JP2008535905A - 慢性便秘を治療するためのアカルボース方法と製剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、慢性便秘の治療を必要とする対象における慢性便秘を治療するための方法であって、該対象に、治療有効量のアカルボース又はその製薬的に受容される塩、及びアカルボースの放出を制御するための少なくとも1種類の製薬的に受容される成分を含む投与製剤を投与することを含み、投与後に、該投与製剤がアカルボースを、アカルボースが吸収される胃腸部位から遠位に放出する方法に関する。

Description

本出願は、米国仮特許出願No.60/670,265(April.12, 2005出願)の優先権の利益を主張するものであり、該特許出願の内容は本明細書に援用される。
本発明は、慢性便秘を治療するための方法と製剤に関する。該方法と製剤は、非限定的に、アカルボースの有効濃度をデリバリーする方法と製剤を包含する。該方法と製剤はさらに、アカルボースの放出を制御するための少なくとも1種類の製薬的に受容される成分を含み、投与後に、アカルボースの放出は、アカルボースが吸収される胃腸部位から遠位である。本発明はさらに、例えば過敏性腸症候群(IBS)のような、他の疾患及び/又は状態に付随する症状としての便秘の治療にも関する。
便秘は、人口の30%までに生じる。この症状は、合衆国においては通院の1.2%の原因であり、プライマリ・ケア医師によって最も頻繁に治療される。便秘は女性に起こることが多く、加齢と共に増加する。D.A. Drossman, The Functional Gastrointestinal Disorders and the Rome III Process, 45 Gut II1-II5 (Suppl. II 1999)。非白人や社会経済的地位が低い人々が慢性便秘を訴える傾向が大きい。重度な便秘を有する小児のほぼ1/3が思春期を越えても症状に苦しみ続ける。便秘は、頑固で、困難な、稀である又は不完全に思われる便通として存在する、一群の機能障害を含む。便秘は一般に3方法:(1)下降する頻度順序で、しぶり腹(strain)、秘結便通若しくは兎糞、無意味な便意(“排便したいが出来ない”)、たまにしかない便通、不完全な便通の症状;(2)第95百分位数外の排便パラメーター(parameters of defecation outside the 95th percentile)、例えば、週3回未満の排便、35g未満/日の一日糞便量若しくは時間の25%を超えるいきみ(straining greater than 25% of the time);又は(3)例えば放射線不透過性マーカーによって測定した、長時間の全腸移送若しくは結腸移送のような生理的指標;によって定義されている。D.A. Drossman, The Functional Gastrointestinal Disorders and the Rome III Process, 45 Gut II1-II5 (Suppl. II 1999)。
Brooks Cash & William D. Chey, Update on the Management of Chronic Constipation: What Differentiates Chronic Constipation From IBS With Constipation, Medscape, athttp://www.medscape.com/viewprogram/3375_pnt (August 26, 2004) に記載されているように、多様な状態及び医薬品を慢性便秘に関連付けることができ、例えば、原発性又は特発性便秘は大まかに、緩慢移送便秘(即ち、結腸活動力欠如)と協調運動障害排便(即ち、アニスムス、出口閉塞、骨盤底機能不全、骨盤底協調運動障害、排便機能障害)に分けることができる。緩慢移送便秘を有する患者における生理的異常は、異常な食後結腸運動機能、自律神経性機能障害及び結腸クロム親和性細胞数とカハール間質細胞数の減少を包含しうる。協調運動障害排便は、腹部筋肉組織、肛門直腸及び骨盤底筋肉組織が協調作用することができないことの結果として起こりうる。一つの例は、恥骨直腸筋の協調運動障害であり、この場合には、恥骨直腸筋スリング(sling)が、いきみによって、弛緩することができない又は逆説的には収縮する。このことは、糞便の正常な通過に先行して生ずるべきである肛門直腸角の直線化を妨害する。例えば、大きな直腸瘤、直腸重積及び閉塞性S状結腸重積のような構造的異常も、便秘の原因になりうる。
さらに、慢性便秘患者と過敏性腸症候群−便秘(IBS−C)患者又は便秘−顕著なIBS患者との間にかなりの重複が存在しうる。IBSは、腹部不快感若しくは腹痛、鼓腸及び排便障害によって特徴付けることができる。この排便障害は、便秘(IBS−C)、下痢(IBS−D)又は混合/交互腸習慣(IBS−M)の形態をとる可能性があり、これらの三つの亜類型が大体同等に分配される。
慢性便秘は、薬物療法、内分泌障害及び神経障害の結果でもありうる。例えば、アヘン剤、向精神薬、抗痙攣薬、抗コリン作用薬、ドーパミン作動薬、カルシウムチャンネル遮断薬、胆汁酸結合剤、非ステロイド系抗炎症薬、及びサプルメント(即ち、カルシウム及び鉄)のような医薬品は、慢性便秘の発現を先導しうる。例えば糖尿病、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症及び褐色細胞腫のような内分泌障害も、同様に、慢性便秘の発現を誘発しうる。さらに、慢性便秘は、全身性(例えば、糖尿病性神経障害、パーキンソン病及びシャイ−ドレーガー症候群)及び外傷性(例えば、脊髄損傷)の両方の神経障害によって起こりうる。したがって、本明細書で用いる“便秘”なる用語は、慢性便秘、機能性便秘、慢性機能性便秘、IBS−C、及び/又はその他(非慢性)の便秘状態として一般に同定される状態を包含する。
慢性便秘の治療法
慢性便秘の医学的管理は、例えば食事及び運動における生活様式改変、増量剤(bulking agents)(例えば、オオバコ、ふすま、メチルセルロース及びポリカルボフィルカルシウム)
の使用、並びに浸透剤(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ラクツロース、ソルビトール、マグネシウム及びリン酸塩)、刺激剤(例えば、センナに基づく及びビサコジルに基づくもの)、並びに5−ヒドロキシトリプタミン4(セロトニン、5−HT)受容体作用薬(例えば、テガセロッド)を含めた緩下剤の投与を含む。
増量剤
食物繊維補充は、胃腸管移送を改良して、大きくて軟らかい糞便を生じることによって、便秘している対象に有利であると考えられる。食物繊維補充は、例えば、繊維富化食物の摂取を高めることによって又は商業的に入手可能な繊維サプルメントを与えることによって達成することができる。慢性便秘患者は、糞便の量及び移送を同様に増強させるために、健康な被験者よりも多量の繊維を必要とする可能性がある。重度な結腸不活発性便秘若しくは立証された協調運動障害便秘を有する患者は、繊維によって改善する傾向が少ない可能性がある。
増量剤は、オオバコ、小麦ふすま、ポリカルボフィルカルシウム及びメチルセルロースを包含しうる。慢性便秘患者における、3種類の、オオバコのプラセボ対照付き試験は、10g/日から24g/日までの範囲内の用量での排便回数及び粘稠度の改善を実証した。L.J. Cheskin et al., Mechanisms of Constipation in Older Persons and Effects of Fiber Compared with Placebo, 43 J. American Geriatric Society 666-69 (1995); G.C. Fenn et al., A General Practice Study of the Efficacy of Regulanin FunctionalConstipation, 40 British J. Clinical Practice 192-97 (1986); 及びW. Ashraf et al., Effects of Psyllium Therapy on Stool Characteristics, Colon Transit and Anorectoal Function in Chronic Idiopathic Constipation, 9 Aliment Pharmacology & Therapeutics 639-47 (1995)。
便秘の治療薬としてのふすまの人気にも拘わらず、無作為化試験は、慢性便秘患者における排便回数又は粘稠度の改善を示していない。慢性便秘患者においてポリカルボフィルカルシウム及びメチルセルロースを試験したプラセボ対照付き試験は存在しない。これらの作用剤をオオバコに対して比較した小規模試験では、データは、排便回数又は粘稠度の変化におけるこれらの作用剤間の差異を実証することができない。R. Mamtani et al., A Calcium Salt of an Insoluble Synthetic Bulking Laxative in Elderlty Bedridden Nursing Home Residents, 8 J. American College Nutrition 554-56 (1989);及び J.W. Hamilton et al., Clinical Evaluation of Methylcellulose as a Bulk Laxative, 33 Dig. Dis. Sci. 993-98 (1988)。
便利さ、味の良さ及び用量依存性副作用(例えば、膨張、鼓腸及び膨満)に関係する問題は、繊維サプルメントの使用に関する使用説明書によって、患者コンプライアンスを限定する。オオバコを摂取する患者では、アナフィラキシーの稀な症例が報告されている。
便柔軟剤と緩下剤
便柔軟剤は、例えば、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム及びスルホコハク酸ジオクチルカルシウムを包含しうる。これらの作用剤は便秘患者のために一般に望ましいが、これらの効力を支持する証拠は殆どない。慢性便秘患者における便柔軟剤を評価した4種類の無作為化対照付き試験のうち、3週間期間の一つのみが、プラセボと比較して排便回数の改良を見出している。A.M. Fain et al., Treatment of Constipation in Geriatric and Chronically Ill Patients: A Comparison, 71 South Med. J. 677-80 (1978)。他の試験では、排便回数の改良において、オオバコがスルホコハク酸ジオクチルナトリウムよりも優れていることが発見された。 J.W. McRorie et al.., Psyllium is Superior to Docusate Sodium for Treatment of Chronic Constipation, 12 Aliment Pharmacology & Therapeutic 491-97 (1998)。
