JP2008538913A - 動物用に適しているプロバイオティクス組成物 - Google Patents

動物用に適しているプロバイオティクス組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、農場動物のSalmonella感染を改善するプロバイオティクス組成物を提供する。この組成物は、少なくとも1つのLactobacillus murinus、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus salivarius亜種salivarius、およびPediococcus pentosaceusを含み得る。この組成物は、動物飼料または薬学的組成物として処方され得る。本発明の好ましい実施形態において、上記組成物は、DPC6002、DPC6003、DPC6004、DPC6005およびDPC6006からなる群より選択される任意の2つ以上の株の組み合わせを含む。

Description

(発明の分野)
本発明は、農場動物のSalmonella感染を緩和するプロバイオティクス組成物に関する。特に、本発明は、少なくとも1つのLactobacillus salivarius亜種salivariusおよびLactobacillus pentosusを含む組成物に関する。この組成物は、ブタの飼育に特に有用である。本発明はまた、これらの生物を含む動物飼料組成物にも関する。
(発明の背景)
ヒトに適用されるプロバイオティクスは、適当な数で投与される場合に、宿主に健康上の利益を付与する生きている微生物として定義される。このプロバイオティクス活性(probiotic activity)について最も頻繁に例証される理由としては、抗菌物質(例えば、バクテリオシンおよび乳酸塩)の産生、および腸管の壁へのSalmonellaの付着の妨害が挙げられる。
Salmonellaによる感染は、毎年、ヒトの食品伝染疾患(foodborne illness)の数百万の症例をもたらす。この病原体の供給源はさまざまであるが、多くの症例は、汚染された豚肉製品の消費に起因する(Swanenburgら、2001;Anonymous、2002a)。したがって、豚肉生産の全段階の間における、食物の安全性問題についての認識は、特にSalmonella汚染の低減に関して、きわめて重要である。通常定義されるように、プロバイオティクスは、「適当な数で投与される場合に、宿主に健康上の利益を付与する生きている微生物」である(FAO/WHO、2001)。プロバイオティクス特性は、多くの微生物種によって生じるものとしてみなされているが、最も一般的に使用される微生物種は、乳酸菌(LAB)群のメンバー、特にLactobacillus株およびBifidobacterium株である。数例の研究が、インビトロ手順(詳細には、増殖培地および組織培養物)を使用して、潜在的なプロバイオティクスの抗Salmonella効果を調べている(Dragoら、1997;Fernandezら、2003)。
多くの著者が、小動物を使用する胃腸の感染についてのモデルにおいて、LABプロバイオティクスの適用と有益な効果とを関連付けている。Ogawaら(2001)は、Lb.casei Shirotaを使用することによって、E.coli O157:H7に感染した幼いウサギにおいて、コロニー形成レベルを低減し、かつ下痢の重症度を低下させたことを報告した。マウスを使用して、Johnson−Henryら(2004)は、Lactobacillus株の混合物が、Helicobacter pylori感染動物において胃の炎症および細菌のコロニー形成を低減することを記している。Salmonella感染モデルを使用することによって、様々な結果が報告されている。Pascualら(1999)は、ニワトリにおいてLb. salivariusを使用して21日目までにSalmonella enteritidisが完全に排除されることを記している。最近、La Ragioneら(2004)は、Lb.johnsoniiによる前処置とニワトリの腸のSalmonella enteritidisの糞中数(faecal number)またはコロニー形成との間に有益な関連性がないことを観察している。しかしながら、この著者は、E.coli数は、小腸において減少したが、結腸、盲腸または糞においては減少しなかったことを記している。彼らはまた、この株がClostridium perfringensに対して非常に有効であることも主張している。Silvaら(2004)は、Salmonella負荷(challenge)の間に、Bif.longumで前処置したマウスの生存を改善したが、病原体の数には効果がなかったことを観察している。彼らは、このことが、プロバイオティクス処置(probiotic treatment)により媒介される炎症応答の低減に起因し得、集団の拮抗作用(population antagonism)には起因し得ないと仮定している。
ヒトにおける胃腸の感染に対するLABプロバイオティクスの効果を調べる多くの研究は、乳児におけるロタウイルス感染および成人におけるClostridium difficile感染の拮抗作用に集中している。数例の報告は、小児のロタウイルス感染において、プロバイオティクス(特に、Lb.rhamnosus GG)についての有益な効果を主張している。これらの多くは、Alvarez−OlmosおよびOberhelman(2001)に概説される。この領域においての初期の刊行物の中には、Lb.rhamnosus GGによる処置が小児におけるロタウイルス性の下痢の持続時間を短縮したこと実証した、Isolauriらによる報告(1991)がある。Reidら(2003)は、Lb.rhamnosus GGおよびSaccharomyces boulardiiでのプロバイオティクス処置によって、ヒトにおけるClostridium difficile性の下痢の発生を減少させることを主張するデータを再検討した。
