JP2008531105A - 心臓ctにおける心臓重み付けベクトルの適合重ね合わせ装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
心臓(130)によりX線を減衰することにより検出される多周期心臓コンピュータ断層撮影データを解析するための装置(118)であって、検出されたコンピュータ断層撮影データに基づいて、心臓(130)の画像の再構成のための心臓重み付け関数(302)を決定するように適合されている第1決定ユニットと、重み付け関数(302)の後続する分布関数(303)の重なり合いが所定の重なり合い閾値に少なくとも等しく、分布関数(303)は心臓(130)の異なる周期に割り当てられるように、心臓重み付け関数(302)を修正するように適合されている修正ユニットと、を有する装置について開示している。
Description
本発明は、マルチサイクル心臓コンピュータ断層撮影データを解析するための装置及び方法、コンピュータ断層撮影装置、コンピュータ読み出し可能媒体並びにプログラム要素に関する。
本発明は、X線撮像の分野に関する。特に、本発明は、マルチサイクル心臓コンピュータ断層撮影データを解析するための装置及び方法、コンピュータ断層撮影装置、コンピュータ読み出し可能媒体及びプログラム要素に関する。
コンピュータ断層撮影(CT)は、単独の回転軸の周りで撮影される一連の二次元X線画像から、検査中のオブジェクトの体内の三次元画像を生成するディジタル処理を用いる処理である。CT画像の再構成は、適切なアルゴリズムを適用することにより行われる。
コンピュータ断層撮影のフレームにおける1つの重要なアプリケーションは、鼓動している心臓の三次元画像の再構成に関する、所謂、心臓コンピュータ断層撮影である。
心臓コンピュータ断層撮影における1つの重要なステップは、再構成のために用いられる投影の選択である。X線源及びガントリに備えられている検出器が回転し、螺旋軌道上を移動する間に検出信号を検出するとき、捕捉されるデータの一部のみが、更なる使用のための遡及的解析(即ち、データを検出した後)において選択される。典型的には、その選択は、画像の時間分解能を最適化するように再構成のためにできるだけ少ない投影を用いるように実行される。しかしながら、この方法の欠点は、更なる使用のためにデータの不適切な選択からもたらされ、そしてデータの検出中に患者の及び心臓の動きからもたらされる心臓の再構成画像においてアーティファクトが現れる可能性があることである。
文献“Helical cardiac cone beam reconstruction using retrospective ECG gating”,by Grass,M.et al.,Phys.Med.Biol.48(2003)pages3069−3084において、所謂、拡張心臓再構成(ECR)について開示されている。ECR法は、コーンビーム再構成フレームワークに螺旋データ取得のための遡及的にゲーティングされる心臓再構成の概念を取り入れている。それは、単一位相及び複数位相の心臓ボリュームデータ集合の再構成のための高効率の及びフレキシブルなアルゴリズムスキームに繋がる。
ECRは、三次元フィルタリング逆投影に基づく近似螺旋コーンビーム再構成方法である。このようなコーンビーム再構成フレームワークにおいて、遡及的心臓ゲーティングスキームは、対象の特定の心臓動き状態に対する時間情報を制限する。投影データの必要な高い冗長性は、低域螺旋取得モードを用いることにより得られる。投影データの全集合から、規定された心臓の動きに対して画像ボリュームにおいて統合された情報を制限するように副集合が選択される。この手順は、遡及的制限心臓再構成として知られている。
ECR方法にしたがって、幾何学的重み付け係数を除いて、各々のボクセルの重み付け係数及び心臓重み付け係数に依存する照明ウィンドウが実施される。
心臓重み付け関数は、心臓の動き状態を判定するように取得される及び用いられることが可能である患者の心電図(ECG)から演算される。心臓重み付け関数は、投影データ及び時間ドメインの一部を決定し、その時間ドメインは、特定の心臓位相についての画像ボリュームを再構成するように用いられる。その心臓重み付け関数は、心臓の固定された動き状態に再構成のための入力データを制限する。逆投影に先だって、照明重み付け関数及び心臓重み付け関数は、正規化方法を用いてそのボリュームにおける各々のボクセルについて結合されることが可能である。
Grass等による上記文献において、心臓重み付けを実行する仕方について第2.3節に開示されている。心臓重み付け関数は、心臓の特定の動き状態に対応する低域螺旋取得から一部の投影データを選択する。遡及的心臓ゲーティングは、心臓が各々の心周期における動き状態に戻り、特定の持続時間の間、この動き状態を本質的に保つという前提に基づいている。心臓は心周期において連続して動くために、心臓ゲーティングウィンドウの有限の大きさは、再構成ボリュームにおけるある残留する動きアーティファクトに繋がる可能性がある。それらのアーティファクトの源は、周期毎に動きの挙動における僅かな変動である可能性がある。しかしながら、複数周期の再構成と組み合わされるゲーティングウィンドウの有限の大きさが、有限スキャン時間において適切な時間分解能を得るように、遡及的ゲーティング螺旋心臓コーンビームCTにおいて用いられる。
心臓重み付け関数は、スキャンプロトコル及び患者の生理機能に依存する異なるパラメータにより特徴付けられる。第1パラメータは、患者のECGから抽出されるゲーティングウィンドウの中心を決定する位相点である。他の2つのパラメータは、スキャンパラメータ及びに患者の心臓の動きに対する関係に依存するゲーティングウィンドウの幅及び形状である。
しかしながら、好ましくない環境下では、上記の拡張心臓再構成(ECR)方法は、心臓の画像の再構成においてアーティファクトを生じ易く、それ故、低品質の再構成画像を報じる傾向にある。
"Helical cardiac cone beam reconstruction using retrospective ECG gating",by Grass,M.et al.,Phys.Med.Biol.48(2003)pages3069−3084
"Helical cardiac cone beam reconstruction using retrospective ECG gating",by Grass,M.et al.,Phys.Med.Biol.48(2003)pages3069−3084
