JP2008530555A - 細菌及び芽胞の同定 - Google Patents

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    • C12Q1/02Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving viable microorganisms
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    • G01N33/483Physical analysis of biological material
    • G01N33/497Physical analysis of biological material of gaseous biological material, e.g. breath

Abstract

【課題】
試料に含有される細菌の同定方法を提供すること。
【解決手段】
細菌が、前記細菌を含有する試料を処理することにより得られるデータ流を分析すること(ここで、前記データ流は、少なくとも1種類の診断クラスターを含有する所定のベクトル空間において前記データ流を特徴付ける試料ベクトルを生成するために抽出されており、前記診断クラスターが既知のタイプの細菌と関連付けられる)、及び前記試料ベクトルが前記診断クラスター次第であるかどうかを決定することにより同定されることができ、前記試料が診断クラスター次第である場合、前記細菌が前記既知の種類のものであることが示され得る。同様に、芽胞は、芽胞を含有する試料を処理することにより得られるデータ流を分析すること(ここで、前記データ流が、少なくとも1種類の診断クラスターを含有する所定のベクトル空間において前記データストリームを特徴付ける試料ベクトルを生成するために抽出されており、前記診断クラスターが既知の種類の芽胞と関連付けられている)、及び前記試料ベクトルが前記診断クラスター次第であるかどうかを決定することにより同定されることができ、前記試料が前記診断クラスター次第なら、前記芽胞が前記既知の種類のものであることが示され得る。
【選択図】図8A

Description

本願は、2005年2月9日に出願された、発明の名称「微分型移動度分光計及びパターン認識アルゴリズムを用いたバチルス属の芽胞の低レベル検出及び区別(Low Level Detection and Differentiation of Bacillus Spores Using a Differential Mobility Spectrometer and Pattern Recognition Algorithms)」の米国仮出願第60/650,979号、及び2005年2月23日に出願された、発明の名称「微分型移動度分光計及びバイオインフォマティクスパターン認識を用いた種特異的細菌同定(Species−Specific Bacteria Identification Using Differential Mobility Spectrometry and Bioinformatics Pattern Recognition)」の米国仮出願第60/655,470号(仮出願の内容は、全体として参照により本明細書に援用される)に基づく優先権を主張する。
背景
細菌は成長し、増殖するにつれ、これを分析して、分種化のために用いることのできる種々の揮発性化合物を放出し、これにより、患者の呼気を分析して疾患の診断を受けやすい方法が提供される。現在、様々な化学物質検出器や分析試料が、細菌の代謝の揮発性副産物の同定において用いるため、さらに改良されており(1、2)、そしてヒトの呼気中の揮発性構成物質の分析に十分高感度である(3、4)。これらの呼気検出技術の多くは、感染又はストレスに応答して微生物又はそれらの感染宿主により生成される、一酸化窒素(5)、エタン及びペンタン(6)、アルデヒド(7)、イソプレン(8)、水素及び一酸化炭素(9)等の揮発性有機化合物を測定することに焦点を当てている。
これらの分析は、微生物タイピングによる診断よりはるかに時間がかからず、費用がかからずかつ侵襲性でない、慢性肺疾患(10〜12)や心不全(8)等の多種多様な疾患の経過を診断又は追跡を可能にする。感染した肺スペースの1つの実験モデルは、液体培養物中の細菌により放出された細菌特異的揮発性物質のヘッドスペース分析である。いくつかの共通する肺病原体の自動ヘッドスペース濃度ガスクロマトグラフィー−水素炎イオン化検出(GC−FID)分析により、多数の特徴的かつ高度に保存された主成分が明らかにされている(13)。ヘッドスペース揮発性物質のガスクロマトグラフィー−質量分析(GC−MS)も様々なシュードモナス属(Pseudomonas)の細菌について行われ、メチルケトン、アルコール、及び硫黄代謝産物の相対的濃度の違いが示されている(14)。液体クロマトグラフィーを用いても、種々の脂肪酸及びミコール酸分解産物の調査により、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)の密接に関連する種間で首尾よく区別された(15)。ガスクロマトグラフィーは、腸内病原体であるクロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difficile)の同定のために用いられ、これは、他のクロストリジウム属(Clostridia)と比較してクロストリジウム・デフィシレにより代謝的に生成される異なる短鎖脂肪酸に基づく(16)。
これらの検出方法を臨床診断及び当該分野における他の使用に適合させることの主要な障壁は、それらの技術上の複雑さ及び分析機器の物理的大きさである。この理由のため、揮発性放出を分析するための、小型化された現場で使用可能な装置が強く求められている。かかる装置の一つである、微小微分型移動度分光計(マイクロDMx(microDMx))は、イオンフィルタリング及び検出のため、高強度RF場におけるイオンの非直線的移動度依存性を使用する(17、18)。不活性ガスにより運ばれたイオンは、2つの電場により調節された2つの平面電極間を通過する(それぞれのイオンに固有の変動可能なDC補償電圧が重ね合わされ、非対称、時間依存、周期的ポテンシャルである)、分析物がイオンフィルター電極間を検出器及び偏向電極まで通過することを可能にする(19)。類似の検出器は、既に、手荷物を選別するため世界的に空港で日常的に使用されている(20)。
細菌の分類のために微小微分型移動度分光計を用いた従前の研究は、熱分解と組み合わせて行われており、微生物全体が熱的に分解され、全細胞の化学的性質又は種特異的な個々の化合物が、生成された複雑なスペクトルから分析される(21、22)。これらの研究は、細胞化合物を研究し、生物体を同定する際の原理がそれらの固有の部分及び過程に基づく一方、熱分解により放出される細胞化合物は、正常な生理的条件下では揮発性物質として放出されないので、インビボの呼気分析の適用を受けにくい。
さらに、MS及びFIDにより生じたデータを定量的かつ定性的に分析するのには十分機能する、ピーク同定の伝統的な方法は、微分型移動度検出に用いると問題がある。混合物がイオン移動度分光計により分析される場合、1種類以上の成分を選択的にイオン化すると、試料中の他の成分のプロダクトイオンの形成を妨げる。例えば、4種類以上のイオン化成分が一緒に混合されると、いくつかの個々のピークの消失及び/又は個々のピークの合体が生じる(23)。このような挙動は、分解及び感度について理論上、実験上の綿密なモデル化がなされているにもかかわらず、なぜこれらのタイプの装置における分子構造と補償電圧との相関関係が未だに決定されていないか(19)を説明し得る(24)。
一組の一致化合物に基づく生物の同定にも欠陥があり、この方法においては揮発性化合物の生成は、全生態系の動力学に依存する(21)。個々の種は、環境パラメーターが一致する場合のみ揮発性物質の再現可能なプロファイルを生成する。成長条件の変化は、所定の種の揮発性プロファイルを変化させることができる。さらに、他の生物の添加は、これらの「汚染物」によって放出される揮発物質が、目的生物の予測された揮発性プロファイルを変えながら、目的生物の揮発性化合物の産生の変化(25)等のコミュニケーション様式として作用し得るので、プロファイルを複雑にし得る。
