JP2008529702A - 心臓血管疾患のための新規診断マーカーとしての血小板由来マイクロパーティクル - Google Patents

心臓血管疾患のための新規診断マーカーとしての血小板由来マイクロパーティクル Download PDF

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Abstract

本発明は、血小板由来マイクロパーティクルを含む心臓血管疾患についての診断マーカーに関する。本発明はまた、心臓血管疾患の症状を有する被験体または心臓血管疾患を有することが疑われる被験体において、心臓血管疾患を診断するための方法に関する。この方法は、(a)上記被験体からサンプルを得る工程;(b)血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントに対する抗体を生物学的サンプルと反応させる工程;(c)上記サンプル中の血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントの存在または非存在を検出する工程;ならびに(d)上記サンプルにおいて血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントが検出される場合、その症状を有する被験体において心臓血管疾患を診断する工程を含む。

Description

発明の分野
本発明は、血小板由来マイクロパーティクルを含有する心臓血管疾患のための新規診断マーカーに関する。
発明の背景
血小板由来マイクロパーティクル(Platelet-derived microparticle)(PDMP)は、血小板の活性化に際して血小板から放出され、その内容物には、P−セレクチンなどの血小板顆粒タンパク質、および糖タンパク質(GP)Ib/IXまたはGPIIb/IIIaなどの種々の血小板表面膜の糖タンパク質が含まれる(1)。PDMPは、血小板活性化のための単なるマーカーではなく、凝血促進活性も有し、これによって血栓の形成に寄与する(2)。さらに、PDMPは、血小板−白血球、白血球−内皮細胞、または白血球−白血球の相互作用の媒介物質として、炎症プロセスに関与する(1)。PDMPは、サイトカイン産生を刺激し、白血球インテグリンMac-1(CD11b/CD18、αMβ2)を含む細胞接着分子の発現を高める(3)。PDMPは、通常はフローサイトメトリーによって測定されるが、循環PDMPは、血小板膜表面の糖タンパク質であるGPIbおよびGBIXに対する2種の抗体を使用して、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)によっても測定される(4)。PDMPの特徴に関する研究活動が強化されているにもかかわらず、循環PDMPの測定についての臨床的な意義は、まだ確立されていない。
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、損傷を受けた血管壁において重大な炎症反応を起こし、これによって急性の虚血性イベントおよび遅発性再狭窄を誘発する(5,6)。PCIが引き起こす損傷部位での炎症のプロセスにおいて、白血球、好中球および単球の活性化、ならびに細胞接着分子によって媒介されるそれらの細胞と血小板との相互作用が、再狭窄の発症において重要な役割を果たすことが知られている。血小板の接着層を横切る血小板と白血球との間の相互作用は、血管外遊出、および炎症細胞の、バルーン膨張またはステント挿入によって血管内皮細胞が剥離したPCI損傷血管壁への浸潤に先立って起こるという多くの証拠が存在する(7-9)。種々の接着分子のなかで、白血球Mac-1は、血小板層を通過する移動のプロセスにおいて特に重要である。Mac-1は、血小板リガンド(例えば、GPIbα)への結合によって白血球の増加を演出し(10)、血管壁損傷の部位における強固な接着を助長する。モノクロナール抗体遮断(11)およびMac-1が存在しないこと(12)によって、実験的な血管形成およびステント挿入の後の新生内膜肥厚(neointimal thickening)が低減される。本発明者らは、PCI後の好中球の表面上のMac-1の活性化および発現増加が、PCIの48時間後に最大に達し、再狭窄と関連することを以前に実証した(13-18)。
GPIbα(白血球Mac-1についての血小板リガンド)は、PDMPの表面上に発現しているので、本発明者らは、循環PDMPが、白血球の表面上に発現するMac-1に結合し、そして動脈硬化症に関連する炎症のプロセスにおいて重大な役割を果たし得るという仮説を立てた。
発明の要旨
