JP2008521537A - 外科用シーリング器具 - Google Patents

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Abstract

外科用シーリング器具405が、第1シーリング部材5及び第2シーリング部材6を有する。両シーリング部材5、6の間に薄いスリットが形成される。閉位置では、第1シーリング部材5が第2シーリング部材6を貫通する通路2の遠位端開口を重なって、腹部4からの吹送ガスの漏れを防止する。開位置では、第1シーリング部材5を引っ込めて通路2の遠位端開口を露出させ、外科医の手や前腕3のような物体を腹部4内に通すことを容易にする。器具405は、第1シーリング部材5の近位側の外面408に固着された平坦な支持要素406を有する。第1シーリング部材5は、取付領域409において第2シーリング部材6に固着され、分離領域407は第2シーリング部材6に固着されないままである。

Description

本発明は、外科手術の際の使用に適する、特に、腹腔鏡手術または用手補助する(hand assisted)腹腔鏡手術の際の使用に適する外科用シーリングに関するものである。
腹部領域において外科手術を行う場合、切開部を形成しかつ次に切開部の側部を引っ張ってアクセスのための開口部を形成することはよく知られている。この開口部は、吹送ガスが漏れるのを防止し、かつ吹送を維持しようとして、その開口部は弁でシールすることができる。しかし、器具や外科医の手がアクセスできるようにしつつ、有効に気密にシールするのは困難である。
本発明は、これらの問題を解決する外科用シーリング器具を提供することを目的とする。
本発明によれば、外科用シーリング器具であって、
体腔への開口をシールするために、第1のシーリング部材及び第2のシーリング部材からなり、前記シーリング部材が、前記開口をシールするための前記シーリング部材が少なくとも部分的に互いに重なり合う閉位置と、物体が前記第1シーリング弁を通して前記体腔にアクセスするのを容易にするための開位置との間で相対移動可能な第1シーリング弁と、
物体が第1シーリング弁を通るのを容易にするべく少なくとも一方の前記シーリング部材を少なくとも部分的に支持するための少なくとも1つの支持要素とを有する外科用シーリング器具が提供される。
本発明の或る実施形態では、前記支持要素が、前記シーリング部材の前記閉位置から前記開位置への相対的な移動を容易にするべく、前記シーリング部材を少なくとも部分的に支持するように構成される。前記支持要素は、前記シーリング部材の少なくとも一部分の変形を最小にするように構成することができる。
或る場合には、前記シーリング部材が実質的に平坦である。前記支持要素は、前記シーリング部材の少なくとも一部分の、前記シーリング部材の面に対して実質的に垂直な方向への変形を最小にするように構成してもよい。
前記支持要素は実質的に平坦であってよい。
別の実施形態では、前記シーリング部材が互いに固着されており、前記各シーリング部材が、他の前記シーリング部材に取り付けられる第1領域と、前記他のシーリング部材から分離されたままの第2領域とを有する。前記支持要素は、前記シーリング部材の前記第2領域の変形を最小にするように構成してもよい。
或る場合には、前記支持要素は、前記シーリング部材の少なくとも一部分の硬さを高める補強要素を有する。
前記支持要素は、前記シーリング部材に取り付けることができる。或る場合には、前記支持要素は、前記シーリング部材の外面に取り付けられる。前記支持要素は、前記シーリング部材に埋め込むことができる。
本発明の或る実施形態では、前記シーリング部材の少なくとも一方が、少なくとも部分的にゲル状エラストマ材料からなる。或る場合には、前記シーリング部材の両方が、少なくとも部分的にゲル状エラストマ材料からなる。別の場合には、前記材料が可塑剤を含む。前記可塑剤は、天然物由来の油、合成油、及び液体オリゴマーからなる群から選択することができる。
或る場合には、前記第2シーリング弁が、前記閉位置に付勢されている。或る場合には、前記シーリング部材の少なくとも一方が、前記第1シーリング弁を前記閉位置に付勢する弾性材料からなる。
