JP2008533999A - 深部静脈血栓症に関連する遺伝子欠陥の存在のスクリーニング方法 - Google Patents

深部静脈血栓症に関連する遺伝子欠陥の存在のスクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、深部静脈血栓症の高いリスクを示し、図5Aに示すフィブリノーゲンγ遺伝子のハプロタイプ2(FGG−H2)である遺伝マーカーがゲノム中に存在するかについて個人をスクリーニングする方法に関する。前記遺伝マーカーはフィブリノーゲンγをコード化する核酸材料中の一組の1〜4つの突然変異を含み、前記突然変異は129A/T(rs2066854)、7874G/A(rs2066861)、9615C/T(rs2066864)及び10034C/T(rs2066865)からなる群から選択される。

Description

本発明は、静脈血栓症、特に深部静脈血栓症に関連する遺伝子欠陥の存在についてスクリーニングする方法に関する。本発明は更に、前記方法に使用するための診断キットに関する。
静脈血栓症(VT)は、静脈中に局所的に形成された血塊または他の所で血栓から遊離した血塊(塞栓形成)による血行の閉塞である。血栓が形成される通常部位は脚の表面及び深部静脈であるが、血栓は脳、網膜、肝臓及び腸間膜中の静脈でも生じ得る。主要合併症は血栓後症候群及び肺塞栓症による死亡であり、それぞれ患者の20〜40%及び1〜2%で起こっている。先進国でのVTの年間頻度は約1/1000である。
静脈血栓症は多原因疾患である。非移動、最近の手術または外傷、妊娠及び産褥、並びに経口避妊薬の現在の使用のような公知の後天的リスクファクターの他に、VTに対する幾つかの遺伝的リスクファクター、例えばV因子ライデン及びプロトロンビン20210A突然変異がある。
本発明の目的は、個人における静脈血栓症、特に深部静脈血栓症に対する遺伝的リスクファクターの存在を調べることができるスクリーニング方法を提供することである。
この目的は、低い血漿フィブリノーゲンγ’レベル、低いフィブリノーゲンγ’/全フィブリノーゲン比(γ’/γ)及び深部静脈血栓症(DVT)の高いリスクに関連しているフィブリノーゲンγハプロタイプ(本明細書中では、まとめて遺伝する一連の一塩基多型(SNP)と定義される)を同定することにより解決された。
フィブリノーゲンは止血系の必須成分であり、凝固カスケードの最終産物であるフィブリンの前駆体である。フィブリノーゲンはトロンビンによる限定タンパク質分解によりフィブリンに変換され、フィブリンモノマー上の重合部位は露呈する。これらのモノマーは自然と会合して、不溶性フィブリンを形成する。活性化因子XIIIは隣接するフィブリンモノマー間で共有結合を形成する。こうした架橋により、フィブリン血塊が強化され、線維素溶解系による分解に対する耐性が高まる。
Fiona Green(http://www.well.ox.ac.uk/〜fionag/fibrinogen.shtml)が図1に示したフィブリノーゲンは分子量が340kDaの血漿糖タンパク質であり、主に肝細胞により合成される。フィブリノーゲンは約9μM(3g/L)の濃度で血漿中を循環している。フィブリノーゲン分子は、2つの外Dドメインがコイルドコイルセグメントにより中心Eドメインに結合している細長い45nm構造物である。フィブリノーゲン分子は2つの対称半分子から構成され、各々は1組のAα、Bβ及びγと称される3つの異なるポリペプチド鎖を含んでいる。3本の鎖はフィブリノーゲンα(FGA)、フィブリノーゲンβ(FGB)及びフィブリノーゲンγ(FGG)をコード化する3つの別々の遺伝子によりコード化され、これらは染色体4q31.3上の約50kbの領域にクラスター形成されている。
FGG遺伝子は10エクソンを含み、6エクソンを含むFGA遺伝子と縦に並んで配位している。これらの遺伝子は、FGA遺伝子の下流に位置し且つ8エクソンを含むFGB遺伝子と反対方向に転写される。
選択的スプライシングはFGA遺伝子及びFGG遺伝子で起こり得る。循環フィブリノーゲンの主Aα鎖は60アミノ酸残基を含み、副Aα鎖は846アミノ酸残基を含む。Bβ鎖は461アミノ酸から構成されている。γ鎖の最も豊富な形態のγAは411アミノ酸残基から構成されている。変異体γ’(γB)は427アミノ酸残基を含む。
フィブリノーゲンの異常が深部静脈血栓症(DVT)のリスクに影響を及ぼすことは公知である。Kosterら(Thromb.Haemost.,71:719−722(1994))は、血漿フィブリノーゲンのレベルが高い(>5g/L)とDVTのリスクが増すことを記載している。この影響のメカニズムは知られていない。フィブリノーゲン濃度はインビトロ実験においてフィブリン血塊構造に対して大きな影響を有する。フィブリノペプチドAの放出速度はフィブリノーゲンレベルの上昇に伴って増加し、これはより溶解耐性であり且つより高密度で密着したフィブリンネットワークの形成に関連している(Blomback,Thromb.Res.,75:327−328(1994);Siebenlist及びMosesson,J.Biol.Chem.,68:315−320(1994))。
高フィブリノーゲンレベルが血栓症リスクに寄与し得る別のメカニズムは血液粘度の増加による。加えて、フィブリノーゲンの遺伝的変異体(異常フィブリノーゲン血症)が血栓症及び長いトロンビン時間を持つ患者で見つかった(Mosesson,Semin.Thromb.Hemost.,25:311−319(1999);Hanss及びBiot,Ann.N.Y.Acad.,Sci.,936:89−90(2001)により検討)。これらの患者の大部分ではFGAまたはFGG遺伝子が突然変異しているが、前記突然変異のキャリア集団と静脈血栓症の間の正確な関係は十分に記載されていない(Haverkateら,Thromb.Haemost.,73:151−161(1995))。
よって、本発明者らは、静脈血栓症、特に深部静脈血栓症のリスクに影響を及ぼすフィブリノーゲン遺伝子中の比較的一般的な変異が存在し得ると仮定した。これらの変異がフィブリノーゲンレベル、フィブリンネットワーク構造物の形成または線維素溶解系に対するフィブリン血塊の感受性に影響を与える恐れがある。
本発明につながる研究において、本発明者らは静脈血栓症のリスクファクターに関する大集団ベースの症例−対照研究のライデン血栓性素因研究(LETS)でフィブリノーゲンクラスターの3遺伝子中の15個のハプロタイプ−タギング一塩基多型(htSNP;ハプロタイプに特異的なSNPである)を類別した。更に、すべての被験者でフィブリノーゲンγ鎖(γ’)の選択的にスプライシングした変異体を含有するフィブリノーゲンイソフォームの合計レベルγA/γ’及びγ’/γ’を測定した。
FGB−H2、FGA−H2またはFGG−Hに対してホモ接合性の個人のすべてが静脈血栓症に対して高いリスクを有していたことが判明した(FGB−H2:OR=1.9,95%CI:1.1−3.4;FGA−H2:OR=2.0,95%CI:1.3−3.2;FGG−H2:OR=2.4,95%CI:1.5−3.9)。3つのフィブリノーゲン遺伝子は50kbのDNAの単ストレッチ上に位置しているので、遺伝子間の連鎖不平衡を調整するために多重ロジスティック回帰分析を使用した。調整後、FGG−H2に対してホモ接合性である個人でのみ高リスクのままであった。フィブリノーゲンハプロタイプのいずれもがClauss方法で測定した全フィブリノーゲンレベルと関連していなかった。FGG−H2は低いフィブリノーゲンγ’レベル及び低いフィブリノーゲンγ’/γ比にも関連していた。ロジスティック回帰分析から、低いフィブリノーゲンγ’レベルと高い全フィブリノーゲンレベルの両者はFGG−H2について調整した後でもDVTの3倍高いリスクと関連していたことが判明した。
この所見に基づいて、FGG−H2は低いフィブリノーゲンγ’レベルに関連しており、多変量解析で低いフィブリノーゲンγ’レベルは3倍高いDVTを発症するリスクに関連しているとの結論が得られ、FGG−H2ハプロタイプが低いフィブリノーゲンγ’レベルの表現型により血栓症のリスクに作用することが立証された。
フィブリノーゲンγ’及び全フィブリノーゲンの血漿濃度の両方が血栓症リスクに影響を及ぼし、フィブリノーゲンγ’レベルが常に全フィブリノーゲンレベルに依存しているので、本発明者らは静脈血栓症のリスクに及ぼすフィブリノーゲンγ’/全フィブリノーゲン比(γ’/γ比)の影響も分析した。本発明者らは、対照被験者で測定した10パーセント点(P10)に相当する0.69未満のγ’/γ比を有する個人はγ’/γ比が≧0.69の個人に比して静脈血栓症のリスクが高い(OR=2.4,95%CI:1.7−3.5)ことを知見した。FGG−H2は低いフィブリノーゲンγ’レベルにも低いγ’/γ比にも関連していたので、FGG−H2をγ’/γ比のP10と一緒に同一のロジスティック回帰分析モデルに入れた。低いγ’/γ比(<0.69)に関連するリスクはそのままで(OR=2.2,95%CI:1.3−3.5)、FGG−H2ホモ接合性に関連するリスクは大きく消失した(OR=1.2,95%CI:0.6−2.3)。このことから、FGG−H2ハプロタイプがγ’/γ比の減少により静脈血栓症のリスクに作用することが示される。対照の82%及びγ’/γ比が<0.69の症例の91%がFGG−H2対立遺伝子のホモ接合性キャリアであった。
更なる研究から、FGG−H2転写物中のポリアデニル化信号2(pA2)の使用を増やすことにより(図2及び図8参照)、10034C>Tはγ’形成の低い効率の原因であり、従って静脈血栓症のリスクに関連することが判明している低いγ’含量の原因であることが判明した。更に、10034Cが機能的切断刺激因子(CstF)コンセンサス2a配列の一部であることが判明した。このために、FGG遺伝子のエクソン9、イントロン9、エクソン10及び3’−UTRを含むミニ遺伝子構築物を作成し、この構築物にFGG−H2特異的SNPを一緒に、別個に導入した。10034C>Tが存在すると、pA2の使用が増え、従ってpA1/pA2比が低下した(図10)。加えて、突然変異をCstF部位に導入すると、コンセンサス配列が改善され、少なくなり、実際この部位が機能性CstF部位であることを立証している。このことから、10034C/T突然変異が静脈血栓症(VT)、特に深部静脈血栓症(DVT)のリスクをもたらすことが分かる。
これらの所見に基づいて、本発明は、静脈血栓症、特に深部静脈血栓症の高いリスクを示す遺伝マーカーが個人のゲノム中に存在するかを調べることを含む静脈血栓症、特に深部静脈血栓症の高いリスクを示す遺伝マーカーがゲノム中に存在するかについて個人をスクリーニングする方法を提供し、前記遺伝マーカーは図5に示すフィブリノーゲンγ遺伝子のハプロタイプ2(FGG−H2)である。
表1Aに示すように、フィブリノーゲンγ遺伝子(FGG)のハプロタイプ2(H2)は、FGGの基準配列(GenBank受託番号AF350254;www.ncbi.nlm.nih.gov)と比較して一組の突然変異が遺伝子中に存在することにより具体的に同定され得る。ヌクレオチドはシアトル・データベース(D.Nickerson,SeattleSNPs.NHLBI Program for genomic Applications,ワシントン州シアトルに所在のUW−FHCRC;http://pga.gs.washington.edu 15−4−2003)に従ってナンバリングする。前記した組は、フィブリノーゲンγをコード化する核酸材料、特に図5B(配列番号22)に示すFGG遺伝子中の129A/T(rs2066854)、7874G/A(rs2066861)、9615C/T(rs2066864)及び10034C/T(rs2066865)からなる群から選択される1〜4つの突然変異を含む。ナンバリングは図5に示すフィブリノーゲンγ遺伝子のヌクレオチドの位置を指す。rs番号はdbSNP(http://www.ncbi.nlm.nih.govからアクセス可能)に従ってSNPを同定する。