本発明において、循環PDMPの臨床的意義を確立するために、本発明者らは、PCIの前と後とでPDMPの血漿濃度の連続的な変化を評価し、PDMPとPCI炎症プロセス後の好中球表面上でのMac-1の活性化との間の関係を評価した。本発明者らはまた、高感度C反応性タンパク質(hs-CRP)および好中球表面上の活性型Mac-1の連続的な変化を調査した。PDMP、hs-CRPおよび活性型Mac-1は、冠状動脈へのステント挿入の後に時間依存的に増加した。これらの変化は、末梢血においてはやや少なかった。PDMPの値は、冠状動脈へのステント挿入の後のhs-CRPレベルおよび冠状静脈洞血中の活性型Mac-1の相対的増加に相関した。冠状動脈へのステント挿入の後のPDMP値、hs-CRPレベルおよび活性型Mac-1の相対的増加は、全て血管造影での晩期血管内径損失(late lumen loss)に関連していた。
これらの結果から、冠状動脈へのステント挿入は、損傷血管壁における炎症反応に関連して、循環PDMPを増加させることが示唆される。PDMPは、ステントによって引き起こされる炎症状態を評価するための有用なマーカーとなり得るものであり、そして活性型Mac-1についての信頼できる代理マーカーとなり得るものである。さらに、PDMPは、アテローム性動脈硬化症などの炎症関連性心臓血管疾患についての有用なマーカーでもあり得る。
本発明の1つの局面において、血小板由来マイクロパーティクルを含有する心臓血管疾患についての新規診断マーカーが提供される。
本発明の別の局面において、心臓血管疾患の症状を有する被験体または心臓血管疾患を有することが疑われる被験体において、心臓血管疾患を診断するための方法が提供される。この方法は、
(a)被験体からサンプルを得る工程;
(b)血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントに対する抗体を生体サンプルと反応させる工程;
(c)上記サンプル中の血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントの存在または非存在を検出する工程;および
(d)上記サンプルにおいて血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントが検出される場合、その症状を有する被験体において循環疾患を診断する工程
を含む。
本発明のさらなる局面において、心臓血管疾患の症状を有する被験体または心臓血管疾患を有することが疑われる被験体において、心臓血管疾患の予後を評価するための方法が提供される。この方法は、
(a)上記被験体からサンプルを得る工程;
(b)血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントに対する抗体を生体サンプルと反応させる工程;
(c)上記サンプル中の血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントの存在または非存在を検出する工程;および
(d)上記サンプルにおいて血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントが検出される場合、その症状を有する被験体において心臓血管疾患の予後を評価する工程
を含む。
本発明の別の局面において、心臓血管疾患の症状を有する患者およびこの疾患を有すると既に診断されている患者において、心臓血管疾患が進行しているかどうかを評価するための方法が提供される。この方法は、
(a)被験体からサンプルを得る工程;
(b)血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントに対する抗体を生体サンプルと反応させる工程;
(c)上記サンプルにおいて血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントの存在または非存在を検出する工程;および
(d)上記サンプルにおいて血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントが検出される場合、心臓血管疾患が上記被験体において進行していることを評価する工程
を含む。
上に記載の方法において、上記サンプルは、血液、血清、細胞および組織からなる群より選択することができる。上に記載の方法において、上記心臓血管疾患は、動脈性高血圧、起立性低血圧および失神、動脈硬化、冠状動脈疾患、心不全、ショック、不整脈、心肺停止および心肺蘇生、心臓弁疾患(valvular heart disease)、心内膜炎、心膜疾患、心臓腫瘍、動脈およびその分枝の疾患、末梢血管障害、脳血管疾患、糖尿病性血管障害、または高脂血症、ならびにこれらの障害を潜在的に有する高リスク群からなる群より選択される。
発明の詳細な説明
本発明は、血小板由来マイクロパーティクルを含有する心臓血管疾患についての新規診断マーカーに関する。
