図1に示す実施例では、第1IMD遠隔測定アンテナエレメントは、実質的に矩形の導電性IMDハウジングの第1副側部に沿って第1方向に延びるように支持されており、第2アンテナエレメントは、実質的に矩形の導電性IMDハウジングの第2副側部に沿って第2方向に延びるように支持されている。第1及び第2のアンテナエレメントは、IMDアンテナエレメントの、同様のEMDアンテナエレメントに対する空間的配向に応じて、第1及び第2のアンテナエレメントのうちの少なくとも一方によるUT送信及びDT受信を最適にするため、実質的に共通の平面内で互いに対して実質的に90°で、即ち実質的に直交して離れるように延びるように支持されている。
ICD10は、気密封止されたハウジング12及びコネクタヘッダ50を含む。電気的除細動/除細動電極及び患者の心臓に対して作動関係で配置されたペース/感知電極を持つ一組のICDリードが、コネクタヘッダ50に、当該技術分野で周知の方法で接続される。ICD10は、直交して配置された第1及び第2のIMD遠隔測定アンテナエレメントが、表皮層、皮下脂肪層、及び/又は筋肉層を含む身体組織及び体液内に埋封されるように、患者の体内に皮下に埋め込まれる。
気密封止されたハウジング12は、全体に、円形、楕円形、多角形、又は直線状の形状をなしており、実質的に平らな主側部20及び24を有し、これらの側部は、実質的に直線状の第1副側部14、第2副側部16、及び第3副側部18、及び曲線状の第4副側部22を含む周囲側部によって接合されている。第1副側部14及び第2副側部16は、相互隅部のところで、即ち側部接合部15のところで接合されている。気密封止されたハウジング12は、代表的には、薄壁の生体親和性金属、例えばチタニウムで形成された賦形した半区分を、副側部14、16、18、及び22に亘って延びる継ぎ目で互いにレーザーシーム溶接することによって形成される。
遠隔測定凹所21が、平らな主側部20に、第1副側部14と隣接して形成されている。遠隔測定凹所21は、図6を参照して以下に詳細に説明する遠隔測定アンテナフィードスルー30が溶接される遠隔測定フィードスルー穴を含む。コネクタ凹所23が、平らな主側部20に、第2副側部16と隣接して形成されている。コネクタ凹所23は、複数のフィードスルーピン41を支持する単一の細長いフィードスルー40を受け入れる細長いフィードスルー穴を含む。コネクタタブ32が、第1ハウジング側部14から遠ざかるように延びており、コネクタタブ34、36、38が第2ハウジング側部16から遠ざかるように延びている。
気密封止されたハウジング12は、多くの場合、アッセンブリとして、又は別に製作したコネクタヘッダ50を持つアタッチメントとして製造される。一つ又はそれ以上のバッテリー、高電圧出力コンデンサー、及びICパッケージ、及び他の構成要素がスペーサに組み立てられており、ハウジング半部のシーム溶接前にハウジング12の内部キャビティ内に配置される。製造プロセスでは、ICコネクタパッド間、又はコネクタヘッダフィードスルーピンを持つ端子間を電気的に接続する。更に、アンテナフィードスルー30のアンテナフィードスルーピンの内端と遠隔測定トランシーバー回路との間を、図6を参照して以下に説明するように、電気的に接続する。
コネクタヘッダ50は、更に、第1ヘッダセグメント53及び第2ヘッダセグメント55を含む別体のアッセンブリとして形成されている。ヘッダセグメント53、55は、実質的に隣接したヘッダセグメント側部54及び56を夫々備えている。これらのヘッダセグメント側部54及び56は、連続した第1及び第2の副側部14及び16に嵌着し、コネクタタブ32、34、36、及び38を受け入れるように形成されている。コネクタヘッダ50は、コネクタヘッダ50及び夫々のコネクタタブ32、34、36、及び38の整合した穴を通して嵌着したピン又はねじ42、44、46、及び48を使用することによって、第1及び第2の副側部14及び16に機械的に固定される。
コネクタヘッダ50には、更に、遠隔測定凹所21に嵌着するコネクタヘッダ電気パッド51のアレイが形成されている。図1に示すように、コネクタフィードスルーピン41の各々が曲げてあり且つ電気パッド51の夫々に溶接してある。試験後、遠隔測定凹所21を生体親和性の医療用接着剤又はエポキシで充填して覆い、互いに溶接したコネクタフィードスルーピン41及び電気パッド51を体液から電気的に絶縁する。
図4を参照すると、細長いIMD遠隔測定アンテナ70は、実質的に90°の湾曲部72のところで曲げて、直交して延びる第1及び第2の遠隔測定アンテナエレメント74及び76を形成するワイヤストリップを含む。第2遠隔測定アンテナエレメント76は、実質的に90°の湾曲部72から、ワイヤストリップ自由端77まで延びている。第1遠隔測定アンテナエレメント74は、実質的に90°の湾曲部72から、横方向ワイヤストリップ湾曲部78まで、及びこの横方向ワイヤストリップ湾曲部78に亘って、コネクタパッド80のワイヤストリップ固定端子まで延びている。
この実施例では、第1及び第2のヘッダセグメント53及び55を含むコネクタヘッダ50は、例えばポリウレタン等のポリマーで形成された一体のアンダーモールデッド (undermolded)フレーム即ち「アンダーモールド」60で形成されている。このアンダーモールド60は、ワイヤストリップIMDアンテナ70及び説明したコネクタヘッダ構成要素を支持する。ポリマー製のオーバーモールド(overmold)57を、遠隔測定アンテナのサブアッセンブリ及びコネクタヘッダ構成要素に被せて成形することにより、サブアッセンブリをなした構成要素をシールし、ワイヤストリップ遠隔測定アンテナ上にドーム状保護覆い即ちレードームを提供する。次いで、コネクタヘッダ50を気密封止されたハウジング12に対して組み立て、遠隔測定アンテナの固定端を遠隔測定トランシーバーに電気的に接続する。
更に詳細には、第1及び第2のアンダーモールドセグメント64及び66を持つアンダーモールド60を型成形する。アンダーモールド60の外チャンネル62は、第1及び第2のアンダーモールドセグメント64及び66を通って延び、図4に示すワイヤストリップ遠隔測定アンテナ70の形状に合わせて賦形されている。第1アンダーモールドセグメント64は、更に、コネクタボアを形成するように、及びヘッダコネクタエレメント81、82、83、84、86、及び88を支持するように形成されている。ヘッダコネクタエレメント81、82、83、84は、コネクタボアに挿入した心臓リードの基端コネクタピンを受け入れる。心臓リードは、リードコネクタピンを、当該技術分野で周知の方法で所定の場所に締め付けるため、貫入可能なシリコーンゴム製の止めねじグロメット、例えば図1のグロメット87及び89を通してアクセスがなされる従来の止めねじを含む。