Figure 2008533999
ハプロタイプ2を同定するために使用される突然変異の組は表1Bにリストされている組から選択される。突然変異10034C/Tが少なくとも存在することが好ましい。従って、突然変異の組が表1Bにリストした組5〜8、11、12、14及び15から選択されることが好ましい。具体的には、FGG−H2の存在がフィブリノーゲンγをコード化する核酸材料中に突然変異10034C/T(rs2066865)が存在することと関連している。本明細書中、「組」は1〜4つの突然変異を含み得る。
Figure 2008533999
Figure 2008533999
本発明の方法において、遺伝マーカーは、前記組の突然変異を含むDNAのストレッチの標的核酸増幅反応を実施し、増幅した標的核酸を突然変異の組の存在について分析することにより検出される。
核酸を増幅させるための各種方法、例えば
米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号及び同第4,800,159号に記載されているPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)及びそのRT−PCR代替法(逆転写PCR)、特に欧州特許第0.569.272号に開示されている1ステップフォーマットでのPCR;
例えば欧州特許出願公開第0.201.184号に記載されているLCR(リガーゼ連鎖反応);
国際特許出願公開第90/01069号に特許請求されているRCR(修復連鎖反応);
国際特許出願公開第90/06995号に記載されている3SR(自立配列複製);
例えば欧州特許第0.397.269号または米国特許第5,466,586号に開示されている鋳型として二本鎖DNAを用いるNASBA(核酸配列ベース増幅);及び
TMA(転写媒介性増幅)、例えば米国特許第5,399,491号明細書参照;
が当業界で公知である。
DNA標的セグメントの特異的増幅の技術の1例は所謂「ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)」である。PCR技術を用いると、特定標的セグメントのコピー数はサイクル数に応じて指数的に増加する。1対のプライマーを使用し、各サイクルにおいてDNAプライマーを二本鎖DNA標的配列の2本の鎖の各々の3’末端にアニーリングする。プライマーを各種モノヌクレオチドの存在下でDNAポリメラーゼを用いて伸長させて、再び二本鎖DNAを生成する。二本鎖DNAの鎖を熱変性により相互に分離させ、各鎖は後続サイクルでのプライマーアニーリング及びその後の伸長のための鋳型として役立つ。PCR方法はSaikiら,Science,230:135(1985)、欧州特許第0.200.362号及び欧州特許出願公開第0.201.184号にも記載されている。
増幅産物中の1つ以上の突然変異の存在の検出は当業界で公知の各種方法、例えば
制限酵素の使用;
対立遺伝子特異的増幅;
ペプチド核酸(PNA)媒介PCRクランピング;
コンフォメーションの違いの検出、例えば一本鎖高次構造多型(SSCP)及び変性濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE);
標識オリゴヌクレオチドプローブを用いる膜での検出ステップ(ドットブロット)を有するアッセイ;
微量測定プレートにおける検出ステップを有するアッセイ、例えば逆ハイブリダイゼーション、オリゴヌクレオチド連結アッセイ(OLA、MLPA)、第1ヌクレオチド変化(FNC)テクノロジー、架橋テクノロジー;
迅速サイクルPCR及び同時蛍光分析(例えば、5’ヌクレアーゼ/Taqman);
PCR、その後質量分析またはキャピラリー電気泳動を用いるミニ配列決定;
により実施され得る。
更に、本発明は、フィブリノーゲンγ遺伝子のハプロタイプ2(FGG−H2)の遺伝マーカーである突然変異を少なくとも1つ含む核酸の少なくとも1つのストレッチを囲む核酸ストレッチを認識し、ハイブリダイズする少なくとも1対のプライマー;及び増幅標的核酸を前記突然変異の存在について検出するための手段を含む静脈血栓症、特に深部静脈血栓症の高いリスクを示す方法を実施するためのキットに関する。
より具体的には、前記キットは、フィブリノーゲンγ遺伝子のハプロタイプ2(FGG−H2)の遺伝マーカーである突然変異を少なくとも1つ含む核酸の1つのストレッチを囲む核酸ストレッチを認識し、ハイブリダイズする1対のプライマー;及び増幅標的核酸を前記突然変異の存在について検出するための手段を含む。特に、核酸の1つのストレッチを囲む核酸ストレッチを認識し、ハイブリダイズする1対のプライマーは、129A/T、7874G/A、9615C/T及び10034C/Tからなる群から選択される突然変異の少なくとも1つを含み、少なくとも1つのプローブは増幅標的核酸中の当該突然変異の各々を検出する。
第1実施態様で、キットは第1オリゴヌクレオチド及び第2オリゴヌクレオチドを含み、前記第1オリゴヌクレオチドは10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
Figure 2008533999
の1つまたは少なくともその10連続ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含み、前記第2オリゴヌクレオチドは10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
Figure 2008533999
の1つまたは少なくともその10連続ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含む。
適当な組合せは、配列番号1及び10、1及び11、1及び12、1及び13、1及び14、1及び15、1及び16、1及び17、1及び18、2及び10、2及び11、2及び12、2及び13、2及び14、2及び15、2及び16、2及び17、2及び18、3及び10、3及び11、3及び12、3及び13、3及び14、3及び15、3及び16、3及び17、3及び18、4及び10、4及び11、4及び12、4及び13、4及び14、4及び15、4及び16、4及び17、4及び18、5及び10、5及び11、5及び12、5及び13、5及び14、5及び15、5及び16、5及び17、5及び18、6及び10、6及び11、6及び12、6及び13、6及び14、6及び15、6及び16、6及び17、6及び18、6及び10、6及び11、6及び12、6及び13、6及び14、6及び15、6及び16、6及び17、6及び18、7及び10、7及び11、7及び12、7及び13、7及び14、7及び15、7及び16,7及び17、7及び18、8及び10、8及び11、8及び12、8及び13、8及び14、8及び15、8及び16、8及び17、8及び18、9及び10、9及び11、9及び12、9及び13、9及び14、9及び15、9及び16、9及び17、9及び18の組合せである。
更なる実施態様で、突然変異129A/Tを検出するためのキットは第1オリゴヌクレオチド及び第2オリゴヌクレオチドを含み、前記第1オリゴヌクレオチドは10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
Figure 2008533999
の1つまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含み、前記第2オリゴヌクレオチドは10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
Figure 2008533999
または少なくとも10ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含む。
適当な組合せは、配列番号1及び2、1及び3、1及び4、1及び5、1及び6、1及び7、1及び8、1及び9、1及び10、1及び11、1及び12、1及び13、1及び14、1及び15、1及び16、1及び17、1及び18の組合せである。
好ましくは、突然変異129A/Tを検出するためのキットは1対のリゴヌクレオチドを含み、第1オリゴヌクレオチドは10〜26ヌクレオチド長であり、第2オリゴヌクレオチドは10〜26ヌクレオチド長であり、配列番号10:GTGTCAACCATGTTCATAGGCまたは少なくともその10連続ヌクレオチドの断片、特に断片
Figure 2008533999
を含む。
突然変異7874G/Aを検出するために、キットは第1オリゴヌクレオチド及び第2オリゴヌクレオチドを含み、前記第1オリゴヌクレオチドは10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
Figure 2008533999
の1つまたは少なくともその10連続ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含み、前記第2オリゴヌクレオチドは10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
Figure 2008533999
の1つまたは少なくともその10連続ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含む。
適当な組合せは、配列番号1及び7、1及び8、1及び9、1及び16、1及び17、1及び18、2及び7、2及び8、2及び9、2及び16、2及び17、2及び18、3及び7、3及び8、3及び9、3及び16、3及び17、3及び18、4及び7、4及び8、4及び9、4及び16、4及び17、4及び18、5及び7、5及び8、5及び9、5及び16、5及び17、5及び18、6及び7、6及び8、6及び9、6及び16、6及び17、6及び18、10及び7、10及び8、10及び9、10及び16、10及び17、10及び18、11及び7、11及び8、11及び9、11及び16、11及び17、11及び18、12及び7、12及び8、12及び9、12及び16、12及び17、12及び18、13及び7、13及び8、13及び9、13及び16、13及び17、13及び18、14及び7、14及び8、14及び9、14及び16、14及び17、14及び18、15及び7、15及び8、15及び9、15及び16、15及び17、15及び18の組合せである。
好ましくは、第1オリゴヌクレオチドは10〜26ヌクレオチド長であり、配列番号6:TTCCAAGGAAGCATCCTACGまたは少なくともその10連続ヌクレオチドの断片、特に断片
Figure 2008533999
を含み、第2オリゴヌクレオチドは10〜26ヌクレオチド長であり、少なくとも
Figure 2008533999
の10連続ヌクレオチドの断片を含む。
突然変異9615C/Tを検出するために、キットは第1オリゴヌクレオチド及び第2オリゴヌクレオチドを含み、前記第1オリゴヌクレオチドは10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