前記第1のシーリング部材と前記第2のシーリング部材とによって、閉位置において互いに重なる重なり部分を画定することができる。或る場合には、少なくとも前記シーリング部材の前記重なり部分が、概ね平坦である。別の場合には、前記重なり部分の両方の面がわずかにオフセットしている。別の場合には、前記閉位置において、前記重なり部分が互いに係合している。或る場合には、前記係合を生じる力が、外科医の手のような物体の挿入によって超克される。
別の実施形態では、前記第1シーリング部材の前記第2シーリング部材との重なりの間に薄いスリットが画定される。
前記第1シーリング部材は前記第2シーリング部材に固着することができる。或る場合には、前記第1シーリング部材は、前記第2シーリング部材と一体的に形成される。別の場合には、前記第1シーリング部材が、前記第2シーリング部材と一体的にモールド成形される。或る場合には、前記第1シーリング部材が、閉位置において前記第2シーリング部材と重なる重なり領域を有し、前記重なり領域が、前記第2シーリング部材に取り付けられた第1領域と、前記第2シーリング部材から分離された第2領域とを有する。或る場合には、前記第1シーリング部材と前記第2シーリング部材の前記第2領域との間に薄いスリットが画定される。別の場合には、前記スリットが、周方向に約90度にわたって延長している。前記スリットの半径寸法と前記第1シーリング部材全体の半径寸法との比は約1対4とすることができ、或る場合には、約1対8である。
好ましい場合には、前記閉位置において、前記第1シーリング部材の前記第2領域が前記第2シーリング部材に係合する。前記第1シーリング部材の前記第2領域は、前記第2シーリング部材に係合するように付勢され得る。
前記第1シーリング弁は、体腔の外部で、前記体腔への開口から近位側に配置されるように構成することができる。前記第1シーリング弁は、体腔の内部で、前記体腔への開口から遠位側に配置されるように構成してもよい。
或る場合には、前記第1シーリング部材が実質的に平坦である。或る場合には、前記第2シーリング部材が実質的に平坦である。
好ましい実施形態では、前記器具が、体腔への開口を通す物体の周囲をシールするための第2シーリング弁を有する。
前記第1シーリング弁は、前記第2シーリング弁の遠位側に配置することができる。前記第1シーリング弁は、前記第2シーリング弁の近位側に配置することができる。
或る場合には、前記第1シーリング弁は、前記第2シーリング弁から長手方向に離隔されている。一方のシーリング弁が、体腔の外部で、前記体腔への開口から近位側に配置されるように構成され、他方のシーリング弁が、前記体腔の内部で、前記体腔への開口から遠位側に配置されるように構成することができる。
別の場合には、前記第1シーリング弁が、前記第2シーリング弁に隣接して直近に配置される。前記第1シーリング弁及び前記第2シーリング弁の両方を、体腔の外部で、前記体腔への開口から近位側に配置することができる。前記第1シーリング弁及び前記第2シーリング弁の両方を、体腔の内部で、前記体腔への開口から遠位側に配置することができる。
或る場合には、前記第2シーリング部材が、前記第2シーリング弁を提供する。別の場合には、前記第2シーリング部材が、それを貫通して延長する通路を有し、該通路を通して物体を体腔にアクセスさせることができる。前記第2シーリング部材は、前記通路の側壁と前記通路を通して挿入される物体との間にシールを施すように構成することができる。
或る場合には、前記閉位置において、前記第1シーリング部材が前記通路の端部を横断して延在し、前記通路の前記端部の全周において前記第2シーリング部材に重なる。或る場合には、前記開位置において、前記第1シーリング部材が、前記通路の前記端部の少なくとも一部分を露出させるように引き込められる。
前記第2シーリング弁はリップシール弁で構成することができる。
さらに別の実施形態では、前記器具は、レトラクタ器具に取り付け可能である。或る場合には、前記器具は、該器具をレトラクタ器具に取り付けるための取り付け要素を有する。別の場合には、前記取り付け要素が、前記シーリング弁に固着される。前記シーリング弁の一部が、前記取り付け要素の一部の周囲にオーバーモールディングされる。前記取り付け要素が、1つ又は複数のオーバーモールディング用の開口を有することができる。或る場合には、前記取り付け要素は、前記器具をレトラクタ器具にスナップ留めで取り付けるために形成された係合部分を有する。