生物学的因子の攻撃の可能性についての関心が高まるにつれ、生物学的兵器因子を容易に検出し、同定することができる、持ち運び可能で、安価で、かつ耐久性のあるセンサーの必要性が高まっている。炭疽の病原因子であるバチルス・アンスラシス(B.anthracis)は、放出された場合に破壊能力を有する最も危険な疾患原因生物の1つとして認識されている(52)。炭疽菌の芽胞は吸入され、リンパ節に運ばれると、最高60日後まで成長することができる(53)。成長する細菌は、壊死、浮腫、及び大量出血を引き起こす毒素を産生する(54、55)。これが放出された場合において、炭疽菌の存在を迅速に検出することは、暴露された患者を効果的に処置するために重要である(56)。環境上の芽胞の存在を迅速に同定することは、いくつかの理由から困難である:DNAが芽胞内部で十分に保護されていること、種々の血清型が存在すること、及び芽胞構造が、植物性細胞と生化学的に異なること(57〜60)。さらに、バチルス・アンスラシスは、バチルス・セレウス(Bacillus thuringiensis)及びバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)等の他のバチルス種(Bacillus)と遺伝的に類似し(61、62)、非病原性芽胞と可能性のある生物学的兵器との区別を複雑にする。
2001年10月、アメリカ合衆国が炭疽菌により攻撃されて以来、高感度かつ特異的な炭疽菌検出システムを見出すことに焦点を絞った多くの研究がなされてきた。現在まで、多くの研究は、核酸の検出に焦点が当てられ(63〜75)、そしてそれは、きわめて高感度である。しかしながら、芽胞は、分析に先立ち、少なくとも一部は成長していなければならず、複数の試薬を必要とし、分析時間は、芽胞の数の少ない試料については依然として約30分又はそれ以上必要である。広く研究されてきた別の検出方法は、免疫検出である(57〜59、64、76〜80)。これらの分析もまた同様に、非常に高感度であり得るが、複数のの試薬を必要とし、依然として通常30分以上かかる。別の懸念は、用いられる抗体の交差反応性である。質量分析を用いて、芽胞が検出されてきたが(81〜86)、感度は、核酸又は抗体検出ほど高くない。加えて、質量分光計は、依然として非常に高価であり、その現場での使用の可能性を制限している。
これまで、10未満の芽胞の検出レベルはほとんど報告されていない。ID50(感染量の中央値)は、8,000〜10,000芽胞であると報告されている(87)。LD50(致死量の中央値)は、アカゲザルにおいて61,800個の芽胞であると報告されている(88)。アラカワ(Arakawa)らは、微小熱量測定分光法を用いた1,000個の芽胞の検出を報告している(89)が、この技術は、水の存在下では失敗するため、分析前に試料を凍結乾燥する必要がある。
生物戦争物質の検出器と同様に、揮発性化合物を放出する細菌及び他の微生物を容易に検出することができ、、小型で、安価で、確固なセンサーが緊急に必要とされている。例えば、意図的な放出現象における、炭疽の病原因子であるバチルス・アンスラシスは、最も危険な疾患を生じる生物の1つである。現在、炭疽検出研究の多くが、核酸検出、免疫アッセイ、及び質量分析に集中し、報告されている検出レベルは芽胞10個未満である。
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概要
細菌を含有する試料を処理することにより得られるデータ流を分析すること(ここで、前記データ流は、少なくとも1種類の診断クラスターを含む所定のベクトル空間において前記データ流を特徴付ける試料ベクトルを生成するために抽出(abstract)されており、前記診断クラスターは既知の種類の細菌と関連付けられている)、及び、前記試料ベクトルが前記診断クラスターに依存するかどうかを決定すること、により細菌を同定することができ、前記試料が前記診断クラスターに依存する場合、細菌が既知の種類のものであることが示される。同様に、前記芽胞を含有する試料を処理することにより得られるデータ流を分析すること(ここで、前記データ流は、少なくとも1種類の診断クラスターを含む所定のベクトル空間におけるデータ流を特徴付ける試料ベクターを生成するために抽出され、前記診断クラスターが既知の種類芽胞と関連付けられている)、及び、前記試料ベクトルが前記診断クラスターに依存するかどうかを決定することにより、芽胞を同定することができ、前記試料が前記診断クラスターに依存する場合、前記芽胞が既知の種類のものであることが示される。
詳細な説明
細菌は成長し、増殖するにつれ、これを分析することにより、分種化のために用いられ得る種々の揮発性化合物を放出し、これにより、患者の呼気分析による疾患の診断に用いることのできる方法が提供される。質量分析検出及び全細胞熱分解方法の現実的なの代替方法として、本発明は、1つの態様において、周囲温度かつ大気圧で操作可能な、高感度の微小微分型移動度分光計(マイクロDMx(商標))を用いたかかる揮発性化合物の検出を含む方法に関する。
最近、改良されたバイオインフォマティクスアルゴリズム(コレロジック・システムズ株式会社(Correlogic Systems,Inc.)(登録商標)が、前立腺癌(26、27)及び卵巣癌(28、29)のバイオマーカーの検出用血清プロテオミクスパターンに適用されている。この技術は、米国特許第6,925,389号明細書及び米国特許公開第2002/0046198号明細書(その開示は、参照により本明細書に援用される)において記載されている。
開示された方法は、(1)小型の、高感度かつ安価な検出器と、(2)1つの種セットの中の試料間でばらつきがあるにも関わらず、細菌種の分類を可能にする改良されたデータ分析を用いて、細菌ヘッドスペースを分析する。これらの実験のために選択された細菌は、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、バチルス・サブチルス(Bacillus subtilis)、バチルス・チューリンゲンシス、日和見性呼吸器感染における病原体、及びマイコバクテリウム・ツベルクロシス(Mycobacterium tuberculosis)の代替としてのマイコバクテリウム・スメグマチス(Mycobacterium smegmatis)等であった。
パターン発見/認識アルゴリズム(プロテオーム・クエスト(ProteomeQuest)(登録商標)は、試験管内の複数種の細菌、例えば、エシェリキア・コリ、バチルス・サブチルス、バチルス・チューリンゲンシス及びマイコバクテリウム・スメグマチスを確実に識別するためにマイクロDMxにより生成されたヘッドスペースガススペクトルを分析するために適用される。進化させた2つの最高精度モデルについての95%信頼区間内の種の揮発性プロファイルの同定の全体精度は、5と11の特徴の間の協調的発現に基づき、70.4%及び89.3%の間であった。一組の一致化合物に基づく生物の同定にも欠陥があり、この方法においては、揮発性化合物の生成は、全生態系の動力学に依存する(21)。個々の種は、環境パラメーターが一致する場合のみ揮発性物質の再現可能なプロファイルを生成する。成長条件の変化は、所定の種の揮発性プロファイルを変化させることができる。さらに、他の生物の追加は、これらの「汚染物」による放出される揮発物質が、目的生物の揮発性化合物の産生における変化(25)、標的生物の予測した揮発性プロファイルを変えることを含む、コミュニケーション様式として作用し得るので、プロファイルを複雑にし得る。このことは、一組の一致化合物に基づく呼気試料中の感染の同定を無効果なものにする。
以下に開示する方法によれば、それぞれの種のセットの中で放出される揮発物質に変動を起こし、当業者がこの変動を無視し、種別間だけを区別するマーカーを見出すことが可能になる。このようなデータ分析アルゴリズムは、揮発性プロファイルにおける種々の特性について効率的に繰り返され、これらの特性はセットの中で変動せず、かつ、データセットを互いに最も区別できるものである。
バチルス芽胞を水中で、報告されたID50より下のレベルまで検出することができ、マイクロDMx(商標)及びプロテオーム・クエスト(登録商標)を用いることにより、近縁種を区別することができる。この装置の感度と上述した強力なアルゴリズムとを組み合わせることにより、意外なことに、細菌に加えて、細菌の芽胞のリアルタイムの検出を可能にする。以下で開示するように、当業者であれば、バチルス芽胞を報告されているバチルス・アンスラシスの感染量の中央値(ID50)より下のレベルまで検出することができ、近縁種と区別することができる。例えば、マーカーは、5,000〜80,000個の生物体の注入後、3種のバチルスを区別することが判明した。
