JP2008524633A - イオン流束分析による薬物スクリーニングおよび特徴付けのための方法 - Google Patents
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Abstract
本明細書中に記載される機器および方法は、細胞に対する明白な損傷または毒性の副作用を伴わずに薬物用量に対する生細胞の応答を記録する蛍光イオンイメージングによって、単一細胞の用量反応を画像化および測定することに基づく。用量反応曲線および他の薬理学的パラメータは、各用量および各細胞についての振動の変化を、画像化および測定することによって計算され得る。同じ実験条件下での細胞の応答の広い可変性は、薬理学的な基準値が、細胞の統計学的分布および細胞の生理学によって決定されることを示す。本明細書中に記載される機器および方法は、薬物についての改良されたスクリーニングおよび開発方法のために、細胞集団の統計学的な可変性を測定する手段を提供する。
Description
(発明の分野)
本発明は、一般に、創薬の分野に関し;より具体的には、化合物をスクリーニングするためにイオン振動を分析する機器および方法に関する。
本発明は、一般に、創薬の分野に関し;より具体的には、化合物をスクリーニングするためにイオン振動を分析する機器および方法に関する。
(発明の背景)
イオンは、タンパク質によってもたらされるチャネルを通して、細胞膜およびオルガネラの膜を横切って移動し、このチャネルは、外部区画と内部区画との間の濃度勾配の形成を可能にする。イオンチャネルは、活動電位の発生およびそのタイミング、エネルギー生産、シナプス伝達、ホルモンの分泌および筋肉の収縮のような種々の細胞のプロセスに関与し、そしてそれを調節する。実際に、多くの薬物は、イオンチャネルの調節を介してそれらの特定の効果を発揮する。例としては、フェニトインおよびラモトリジンのような抗てんかん化合物(これらは、脳において、電位依存性のナトリウムチャネルをブロックする)、ニフェジピンおよびジルチアゼムのような血圧降下薬(これらは、平滑筋細胞において、電位依存性のカルシウムチャネルをブロックする)、ならびにグリベンクラミドおよびトルブタミドのようなインスリン放出の刺激因子(これらは、膵臓において、ATP調節型のカリウムチャネルをブロックする)が挙げられる。
イオンは、タンパク質によってもたらされるチャネルを通して、細胞膜およびオルガネラの膜を横切って移動し、このチャネルは、外部区画と内部区画との間の濃度勾配の形成を可能にする。イオンチャネルは、活動電位の発生およびそのタイミング、エネルギー生産、シナプス伝達、ホルモンの分泌および筋肉の収縮のような種々の細胞のプロセスに関与し、そしてそれを調節する。実際に、多くの薬物は、イオンチャネルの調節を介してそれらの特定の効果を発揮する。例としては、フェニトインおよびラモトリジンのような抗てんかん化合物(これらは、脳において、電位依存性のナトリウムチャネルをブロックする)、ニフェジピンおよびジルチアゼムのような血圧降下薬(これらは、平滑筋細胞において、電位依存性のカルシウムチャネルをブロックする)、ならびにグリベンクラミドおよびトルブタミドのようなインスリン放出の刺激因子(これらは、膵臓において、ATP調節型のカリウムチャネルをブロックする)が挙げられる。
多くの型のイオンチャネルが存在し、それらとしては、例えば、リガンド依存性チャネル(これらは、シグナル伝達分子の結合に応答して開閉する);環状ヌクレオチド依存性チャネル(これらは、内側の溶質に応答して開き、そしてセカンドメッセンジャーに対する細胞応答を媒介する);機械受容(Stretch−activated)チャネル(これらは、膜の局所的な伸展または圧縮によって生じる機械的な力に応答して開閉する);Gタンパク質依存性チャネル(これらは、Gタンパク質のレセプターを介したGタンパク質の活性化に応答して開く);および電位依存性チャネル(これらは、細胞膜を横切る電荷において、その電荷に応答して開閉する)が挙げられる。
イオンチャネルに対して特定の調節効果を有する新規薬物の発見は、膜に存在するイオンチャネルを有する細胞の膜電位および/または濃度勾配を測定および操作するための方法を必要とする。細胞の膜電位および/または濃度勾配を測定するため、ならびに特定のイオンチャネルの活性を測定するために使用され得る多くの方法が、存在する。例えば、パッチクランプ記録は、単一チャネルの電流の測定によって単一の生物学的分子の機能をモニタリングし得る最初の技術である(非特許文献1;非特許文献2)。パッチクランプ技術を使用して、イオンチャネルの特性が、非常に細いピペット(約0.5μmの開口部を備える)の手段によって研究され得、このピペットは、インタクトな細胞の細胞膜に押し付けられるか、または細胞膜を、所望の組成の試験溶液中におかれた細胞および調製物から引き離すために使用されるかのいずれかである。その際、次いで単一のイオンチャネルを通る電流の流れが、測定され得る。適切であるパッチクランプ技術を行うための技術は、当該分野において公知である(非特許文献3;非特許文献4)。例えば、一般的な技術としては、無細胞のイオンチャネル記録を行うこと、ホールセルパッチクランプ技術、濃度クランプ(concentration clamp)技術、圧力クランプ法、パッチクランプ電極の灌流、ルーズパッチクランプ(loose patch clamp)技術、単一チャネル記録(single−channel recording)および穿孔パッチクランプ(perforated patch clamp)技術が挙げられ得る。しかし、薬理学的スクリーニングにおける一般的方法としてのパッチクランプ技術の主な制限は、低い処理量である。代表的に、単独の、高度な訓練を受けた操作者は、パッチクランプ技術を使用して1日あたり10種未満の化合物を試験し得る。さらに、上記技術は、容易に自動化を受け入れず、そして熟練した電気生理学者による大規模な分析を必要とする複雑な結果をもたらす。
光学的検出システムの使用は、スクリーニング用途に関して、著しくより大きい処理量を提供し、そして光学的技術の進歩は、細胞レベルおよび細胞内レベルでのカルシウムシグナル伝達の直接の可視化を可能にしている(非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10;非特許文献11;非特許文献12)。実際に、ビデオによる画像化および共焦点顕微鏡法の開発における進歩は、種々の細胞型において、分極した、細胞内のカルシウムシグナルの発見をもたらしている(非特許文献13)。細胞内部のカルシウムシグナルの形(すなわち、振幅および周波数)は、カルシウム放出チャネルの分布およびカルシウムの上昇を制限する機構によって決定される(非特許文献14)。さらに、新規な細胞透過性の蛍光レポーター(例えば、発光性の発光タンパク質、発光性の蛍光タンパク質および発光性の蛍光色素)の開発は、生きている細胞において決定される薬物標的においての活性を可能にすることによって、動的な細胞アッセイについての道を開いた(非特許文献15)。例えば、分析の1つの光学的方法は、先に記載されており(非特許文献16;非特許文献17;および特許文献1)、この方法は、膜電位に依存するレシオメトリックな蛍光の読み出しを提供するエネルギー移動を行う2つの試薬を含む。上記レシオメトリックな読み出しは、薬物スクリーニングに対して重要な利益を提供し、この利益としては、改善した感受性、信頼性および実験における人為的結果の多くの型の減少が挙げられる。
当該分野において現在実施されているように、創薬は、多段階の長いプロセスであり、このプロセスは、特定の疾患の標的の同定、特定の標的に基づくアッセイの開発、そのアッセイの確認、スクリーニングをもたらすアッセイの最適化および自動化、「ヒット(hit)」を同定するためのアッセイを使用した、化合物ライブラリーのハイスループットスクリーニング、ヒットの確認およびヒット化合物の最適化を包含する。このプロセスが産出するもの(output)は、前臨床に進むリード化合物であり、そしてこのリード化合物は、認証された場合、最終的に、臨床試験に進む。このプロセスにおいて、そのスクリーニング段階は、アッセイの開発段階と異なり、そしてそのスクリーニング段階は、生きている生物学的システムにおいて化合物の効力を試験することを包含する。
バイオインフォマティクス、ゲノミクス、プロテオミクスおよびハイスループットスクリーニングは、有力な新規の薬物標的の同定、薬物相互作用の予測、および標的の同定の領域における性能ならびに効率の増大において不可欠となっている。しかし、これらの発展したテクノロジーを用いたとしても、細胞からの多次元的な情報を測定することに対する必要性および情報処理能力の増加を提供する手段に対する必要性は、存在する。創薬のこれらの局面は、化合物の投与に対する細胞の応答の複数のパラメータを測定するのに特に適切であるイオン変動(ion fluctuation)を観察する。実際に、多数の化合物をスクリーニングための光学的な画像化方法は、当該分野で公知である(例えば、特許文献2を参照のこと)。
初期の創薬アッセイにおける従来の測定は、放射能であった。しかし、より多くの情報、より高い処理量および小型化に対する必要性は、蛍光検出の使用への移行をもたらした。蛍光ベースの試薬は、処理量および情報量がより高く、そしてより低容量の試薬および試験化合物を必要とする、より強力な、複数のパラメータのアッセイをもたらし得る。蛍光はまた、放射能ベースの方法より、安全でありかつ費用が掛からない。現在、細胞に適用される蛍光ベースの試薬によって利用可能な生化学的情報および分子的情報の型としては、イオン濃度、膜電位、特異的な転座、酵素活性、遺伝子発現、ならびに代謝産物、タンパク質、脂質、炭水化物、および核酸配列の、存在、量およびパターンが挙げられる(非特許文献18;非特許文献19)。