心臓CTの枠組みにおいては、心臓の再構成画像の品質を改善することは好ましい。
これは、多周期心臓コンピュータ断層データを解析する装置及び方法、コンピュータ断層撮影装置、コンピュータ読み出し可能媒体及び従属請求項に記載の特徴を有するプログラム要素を与えることにより達成されることができる。
本発明の例示としての実施形態にしたがって、心臓(胸部)により減衰されるX線により検出される多周期心臓コンピュータ断層撮影データを解析するための装置を提供する。その装置は、検出されたコンピュータ断層撮影データに基づいて、心臓の画像の再構成のための心臓重み付け関数を決定するように適合された第1決定ユニットを有する。その装置は、重み付け関数の後続の分布関数の重なり合いが所定の重なり合い閾値に少なくとも等しく、その分布関数は心臓の異なる周期に割り当てられるように、心臓重み付け関数を修正するように適合された修正ユニットを更に有する。
本発明の他の例示としての実施形態にしたがって、心臓の方にX線を出射するように適合され、そして心臓の周りで回転するように適合されているX線源と、心臓の周りを回転するように適合され、X線源により出射されそして心臓により減衰されるX線を検出することにより多周期心臓コンピュータ断層撮影データを検出するように適合されている検出要素と、検出された多周期心臓コンピュータ断層撮影データを解析するための上記の特徴を有する装置と、を有するコンピュータ断層撮影装置を提供する。
本発明の他の例示としての実施形態にしたがって、心臓によりX線を減衰することにより多周期心臓コンピュータ断層撮影データを解析する方法であって、検出されたコンピュータ断層撮影データに基づいて、心臓の画像の再構成のために心臓重み付け関数を決定するステップを有する、方法を提供する。更に、心臓重み付け関数は、分布関数が心臓の異なる周期に関連する重み関数の後続する分布関数の重なり合いが、少なくとも所定の重なり合いに等しいように修正される。
更に、本発明の他の例示としての実施形態にしたがって、心臓によりX線を減衰することにより検出される多周期心臓コンピュータ断層撮影データを解析するコンピュータプログラムであって、処理器により実行されるときに、上記の方法のステップを実行するように適合されている、コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ読み出し可能媒体を提供する。
更に、本発明の他の例示としての実施形態にしたがって、心臓によりX線を減衰させることにより検出される多周期心臓コンピュータ断層撮影データを解析するプログラム要素であって、処理器により実行されるときに、上記の方法のステップを実行するように適合されている、プログラム要素を提供する。
本発明にしたがった多周期心臓コンピュータ断層撮影データの解析は、コンピュータプログラムにより、即ち、ソフトウェアにより、又は1つ又はそれ以上の特定の電子的に最適な回路、即ち、ハードウェア又はハイブリッド形式を用いることにより、即ち、ソフトウェア構成要素及びハードウェア構成要素により、実現される。
本発明の特徴的な特徴は、心臓によりX線を減衰させることにより検出される多周期心臓コンピュータ断層撮影データを、アーティファクトを有効に削除することが可能であり、又は完全に回避することが可能であり、結果的に調査中の心臓の再構成画像の改善された品質をもたらすように解析することが可能である。このようなアーティファクトの削除は、多周期心臓コンピュータ断層撮影データ(即ち、心拍の複数の周期の間に検出される心臓コンピュータ断層撮影データ)のために決定される心臓重み付け関数が、評価される心臓重み付け関数のために選択的に用いられるデータの検出中に異なる位相にある心臓の動き状態の変動が動きアーティファクトが生じる可能性のある強い様式で起こるかどうかを確認することにより解析されることからもたらされる。換言すれば、特に、心臓の動き状態が、評価された心臓重み付け関数を介して選択される異なる投影において著しく異なることが決定される場合に、心臓重み付け関数は、付加データが更なる解析のために多周期心臓コンピュータ断層撮影データから選択されるように修正される。この選択は、対応して選択されるデータ/投影が後続の再構成において動きアーティファクトが少ないか又はないように実行される。それ故、この修正は、良好な品質を伴う心臓の画像を再構成することを可能にする。
本発明の例示としての実施形態にしたがって、心臓CTデータ集合は、人間の心臓の周りでX線源及び検出器を回転させることにより取得されることが可能である。この測定に基づいて、複数の投影データが得られる。同時に、心電図が測定されることが可能であり、心電図によるデータは、心臓の心拍周期にしたがって考慮される、心臓の画像の後続の再構成のために適切であるデータを選択するように、後に用いられることが可能である。その測定の後、遡及的に適切なデータが心電図信号を用いて選択されることが可能であり、その選択されたデータは、その場合、更なる検査のために用いられる。
本発明のシステムの修正ユニットは、重み付け関数の連続した分布関数(重み付けベクトルとして表されることも可能である)の重なり合いが少なくとも所定の重なり合い閾値に等しいように、前に演算された心臓重み付け関数を修正することが可能である。分布関数は、通常、心臓の異なる周期に関連する。それ故、特に図7を参照して下で説明するように、重み付け関数は、どの投影が心臓の画像の再構成のために用いられるかを規定する。異なる心臓周期からのデータが用いられるとき、その重み付け関数は複数の重み付けベクトルに分割されることが可能であり、それらの重み付けベクトルの各々は、関連心臓周期に関連するどのデータが更なる解析のために選択され、そしてどの重み付け関数を用いるかを決定する分布関数を規定する。したがって、重み付け関数及び分布関数の“重なり合い”は、隣接する重み付けベクトルの限界の間の距離を規定する値である。大きい重なり合いは比較的広い隣接する分布関数に、即ち、隣接する重み付けベクトルの間の比較的小さい距離に関連する。一般に、その重なり合いの十分に大きい値は、アーティファクトの発生についての比較的小さい確率に対応している。