チューブ状コネクタリング86及び88は、コネクタボアに挿入した心臓リードのバイポーラリードコネクタアッセンブリのコネクタリングに当該技術分野で周知の方法で当接する、内方に延びる弾性力ビームを含む。アンダーモールド60及びワイヤストリップ遠隔測定アンテナ70を互いに組み立て、図4及び図5に示すアンダーモールドサブアッセンブリ90を形成する。導体アッセンブリ(図示せず)の導体の端子もまた、コネクタエレメント81、82、83、84、56、及び88に溶接されており、図1に示すコネクタパッドアレイ51で終端するということは理解されよう。
次いで、ポリマー製オーバーモールド57を、適当なポリマー、例えば医療等級のポリウレタンで、アンダーモールドサブアッセンブリ90上に型成形する。オーバーモールド57は、外形、コネクタボア開口部、縫合穴、及び取り付けボア開口部、止めねじアクセス開口部、等の本発明を実施する上で重要でないコネクタヘッダ50の様々な特徴を形成する。これに関し、オーバーモールド57は、第1バイポーラリードコネクタピン及びリングを受け入れるため、コネクタブロック82及びコネクタリング86と整合した内バイポーラコネクタボアを形成するように型成形されるということに着目すべきである。同様に、オーバーモールド57は、第2バイポーラリードコネクタピン及びリングを受け入れるため、コネクタブロック81及びコネクタリング88と整合した外バイポーラコネクタボアを形成するように型成形される。オーバーモールド57は、更に、第1及び第2のユニポーラリードコネクタピンを受け入れるため、コネクタブロック83及び84の夫々と整合した内外のユニポーラコネクタボアを形成するように型成形される。リードコネクタエレメント及びコネクタボアの数、種類、及び特定の形体は、本発明を実施する上で重要ではない。
更に重要なことには、オーバーモールド57及びアンダーモールド60は、ハウジングの副側部14及び16の夫々と形状が一致するヘッダ側部54及び56の形状を決定する。オーバーモールド57は、更に、遠隔測定アンテナ70を、図5に示すように露呈されたままのアンテナコネクタパッド80の外面を除いて、アンダーモールドチャンネル62内にシールする。オーバーモールド57は、これによって、アンダーモールドサブアッセンブリ90の組み立て済みの構成要素をシールし、アンテナ70の第1及び第2の、ワイヤストリップ、アンテナエレメント74及び76上にレードームを提供し、遠隔測定アンテナ70を身体組織及び体液から電気的に絶縁する。コネクタヘッダパッドアレイ51もまた、オーバーモールド57によって覆われていないままである。
これは、上文中に説明したように、コネクタフィードスルーピン41に取り付けることができるようにするためである。以上からわかるように、コネクタヘッダ50は、ピン又はねじ42、44、46、及び48を使用して、気密封止されたハウジング12に取り付けられる。代表的には、医療用接着剤又はエポキシをオーバーモールド57の充填穴を通して内部空間及び隙間に注入し、アッセンブリをシールし、第1及び第2の副側部14及び16へのコネクタヘッダの接着を高める。
図6に示すように、フィードスルー30は、非導電性のガラス又はセラミック(例えばアルミナ)絶縁体を支持するフェルール35を含む。前記絶縁体は、フィードスルーピン33をフェルール35から電気的に絶縁する。気密封止されたハウジング12の組み立て中、フェルール35を、フィードスルー開口部又は遠隔測定穴21内でハウジングの主側部20を通る穴に溶接する。RF遠隔測定トランシーバー39(図6に概略に示す)をアンテナフィードスルーピン33の内端に電気的に接続する。RF遠隔測定トランシーバー39は、例えば、アンテナフィードスルーピン33の内端を基板パッドに溶接し、又はアンテナフィードスルーピン33の内端を、基板パッド又はコネクタまで延びるケーブル又は可撓性ワイヤコネクタにクリップ止めする等の様々な方法でアンテナフィードスルーピン33の内端に接続できる。アンテナフィードスルーピン33の内端は、有利には、インピーダンス適合を容易にし且つ損失を減少する方法で、近接して配置されたRFトランシーバー回路39に電気的に接続される。
コネクタヘッダ50と気密封止されたハウジング12との組み立て中、フィードスルーピン33の外方に延びる部分がアンテナコネクタパッド80の前縁のノッチに嵌着するようにアンテナコネクタパッド80を遠隔測定凹所21に滑り込ませた後、アンテナコネクタパッド80のアンテナ固定端を、アンテナフィードスルー30のアンテナフィードスルーピン33の外端に電気的に接続する。
図6に示すように、フィードスルーピン33の外方に延びる部分は、アンテナコネクタパッド80の露呈された外面上に湾曲しており、ここにレーザー溶接される。フィードスルーピンの外端及びワイヤストリップ固定端を、ハウジングの主側部20に形成された遠隔測定凹所21内で互いにレーザー溶接し、外形が小さい溶接部を形成する。試験後、遠隔測定凹所21を医療等級の接着剤又はエポキシで充填し、フィードスルーピン33の外に曲げた外方に延びる部分及びアンテナコネクタパッド80の露呈された外面を覆い、電気的に絶縁する。
かくして、直交して配置された第1及び第2のアンテナエレメント74及び76を持つ遠隔測定アンテナ70は、一体成形したコネクタヘッダ50内に封入され且つ支持される。ワイヤストリップ遠隔測定アンテナ70は、気密封止されたハウジング12の壁を通って延びるアンテナフィードスルーピン33の外端に、第2ヘッダセグメント55から所定距離のところで取り付けられる。これによって、機械的連結部及び電気的接合部及び内部構成要素と干渉せず、ワイヤストリップアンテナ自由端77を第2副側部16から移動させることができる。
本発明の別の実施例では、ICD100が図6乃至図9に示してある。ICD100は、上文中に説明した気密封止されたハウジング12を含む。このハウジング12には、遠隔測定アンテナフィードスルー30が、遠隔測定凹所21内でハウジング側部20に取り付けられており且つ遠隔測定トランシーバー回路39に図6に示すように電気的に接続されている。しかしながら、従来の予備成形したコネクタヘッダ140を別に製作し、予備成形した気密封止されたハウジング12に従来の製作技術に従って取り付ける。
