)bmx+14日間毎日PBS、f)bmx+21日間毎日PBS、g)bmx+7日間毎日副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]NH)、h)bmx+14日間毎日PTH、i)bmx+21日間毎日PTH、j)bmx+7〜14日目まで毎日サケカルシトニン(CT)、k)bmx+7〜21日目まで毎日サケカルシトニン、l)bmx+1〜7日目まで毎日PTH、続いて、7〜14日目までの間毎日サケカルシトニン、およびm)bmx+1〜7日目まで毎日PTH、続いて、7〜21日目までの間毎日サケカルシトニン。この図は、必要とされている場所に新骨を急速に形成することにおける本発明の方法の有効性を支持する更なる証拠を提供している。この図から分かるように、骨髄腔が除去(「bmx」)術を受け、且つ、この処置の効果が副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH)及び/又はサケカルシトニンなどの同化剤の骨生成効果と重複させられたすべてのケースで、有意な量の新骨成長が達成され、その新骨の密度が時間の経過とともに増大した。更に、この図は、新たに形成された骨が時間の経過とともに一層濃密且つ一層規則的になり、従って、機械的な強度が一層高くなったことを示している。
その後、(1)付加的な骨同化剤、即ち、副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH)およびカルシトニン以外の骨同化剤の効果を測定するため、更にはそのような副甲状腺ホルモンで達成される1つもしくは複数の効果と副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)およびカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を含めた代替的同化剤の使用によって得られる効果とを比較するため、付加的なグループ(K〜R)のラットを用いて更なる一連の実験を実施した。図3〜9に関して上で検討されている分析の場合と同様に、試験された実験動物においては、左大腿骨のみが骨髄除去(bmx)処置を受け、即ち、右大腿骨では除去が行われなかった。従って、上で記されているように、処置方式として骨髄除去(bmx)を指示している以下に記載されている図における右大腿骨のあらゆる図は、対応する左大腿骨にそのような処置が施されたことを意味するものと解釈すべきである。更に、これに加え、上述のケースの如く、図10〜13に関して以下で説明されているサンプルは、図1および2の場合のように対応する遠位骨端ではなく、大腿骨骨幹軸から採取されたものである。以下で検討されている図は、測定が21日目の終点でのみ行われた終点研究の結果を示している。
図10(a〜b)は、指定されている期間の間毎日1つまたはそれ以上の以下の物質を注射された(上で説明したものに対して)付加的なグループのラットの左および右大腿骨全体の1組の高分解能放射線像を表している:リン酸緩衝生理食塩水(PBS);副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH);副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP);およびカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)。試験用の被験体として選定されたラットは、以下の処置方式(それぞれの放射線像の下側左隅に指示されている通り)を受けた:対照第0日目;対照第21日目;骨髄除去(bmx)第0日目;擬似第21
日目;bmx、続いて21日間毎日PBS緩衝液の注射;bmx、続いて21日間毎日PTHの注射;bmx、続いて21日間毎日PTHrPの注射;およびbmx、続いて21日間毎日CGRPの注射。
図10(a)により示されているように、最良の結果、即ち、最大の骨密度は、骨髄除去の効果が様々な同化剤の投与に起因する効果と重複した左大腿骨で得られた。図3の場合のように、比較的明るい領域、即ち、比較的放射線不透過性の高い領域は、付加的な骨成長が最も大きな場所を指示している。最良の結果は、またしても、同化剤として副甲状腺ホルモンを使用したケースで得られたが、同化剤として、それぞれ、PTHrPおよびCGRPを使用した場合にも満足のいく結果が得られた。またもや、図3でも指示されているように、左大腿骨は、右大腿骨の場合よりも相応して大きな改善を示したが、これは、またも、bmx処置を受けなかった右大腿骨とは対照的に、左大腿骨ではbmx処置が施されたことに起因するものである。
図11(a〜d)は、図10(a〜b)に関して上で説明されている処置方式、即ち:対照第0日目;bmx第0日目;対照第21日目;擬似第21日目;bmx+21日目のPBS;bmx+21日目のPTH;bmx+21日目のPTHrP;およびbmx+21日目のCGRP;を受けたラットの左大腿骨骨幹軸における骨梁密度およびある程度までの総骨密度の改善を棒グラフによりグラフで示している。ここでも、これは、左大腿骨(のみ)がbmx処置を受け、従って、左大腿骨が、そのようなbmx処置の効果が骨同化剤を用いた全身的処置の効果と重複した唯一の大腿骨であったことに起因している。例えば図11(a)からはっきりと認識することができるように、上述の実験動物の左大腿骨骨幹軸の骨梁密度は、これらの実験動物がそれぞれ副甲状腺ホルモン、PTHrPおよびCGRPで処置されたことと併せて、骨髄除去後に有意に改善された。また、図11(c)は、同化剤の投与とリンクされたbmx処置後の左大腿骨骨幹軸において測定した場合の総骨密度の幾分かの増大も示している。左大腿骨で得られた値とは対照的に、測定されているのが骨梁密度であるのか総骨密度であるのかにかかわらず、右大腿骨においては、有意な量の骨が形成されなかった。この新骨の欠如は、また、右大腿骨が骨髄除去(bmx)処置を受けなかったという事実に起因するものである。
表5(以下)は、図11(a〜d)における棒の高さのベースとなっている値を示している。この表は、それぞれの分析で得られた値に対する標準偏差を付加的に含んでおり、これらの標準偏差は図11(a〜d)でも示されている。
図12は、図10および11に示されている分析の被験体であったラットの血清中における、殺した時点で測定されたオステオカルシンレベルを表す棒グラフである。上で指示
されているように、オステオカルシンは新骨成長の指標となる生化学的なマーカーであることが広く知られている。図12から分かるように、最も高いオステオカルシンレベル、即ち、最も大きな骨成長を示すオステオカルシンレベルは、bmx+21日間毎日副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH)の投与の組み合わせにより起こる。bmx+21日間毎日PTHrPの投与の組み合わせでも有意な新骨成長が示されている。CGRPを用いた処置は骨梁密度が増大する傾向を示したが(例えば、図11および表5参照)、CGRPを用いた処置では、オステオカルシンレベルの増大は見られない。これは、恐らく、CGRPの同化活性がPTHまたはPTHrPの場合よりも弱く、従って、オステオカルシンレベルの測定可能な増大をもたらすためには、もっと長い期間の処置またはもっと高い濃度のCGRPが必要となり得ることを示している。
表6(以下)は、図12における棒の高さのベースとなっている値を示している。この表は、それぞれの分析で得られた値に対する標準偏差を付加的に含んでおり、これらの標準偏差は図12でも示されている。