データは、心臓の周りで螺旋状に回転するガントリに備えられているX線源及び検出器を有するコンピュータ断層撮影装置により捕捉される。各々の心臓周期について、心臓に対してX線源/検出器の対応する投影の一部が心臓の画像の再構成のために選択されることが可能である。特に、後続の心臓周期の用いられるデータの隣接する部分が、180°の倍数(即ち、180°、360°、540°、...)に本質的に等しい心臓に対するX線源/検出器に関連するとき、対応する心臓重み付け関数は、心臓の再構成画像においてアーティファクトを生成する傾向がある。それらのアーティファクトは、更なる解析のために用いられるデータ/投影の範囲を変えることにより、例えば、異なる心臓周期に関連付けられる心臓重み付け関数の分布関数のゲーティングウィンドウを大きくすることにより除去されることが可能である。
本発明は、Grass等による上記文献に記載されているのと同じ方法で遡及的ECR(拡大心臓再構成)ゲーティングを用いるが、Grass等による上記文献にしたがって生じる可能性のあるアーティファクトを削除することにより得られる画像品質を改善する、螺旋心臓コーンビーム再構成スキームのフレームにおいて実現されることが可能である。本発明にしたがって、心臓CTのフレームにおいて心臓重み付けベクトルの適切な重なり合いが実行される。心臓CTデータの心臓の画像の再構成のために用いられる投影の選択は、捕捉データに関連する投影の規定された一部のみ(好適には、できるだけ少ない)を有し、それ故、画像の時間分解能を改善することができる。本発明にしたがって、本発明はそのようなアーティファクトの原因を認識し、取り除くことが可能であるために、再構成画像のアーティファクトの外観は有効に抑制される。
本発明の発明者は、次の3つの条件が累積方式で実行されるときに、特に現れることを認識している。
第1に、患者の心拍は、多周期再構成を可能にする必要がある。換言すれば、心拍の異なる周期に関連するデータの考慮はそのようなアーティファクトを有する可能性があるため、多周期再構成スキームのフレームにおいて現れる可能性がある。患者の心拍が異なる心臓周期からのデータを用いることを可能にする場合、異なる心臓周期のデータを実際に用いることは有利であり、動きアーティファクトの危険性が本発明にしたがって考慮される。
第2に、心臓重み付けベクトルの第1投影は、次の又は前の心臓重み付けベクトルにおける最終投影のπパートナー(又は、本質的にπパートナー)であるときに生じる可能性がある。前の心拍に関連する使用データの端部が、π(即ち、180°)、2π(即ち、360°)、3π(即ち、540°)だけ後続の心拍に関連するデータの後続のパケットの開始時に回転するX線源/検出器の角度位置から異なる心臓に対して回転しているX線源/検出器の角度位置に関連するとき、再構成はアーティファクトを生じる傾向がある。
第3に、アーティファクトは、心臓の動き状態がそれらの投影(即ち、使用/選択データに関連する投影)において著しく異なるときに現れる可能性がある。そのような動き状態における違いは、データの検出中に患者の動きによる又は鼓動による可能性がある。
本発明は、アーティファクトを生じる傾向がある多周期心臓コンピュータ断層撮影データの解析中にそれらの3つの基準を考慮する。全ての3つの基準が、アーティファクトの危険性が存在するように実行される場合、心臓重み付け関数は、そのアーティファクトの危険性を取り除くように再演算される。
上記条件1及び3は、患者の生理機能及び患者の心拍特性(例えば、心拍数)により主に与えられる。それ故、それらの条件は、通常、後の解析のために膨大な量の多周期心臓コンピュータ断層撮影データから投影を選択するオペレータによっては適合されない。本発明の例示としての実施形態にしたがって、上記条件1及び3が検出され、そして、条件1及び3が満たされる場合に、条件2の違反を実施するように、特に心臓重み付け関数を修正することによっては、条件2は満足されないことが確実にされる。
条件1は、通常、スキャナの回転時間、ピッチ及び患者の心拍数のみに本質的に依存するために、検出されることが容易である。スキャナの回転時間は、ガントリに備えられているX線源及び検出器が調査中に心臓の周りを回転する時間である。患者の心拍数は、単位時間当たりの患者の心臓の鼓動の数に関連する。ピッチは、回転当たりのテーブルの移動に依存する(そして、例えば、X線ビームの幅により分割される回転当たりのテーブルの移動として定義されることが可能であり、又は、回転当たりのテーブルの移動と検出器の幅との間の比として定義されることが可能である)。
他の条件を参照するに、心臓ゲーティングベクトルが、通常のやり方で(例えば、Grass等による上記の文献において記載されているのと同様な方法で)先ず、演算されることが可能である。続いて、条件2が、この演算された心臓重み付け関数を満足するかどうかを調べることが可能である。これが肯定される場合、その動き状態は、冗長的に測定されるビューデータに基づいて比較されることが可能である(図5を参照されたい)。条件2の違反を強制するように、心臓重み付け関数が再演算されることが可能である。
不所望のアーティファクトが発生するような、同時に満足される必要がある上記の3つの条件について、下で再び説明する。
第1条件は、多周期再構成(適切な分解能を有するように、通常、望まれる)が実行されることができるかどうかということに関連する。心臓CTにおいては、通常、心臓の周りのX線源及び検出器の回転周期の角度180°に関連するデータを少なくとも捕捉することは有利である。多周期再構成においては、必要なデータは、心臓の異なる鼓動周期のデータから混合される。心臓の異なる鼓動周期からのデータは心臓の異なる動き状態に関連することが可能であるため、この手順は、再構成画像においてアーティファクトを生成する可能性がある。
上記の第2条件を参照するに、データは、心臓の周りを螺旋状に回転するX線源及び検出器により捕捉されることが可能である。各々の心臓周期については、対応する検出された軌道の一部が画像の再構成のために選択されることが可能である。異なる心臓周期の使用データの隣接する部分が心臓に対するX線源/検出器の特定の角度部分に関連する場合、対応する心臓重み付け関数がアーティファクトを生成する可能性がある。異なる心臓周期から用いられる隣接する投影のπパートナーが回避されるように再構成のために用いられる投影を修正することにより、それらのアーティファクトを取り除くことが可能である。
上記の第3条件を参照するに、心臓の動き状態が用いられる異なる投影に対して非常に異なるとき、動きアーティファクトが生じる可能性がある。