緩下剤は大まかに二つのカテゴリー:浸透性緩下剤と刺激性緩下剤に分けることができる。経口浸透性緩下剤の例は、吸収され難い糖と、例えばラクツロース及びソルビトールのような、糖誘導体を包含する。これらの作用剤は、糞便の量と水分含量を高めることができ、その際に、蠕動を刺激することができる。二つの試験が、ラクツロースが排便回数と糞便粘稠度の改良においてプラセボよりも効果的でありうると実証している。J.F. Sannders, Lactulose Syrup Assessed in a Double-Blind Study of Elderly Constipated Patients, 26 J. American Geriatric Society 236-39 (1978); A. Wesselius-De Casparis et al., Treatment of Chronic Constipation with Lactulose Syrup: Results of a Double-Blind Study, 9 Gut 84-86 (1968)。残念ながら、浸透性緩下剤は時には、腹部痙攣及び鼓腸の発現を付随する可能性がある。
浸透性緩下剤の他の例は、腸への水の正味流入を誘発することによって下剤効果を生じるリン酸マグネシウム又はリン酸ナトリウムを含む、不完全に吸収される塩を包含する。意外なことには、これらの作用剤の効力を慢性便秘患者において評価する無作為化プラセボ対照付き試験は存在していない。例えば腎臓病を有する人々又は中年すぎの人々におけるように、これらの作用剤によって高マグネシウム血症及び高リン酸塩血症が生じる可能性がある。
浸透性緩下剤のさらに他の例はポリエチレングリコール(PEG)であり、これは、偶発的便秘を有する患者の治療のために最近入手可能になったものである。便秘患者における幾つかの無作為化プラセボ対照付き試験は、17g/日から35g/日までの範囲内の用量でのPEGによる排便回数及び糞便粘稠度の有意な改良を実証している。R.I. Andorsky and F. Goldner, Colonic Lavage Solution (Polyethylene Glycol Electrolyte Lavage Solution) as a Treatment for Chronic Constipation:A Double-Blind, Placebo-Controlled Study, 85 American J. Gastroenterol. 261-65 (1990); M.V. Cleveland et al., New Polyethylene Glycol Laxative for Treatment of Constipation in Adults: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study, 94 South Med. J. 478-81 (2001); E. Corazziari et al., Small Volume Isomotic Polyethylene Glycol Electrolyte Balanced Solution (PMF-100) in Treatment of Chronic Nonorganic Constipation, 41 Dig. Dis. Sci. 1636-42 (1996); and E. Corazziari et al., Long Term Efficacy, Safety, and Tolerability of Low Daily Doses of Isosmotic Polyethylene Glycol Electrolyte Balanced Solution (PMF-100) in the Treatment of Functional Chronic Constipation, 46 Gut 522-26 (2000)。しかし、PEGは、慢性便秘の治療への使用に関して現在は認可されていない。
第2カテゴリー、刺激性緩下剤における緩下剤は通常、ビサコディル、ピコ硫酸ナトリウム又はアントラキノン誘導体(例えば、カスカラサグラダ及びセンナ)を含む。これらの作用剤は、腸の分泌及び運動性に対する効果を有する。慢性便秘患者における刺激性緩下剤の効力を評価する無作為化プラセボ対照付き試験は存在しない。一つの比較試験は、“刺激性 (irritant)” 緩下剤が便秘患者におけるラクツロースほど効果的でないことを示唆している。P. Connolly et al., Comparison of “Duphalac” and “Irritant” Laxatives During and After Treatment of Chronic Constipation: A Preliminary Study, 2 Current Medical Research Opinions 620-25 (1974)。アントラキノン緩下剤は、結腸メラノーシス、結腸上皮細胞アポトーシス及びマクロファージ中へのリポフスチン沈着の結果として起こる可逆過程を誘発することができる。
付加的治療
テガセロッド、3−(5−メトキシ−1H−インドル−3−イルメチレン)−N−ペンチルカルバジミドアミド水素マレイン酸塩は、蠕動逆流並びに塩化物分泌を刺激し、内臓感覚に影響を及ぼしうる5−HT(セロトニン)作用薬である。幾つかの無作為化プラセボ対照付き試験は、6mg1日2回の投与量でのテガセロッドが、IBS−C女性患者における全体的症状及び個々の症状を効果的に改良することを実証している。W.D. Chevy, Tegraserod and Other Sterotonergic Agents: What is the Evidence?, 3 Review Gastroenterol Disorders S35-S40 (2003); S.A. Muller-Lissner et al., Tegaserod, a 5-HT4 Receptor Partial Agonist, Relieves Symptoms of Irritable Bowel Syndrome in Patients with Abdominal Pain, Bloating and Constipation, 15 Aliment Pharmacology & Therapeutics 1655-66 (2001)。しかし、同様な利益が、男性IBS患者においても実証されている。
2004年8月に、米国食品医薬品局は、テガセロッドの追加適応症を認可し、65歳未満の患者における慢性特発性便秘の治療への使用を許可した。しかし、テガセロッドは、虚血性結腸炎に関連した特定の予防措置を含めて、慎重に用いなければならない。
上記を考慮すると、現在の療法に付随する多くの副作用及び制限の少なくとも一つを回避する、慢性便秘の効果的で、耐容性の良好な治療を提供することができる製薬的方法及び製剤の必要性が当該技術分野には依然として存在する。本発明の開示は、先行技術における問題の少なくとも一つを解決して、便秘の治療のための該方法及び製剤を提供する。
本発明は、便秘の治療のためのアカルボース製剤に関する。アカルボース(PRECOSE(登録商標),Bayer Pharmaceuticals Corp.)は、II型糖尿病の管理に伝統的に用いられる経口α−グルコシダーゼ阻害剤である。精製アカルボース組成物とその製造方法に関する米国特許No.4,904,769(これは、本明細書に援用される)を参照のこと。微生物(Actinoplanes utahensis)の発酵プロセスに由来して、アカルボースは、C2543NO18の実験式を有する。例えばPRECOSE(登録商標)のような、現在のアカルボース製剤は、経口投与用に25mg錠、50mg錠及び100mg錠の単位投与量で入手可能である。
抗糖尿病薬として用いるためのアカルボースの組成物は知られている。例えば、米国特許No.5,965,163は、経口抗糖尿病薬としての、造粒プロセスによって形成されるマトリックス中に含まれる製薬的活性物質、例えばアカルボースの固体投与形を述べている。
米国特許出願公開No.2004/0096499は、(i)低投与量有効成分がアカルボースであることができる、即時放出製剤を含む内側部分と、(ii)高投与量で高溶解性有効成分を供給する調節放出製剤を含む外側部分とを含む固体投与形を述べている。この組み合わせは、糖尿病の治療における治療活性を最大にして、有害性を減ずるために異なるが相補的な作用機序を有する作用剤を用いている。
さらに、WO00/28989は、糖尿病の治療のための、調節放出チアゾリジンジオン・インシュリンセンシタイザーと、もう一つの抗糖尿病薬、例えばアカルボースとを含む組成物を述べている。目的は、副作用の見られない、有効な血糖コントロールを維持しながら1日1回投与を可能にする組成物を提供することである。
中年を過ぎた糖尿病患者の最近の研究に基づくと、アカルボースは、60%の糖尿病性神経障害患者に一般的に見られる症状である、遅延結腸通過時間を短縮した。Y. Ron et al., The Effect of Acarbose on the Colonic Transit Time of Elderly Long-Term Care Patients with Type 2 Diabetes Mellitus, 57 J Gerontol A Biol Sci Med Sci. M111-4 (2002)。データによると、アカルボースは、この特定の集団、即ち、中年をすぎた糖尿病患者に見出される便秘の症状を、糖尿病を治療しながら、治療するために用いることが可能であった。
アカルボースは、摂取された炭水化物の消化を遅延させて、食後血糖の流入を小さくすると考えられる。アカルボースは、膵臓α−アミラーゼ酵素と膜結合腸α−グルコシド加水分解酵素を競合的かつ可逆的に阻害する。アカルボースは、膵臓α−アミラーゼを阻害することによって、小腸の内腔における澱粉及びオリゴ糖との錯体(complexes)を減ずる。膜結合腸α−グルコシド加水分解酵素を阻害することによって、アカルボースは、小腸の刷子縁(brush border)におけるオリゴ糖類、三糖類及び二糖類のグルコース及び他の単糖類への加水分解を低下させる。
アカルボースの経口投与量の約35%は、主として不活性代謝産物として吸収され、約2%は親化合物又は活性代謝産物として吸収される。胃腸管内の細菌及び酵素は、殆ど排他的に、アカルボースの代謝を惹起する。
アカルボースの吸収及び代謝特性を考慮するならば、PRECOSE(登録商標)の投与からの最も一般的な不利な作用は胃腸副作用である。PRECOSE(R) Product Insert, Bayer Pharmaceuticals Corp. (08753825, R. 2, 2003)。例えば、報告された胃腸副作用は、腹痛、下痢、鼓腸等を包含する。Id.
さらに、アカルボース、即ちPRECOSE(登録商標)の禁忌は、ある範囲の胃腸状態、例えば、炎症性腸疾患;結腸潰瘍;動脈性腸閉塞;腸閉塞に罹りやすい患者における消化又は吸収の著しい障害に関連した慢性腸疾患;並びに腸におけるガス形成増加の結果としての悪化しうる状態を包含する。Id.