図13(a〜b)は、図10〜12で指示されている様式で処置されたラットの左大腿骨骨幹軸(図13a)および右大腿骨骨幹軸(図13b)から採取された骨サンプルの微小コンピュータ断層撮影(MicroCT)分析間の比較を表している。上で検討されているこれ以外のケースと同様に、最も有意な量の新骨成長は、左大腿骨の骨幹軸がbmx処置を受けたため、左大腿骨の骨幹軸において見られる。詳細には、有意な程度の改善は、(a)bmx+21日間のPTHの投与、および(b)bmx+21日間のPTHrPの投与で処置されたラットにおいて認められ、一方、新骨成長は、上の(a)および(b)のケースの場合よりも程度は小さかったが、bmx+CGRPの組み合わせでも認められた。これとは対照的に、右大腿骨骨幹軸の切片は、骨成長の増大を非常に僅かしか示しておらず、または骨成長の増大を全く示していない。
上で検討されている図1、2、4、5、11および12、ならびに対応する表1、2、3、4、5および6に示されている結果は、図14a〜14dに描かれているような骨芽細胞活性の増大を機械的に誘発するための方法を用いて得られたものである。しかし、図14a〜14dに示されている方法は例示のためにのみ与えられたものであり、当業者に広く知られているものと考えられる数多くの代替的な技法を用いて、この必要な骨芽細胞活性の機械的な誘発を得ることができるため、本発明は、指示されているこれらの図に描かれている1つまたは複数の手順に限定されるものではない。このような状況を踏まえ、図14a〜14dに示されている代表的な方法においては、9週齢、即ち、急速な成長期にある雄のスプレーグ−ドーリーラットを、手術(bmx)に先立ち、5〜10日間飼育した。手術の日に、これらのラットの体重を計量し、デカピオン(decapione)を用いてケタミン(50mg/kg)とキシラジン(10mg/kg)との組み合わせで麻酔をかけた。この麻酔薬は、0.4〜0.8mlのケタミンと0.5mlのキシラジンとを8.5mlの生理食塩水と混ぜ合わせることにより調製された。ラットは、それぞれ、この麻酔薬を0.1ml/10g体重の割合で注射された。
手術用の準備において、それぞれのラットの左膝関節の毛を剃った。剃毛された領域をベタジンスクラブで術前の準備をした後、エタノールで洗った。この膝関節の内側面を横断して1.0cmの縦切開を行った(図14a参照)。その後、膝を曲げ、切開された組織を後ろへ引っ張り、標認点として膝蓋腱を露出させた。膝蓋を側方へ押しやり、滑らかな0.035k−ワイヤドリルビットにより腱上方の大腿骨顆内切痕を通じて骨髄腔内へ1.0mmの穴を穿孔した(図14b参照)。穿孔動作を5回繰り返した。その後、ネジ切りされた0.045インチのドリルビットを用いて、上述の穿孔ステップを繰り返した。
穴あけが完了した後、26−ゲージの針に取り付けられた注射器を用いて大腿骨に5mlの生理食塩水を注入することにより、骨髄腔内の内容物をバックフラッシュさせた(図14c参照)。しかし、上で指示されているように、除去処置は、処置を施す医師が達成しようと望んでいる結果により、即ち、その技法用に選択された特定の適用に応じて、骨のあらゆる場所で、例えば骨端および骨幹軸の中央部などを通じて、あらゆる角度で、例えば骨端から始めて骨幹軸に平行な角度および骨幹軸中央部において骨に垂直角度などで、あらゆる穿孔深さにまで実施されてよい。
次のステップは、4−0デクソン(Dexon)糸を用いて内側靭帯構造を縫合し、外科用金属クリップを用いて皮膚切開部を閉じることを含んだ(図14d参照)。その後、それぞれのラットに5mlの生理食塩水をボーラス注入し、識別用にタグをつけた。回復期間中、ラットは手術後の最初の24時間の間、Tylenol(登録商標)溶液(300mg/kg/日)を与えられ、その後、最初の5日間毎日チェックされた。
殺す日に、各ラットをCOチャンバ内で安楽死させた。その後、ラットの血液を心穿刺により採取した。大腿骨を取り出し、4%ホルマリン溶液中において固定した後、それらの大腿骨を段階的な一連のエタノール溶液中において脱水した。
その後、これらの骨を様々なサンプル分析技術にかけた。これらの分析技術は、大腿骨を個別的に密封されたプラスチック製バッグ内においてX線撮影するX線分析;大腿骨の骨髄腔内における骨無機質密度を測定するためのLunar PIXIMUSスキャナを用いるPIXIMUS分析;MicroCT分析;ならびにオステオカルシン、PTH、CT、NTXおよび成長因子の血液分析;を含んだ。
本発明の1つの実施形態においては、骨芽細胞活性の機械的な誘発(骨芽細胞形成の増
大及び/又は前から存在している骨芽細胞による骨形成の増大によるかどうかにかかわらず)と同時的に、骨同化剤が被験体に投与されてよく、ここで、前述の機械的な誘発は、例えば骨髄腔の改変により達成されてよい。好適な実施形態においては、骨髄腔の骨髄及び/又は他の成分は、圧力下(例えば骨髄腔内外の相対的な圧力を変えることによる)で取り除かれる。
別の実施形態においては、骨同化剤は、そのような機械的な誘発の後に投与される。別の実施形態においては、骨同化剤は、骨同化剤の高められたレベルが機械的な誘発の時点で既に存在するように、機械的な誘発に先立って投与されてよく、その後、その後の長期間、前述の高められた骨同化剤のレベルが維持されてよく、または間欠的に継続されてよい。
骨同化剤は、経口的に、静脈内に、筋肉内に、皮下に、インプラントを介して、経粘膜的に、経皮的に、経直腸的に、経鼻的に、蓄積注射により、または吸入および肺吸収により投与されてよい。別の実施形態においては、骨同化剤は、持続放出調合物として一度に、複数回、または1つもしくはそれ以上の長期間にわたって投与されてよい。同化剤の高められた血中レベルは、機械的な誘発後、約14〜365日間の間少なくとも間欠的に維持されることが好適であり、より好適には、約30〜180日間の間少なくとも間欠的に維持される。副甲状腺ホルモン、例えばPTH[1−34]−NHの間欠的な投与は、血中濃度がそれぞれの投薬の間にベースラインレベルに戻るものの、最初に機械的に誘発された骨芽細胞活性の上昇(その後は、少なくとも部分的には同化剤により維持されるが)と重複するような様式で骨同化剤の定期的な血中レベルの増大を引き起こすように、血中濃度をピークにもたらすべく、1日に1回または1週間に1回行うことができよう。
1つの付加的な実施形態においては、同化剤は、副甲状腺ホルモン(PTH)、同化作用性ビタミンD類似体、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質5(LRP5)、非ゲノムエストロゲン様シグナル伝達活性化剤(ANGELS)、骨形態形成タンパク質(BMP)、インスリン様成長因子(IGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、スクレロスチン、レプチン、プロスタグランジン、スタチン、ストロンチウム、成長ホルモン、成長ホルモン放出因子(GHRF)、肝細胞成長因子(HGF)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)、形質転換成長因子(TGF)−β1およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。本明細書で使用する場合、副甲状腺ホルモンという用語は、これらに限定するものではないが、天然の副甲状腺ホルモン、天然副甲状腺ホルモンのトランケート、天然副甲状腺ホルモンのアミド化されたトランケート、アミド化された天然副甲状腺ホルモンおよびそれらの組み合わせを含む。
