JP2008533021A - 癌を治療するための方法および組成物 - Google Patents

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Abstract

一つの態様において、本発明は、癌に罹った哺乳動物に癌の増殖を阻害するのに十分な量のエブセレンを投与することを含む、哺乳動物の癌を治療する方法を提供する。別の態様において、本発明は、癌に罹った哺乳動物に投与された白金含有化学療法剤の化学療法効果を増強する方法を提供する。一つの態様において、本発明は、癌に罹った哺乳動物に、白金含有化学療法剤の癌に対する化学療法効果を増強するのに十分な量の2−フェニルー1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンを投与する工程を含む、癌に罹った哺乳動物に投与された白金含有化学療法剤の化学療法効果を増強する方法を提供する。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2005年3月8日に出願された米国仮特許出願番号60/661,429号(これは、本明細書において、参考として援用される。)の利益を主張する。
(発明の分野)
本発明は、エブセレン(ebselen)、またはエブセレンとアロプリノール(allopurinol)の併用剤を、癌を治療するための化学療法に使用すること、および、シスプラチンなどの白金含有化学療法剤の化学療法効果を高める方法に関する。
(発明の背景)
癌治療に取り組む方法の一つが、癌細胞に対して毒性あるいは有害な1つ以上の化学物質を、癌を患う個体に投与する化学療法である。残念ながら、全部ではないにしても、ほとんどの化学療法剤は、患者の健康に悪影響を与える望ましくない効果をもたらす。
一例を挙げると、化学療法剤であるシスプラチン(シス−ジクロロジアミン白金)は重金属錯体であり、シス位にある2個の塩素原子および2個のアンモニア分子に囲まれた中心原子として白金をもつ。シスプラチンは、急速に分裂している細胞のDNAの中に鎖間および鎖内の架橋を形成させて、DNA、RNA、および/またはタンパク質の合成を妨害する。
シスプラチンは、典型的には、(他の化学療法剤、例えばパクリタキセル、シクロホスファミド、ビンブラスチン、ドキソルビシン、およびブレオマイシンとしばしば併用されて)転移性精巣癌、転移性卵巣癌、子宮内膜、膀胱、頭または頸の癌腫の患者を治療するために使用される。乳癌や卵巣癌などの固形癌に対するシスプラチンの抗腫瘍活性は十分に確認されている。残念なことに、シスプラチンは、発作、末梢神経障害、聴神経障害、聴力損失、難聴、回転性めまい、非回転性めまい、視覚低下、吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢、便秘、骨髄抑制、血小板減少症、貧血、好中球減少症、肝毒性、および腎毒性など、数多くの有害作用の原因となる(Yoshida,M.et al,Tohoku J.Exp.Med.,191:209−220,2000;Baldew,G.S.et al,Cancer Res.,50:7031−7036,1990;およびHuang et al.,Int.J.Dev.Neurosci,18:259−270,2000(非特許文献1〜3)参照)。シスプラチン、およびその他の白金含有化学療法剤の副作用は非常に重篤になることがあるため、化学療法剤を長期間患者に投与するのは不可能である。
シスプラチンに関連する聴神経障害に関しては、シスプラチンの投与を受けている患者を調べたところ、90%もの患者が顕著な聴力損失を経験すること、およびこれらの変化が不可逆的で累積的であることが示された(Helson,L.,Clin.Toxicol,13:469−478,1978参照)。シスプラチンに関連する聴神経障害の特徴を調べたところ、蝸牛傷害に関係するスーパーオキシドアニオン(O )および一酸化窒素(NO)などのフリーラジカルまたは反応性酸素種および反応性窒素種が増加することが明らかになった。特に、ペルオキシ亜硝酸(OONO)、スーパーオキシドアニオン、および一酸化窒素は、有毛細胞膜を傷害するプロセスである脂質過酸化反応を引き起こす(Ryback,L.P.,et al.,Am.J.Otol,27:513−520,2000;Lynch et al.,Anti−Cancer Drugs,16:569−579,2005(非特許文献4および5)参照)。シスプラチンへの曝露は、還元型グルタチオンの量の変化とも関連している。グルタチオンを利用する酵素の活性は、シスプラチン曝露による有毛細胞損失と相関していた(Ravi,R.,et al.,Pharmacol.Toxicol,76:386−394,1995;Lautermann,J.,et al.,Hear Res.,114:75−82,1997;Rybak,L.P.,et al.,Laryngoscope,109:1740−1744,1999(非特許文献6〜8))。シスプラチンへの曝露は、腎臓においてキサンチン酸化酵素(XO)の活性を増大させることが示されている(Sogut,S.,et al.,Cell Biochem.Funct,22:157−162,2004(非特許文献9))。カルボプラチン曝露を含む実験では、蝸牛におけるXO活性が同じように増大することが示されている(Husain,K.,et al.,Hear Res.,159:14−22,2001(非特許文献10)参照)。シスプラチンに関連する生化学的機構を決定する上での進歩は見られているが、シスプラチンに関係する聴神経障害および腎毒性を軽減するのに有効な化学的予防薬は開発されていない。
卵巣癌は、癌による死因の第5位である(Barnes et al.,Cancer J.Clin.,52:216−25,2002(非特許文献11))。卵巣癌に対する治療法は、白金をベースとする化学療法に対するアルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン)をタキサン化合物(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル)と組み合わせて使用することから発展してきた(Smith et al.,Gynecologic Oncology,98:141−145,2005(非特許文献12)参照)。白金をベースとする化学療法は、上記したように、シスプラチンによる用量規定毒性(例えば、神経毒性および腎毒性)およびカルボプラチンによる用量規定毒性(例えば、骨髄抑制、腎毒性、および聴覚障害)が障害となっている。タキサンは、臨床実験で多種の固形腫瘍を治療する活性を示しているが、パクリタキセルによる用量規定毒性(例えば、末梢神経障害)およびドセタキセルによる用量規定毒性(例えば、神経毒性、腎毒性、および骨髄抑制)も観察されている(例えば、Smith et al.,Gynecologic Oncology,98:141−145,2005(非特許文献12)参照)。シスプラチンおよびパクリタキセルに関連した相加的神経毒性のせいで、臨床場面でのこの治療組合せに対する許容性は限定されている。前記文献。
したがって、癌患者に投与しても重篤な副作用をもたらさず、そのため、長期間にわたって患者に投与することが可能な化学療法用組成物および方法が必要とされている。さらに、白金含有化学療法剤の化学療法効果を増進させて、より低い有効投与量で化学療法剤が使用できるようになる組成物および方法が必要とされている。特に、白金含有化学療法剤の化学療法効果を増進させ、かつ、化学療法の望ましくない作用を軽減または排除する組成物および方法が必要とされている。
Yoshida,M.et al,Tohoku J.Exp.Med.,191:209−220,2000 Baldew,G.S.et al,Cancer Res.,50:7031−7036,1990 Huang et al.,Int.J.Dev.Neurosci,18:259−270,2000 Ryback,L.P.,et al.,Am.J.Otol,27:513−520,2000 Lynch et al.,Anti−Cancer Drugs,16:569−579,2005 Ravi,R.,et al.,Pharmacol.Toxicol,76:386−394,1995 Lautermann,J.,et al.,Hear Res.,114:75−82,1997 Rybak,L.P.,et al.,Laryngoscope,109:1740−1744,1999 Sogut,S.,et al.,Cell Biochem.Funct,22:157−162,2004 Husain,K.,et al.,Hear Res.,159:14−22,2001 Barnes et al.,Cancer J.Clin.,52:216−25,2002 Smith et al.,Gynecologic Oncology,98:141−145,2005(非特許文献13
(発明の要旨)