Figure 2008533999
の1つまたは少なくともその10連続ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含み、前記第2オリゴヌクレオチドは10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
Figure 2008533999
の1つまたは少なくともその10連続ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含む。
適当な組合せは、配列番号1及び8、1及び9、1及び16、1及び17、1及び18、2及び8、2及び9、2及び16、2及び17、2及び18、3及び8、3及び9、3及び16、3及び17、3及び18、4及び8、4及び9、4及び16、4及び17、4及び18、5及び8、5及び9、5及び16、5及び17、5及び18、6及び8、6及び9、6及び16、6及び17、6及び18、7及び8、7及び9、7及び16、7及び17、7及び18、10及び8、10及び9、10及び16、10及び17、10及び18、11及び8、11及び9、11及び16、11及び17、11及び18、12及び8、12及び9、12及び16、12及び17、12及び18、13及び8、13及び9、13及び16、13及び17、13及び18、14及び8、14及び9、14及び16、14及び17、14及び18、15及び8、15及び9、15及び16、15及び17、15及び18の組合せである。
好ましくは、第1オリゴヌクレオチドは10〜26ヌクレオチド長であり、配列番号7:GTAACTGGCAATGCACTTCGまたは少なくともその10連続ヌクレオチドの断片、特に断片
Figure 2008533999
を含み、第2オリゴヌクレオチドは10〜26ヌクレオチド長であり、配列番号16:GCTTTGCAAGTCCATTGTCCまたは少なくともその10連続ヌクレオチドの断片、特に断片
Figure 2008533999
を含む。
突然変異10034C/Tを検出するために、キットは第1オリゴヌクレオチド及び第2オリゴヌクレオチドを含み、前記第1オリゴヌクレオチドは10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
Figure 2008533999
Figure 2008533999
の1つまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含み、前記第2オリゴヌクレオチドは10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
Figure 2008533999
の1つまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含む。
適当な組合せは、配列番号1及び17、1及び18、2及び17、2及び18、3及び17、3及び18、4及び17、4及び18、5及び17、5及び18、6及び17、6及び18、7及び17、7及び18、8及び17、8及び18、9及び17、9及び18、10及び17、10及び18、11及び17、11及び18、12及び17、12及び18、13及び17、13及び18、14及び17、14及び18、15及び17、15及び18、16及び17、16及び18の組合せである。
好ましくは、第1オリゴヌクレオチドは10〜26ヌクレオチド長であり、配列番号8:GAGAACATTTTAGAGTTTCAAATTC、特に断片
Figure 2008533999
を含み、または配列番号9:ACATGCATTTCAATAAACCTTTTGTTTCCT、特に断片
Figure 2008533999
または少なくともその10連続ヌクレオチドの断片を含み、第2オリゴヌクレオチドは10〜26ヌクレオチド長である。
特に有利な実施態様で、キットは増幅標的核酸中の当該突然変異(129A/T、7874G/A、9615C/Tまたは10034C/T)の各々を検出するための1つのプローブを含み、前記プローブは非突然変異アナライト核酸と識別するために突然変異アナライト核酸に対応する核酸配列を含む。好ましくは、プローブは分子ビーコンである。
10034T対立遺伝子(突然変異10034C/T)に結合させることによりFGG−H2ハプロタイプを検出するためのプローブは、10〜50ヌクレオチド長、好ましくは10〜26ヌクレオチド長であり、配列番号19:ATGGTCAATAAAGATACCAまたは少なくともその10連続ヌクレオチドの断片、特に断片
Figure 2008533999
を含むオリゴヌクレオチドであるかまたは含む。前記キットは更に10034C対立遺伝子に結合させることによりFGG−H2ハプロタイプを検出するためのプローブを含み、前記プローブは10〜50ヌクレオチド長、好ましくは10〜26ヌクレオチド長であり、配列番号20:TTTTAATGGTCAATAAAGGTACCAまたは少なくともその10連続ヌクレオチドの断片、特に断片
Figure 2008533999
を含むオリゴヌクレオチドであるかまたは含む。
各キットは、更に適当な増幅試薬を含み得る。しかしながら、前記試薬は別に用意してもよいので、前記試薬はキットの必須部分ではない。
多くの生物学的分析方法において、固相を液相から分離し、その後洗浄しなければならない。固相を洗浄するためには、限定量のバッファー溶液を固相を収容している反応容器にピペットで移して、固相をバッファー溶液中に懸濁させる。次いで、固相及び液相を分離する。次いで、液相を吸引(アスピレーション)により除去し、新しい洗浄プロセスを開始する。通常、洗浄サイクルを複数回実施し、各サイクルは懸濁、分離及びアスピレーションプロセスを含む。
固相としての磁性粒子の使用及び永久磁石を用いる分離は原則としては公知である。永久磁石は粒子を反応容器の壁に引きつけ、そこに保持する。
磁性粒子は分離方法においてしばしば使用されている。磁性粒子を使用する生物学的アッセイ方法及び精製方法は多数ある。例えば、イムノアッセイ方法、核酸ハイブリダイゼーションアッセイ等である。磁性粒子は、粒状成分、タンパク質、核酸を含んでいる材料から粒状成分、タンパク質、核酸を分離するための精製方法でも使用され得る。磁性粒子は例えば成分に対して特異的アフィニティーを有する試薬でコーティングされているので、該粒子が混合物から特定の成分を分離するために使用され得る。磁性粒子は、例えば磁性粒子と共に流体が収容されている容器の壁に引き寄せられ、流体は除去され得、場合により別の流体と交換され得る。よって、粒子を除去しようとする特定の成分を含む流体と混合し、前記成分は磁性粒子に結合し、磁気が流体中の混合物の残りから成分及び粒子を分離するために使用され得る。場合により、磁性粒子は洗浄され得、別の流体中で分離され得る。或いは、成分を粒子から除去して別の流体に導入してもよい。増幅し、アンプリコンをサンプルの残りから分離した後に検出を実施するので、磁性粒子の使用は不均一手順である。
均一手順では、増幅及び検出を反応成分を分離することなく実施する。アンプリコンは増幅過程で検出される。よって、アンプリコンの生成はリアルタイムでモニターされ得、こうして得たデータを使用してアンプリコンの存在または不在、或いはその量を測定することができる。均一技術において非常に有用であるプローブの1タイプは分子ビーコンである。
分子ビーコンは、ステム・ループ構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドである。ループ部分は標的核酸(DNAまたはRNA)に相補的な配列を含む。ステムは3’末端の相補的配列を5’末端とハイブリダイズするために形成される。ステムは標的と無関係であり得、二本鎖である。ステムの1つの腕を蛍光染料(蛍光体)を用いて標識し、他方の腕はクエンチング分子にカップリングさせる。ステム・ループ状態では、蛍光体のエネルギーがクエンチング分子に移動するのでプローブは蛍光を発しない。分子ビーコンが標的にハイブリダイズすると、ステム・ループ構造が失われ、クエンチャー及び蛍光体が分離する。この段階で蛍光体より発された蛍光が検出され、定量され得る。
用語「アナライト」、「アンプリコン」、及び「標的」または「標的配列」は本明細書中で互換可能に使用され得る。アナライトは検出しようとするオリジナル核酸分子である。標的配列はプライマーを用いて増幅されるアナライトの一部である。増幅させると、アンプリコンが形成される。アンプリコンはプローブにハイブリダイズすることにより物理的に検出される核酸分子である。アンプリコンの配列はアナライト内の標的配列と同一であるかまたは相補的である。
本発明を添付図面を参照して下記実施例において更に説明する。
フィブリノーゲンハプロタイプ及び静脈血栓症のリスク
1.方法
(1.1)研究集団
ライデン血栓性素因研究の設計はKosterら,Lancet,342:1503−1506(1993)及びVan der Meerら,Thromb.Haemost.,78:631−635(1997)に詳記されている。
本研究には、全部で深部静脈血栓症の最初のエピソードが客観的に確認された474人の患者及びこれらと性別及び年齢で頻度整合されている474人の対照を加えた。活動的な癌を有する個人は排除した。対照被験者は患者の知人またはパートナーであり、癌を患ってはいなかった。両群の平均年齢は45才(患者の年齢は15〜69才、対照の年齢は15〜72才)であった。両群は272人(57.4%)の女性及び202人(42.6%)の男性から構成されていた。
静脈血を0.1容量の0.106モル/L クエン酸トリナトリウム中に集めた。室温で2000gで10分間遠心することにより血漿を作成し、−70℃で保存した。高分子量DNAを標準的方法により白血球から単離し、−20℃で保存した。DNAサンプルを471人の患者及び471人の対照から入手した。血漿サンプルは473人の患者及び474人の対照から入手した。
(1.2)遺伝子分析
FGG遺伝子には5個のハプロタイプ、FGA遺伝子には7個のハプロタイプ、FGB遺伝子には7個のハプロタイプが公知である(図3)。これらのハプロタイプをタギングするために、すべての被験者を15個のハプロタイプタギング(ht)SNP、すなわちFGG中4個、FGA中6個のハプロタイプタギング(ht)SNPについて遺伝子同定した(表2)。FGBの遺伝子同定はポリメラーゼ連鎖反応及び制限断片長多型分析により実施した。
Figure 2008533999
FGA及びFGGの遺伝子同定は5’ヌクレアーゼ/TaqManアッセイ(Livak,Genet.Anal.,14:143−149(1999))を用いて実施した。
蛍光対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブ(Assay−by−Design/Assay−on−Demand,米国フォスターシティに所在のApplied Biosystems)を用いるポリメラーゼ連鎖反応をPTC−225(ドイツ国Hessisch Oldendorfに所在のBiozym)を用いて実施し、対立遺伝子識別のための蛍光終点読取りはABI 7900 HT(米国フォスターシティに所在のApplied Biosystems)を用いて実施した。失われたDNA、遺伝子同定の失敗、または遺伝子内の組換えのために10人の患者及び9人の対照ではハプロタイプを帰属できなかった。ハプロタイプ及びLD分析のためにArlequin集団遺伝ソフトウェア(バージョン2)(Schneiderら,Arlequin:a software for population genetics data analysis(2000),Genetics and Biometry Lab,Department of Antropology,University of Geneva)及びHaploviewソフトウェアv2.0530を使用した。