アカルボースは、肥満の治療にも用いられる、例えば、米国特許No.6,849,609は持続放出アカルボースの投与と減量との直接の相関関係を述べている。この特許によると、小腸への持続放出アカルボース製剤のデリバリーは炭水化物利用の最大阻害を生じて、減量をもたらす。米国特許No.6,849,609に認められるように、アカルボースに付随する胃腸症状は、鼓腸、下痢及び腹痛を包含した。さらに、米国特許No.5,643,874は、少なくとも1種類の、但し2種類以下のグルコシダーゼ及び/又はアミラーゼ阻害剤の有効量と、活性物質としてのリパーゼ阻害剤と、肥満の治療のための製薬的キャリヤーを含有する、肥満治療のための薬剤組成物を述べている。該グルコシダーゼ及び/又はアミラーゼ阻害剤はアカルボースであることができる。
本発明の開示は、慢性便秘と、例えばIBSのような疾患及び/又は状態に関連した症状としての便秘を治療するための調節放出アカルボース製剤及び方法を提供する。調節放出製剤は、遅延放出及び/又は延長放出製剤であることができる。
例えば、本発明は、便秘を治療するため及び/又はこのような治療を必要とする対象における他の疾患及び/又は状態に関連した症状としての便秘を治療するための方法を提供する。これらの方法は、治療有効量のアカルボース又はその製薬的に受容される塩と、アカルボースの放出を制御するための少なくとも1種類の製薬的に受容される成分を含み、投与後に、アカルボースが吸収される胃腸部位から遠位にアカルボースを放出する投与製剤を対象に投与することを含む。
慢性便秘は、非限定的に、生活様式習慣、例えば低い食物繊維と運動不足、末梢及び全身神経系の疾患、解剖学的胃腸閉塞性病変、内分泌障害、代謝障害、筋ジストロフィー、ある種の薬物の使用を包含する状態によって惹起されうる、及び/又は上記状態のいずれかの症状でありうる。慢性便秘は、アカルボース又はその製薬的に受容される塩の遅延放出及び/又は延長放出製剤の投与によって治療することができる。
全ての実施態様において、アカルボースは、実質的に純粋なアカルボース又はその製薬的に受容される塩を含むことができる。アカルボース又はその製薬的に受容される塩は、少なくとも1種類の付加的な製薬的活性化合物と組み合わせて投与することができる。幾つかの実施態様では、該少なくとも1種類の付加的な製薬的活性化合物は、便秘を緩和することができる。
上記の一般的記載と下記の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的であり、特許請求する本発明を制限するものではないことを、理解すべきである。
本発明をさらに説明するために、下記用語と定義を提供する。
本明細書で用いる限り、“調節放出”製剤若しくは投与形なるフレーズは、製剤からの薬物の望ましい放出を達成する製薬的製剤を包含する。例えば、調節放出製剤は、患者において活性化合物の治療有効量の影響又は効果を延長させることができ、このようなものとして、“調節放出”は、“延長放出”製剤を包含する。活性化合物の治療レベルを維持することの他に、調節放出製剤は特定の期間、活性化合物の放出を遅延させるように設計することもでき、このようなものとして、“調節放出”は“遅延放出”製剤をも包含する。
本明細書で用いる限り、“アカルボース”なる用語は、アカルボースとその任意の製薬的に受容される塩を意味する。
本明細書で用いる限り、“製薬的に受容される成分”なる用語は、製薬的製剤中の他の成分、例えば有効成分と相容性であり、受容される量で投与されたときに患者にとって有害でない成分を包含する。挙げることができる製薬的に受容される成分は、非限定的に、例えば、キャリヤー、増量剤、結合剤、崩壊剤、溶解抑制剤(solution-retarding agent)、吸収促進剤、湿潤剤、吸収剤、滑沢剤、安定剤、着色剤、緩衝剤、分散剤、保存剤、有機酸、水溶性及び水不溶性ポリマー、腸溶剤及び非腸溶剤(enteric and non-enteric agent)、並びにコーティングを包含する。
本明細書で用いる限り、“製薬的に受容される塩”なる用語は、患者によって生理的に許容される塩を包含する。このような塩は、無機酸若しくは塩基から及び/又は有機酸若しくは塩基から製造することができる。これらの酸及び塩基の例は、当業者に周知である。このような塩は、無機酸及び/又は有機酸から製造することができる。適当な無機酸の例は、非限定的に、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸及びリン酸を包含する。有機酸は、脂肪族、芳香族、カルボン酸及び/又はスルホン酸であることができる。適当な有機酸は、非限定的に、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、フマル酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、粘液酸、酒石酸、パラ−トルエンスルホン酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、フロ酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、パモ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸、ベンゼンスルホン酸(ベシル酸塩(besylate))、ステアリン酸、スルファニル酸、アルギン酸、ガラクツロン酸等を包含する。
本明細書で用いる限り、“治療有効量”なるフレーズは、単独又は付加的な薬物と組み合わせて、慢性便秘及び他の疾患及び/又は状態に付随する症状としての便秘の予防、治療及び/又は管理に利益を与える、アカルボース(若しくはその製薬的に受容される塩)の量を意味する。
本発明は、アカルボース又はその製薬的に受容される塩を含む、新規な調節放出製剤と、それらの使用方法に関する。特定の理論によって縛られるのを望むわけではないが、アカルボースの存在が、慢性便秘と、さらに例えば、他の疾患及び/又は状態に付随する症状としての便秘の発生率を低下させると考えられる。幾つかの実施態様では、調節放出製剤は、遅延及び/又は延長放出特性を有する放出プロファイルを示す。
本発明はさらに、慢性便秘の治療方法であって、有効量のアカルボース又はその製薬的に受容される塩と、アカルボースの放出を制御するための少なくとも1種類の製薬的に受容される成分を含む遅延放出及び/又は延長放出製剤を、このような治療を必要とする対象に投与することを含む方法にも関する。幾つかの実施態様では、該遅延放出及び/又は延長放出製剤は、アカルボースが吸収される胃腸部位から遠位にアカルボースを放出する。
アカルボースは、上記で考察したように、胃腸管、例えば小腸で吸収され、代謝される。このようなものとして、本発明の該遅延放出及び/又は延長放出製剤は、アカルボースが吸収される胃腸部位から遠位でアカルボースの放出が起こるような、アカルボースの放出を調節することに関する。例えば、該遅延放出製剤は、局部的非吸収部位における最大放出を可能にして、吸収可能な部位、例えば全身吸収/暴露可能な部位における放出を減ずることができる。アカルボースの放出を局在化することによって、本発明の遅延放出製剤は、慣習的な便秘療法の少なくとも一つの問題を克服して、より安全で、より効果的な製剤を提供することができる。
本発明の製剤と方法は、他の疾患及び状態に付随する症状としての便秘を治療するために一般的である製剤及び方法を包含するように意図される。
本発明の製剤は、複合単位又は単一単位製剤として存在しうる。本明細書で用いる限り、“複合単位”とは、複数の個別又は凝集した粒子、ビーズ、ペレット、顆粒、錠剤又はこれらの混合物を、例えば、それらのサイズ、形状又は形態に関係なく、意味する。単一単位製剤は、例えば、錠剤、カプレット及びピルを包含する。
本発明の方法と製剤は、調節放出特性を示す成分のあらゆる可能な組み合わせを包含するように意図される。例えば、本発明の製剤及び/又は方法は、延長放出及び遅延放出特性を示す成分を含むことができる。例えば、延長放出成分と遅延放出成分の両方を含む多粒子状製剤をカプセル中で組み合わせることができ、次に、持続して6時間〜8時間の範囲内の時間にわたって遅延放出を生ずるように被覆する。
ある一定の実施態様では、アカルボースを液体投与形に製剤化することができる。適当な製剤は、エマルジョン、ミクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシル剤を包含する。これらの製剤は、任意に、当該技術分野で通常用いられる希釈剤、例えば水又は溶媒、非限定的に、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、オイル、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル及びこれらの混合物を包含する可溶化剤及び乳化剤を包含する。さらに、液体製剤は、任意に、アジュバント、例えば湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、フレーバー剤(flavoring agents)、着色剤、芳香剤及び保存剤を包含する。適当な懸濁化剤は、非限定的に、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、並びにこれらの混合物を包含する。液体製剤はそのままデリバリーすることができるか、又は硬質若しくは軟質カプセル入りで供給されることができる。
存在する懸濁化剤の量は、用いる特定の懸濁化剤と、懸濁化剤として作用する又は製剤の粘度に有意に寄与する能力を有する他の成分の有無とによって変化するであろう。懸濁液はさらに、その味を改良する成分、例えば、甘味剤;苦味遮蔽剤、例えば塩化ナトリウム;味遮蔽フレーバー、例えばコントラマルム(contramarum);フレーバー強化剤、例えばグルタミン酸一ナトリウム;及びフレーバー剤をも含むことができる。甘味剤の例は、バルク甘味剤(bulk sweetener)、例えばスクロース、水素化グルコース・シロップ、糖アルコール・ソルビトール及びキシリトール;並びに例えばシクラミン酸ナトリウム、サッカリン・ナトリウム、アスパルテーム、及びグリシルリジン酸アンモニウムのような甘味剤を包含する。液体製剤はさらに、必要に応じて、望ましいpHを維持するために、少なくとも1種類の緩衝剤を含むことができる。
軟質ゼラチン・カプセル
本発明の製剤はさらに、軟質ゼラチン・カプセル中に充填することができる液体として製造することができる。例えば、該液体は、アカルボースを含有する、溶液、懸濁液、エマルジョン、ミクロエマルジョン、沈殿(precipitate)又は任意の他の好ましい液体媒質を包含することができる。該液体は、放出時のアカルボースの溶解性を改良するように設計することができる、又は放出時の薬物を含むエマルジョン若しくは分散化相を形成するように設計することができる。このような手法の例は、当該技術分野で周知である。軟質ゼラチンは、薬物の放出を遅延させるための機能的コーティングで必要に応じて被覆することができる。