蛍光サンプルを画像化する従来の手段は、細胞サンプルにわたる全ての蛍光の平均の算出を提供する。例えば、Science Applications International Corporation(SAIC)(Seattle、WA)は、96ウェルプレートの全領域を画像化するCCDカメラを使用するイメージングプレートリーダーを記載する。その画像は、ウェル中の全物質についての全ての蛍光を算出するために分析される。同様に、Molecular Devices,Inc.(Sunnyvale、CA)は、細胞の単層を画像化する場合にバックグラウンドを減少させるために、低角度レーザー走査照明(low angle laser scanning illumination)、および標準的な96ウェルプレートのウェルの底の約200ミクロン以内に蛍光を選択的に励起するためのマスクを使用するシステム(FLIPR)を記載する。このシステムは、プレートの底の全領域を画像化するために、CCDカメラを使用する。このシステムは、ウェルの底において細胞の単層から生じるシグナルを測定するが、その測定されたシグナルは、そのウェルの領域に対して平均され、したがってさらに、その測定されたシグナルは、細胞集団の応答の平均の測定と見なされる。その画像は、細胞ベースのアッセイについて、ウェル1つあたりの全ての蛍光を算出するために分析される。流体送達デバイスもまた、応答を開始させるために、細胞ベースのスクリーニング系(例えば、FLIPRシステム)に組み込まれ、次いでその反応は、マクロイメージングシステムを使用してウェル全体の集団の応答の平均として観察される。
しかし、細胞集団は、生物学的に異種であり、そして細胞内に存在する化学的情報および分子的情報の高い空間周波数ならびに高い時間周波数は、従来の技術を使用して細胞の集団から高い情報量を抽出することを不可能にする。実際に、モニタリングし、そして分析するための従来の技術は(例えば、蛍光を使用するイオン振動)は、かなりの欠点を有する;例えば、光退色(photobleaching)および個々の細胞に関する特定の情報の欠如。従来の技術はまた、迅速でないか、または費用効率が低い;例えば、パッチクランプ技術を使用する用量依存的実験は、代表的に、完了するまでに2日間を要する。
ハイスループットスクリーニングとは対照的に、ハイコンテントスクリーニングはまた、細胞の成分およびプロセスの時空間ダイナミクスについての、より詳細な情報に対する必要性に取り組むために開発されている。ハイコンテントスクリーニングは、細胞に取り込まれる特定の蛍光ベースの試薬に由来する多色蛍光の情報の抽出を自動化する(非特許文献20)。細胞は、空間ダイナミクスおよび時間ダイナミクスを測定し得る光学的システムを使用して分析される(非特許文献21)。ハイコンテントスクリーニングに関して、その概念は、標識された成分の活性に対する空間的情報および時間的情報を有する「ウェル(well)」として各細胞を取り扱うことである。ハイコンテントスクリーニングは、固定した細胞(蛍光標識した抗体、生物学的リガンド、および/または核酸ハイブリダイゼーションプローブを使用する)、または生細胞(多色蛍光指示薬および「バイオセンサ」を使用する)のいずれかにおいて行われ得る。固定した細胞のスクリーニングまたは生細胞のスクリーニングの選択は、必要とされる特定の細胞ベースのアッセイに依存する。固定した細胞のアッセイは、マイクロタイタープレート形式において、最初は生きている細胞のアレイを提供し、このマイクロタイタープレート形式は、種々の化合物および試験される用量によって処理され得る。その後、細胞は、固定され、特定の試薬によって標識され、測定され得、そして固定後に、細胞の環境制御は、必要とされない。この方法において、空間的情報は、一時点において取得される。生細胞のアッセイは、時間および空間に対してスクリーニングされ得る所望の試薬を含む、生きている細胞のアレイを提供する。細胞の環境制御(温度、湿度、および二酸化炭素)が、測定の間に必要とされる。なぜならその細胞の生理学的な健常さが、複数の蛍光測定のために、その時間にわたって維持されなければならないからである。生理学的な蛍光指示薬および「バイオセンサ」は、細胞内部の生化学的活性および分子的活性における変化を伝え得る(非特許文献22)。
走査型共焦点顕微鏡による画像化(非特許文献23)および多光子顕微鏡による画像化(非特許文献24)は、顕微鏡サンプルの高分解能画像を取得するための十分に確立された方法である。これらの光学的システムは、焦点の浅い深さを提供する。この深さは、バックグラウンドに対して分解されるべき制限された軸の程度からなる特徴を可能にする。例えば、付着した細胞内部の細胞質の特徴を細胞表面の特徴から解明することが、可能である。走査型の多光子による画像化は、必要とされる高いフォトン束を達成するために、非常に短い持続時間のパルスレーザーシステムを必要とするので、蛍光の寿命もまた、これらのシステムにおいて測定され得(非特許文献25)、これらのシステムは、異なる検出様式についてのさらなる可能性を提供する。しかし、これらの画像化方法は、選択されたシステムにおける蛍光の効率、光安定性、および毒性によって制限される。したがって、化合物の用量依存的な投与によって生じる、サンプル中の個々の細胞のイオン振動を直接測定する機器および方法に対する当該分野における必要性が、存在したままである。
イオン振動の1つの例は、多くの細胞において一般的に見出されるカルシウム(Ca2+)チャネルにおいて生じ、とりわけその機能は、シグナル伝達において重要な役割を果たす。易興奮性の細胞において、細胞内のカルシウムは、長い脱分極反応のために維持された内向き電流を提供し、そしてそのカルシウムは、脱分極と他の細胞内シグナル伝達機構との間の連鎖として機能する。電位依存性ナトリウムチャネルのように、電位依存性カルシウムチャネルは、複数の活性化したままの状態および不活性化したままの状態を有する。
カルシウムチャネルアンタゴニストは、強力な血管拡張薬であり、そして高血圧の処置および狭心症の処置において広く使用される。米国で臨床的に認可された化合物としては、例えば、ジヒドロピリジン(例えば、アミロジピン、フェロジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、イスラジピン(isradipine)、ニモジピン(nimodipine));ベンゾジアゼピン(例えば、ジルチアゼム)、フェニルアルキルアミン(例えば、ベラパミル);およびジアリールアミノプロピルアミンエーテル(例えば、ベプリジル)(例えば、特許文献3を参照のこと)が挙げられる。
性腺刺激ホルモン分泌細胞、成長ホルモン分泌細胞、および副腎皮質刺激ホルモン分泌細胞が挙げられる内分泌細胞は、インビトロおよびそれらのネイティブな環境において、ベースラインの自発的なカルシウム振動(BSCO)を示す(非特許文献26;非特許文献27;非特許文献28;非特許文献29;非特許文献30;非特許文献31;非特許文献32;非特許文献33;非特許文献34;非特許文献35)。ベースラインのカルシウム振動のパターンと刺激されたカルシウム振動のパターンとの軽微な違いは、正常な副腎皮質刺激ホルモン分泌細胞とAtT−20細胞との間で記録されている(非特許文献27)。ベースラインの自発的なカルシウム振動は、インタクトなカルシウム依存性のシグナル伝達経路および細胞のホメオスタシスのために必要とされる、細胞のカルシウムチャネルが媒介する補充とカルシウム濃度の維持との合計を示し得る(非特許文献36)。ACTH分泌の調節に対するそれらの重要性もまた、記載されている(非特許文献27;非特許文献31;非特許文献37)。これらの振動およびそれらの基礎となる機構を理解することは、細胞の生理学、および新規の薬物処置のためのスクリーニングに重要である(非特許文献38)。
カルシウム振動は、内部の貯蔵からのカルシウムの比較的に定期的な放出、およびその後の再充填(recharging)によって生じる。一般的に、カルシウム放出活性(release−activated)カルシウムチャネル(CRAC)およびアラキドン酸調節性(arachidonate−regulated)カルシウムチャネル(ARC)は、振動に寄与する(非特許文献39)。しかし、低いアゴニストの濃度において、ARCチャネルは、カルシウム振動を支配する。対照的に、より高い濃度において、カルシウムの貯蔵の枯渇は、より著しくなり、そしてCRACチャネルの活性化は、常に高いレベルをもたらす。
異なる型のカルシウムチャネルは、電流の動力学によって識別される4つのクラス(L型、T型、N型、およびP型)へとおおまかに分類されおり、これらは、カルシウムチャネルアゴニストおよびカルシウムチャネルアンタゴニストに対する潜在的な感受性ならびに感受性を保持する。L型カルシウムチャネルアンタゴニスト(例えば、ニモジピン)は、クローンのAtT−20下垂体細胞において自発的な振動をブロックする(非特許文献40)。対照的に、電位依存性ナトリウムチャネルは、自発的なカルシウム振動に関与しない(非特許文献40)。さらに、AtT−20細胞は、T型チャネルおよびL型チャネルを有することが示されているが、L型チャネルアンタゴニストのみが、振動を可逆的にブロックする(非特許文献40)。実際に、L型チャネルの活性化は、一過性の大きなカルシウム振動および持続性の大きなカルシウム振動をもたらす(非特許文献40)。ノルエピネフリンおよびソマトスタチンに応じた振動パターンの変化もまた、AtT−20細胞において研究されている(非特許文献41)。
カルシウムチャネルは、膜電位および/または濃度勾配の変化に応じた細胞内へのCa2+の流入を媒介し、そしてイオンのホメオスタシスおよび細胞のシグナル伝達事象におけるそれらの中心的な役割に起因して、これらのチャネルは、広範な種々の生理学的活性に関与する;例えば、筋肉の収縮、心臓血管の機能、ホルモンおよび神経伝達物質の分泌、ならびに組織の増殖プロセスおよびリモデリングプロセス。複数の型のカルシウムチャネルが、哺乳動物細胞において種々の組織から同定されており、これらの組織としては、骨格筋、心筋、肺、平滑筋および脳が挙げられる。当然のことながら、カルシウムチャネルは、薬物治療のための重要な標的として認識される(非特許文献42;また、特許文献4を参照のこと)。カルシウムチャネルは、種々の病理学的状態に関連し、それらの状態としては、例えば、本態性高血圧、狭心症、うっ血性心不全、不整脈(arrythmia)、片頭痛および疼痛が挙げられる。