他の腸の障害に関して、Hiltonら(1997)は、Lb.rhamnosus GGが旅行者の下痢の危険性を減少させることを主張し、Felleyら(2001)は、Lb.johnsoniiによって発酵させたヒト用ミルク(humans fed milk)が、H.pyloriの密度と胃の炎症の強度を有意に低減させたことをを報告した。Hoyosら(1999)によると、Lb.acidophilusおよびBif.infantisの組み合わせによる処置は、壊死性腸炎に関して新生児に益した。この報告では、この処置によって死亡率に60%の低下があることを主張した。
大型動物の腸の感染を改善することにおけるプロバイオティクス処置の効能についての報告は、不十分なままである。Zhaoら(1998)は、プロバイオティクスE.coli(LABではない)の適用が、畜牛においてE.coli O157:H7の保菌(carriage)を減少させたことを主張している。Lemaら(2001)は、仔ヒツジをE.coli O157:H7によって感染させ、その後Lb.acidophilusを投与しても、有益な効果を示さなかったことを観察している。しかしながら、この仔ヒツジにLb.acidophilusおよびStreptococcus faeciumの混合物、またはStreptococcus株のみを給餌することによって、この病原性株の数を有意に低下させた。数における最大の低下は、Lb.acidophilus、St.faecium、Lb.casei、Lb.fermentumおよびLb.plantarumの混合物を使用することによって見られた。Genoveseらは、規定されない競合的排除培養物(undefined competitive exclusion culture)が新生児のブタにおいて腸毒素産生性E.coliによる死亡率および腸毒素産生性E.coliの排泄(shedding)を低減したことを2000年に報告した。同じグループもまた、Salmonella choleraesuisによる負荷後に、同様な規定されない培養物によって処置した新生児のブタにおいて、有意に低い病原体の数に落ち、また下部の腸において病原体数が減少したことを観察した(非特許文献1)。感染の症状が緩和されたか否かは、記載されていない。非特許文献2は、Salmonella choleraesuis負荷した仔ブタへのブタ起源の競合的排除培養物の適用が、このブタの糞内容物および回結腸接合部におけるSalmonella数の減少、ならびにSalmonella陽性腸組織サンプルの数の減少をもたらしたことを報告した。いずれの動物(コントロールを含む)においても、感染の臨床上の症状は何ら観察されなかった。
多くの研究が、ブタにおいて使用するためのプロバイオティクス株の単離および選択を報告している(非特許文献3;Gusilsら、2002;Nemcovaら、1997)が、動物のインビボ給餌試験の結果は変動し得る(Simonら、2003)。このことは、一部では、個々の動物間の変動をもたらす、腸の複雑性によって一部説明され得る。競合的排除製品(competitive exclusion product)に使用される、規定されない培養物は、ブタにおいて有効であり得るが、培養物の正確な組成に関する不確定性が、これらが病原体の伝染をもたらし得るという懸念をもたらしている。したがって、プロバイオティクス飼料添加物としての使用を意図される株についての合理的な選択の特徴付けに対する必要性が存在する。
Salmonellaを保有するブタは、一般的に臨床上の症状を示さないが、胃腸管におけるこの病原体の保菌が、屠殺において死体の汚染をもたらし得る。このことが、今度は豚肉製品の汚染を導き得る。Salmonellaを含む豚肉製品の消費は、毎年、ヒトにおいて食品伝染疾患の多くの症例をもたらす。特定の手段は、豚肉に起因するヒトサルモネラ症の症例数を減少させることが示されているが、Salmonella感染に伴う経済上のコストは、アメリカ経済のみに対して毎年数百万ドルと見積もられるように高いままである。
本研究において、規定されるLAB培養混合物による離乳したブタの前処置が、排泄されるSalmonella数の低減および臨床上の症状の緩和の両方をもたらすことを報告する。排泄された培養物の分子的な分析(molecular analysis)により、観察されたプロバイオティクス効果が、この混合物中の5種の培養物のうちの2つに起因し得ることが示される。
Genoveseら、J Food Prot.(2003)66(8):1353〜9 Fedorka−Crayら、J Food Prot.(1999)62(12):1376〜80 Changら、Antonie Van Leeuwenhoek(2001)80:193〜9
(本発明の目的)
本発明の一目的は、農場動物(特に、ブタ)において腸病原体を低減するための組成物を提供することである。さらなる目的は、食物連鎖を介するヒトへの病原体の伝染を低減するために、屠殺時における腸病原体による死体の汚染を低減することである。本発明のさらなる目的は、保菌動物を処置することにおいて抗生物質への代替物を提供すること、ならびにまた、抗生物質耐性病原体の出現の危険性を低減させるために、成長促進および疾患の処置または予防に、動物の生産において抗生物質の使用に代わる方法を提供することである。
微生物飼料添加物として使用される場合、本発明の組成物は、病原体の保菌を制御することならびに成長速度および飼料変換(feed conversion)を改善することの両方において、抗生物質への代替物としての可能性を提供する。
特に、本発明の一目的は、性能(performance)および健康を改善するための手段としてブタ産業において使用するためのプロバイオティクスを提供することである。なぜなら、特に、近年、ブタの飼育はより集約的になっているからである。ブタはSalmonellaの主要な保菌者であるので、なおさらなる目的は、ブタにおいて病原体の保菌を低減することである。病原体に対して阻害活性を有することが同定されている細菌培養物は、小腸または大腸においてそれらの効果を発揮する場合に、特定の特性を保持すべきである。最重要なことは、きわめて低いpHの胃酸および胆汁酸の界面活性効果を克服し、生存可能な生理学的状態で作用部位に到達する能力である。これらがプロバイオティクスとして使用される場合に、培養物は、「一般的に安全とみなされる」状態を有するべきであり、また多くの技術的な基準(例えば、飼料製品における増殖および飼料製品への組み込みの容易さ、ならびに飼料製品における長期間の生存)に合致すべきである。