本発明の組成物は、活性剤、即ち、アカルボース又はその製薬的に受容される塩の放出を調節する、他の投与形に製剤化することもできる。本発明によって用いることができる、適当な調節放出製剤の例は、非限定的に、マトリックス系、浸透圧ポンプ、及び膜制御投与形(membrane-controlled dosage forms)を包含する。これらの種類の各投与形については、以下で簡単に説明する。このような投与形のより詳細な考察はさらに、例えば、The Handbook of Pharmaceutical Controlled Release Technology, D. L. Wise (ed.), Marcel Dekker, Inc., New York (2000);及びさらに、Treatise on Controlled Drug Delivery: Fundamentals, Optimization, and Applications, A. Kydonieus (ed.), Marcel Dekker, Inc., New York, (1992)にも見出すことができ、これらの各々の関連する内容は、このために本明細書に援用される。
マトリックスに基づく投与形
幾つかの実施態様では、本発明の調節放出及び/又は遅延放出製剤は、マトリックスに基づく投与形として提供する。本発明によるマトリックス製剤は、親水性(例えば、水溶性)ポリマー及び/又は疎水性(例えば、水不溶性)ポリマーを含むことができる。本発明のマトリックス製剤は、腸溶性(例えば、pH依存性溶解性を示す)又は非腸溶性(例えば、pH非依存性溶解性を示す)であることができる機能的コーティング付きで製造することができる。
本発明のマトリックス製剤は、例えば直接圧縮成形又は湿式造粒を用いて製造することができる。次に、上述したような機能的コーティングを本発明によって塗布することができる。さらに、機能的コーティングを塗布する前に、マトリックス錠剤コア上にバリヤー若しくはシーラント・コートを塗布することができる。該バリヤー若しくはシーラント・コートは、有効成分を、該有効成分を相互作用する可能性がある機能的コーティングから分離する目的を果たすことができる、又は該バリヤー若しくはシーラント・コートは、水分を有効成分と接触することから防止することができる。バリヤー及びシーラントの詳細は以下に記載する。
本発明によるマトリックスに基づく投与形では、アカルボースと少なくとも一つの製薬的に受容される成分を、少なくとも1種類の水溶性ポリマーと少なくとも1種類の水不溶性ポリマーを典型的に含む、ポリマー・マトリックス内に分散させることができる。投与形から拡散及び/又は侵食によって、薬物を放出することができる。このようなマトリックス系はWise と Kydonieusの上記文献によって詳述されている。
適当な水溶性ポリマーは、非限定的に、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はポリエチレングリコール、及び/又はこれらの混合物を包含する。
適当な水不溶性ポリマーは、非限定的に、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、セルローストリアセテート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)、ポリ(エチレン)、低密度ポリ(エチレン)、高密度ポリ(エチレン)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ビニルイソブチルエーテル)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(塩化ビニル)又はポリウレタン、及び/又はこれらの混合物を包含する。
適当な、製薬的に受容される賦形剤は、非限定的に、キャリヤー、例えばクエン酸ナトリウム及びリン酸二カルシウム;充填剤若しくは増量剤、例えばステアレート、シリカ、石膏、澱粉、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、タルク及びケイ酸;結合剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及びアラビアゴム;保湿剤、例えばグリセロール;崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ澱粉とタピオカ澱粉、アルギン酸、ある一定のシリケート、EXPLOTABTM、クロスポビドン及び炭酸ナトリウム;溶解抑制剤、例えばパラフィン;吸収促進剤、例えば第4級アンモニウム化合物;湿潤剤、例えばセチルアルコール及びグリセロール・モノステアレート;吸収剤、例えばカオリン及びベントナイト粘土;滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール及びラウリル硫酸ナトリウム;安定剤、例えばフマル酸;着色剤;緩衝剤;分散剤;保存剤;有機酸;並びに有機塩基を包含する。上記賦形剤は、例としてのみ挙げたものであり、可能な選択の全てを包含する意味ではない。さらに、多くの賦形剤は二つ以上の役割若しくは機能(more than one role or function)を有することができる、又は二つ以上のグループに分類されることができる;分類は記述的であるにすぎず、例示した賦形剤の任意の使用を限定することを意図するものではない。
上記賦形剤は、例としてのみ挙げたものであり、可能な選択の全てを包含する意味ではない。固体製剤はさらに、例えばラクトース又は乳糖、高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を用いて、軟質若しくは硬質ゼラチン・カプセル中への充填剤として製造することもできる。これらの投与形のいずれも、任意に、刻み目を付ける、又は例えば腸溶性コーティング及び放出速度を調節するためのコーティングのようなコーティング及びシェル付きで製造することができ、これらの例は製薬的製剤化分野で周知である。
幾つかの実施態様では、マトリックスに基づく投与形は、アカルボース;例えば澱粉、ラクトース若しくは微結晶セルロース(AVICELTM)のような充填剤;例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース若しくはポリビニルピロリドンのような結合剤/制御放出ポリマー;例えばステアリン酸マグネシウム若しくはステアリン酸のような滑沢剤;例えばラウリル硫酸ナトリウム若しくはポリソルベートのような界面活性剤;及び例えばコロイド状二酸化ケイ素(AEROSILTM)若しくはタルクのようなグライダント(glidant)を含む。幾つかの実施態様では、例えばEXPLOTABTM、クロスポビドン又は澱粉のような崩壊剤も含まれる。
本発明によって開示する製剤中のポリマーの量及び種類と、水溶性ポリマーの水不溶性ポリマーに対する比率は、以下で説明するように、アカルボースの望ましい放出プロファイルを得るように一般に選択される。例えば、水溶性ポリマーの量に対して水不溶性ポリマーの量を高めることによって、薬物の放出を遅延させる又は緩慢にすることができる。これは、一部には、ポリマー・マトリックスの不透過性の増強によるものであり、場合によっては、胃腸管を通る移送中の侵食速度の低下によるものである。
浸透圧ポンプ投与形
種々な実施態様において、本発明の開示の調節放出製剤は、浸透圧ポンプ投与形として提供される。浸透圧ポンプ投与形では、アカルボースと任意に少なくとも1種類の浸透性賦形剤を含むコアを、少なくとも一つのオリフィスを有する選択的透過性膜で被覆することができる。選択的透過性膜は、一般に、水に対して透過性であるが、薬物に対しては不透過性である。体液が該系に接触すると、水が該選択的透過性膜を透過して、薬物と任意の浸透性賦形剤を含有するコアに入る。投与形内の浸透圧は上昇して、該選択的透過性膜を横切る浸透圧を等しくしようとして、薬物が少なくとも一つのオリフィスを通して放出される。
より複雑なポンプでは、該投与形はコア中に少なくとも二つの内部区画を含むことができる。第1区画は薬物を含み、第2区画は、水性流体と接触すると膨潤する、少なくとも1種類のポリマーを含むことができる。摂取後に、このポリマーは膨潤して、薬物を含む区画に入り、該薬物が占める容積を減少させ、それによって、制御速度での調節された期間にわたるデバイスからの薬物デリバリー又は特定の環境のpHに基づいたデリバリーを最適化することを可能にする。
浸透圧ポンプは当該技術分野で周知である。例えば、米国特許No.4,088,864、No.4,200,098及びNo.5,573,776(これらの各々は、このために本明細書に援用される)は、浸透圧ポンプとそれらの製造方法を述べている。本発明によって有用な浸透圧ポンプは、浸透的活性薬物の錠剤、又は浸透的活性剤と組み合わせた浸透的不活性薬物の錠剤を圧縮成形し、次に該錠剤を、外部水性流体に対して透過性であるが薬物及び/又は浸透剤に対して不透過性である選択的透過性膜によって被覆することによって形成することができる。
少なくとも一つのデリバリー・オリフィスを、該選択的透過性膜壁を通して掘削することができる。或いは、浸出性の孔形成物質を該壁に組み込むことによって、該壁に少なくとも一つのオリフィスを形成することができる。作用中に、外部水性流体が該選択的透過性膜を通して吸収されて、薬物と接触して、該薬物の溶液又は懸濁液を形成する。次に、新たな流体が該選択的透過性膜を通して吸収されると、該薬物溶液若しくは懸濁液が該オリフィスを通って排出される。このことは、該デバイスからの調節された速度での長時間にわたる薬物デリバリー又は特定の環境のpHに基づくデリバリーを最適化することを可能にする。
該選択的透過性膜のための典型的な物質は、浸透膜及び逆浸透膜に有用であると当該技術分野で知られた選択的透過性ポリマー、例えば、セルロースアシレート(cellulose acylate)、セルロースジアシレート(cellulose diacylate)、セルローストリアシレート(cellulose triacylate)、セルロースアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、寒天アセテート、アミローストリアセテート、βグルカンアセテート、アセトアルデヒド・ジメチルアセテート、セルロースアセテート・エチルカルバメート、ポリアミド、ポリウレタン、スルホン化ポリスチレン、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテート・メチルカルバメート、セルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテート・ジメチルアミノアセテート、セルロースアセテート・エチルカルバメート、セルロースアセテート・クロルアセテート、セルロースジパルミテート、セルロースジオクタノエート、セルロースジカプリレート、セルロースジペンタネート、セルロースアセテートバレレート、セルロースアセテートスクシネート、セルロースプロピオネートスクシネート、メチルセルロース、セルロースアセテートp−トルエンスルホネート、セルロースアセテートブチレート、軽度に架橋したポリスチレン誘導体、架橋ポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム)、ポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド)及び/又はこれらの混合物を包含する。