本願全体に参照される全ての文献の開示は、本明細書中に参考として援用される。
関連分野の前述の例およびそれに関する限定は、例示的であり、そして排他的でないことが意図される。関連分野の他の限定は、本明細書を読み、そして図面を吟味する際に当業者に明らかとなる。
米国特許第5,661,035号明細書
米国特許第6,875,578号明細書
米国特許第6,897,305号明細書
米国特許第6,686,193号明細書
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以下の実施形態およびそれらの局面は、組成物および方法に関連して記載され、そして示される。これらの実施形態および局面は、模範かつ例示であり、範囲の限定ではないことを意味する。種々の実施形態において、上記の問題の1つ以上が、減少するか、または排除される一方で、他の実施形態は、他の改善に関する。
イオン振動は、多くの細胞型において起こることが公知であり、そしてこれらの振動およびそれらの基礎となる機構は、細胞の生理学を理解するため、および新規の薬物処置についてのスクリーニングのために重要である。種々の実施形態においては、細胞においてイオン振動をモニタリングする機器、方法およびシステムが、提供される。他の実施形態において、単一細胞および細胞サンプルについてのイオン振動の用量反応曲線を作製する方法が、提供される。
非限定的な例の方法による別の実施形態は、サンプルを画像化するためのパラメータを決定する方法を包含する。この方法は、必要最低限の空間分解能、必要最低限のスペクトル分解能および必要最低限の時間分解能の決定を包含する。
非限定的な例の方法による別の実施形態は、組成物の用量依存性の投与によって生じる、細胞のイオン振動を測定する方法を包含する。この方法は、組成物を細胞に投与する工程および上記細胞をモニタリングしてイオン振動を測定する工程を包含する。
非限定的な例の方法による別の実施形態は、細胞にイオンセンサが投与される上記方法を包含する。この様式において、イオン振動は、画像化機器を使用してモニタリングおおよび測定され得る。
非限定的な例の方法による別の実施形態は、細胞においてカルシウム振動をモニタリングおよび測定するための装置であって、上記装置は、蛍光顕微鏡であり、上記顕微鏡の空間分解能、上記顕微鏡のスペクトル分解能、および上記顕微鏡の時間分解能は、励起および放出について個別に調整可能である。
上に記載される例示的な局面および例示的な実施形態に加えて、さらなる局面およびさらなる実施形態は、図面を参照し、そして以下の詳細な説明を考慮することによって明らかとなる。
例示的な実施形態は、図面(drawing)の参照図面(referenced figure)に示される。本明細書中に開示される実施形態および図面が制限ではなくむしろ例示として考慮されるべきことが、意図される。
(詳細な説明)
本明細書中で考察される実施形態は、単一細胞における用量反応のイオン振動を測定し、そして観察するための機器および方法に基づく。種々の実施形態において、上記機器および方法は、イオン振動が用量依存的な薬物投与によって調節され得る任意の生物学的プロセスを測定および観察するために使用され得る。種々の実施形態において、上記機器および方法は、光退色を防止し、そして用量依存的な薬物投与に対する細胞の応答の観察を可能にしながら蛍光性の細胞サンプルを画像化するために使用され得る。種々の実施形態において、上記機器および方法は、スペクトル分解能を最小化し、そしてイオン振動の分析に対する感受性を最大化する;それによって、広視野検出のための回折限界点(diffraction limited point)の照明を提供する。種々の実施形態において、薬物候補をスクリーニングする方法は、イオンチャネルである標的に対する活性を用いて化合物または薬剤(agent)を見出すために適用される。本明細書中で考察される実施形態は、機器および方法が迅速でかつ費用が掛からない点で、他の利用可能な技術と区別され得る;例えば、代表的にはパッチクランプ技術の使用が2日間を要するのに対して、本明細書中で説明される用量依存的な実験は、1時間で完了し得る。
本明細書中で考察される実施形態は、単一細胞における用量反応のイオン振動を測定し、そして観察するための機器および方法に基づく。種々の実施形態において、上記機器および方法は、イオン振動が用量依存的な薬物投与によって調節され得る任意の生物学的プロセスを測定および観察するために使用され得る。種々の実施形態において、上記機器および方法は、光退色を防止し、そして用量依存的な薬物投与に対する細胞の応答の観察を可能にしながら蛍光性の細胞サンプルを画像化するために使用され得る。種々の実施形態において、上記機器および方法は、スペクトル分解能を最小化し、そしてイオン振動の分析に対する感受性を最大化する;それによって、広視野検出のための回折限界点(diffraction limited point)の照明を提供する。種々の実施形態において、薬物候補をスクリーニングする方法は、イオンチャネルである標的に対する活性を用いて化合物または薬剤(agent)を見出すために適用される。本明細書中で考察される実施形態は、機器および方法が迅速でかつ費用が掛からない点で、他の利用可能な技術と区別され得る;例えば、代表的にはパッチクランプ技術の使用が2日間を要するのに対して、本明細書中で説明される用量依存的な実験は、1時間で完了し得る。
本明細書中に記載される方法および機器は、生細胞におけるイオン変動の画像を記録するのに有用である。他の実施形態において、本明細書中に記載される方法および機器は、薬理学的な基準値を得るための蛍光画像分析およびシグナル処理に有用である。他の実施形態において、本明細書中に記載される方法および機器は、漸増性の用量で化合物または薬剤を投与しつつ生細胞におけるイオン流束を記録するのに有用である。他の実施形態において、本明細書中に記載される方法および機器は、自動化される薬物スクリーニング方法に有用である。本明細書中に記載される方法および機器の他の有用な用途は、当業者によって容易に認識され、したがってそれらの用途は、本明細書中に含まれる。
種々の実施形態において、ハイコンテントな細胞スクリーニング系が、サンプルの個々の細胞のイオン振動を画像化するために提供される。上記システムは、任意の型の細胞と共に使用され得、その細胞としては、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞、細菌細胞、酵母細胞および哺乳動物細胞が挙げられる。例えば、ヒトに対する治療薬についてスクリーニングする場合、哺乳動物細胞株が、使用され得、その細胞株としては、比較的容易に増殖し得、そして高い効率で容易にトランスフェクトされ得る組織培養細胞株が挙げられる。多くの組織細胞株は、American type culture collection(ATCC)およびEuropean collection of cell cultures(ECACC)を経て市販されている。種々の他の実施形態において、一次細胞株または組織切片は、スクリーニングのために使用され得、このスクリーニングは、そのネイティブな生理学的周辺状況(context)における目的のイオンチャネルの応答を表すか、またはそれを測定するために必要とされる。このアプローチは、候補の治療薬の特異性、選択性、または毒性をスクリーニングするための、一次スクリーニングまたは二次スクリーニングのいずれかとして有用であり得る(例えば、米国特許第6,686,193号を参照のこと)。本明細書中で考察される種々の実施形態において、細胞スクリーニング系は、細胞の生存を保つために必要とされる温度、CO2濃度および湿度を維持するための、チャンバーおよび制御システムをさらに備える。
種々の実施形態において、細胞は、目的とする特定のイオンチャネルの発現に基づいて選択され得る。他の実施形態において、核酸は、目的のイオンチャネルの発現をコードする配列を有するトランスフェクト細胞に使用され得、その配列は、代表的に、そのチャネルの発現をコードするヌクレオチド配列に作動可能に結合される発現制御配列を含む発現ベクターの形態である。当業者にとって周知である方法が、イオンチャネルをコードする配列を含む発現ベクターを構築するために使用され得る、その配列は、適切な局在化ドメインまたは標的ドメインならびに適切な転写制御シグナルおよび翻訳制御シグナルと作動可能に結合される(Maniatisら、Molecular Cloning A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、N.Y.、1989;また、米国特許第6,686,193号を参照のこと)。
種々の実施形態において、サンプルの個々の細胞における目的のイオンは、イオンセンサによって標識される。用語「イオンセンサ」は、例えば、膜電位および/または濃度勾配の指標を提供し得るエレクトロクロミック膜電位色素、膜電位再分布色素、イオン感受性蛍光色素またはイオン感受性発光色素、およびイオン感受性蛍光タンパク質を含み得るが、これらに限定されない。他のイオンセンサは、当業者によって容易に認識される。本明細書中でイオンセンサを考察する種々の実施形態において、Calcium Green(カルシウム感受性色素)が、使用された。二重励起のレシオメトリック色素への利益は、2倍である。第1に、単一波長による励起は、1つのみの波長が必要とされるので、光に対する曝露を減少させる。実際に、単一波長の放出は、検出感度を最大化する。なぜなら、1つの検出器は、放出される全ての光子を捕捉するからである。第2に、二波長の色素のUV励起と比較して、Calcium Greenのより低い励起波長は、細胞に対する損傷をより少なくしている。しかし、適切である他のカルシウム感受性色素が、当該分野において公知である(Grynkiewicz,G.ら、「A generation of Ca++ indicators with greatly improved fluorescence properties」、J.Biol.Chem.、260:3340−3350(1985))。例えば、種々のカルシウム感受性色素は、本明細書中に記載されるようなイオンイメージングに使用され得、この色素としては、例えば、イオン感受性フルオロフォア(例えば、Fura−2、Fluo−3、Fluo−4、Indo−1、Calcium Green−1、Calcium Green−2、Calcium Orange、およびそれらの組み合わせ)が挙げられる。他のカルシウム感受性色素は、当業者によって容易に認識され、したがってそれらは、本明細書中に含まれる(例えば、Nuccitelli,R.、A Practical Guide of the Study ofCalcium in Living Cells、Pt.3、「Fluorescent Techniques for Imaging Calcium」、Academic Press、pp.184−219(1994)を参照のこと)。