患者により本質的に規定されるパラメータ1及び2とは対照的に、パラメータ2は、データを解析するときに、そして実際の再構成のためのデータを選択するときに遡及的にこのパラメータが設定されることが可能であるために、適合されることができる。
条件1及び3が満足されない場合、通常、アーティファクトの危険性は存在しない。条件1及び3が同時に満足される場合、パラメータ2は、アーティファクトを取り除くように調節されることが可能である。特に、この調節は、心臓重み付け関数の分布関数の幅を調節することにより実行されることが可能である。更に、心臓重み付け関数の形状が調節されることが可能であり、例えば、余弦平方関数、三角関数、ステップ関数又はガウシアンにしたがったパラメータが設定されることが可能である。
そのような調節は、重み付け関数の後続の非ゼロ部分のゼロ点間の距離の調節を有することが可能である。更に、そのような調節は、重み付け関数の形状自体の調節を有することが可能である。特定の心拍に関連する重み付け関数の分布は、分布関数がゼロ点を有する境界において数学的に連続的である必要がある。一般に、重み付け関数は、関連データが再構成のために用いられないときに、ゼロ値を有し、関連データが再構成のために用いられるときに、ゼロとは異なる値を有する。
下記において、本発明の更なる例示としての実施形態について説明している。
次に、本発明にしたがった装置についての実施形態について説明する。しかしながら、それらの実施形態はまた、多周期心臓コンピュータ断層撮影データを解析するための方法、コンピュータ断層撮影装置、コンピュータ読み出し可能媒体及びプログラム要素のために適用できる。
その装置の第1決定ユニットは、複数の心臓周期からの寄与を有する心臓重み付け関数を決定するように適合されることが可能であり、それらの寄与の各々は、境界において2つのゼロ点を有する分布関数により表されることが可能である。換言すれば、軸に沿って後続の心臓周期を示すとき、全体的な重み付け関数は複数の単一の分布関数を有することが可能であり、各々の分布関数は特定の心臓位相に関連することが可能である(図3A、図3Bを参照されたい)。種々の分布関数の間においては、重み付け関数は値0を有する。このようにして、異なる心臓周期に関連する用いられるデータのパケットが規定される。
その装置の第1決定ユニットは、2つのゼロ点において連続的であるように分布関数を決定するように更に適合されることが可能である。特定の心臓周期の境界においては、分布関数は、有利であるように、更にアーティファクトを取り除くために、ゼロ点間の分布が得られるように、ゼロに対してスムーズである。
更に、第1決定ユニットは、余弦関数、三角関数、ステップ関数(矩形関数)及びガウシアンの平方より成る群の一としての分布関数を決定するように適合されることが可能である。しかしながら、多の分布関数、あっ問えば、ローレンズ関数、多ステップ関数等が可能である。分布関数は正規化される(例えば、分布関数における領域は1であるように)ことが可能である。
本発明にしたがった装置は、心臓の異なる周期からもたらされる検出された心臓コンピュータ断層撮影データを用いて、心臓の画像の指向性が実行可能であるかどうかを調べるように適合された調査ユニットを更に有することが可能である。換言すれば、心臓重み付け関数又は修正された心臓重み付け関数を決定する前に、調査ユニットは、現在の実験及び生理学的フレーム条件が、異なる心臓位相に関連する取得データを用いて心臓の画像を再構成するために適切であるかどうかを先ず決定する又は調べる。
特に、調査ユニットは、心臓の画像の再構成が、心臓の鼓動数、コンピュータ断層撮影装置のピッチ及びコンピュータ断層撮影装置のガントリの回転時間を有する群の基準の少なくとも一に基づいて、心臓の異なる周期からもたらされる検出された心臓コンピュータ断層撮影データを用いて実行可能であるかどうかを調べるように適合されることが可能である。それらのパラメータは、実験フレーム条件及び患者の生理機能が多周期再構成を可能にするかどうかの質問に対して有意味である。
その装置は、決定される心臓重み付け関数について、決定される心臓重み付け関数に含まれるコンピュータ断層撮影データに関連する心臓の動き状態の変動が動き閾値を上回るかどうかを決定するように適合されている第2決定ユニットを有する。心臓の動きが強過ぎる場合、動きアーティファクトが、心臓の非常に異なる動き状態に関連する投影を用いるときに生じる可能性がある。
修正ユニットは、動き閾値を上回った場合にのみ、心臓重み付け関数を修正するように適合されることが可能である。換言すれば、第2決定ユニットは、アーティファクトを回避するために重み付け関数の修正が本当に必要である動きが強過ぎるかどうかを検出することが可能である。これが否定的である場合、修正される重み付け関数を演算することは必要ない。
第2決定ユニットは、コンピュータ断層撮影装置のガントリの回転時間及び心臓の鼓動数を有する群の基準の少なくとも1つに基づいて動き閾値を決定するように適合されることが可能である。換言すれば、特に、鼓動数とガントリの回転数との間の関係は、アーティファクトの発生が除外されないように、心臓の動き状態が異なる投影において著しく異なるかどうかの質問について有意味である。他の有意味な基準は、データの検出中に検査テーブル上を患者が移動する範囲である。
装置の修正ユニットは、分布関数を修正することにより心臓重み付け関数を修正するように適合されることが可能である。特に、修正ユニットは、隣接する分布関数の隣接するゼロ点間の距離を修正することにより心臓重み付け関数を修正するように適合されることが可能である。更に、修正ユニットは、分布関数の少なくとも1つの幅、例えば、半値全幅(FWHM)を修正することにより心臓重み付け関数を修正するように適合されることが可能である。
本発明の例示としての実施形態にしたがって、修正ユニットは、少なくとも2つの隣接する分布関数の少なくとも2つの隣接するゼロ点が、位置が本質的に180°の整数倍だけ異なる心臓及び胸部により減衰されるX線を検出する回転検出器の一に関連する投影に割り当てられることを回避するように、心臓重み付け関数を修正するように適合されることが可能である。換言すれば、修正ユニットは、隣接する分布関数の隣接するゼロ点が本質的に180°、360°、540°、...だけ(即ち、180°又はπの倍数だけ)異なる投影に対して割り当てられないようにするように、心臓重み付け関数を修正するように適合されることが可能である。換言すれば、心臓重み付けベクトルにおける第1投影が次の又は前の心臓重み付けベクトルにおける最後の投影のπパートナー(又は、殆どπパートナー)である場合、アーティファクトの危険性が存在する。心臓の周りにおいてガントリ上を回転する検出器の角度位置が、後の分布関数の開始のゼロ点に比べて前の分布関数の最後のゼロ点においてn・π(nは整数)だけ異なるとき、アーティファクトの危険性が存在する。
