JP2008526875A - 新規使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、異なる因子から生じる様々な創傷を治癒するためのPA126ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの使用に一般に関連する。

Description

本発明は、異なる因子から生じる様々な創傷を治癒するPA126ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの使用に一般的に関連する。
薬物発見プロセスにおいては、現在、「機能ゲノミクス」、いわゆるハイスループットのゲノムあるいは遺伝子に基づいた生物学を包含する根本的な革命が進行している。治療の標的としての遺伝子および遺伝子産物を同定する方法としてのこのアプローチは、「ポジショナルクローニング」に基づいたより初期のアプローチに急速に取って代わってきている。このアプローチは生物学的な機能もしくは遺伝子疾患である表現型を同定し、次に遺伝子マップの位置に基づいた対応遺伝子に辿り着くであろう。
機能ゲノミクスは、ハイスループットのDNA配列決定技術およびバイオインフォマティックスの様々なツールに大半を依存し、現在利用可能な多くの分子生物学的データベースから可能性のある目的の遺伝子配列を同定する。薬物発見の標的としてのさらなる遺伝子とそれらの関連ポリペプチド/タンパク質を同定し、特徴付けることが継続して必要である。
血中、リンパ球およびその他の体液へ自然に分泌されるか、あるいは細胞膜へ分泌されるタンパク質およびポリペプチドは、医薬物の研究開発においては第一の興味となる。この興味の理由は、作用部位(体液もしくは細胞膜)へのタンパク質治療物質の標的化が比較的容易なことである。細胞外空間へのタンパク質分泌の自然経路は真核生物の小胞体および原核生物の内膜である(Palade,1975,Science,189,347;Milstein,Brownlee,Harrison,およびMathews,1972,Nature New Biol.239,117;Blobel,およびDobberstein,1975,J.Cell.Biol.67,835)。その一方で、タンパク質を細胞の外側から細胞質に運ぶ自然経路は知られていない(蛇毒の細胞内への侵入メカニズムであるピノサイトーシスを除く)。それゆえ、細胞内へのタンパク質治療物質の標的化は極度の困難性を有する。
分泌性および膜結合性タンパク質は、全てのペプチドホルモンおよびそれらの受容体(インスリン、成長ホルモン、ケモカイン、サイトカイン、神経ペプチド、インテグリン、カリクレイン、ラミン、メラニン、ナトリウム利尿ホルモン、ニューロプシン、ニューロトロピン、下垂体ホルモン、プレイオトロピン(pleiotropins)、プロスタグランジン、セクレトグラニン(secretogranins)、セレクチン、スロンボグロブリン(thromboglobulins)、チモシンを包含するが、それらだけに限らない)、乳がんおよび大腸がんの遺伝子産物、レプチン、肥満遺伝子タンパク質およびその受容体、血清アルブミン、スーパーオキシドジスムターゼ、スプライソゾームタンパク質、Gタンパク質共役受容体とも呼ばれる7TM(膜貫通)タンパク質、免疫グロブリン、セリンタンパク質分解酵素の数種類のファミリー(血液凝固系、消化酵素のタンパク質を含むが、それらだけに限らない)、デオキシリボヌクレアーゼI等を含むが、それらだけに限らない。FDAもしくは国外の機関で承認された分泌性もしくは膜結合性タンパク質に基づいた治療物質には、インスリン、グルカゴン、成長ホルモン、絨毛性ゴナドトロピン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、カルシトニン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、バソプレッシン、インターロイキン、インターフェロン、免疫グロブリン、ラクトフェリン(多様な生成物が数社から販売されている)、組織型プラスミノーゲン活性化因子(Genentech社ではアルテプラーゼ)、ヒューロリンダーゼ(hyaulorindase)(Wyeth−Ayerst社ではワイダーゼ(Wydase))、ドルナーゼアルファ(Genentech社ではパルモザイム)、キモジアクチン(Chymodiactin)(Knoll社ではキモパパイン)、アルグルセラーゼ(Genzyme社ではセレダーゼ)、ストレプトキナーゼ(Pharmacia社ではカビキナーゼ)(Astra社ではストレプターゼ)等を含むが、それらだけに限らない。このことは分泌性および膜結合性タンパク質が治療の標的として確立され、立証された歴史を有することを示す。
2002年3月21日に公開された我々の同時係属出願WO02/22808は、分泌性タンパク質をコードするsbg934114Relaxinと呼ばれる遺伝子を開示する。それはマウスのインスリン様ペプチドに近い相同性を有するとして特徴付けられた。出願人は、sbg934114Relaxinとそのホモログが皮膚の創傷、外科的創傷、火傷、下腿潰瘍、糖尿病潰瘍、静脈不全潰瘍、褥瘡、粘膜炎(胃腸および口腔の両方)、腎線維症、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、もしくは上皮細胞への損傷と瘢痕の形成が生じている他の肺疾患を含むが、それらに限らない障害から引き起こされた創傷の患者を治療、治癒、もしくは予防する利益的な有効性を有することを発見した。また、sbg93411Relaxinとそのホモログは、骨関節炎および関節リウマチを治療、治癒もしくは予防し、再かん流障害後の心臓血管組織の修復を促進する利益的な有効性を有する。
(発明の要約)
一の態様では、本発明は、(1)皮膚の創傷、外科的創傷、火傷、下腿潰瘍、糖尿病潰瘍、静脈不全潰瘍、褥瘡、粘膜炎(胃腸および口腔の両方)、腎線維症、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、もしくは上皮細胞への損傷と瘢痕の形成が生じている他の肺疾患を含むが、それらに限らない障害から引き起こされた創傷の患者を治療、治癒もしくは予防する;又は、(2)骨関節炎および関節リウマチを治療、治癒もしくは予防する;又は、(3)再かん流障害後の心臓血管組織の修復を促進する;方法であって、それを必要とする患者に有効な量のPA126ポリペプチドもしくはポリヌクレオチドを投与することを含む方法を提供する。
さらなる態様において、本発明はまた、(1)皮膚の創傷、外科的創傷、火傷、下腿潰瘍、糖尿病潰瘍、静脈不全潰瘍、褥瘡、粘膜炎(胃腸および口腔の両方)、腎線維症、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、もしくは上皮細胞への損傷と瘢痕の形成が生じている他の肺疾患を含むが、それらに限らない障害から引き起こされた創傷の患者を治療、治癒もしくは予防する;又は、(2)骨関節炎および関節リウマチを治療、治癒もしくは予防する;又は、(3)再かん流障害後の心臓血管組織の修復を促進するための医薬組成物(製剤)であって、有効な量のPA126ポリペプチドもしくはポリヌクレオチドおよび医薬上許容されるキャリアを含む医薬組成物(製剤)を提供する。
また、さらなる態様において、本発明は、(1)皮膚の創傷、外科的創傷、火傷、下腿潰瘍、糖尿病潰瘍、静脈不全潰瘍、褥瘡、粘膜炎(胃腸および口腔の両方)、腎線維症、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、もしくは上皮細胞への損傷と瘢痕の形成が生じている他の肺疾患を含むが、それらに限らない障害から引き起こされた創傷の患者を治療、治癒もしくは予防する;又は(2)骨関節炎および関節リウマチを治療、治癒もしくは予防する;又は(3)再かん流障害後の心臓血管組織の修復を促進するための医薬品の調製におけるPA126ポリペプチドもしくはポリヌクレオチドの使用に関する。
(図の簡単な説明)
図1。Ad.MPA126(アデノウイルス中の配列番号3)の局所送達は創傷閉塞を促進する。
図2。Ad.MPA126(アデノウイルス中の配列番号3)の全身送達(i.v.)はob/obマウスにおける創傷修復を促進する。
図3。Ob/ob雌マウスの創傷閉塞においてヒトrelaxin−1(配列番号7)、ヒトrelaxin−2(配列番号9)、およびヒトrelaxin−3(配列番号1)を発現するアデノウイルスの局所送達の有効性。
図4。MPA126−Fc融合タンパク質(配列番号5)は濃度依存的に組織修復を増進する。
図5。HPA126(配列番号1)は疾患組織、特にOAおよびCOPDにおいて非常に低発現である。
(発明の詳細な説明)
以下の定義は、本出願で高頻度に使用される特定の用語と略語の理解を容易にするために提供される。
「単離された」は、本来の状態から「ヒトの手によって」変化されたことを意味する。「単離された」組成物もしくは物質が自然に生じる場合、それは本来の環境から変化もしくは除去されたか、あるいはその両方である。例えば、本来生きている動物内に存在するポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは「単離された」ではないが、本来の状態である共存物質から分離された同一のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは「単離された」となり、この用語はこの場合に使用される。