(1.3)配列決定
選択した個人において、3つのフィブリノーゲン遺伝子のすべてのプロモーター、5’UTR、エクソン、イントロン/エクソン境界及び3’UTRをABI PRISM(登録商標)310遺伝アナライザー(米国ボストンに所在のPerkin Elmer)を用いて配列決定した。反応はABI PRISM(登録商標)BigDyeターミネーター・サイクル配列決定キット(Perkin Elmer)を用いて実施した。プライマーを以下にリストする。
Figure 2008533999
(1.4)フィブリノーゲン測定
全フィブリノーゲンをDade(登録商標)トロンビン試薬(米国フロリダ州のマイアミに所在のBaxter)を用いてクラウス法に従って測定した。試験はElectra 1000(米国プレザントビルに所在のMLA)を用いて実施した。全フィブリノーゲンレベルはU/dL(ここで、100U/dLは2.8 g/Lに相当する)で表示した。クラウス法により測定した全フィブリノーゲンは、市販の家兎抗フィブリノーゲン抗体(デンマーク国グロストルップに所在のDAKO A/S)を用いるELISAにより測定した全フィブリノーゲンにうまく一致した(R=0.902;n=60)。
(1.5)フィブリノーゲンγ’抗原測定
フィブリノーゲンγ’(すなわち、γA/γ’及びγ’/γ’フィブリノーゲン)抗原レベルを、米国特許出願公開第2003/0003515号に開示されている(オランダ国フェーネンダールに所在のCampro Scientificから入手可能な)γ’鎖のカルボキシ末端配列(VRPEHPAETEYDSLYPEDDL(配列番号28)から構成されるペプチドに対する抗体2.G2.H9を用いるELISAにより測定した。この抗体はトロンビンに対する高アフィニティー結合部位を含むエピトープを認識し、γ’鎖に対して特異的である。
プラスチック製96ウェル微量測定プレート(オランダ国Alphen a/d Rijnに所在のGreiner)に2μg/mlのマウス抗ヒトγ’フィブリノーゲンをコーティングし(110μ1/ウェル)、4℃で一晩インキュベートした。プレートを110μ1の洗浄バッファー(50mM トリエタノールアミン,100mM NaCl,10mM EDTA,0.1% トゥイーン20,pH7.5)中1% ウシ血清アルブミン(BSA)を用いて室温で1時間ブロックした。希釈バッファー(50mM トリエタノールアミン,100mM NaCl,10mM EDTA,0.1% トゥイーン20,10mM ベンズアミジン,pH7.5)で希釈した100μlの血漿サンプルをウェルに添加し、プレートを室温で1時間インキュベートした。サンプル希釈物は室温で少なくとも3時間安定であった。
結合フィブリノーゲンγ’(γA/γ’+γ’/γ’)は、100μlの1:20,000希釈したHRP−コンジュゲート家兎抗ヒトフィブリノーゲン(オランダ国グロストルップに所在のDAKO A/S)を用いて検出した。室温で1時間インキュベートした後、プレートを100μl/ウェルの基質バッファー(0.1M 酢酸ナトリウム(pH5.0),0.1mg/ml テトラメチルベンジジン,0.01% H)とインキュベートした。15分後、1M HSO(50μ1/ウェル)を添加することにより反応を停止し、450nmでの吸光度を分光光度計を用いて測定した。すべてのインキュベーションステップの間、ウェルを洗浄バッファーで3回洗浄した。
定義上100U/dLのフィブリノーゲンγ’(γA/γ’+γ’/γ’)を含有しているプールした正常血漿の1:2,000〜1:128,000希釈物を用いて検量線を作成した。血漿サンプルのフィブリノーゲンγ’抗原を2つの異なる独立した希釈物(1:8,000、1:16,000)の測定の平均結果として計算した。結果をU/dLで表示した。平均変動係数(CV)は9.3%であった。アッセイ内変動は4.5%であった。
(1.7)統計分析
健康な対照において、各htSNPに対するハーディ・ワインバーグ平衡をX分析により試験した。フィブリノーゲンのハプロタイプが血栓症に関連していたかどうかを調べるために、Woolf(Ann.Hum.Genet.,19:251−253(1955))に従ってオッズ比(OR)及び95%信頼区間(95%CI)を相対リスクの尺度として計算した。これは、基準カテゴリー(例えば、非ハプロタイプ2キャリア)に対する罹患カテゴリー(例えば、ハプロタイプ2キャリア)における血栓症の発現リスクを示す。
3つのフィブリノーゲン遺伝子はDNAの50kbの単一ストレッチ上に位置している。このために高度の連鎖不均衡(LD)が生ずる。これを調整するために、各遺伝子のリスクハプロタイプのオッズ比を多重ロジスティック回帰分析を用いて計算した。
症例−対照研究における関連の主な尺度はオッズ比により推定される相対リスクである。このオッズ比は、リスクファクターを持たない被験者(すなわち、リスクファクターの基準カテゴリー)における疾患が発現リスクに対するリスクファクターを持つ被験者(すなわち、リスクファクターカテゴリー)において疾患が発現するリスクを示す。症例−対照研究において、このオッズ比は罹患オッズ比、すなわち対照における罹患オッズに対する症例における罹患オッズの比として計算する。このオッズ比は、疾患の無関係行列式が研究中のリスクファクターカテゴリーにわたり不均一分布を有しているときに生ずる交絡のためにバイアスされることがある。この場合、オッズ比を調整しなければならず、これは交絡因子のカテゴリーに基づく層を用いる階層化分析からの共通推定値を計算することにより実施される。同時に多段交絡子を調整するための主分析技術は無条件ロジスティック回帰分析である。簡単に説明すると、
log(p/(1−p))=b+b+b
p=症例の場合は1、対照の場合は0;
=切片;
=当該変数の回帰分析係数;
=当該変数のカテゴリー;
=潜在交絡子(k=2,3,4…)に対する当てはめロジスティック回帰分析係数;
=交絡変数(k=2,3,4…)のカテゴリー。
このモデルにおいて、真数(b)は当該変数のオッズ比である。ロジスティック回帰分析アルゴリズムは反復手順により係数を推定し、標準偏差はゆう度関数から誘導する。標準偏差は95%信頼限界を構築するために役立つ。
各種フィブリノーゲンハプロタイプ、血漿フィブリノーゲンレベル及びフィブリノーゲンγ’レベル間の関連を調べるために、95%CIでの平均レベルを計算した。対照被験者で測定したフィブリノーゲンγ’レベルの四分位数を低フィブリノーゲンγ’レベルが静脈血栓症のリスクと関連していたかどうかを評価するためのカットオフポイントとして使用した。多重ロジスティック回帰分析を、高レベルの全フィブリノーゲン(四分位数)に対するフィブリノーゲンγ’レベル(四分位数)及びリスクゲノタイプ/ハプロタイプ(FGG−H2)を調整するために使用した。対照被験者で測定したγ’/γ比の10パーセント点(P10)を、低γ’/γ比が静脈血栓症のリスクに関連していたかどうかを評価するためのカットオフポイントとして使用した。
結果
942人の全被験者の遺伝子同定から、15の選択htSNPはFGGの4つのハプロタイプ、FGAの5つのハプロタイプ、FGBの6タイプに同定された(図3参照)ことが示された。すべてのhtSNPについて、対照被験者におけるゲノタイプの分布はハーディ・ワインバーグ平衡にあった。Haploviewによる遺伝子同定データの精査から、予想通り3つの異なるフィブリノーゲン遺伝子のSNP間の高度の連鎖非平衡が判明した(データ示さず)。Arlequin出力は、ハプロタイプが遺伝子クラスター全体で連続していることを示していた。表3に、対照被験者における>1%の対立遺伝子頻度を有する連続ハプロタイプが示されている。多くの組換えがFGB及びFGA遺伝子間に存在していた。
Figure 2008533999
3つすべての遺伝子において、H2と呼称するハプロタイプの1つに対してホモ接合性の被験者は他の被験者に比して高い血栓症リスクを有していた(表4a)。
Figure 2008533999
Figure 2008533999
これらの遺伝子中のハプロタイプは独立して遺伝されないので、血栓症に対する影響に関与する遺伝子(及びその後SNP)を同定することは困難である。従って、各遺伝子のリスクハプロタイプ(H2)及び防護ハプロタイプ(H3)の両方のOR及び95%CIを多重ロジスティック回帰分析により計算した。連続ハプロタイプの3つの別々のハプロタイプ(例えば、FGG−H2、FGA−H2及びFGB−H2)を1つのモデルに挿入することにより、他の2つの遺伝子のハプロタイプの影響について1つの遺伝子のハプロタイプの影響を補正することができる。FGA−H2H2(OR=0.5,95%CI:0.2−1.9)及びFGB−H2H2(CR=1.3,95%CI:0.6−2.8)に関連するリスクはほぼ完全に消失したが、FGG−H2H2に関連するリスクはそのままであった(OR=3.5,95aCI:1.0−12.5)。このことから、我々はH2の原因突然変異がFGG遺伝子中のどこかに存在していなければならないと結論づける。H3の場合、FGG−H3H3ではリスクの低下のみがそのままであった(表4b)。
Figure 2008533999
Figure 2008533999
高いフィブリノーゲンレベルはDVTのリスクに関連しているので、まず対照被験者においてFGG、FGA及びFGBのハプロタイプがフィブリノーゲンの血漿レベルに関連していたかどうかを調べた。各種ハプロタイプのホモ接合性キャリアの平均フィブリノーゲンレベルを表5に示す。いずれのハプロタイプも血漿フィブリノーゲンレベルに関連していなかった。
Figure 2008533999
FGA、FGB及びFGGハプロタイプの血漿フィブリノーゲンレベルに対する定量的影響が観察されなかったので、(血栓症のリスクを高める)FGG−H2は定性的欠陥、すなわちアミノ酸配列を変化させ、よってフィブリノーゲンγ鎖の幾つかの機能特性を変化させるSNPを含んでいなければならない。FGG遺伝子中で測定された4つのFGG H2タギングSNPのいずれもがアミノ酸配列を変化させなかったので、FGG−H2キャリアの一部がFGG遺伝子のコード領域中に別の変異を有していた可能性が考えられた。従って、FGG−H2にホモ接合性の10人のDVT患者の遺伝子(20 FGG−H2対立遺伝子)をプロモーター、5’UTR、エクソン、イントロン/エクソン境界及び3’UTRを含めた完全遺伝子−クラスターにわたり配列決定したが、新規な変異は発見されなかった。このことは、本研究においてFGG−H2に特異的である4つのSNPの1つがリスク増強SNPであることを示した。
これら4つのFGG−H2特異的SNPの1つがプロモーター(129A/T[rs2066854])中、1つがイントロン8(7874G/A[rs2066861])中、1つがイントロン9(9615C/T[rs2066864])中、1つが3’非翻訳領域(10034C/T[rs2066865])の下流に位置している。本発明者らは、これら最後の2つのSNP(9615C/Tまたは10034C/T)がそれぞれフィブリノーゲンγ’及びγA転写物のポリアデニル化部位に近接し、よってフィブリノーゲンγ’発現を変化させることによりFGGプレmRNAの選択的スプライシングの効率に影響を与えたと推論した(図2)。