本発明の例示としての実施形態にしたがって、装置は、多周期心臓コンピュータ断層撮影データの検出と同時に検出される心臓の心電図データの考慮の下で、多周期心臓コンピュータ断層撮影データを解析するように適合されることが可能である。換言すれば、心臓コンピュータ断層撮影データの測定と同時に測定される心電図は、(動き)アーティファクトの危険性が存在するかどうかを決定するための重要且つ補間情報を与えることが可能である。
装置は、所定の重なり合い閾値が5°乃至90°の範囲内、好適には、30°乃至50°の範囲内にあるように適合されることが可能である。それらの重なり合い閾値の値の範囲は、特に有利であり、動きアーティファクトの有効な除去を可能にする。一般に、動きアーティファクトは、重なり合いが比較的大きいシナリオにおいてかなり弱いということが可能である。
下記において、コンピュータ断層撮影装置の例示としての実施形態について説明する。しかしながら、それらの実施形態はまた、多周期心臓コンピュータ断層撮影データを解析するための装置及び方法、コンピュータ読み出し可能媒体及びプログラム要素に対して適用することができる。
コンピュータ断層撮影装置のX線源及び検出要素は、螺旋軌道にしたがって回転するように適合されることが可能である。これは、調査中の心臓の直線的動きと組み合わされた円形回転ガントリ(X線源及び検出器が備えられることが可能である)により、例えば、患者が位置付けられているマウンティングテーブルを直線的に動かすことにより達成される。
特に、マルチスライス検出器のフレームにおいては、螺旋軌道は、円形軌道により置き換えられることが可能である。
コンピュータ断層撮影装置は、X線源と検出要素との間に備えられたコリメータであって、ファンビーム又はコーンビームを形成するようにX線源により出射されるX線ビームをコリメートするように適合されている、コリメータを更に有することが可能である。本発明においては、コーンビーム構成を主に方向付ける。しかしながら、本発明はまた、ファンビーム構成を適用することが可能である。
本発明の上記の特徴及び更なる特徴については、以下に詳述される例示としての実施形態から明らかになり、それらの例示としての実施形態を参照して説明されている。
本発明については、以下、例示としての実施形態に関連付けて詳述しているが、本発明はそれらに限定されるものではない。
図1は、本発明にしたがったコンピュータ断層撮影スキャナシステムの例示としての実施形態を示す。
図1に示すコンピュータ断層撮影装置100はコーンビームCTスキャナである。しかしながら、本発明はまた、ファンビームの幾何学的構成により実行されることが可能である。図1に示すCTスキャナは、回転軸102の周りにおいて回転可能であるガントリ101を有する。ガントリ101はモータ103により駆動される。参照番号104はX線源のような放射線源を表し、本発明の特徴にしたがって、そのX線源は、多色又は単色放射線を出射する。
参照番号105は、照射線源からコーン形状放射線ビーム106の方に出射される放射線ビームを形成するアパーチャシステムを表す。コーンビーム106は、ガントリ101の中央、即ち、CTスキャナの検査領域に配置されている対象107のオブジェクトを透過し、検出器108に衝突するように方向付けられている。図1から分かるように、検出器108は、放射線源104に対向するようにガントリ101に備えられ、それ故、検出器108の表面はコーンビーム106によりカバーされる。図1に示す検出器108は、各々、対象107のオブジェクトにより散乱された又はそのオブジェクトを透過したX線を検出することができる複数の検出器要素123を有する。
対象107のオブジェクトのスキャン中、放射線源104、アパーチャシステム105及び検出器108は、矢印116で示される方向にガントリ101に沿って回転される。放射線源104、アパーチャシステム105及び検出器108を有するガントリ101の回転については、モータ103がモータ制御ユニット117に接続され、そのモータ制御ユニット117は制御ユニット118(また、演算ユニット又は決定ユニットといわれる)に接続されている。
図1においては、対象107のオブジェクトは、操作テーブル119の上に位置付けられている人間である。人間107の心臓130のスキャン中、ガントリ101は人間107の周りを回転する一方、操作テーブル119は、ガントリ101の回転軸102に対して平行な方向に沿って人間107を移動させる。これにより、心臓130は、螺旋スキャン経路に沿ってスキャンされる。操作テーブル119はまた、信号スライスを測定するようにスキャン中に停止されることが可能である。上記の場合の全てについて、円形スキャンを実行することが可能であり、その円形スキャンにおいては、回転軸102に対して平行な方向における移動は存在しないが、回転軸102の周りのガントリ101の回転のみが存在することに留意する必要がある。
更に、人間107の心臓130の心電図を取る心電装置135が備えられている一方、心臓130を透過することにより減衰するX線は検出器108により検出される。測定された心電図に関連するデータは制御ユニット118に送信される。
更に、図1に示しているコーンビーム構成の代替として、本発明は、ファンビーム構成を実現することが可能であることを強調しておく。一次ファンビームを生成するように、アパーチャシステム105がスリットコリメータとして構成されることが可能である。
検出器108は制御ユニット118に接続されている。制御ユニット118は、検出結果、即ち、検出器108の検出要素123からの読み出しを受信し、それらの読み出しに基づいてスキャンの結果を決定する。更に、制御ユニット118は、操作テーブル119並びにモータ103及び120とガントリ101の動きを協調させるように、モータ制御ユニット117と通信する。
制御ユニット118は、検出器108の読み出しから画像を再構成するように適合されることが可能である。制御ユニット118により生成される再構成画像は、インターフェース122を介してディスプレイ(図1においては図示していない)に出力されることが可能である。