図7に示す予備成形したコネクタヘッダ140は、第2副側部16に既に取り付けてある。コネクタヘッダ140は、形体、内部構成要素、及び第2副側部16への組み立てが、コネクタヘッダ50の第2ヘッダセグメント56に関して上文中に説明したのと一致する。例えば凹所23内に設けられるコネクタフィードスルーピン41及びタブ51、及び貫入可能な止めねじグロメット等の詳細は、例示を簡略化するため、図7乃至図9には示してない。
この実施例では、図8に示すように、遠隔測定アンテナ70は、別のアンダーモールド120の、遠隔測定アンテナ70と形態が一致するチャンネル122内に支持されており、アンダーモールド120及び遠隔測定アンテナ70のアッセンブリが、別のオーバーモールドアンテナコネクタモジュール130内に埋設される。別のアンダーモールド120は、第1遠隔測定アンテナセグメント74を支持する第1アンダーモールドセグメント124と、第2遠隔測定アンテナセグメント76を支持する第2アンダーモールドセグメント126とを含む。アンテナコネクタモジュール130は、同様に、第1遠隔測定アンテナエレメント74を埋封し且つこのエレメントに対してレードームを提供する第1オーバーモールドモジュールセグメント134と、第2遠隔測定アンテナセグメント76を埋封し且つこのエレメントに対してレードームを提供する第2オーバーモールドモジュールセグメント136とを含む。
第1及び第2のオーバーモールドモジュールセグメント134及び136は、第1副側部14及び予備成形したコネクタヘッダ140のヘッダ外面156の夫々に当接するように賦形されており且つ寸法が定められている。アンテナコネクタモジュール130には、このアンテナコネクタモジュール130を第1副側部14及びヘッダ外面156に対して配置した場合にコネクタボアの縫合穴152と整合するボア132が形成されている。アダプタスリーブ142を縫合穴152に嵌着し、アダプタピン144を、整合したボア132及びアダプタスリーブ142を通して縫合穴152に嵌着し、アンテナコネクタモジュール130を予備成形したコネクタヘッダ140に固定する。
更に、アダプタコネクタモジュール130には、気密封止されたハウジング12のコネクタタブ32及びチタニウムピン42(図2参照)を受け入れる交差するスロット及びボア(図示せず)が設けられている。更に、医療用接着剤又はエポキシを、複数の接着剤ポート138を通して、第1及び第2のオーバーモールドモジュールセグメント134及び136と、第1副側部14及び予備成形したコネクタヘッダ140の外面156の夫々との間の隙間に注入できる。
この場合も、コネクタヘッダ50と気密封止されたハウジング12とを図6に示すように組み立てるとき、フィードスルーピン33の外方に延びる部分が、アンテナコネクタパッド80の前縁のノッチに嵌着するように、アンテナコネクタパッド80を遠隔測定凹所21に横方向に滑り込ませる。フィードスルーピン33の外方に延びる部分は、アンテナコネクタパッド80の露呈された外面上に曲げてあり、ここに溶接される。試験後、遠隔測定凹所21を医療用接着剤又はエポキシで充填し、フィードスルーピン33の曲げた外方に延びる部分とアンテナコネクタパッド80の露呈された外面とを覆い、電気的に絶縁する。組み立ての完了時に、第1及び第2のヘッダセグメント153及び155の夫々を有する複合コネクタヘッダ150が効果的に形成される。
図10は、一体のコネクタヘッダ50の第1及び第2のヘッダセグメント53及び55の夫々内の、及び複合コネクタヘッダ150の第1及び第2のヘッダセグメント153及び155の夫々内の、第1及び第2のアンテナエレメント74及び76の相対的な寸法及び間隔を例示する。
第1アンテナエレメント74の、ヘッダセグメント53、153内での長さはL1であり、気密封止されたハウジング12の第1副側部14から第1側方間隔S1のところに、第1副側部14と実質的に平行に延びるように支持されている。長さ寸法L1は、第1副側部14の利用可能な長さと関連している。同様に、第2アンテナエレメント76の、ヘッダセグメント55、155内での長さはL2であり、第2副側部16から第2側方間隔S2のところに、第2副側部16と実質的に平行に延びるように支持されている。第2側方間隔S2は、部分的には、コネクタエレメントの寸法で決まる。
第1アンテナエレメント74と、第1ヘッダセグメント53、153の外面との間のオーバーモールド誘電体は、第1アンテナエレメント74上にレードームを提供する第1レードーム厚さT1を有する。第2アンテナエレメント76と第2ヘッダセグメント55、155との間のオーバーモールドのオーバーモールド誘電体は、第2アンテナエレメント76上にレードームを提供する第2レードーム厚さT2を有する。レードーム厚さT1及びT2は、理論的に計算でき、経験的に確認でき、又は身体組織内で所定の範囲に亘って作動する公称403MHzの搬送周波数での受信及び送信を最適にするようにアンテナ70を調整するように調節できる。
一例では、IMD遠隔測定アンテナ70は、厚さが0.254mm(0.010インチ)、幅が0.635mm(0.025インチ)、全長が77.216mm(3.04インチ)の平らなチタニウム製ワイヤとして形成される。側方間隔S1は、例えば、1.016mm乃至1.27mm(0.040インチ乃至0.050インチ)に設定でき、側方間隔S2は、例えば、12.192mm乃至12.7mm(0.480インチ乃至0.500インチ)に設定できる。レードーム厚さT1及びT2は、約0.508mm(約0.020インチ)に設定できる。IMD遠隔測定アンテナ70とEMD遠隔測定アンテナとの間の空気中及び身体組織中で作動する公称403MHzの搬送周波数で、少なくとも2mの所定距離に亘る確実な遠隔測定送信及び受信は、部分的には、本発明の好ましい実施例のIMD遠隔測定アンテナによって提供される。
このアンテナ設計は、最小2mの範囲というシステムの必要条件を満たし、IMDの埋め込みの前後の様々なあり得る環境に対し、特に筋肉層での埋め込みに対し、一つ又はそれ以上の反応性エレメントを使用し、適切なゲイン、ゲインパターン、帯域幅、及び調整性(tunability)を提供する。IMD遠隔測定アンテナ70の分極は、筋肉内で円形になり、脂肪内で線型に近くなる。分極は、IMDが配置された環境で決まる。分極は、IMDが比較的誘電率が低く且つ導電率が低い環境にある場合、例えば空気中や身体の脂肪内にある場合には直線に近い。分極は、筋肉内では楕円形又は円形である。これは筋肉の誘電率及び導電率が比較的高く、そのため波長が空気中の場合よりも短くなるためである。これは、特にゲインパターンの主ローブについていえる。