A.細菌の分析
試薬
2−ブタノン、2−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−オクタノン、3−ノナノン、2−デカノンをシグマ・アルドリッチ(Sigma Aldrich)(ミズーリ州セントルイス(St.Louis,MO)から購入し、入手したままの状態で使用した。細菌株(エシェリキア・コリ DH5α ATCC 53868、バチルス・サブチルス ATCC 23857、バチルス・チューリンゲンシス ATCC 10792及びマイコバクテリウム・スメグマチス ATCC 700084及び700738)を米国菌培養収集機関(American Type Culture Collection)(バージニア州マナッサス(Manassas,VA))から入手した。ローウェンスタイン−ジェンセン斜面培地をベクトン・ディッキンソン アンド カンパニー(Becton,Dickinson and Company)(ニュージャージー州フランクリンレイク(Franklin Lakes,NJ))から購入した。ルリア−ベルターニ(LB)をディフコ・ラボラトリーズ(Difco Laboratories)(ニュージャージー州フランクリンレイク(Franklin Lakes,NJ))から入手した。寒天をEMサイエンス(EM Science)(ニュージャージー州ギブタウン(Gibbtown,NJ))から入手した。
GC−マイクロDMx器具類
実験設備は、HP 5890 II GC(アジレント・テクノロジー(Agilent Technologies))の注入口に接続したアジレント7694ヘッドスペース試料採取器(Agilent 7694 Headspace Sampler(カリフォルニア州パロ・アルト(Palo Alto,CA)のアジレント・テクノロジー)からなる。GCには、内径0.32mmの10mのHP VOC熔融シリカカラム、及び1.8μmのビフェニルメチルシロキサンフィルム(アジレント・テクノロジー)が備え付けられ、分析物の公称事前分離を可能とした。微分型移動度分光計(マイクロDMx)(マサチューセッツ州ウォルサムのシオネックス・コーポレーション(Sionex Corporation,Waltham,MA))をGCの検出器出口に接続した。グレード5の窒素をキャリアガスとして用いて、ヘッドスペース試料をヘッドスペース試料採取器の培養物バイアルから移送ラインを通ってシリカカラムへ掃き出し、それをマイクロDMx内に運んだ。試料キャリア流をヘッドスペース試料採取器により調節し、マイクロDMxへの導入のため、質量流制御器(マサチューセッツ州アンドーバーのMKSインストラメンツ(MKS Instruments,Andover,MA)により調節した300ml/分の第2の窒素流に合流させた。ヘッドスペース試料採取器オーブンを60℃に、試料ループを75℃に、そして移送ラインを85℃に設定した。GC注入口を100℃に設定し、GCオーブンを、60℃における3分間の保持から開始し、140℃まで6℃/分の勾配、そして140℃にて2分間の保持の勾配プログラムにて操作した。GC検出器のヒートブロックを140℃に設定した。試料バイアルを、ゆっくりかき混ぜながらGCオーブン内で60℃で15分間加熱し、化合物をヘッドスペース内に放出させた。バイアルを15.2psiにて0.10分間加圧した。ループ充填時間は0.5分間であり、ループ平衡時間は0.05分であり、そして注入時間は0.5分であった。マイクロDMxの補償電圧により、0.65秒毎に−35〜5ボルトの範囲の電圧が流された。RF場を1,200ボルトにて設定した。検出した陽イオン及び陰イオンに対応するスペクトルを、マイクロDMxユニットに接続したラップトップ型コンピューターに記録する。
標準物質
この設備内の検出器の感度をケトン標準物質(それぞれn=5)を用いて試験した。2−ブタノン、2−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−オクタノン、3−ノナノン、及び2−デカノンの1ppmの混合物の一組の希釈液を、脱イオン水で調製した。標準物質は、また、ゲステル多目的試料採取器(Gerstel Multipurpose Sampler)(ドイツミュールハイムのゲステル株式会社(Gerstel Inc.,Mulheim,Germany))及び同じヘリウムキャリアガス流、時間、及び温度パラメーターを有する5973質量分析計(5973 Mass Spectrometer)(アジレント・テクノロジー)によっても試験した。試験した各濃度について、GC−マイクロDMxスペクトル上の6個のケトンピークは、それらの絶対的な最大点とした。ピーク最大値の保持時間の間、補償電圧−34Vにおけるバックグラウンド測定値と共に、最大ピークの補償電圧(+2Vと−7Vの間で生じる)の強度を記録した。バックグラウンドの測定値をそれらの対応するピーク最大値から差し引いて、ベースラインが差し引かれた強度を5回の測定分について平均し、標準誤差を各濃度のそれぞれのケトンについて計算した。
細菌の調製
エシェリキア・コリ DH5α、バチルス・サブチルス及びバチルス・チューリンゲンシスを、ルリア−ベルターニ(LB)寒天上で37℃にて成長させ、単一コロニーを用いて、20mlのLB培養液に植菌した。液体培養物を180rpmにて振盪しながら37℃で18時間培養した。次に、これらのバッチ培養物100μlを用いて、20mlのヘッドスペースバイアル(アジレント・テクノロジー)中の10mlのLBに植菌した。ヘッドスペースバイアルを、オートクレーブしたセプタム及びアルミニウムキャップで蓋をして、培養器に1〜9時間戻した。2種類のマイコバクテリウム・スメグマチス株を、ローウェンスタイン−ジェンセン斜面培地上に蒔き、37℃にて42時間培養した。20mlのLB培養液に単一コロニーを植菌し、振盪しながら37℃にて42時間培養した。次に、ヘッドスペースバイアルを上述と同様にして植菌し、1〜32時間培養した。それぞれの細菌種について100種類以上のヘッドスペース試料を、GC−mircoDMxにより自動採取した。
細菌培養物の特徴決定
培養物の吸光度を、カリー300バイオ紫外線可視分光光度計(Cary 300 Bio UV−Visible Spectrophotometer)(カリフォルニア州パロ・アルトのバリアン(Varian,Palo Alto,CA))を用いて、1mlの使い捨て光学ポリスチレンキュベット(ペンシルベニア州ウェストチェスターのVWRインターナショナル(VWR International,West Chester,PA))中で40分間隔で600nmにて測定した。それぞれの種について複製試料を試験した。エシェリキア・コリ細胞の吸光度を、ヘッドスペースバイアルにおいて5時間成長させた培養物の希釈物の被覆により近似した。
GC−マイクロDMx実験について前述したのと同様にしてセプタムで蓋をしたバイアルにおいて異なる期間培養したエシェリキア・コリのヘッドスペースを、質量分析及び固相マイクロ抽出(SPME)を用いてさらに特徴決定した。ヘッドスペース中の揮発性有機化合物の抽出を、SPMEファイバーアセンブリー(SPME Fiber Assembly)(ペンシルベニア州ベレフォンテのスペルコ(Supelco,Bellefonte,PA))を被覆している65μmのポリジメチルシロキサン/ジビニルベンゼン(PDMS/DVB)を用いて、60℃にて1時間行った。GCの条件は次の通りであった:250℃にて5分間の脱着、50℃にて5分間、4分間保持しながら100℃まで25℃/分、150℃まで10℃/分を6分間、205℃まで5℃/分を最大40分間の勾配で加熱。内径0.25mmのHP−5MS 30m熔融シリカカラム及び0.25μmのフィルムを用いた(アジレント・テクノロジー)。注入は、スプリットレス/スプリットモードであり、SPME注入口ライナーを用いて、250℃にて5分間で終えた。
データ分析