制御ユニット118は、検出器108の検出要素123からの読み出しを処理するようにデータ処理器により実現されることが可能である。
図1に示すコンピュータ断層撮影装置は、心臓130の多周期心臓コンピュータ断層撮影データを捕捉する。換言すれば、ガントリ101が回転し、そして操作テーブル119が直線的に移動されるとき、螺旋スキャンが心臓130に対してX線源104及び検出器108により実行される。この螺旋スキャン中に、心臓130は、複数回数、鼓動することが可能である。それらの鼓動中に、複数の心臓コンピュータ断層撮影データが取得される。同時に、心電図が、心電図ユニット135により測定される。それらのデータを取得した後、それらのデータは制御ユニット118に転送され、測定データは遡及的に解析されることが可能である。
測定データ、即ち、心臓コンピュータ断層撮影データ及び心電図データは、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)140を介して更に制御されることが可能である制御ユニット118により処理される。この遡及的解析は、上記のGrass等による文献において開示されているような遡及的ECRゲーティングを用いる螺旋心臓コーンビーム再構成スキームに基づくものである。
しかしながら、従来のECRスキームに加えて、装置118は、アーティファクトを排除するように、下記の方法で心臓113を透過するX線を減衰させることにより検出される多周期心臓コンピュータ断層撮影データを解析するように適合されている。装置118の調査ユニットは、心臓130の画像の再構成が心臓130の異なる心拍周期からもたらされる検出された心臓コンピュータ断層撮影データを用いて実行可能であるかどうかを調べる。この調査ユニットは、患者の心拍が多周期再構成を可能にするかどうかを調べる。これが肯定的である場合、下で説明するように、多周期再構成アルゴリズムが実行される。
装置118の第1決定ユニットは、心臓130の画像の指向性のための心臓重み付け関数を、検出されたコンピュータ断層撮影データに基づいて決定するように適合される。そのような心臓重み付け関数は、心臓コンピュータ断層撮影データのどれが更なる解析のために選択されるかを決定する。装置118の第2決定ユニットは、決定された心臓重み付け関数について、決定された心臓重み付け関数に含まれるコンピュータ断層撮影データに関連する心臓の動き状態の変動が閾値を上回るかどうかを判定するように適合されている。即ち、第2決定ユニットは、心臓130の動き状態が後続の解析のために用いられる異なる投影において著しく異なるかどうかを調べる。心臓の動き状態の変動が閾値より小さい場合、アーティファクトの発生についての実質的な危険性は存在しない。しかしながら、心臓の動き状態が異なる投影において著しく異なる場合、下で説明するように、アーティファクトの危険性は考慮され、取り除かれる必要がある。
そのようなアーティファクトの危険性が存在する場合、装置118の修正ユニットは、
重み付け関数の後続する分布関数の重畳が所定の重畳閾値に少なくとも等しく、その分布関数は心臓130の異なる周期に関連しているように、心臓重み付け関数を修正する。換言すれば、修正ユニットは、心臓の画像を再構成するために後に用いられる重み付け係数及び/又はデータブロックを修正する又は再度変える。この新しい選択又は前の選択の更新/修正は、再構成画像からアーティファクトを取り除く。
重み付け関数の後続する分布関数の重畳が所定の重畳閾値に少なくとも等しく、その分布関数は心臓130の異なる周期に関連しているように、心臓重み付け関数を修正する。換言すれば、修正ユニットは、心臓の画像を再構成するために後に用いられる重み付け係数及び/又はデータブロックを修正する又は再度変える。この新しい選択又は前の選択の更新/修正は、再構成画像からアーティファクトを取り除く。
図2は、X線源104及び多スライス検出器108、並びにX線源104及び検出器102が心臓(図2には示していないが、軌道200の中央に配置されている)に対して移動する螺旋軌道200の模式図である。軌道200に沿ったこの螺旋スキャン中に、心臓は、複数回、鼓動する。
図3Aは、横軸301に沿って、取得される心臓コンピュータ断層撮影データの取得時間又は投影数を示している。縦軸に沿って、装置118の第1決定ユニットにより決定される重み付け関数wが示されている。P1、P2、P3、P4、P5のような横軸に沿って示されている点は、心臓130の5つの後続の心拍周期と関連している。重み付け関数wは、心拍P1乃至P5の中心の各々の周りの長方形部分は、心臓130の画像の後続の再構成のためのデータとして用いられる。P1乃至P5の周りの長方形部分の間のデータ/投影は、この解析については用いられない。
しかしながら、第1心拍P1に関連する重み付け関数の右側の境界と、第2心拍P2に関連する重み付け関数の左側の境界との間の距離は距離π又は180°を有するため、心臓重み付けベクトルにおける第1投影は、次の心臓重み付け関数ベクトルにおける最後の投影の、所謂、πパートナーである。それ故、第1決定ユニットにより評価される重み付けベクトルwはアーティファクトを生じ易い傾向にある。
図3はまた、取得時間又は投影数がプロットされた横軸301を有する図であり、心拍周期P1乃至P5がまた、図3Bに示されている。図310の縦軸311に沿って、修正された重み付け関数w′が示され、その図において、異なる心臓周期P1乃至P5に関連する異なる分布関数303は、重み付け関数wに比較して修正されている。修正された分布関数は参照番号313で表されている。第1心臓周期P1に関連する分布関数313の右側の境界と第2心臓周期P2に関連する分布関数313の左側の境界との間の距離はπとは異なるため、再構成画像におけるアーティファクトは抑制されることが可能である。特に、心臓重み付け関数wは、決定された心臓重み付け関数に含まれるコンピュータ断層撮影データに関連する心臓の動き状態の変動が閾値を上回るようである故に、修正された重み付け関数w′は、重み付けベクトルの重なり合いが少なくとも特定の値e(重なり合いの閾値)であり、そのeは予め規定されている(例えば、10乃至50度)ように選択される。
分布関数313は各々、2つのゼロ点314間では非ゼロである。例示目的のために、分布関数303、313は矩形関数として示されているが、重み付け関数w又はw′のように2つのゼロ点314において連続する余弦関数の平方を用いることはより好適である。これは、図3Bに示され、参照番号316で表されている。