(発明の要旨)
本発明は、Lactobacillus murinus、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus salivarius亜種salivarius、およびPediococcus pentosaceusからなる群のうちの少なくとも1つの、1以上の微生物培養物を含むプロバイオティクス組成物および/または動物飼料組成物に関する。本発明の好ましい実施形態において、上記組成物は、DPC6002、DPC6003、DPC6004、DPC6005およびDPC6006からなる群より選択される任意の2つ以上の株の組み合わせを含む。この培養物は、アクセッション番号:
Figure 2008538913
の下、2005年4月25日にNational Collection of Industrial and Marine Bacteria,Aberdeen,Scotlandに寄託された。特に好ましい実施形態において、この組成物は、これらの株の5つ全てを含む。本発明が動物飼料組成物に関する場合、細菌種または細菌株は、理想的に凍結乾燥またはフリーズドライ(freeze dry)される。上記の微生物培養物は、給餌している動物に対して一日あたり少なくとも3×10−9のコロニー形成単位の総用量を提供するように適合され得る。一部の実施形態において、この用量は、動物の体重に依存し得る。
本発明はまた、記載される1つ以上の微生物培養物を含む薬学的組成物を含み得る。これは、例えば、経口処置のための腸溶性コーティングを伴い得る錠剤または粉末形態での適切な投与に好ましく適合され得るか、ペッサリーとしてなどの投与に適合され得る。
(材料および方法)
(細菌株および培養条件)
Lactobacillus murinus DPC6002およびDPC6003、Lactobacillus pentosus DPC6004、Lactobacillus salivarius DPC6005ならびにPediococcus pentosaceus DPC6006(先にブタ糞内容物から単離されている)を、分子的な型別および特性(例えば、抗菌活性)、胆汁耐性(bile tolerance)ならびにミルク中の増殖(Caseyら、2004b)に基づいて、ブタ腸単離物のバンクから選択した。ブタGITにおけるその後の数え上げを容易するための、自然発生性のリファンピシン耐性(Rif)改変体の選択は、Gardinerら(2004)に記載される。親株および改変体株の両方を、CO発生キット(Anaerocult A;Merck,Darmstadt,Germany)を使用する嫌気びん内で、MRSブロス(Difco Laboratories,Detroit,MI,USA)中、37℃で慣例的に培養した。Salmonella typhimurium PT12を、Central Veterinary Research Laboratory(CVRL)の収集物から取得し、トリプシン大豆ブロス(tryptic soy broth)(TSB,Merck,Darmstadt,Germany)中で慣例的に培養した。この株は、ナリジクス酸に耐性である(この株の糞中の数え上げに利用する特性)。
(プロバイオティクス発酵物処置および懸濁物処置の調製)
個々のプロバイオティクス培養物をミルク中で増殖させ、混合して、先(Gardinerら、2004)に記載される発酵物処置(fermentate treatment)を形成した。懸濁物に関して、90ml容量のMRSブロスに適切な培養物を1%(v/v)で接種し、37℃でMRSブロス中で一晩増殖させた。インキュベーション後、この細菌を遠心分離によって収集し、900mlの10% RSMに再懸濁し、そして混合した。次に、この懸濁物を、100ml容量に分注し、4℃で保存し、8日以内に使用した。
(動物負荷試験)
ブタ給餌試験は、EU Council Directive 91/630/EECおよびEU Council Directive 98/58/ECに従った。EU Council Directive 91/630/EECは、ブタの保護に関する最低限の基準を定めている。EU Council Directive 98/58/ECは、農場での飼育目的で保持される動物の保護に関する。全部で15頭の雑種(Large White×Landrace)のブタを24〜28日目に離乳させ、性別および体重に関してブロック分け(block)した。その後、これらの動物を、Mooreparkブタ生産設備からCentral Veterinary Research Laboratory,Abbotstown,Dublinへ輸送した。各ブロック内のブタを、無作為に以下の3つ処置群のうちの一つに割り当てた(n=5):(A)コントロール、(B)発酵物および(C)懸濁物。交差汚染(cross−contamination)を予防するために、各動物を個別に閉じ込めた。以下に概説されるように、試験の間にわたって投与される培養物またはスキムミルクに加えて、全ての動物は、制限されることなく水および薬効の無いクリープ飼料(non−medicated creep feed)に接近した。
上記の試験は、全部で30日間続けた。試験の期間にわたって、動物にプロバイオティクス培養物またはスキムミルクのいずれかを給餌した。プロバイオティクス培養物を受容するブタには、約3×1010CFU/日(発酵物)または約3×10CFU/日(懸濁物)のいずれかの総用量を提供する適切な混合物を毎日100ml給餌した。コントロール動物は、100mlのスキムミルクを毎日受容した。6日間のプロバイオティクス投与の後、この動物に、1×10CFUのS.Typhimuriumを毎日3日間連続して経口で負荷した。Salmonella負荷の4日前(−4日目)、ならびに、最初の負荷から2日目、4日目、8日目、15日目および23日目に、排泄された新鮮な糞サンプルをブタから収集した。−4日目、2日目、8日目、15日目および23日目にプロバイオティクス数を決定した。Salmonellaを、感染後4日目、8日目、15日目および23日目に数え上げた。