γ鎖は2つの形態、すなわちγA及びγ’で存在している(図2)。γA鎖は、プレmRNAの9つすべてのイントロンが除去されているmRNAから翻訳される。対照的に、γ’鎖はFGGプレmRNAの選択的プロセシングにより生ずる。イントロン9はスプライシングされず、このイントロン内でポリアデニル化が起こる。こうすると、エクソン10によりコード化されるカルボキシ末端の4つのアミノ酸が置換したイントロン9によりコード化されるユニークな20−アミノ酸延長部を有するポリペプチドが翻訳される。この変異鎖は血漿中に存在するフィブリノーゲンγ鎖の約7〜15%を含んでいる。γ’タンパク質の殆どすべてがインビボでは1つのD領域がγ’カルボキシル末端を含み、他の領域がγAカルボキシル末端を含むγA変異体とのヘテロダイマーとして存在している。
9615T及び10034Tの両方を含むFGG−H2はγ’形成に関連し、γ’形成は血栓症リスクに影響を与える。H2特異的SNP 7874G/A及び10034C/T間の可能性ある組換えを同定するために、すべての被験者をSNP 10034C/Tについて分類した。10034C/Tが7874G/Aに完全にリンクしていた所見から、SNP 7874G/Aと10034C/T間の組換えの可能性が除外された。
473人の患者及び474人の対照のフィブリノーゲンγ’(すなわち、γA/γ’及びγ’γ’)レベルをELISAにより測定した。本発明者らがリスクハプロタイプと同定したFGG−H2は低いフィブリノーゲンγ’レベルと強く関連していた(表6)。1つのH2対立遺伝子のキャリアに関して最低レベル及び中間の値を有するホモ接合性H2キャリアでフィブリノーゲンγ’レベルに対するFGG−H2ハプロタイプの明確な対立遺伝子特異的且つ用量依存性効果があった。更に、FGG−H3対立遺伝子は高いフィブリノーゲンγ’レベルと関連していた。
Figure 2008533999
Figure 2008533999
患者(平均:111U/dL,95%CI:107−115)と対照(平均:111U/dL,95%CI:108−114)の間のフィブリノーゲンγ’レベルに差はなかった。低いフィブリノーゲンγ’レベルが静脈血栓症の高いリスクと関連していたかどうかを評価するために、対照被験者で測定した四分位数をカットオフポイントとして使用した。低いフィブリノーゲンγ’レベル(最低四分位数)は、最高四分位数と比較して僅かに高いリスク(OR=1.3,95%CI:0.9−1.8)と関連していた(表7a)。しかしながら、フィブリノーゲンγ’レベルは、FGGプレmRNAのスプライシング及びポリアデニル化効率によっても、フィブリノーゲン合成、消費及びクリアランスの程度によっても測定されない。実際、全フィブリノーゲンレベルとフィブリノーゲンγ’レベルの間の良好な相関関係が見られた(図4)。
Figure 2008533999
従って、本発明者らは(対照で測定した)フィブリノーゲンγ’レベルの四分位数及び全フィブリノーゲンレベルの四分位数について階層化した静脈血栓症のリスクを計算した(表8)。全フィブリノーゲン四分位数の各々ではフィブリノーゲンγ’レベルが低下すると静脈血栓症のリスクが高まり、フィブリノーゲンγ’四分位数の各々では全フィブリノーゲンレベルが上昇すると血栓症のリスクが高まる。このことは、低いフィブリノーゲンγ’レベル及び高いフィブリノーゲンレベルが静脈血栓症に対する2つの別々のリスクファクターであったことが判明した。この所見を確認するために、我々はフィブリノーゲンγ’レベルの四分位数及び全フィブリノーゲンレベルの四分位数に対する静脈血栓症のリスクを計算するためにロジスティック回帰分析を使用した。この分析から、低いフィブリノーゲンγ’レベル及び高い全フィブリノーゲンレベルの両方が静脈血栓症の高いリスクに関連していたことが判明した(表7a,B列)。
Figure 2008533999
FGG−H2が低いフィブリノーゲンγレベル及びDVTの高いリスクに関連していたので、FGG−H2をフィブリノーゲンγ’の四分位数及びフィブリノーゲンの四分位数と一緒に同一モデルに加えた(表7a,C列)。低いフィブリノーゲンγ’レベル及び高い全フィブリノーゲンレベルに関連するリスクは変化しなかったが、FGG−H2ホモ接合性に関連するリスクはほぼ完全に消失した(OR=1.4,95%CI:0.8−2.5)。このことは、FGG−H2の効果がフィブリノーゲンγ’レベルに対するその作用により媒介されることを示している。
フィブリノーゲンγ’及び全フィブリノーゲンの血漿濃度が血栓症リスクに影響を及ぼし、フィブリノーゲンγ’レベルが常に全フィブリノーゲンレベルに依存しているので、静脈血栓症のリスクに対するフィブリノーゲンγ’/全フィブリノーゲン比(γ’/γ比)の影響も分析した。γ’/γ比は対照(平均:0.95,95%CI:0.93−0.97)に比して患者(平均:0.89,95%CI:0.87−0.92)では低かった。対照被験者で測定した10パーセント点(P10)に相当するγ’/γ比が0.69未満の個人は、γ’/γ比が≧0.69の個人に比して静脈血栓症の高いリスクを有している(OR=2.4,95%CI:1.7−3.5)(表7b)。FGG−H2は低いフィブリノーゲンγ’レベルに関連しているだけでなく、低いγ’/γ比にも関連していた(表6)。FGG−H2を同一ロジスティック回帰分析モデルにγ’/γ比のP10と一緒に加えた。低いγ’/γ比(<0.69)に関連するリスクはそのままであり(OR=2.2,95%CI:1.3−3.5)、FGG−H2ホモ接合性に関連するリスクはかなり消失した(OR=1.2,95%CI:0.6−2−3)。このことは、FGG−H2ハプロタイプがγ’/γ比を低下させることにより静脈血栓症のリスクに作用することが分かる。
Figure 2008533999
検討
FGG、FGA及びFGB遺伝子の最も一般的なハプロタイプの静脈血栓症のリスクに対する影響を大集団をベースとする症例−コントロール研究であるライデン血栓性素因研究で調べた。血栓症のリスクを高める3つのハプロタイプ、すなわちEGG−H2、FGA−H2及びFGB−H2が見つかった。3つの遺伝子間の連鎖不平衡を調整した後、FGG−H2ハプロタイプのみが静脈血栓症の高いリスクに関連したままであった。FGG−H2ハプロタイプのホモ接合性キャリア(集団の5.9%)では、最初の静脈血栓イベントを発現するリスクが2.4倍高かった(95%CI:1.5−3.9)。FGG−H2ハプロタイプも低い血漿フィブリノーゲンγ’レベル(γA/γ’プラスγ’/γ’フィブリノーゲン)及び低いフィブリノーゲンγ’/全フィブリノーゲン比(γ’/γ比)に関連していることが判明した。
更に、静脈血栓症のリスクは、たとえFGG−H2ハプロタイプの存在について調整した後でも高いフィブリノーゲンレベル及び低いフィブリノーゲンγ’レベルに応じて増加することも知見された。FGG−2ハプロタイプがフィブリノーゲンγ’の血漿レベルを低下させることにより静脈血栓症のリスクを高めるとの結論が得られた。フィブリノーゲンγ’レベルがフィブリノーゲンレベルに関連し(図5)、高いフィブリノーゲンレベルが静脈血栓症の高いリスクにも関連しているので、リスク決定要素としてγ’/γ比を使用することがより実際的であると見なされる。γ’/γ比が健康被験者(0.69)で測定した分布のP10未満である個人では、たとえFGG−H2ハプロタイプについて調整した後であっても静脈血栓症のリスクが2.4倍高かった。対照の82%及びγ’/γ比が<0.69の症例の91%がFGG−H2ハプロタイプのホモ接合性キャリアであった。
リスクハプロタイプFGG−H2は、そのレア対立遺伝子が前記ハプロタイプに対してユニークである4つの完全にリンクしている多形、すなわち129A/T(rs2066854)、7874G/A(rs2066861)、9615C/T(rs2066864)及び10034C/T(rs2066865)により定義される。rs番号はdbSNP(http://www.ncbi.nlm.nih.govを介してアクセス可能)に従ってSNPを同定する。また、940個人集団の本研究では、7874G/Aと10034C/T多型の間の組換えは見られなかった。本発明者らは、10034C>T変化があり、この結果CstFコンセンサス部位が改善されるので血漿フィブリノーゲンγ’が低くなり、γ’/γ比が低くなる。
FGG−H2は静脈血栓症の高いリスクに関連する唯一のハプロタイプとして同定され、FGG、FGAまたはFGBハプロタイプのいずれもが健康な対照被験者の血漿フィブリノーゲンレベルに関連していなかった。よって、FGG−H2の検査が診断ツールとして使用され得る。
フィブリノーゲンγ10034C>T多型のT対立遺伝子は、FGG遺伝子中のヌクレオチド10030−10047のCstF部位に対するコンセンサスを強化することによりフィブリノーゲンγ遺伝子の選択的スプライシングの効率を低下させる。

実施例1において、フィブリノーゲンγ遺伝子のハプロタイプ(FGG−H2)が深部静脈血栓症の高いリスク及び低いフィブリノーゲンγ’レベルに関連していたことを報告した。このハプロタイプ中に存在するハプロタイプタギング一塩基多型(htSNP)についてFGG−H2を調べた後、10034C>T多型のT対立遺伝子[rs2066865](SeattleSNPs(D.Nickerson,SeattleSNPs.NHLBI Program for Genomic Applications,ワシントン州シアトルに所在のUW−FHCRC,http://pga.gs.washington.edu.15−4−2003)に従ってナンバリング;GenBank受託番号AF350254)がフィブリノーゲンγ遺伝子の選択的スプライシングの効率に影響を及ぼすことによるフィブリノーゲンγ’レベルの低下に関与していたと仮定された。
10034C>T多型は、第2ポリアデニル化(pA)シグナル(nt 9997−10002(pA2)のすぐ下流の切断刺激因子(CstF)コンセンサス2a(K.Beyerら,J.Biol.Chem.,272:26769−26779(1997))配列(nt 10030−10047のYGTGTYTTYAYTGNNYGT)中に位置している;図8参照。このポリアデニル化シグナルを使用して、フィブリノーゲンγA鎖をコード化するmRNAを形成する。フィブリノーゲンγ’鎖をコード化するmRNAを形成するために使用されるポリアデニル化シグナル(pA1)はイントロン9中のnt 9558−9563に位置している。ヌクレオチド10034にT(CstFコンセンサス配列に下線を付している)を含むFGG−H2では、CstF配列はいずれも10034位にCを有する他の一般的FGGハプロタイプ(H1、H3及びH4)に比して強化されている。
このCstFコンセンサスの改善によりFGG−H2対立遺伝子に由来するプレmRNA中のnt 9997−10002のポリアデニル化シグナル(pA2)がより頻繁に使用され、コンセンサスpA1(γ’特異的ポリアデニル化)として余り頻繁に使用されないと仮定された。従って、FGG−H2は(pA2を用いて)比較的より多くのγA転写物及び(pA1を用いて)比較的より少ないγ’転写物を産生し、インビボでFGG−H2のホモ接合性キャリアにおいて観察される低いフィブリノーゲンγ’レベル及びフィブリノーゲンγ’/全フィブリノーゲン比に相当するであろうと予想される。