装置118の修正ユニットは、分布関数313になるように分布関数303を修正することにより、wからw′に心臓重み付け関数を修正し、隣接する分布関数313、303の隣接するゼロ点314間の距離が変化される。特に、修正された重み付け関数w′の幅317は重み付け関数wの幅307に対して変化される。
図4は、異なる画像400、410、420、430を示している。それらの画像400、410、420、430から、本発明にしたがったスキームがアーティファクトを低減することができると結論することができる。図4は、ECR(拡張心臓再構成)を用いる異なる再構成を示す。
画像400は、ブロッキングアーティファクト(特に、その画像の中央における水平な線401)を示す時間的最適化を有する標準的な3周期再構成画像を示す。画像410は、位相1からの1周期再構成を示す。画像420は、位相点2からの1周期指向性を示す。最終的に、本発明にしたがったスキームにより再構成される画像430は、少なくとも48°の重なり合いを用いる3サイクル再構成に関連するものである。
図5は、本発明にしたがって、上記条件3が満たされるかどうかがどのように調べられるかを示す図500である。これが肯定される場合、動き状態は、冗長的に測定されるビューデータに基づいて比較される。これは、図5に示されているものである。図5は、ソース軌道のWEDGE検出器への投影を示している。一部の線積分、即ち、螺旋における2つの点を有する線積分はまさに2回測定される。例えば、2つのビューが3π離れている場合、一のビューにおいてラベル“3π”を有する線上のデータは、他のビューにおいてラベル“−3π”を有する線上のデータに対応する。それらの線に沿った線席分の差は、上記条件3を検出するように用いられることが可能である。条件3が満たされる場合、心臓重み付けベクトルは、図4の画像430に示されているように、アーティファクトのない画像が結果的に得られる条件2の違反を強制するように、広げられる。
図6は、本発明にしたがった方法の例示としての実施形態を実行するために本発明にしたがったデータ処理装置600の例示としての実施形態を示している。図6に示すデータ処理装置600は、患者の心臓のような対象のオブジェクトを表す画像を記憶するためのメモリ602に接続されている中央演算処理装置(CPU)又は画像処理器601を有する。データ処理器601は、CT装置のような複数の入力/出力ネットワーク又は診断装置に接続されることが可能である。データ処理器601は、更に、データ処理器601において演算される又は適合される画像又は情報を表示するように、ディスプレイ装置603、例えば、コンピュータモニタに接続されていることが可能である。オペレータ又はユーザは、キーボード604及び/又は他の出力装置を介してデータ処理器601とインタラクトすることが可能である。更に、バスシステム605を介して、対象のオブジェクトの動きをモニタする、例えば、動きモニタに画像処理及び制御処理器601を接続することがまた、可能である。心臓が撮影される場合、動きセンサは心電計(ECG)であることが可能である。
下記において、図7を参照して、後続の心臓周期に関連する投影のための重み付け関数を示す他の模式図700について説明する。
図700は、鼓動している心臓を検査するために螺旋CTスキャン中に測定される異なる投影に関連する投影角度を横軸に沿って示している(図3A、図3Bにおける方式と同じ方式で)。縦軸302に沿って、取得された投影のどれが後の詳細な解析のために実際に用いられるかを示す重み付け関数がプロットされている。図7は、調査中の心臓の2つの後続の鼓動に関連する2つの分布関数303(選択された投影の集合を構成する重み付けベクトルとしても表されている)を示している。重み付けベクトル303の各々は、模式的に示され、例えば、2つの限界ゼロ値314間に非ゼロ値を有する余弦の平方として実現される。左側の重み付けベクトル303の左側の境界と右側の重み付けベクトル303の右側の境界との間の距離はm1・π+εであり、m1は整数であり、εは、所謂、“重なり合い”である。左側の重み付けベクトル303の右側の境界と右側の重み付けベクトル303の左側の境界との間の距離はm2・π−εであり、m2は整数である。パラメータm1及びm2は、0≦ε≦πであるように本質的に選択される。
本発明にしたがって、最初に演算された心臓重み付け関数302は、重み付け関数302の後続の重み付けベクトル303の重なり合いεが所定の重なり合い閾値より大きいか又はそれに等しいように、修正されることが可能である。分布関数303は、心臓の異なる周期に割り当てられる。それ故、投影が心臓の画像の再構成のために用いられる重み付け関数が規定される。異なる心臓周期からのデータが用いられるとき、重み付け関数302は複数の重み付けベクトル303に分割されることが可能であり、それらの重み付けベクトル303の各々は、割り当てられた心臓周期に関連するどのデータが更なる解析のために選択されるかを判定する分布関数を規定する。図7に示すように、重み付けベクトル303の“重なり合い”εは、隣接する重み付けベクトル303の限界314間の距離を規定する値である。重なり合いεが十分に大きいように選択されるとき、アーティファクトは有効に削除される。
本発明を有利に適用することができる例示としての技術分野には、医療用アプリケーション、材料検査及び材料科学がある。少ない労力と結び付けられる改善された画像品質及び低減された演算量を得ることが可能である。特に、本発明は、心臓疾患を検出するための心臓スキャンの分野で応用されることができる。
用語“を有する”は他の要素又はステップを排除するものではなく、単数表現は複数の存在を排除するものではないことに留意する必要がある。また、異なる実施形態に関連して説明された要素を組み合わせることが可能である。
Claims (21)
- 心臓によりX線を減衰することにより検出される多周期心臓コンピュータ断層撮影データを解析するための装置であって:
前記検出されたコンピュータ断層撮影データに基づいて、前記心臓の画像の再構成のための心臓重み付け関数を決定するように適合されている第1決定ユニット;及び
前記重み付け関数の後続する分布関数の重なり合いが所定の重なり合い閾値に少なくとも等しく、前記分布関数は前記心臓の異なる周期に割り当てられるように、前記心臓重み付け関数を修正するように適合されている修正ユニット;