所与のIMDから所望の距離に亘って遠隔測定を効果的に行うためには、駆動電力を効率的に変換し、アンテナが発生するフラウンホーファー領域の成分を最大にしなければならない。フラウンホーファー領域の成分に影響を及ぼす一つの要因は、駆動信号の波長に関するアンテナの長さである。多くの種類のアンテナは、様々なパラメータに従って機能するが、一般的には、最大長が駆動周波数の波長の1/4又は1/2のアンテナを提供するのが望ましい。一般的には、長さが長ければ長い程、性能が向上し、全長は、好ましくは、駆動周波数の半波長の整数倍である。この他の要因には、周囲媒体(例えばハウジング、ヘッダ、人間の組織)によって加えられる耐電圧値(dielectric value)及び外部環境(例えば空気)が含まれる。
かくして、以下の実施例は、上述の実施例と比較して長さが長く、ハウジングの実質的に外部にある遠隔測定アンテナを提供する。更に、以下の実施例は、コネクタヘッダの大きさを大きくすることなく、及び誘電体の追加の容積を必要とすることなく、このようなアンテナを提供する。
図11A、図11B、及び図11Cを参照すると、これらの図にはコネクタヘッダ200が示してある。コネクタヘッダ200は、機能及び構造に関して上文中に説明したヘッダ50と同様であるが、アンテナ70を埋封するためにハウジング12の横側壁に沿って延びる細長い延長部分を含まない。
コネクタヘッダ200は、ハウジング12に、上文中に説明したのと同じ方法で連結される。しかし、明瞭化を図るため、ハウジング12は図11A、図11B、及び図11Cには示してない。コネクタヘッダ200は、リード等の外部構成要素アタッチメントを受け入れるための一つ又はそれ以上のコネクタポート205を備えている。問題のIMDの種類に応じて、コネクタヘッダ200の大きさ、形状、及び形体は変化してもよい。例えば、コネクタポート205の数及び構成を変えてもよい。
チャンネル210がヘッダ200内に形成されており、アンテナ220がチャンネル210内に受け入れられる。カバー230がアンテナ220上に配置され、チャンネル210をシールする。アンテナ220は、基端250及び先端240を含む。組み立てたとき、アンテナ220の大部分がヘッダ200内に収容される。コネクタタブ260が基端250から延びており、ヘッダ200内の内部開口部270を通って突出する。コネクタタブ260は、次いで、ハウジング内に配置された遠隔測定トランシーバーに接続された端子と電気的に接触する。
上文中に説明したように、フラウンホーファー領域の遠隔測定について考えられる一つの要因は、アンテナ220の長さである。チャンネル210は、チャンネル210の基端300と先端310との間でチャンネル210の輪郭を辿る直線状経路として拘束長CLを形成する。チャンネル210は、例示の形状、位置、及び相対的な長さに限定されないが、しかしながら、最終的に形成されたチャンネル210(又はアンテナのためにだけ設けられた空間)が拘束長CLを提供する。このように、直線的な真っ直ぐな線をなしたアンテナ(図4のアンテナ70等)のアンテナ長は、拘束長さCLを越えない。この実施例では、アンテナ220のアンテナ長は、拘束長CLよりも大きい。これは、アンテナ220に蛇行構成を提供することによって行われる。
図12A乃至図12Fを参照すると、一般的アンテナ基材400に関し、蛇行構成を例示する。図12Aは、基材400の平面図であり、これは、直線状の断面を持つ平らで直線的な構成要素である。この形体では、基材400の実際の直線的長さは、アンテナ長ALに等しい。材料の幅Wも示してある。所与のシステムの所与のアンテナの操作性及び有効性を決定する上でアンテナ長ALが関連している。例示の形態の基材400を使用するためには、アンテナ長ALと等しいか或いはそれ以上の長さを持つ空間を提供しなければならない。例えば、図11Aを参照すると、直線状基材400をヘッダ200のアンテナとして使用するためには、基材400のアンテナ長ALは、拘束長CLよりも小さくなければならない。
図12Bは、基材400に関してほぼ同じ縮尺の蛇行構成を示す。蛇行アンテナ410は、基材400と同じアンテナ長ALを有し且つ材料の同じ幅Wを有するが、蛇行形体のため、アンテナの製品長PLはアンテナ長ALよりも短い。かくして、蛇行アンテナ410は、拘束長CLがアンテナ長ALよりも小さいヘッダチャンネル210に収容できる。勿論、製品長PLは、拘束長CLと等しいか或いはそれ以下である。例示の例では、蛇行アンテナ410のアンテナ幅AWは、材料幅Wよりも大きい。かくしてチャンネル210は、蛇行形体が形成する幅AWを持つアンテナ410を受け入れるのに十分な幅を持たなければならない。
蛇行アンテナ410の形状に影響を及ぼす多くの変数がある。先ず最初に、材料全長即ちアンテナ長ALを、妥当に選択する。所望のアンテナ幅AWも決定される。例えば、ヘッダ200内の利用可能な空間の容積も考慮される。ピッチPは、二つの連続した同様の箇所間の距離、例えば、図示のようにピークからピークまでの距離と定義される。ピッチPが小さければ小さい程、所与の拘束長CLについてのアンテナ長ALが長くなる。ピッチP及び材料幅Wがゼロに近づくにつれて、所与のアンテナ幅についての最大長に近づく。実際には、選択される最小ピッチPは、アンテナ長ALのアンテナの特徴を維持するのに十分でなければならない。図示のように、蛇行パターンは、内側隙間及び外側距離を形成する。内側隙間がゼロに近づくにつれて、アンテナ長ALは製品長PLに近づく。即ち、隣接した区分のうちの少なくとも幾つかの間の差がなくなると(例えば接触が生じると)、蛇行パターンにより得られる利点がなくなるのである。逆に、ピッチが非常に大きい場合には、アンテナ又はその少なくとも大きな部分がほぼ直線状に又は直線状になる。
ピッチPを変化させることにより、アンテナ410の製品長を増減できる。ピッチPは、アンテナ410全体に亘って均等である必要はなく、多くの任意の方法で変化させることができる。例えば、直線状区分又は様々な湾曲パターンを使用して、アンテナをヘッダ200内に所望の形体で位置決めしてもよい。