局所的な血管壁損傷の部位における炎症および血小板の活性化は、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の後の再狭窄の機構において不可欠な役割を果たす。活性型血小板から放出される血小板由来マイクロパーティクル(PDMP)は、炎症プロセスにおいて役割を果たし、白血球インテグリンMac-1と相互作用すると考えられている。
本発明者らは、冠状動脈ステント挿入を受けた35名の患者において、ELISAによって循環PDMPを連続的に測定した。本発明者らはまた、高感度C反応性タンパク質(hs-CRP)および好中球の表面上の活性型Mac-1の連続的な変化も調査した。PDMP、hs-CRPおよび活性型Mac-1は、冠状動脈ステント挿入の後に時間依存的に増加し、最大反応は、冠状静脈洞血(48時間)であった(PDMP: 10.2±5.7〜30.4±14.6 U/ml; P<0.001, hs-CRP: 0.26±0.22〜1.51±0.88 mg/dl; P<0.001, 活性型Mac-1, 138±17%の相対的増加, P<0.001)。これらの変化は、末梢血においてはあまり顕著ではなかった。PDMPの値は、hs-CRPレベルと相関し(R=0.58, P<0.001)、そして冠状動脈ステント挿入の48時間後の冠状静脈洞血において活性型Mac-1の相対的増加と相関する(R=0.69, P<0.001)。冠状動脈ステント挿入の48時間後のPDMP値、hs-CRPレベルおよび活性型Mac-1の相対的増加は、全て血管造影での晩期血管内径損失に関連していた。
これらの結果から、損傷を受けた血管壁において炎症反応と関連して、冠状動脈ステント挿入が循環PDMPを増加させることが示唆される。PDMPは、ステントによって引き起こされる炎症状態を評価するための有用なマーカーとなり得、そして活性型Mac-1についての信頼できる代理マーカーとなり得る。
血小板由来マイクロパーティクル(PDMP)とは、血小板活性化の際に血小板から放出される微粒子であって、その内容物は、P-セレクチンなどの血小板顆粒タンパク質、ならびに糖タンパク質(GP)IbAXおよびGPIIb/IIIaなどの種々の血小板表面膜の糖タンパク質を含むものを指す(1)。PDMPは、血小板活性化のための単なるマーカーではなく、凝血促進活性も有し、これによって血栓の形成に寄与する(2)。さらに、PDMPは、血小板−白血球、白血球−内皮細胞、または白血球−白血球の相互作用の媒介物質として、炎症プロセスに関与する(1)。PDMPは、サイトカイン産生を刺激し、白血球インテグリンMac-1(CD11b/CD18、αMβ2)を含む細胞接着分子の発現を高める(3)。PDMPは、通常はフローサイトメトリーによって測定されるが、循環PDMPは、血小板膜表面の糖タンパク質であるGPIbおよびGBIXに対する2種の抗体を使用して、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)によっても測定される(4)。
本発明において、本発明者らは、冠状動脈ステント挿入の後に、PDMPの循環レベル、hs-CRPレベル、および好中球の表面への8B2結合が時間依存的に増加し、48時間で最大増加を示すことを実証した。さらに、これらの変化は、末梢血よりも冠状静脈洞においてより顕著であり、48時間でのPDMPレベルは、48時間でのhs-CRPレベルに相関し、冠状静脈洞でのベースラインに対する48時間での8B2結合の増加とより密接に相関した。さらに、これら3つのパラメーターは、血管造影での晩期血管内径損失(すなわち、冠状動脈ステント挿入後の新生内膜肥厚(neo-intimal thickening))に関連していた。これらの結果から、PDMPは冠状循環において増加し、そしてステントによって引き起こされる炎症反応に関して、おそらくPCIが引き起こす損傷の部位における好中球の表面上のMac-1活性化と関連していることが示された。
上記心臓血管疾患としては、動脈性高血圧、起立性低血圧および失神、動脈硬化、冠状動脈疾患、心不全、ショック、不整脈、心肺停止および心肺蘇生、心臓弁疾患、心内膜炎、心膜疾患、心臓腫瘍、動脈およびその分枝の疾患、末梢血管障害、脳血管疾患、糖尿病性血管障害、または高脂血症など、ならびにこれらの障害を潜在的に有する高リスク群も挙げられるが、これらに限定されない。動脈硬化症が、本発明に対して最も好ましい。
心臓血管疾患の診断のための検出、または心臓血管疾患の予後もしくは進行の評価は、PDMPまたはそのフラグメントに対する抗体と、そのような診断の必要がある被験体からのサンプルとを使用した免疫学的アッセイによって実施される。従って、本発明の方法は、サンプル中のPDMPを、例えば、非特異的または特異的に検出し、次いでそのような非特異的結合または特異的結合を検出する方法を含む。