本発明者らは、エブセレン、およびエブセレンとアロプリノールの併用剤が化学療法活性を持つことを発見した。したがって、一つの態様において、本発明は、哺乳動物の癌を治療する方法を提供する。一実施形態において、本発明のこの態様に係る方法は、癌に罹った哺乳動物に、癌の増殖を阻害するのに十分な量のエブセレンを投与する工程を含む。別の実施形態において、本発明のこの態様に係る方法は、癌に罹った哺乳動物に、併用して癌の増殖を阻害するのに十分な量のエブセレンとアロプリノールを投与する工程を含む。
また、本発明者らは、エブセレン、およびエブセレンとアロプリノールの併用剤が、白金含有化学療法剤の化学療法効果を促進することも発見した。したがって、別の態様において、本発明は、癌に罹った哺乳動物に投与される白金含有化学療法剤の化学療法効果を増強する方法を提供する。一実施形態において、本発明の本態様に係る方法は、白金含有化学療法剤の癌に対する化学療法効果を増強するのに十分な量の(エブセレンとも呼ばれる)2−フェニル−1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンを癌に罹った哺乳動物に投与する工程であって、2−フェニル−1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンを、化学療法剤を哺乳動物に投与する前後またはその最中に投与する工程を含む。本発明の本態様の別の実施形態において、本方法は、癌に罹った哺乳動物に、併用して癌に対する白金含有化学療法剤の化学療法効果を増強するのに十分な量のアロプリノールとエブセレンを投与する工程であって、エブセレンとアロプリノールを、化学療法剤を哺乳動物に投与する前後またはその最中に哺乳動物に投与する工程を含む。
さらに、本発明者らは、エブセレンとアロプリノールの併用剤が、化学療法の少なくとも一つの有害作用を改善することを発見した。したがって、別の態様において、本発明は、白金含有化学療法剤の少なくとも一つの有害作用を改善する方法を提供する。本発明の本態様に係る方法は、白金含有化学療法剤の少なくとも一つの有害作用を改善するのに十分な量のアロプリノールとエブセレンを癌に罹った哺乳動物に投与する工程であって、エブセレンとアロプリノールを、化学療法剤を哺乳動物に投与する前後またはその最中に哺乳動物に投与する工程を含む。本発明の方法は、ヒトなどの哺乳動物に適用することができる。
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本明細書において、「化学療法の少なくとも一つの有害作用を改善すること」という用語は、(a)化学療法の少なくとも一つの有害作用の程度および/または継続期間を減少させること;および/または(b)化学療法の少なくとも一つの有害作用を完全になくすこと;および/または(c)エブセレンおよびアロプリノールの併用剤を投与しない場合に生じうる一つ以上の化学療法の有害作用が発生するのを防止することを含む。
本明細書において、「化学療法剤」という用語は、癌細胞を死滅させるか、または癌細胞に悪影響を与える(すなわち、癌細胞の増殖を完全または部分的に阻害する)ために投与される薬剤のことである。
本明細書において、「白金含有化学療法剤の化学治療効果を増強すること」という用語は、癌に罹った哺乳動物に投与した際、白金含有化学療法剤の癌細胞を死滅させ、および/または癌細胞の増殖または細胞分裂の速度を遅くする能力を高めることを含む。
本発明者らは、エブセレン、およびエブセレンとアロプリノールの併用剤は、癌に罹った哺乳動物に投与すると化学療法活性を持つことを発見した。したがって、一つの態様において、本発明は、哺乳動物の癌を治療する方法を提供する。一実施形態において、本発明のこの態様に係る方法は、癌に罹った哺乳動物に、癌の増殖を阻害するのに十分な量のエブセレンを投与する工程を含む。別の実施形態において、本発明のこの態様に係る方法は、癌に罹った哺乳動物に、併用して癌の増殖を阻害するのに十分な量のエブセレンとアロプリノールを投与する工程を含む。本発明の方法は任意の哺乳動物、例えばヒトなどに適用できる。
本発明者らは、実施例5に説明され、表3、表4、および図9A〜16Cに示すように、エブセレンおよびエブセレンとアロプリノールの併用剤は、腫瘍細胞株に接触すると化学療法活性を持つことを発見した。本発明のこの態様の方法は、卵巣癌など、女性生殖器官の癌;精巣癌;頭部または頸部の癌、ならびに多剤耐性を示す癌に対して有効である。エブセレンは、有機セレン化合物であり、優れた経口利用可能性を持つことが知られており、非癌細胞株の中では非毒性であることが分かっており(Baldew GS et al.,Biochem Pharmacol 44(2):382−7(1992)、急性虚血性脳卒中の治療に関するヒトの臨床試験において評価されているが、そこでは有害事象が全く同定されなかった(Fischer,H.,et al.,Xenobiotica,18:1347−1359,1988;Yamaguchi,T.,et al.,Stroke,29:12−17,1998;およびOgawa,A.,et al.,Cerebrovasc.Dis.9:112−118,1999参照)。
別様の記載がない限り、本発明では、アロプリノールおよび2−フェニル−1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンの任意の異性型または互変異性型を使用することができる。本発明では、アロプリノールおよび2−フェニル−1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンの薬学的に許容される任意の塩も使用することができる。
アロプリノールの投与量の例は10〜2400mg/日、例えば50〜1200mg/日、または例えば100〜800mg/日である。エブセレンの投与量の例は5〜5000mg/日、例えば50〜2000mg/日、または例えば500〜1000mg/日である。略語「mg」はミリグラムのことである。
エブセレンまたはエブセレンとアロプリノールの併用剤を使用して癌を治療することの利点は、その他のほとんどの化学療法剤によって引き起こされる、極めて有害で、生命を脅かす可能性のある副作用(例えば、重要臓器および免疫系に対する障害)を引き起こさない量のエブセレンおよびアロプリノールを、癌に罹った哺乳動物である対象に長期間にわたり投与することができることである。したがって、例えば、使用されている化学療法剤の当技術分野において認知されている投与計画に従って、限られた期間(例えば、数週間または数ヶ月にわたる周期的投与)、従来型の化学療法剤で癌患者を治療することができる。その後、残存している癌細胞を死滅させるか、残存している癌細胞の増殖を完全または部分的に阻害するか、または新たな癌細胞の成長を部分的に阻害するのに有効な量のエブセレンまたはアロプリノールとエブセレンの併用剤を定期的に投与することができる。エブセレン、またはアロプリノールとエブセレンの併用剤は、数ヶ月または数年にわたり投与することができ、用量を選択して、長期間にわたり投与しても、実質的に有害な副作用を癌患者にもたらさないようにすることができる。
例えば、癌患者に4週間各週一回、週用量のシスプラチンを投与する場合、その4週間の各日にエブセレンまたはエブセレンおよびアロプリノールを一日一回投与することができる。その後、シスプラチンによる治療の完了後1ヶ月〜24ヶ月の間、エブセレンまたはエブセレンおよびアロプリノールを毎日または週一回投与することができる。アロプリノールの投与量の例は10〜2400mg/日、例えば50〜1200mg/日、または例えば100〜800mg/日である。エブセレンの投与量の例は5〜5000mg/日、例えば50〜2000mg/日、またはたば500〜1000mg/日である。
別の実施形態において、本発明は、癌に罹った哺乳動物に投与された白金系化学治療剤の化学療法効果を増強する方法を提供するが、この方法は、白金含有化学療法剤の化学療法効果を増強するのに十分な量の(エブセレンとも呼ばれる)2−フェニル−1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンを癌に罹った哺乳動物に投与する工程であって、2−フェニル−1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンを、化学療法剤を哺乳動物に投与する前後またはその最中に投与する工程を含む。
この実施形態に従って、哺乳動物は、典型的には、化学療法剤を投与される度に一用量のエブセレンを投与される。エブセレンが白金含有化学療法剤の化学療法作用を増強するのに十分な期間、エブセレンと白金含有化学療法剤が共に哺乳動物の体の中に存在するように、エブセレンの投与と白金含有化学療法剤の投与とが時間的に十分接近して行われるならば、エブセレンを、白金含有化学療法剤を哺乳動物に投与する前後またはその最中に哺乳動物に投与することができる。
さらに別の実施形態において、本発明は、癌に罹った哺乳動物に投与された化学療法剤の化学療法作用を増強する方法を提供するが、この方法は、癌に対する白金含有化学療法剤の化学療法作用を、併用して増強するのに十分な量のアロプリノールおよびエブセレンを癌に罹った哺乳動物に投与する工程であって、哺乳動物に化学療法剤を投与する前後、またはその最中にアロプリノールおよびエブセレンを投与する工程を含む。
