JP2008527478A - 医療情報を照会および参照するための仲介サーバ、方法およびネットワーク - Google Patents

Abstract

【課題】分散的に保存された患者医療情報を参照する一元的なシステムを提案する。
【解決手段】本発明は、患者に関係する医療情報であって、複数のデータ・サーバ１２、１４、１６を含むコンピュータ・ネットワーク１０に保存される医療情報の照会および参照に使用可能な仲介サーバであって、前記ネットワークで参照される患者の共用医療記録を作成する手段と、当該患者の医療記録において、前記患者に関係する医療情報を索引付けする手段とを備えている仲介サーバに関する。本発明によれば、前記ネットワークにおける、情報の物理的な保存場所へのポインタを少なくとも一つ用いて、医療情報が索引付けされる。
【選択図】図１

Description

本発明は、患者に関係するとともに、複数のデータ・サーバを含むコンピュータ・ネットワークに保存される医療情報を、照会および参照するための仲介サーバおよび方法に関する。
本発明は、患者に関係する医療情報を生成、保存および照会するためのコンピュータ・ネットワークにも関する。

通常、病院、放射線診療所、生物学的解析を行う研究所など、各医療機関は、患者に対する医療行為の間に生成される医療情報を保存する機器をそれぞれ独自に有している。
したがって、一般に、患者に関係する情報は、複数のデータ・サーバに物理的に分散しており、当該患者に関する全ての情報に対する、例えば医師などの医療従事者のアクセスを容易にする一元的な管理は行われていない。

本発明の目的は、分散的に保存された患者医療情報を参照する一元的なシステムを提案することにより、前述の問題を解決することである。

この目的のために、本発明は、患者に関係する医療情報であって、複数のデータ・サーバを含むコンピュータ・ネットワークに保存される医療情報を、照会および参照するための仲介サーバであって、
前記ネットワークで参照され、前記仲介サーバにおいてのみ一度参照される患者の共用医療書類を作成する手段と、
当該患者の医療書類において当該患者に関係する医療情報を索引付けする索引付け手段であって、前記医療情報の索引付けには、前記ネットワークにおけるデータの物理的な保存場所へのポインタが少なくとも一つ含まれる索引付け手段とを備えていることを特徴とする仲介サーバを提供する。

特定の実施形態において、前記サーバは、以下の特徴を一つ以上有する。
・当該サーバに接続した端末装置により、ユーザが前記患者の共用医療書類を照会することを可能にする照会手段。
・前記患者の共用医療書類において索引付けされた医療情報を選択する選択手段。
・前記選択した情報を保存する当該サーバに対して、前記選択した情報をダウンロードする要求を送信する送信手段。
・前記選択した医療情報を前記サーバからダウンロードするダウンロード手段。
・前記ダウンロードした医療情報を当該端末装置によって照会する照会手段。
・当該サーバ上における患者の識別情報を作成するとともに、前記識別情報のもとで前記患者の医療書類を参照するように構成された識別情報管理手段。
・前記照会手段は、当該サーバ上の前記患者の識別情報によって前記患者の医療書類にアクセスする。
・前記照会手段は、ユーザ認証手段と、認証されたユーザに、前記ユーザと関連して前記サーバに保存されている所定の許可に応じて、患者の医療書類の全てまたは一部にアクセスすることを許可するユーザ許可手段。
・前記ユーザは、デジタル証明書に基づく安全なプロトコルによって認証される。
・前記患者の共用医療書類における患者の医療情報の索引付けには、前記情報の記述データが含まれる。
・一件の医療情報に、前記医療情報の更新時、作成時または削除時に、前記医療情報を保存する当該サーバによって当該仲介サーバに対して通知される前記情報を記述しているヘッダが少なくとも含まれ、当該サーバは、前記ヘッダを解析する解析手段と、前記ヘッダに含まれる前記情報に応じて、前記医療情報と関連する前記患者の共用医療書類を更新する索引付け手段とを備えている。
・医療情報が緊急情報であると判断されたとき、前記データを保存している前記データ・サーバは、当該仲介サーバに対して前記データを全て通知し、当該仲介サーバは、前記データを、関連する前記患者の医療書類において参照するとともに、緊急データ保存手段に保存し、当該仲介サーバに接続する許可されたユーザが、前記データに直接アクセスできるようにする。
・前記索引付け手段は、所定の種類の医療事象および事例に応じて構造化される共用医療書類を生成するように構成されている。
・当該仲介サーバと、データ・サーバまたはユーザ端末装置との間の情報の交換は、ＳＯＡＰカプセル化プロトコルを用いることで実施される。