1つの実施形態においては、骨同化剤は、遊離酸の形態におけるトランケートされたPTH[1−34]である。この材料は、FDA承認済みの製剤処方において、Forteo(登録商標)(テリパラチド)という商品名でEli Lilly & Co.から市販されている。本発明と共に使用するのに有用な他の骨同化剤は、これらに限定するものではないが、天然副甲状腺ホルモンのアミド化されたトランケート、PTH[1−30]NH、PTH[1−31]NH、PTH[1−32]NH、PTH[1−33]NH、PTH[1−34]NHおよびそれらの組み合わせを含む。1つの好適な実施形態においては、骨同化剤はPTH[1−34]NHである。トランケートされた副甲状腺ホルモンを調製するための方法が、メータ(Mehta)らに付与された米国特許第6,103,495号に記載されている。更に、そのようなトランケートされた副甲状腺ホルモンをアミド化するための方法論が、例えばベルテルセン(Bertelsen)らに付与された米国特許第5,789,234号およびギリガン(Gilligan)らに付与された米国特許第6,319,685号で示されている。これらの各特許の内容は、参
照により、本明細書に具体的に組み入れられる。
本方法の1つの実施形態においては、約50pg/mlから350pg/mlまでの間、好適には約100pg/mlから200pg/mlまでの間、最も好適には約150pg/mlの被験体内における脈動性の血中濃度を達成し、その後そのような濃度に維持すべく、本明細書で検討されている如き充分な量の好適なトランケートされた副甲状腺ホルモンが被験体に投与される。別の実施形態においては、被験体内における副甲状腺ホルモンの血中濃度は、骨髄腔の内容物の機械的な改変後、7日以内に好適なレベルにまで高められる。当技術分野において広く知られているように、上で指示されている血中濃度を達成するため、PTH骨同化剤の適切な投与量が算出されなければならない。例えば、注射製剤の場合、例えばヒト被験体に与えられる用量(活性ホルモンの純重量における用量)は、これらの様々な物質の骨同化活性に関する文献で教示されている用量であってよい。そのような用量は、必ずというわけではないが、1日に1回与えるとして約10〜200μgの間の範囲、より好適には1回の投薬当たり約20〜100μgまでの間、最も好適には約20〜50μgの間の範囲であってよい。上で述べられている副甲状腺ホルモンをベースとした物質以外の骨同化剤を含む注射製剤の投薬レベルは、それらのPTH物質に対して上で記されているレベルと合致するであろう。
本発明の機械的な誘発ステップの不在下において、上で検討されている好適なPTH[1−34]−NH類似体と比べたPTH[1−31]−NHおよびPTH[1−34]−OHで達成される(1)腰椎骨無機質密度および(2)腰椎骨形成速度を比較する一連の実験を実施した。この研究は、10カ月齢で骨粗鬆症を誘発する卵巣摘出術(「OVX」)の6カ月後における雌スプレーグ−ドーリーラットを上述の3つの副甲状腺ホルモントランケートのうちの1つで4週間処置するステップを含んだ。これらのラットは以下のグループにランダムに振り分けられた:擬似OVX、OVX+賦形剤、OVX+PTH[1−31]−NHもしくはPTH[1−34]−NH(Unigene Laboratories,Inc.から入手)の2.5、10または40μg/kg/日での皮下投与、またはPTH[1−34]−OH(Bachemから入手)の10μg/kg/日での皮下投与。4週間の処置後、各実験動物の右大腿骨をDEXAおよび骨組織形態計測法により分析した。図15は、PTH[1−31]−NH、PTH[1−34]−NHおよびPTH[1−34]−OHで達成された腰椎骨無機質密度の比較を与える棒グラフである。図16は、これらの同じトランケートで達成された腰椎形成速度を比較する棒グラフである。これらの実験の結果に基づき、これらの各PTH類似体の骨同化活性は実質的に同等であると決定された。従って、上で検討されている種々の副甲状腺ホルモン間における同化活性の類似性のため、あらゆる既知のPTH類似体が本発明の方法において望ましい様式で有利に機能するであろうと期待するのは合理的である。
本発明の1つの更なる実施形態においては、骨芽細胞活性の機械的な誘発は、骨形成増強のターゲットとされた骨の骨髄腔内に、その腔の内容物を物理的に改変すべく構成または適合化された物体を挿入し、これにより、その腔内の骨芽細胞活性を刺激することによって果たされる。別の実施形態においては、この機械的な改変は、その腔の内容物のうちの少なくとも一部を除去するステップを含んでいてよい。
尚も更なる1つの実施形態においては、本発明の方法は、付加的に、骨芽細胞活性により生成された新骨の再吸収を実質的に防止するのに充分な期間および濃度で再吸収阻害薬を被験体に投与するステップを含む。1つの実施形態においては、再吸収阻害薬は骨同化剤の投与と同時的に投与されてよい。別の実施形態においては、再吸収阻害薬は、骨同化剤の投与の後に投与される。1つの更なる実施形態においては、再吸収阻害薬の投与は、骨同化剤を投与している間に始められ、その後、そのような投与が骨同化剤の投与の終了後にも続けられてよい。
本発明の別の実施形態においては、骨同化特性と再吸収阻害特性との両方を有する単一の物質が投与されてよい。そのような材料の例は、これらに限定するものではないが、エストロゲン、ストロンチウムラナラート(ranalate)および選択的エストロゲン受容体修飾物質(SERM)を含む。
本発明の方法における1つの実施形態においては、再吸収阻害薬は、ヒトカルシトニン、サケカルシトニン(「sCT」)、ウナギカルシトニン、エルカトニン、ブタカルシトニン、ニワトリカルシトニン、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるカルシトニンであってよい。1つの好適な実施形態においては、再吸収阻害薬はサケカルシトニンである。再吸収阻害薬として使用される場合、カルシトニンの血中レベルは、好適には約5〜500pg/mlの間の範囲であり、より好適には約10〜250pg/mlの間、最も好適には20〜50pg/mlである。更に、例えば注射製剤の場合、上述の血中レベルを達成するのに必要な当該カルシトニン物質のヒト投薬レベルは、同化剤としてのこれらの材料の使用に関する文献で教示されているレベルであってよい。そのような用量は、必ずというわけではないが、1日に1回与えられるとして約5〜200μgの間の範囲であってよく、より好適には、毎日与えられるとして、純薬物の重量で約5〜50μgの間、最も好適には8〜20μgであってよい。代替的な経路により投与されるサケカルシトニン(sCT)、即ち、経鼻投与または経口投与により投与されるサケカルシトニン(sCT)は、上で検討されている投薬量よりも高い投薬量が必要になるであろう。
代替的に、種々の付加的な再吸収阻害薬(即ち、カルシトニン以外)が本発明の方法と共に使用するのに有用である。これらは、一般的に、ホルモン代償療法(HRT)物質、例えば選択的エストロゲン受容体修飾物質(SERM)、ビスホスホナート、カテプシン−K阻害剤、ストロンチウムラナラートおよびそれらの様々な組み合わせなどを含む。付加的な再吸収阻害薬の具体的な例は、これらに限定するものではないが、以下のものを含む:(1)活性成分としてエストロゲンを含む、Wyeth Laboratoriesから入手可能なPremarin(登録商標)。典型的な許容投薬量は、1日に1個の0.625mg錠剤である;(2)活性成分としてリセドロナート(risedronate)ナトリウムを含む、Proctor & Gambleから入手可能なActonel(登録商標)。典型的な許容投薬量は、1日1個の5mg錠剤または1週間に1個の35mg錠剤である;(3)活性成分としてラロキシフェンHClを含む、Eli Lilly & Co.により販売されているEvista(登録商標)。この調合物の典型的な許容投薬量は、1日1個の60mg錠剤の服用である;および(4)活性成分としてアレンドロナートを含む、Merck Pharmaceuticalsから入手可能なFosamax(登録商標)。この物質の典型的な投薬量は、10mg/日または70mg/週である。