(ブタ糞および盲腸サンプルの微生物学分析)
糞サンプルを4℃で保存し、収集から24時間以内に分析した。サンプルを、ストマッカー(stomacher)(Lab−Blender 400;Seward Medical,London,UK)を使用して、10倍希釈物として最大回収希釈剤(maximum recovery diluent)(MRD,Lab M,UK)中に均質化し、さらにMRDに希釈し、そして適切な希釈物をプレートに注いだ(pour−plated)。投与した株を、リファンピシンを含むLactobacillus選択寒天(すなわち、選択薬剤として150μg/ml リファンピシンと、酵母およびカビを阻害するための50U/ml ナイスタチン(Sigma)を含むLBS寒天(Becton Dickinson,Cockeysville,MD,USA))上で、5日間、37℃で嫌気的にインキュベーションした後で数え上げた。さらに、感染後8日目および23日目の各動物由来のLBS−RIFプレートから最大20コロニーを無作為に選択し、MRSブロス中で培養し、以下に概説されるRAPD PCRによって分析した。
予備的な実験は、ブタの糞から回収されたSalmonellaの数は、きわめて少量であり、直接的な平板培養によって計数するには不適切であることを示唆した。それゆえ、糞のSalmonella数を、3本のチューブの最確数(MPN)法によって数え上げた。10gの糞に、90mlの緩衝化ペプトン水(BPW,Lab M)を添加し、4分間均質化した。その後、このホモジネートを、3つの50mlアリコート、3つの5mlアリコート、および3つの0.5mlアリコートに分けた。0.5mlアリコートに1mlのBPWを添加することによってさらに希釈した。これらのチューブを、一晩37℃でインキュベートした。その後、各チューブからの0.1mlを、9.9mlのRappaport−Vassiliadisブロス(RV,Lab M)に添加し、18〜24時間、42℃でインキュベートした。ナリジクス酸およびノボビオシン(Sigma)を各100μg/ml含むブリリアントグリーン寒天(BG,Lab M)上で単離を行った。各サンプル中に存在するSalmonellaの数を、de ManのMPN表(1983)を使用して計算した。
(RAPD PCRによるフィンガープリント)
プロバイオティクス給餌した動物由来のサンプルを目的のプロバイオティクス培養物に対して選択的な培地上で平板培養し、最大20個の生じたコロニー(一群あたり5頭の動物の各々に由来する)を選択し、MRS培地中でインキュベートした。Coakleyら(1996)に概説される方法にしたがって、ゲノムDNAを1.5mlの一晩培養物から単離した。次に、抽出したDNAをPCR増幅において鋳型として使用した。このPCR増幅は、先(Gardinerら、1998)に概説されるように、ランダムプライマーR2(5’ GTGATGTGCTGGTGTTATGTTTA 3’;MWG Biotech,Ebersberg,Germany)を使用して行い、以下の改変を含んだ;Eppendorf DNAサーマルサイクラー(Eppendorf Scientific Inc.,Westbury,NY)において、反応混合物に1.25UのTaq DNAポリメラーゼ(Bioline,London,UK)を添加して、総容量50μlでPCR増幅を行った。このPCR産物(各反応物のうちの10μl)を、分子量標準として100bpラダー(New England Biolabs,Hitchin,Hertfordshire,UK)を使用して、1.5%(wt/vol)アガロース(Sigma)ゲル上で分析した。糞単離物から取得されたバンディングパターンを、プロバイオティクス混合物に存在する各培養物由来のコントロールDNAのバンディングパターンと比較して、各糞サンプルにおける個々のブタの培養物を同定することを可能にした。
(疾患の身体的指標)
ブタを、Abbottstownへ輸送する前にMooreparkにおいて最初に計量し、屠殺する前、給餌期間の終わりに再度計量した。ブタの体重および増加%を、個別かつ集合的に決定し、コントロールとプロバイオティクス処置との間で比較した。感染後3日目および7日目との間で各々の動物の檻から収集した糞サンプルを調べ、下痢が存在するか、または存在しないかを記した。下痢の重症度および動物の態度の観察を合わせて、臨床スコア付けシステム(clinical scoring system)(表3に詳述される)を形成した。これらのスコアを、感染後最初の9日間、毎日記録し、この期間をわたっての各々の動物に関する疾患の重症度を示した。
(統計分析)
動物の体重、体温、下痢の存在もしくは不在、または臨床スコアに関するデータを2つの方法の一方で研究した。個々のプロバイオティクス群に関するデータの調査に関しては、一方向分散分析(one way analysis of variance(ANOVA))を使用して、正規分布データを分析した。分布の非正規パターンを示すデータを、Dunnett法による事後比較(post−hoc comparison)を使用して順位検定についての非パラメトリックKruskal−Wallis一方向ANOVAによって分析した。データを単一のプロバイオティクスの群分け(grouping)(すなわち、組み合わせた懸濁物および発酵物)に基づいて考慮した場合、正規性の仮定を満たすデータに関して、スチューデントt検定を使用した。非パラメトリック分析が必要とされる場合、Mann−WhitneyのU検定を使用した。Salmonella typhimurium数をnを底とするlogに変換し、その後統計分析を行った。次に、これらのデータをANOVAによって分析し、Holm−Sidak法を使用する事後多重比較手順をおこなった。サンプルの大きさが小さいことに起因するために、0.01のP値のカットオフを使用するKolmogorov−Smirnov検定を行った。P<0.05の場合に、差が有意であるとみなした。
(ブタの体重)