前記医療情報は、デジタル署名を含み、当該サーバは、前記署名を解析して、前記データの出所を認証するとともに、前記データが破損しているか否かを判断する解析手段を備えている。
本発明はまた、患者に関係する医療情報であって、複数のデータ・サーバを含むコンピュータ・ネットワークに保存される医療情報を照会および参照するための仲介方法であって、
前記ネットワークで参照される患者について、前記ネットワーク上で共用される医療書類を作成するステップと、
当該患者と関連する、前記ネットワークの各医療情報について、前記ネットワークにおける、前記情報の保存場所へのポインタを求めるステップと、
前記患者の医療書類において、その医療情報について求められた前記ポインタを加えることにより、前記医療情報を索引付けするステップとを備えていることを特徴とする方法を提供する。

本発明は、患者に関係する医療情報を生成、保存および照会するコンピュータ・ネットワークであって、
複数のデータ・サーバであって、それぞれが少なくとも一つの医療情報生成装置に接続されるとともに、接続する前記少なくとも一つの医療情報生成装置によって生成および送信された前記医療情報を、データベースに保存するように構成された複数のデータ・サーバと、
前記複数のデータ・サーバに接続するとともに、これらから医療情報を受信するように構成された仲介サーバであって、前記情報と関連する患者の各医療書類において前記医療情報を索引付けする索引付け手段を備え、医療情報の前記索引付けには、前記ネットワークにおける、前記情報の物理的な保存場所へのポインタが少なくとも含まれることを特徴とするネットワークを提供する。

他の特徴によれば、前記ネットワークは、以下の特徴を一つ以上有する。
・前記仲介サーバは、前述のタイプのサーバである。
・各医療情報生成装置は、生成する各医療情報について認証デジタル署名を生成するように構成されている。
・各データ・サーバは、受信した医療情報を、そのデジタル署名を解析することにより認証するように構成された認証手段を備えている。

本発明は、単に例示的に述べるとともに、添付図面を参照しながら行う以下の説明を読むことで、よりよく理解することができる。

図１において、患者に関係する医療情報を生成および保存するためのネットワーク１０は、コンテンツ・サーバとも呼ばれる、複数のデータ・サーバ１２、１４、１６を備えている。
各データ・サーバ１２、１４、１６は、例えば、病院などの医療機関の機器の一部を構成しており、コンピュータ・フォーマットで医療情報を生成する装置１８、２０、２２に接続される。例えば、データ・サーバ１２、１４、１６は、医療従事者による生物学的解析、手術報告などの結果の入力を可能にする端末装置に接続されるか、または放射線写真、医療画像などを生成する装置に接続される。

サーバ１２、１４、１６は、接続する各情報生成装置によって生成される医療情報を保存する医療情報データベース１２ａ、１４ａ、１６ａを備えている。さらに、サーバ１２、１４、１６は、患者に関係する情報を保存するとともに、医療情報データベース１２ａ、１４ａ、１６ａに保存された患者の医療情報を参照する、患者識別情報のデータベース１２ｂ、１４ｂ、１６ｂを有している。

以下により詳しく説明するように、データ・サーバ１２、１４、１６は、生成装置によって生成および送信された医療情報を認証する手段１２ｃ、１４ｃ、１６ｃをさらに備えている。
図に示すデータ・サーバは、それぞれ医療情報の管理と、これに関連する患者識別情報の管理との両方をできるように構成されているが、このように医療情報と識別情報とを管理するサービスは、異なるサーバで実現することも可能であることが理解される。同様に、別個のデータ・サーバによって実現する複数の医療情報管理サービスを、専用サーバによって、またはデータ・サーバの一つによって実現する単一の識別情報管理サービスと関連させることが可能であることも理解される。