例示の目的のため、図12A及び図12Bの平面的形体を、隣接した垂直区分を持つ直線状の基材として示す。別の態様では、内側隅部及び/又は外側隅部には、隅部半径CRが示す半径が付けてある。適当な隅部半径を選択することにより、特定の実施例のピッチを小さくできる。別の態様では、隣接した垂直な区分を提供するのでなく、蛇行パターンは、正弦曲線状であってもよいし、その他の様々な湾曲パターンであってもよい。ピッチが比較的小さいアンテナの製造を容易にするため、材料幅Wを他の寸法変数に対して小さくしてもよい。例示のように、材料幅Wは、製品長PLに対して比較的大きく、実際には、幅が小さいとピッチが小さくなる。
蛇行アンテナ410は連続した構造であるが、特定の概念を例示するため、複数の形成可能な部分が同定してある。図12Bに関して方向及び配向を示すのに使用された様々な用語は、単に例示を目的としたものであって、限定を意図したものではないということは理解されよう。例えば、蛇行アンテナ410は、複数の垂直アンテナセグメント407及び複数の水平アンテナセグメント408を含む。代表的なアンテナセグメント407は直線状であり、長さが均等であり、互いに平行である。垂直アンテナセグメント407は、端部と端部が水平アンテナセグメント408によって交互に相互連結され(連続した蛇行経路を形成し)ている。水平アンテナセグメント408もまた直線状であり、長さが均等であり、平行である。水平アンテナセグメント408は、垂直アンテナセグメント407に対して垂直である。
ここに示す蛇行形体の多くの変形例を、アンテナセグメント407、408の形成に関して説明する。セグメント407、408のいずれかの長さを増減することにより、アンテナの全長に影響を及ぼす。直線状部分を直角に相互連結するのでなく、水平アンテナセグメント408の代わりに円弧状セグメントを使用する(例えば、図13参照)。代表的には、垂直セグメント407の長さ(製品幅方向)は、円弧状セグメントの長さ(製品長方向)よりも大きい。この場合、円弧の寸法は、垂直セグメント407が直線状であり且つ平行であると仮定した場合、ピッチを意味する。垂直セグメント407は、直線状であり且つ平行でなくてもよい。このような実施例では、オフセット角度並びにセグメントの長さがピッチに影響を及ぼす。最後に、直線状であるという条件を外すと、正弦曲線となる。
ここまで、アンテナ長ALを製品長に対して大きくするように、平面内でのアンテナの経路を調節した。図12Cは、厚さMTの蛇行アンテナ410の側面図であり、図12Dは同じ厚さの蛇行アンテナ410の端面図である。これらの図面の両方から、蛇行アンテナ410は直線状であり、換言すると平らである。実際には、アンテナ410は、蛇行形体を備えていることに加え、これらの平面の一方又は両方で直線状でなくてもよい。こうした追加の変更は、様々な目的で役立つ。第1に、製作されたアンテナ220は、チャンネル210(図11A参照)が形成する湾曲した経路に従って延びていてもよい。換言すると、アンテナ410は、平らに設置されることに限定されない。これを図12Eに示す。この図は、アンテナ220と同様に湾曲した側方輪郭を持つ蛇行アンテナ410の側面図である。この輪郭の湾曲では、端面図は、図12Dに示す輪郭と対応する。これは、アンテナ220が、蛇行した平らな輪郭、湾曲した側方輪郭、及び平らな端部/蛇行部分に関する断面輪郭を持つ、図11Aに示す実施例と同様である。
図12Fは、湾曲した断面又は端部輪郭を持つ蛇行アンテナ410の端面図である。このような輪郭は、例えば、チャンネル210が平らな表面を備えておらず、円弧状をなしている場合には、有利である。更に、この寸法の湾曲により、アンテナのアンテナ幅AWを所与の直線状チャンネル幅(例えばチャンネル210)よりも大きくできる。
このような湾曲形体は、チャンネル210と対応する湾曲した側部及び/又は断面輪郭を提供することに加え、アンテナ長ALを更に増大する。即ち、任意の二点間の最短距離は直線であり、同じ二点を結ぶ任意の円弧は、必然的に、距離が大きくなる。
図12E及び図12Fは、例示の湾曲を示し、図12C及び図12Dの夫々と同じ寸法の蛇行アンテナ410を提供する。かくして、直線状構成要素(図12C及び図12D参照)を湾曲させる(図12E及び図12F参照)だけでは、長さを大きくしないけれども、関連して考慮される平面200内の経路が増大する。即ち、チャンネル210を、関連した平面が湾曲した輪郭をなしているか或いは受け入れるように形成することにより、アンテナ長を、ヘッダ200の同じ点間の真っ直ぐな経路と比較して長くできる。簡単に述べると、蛇行構成及び湾曲した輪郭を提供することの各々が、アンテナに別々に長さを追加するのである。本発明は、本発明以外では絶対的な最大寸法限度(例えば拘束長、幅、等)を越える寸法を持つアンテナを提供する。これは、拘束された寸法の寸法上の属性を、所定の容量の寸法に幾何学的に変換することによって行う。例えば、蛇行構成により、アンテナ長を幅寸法に変換する。
図12Gは、湾曲した端部又は断面輪郭が、アンテナにこうした長さを追加する方法を示す。アンテナ410のこの端面図では、正弦曲線形状が提供されており、蛇行パターンが紙面内に垂直方向に延びている。図示のように、製品幅PWは、材料長さMLよりも短い。この材料長さは、例示の端部を「平らにした」場合の長さである。正弦曲線パターンを例示したが、任意の湾曲した経路を使用してもよいということは理解されるべきである。この場合も、ヘッダ200の、更に詳細にはチャンネル210の寸法上の制限により、最大幅、即ちアンテナの製品幅PWを制限する拘束幅が提供される。ヘッダ200内のこの他の利用可能な空間を使用することにより、この方法で追加の長さを提供できる。
蛇行パターンは、アンテナ長ALを更に大きくするため、所与の容積内で三つの寸法で繰り返してもよい。図12Hは、立体的蛇行アンテナ420を示す。図示のように、アンテナ420は連続構造をなしており、第1端425及び末端430を有する。ピッチ、材料寸法、及び隅部湾曲/半径等の、上文中で論じたのと同じ変数を操作し、所与の容積内でアンテナ長ALを増減する。例示の実施例は、均等なパターンの一例を提供するということもまた、理解されるべきである。この構造のコンパクトさを小さくすることによって、例えば、選択された隙間距離を大きくするために直線状部分を使用することによって、更に多くのアンテナ表面積が露呈される。これは、使用された特定のアンテナ及び遠隔測定のパラメータによっては望ましい。