「ポリヌクレオチド」は、一般的にポリリボヌクレオチドもしくはポリデオキシリボヌクレオチドを意味し、未修飾のRNAもしくはDNA、あるいは修飾RNAもしくはDNAであってよい。「ポリヌクレオチド」は、一本鎖と二本鎖のDNA、一本鎖と二本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖と二本鎖のRNA、および一本鎖と二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖又はより典型的には二本鎖あるいは一本鎖と二本鎖領域の混合物であり得るDNAとRNAを含む混合分子を含むが、それらだけに限らない。加えて、「ポリヌクレオチド」はまた、RNAもしくはDNAあるいはRNAとDNAの両方を含む三本鎖領域を意味する。用語「ポリヌクレオチド」はまた、1つ以上の修飾された塩基を包含するDNAもしくはRNA、ならびに安定性もしくは他の理由で修飾された骨格を有するDNAもしくはRNAを含む。「修飾された」塩基は、例えば、イノシンのごときトリチル化された塩基および異常な塩基を含む。多様な修飾がDNAおよびRNAになされ得る;それゆえ、「ポリヌクレオチド」は、典型的には自然に見出されるような化学的、酵素的もしくは代謝的に修飾された形態のポリヌクレオチド、ならびにウイルスおよび細胞に特有な化学的形態のDNAおよびRNAを包含する。「ポリヌクレオチド」はまた、しばしばオリゴヌクレオチドと称される比較的短いポリヌクレオチドを含む。
「ポリペプチド」は、ペプチド結合もしくは修飾ペプチド結合、すなわち、ペプチドイソスターにより相互に結合された2つ以上のアミノ酸を含むペプチドもしくはタンパク質を意味する。「ポリペプチド」は、一般にペプチド、オリゴペプチドもしくはオリゴマーと称される短い鎖、および一般にタンパク質を意味するより長い鎖の両方を意味する。ポリペプチドは20個の遺伝子コードアミノ酸以外のアミノ酸を含んでよい。「ポリペプチド」は、翻訳後プロセッシングのごとき本来の過程、あるいは当該技術分野でよく知られる化学的修飾技術のどちらかにより修飾されるアミノ酸配列を含む。かかる修飾については、基本書およびより詳細な研究書、ならびに多くの研究文献においてよく記述されている。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノ末端もしくはカルボキシル末端を含むポリペプチドのいずれかで生じてよい。同一型の修飾が一定のポリペプチド中において同程度もしくは数部位で異なる程度存在すると理解されるだろう。また、一定のポリペプチドは多種類型の修飾を含んでよい。ポリペプチドはユビキチネーションの結果として分岐化されてよく、環状であってもよく、分岐があってもなくてもよい。環状、分岐および分岐環状のポリペプチドは翻訳後の本来の過程から生じてよく、もしくは合成法により作成されてよい。修飾については、アセチル化、アシル化、ADPリボシル化、アミド化、フラビン共有結合、ヘム部分共有結合、ヌクレオチドもしくはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質もしくは脂質誘導体の共有結合、イノシトールリン脂質の共有結合、架橋結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリスチン酸付加、酸化、タンパク質プロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化(selenoylation)、硫酸化、アルギニル化のごときタンパク質へのトランスファーRNA介在アミノ酸付加、ならびにユビキチネーションを含む(例として、PROTEINS−STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES,第2版,T.E.Creighton,W.H.Freeman and Company,New York,1993; Wold,F.,Post−translational Protein Modifications:Perspectives and Prospects,pgs.1−12 in POSTTRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEINS,B.C.Johnson編,Academic Press,New York,1983;Seifterら“Analysis for protein modifications and nonprotein cofactors”,Myth Enzymol(1990)182:626−646、ならびにRattanら,”Protein Synthesis:Post−translational Modifications and Aging”,Ann NY Acad Sci(1992)663:48−62を参照)。
「変異型」は、対照ポリヌクレオチドもしくはポリペプチドとは異なるが、必要な特性を保持するポリヌクレオチドもしくはポリペプチドを意味する。ポリヌクレオチドの典型的な変異型は、別の対照ポリヌクレオチドとはヌクレオチド配列について相違なる。変異型のヌクレオチド配列の変化は、対照ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変化してもよく、そうでなくともよい。ヌクレオチドの変化は、下記で考察されるように、対照配列によってコードされるポリペプチドのアミノ酸置換、付加、欠失、融合および部分欠失を結果として生じてよい。ポリペプチドの典型的な変異型は、別の対照ポリペプチドとはアミノ酸配列において相違なる。一般的に、相違は、対照ポリペプチドとその変異型の配列が全体として類似し、多くの領域で一致することに限定される。変異型および対照ポリペプチドは、1つ以上の置換、付加、欠失のいずれかの組み合わせでアミノ酸配列において相違してよい。置換もしくは挿入アミノ酸残基は、遺伝子コードによってコードされた残基であってよく、そうでなくともよい。ポリヌクレオチドもしくはポリペプチドの変異型は、対立遺伝子多型のごとき自然発生されてよく、あるいは自然発生することが知られていない変異型であってよい。ポリヌクレオチド又はポリペプチドの非自然発生変異型は、変異誘発技術又は直接合成により作成されてよい。
当該技術分野で知られる「同一性」は、配列を比較することで調べられる、2つ以上のポリペプチド配列もしくは2つ以上のポリヌクレオチド配列間の関連である。当該技術分野において、「同一性」はまた、ポリペプチド配列もしくはポリヌクレオチド配列間の関連性の程度を意味し、場合によっては一連のかかる配列間の一致によって決定されてよい。「同一性」および「類似性」は、Computational Molecular Biology,Lesk,A.M.編,Oxford University Press,New York,1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects,Smith,D.W.編,Academic Press,New York,1993;Computer Analysis of Sequence Data,Part I,Griffin,A.M.とGriffin,H.G.ら編,Humana Press,New Jersey,1994;Sequence Analysis in Molecular Biology,von Heinje,G.,Academic Press,1987;ならびにSequence Analysis Primer, Gribskov,M.とDevereux,J.編,M Stockton Press,New York,1991;ならびにCarillo,H.,とLipman,D.,SIAM J.Applied Math.48:1073(1988)に記載される方法を含むが、それらだけに限らない公知の方法によって容易に算出され得る。同一性を調べる好ましい方法は、テストされる配列間で一致が最大となるように設定される。同一性および類似性を調べる方法は、公開された入手可能なコンピュータープログラムで体系化されている。2つの配列間の同一性および類似性を決定する好ましいコンピュータープログラムの方法はGCGプログラムパッケージ(Devereux,J.ら,Nucleic Acids Research 12(1):387(1984))、BLASTP、BLASTN、およびFASTA(Atschul,S.F.ら,J.Molec.Biol.215:403−410(1990))を含むが、それらだけに限らない。BLAST XプログラムはNCBIおよび他のソース(BLAST Manual,Altschul,S.ら,NCBI NLM NIH Bethesda,MD20894;Altschul,S.ら,J.Mol.Biol.215:403−410(1990))から入手可能で公開されている。よく知られているSmith Watermanアルゴリズムもまた同一性を調べるために使用されてよい。
ポリペプチド配列比較用の好ましいパラメーターは以下を含む。
1)アルゴリズム:NeedlemanとWunsch,J.Mol Biol.48:443−453(1970)
比較マトリックス:HentikoffとHentikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.89:10915−10919(1992)によるBLOSSUM62
ギャップペナルティー:12
ギャップ長ペナルティー(Gap Length Penalty):4
これらのパラメーターを用いる有用なプログラムはウイスコンシン州、マディソンのGenetics Computer Groupによる「ギャップ」プログラムとして公的に入手可能である。前記パラメーターはペプチド比較用初期設定パラメーターである(終結ギャップ(end gaps)用ペナルティーなし)。