前記取り付け要素はリング要素を有することができる。
或る場合には、前記器具が、該器具をレトラクタ器具に取り付ける際に、前記器具と前記レトラクタ器具との間にシールを施すように構成される。別の場合には、少なくとも一方の前記シーリング部材が、レトラクタ器具への取り付け時に該レトラクタ器具に係合するように構成される。
別の実施形態では、前記第1シーリング弁が、該第1シーリング弁を閉位置に付勢する付勢部材を有する。或る場合には、前記付勢部材は、前記第1シーリング部材と前記第2シーリング部材との間に延在する弾性要素を有する。前記弾性要素はばねで構成することができる。
前記付勢部材は、前記第1シーリング部材上の磁石要素と、それに協働する前記第2付勢部材上の磁石要素とから構成することができる。
別の場合には、前記第1シーリング弁は、前記第1シーリング部材の前記第2領域を前記第2シーリング部材との係合に向けて付勢する付勢部材を有する。或る場合には、前記付勢部材は、前記第1シーリング部材の前記第2領域に張力を与えるための弾性要素を有する。別の場合には、前記弾性要素が、前記第1シーリング部材の前記第2領域と前記第2シーリング部材との間に延在する。
或る場合には、前記第1シーリング部材が、前記第2シーリング部材に関して閉位置と開位置の間でヒンジ動作可能である。
前記第1シーリング部材は、少なくとも部分的に湾曲したものであってよい。
前記第1シーリング部材は、少なくとも部分的に実質的に球形であってよい。前記第2シーリング部材は、実質的に湾曲したものであってよい。
前記閉位置において、前記第1シーリング部材は、前記通路内に少なくとも部分的に延長させることができる。
或る実施形態では、前記第2シーリング部材の厚さが、前記第2シーリング部材の全幅に亘って変化している。或る場合には、前記第2シーリング部材の厚さが、前記通路に隣接した位置で最大である。
前記通路が長手方向軸を画定し、前記通路の長手方向軸は、体腔への開口によって画定される長手方向軸に対して鋭角をなすように構成することができる。或る場合には、前記通路の長手方向軸は、前記第1シーリング部材の第2領域に向って角度をもたせる。
別の場合には、前記器具は、通路を閉鎖するための閉鎖部材を有する。或る場合には、前記閉鎖部材がプラグからなる。
或る実施形態では、前記第2シーリング弁は、通路がその中を貫通する第3シーリング部材を有し、該通路の中に物体を挿入して体腔にアクセスさせることができる。或る場合には、前記第3シーリング部材は、前記通路の側壁と前記通路を通して挿入される物体との間にシールを施すように構成される。別の場合には、前記第3シーリング部材が、少なくとも部分的にゲル状エラストマ材料からなる。
前記第2シーリング弁は、少なくとも部分的に膨張可能にすることができる。前記第2シーリング弁はアイリスバルブで構成することができる。
さらに別の場合には、前記器具が、体腔への開口をシールするための第3シーリング弁を有する。或る場合には、前記第3シーリング部材が第4シーリング部材を有し、前記第2シーリング部材と前記第4シーリング部材とは、前記第2シーリング部材と前記第4シーリング部材とが少なくとも部分的に互いに重なる閉位置と、前記開位置との間で相対移動可能である。別の場合には、前記第4シーリング部材は、少なくとも部分的にゲル状エラストマ材料からなる。
前記取り付け要素は、前記器具をレトラクタ器具にねじ留めで取り付けるために形成されたねじ部を有し得る。
或る場合には、前記取り付け要素が、前記シーリング弁の近位側に延在するスリーブを有する。或る場合には、前記スリーブが、前記器具をレトラクタ器具に取り付けるべく、前記レトラクタ器具の一部分の周囲に引掛け可能である。前記スリーブは、レトラクタ器具の一部分の周囲に引掛けるための取り付けリングを有することができる。
別の側面によれば、本発明は、外科用アセンブリであって、
体腔への開口の側部を引っ張るためのレトラクタ器具と、
本発明の外科用シーリング器具とからなる外科用アセンブリを提供する。
ある場合には、前記外科用シーリング器具が、前記レトラクタ器具に取り付けられる。
前記レトラクタ器具は遠位端と近位端とを有し、前記外科用シーリング器具が、前記レトラクタ器具の前記遠位端に隣接して配置される。前記レトラクタ器具が遠位端と近位端とを有し、前記外科用シーリング器具を、前記レトラクタ器具の前記近位端に隣接して配置することができる。