図12Iを参照すると、この図のには、別の蛇行アンテナ435が示してある。このアンテナ435は、図12Bに関して論じた蛇行形体を備えており、例えばピッチ、材料寸法、及び隅部湾曲等のパラメータを変化させる上で同じ性能を備えている。第1アンテナ区分445は第1平面に配置され、第2アンテナ区分450は、第1平面から間隔が隔てられた第2平面に配置されている。換言すると、一つ又はそれ以上の蛇行区分がヘッダ200内で層をなしているのである。この場合も、ヘッダ200内の利用可能な空間の所与の容積内で、アンテナ長ALを増大できる。更に、アンテナ435は、中間点440で二叉になっており、ダイポールアンテナとして作用する。十分なアンテナ性能を実現できる限り、任意の数の層を使用してもよい。
特定の幾何学的形体を例示したが、これらの形体は限定であると受け取られるべきではない。更に、例示の原理を使用する更に複雑な形状もまた含まれる。例えば、所与のアンテナの蛇行部分は、完全に又は部分的にループをなした形態であってもよく、利用可能な容積内で立体的形状をなしていてもよい。概念的には、平面的蛇行構成(図12B参照)を平行四面体、円筒体、又は他の立体的容積の周囲に「巻き付け」てもよい。
図11Bを再度参照すると、ヘッダ200は、コネクタ205等の様々な構造的構成要素を含む。所与のヘッダ200について、これらの構造的エレメントは、アンテナ220を位置決めする上で利用できる自由空間を決定する。例示の実施例では、チャンネル210がヘッダ200の上面近くに(図示のように)設けられており、チャンネルがアンテナ220をこれらの構成要素の上方/後方に(図示のように)位置決めする。
アンテナ220は、これらの様々な構成要素に関し、ヘッダ200内のどこに位置決めされていてもよい。例えば、個々のコネクタ205に参照番号205A乃至205Dが付してある。例示の実施例では、アンテナ220の関連した部分は、コネクタ205A及び205Cの上方に位置決めされる。別の態様では、アンテナ220は、コネクタ205A及び205Cの下にあり且つコネクタ205B及び205Dの上にある水平方向平面に位置決めされていてもよく、又はコネクタ205B及び205Dの下にある水平方向平面に位置決めされていてもよい。
更に、アンテナ220は、蛇行部分が(図11に関して)水平方向に延びているのでなく、垂直方向に延びるように、又は任意の角度オフセットで延びるように変更してもよい。例えば、アンテナ220は、コネクタ205間の垂直方向平面内に配置されていてもよく、又はそのいずれかの側に配置されていてもよい。図12Jは、垂直蛇行形体を持つアンテナ220を示す。アンテナ220は、ヘッダ200内の中央に配置されていてもよく、又は所与の側部と近接して配置されていてもよい。更に、蛇行セグメントの長さは、ヘッダ内で任意の所望の深さに亘って延びるように選択されてもよい。勿論、ヘッダ200内に配置された任意の他の構成要素が位置に影響を及ぼす場合があるが、アンテナ220は、様々な配向で位置決めされていてもよく、ヘッダ200の容積内の任意の場所に配置されていてもよい。ヘッダ200は、所与のアンテナ220を収容するように設計されていてもよく、又は予め存在しているヘッダ設計にアンテナ220を適合させてもよい。
上述のように、ヘッダ200内には様々な他の構成要素又はハードウェアが配置されていてもよい。これらの構成要素又はハードウェアが配置されていない場合に所望のアンテナ配置を妨げてしまう。幾つかの場合では、アンテナ配置を受け入れるようにヘッダ200を再設計し又は変更してもよい。別の態様では、様々なアンテナ配置を選択してもよい。第3の変形例は、構成要素と干渉しないようにピッチを変化させた蛇行アンテナ220を使用することである。
図13A乃至図13Fは、ピッチが異なる部分を持つ蛇行アンテナ500を示す。上述の実施例と同様に、アンテナ500は、コネクタタブ505と、相互接続部分510とを含む。相互接続部分510は、アンテナ500の主部を、ハウジング内に配置されたトランシーバーの適当な端子に相互接続する。これらの部分の特定の形体は、形成される接続部の距離、位置、及び種類に基づいて変化する。
アンテナ500は、下蛇行部分515及び上蛇行部分520を含む。中間部分525が、下蛇行部分515と上蛇行部分520とを連結する。中間部分525は、図13Bの平面図に直線状である(ピッチが無限大である)ように示してある。このように、チャンネル210に何らかの構成要素が存在する場合、又はチャンネル210の特定の領域の幅が十分でない場合には、このような構成要素や狭窄領域を回避するように中間部分525を賦形し且つ位置決めできる。直線状経路に戻すことによって、アンテナ長が短くなるが、下蛇行部分515及び上蛇行部分520について、全アンテナ長が適当になるようにピッチ、アンテナ材料寸法、アンテナ幅、及び隅部半径を選択できる。
中間部分525は、直線状をなしているように示してあるが、この他の形体も可能である。例えば、中間部分525は、直線状でなくてもよく、蛇行しており且つ残りの蛇行部分とピッチが異なっているだけであってもよい。即ち、中間部分525は、アンテナ500の一方の部分が、別の部分から、所与の経路を辿って遮断されたり方向/配向を変化されたりしないようにする上で適当な、又は性能を高め又は変化する上で適当な任意の形態をとることができる。
図13Cは、下直線状部分530及び上蛇行部分535を持つアンテナ500を示す。図13Dは、アンテナ500が、下直線状部分540、中間蛇行部分545、及び上直線状部分550を含む。図13Eのアンテナ500は、下蛇行部分560及び上直線状部分565を含む。この場合も、例示の実施例は限定を意味しない。任意の直線状区分の代わりに、ヘッダの空間的拘束に基づく適当な形体を提供する所定ピッチの湾曲区分又は蛇行区分を使用してもよい。更に、本明細書中に論じた任意の実施例に関し、所与の蛇行区分に亘るピッチは、一定であるように示したが、ピッチは、所与の区分内で所望の通りに変化させてもよい。最後に、蛇行部分が形成するアンテナ幅もまた、一般的には、均等であるように示してある。この幅もまた、本発明の範疇で変化させることができる。このようなパターンの一つを図13Fに示す。