補償電圧(V)、GC保持時間及び信号強度の三次元のデータセットをプロットし、MATLAB 6.5.1放出13.(MATLAB 6.5.1 release 13.)(マサチューセッツ州ナティックのマスワークス(Mathworks,Natick,MA))を用いて処理した。Vは湿度やわずかなガス流速の変動により影響を受け得る(17、31)ので、スペクトルを補償電圧次元において調整した。各測定から、正及び負のスペクトルを連結した。次に、それらを、必要に応じて、最大相互相関値により決定される数ピクセル以下の厳格なシフトによりV次元における調整を行った。この調整のために、1つの参照ファイルを全ファイルについて用いた。次に、全ファイルについて、同じ数のスキャンラインを含むように補間を行った。
ホーランド(Holland)(32)により最初に記述された遺伝的アルゴリズムエレメントをコホネン(Kohonen)(33)により記述されたクラスター分析エレメントと組み合わせた分析を用いて、マイクロDMxスペクトルを調べた。それぞれの種について108と124の間のスペクトルを、トレーニング用に25個のファイル群、試験用に50個のファイル群、及び、モデルの独立した検証用に残りのファイル群に、無作為に分けた。リードクラスターマッピングと遺伝的アルゴリズムの組合せを利用して、前述(26−30、34)の複雑なデータセットにおいて、情報を与える特徴の組合せ(モデルを形成する)を迅速に決定する、プロテオーム・クエスト(登録商標)(メリーランド州ベテスダ(Bethesda,MD))のコレロジック・システムズ株式会社)ソフトウェアパッケージを用いてモデルを創出した。多数のモデルを構築し、この中で調節可能なパラメーターを広範囲の値にわたってスキャンして、最良の組合せを見い出した。それぞれのモデルにおける特徴数は5から12の間で変動した。各クラスターの周囲の決定境界の大きさの測定値であるマッチパラメーターを、0.5(大境界)から0.9(小境界)の範囲にわたってスキャンした。ラーンパラメーターを0.2に設定し、各モデルについて評価される特徴の組合せの数を表すポピュレーションを20,000に設定した。それぞれのモデルについて、50回連続反復してもモデルの精度が改善されなくなるまで、遺伝的アルゴリズムを繰り返した。
結果及び考察
GC−マイクロDMx感度
設備の感度を、液体中1ppm〜1ppbの濃度のケトン標準物質についてのスペクトルを分析することにより決定した。各濃度における各ケトンについての最大ピーク強度を検出し、推測したファイルバックグラウンドの値を差引いた。全ての陽イオンスペクトルは、−16Vと−22Vのあたりに2種類のキャリアガス(窒素)ピーク線を有する。マイクロDMx検出器の陽イオンチャンネルの応答曲線を図1に示す。再現性は2週間にわたって一致し、標準誤差は、1ppmについて3.5%未満であり、100ppb及び10ppbについて28%未満であった。ケトン濃度10ppb未満では、シグナルはバックグラウンドと区別することができなかった。本発明者らの設備の感度は、同じ条件下での質量分析検出に匹敵するものであった。GC−MSは、GC−マイクロDMxと同じGCパラメーターを用いてヘッドスペースを試料採取することにより、100ppbに至るまでケトン濃度を検出した。本発明者らの設備がケトンに対して高感度であることは、これらの化学物質がしばしば、細菌揮発性物質のライブラリー中(13、14、25、33〜37)や、糖尿病(38)、てんかん(39)、肝機能障害及び肺癌(40)等の種々の疾患を有する患者の呼気中に含まれるので、有利である。
細菌の特徴決定
開示した方法は、各種のセット内の揮発性プロファイルの変動を生成し、これにより、この変動にもかかわらず、バイオインフォマティクスアプローチが全てのファイルにおいて一致するバイオマーカーを見出すことができることを確認した。図2に示す生物の成長曲線は、これらの培養条件下で、バチルス・チューリンゲンシスが、およそ1時間誘導期にあり、5.2時間指数関数的に成長して、定常期に入ったことを示す。バチルス・サブチルスについて同様の結果が見られ、1時間誘導期にあり、5.8時間指数関数期にあるというものであった。エシェリキア・コリ培養物は、1時間誘導期にある点は同じであったが、指数関数的成長が9.3時間まで続いた。マイコバクテリウム・スメグマチスの誘導期は9時間であり、33時間の成長後やっと定常期に達した。指数関数期において、倍加時間は、マイコバクテリウム・スメグマチスについて5.8時間、バチルス・チューリンゲンシスについて1.8時間、バチルス・サブチルスについて1.9時間、そしてエシェリキア・コリについて2.5時間であった。これらの倍加時間は予想より長かったが、これは、それらが最低限のの酸素移送環境下で成長していたためのようであった。指数関数期の中間点で、エシェリキア・コリの吸光度は1.55吸光度単位であり、それは1ml当たり3×10コロニー形成単位(CFU)に相当し、ツベルクロシス空洞において見出されるマイコバクテリアム・ツベルクロシス細菌10〜10個の生物体(41)に類似する値であった。
図3は、成長曲線の種々の相におけるマイコバクテリウム・スメグマチスの代表的なマイクロDMxスペクトルを示す。異なる時間培養された細胞から創出されたプロファイルは、若干異なるようである:全ての種で多くのピークが誘導期の後に出現し始め、バチルス・サブチルス、バチルス・チューリンゲンシス、及びマイコバクテリウム・スメグマチスで新たなピークが定常期において出現し、一方指数関数プロット由来のいくつかのピークは、定常期のスペクトルにおいて認識できない。これらの顕著な相違に加えて、揮発性物質の相対濃度の相違及び容易には認識できないほど十分に低い濃度の揮発性物質によるプロファイルバリエーションが存在し得る。異なる期間培養したエシェリキア・コリについて、これらの相違を図4のGC−MSプロファイルにより強調する。そこでは、新たなピークが出現し、他のピークが姿を消し、そしてピークの相対比が経時的に目に見えて変わっている。このデータは、成長曲線の異なる部分では、異なる数の細胞が種々の速度で細胞周期を通じて移動しており、かつ多数の細胞が死んでいき、そしてその両方が異なる経路に関与(42)し、潜在的に、異なる代謝揮発性物質を放出するという考えと一致する。1つのデータセット内のプロファイル変化において役割を果たす他の作用には、完全には分かっていない揮発性相互作用やマイクロDMx検出に悪影響を与え得る日々の環境変化が含まれる。
これらの因子は、呼気分析の適用と関係がある。呼気発散物は、互いに相互作用し、固有の特徴を生成する多くの揮発性物質からなる。各人の自然な細菌叢、環境上の化学曝露、及び様々な感染におけるバリエーション、これらは同時に起こりうる、が、目的微生物の生態系を決定し、妨害揮発性シグナルの一部となり得る。
細菌の揮発性物質のパターン認識
100回を超えるヘッドスペースガス測定を、エシェリキア・コリ、バチルス・サブチルス、バチルス・チューリンゲンシス、及びマイコバクテリウム・スメグマチスについて行った。マイクロDMx由来のスペクトルを、各細菌種について創出し、トレーニングセット、試験セット、及び検証セットに無作為に分けた。トレーニング試料を特性の蓄積に用い、試験試料を特性を評価するため用いて、残りの独立試料を用いて検証して、マルチ4方向比較モデルを発展させた。モデルの品質を、まず、検証試料を4種類の種のうちの1種類に正確に分類する精度について判断した。全体精度が最も高いモデル(A)は、全検証セットスペクトルの同定において84.2%の正確さであった。高精度で節点(ノード)の少ない別のモデル(B)は77.8%の正確さであった。A及びBの詳細を表1において概説し、2つのモデルを表2において比較する。各種の検証精度について計算した95%信頼区間は、ニューカム(Newcombe)(43)により記載された有効スコア法に基づく。両方のモデルについての95%信頼区間内の全体精度は、70.4%と89.3%の間であった。
Figure 2008530555
Figure 2008530555
Figure 2008530555
モデルAが、クラスターマップの中の56個の各節点(ノード)の周辺の狭い決定境界(一致=0.9)を有する11種類の特性に基づくのに対し、モデルBは、5種類の特性、7個の節点、及び0.8の若干大きな決定境界一致からなる。異なるモデルにより、幾つかの選択肢がもたらされる:ここで、最高精度のモデルは、より厳密な決定境界とより多くの節点を有するのに対して、若干精度の低い別のモデルは、より少ない節点と、よりまとまっていないデータを有する。時間がたてば高節点モデルがより堅調となることが多くの試料について観察されているが、理論上、モデルが堅調になればなるほど少ない節点を有し、このことは、同じグループ由来のより多くの試料が同じ節点に入ることを意味する。いかなるモデルについても正確な試験は、より新しいデータを調査したとき、それがいかに上手く機能し続けるかということであるので、モデルを長時間試験するまでは、モデルについて長期間の有効な最適な特徴を定義することができない。