ポリヌクレオチド比較用の好ましいパラメーターは以下を含む:
1)アルゴリズム:NeedlemanとWunsch,J.Mol Biol.48:443−453(1970)
比較マトリックス:適合=+10、不適合=0
ギャップペナルティー:50
ギャップ長ペナルティー:3
利用可能:ウイスコンシン州、マディソンのGenetics Computer Groupの「ギャップ」プログラム。そこに核酸比較用の初期設定パラメーターがある。
例として、本発明のポリヌクレオチド配列は、配列番号1の対照配列と同一であってよいか、すなわち100%同一であってよいか、又はその対照配列と比較して一定整数以内のヌクレオチド変化を含んでよい。かかる変化は少なくとも1つのヌクレオチド欠失、転移と転換を含む置換、あるいは挿入から成る群から選択され、ここで、該変化は、対照ヌクレオチド配列の5’もしくは3’末端位あるいはそれらの末端位間のいずれかで起こってよく、対照配列中のヌクレオチドにおいて個々に、あるいは対照配列中の1またはそれ以上の隣接した群において散在してよい。ヌクレオチド変化の数は、配列番号1のヌクレオチド合計数を各パーセント同一性のパーセント数で乗じ(100で割る)、配列番号1のヌクレオチドの該合計数からその計算値を減ずることによるか、又は:
≦x−(x・y)
[式中、nはヌクレオチド変化の数であり、xは配列番号1のヌクレオチドの合計数であり、yは、例えば、0.70を70%、0.80を80%、0.85を85%、0.90を90%、0.95を95%、等である。ここで、xとyの非整数の計算値はxから差し引く前に最近似整数へ端数を切り捨てられる]により決定される。配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の変化は、このコード配列内にナンセンス変異、ミスセンス変異もしくはフレームシフト変異を作り出し、それによってかかる変化後にポリヌクレオチドでコードされたポリペプチドを変化させてよい。
同様に、本発明のポリペプチド配列は、配列番号2の対照配列と同一であってよく、すなわち100%同一であってよいか、又は対照配列と比較して一定整数以内のアミノ酸変化を含んでよいものであり、その結果、%同一性が100%未満であってもよい。かかる変化は少なくとも1つのアミノ酸欠失、保存置換および非保存置換を含む置換、あるいは挿入から成る群から選択され、ここで、該変化は、対照ポリペプチド配列のアミノ末端位もしくはカルボキシ末端位あるいはそれら末端位間のいずれかで起こってよく、対照配列中のアミノ酸において個々に、あるいは対照配列中の1又はそれ以上の隣接した群において散在してよい。一定の%同一性用のアミノ酸変化の数は、配列番号2のアミノ酸合計数を各パーセント同一性のパーセント数で乗じ(100で割る)、配列番号2のアミノ酸該合計数からその計算値を減ずることによるか、又は:
≦x−(x・y)
[式中、nはアミノ酸変化の数であり、xは配列番号2のアミノ酸合計数であり、yは、例えば、0.70を70%、0.80を80%、0.85を85%、等である。ここで、xとyの非整数の計算値はxから差し引く前に最近似整数へ端数を切り捨てられる]により決定される。
「融合タンパク質」は、2つのしばしば無関係の融合遺伝子もしくはその断片によってコードされたタンパク質を意味する。一の例では、EP−A−0464は、別のヒトタンパク質もしくはその一部と連結させた免疫グロブリン分子の定常領域の様々な部位を含む融合タンパク質を開示する。多くの場合では、融合タンパク質の一部としての免疫グロブリンFc領域の採用は、例えば、改良された薬物動態特性を生じる治療および診断上の使用の際に有利である(例、EP−A0232262を参照)。その一方で、ある使用においては、融合タンパク質が発現、検出、および精製された後にFc部分を欠失できることが好ましいであろう。
PA126ポリペプチド(本発明のポリペプチド)
PA126ポリペプチドは、配列番号2および配列番号4各々の全長にわたって配列番号2(HPA126、ヒト)もしくは配列番号4(MPA126、マウス)の配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97%−99%の同一性を有するアミノ酸配列を包含する単離ポリペプチドを含む。かかるポリペプチドは配列番号2もしくは配列番号4のアミノ酸を包含するポリペプチドを含む。
さらに本発明のポリペプチドは、アミノ酸配列が配列番号2もしくは4各々の全長にわたって配列番号2もしくは4のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97%−99%の同一性を有する単離ポリペプチドを含む。かかるポリペプチドは配列番号2もしくは4のポリペプチドを含む。
さらに本発明ポリペプチドは、配列番号1もしくは3に含まれる配列を包含するポリヌクレオチドでコードされる単離ポリペプチドを含む。
本発明のポリペプチドは、現在、(1)皮膚の創傷、外科的創傷、火傷、下腿潰瘍、糖尿病潰瘍、静脈不全潰瘍、褥瘡、粘膜炎(胃腸および口腔の両方)、腎線維症、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、あるいは上皮細胞への損傷と瘢痕の形成が生じている他の肺疾患を含むが、それらに限らないことで引き起こされた患者の創傷を治療、治癒もしくは予防する;又は、(2)骨関節炎および関節リウマチを治療、治癒もしくは予防する;又は、(3)再かん流障害後の心臓血管組織の修復を促進する活性が見出されている。この特性については、これ以降、「PA126活性」もしくは「PA126ポリペプチド活性」あるいは「PA126の生物学的活性」と称する。また、「PA126活性」もしくは「PA126ポリペプチド活性」あるいは「PA126の生物学的活性」には、該PA126ポリペプチドの抗原活性と免疫活性、特に配列番号2と配列番号4のポリペプチドの抗原活性と免疫活性が含まれる。好ましいのは、本発明のポリペプチドはPA126の少なくとも1つの生物学的な活性を示す。
本発明のポリペプチドは「成熟」タンパク質の形態であってよいか、又は融合タンパク質を形成してもよい。セクレタリー(secretary)配列もしくはリーダー配列、プロ配列、複数ヒスチジン残基のごとき精製を目的とする配列、あるいは組み換え生成時の安定用付加配列を包含する付加アミノ酸配列を含むことがしばしば有効である。本発明のポリペプチドは、実施例2で例証されるように、抗体のFc部分にコンジュゲートされた該ポリペプチドから形成されてよい。かかるFc融合タンパク質はまた、(1)皮膚の創傷、外科的創傷、火傷、下腿潰瘍、糖尿病潰瘍、静脈不全潰瘍、褥瘡、粘膜炎(胃腸および口腔の両方)、腎線維症、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および上皮細胞の損傷と瘢痕の形成が生じている他の肺疾患を含むが、それらに限らないことから引き起こされた創傷の患者を治療、治癒もしくは予防する;又は、(2)骨関節炎および関節リウマチを治療、治癒もしくは予防する;又は、(3)再かん流障害後の心臓血管組織の修復を促進する活性を有する。Fc融合タンパク質の構築物はよく知られている。例として、Aruffo,A.(1999)Immunoglobulin fusion proteinsを参照。Antibody Fusion Proteins(S.M.Chamow,and A.Ashkenazi,ら編)における8章、pp221−241、Wiley−Liss,Inc.;Avi AshkenaziとSteven M Chamow,Current Opinion in Immunology,1997,9:195−200。
Fc融合タンパク質とは別に、本発明のポリペプチドは、アルブミンもしくはアルブミン結合ペプチドと該ポリペプチドをコンジュゲートさせることにより形成されてよいか、あるいはペグ化さえされ得る。アルブミンもしくはアルブミン結合ペプチドとのコンジュゲートあるいはペグ化の技術はよく知られている。例えば、J.M.HarrisとR.B.Chess,Nature Review Drug Discovery,Vol2,pp214−221;R.B.Greenwaldら,Advanced Drug Delivery Reviews 55(2003)217−250;M.S.Dennisら,The Journal of Biological Chemistry,Vol277,No.38,2002,pp35035−35043;S.Syedら,Blood,Vol89,No9,1997:pp3243−3252を参照。
本発明のポリペプチドはまた、保存アミノ酸置換によって対照とは異なるポリペプチドとなり、それによってある残基が同様の性質を有する別の残基に置換される該ポリペプチドの変異型を含む。典型的なかかる置換は、Ala、Val、LeuおよびIle間;SerとThr間;酸性残基AspとGlu間;AsnとGln間;および塩基性残基LysとArg間;又は芳香族残基PheとTyr間である。特に好ましいのは、数個、5−10個、1−5個、1−3個、1−2個もしくは1個のアミノ酸がいずれかの組み合わせで置換、欠失、もしくは付加される変異型である。
本発明のポリペプチドはいずれかの適する方法で調製され得る。かかるポリペプチドは、単離された自然発生ポリペプチド、組み換え生成ポリペプチド、合成ポリペプチド、あるいはこれらの方法の組み合わせで産生されるポリペプチドを含む。