サーバ１２、１４、１６のみを考えると、これらのサーバは、患者に関係する医療情報の一元的な照会を可能にするツールを有していない。したがって、例えば、このような情報へのアクセスを求める医師は、当該情報の全てを調査するために、各サーバ１２、１４、１６に対して接続する必要がある。
生成および保存ネットワーク１０は、本発明に係る仲介サーバ２４と関連付けられることが有利である。このサーバは、以下により詳しく説明するように、種々のデータ・サーバ１２、１４、１６に接続されて、患者の医療情報を、これに関連するコンピュータ医療書類において索引付けするように構成されている。

例えば、開業医または患者など、許可されたユーザは、インターネット・タイプの情報伝送ネットワークを介してサーバに接続されるパソコン、携帯情報端末（ＰＤＡ）、携帯電話などの照会用端末装置２６によって、仲介サーバ２４に対して接続することができる。そして、ユーザは、患者の医療書類において索引付けされているが、データ・サーバ１２、１４、１６に保存されている情報の全てを照会する一元的なサービスを利用することができる。

図２は、図１の仲介サーバの概略図である。
仲介サーバは、医療情報を保存するデータ・サーバ４２と通信する第１の通信インターフェース４０と、一つ以上のユーザ端末装置４６と通信する第２の通信インターフェース４４とを備えている。
仲介サーバおよび外部サーバ４２は、通知および要求／応答に基づく、例えば、ＨＬ７ ＭＬ形式の情報通信プロトコルを用い、通信インターフェース４２は、ウェブ・サービス型のアプリケーション・サービスである。

好適には、仲介サーバ、データ・サーバおよびユーザ端末装置は、ＳＯＡＰプロトコルを用いて通信を行う。これらが転送する情報は、そのたびごとに暗号化伝送エンベロープによってカプセル化され、例えばＳＳＬ形式の安全なトランスポート層で転送される。
また、ユーザは、例えばウェブ・ブラウザなどのライト・クライアント・アプリケーションによって仲介サーバにアクセスし、ユーザ・インターフェース４８は、ポートレット・タイプのアプリケーションである。

ユーザ・インターフェース４４は、仲介サーバに接続しようとするユーザを識別するのに適した認証モジュール４８に対して接続される。モジュール４８は、識別子およびパスワードの入力に関する通知をユーザに対して行い、ユーザによって入力された識別子およびパスワードと、ユーザ・データベース５０またはユーザ・ディレクトリに保存された識別子およびパスワードのペアとを比較する。ユーザの識別子およびパスワードがデータベース５０の識別子およびパスワードのペアと対応する場合、ユーザが認証される。

確実な認証のために、ユーザは、仲介サーバに対してデジタル証明書も送信することが有利である。一例として、証明書は、医療機関によってユーザに送られるスマート・カードに保存することが可能であり、ユーザ端末装置は、デジタル証明書を読取ってモジュール４８に送信するスマート・カード・リーダーを備えている。そして、送信されたデジタル証明書がモジュール４８によっても認可された場合、ユーザが識別される。

ユーザが認証されると、モジュール４８は、ユーザ端末装置と仲介サーバとの間の接続を初期化する。このような接続初期化は、モジュール４８に接続する許可データベース５２に保存された所定の許可に応じて行われる。モジュール４８は、許可データベース５２におけるユーザに関する所定の許可に応じて、認証されたユーザに対して仲介サーバのサービスおよびデータへのアクセス権を与えるように構成されている。

モジュール４８によって許可されると、認証されたユーザは、検索／照会モジュール５４によって実行される検索および照会サービスに対してアクセスできる。
モジュール５４は、ユーザによって送信された検索情報に応じて、患者のコンピュータ医療書類をデータベース５８において検索するのに適している。
仲介サーバは、このような患者についての情報を含むようにそれぞれ構成された識別情報の所定の組を含む患者識別情報データベース６０を有している。

識別情報データベース６０は、医療書類データベース５８と関連付けられている。より具体的には、データベース５８内の患者の医療書類は、データベース６０内のその患者の識別情報により仲介サーバにおいて参照されるとともに、当該識別情報によって照会可能になっている。
データベース６０は、各患者がデータベース６０においてのみ一度参照されることを保証するのに適した識別情報管理モジュール６２にも関連付けられている。