細菌の揮発性物質を分類する方法を発展させるに際して、肺環境に生息することができる、非常に多様な細菌(マイコバクテリウム属、時間規模の世代時間を有する抗酸桿菌、対内生芽胞形成バチルス種、分規模の世代時間を有するグラム陽性桿菌)を選択した。同属の2種類の生物についても、近縁種をどのくらい上手く分類できるかを調査するために研究した。分類についてのバイオインフォマティクスアプローチは、類似の細菌種及び異なる細菌種の両方の試料の分類において、全ての試料について一貫して機能した。
モデルAの11種類のバイオマーカー特性の位置を、図5Aの平均スペクトル上に重ねる。モデルBの特性(示していない)を、同じ方法でスペクトル中に重ねる。分類のため選択した特性は、特定のピークとして容易に区別することはできないようである。スペクトル中の何千もの無作為に選択した位置について繰り返すことにより、及びこれらの位置において測定される強度範囲に基づいてより高度な分類決定を行うことにより、バイオインフォマティクスアプローチによって、、非常に低強度(低揮発性濃度)の特性や、濃度やヘッドスペース成分分子が変化しても同一補償電圧においてのみ検出される化合物を表す特性についての効率的な検索が可能になる。このアプローチにより、試料間のプロファイルの違いを無視し、種別間の違いに焦点を当てることが可能になる。例えば、エシェリキア・コリは、代謝副産物として化合物のインドールを放出することが知られている(44、45)。
分類に向けての1つ方法は、マイクロDMxスペクトル上のインドールピークの位置を同定すること、及びピークを用いてこの生物について試験することを試みることである。純粋なインドールのヘッドスペースを、開示した設備で試験し、インドールが約1045回のスキャン及び4.6の補償電圧でカラムを通じて溶出することを見出した。しかしながら、インドールに対応すると思われる培養エシェリキア・コリにおけるピークは、指数関数期及び定常期の類似するが一致しない位置で出現し、細菌培養の誘導期において全く出現しなかった。この化学物質は、指数関数期及び定常期において非常に多い存在量を有し、それについてのピークは、全ての他のピークと比較して最も大きいので、高度な分析をすることなくピークを追跡することができる。しかし、図3におけるバチルス・サブチルス及びバチルス・チューリンゲンシスの様な生物のスペクトルを調べるとき、確固とした固有のピークが一見して明らかには見つからない。これらの生物の揮発性物質の低強度のピークは、バックグラウンドノイズに含まれているのかもしれない。もし、特定の揮発性物質のピークが、異なる混合物中において完全に互いに一列に並ぶのであれば、各種のスペクトルを平均し、平均値の差を取ることからなる単純な分析により、それらの揮発性シグニチャーにおける相違を見出すことができる。本件の場合、異なる時間培養した細菌のヘッドスペースに存在する異なる揮発性物質が、異なる方法で互いに作用し、ピークの若干のシフトを生じるので、かかる分析は上手くいかない。
図5Bにおいて、バチルス・チューリンゲンシス平均スペクトルをバチルス・サブチルス平均スペクトルから差し引いたとき、わずかに、種別間の認識できる相違が生じる。パターン認識アルゴリズムなしで、このデータを2つの異なる種に分解することはできない。開示したプローチにより、細菌混合物の研究においてさらなる微生物から放出される揮発性物質が存在することに起因し得る変動、又は臨床研究における呼吸化学の多様性を無視することが可能になる。
このタイプの揮発性物質試料採取及びデータ処理は、工学及び肺疾患診断ツールとしての医薬において適用可能であるべきである。GC−マイクロDMxシステムを、携帯型マイクロDMx検出器を有する持ち運び可能な装置として製造することができ、ハイスピードキャピラリーカラムとしてシリコンチップベースの微細加工GCカラム(46)は、イオン移動度分光計に既に接続され、呼気揮発性物質の混合物の事前分離が達成される(47)。このデータ分析は、複雑なシグナルを有する試料セットからバイオマーカーを、同じグループ内での相違を無視して、感染グループと比較グループの間の相違にのみ焦点をあてることにより、同定することができる。微生物により放出された個々の化合物の正確な同定は、臨床応用において実行可能な選択肢ではない。この方法においては、これらの化合物の同定は、患者が曝されていた他の化学物質やスペクトルをシフトさせるこれらの化合物と他の細菌由来の揮発性物質の相互作用により複雑にされ、単純なピークの同定が妨害される。
開示したGC−マイクロDMx法により、細菌培養物のヘッドスペースを試料採取し、異なる種について揮発性プロファイルを創出することが可能になる。高感度、持ち運びも可能なマイクロDMx検出は、好ましくは、改良されたデータ分析と組み合わされる。バイオインフォマティクスパターン認識プロセスを首尾よく適用して、細菌種をそれらの成長曲線の異なる相由来のそれらの揮発性サインに基づき同定するマーカーが見出されてきた。このタイプのデータ分析により、変化するものをセットに包含することが可能になり、そしてそれを、異なる成長相における1つの種から、異なる培養環境での1つの種、1種類の培養における複数の種などへ拡大することができる。現場で使用可能な装置に容易に組み立てることができる器具類及び試料セット内の変動を計算するデータ分析技術を用いて、この方法を、異常及び健常集団の呼気試料の評価に適用し、前記2者を区別するためのマーカーを見出すことができる。その他の用途には、建築材料(48〜50)及び獣医学上の使用(51)における微生物の成長の検出及び同定等がある。
B.細菌芽胞の分析
芽胞の調製
バチルス・サブチルス株SMY、野生型、原栄養性マールブルグ株(P.シェーファー(Schaeffer)から入手した)(90)を、トリプトース血液寒天基礎培地(ニュージャージー州フランクリンレイクのディフコ・ラボラトリーズ)プレート上30℃にて一晩予め成長させ、それを用いて、6Lのエルレンマイヤーフラスコ中2LのDS培地(91)に植菌した。フラスコを、振盪(200rpm)しながら37℃で48時間培養した。13,000×g、4℃にて20分間遠心することにより、細胞を回収し、100mlの無菌脱イオン水で4回洗浄し、20mlの無菌水に再懸濁した。位相差顕微鏡により、懸濁液は、95%の成熟した、屈折性芽胞を含有すると推測された。80℃にて10分間加温後、DS寒天プレート上のコロニー形成を分析することにより、芽胞タイターを決定した。試験のためにより低濃度が要求されるときは、芽胞を無菌水に希釈した。バチルス・セレウス株CIP5832及びバチルス・チューリンゲンシス株407 Cry+(両方とも、フランスパリのパスツール研究所、D.レレクルス(D.Lereclus,Institut Pasteur,Paris,France)から入手した)をDS寒天プレート上で、37℃で48時間成長させた。プレートを滅菌脱イオン水で浸し、細菌コロニーを解体することにより、培養物を回収した。遠心管に移し、13,000×g、4℃にて10分間遠心後、芽胞を上述の通り洗浄し、再懸濁し、次に、タイターを決定した。
バチルス芽胞の熱分解−FAIMS(強磁場非対称波形イオン移動度分光計)分析
実験設備は、HP 5890 ガスクロマトグラフ(GC)(カリフォルニア州パロアルトのアジレント・テクノロジー)の注入口に連結したCDSピロプローブ(Pyroprobe)1000(ペンシルベニア州オクスフォードのCDSアナリティカル株式会社(CDS Analytical,Inc.,Oxford,PA)からなるものであった。GCには、0.5mの不活性化熔融シリカカラム(アジレント)が備え付けられた。プロトタイプSDP−I微小微分型移動度分光計(マイクロDMx)(Sinex Corporation, Waltham,MA)をGCの検出器出口に接続した。グレード5の窒素をキャリアガスとして用いて、熱分解した試料を熱分解チャンバーから不活性化熔融シリカカラムへ掃き出し、それをマイクロDMx内に運んだ。流れを質量流制御器(マサチューセッツ州アンドーバーのMKSインストラメンツ)により調節し、試料がパイロライザー及びGCカラムを通じて運ばれるように30ml/分に設定し、そこで、マイクロDMxへの導入のため、300ml/分の第2流の窒素流に合流させた。熱分解器の接合部分の温度を110℃に設定し、GCの注入口を150℃に設定し、GCオーブンを200℃の一定に維持し、そしてGC検出器ヒートブロックを150℃に設定した。