この実施形態に従って、哺乳動物は、典型的には、化学療法剤を投与される度に一用量のエブセレンおよびアロプリノールを投与される。エブセレンおよびアロプリノールが白金含有化学療法剤の化学療法作用を増強するのに十分な期間、エブセレン、アロプリノールおよび白金含有化学療法剤が全部共に哺乳動物の体の中に存在するように、エブセレンおよびアロプリノールの投与と白金含有化学療法剤の投与とが時間的に十分接近して行われるならば、白金含有化学療法剤を哺乳動物に投与する前後またはその最中にエブセレンおよびアロプリノールを哺乳動物に投与することができる。エブセレンは、アロプリノールと別に、またはアロプリノールと共に投与することができる。
例えば、本発明のいくつかの実施形態において、エブセレン、またはエブセレンとアロプリノールの併用剤は、哺乳動物の対象に一つ以上の白金含有化学療法剤を投与する18時間前から、その哺乳動物対象に一つ以上の白金含有化学療法剤を投与した18時間後に至る期間の任意の時点で哺乳動物対象に投与される。本発明のいくつかの実施形態において、エブセレン、またはエブセレンとアロプリノールの併用剤は、哺乳動物の対象に一つ以上の白金含有化学療法剤を投与する1時間前から、その哺乳動物対象に一つ以上の白金含有化学療法剤を投与した1時間後に至る期間の任意の時点で哺乳動物対象に投与される。本発明のいくつかの実施形態において、エブセレン、またはエブセレンとアロプリノールの併用剤は、哺乳動物の対象に一つ以上の白金含有化学療法剤を投与する10分前から、その哺乳動物対象に一つ以上の白金含有化学療法剤を投与した10分後に至る期間の任意の時点で哺乳動物対象に投与される。本発明のいくつかの実施形態において、哺乳動物の対象に一つ以上の白金含有化学療法剤を投与すると同時に、エブセレン、またはエブセレンとアロプリノールの併用剤を哺乳動物対象に投与する。
本発明の方法は、白金含有化学療法剤を使用する何らかの化学療法を受けているヒトなどの哺乳動物に適用することが可能である。白金含有化学療法剤の例は、シスプラチン、カルボプラチン、およびオキサリプラチンなどである。
この方法のいくつかの実施形態において、併用療法を開発する際に、白金含有化学療法剤を一つ以上のタキサン系化学療法剤と組み合わせることが可能である。タキサン系化学療法剤は、細胞周期のM期およびG2期におけるチューブリン重合および細胞停止を安定させる抗チューブリン剤として分類されている。タキサン系化学療法剤の例は、ドセタキセルおよびパクリタキセルなどである。
本発明の方法は、例えば、卵巣癌、子宮頸癌、子宮癌および膀胱癌など、女性の泌尿生殖系の癌;前立腺癌および精巣癌;頭部または頸部の癌;ならびに、より一般的には、起源が上皮性または内皮性である固形腫瘍(例えば、卵巣の腺癌)に対して有効である。
また、本発明は、多化学療法剤耐性を示す腫瘍に対する白金含有化学療法剤の化学療法効果を増強するのにも有効である。多剤耐性(MDR)の発生が癌化学療法の失敗の主な原因である。MDRの表現型は、白金含有化学療法剤に対する耐性など、広範囲の細胞毒性薬に対して耐性であるという特徴を持っている。MDRは、(化学療法剤への曝露以前からの)内因性であっても、または化学療法後に獲得されたものであってもよい。いくつかのATP結合カセット(ABC)トランスポーターの過剰発現がMDRと関連していた(Vanden Heuvel−Eibrink et al,Int.J.Clin.Pharm.and Ther.,38:94−110,2000参照)。ABCトランスポーターの固有の仕事は、アミノ酸、ヌクレオチド、糖類、脂質およびペプチドなど、さまざまなの異なった分子を、細胞膜を通って輸送することである。このような輸送は、癌細胞においては、細胞毒性薬を細胞膜の外側へ能動輸送してしまうことで、癌の治療薬による治療を妨害することとなり、特に問題である。このような腫瘍細胞は「多化学療法剤耐性」細胞と呼ばれている。本発明者らは、エブセレンおよびエブセレンとアロプリノールの併用剤が、多化学療法剤耐性を示すことが知られているヒト卵巣腫瘍細胞株であるES―2(図9A〜C参照)、SKOV−3(図10A〜C参照)およびOVCAR−3(図11A〜11C参照)に対する白金含有化学療法剤の細胞毒活性を増強することを明らかにした(Smith,J.A.,et al.,Gynecologic Oncology,98:141−145,2005参照)。
別様の記載がない限り、本発明では、アロプリノールおよび2−フェニル−1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンの任意の異性型または互変異性型を使用することができる。本発明では、アロプリノールおよび2−フェニル−1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンの薬学的に許容される任意の塩も使用することができる。
一例として、以下の代表的なアロプリノール誘導体が、本発明を実施して白金含有化学療法剤の化学療法効果を増強するために有用である:1−メチルアロプリノール;2−メチルアロプリノール;5−メチルアロプリノール;7−メチルアロプリノール;1,5−ジメチルアロプリノール;2,5−ジメチルアロプリノール;1,7−ジメチルアロプリノール;2,7−ジメチルアロプリノール;5,7−ジメチルアロプリノール;2,5,7−トリメチルアロプリノール;1−エトキシカルボニルアロプリノール;および1−エトキシカルボニル−5−メチルアロプリノール。
アロプリノールの投与量の例は10〜2400mg/日、例えば50〜1200mg/日、または例えば100〜800mg/日である。エブセレンの投与量の例は5〜5000mg/日、例えば50〜2000mg/日、または例えば500〜1000mg/日などである。略語「mg」はミリグラムのことである。哺乳動物の対象に投与される化学療法剤を一回投与する毎に、少なくとも一用量のエブセレンを、単独または少なくとも一用量のアロプリノールと併用して、哺乳動物対象に投与する。化学療法剤の投与計画は当技術分野において周知である。エブセレン単独で、またはエブセレンとアロプリノールの併用剤が、白金含有化学療法剤の化学療法活性を増強することができるため、白金含有化学療法剤をエブセレン単独、またはエブセレンとアロプリノールの併用剤とともに投与すれば、エブセレンも、エブセレンおよびアロプリノールもなしで化学療法剤を投与した場合と比較して、より低い有効量の白金含有化学療法剤を投与することが可能になる。
したがって、例えば、従来のように、シスプラチンにより癌患者を治療することは、患者の体面積1mあたり80mg〜100mgの用量で静脈内に投与される、3または4週用量のシスプラチンを含むことができる。エブセレンまたはエブセレンとアロプリノールの併用剤と併用すれば、シスプラチンの投与量は、例えば、わずか25mg/m患者体面積にすることが可能である。一例として、本発明を実施する際、エブセレンについては一日の用量が少なくとも50mg、または少なくとも50mg/日のエブセレンと少なくとも50mg/日のアロプリノールとの併用剤を、白金含有化学療法剤と併用することができる。例えば、300mg/日のエブセレン一日量を、単独または300mg/日のアロプリノール一日量と併用したものを、白金含有化学療法剤と併用することができる。
エブセレンおよびアロプリノールの投与は、例えば、経口的でも非経口的でも効率的経路で行われる。非経口的送達法は、局所投与、動脈内投与、皮下投与、髄内投与、静脈内投与、または鼻腔内投与などである。エブセレンおよびアロプリノールは、化学療法を受けている哺乳動物対象へのエブセレンおよびアロプリノールの投与を容易にする賦形剤その他の化合物を含む、薬学的に許容される担体とともに処方することが可能である。処方および投与に関する技術のさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences (Maack Publishing Co,Easton,PA)の最新版に記載されている。
経口投与用に処方されたエブセレンおよびアロプリノールは、当技術分野においてよく知られた、薬学的に許容される担体を使用して、経口投与に適した用量で処方することができる。そのような担体により、エブセレンおよびアロプリノールを哺乳動物の経口摂取に適した錠剤、ピル、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー、懸濁剤などにして処方することができる。