本発明は、更に、被験体の骨内における骨形成を誘発するための方法を提供し、その方法は、そのような形成が誘発されるべき骨内における骨髄腔の内容物を機械的に変化させ、これにより、刺激することによってその内部の骨芽細胞の分化活性を増大させるステップを含む。本方法は、更に、そのような被験体に、ある量の再吸収阻害薬を投与するステップを含み、この投与ステップにおいては、骨芽細胞活性により生成された新骨の再吸収を実質的に防止するのに充分な期間および濃度で再吸収阻害薬を投与することを含む。この再吸収阻害薬は、上で特定されているどの物質であってもよいが、好適にはサケカルシトニンである。再吸収阻害薬は、骨髄腔の機械的改変と同時的に及び/又は機械的改変の後に投与されてよい。このようにして、機械的な改変処置に起因する新骨成長は、再吸収されることが実質的に防止される。この方法は、骨同化剤の投与を含まない。
別な具合に記されている場合または文脈から明らかな場合を除き、本明細書における投薬量は、薬剤学的な賦形剤、希釈剤、担体または他の成分によって影響されない活性化合物の重量を表すが、典型的には、そのような他の成分が本発明の方法に有用な様々な剤形に含まれている。製薬産業において通常使用されるあらゆる剤形(即ち、カプセル剤、錠剤、注射剤など)がここで使用するのに適しており、「賦形剤」、「希釈剤」または「担体」という用語は、この産業において、活性成分と共に典型的に含められるそのような非活性成分を含む。例えば、典型的なカプセル、ピル、腸溶コーティング、固体もしくは液体の希釈剤もしくは賦形剤、矯味矯臭剤、保存剤などが含められる。更に、付加的な注意事項として、ここで推奨されているすべての投薬量に関して、担当臨床医師は、個々の患者の反応を監視し、その反応に従って投薬量を調節すべきである。
再吸収阻害薬は、経口的に、静脈内に、筋肉内に、皮下に、インプラントを介して、経粘膜的に、経直腸的に、経鼻的に、蓄積注射により、吸入および肺吸収により、または経皮的に投与されてよい。更に、再吸収阻害薬は、1回、複数回、または1つもしくはそれ以上の長期間にわたって投与されてよい。
本発明は、更に、骨量が低減している被験体における骨形成を誘発する方法を提供し、その方法は、被験体の少なくとも1つの骨を治療すべきターゲットとするステップを含み、ここで、それぞれのターゲットとされた骨は、その内部に骨髄腔を定めている。骨髄腔は、ある量の骨髄および複数の骨芽細胞を含んでいる。本発明の方法は、更に、骨髄腔の内容物を機械的に変化させ、これにより、刺激することによってその内部の骨芽細胞活性を増大させるステップを含む。この後、骨芽細胞活性の増大により、その腔内の骨量が増大される。本方法は、更に、被験体内における同化剤の血中レベルを自然なレベルを超えて上昇させ、これにより、機械的に誘発された骨芽細胞活性を長持ちさせるのに充分な期間および濃度で少なくとも1つの骨同化剤を被験体に投与するステップを含む。次いで、本方法は、更に、(1)骨同化剤の投与と同時的に、(b)骨同化剤の投与と重複して、または(3)骨同化剤の投与の後に、本発明によって達成された骨芽細胞活性の増大により生成された新骨の再吸収を実質的に防止するのに充分な期間および濃度で再吸収阻害薬を投与するステップを含む。従って、上で開述されている方法と同様に、骨髄腔の内容物の機械的は改変は、被験体の特定の骨を骨形成増強のターゲットとすることを可能にする。
上で開述されている方法の1つの実施形態においては、骨同化剤は、天然の副甲状腺ホルモン、天然副甲状腺ホルモンのトランケート、天然副甲状腺ホルモンのアミド化されたトランケート、アミド化された天然副甲状腺ホルモンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。1つの特定の実施形態においては、その物質は、Forteo(登録商標)(テリパラチド)という商品名でEli Lilly & Co.により販売されている、遊離酸の形態におけるPTH−[1−34]であってよい。1つの更なる実施形態においては、骨同化剤は、天然副甲状腺ホルモンのアミド化されたトランケートであり、PTH[1−30]NH、PTH[1−31]NH、PTH[1−32]NH、PTH[1−33]NH、PTH[1−34]NHおよびそれらの組み合わせの中から選択されてよい。骨同化剤の1つの好適な選定はPTH[1−34]NHである。
本発明の1つの更なる実施形態においては、約50pg/mlから500pg/mlまでの間、好適には約100〜200pg/mlまでの間、最も好適には約150pg/mlの被験体内における脈動性の血中濃度を達成すべく、充分な量の天然副甲状腺ホルモンのアミド化されたトランケートが被験体に投与される。例えば、注射製剤の場合、ヒト被験体に与えられる用量(活性ホルモンの純重量における用量)は、これらの様々な物質の骨同化活性に関する文献で教示されている用量であってよい。そのような用量は、必ずと
いうわけではないが、1回の投薬当たり約10〜200μgの間の範囲、より好適には約20〜100μgまでの間、最も好適には約20〜50μgの間の範囲であってよい。代替的な送給方法が使用されるときには、用量は、必ずというわけではないが、約10μg〜10mgの間の範囲であってよい。
1つの特定の実施形態においては、再吸収阻害薬は、ヒトカルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、エルカトニン、ブタカルシトニン、ニワトリカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)およびそれらの組み合わせの中から選択されるカルシトニンである。1つの実施形態においては、再吸収阻害薬はサケカルシトニンである。サケカルシトニンが再吸収阻害薬として使用される場合には、約5〜500pg/mlまでの間、より好適には約10〜250pg/mlまでの間、最も好適には約20〜50pg/mlの間のサケカルシトニンの血中レベルを達成することが好適である。上で指示されている血清レベルを達成するためには、例えば注射製剤において使用される再吸収阻害薬の1日投与量は、約5〜200μg(その薬物の純重量)の間の範囲であってよく、より好適には約5〜50μgの間、最も好適には約8〜20μgの間の範囲であってよい。代替的な送給方法、即ち、注射以外の送給方法が使用されるときには、用量は約5μg〜5mgの間の範囲であってよい。再吸収阻害薬の投与は、好適には少なくとも3カ月間続けられ、より好適には12〜24カ月の間の期間続けられる。
本発明の1つの実施形態は、顎部に移植された歯科用インプラントに対するアンカーをもたらすべく、被験体の顎部に充分な量の付加的な骨を形成するための、上で開述されているいずれかの方法の使用を含む。代替的に、または付加的に、上で開述されているいずれかの方法が、被験体の1つまたはそれ以上のターゲットとされた骨において、充分な量の付加的な骨を形成するために利用されてよく、これにより、それらの骨に人工補装具をしっかりと固着することが可能になる。そのような人工補装具は、これらに限定するものではないが、人工膝関節、人工肩関節または人工股関節を含み得る。1つの更なる実施形態においては、本発明のいずれかの方法が、その場所に固着された中空の調節可能な挿入具に対するしっかりとしたアンカーとして機能させるべく、被験体のいずれかの場所において充分な量の付加的な骨を形成するために利用されてよい。更に、本発明のいずれかの方法が、付加的な骨形成を目的として、少なくとも1つの椎骨をターゲットとすることにおいて使用されてよく、この方法においては、被験体が脊椎の圧挫により引き起こされる慢性痛から実質的に解放されるように、充分な量の骨がその少なくとも1つの椎骨に付加される。