構造的構成要素を物理的になくすことに加え、アンテナ220の配置についての別の配慮は、特定の構成要素を視覚的に分かり難くする。例えば、ヘッダ200は、多くの場合、所定の半透明特性を持つ材料から製造される。かくして、埋め込みを行う者は、所与のリードピンが所与のコネクタ205内に一杯に挿入されていることを視覚的に確認できる。このように、上述の変形例は、視覚的なウィンドウを形成し又は維持するために使用してもよい。
図11A、図11B、及び図11Cに戻ると、アンテナ220は、ヘッダ200に連結される別体の構成要素として示してある。アンテナ220は、例えばチタニウム及びチタニウム合金等の導電性金属材料を含む任意の適当な材料から製作できる。アンテナ220を製作するため、直線状形態の原材料を曲げて所望の形体にする。例えば、円筒形断面を持つワイヤが、このような曲げプロセスに適している。
様々な例示の実施例のアンテナ220は、矩形断面の材料を使用する。必要ではないけれども、このような材料により、材料の幅を厚さと異なるようにできる。即ち、外方に放射する表面積を、横縁部の面積に対して大きくできる。更に、材料は、アンテナ220に、更に大きな剛性及び/又は構造的一体性を提供できる。矩形断面を持つ原材料を使用した場合には、曲げてアンテナ220にするのが容易である。
別の態様では、アンテナ220は、原材料をプレスして適当な形体にする打ち抜きプロセスで製造され、又は周知の鋳造法を使用することによって製造される。フォトリソグラフィー又は他のエッチング技術を使用してもよい。このような技術は、特に、小規模の複雑なパターンに適用できる。一般的には、アンテナ220は、単一の一体のエレメントとして製作されるが、溶接又は他の結合技術を使用して多数の構成要素を互いに結合してもよい。例えば、コネクタタブ260は、完成したアンテナ220を形成するために基材の残りに連結した別体のエレメントであってもよい。
多数の区分を接合し、所与の長さのアンテナを形成してもよい。製作技術、設計パラメータ、及び材料の選択に応じて、アンテナ220を初期製造中にその最終的な形体に形成してもよいし、多工程プロセスを実行してもよい。例えば、先ず最初に、蛇行パターンを持つ直線状基材を、例えばエッチングプロセスで形成してもよい。次いで基材を曲げ(例えば図11Cに示す側部輪郭にし)、チャンネル210に対して相補的にする。最後に、コネクタタブ260及びこれと関連した部分を適当に曲げ、又は別体である場合には取り付ける。
図11Cは、アンテナ220をチャンネル210内に配置した一実施例を示す。この側面図では、アンテナ220はヘッダ200の上面近くに(図示のように)位置決めされる。更に、アンテナ220は、ヘッダ200の外面215から均等に間隔が隔てられる(SD3)。ヘッダ200が、代表的には誘電体から形成されているため、このような材料がアンテナの性質に及ぼす作用は関連している。更に、実際の使用において、ICD10は、誘電率が比較的高い人間の組織に埋め込まれる。例示の実施例では、アンテナから外面215までの距離は均等であり、外面215自体が均等であり、かくして周囲身体組織及び体液との接触は均等である。従って、アンテナ220もまた、ヘッダ/組織インターフェースから均等に間隔が隔てられている。この実施例では、アンテナ220は、外面から約1.27mm(約50ミル)間隔が隔てられている。他の例示の実施例では、アンテナ220は、外面から約0.254mm乃至2.54mm(約10−100ミル)間隔が隔てられている。これらの実施例は例示であって、限定ではない。選択した距離は、使用されたアンテナ220及びトランシーバーについて選択された特定のパラメータ及び性能上の必要条件に基づき、例示の実施例よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
アンテナ220は、ヘッダ200内の他の金属製構成要素と近接していてもよい。例えば、チャンネル205は金属部分を備えていてもよく、挿入したリード用の接続ピンは金属部分(図示せず)を備えていてもよい。更に、フィードスルーアッセンブリ201からチャンネル205まで、又はヘッダ内に配置された別の構成要素204まで延びる導体202、203が設けられていてもよい。これらの金属構造(又は干渉を生じる任意の構造)に対するアンテナ220の近接を考慮しなければならない。
一実施例では、システム220と、金属又は他の潜在的に干渉する構成要素との間の距離、例えばSD1及びSD2が最大になる。勿論、デバイスの大きさ及び寸法の実際上の制限により、配置が制限される。一実施例では、アンテナ220と、金属製又は潜在的に干渉する構成要素との間の最小距離は、約0.635mm(約0.025インチ)である。別の実施例では、この距離は約0.762mm(約0.030インチ)である。変形例では、この距離は変化してもよく、0.254mm乃至1.27mm(0.010インチ乃至0.050インチ)である。変形例では、この距離は、約0.635mm乃至約0.762mm(約0.025インチ乃至約0.030インチ)である。
アンテナ220を図示の配向でヘッダに位置決めすることの一つの利点は、ICD10を埋め込んだときにICDの配向により遠隔測定性能が影響されないということである。ICD10は、デバイス10の主平面が患者から外に突出するように常に埋め込まれている。埋め込み場所及び医師の好みに応じて、いずれの主面が外方に向いていてもよい。しかしながら、いずれの主面が外に向いているのか、又はデバイス10の回転配向に関わらず、アンテナ性能は同じである。
図14A乃至図14Eは、アンテナ220の幾何学的形体が異なる、ICDの様々な実施例を示す。図14Aを参照し、1つの製作プロセスを説明する。主ヘッダ区分600は適当なポリマーから型成形されており、上述の様々な構成要素を含む。更に詳細には、ヘッダ基材は構成要素を備えて製作されている。封入シェルをヘッダ基材の周囲で型成形し、主ヘッダ区分600を形成する。主ヘッダ区分600の型成形に任意の周知の型成形技術を使用できる。この型成形プロセスの部分として、チャンネル210を形成する。完成したアンテナ220を、コネクタタブ260が内部開口部270を通過するようにチャンネル210内に配置する。コネクタタブ260を適当な端子に接続し、ヘッダをハウジングに連結するときに固定される。これは、溶接等の方法でタブ260を端子に結合することによって行ってもよく、又はこれらの構成要素を、摩擦を発生するように又は構成をクランプするように賦形してもよい。