該ポンプに使用可能である浸透剤は、典型的に、投与後にデバイスに入る流体に溶解性であって、外部流体に対して選択的透過性膜壁を横切る浸透圧勾配を生じる。適当な浸透剤は、非限定的に、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、d−マンニトール、尿素、ソルビトール、イノシトール、ラフィノース、スクロース、グルコース、例えばセルロースポリマーのような親水性ポリマー及び/又はこれらの混合物を包含する。
上記で考察したように、浸透圧ポンプ投与形は、膨潤性ポリマーを含む第2区画を含むことができる。適当な膨潤性ポリマーは、該ポリマーを平衡状態になるまで膨潤又は膨張させる水及び/又は水性生物学的流体と典型的に相互作用する。受容されるポリマーは、水中及び/又は水性生物学的流体中で膨潤する能力を有し、該投与形内の静水圧を高めるように、それらのポリマー構造内に吸収した流体のかなりの部分を保持する。該ポリマーは、非常に高度に膨潤又は膨張することができ、通常、2倍〜50倍の体積増大を示すことができる。該ポリマーは非架橋性である(be non-cross-linked)ことも、架橋性であることも可能である。幾つかの実施態様では、膨潤性ポリマーは親水性ポリマーである。適当なポリマーは、非限定的に、約30,000〜約5,000,000の分子量を有するポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート);カッパ−カラゲナン;約10,000〜約360,000の分子量を有するポリビニルピロリドン;アニオン及びカチオン・ヒドロゲル;ポリ電解質複合体;低量のアセテートを有し、グリオキサール、ホルムアルデヒド若しくはグルタルアルデヒドによって架橋し、約200〜約30,000の重合度を有するポリ(ビニルアルコール);メチルセルロースと架橋寒天とカルボキシメチルセルロースを含む混合物;微粉状無水マレイン酸と、スチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン又はイソブチレンとの分散系を形成することによって得られる、水不溶性で水膨潤性のコポリマー;N−ビニルラクタムの水膨潤性ポリマー;及び/又は上記のいずれかの混合物を包含する。
本明細書で用いる“オリフィス”なる用語は、投与形から薬物を放出するために適した手段及び方法を包含する。該表現は、選択的透過性膜に機械的手段によって開けられている少なくとも開口又はオリフィスを包含する。或いは、選択的透過性膜中に、例えばゼラチンプラグのような、侵食性要素を組み込むことによって、オリフィスを形成することもできる。このような場合には、選択的透過性膜の孔が、薬物が通過するための“通路”を形成する。このような“通路”製剤は、例えば米国特許No.3,845,770及びNo.3,916,899に記載されており、これらの特許の関連する開示は、このために、本明細書に援用される。
本発明によって有用な浸透圧ポンプは、当該技術分野で知られた手法で製造することができる。例えば、薬物とその他の成分を一緒に磨砕して、所望の寸法(例えば、第1区画に対応する)を有する固体にプレス成形することができる。次に、膨潤性ポリマーを成形して、薬物と接触させて配置し、両方を選択的透過剤(selectively permeable agent)によって囲む。必要な場合には、薬物成分とポリマー成分とを一緒にプレス成形してから、選択的透過膜を付着させることができる。選択的透過膜は任意の適当な手段によって、例えば、成形、吹き付け又は浸漬によって付着させることができる。
膜制御投与形
本発明の調節放出製剤は、膜制御製剤として提供することも可能である。本発明の膜制御製剤は、モノリシック型(例えば、錠剤)又は複合単位型(例えば、ペレット)であることができる迅速放出コアを作製し、該コアを膜で被覆することによって製造することができる。次に、該膜制御コアをさらに、機能的コーティングによって被覆することができる。膜制御コアと機能的コーティングとの間に、バリヤー又はシーラントを加えることができる。該バリヤー又はシーラントは、迅速放出コアと膜コーティングとの間に、代替的に又は付加的に施用することができる。膜制御投与形の詳細は、以下に記載する。
ある一定の実施態様では、アカルボースを多粒子状膜制御製剤中で供給することができる。約0.4〜約1.1mm又は約0.85〜約1.00mmの範囲内の平均直径を有するノンパラレル・シードに該薬物を塗布することによって、アカルボースを活性コアに形成することができる。アカルボースを付加的賦形剤と共に又は付加的賦形剤なしで、不活性コア上に施用することができ、溶液又は懸濁液から流動床コーター(例えば、Wursterコーティング)又はパンコーティング系を用いて吹き付けることができる。或いは、アカルボースをコア上に結合させるために結合剤を用いて、アカルボースを不活性コア上に粉末として施用することができる。コアを適当な可塑剤(以下で説明)と必要に応じて、任意の他の加工助剤と共に押出成形することによって、活性コアを形成することもできる。
本発明の遅延放出及び/又は延長放出製剤は、薬物含有コアに膜コーティングとして塗布される、少なくとも1種類のポリマー物質を含む。適当な水溶性ポリマーは、非限定的に、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はポリエチレングリコール、及び/又はこれらの混合物を包含する。
適当な水不溶性ポリマーは、非限定的に、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、セルローストリアセテート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、及びポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)、ポリ(エチレン)、低密度ポリ(エチレン)、高密度ポリ(エチレン)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ビニルイソブチルエーテル)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(塩化ビニル)又はポリウレタン、及び/又はこれらの混合物を包含する。
EUDRAGIT(登録商標)ポリマー(Rohm Pharmaから入手可能)は、アクリレート及び/又はメタクリレートに基づくポリマー・ラッカー物質である。有効成分と水に対して自由に透過性である、適当なポリマーは、EUDRAGIT(登録商標)RLである。有効成分と水に対して弱透過性である、他の適当なポリマーは、EUDRAGIT(登録商標)RSである。有効成分と水に対して弱透過性であり、pH依存性透過性を示す、他の適当なポリマーは、非限定的に、EUDRAGIT(登録商標)L、EUDRAGIT(登録商標)S及びEUDRAGIT(登録商標)Eを包含する。
EUDRAGIT(登録商標)RL及びRSは、第4級アンモニウム基の低い含量を有する、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルのコポリマーを含むアクリル樹脂である。該アンモニウム基は塩として存在して、該ラッカーフィルムの透過性をもたらす。EUDRAGIT(登録商標)RL及びRSは、それぞれ、pHに関係なく、自由に透過性(RL)及び弱透過性(RS)である。これらのポリマーは水中及び消化液中でpH非依存的に膨潤する。膨潤した状態で、該ポリマーは水及び溶解した活性化合物に対して透過性である。
EUDRAGIT(登録商標)Lは、メタクリル酸とメタクリル酸メチルエステルから合成されたアニオンポリマーである。これは、酸及び純粋な水中に不溶性である。これは、中性〜弱アルカリ性状態では溶解性になる。EUDRAGIT(登録商標)Lの透過性は、pH依存性である。pH5.0を超えると、該ポリマーはますます透過性になる。
膜制御投与形を含む、種々な実施態様では、ポリマー物質は、メタクリル酸コポリマー、アンモニオメタクリレート・コポリマー又はこれらの混合物を含む。例えばEUDRAGIT(登録商標)S及びEUDRAGIT(登録商標)L(Rohm Pharma)は、本発明の制御放出製剤に用いるために適する。これらのポリマーは、胃耐性の、腸溶性ポリマーである。これらのポリマーフィルムは、純粋な水及び希薄な酸中に不溶性である。これらのフィルムは、それらのカルボン酸含量に依存して、高いpHにおいて溶解する。EUDRAGIT(登録商標)S及びEUDRAGIT(登録商標)Lは、ポリマー・コーティング中に単独の成分として又は任意の比率で組み合わせて用いることができる。これらのポリマーの組み合わせを用いることによって、該ポリマー物質は、EUDRAGIT(登録商標)L及びEUDRAGIT(登録商標)Sが別々に溶解性であるpH値間のpHにおいて溶解性を示すことができる。
膜コーティングは、大きい割合(即ち、総ポリマー含量の50%より大)の少なくとも1種類の製薬的に受容される水溶性ポリマーと、任意に、小さい割合(即ち、総ポリマー含量の50%未満)の少なくとも1種類の製薬的に受容される水不溶性ポリマーを含むポリマー物質を含むことができる。或いは、該膜コーティングは、大きい割合(即ち、総ポリマー含量の50%より大)の少なくとも1種類の製薬的に受容される水不溶性ポリマーと、任意に、小さい割合(即ち、総ポリマー含量の50%未満)の少なくとも1種類の製薬的に受容される水溶性ポリマーを含むポリマー物質を含むことができる。
例えばEUDRAGIT(登録商標)RS及びEUDRAGIT(登録商標)RL(Rohm Pharma)のようなアンモニオメタクリレート・コポリマーは、本発明の調節放出製剤に用いるために適する。これらのポリマーは、純粋な水、希薄な酸、バッファー溶液又は消化液中で全生理的pH範囲にわたって不溶性である。これらのポリマーは、pHに関係なく、水及び消化液中で膨潤する。膨潤した状態で、次に、これらのポリマーは、水と溶解した活性剤に対して透過性である。該ポリマーの透過性は、該ポリマー中のエチルアクリレート(EA)基、メチルメタクリレート(MMA)基及びトリメチルアンモニオエチルメタクリレート・クロリド(TAMCl)基の比率に依存する。1:2:0.2のEA:MMA:TAMCl比率を有するポリマー(EUDRAGIT(登録商標)RL)は、1:2:0.1の比率を有するポリマー(EUDRAGIT(登録商標)RS)よりも大きく透過性である。EUDRAGIT(登録商標)RLのポリマーは、高い透過性の不溶性ポリマーである。EUDRAGIT(登録商標)RSのポリマーは、低い透過性の不溶性ポリマーである。
アミノメタクリレート・コポリマーは、任意の望ましい比率で組み合わせることができ、薬物放出速度を調節するように、該比率を調整することができる。例えば、90:10のEUDRAGIT(登録商標)RS:EUDRAGIT(登録商標)RLの比率を用いることができる。或いは、EUDRAGIT(登録商標)RS:EUDRAGIT(登録商標)RLの比率は、約100:0〜約80:20、又は約100:0〜約90:10、又は中間の任意の比率であることができる。このような製剤において、弱透過性ポリマーEUDRAGIT(登録商標)RSが一般に、ポリマー物質の大部分を占めると考えられる。