他の実施形態において、イオンシグナル伝達のカスケードに関与する細胞内レセプターまたは膜貫通レセプターは、細胞透過性のイオンセンサによって標的化され、そしてそのイオンセンサによってロード(load)され得る。例えば、Gタンパク質共役型レセプター(GPCR)は、細胞透過性のイオンセンサによってロードされ得る、膜貫通ドメインを有する細胞表面レセプターのクラスである。GPCRに対するリガンドは、細胞における二次シグナルのカスケードを刺激し、それらの二次シグナルとしては、Ca2+の過渡(transient)、サイクリックAMPの産生、イノシトール三リン酸(IP3)の産生およびリン酸化が挙げられ得るが、これらに限定されない。これらのシグナルの各々は、およそ数秒〜数分で生じるが、これらのシグナルはまた、例えば、多くの異なるGPCRは、活性化された場合、二次Ca2+シグナルを生じる。GPCRの刺激はまた、細胞表面の膜から内部(核に近い区画)へのGPCRの輸送を生じる。種々の実施形態において、青色蛍光タンパク質(BFP)を伴うGPCRを有する細胞は、細胞透過性のイオンセンサによってロードされ得る。
本明細書中で考察される種々の実施形態において、上記システムは、イオン振動を調節する薬剤を同定する方法を提供し、画像の短いシーケンスが、個々の細胞から採取され、そしてその画像は、イオン振動を示す細胞について分析される。薬剤は、イオン振動の任意の局面を調節するものである。種々の実施形態において、上記方法は、1以上の試験細胞または細胞の一部と、試験薬剤とを接触させることによって、イオン振動を調節する薬剤を同定すること、イオン振動に対する試験薬剤の効果をモニタリングすること、および試験薬剤がイオン振動に対する効果を有する場合にその試験薬剤を薬剤として同定することを含む。本明細書中で考察される種々の実施形態において、薬剤は種々の用量で細胞サンプルに投与され、そしてイオン振動は、各細胞について同時に記録される。種々の実施形態において、上記細胞スクリーニング系は、蛍光強度を示す記録された画像のシーケンスを、用量反応曲線に変換する方法を提供する。
本明細書中で考察される種々の実施形態において、上記細胞スクリーニング系は、サンプルの個々の細胞を画像化するためのパラメータを決定する手段を提供する。上記パラメータは、サンプルを画像化するために使用される必要最低限の空間分解能、必要最低限の時間分解能および必要最低限のスペクトル分解能を得るために調節され得る。本明細書中で使用される場合、用語「空間(spatial)」とは、焦点の外(out−of−focus)の光またはグレアの排除を可能にする、画像化されるサンプルの焦点の直接平面(immediate plane)(例えば、画像化される目的の領域のピクセル領域)をいう。本明細書中で使用される場合、用語「時間(temporal)」とは、毒性効果および退色効果の排除を可能にする、サンプルが曝露される時間または励起の特定の量(例えば、1秒間あたりのフレームの数)をいう。本明細書中で使用される場合、用語「スペクトル(spectral)」とは、サンプルを照明するために使用される励起レーザーの波長をいう。実際問題として、画像化するための課題は、高いフレームレートにて延長した時間にわたって細胞を画像化することである。実際に、毒性効果は、励起光によって直接的か、または光変換された(photo converted)(光退色した)色素分子の毒性生成物によって間接的に誘発され得る。その問題を解決するために、上記細胞スクリーニング系は、サンプルを画像化するために使用される、必要最低限の空間分解能、必要最低限の時間分解能および必要最低限のスペクトル分解能を決定するための方法を提供する。
上記空間分解能は、目的の細胞のサイズによって決定される。特に、上記必要最低限の空間分解能を決定するための方法の一例は、画像化される最も小さい物体の投影像のサイズを決定し、そしてそのピクセルサイズをそのサイズの半分以下に設定することである。この方法を実例としての例に適用すると、サンプルは、画像化装置上に配置され;最も小さい目的の物体は、その投影像平面サイズ「x」を決定するように画像化される。次に、光学倍率は、各ピクセルが「x」/2以下のサイズを有するように、フォーマット分解能(format resolution)を走査する(またはCCDアレイ検出器においてビニングする)ために調整される。必要最低限のスペクトル分解能を決定するための他の技術は、当該分野で公知である(例えば、Martin,L.C、The Theory of the Microscope、Elsevier(1966);Inoue,S.、Video Microscopy、Plenum Press(1986)を参照のこと)。本明細書中で考察される実施形態に関して、1ピクセルあたりの広い領域を画像化することは、デジタルカメラにおけるピクセルビニングと同様である高い収集感度(collection sensitivity)を生じる。ピクセルビニングは、いくつかの隣接するCCDのピクセルによって集められた電荷を合わせるために使用されるクロッキングスキームであり、そしてノイズを減少させ、そしてデジタルカメラのSN比およびフレームレートを改善するように設計される。
上記時間分解能は、イオン振動がなおも分解され得る必要最低限の周波数(1秒間あたりのフレーム)によって決定される。特に、上記必要最低限の時間分解能を決定するための方法の一例は、有意な誤差およびシグナルのアンチエイリアジングを導入せずに使用され得る最も低い可能なサンプリング周波数である、「ナイキスト」周波数を決定することである(例えば、Boulton,A.A.ら、Voltametric Methods in Brain Systems、Humana Press(1995);Boulton,A.A.ら、Patch−Clamp Applications and Protocols、Humana Press(1995)を参照のこと)。上記「ナイキスト」周波数(これは、ナイキスト−シャノン標本化定理にちなんで名付けられる)、および/または臨界周波数は、シグナルについてのサンプリング周波数の半分である。標本化定理を使用すると、ナイキスト周波数が標本化されるシグナルの帯域幅(またはそのシグナルがベースバンドのシグナルである場合に、最大周波数)と少なくとも同じ大きさである場合、エイリアジングが回避される。原理において、シグナルの帯域幅と等しいナイキスト周波数は、サンプルからのシグナルの完全な再構築を可能にするのに十分である。
上記スペクトル分解能は、バックグラウンドの蛍光(例えば、周囲の媒体によって引き起こされる)および細胞の自家蛍光を拒絶しながら、検出器を通過した波長のうちの最も幅広い帯域を選択することによって決定される。特に、上記必要最低限のスペクトル分解能を決定するための方法の一例が、提供される。第1に、最大限に受容可能なバックグラウンドの蛍光をシグナル全体の%として決定することが、行なわれる;この値は、上記バックグラウンドの蛍光の閾値である。第2に、バックグラウンドの蛍光および特定の蛍光を示す領域が、選択される。第3に、バックグラウンドの蛍光が、工程1で選択された閾値の値より小さくなるまで、上記分光光度計の波長検出窓の幅が、狭められる。この方法において、上記バックグラウンドの蛍光は、その実験に関して測定されないはずである。この方法を実例としての例に適用すると、第1に、8ビットデジタル化システムにおいて、256個の強度レベル(0〜255)が、存在し、このことは、上記バックグラウンドの蛍光の閾値が、最も高い特定の蛍光の256分の1より小さくなければならないことを意味する。そのようなものとして、第2に、細胞サンプルは、画像装置上に配置され、そして特定の蛍光およびバックグラウンドの蛍光を有する細胞サンプルの領域が、配置されなければならない。第3に、上記領域を画像化している間、分光光度計上の上記波長検出窓は、全てのバックグラウンドのピクセルの値が上記蛍光の256分の1(または事実上、0)に戻るまで、狭められる。
本明細書中で考察される種々の実施形態において、上記細胞スクリーニング系は、共焦点走査型の照明および検出システムを利用した。製造業者の設定によって制限されるが、共焦点顕微鏡の感度は、上記スペクトル分解能を低下させることによって改善され、そのスペクトル分解能の低下は、検出用ピンホールを最大で3.5エアリー単位(AU)まで開くこと、および上記分光光度計について広いスペクトル窓を使用することによって達成された。これは、焦点の外のバックグラウンドの蛍光を減少させ、そして光の曝露を最小限に保つが、励起経路は、回折限界点の照明を、なおも提供する。手短には、上記照明経路が、回折限界(従来の共焦点顕微鏡法と同様)であった一方で、上記検出経路は、最大感度のための広視野であった。本明細書中で考察される種々の他の実施形態において、より非対称な画像化(asymmetric imaging)を可能にする他の画像化機器が、必要に応じて、使用され得る。種々の実施形態において、十分な時間分解能にて画像を取得し、そしてエイリアジングアーティファクトを防止するために、振動は、利用可能な最大走査周波数(10fps)によって画像化され、そして記録されたデータ由来の最も低い受容可能な走査周波数から得られた。上記スペクトル分解能は、共焦点顕微鏡の提供されたレーザー(488nmの波長)によって制限された。スペクトル分解能およびイオンの共焦点イメージングを改善するための他の技術は、当該分野において公知である(例えば、Nuccitelli,R.、A Practical Guide of the Study of Calcium in Living Cells、Pt.3、「Fluorescent Techniques for Imaging Calcium」、Academic Press、pp.221−261(1994)を参照のこと)。