を有する装置。 - 請求項1に記載の装置であって、前記第1決定ユニットは、複数の心臓周期からの寄与を有する前記心臓重み付け関数を決定するように適合され、前記寄与の各々は、2つのゼロ点により限界付けられている前記分布関数の1つにより表される、装置。
- 請求項2に記載の装置であって、前記第1決定ユニットは、前記2つのゼロ点において連続するように前記分布関数を決定するように適合されている、装置。
- 請求項2に記載の装置であって、前記第1決定ユニットは、三角関数、ステップ関数、ガウス分布及び余弦関数を有する群の一として前記分布関数を決定するように適合されている、装置。
- 請求項1に記載の装置であって、前記心臓の前記画像の再構成が、前記心臓の異なる周期からもたらされる検出された心臓コンピュータ断層撮影データを用いて実行可能であるかどうかを調べるように適合されている調査ユニットを更に有する、装置。
- 請求項5に記載の装置であって、前記調査ユニットは、前記心臓の前記画像の再構成が、前記心臓の心拍数、コンピュータ断層撮影装置のピッチ及びコンピュータ断層撮影装置のガントリの回転時間の少なくとも一に基づいて、前記心臓の異なる周期からもたらされる検出された心臓コンピュータ断層撮影データを用いて実行可能であるかどうかを調べるように適合されている、装置。
- 請求項1に記載の装置であって、前記決定された心臓重み付け関数について、前記決定された心臓重み付け関数に含まれるコンピュータ断層撮影データに関連する前記心臓の動き状態の変動が動き閾値を超えているかどうかを決定するように適合されている第2決定ユニットを更に有する、装置。
- 請求項7に記載の装置であって、前記修正ユニットは、前記動き閾値を超えた場合にのみ、前記心臓重み付け関数を修正するように適合されている、装置。
- 請求項7に記載の装置であって、前記第2決定ユニットは、前記心臓の心拍数及びコンピュータ断層撮影装置のガントリの回転時間の少なくとも一に基づいて、前記動き閾値を決定するように適合されている、装置。
- 請求項1に記載の装置であって、前記修正ユニットは、前記分布関数の少なくとも一を修正することにより前記心臓重み付け関数を修正するように適合されている、装置。
- 請求項2に記載の装置であって、前記修正ユニットは、少なくとも2つの隣接する分布関数の少なくとも2つの隣接するゼロ点間の距離を修正することにより前記心臓重み付け関数を修正するように適合されている、装置。
- 請求項1に記載の装置であって、前記修正ユニットは、前記分布関数の少なくとも一の幅を修正することにより前記心臓重み付け関数を修正するように適合されている、装置。
- 請求項2に記載の装置であって、前記修正ユニットは、少なくとも2つの隣接する分布関数の少なくとも2つの隣接するゼロ点が、心臓により減衰されるX線を検出する回転検出器の位置に関連する投影に割り当てられ、前記位置は180°の整数倍だけ実質的に異なっていることが回避されるようにして、前記心臓重み付け関数を修正するように適合されている、装置。
- 請求項1に記載の装置であって、前記多周期心臓コンピュータ断層撮影データの前記検出と同時に検出される前記心臓の心電図データの考慮の下に、前記多周期心臓コンピュータ断層撮影データを解析するように適合されている、装置。
- 請求項1に記載の装置であって、前記所定の重なり合い閾値は、5°乃至90°の範囲内、好ましくは、30°乃至50°の範囲内にある、装置。
- コンピュータ断層撮影装置であって:
心臓にX線を出射するように適合され、そして前記心臓の周りで回転するように適合されているX線源;
前記心臓の周りを回転するように適合され、そして前記X線源により出射され且つ前記心臓により減衰されるX線を検出することにより多周期心臓コンピュータ断層撮影データを検出するように適合されている検出ユニット;及び
前記検出された多周期心臓コンピュータ断層撮影データを解析するための請求項1に記載の装置;
を有するコンピュータ断層撮影装置。 - 請求項16に記載のコンピュータ断層撮影装置であって、前記X線源及び前記検出要素は、前記心臓に対して螺旋軌道にしたがって回転するように適合されている、コンピュータ断層撮影装置。
- 請求項16に記載のコンピュータ断層撮影装置であって、前記X線源と前記検出要素との間に備えられているコリメータであって、ファンビーム又はコーンビームを形成するように前記X線源により出射されたX線をコリメートするように適合されているコリメータを有する、コンピュータ断層撮影装置。
- 心臓によりX線を減衰することにより検出される多周期心臓コンピュータ断層撮影データを解析する方法であって:
前記検出されたコンピュータ断層撮影データに基づいて。前記心臓の画像の再構成のための心臓重み付け関数を決定する段階;及び
前記重み付け関数の後続する分布関数の重なり合いが所定の重なり合い閾値に少なくとも等しく、前記分布関数は前記心臓の異なる周期に割り当てられるように、前記心臓重み付け関数を修正する段階;
を有する方法。 - 心臓によりX線を減衰することにより検出される多周期心臓コンピュータ断層撮影データを解析するコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み出し可能媒体であって、処理器により実行されるときに、次の段階、即ち:
前記検出されたコンピュータ断層撮影データに基づいて。前記心臓の画像の再構成のための心臓重み付け関数を決定する段階;及び
前記重み付け関数の後続する分布関数の重なり合いが所定の重なり合い閾値に少なくとも等しく、前記分布関数は前記心臓の異なる周期に割り当てられるように、前記心臓重み付け関数を修正する段階;
を実行するように適合されているコンピュータ読み出し可能媒体。 - 心臓によりX線を減衰することにより検出される多周期心臓コンピュータ断層撮影データを解析するプログラム要素であって、処理器により実行されるときに、次の段階、即ち:
前記検出されたコンピュータ断層撮影データに基づいて、前記心臓の画像の再構成のための心臓重み付け関数を決定する段階;及び
前記重み付け関数の後続する分布関数の重なり合いが所定の重なり合い閾値に少なくとも等しく、前記分布関数は前記心臓の異なる周期に割り当てられるように、前記心臓重み付け関数を修正する段階;
を実行するように適合されているプログラム要素。
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