一般に、データ・サーバに保存された患者に関係する医療情報は、このサーバと関連する患者識別情報により参照される。一例として、そのサーバ自身が、これらの識別情報を管理するか、あるいは、そのサーバと関連する識別情報が、複数のデータ・サーバで共通するとともに、一つのデータ・サーバまたは専用の識別情報サーバによって管理される識別情報の組の一部を構成する。

一例として、データ・サーバは、これらの識別情報に基づいて医療情報を参照するサービスを独自に有している。したがって、データ・サーバによって構成されるコンピュータ・ネットワーク上で、患者ごとに複数の別個の識別情報が存在することが可能である。
モジュール６２は、データベース６０を構築および更新するために、仲介サーバに接続するデータ・サーバおよび／またはユーザによって送信された識別情報を処理するように構成されている。モジュール６２は、仲介サーバに接続するデータ・サーバにおいて参照される患者ごとに、単一のいわゆる「統合」識別情報を有するように、データベース６０を管理するのに適している。仲介サーバのこの固有の識別情報により、データ・サーバと関連する患者の種々の識別情報を索引付けする。

したがって、データ・サーバに保存された患者の医療情報を照会したいと望むユーザは、仲介サーバに保存されている、患者の単一の統合識別情報によって、そのデータ・サーバへのアクセスを得る。
モジュール６２によって新たな患者識別情報が識別情報データベース６０に作成されたとき、モジュール６２はまた、医療書類データベース５８におけるその患者について、例えば最初は空白の書類である医療書類を作成することが有利である。

許可されたユーザが、データベース５８に保存された、患者の医療書類の照会を求める場合、例えば、識別情報の識別子（すなわち、仲介サーバにおける識別情報リファレンス）、名字、名前、または他の情報などの検索情報に応じて、仲介サーバに対して問い合わせを行う。そして、検索／照会モジュール５４は、ユーザから与えられた情報に適合する患者の識別情報を求めて、識別情報データベース６０を検索し、そのような識別情報が存在する場合には、医療書類データベース５８内のその識別情報と関連する書類へのリファレンスを抽出する。

例えば、データベース５８の物理的な位置へのポインタなど、このリファレンスを利用して、検索／照会モジュール５４は、対応する医療書類を抽出する。そして、検索／照会モジュール５４は、その医療書類に含まれる情報の一部または全てをインターフェース４４経由でユーザ端末装置４６に送信するが、その情報は、モジュール４８によってユーザに割り当てられた書類照会許可に応じて送信される。

データベース５８は、患者に関係する医療情報であって、仲介サーバに接続するデータ・サーバに保存される医療情報を、患者の医療書類において索引付けするように構成されている。この索引付けには、以下により詳しく説明するように、例えば、放射線写真などの未加工の医療データではなく、ネットワーク上における医療情報、すなわち、放射線写真の保存場所へのポインタが含まれる。

この索引付けには、医療情報を表す情報の組も含まれ、その際に「共用医療書類」という用語を使用して、データベース５８の索引付け医療書類を示す。
ユーザが、例えば、ユーザの端末装置に表示された選択ウィンドウを用いて、患者の医療書類において索引付けされた幾つかの特定の医療情報を照会するために選択したとき、この選択が仲介サーバに対して通知されると、検索／照会モジュール５４は、その情報を物理的に保存しているデータ・サーバに対して要求を送出する。この要求には、例えば、患者の医療書類における情報と関連するポインタに応じて、モジュール５４によって求められた適切なリファレンスなどの、情報を特定する情報が含まれる。

この要求を受信するデータ・サーバに応答して、通信インターフェース４０は、ダウンロード・リンクを初期化する。そして、要求された情報は、検索／照会モジュール５４にダウンロードおよび保存される。次いで、ユーザは、例えば、その情報を端末装置にダウンロードすることにより、端末装置４６によりその情報の照会を行うことができる。
変形例において、インターフェース４０は、ユーザ端末装置に対する直接的な情報ダウンロード・リンクを初期化する。