上記の方法の例は、医療、微生物学、および免疫学の分野の当業者が本発明を使用することができる唯一の方法ではない。サンプル中のPDMPと免疫系との相互作用を測定することができるあらゆる方法が、本発明の方法において有用である。
本発明の方法によって、心臓血管疾患を有することが疑われる患者における心臓血管疾患の診断、または心臓血管疾患を有すると既に診断された患者におけるその疾患の重症度もしくは進行の評価は、そのような診断を必要としている患者由来のサンプルにおいて、PDMPに対する免疫応答を検出することによってなされる。PDMPを検出することが所望される場合、一般的に、そして好ましくは、患者のサンプル中のPDMPが検出される。
PDMPの検出は、このような抗体のPDMPへの結合を直接検出することによって行うことができる。代替的には、PDMPに結合する抗体の検出は、そのような抗体のPDMPへの結合を間接的に検出することによって行うことができる。
用語「抗体」は、天然の抗体、および生物学的に活性な抗体の誘導体(例えば、Fab'、F(ab')2またはFv、ならびに単一ドメインおよび一本鎖抗体)の両方を含むことが意味される。生物学的に活性な抗体の誘導体は、抗原を結合する能力を保持している。
患者サンプル中、特に血液、血清、細胞または組織サンプル中のPDMPは、PDMPが液相で利用され得る、または固相キャリアに結合され得るような免疫アッセイにおいて検出することができる。本発明の方法を使用してPDMPを検出するための好ましい免疫アッセイとしては、ラジオイムノアッセイ、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)、または当該分野で公知の他のアッセイ(例えば、免疫蛍光アッセイ、化学発光アッセイ、または生物発光アッセイ)が挙げられる。PDMPを検出するために好ましい免疫アッセイはELISAアッセイである。
血小板活性化のマーカーとしての循環PDMP
PDMPは、フローサイトメトリーによって広範に測定され、広く研究されている。PDMPレベルの上昇の意義はいまだ確立されてはいないが、多くの臨床的な障害がPDMPレベルの上昇と関連している(1, 2, 21-24)。血小板の活性化に関して、急性冠症候群(ACS)の患者において、PDMPの上昇が観察される(23)。Gawazらは、direct PCIを受けた急性心筋梗塞の患者において、血小板活性化の種々の局面を試験し、PCIの後にPDMPが著しく増加することを実証した(24)。しかし、本発明におけるELISAによるPDMP測定は、本フローサイトメトリーとは異なる臨床的特徴を有する。Nomuraらは、ACS患者においてPCIの後にELISAでのPDMPに連続的な変化があることを観察し、PDMPレベルは、PCIの4日後に著しく低下することを実証した(26)。これらの結果は、PDMPがPCIの48時間後に最大増加することを示した本発明者らの結果と反対のものである。この矛盾は、本発明の集団の差に帰する可能性がある。Nomuraらによる研究は、血小板がすでにPCIの前に活性化されているACS患者のみを選択し、活性化状態がPCIの4日後に安定したのに対して、本発明は、PCIの前にベースラインにおいては血小板活性化を示さない安定狭心症のみを有する患者を対象とした。本発明者らが観察したPDMP変化の時間経過から、安定な血小板がPCIによって活性化され48時間で最大活性に達することが示された。このことは、すでに報告されているPCI後のP-セレクチン変化の時間経過と一致する。
PCI後の炎症プロセスにおけるPDMPの役割
白血球、好中球および単球の活性化は、再狭窄の発症につながるPCI後の炎症プロセスにおいて重要な原因となる役割を果たすことが公知である(27-30)。活性化白血球は、PCIで損傷を受けた血管壁に遊出および浸潤し、種々のサイトカイン、成長因子、フリーラジカル、およびタンパク分解酵素を生成し、これによって新生内膜肥厚および再狭窄を引き起こす。バルーン拡張またはステント挿入によって血管内皮細胞が剥離したPCI損傷血管壁では、血小板がまず血管表面に接着し、血小板層が形成される。白血球は血小板層に接着し、次いで血管壁に移動する(transplatelet leukocyte migration)(9, 31, 32)。このtransplatelet leukocyte migrationのプロセスにおいて、血小板表面のP-セレクチンは、白血球の表面上のP-セレクチン糖タンパク質リガンド(PSGL)-1に結合し、血小板層での白血球のローリング接着を媒介する(33, 34)。さらに、次の白血球の強固な接着がMac-1によって媒介される。