本発明の組み換えポリペプチドは、発現系を含む遺伝学的に改良された宿主細胞由来の当該技術分野でよく知られる過程により調製されてよい。従って、さらなる態様において、本発明は、本発明のポリヌクレオチドもしくは本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む発現系、かかる発現系とともに遺伝学的に改良された宿主細胞、ならびに組み換え技術による本発明のポリペプチドの産生に関する。無細胞翻訳系はまた、本発明のDNA構築物に由来するRNAを用いてかかるタンパク質を産生するために使用され得る。
適する宿主の代表的な例は、streptococci、staphylococci、E.coli、StreptomycesおよびBacillus subtilis細胞のごとき細菌細胞;酵母細胞およびコウジカビ細胞のごとき菌性細胞;Drosophila S2およびSpodoptera Sf9の細胞のごとき昆虫細胞;CHO、COS、HeLa、C127、3T3、BHK、HEK293およびBowes melanoma細胞のごとき動物細胞;ならびに植物細胞を含む。
非常に多様な発現系が使用され得る。例えば、染色体、エピソームおよびウイルス由来の系であり、例として、細菌プラスミド、バクテリオファージ、トランスポゾン、酵母エピソーム、挿入エレメントに由来するベクターであり、SV40、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルスおよびレトロウイルスのごときバキュロウイルス、パポバウイルスなどのウイルスに由来するベクター、ならびにそれらの組み合わせに由来するベクター、コスミドおよびファージミドのごときプラスミドおよびバクテリオファージの遺伝学的エレメントに由来するベクターが使用され得る。該発現系は発現を誘発するとともに調節する制御領域を含んでよい。一般的に、ポリヌクレオチドを維持、増幅もしくは発現して宿主細胞中でポリペプチドを産生できるいずれかの系もしくはベクターが使用されてよい。適するヌクレオチド配列は、例えば、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY(1989)などで説明されるごとき様々なよく知られる基本的な技術のいずれかによって発現系に挿入されてよい。適する分泌シグナルが所望するポリペプチド内に組み込まれて、小胞体ルーメン内、細胞膜周辺腔もしくは細胞外環境への翻訳タンパク質の分泌が可能になり得る。これらのシグナルはポリペプチドに対して内在性であってもよく、あるいは異種性シグナルであってもよい。
本発明のポリペプチドは、硫安沈殿もしくはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンもしくは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィーを含むよく知られた方法によって組み換え細胞の培地から回収および精製され得る。最も好ましいのは、アフィニティークロマトグラフィーが精製に採用されることである。ポリペプチドが単離およびもしくは精製時に変性される場合に、タンパク質リフォールディング用のよく知られた技術が採用されて活性構造が再生されてよい。
本発明のポリペプチドは医薬組成物内に製剤化され、他のポリペプチドに対して記載される同一の方法により投与され得る。例えば、国際特許出願公開WO90/02762を参照。一般的に、これらの組成物は、治療上有効な量の本発明のポリペプチドおよび許容される医薬キャリアを含む。適するキャリアは当業者によく知られており、例えば、生理食塩水を含む。代替的には、かかる組成物は本発明のポリペプチドが組み込まれる従来の送達系を含んでよい。必要に応じて、これらの組成物は他の活性成分を含んでよい。
PA126ポリヌクレオチド(本発明のポリヌクレオチド)
一の態様では、本発明はP126ポリヌクレオチドに関する。かかるポリヌクレオチドは、配列番号2もしくは4各々の全長にわたり配列番号2もしくは4のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を包含する単離ポリヌクレオチドを含む。この事に関して、少なくとも97%の同一性を有するポリペプチドが非常に好ましく、少なくとも98−99%の同一性を有するポリペプチドがさらに非常に好ましく、少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドが最も好ましい。かかるポリペプチドは、配列番号2のポリペプチドをコードする配列番号1に含まれるヌクレオチド配列を包含するポリヌクレオチド、あるいは配列番号4のポリペプチドをコードする配列番号3に含まれるヌクレオチド配列を包含するポリヌクレオチドを含む。
さらに本発明のポリヌクレオチドは、配列番号1もしくは3各々の全長にわたり配列番号1もしくは3のアミノ酸配列に対して70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を包含する単離ポリヌクレオチドを含む。この事に関して、少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチドが非常に好ましく、少なくとも98−99%の同一性を有するポリヌクレオチドがより非常に好ましく、少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチドが最も好ましい。かかるポリヌクレオチドは配列番号1もしくは3のポリヌクレオチドを包含するポリヌクレオチドならびに配列番号1もしくは3のポリヌクレオチドを含む。
本発明のポリヌクレオチドはまた、本発明のポリペプチドをコードする他のポリヌクレオチドのいずれかを含む。
本発明はまた、上記記載のポリヌクレオチド全てに相補的であるポリヌクレオチドを提供する。
本発明のポリペプチドは適する体内経路のいずれかによって投与されてよく、例えば、1日から約3週までの期間中に1日1回から3回の頻度ないし1週間に1度もしくは2週間に1度の頻度で必要に応じて繰り返されてよい。処置の用量および期間は、ヒトの循環系における本発明分子の相対的な持続時間に関連し、患者の処置状態および総体的な健康に依存して当業者により調整され得る。
本明細書で使用されるように、用語「医薬上」は本発明の獣医学的な適用を含む。用語「治療上有効な量」は、選択された状態を軽減するのに有用である治療薬剤の量を意味する。
特定の具体例において、本発明のポリペプチドもしくはその機能的な誘導体をコードするポリヌクレオチド配列を包含するポリヌクレオチド(核酸配列もしくは単に核酸として)は、遺伝子治療を介した創傷の処置のために投与される。「遺伝子治療」は、発現される核酸もしくは発現可能な核酸を患者へ投与することで行われる治療を意味する。本発明の具体例において、該核酸は治療の有効性を介在するコードタンパク質を産生する。
当該技術分野で利用可能な遺伝子治療の方法のいずれかが、本発明において使用され得る。典型的な方法が以下に記述される。
遺伝子治療の方法についての一般的な総説については、Goldspielら,Clinical Pharmacy 12:488−505(1993);WuとWu,Biotherapy 3:87−95(1991);Tolstoshev,Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.32:573−596(1993);Mulligan,Science 260:926−932(1993);ならびにMorganとAnderson,Ann.Rev.Biochem.62:191−217(1993);May,TIBTECH 11(5):155−215(1993)を参照のうえ。使用され得る組み換えDNA技術分野において一般的に知られる方法は、Ausubelら(編),Current Protocols in Molecular Biology,John WileyとSons,NY(1993);ならびにKriegler,Gene Transfer and Expression,A Laboratory Manual,Stockton Press,NY(1990)に記載される。
好ましい態様において、ポリペプチドをコードする核酸配列は、適する宿主においてポリペプチドを発現する発現ベクターの一部を形成する。特に、かかる核酸配列は、ポリペプチドのコード領域に操作可能に連結されたプロモーター、誘導性もしくは構成性であり、必要に応じて組織特異性である該プロモーターを有する。別の特定の具体例において、該核酸分子は、ポリペプチドのコード配列および他の所望する配列がゲノム中の所望する部位で相同的組み換えを促進する領域に挟まれて使用され、それゆえにポリペプチドコード核酸の染色体内発現を提供する(KollerとSmithies,Proc.Natl.Acad.Sci.USA86:8932−8935(1989);Zijlstraら,Nature 342:435−438(1989))。
患者への核酸送達は、患者が核酸もしくは核酸運搬ベクターに直接曝露される直接的な場合であるか、あるいは最初にin vitroで細胞に核酸を形質転換してから患者に移植する間接的な場合がある。これら2つのアプローチはin vivoもしくはex vivo各々の遺伝子治療として知られる。