経口で使用するためのエブセレンまたはエブセレンとアロプリノールの併用剤を含む組成物は、例えば、エブセレンまたはエブセレンとアロプリノールを固体賦形剤と混合して、任意には、得られた混合物を粉砕し、必要ならば、さらに適当な付加的化合物を加えてから、この顆粒混合物を処理して錠剤または糖衣錠のコアを得ることができる。適当な賦形剤は炭水化物またはタンパク質の充填剤である。これらは、乳糖、蔗糖、マンニトール、もしくはソルビトールなどの糖類、トウモロコシ、小麦、米、ジャガイモ、もしくはその他の植物に由来するデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、もしくはカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース;ならびにアラビアゴムおよびトラガカントゴムなどのゴム類;また、ゼラチンおよびコラーゲンなどのタンパク質を含むが、これらに限定されない。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、もしくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤または溶解剤を加えてもよい。
糖衣錠のコアには、濃縮糖溶液など、適当なコーティング剤が施されているが、この溶液は、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに適当な有機溶媒もしくは溶媒混合物を含むこともできる。製品識別のため、または活性化合物の量(すなわち、投与量)を特定するために、錠剤はまた糖衣錠のコーティングに染料または色素を加えてもよい。
経口的に使用することができる、エブセレンまたはエブセレンとアロプリノールを含む組成物は、例えば、ゼラチンで作られた硬カプセル剤(push−fit capsule)、およびゼラチンと、グリセロールまたはソルビトールなどのコーティング剤から作られた軟かい密封カプセル剤(soft,sealed capsule)として処方することができる。硬カプセル剤は、乳糖またはデンプンなどの充填剤または結合剤、タルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、ならびに、任意には安定剤と混合されたエブセレンおよびアロプリノールを含むことができる。軟カプセル剤では、エブセレンおよびアロプリノールを、安定剤を含むか含まない適当な液体、例えば、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールに溶解または懸濁させることができる。
エブセレンまたはエブセレンとアロプリノールを含む非経口投与用の組成物は、エブセレンおよび/またはアロプリノールの水溶液を含む。注射用には、エブセレンおよび/またはアロプリノールを含む組成物を、水溶液、好ましくは、ハンクス液、リンゲル液、または生理学的緩衝食塩水など、生理学的に適合する緩衝液の中で処方することができる。水性注射用懸濁液は、懸濁液の粘度を上げる物質、例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどを含むことも可能である。さらに、エブセレンおよび/またはアロプリノールの懸濁液は、油性の注射用懸濁液として調製することも可能である。適当な親油性溶媒または賦形剤は、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームなどである。また、任意には、この懸濁液は、化合物の溶解度を上げて、高濃度溶液の調製を可能にする、適当な安定剤または薬剤を含むこともできる。
局所的投与または鼻腔内投与には、典型的には、浸透対象となる具体的な障壁に適した浸透剤を処方剤に使用する。そのような浸透剤は当技術分野において一般的に知られている。
エブセレンまたはエブセレンとアロプリノールを含む組成物は、当技術分野において周知の方法と同様の方法で(例えば、通常の混合工程、溶解工程、造粒工程、糖衣錠製造工程、粉末化工程、乳化工程、カプセル封入工程、封入工程、または凍結乾燥工程によって)製造することができる。また、エブセレンまたはエブセレンとアロプリノールを含む組成物を通常の手段(例えば、コーティング)によって改変して、適当な放出特性、例えば、持続放出または標的化放出をもたらすことが可能である。
エブセレンおよびアロプリノールは、それぞれ塩として提供することができ、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸などであるが、これらに限定されない多くの酸によって生成させることができる。塩は、水性溶媒またはその他のプロトン性溶媒の中で、対応する遊離塩基型であるものより可溶性になりやすい。
実際に投与されるエブセレンおよびアロプリノールの量は、治療が行われる個人に応じて変わり、好ましくは、所望の結果が顕著な副作用を伴わずに達成されるように最適化される。有効用量を決定することは、当業者が十分になしうることである。
本発明者らは、白金含有化学療法剤の化学治療効果を増強することに加えて、エブセレンとアロプリノールの併用剤が、白金含有化学療法剤の有害作用のいくつかまたはすべてを改善する化学的予防薬として作用することを見出した。したがって、別の実施形態において、本発明は、白金含有化学療法剤の少なくとも一つの有害作用を改善する方法を提供するが、この方法は、白金含有化学療法剤の少なくとも一つの有害作用を改善するのに十分な量のアロピリノールおよびエブセレンを、癌に罹った哺乳動物に投与する工程を含む。白金含有化学療法剤の主な有害作用は、腎毒性、神経毒性、聴覚障害、骨髄抑制、脱毛症、体重減少、嘔吐、吐き気、および免疫抑制である。
本発明者らは、(上記したように)エブセレンとアロプリノールが白金含有化学療法剤の化学治療効果を増強すること、および、エブセレンとアロプリノールが白金含有化学療法剤による化学療法の望ましくない作用を改善または除去することを発見した。本明細書記載の実施例3は、アロピリノールとエブセレンの併用剤が、化学療法剤のシスプラチンによって引き起こされる損傷からラット内耳細胞を保護することを示す実験の結果について記載している。
以下の実施例は、本発明を実施するために現在最良の形態と考えられているものを例示したに過ぎず、本発明を制限するものと解すべきではない。本明細書における文献の引用はすべて、参照して明示的に組み込まれる。
実施例1
本実施例では、MTS細胞生存率アッセイ法を用いて測定すると、エブセレンおよびアロプリノールが、単独でも、併用しても、培養NuTu−19卵巣癌腫瘍細胞を死滅させるシスプラチンの能力を阻害しないことを示す。
NuTu−19細胞を、96穴培養皿の中に、1ウエルあたり細胞3,000個の密度でプレートし、5%二酸化炭素の存在下、37℃で24時間インキュベートした。N−アセチルステイン、エブセレンまたはアロプリノールを、NuTu−19細胞とともに、1時間、または4時間インキュベートしてから、この培養物にシスプラチンを添加し、5%二酸化炭素の存在下、37℃で24時間さらにインキュベートした。次に、NuTu−19細胞を培地ですすぎ、シスプラチン存在下でさらに24時間インキュベートした。
そして、NuTu−19細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS)で2回すすいでから、MTSアッセイ法を行って、生きた細胞の数を数えた。MTSは、3−(4,5− ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウムの略称である。MTS法は、組織培養培地において可溶性であるホルマザン産物に対するMTSの生理学的異化作用に基づいて、生存細胞数を測定する比色法である。490nmにおけるホルマザン産物の吸光度を、プレートリーダーを用いて96穴プレートから直接測定することができる。490nmにおける吸光度の増加は、ウエルの中でのホルマザン産生の増加と相関する。これは、一般的には、ウエルの中に生存細胞がより多く存在するせいである。
図1は、培養培地中のシスプラチン濃度に対する生存培養NuTu−19卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示している。図1に示したデータは、培養NuTu−19卵巣癌細胞が、シスプラチンの存在下で24時間培養すると死滅することを示している。
図2は、培養培地中のエブセレン濃度に対する生存培養NuTu−19卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示している。エブセレンは存在するが、シスプラチンは存在しない条件下で培養したNuTu−19細胞の生存率を上方のグラフで示す。エブセレンおよびシスプラチンが(濃度43μMで)ともに存在する条件下で培養したNuTu−19細胞の生存率を下方のグラフで示す。図2に示したデータは、エブセレンが、培養中のNuTu−19卵巣癌腫瘍細胞を死滅させるシスプラチンの能力を阻害しないことを示している。
図3は、培養培地中のアロプリノール濃度に対する生存培養NuTu−19卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示している。アロプリノールは存在するが、シスプラチンは存在しない条件下で培養したNuTu−19細胞の生存率を上方のグラフで示す。アロプリノールおよびシスプラチンが(濃度43μMで)ともに存在する条件下で培養したNuTu−19細胞の生存率を下方のグラフで示す。図3に示したデータは、アロプリノールが、培養中のNuTu−19卵巣癌腫瘍細胞を死滅させるシスプラチンの能力を阻害しないことを示している。