本明細書中で考察される種々の実施形態において、イオン振動を画像化するための改良された装置が、提供される(図6A)。上記装置は、レーザー光源、スキャニングミラー、1つ以上の二色性ビームスプリッターおよび1つ以上のバリアフィルター、ならびに検出器からなる。種々の実施形態において、上記装置は、回折限界点の光源を提供するレーザーを備える。種々の実施形態において、上記スキャニングミラーは、サンプルを走査するために上記光線をそらす。1つの実施形態において、放射された光は、上記ビームスプリッターによって、異なる光子検出器へと分けられる(図6B)。別の実施形態において、上記放射された光は、分光光度計を通って進む(図6C)。種々の実施形態において、上記検出器は、脱走査(descan)されないので、コレクションレンズが必要である。
本明細書中の種々の実施形態において記載された方法を確認するために、L型カルシウムチャネル依存性の変化を、漸増性の用量でL型チャネルアンタゴニストであるニモジピン(Nimotop(登録商標);Bayer Pharmaceuticals;West Haven、CTから入手可能)を適用し、そして各細胞についてカルシウム振動を同時に記録することによって測定した。このことは、同じ実験における複数の細胞の比較および大きな細胞集団にわたる統計データの取得を可能にした。S字の用量反応曲線は、それぞれ個々の細胞に適合しており、そして上記集団全てにわたる応答の平均が、算出された。
共焦点による走査および検出システムが、本明細書中の種々の実施形態において記載された方法を確認するために使用された。サンプルの個々の細胞を画像化についてのパラメータを決定するための方法を考察する種々の実施形態において、空間分解能は、上記走査機能によって可能となる絶対的な最小値(150×150μmの画像化領域に対して128×128ピクセル)に設定された。最適な時間分解能を決定するために、未処理の細胞サンプルにおける自発的なカルシウム振動のサンプリング周波数は、10fpsにて記録され、そして得られた結果は、プロットされた(図1A)。図1Aは、振動が10fpsにおいて明確に分解されたことを示す。3fpsにおける標本化がなおも十分であることを検証するために、2つおきにデータポイントを標本化し、そしてそれぞれ、1の値および2の値により二段抽出を相殺することによって3つの曲線が元のデータから得られた;この得られたデータが、プロットされた(図1B)。図1Bは、3fpsにおける二段抽出が有意な標本誤差を与えないこと、および振動がなおも良好に分解されることを示す。波長分解能は、共焦点顕微鏡におけるレーザーの488nmの波長によって制限される。
上記処理された細胞サンプルは、非対称な画像化方法および45分間までの合計記録時間に対して3fpsの時間分解能を使用して画像化された。特に、照明(励起)が、回折限界であった一方で、検出(放出)は、共焦点の検出ピンホールを開くが、励起ピンホールを閉じたままにすることによって、ほぼ広視野であった。このことは、バックグラウンドの蛍光をなおも抑制しながら、増大した検出効率を可能にした。記録時間の間、薬物濃度(ニモジピン)は、8オーダーにわたって増加され、そして蛍光カルシウム指示色素の強度の変動が、記録された。本明細書中で考察される種々の他の実施形態において、より非対称な画像化を可能にする他の画像化機器が、必要に応じて使用され得、その画像化としては、例えば、パルス光源および非線形イメージング法が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中の細胞生存率を決定するための方法を考察する種々の実施形態において、上記画像化システムおよび色素濃度が安定なままであったことを確かめるために、上記記録の質および妥当性が、検証された。Calcium Greenは、単一波長のカルシウム指示薬であり、そしてCalcium Greenは、遊離カルシウムの変化によって強度を顕著に変える。しかし、色素濃度、励起強度および検出パラメータの任意の変化もまた、記録された強度の変化を生じた。そのようなものとして、上記画像化システムおよび実験の設定が有意な誤差をもたらさなかったことが、確かめられた。比が、本質的に、強度における変動に抵抗するという事実に起因して、比は、Bonnefont,X.ら、「Rhythmic bursts of calcium transients in acute anterior kasuitai pituitary slices,」、Endocrinology、141(3):868−75(2000)に記載されるものと同様の算出方法を使用して検証された。一般的に、各実験は、各薬物用量について5分間の記録間隔に分けられた。カルシウム振動は、各5分間の間隔について別々に定量され、そしてこれらの間隔は、合計記録時間が45分になるまで繰り返された。上記方法論は、5分間の間隔および45分間の間隔についてのコントロール実験によって確認された。5(5)分間のコントロール実験は、レーザーの変動、フォーカスドリフトおよび他の画像化に関連した問題に由来する人為的結果を含まない画像化の質を確認した。45(45)分間のコントロール実験は、細胞の挙動の変化の検出および上記画像化システムの長期安定性を含む長期の変化を明らかにした。
L−チャネルブロッカーであるニモジピンの最大用量において、AtT−20細胞における全ての振動が、抑制された。任意の理論に拘束されることは望まないが、これらの振動しない細胞が画像化される場合、強度におけるあらゆる残りの変動が、必ずしも上記画像化システムによって引き起こされるとは限らない。実際に、完璧なシステムにおいて、強度における変動は、変化が測定の人為的結果を誘導するので存在しない。しかし、実際問題として、ノイズレベルを著しく下回ったままである変動が、十分なものである。14(14)個のAtT−20細胞は、振動を抑制するためにニモジピンによって処理され、そして5(5)分間の間隔について3fpsを用いて画像化された。本明細書中の5分間のコントロール実験を考察する種々の実施形態において、各細胞についての強度が、各フレームについて測定され、生データポイントが、プロットされ、そして退色速度が非常低かったことに起因して、線形相関の曲線が、そのデータに適合した(図2A)。これら数値的な結果は、以下の通り、表1に要約される:
細胞は、Calcium Greenによって染色され、画像化され、そして漸増性の薬物用量に45分間曝露された。本明細書中の45分間のコントロール実験を考察する種々の実施形態において、2つのコントロール実験が、これらの延長された曝露が顕著な毒性効果を有さないことを示すために設計された。第1に、未処理のAtT−20細胞が、45(45)分間の時間の長さにわたって、3fpsにおける連続的な記録によって画像化された。カルシウム振動の振幅が、測定され、そしてその振幅は、時間に対してプロットされた。その結果は、細胞の振動が、振幅において時間と共にわずかに増大することを示す。しかし、振動パターンは、一定のままであり、そして細胞は、一時的な変化または一過性の変化をまったく示さなかった。この所見についての理由は、明らかではなく、そして任意の理論に拘束されることは望まないが、それは、他の細胞システム(Knight,M.M.ら、「Live cell imaging using confocal microscopy induces intracellular calcium transients and cell death」、Am J Physiol Cell Physiol 284:1083−1089(2003))において示唆されるような細胞の延長されたレーザー曝露によって説明され得る。図3Aは、0分間および45分間で画像化された代表的な細胞についての振動の追跡を示す。図3Cは、5分間連続した間隔において0〜50分間継続して画像化された代表的な細胞についての振動の追跡を示す。全ての細胞についての50(50)分間の間隔にわたった未処置の細胞サンプルの平均した振動の振幅が、図3Bに示される。まとめると、これらの結果は、振動の振幅が、最初の45分間にわたって増大し、そして50分において下降することを示唆する。任意の理論に拘束されることは望まないが、その下降は、毒性効果の始まりを示し得る。そのようなものとして、実験は、45分間より長く記録されなかった。
第2に、ニモジピンに対する延長された曝露が、細胞に対して非毒性であることが確かめられた。図4Aは、ニモジピンによる処理の前(0分間)および後(45分間)の代表的な細胞の振動の追跡を示す。図4Cは、漸増性の濃度のニモジピンによって処理した後の代表的な細胞(Calcium Greenによって染色され、そして5分間継続して画像化された)の振幅振動の追跡を示す。その結果は、振動が著しく抑圧される(100nMの濃度にてBSCOの阻害が完了する)こと、およびその振幅が明白により小さいことを示す。しかし、振動が完全に抑制されたときに、細胞がなおも応答することを示すため、細胞の膜は、高カリウム(K+)によって脱分極され、そして得られるカルシウム応答が、記録された(図4B)。健常な細胞は、細胞内の遊離カルシウムの一過性の増加によって応答した。しかし、損傷した細胞または死んだ細胞は、同様の応答を示さなかった。なぜなら膜の透過性が、損なわれ、そしてカルシウムチャネルおよびカルシウムポンプが、不活性であったからである。全ての細胞は、遊離カルシウムにおける即座ではあるが、一時的な棘波によって応答した。その結果は、45分間の画像化およびニモジピン処理に曝露された細胞が、応答しかつ遊離カルシウムの生理学的平衡を保つ性能を維持したことを示す。