特定の具体例において、核酸配列は発現されてコード産物を生成するin vivoに直接投与される。これは、当該技術分野で知られる多くの方法のいずれか、例えば、適する核酸発現ベクターの一部として核酸配列を構築し、それを細胞内に局在するように投与することにより、例えば、欠損もしくは弱毒レトロウイルスあるいは他のウイルスベクター(米国特許第4,980,286号を参照)を用いた感染により、または裸のDNAの直接注射により、または微粒子照射(例、遺伝子ガン;遺伝子銃、デュポン)、あるいは脂質もしくは細胞表面受容体の被膜あるいはトランスフェクション剤、リポソーム、微小粒子もしくはマイクロカプセル内のカプセル化の使用により、または核に移入することが知られているペプチドを連結してそれを投与することにより、受容体介在エンドサイトーシスを受けやすいリガンドを連結してそれを投与すること(WuとWu,J.Biol.Chem.262:4429−4432(1987))(特に受容体を発現する標的細胞型に使用され得る)等により達成され得る。別の具体例において、核酸−リガンド複合体は、該リガンドがエンドソームを分解する融合ウイルスペプチドを含み、それによって該核酸がリソソーム分解を回避できるように形成され得る。さらに別の具体例では、特定の受容体を標的とすることで、核酸はin vivoにおいて細胞の特異的な取り込みと発現の標的となり得る(例として、PCT公開WO92/06180;WO92/22635;WO92/20316;WO93/14188;WO93/20221を参照のうえ)。代替的には、核酸が細胞内に導入され、相同組み換えにより発現用宿主細胞のDNA内に組み込まれ得る(KollerとSmithies,Proc.Natl.Acad.Sci.USA86:8932−8935(1989);Zijlstraら,Nature342:435−438(1989))。
特定の具体例において、本発明のポリペプチドをコードする核酸配列を含むウイルスベクターが使用される。例えば、レトロウイルスベクターが使用され得る(Millerら,Meth.Enzymol.217:581−599(1993)を参照)。これらのレトロウイルスベクターは、ウイルスゲノムの適正なパッケージングおよび宿主細胞DNAへの挿入に必要な要素を含む。遺伝子治療に使用される本発明のポリペプチドをコードする核酸配列は、患者への遺伝子送達を容易にする1つ以上のベクターにクローン化される。レトロウイルスについてのより詳細は、Boesenら,Biotherapy6:291−302(1994)で見出すことができ、それは、化学治療に対してより耐性である幹細胞を作成するために、造血幹細胞にmdr1遺伝子を送達するレトロウイルスベクターの使用を記載する。遺伝子治療におけるレトロウイルスベクターの使用を記載する他の参考文献は、Clowesら,J.Clin.Invest.93:644−651(1994);Kiemら,Blood83:1467−1473(1994);SalmonsとGunzberg,Human Gene Therapy4:129−141(1993);ならびにGrossmanとWilson,Curr.Opin.in Genetics and Devel.3:110−114(1993)である。
アデノウイルスは遺伝子治療で使用され得る他のウイルスベクターである。アデノウイルスは、呼吸上皮に遺伝子を送達するための特に魅力的なビヒクルである。アデノウイルスは本来、呼吸上皮に感染し、軽度の症状を引き起こす。アデノウイルスに基づいた送達系の他の標的は、肝臓、中枢神経系、内皮細胞、および筋肉である。アデノウイルスは非分裂細胞に感染できるという有利な点を有する。KozarskyとWilsonによるCurrent Opinion in Genetics and Development 3:499−503(1993)はアデノウイルスに基づいた遺伝子治療の総説を発表した。Boutら,Human Gene Therapy 5:3−10(1994)は、アカゲサルの消化上皮に遺伝子を送達するアデノウイルスベクターの使用を示した。遺伝子治療におけるアデノウイルスの使用の他の実施例は、Rosenfeldら,Science 252:431−434(1991);Rosenfeldら,Cell68:143−155(1992);Mastrangeliら,J.Clin.Invest.91:225−234(1993);PCT公開WO94/12649;ならびにWangら,Gene Therapy 2:775−783(1995)で見出すことができる。好ましい具体例では、アデノウイルスベクターが用いられる。アデノウイルス随伴ウイルス(AAV)もまた、遺伝子治療における使用が提案されている(Walshら,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.204:289−300(1993);米国特許第5,436,146号)。
遺伝子治療への別のアプローチは、エレクトロポレイション、リポフェクション、リン酸カルシウム介在トランスフェクション、もしくはウイルス感染のごとき方法によって組識培養の細胞に遺伝子を送達することに関する。一般的に、該送達方法は細胞への選別可能なマーカーの送達を含む。次に、細胞が選別下に置かれ、送達遺伝子が取り込まれて発現する細胞が単離される。その後、これらの細胞が患者に送達される。
本具体例では、生じた組み換え細胞のin vivo投与前に、核酸が細胞に導入される。かかる導入は、トランスフェクション、エレクトロポレイション、微量インジェクション、核酸配列を含むウイルスもしくはバクテリオファージベクターの感染、細胞融合、染色体介在遺伝子送達、微量キュベット介在遺伝子送達、スフェロプラスト融合等を含むが、それらだけに限定しない当該技術分野で知られるいずれかの方法によって実施される。細胞内への外部遺伝子導入の技術分野において多くの技術が知られ(LoefflerとBehr,Meth.Enzymol.217:599−618(1993);Cohenら,Meth.Enzymol.217:618−644(1993);Cline,Pharmac.Ther.29:69−92m(1985)を参照。)、受容細胞の必要な発生的および生理的機能が妨げられない場合に、本発明で使用されてよい。核酸がその細胞によって発現可能であり、好ましいのは、その細胞の子孫まで遺伝して発現できるように、本技術は細胞への核酸の安定な送達を提供すべきであろう。
生じた組み換え細胞は当該技術分野で知られる様々な方法により患者に送達され得る。組み換え血球細胞(例として、造血幹細胞もしくは造血始原細胞)は、好ましくは静脈内に投与される。使用が想定される細胞量は、所望する効果、患者の状態等に依存し、当業者によって調べられ得る。
核酸が遺伝子治療の目的で導入され得る細胞は、いずれかの所望する利用可能な細胞型を網羅し、上皮細胞、内皮細胞、ケラチン生成細胞、線維芽細胞、筋肉細胞、肝細胞;T−リンパ球細胞、B−リンパ球細胞、単球、マクロファージ、好中球、好酸球、巨核球、顆粒球のごとき血球細胞;様々な幹細胞もしくは始原細胞、特に、骨髄、臍帯血、末梢血、胎児肝臓等から得られるごとき造血幹細胞もしくは造血始原細胞を含むが、それらだけに限らない。
好ましい具体例では、遺伝子治療に使用される細胞は患者自身の細胞である。
組み換え細胞が遺伝子治療で使用される具体例では、ポリペプチドをコードする核酸配列が細胞に導入され、その結果、該核酸配列が該細胞又はそれらの子孫によって発現可能なものとなり、次に、該組み換え細胞が治療の有効性のためにin vivoにおいて投与される。特定の具体例において、幹細胞もしくは始原細胞が使用される。In vitroで単離および維持され得る幹細胞および/もしくは始原細胞は本発明の具体例に従って使用され得る(PCT公開WO94/08598;StempleとAnderson,Cell71:973−985(1992);Rheinwald,Meth.Cell Bio.21A:229(1980);およびPittelkowとScott,Mayo Clinic Proc.61:771(1986)を参照)。
特定の具体例において、遺伝子治療の目的で導入された核酸はコード領域に操作可能に連結された誘導性プロモーターを含み、その結果、該核酸の発現は適する転写誘導体の存在もしくは不在を調節することにより制御可能である。
本発明は、本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレオチド(以下「組成物」と称する)又は本発明の医薬組成物の有効な量を患者に投与することによる治療、抑制および予防の方法を提供する。好ましい態様では、本組成物は十分に精製される(例えば、その有効性を制限するか、もしくは所望しない副作用を生成する物質から十分に解離される)。患者は、好ましくはウシ、ブタ、ウマ、ニワトリ、ネコ、イヌ等を含むがそれらだけに限らない動物であり、好ましくは哺乳類であり、最も好ましくはヒトである。
本化合物がポリヌクレオチドもしくはポリペプチドを含む場合に採用され得る投与製剤および方法は上記に記載される;さらに適する投与製剤および経路は、以下の本明細書に記載されたものから選択され得る。
多様な送達系が知られ、本発明の化合物を投与することに使用され得る。例えば、リポソームのカプセル封入、微小粒子、マイクロカプセル、本化合物を発現可能である組み換え細胞、受容体介在エンドサイトーシス(WuとWu,J.Biol.Chem.262:4429−4432(1987))、レトロウイルスもしくは他のベクターの一部としての核酸構築物、等である。導入方法は、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、および経口経路を含むが、それらだけに限らない。化合物もしくは組成物は、利便的な経路、例えば、注入もしくはボーラス注入、上皮もしくは粘膜皮膚の被膜(例として、口腔粘膜、直腸粘膜および腸管粘膜、等)を介した吸収によって投与されてよく、他の生物学的な活性薬剤と一緒に投与されてよい。投与は全身的もしくは局所的であり得る。加えて、脳室内注射および随腔内注射を含む適する経路によって中枢神経系に本発明の医薬化合物もしくは組成物を導入することが所望されてよい。ここで、脳室内注射は、例えば、オンマヤ槽などの容器に付属する脳室内カテーテルを用いることで促進されてよい。肺投与もまた、例えば、吸入器もしくは噴霧器(nebulizer)、およびエアロゾル剤を含む製剤を用いて行われ得る。