Mac-1は、活性化白血球上に発現され、例えば、フィブリノーゲン(9, 33)、GPIbα(10)、Intercellular Adhesion Molecule(ICAM)-2(9)、またはJunctional Adhesion Molecule (JAM)-3(35)などのリガンドに結合する。Mac-1結合についてのこれらの血小板リガンドの中で、Simonらは、PCIによって損傷を受けた血管壁での血小板を通過しての白血球浸潤の機構において、最も重要なリガンドとしてGPIbαに特に焦点を当てた。Evangelistaらは、P-セレクチンのPSGL-1への結合が、Mac-1の発現増加または活性化を引き起こすチロシンキナーゼ依存的なシグナル伝達を誘導することを実験的に実証した(33, 34)。この経路では、血小板−白血球相互作用のプロセスにおける接着カスケードではP-セレクチンとMac-1との間でクロストークが起こる(9, 33)。さらに、Forlowら(36)は、P-セレクチンが発現するPDMPは、PSGL-1を発現する白血球に結合し、このことからPDMPが白血球−白血球相互作用を媒介し、特にPDMPの数が増加した場合に、血管表面の損傷表面において白血球の凝集および蓄積を引き起こし得ることが示唆されることを報告した。従って、PDMPの測定は、この病態生理学的プロセスを研究するために有用である可能性がある。さらに、PDMP ELISAアッセイ系において、本発明者らは、PDMPを検出するためにGPIbαに対する抗体を使用した(4)。白血球が血小板層を通過する際においてGPIbαがMac-1の重要なリガンドであることを考慮すると、ELISAによって検出されるPDMPは、白血球Mac-1活性化を知るための代用物とすることができる。48時間でのPDMPと、48時間での好中球の表面上の活性化Mac-1におけるベースラインを超える増加との間が密接に相関するという本発明者らの臨床的な知見は、この仮説を支持する。
可能性
本発明は、いくつかの可能性を有する。PDMPは、血小板活性化の産物であるだけでなく、自らも凝血促進活性を有し、また、血小板−白血球相互作用の媒介物質として炎症プロセスに関与するが、ELISAアッセイによって検出される循環PDMPは、白血球へ接着する活性化PDMPの残りのようである(4)。従って、PCI後のPDMPとCRPとMac-1活性との間の関係、またはこれらと血管造影上の晩期血管内径損失との間の関係を示す本発明者らの観察を考慮すると、血管損傷におけるPDMPの病態生理学的な役割を考えた場合、炎症および修復過程できわめて重要である可能性が高い。さらに、ELISAによって容易に測定されるPDMPは、フローサイトメトリーなどの複雑な技術を用いてのみ測定することができる活性型Mac-1の有用な代理マーカーとして役立ち得る。
臨床的意味:結論
PCIに伴う最も重大な問題であった再狭窄は、冠状動脈ステントの導入後顕著に減少した。薬物溶出ステントの最近の進歩によって、再狭窄率はさらに10%未満まで低下している。しかし、薬物溶出ステントでさえ完全なものではなく、長期予後または遠隔期にステントが浮いてしまう現象(late incomplete apposition)などのいくつかの深刻な問題を有している。従って、再狭窄の問題は、完全には解決されておらず、本発明者らは再狭窄をさらに減少させるためのアプローチの開発を続けるべきである。
再狭窄を予防するための最近の化学的、生物学的または薬理学的なアプローチとしては2つのストラテジーが挙げられる。「増殖抑制」ストラテジーと「抗炎症」ストラテジーである。再狭窄を減少させるための最も新規なアプローチとしては、新しく開発された薬物溶出ステントが挙げられ、これは「増殖抑制」ストラテジーを使用している。さらなる再狭窄の減少のために、本発明者らは「抗炎症ストラテジー」を提案しており、これは、再狭窄予防のための合理的な治療ストラテジーであるようである。さらに、本発明者らは、再狭窄を減少させるためのMac-1ガイド下治療の重要な臨床的利点を予測することができ、この治療において、ELISAによって測定されるPDMPが、活性型Mac-1についての信頼できる代理マーカーとして役立ち得ることを想定することができる。
方法
サンプル調製