種々の実施形態において、蛍光強度を示す記録された画像のシーケンスを、用量反応曲線に変換するための方法が、提供される。例えば、ニモジピンによって処理された個々の細胞についての用量反応が、図5Aに示される。ニモジピンによって処理された個々の細胞の全てについての平均した用量反応が、図5Bに示される。そのIC50は、23nMである。この結果は、応答は細胞によって非常に異なるが、その細胞の間で平均した場合に連続体を生じることを示す。実際に、いくつかの細胞は、用量の広い範囲にわたって振動を減少することによって等しく応答し、いくつかの細胞は、2つだけの用量に対して振動を停止することによって限界スイッチのように反応し、そしていくつかの細胞は、非常に高い用量においてのみ振動を減少した。
本発明の他の実施形態において、種々のカルシウムチャネルモジュレーターが、本明細書中に記載される方法を確認するために使用され得、そのカルシウムチャネルモジュレーターとしては、例えば、DM−BODIPY−ジヒドロピリジン(DMBD)、ωコノトキシンMVIIA、ωコノトキシンMVIIC、ニフェジピン(1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−4−(2ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチルエステル)、(R)−(+)−Bay K 8644((4R)−1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−5−ニトロ−[トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジンカルボン酸メチルエステル)、(S)−(−)−Bay K 8644((4S)−1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−5−ニトロ−4−[2−トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジンカルボン酸メチルエステル)、(±)−Bay K 8644(1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−5−ニトロ−4−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジンカルボン酸,メチルエステル)、コノトキシンGVIA、塩酸ジルチアゼム((2S−シス)−3−(アセチルオキシ)−5−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン)、FPL 64176(2,5−ジメチル−4−[2−(フェニルメチル)ベンゾイル]−1H−ピロール−3−カルボン酸メチルエステル)、塩酸ガバペチン(1−(アミノメチル)シクロヘキサン酢酸)、[3H]−ガバペチン(1−(アミノ−[3H]−メチル)−[2,3,5,6−3H]−シクロヘキサン酢酸)、イスラジピン(4−(2,1,3−ベンズオキサジアゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンカルボン酸メチル1−メチルエチルエステル)、塩酸ロペラミド(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−a,a−ジフェニル−1−ピペリジンブタンアミド)、塩酸ニグルジピン(Niguldipine)、ニモジピン(1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸2−メチルオキシエチル1−メチルエチルエステル)、ニトレンジピン(1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸エチルメチルエステル)、Ruthenium Red Ammoniated(オキシ塩化ルテニウム)、SKF 96365ヒドロクロリド(1−[2−(4−メトキシフェニル)−2−[3−(4−メトキシフェニル)プロポキシ]エチル−1H−イミダゾール)、SR 33805オキサレート(3,4−ジメトキシ−N−メチル−N−[3−[4−[[1−メチル−3−(1−メチルエチル)−1H−インドール−2−イル]スルホニル]フェノキシ]プロピル]ベンゼンエタンアミンオキサレート)、塩酸ベラパミル(a−[3−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]メチルアミノ]プロピル]−3,4−ジメトキシ−a−(1−メチルエチル)ベンゼンアセトニトリル)、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。他のカルシウムチャネルモジュレーターは、当業者によって容易に認識される。
原理において、カルシウム流束は、プロラクチン放出GH3細胞において示される(Charles,A.C.ら,「L−type Ca2+ channels and K+ channels specifically modulate the frequency and amplitude of spontaneous Ca2+ oscillations and have distinct roles in prolactin release in GH3 cells」、J Biol Chem,274(11):7508−15(1999))ような、振幅(AM)ドメインまたは周波数(FM)ドメインにおいて調節され得る(Berridge,M.J.、「The AM and FM of calcium signalling」、Nature、386(6627):759−60(1997))。しかし、本明細書中に提供される例は、振動が振幅であり、かつニモジピンによって用量依存的な様式で調節される周波数でないことを示す。特に、特徴的で不規則な振動パターンおよび周波数は、変化しないが、ベースラインの遊離カルシウムレベルに対する振動の相対的な振幅は、顕著に弱められた。したがって、振幅の変化のみが、分析について考慮された。
まとめると、これらの知見は、L型チャネルのブロックのみが、カルシウム流束を低下させるが、振動の周波数に寄与するペースメーカー機構を妨害しないことを示す。しかし、個々の細胞の応答は、同じ実験においてかなり異なった。それぞれ個々の細胞の用量反応曲線および重要なパラメータ(例えば、傾きおよびIC50(最大阻害の50%を引き出す薬物濃度))は、細胞によって著しく異なった。このことは、驚くべき発見である。なぜならそれらの細胞は、クローンの細胞であり、そして同じ環境において増殖し、かつ同一の処理に供されたからである。したがって、全細胞にわたる用量反応の平均(これは、従来の技術を使用して行われる代表的な計算の1つである)は、遺伝子によって予め決められた応答機能と同様に細胞の統計学的分布に依存する。
本明細書中で考察される実施形態に関して、個々の応答の特徴は、限界(例えば、応答の最小用量および最大用量)を定めるが、傾きおよびIC50値の平均は、個々の異なる応答の合計から得られる。まとめると、これらの知見は、個々の細胞の応答の特徴が、種々の生物学的モデルにおいて、病理学的−生理学的かつ治療的な関連を有し得ることを示唆する。例えば、種々の実施形態において、細胞集団から、生物体において異なる調節特性を有する細胞への統計的シフト(statistical shift)は、変性および加齢の間の薬物応答の段階的な変化または進行性の変化を説明し得る。他の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、本来の細胞の調節特性に適合しなければならない、幹細胞よる組織再生に関する用途を有し得る。例えば、糖尿病において、インスリンを分泌するβ細胞の喪失を補うように設計された幹細胞療法(これは、カルシウム振動によって達成される)は、幹細胞の調節特性が、目的とする患者のインスリンのニーズと適合するか否かを見るために分析され得る。他の用途は、当業者によって認識され、したがって本明細書中に含まれる。
細胞生物学は、次第に創薬の重要な部分となっている。利用可能な多岐にわたる試薬およびアッセイキットが存在し、それらとしては、標識抗体、色素、トランスフェクション手段、検出プローブ、種々のプロトコルおよびソフトウェアベースの同定システムが挙げられる。細胞レベルおよび組織レベルのアッセイは、リード化合物のスクリーニング、リード化合物の最適化、毒物学および標的の同定ならびに確認用途のために使用される。本明細書中で考察される実施形態は、必要に応じて、当業者に公知である他の技術と組み合わせて使用され得、その技術としては、上述の技術、ならびに例えば、サイクリックAMP(cAMP)アッセイ、蛍光顕微鏡法、閃光光分解およびパッチクランプ技術が挙げられるが、これらに限定されない。他の用途は、当業者によって認識され、したがって本明細書中に含まれる。
本明細書中で考察される実施形態に関して、その結果は、細胞を個別に調べる重要性を強調する。実際に、統計学的分布における偏差は、細胞サンプルの完全な集団にわたって平均する従来の方法論によっては検出することができない。
(実施例1:細胞培養)
AtT−20/D16−F2マウスの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を分泌する下垂体細胞(CRL−1795;American Type Culture Collection;2003)を、10%ウシ胎仔血清(Omega Scientifics;Tarzana、CAから入手した)を補充し、2mMのグルタミンおよび1%の抗生物質/抗真菌剤(100U/mLのペニシリンGナトリウム、100μg/mLの硫酸ストレプトマイシン、250ng/mLのアンホテリシンB(0.85%生理食塩水中のFungisone(登録商標));Invitrogenから入手した)を加えた、血清を含有する低濃度グルコースのDulbecco改変Eagles培地(DMEM)(Invitrogen;Carlsbad、CAから入手した)中で、6%のCO2で37℃の加湿したインキュベーターにおいて増殖させた。