特定の具体例では、治療が必要な領域に本発明の医薬化合物もしくは組成物を局所的に投与することが所望され得る。これは、例えば、外科手術中の局所的な吸入、例として、外科手術後に覆う創傷と併せた局所適用、注射、カテーテル、座薬法、もしくは移植法であり、該移植はセラミック膜もしくは繊維のごとき膜を含む多孔性、非多孔性もしくはゲル状物質であるものによって達成されてよいが、それらだけに限定するわけではない。好ましいのは、本発明の抗体を含むタンパク質を投与する場合に、タンパク質が吸収されない物質を使用することに注意しなくてはならない。
別の具体例において、化合物もしくは組成物は、小胞、特にリポソームで送達され得る(Langer,Science249:1527−1533(1990);Treatら,in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez−BeresteinとFidler(ら編),Liss,New York,pp.353−365(1989);Lopez−Berestein,前記,pp.317−327を参照、一般に前記箇所を参照)。
さらに別の具体例では、化合物もしくは組成物は制御された放出系において送達され得る。一の具体例では、ポンプが使用され得る(Langer、前記;Sefton,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201(1987);Buchwaldら,Surgery88:507(1980);Saudekら,N.Engl.J.Med.321:574(1989)を参照)。別の具体例では、ポリマー材質が使用され得る(Medical Applications of Controlled Release,LangerとWise(ら編),CRC Pres.,Boca Raton,Fla.(1974);Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance,SmolenとBall(ら編),Wiley,New York(1984);RangerとPeppas,J.,Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61(1983);Levyら,Science228:190(1985);Duringら,Ann.Neurol.25:351(1989);Howardら,J.Neurosurg.71:105(1989))。さらに別の具体例では、制御された放出系が治療上の標的、すなわち、脳の近傍に配置され、それゆえに全身用量の一部のみを必要とし得る(例、Goodson,in Medical Applications of Controlled Release,前記,vol.2,pp.115−138(1984)を参照)。
他の制御された放出系がLanger(Science249:1527−1533(1990))による総説で議論されている。
本発明の化合物がポリペプチドをコードする核酸である特定の具体例において、該核酸は適する核酸発現ベクターの一部として構築され、細胞内に局在するように投与されること、例えば、レトロウイルスの使用(米国特許第4,980,286号)、あるいは直接注射、あるいは微少粒子照射の使用(例、遺伝子ガン;遺伝子銃、デュポン)、あるいは脂質、細胞表面受容体もしくはトランスフェクション剤による被膜、または核移行ホメオボックス様ペプチド(Joliotら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA88:1864−1868(1991))を核酸に連結させて投与すること等によって、in vivoにおいて投与されてコードタンパク質の発現が促進され得る。代替的には、核酸が細胞内に導入され、相同組み換えによって宿主細胞のDNA内に組み込まれ得る。
本発明はまた、医薬組成物(製剤)を提供する。かかる組成物は治療上有効な量の組成物、および医薬上許容されるキャリアを含む。特定の具体例において、用語「医薬上許容される」は、動物、特にヒトへの使用について、連邦政府もしくは州政府の規制当局に承認されていること、あるいは米国薬局方もしくは他の一般的に認可された薬局方に記載されていることを意味する。用語「キャリア」は、治療剤とともに投与される希釈剤、補助剤、賦形剤、もしくはビヒクルを意味する。かかる医薬キャリアは、ピーナッツ油、大豆油、鉱物油、胡麻油およびその類似油のごとき石油、動物、植物もしくは合成由来の油を含む水と油のごとき滅菌液体であり得る。水は、医薬組成物が静脈内に投与される場合に好ましいキャリアである。生理食塩水溶液およびブドウ糖水溶液およびグリセロール溶液はまた、液体キャリア、特に注射用溶液として使用され得る。適する医薬賦形剤は、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、胡粉、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、滑石、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールおよびその類似物を含む。該組成物はまた、好ましくは少量の湿潤剤もしくは乳白剤、あるいはpH緩衝剤を含み得る。これらの組成物は、溶液、懸濁液、乳剤、タブレット、錠剤、カプセル、粉末、持続性放出製剤およびその類似物の形態であり得る。該組成物は、トリグリセリドのごとき慣用的な結合剤およびキャリアと一緒に座薬として製剤化され得る。経口製剤は、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリン酸ナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム等のごとき一般的なキャリアを含み得る。適する医薬上キャリアの例は、E.W.Martinによる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」に記載される。患者に適正な投与の形態を提供するために、かかる組成物は、適する量のキャリアを伴って、好ましくは精製された形態で治療上有効な量の化合物を包含する。該製剤は投与形態に合わせるべきである。
好ましい具体例では、本組成物は、人間への静脈内投与に適する医薬組成物として慣用的な方法に従って製剤化される。典型的には、静脈内投与用組成物は滅菌された等張性緩衝水溶液である。本組成物はまた、必要であれば注射部位の痛みを和らげるリグノカインのごとき可溶化剤および局所麻酔を含んでよい。一般的に、構成要素は単位用量の形態で別々に、あるいは一緒に混合され、例えば、活性薬剤の分量を表示するアンプルもしくはサシェットのごとき密閉容器中で凍結乾燥粉末もしくは遊離濃縮水として供給される。本組成物が輸液で投与される場合、滅菌された医薬グレードの水もしくは生理食塩水を含む輸液ボトルと一緒に調剤され得る。本組成物が注射で投与される場合、注射用滅菌水もしくは生理食塩水のアンプルは、活性成分が投与前に混合されるように提供され得る。
本発明の化合物は中性もしくは塩の形態として製剤化され得る。医薬上許容される塩は、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸等に由来する陰イオンとともに形成される塩、およびナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、第二鉄ヒドロキシド、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカイン等に由来する陽イオンとともに形成される塩を含む。
本発明の化合物の量は、本発明ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に関連する病気もしくは疾患の治療、抑制および予防に有効であり、標準的な臨床技法によって調べられ得る。加えて、in vitroアッセイが必要に応じて採用されることで最適な用量範囲の同定の助けになり得る。製剤に採用される適正な用量はまた、投与経路、ならびに病気もしくは疾患の重症度に依存しており、医者の判断と各患者の状態に従って決定されるべきである。有効な用量はin vitroもしくは動物モデル試験系に由来する用量応答曲線から推定されてよい。
ポリペプチドでは、患者に投与される用量は典型的に患者の体重の0.1mg/kgから100mg/kgである。好ましいのは、患者への投与用量が患者の体重の0.1mg/kgと20mg/kgの間であり、より好ましいのは、患者の体重の1mg/kgから10mg/kgである。一般的に、ヒトのポリペプチドは、外部ポリペプチドに対する免疫応答性のために、ヒトの体内において他の種に由来するポリペプチドよりより長い半減期を有する。それゆえ、より低用量のヒトポリペプチドおよびより低頻度の投与が可能である。さらに、本発明のポリペプチド投与の用量と頻度は、例えば、脂質付加反応のごとき修飾によってポリペプチドの取り込みと組織透過性(例、脳内へ)を上昇させることにより減少させてよい。
本発明はまた、1つ以上の本発明の医薬組成物の成分を充填した1つ以上の容器を含む医薬包装もしくは医薬キットを提供する。医薬品もしくは生物学的産物の製造、使用もしくは販売を統制する政府当局に規定された形式の注意書きが、かかる容器に添付されていてもよく、その注意書きは、ヒト投与用薬剤の製造、使用もしくは販売の当局による承認を反映する。