仲介サーバは、例えば、患者がアレルギーを起こす薬物のリストなど、患者に関係する緊急情報を物理的に保存するのに適した緊急医療データベース６４をさらに有している。このことが特に有利なのは、できるだけ短時間で医師の助けとなるために、データが一元的に直接アクセス可能であるからである。このデータは、仲介サーバに直接保存されるので、照会のためにデータ・サーバからダウンロードする必要がない。

緊急情報は、識別情報データベース６０に保存されているとともに、医療書類データベース５８の患者の医療書類において索引付けされている、対応する患者の識別情報によっても参照される。
医療書類データベース５８および緊急医療データベース６４には、仲介サーバに接続する外部データ・サーバにより送信された情報に応じてデータが供給される。

医療情報がデータ・サーバにおいて初めて保存、更新または削除されたとき、このデータ・サーバは、仲介サーバに対して通知を行う。
そして、その情報またはその一部は、通信インターフェース４０を介して情報認証モジュール６６に送信される。
モジュール６６は、情報源、特にその情報の作成者を認証する。以下により詳しく説明するように、サーバによって送信される情報には、医療機関によってその作成者に与えられた秘密キーを用いて生成されたデジタル署名が含まれる。

デジタル署名は、キー・レジスタ６８に保存された公開キーを用いて、モジュール６６において復号化される。そして、復号化された内容をモジュール６６によって解析し、例えば、サーバ間の転送において、そのデータが破損したか否かを判断するとともに、最新技術において周知のように、作成者を認証する。
その情報は、モジュール６６によって認証されると、内容解析モジュール７０に送信される。この解析の結果は、以下により詳しく説明するように、関連する患者の医療書類において医療情報を索引付けする索引付けモジュール７２に送信される。

好適には、医療情報は、図３に示すフォーマットでデータ・サーバ１２、１４、１６に保存される。
医療情報は、例えば、ＨＬ７形式で診療文書構造（ＣＤＡ）型のエンベロープなど、データ・エンベロープの形でそれぞれ生成される。
このようなエンベロープには、デジタル署名８６とともに、メタデータ・ヘッダ８０、構造化データのブロック８２、および／または非構造化データのブロック８４が含まれる。

ヘッダ８０のメタデータは、医療情報を表すとともに管理するのに有用な情報の全てを含む。メタデータは、ブロック８２および８４に含まれるデータの性質と、そのデータが作成された状況とを定義する。一例として、メタデータは、データの種類（手術報告、放射線写真、処方箋など）に関係する情報と、そのデータが関連する患者に対するリファレンスと、そのデータの発信源となる医療施術者のリファレンスと、情報を送出および生成する医療機関のリファレンスと、医療情報の現在のバージョンについての情報と、情報が生成された医療状況（例えば、糖尿病のモニタリングの間、外科手術の後など）を表す情報と、作成日と、例えば、その機密性のレベル、および医療情報を調査する可能性のある様々な医療行為者（医師、医療機関など）または他の関係者に対して患者が与えるアクセス許可などの情報の管理に関係する情報とを含む。

データ・ブロック８２、８４には、一つ以上の医療文書が含まれるが、このような文書は、例えば（構造化データ・ブロック８２に適用される）論理リンクによって関連付けてもよいし、または（非構造化データのブロック８４に適用される）単一のブロックを含んでいてもよい。一例として、これらのブロックには、「ポストスクリプト」、「ポータブル・ドキュメント・フォーマット」などのフォーマットの文書、ワープロまたはスプレッドシートによって作成された文書などが含まれてもよい。

デジタル署名８６は、完全性、情報が送信され保存されるデータ・サーバによるその情報の否認防止性、およびその情報の真正性、とくにその作成者の真正性を保証するために、医療情報生成装置によって生成される。デジタル署名８６は、情報の発信源となる医療施術者に与えられた秘密キーを用いて、ＰＫＩ方式の署名作成アルゴリズムによって実現することが好ましい。

図４のフローチャートは、図２の仲介サーバによってどのように医療情報が索引付けされるかを示す。
ステップ１００において、データ・サーバのデータベースで医療情報が変更される。例えば、この情報は、サーバに接続する許可された医療従事者によって更新されるか、この従事者によって削除されるか、または医療情報生成装置によって生成された医療データに基づいて作成される。