図4は、培養培地中のアロプリノール濃度に対する生存培養NuTu−19卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示している。アロプリノールおよびエブセレンは(濃度47μMで)存在するが、シスプラチンは存在しない条件下で培養したNuTu−19細胞の生存率を上方のグラフで示す。アロプリノールおよびエブセレン(濃度47μM)ならびにシスプラチン(濃度43μM)がともに存在する条件下で培養したNuTu−19細胞の生存率を下方のグラフで示す。図4に示したデータは、アロプリノールおよびエブセレンの併用剤が、培養中のNuTu−19卵巣癌細胞を死滅させるシスプラチンの能力を阻害しないことを示している。
実施例2
本実施例は、エブセレンが、インビトロでシスプラチンによる損傷から内耳有毛細胞を保護することを示す。
P3〜4仔マウスから得た、一処理あたり三個の蝸牛を、NeuroBasal A培地にB27添加剤を加えた0.4マイクロメートルのMilliCell−CMインサート中で培養した。培養開始24時間後に、エブセレンをこの培地に添加し、10分間インキュベートしてから、シスプラチンをこの培地に最終濃度43μMで添加した。第一の対照処理は43μMシスプラチンを含んでいた。第二の対照処理は、シスプラチンを添加せずに、47μMエブセレンを含んでいた。培養物はすべて、5%二酸化炭素中、37℃で24時間インキュベートした。
次に、外植片を回収、固定して、(有毛細胞を検出する)カルビンジンおよびDAPI(4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール;核DNA検出用)により染色した。図5は、43μMシスプラチン(10)または43μMシスプラチン+47μMエブセレン(12)、または47μMエブセレン(14)の存在下、インビトロで培養されたラット蝸牛内有毛細胞の数を示す。図5に示したデータは、エブセレンが、インビトロでシスプラチンによる損傷から内耳有毛細胞を保護することを示す。
本実施例に記載されている実験で使用したシスプラチンおよびエブセレンの濃度は、実施例1で説明されている細胞培養アッセイで使用したシスプラチンおよびエブセレンと同じ濃度である。このように、実施例1および実施例2で報告されている実験は共に、これらの実験で利用された濃度では、エブセレンは、NuTu−19卵巣癌腫瘍細胞をシスプラチンの有毒作用から保護しないが、内耳有毛細胞をシスプラチンの有毒作用から保護することを示している。
実施例3
本実施例では、エブセレン、およびエブセレンとアロプリノールの併用剤が、インビボにおいて、ラット内耳有毛細胞をシスプラチンによる損傷から保護することを示す。
聴性誘発脳幹反応(ABR)を用いて、シスプラチンおよび化学防御剤に曝露した前後のラットの聴力を評価した。用量16mg/kg体重でシスプラチンを腹腔内に投与する1時間前に、エブセレンまたはDMSO(賦形剤対照)をラットの腹腔内に導入した。シスプラチン送達から72時間経過後に、ABRデータを収集し、動物を殺して、蝸牛を回収、切開し、(有毛細胞のF−アクチンを検出するための)FITC−ファロイジンおよび(核DNAを検出するために)DAPIで染色した。
図6は、エブセレン(用量16mg/kg体重)(22)、または食塩水およびDMSO(賦形剤対照)(20)存在下でシスプラチン(用量16mg/kg体重)によって処理されたラットの8kHz、16kHz、24kHz、および32kHzにおける聴力の永久閾値移動(PTS)を示す。1処理あたり、10個の蝸牛を検査した。PTSは聴力損失の尺度である。図6に示されたデータは、エブセレンとシスプラチンを併用したもので処理したラットのPTSのほうが、エブセレンなしでシスプラチンによって処理されたラットと比較して低い(すなわち、聴覚損失が少ない)ことを示している。
図7は、アロプリノール(用量16mg/kg体重)存在下(30)、またはアロプリノール(用量8mg/kg体重)とエブセレン(用量8mg/kg体重)の共存下(32)でシスプラチン(用量16mg/kg体重)によって処理されたラットの8kHz、16kHz、24kHz、および32kHzにおける聴力の永久閾値移動(PTS)を示す。一処理あたり、四つの蝸牛を検査した。図7に示されたデータは、エブセレンとアロプリノール併用したもので処理したラットのPTSのほうが、エブセレンなしでアロプリノールによって処理されたラットと比較して低いことを示している。
さらに、本実施例に記載されているシスプラチンとエブセレンを併用したもので処理したラットから蝸牛を切り出した。また、シスプラチンおよび食塩水およびDMSO(対照)により処理されたラットからも蝸牛を切り出した。切り出した蝸牛の外聴覚有毛細胞の数を、蝸牛に沿って0.1mmの間隔で数えた。対照ラットおよび処理ラットから得られた代表的な結果を、それぞれ図8Aおよび図8Bに示す。図8Aおよび図8Bに示したデータは、シスプラチンとエブセレンを併用したもので処理したラットの蝸牛において失われた外有毛細胞の割合が、エブセレンでは処理せず、シスプラチンで処理したラットの蝸牛において失われた外有毛細胞の割合よりも小さいことを示している。
実施例4
本実施例では、エブセレンとアロプリノールの併用剤が、ラットに導入された卵巣癌細胞株NuTu−19に対するシスプラチンの化学療法効果を増強することを示す。
生後8〜10週の雌のF−344ラットの腹腔に10個のNuTu−19細胞を注射して、ラットにおける卵巣癌腫瘍モデルを確立した。NuTu−19細胞を注射したラットには、シスプラチン処理前の2週間、腫瘍負荷を生じさせておいた。10匹のラットからなる対照組を、記載された条件下での卵巣腫瘍負荷の発生について個別に評価した。対照組のラットはすべて、NuTu−19腫瘍細胞を注射した5週間後に殺して、腫瘍負荷を評価した。この対照組では、すべての動物が、多発性腫瘍結節の大網肥厚(omental caking)および腹腔内の大量の腹水(10〜30mL)によって例証される顕著な腫瘍負荷を示した。
また、エブセレンとアロプリノールの併用剤の存在下または不存在下で、シスプラチンに対するNuTu−19腫瘍の応答も評価した。腹水および大網腫瘍肥厚が存在することを、癌が治療に応答していないことを示すものとみなした。腹腔内に腹水は存在しないが、5個より多い可視腫瘍結節(それぞれ0.5mmより大)が存在することを、癌が治療に部分的に応答していることを示すものとみなした。腹水が存在せず、5個よりも少ない数の可視腫瘍結節(それぞれ0.5mmより大)が存在することを、癌が治療に十分に応答していることを示すものとみなした。これらの実験の結果を表1に示す。
Figure 2008533021
以下の略語が表1で使用されている:「完全(%)」は腫瘍負荷の兆候を示さなかったラットを意味し、「部分(%)」は腫瘍負荷の証拠をいくらか示したラットを意味し、「無(%)」はシスプラチン治療に応答しなかった腫瘍をもつラットを意味する。
結果:卵巣上皮癌細胞NuTu−19はFisher344ラットと同系であり、卵巣癌について関連した臨床モデルであると認められている。例えば、Rose,G.S.,et al.Am.J.Obstet.Gynecol,175:593−599,1996;Cloven,N.G.,et al,Anticancer Res.,20(6B):4205−9,2000;およびStakleff et al.,Int.J.Gynecol.Cancer,15:246−254,2005参照。NuTu−19細胞をFisher344ラットに注射すると、シスプラチン治療に応答性である、高侵襲性かつ高転移性の腫瘍を引き起こす(Lynch et al.,Anti−Cancer Drugs,16:569−579,2005参照)。
上記表1に示された結果は、エブセレンとアロプリノールの併用製剤が、シスプラチンの抗腫瘍活性に対して阻害作用を及ぼさず、NuTu−19卵巣腫瘍モデルにおいてシスプラチンの効果を実際に高めたことを示している。
実施例5
本実施例では、エブセレンおよびエブセレンとアロプリノールの併用剤が、哺乳動物の卵巣癌細胞株に投与されると化学治療活性を持つことを示す。また、本実施例では、エブセレンおよびにエブセレンとアロプリノールの併用剤が白金含有化学療法剤の化学治療活性を増強するように作用することも示す。
検査した卵巣癌細胞株
ES−2(ヒト明細胞癌)多剤化学療法耐性
SKOV−3(ヒト腺癌)多剤化学療法耐性
OVCAR−3(ヒト腺癌)多剤化学療法耐性
CAOV−3(ヒト腺癌)
OV−90(ヒト混合形態:漿液性乳頭状腺癌)
TOV−112D(ヒト混合形態:腺癌/類内膜癌)
TOV−21G(ヒト混合型:腺癌/明細胞癌)
rSPI−tu−ラット上皮性卵巣癌細胞株