本発明は、本発明のポリペプチドおよび医薬上許容されるキャリア、希釈剤もしくは賦形剤を含む医薬組成物を提供する。従って、該ポリペプチドは医薬品の製造に使用されてよい。本発明の医薬組成物は、非経口投与用の溶液もしくは凍結乾燥粉末として製剤化されてよい。使用前に適する希釈剤もしくは他の医薬上許容されるキャリアの添加によって粉末が再構成されてよい。液体製剤は緩衝化された等張性水溶液であってよい。適する希釈剤の例は、一般的な等張性生理食塩水、標準的な5%ブドウ糖水溶液、あるいは緩衝化された酢酸ナトリウムもしくは酢酸アンモニウム溶液である。かかる製剤は特に非経口投与に適するが、経口投与用にも使用されてよく、または定量吸入器もしくは定量ネブライザーに含まれてよい。ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ヒドロキシセルロース、アカシア、ポリエチレングリコール、マンニトール、塩化ナトリウムもしくはクエン酸ナトリウムのごとき賦形剤を添加することが所望されてよい。
代替的には、該ポリペプチドは経口投与用に乳液中もしくはシロップ中でカプセル化、タブレット化もしくは調製されてよい。医薬上許容される固体もしくは液体キャリアが添加されることで、本組成物が亢進もしくは安定化され、あるいは本組成物の調製が容易になってよい。固体キャリアは、デンプン、ラクトース、硫酸カルシウム二水和物、石膏、ステアリン酸マグネシウム、もしくはステアリン酸、滑石、ペクチン、アカシア、寒天もしくはゼラチンを含む。液体キャリアは、シロップ、ピーナッツ油、オリーブオイル、生理食塩水および水を含む。キャリアはまた、単独、又はワックスと一緒になったモノステアリン酸グリセリンもしくはジステアリン酸グリセリンのごとき持続性放出物質を含んでよい。固体キャリア量は変動するが、好ましいのは用量単位あたり約20mgから約1gの間である。医薬調製物は、タブレット形態用には、必要ならば、製粉、混合、顆粒化、および圧縮;又は硬カプセル形態用には、製粉、混合および注入に関連する薬学の従来技術によって作成される。液体キャリアが使用される場合、該調製物はシロップ、エリキシル剤、乳剤、あるいは水性もしくは非水性懸濁液の形態である。かかる液体製剤は直接経口で投与されてよく、もしくは軟ゼラチンカプセルに充填されてよい。
本発明のポリペプチドの投与形態は、宿主に該薬剤を送達するいずれかの適する経路であってよい。本発明のポリペプチドおよび医薬組成物は、特に非経口投与、すなわち、皮下内、筋肉内、静脈内もしくは鼻腔内投与において有用である。
本発明のポリペプチドは、医薬上許容されるキャリア中に活性成分として有効な量を包含する医薬組成物として調製されてよい。本発明の組成物では、ポリペプチドを含む水性懸濁液もしくは水溶液は、好ましくは生理的なpHに緩衝化され、注射用に準備された形態が好ましい。局所投与用の組成物は、一般的に、本発明のポリペプチド溶液、あるいは医薬上許容されるキャリア中、好ましくは水性キャリア中に溶解されたそれらの混合液を含む。多様な水性キャリア、例えば、0.4% 生理食塩水、0.3% グリシンおよびその類似物が採用されてよい。これらの溶液は滅菌され、一般的に粒子状物質から遊離している。これらの溶液は慣用的によく知られる滅菌技術(例、濾過)によって滅菌されてよい。本組成物は、pH調整剤および緩衝剤等のごとき生理的条件に近づけるような医薬上許容される補助剤を含んでよい。かかる医薬製剤における本発明のポリペプチド濃度は、広範囲、すなわち、約0.5重量%未満、一般的に少なくとも約1重量%から15重量%もしくは20重量%まで変動可能であり、選択された特定の投与形態により液量、粘性等に基づいて最初に選択されるだろう。
それゆえ、筋肉内注射用の本発明の医薬組成物は、1mLの滅菌緩衝水、および約1ngから約100mgまでの間、例えば、約50ngから約30mgまでの間、あるいはより好ましいのは、約5mgから約25mgまでの間の本発明のポリペプチドを含むように調製され得る。同様に、静脈内注入用の本発明の医薬組成物は、約250mLの滅菌リンガー溶液、ならびに約1mgから約30mgまで、および好ましいのは5mgから約25mgまでの本発明のポリペプチドを含むように構成され得る。非経口的に投与可能な組成物を調製する実践方法は当業者間でよく知られているか、もしくは明白であり、より詳細については、例えば、”Remington’s Pharmaceutical Science”,第15版,Mack Publishing Company,Easton,Pennsylvaniaに記載される。
本発明のポリペプチドは、医薬調製物中において単位用量の形態で存在することが好ましい。適切な治療上有効な用量は当業者によって容易に決定され得る。かかる用量は、必要ならば、反応期間中に医師によって適当であると選択された時間間隔で繰り返されてよい。
本発明はその精神もしくは本質的な特性から逸脱することなく、他の特定な形態において具体化が可能であり、従って、上述の明細書もしくは後述の実施例よりむしろ特許請求の範囲について参照されるべきである。
(実施例)
実施例1.アデノウイルスの作成
アデノウイルスMPA−126(relaxin)を以下の通りに作成した。MPA−126のオープンリーディングフレーム(ORF)(配列番号3)を適する制限酵素部位を用いてアデノウイルスのシャトルベクターpShuttle(ClonTech社)にサブクローン化し、CMV IEプロモーターの下流に適正な方向でORFを配置した。発現カセット(CMV IE−ORF−BGH ポリA)を含むI−CeuI/PI−SceI断片をシャトルベクターから分離し、アデノウイルス骨格pAdXのI−CeuI/PI−SceI部位である細菌Lacプロモーターによって促進されるGFP発現カセットと交換した。クローン化工程は利便的な緑/白選別(green/white selection)工程を行い、その白色コロニーには組み換え構築物pAdX.MPA−126が含まれた。精製したアデノウイルスベクターの分子クローンDNAを制限酵素PacIで消化させることで直鎖状にしてITRsを曝露させ、アデノウイルスのレスキュー用にHEK293細胞にトランスフェクトした。記述されるようにアデノウイルスを増殖させ、塩化セシウムバンド法で精製した(Engelhardt,J.1999.Methods for adenovirus−mediated gene transfer to airway epithelium.In Methods in Molecular Medicine,Gene Therapy Protocols,P.Robbins(編).p.169−184.Humana Press,Totowa)。濃縮アデノウイルスを滅菌Bio−gelカラム(Bio−Rad社)を用いて脱塩し、−80℃で10%グリセロール含有1xPBS中にストックした。
対照アデノウイルスAd.mPDGF−bを直接クローニングアプローチを用いて作成した(Sukmanm A.J.,Kallarakal,A.,Fornwald,J.,Kozarsky,K.F.,Appelbaum,E.,Shatzman,A. R.およびLu,Q.2002.Generation of recombinant adenovirus vectors by a direct cloning approach.In Gene Cloning and Expression Technologies,M.P.WeinerとQ.Lu(ら編).p341−355.Eaton Publishing,Westborough,MA)。簡潔に説明すると、マウスPDGF−BのORFをPCRで増幅し、pAC2XSのXbaI/SwaI部位にクローン化して、CMV IEプロモーターの制御下に該遺伝子を配置した。精製したアデノウイルスベクターの分子クローンDNAを制限酵素PacIで消化させることで直鎖状にしてITRsを曝露させ、アデノウイルスのレスキュー用にHEK293細胞にトランスフェクトした。記述されるようにアデノウイルスを増殖させ、CsClバンド法によって精製した(Engelhardt,J.1999.Methods for adenovirus−mediated gene transfer to airway epithelium.In Methods in Molecular Medicine,Gene Therapy Protocols,P.Robbins(編).p.169−184.Humana Press,Totowa)。濃縮アデノウイルスを滅菌Bio−gelカラム(Bio−Rad社)を用いて脱塩し、−80℃で10%グリセロール含有1xPBS中にストックした。
実施例2.MPA126−Fc融合タンパク質(配列番号5)の作成
改変されたTEV切断部位(ENLYFQ)がMPA126とFc間に存在することに留意。融合させると、mIgg2bfc(マウス)配列(配列番号6)がaa152Eからaa390K末端の間に含まれる。CHO E1A発現用の発現構築物を以下の通りに構築した。C−末端に付加されたtevプロテアーゼ切断部位のコドンを用いて全長MPA126のORF(ストップコドンを除く)をPCRで増幅した。PCR断片をpIgg2bfc連結部のEcoRI/BglII部位に挿入してMPA126−tev−mFc融合(配列番号5)を作成した。
実施例3.切除創傷修復モデル