コントロール群の動物の体重は、試験期間の間に平均で246%増加した。一方、プロバイオティクス処置(組み合わせたプロバイオティクス懸濁物処置および発酵物処置)を組み込んだ食事の動物は、試験期間を通して有意により大きな(p<0.05)体重の増加を示した。個々では、より低い平均体重増加が、懸濁物および発酵物の両方について見られたが、これらの差は、p<0.05で有意ではなかった。どちらのプロバイオティクス処置を給餌されたブタの体重間にも有意な差は観察されなかった(表1)。
(下痢)
コントロールのミルクを給餌された動物のうち、13個の別個のサンプル(全25サンプルのうち)が、下痢の存在に関して陽性であった(表2)。このことを、プロバイオティクスを給餌した動物から収集した(全体で50サンプルのうち)6個のみの陽性サンプル(各3個のサンプルは懸濁物および発酵物としてプロバイオティクスを給餌した動物に由来する)と比較した(表2)。統計分析により、動物へのプロバイオティクスの給餌が、有意により少ない下痢の危険性に関連することが示された。コントロール群(grouping)の5頭のブタのうち、4頭が、5日間の期間に下痢を示した。プロバイオティクスを給餌した動物のうち、プロバイオティクス懸濁物を給餌した2頭が下痢陽性糞サンプルを示し、発酵物を給餌した動物のうちの1頭のみが陽性の糞を示した。
(臨床スコア)
コントロール群の動物の平均スコア(7.0)と単一の群としてみなした場合のプロバイオティクスを給餌した動物の平均スコア(懸濁物のスコアと発酵物のスコアを組み合わせた)(2.1)との統計分析により、プロバイオティクスを給餌した動物に関して有意により低いスコアであるという結果を得た。プロバイオティクス処置を、別個にコントロール群と比較した(懸濁物 対 コントロール;発酵物 対コントロール)場合、これらの平均臨床スコアは、低くなったが、有意には低くなかった(表3)。
(投与された培養物の糞による排泄)
全ての処置された動物において排泄されたプロバイオティクス培養物の総数は、最初の投与から15日目(感染から8日目)に7×10および5×10CFU/gのピークに上昇した。懸濁物処置の動物と比較して、発酵物を給餌された動物由来の全ての場合においてより高い総数が観察された(図1)。これは、発酵物のより多くの初期播種物数を維持している。
(抗Salmonella効果)
コントロール群および処置群の糞サンプル中のSalmonella数(cfu/g)を、感染後、規則的な間隔でMPN技術によって数え上げた。感染から4日後に、コントロール群とプロバイオティクス処置群との間に統計学的な差は観察されなかった(図2)。感染から8日後に、懸濁物群および発酵物群の平均Salmonella数(それぞれ、2.53×10cfu/g糞および3.8×10cfu/g糞)は、コントロールサンプルの平均Salmonella数(1.33×10cfu/g)よりも低かったが、この差は、統計学的に有意であるとは示されなかった。感染から15日後に、コントロールサンプル中で検出されたSalmonella数は、プロバイオティクス群のSalmonella数よりも有意に高かった。個別に分析して、懸濁物群および発酵物群の平均値(それぞれ、48cfu/g糞および76cfu/g糞)はまた、コントロールの平均値(4.47×10cfu/g)と統計学的に有意に異なっていることが示された(図2)。最初のSalmonella感染から23日経過後の、動物からの最終的な糞サンプルの分析により、コントロール群のSalmonella数とプロバイオティクス群のSalmonella数との間に有意な差が無いことが示された。しかし、Salmonella数は、全ての場合においてきわめて少なかった(図2)。
(排泄された培養物のRAPD分析)
懸濁物または発酵物としてプロバイオティクスを給餌した動物から、感染から8日目および23日目に取得した糞サンプルをRAPD PCRにより分析し、混合物内の個々のブタ培養物の分布を同定した(図3)。感染から8日目および23日目に、Lb.murinus 46(DPC6003)は、発酵物処置を受容した動物から回収された、最もきわめてよく見られる培養物であった。これは、8日目に分析したコロニーのうちの60%を占め、23日目に分析したコロニーのうちの67%を占めた。比較的大量のLb.murinus DPC6002もまた回収された。これは、8日目のコロニーのうちの24%を占め、23日目のコロニーのうちの約28%を占めた。感染から8日目に、発酵物サンプルから採取されたコロニーのうちの12.5%がLb.pentosus DPC6004と同定された。一方、この培養物は、感染から23日目に、同一の動物由来のコロニーのうちの3%しか占めなかった。感染から8日目および23日目の両方において、発酵物サンプルから採取されたコロニーのうちの2%が、Lb.salivarius DPC6005と同定された。Pediococcus pentosaceus DPC6006のわずか1コロニーが感染後8日目に回収されたが、23日目ではいかなる単離物も占めなかった(図3)。
懸濁物処置を投与した動物の糞サンプルから回収されたコロニーの比率は、発酵物給餌された動物で観察されたコロニーの比率とは顕著に異なっていた。Lb.salivarius DPC6005は、感染から8日目および23日目に回収されたコロニーのうち、それぞれ72%および77%を占めた。8日目のコロニーのうちの残りの28%は、全てLb.pentosus DPC6004と同定された。このプロバイオティクスは、23日目に全体のうちの19%を示した。共により少ない数のLb.Murinus DPC6002(2.5%)およびLb.murinus DPC6003(1%)もまた23日目に同定された。いずれの場合においても、P.pentosaceus DPC6006のコロニーは同定されなかった(図3)。