尚も更なる1つの実施形態においては、本発明は、そのような骨形成を必要としている被験体の少なくとも1つのターゲットとされた骨における骨形成を促進させるためのキットを提供する。本キットは、その内部に少なくとも1つの骨同化剤を有する少なくとも1つの容器および被験体の少なくとも1つのターゲットとされた骨における骨髄腔の内容物を変化させるための機械的な改変装置を含む。別の実施形態においては、本キットは、その内部に少なくとも1つの骨再吸収阻害薬を有する少なくとも1つの容器、更には選定された骨における骨髄腔の内容物を変化させるための機械的な改変装置を含んでいてよい。尚も更なる1つの実施形態においては、本キットは、少なくとも1つの骨同化剤および少なくとも1つの骨再吸収阻害薬を伴う複数の容器、更には上で開述されている機械的な改変装置を含んでいてよい。いずれにしても、本キットは、骨髄腔から内容物の少なくとも一部を排出するための排出装置を付加的に備えていてよい。
本発明のキットの1つの実施形態においては、骨同化剤は、天然の副甲状腺ホルモン、天然副甲状腺ホルモンのトランケート、天然副甲状腺ホルモンのアミド化されたトランケート、アミド化された天然副甲状腺ホルモンおよびそれらの組み合わせの中から選択される。1つの好適な実施形態においては、骨同化剤は、天然副甲状腺ホルモンのトランケー
トである。骨同化剤として使用するのに好適なトランケートは、遊離酸の形態におけるPTH[1−34]である。他の好適なトランケートは、アミド化されたトランケートを含む。従って、骨同化剤は、PTH[1−30]NH、PTH[1−31]NH、PTH[1−32]NH、PTH[1−33]NH、PTH[1−34]NHおよびそれらの組み合わせの中から選択されてよい。1つの特定の実施形態においては、骨同化剤はPTH[1−34]NHである。
本発明のキットの1つの付加的な実施形態においては、再吸収阻害薬は、ヒトカルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、エルカトニン、ブタカルシトニン、ニワトリカルシトニン、カルシトニン関連遺伝子ペプチド(CGRP)およびそれらの組み合わせの中から選択されるカルシトニンである。1つの特定の実施形態においては、再吸収阻害薬はサケカルシトニンである。
本発明の特定の実施形態に関して本発明を説明してきたが、当業者にとっては、多くの他の変形および変更、ならびに他の使用が明らかになるであろう。従って、本発明は、本明細書の具体的な開示により制限されるものではなく、特許請求項によってのみ制限されるものである。
図1は、3週間試験方式の間に1週間間隔で殺した実験室用ラットの群における大腿骨遠位骨髄腔骨無機質密度(「BMD」)のPIXIMUS分析の結果をグラフで表した図である。PIXIMUSアナライザは、Lunar Corp.,Palo Alto,CAから入手可能であり、マウスおよびラットなどの小動物に対する2重エネルギーX線吸収測定(「DEXA」)データを提供する。9週齢の雄のスプレーグ−ドーリー(Sprague−Dawley)ラット(1つのグループ当たり5匹の実験動物)を、ゼロ時点、ならびに1週間後、2週間後および3週間後に殺し、試験した。様々なグループが以下の種々の処置方式を受けた:グループA−左大腿骨対照;グループB−左大腿骨擬似(sham);グループC−〜を変えるための機械的な骨髄除去(bmx)様々なグループが以下の種々の処置方式を受けた:グループA−左大腿骨対照;グループB−左大腿骨擬似;グループC−左大腿骨の骨髄腔の内容物を変えるための機械的な骨髄除去(bmx);グループD−1〜21日目の間のアミド化された副甲状腺ホルモントランケート(PTH[1−34]−NH)の投与と組み合わされた、左大腿骨の機械的な骨髄除去処置(bmx);およびグループE−アミド化された副甲状腺ホルモントランケート(PTH[1−34]−NH)を用いて1〜21日目までの間治療されたラット(ここで、これらのラットの左大腿骨は、先に骨除去(bmx)処置を受けていた)の右(非bmx)大腿骨のBMD測定。 図2は、第2組のグループの9週齢の雄スプレーグ−ドーリーラット(1つのグループ当たり5匹の実験動物)における大腿骨遠位骨髄腔BMDのPIXIMUS分析の結果をグラフで表した図であり、これらのラットは、ゼロ時点、ならびに1週間後、2週間後および3週間後に殺され、試験された。様々なグループが以下の種々の処置方式を受けた:グループF−左大腿骨対照;グループG−左大腿骨擬似;グループH−左大腿骨の骨髄腔の内容物を変えるための機械的な骨髄除去(bmx);グループI−1〜7日目の間のアミド化された副甲状腺ホルモントランケート(PTH[1−34]−NH)の投与、その後7〜21日目の間のサケカルシトニン(sCT)再吸収阻害薬の投与と組み合わされた、左大腿骨の機械的な骨髄除去(bmx);およびグループJ−アミド化された副甲状腺ホルモントランケート(PTH[1−34]−NH)を用いて治療されたラット(ここで、これらのラットの左大腿骨は、先に骨髄除去(bmx)処置を受けていた)の右大腿骨のBMD測定。 図3(a〜e)は、それぞれ、上の図1および2に関して説明されている数匹のラットにおける左(除去)および右(非除去)大腿骨の高分解能放射線像を表している。(表1および2の以下の検討を参照のこと)これらの放射線写真は、処置を開始してから3週間後(即ち、21日後)に撮影された。これらのラットは以下の通りに処置された:(a)対照(即ち、手術なし);(b)擬似(即ち、骨髄の除去を伴わない手術);(c)機械的な骨髄除去(bmx)+21日間毎日リン酸緩衝生理食塩水(PBS)の投与;(d)bmxに続き21日間毎日副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH)の投与;および(e)bmxに続き、7日間毎日副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH)の投与、その後7〜21日目まで毎日サケカルシトニンの投与。右(非除去)大腿骨に関するbmxのマーキングは、同じラットから対側左大腿骨の骨髄が除去されていることを意味する。全体を通じてこの用語法が使用される。 図4(a〜d)は、上の図3の被験体であるラットのそれぞれ左(除去)および右(非除去)大腿骨骨幹軸の末梢骨定量的コンピュータ断層撮影(PQCT)分析の結果をグラフで表した図である。図4(a)および4(b)は、これらのラットのそれぞれ左および右大腿骨骨幹軸において観測された骨梁密度を示しており、一方、図4(c)および4(d)は、それぞれの骨幹軸の総骨密度を示している。図4a〜4dで使用されている略語の意味は図3(a〜e)に関して上で説明されている意味と同じである。 図5は、図3〜4の被験体であるラットの殺した日における血液中の血清オステオカルシン濃度(ng/ml単位)の一連の測定値を示している。略語の意味は図3〜4の場合と同じである。 図6は、図3〜4の被験体であるラットの左(除去)大腿骨骨幹軸の微小コンピュータ断層撮影(MicroCT)分析の結果を示している。略語は図3〜5の場合と同じことを意味している。 図7は、図6と同様であるが、同じラットの右(非除去)大腿骨骨幹軸の微小コンピュータ断層撮影(MicroCT)分析の結果を示している。略語は図3〜7の場合と同じ処置を表している。 図8は、骨髄除去(bmx)を受けた、脱石灰化されていない左大腿骨の断面図(4倍に拡大)であり、ここで、これらの骨断面はフォンコッサ(Von Kossa)染色液で染色された。 