作成に関して、医療情報生成装置は、デジタル署名に関連するデータと、そのデータを表すメタデータに関連するデータとを生成し、ステップ１０２において、図３を参照して先に説明したようなデータ・エンベロープに、これらのデータを全て収める。
そして、ステップ１０４において、医療情報生成装置は、接続するデータ・サーバに対して、作成された医療情報を通知し、データ・サーバは、情報を正常に受信したことをこの装置に対して通知することで応答する。

ステップ１０６において、データ・サーバの認証手段は、受信した情報をそのデジタル署名を解析することによって、認証するか、または認証しない。その情報が認証されかつ破損していない場合、データ・サーバは、生成装置に対して通知を行い、医療情報を医療情報データベースに保存する。
次のステップ１０８で、データ・サーバ、または変形例においてはデータ・サーバにより用いられる識別情報を管理するサーバは、その識別情報データベースに医療情報と関連する患者の識別情報が存在するかどうかを確認する。この識別情報が存在する場合、サーバは、例えば、その識別情報と医療情報データベースとの間に特定の論理リンクを作成することにより、この識別情報のもとで医療情報を参照する（ステップ１１０）。

そうでない場合、ステップ１１２において、新たな識別情報がデータ・サーバの識別情報データベースに作成される。一例として、このような作成は、自動でもよく、患者に関係する情報に応じて行われて医療情報のメタデータに含まれるか、またはデータ・サーバに接続する許可された従事者により手動で行われる。そして、ステップ１１２では、ステップ１１０の処理を進めて医療情報を参照する。

また、ステップ１１４において、新たな識別情報の作成が仲介サーバに対して通知される。ステップ１１６において、仲介サーバの識別情報管理モジュール６２は、その識別情報データベース６０に新たな識別情報を作成するか、または同一患者と関連する既存の識別情報のもとで、データ・サーバに作成された新たな識別情報を索引付けする。
引き続きステップ１１６において、新たな識別情報が仲介サーバに作成された場合、モジュール６２はまた、データベース５８に医療書類を作成するとともに、データベース５８に作成された識別情報のもとで医療書類を索引付けする。

ステップ１１０に続くステップ１１８において、データ・サーバは、変更された（すなわち、更新、削除または作成された）情報の全てまたは一部を仲介サーバに送信する。
操作の第１の形態において、データ・サーバは、医療情報のメタデータのみを仲介サーバに送信するのに適している。
操作の第２の形態において、特に、医療情報を索引付けする上で仲介サーバに必要な情報がメタデータに含まれていないとき、または医療情報が緊急の医療情報であるときに、データ・サーバは、全ての情報を送信するのに適している。

ステップ１２０において、データ・サーバは、医療情報またはその一部を暗号化伝送エンベロープにカプセル化し、仲介サーバの位置を特定し、そして仲介サーバに対してカプセル化した情報を通知する。
ステップ１２２において、仲介サーバの通信インターフェース４０は、その情報を受信し、その情報を受信したことをデータ・サーバに対して通知し、そしてカプセル化したデータを抽出する。モジュール６６がその情報を認証した後、ステップ１２４において、解析モジュール７０は、抽出したメタデータの内容を処理し、テスト１２６で、そのメタデータが、医療書類データベース５８において情報を索引付けするのに必要な情報の全てを有しているかどうかを検証する。

メタデータが索引付けの目的に必要な情報の全てを含んでいる場合、解析モジュール７０は、ステップ１２８において、そのデータを索引付けモジュール７２に送信する。ステップ１３０において、索引付けモジュールは、その情報を記述する情報の組を作成することで応答し、データ・サーバにおける医療情報の位置へのポインタを求め、そしてステップ１３２において、医療書類データベース５８内の患者の医療書類を更新する。この更新は、とくに、ポインタと、医療情報に関連する記述情報とを含む書類に対して新たな見出し項目を加えることで行われる。