培養条件:細胞を対数増殖状態に保ち、週1回または週2回継代した。CAOV−3を、4.5g/Lグルコース、および10%ウシ胎児血清(FBS)を含むダルベッコ改良イーグル培地中で維持した。OVCAR−3は、2mM 1−グルタミン、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、4.5g/Lグルコース、10mM HEPES、1mMピルビン酸ナトリウム、0.01mg/mLウシインスリン、および20%FBSを含むRPMI1640培地中で維持した。SKOV−3およびES−2は、15%FBSを含む、MCDB105培地および199培地の1:1混合液中で維持した。OV−90は、10%FBSを含む、MCDB105培地および199培地の1:1混合液中で維持した。
パクリタキセルおよびシスプラチンのIC 50 阻害アッセイ法
以下の表2に示すように、細胞毒性実験を開始する前に、増殖阻害アッセイを行って、パクリタキセルおよびシスプラチンの存在下で各卵巣細胞株を96時間インキュベートしたときのIC50濃度を測定した。
Figure 2008533021
IC50解析の結果:パクリタキセルおよびシスプラチンによる併用治療では、パクリタキセルのIC50濃度は1.9nMから90nMであり、シスプラチン濃度は1.4μMから4.8μMであった。
エブセレンおよびアロプリノールによる細胞毒性実験
上記に列挙した細胞株をそれぞれ96穴プレートの中に、1ウエルあたり細胞3,500個の密度でプレートし、37℃で24時間インキュベートした。細胞株をそれぞれ、0から100μMの範囲の濃度で、50μlのエブセレン、アロプリノール、またはエブセレン+アロプリノールのいずれかで処理し、1時間インキュベートした。1時間インキュベートした後、50μlのシスプラチンおよびパクリタキセルを表2に示したさまざまな濃度で細胞株に添加して、他の薬剤の不存在下でIC50の濃度になるようにした。次に、シスプラチンおよびパクリタキセルの存在下、5%CO中、37℃で細胞をさらに67〜72時間インキュベートした。対照用ウエルを以下の通りにインキュベートした:薬剤なし、エブセレン、アロプリノール、エブセレンおよびアロプリノール、ならびにシスプラチン/パクリタキセル。
67〜72時間のインキュベーション時間が経過してから、10μlのMTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)希釈標準溶液を(the Chemicon MTT Cell Growth Kit Cat #CT01中の説明書に基づいて)各ウエルに添加して、細胞を4時間インキュベートした。次に、100μlのイソプロパノール/HCl溶液を各ウエルに添加して、570nmでの吸光度を測定した。検査したさまざまな卵巣癌細胞株のMTTアッセイの結果を図9A〜16Cに示し、下記の表3にまとめた。
結果
図9A〜16Cは、エブセレン、アロプリノール、エブセレン+アロプリノール、およびパクリタキセル+シスプラチンの存在下でインキュベートされたさまざまな細胞株の結果を示している。図9A〜16Cに示した結果を、下記の表3にまとめた。示されている結果から、1)エブセレンは卵巣癌細胞株に対して化学療法活性を持つこと;2)アロプリノールはエブセレンの化学療法活性を減少させないこと;および3)エブセレンは、シスプラチン+パクリタキセルの化学療法活性を増強することが明らかである。
エブセレンは卵巣癌細胞株に対して化学療法活性を持つ。
表3に要約されているように、エブセレンは、検査した以下の7種類の哺乳動物卵巣癌細胞株のすべてに対して化学療法剤として作用する:ES−2(図9A)、SKOV−3(図10A)、OVCAR−3(図11A)、CAOV−3(図12A)、OV−90(図13A)、TOV−112D(図14A)、TOV−21G(図15A)およびrSPI−tu(図16A)。検査した細胞株のすべてで、エブセレンは、20μM〜100μMの濃度範囲で用量依存的に細胞毒性を誘導した。それに対し、図5に示すように、エブセレンは47μMで内耳蝸牛細胞に対し細胞毒性作用を持たないようにみえる。表3、表4および図9B、10B、11B、12B、13B、14B、15Bおよび16Bに示すように、アロプリノールは、20μM〜100μMの濃度範囲では、検査した哺乳動物卵巣癌細胞株のいずれにも毒性作用を持たなかった。さらに、表3、表4および図9C、10C、11C、12C、13C、14C、15Cおよび16Cに示すように、アロプリノールがエブセレンと共存する場合、アロプリノールはエブセレンの化学療法効果を減少させなかった。
エブセレンおよびエブセレンとアロプリノールの併用剤は、卵巣癌細胞株に対するシスプラチン+パクリタキセルの化学療法効果を増強する。
下記の表4にまとめたように、また図9A〜16Cに示すように、20μM〜100μMの濃度範囲にあるエブセレン、およびエブセレンとアロプリノールの併用剤は、検査した7種類の哺乳動物卵巣癌細胞株、すなわちES−2(図9C)、SKOV−3(図10C)、OVCAR−3(図11C)、CAOV−3(図12C)、OV−90(図13C)、TOV−112D(図14C)、TOV−21G(図15C)およびrSPI−tu(図16C)のすべてに対し、シスプラチン+パクリタキセルの化学療法効果を増強する。
さらに、下記の表4に示すように、エブセレン、およびエブセレンとアロプリノールの併用剤は、検査した多剤化学療法耐性細胞株のそれぞれにおいて、シスプラチンおよびパクリタキセルの化学治療活性を増強したが、これら細胞株はES−2(図9A、9C)、SKOV−3(図10A、10C)およびOVCAR−3(図11A、11C)などである。
Figure 2008533021
Figure 2008533021
本発明の好適な実施形態を例示および説明してきたが、当然のことながら、本発明の本質と範囲を逸脱するものでなければ、さまざまな変更を加えることが可能である。
添付の図面とともに下記の詳細な説明を参照することによって上記態様および本発明に付随する利点がよりよく理解できるようになるため、上記態様および本発明に付随する利点をより簡単に評価できるようになるはずである。
実施例1で説明されているように、培養培地中のシスプラチン濃度に対する生存培養NuTu−19卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。生細胞の数は、シスプラチン存在下で細胞を24時間培養した後に数えた。 実施例1で説明されているように、培養培地中のシスプラチン濃度に対する生存培養NuTu−19卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。エブセレンは存在するが、シスプラチンは存在しない条件下で培養したNuTu−19細胞の生存率を上方のグラフで示す。エブセレンおよびシスプラチンが(濃度43μMで)共に存在する条件下で培養したNuTu−19細胞の生存率を下方のグラフで示す。 実施例1で説明されているように、培養培地中のアロプリノール濃度に対する生存培養NuTu−19卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。アロプリノールは存在するが、シスプラチンは存在しない条件下で培養したNuTu−19細胞の生存率を上方のグラフで示す。アロプリノールおよびシスプラチンが(濃度43μMで)共に存在する条件下で培養したNuTu−19細胞の生存率を下方のグラフで示す。 実施例1で説明されているように、培養培地中のアロプリノール濃度に対する生存培養NuTu−19卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。アロプリノールおよびエブセレンは(濃度47μMで)存在するが、シスプラチンは存在しない条件下で培養したNuTu−19細胞の生存率を上方のグラフで示す。アロプリノールおよびエブセレン(濃度47μM)ならびにシスプラチン(濃度43μMで)が共に存在する条件下で培養したNuTu−19細胞の生存率を下方のグラフで示す。 実施例2で説明されているように、43μMシスプラチン(10)または43μMシスプラチン+47μMエブセレン(12)、または47μMエブセレン(14)が存在する中、インビトロで培養されたラット蝸牛内有毛細胞の数を示すグラフである。 実施例3で説明されているように、食塩水およびDMSO(賦形剤対照)(20)、またはエブセレン(用量16mg/kg体重)存在下でシスプラチン(用量16mg/kg体重)(22)によって処理されたラットの8kHz、16kHz、24kHz、および32kHzにおける聴力の永久閾値移動(PTS)を示す。 実施例3で説明されているように、アロプリノール(用量16mg/kg体重)存在下(30)、またはアロプリノール(用量8mg/kg体重)とエブセレン(用量8mg/kg体重)の共存下(32)でシスプラチン(用量16mg/kg体重)により処理されたラットの8kHz、16kHz、24kHz、および32kHzにおける聴力の永久閾値移動(PTS)を示す。 実施例3で説明されているように、シスプラチン、食塩水およびDMSOを合わせたもので処理したラットの左蝸牛の先端からの距離に対してプロットされた、失われた蝸牛外有毛細胞の割合を示す。 実施例3で説明されているように、シスプラチンおよびエブセレンを合わせたもので処理したラットの左蝸牛の蝸牛先端からの距離に対してプロットされた、失われた蝸牛外有毛細胞の割合を示す。 