アンテナ220をチャンネル210内に位置決めした後、カバー610をチャンネル210に被せ、シールする。一般的には、カバー610は、アンテナ220をチャンネル210内に気密封止する。カバー610をシールするのに様々な技術を使用できる。例えば、カバー610を接着剤で主ヘッダ部分600に結合してもよいし、ヒートシールしてもよい。更に、カバー610を所定位置に置いた後、二次層即ちオーバーモールドを主ヘッダ600及びカバー610上に型成形し、均等なシール障壁(別に示してない)を形成してもよい。
別の態様では、アンテナ220をチャンネル210内に置いた後、主ヘッダ部分600に二次型成形プロセスを加えてもよい。即ち、カバー610を予備成形するのでなく、原材料をチャンネル210に入れ、適当に保持し且つ賦形する。この段階的型成形プロセスは、完成したヘッダ200の製作に使用される。このプロセスでは、アンテナ220はヘッダ200内に完全に埋封され且つ固定される。ヘッダ200の幾つかの部分又は全体の上に二次密封層を型成形又は他の方法で形成してもよい。
図14A乃至図14Eは、アンテナ220についての様々な形体を示す。図14Aでは、アンテナ220は、チャンネル210内の構造の大部分に亘って均等な蛇行パターンを有する。これに加え、製品長PLはチャンネル長CLとほぼ等しい。即ち、アンテナ220は、チャンネル210の全長とほぼ等しい。アンテナ220のピッチは、図14B乃至図14Eと比較して大きい。図14Bのアンテナ220はピッチが比較的小さく、チャンネル210の約75%に亘って延びている。図14C及び図14Dは、ピッチが徐々に小さくなっており、チャンネル長のほぼ半分に亘って延びている。最後に、図14Eは、ピッチが比較的小さく、全チャンネル長に亘って延びるアンテナ220を示す。
一実施例では、アンテナ220はチタニウムから製作され、断面の厚さは0.508mm(20ミル)であり、断面の幅は0.762mm(30ミル)である。別の実施例では、チタニウムの断面厚さは0.406mm(16ミル)であり、断面の幅は0.508mm(20ミル)である。アンテナの全長ALは、ほぼゼロからヘッダ200の容積内に配置できる任意の長さまで変化する。特定の実施例では、アンテナ長は、12.7mm乃至254mm(0.5インチ乃至10インチ)であり、他の実施例では、アンテナ長は、50.8mm乃至76.2mm(2インチ乃至3インチ)であり、更に他の実施例では、アンテナ長は、69.85mm(2.75インチ)であり、別の実施例では、アンテナ長は、1.7272m(68インチ)である。上文中に論じたように、実際の所望のアンテナ長は、駆動信号の周波数等の様々な送信要因で決まる。
蛇行部分のピッチは、全体に均等であってもよいし又は所与のアンテナについて変化してもよい。様々な実施例についてのピッチは、隣接部分間の離間距離が極めて小さいほぼゼロから、直線状部分についての無限大のピッチまでの範囲内にある。特定の実施例では、蛇行アンテナ部分のピッチは、0.254mm乃至12.7mm(0.01インチ乃至0.5インチ)の範囲内にあり、別の実施例では、ピッチは、1.524mm乃至6.35mm(0.060インチ乃至0.25インチ)の範囲内にある。上文中に説明した寸法のチタニウムを使用する特定の実施例では、1.6256mm(0.064インチ)、2.032mm(0.080インチ)、3.1496mm(0.124インチ)、及び5.7912mm(0.228インチ)のピッチが選択される。
図15は、蛇行アンテナの別の実施例を示す。この実施例では、アンテナ220は、(図示のように)垂直方向平面内に配向されている。更に詳細には、アンテナ220は、ヘッダサブ構造700の側壁702に取り付けられており、即ち位置決めされている。側壁702は、全体に障害がないアンテナ領域705を含み、そのため、アンテナ220の蛇行部分は側壁702にぴったりと当接した状態に置かれる。ヘッダサブ構造700は、二組の止めねじポート710、712を含む。アンテナ220の相互連結部分715は、止めねじポート710、712の間を通過してアンテナ受け入れチャンネル720に進入するように湾曲した形状を備えている。アンテナ受け入れチャンネル720により、適当な接続端子にアクセスできる。このように形成した後、適当な材料をヘッダ基材700及びアンテナ220上で型成形し、かくして完成したヘッダ200を形成する。
アンテナ220は、上文中に説明した方法のうちの任意の方法によって、アンテナ長又は他のパラメータを変えるように変更できる。更に、第2の同様のアンテナ220をヘッダ基材の反対側に配置してもよい。このような実施例では、少なくとも一方のアンテナ220が、埋め込み時のデバイスの配向に関わらず、患者の外方に面している。一つの特定の形体を例示したが、特定のアンテナ形体は、チャンネル720(又は端子を相互接続する別の手段)に対するアンテナ領域705の位置に応じて、及び様々なヘッダ形体に存在する表面上の障害の位置に応じて変化してもよいということは理解されるべきである。アンテナ220の経路は、例示の実施例のうちの任意の実施例に限定されない。例えば、例示していないけれども、アンテナがヘッダ基材700の上部分及び側壁702の一方又は両方に亘って蛇行経路を形成するように、図11A及び図15の実施例を組み合わせてもよい。
図16A及び図16Bは、本発明の更に別の実施例を示す。螺旋状の幾何学的輪郭を持つアンテナ800がチャンネル210内に配置してある。この非直線状の螺旋状の経路により、アンテナ長を製品長に対して長くできる。螺旋のピッチは、所望の全アンテナ長を提供するように選択される。図16Aは、図16Bのアンテナ800よりもピッチが大きく且つ製品長が長い螺旋状アンテナ800を示す。しかし、これらのアンテナは、アンテナ長が同じである。
様々な蛇行アンテナ及び湾曲したアンテナ220は、全体として、標準的なヘッダで可能であるよりもアンテナ長ALが長いアンテナ構造の使用を容易にする。所望であれば、蛇行アンテナ形体及び比較的大きなコネクタヘッダ50(図1参照)を使用することによって、アンテナ長を更に長くできる。換言すると、様々な蛇行アンテナは、有利には、標準的ヘッダ形体で使用するが、これに限定されない。任意の所与のヘッダ容積について、本発明のアンテナ構造は、アンテナ長を長くするように、又は最大にするように形成されていてもよい。従って、本発明は、特定的に説明した範囲内でなく、特許請求の範囲内で、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、実施できるということは理解されるべきである。