Rif耐性プロバイオティクスコロニーの全体的な数を数えた場合に、発酵物サンプルから回収された総数が、懸濁物サンプルから回収された総数よりも数オーダー高いことが観察された。これは、発酵物飼料のより多くの初期播種物数を維持している。23日目の数は、8日目の数よりもわずかに少なかった。これらの時点で個々のプロバイオティクス培養物の総数を分析することにより、興味深い結果を得た。大量のLb.murinus株DPC6002および6003が、発酵物サンプルから通常回収されているが、懸濁物サンプルからは回収されなかった。DPC6005とDPC6004とを合わせた数(cfu/g)は、発酵物サンプルと懸濁物サンプルとの両方において、8日目(それぞれ、8.0×10cfu/gおよび8.08×10cfu/g)および23日目(それぞれ、1.9×10cfu/gおよび1.0×10cfu/g)の両方で酷似していた(図3)。
(考察)
Salmonella感染は、食品伝染胃腸炎の主要な原因のままである。毎年、推定160,000症例のヒトサルモネラ症が欧州連合で報告され、その経済上のコストは最大28億ユーロである(Anonymous、2002a;Anonymous、2002b)。S.typhimuriumおよびS.enteritidisは、ヒト疾患の最も一般的な原因である(Anonymous、2002a)。米国において、FoodNetプログラムは、他の数種の主要な食品伝染疾患因子とは対照的に、1996年〜2002年にSalmonella感染の発生数が有意には変動していないことを記載している(Anonymous、2003)。胃腸管(GIT)内のSalmonellaのブタによる保菌は、屠殺時の死体の汚染をもたらし得、このことは、今度は、豚肉製品の汚染を導き得る。最近、このような汚染が、アイルランドで小売りされる、試験された豚肉ソーセージのうち最大6%がSalmonellaに関して陽性であることを示す調査によって実証されている(Boughtonら、2004)。Salmonellaを含む豚肉製品の消費は、毎年、多くの症例の食品伝染疾患をもたらす(Swanenburgら、2001;Anonymous、2003)。S.typhimuriumは、依然として、アイルランドおよび他の場所のブタから最も一般的に単離される血液型亜型である(Daviesら、2000;Quirkeら、2001;Caseyら、2004a)。
本研究で使用したブタ腸からの選択および共生細菌の特徴づけは、先に記載されている(Caseyら、2004b)。非感染動物におけるブタGITの通過を生き残る、これらの5つの株の能力もまた、調べられている(Gardinerら、2004)。本発明は、離乳したブタにおけるSalmonella感染の結果を改善することにおける、これらの5つの株の効能を調べた。
任意の適切な比率での、これらの株のうちの任意の2つの組み合わせは、一部の実施形態に関して想定される。そしてさらなる実施形態は、任意の適切な比率での、これらの種のうちの3つまたは4つの組み合わせを含み得る。さらに、好ましい一実施形態において、本発明は、DPC6002、DPC6003、DPC6004、DPC6005およびDPC6006の全5株の組み合わせを包含する。
記載された実施例において、本発明のプロバイオティクス混合物のいずれかの形態を投与することは、明らかに、動物の身体的な症状の改善をもたらしたが、常には有意に改善をもたらさなかった。全ての場合において、発酵物群についての結果および懸濁物群についての結果の間に有意な差は見られなかった。おそらく、胃腸の感染の最も明らかな症状は、下痢(diarrhoea)(下痢(scour))の存在である。コントロール動物由来の糞サンプルのうち50%超が下痢陽性であったのに対し、プロバイオティクス処置されたブタについての対応する数値は、両方の場合において12%と有意に低い。生産設備でのブタの下痢の発生は、通常抗生物質で処置される。下痢の発生数の低下は、抗生物質の使用を控えることによる食品の品質の改善をもたらし得る。Ogawaら(2001)は、E.coli O157:H7感染ウサギにおける下痢の重症度の低減を実証した。現在までに、本発明者らは、Salmonella感染のいかなるモデルにおいても、下痢の発生数についてのプロバイオティクス媒介性の低下に関する何の報告も認識していない。
臨床スコア付けシステムを、各動物の疾患の重症度を示すために考案した。より高いスコアは、より重篤な疾患を示す。実施例の両方のプロバイオティクス処置群はコントロール群よりも低い平均スコアを得たが、これらは有意に低くはなかった。しかしながら、単一の群(以下に詳述される結果に基づく)としての培養物給餌した動物の研究は、確かに有意により低い臨床スコアをもたらした。より低いスコアは、全体的に「より病気の軽い」動物の証拠となる。獣医がコントロール動物と処置動物との間の「多大な差」と名付けたものを観察した試験の間、おそらく、獣医が動物の福利に責任を負う必要は無い。そして、「幸運な」動物は、その所有者からの配慮、および、獣医の介入、ならびに先に言及した抗生物質の使用を低減し、所有者に対する金銭的負担の軽減をもたらす。
ブタ生産者に対するおそらく最重要な身体的特性は、動物の体重増加の速度である。先に詳述された臨床スコアを使用して、個々のプロバイオティクス群における動物の試験期間をわたっての体重増加は、コントロール動物の体重増加よりも大きいものの、P<0.05を使用するときわめて有意というわけではない。再度、一群としてプロバイオティクス処置動物を分類することにより、有意により大きい体重増加という結果となった。より重い動物は割り増し価格になるので、このことは、ブタ生産者にとって特別な意義であり得る。プロバイオティクスの投与によるブタの成長特性の改善は、先に実証されているが(Changら、2001)、本発明者らが知る限り、胃腸の感染の間のブタの体重増加に対するプロバイオティクスの効果についての試験は存在しない。