メタデータが医療情報の索引付けに必要な情報の全てを含んでいない場合、ステップ１３４において、解析モジュール７０は、欠けている索引付け情報を生成するために抽出データを解析して、ステップ１３４からステップ１３０にループする。
通常、医療情報生成装置およびこれと関連するデータ・サーバがそのような情報を生成するのに適したサービスを備えていない場合、データ・サーバは、全ての情報を仲介サーバに送信する。例えば、解析モジュール７０は、医療情報データの各ブロックに含まれるデータのフォーマット（「ポストスクリプト」、「マイクロソフト・ワード」などのフォーマット）を認識するのに適しているとともに、そこに含まれるキーワード（「手術報告」、「処方箋」など）を認識するのに適しているため、記述情報を生成することが可能となる。

さらに、仲介サーバによって受信された医療情報が緊急医療情報である場合、索引付け手段７２は、ステップ１３６において、全ての情報を物理的に緊急医療情報データベース６４に保存する働きをし、そしてステップ１３８において、例えば医療書類内の対応する項目における情報の緊急状態を特定、および／または患者の医療書類に「緊急」情報見出し項目を加えることにより、患者の医療書類を更新する働きをする。

仲介サーバおよびこれに接続するデータ・サーバは、事象駆動（イベント・ドリブン形式）で医療情報を保存、交換、索引付け、および提示するように更新されることが好ましい。
より具体的には、索引付け手段７２は、医療事象および医療事例に応じて患者の医療書類を体系化するのに適している。例えば、糖尿病を患っており、そのために医療現場（医療事象）の様々な行為者によってモニターされている患者について、索引付け手段７２は、医療事象項目（例えば、「糖尿病のモニタリング」）を作成し、そして、例えば、患者の血液の生物学的解析など、患者の糖尿病（医療事例）のモニタリングに関する行為に関係する情報の受信時に、その医療事象のサブ見出し項目を作成する。

患者医療情報を保存するとともに、本発明に係る仲介サーバと関連付けられたデータ・サーバのネットワークの概略図。 図１のネットワークの一部を構成する仲介サーバを、より詳細に示す概略図。 データ・サーバに医療情報を保存するのに使用されるデータ・フォーマットの概略図。 図１のネットワークの一部を構成する仲介サーバにより用いられる索引付け方法のフローチャート。

Claims (17)