図9は、以下の処置を受けた種々のラットグループの骨髄腔に形成された新骨を示している:0日目における対照;21日目における対照;21日目における擬似;bmx+7日間毎日PBS;bmx+14日間毎日PBS;bmx+21日間毎日PBS;bmx+7日間毎日副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH);bmx+14日間毎日副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH);bmx+21日間毎日副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH);bmx+7〜14日目まで毎日サケカルシトニン(CT);bmx+7〜21日目まで毎日CT;bmx+1〜7日目まで毎日副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH)および7〜14日目まで毎日CT;ならびにbmx+1〜7日目まで毎日副甲状腺ホルモン(PTH[1−34]−NH)および7〜21日目まで毎日CT。図9のそれぞれの図は、図8の場合よりも高い倍率で撮影したものであり、即ち、参照用に、図の下側右隅に位置する黒い棒が100μmの長さを示している。 図10(a〜b)は、21日後(3週間後)に殺されて試験された9週齢の雄スプレーグ−ドーリーラットの更なる種々のグループ(1つのグループ当たり6匹のラット)での付加的な一連の実験から得られた、それぞれ、左および右大腿骨の高分解能放射線像を表している。様々なグループが以下の処置方式を受けた:グループK−0日目における対照;グループL−21日目における対照;グループM−0日目における骨髄除去(bmx);グループN−21日目における擬似;グループO−bmx+21日間毎日リン酸緩衝生理食塩水(PBS);グループP−bmx+21日間毎日PTH[1−34]−NH;グループQ−bmx+21日間毎日副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHRP);およびグループR−bmx+21日間毎日ラットα−カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)。 図11(a〜d)は、グループK〜R(図10の説明参照)からのラットのそれぞれ左(除去)および右(非除去)大腿骨骨幹軸の末梢骨定量的コンピュータ断層撮影(PQCT)分析の結果をグラフで表した図である。図11(a)および11(b)は、21日目におけるそれぞれ左および右大腿骨骨幹軸において観測された骨梁密度を示しており;一方、図11(c)および11(d)は、同じインターバルにおけるそれぞれ左および右大腿骨骨幹軸の総骨密度を示している。図11(a〜d)で使用されている略語の意味は図10に関して上で説明されている意味と同じである。図で示されている記号は、有意に異なる値を表している。[+=p値<0.01対擬似;=p値<0.01対bmx+PTH;**=p値<0.01対bmx+PTH;および#=p値<0.05対PBS]。 図12は、ラットが処置の開始後21日目に殺されたときのグループK〜Rにおけるラットの血液中の血清オステオカルシン濃度(ng/ml単位)の測定値を示している。略語の意味は図10および11の場合と同じである。更に、図11の場合と同様に、図に示されているアスタリスクは、bmx+PBS対照の場合と有意に異なる値を表している。[=p値<0.05、一方、**=p値<0.01]。 図13(a〜b)は、グループK〜Rにおけるラットの左(除去)および右(非除去)大腿骨骨幹軸の微小コンピュータ断層撮影(MicroCT)分析の結果を示している。略語は図10〜12で使用された略語と同じである。 図14a〜14dは、上で検討されているグループA〜Jのうちの1つからのラットにおいて左大腿骨骨髄除去を実施するための代表的な一連のステップを示している。図14aは、遠位大腿骨へのアクセスを示している。多くの代替的な除去方法が可能であり、従って、この図は本発明の方法を制限するものではない。 図14a〜14dは、上で検討されているグループA〜Jのうちの1つからのラットにおいて左大腿骨骨髄除去を実施するための代表的な一連のステップを示している。図14bは、遠位大腿骨の骨髄腔内への穿孔を示している。多くの代替的な除去方法が可能であり、従って、この図は本発明の方法を制限するものではない。 図14a〜14dは、上で検討されているグループA〜Jのうちの1つからのラットにおいて左大腿骨骨髄除去を実施するための代表的な一連のステップを示している。図14cは、骨髄腔の洗浄を示している。多くの代替的な除去方法が可能であり、従って、この図は本発明の方法を制限するものではない。 図14a〜14dは、上で検討されているグループA〜Jのうちの1つからのラットにおいて左大腿骨骨髄除去を実施するための代表的な一連のステップを示している。図14dは、切開部の縫合を示している。多くの代替的な除去方法が可能であり、従って、この図は本発明の方法を制限するものではない。 図15は、骨粗鬆症の雌スプレーグ−ドーリーラットにおいて得られた腰椎骨梁無機質密度を比較した棒グラフであり、ここで、前述の骨粗鬆症は卵巣摘出術により誘発されたものである。これらのラットは、(1)PTH[1−31]−NH;(2)PTH[1−34]−NH;およびPTH[1−34]−OH;で処置された。 図16は、骨粗鬆症の雌スプレーグ−ドーリーラットにおいて得られた腰椎骨梁形成速度を比較した棒グラフであり、ここで、前述の骨粗鬆症は卵巣摘出術により誘発されたものである。これらのラットは、(1)PTH[1−31]−NH;(2)PTH[1−34]−NH;およびPTH[1−34]−OH;で処置された。

Claims (59)

  1. 骨形成の誘発を必要としている被験体において骨形成を誘発する方法であって:
    (a)前記被験体における骨芽細胞活性の増大を機械的に誘発するステップ;および
    (b)前記被験体における少なくとも1つの骨同化剤の血中濃度を高めるステップ;
    を含み、ここで、ステップ(a)および(b)は、いかなる順番でも実施されるが、前記同化剤の前記濃度の上昇と前記機械的に誘発された骨芽細胞活性の増大とが少なくとも部分的に重複するような時間的に充分近接した順番で実施される、骨形成の誘発方法。
  2. 骨同化剤の血中濃度が前記被験体への骨同化剤の直接的な投与により高められる、請求項1記載の方法。
  3. 更に、骨髄腔の内容物を機械的に変化させることにより、前記被験体の1つまたはそれ以上の特定の骨を前記誘発骨成長のターゲットとするステップを含み、ここで、それぞれの前記ターゲットとされた骨は、骨内の前記骨芽細胞活性の増大が誘発される、請求項1記載の方法。
  4. 更に、前記被験体に少なくとも1つの再吸収阻害薬の血中濃度の上昇をもたらすステップを含み、ここで、前記高められた濃度が、前記骨芽細胞活性の増大により生成された新骨成長の再吸収を実質的に防止するのに充分な濃度である、請求項1記載の方法。
  5. 骨形成の誘発を必要としている被験体において骨形成を誘発する方法であって:
    (a)前記被験体における骨芽細胞活性の増大を機械的に誘発するステップ;および
    (b)前記被験体に、前記被験体内における内因性骨同化剤の血中レベルの上昇を引き起こす少なくとも1つの物質を投与するステップ;
    を含み、ここで、ステップ(a)および(b)は、いかなる順番でも実施されるが、前記同化剤の前記濃度の上昇と前記機械的に誘発された骨芽細胞活性の増大とが少なくとも部分的に重複するような時間的に充分近接した順番で実施される、骨形成の誘発方法。
  6. 前記被験体内における前記内因性骨同化剤の発現の増大をもたらす物質が石灰溶解剤である、請求項5記載の方法。
  7. 骨量の低減または骨外傷を被っている被験体において骨形成を誘発する方法であって、前記方法が:
    (a)前記被験体の少なくとも1つの骨を処置のターゲットとするステップであって、それぞれの前記ターゲットとされた骨が骨内に骨髄腔を定めており、前記骨髄腔がある量の骨髄および複数の骨芽細胞を含んでいる、ターゲット化ステップ;