Ob/ob系統のごとき糖尿病マウスは創傷治癒の遅延を示す。Ob/obマウスは、レプチンをコードするob/ob遺伝子の欠失を有する自然発生系統マウスである。レプチンはサイトカインクラスI受容体obRbに結合し、食欲を抑制する細胞内シグナルカスケードを活性化する。該ob/obマウスはレプチンを産生できないから、肥満となり、通常のC57/B16マウスの2倍の体重となる。肥満マウスは他の代謝性欠損も有し、それは熱発生の減少、食欲亢進、減退した繁殖力、および成長ホルモンの抑制を含む。Ob/obマウスにおける創傷治癒の顕著な遅延は、糖尿病様表現型に帰属される。創傷治癒障害モデルは、創傷治癒の修復における特定のサイトカインおよび成長因子の有効性を探索する機会を与える。成長因子PDGFの局所適用が糖尿病マウス系統db/dbにおける創傷治癒を増進することが示されている。該db/db系統は、表現型についてはob/ob系統に類似するが、レプチン受容体を欠如する。Db/dbマウスの創傷は、細胞浸潤、肉芽組織の形成の顕著な遅延、および創傷治癒の遅延を示す。血小板由来成長因子(PDGF)は、平滑筋細胞と線維芽細胞における分裂促進因子と化学遊走物質の両方であり、db/dbマウスにおける急速な創傷の再上皮化を引き起こす。新規タンパク質MPA126は、ob/ob創傷修復モデルにおける局所性と全身性の両方の送達によって創傷閉塞が増進されることが示された。
局所送達の実験設計
創傷修復におけるMPA126もしくは陽性対照タンパク質、すなわちPDGFの局所送達の有効性を調べるために、10週齢から14週齢のob/ob雌マウスをケタミン(90mg/kg)/キシラジン(10mg/kg)混合物を用いて麻酔にかけた。マウスの背中の上部を剃り、アルコールとベタジン(Betadine)の代替ワイプを用いて滅菌フィールドを構築した。滅菌済み生検パンチを用いて直径6mmの全層円形切除創傷を作成し、マウスあたり2つの創傷を作った。局所送達では、MPA126、マウスPDGFもしくは対照である空ウイルスをコードするアデノウイルス(1x1010ウイルス粒子/創傷)を直接創傷部位上に適用した。対照である生理食塩水も直接創傷に適用した。次にポロクサマー(10%PBS中のPluronicF127)を創傷に塗布し、続いて透明な無菌包帯剤で覆った。創傷閉塞の速度を調べるために、創傷の状況を2日間隔で透明なフィルム上において追跡した。創傷全てが治癒した研究終了時に、透明フィルムを必要に応じてスキャンし、表面の領域をScion Imageソフトウエア(米国メリーランド州、フレデリックのScion社)を用いて調べた。
全身送達の実験設計
MPA126の全身送達の有効性を調べるために、10週齢から14週齢のob/ob雌マウスをケタミン(90mg/kg)/キシラジン(10mg/kg)混合物を用いて麻酔にかけた。創傷処置2時間前において、マウスに複数濃度のMPA126−Fcタンパク質(0.1μg/0.5mlから100μg/0.5ml)もしくはビヒクル(カルシウムとマグネシウムを含まないPBS)の腹腔内注射を施した。マウスの背中の上部を剃り、アルコールとベタジン(Betadine)の代替ワイプを用いて滅菌フィールドを構築した。滅菌済み生検パンチを用いて直径6mmの全層円形切除創傷を作成し、マウスあたり2つの創傷を作った。生理食塩水を創傷上に直接適用し、次に透明な滅菌包帯剤で覆った。創傷閉塞の速度を調べるために、創傷の状況を2日間隔で透明なフィルム上において追跡した。創傷全てが治癒した研究終了時に、透明フィルムを必要に応じてスキャンし、表面の領域をScion Imageソフトウエア(米国メリーランド州、フレデリックのScion社)を用いて調べた。全身性研究の継続期間を通してマウス体重の増減をモニターした。
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3.)Greenlaugh,D.G.ら(1990).PDGF and FGF stimulate wound healing in the generically diabetic mouse.AM.J.Pathol.136:1235−1246.
実施例4.発現解析
発現データは、HPA126(配列番号1)が骨関節炎(OA)およびCOPDにおいて低発現であることを示す(図5を参照)。両病気は障害性の組織修復メカニズムに関連し、結果として「創傷」組織を生じる。かかるHPA126の低発現はこれらの病気の原因因子であると推定される。それゆえ、一の態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチドとポリペプチドを用いたOAとCOPDの予防もしくは治療に関する。
配列番号1
Figure 2008526875
配列番号2
Figure 2008526875
配列番号3
Figure 2008526875
配列番号4
Figure 2008526875
M126−Fc融合タンパク質(配列番号5)
Figure 2008526875
mIgg2bfcタンパク質配列(配列番号6)
Figure 2008526875
ヒトRelaxin−1DNA(配列番号7)
Figure 2008526875
ヒトRelaxin1タンパク質(配列番号8)
Figure 2008526875
ヒトRelaxin2DNA(配列番号9)
Figure 2008526875
ヒトRelaxin2タンパク質(配列番号10)
Figure 2008526875
Ad.MPA126(アデノウイルス中の配列番号3)の局所送達は創傷閉塞を促進する。 Ad.MPA126(アデノウイルス中の配列番号3)の全身送達(i.v.)はob/obマウスにおける創傷修復を促進する。 Ob/ob雌マウスの創傷閉塞においてヒトrelaxin−1(配列番号7)、ヒトrelaxin−2(配列番号9)、およびヒトrelaxin−3(配列番号1)を発現するアデノウイルスの局所送達の有効性。 MPA126−Fc融合タンパク質(配列番号5)は濃度依存的に組織修復を増進する。 HPA126(配列番号1)は病気の組織、特にOAおよびCOPDにおいて非常に低発現である。

Claims (11)

  1. 配列番号2の全長にわたって配列番号2のアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有する治療上有効な量のポリペプチドを患者に投与することを含む;(1)創傷、骨関節炎もしくは関節リウマチを治療、治癒、もしくは予防する;あるいは(2)患者の再かん流障害後の心臓血管組織の修復を促進する方法。
  2. 配列番号4の全長にわたって配列番号4のアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有する治療上有効な量のポリペプチドを患者に投与することを含む;(1)創傷、骨関節炎もしくは関節リウマチを治療、治癒、もしくは予防する;あるいは(2)患者の再かん流障害後の心臓血管組織の修復を促進する方法。
  3. 配列番号2のアミノ酸配列を有する治療上有効な量のポリペプチドを患者に投与することを含む;(1)創傷、骨関節炎もしくは関節リウマチを治療、治癒、もしくは予防する;あるいは(2)患者の再かん流障害後の心臓血管組織の修復を促進する方法。
  4. 配列番号4のアミノ酸配列を有する治療上有効な量のポリペプチドを患者に投与することを含む;(1)創傷、骨関節炎もしくは関節リウマチを治療、治癒、もしくは予防する;あるいは(2)患者の再かん流障害後の心臓血管組織の修復を促進する方法。
  5. 配列番号5のアミノ酸配列を有する治療上有効な量のポリペプチドを患者に投与することを含む;(1)創傷、骨関節炎もしくは関節リウマチを治療、治癒、もしくは予防する;あるいは(2)患者の再かん流障害後の心臓血管組織の修復を促進する方法。
  6. 創傷が、皮膚の創傷、外科的創傷、火傷、下腿潰瘍、糖尿病潰瘍、静脈不全潰瘍、褥瘡、粘膜炎(胃腸および口腔の両方)、腎線維症、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ならびに上皮細胞への損傷と瘢痕の形成が生じている他の肺疾患から成る群から選択される請求項1、2、3、4もしくは5の方法。
  7. 配列番号2の全長にわたって配列番号2のアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有する治療上有効な量のポリペプチドを含み、(1)創傷、骨関節炎もしくは関節リウマチを治療、治癒もしくは予防する;あるいは(2)患者の再かん流障害後の心臓血管組織の修復を促進するための医薬組成物。
  8. 配列番号4の全長にわたって配列番号4のアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有する治療上有効な量のポリペプチドを含み、(1)創傷、骨関節炎もしくは関節リウマチを治療、治癒もしくは予防する;あるいは(2)患者の再かん流障害後の心臓血管組織の修復を促進するための医薬組成物。
  9. 配列番号2のアミノ酸配列を有する治療上有効な量のポリペプチドを含む、(1)創傷、骨関節炎もしくは関節リウマチを治療、治癒もしくは予防する;あるいは(2)患者の再かん流障害後の心臓血管組織の修復を促進するための医薬組成物。
  10. 配列番号5のアミノ酸配列を有する治療上有効な量のポリペプチドを含む、(1)創傷、骨関節炎もしくは関節リウマチを治療、治癒もしくは予防する;あるいは(2)患者の再かん流障害後の心臓血管組織の修復を促進するための医薬組成物。
  11. 創傷が、皮膚の創傷、外科的創傷、火傷、下腿潰瘍、糖尿病潰瘍、静脈不全潰瘍、褥瘡、粘膜炎(胃腸および口腔の両方)、腎線維症、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ならびに上皮細胞への損傷と瘢痕の形成が生じている他の肺疾患から成る群から選択される請求項7−10のいずれか1項の医薬組成物。
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