薬物放出を望ましく遅延させるために、ポリマー物質内でアミノメタクリレート・コポリマーをメタクリル酸コポリマーと組み合わせることができる。約99:1〜約20:80の範囲内のアンモニオメタクリレート・コポリマー(例えば、EUDRAGIT(登録商標)RS)のメタクリル酸コポリマーに対する比率を用いることができる。該2種類のポリマーを組み合わせて、同じポリマー物質にすることもできる、又はコアに塗布される別々のコートとして供給することもできる。
上記EUDRAGIT(登録商標)ポリマーの他に、幾つかの他のこのようなコポリマーを用いて、薬物放出を制御することができる。これらには、メタクリレートエステル・コポリマー(例えば、EUDRAGIT(登録商標)NE 30D)が包含される。EUDRAGIT(登録商標)ポリマーに関するさらなる情報は、“Chemistry and Application Properties of Polymethacrylate Coating Systems,” in Aqueous Polymeric Coatings for Pharmaceutical Dosage Forms, ed. James McGinity, Marcel Dekker Inc., New York, pg 109-114に見出すことができる。
上記EUDRAGIT(登録商標)ポリマーの他に、他の腸溶性又はpH依存性ポリマーを用いることができる。このようなポリマーは、フタレート基、ブチレート基、スクシネート基、及び/又はメリテート基(mellitate group)を含むことができる。このようなポリマーは、非限定的に、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートスクシネート、セルロース水素フタレート、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、澱粉アセテートフタレート、アミロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、及びポリビニルブチレートフタレートを包含する。
コーティング膜は、さらに、ポリマー物質の透過性を高めるために、少なくとも1種類の溶解性賦形剤を含むことができる。該溶解性賦形剤は、適当に、溶解性ポリマー、界面活性剤、アルカリ金属塩、有機酸、糖、及び糖アルコールから選択される。このような溶解性賦形剤は、非限定的に、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、塩化ナトリウム、例えばラウリル硫酸ナトリウム及びポリソルベートのような界面活性剤、例えば酢酸、アジピン酸、クエン酸、フマル酸、グルタル酸、リンゴ酸、コハク酸及び酒石酸のような有機酸、例えばデキストロース、フルクトース、グルコース、ラクトース及びスクロースのような糖、例えばラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール及びキシリトールのような糖アルコール、キサンタンガム、デキストリン、並びにマルトデキストリンを包含する。幾つかの実施態様では、ポリビニルピロリドン、マンニトール及び/又はポリエチレングリコールを溶解性賦形剤として、用いることができる。少なくとも1種類の溶解性賦形剤は、ポリマーの総乾燥重量に基づいて、約1〜約10重量%の量で用いることができる。コーティング・プロセスは、任意の適当な手段によって、例えば、例えばGLATTTM、ACCELACOTATM及び/又はHICOATERTM装置のような有孔パン系(perforated pan system)を用いて、行なうことができる。
ある一定の実施態様では、ポリマー物質は、胃腸液中にも不溶性である少なくとも1種類の水不溶性ポリマーと、少なくとも1種類の水溶性孔形成化合物を含むことができる。例えば、水不溶性ポリマーは、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセテート及び/又はポリビニルアルコールのターポリマーを含むことができる。適当な水溶性孔形成化合物は、非限定的に、サッカロース、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ポリビニルピロリドン、及び/又はポリエチレングリコールを包含する。孔形成化合物は、水不溶性ポリマーの全体にわたって均一に又はランダムに分布することができる。典型的に、孔形成化合物は、水不溶性ポリマーのそれぞれ約1〜約10部に対して約1部〜約35部を占める。
このような投与形が溶解媒質(例えば、腸液)に接触すると、該ポリマー物質内の孔形成化合物が溶解して、孔構造を生じ、それを通って薬物が拡散する。このような製剤は、米国特許No.4,557,925により詳細に記載されており、この特許の関連部分はこのために本明細書に援用される。この孔のある膜を、本明細書に記載するように、腸溶性コーティングで被覆して、胃での放出を抑制することもできる。
幾つかのの実施態様では、このような孔形成性調節放出投与形は、アカルボース;例えば澱粉、ラクトース若しくは微結晶セルロース(AVICELTM)のような充填剤;例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース若しくはポリビニルピロリドンのような結合剤/制御放出ポリマー;例えばEXPLOTABTM、クロスポビドン若しくは澱粉のような崩壊剤;例えばステアリン酸マグネシウム若しくはステアリン酸のような滑沢剤;例えばラウリル硫酸ナトリウム若しくはポリソルベートのような界面活性剤;及び例えばコロイド状二酸化ケイ素(AEROSILTM)若しくはタルクのようなグライダントを含む。
該ポリマー物質は、さらに、少なくとも1種類の補助剤、例えば充填剤、可塑剤及び/又は消泡剤を含むことができる。代表的な充填剤は、タルク、ヒュームド・シリカ、グリセリルモノステアレート、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、カオリン、コロイド状シリカ、石膏、微粉状シリカ及び三ケイ酸マグネシウムを包含する。充填剤の使用量は、該ポリマーの総乾燥重量に基づいて、約2〜約300重量%又は約20〜約100重量%の範囲であることができる。幾つかの実施態様では、タルクが充填剤である。
コーティング膜及び同様に機能的コーティングも、該ポリマーの加工(processing)を改良する物質を含むこともできる。このような物質は、一般に、可塑剤と呼ばれ、例えば、アジペート、アゼレート、ベンゾエート、シトレート、イソエブケート(isoebucates)、フタレート、セバケート、ステアレート及びグリコールを包含する。代表的な可塑剤は、アセチル化モノグリセリド、ブチルフタリルブチルグリコレート、ジブチルタルトレート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチンシトレート、トリアセチン、トリプロピノイン、ジアセチン、ジブチルフタレート、アセチルモノグリセリド、ポリエチレングリコール、ひまし油、トリエチルシトレート、多価アルコール、アセテートエステル、グリセロールトリアセテート、アセチルトリエチルシトレート、ジベンジルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ジオクチルアゼレート、エポキシ化タレート(epoxidised tallate)、トリイソオクチルトリメリテート、ジエチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−i−オクチルフタレート、ジ−i−デシルフタレート、ジ−n−ウンデシルフタレート、ジ−n−トリデシルフタレート、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジブチルセバケート、グリセリルモノカプリレート、及びグリセリルモノカプレートを包含する。種々な実施態様において、可塑剤はジブチルセバケートである。ポリマー物質中の可塑剤の使用量は、乾燥ポリマーの重量に基づいて、約10〜約50%の範囲であることができ、例えば、約10%、20%、30%、40%又は50%であることができる。
消泡剤も含めることができる。幾つかの実施態様では、消泡剤はシメチコンである。消泡剤の使用量は、最終製剤の約0%〜約0.5%を占めることができる。
膜制御製剤中のポリマー使用量は、通常、薬物のデリバリー量、薬物デリバリーの速度と位置、薬物放出の時間遅延、及び製剤中の多粒子のサイズを含めた、望ましい薬物デリバリー特性を得るように調整することができる。ポリマーの施用量は、通常、コアに約10%〜約100%重量増加を与えることができる。幾つかの実施態様では、該ポリマー物質からの重量増加は約25%〜約70%の範囲である。
ポリマー膜は、ポリマーの他に、例えば充填剤、可塑剤、安定剤又は他の賦形剤及び加工助剤のような成分を含むことができる。膜の付加的成分の1例は、安定剤として作用しうる炭酸水素ナトリウムである。
コポリマー、充填剤、可塑剤、及び任意の賦形剤と加工助剤を含めた、ポリマー物質の全ての固体成分の組み合わせは、コアに約10%〜約450%の重量増加を与えることができる。種々な実施態様において、該重量増加は約30%〜約160%である。
該ポリマー物質は、任意の既知方法によって、例えば、流動床コーター(例えば、Wursterコーティング)又はパンコーティング系を用いて吹き付けることによって、塗布することができる。ポリマー物質の塗布後に、被覆されたコアを通常、乾燥又は硬化させることができる。硬化(curing)は、多粒子が、安定な放出速度を与えるために充分な時間、制御された温度に維持されることを意味する。硬化は、例えば、オーブン又は流動床ドライヤー内で行なうことができる。硬化は、関連ポリマーのガラス転移温度を超えることができる、室温を超える任意の温度で行なうことができる。
該ポリマー・コーティングにシーラント又はバリヤーを施用することも可能である。代替的に又は付加的に、該ポリマー物質を塗布する前に、コアにシーラント又はバリヤー層を塗布することもできる。シーラント又はバリヤー層は、一般に、アカルボースの放出を調節することを意図するものではないが、それがどのように処方されているかに依存して、アカルボースの放出の調節を意図する可能性がある。適当なシーラント又はバリヤーは、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及びキサンタンガムのような、透過性又は溶解性作用剤である。例えば、外側シーラント又はバリヤーは、製剤全体の耐水性を改良するために用いることができる。例えば、コアとコーティングとの間のシーラント/バリヤーを用いて、pH依存性又はpH非依存性の溶解特性を示す可能性がある外部ポリマー・コーティングからコア中身を保護することができる。さらに、両方の効果、即ち、耐水性とコア保護が望ましい場合が存在しうる、この場合には、シーラント/バリヤーをコアとポリマー膜コーティングとの間に施用して、次に該ポリマー膜コーティングの外側に施用することができる。