1. 患者に関係する医療情報であって、複数のデータ・サーバ（１２、１４、１６）を含むコンピュータ・ネットワーク（１０）に保存される医療情報を照会および参照するための仲介サーバであって、
   前記ネットワークで参照される患者の共用医療書類を作成する手段であって、前記医療書類は、前記仲介サーバにおいてのみ一度参照される手段（６２）と、
   当該患者の医療書類において当該患者に関係する医療情報を索引付けする索引付け手段であって、前記医療情報の索引付けには、前記ネットワークにおける、データの物理的な保存場所へのポインタが少なくとも一つ含まれる手段（７２）とを備えていることを特徴とする仲介サーバ。
2. 当該サーバに接続した端末装置（４６）により、ユーザが前記患者の共用医療書類を照会することを可能にする照会手段（５４）と、
   前記患者の共用医療書類において索引付けされた医療情報を選択する選択手段（５４）と、
   前記選択した情報を保存する当該サーバ（４２）に対して、前記選択した情報をダウンロードする要求を送信する送信手段（５４）と、
   前記選択した医療情報を当該サーバからダウンロードするダウンロード手段（４０、５４）と、
   前記ダウンロードした医療情報を前記端末装置によって照会する照会手段（５４）とを備えていることを特徴とする、請求項１に記載のサーバ。
3. 当該サーバ上における患者の識別情報を作成するとともに、前記識別情報のもとで前記患者の医療書類を参照するように構成された識別情報管理手段（６２）を備えていることを特徴とする、請求項２に記載のサーバ。
4. 前記照会手段（５４）は、当該サーバ上の前記患者の識別情報によって前記患者の医療書類にアクセスすることを特徴とする、請求項３に記載のサーバ。
5. 前記照会手段は、ユーザ認証手段（４８）と、認証されたユーザに、前記ユーザと関連して前記サーバに保存されている所定の許可に応じて、患者の医療書類の全てまたは一部にアクセスすることを許可する許可手段とを備えていることを特徴とする、請求項２、３または４に記載のサーバ。
6. 前記ユーザは、デジタル証明書に基づく安全なプロトコルによって認証されることを特徴とする、請求項５に記載のサーバ。
7. 前記患者の共用医療書類における患者の医療情報の前記索引付けには、前記情報の記述データが含まれることを特徴とする、請求項１ないし６のいずれかに記載のサーバ。
8. 一件の医療情報に、前記療情報の更新時、作成時または削除時に、前記医療情報を保存する当該サーバ（４２）によって当該仲介サーバに対して通知される前記情報を記述しているヘッダ（８０）が少なくとも含まれ、当該サーバは、前記ヘッダを解析する解析手段（７０）と、前記ヘッダに含まれる前記情報に応じて、前記医療情報と関連する前記患者の共用医療書類を更新する索引付け手段（７２）とを備えていることを特徴とする、請求項１ないし７のいずれかに記載のサーバ。
9. 医療情報が緊急情報であると判断されたとき、前記データを保存している前記データ・サーバ（１２、１４、１６）は、当該仲介サーバに対して前記データを全て通知し、当該仲介サーバは、前記データを、関連する前記患者の医療書類において参照するとともに、緊急データ保存手段（６４）に保存し、当該仲介サーバに接続する許可されたユーザが、前記データに直接アクセスできるようにすることを特徴とする、請求項１ないし８のいずれかに記載のサーバ。
10. 前記索引付け手段は、所定の種類の医療事象および事例に応じて構造化される共用医療書類を生成するように構成されていることを特徴とする、請求項１ないし９のいずれかに記載のサーバ。
11. 当該仲介サーバと、データ・サーバまたはユーザ端末装置との間の情報の交換は、ＳＯＡＰカプセル化プロトコルを用いることで実施されることを特徴とする、請求項１ないし１０のいずれかに記載のサーバ。
12. 前記医療情報は、デジタル署名を含み、当該サーバは、前記署名を解析して、前記データの出所を認証するとともに、前記データが破損しているか否かを判断する解析手段を備えていることを特徴とする、請求項１ないし１１のいずれかに記載のサーバ。
13. 患者に関係する医療情報を生成、保存および照会するためのコンピュータ・ネットワーク（１０、２４、２６）であって、
    複数のデータサーバ（１２、１４、１６）であって、それぞれが少なくとも一つの医療情報生成装置（１８、２０、２２）に接続されるとともに、接続する前記少なくとも一つの医療情報生成装置によって生成および送信された前記医療情報を、データベースに保存するように構成された複数のデータ・サーバ（１２、１４、１６）と、
    前記複数のデータ・サーバに接続するとともに、これらから医療情報を受信するように構成された仲介サーバ（２４）とを備えており、
    前記仲介サーバは、前記情報と関連する患者の各医療書類において前記医療情報を索引付けする索引付け手段（７２）を備えており、患者の医療書類は、前記仲介サーバにおいてのみ一度参照され、医療情報の前記索引付けには、前記ネットワークにおける、前記情報の物理的な保存場所へのポインタが少なくとも含まれることを特徴とするネットワーク。
14. 前記仲介サーバは、請求項１ないし１２のいずれかに係るサーバであることを特徴とする、請求項１２に記載のネットワーク。
15. 各医療情報生成装置が、生成する各医療情報について認証デジタル署名を生成するように構成されていることを特徴とする、請求項１３または１４に記載のネットワーク。
16. 各データ・サーバ（１２、１４、１６）は、受信した医療情報を、そのデジタル署名を解析することにより認証するように構成された認証手段（１２ｃ、１４ｃ、１６ｃ）を備えていることを特徴とする、請求項１５に記載のネットワーク。
17. 患者に関係する医療情報であって、複数のデータ・サーバ（１２、１４、１６）を含むコンピュータ・ネットワーク（１０）に保存される医療情報を照会および参照するための仲介方法であって、
    前記ネットワークで参照される患者について、前記ネットワーク上で共用される医療書類を作成し、前記書類を仲介サーバにおいてのみ一度参照するステップ（１１６）と、
    当該患者と関連する、前記ネットワークの各医療情報について、前記ネットワークにおける、前記情報の保存場所へのポインタを求めるステップ（１３０）と、
    前記患者の医療書類において、その医療情報について求められた前記ポインタを加えることにより、前記医療情報を索引付けするステップ（１３２）とを備えていることを特徴とする方法。

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