    (b)前記腔内の内容物を機械的に変化させ、これにより、刺激することによって腔内の骨芽細胞活性を増大させるステップ;および
    (c)前記被験体に少なくとも1つの骨同化剤を投与するステップであって、前記被験体内における前記同化剤の血中レベルを自然なレベルを超えて上昇させ、これにより、前記機械的に誘発された骨芽細胞活性を長持ちさせるのに充分な期間および濃度で骨同化剤を投与するステップ;
    を含み、ここで、骨髄腔の機械的な改変は、前記被験体の特定の骨を前記方法によるターゲットとして、ターゲットとされた骨内における骨形成の増強を可能にするように行われ、ここで、ステップ(b)および(c)は、いかなる順番でも実施されるが、前記骨同化剤の前記濃度の上昇と前記機械的に誘発された骨芽細胞活性の増大とが少なくとも部分的に重複するような時間的に充分近接した順番で実施される、骨形成の誘発方法。
  8. 前記骨形成が、前記被験体の骨における長骨骨折の場所において、前記骨折の治癒の急
    速性を高めるために誘発される、請求項7記載の方法。
  9. 更に、ターゲットとされた骨に管理された様式で付加的な骨形成を誘発することにより、前記被験体の少なくとも1つのターゲットとされた骨を再形成またはモデリングするステップを含む、請求項7記載の方法。
  10. 骨同化剤が経口的に、静脈内に、筋肉内に、皮下に、インプラントを介して、経粘膜的に、経直腸的に、経鼻的に、蓄積注射により、吸入および肺吸収により、または経皮的に投与される、請求項7記載の方法。
  11. 前記少なくとも1つの骨同化剤が、副甲状腺ホルモン(PTH)、同化作用性ビタミンD類似体、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質5(LRP5)、非ゲノムエストロゲン様シグナル伝達活性化剤(ANGELS)、骨形態形成タンパク質(BMP)、インスリン様成長因子(IGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、スクレロスチン、レプチン、プロスタグランジン、スタチン、ストロンチウム、成長ホルモン、成長ホルモン放出因子(GHRF)、肝細胞成長因子(HGF)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)、形質転換成長因子(TGF)−β1およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  12. 骨同化剤がCGRPである、請求項11記載の方法。
  13. 骨同化剤がPTHrPである、請求項11記載の方法。
  14. 骨同化剤が、天然の副甲状腺ホルモン、天然副甲状腺ホルモンのトランケート、天然副甲状腺ホルモンのアミド化されたトランケート、アミド化された天然副甲状腺ホルモンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの副甲状腺ホルモンである、請求項11記載の方法。
  15. 骨同化剤が、遊離酸の形態におけるPTH[1−84]、PTH[1−84]NH、遊離酸の形態におけるPTH[1−34]、PTH[1−30]NH、PTH[1−31]NH、PTH[1−32]NH、PTH[1−33]NH、PTH[1−34]NHおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項14記載の方法。
  16. 前記被験体中において約50〜350pg/mlの間の脈動性血中濃度を達成すべく、充分な量の前記副甲状腺ホルモンが前記被験体に投与される、請求項14記載の方法。
  17. 前記充分な量の副甲状腺ホルモンが、1回の投与当たり約10μg〜10mgまでのPTHホルモンの純重量である、請求項16記載の方法。
  18. 前記副甲状腺ホルモンが注射により投与され、副甲状腺ホルモンの充分な量が1回の投与当たり約10〜200μgである、請求項16記載の方法。
  19. 前記被験体における前記副甲状腺ホルモンの血中濃度が、骨髄腔の内容物を機械的に改変してから7日より遅くなることなく、約50〜350pg/mlの間のレベルにまで高められる、請求項16記載の方法。
  20. 骨芽細胞活性の機械的な誘発が、骨形成増強のターゲットとされた骨の骨髄腔内へ、前記腔の内容物を物理的に改変すべく構成または適合化された物体を挿入し、これにより、前記腔内の前記骨芽細胞活性を刺激することによって果たされる、請求項1記載の方法。
  21. 前記機械的な改変が、更に、腔内に骨量を増大させるための付加的な余地をもたらすべく、前記改変された腔内容物の少なくとも一部を除去するステップを含む、請求項20記載の方法。
  22. 前記骨同化剤が、前記骨芽細胞活性により生成された新骨の再吸収も実質的に防止する、請求項7記載の方法。
  23. 骨同化剤が、エストロゲン、ストロンチウムラナラートまたは選択的エストロゲン受容体修飾物質(SERM)である、請求項22記載の方法。
  24. 更に、(c)前記骨芽細胞活性により生成された新骨の再吸収を実質的に防止するのに充分な期間および濃度で再吸収阻害薬を前記被験体に投与するステップを含み、ここで、ステップ(b)および(c)は、いかなる順番でも実施されるが、前記骨同化剤の前記濃度の上昇と前記機械的に誘発された骨芽細胞活性の増大とが少なくとも部分的に重複するような時間的に充分近接した順番で実施される、請求項1記載の方法。
  25. 前記再吸収阻害薬の投与が、骨同化剤の投与中に開始され、前記骨同化剤の投与が終了した後にも続けられる、請求項24記載の方法。
  26. 再吸収阻害薬が、ヒトカルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、エルカトニン、ブタカルシトニン、ニワトリカルシトニン、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるカルシトニンである、請求項24記載の方法。
  27. 再吸収阻害薬がサケカルシトニンであり、ここで、サケカルシトニンが、約5〜500pg/mlの間の実質的に連続的な血中濃度を達成すべく算出された量で前記被験体に投与される、請求項26記載の方法。
  28. 前記サケカルシトニンの量が、1回の投与当たり約5μgから5mgまでのカルシトニンの純重量である、請求項27記載の方法。
  29. サケカルシトニンが注射により投与され、前記サケカルシトニンの量が1回の投与当たり約5μg〜200μgまでの量である、請求項27記載の方法。
  30. 再吸収阻害薬が経口的に、静脈内に、筋肉内に、皮下に、インプラントを介して、経粘膜的に、経直腸的に、経鼻的に、蓄積注射により、吸入および肺吸収により、または経皮的に投与される、請求項24記載の方法。
  31. 更に、前記骨芽細胞活性を一層増大させるべく算出された量の因子VIIまたは因子VIIAを前記被験体に投与するステップを含む、請求項7記載の方法。
  32. 骨量の低減または骨外傷を被っている被験体において骨形成を誘発する方法であって、前記方法が:
    (a)前記被験体の少なくとも1つの骨を治療のターゲットとするステップであって、それぞれの前記ターゲットとされた骨が骨内に骨髄腔を定めており、前記骨髄腔がある量の骨髄および複数の骨芽細胞を含んでいる、ターゲット化プロセス;
    (b)前記腔の内容物を機械的に変化させ、これにより、刺激することによって骨髄腔内の骨芽細胞活性を増大させ、これにより、骨量が前記腔内において相応して高められる、機械的改変ステップ;
    (c)前記被験体に少なくとも1つの骨同化剤を投与するステップであって、前記被験
    体内における前記同化剤の血中レベルを自然なレベルを超えて上昇させ、これにより、前記機械的に誘発された骨芽細胞活性を長持ちさせるのに充分な期間および濃度で骨同化剤を投与するステップ;および