エブセレンの濃度に対して、生きた培養ヒトES−2明細胞癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。ES−2細胞は、実施例5で説明されているように、エブセレン単独、シスプラチン(4μM)およびパクリタキセル(7.2nM)、またはエブセレン、シスプラチン(4μM)およびパクリタキセル(7.2nM)を合わせたものの存在下で培養した。 アロプリノールの濃度に対して、生きた培養ヒトES−2明細胞癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。ES−2細胞は、実施例5で説明されているように、アロプリノール単独、シスプラチン(4μM)およびパクリタキセル(7.2nM)、またはアロプリノール、シスプラチン(4μM)およびパクリタキセル(7.2nM)を合わせたものの存在下で培養した。 エブセレンおよびアロプリノールの濃度に対して、生きた培養ヒトES−2明細胞癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。ES−2細胞は、実施例5で説明されているように、エブセレンおよびアロプリノール、シスプラチン(4μM)およびパクリタキセル(7.2nM)、またはエブセレン、アロプリノール、シスプラチン(4μM)およびパクリタキセル(7.2nM)を合わせたものの存在下で培養した。 エブセレンの濃度に対して、生きた培養ヒトSKOV−3腺癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、SKOV−3細胞は、エブセレン、シスプラチン(4.4μM)およびパクリタキセル(10nM)、またはエブセレン、シスプラチン(4.4μM)およびパクリタキセル(10nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 アロプリノールの濃度に対して、生きた培養ヒトSKOV−3腺癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、SKOV−3細胞はアロプリノール、シスプラチン(4.4μM)およびパクリタキセル(10nM)、またはアロプリノール、シスプラチン(4.4μM)およびパクリタキセル(10nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 エブセレンおよびアロプリノールの濃度に対して、生きた培養ヒトSKOV−3腺癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、SKOV−3細胞はエブセレンおよびアロプリノール、シスプラチン(4.4μM)およびパクリタキセル(10nM)、またはエブセレン、アロプリノール、シスプラチン(4.4μM)およびパクリタキセル(10nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 エブセレンの濃度に対して、生きた培養ヒトOVCAR−3腺癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、OVCAR−3細胞は、エブセレン、シスプラチン(1.4μM)およびパクリタキセル(1.8nM)、またはエブセレン、シスプラチン(1.4μM)およびパクリタキセル(1.8nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 アロプリノールの濃度に対して、生きた培養ヒトOVCAR−3腺癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、OVCAR−3細胞は、アロプリノール、シスプラチン(1.4μM)およびパクリタキセル(1.8nM)、またはアロプリノール、シスプラチン(1.4μM)およびパクリタキセル(1.8nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 エブセレンおよびアロプリノールの濃度に対して、生きた培養ヒトOVCAR−3腺癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、OVCAR−3細胞は、エブセレンおよびアロプリノール、シスプラチン(1.4μM)およびパクリタキセル(1.8nM)、またはエブセレン、アロプリノール、シスプラチン(1.4μM)およびパクリタキセル(1.8nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 エブセレンの濃度に対して、生きた培養ヒトCAOV−3腺癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、CAOV−3細胞は、エブセレン、シスプラチン(1.4μM)およびパクリタキセル(1.76nM)、またはエブセレン、シスプラチン(1.4μM)およびパクリタキセル(1.76nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 アロプリノールの濃度に対して、生きた培養ヒトCAOV−3腺癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、CAOV−3細胞は、アロプリノール、シスプラチン(1.4μM)およびパクリタキセル(1.76nM)、またはアロプリノール、シスプラチン(1.4μM)およびパクリタキセル(1.76nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 エブセレンおよびアロプリノールの濃度に対して、生きた培養ヒトCAOV−3腺癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、CAOV−3細胞は、エブセレンおよびアロプリノール、シスプラチン(1.4μM)およびパクリタキセル(1.76nM)、またはエブセレン、アロプリノール、シスプラチン(1.4μM)およびパクリタキセル(1.76nM)を合わせたもののいずれか存在下で培養した。 エブセレンの濃度に対して、生きた培養ヒトOV−90漿液性乳頭状腺癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、OV−90細胞は、エブセレン、シスプラチン(4.4μM)およびパクリタキセル(38.5nM)、またはエブセレン、シスプラチン(4.4μM)およびパクリタキセル(38.5nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 アロプリノールの濃度に対して、生きた培養ヒトOV−90漿液性乳頭状腺癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、OV−90細胞は、アロプリノール、シスプラチン(4.4μM)およびパクリタキセル(38.5nM)、またはアロプリノール、シスプラチン(4.4μM)およびパクリタキセル(38.5nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 エブセレンおよびアロプリノールの濃度に対して、生きた培養ヒトOV−90漿液性乳頭状腺癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、OV−90細胞は、エブセレンおよびアロプリノール、シスプラチン(4.4μM)およびパクリタキセル(38.5nM)、またはアロプリノール、シスプラチン(4.4μM)およびパクリタキセル(38.5nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 エブセレンの濃度に対して、生きた培養ヒトTOV−112D腺癌/類内膜癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、TOV−112D細胞は、エブセレン、シスプラチン(1.05μM)およびパクリタキセル(2.6nM)、またはエブセレン、シスプラチン(1.05μM)およびパクリタキセル(2.6nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 アロプリノールの濃度に対して、生きた培養ヒトTOV−112D腺癌/類内膜癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、TOV−112D細胞は、アロプリノール、シスプラチン(1.05μM)およびパクリタキセル(2.6nM)、またはエブセレン、シスプラチン(1.05μM)およびパクリタキセル(2.6nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 エブセレンおよびアロプリノールの濃度に対して、生きた培養ヒトTOV−112D腺癌/類内膜癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、TOV−112D細胞は、エブセレンおよびアロプリノール、シスプラチン(1.05μM)およびパクリタキセル(2.6nM)、またはエブセレン、シスプラチン(1.05μM)およびパクリタキセル(2.6nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 