シーラント又はバリヤー層の加工性を改良するために、他の作用剤を加えることも可能である。このような作用剤は、タルク、コロイド状シリカ、ポリビニルアルコール、二酸化チタン、微粉状シリカ、ヒュームドシリカ、グリセロール・モノステアレート、三ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム又はこれらの混合物を包含する。シーラント又はバリヤー層は、溶液(例えば、水溶液)又は懸濁液から、任意の既知手段、例えば流動床コーター(例えば、Wursterコーティング)又はパンコーティング系を用いて施用することができる。適当なシーラント又はバリヤーは、例えば、OPADRY(登録商標)、WHITE Y-1-7000(登録商標)及びOPADRY(登録商標)OY/B/28920 WHITE(登録商標)を包含し、これらの各々はColorcon Limited,Englandから入手可能である。
本発明は、さらに、キャプレット、カプセル剤、投与前に懸濁させるための粒子、サッシェ又は錠剤の形態で、上記で定義した多粒子状アカルボースを含む経口投与形を提供する。該投与形は、例えば球状、立方体状、卵状又は長円形状のような、薬物の経口投与に適した、任意の形状であることができる。投与形は多粒子から、当該技術分野で知られた方法で製造することができ、必要に応じて、付加的な製薬的に受容される賦形剤を包含することができる。
錠剤は任意の適当な方法を用いて、形成することができ、このような方法の例は当業者に知られている。例えば、成分を、錠剤化の前に、適当な装置内で混合することによって、乾式造粒又は湿式造粒することができる。錠剤化すべき成分の顆粒も、適当な吹き付け/流動化又は押出成形/球状化方法を用いて製造することができる。
錠剤は、高速度で錠剤を製造する装置を用いる、工業的規模での製造を促進するために適当な硬度と破砕性を有するように設計することができる。さらに、錠剤を任意の種類の容器にパックする又は充填することができる。錠剤の硬度は、数ある性質の中でも特に、錠剤の形状によって影響される可能性があることを注目すべきである。本発明の開示によると、種々な形状の錠剤を用いることができる。錠剤は、円形、扁球、長楕円形又は任意の他の形状であることができる。錠剤の形状は、崩壊の速度にも影響を与える可能性がある。
本発明の製剤のいずれも、軟質又は硬質ゼラチンカプセルに封入することができ、これらのカプセルはさらに、上記賦形剤のいずれかを含むこともできる。例えば、カプセル化投与形は、例えばラクトース及び微結晶(microcrystalline)のような充填剤;例えばコロイド状二酸化ケイ素及びタルクのようなグライダント;ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤;並びに例えば澱粉(例えばトウモロコシ澱粉)のような崩壊剤を含むことができる。カプセル充填装置を用いて、カプセル封入すべき成分を一緒に磨砕して、篩い分けし、混合し、一緒にパックして、次に、カプセル中に供給することができる。滑沢剤は、約0.5重量%〜約2.0重量%の範囲内の量で存在することができる。
さらに、モノリシック単位及び/又は複合単位投与形の形態をとることができる、非限定的に、マトリックスに基づく形、浸透圧ポンプに基づく形、軟質ゼラチンカプセル及び/又は膜制御形を含めた上記実施態様の全ては、機能的コーティングを有することができる。このようなコーティングは、一般に、薬物の放出を所定の期間、遅延させる目的を果たす。例えば、このようなコーティングは、投与形が胃酸又は消化液に暴露されることなく、胃を通過することを許すことができる。したがって、このようなコーティングは、例えば小腸のような、胃腸管の目的箇所に到達したときに、溶解する又は侵食されることができる。
このような機能的コーティングは、pH依存性又はpH非依存性の溶解プロファイルを示すことができる。pH非依存性プロファイルを有する機能的コーティングは、一般に、所定期間後に侵食される又は溶解することができ、該期間は該コーティングの厚さ及び組成に関係する可能性がある。他方では、pH依存性プロファイルを有する機能的コーティングは、胃の酸性pH中にある間はそれらの完全性を維持することができるが、より大きく塩基性である胃腸部に入ると直ちに侵食される又は溶解する可能性がある。
したがって、マトリックスに基づく製剤、浸透圧ポンプに基づく製剤、又は膜制御製剤を、薬物の放出を遅らせる機能的コーティングでさらに被覆することができる。例えば、膜制御製剤は、小腸に達するまで膜制御製剤の露出を遅らせる腸溶性コーティングによって被覆することができる。酸性の胃を出て、より大きく塩基性の腸に入ると、該腸溶性コーティングは溶解する。その時に、膜制御製剤は胃腸液に暴露されて、次に、本発明の開示によって、長時間にわたってアカルボースを放出する。例えばこれらのような機能的コーティングの例は、当業者に周知である。
ある一定の実施態様では、アカルボース製剤は最初に薬物の放出を遅延させる。遅延後に、該製剤は迅速に薬物を放出する。
付加的な製薬的活性化合物
本発明は、慢性便秘と、他の疾患及び/又は状態に付随する症状としての便秘を軽減、予防及び/又は管理するための新規で、有効な方法及び製剤を提供することによって、先行技術における欠陥及び問題を克服する。慢性便秘を軽減、予防及び/又は管理するための該方法は、このような軽減、予防及び/又は管理を必要とする対象に治療有効量のアカルボース又はその製薬的に受容される塩を投与することを含む。慢性便秘は、少なくとも一つの腸状態に付随する可能性がある。したがって、本発明は、このような状態、例えば、生活習慣、即ち、低い食物繊維摂取、末梢及び中枢神経系の疾患、非神経性状態、並びに機能的又は特発性便秘を、アカルボースの使用によって、直接的又は間接的に軽減、予防及び/又は管理するためにも用いることができる。その症状として便秘を有し、本発明の開示によって、この症状を治療、予防及び/又は管理することができる状態の例は、非限定的に、過敏性腸症候群(IBS)、内分泌障害、代謝障害、筋ジストロフィー、精神障害、憩室症、甲状腺機能低下症、及びその症状として便秘を示す他の疾患を包含する。その症状として便秘を有し、本発明から恩恵を受けることができる、他の種類の胃腸及び/又は腸状態を、当業者は熟知しているであろう。
幾つかの実施態様において、本発明はさらに、慢性便秘を治療するための方法及び製剤であって、このような治療を必要とする対象に、治療有効量のアカルボース又はその製薬的に受容される塩と、アカルボースの放出を制御するための少なくとも1種類の製薬的に受容される成分を、少なくとも1種類の付加的な製薬的活性化合物と組み合わせて投与することを含む方法及び製剤を提供する。組み合わせは、アカルボース又はその製薬的に受容される塩、少なくとも1種類の製薬的に受容される成分及び少なくとも1種類の付加的な製薬的活性化合物が同じ投与形中に含有されるように、投与することができる。或いは、アカルボースと少なくとも1種類の付加的な製薬的活性化合物とが別々の投与形に含有されて、同時に(concomitantly)又は連続的に投与されるように、該組み合わせを投与することができる。
投与量
本発明によって用いるアカルボースは、任意の方法によって得ることができる。例えば、米国特許No.4,904,769は、このような方法を記載しており、このために、本明細書に援用される。この特許に記載されたプロトコールの改変並びに他の合成経路は、当業者に周知であり、本発明によって用いることができる。
本発明によると、アカルボース又はその製薬的に受容される塩を、少なくとも一つの全身副作用を最小にしながら、治療効果を最大にするようなやり方で、製剤化及び/又は投与する。
投与される投与量並びに投与回数は、用いる特定の投与形及び投与経路に依存して変化するであろう。投与量及び投与回数は、個々の対象の年齢、体重及び反応によっても変化するであろう。有能な医師は、過度な検査なしに、典型的な投与計画を容易に決定することができる。臨床医又は治療医が、個々の対象の反応に関連して、如何にして及び何時、療法を中断、調節及び/又は終了するかを知るであろうことも、注目される。
一般に、本発明による製剤のいずれによっても、慢性便秘を軽減、予防及び/又は管理するための総1日投与量は、約5mg〜約200mg、又は約10mg〜約150mg、又は約25mg〜約100mgである。単一経口投与量は、約5、10、25mg、50mg、100、150、200mg、又は中間の任意の量を含むように処方することができる。
アカルボース又はその製薬的に受容される塩を含む製薬的製剤は、1回量又は分割量で、1日に付き1、2、3、4、5回又はそれ以上の回数で投与することができる。或いは、該投与量を2、3、4、5、6、7日又はそれ以上の日数毎に、デリバリーすることができる。幾つかの実施態様では、該製薬的製剤を1日1回投与する。
放出プロファイル
本発明の幾つかの実施態様は、遅延放出、延長放出プロファイル及び/又はこれらの混合プロファイルを有する製剤を用いる、方法及び製剤に関する。
アカルボース放出プロファイルの最適化は、放出が所望の胃腸部位、例えば小腸で生じることができるようなやり方で、アカルボースの放出を遅延させることができる。
実施例において又はその他で指定する場合以外に、明細書及び特許請求の範囲で用いられる成分の量、反応条件等を表現する全ての数値は、全ての場合に“約(about)”なる用語によって修飾されるものと理解すべきである。したがって、そうでないと指定しない限りは、本明細書と特許請求の範囲に記載する数値パラメーターは、本発明によって得られる所望の特性に依存して、変化しうる近似値である。最低限でも、そして特許請求の範囲の、同等物の原則の適用を限定しようとする試みとしてではなく、各数値パラメーターは、有効数字の数(the number of significant digits)及び通常の丸めアプローチを考慮して、解釈すべきである。
本発明の幅広い範囲を示す数値範囲及びパラメーターが近似値であるにも拘わらず、特定の実施例に示される数値は当該技術分野で慣習的である程度に精確に報告されるものである。しかし、如何なる数値も、それらのそれぞれの試験測定に見出される標準偏差に必然的に起因する、ある種の誤差を本質的に含有する。
下記実施例を参照することによって、本発明をさらに説明する。物質と方法の両方に対する修正が、本開示の目的及び範囲から逸脱せずになされうることは、当業者に明らかであろう。
実施例1:被覆されない即時放出アカルボース錠剤製剤
Figure 2008535905
製造方法
適当な秤を用いて、成分を秤量する。
適当なミキサーに、アカルボース、Avicelの50%及びラクトースの50%を入れる。
均質になるまで、約15分間混合する。
混合を続けて、顆粒化液体(granulating fluid)(IPA(イソプロピルアルコール)/PVP溶液)を加える。
適当な顆粒化終点に達するまで混合する。適当な顆粒を得るために、さらにイソプロピルアルコール(IPA)を加えることができる。
例えば1.0%未満の水分及び例えば0.5%未満のIPAの許容レベルに達するまで、該顆粒を乾燥させる。