    (d)前記骨同化剤の投与と同時的に、または前記骨同化剤の投与後に、前記骨芽細胞活性により生成された新骨の再吸収を実質的に防止するのに充分な期間および濃度で再吸収阻害薬を付加的に投与するステップ;
    を含み、ここで、骨髄腔の機械的な改変が、前記被験体の特定の骨を前記方法によるターゲットとして、ターゲットとされた骨内における骨形成の増強を可能にするように行われる、骨形成の誘発方法。
  33. 骨同化剤がCGRPである、請求項32記載の方法。
  34. 骨同化剤がPTHrPである、請求項32記載の方法。
  35. 骨同化剤が、遊離酸の形態におけるPTH[1−84]、PTH[1−84]NH、遊離酸の形態におけるPTH[1−34]、PTH[1−30]NH、PTH[1−31]NH、PTH[1−32]NH、PTH[1−33]NH、PTH[1−34]NHおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項32記載の方法。
  36. 前記被験体中において約50〜500pg/mlの間の脈動性血中濃度を達成すべく、充分な量の前記天然副甲状腺ホルモンのアミド化されたトランケートが前記被験体に投与される、請求項35記載の方法。
  37. 前記再吸収阻害薬が、ヒトカルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、エルカトニン、ブタカルシトニン、ニワトリカルシトニンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるカルシトニンである、請求項32記載の方法。
  38. 再吸収阻害薬がサケカルシトニンであり、ここで、サケカルシトニンが、前記被験体内において約50〜350pg/mlの間の血中濃度を達成すべく算出された量で前記被験体に投与される、請求項37記載の方法。
  39. 付加的に、前記被験体の顎部に充分な量の付加的な骨を形成するステップを含み、これにより、前記顎部に移植された歯科用インプラントに対するアンカーを提供する、請求項1記載の方法。
  40. 付加的に、前記被験体の1つまたはそれ以上のターゲットとされた骨に充分な量の付加的な骨を形成するステップを含み、これにより、少なくとも1つの前記ターゲットとされた骨に移植された人工補装具を、ターゲットとされた骨にしっかりと固着することができる、請求項1記載の方法。
  41. 付加的に、前記被験体に充分な量の付加的な骨を形成するステップを含み、これにより、前記付加的な骨に固着された中空の調節可能な挿入具に対するしっかりとしたアンカーとして機能させることができる、請求項1記載の方法。
  42. 更に、前記被験体の少なくとも1つの椎骨を付加的な骨形成のターゲットとするステップを含み、ここで、被験体が脊椎の圧挫により引き起こされる慢性痛から実質的に解放されるように、充分な量の骨が前記少なくとも1つの椎骨に加えられる、請求項1記載の方法。
  43. 付加的な骨が、前記被験体の少なくとも1つの椎骨に、椎骨の強化により前記少なくと
    も1つの椎骨を安定化させるのに充分な量で形成される、請求項1記載の方法。
  44. 骨形成の誘発を必要としている被験体において骨形成を誘発する方法であって:
    (a)前記被験体における骨芽細胞活性の増大を機械的に誘発するステップ;および
    (b)前記骨芽細胞活性により生成された新骨の再吸収を実質的に防止するのに充分な期間および濃度で前記被験体に再吸収阻害薬を投与するステップ;
    を含む、骨形成の誘発方法。
  45. 再吸収阻害薬が、ヒトカルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、エルカトニン、ブタカルシトニン、ニワトリカルシトニン、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるカルシトニンである、請求項45記載の方法。
  46. 再吸収阻害薬がサケカルシトニンであり、ここで、サケカルシトニンが、約5〜500pg/mlの間の実質的に連続的な血中濃度を達成すべく算出された量で前記被験体に投与される、請求項45記載の方法。
  47. 前記サケカルシトニンの量が、1回の投与当たり約5μgから5mgまでのカルシトニンの純重量である、請求項46記載の方法。
  48. サケカルシトニンが注射により投与され、前記サケカルシトニンの量が1回の投与当たり約5μg〜200μgまでの量である、請求項46記載の方法。
  49. 再吸収阻害薬が経口的に、静脈内に、筋肉内に、皮下に、インプラントを介して、経粘膜的に、経直腸的に、経鼻的に、蓄積注射により、吸入および肺吸収により、または経皮的に投与される、請求項44記載の方法。
  50. 骨形成を必要としている被験体の少なくとも1つのターゲットとされた骨において骨形成を促進させるためのキットであって:
    (a)内部に少なくとも1つの骨同化剤を有する少なくとも1つの容器;および
    (b)少なくとも1つの前記ターゲットとされた骨における骨髄腔の内容物を変化させるための機械的改変装置;
    を含む、骨形成促進用キット。
  51. 更に、前記腔から内容物の少なくとも一部を排出するための排出装置を含む、請求項50記載のキット。
  52. 更に、内部に少なくとも1つの再吸収阻害薬を有する少なくとも1つの容器を含む、請求項50記載のキット。
  53. 骨同化剤がCGRPまたはPTHrPである、請求項50記載の方法。
  54. 前記骨同化剤が、天然の副甲状腺ホルモン、天然副甲状腺ホルモンのトランケート、天然副甲状腺ホルモンのアミド化されたトランケート、アミド化された天然副甲状腺ホルモンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの副甲状腺ホルモンである、請求項50記載のキット。
  55. 骨同化剤が、遊離酸の形態におけるPTH[1−84]、PTH[1−84]NH、遊離酸の形態におけるPTH[1−34]、PTH[1−30]NH、PTH[1−31]NH、PTH[1−32]NH、PTH[1−33]NH、PTH[1−34
    ]NHおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項54記載のキット。
  56. 再吸収阻害薬が、ヒトカルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、エルカトニン、ブタカルシトニン、ニワトリカルシトニンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるカルシトニンである、請求項52記載のキット。
  57. 骨形成を必要としている被験体における少なくとも1つのターゲットとされた骨において骨形成を促進させるためのキットであって:
    (a)内部に少なくとも1つの再吸収阻害薬を有する少なくとも1つの容器;および
    (b)少なくとも1つの前記ターゲットとされた骨における骨髄腔の内容物を変化させるための機械的改変装置;
    を含む、骨形成促進用キット。
  58. 再吸収阻害薬が、ヒトカルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、エルカトニン、ブタカルシトニン、ニワトリカルシトニンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるカルシトニンである、請求項57記載のキット。
  59. 更に、前記腔から内容物の少なくとも一部を排出するための排出装置を含む、請求項57記載のキット。
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