滅菌水に懸濁したバチルス芽胞の4μlのスラリーを、石英管に充填した。管を熱分解プローブプラチナコイルに置き、次に、プローブを熱分解ユニット内に装填した。次に、0.01℃/ミリ秒の速度で650℃まで温度を上昇させ、次に、99.99秒間この温度で維持することにより、芽胞を熱分解した。1.6125秒毎に−40から10ボルトの範囲の補償電圧スイープを有するように、マイクロDMxをプログラムした。RF場を1200ボルトに設定した。検出した陽イオン及び陰イオンに対応する熱分解した芽胞のスペクトルを、マイクロDMxユニットに接続したラップトップ型コンピューターに記録した。
3つの種バチルス・サブチルス、バチルス・セレウス、及びバチルス・チューリンゲンシスのそれぞれについて、3種類の濃度それぞれについて100回の実験(計900回の実験)を上述の通り行った。用いた濃度は、2e+7芽胞/ml(80,000芽胞/実験)、2.5e+6芽胞/ml(10,000芽胞/実験)、及び1.25e+6芽胞/ml(5,000芽胞/実験)であった。各ファイルにおいて、熱分解現象開始点が正確に同じ位置としてスキャンされるように、各分析の正及び負のスペクトルを連結し、次に、全分析について調整を行った。加えて、データを、必要に応じて数ピクセル以下厳格にシフトすることによりVc方向に調整し、イオン溶出が試料の含水量及びそれがマイクロDMx(92、93)を通るガス流速度により影響され得る補償電圧として、調整した。データファイルの各Vc値の全スキャンの総存在量をシグナル参照ファイルのこれらの総存在量と比較することにより、シフト量を決定した。この値が最大となる位置において、データと参照ファイルの相互相関を計算し、最適な調整値を決定した。次いで、この結果に基づき、正及び負のデータをVc方向に厳格にシフトした。次いで、既述(94−98)の、ホーランド(Holland)(99)により最初に記述された遺伝的アルゴリズムエレメントをコホネン(Kohonen)(100)により記述されたクラスター分析エレメントと組み合わせて独自に開発されたパターン認識ソフトウェアパッケージであるプロテオーム・クエスト(登録商標)(コレロジック・システムズ株式会社)により、データを分析した。
結果及び考察
バイオマーカー放出(101)の最適条件を決定するための方法を行った後、合計n=100の熱分解−マイクロDMx実験を、各バチルス・サブチルス、バチルス・セレウス、及びバチルス・チューリンゲンシス芽胞種について3種類の濃度で行った。各種のデータを、3つのカテゴリー:トレーニングセット(各種50個のスペクトル)、試験セット(各種150個のスペクトル)、及び検証セット(各種〜100個のスペクトル)に無作為に分けた。トレーニングセット及び試験セットは、種の出所がコンピューターにより確認されたファイルからなる。トレーニングセットを用いて創出したリードクラスターマップの精度を、試験セットを用いて試験した。リードクラスターマップのランキングに続いて、マップマーカー間の遺伝的再結合により、最も情報を与えるマーカーを入れ替えた。次に、リードクラスターマッピングと再結合を、50回連続サイクルを行っても精度がさらなる改善を示さなくなるまで、繰り返した。次に、モデリング過程では用いなかった検証セットを、モデルにより記録し(scored)、ブラインド(blinded)データについてモデルの精度の独立した測定を行った。特異性、感度、及び精度を、次の式を用いて独立した検証セットの結果から計算した。
感度=(真の正)/(真の正+偽の負)
特異性=(真の負)/(真の負+偽の正)
精度=(真の正+真の負)/(試料の総数)
ファイルを、全3種の濃度を有する単一種と、これと比較される全3種の第二の単一種とからなる2成分グループにおいてまず比較し、次いで、ある種と別の種との区別を可能にするモデルを創出した。最高精度を与える6種類のモデルの結果を表3に示し、これは全濃度(80kが法、10k、及び5k)についての双方向モデリングに基づく検証結果の比較を示す。101個のバチルス・セレウス、99個のバチルス・サブチルス、及び100個のバチルス・チューリンゲンシスファイルを用いた。それぞれの2成分比較を示すデータには、バイオマーカー(B)、一致(M)、節点数(N)、感度(Sn)、特異性(Sp)、及びパーセント精度(A)が含まれる。感度及び特異性を、各比較における第1の種について計算した。5,000芽胞である低いレベルの場合でさえ、90%より高い精度で、バチルス・サブチルスをバチルス・セレウス及びバチルス・チューリンゲンシスと容易に区別することができた。バチルス・セレウス及びバチルス・チューリンゲンシスは、区別するのが若干難しく、ちょうど70%の下の精度であった。しかしながら、これらの2種は、遺伝的に非常に類似するので、これは意外なことではない。各モデルについての特異性及び感度もこの表で報告する。例えば、バチルス・セレウスとバチルス・サブチルスの比較において最高精度(92.0%)を有するモデルについて、検証に用いた各種のファイルについての感度及び特異性は、それぞれ87.9%及び96%(バチルス・セレウスに対して計算した)であった。これは、ブラインド試験における101個のバチルス・セレウスファイルについて、89個をバチルス・セレウスとして分類し、残りの12個をバチルス・サブチルスとして分類し、また、99個のバチルス・サブチルスファイルのうち、95個を正しく分類し、4個をバチルス・セレウスとして分類したことを意味する。
Figure 2008530555
多くのモデルを通じて見出されたバイオマーカーを図6A〜6Cに示す。図6Aは、バチルス・サブチルスとバチルス・チューリンゲンシスの区別を可能にした40個のモデルにおいて見出したバイオマーカーを示す。多くのモデルにおいて選択したバイオマーカーが1種類存在し、それは、これらの2つの種の区別において重要であることを示すことに注目されたい。図6Bは、バチルス・サブチルス及びバチルス・セレウスについての類似のプロットを示し、ここでもまた同じバイオマーカーが、これらのモデルの多くにおいて同様に出現する。バチルス・セレウス及びバチルス・チューリンゲンシスのモデルを比較した場合には(図6C)、全モデルにわたって同じ頻度で出現するバイオマーカーはなく、そしてそれは、これら2種の分離が難しいことと一致する。バチルス・サブチルスを他の2種と区別する際にとりわけ重要であると思われる1種のバイオマーカーをさらに調べるために、バチルス・サブチルス及びバチルス・チューリンゲンシスについての生データにおけるその点における存在量を図7に図示する。図に示されるように5kの濃度においてでさえ、生データにおいて明確な分離の傾向が存在する。各スペクトルについて同じ総イオン流を与えるようにデータを標準化すると、同一プロットが得られる。
バチルス・セレウス及びバチルス・チューリンゲンシスは、それらの近縁性によりバチルス・サブチルスより、互いに区別するのが難しくなる傾向があることを検証するために、バチルス・サブチルスをバチルス・セレウス及びバチルス・チューリンゲンシスファイルのプールから区別する、いくつかの2成分モデルを作成した。モデル化に先立ち、それぞれの種について再度5k、10k及び80kのファイルを組合せ、無作為化抽出した。50:100のトレーニング、150:300の試験及び100:201の検証セットのスペクトル(バチルス・サブチルス:バチルス・セレウス及びバチルス・チューリンゲンシス)を有するモデルを作成した。最高精度を生じる6種のモデルの結果を表4に示し、そしてそれは、3種類の異なる芽胞濃度(80k 芽胞、10k、及び5k)にわたるバチルス・セレウス及びバチルス・チューリンゲンシスの組合せに対するバチルス・サブチルスのモデリングに基づく、検証結果を含む。バチルス・サブチルスの100個のファイルを、他の種の200個のファイルに対してモデリングした(バチルス・セレウスの100個のファイル及びバチルス・チューリンゲンシスの100個のファイル)。示したデータには、特性数(F)、一致パラメーター(M)、節点数(N)、感度(Sn)、特異性(Sp)、及び精度(A)が含まれる。感度及び特異性を、バチルス・サブチルスについて計算した。これらのモデルを用いて良好な分類ができたことは、バチルス・セレウス及びバチルス・チューリンゲンシスが、互いに共通するが、バチルス・サブチルスとは異なるバイオマーカーを有することを示す。