被験体には、近位の左冠動脈前下行枝(proximal left anterior descending artery)(LAD)病変に対して一回の選択的な冠状動脈ステント移植を受けたアテローム硬化性冠状動脈疾患を有する35人の患者を含めた。表1に患者の特徴を示す。集団の不均質性を低減するために、本発明者らは、コントロール不良の糖尿病、高血圧もしくは高脂血症を有する患者、またはベースラインCRP > 1.5 mg/dLによって示される全身性炎症反応を有する患者を除外した。全ての患者は、狭心症に対して標準的な経口薬物(81 mgのアスピリン)を毎日受けた。PCIまたはPCI後の追跡期間の間、これらの薬物は、中断または交換されることはなかった。ステント挿入後の抗血小板療法としてPCIの2日前から200 mgのチクロピジンを毎日経口で投与し、この治療をPCIの後に1ヶ月間継続した。冠状動脈ステント移植は、大腿のアプローチからJudkins法を使用して実施した。静脈内にヘパリンを投与して、PCI後48時間までの間、適切な凝固時間(ACT)を維持した。血管形成術6ヶ月後において、追跡血管造影を全ての患者に推奨し、臨床的に必要とされる場合はより早期に実施した。定量的冠状動脈測定法(QCA)によって冠状動脈病変を評価し、晩期血管内径損失を新生内膜肥厚の指標として計算した(PCI後の最小血管径−追跡血管造影時の最小血管径)。PCIの前に、冠状静脈洞カテーテルを冠状静脈洞に配置し、冠状静脈洞血のサンプリングのための手順後48時間留置した。PCIの前、ならびに冠状動脈ステント挿入の15分後、24時間後および48時間後に、冠状静脈洞血および末梢血を採取した。クエン酸デキストロース(ACD)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)または両方(ACD/EDTA)を含むチューブに、全血を即座に回収した。この研究プロトコルは、施設内審査委員会(local institutional review board)によって承認され、各患者から書面でのインフォームドコンセントを得た。
実験測定
ACD/EDTA血液を5000 x gで20分間遠心分離し、血漿を回収してアッセイまで−80℃で保存した。循環PDMPについてのアッセイは、以前に報告されたように(4)酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)を使用して行った。手短に言えば、血小板およびGPXIに対する抗体(MKP-9)でコーティングした96ウェルマイクロタイタープレートの各ウェルに、50μlのサンプルまたは標準物質を添加し、プレートシェーカー(200rpm)上で25℃で18時間インキュベートした。プレートを350μl/ウェルの緩衝液(PBS中、0.05% Tween 20)で3回洗浄した。血小板GPIbαに対するビオチン化抗体(NNKY5-5)50μl(1%脱脂乳/PBS中、0.2μl/ml)を各ウェルに添加し、プレートシェーカー上で25℃で2時間インキュベートした。各ウェルを350μlの緩衝液で3回洗浄した後、50μlのペルオキシダーゼ結合体化アビジン(1%脱脂粉乳、PBS中、1:20000希釈;Vector Laboratories, Burlingame, CA)を各ウェルに添加し、プレートシェーカー上で25℃で2時間インキュベートした。その後、350μlの緩衝液で各ウェルを3回洗浄し、次いで室温で20分間、100μlのペルオキシダーゼ置換溶液(ScyTek, Logan, UT)と共にインキュベートした。このインキュベーションの後、停止溶液(SkyTek)を各ウェルに添加し、450nmにおいてELISAリーダーを使用して吸光度を測定した。
高感度(hs)-CRPの測定のために、EDTA血液を室温において1,500 x gで15分間遠心分離した。この血漿を凍結して解析まで−80℃で保存した。Behring BN II比濁計(Dade Behring Inc., Newark, DE)で粒子増加技術(particle-enhanced technology)によってhs-CRPレベルを測定した(19)。本アッセイは、モノクローナル抗CRP抗体と、WHO参照物質(WHO Reference Material)を追跡することもできるキャリブレータとを使用した。
好中球の表面上のMac-1の活性依存性のネオエピトープ(neoepitope)の発現に関して、ACD全血をフローサイトメトリー分析に使用した。本発明者らは、精製モノクローナル抗体8B2(Dr. Thomas Edgington, Department of Immunology, The Scripps Research Institute, La Jolla, CAによって提供された)を使用した。この抗体は、活性依存性のMac-1のネオエピトープの認識について高い感度および特異性を有している(18, 20)。精製マウス免疫グロブリン(Ig)G1もまた、アイソタイプの陰性対照として使用した。間接的な免疫蛍光抗体法のためのフルオレセインに結合体化した二次工程の試薬は、抗マウスIgGヤギ免疫グロブリンのフルオレセインイソシアネート(FITC)に結合体化したF(ab')2フラグメント(Dako, Glostrup, Denmark)であった。8B2(100μg/ml)と共にインキュベートした全血に対して、間接的な免疫蛍光標識を行った。次いで、8B2結合(活性型Mac-1)についてのフローサイトメトリー分析を、EPICS XLフローサイトメーター(Coultronics, Sunnyvale, CA)を使用して行った。平均チャネル蛍光強度(MFI)を、好中球の表面上の活性型Mac-1の指標として計算した。