既に詳述した結果は、ブタ生産者にとっておそらく最重要であるが、Salmonella保菌レベルに対するプロバイオティクス処置の効果は、消費者にとって最も意義がある。本研究におけるいずれかのプロバイオティクス処置の適用は、糞のSalmonella数の改善をもたらし、このことは、ブタ食品の安全性に対する肯定的な可能性を有する。多くのサンプリング時点において、プロバイオティクス処置動物についてより少ない平均数を観察したが、これらの差は感染から15日目に有意であり、コントロール動物は、いずれかのプロバイオティクス群よりも約10,000倍高い平均Salmonella数を示した。MPN技術に使用した希釈の理論上の性質に起因して、一部のサンプルに関して、計数(count)は取得されていない。このことは、感染後4日目での比較を困難にした。なぜなら、コントロール動物について、2つしか計数が得られなかったからである。理論に拘束されることを望まないが、この時点で観察されたプロバイオティクス効果が無いことは、播種直後に多数のSalmonellaが「流失(flushing through)」したことに起因する可能性がある。Salmonella数は、コントロール動物については感染から15日目に急激に上昇し、懸濁物群のブタでは感染から23日目に急激に上昇した。一つの可能性は、このことが、環境から動物が再感染したことに起因し得るということである。このような環境からの感染は、ブタのSalmonella保菌において重要な要因であることが示されている(Hurdら、2001;Gebreyesら、2004)。腸のSalmonella数におけるプロバイオティクス媒介性の低減を記載する、多くの報告が公開されている(Fedorka−Crayら、1999;Genoveseら、2003)。しかしながら、これらの研究は、scholeraesuis血液型亜型(これは、ヒト疾患の主要な供給源として関与していない)を使用している。これらのグループの両方が規定されない競合的排除培養物を使用し、この型の培養物の未知の組成が、病原体の伝染をもたらし得る可能性がある。また、これらの研究は、安定な腸微生物叢を未だ確立していない新生児のブタを使用している。対照的に、本発明者は、より年長の、離乳した動物を使用している。
排泄されたプロバイオティクス培養物のRAPD PCR分析により、2つのLb.murinus株がプロバイオティクス発酵物を投与された動物で優勢であることが示された。このことは、本発明者らの先の研究(Gardinerら、2004)と一致している。先の研究の間、動物に共生発酵させたミルクも給餌した。しかしながら、ミルク懸濁物の形態での同一の株で処置した動物から単離したコロニーの調査によって、2つのLb.murinus株が排出されたプロバイオティクスのうちのわずかな比率しか構成しないことが実証された。ミルク発酵物の組成の調査は、これらの培養物が播種された比率とおおよそ同一の比率でこれらが存在することを示した(データは示していない)。それゆえ、ミルクの発酵過程が、Lb.murinus株にその後の腸の条件での選択的な利点を付与するという可能性がある。排泄された個々の培養物の数の調査(図3)は、感染から8日目および23日目での発酵物給餌した動物および懸濁物給餌した動物の両方において、Lb.pentosus DPC6004およびLb.salivarius亜種salivarius DPC6005の合わせたレベルが類似することを明らかにした。両方のプロバイオティクス群についての結果において観察された差が無いことにより、任意のプロバイオティクス効果が、2つの処置(すなわち、Lb.pentosus DPC6004およびLb.salivarius亜種salivarius DPC6005)における「共通の因子」に起因し得ると本発明者らは考える。このことは、いずれかのLb.murinus株を給餌したブタの糞から単離した腸内細菌科の数に減少はなかったが、株DPC6004、DPC6005もしくはDPC6006のいずれか、または5つの株全てを給餌した動物では腸内細菌科の数が大きく減少したことを示した本発明者らの先の結果(Gardinerら、2004)によって支持される。また、プロバイオティクス混合物を投与された動物から主に回収された株が、あらゆる観察された肯定的な効果の実際の原因であり得ないことが明らかである。しかしながら、本発明者らは、Lb.salivarius亜種salivarius DPC6005がLb.delbruekii亜種bulgaricusに対して活性なバクテリオシンを産生する(データは示していない)ことも記している。試験した両方のプロバイオティクス群において類似する「活性成分」の観察によって、先に記載されるように、本発明者らは、一部の統計学的検定で両方の群由来のデータを合わせた。
本明細書で示したデータは、本発明のプロバイオティクス混合物が、S.typhimurium感染ブタにおいて、感染の初期の過程で臨床上の症状の改善をもたらし、より長い時間枠にわたって病原体数を低下させたことを示す。それゆえ、調べたプロバイオティクスは、ブタ生産産業に関与する人および食品の安全性に興味を有する人の両方にとって関心がある。取得した結果はまた、細菌を単離および選択するのに使用されるインビトロ手順およびインビボ手順の有効性も実証した(Caseyら、2004b;Gardinerら、2004)。ブタ胃腸管とヒト胃腸管との間の類似性は、本研究で調べたプロバイオティクスがまた、ヒトサルモネラ症の場合にも潜在性を有し得ることを示唆する。本発明者らが知る限り、このことは、S.typhimuriumで負荷されたブタの臨床上の症状および微生物学上の症状の両方に対して有益な効果を有する、規定されたプロバイオティクス処置についての最初の例を特徴付ける。
まとめると、離乳したブタに、ミルク発酵物またはミルク懸濁物にいずれかとして5つの共生株の混合物を投与し、その後のSalmonella typhimurium感染に対する効果を調べた。このプロバイオティクス混合物は、Lactobacillus murinusの2つの株、ならびにLb.salivarius亜種salivarius、Lb.pentosusおよびPediococcus pentosaceousの各々1株ずつから構成された。プロバイオティクスで処置された動物は、病的状態の低減および下痢の発生数の低下を示した。これらの動物はまた、スキムミルクを投与したコントロールブタよりも早く体重が増加した。Salmonellaの平均糞中数は、感染から15日目にプロバイオティクス処置された動物で有意に減少した。排泄されたプロバイオティクス培養物のRAPD PCR分析は、観察されたプロバイオティクス効果が5つの株のうちの2株Lb.salivarius亜種salivariusおよびLb.pentosusに起因し得ることを示唆した。特に、これらの株は、ブタ生産での使用に顕著な可能性を提供する。