Figure 2008530555
バチルス・セレウスとバチルス・チューリンゲンシスは、分類するのが最も難しいので、これら2つの種を、各濃度で個々にモデリングし、その濃度より下において種が区別できなくなる限界濃度が存在するかどうかを決定した。これらのモデルを創出するために、スペクトルを無作為に抽出し、25:25のトレーニング、50:50の試験、及び25:25の検証(バチルス・セレウス:バチルス・チューリンゲンシス)のセットとした。最高精度を示すモデルは、5kの濃度で60.8%、10kの濃度で64%、そして80kの濃度で88%であった。それゆえ、芽胞が存在すればするほど、これらの2つの近縁種についての分類は上手くいく。
次に、セットの3方向比較を行い、1つのモデルにおいて全3群を互いに分類した。これらのモデルについては、80kのデータのみを用いた。この濃度より低い濃度では、バチルス・セレウス及びバチルス・チューリンゲンシスを区別するのが難しくなることが判明したためである。それぞれの種について、スペクトルを無作為に指定し、25個のトレーニングセット、50個の試験セット、及び25個の検証セットとした。結果を表5に示す。検証セットの25個のバチルス・チューリンゲンシスからなる表5aにおいて、2個をバチルス・セレウスとして分類し、0個をバチルス・サブチルスとして分類し、23個を正しく分類した(全体精度92%)。同様に、バチルス・サブチルスについての精度は、88%であり、バチルス・セレウスについては52%であった。全体精度は77.3%であった。第2のモデルの全体精度は73.3%であり、種の精度は、バチルス・サブチルス68%、バチルス・チューリンゲンシス92%、そしてバチルス・セレウス60%である。
5,000個の芽胞濃度の3つの種の代表的スペクトルを図8A〜8Cに示す。スペクトルは、650℃で99.99秒間の熱分解を受けた80,000個の芽胞に由来する。陽イオンスペクトルは左側であり、陰イオンスペクトルは右側である。X軸はVc(V)を表し、一方y軸はスキャン数を表す。3方向モデル(a)に由来する特性は、正のスペクトルについては黒色、負のスペクトルについては白色の円で囲む。ここでは生データを示すが、0と1の間で標準化した後のそれらの相対比に基づき、バイオマーカーを選択した。これらの実験データは、目でみると非常に類似するように見えるが、パターン認識アルゴリズムにより、種を互いに確実に区別するのに十分な量で存在するバイオマーカーが発見された。
バイオハザードの検出用の持ち運び可能、感度のよい、リアル・タイム装置はますます関心を集めている。1つの具体的な興味深い発展形態が、電場を通してそれらの移動度によって分離されたイオンを検出する小さな装置であるマイクロDMxである。化学兵器物質等の、種々の化学物質を特異的かつ感度よく検出するその能力が実証されてきた(92、102〜108)。芽胞に高濃度で存在する3種類の化学物質:ジピコリン酸、ピコリン酸、及びピリジンについて、異なるマイクロDMxスペクトルがもたらされ得ることが示された(109)。開示された方法は、複雑な生物学的混合物を、バチルス芽胞の近縁種を区別するために十分な情報を含有する、信頼でき、かつ再生可能なパターンに分画する能力を有する。特に、それは、環境試料においてよく見られる芽胞形成細菌である、バチルス・サブチルスを検出し、バチルス・アンスラシスの近縁種であり、報告されている媒体感染量より低いレベルにおいて炭疽の病原因子となるバチルス・セレウス及びバチルス・チューリンゲンシスと区別する能力を有する。特に、それは、バチルス・サブチルスをバチルス・チューリンゲンシスと98.5%の精度、バチルス・サブチルスをバチルス・セレウスと92%の精度、及びバチルス・チューリンゲンシス及びバチルス・セレウスと69%の精度で区別する能力を有する。バチルス・サブチルスも、バチルス・セレウス及びバチルス・チューリンゲンシスが、一緒にグループ化されると、バチルス・セレウス及びバチルス・チューリンゲンシスと区別でき、このことは、バチルス・セレウス及びバチルス・チューリンゲンシスの両方に存在する、同一の、しかし、より遠縁種であるバチルス・サブチルスとは異なるバイオマーカーが存在することを示す。この全範囲にわたって存在するバイオマーカーを見出すことができるよう、モデルを3種類の濃度にわたって創出した。これにより、バイオマーカーが低濃度より低い濃度に希釈されないこと、又はそれらがより高い濃度で検出器に充填されないことを確かにする。
一緒に用いられることにより異なる種間を区別することができる、スペクトルの特性の組合せを検索するためにリードクラスターマッピングを遺伝的アルゴリズムと組み合わせたアルゴリズムである、プロテオーム・クエストを用いて、生きた芽胞の熱分解により創出したスペクトルを分析することにより、試料を分類した。それぞれの得られた特性の組合せは、分類モデルを表す。2成分比較について最高精度を有する6種類のモデルを、表3及び5に示す。表5は、1つの3方向モデルにおけるバチルス・セレウス対バチルス・サブチルス対バチルス・チューリンゲンシスのモデリング結果を示す。80kの濃度のそれぞれの種の25個のファイルを検証用に用いた。カラムをスクロールして読むことにより、それらの25個のファイルをどのようにして分類するかが決定され得る。2種類のモデルを示す。0.9の一致を用いたモデル(a)は、9個の特性及び22個の節点を含有し、77.3%の全体精度を有し、0.8の一致を用いたモデル(b)は、12個の特性及び4個の節点を含有し、73.3%の全体精度を有する。
Figure 2008530555
モデルは、N−次元空間において定義されるリードクラスターマップであり、ここで、Nはそのモデルにおける特性数を表す。それぞれのマップは、クラスター、又は節点からなり、そしてそれは、種ごとに固有である。
未知の試料ついてのスペクトルを既存のマップにマッピングし、その節点によって種の同一性を決定することにより、未知の試料の分類を行う。異なるモデルは、スペクトルにおける特性数、マップにおける節点数、及び節点についての決定境界(一致)サイズが異なる。特性数及び一致パラメーターのサイズ(表3及び4)に基づくデータから、類似する精度を有する多くのモデルを創出できるが、高い一致(0.9)と少ない節点を有するモデルは、種内の違いの少ないスペクトル特性から構築され、より堅調なモデルを表し得る。しかしながら、節点数はまた、種のスペクトル内の個別の違いも反映し、高節点数のものから作成されたモデルは、多くの試料(データは示されていない)について堅調であることが分かった。どのモデルを用いるのがベストであるかについては、より独立したスペクトルのセットを用いて試験すればするほど、明らかになる。スペクトルデータセット内で、強力な分類子である任意の特性がより高い頻度でに選択される。
調べたバチルス種内に、1つの主要な分類子である特性18097(創出した40種のモデルのほとんどにより選択された)、及び5又は6種のモデルにより選択された多数のあまり主要でない分類子が存在した。主要な特性は、バチルス・サブチルスを他の2つの種の1つと区別するモデルにおいて、高い頻度で出現する。図7は、分類子特性18097pのプロット(Vc=−20.92、スキャン3、陰イオン領域内)である。この特性の生強度を、5kの濃度のバチルス・サブチルス(+)及びバチルス・チューリンゲンシス(o)生データについての100個のファイルそれぞれから抽出した。それぞれの種のデータは、この点で異なる分布を示す。分類アルゴリズムは、このような決定を行う際の助けとなるデータポイントを見出す。1個の特性単独で、2つの種を完璧には区別できないが、モデル内の特性の固有の組合せにより、2つの種を完璧に区別できる。バチルス・サブチルス及びバチルス・チューリンゲンシスの多くのファイルについてこの特性を調べることにより、この点での生の存在値をプロットしたとき、実際に、分離の傾向が存在することが示される。
2成分比較に加えて、開示した方法によれば、3つの種間を区別できる1つのモデルを創出することもできる(表5、及び表8A〜8C)。この場合、3方向モデリングは、一般に、2方向モデルより精度が低く、これは、特に、2成分モデリングにおいて見られる、バチルス・セレウス及びバチルス・チューリンゲンシスの高い遺伝的類似性のため、特に、少量で存在するときに、これらの芽胞を区別するのが非常に困難であるためである。