イントロン9中に、FGG−Hに特異的であり且つその位置に基づいてフィブリノーゲンγ遺伝子の選択的スプライシングの効率に影響を及ぼす別の多型が1つある。9615C>T[rs2066864]多型はイントロン9中のnt 9558−9563の第1ポリアデニル化シグナルから3’の位置にあり、フィブリノーゲンγ’特異的転写物がもたらされる。
多型9615C>T及び10034C>TのフィブリノーゲンγプレmRNAの選択的スプライシングの効率に対する役割を調べるために、各種FGGミニ遺伝子構築物(表9参照)を作成し、肝由来HepG2細胞に形質移入した。トラクスフェクション後、mRNAを細胞から単離し、各種構築物の各々について選択的スプライシングの効率の尺度としてpA1及びpA2の相対使用をリアルタイムPCRにより推定した。FGGプレmRNAの選択的スプライシングの効率を測定する際のnt 10030−10047のCstFコンセンサス配列の重要性を確認するために、nt 10030−10047のCstFコンセンサスを同一コンセンサス配列に基づいて他の位置に突然変異を導入することにより更に強化、弱化させた(表10参照)。
方法
1. FGGハプロタイプミニ遺伝子構築物
本研究で使用したミニ遺伝子は強力CMVプロモーターを含有する発現ベクターpcDNA3(Invitrogen)に基づいていた。フィブリノーゲンγ遺伝子のエクソン9、イントロン9、エクソン10及び3’UTRを含有する1090bp遺伝子を、FGG−H1及びFGG−H2に対してホモ接合性のゲノムDNAサンプルに高忠実度ポリメラーゼ(Taq/Tgo混合物,Roche)を用いてPCRすることにより増幅させた。前進プライマー(5’−GTC GAT CGG TCT AGA CCA CCA TGG GTG GCA CTT ACT CAA AAG CAT C−3’(配列番号29))が翻訳開始部位(イタリック)及びXbaIに対する導入制限部位(下線)を有するコザック配列を含んでいた。スプライシングされたmRNAのナンセンス仲介崩壊を伴う潜在的問題を防止するめために、エクソン9の天然リーディングフレームとインフレームにある出発コドンを導入した。逆行プライマー(5’−CAA CTA GAA TGC AAA GAG TTA GGC ATA ACA TTT AGC A−3’(配列番号30)をBsmIに対する導入制限部位(下線)を含んでいた。
PCR産物及びベクターをXbaI及びBsmIで二重消化し、PCR産物をベクターのXbaI及びBsmIにクローニングした。実験の干渉を防止するために、XbaI及びBsmIで二重消化することによりウシ成長ホルモン及びSV40ポリアデニル化部位をベクターから除外した。
7つの異なるFGGミニ遺伝子構築物を作成した(表9)。構築物1(9615C,10034C(FGG−H1))及び構築物2(9615T,10034T(FGG−H2))は各々FGGのハプロタイプを有していた。構築物3(9615C,10034T)及び構築物4(9615T,10034C)はベクター中の断片の上流のHindIII部位及びインサートのnt 9908−9913の内部HindIII部位を用いて構築物1及び2の間のHindIII制限断片を交換することにより誘導した。
Figure 2008533999
すべての構築物を多型部位の同一性を確認するため、PCR人工産物が導入されなかったことを確認するために、すべての構築物を配列決定することにより分析した。配列決定は、ABI PRISM(登録商標)3100 Genetic Analyzer(Applied Biosystems)を用いて実施した。反応はABI PRISM(登録商標)BigDye Terminator Cycle Sequencingキット(Applied Biosystems)を用いて実施した。プライマー配列を下表にリストする。
Figure 2008533999
2. CstFコンセンサス突然変異
部位特異的突然変異は、Quikchange(商標)部位特異的突然変異キット(Stratagene)を用いて製造業者のプロトコルに従って実施した。全体として、4つのCstFコンセンサス変異体を作成した(表10)。CstF変異体1では10031GがAに突然変異された。CstF変異体2では10031G及び10042Gの両方がAに突然変異された。CstF変異体3では10033AがGに突然変異され、CstF変異体4では10033A及び10046Aの両方がGに突然変異された。
Figure 2008533999
以下の変異体オリゴを使用した(突然変異ヌクレオチドには下線が付されている):
CstF変異体1:5’−GAC TAG ATA CAT GT ACC TTT ATT GAC CAT TAA AAA CCA CC−3’(配列番号38)及び逆相補鎖、
CstF変異体2:5’−GAC TAG ATA CAT GT ACC TTT ATT AC CAT TAA AAA CCA CC−3’(配列番号39)及び逆相補鎖、
CstF変異体3:5’−GAC TAG ATA CAT GGT CC TTT ATT GAC CAT TAA AAA CCA CC−3’(配列番号40)及び逆相補鎖、
CstF変異体4:5’−GAC TAG ATA CAT GGT CC TTT ATT GAC CT TAA AAA CCA CC−3’(配列番号41)及び逆相補鎖。
突然変異を確認するために、すべての突然変異構築物を配列決定により分析した。
3. トラクスフェクション条件
構築物をHepG2細胞にトラクスフェクトした。内因性フィブリノーゲンを産生する白人ハプロタイプ肝細胞肝癌細胞株HepG2(ECACC,#85011430)をECACの指示に従って培養した。細胞を12ウェルプレートにおいて培養し、24時間後トランスフェクションをTfx−20試薬(Promega)を用いて製造業者のプロトコルに従って60〜80%集密度で実施した。1μgの各構築物を全容量400μlの増殖培地(10%(v/v) ウシ胎児アルブミン、60U/ml ペニシリン/ストレプトマイシン及び0.1mM 非必須アミノ酸を補充したMEM)において3μ1のTfx−20試薬を用いて形質移入した。各構築物は両方の転写物(γA及びγ’)を産生するので、トランスフェクション効率の差を補正する必要はなかった。独立のトランスフェクション実験を2つの別々の構築物調製物を用いて実施した。
4. 全RNA単離
トリプシン処理により細胞を収集した後、全RNAをRNeasyミニキット(Qiagen)を製造業者のプロトコルに従って用いて単離した。各RNAサンプルを10単位のDNアーゼI(Roche)と37℃で15分間インキュベートした後65℃で15分間不活性化した。全RNAサンプルの各々の量をアガロースゲル電気泳動によりチェックした。
5. cDNA合成
cDNA合成は、逆転写酵素(RT)用一本鎖cDNA合成キット(SuperScript(商標)II逆転写酵素,Invitrogen)及び1μgのHepG2細胞由来のRNAを用いてプロトコルに従って実施した。ただし、改変したオリゴd(T)プライマー(5’−AGC TGG TCA GTC GTC AGC TGA(T)16−3’(配列番号42))を使用した。このプライマーを用いて、mRNAのみがcDNA合成のための鋳型として使用することができる。
6. リアルタイムPCR分析
各サンプルについて、選択的スプライシングの効率を蛍光標識したプローブを用いてリアルタイムPCRにより測定した。ヘテロ二本鎖の形成を防止するために、2つの別々のPCR反応においてpA1及びpA2転写物の濃度を分析した。両反応において、内因性フィブリノーゲンmRNAを増幅させることなく構築物転写物に由来するcDNAのみを増幅させるために前進プライマー(5’−TGC AGA TAT CCA TCA CAC TGG−3’(配列番号43))をベクター上に配置した。
pA2転写物を調べるために、逆行プライマー(5’−GAA GTG AAG CTT TGC AAG TCC−3’(配列番号44))をFGGの3’UTRに配置した(図9参照)。pA2転写物に対して特異的なプローブ(5’−FAM−GAC GTT TAA AAG ACC GTT TCA AA−BHQ−3’(配列番号45))をエクソン10及び3’UTRの境界に配置した(図9)。pA1転写物を調べるために、逆行プライマー(5’−TCA TCC TCA GGG TAA AGT GAG TC−3’(配列番号46))をγ’鎖カルボキシ末端の20追加アミノ酸をコードするイントロン9の部分に配置した(図9)。pA1転写物に特異的なプローブ(5’−TET−AGG TCA GAC CAG AGC ACC CT−BHQ−3’(配列番号:47))をエクソン9及びγ’鎖カルボキシ末端の20追加アミノ酸の境界上に配置した(図9)。産物の大きさは340bp(γA)及び280bp(γ’)であった。
リアルタイムPCR効率は、連続希釈したcDNA調製物の勾配から計算した。対数期の1サイクルの対応リアルタイムPCR効率(E)は式:
E=10[−1/勾配]
(M.W.Pfaffl,Nucleic Acids Res.,29:e45(2001))に従って計算した。pA2−及びpA1−転写物はいずれも未希釈〜10−5希釈cDNA入力(n=6)の範囲で高直線性で2.14のリアルタイムPCR効率を示した(ピアソン相関係数r>0.98)。
定量値は、反応内で発生した蛍光が閾値を横切る閾値サイクル数から得た(Ct値)。両反応において、増幅が対数期にある点で固定閾値を選択した(γA反応では0.25、γ’反応では0.10)。pA1転写物/pA2転写物の比の尺度として関数2−Δct(ここで、ΔctはCtpA1及びCtpA2の差である)を使用した。
リアルタイムPCRの正確さ及び再現性を確認するために、各cDNAサンプルを1ランの間に3回、4つの異なるランで分析した。アッセイ内CVが<1%のときにCt値が認められた。アッセイ間CVは<4%であった。すべての構築物の2つの異なるDNA調製物を3つの独立トランスフェクション実験で比較した。
7. 統計分析
構築物間のpA1及びpA2転写物の発現の差を分析するために、ハプロタイプ1を有する構築物のpA1転写物/pA2転写物の相対的発現(pA1/pA2比)を100%(野生型構築物)に設定した。このようにして、pA2の使用が多い構築物についてのpA1/pA2は100%未満である。逆に、pA2の使用が少ない構築物についてのpA1/pA2比は100%より高い。すべての構築物の平均相対的pA1/pA2比を野生型構築物との差について両側ステューデントt−検定を用いて試験した。
結果
1. FGGハプロタイプミニ遺伝子構築物
各種FGGミニ遺伝子構築物の野生型構築物(構築物1,FGG−H1)と比較したpA1及びpA2転写物の平均相対使用(pA1/pA2比)を図10に示す。構築物2(FGG−H2)のpA1/pA2比は野生型構築物について得た値と比較して低下していた(71.5 12%,p<0.001)。これは、FGG−H2がインビボでの低いフィブリノーゲンγ’レベルと関連しているという我々の先の所見に一致した。FGG−H2は選択的スプライシングの領域に2つのSNP(9615C>T及び10034C>T)1を含んでいるので、交換構築物3(9615C,10034T)及び4(9615T,10034C)が作成された。これらのハプロタイプはインビボで存在しないが、これらの構築物は2つのFGG−H2特異的SNPのいずれか1つがフィブリノーゲンγ’発現を低下させるかを調べるために作成した。