(参考文献)
Figure 2008538913
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(表1.30日間の試験期間をわたってのブタの体重における増加%。動物を、最初の培養物投与の前、および最後の処置の後に計量した)
Figure 2008538913
(表2.感染から示される日数後のSalmonella Typhimurium感染ブタの糞サンプルにおける下痢の存在または不在。Y=下痢陽性;N=下痢陰性、(a)コントロール動物、(b)プロバイオティクス発酵物を投与した動物、(c)プロバイオティクス懸濁物を投与した動物)
Figure 2008538913
(表3.感染から最初の9日間の、種々の処置群に含まれるブタについての臨床スコア。スコア付けシステム:態度:0=正常;1=起き上がるのに刺激が必要;2=補助して起き上がる;3=起き上がることができない。糞:0=正常、1=軟らかい、2=軽度の下痢、3=重篤な、水様下痢)
図1である。 図2である。 図3である。

Claims (17)

  1. Lactobacillus murinus、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus salivarius亜種salivarius、およびPediococcus pentosaceusからなる群より選択される1つ以上の微生物培養物を含む、プロバイオティクス組成物。
  2. 前記培養物が、さらにLactobacillus murinus DPC6002、Lactobacillus murinus DPC2003、Lactobacillus pentosus DPC6004、Lactobacillus salivarius亜種salivarius DPC6005およびPediococcus pentosaceus DPC6006からなる群より選択される、請求項1に記載のプロバイオティクス組成物。
  3. 前記培養物が、アクセッション番号:
    Figure 2008538913
    の下、2005年4月25日にNational Collection of Industrial and Marine Bacteria,Aberdeen,Scotlandに寄託された培養物からなる群より選択される、請求項1または請求項2に記載のプロバイオティクス組成物。
  4. 請求項3に記載の株の全てを含む、プロバイオティクス組成物。
  5. 前記微生物培養物が凍結乾燥またはフリーズドライされる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロバイオティクス組成物。
  6. Lactobacillus murinus、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus salivarius亜種salivarius、およびPediococcus pentosaceusからなる群より選択される1つ以上の微生物培養物を含む、動物飼料組成物。
  7. 前記1つ以上の培養物が、さらにLactobacillus murinus DPC6002、Lactobacillus murinus DPC2003、Lactobacillus pentosus DPC6004、Lactobacillus salivarius亜種salivarius DPC6005、およびPediococcus pentosaceus DPC6006からなる群より選択される、請求項6に記載の動物飼料組成物。
  8. 前記培養物が、アクセッション番号:
    Figure 2008538913
    の下、2005年4月25日にNational Collection of Industrial and Marine Bacteria,Aberdeen,Scotlandに寄託された培養物からなる群より選択される、請求項6または請求項7に記載の動物飼料組成物。
  9. 請求項8に記載の株の全てを含む、プロバイオティクス組成物。
  10. 前記微生物培養物のレベルが、給餌している動物に対して一日あたり少なくとも3×10−9のコロニー形成単位の総用量を提供するように適合される、請求項6〜9のいずれか一項に記載の動物飼料組成物。
  11. Lactobacillus murinus、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus salivarius亜種salivarius、およびPediococcus pentosaceusからなる群より選択される1つ以上の微生物培養物を含む、薬学的組成物。
  12. 前記1つ以上の培養物が、さらにLactobacillus murinus DPC6002、Lactobacillus murinus DPC2003、Lactobacillus pentosus DPC6004、Lactobacillus salivarius亜種salivarius DPC6005、およびPediococcus pentosaceus DPC6006からなる群より選択される、請求項11に記載の薬学的組成物。
  13. 前記培養物が、アクセッション番号:
    Figure 2008538913
    の下、2005年4月25日にNational Collection of Industrial and Marine Bacteria,Aberdeen,Scotlandに寄託された培養物からなる群より選択される、請求項11または請求項12に記載の薬学的組成物。
  14. 請求項13に記載の株の全てを含む、薬学的組成物。
  15. 実施例を参照して本明細書に実質的に記載されるプロバイオティクス組成物。
  16. 実施例を参照して本明細書に実質的に記載される動物飼料組成物。
  17. 実施例を参照して本明細書に実質的に記載される薬学的組成物。
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