開示した方法は、類似の状況に広く適用可能である。バチルス芽胞に加えて、それは、バチルス・セレウス(食中毒の病原因子)、クロストリジウム・ボツリナム(Clostridium botulinum)(ボツリスム)、クロストリジウム・ペルフィンゲンス(C.perfingens)(ガス壊疽及び食中毒)、クロストリジム・テタニ(C.tetani)(破傷風)、クロストリジウム・ソルデリー(C.sordellii)(下痢性疾患)、及びクロストリジウム・デフィシレ(抗生物質関連性下痢及び偽膜性大腸炎)等の、監視することが重要な他の芽胞形成体に適用され得る。開示した器具によれば、さらなる小型化も可能である。例えば、小さな熱分解オーブンを、マイクロDMx装置のインラインに直接取り付け、完全な携帯型設備としてもよい。外部コンピューターからのシステムコントロールも容易に実行することができ、そしてそれは、これらのユニットの多くを1つの場所から監視することを可能にする。最終的に、他の種を用いて、種固有のモデルのデーターベースを構築することが可能である。1つの環境試料から得られるスペクトルから、多様な生物学的因子をデーターベースに基づいて同定し得る。
ケトン試験標準物質を用いた細菌ヘッドスペース分析のため設計されたGC−マイクロDMxにおける検出器の陽イオンチャンネルの応答を示す。 分析された種の成長曲線を説明する。 マイコバクテリウム・スメグマチスのその成長サイクルの種々のステージでの代表的スペクトルを示す。 異なる時間培養されたエシェリキア・コリについての代表的なGC−MS全イオンクロマトグラムを示す。 マイコバクテリウム・スメグマチス(MS)、バチルス・チューリンゲンシス(BT)、バチルス・サブチルス(S)、及びエシェリキア・コリ(EC)についての平均整列スペクトルを示す。 相互に差しい引いた平均値を追記し、バイオマーカーを重ね合わせた図5Aのスペクトルを示す。 それぞれ、バチルス・サブチルス対バチルス・チューリンゲンシス、バチルス・サブチルス対バチルス・セレウス、及びバチルス・セレウス対バチルス・チューリンゲンシスの40個のモデルにわたる特性の分布を示す。 主要な分類子特性18097のプロットである。 それぞれ、バチルス・サブチルス、バチルス・セレウス、及びバチルス・チューリンゲンシスについての代表的マイクロDMxを示す。

Claims (17)

  1. 細菌を含有する試料を処理することにより得られるデータ流を分析することによる細菌の同定方法であって、前記データ流は、少なくとも1種類の診断クラスターを含む所定のベクトル空間において前記データ流を特徴付ける試料ベクトルを生成するために抽出されており、前記診断クラスターは、既知の種類の細菌と関連付けられており、
    前記試料ベクトルが診断クラスターのところにあるかどうかを決定する工程、及び
    前記試料が診断クラスターのところにある場合に、前記細菌が既知の種類のものであることを示す工程を含む、方法。
  2. 前記細菌が、バチルス、クロストリジウム及びマイコバクテリウムからなる属の群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記細菌が、バチルス・サブチルス、バチルス・セレウス、バチルス・チューリンゲンシス、バチルス・アントラシス、クロストリジム・ペルフィンゲンス、クロストリジム・テタニ、クロストリジウム・ソルデリー、クロストリジウム・デフィシル、マイコバクテリウム・スメグマチス及びマイコバクテリアム・ツベルクロシスからなる種の群から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記データ流が、質量分析及び強磁場非対称波形イオン移動度分光計からなる群から選択される技術により生成される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記データ流が、微小微分型移動度分光計により生成される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記試料が、細菌培養物、細菌培養液、及び動物又はヒト患者から採取された痰、血液、尿、唾液、又は呼気から採取されたヘッドスペースガスからなる供給源の群から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 芽胞を含有する試料を処理することにより得られるデータ流を分析することによる細菌の芽胞の同定方法であって、前記データ流は、少なくとも1種類の診断クラスターを含む所定のベクトル空間において前記データ流を特徴付ける試料ベクトルを生成するために抽出されており、前記診断クラスターは、既知の種類のの芽胞と関連付けられており、
    前記試料ベクトルが診断クラスターのところにあるかどうかを決定する工程、及び
    前記試料が前記診断クラスターのところにある場合、前記芽胞が前記既知の種類のものであることを示す工程とを含む、方法。
  8. 前記芽胞を含有する試料が、熱分解により処理される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記芽胞が、バチルス、クロストリジウム及びマイコバクテリウムからなる属の群から選択される細菌により生成される、請求項7に記載の方法。
  10. 前記細菌が、バチルス・サブチルス、バチルス・セレウス、バチルス・チューリンゲンシス、バチルス・アントラシス、クロストリジム・ペルフィンゲンス、クロストリジム・テタニ、クロストリジウム・ソルデリー、クロストリジウム・デフィシル、マイコバクテリウム・スメグマチス及びマイコバクテリアム・ツベルクロシスからなる種の群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記データ流が、質量分析及び強磁場非対称波形イオン移動度分光計からなる群から選択される技術により生成される、請求項7に記載の方法。
  12. 前記データ流が微小微分型移動度分光計により生成される、請求項11に記載の方法。
  13. 細菌を含有する試料を処理することによる得られるデータ流から抽出された試料ベクトルを有するコンピューターシステムであって、前記試料ベクトルが、少なくとも1種類の診断クラスターを含む所定のベクトル空間において前記データ流を特徴付けており、前記診断クラスターが、既知の種類の細菌と関連付けられている、システム。
  14. 芽胞を含有する試料を処理することにより得られるデータ流から抽出された試料ベクトルを有するコンピューターシステムであって、前記試料ベクトルが、少なくとも1種類の診断クラスターを含む所定のベクトル空間において前記データ流を特徴付けており、前記診断クラスターが、既知の種類の芽胞と関連付けられている、システム。
  15. 細菌を含有する試料を処理することにより得られるデータ流から抽出された試料ベクトルを有する機械により読み取り可能な媒体であって、前記試料ベクトルが、少なくとも1種類の診断クラスターを含む所定のベクトル空間において前記データ流を特徴付けており、前記診断クラスターが、既知の種類の細菌と関連付けられている、媒体。
  16. 芽胞を含有する試料を処理することにより得られるデータ流から抽出された試料ベクターを有する機械により読み取り可能な媒体であって、前記試料ベクトルが、少なくとも1種類の診断クラスターを含む所定のベクトル空間において前記データ流を特徴付けており、前記診断クラスターが、既知の種類の芽胞と関連付けられている、媒体。
  17. 試料中の1種類以上の所定の細菌又は細菌の芽胞を検出するための持ち運び可能な装置であって、
    試料を処理し、データ流をアウトプットするように構成された微小微分型移動度分光計と、
    前記データ流を抽出し、少なくとも1種類の診断クラスターを含む所定のベクトル空間において前記データ流を特徴付ける試料ベクトルを生成するための手段であって、
    前記診断クラスターが所定の細菌又は細菌の芽胞と関連付けられている手段と、
    前記試料ベクターが前記診断クラスターのところにあるかどうかを決定し、前記試料が診断クラスターのところにある場合、前記試料が所定の細菌又は細菌芽胞を含有することを示すための手段と、
    を含む、装置。
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