構築物3のpA1/pA2比は野生型構築物について得た値に比して低下し(85.3 3.3%,p=0.007)、構築物4の比は野生型構築物について得た値と有意な差はなかった(101.6 18.4%,p=0.881)。このことは、10034位のTがこの位置のCに比してpA1の相対使用を低下させたことを示していた。
これらのデータから、10034C>T変化がpA2を比較的多く使用し、pA1を少なくしか使用しないことに関与し、よって低下したγ’含量に関与することが立証される。これは静脈血栓症のリスクに関与していると我々が知見したことである。
2. CstFコンセンサス変異構築物
SNP 10034のT対立遺伝子の機能性を予測するために使用されるCstFコンセンサスを裏付けるために、CstFコンセンサスを他の位置で突然変異させた構築物を作成した(表10参照)。CstF変異体1では10031GをAに突然変異させた。仮定上、この突然変異がCstFコンセンサスを弱らせるので、このヌクレオチド変化によりpA2の使用を減らすことによりpA1の使用が有利となるのであろう。このことは、10031G及び10042Gの両方がAに突然変異されているCstF変異体2にも当てはまる。CstF変異体3及び4では、CstFコンセンサスが1つまたは2つのヌクレオチドにより強化されたので、フィブリノーゲンγ’発現におけるpA2の使用の増加及び結果としてのpA1の使用の低下が予想される。CstF変異体3では10033AがGに突然変異され、CstF変異体4では10033A及び10046Aの両方がGに突然変異された。
図11は、野生型構築物(96150,10034C)と比較したCstF変異構築物についてのpA1及びpA2の平均相対使用を示す。CstF変異体1(142.4%)及び2(160.7%)では、pA1が野生型構築物の場合よりも比較的より頻繁に使用された(1:p=0.008,2:p<0.001)。対照的に、CstF変異体3(66.2%)及び4(59.7%)では、pA1の相対使用が野生型構築物に比して低下している(3:p<0.001,4:p<0.001)。これらのデータから、10034Cが機能的CstFコンセンサス部位の一部であることが立証される。
被験者中のハプロタイプFGG−H2の存在の測定方法
個人中のFGG−H2ハプロタイプの存在を調べるために使用され得る1つの方法は前記個人を5’ヌクレアーゼ/TagManアッセイを用いてFGG−H2タギング多型10034C/Tを遺伝子同定することである。
典型的なアッセイでは、90個のDNAサンプル及び6個のブランクを96ウェルプレートにおいて分析する。FGG SNP 10034C/Tを遺伝子同定するために、PCRを22μ1の最終容量で10ngのゲノムDNA、200μMの各dNTP、PCRバッファー(KCl,トリスHC1)、3mM MgCl、490nMの各プライマー、109nMの各プローブ及び0.5UのHot Goldstarポリメラーゼ(Eurogentec)を用いて実施した。反応バッファー、MgCl、dNTPミックス及びGoldstarポリメラーゼはEurogentec、Seraing、Belgium(qPCR(商標)コアキット,カタログ番号RT−QP73−05)からのものであった。
プライマー及びプローブは米国フォスターシティーに所在のApplied Biosystemsからsingle−mix Assay−on−Demandとして入手した。熱サイクリングを、95℃で10分間インキュベートした後95℃で15秒間の変性を40サイクル実施し、60℃で1分間アニーニング/延長することにより実施した。熱反応はドイツ国Hessisch Oldendorfに所在のBiozym社製PTC−225サーマルサイクラーを用いて実施し、対立遺伝子識別のための蛍光終点読取りは米国フォスターシティーに所在のApplied Biosystems製ABI 7900 HTを用いて実施した。
得られ得る結果の典型例を図6及び7に示す。ここで、対立遺伝子XはFGG 10034Cであり、対立遺伝子YはFGG 10034Tである。ゲノタイプ10034CCを有する個人は赤色(下方右)、ゲノタイプ10034CTを有する個人は緑色(中央右)、リスクゲノタイプ10034TTを有する個人は青色(下方左)である。ブランクは黒色(下方左)である。DNAサンプルをライデン血栓性素因研究から患者/対照状態の情報なしにランダムに選択した。
以下のプライマー及びプローブを使用した:
Figure 2008533999
VIC及びFAMはプローブの3’末端で結合させた蛍光基であった。TAMRAはプローブの5’末端に結合させたクエンチャーとして使用した。プローブ2はレア10034T対立遺伝子に結合させることによりFGG−H2ハプロタイプを検出する。プローブ1は10034C対立遺伝子に結合させることによりFGGのすべての非FGG−H2ハプロタイプを検出する。
フィブリノーゲンの構造を示す。 γ鎖mRNAの選択的mRNAプロセシングを示す。γA鎖はプレmRNAの9イントロンのすべてが除去されているmRNAから翻訳され、ポリアデニル化はエクソン10の下流で起こった。対照的に、γ’鎖はFGGプレmRNAの選択的プロセシングにより生ずる。イントロン9は除去されず、ポリアデニル化はこのイントロン中にある第2部位で起こる。こうすると、ユニークな20アミノ酸延長を有し、イントロン9によりコード化され、エクソン10によりコード化されるγ鎖のカルボキシ末端4アミノ酸が置換されているポリペプチドが翻訳される。この変異鎖は血漿中に存在するフィブリノーゲンγ鎖の約7〜15%を含んでいる。γ’タンパク質のほぼ全部がγA変異体とのヘテロダイマーとしてインビボで生じ、1つのD領域はγ’カルボキシ末端を含み、他方はγAカルボキシ末端を含む(γA/γ’フィブリノーゲン)。 ライデン血栓性素因研究を遺伝子同定するために使用されるフィブリノーゲン遺伝子クラスターにおけるhtSNPを示す。ヌクレオチドのナンバリングはシアトルSNP(GenBankにAT350254(FGG)、AF361104(FGA)、AE388026(FGB)として寄託されている)に従っている。3つのフィブリノーゲン遺伝子(FGG、FGA、FGB)中のハプロタイプのナンバリングは任意である。F:ライデン血栓性素因研究の対照集団におけるハプロタイプ頻度。 対照被験者(n=471)における全フィブリノーゲンレベル(U/dL)とフィブリノーゲンγ’レベル(U/dL)のFGGハプロタイプ依存性相関関係を示す。◆(破線)FGG HxHx、□(点線)FGG H2Hx、▲(一点破線)FGG H2H2、(実線)すべて。 フィブリノーゲンγ遺伝子のハプロタイプ2対立遺伝子の配列を示す。突然変異はボールドの大文字で示す。 フィブリノーゲンγ遺伝子のハプロタイプ2対立遺伝子の配列を示す。突然変異はボールドの大文字で示す。 フィブリノーゲンγ遺伝子のハプロタイプ2対立遺伝子の配列を示す。突然変異はボールドの大文字で示す。 フィブリノーゲンγ遺伝子のハプロタイプ2対立遺伝子の配列を示す。突然変異はボールドの大文字で示す。 フィブリノーゲンγ遺伝子のハプロタイプ2対立遺伝子の配列を示す。突然変異はボールドの大文字で示す。 GenBank受託番号AF350254のFGG配列の基準配列を示す。 GenBank受託番号AF350254のFGG配列の基準配列を示す。 GenBank受託番号AF350254のFGG配列の基準配列を示す。 GenBank受託番号AF350254のFGG配列の基準配列を示す。 GenBank受託番号AF350254のFGG配列の基準配列を示す。 実施例2の結果を示す。 実施例2の結果を示す ミニ遺伝子構築物のインサートの概略図を示す。このインサートは多型9615C>T及び100340>Tを含むFGG遺伝子のエクソン9、イントロン9、エクソン10及び3’UTRを含んでいる。インサートの詳細については、図9のファイルを参照されたい。CstFコンセンサス配列とCstF変異体とアラインさせてSNP 10034C>T(下線を付した)を含む構築物配列の一部を拡大して示す。CstF変異構築物の突然変異ヌクレオチドはボールドで下線が付されている。縦線はアラインさせている構築物配列とCstFコンセンサス配列の間のヌクレオチドを示す(18中14)。 ミニ遺伝子構築物中のインサートのヌクレオチド配列を示す。インサート配列:FGG nt.9090〜nt.10151、ボールド二重下線:DNA由来のインサートを得るために使用したプライマー、点線下線:エクソン9及びエクソン10、標準:イントロン9、破線下線:3’UTR、イタリック:γ’鎖の20アミノ酸をコードするヌクレオチド配列、ボールド下線:逆プライマーリアルタイムPCR、ボールド:プローブリアルタイムPCR、中央のC:SNP 9615末端の ** :SNP 10034。 同一の図を色つきで示す。ピンク色:DNA由来のインサートを得るために使用したプライマー、青色:エクソン9及びエクソン10、黒色:イントロン9、緑色:3’UTR、茶色イタリック:γ’鎖の20アミノ酸をコードするヌクレオチド配列、橙色:逆プライマーリアルタイムPCR、ボールド:プローブリアルタイムPCR、中央の赤色C:SNP 9615、末端の赤色C:SNP 10034。 プライマー及びプローブリアルタイムPCR:構築物上前進方向:
Figure 2008533999
逆pA1−転写物:
Figure 2008533999
逆pA2−転写物:
Figure 2008533999
プローブpA1−転写物:
Figure 2008533999
プローブpA2−転写物:
Figure 2008533999
2つの別々の構築物調製物を用いた3つの独立トランスフェクション実験後のpA1及びpA2の相対使用(pA1/pA2比(%))を示す。4つのリアルタイムPCRを各cDNAサンプルを用いて3回実施した。基準構築物CC(9615C及び10034C);100%に設定、平均±標準偏差TT(9615T及び10034T):71.5%±12、CT(9615C及び10034T):85.3%±3.3、TC(9615T及び10034C):101.6%±18。 2つの別々の構築物調製物を用いる3つの独立トランスフェクション実験後の各種CstF変異ミニ遺伝子構築物についてのpA1及びpA2の相対使用(pA1/pA2比(%))を示す。3つのリアルタイムPCRを各cDNAサンプルを用いて3回実施した。基準構築物CstFC:100%に設定平均±標準偏差CstFmut1:142.4%±26、CstFmut2:160.7%±23、CstFmut3:66.2%±6、CstFmut4:59.7%±7。

Claims (31)

  1. 静脈血栓症、特に深部静脈血栓症の高いリスクを示し、図5Aに示すフィブリノーゲンγ遺伝子のハプロタイプ2(FGG−H2)(配列番号21)の少なくとも一部である遺伝マーカーが個人のゲノム中に存在するかを調べることを含む静脈血栓症、特に深部静脈血栓症の高いリスクを有しているかについて個人をスクリーニングする方法。
  2. FGG−H2の存在はフィブリノーゲンγをコード化する核酸材料中の1、2、3または4つの突然変異の一組の存在に関連しており、前記突然変異は129A/T(rs2066854)、7874G/A(rs2066861)、9615C/T(rs2066864)及び10034C/T(rs2066865)からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  3. 突然変異の一組が下表
    Figure 2008533999
    Figure 2008533999