AtT−20/D16−F2マウスの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を分泌する下垂体細胞(CRL−1795;American Type Culture Collection;2003)を、10%ウシ胎仔血清(Omega Scientifics;Tarzana、CAから入手した)を補充し、2mMのグルタミンおよび1%の抗生物質/抗真菌剤(100U/mLのペニシリンGナトリウム、100μg/mLの硫酸ストレプトマイシン、250ng/mLのアンホテリシンB(0.85%生理食塩水中のFungisone(登録商標));Invitrogenから入手した)を加えた、血清を含有する低濃度グルコースのDulbecco改変Eagles培地(DMEM)(Invitrogen;Carlsbad、CAから入手した)中で、6%のCO2で37℃の加湿したインキュベーターにおいて増殖させた。
共焦点イメージングのために、細胞を、分析の12時間前に、10μg/mlのポリL−リジン(Sigma Aldrich;St.Louis、MOから入手した)によってコーティングした25mmカバーガラス上の6ウェルプレートにおいて、0.3%ウシ(BSA)および抗生物質を含む低濃度グルコースDMEM中で70%密集度まで増殖させた。
イオンが画像化される細胞を、Calcium Green−1 AM 488色素(Molecular Probes;Eugene ORから入手した)を用い、製造業者の指示書に従って染色した。簡単にいうと、細胞を、非イオン性洗浄剤Pluronic F−127(10%水溶液)によって補助して、Calcium Green色素の1μM溶液中に30分間懸濁した。25mmカバーガラスを、Attofluor細胞培養チャンバー(Molecular Probes;Eugene、ORから入手した)に移し、そして血清を含まない1mlの培養培地で満たした。
(実施例2:細胞質ゾルのカルシウムの共焦点イメージング)
Attofluor細胞培養チャンバーを、DMIRB/E倒立顕微鏡(Leica Microsystems;Wetzlar、Germanyから入手した)を取り付けたPenCon温度制御型インキュベーター内部に37℃にて配置した。細胞を、温度制御した63x/1.2 N.A.w/PlanApo水浸対物レンズを使用し、TCS SP共焦点スキャナー(Leica Microsystemsから入手した)を用いて画像化した。インキュベーターの温度のデジタル式の読み出しを較正した水銀温度計を用いて検査して、0.2℃の範囲内の値を確認した。
Attofluor細胞培養チャンバーを、DMIRB/E倒立顕微鏡(Leica Microsystems;Wetzlar、Germanyから入手した)を取り付けたPenCon温度制御型インキュベーター内部に37℃にて配置した。細胞を、温度制御した63x/1.2 N.A.w/PlanApo水浸対物レンズを使用し、TCS SP共焦点スキャナー(Leica Microsystemsから入手した)を用いて画像化した。インキュベーターの温度のデジタル式の読み出しを較正した水銀温度計を用いて検査して、0.2℃の範囲内の値を確認した。
励起のために、488nmのアルゴンレーザー線を、最小に設定したレーザー出力および488nmの音響光学型波長可変光フィルター(AOTF)(9%の透過)によって使用した。
微速度撮影のシーケンスを、約3fps(350ms/フレーム)の走査速度を生じる、128×128ピクセルの分解能における中間の走査速度、双方向走査様式にスキャナーを設定することによって取得した。時間分解能試験のために、走査速度を、速い双方向走査様式に変えることによって10fpsまで増大させた。ピンホールを、最大の収集効率のために3.5エアリー単位まで開いた。
(実施例3:用量反応の取得)
細胞を、各用量について5分間の時間間隔で画像化した。ベースラインの値を、5回の5分間の前処理間隔によって取得した。連続して、選択した薬物を、1オーダーの増加量の漸増性の用量で、各5分間の間隔について添加した。合計の記録時間は、45分間であった。各5分間の間隔を、持続時間が45分間の実験内でTag Image File Format(TIFF)ファイルの別々の時系列として保存した。
細胞を、各用量について5分間の時間間隔で画像化した。ベースラインの値を、5回の5分間の前処理間隔によって取得した。連続して、選択した薬物を、1オーダーの増加量の漸増性の用量で、各5分間の間隔について添加した。合計の記録時間は、45分間であった。各5分間の間隔を、持続時間が45分間の実験内でTag Image File Format(TIFF)ファイルの別々の時系列として保存した。
(実施例4:測定および分析)
画像の時間シーケンス(time sequence)を、1つの5分間の記録間隔(単一用量に対応する)からのTIFFファイルをスタックへインポートすることによって、Image Processing and Analysis in Java(登録商標)(ImageJ software;National Institutes of Health;Bethesda、MDから入手した)において手動で分析した。強度を、各細胞の周りの目的領域(ROI)を抜き出し、そしてスタックプロフィール測定機能を使用することによって測定した。この機能は、時間にわたるROIの平均輝度を測定する。得られた数値を、Excelスプレッドシート(Microsoft Corporation;Redmond、WAから入手した)に転送した。
画像の時間シーケンス(time sequence)を、1つの5分間の記録間隔(単一用量に対応する)からのTIFFファイルをスタックへインポートすることによって、Image Processing and Analysis in Java(登録商標)(ImageJ software;National Institutes of Health;Bethesda、MDから入手した)において手動で分析した。強度を、各細胞の周りの目的領域(ROI)を抜き出し、そしてスタックプロフィール測定機能を使用することによって測定した。この機能は、時間にわたるROIの平均輝度を測定する。得られた数値を、Excelスプレッドシート(Microsoft Corporation;Redmond、WAから入手した)に転送した。
6(6)秒間スライドする時間フレームにわたる(f最大−f最小)/fメジアンの比を、算出した。各5分間の間隔に対して算出された比を、最終的な分析のために平均した。得られた表は、1データポイントとして、各細胞および用量についての平均の比を含んだ。
これらの値を、曲線のあてはめ、および統計的解析のためにPrismソフトウェア(Graphpad Software;San Diego、CAから入手した)に転送した。最終結果に関して、振幅の値を標準化し、そしてS字の用量反応曲線を、各細胞または細胞の集団にわたる平均のいずれかに対する可変勾配(variable slope)と適合させた。
上の説明は本発明の特定の実施形態を参照するが、多くの改変が本発明の精神から逸脱することなくなされ得ることが理解される。添付の特許請求の範囲は、本発明の真の範囲および精神に含まれるような改変を網羅することが意図される。したがって、本開示の実施形態は、全ての点において例示として考慮され、そして限定として考慮されないべきであり、本発明の範囲は、上述の説明よりもむしろ添付の特許請求の範囲によって示され、したがって、特許請求の範囲の意味および均等の範囲内に入るすべての変更は、特許請求の範囲の意味および均等の範囲内に包含されることが意図される。
Claims (42)
- 細胞においてイオン振動をモニタリングする方法であって、
蛍光顕微鏡を提供する工程であって、該顕微鏡の空間分解能、該顕微鏡のスペクトル分解能、および該顕微鏡の時間分解能は、励起および放出について個別に調整可能である、工程;
イオンセンサを該細胞に投与する工程;
該顕微鏡の画像化パラメータを確立する工程;ならびに
該顕微鏡の該パラメータを用いて該細胞を一定の時間間隔について画像化して、該振動をモニタリングする工程;
を包含する、方法。 - 前記イオンは、Ca2+、Ca+、K+、Na+、H+、Cl−、HCO3 −、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるイオンである、請求項1に記載の方法。
- 前記細胞は、哺乳動物細胞である、請求項1に記載の方法。
- 前記イオンセンサは、エレクトロクロミック膜電位色素、膜電位再分布色素、イオン感受性蛍光タンパク質、イオン感受性蛍光色素またはイオン感受性発光色素、Fura−2、Fluo−3、Fluo−4、Indo−1、Calcium Green−1、Calcium Green−2、Calcium Orange、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるセンサである、請求項1に記載の方法。
- 前記イオンセンサは、Calcium Green色素である、請求項1に記載の方法。
- 前記顕微鏡の空間分解能、前記顕微鏡のスペクトル分解能、および前記顕微鏡の時間分解能は、該顕微鏡の必要最低限の空間分解能、該顕微鏡の必要最低限のスペクトル分解能、および該顕微鏡の必要最低限の時間分解能まで個別に調整される、請求項1に記載の方法。
- 前記顕微鏡の空間分解能は、以下の工程:
i.該顕微鏡上に細胞を配置する工程;
ii.画像化される該細胞の領域のサイズを決定する工程;および
iii.該顕微鏡の倍率を、投影像平面サイズの半分以下のサイズに調整する工程;
を用いて調整される、請求項1に記載の方法。 - 前記顕微鏡のスペクトル分解能は、以下の工程:
i.該顕微鏡上に細胞を配置する工程;
ii.バックグラウンドの蛍光の閾値を決定する工程;および
iii.分光光度計の波長検出窓の幅を、該閾値より小さいバックグラウンドの蛍光を画像化するように調整する工程;
を用いて調整される、請求項1に記載の方法。 - 前記顕微鏡の時間分解能は、以下の工程:
i.該顕微鏡上に細胞を配置する工程;
ii.周波数を決定する工程;および
iii.時間分解能を、振動を分解するように調整する工程;
を用いて調整される、請求項1に記載の方法。 - 細胞のイオン振動を測定するための方法であって、
薬剤を提供する工程;