乾燥した顆粒を、適当なサイズのスクリーン(例えば、100〜500ミクロン)を装備した、適当な粉砕装置に通す。
該顆粒をブレンダーに入れて、コロイド状二酸化ケイ素(グライダント)、澱粉グリコール酸ナトリウム(崩壊剤)及び残りのラクトース(希釈剤)とAvicel(結合剤、希釈剤)を加える。
約15分間混合する。
ステアリン酸マグネシウム(滑沢剤)を加えて、さらに5分間混合する。
適当な製錠機を用いて、製剤を卵状錠剤に圧縮成形する。
或いは、アカルボースをIPA(又は代替溶媒)中に溶解して、PVPを該乾燥ブレンドに混入してから、造粒する。
実施例2:調節放出アカルボース製剤
実施例1の即時放出錠剤製剤(A、B及び/又はC)を機能的コートによって被覆することができる。2種類のコーティングの例を以下に記載する:
コーティング1
Figure 2008535905
製造方法
錠剤を適当なコーティング機に入れる。
該錠剤上にポリマー・コーティングを吹き付ける。
必要量のポリマー・コーティング溶液が塗布されたならば、該錠剤をコーティング機内で乾燥させる。
コーティング2
Figure 2008535905
製造方法
精製水をイソプロピルアルコールに加えて、約10分間混合する。
ジブチルセバケートを加えて、約10分間撹拌する。
タルクを加えて、約15分間混合を続ける。
最後に、Eudragit Sを加えて、均質になるまで、例えば約30分間混合する。
流動コーティング装置及び上記方法を用いて、該即時放出錠剤上に直接吹き付ける。
実施例3:in vitro放出試験結果
コーティング1に基づく、実施例2の調節放出錠剤は、37℃の媒質流体900ml中、50〜100rpmでUSP I型又はII型装置において試験したときに、下記溶解プロフィルを示す:
媒質0.01N HCl中での2時間後:薬物の<10%が放出される;
その後、pH6.8媒質中での1時間後:薬物の>50%が放出される;
続いて、pH6.8媒質中での2時間後:薬物の>75%が放出される。
上記コーティング2に基づく、実施例2の遅延放出錠剤は、37℃の媒質流体900ml中、50〜100rpmでUSP I型又はII型装置において試験したときに、溶解プロフィルを示す:
媒質0.01N HCl中での2時間後:薬物の<10%が放出される;
その後、pH6.8媒質中での1時間後:薬物の>10%が放出される;
pH6.8媒質中での2時間後:薬物の>20%が放出される;
pH6.8媒質中での4時間後:薬物の>40%が放出される;
そして、pH6.8媒質中での8時間後:薬物の>75%が放出される。
実施例4:調節放出アカルボース錠剤製剤
種々のレベルのMethocel Premiumを用いた、アカルボースの被覆されない調節放出製剤(湿式造粒方法)。
マトリックス錠剤製剤
被覆されないマトリックス錠剤製剤と加工の詳細は、以下に記載する:
Figure 2008535905
適当な秤を用いて、成分を秤量する。
適当なミキサーに、アカルボース、Avicelの50%及びラクトースの50%を入れる。
均質になるまで、約15分間混合する。
混合を続けて、顆粒化液体(IPA/PVP溶液)を加える。
適当な顆粒化終点に達するまで混合する。適当な顆粒を得るために、さらにIPAを加えることができる。
例えば1.0%未満の水分及び例えば0.5%未満のIPAの許容レベルに達するまで、該顆粒を乾燥させる。
乾燥した顆粒を、適当なサイズのスクリーン(例えば、100〜500ミクロン)を装備した、適当な粉砕装置に通す。
該顆粒をブレンダーに入れて、コロイド状二酸化ケイ素(グライダント)、及び残りのラクトース(希釈剤)とAvicel(結合剤、希釈剤)を加える。
約15分間混合する。
ステアリン酸マグネシウム(滑沢剤)を加えて、さらに5分間混合する。
適当な製錠機を用いて、製剤を卵状錠剤(目標重量約1000mg)に圧縮成形する。
或いは、アカルボースをIPA(又は代替溶媒)中に溶解して、PVPを該乾燥ブレンドに混入してから、造粒する。
実施例5:in vitro試験結果
上記調節放出錠剤製剤(D、E及びF)は、実施例2に記載したような遅延放出機能的コーティングで被覆することができる。
コーティング1に基づく、実施例4の調節放出錠剤は、37℃の媒質流体900ml中、50〜100rpmでUSP I型又はII型装置において試験したときに、溶解プロフィルを示す:
媒質0.01N HCl中での2時間後:薬物の<10%が放出される;
その後、pH6.8媒質中での1時間後:薬物の>20%が放出される;
pH6.8媒質中での2時間後:薬物の>30%が放出される;
pH6.8媒質中での4時間後:薬物の>50%が放出される;
そして、pH6.8媒質中での8時間後:薬物の>75%が放出される。
コーティング2に基づく、実施例4の調節放出錠剤は、37℃の媒質流体900ml中、50〜100rpmでUSP I型又はII型装置において試験したときに、溶解プロフィルを示す:
媒質0.01N HCl中での2時間後:薬物の<10%が放出される;
その後、pH6.8媒質中での1時間後:薬物の>10%が放出される;
pH6.8媒質中での2時間後:薬物の>20%が放出される;
pH6.8媒質中での4時間後:薬物の>30%が放出される;
pH6.8媒質中での6時間後:薬物の>40%が放出される;
そして、pH6.8媒質中での8時間後:薬物の>60%が放出される。
実施例6:薬物動態研究
商業的な基準製品(PRECOSE(登録商標))と4アカルボース製剤との相対的バイオアベイラビリティ(同一薬物の同じ又は異なる投与形を同じ又は異なる経路で投与する場合にAUCsを比較することによって得られるバイオアベイラビリティ)を比較し、評価するために、一晩絶食した健康な被験者15人における投与後4時間の、単回投与、5通りのクロスオーバー研究(single-dose, five-way crossover study)を設計する。これらの製剤は次の通りである:
(a)PRECOSE(登録商標)25mg
(b)遅延開始500mg(A)25mg
(c)遅延開始調節放出(D)25mg
(d)遅延開始調節放出(E)25mg
(e)遅延開始調節放出(F)25mg
健康な被験者15人には、5試験期間の一つで無作為化クロスオーバー式に投与する。投与直前及び各投与後に規則的な間隔をおいて、48時間までの期間にわたって、静脈血サンプルを採取する。アカルボースの血漿濃度を、標準方法を用いて測定する。個別の血漿濃度曲線を構成して、Tmax(最大濃度における時間)、Cmax(最大測定濃度)及びAUC(血漿濃度対時間曲線下の面積)を含めた、個別、平均及び相対的薬物動態パラメーターを推定する。下記結果が得られる:
(b)のAUCとCmax:(a)AUCとCmaxの<80%
(c)のAUCとCmax:(a)AUCとCmaxの<80%
(d)のAUCとCmax:(a)AUCとCmaxの<70%
(e)のAUCとCmax:(a)AUCとCmaxの<60%
実施例7:臨床試験
Rome II規準(修正)、即ち、それまでの3箇月のうち少なくとも3週間に下記症状:
i.排便の>25%において排便いきみ;
ii.排便の>25%において塊状又は硬質糞便;
iii.排便の>25%において不完全排便の感覚;
iv.排便の>25%において肛門直腸の閉塞/遮断感覚;
v.排便の>25%を促進するための手技(例えば、指による排便、直腸床のサポート);及び/又は
vi.1週間につき<3回の排便
の二つ以上を示すことを用いて定義された、機能的便秘患者60〜120人において投与した製剤の効力を評価するために、無作為化、投与量増量、プラセボ対照付き試験を設計する。
さらに、軟便は存在せず、IBSの診断のためには充分な基準がない。さらに、これらの患者は、便秘を惹起しうる内科的疾患の兆候を有さない。試験の無作為化段階に入るときに、患者は症候性である、即ち、8〜14日目のならし期間に、少なくとも8日間(連続的である必要はない)に、患者は排便の>25%において塊状又は硬質の糞便を有する。
患者を3グループ:
(a)調節放出アカルボース(A);
(b)調節放出アカルボース(E);及び
(c)プラセボ
の一つに無作為に割り当てる。
処置(a)又は(b)を受けるように無作為に割り当てられた患者は、最初の4週間25mg1日1回、次の4週間50mg1日1回、そしてさらなる4週間100mg1日1回を、前の投与が良好に耐容されたという条件で、摂取することになる。プラセボを受けるように無作為に割り当てられた患者は、試験の持続期間にわたって、プラセボを摂取する。
最初の効力終点は、患者の全体的印象に基づく。アカルボースを摂取した患者は、試験の投与量増量段階中に、日誌に基づくと、少なくとも50%の時間で、次の質問:“治療後の現在、良くなったと感じますか”に“はい”と答える。
第2効力終点は、排便中のいきみ、糞便粘稠度(Bristol Stool Scale)、排便の完全性、肛門直腸閉塞/遮断の感覚、排便を促進するための手技の使用、排便回数、及び救済薬剤、即ち、緩下剤の使用においてプラセボと比較した、基準(baseline)からの変化を包含する。

Claims (17)

  1. 慢性便秘の治療を必要とする対象の慢性便秘の治療方法であって、治療有効量のアカルボース若しくはその製薬的に受容される塩と、アカルボースの放出を制御するための少なくとも1種類の製薬的に受容される成分を含む投与製剤を該対象に投与することを含み、該投与製剤が、投与後に、アカルボースが吸収される胃腸部位から遠位にアカルボースを放出するものである方法。
  2. 慢性便秘が過敏性腸症候群の症状である、請求項1記載の方法。
  3. アカルボースが対象に経口投与される、請求項1記載の方法。
  4. 投与製剤が、遅延放出、延長放出及びこれらの混合から選択される、請求項1記載の方法。
  5. 該投与製剤がさらに、少なくとも1種類の付加的な製薬的活性剤を含む、請求項1記載の方法。
  6. 該少なくとも1種類の付加的な製薬的活性化合物が便秘を緩和することができる、請求項5記載の方法。
  7. 該少なくとも1種類の付加的な製薬的活性化合物がメトホルミンである、請求項5記載の方法。
  8. 該メトホルミンが即時放出及び調節放出から選択される形態である、請求項7記載の方法。
  9. 該投与製剤が錠剤形である、請求項1記載の方法。
  10. 該投与製剤が親水性マトリックス錠剤形である、請求項9記載の方法。
  11. 該投与製剤が、5mg〜200mgの範囲である1日投与量を供給する、請求項1記載の方法。
  12. 該1日投与量が、単回投与量及び分割投与量から選択される、請求項11記載の方法。
  13. アカルボース又はその製薬的に受容される塩の慣用的製剤の投与に付随する、少なくとも一つの副作用を最小にしながら、便秘が治療される、請求項1記載の方法。
  14. 該投与製剤が、胃腸管の十二指腸から遠位にアカルボースを放出する、請求項1記載の方法。
  15. 該投与製剤が、胃腸管の空腸から遠位にアカルボースを放出する、請求項1記載の方法。
  16. 該投与製剤が、胃腸管の回腸から遠位にアカルボースを放出する、請求項1記載の方法。
  17. 該投与製剤が対象の胃を通過した後にアカルボースを放出する、請求項1記載の方法。
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