エブセレンの濃度に対して、生きた培養ヒトTOV−21G腺癌/明細胞癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、TOV−21G細胞は、エブセレン、シスプラチン(4.8μM)およびパクリタキセル(80nM)、またはエブセレン、シスプラチン(4.8μM)およびパクリタキセル(80nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 アロプリノールの濃度に対して、生きた培養ヒトTOV−21G腺癌/明細胞癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、TOV−21G細胞は、アロプリノール、シスプラチン(4.8μM)およびパクリタキセル(80nM)、またはアロプリノール、シスプラチン(4.8μM)およびパクリタキセル(80nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 エブセレンおよびアロプリノールの濃度に対して、生きた培養ヒトTOV−21G腺癌/明細胞癌卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、TOV−21G細胞は、エブセレンおよびアロプリノール、シスプラチン(4.8μM)およびパクリタキセル(80nM)、またはアロプリノール、シスプラチン(4.8μM)およびパクリタキセル(80nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 エブセレンの濃度に対して、生きた培養ラットrSPI−tu上皮性卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、rSPI−tu細胞は、エブセレン、シスプラチン(1.5μM)およびパクリタキセル(90nM)、またはエブセレン、シスプラチン(1.5μM)およびパクリタキセル(90nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 アロプリノールの濃度に対して、生きた培養ラットrSPI−tu上皮性卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、rSPI−tu細胞は、アロプリノール、シスプラチン(1.5μM)およびパクリタキセル(90nM)、またはアロプリノール、シスプラチン(1.5μM)およびパクリタキセル(90nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。 エブセレンおよびアロプリノールの濃度に対して、生きた培養ラットrSPI−tu上皮性卵巣癌細胞の割合をプロットしたものを示す。実施例5で説明されているように、rSPI−tu細胞は、エブセレンおよびアロプリノール、シスプラチン(1.5μM)およびパクリタキセル(90nM)、またはエブセレン、アロプリノール、シスプラチン(1.5μM)およびパクリタキセル(90nM)を合わせたものいずれかの存在下で培養した。

Claims (41)

  1. 癌に罹った哺乳動物に、癌の増殖を阻害するのに十分な量のエブセレンを投与する工程を含む、哺乳動物の癌を治療する方法。
  2. 哺乳動物がヒトである、請求項1記載の方法。
  3. 癌が卵巣癌である、請求項1記載の方法。
  4. 癌が精巣癌である、請求項1記載の方法。
  5. 癌が頭部または頸部の癌である、請求項1記載の方法。
  6. 癌が多剤化学療法耐性を示す、請求項1記載の方法。
  7. エブセレンを5〜5000mg/日の量で投与する、請求項1記載の方法。
  8. 1ヶ月から24ヶ月の期間にわたってエブセレンを定期的に哺乳動物に投与する、請求項1記載の方法。
  9. 1ヶ月から24ヶ月の期間にわたってエブセレンを1日に1回、哺乳動物に投与する、請求項1記載の方法。
  10. 哺乳動物にエブセレンに加えて別の化学療法剤を投与しない、請求項1記載の方法。
  11. 癌に罹った哺乳動物に、癌の増殖を阻害するのに十分な量のエブセレンとアロプリノールを投与する工程を含む、哺乳動物の癌を治療する方法。
  12. 哺乳動物がヒトである、請求項11記載の方法。
  13. 癌が卵巣癌である、請求項11記載の方法。
  14. 癌が精巣癌である、請求項11記載の方法。
  15. 癌が頭部または頸部の癌である、請求項11記載の方法。
  16. 癌が多剤化学療法耐性を示す、請求項11記載の方法。
  17. アロプリノールを10〜2400mg/日、およびエブセレンを5〜5000mg/日の量で投与する、請求項11記載の方法。
  18. 1ヶ月から24ヶ月の期間にわたってアロプリノールおよびエブセレンを定期的に哺乳動物に投与する、請求項11記載の方法。
  19. 1ヶ月から24ヶ月の期間にわたってアロプリノールおよびエブセレンを1日に1回、哺乳動物に投与する、請求項11記載の方法。
  20. 哺乳動物にアロプリノールとエブセレンに加えて別の化学療法剤を投与しない、請求項11記載の方法。
  21. 癌に罹った哺乳動物に、白金含有化学療法剤の癌に対する化学療法効果を増強するのに十分な量の2−フェニルー1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンを投与する工程を含む、癌に罹った哺乳動物に投与された白金含有化学療法剤の化学療法効果を増強する方法であって、2−フェニルー1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンを、化学療法剤を哺乳動物に投与する前後またはその最中に投与する、方法。
  22. 癌が女性生殖器系の癌である、請求項21記載の方法。
  23. 癌が卵巣癌である、請求項21記載の方法。
  24. 癌が精巣癌である、請求項21記載の方法。
  25. 癌が頭部または頸部の癌である、請求項21記載の方法。
  26. 癌が多剤化学療法耐性を示す、請求項21記載の方法。
  27. タキサン含有化学療法剤も哺乳動物に投与する、請求項21記載の方法。
  28. 白金含有化学療法剤が、シスプラチンおよびカルボプラチンからなる群から選択される、請求項21記載の方法。
  29. タキサン含有化学療法剤が、パクリタキセルおよびドセタキセルからなる群から選択される、請求項27記載の方法。
  30. 2−フェニルー1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンを5〜5000mg/日の量で投与する、請求項21記載の方法。
  31. 癌に罹った哺乳動物に、白金含有化学療法剤の癌に対する化学療法効果を増強するのに十分な量のアロプリノールおよび2−フェニルー1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンを投与する工程を含む、癌に罹った哺乳動物に投与された白金含有化学療法剤の化学療法効果を増強する方法であって、アロプリノールおよび2−フェニルー1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンを、化学療法剤を哺乳動物に投与する前後またはその最中に投与する、方法。
  32. 癌が女性生殖器系の癌である、請求項31記載の方法。
  33. 癌が卵巣癌である、請求項31記載の方法。
  34. 癌が精巣癌である、請求項31記載の方法。
  35. 癌が頭部または頸部の癌である、請求項31記載の方法。
  36. 癌が多剤化学療法耐性を示す、請求項31記載の方法。
  37. タキサン含有化学療法剤も哺乳動物に投与する、請求項31記載の方法。
  38. 白金含有化学療法剤が、シスプラチンおよびカルボプラチンからなる群から選択される、請求項31記載の方法。
  39. 前記アロプリノールを10〜2400mg/日、および2−フェニルー1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンを5〜5000mg/日の量で投与する、請求項31記載の方法。
  40. 癌に罹った哺乳動物に、白金含有化学療法剤の少なくとも1つの有害作用を改善するのに十分な量のアロプリノールおよび2−フェニルー1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンを投与する工程を含む、白金含有化学療法剤の少なくとも1つの有害作用を改善する方法であって、アロプリノールおよび2−フェニルー1,2−ベンゾイソセレンアゾール−3(2H)−オンを、化学療法剤を哺乳動物に投与する前後またはその最中に投与する、方法。
  41. 白金含有化学療法剤がシスプラチンである、請求項39記載の方法。
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