    にリストした組から選択される請求項2に記載の方法。
  4. 突然変異の一組が請求項3の表中にリストした組5、6、7、8、11、12、14及び15から選択される請求項3に記載の方法。
  5. FGG−H2の存在はフィブリノーゲンγをコード化する核酸材料中の突然変異10034C/T(rs2066865)の存在に関連する請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. マーカーを、前記突然変異の一組を含む核酸材料のストレッチの標的核酸増幅反応を実施し、および増幅させた標的核酸を突然変異の組の存在について分析することにより検出する請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 増幅反応をNASBA、PCR、LCR、RCR、3SR及びTMAから選択する請求項5に記載の方法。
  8. 増幅核酸の各々が相補的オリゴヌクレオチドと検出可能な複合体を形成する請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 相補的オリゴヌクレオチドを固相、好ましくは磁性粒子に固定させ、検出可能な複合体の各々を標識反応物質と反応させる請求項8に記載の方法。
  10. 相補的オリゴヌクレオチドを固相に固定し、検出可能な複合体の各々を別々に標識させた反応物質と反応させる請求項8に記載の方法。
  11. 別個の増幅核酸が別個の相補的オリゴヌクレオチドと検出可能な複合体を形成する請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  12. 前記別個の相補的オリゴヌクレオチドの各々を固相上の異なるスポットで固定させる請求項11に記載の方法。
  13. フィブリノーゲンγ遺伝子のハプロタイプ2(FGG−H2)の遺伝マーカーである突然変異を少なくとも1つ含む標的核酸の少なくとも1つのストレッチを囲む核酸ストレッチを認識しおよびハイブリダイズする少なくとも1対の増幅プライマー及び前記突然変異の存在について増幅標的核酸を検出する手段を含む静脈血栓症、特に深部静脈血栓症の高いリスクを有しているかについて個人をスクリーニングするための請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実施するためのキット。
  14. 増幅させようとする標的核酸の1つのストレッチを囲む核酸ストレッチを認識しおよびハイブリダイズする1対の増幅プライマー及び前記突然変異の存在について増幅標的核酸を検出するための少なくとも1つのプローブを含み、前記標的核酸はフィブリノーゲンγ遺伝子のハプロタイプ2(FGG−H2)の遺伝マーカーである突然変異を少なくとも1つ含むフィブリノーゲンγ遺伝子の少なくとも一部に相当する請求項13に記載のキット。
  15. 増幅させようとする標的核酸の1つのストレッチを囲む核酸ストレッチを認識しおよびハイブリダイズする1対の増幅プライマー及び増幅標的核酸中の当該突然変異の各々を検出するための少なくとも1つのプローブを含み、前記標的核酸は129A/T、7874G/A、9615C/T及び10034C/Tからなる群から選択される少なくとも1つの突然変異を含むフィブリノーゲンγ遺伝子の少なくとも一部に相当する請求項13または14に記載のキット。
  16. 10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
    Figure 2008533999
    の1つまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含む第1オリゴヌクレオチド;
    10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
    Figure 2008533999
    の1つまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含む第2オリゴヌクレオチド
    を含む請求項13から15のいずれかに記載のキット。
  17. 10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
    Figure 2008533999
    の1つまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含む第1オリゴヌクレオチド;
    10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
    Figure 2008533999
    または少なくともその10ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含む第2オリゴヌクレオチド
    を含む突然変異129A/Tを検出するための請求項13から16のいずれかに記載のキット。
  18. 第1オリゴヌクレオチドは10〜26ヌクレオチド長であり、第2オリゴヌクレオチドは10〜26ヌクレオチド長であり、配列番号10:GTGTCAACCATGTTCATAGGCまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片を含む請求項17に記載のキット。
  19. 10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
    Figure 2008533999
    の1つまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含む第1オリゴヌクレオチド;
    10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
    Figure 2008533999
    の1つまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含む第2オリゴヌクレオチド
    を含む突然変異7874G/Aを検出するための請求項13から16のいずれかに記載のキット。
  20. 第1オリゴヌクレオチドは10〜26ヌクレオチド長であり、配列番号6:TTCCAAGGAAGCATCCTACGまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片を含み、第2オリゴヌクレオチドは10〜26ヌクレオチド長であり、配列番号16:GCTTTGCAAGTCCATTGTCCまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片を含む請求項19に記載のキット。
  21. 10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
    Figure 2008533999
    の1つまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含む第1オリゴヌクレオチド;
    10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
    Figure 2008533999
    Figure 2008533999
    の1つまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含む第2オリゴヌクレオチド
    を含む突然変異9615C/Tを検出するための請求項13から16のいずれかに記載のキット。
  22. 第1オリゴヌクレオチドは10〜26ヌクレオチド長であり、配列番号7:GTAACTGGCAATGCACTTCGまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片を含み、第2オリゴヌクレオチドは10〜26ヌクレオチド長であり、配列番号16:GCTTTGCAAGTCCATTGTCCまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片を含む請求項21に記載のキット。
  23. 10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
    Figure 2008533999
    の1つまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含む第1オリゴヌクレオチド;
    10〜50ヌクレオチド長であり、以下のヌクレオチド配列
    Figure 2008533999
    の1つまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片、或いはその相補的配列を含む第2オリゴヌクレオチド
    を含む突然変異10034C/Tを検出するための請求項13から16のいずれかに記載のキット。
  24. 第1オリゴヌクレオチドは10〜26ヌクレオチド長であり、
    Figure 2008533999
    または少なくともその10ヌクレオチドの断片を含み、第2オリゴヌクレオチドは10〜26ヌクレオチド長である請求項23に記載のキット。
  25. 増幅標的核酸中の当該突然変異(129A/T、7874G/A、9615C/Tまたは10034C/T)の各々を検出するための1つのプローブを含み、前記プローブは非突然変異アナライト核酸と識別するために突然変異したアナライト核酸に相当する核酸配列を含む請求項14または15に記載のキット。
  26. プローブは分子ビーコンである請求項25に記載のキット。
  27. 10034T対立遺伝子(突然変異10034C/T)に結合させることによりFGG−H2ハプロタイプを検出するためのプローブは配列番号19:ATGGTCAATAAAGATACCAであるか、または10〜50ヌクレオチド長、好ましくは10〜26ヌクレオチド長であり、および配列番号19:ATGGTCAATAAAGATACCAまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片を含むオリゴヌクレオチドを含む請求項25または26に記載のキット。
  28. 更に、配列番号20:TTTTAATGGTCAATAAAGGTACCAであるか、または10〜50ヌクレオチド長、好ましくは10〜26ヌクレオチド長であり、および配列番号20:TTTTAATGGTCAATAAAGGTACCAまたは少なくともその10ヌクレオチドの断片を含むオリゴヌクレオチドを含む10034C対立遺伝子に結合させることによりFGG−H2ハプロタイプを検出するためのプローブを含む請求項25から27のいずれかに記載のキット。
  29. キットは更に適当な増幅試薬を含む請求項13から28のいずれかに記載のキット。
  30. 請求項1〜12のいずれかに記載の方法とフィブリノーゲンγ’/全フィブリノーゲン比(γ’/γ比)の測定を組み合わせた静脈血栓症、特に深部静脈血栓症の高いリスクを示す遺伝マーカーが個人のゲノム中に存在するかを調べることにより静脈血栓症、特に深部静脈血栓症の高いリスクについて個人をスクリーニングする方法。
  31. 深部静脈血栓症の高いリスクを有するにはγ’/γ比は0.69未満でなければならない請求項30に記載の方法。
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