該薬剤を該細胞に投与する工程;および
該薬剤に対する該細胞の該振動をモニタリングして、該振動を測定する工程;
を包含する、方法。 - 前記モニタリングする工程はさらに、蛍光顕微鏡を提供する工程であって、該顕微鏡の空間分解能、該顕微鏡のスペクトル分解能、および該顕微鏡の時間分解能は、励起および放出について個別に調整可能である、工程;イオンセンサを前記細胞に投与する工程;該顕微鏡の画像化パラメータを確立する工程;ならびに該顕微鏡の該パラメータを用いて該細胞を時間間隔について画像化して、前記振動をモニタリングする工程、を包含する、請求項10に記載の方法。
- 前記イオンは、Ca2+、Ca+、K+、Na+、H+、Cl−、HCO3 −、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるイオンである、請求項11に記載の方法。
- 前記細胞は、哺乳動物細胞である、請求項11に記載の方法。
- 前記イオンセンサは、エレクトロクロミック膜電位色素、膜電位再分布色素、イオン感受性蛍光タンパク質、イオン感受性蛍光色素またはイオン感受性発光色素、Fura−2、Fluo−3、Fluo−4、Indo−1、Calcium Green−1、Calcium Green−2、Calcium Orange、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるセンサである、請求項11に記載の方法。
- 前記イオンセンサは、Calcium Green色素である、請求項11に記載の方法。
- 前記顕微鏡の空間分解能、前記顕微鏡のスペクトル分解能、および前記顕微鏡の時間分解能は、該顕微鏡の必要最低限の空間分解能、該顕微鏡の必要最低限のスペクトル分解能、および該顕微鏡の必要最低限の時間分解能まで個別に調整される、請求項11に記載の方法。
- 前記顕微鏡の空間分解能は、以下の工程:
i.該顕微鏡上に細胞を配置する工程;
ii.画像化される該細胞の領域のサイズを決定する工程;および
iii.該顕微鏡の倍率を、投影像平面サイズの半分以下のサイズに調整する工程;
を用いて調整される、請求項11に記載の方法。 - 前記顕微鏡のスペクトル分解能は、以下の工程:
i.該顕微鏡上に細胞を配置する工程;
ii.バックグラウンドの蛍光の閾値を決定する工程;および
iii.分光光度計の波長検出窓の幅を、該閾値より小さいバックグラウンドの蛍光を画像化するように調整する工程;
を用いて調整される、請求項11に記載の方法。 - 前記顕微鏡の時間分解能は、以下の工程:
i.該顕微鏡上に細胞を配置する工程;
ii.周波数を決定する工程;および
iii.時間分解能を、振動を分解するように調整する工程;
を用いて調整される、請求項11に記載の方法。 - 単一細胞のイオン振動の用量反応曲線を細胞サンプルから作製する方法であって、
i.細胞サンプルを画像化する手段を提供する工程;
ii.薬剤を該サンプルに投与する工程;
iii.該手段を用いて該サンプルを一定の時間間隔について画像化して、該薬剤に対する振動反応の一連の画像を作製する工程;
iv.工程i〜工程iiiを少なくとも5回繰り返す工程であって、各繰り返しについて該薬剤の異なる用量を使用する、工程;
v.振動を該画像から測定する工程;
vi.各用量に対して該振動をプロットして、振動のプロットを該サンプルの各単一細胞について作製する工程;および
vii.該プロットを該サンプルの各単一細胞についての用量反応曲線に変換する工程;
を包含する、方法。 - 前記細胞を画像化する手段は、蛍光顕微鏡であり、該顕微鏡の空間分解能、該顕微鏡のスペクトル分解能、および該顕微鏡の時間分解能は、励起および放出について個別に調整可能である、請求項20に記載の方法。
- 前記画像化はさらに、イオンセンサを前記細胞に投与する工程;該顕微鏡の画像化パラメータを確立する工程;ならびに該顕微鏡の該パラメータを用いて該細胞を一定の時間間隔について画像化して、前記振動をモニタリングする工程を包含する、請求項20に記載の方法。
- 前記イオンは、Ca2+、Ca+、K+、Na+、H+、Cl−、HCO3 −、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるイオンである、請求項22に記載の方法。
- 前記細胞は、哺乳動物細胞である、請求項20に記載の方法。
- 前記イオンセンサは、エレクトロクロミック膜電位色素、膜電位再分布色素、イオン感受性蛍光タンパク質、イオン感受性蛍光色素またはイオン感受性発光色素、Fura−2、Fluo−3、Fluo−4、Indo−1、Calcium Green−1、Calcium Green−2、Calcium Orange、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるセンサである、請求項22に記載の方法。
- 前記イオンセンサは、Calcium Green色素である、請求項22に記載の方法。
- 前記顕微鏡の空間分解能、前記顕微鏡のスペクトル分解能、および前記顕微鏡の時間分解能は、該顕微鏡の必要最低限の空間分解能、該顕微鏡の必要最低限のスペクトル分解能、および該顕微鏡の必要最低限の時間分解能まで個別に調整される、請求項21に記載の方法。
- 前記顕微鏡の空間分解能は、以下の工程:
i.該顕微鏡上に細胞を配置する工程;
ii.画像化される該細胞の領域のサイズを決定する工程;および
iii.該顕微鏡の倍率を、投影像平面サイズの半分以下のサイズに調整する工程;
を用いて調整される、請求項21に記載の方法。 - 前記顕微鏡のスペクトル分解能は、以下の工程:
i.該顕微鏡上に細胞を配置する工程;
ii.バックグラウンドの蛍光の閾値を決定する工程;および
iii.分光光度計の波長検出窓の幅を、該閾値より小さいバックグラウンドの蛍光を画像化するように調整する工程;
を用いて調整される、請求項21に記載の方法。 - 前記顕微鏡の時間分解能は、以下の工程:
i.該顕微鏡上に細胞を配置する工程;
ii.周波数を決定する工程;および
iii.時間分解能を、振動を分解するように調整する工程;
を用いて調整される、請求項21に記載の方法。 - 細胞サンプルのイオン振動の用量反応曲線を単一細胞のイオン振動の用量反応曲線から作製する方法であって、
i.細胞サンプルを画像化する手段を提供する工程;
ii.薬剤を該サンプルに投与する工程;
iii.該手段を用いて該サンプルを一定の時間間隔について画像化して、該薬剤に対する振動反応の一連の画像を作製する工程;
iv.工程i〜工程iiiを少なくとも5回繰り返す工程であって、各繰り返しについて該薬剤の異なる用量を使用する、工程;
v.該振動を該画像から測定する工程;
vi.各用量に対して該振動をプロットして、振動のプロットを該サンプルの各単一細胞について作製する工程;
vii.該プロットを該サンプルの各単一細胞についての用量反応曲線に変換する工程;
viii.該サンプル由来の異なる細胞を使用して、工程i〜工程viiを少なくとも2回繰り返す工程;および
ix.各単一細胞の用量反応曲線を平均して、該用量反応曲線を該サンプルについて作製する工程;
を包含する、方法。 - 前記細胞を画像化する手段は、蛍光顕微鏡であり、該顕微鏡の空間分解能、該顕微鏡のスペクトル分解能、および該顕微鏡の時間分解能は、励起および放出について個別に調整可能である、請求項31に記載の方法。
- 前記画像化する工程はさらに、イオンセンサを前記細胞に投与する工程;該顕微鏡の画像化パラメータを確立する工程;ならびに該顕微鏡の該パラメータを用いて該細胞を一定の時間間隔について画像化して、前記振動をモニタリングする工程をさらに包含する、請求項31に記載の方法。
- 前記イオンは、Ca2+、Ca+、K+、Na+、H+、Cl−、HCO3 −、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるイオンである、請求項33に記載の方法。
- 前記細胞は、哺乳動物細胞である、請求項31に記載の方法。
- 前記イオンセンサは、エレクトロクロミック膜電位色素、膜電位再分布色素、イオン感受性蛍光タンパク質、イオン感受性蛍光色素またはイオン感受性発光色素、Fura−2、Fluo−3、Fluo−4、Indo−1、Calcium Green−1、Calcium Green−2、Calcium Orange、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるセンサである、請求項33に記載の方法。
- 前記イオンセンサは、Calcium Green色素である、請求項33に記載の方法。
- 前記顕微鏡の空間分解能、前記顕微鏡のスペクトル分解能、および前記顕微鏡の時間分解能は、該顕微鏡の必要最低限の空間分解能、該顕微鏡の必要最低限のスペクトル分解能、および該顕微鏡の必要最低限の時間分解能まで個別に調整される、請求項32に記載の方法。
- 前記顕微鏡の空間分解能は、以下の工程:
i.該顕微鏡上に細胞を配置する工程;
ii.画像化される該細胞の領域のサイズを決定する工程;および
iii.該顕微鏡の倍率を、投影像平面サイズの半分以下のサイズに調整する工程;
を用いて調整される、請求項32に記載の方法。 - 前記顕微鏡のスペクトル分解能は、以下の工程:
i.該顕微鏡上に細胞を配置する工程;
ii.バックグラウンドの蛍光の閾値を決定する工程;および
iii.分光光度計の波長検出窓の幅を、該閾値より小さいバックグラウンドの蛍光を画像化するように調整する工程;
を用いて調整される、請求項32に記載の方法。 - 前記顕微鏡の時間分解能は、以下の工程:
i.該顕微鏡上に細胞を配置する工程;
ii.周波数を決定する工程;および
iii.時間分解能を、振動を分解するように調整する工程;
を用いて調整される、請求項32に記載の方法。 - 細胞においてイオン振動をモニタリングおよび測定するための装置であって、該装置は、蛍光顕微鏡を備え、該顕微鏡の空間分解能、該顕微鏡のスペクトル分解能、および該顕微鏡の時間分解能は、励起および放出について個別に調整可能である、装置。
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