統計分析
値は、平均±SDとして表した。両方の研究において、連続型変数に対する対応のないStudent's t検定を使用して、群の間の比較を行った。群の中の比較および群の間の比較のために、分散の反復測定分析(ANOVA)によって、変数の連続的な変化を評価した。単回帰分析を使用して、2つのパラメータの間の相関を評価した。P<0.05を有意であるとみなした。
結果
患者の特徴および冠状動脈ステント挿入前のベースライン値
PCI前の末梢血における循環PDMP、hs-CRPおよび8B2結合についてのMFIのベースラインは、年齢、性別、多枝病変の存在、冠状動脈リスク因子、または炎症に影響し得る薬剤(例えば、スタチンまたはアンギオテンシンレセプター遮断剤)とは関係がなかった(表2)。
冠状動脈ステント挿入後の循環PDMP、hs-CRPのレベル、および好中球表面上の活性型Mac-1の連続的変化
PDMPの循環レベルの連続的変化を観察した。ステント挿入の15分後には明らかな変化はないが、冠状静脈洞および末梢血の両方において、24時間後に上昇が認められた。最大の上昇は、48時間においてみられた(冠状静脈洞: 10.2±5.7〜30.4±14.6 U/ml, P<0.001;末梢血: 8.8±6.2〜22.6±8.4 U/ml, P<0.001)。末梢血よりも冠状静脈洞血において、変化がより顕著であった(P<0.05)(図1、左)。
血漿hs-CRPレベルもまた、PDMPと同様に冠状動脈ステント挿入の後にベースライン値から上昇し、冠状静脈洞血(0.26±0.22〜1.51±0.88 mg/dl, P<0.001)および末梢血(0.22±0.21〜1.22±0.49 mg/dl, P<0.001)の両方で48時間において最大に達した。hs-CRPレベルの変化も、末梢血よりも冠状静脈洞血においてより顕著であった(P<0.05)(図1、中央)。
8B2結合についてのMFI(すなわち、好中球の表面上でのMac-1活性化ネオエピトープの発現)は、冠状動脈ステント挿入の15分後に増加し始め、冠状静脈洞および末梢血の両方において48時間で最大に達した。冠状静脈洞血における15分、24時間および48時間でのベースラインと比較した相対的な増加は、それぞれ108±12%(P<0.05)、119±11%(P<0.01)および138±17%(P<0.001)であった。末梢血での増加は、それぞれ106±8% (NS)、114±8%(P<0.05)および127±12%(P<0.01)であった。8B2結合能力の変化も、末梢血よりも冠状静脈洞血においてより顕著であった(P<0.05)(図1、右)。
48時間におけるPDMP、hs-CRPおよび活性型Mac-1の間の関係
48時間での循環PDMPは、冠状静脈洞血でのベースラインと比較して、48時間でのhs-CRPレベルと明確に相関しており(r=0.58, P<0.001)、好中球の表面上の8B2結合の相対的増加とより密接に相関していた(r=0.69, P<0.00)(図2)。
後期の内径損失と48時間でのPDMP、hs-CRPおよび活性型Mac-1との間の関係
全ての患者において、48時間でのPDMP(26 U/ml)、hs-CRP(1.3 mg/dl)の中央値および8B2結合の相対的増加(130 %)を使用して、それらの患者を各パラメータについて2つの群に分けた。中央値以上は高値群含め、中央値未満は低値群に含めた。PDMP(1.22±0.67 vs 0.62±0.64 mm, P<0.05)、hs-CRP(1.26±0.71 vs 0.49±0.95 mm, P<0.05)および8B2結合の増加(1.42±0.39 vs 0.44±0.76 mm, P<0.05)について低値群より高値群において、血管造影での晩期血管内径損失がより大きかった(図3)。
Figure 2008529702
AP(狭心症);OMI(陳旧性心筋梗塞);SVD(一枝冠状動脈疾患);MVD(多枝冠状動脈疾患);HDL(高密度リポタンパク質);LDL(低密度リポタンパク質);ACEI(アンギオテンシン変換酵素インヒビター);およびARB(アンギオテンシンレセプター遮断剤)。
Figure 2008529702
本明細書において引用される以下の文献は、本明細書全体を通じて、参考として援用される。
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PDMPの循環レベル(右)、血漿hs-CRPレベル(中央)および好中球の表面上での8B2結合についてのMFI(左)の連続的な変化。これら3つのパラメータは、冠状動脈ステント挿入の後に時間依存的に増加し、48時間で最大に達した。これらの変化は、末梢血よりも冠状静脈洞においてより顕著であった。 48時間でのPDMPレベルと48時間でのhs-CRPレベルとの間の相関、または冠状静脈洞でのベースラインに対する48時間での8B2結合の相対的増加。PDMPは、hs-CRPと明確に相関し、8B2結合の増加とより密接に相関していた。 48時間でのPDMPレベル、48時間でのhs-CRPレベルおよび48時間での8B2結合の相対的増加と血管造影的な後期内径損失との関連。PDMP(26 μg/ml)、hs-CRP(1.3 mg/dl)の中央値および8B2結合の相対的増加(130 %)を使用して、患者を各パラメータについて2つの群に分けた。中央値以上は高値群に含め、中央値未満は低値群に含めた。血管造影での晩期血管内径損失は各パラメータについて低値群よりも高値群でより大きかった。

Claims (6)

  1. 血小板由来マイクロパーティクルを含有する、心臓血管疾患のための診断マーカー。
  2. 心臓血管疾患の症状を有する被験体または心臓血管疾患を有することが疑われる被験体において心臓血管疾患を診断するための方法であって、
    (a)該被験体からサンプルを得る工程;
    (b)血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントに対する抗体を生体サンプルと反応させる工程;
    (c)該サンプル中の血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントの存在または非存在を検出する工程;および
    (d)該血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントが該サンプル中で検出される場合、該症状を有する被験体における心臓血管疾患を診断する工程
    を含む、前記方法。
  3. 心臓血管疾患の症状を有する被験体または心臓血管疾患を有することが疑われる被験体において心臓血管疾患の予後を評価するための方法であって、
    (a)該被験体からサンプルを得る工程;
    (b)血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントに対する抗体を生体サンプルと反応させる工程;
    (c)該サンプル中の血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントの存在または非存在を検出する工程;および
    (d)該血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントが該サンプル中で検出される場合、該症状を有する被験体において心臓血管疾患の予後を評価する工程
    を含む、前記方法。
  4. 心臓血管疾患の症状を有する患者および該疾患を有すると既に診断された患者において、心臓血管疾患が進行しているかどうかを評価するための方法であって、
    (a)該被験体からサンプルを得る工程;
    (b)血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントに対する抗体を生体サンプルと反応させる工程;
    (c)該サンプル中の血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントの存在または非存在を検出する工程;および
    (d)該血小板由来マイクロパーティクルまたはそのフラグメントが該サンプル中で検出される場合、心臓血管疾患が被験体において進行していることを評価する工程
    を含む、前記方法。
  5. 前記サンプルが、血液、血清、細胞および組織からなる群より選択される、請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記心臓血管疾患が、動脈性高血圧、起立性低血圧および失神、動脈硬化、冠状動脈疾患、心不全、ショック、不整脈、心肺停止および心肺蘇生、心臓弁疾患、心内膜炎、心膜疾患、心臓腫瘍、動脈およびその分枝の疾患、末梢血管障害、脳血管疾患、糖尿病性血管障害、高脂血症ならびにこれらの障害を潜在的に有する高リスク群からなる群より選択される、請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
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