以下の、単なる例示であるいくつかの実施形態の説明を添付の図面とともに参照することにより、本発明はより明確に理解されよう。
初めに図1乃至図8を参照すると、本発明による外科用シーリング器具が開示されている。この器具は、腹腔鏡手術または用手補助する腹腔鏡手術のような外科手術の際の使用に適するものである。
器具1は、腹腔鏡手術の場合には、腹部内の吹送ガスの圧力を維持するべく、その器具1を通して腹部に挿入される腹腔鏡器具の周囲にシールを施すために用いられる。用手補助する腹腔鏡手術の場合には、器具1は、腹部内の吹送ガスの圧力を維持するべく、その器具1を通して腹部に挿入される外科医の手または前腕の周囲にシールを施すために用いられる。
器具1は、平坦な第1シーリング部材5と平坦な第2シーリング部材6を有する。第2シーリング部材6には通路2が貫通しており、それを通して、腹腔鏡手術器具や外科医の手/前腕3等の物体を、吹送された腹部のような体腔にアクセスするために挿入することができる。平坦な第1シーリング部材5は、通路5をシールするために使用され得る。
この場合、第1シーリング部材5は弾性材料の形態で設けられる。フラップ部材5は第2シーリング部材6に対して相対移動可能で、通路2をシールする閉位置(図5)と、腹部7にアクセスするための外科医の前腕3のような物体の通路2を通しての挿入を容易にする開位置(図7)との間で移動可能である。閉位置では、フラップ部材5は通路の遠位端の上に延在し、通路2の遠位端の周囲全体に重なって、腹部4からの吹送ガスの漏れを防止する。閉位置において、フラップ部材5は、腹部内の吹送ガスの圧力によって第2シーリング部材6に接触するように付勢される。開位置において、フラップ部材5は通路2の遠位端を露出するように引き込まれて、外科医の手/前腕3のような物体をシーリング器具1を通して腹部4内に挿入可能とする。このようにして、フラップ部材5は重ね合わせシールを構成する。手/前腕3のような物体の通路2を通しての挿入により、フラップ部材5が押されて、フラップ部材5が引き込み位置になる。
この場合、第1シーリング部材5と第2シーリング部材6は、ここでは一体成形によって一体的に形成される。閉位置では、第1シーリング部材5が、通路2の遠位端開口の周囲全体を覆う形で第2シーリング部材6に重なる。この重なり領域では、第1シーリング部材5が、取り付け領域7で第2シーリング部材6に固着され、分離領域8で第2シーリング部材6から分離されている。図2乃至図6に示すように、分離領域8は非常に薄いスリット即ちギャップの形態をとっている。スリップ/ギャップ8は、周方向に約90度にわたって延び、径方向のサイズが第1シーリング部材5の径方向の幅の約1/4で、第2シーリング部材6の径方向の幅の約1/8である。閉位置では、腹部4内の吹送ガス圧が分離領域8を付勢して、通路2の遠位端の周囲で第2シーリング部材6に押し付ける。この結果、薄いスリット/ギャップは閉じられ、腹部4から吹送ガスが漏れ出すのが防止される。
領域8は第2シーリング部材6から分離されていることから、この構造は、物体が通路2に挿入されるときに領域8が引き込み状態になり、この結果スリット/ギャップが物体が通路2から出て腹部4にアクセスするために十分な大きさとなるのを可能とする。通路2を物体が通過するとき、その物体は領域8に接触し、それを押し除ける力を加える。このようにして、領域8は引き込み状態となる。
第1シーリング部材5と第2シーリング部材6は閉位置において重なるので、切開部にシールが形成され、腹部からの吹送ガスの漏れが防止される。従って、重なり合う第1及び第2シーリング部材5及び6は、切開部をシールするための第1シーリング弁を提供する。外科医が手/前腕3のような物体を腹部から引き抜くと、フラップ部材5のもつ弾性付勢する特性によって、フラップ部材5は閉位置に付勢されて、腹部4からの吹送ガスの漏れが防止される。具体的には、フラップ部材5の材料の弾力性がフラップ部材5を閉位置に付勢する。さらに、腹部4内のガス圧がフラップ部材5に作用して、フラップ部材5を閉位置に付勢する。
通路2の側壁は弾性材料からなり、通路2は、一般的にはそこに挿入される物体より小さい直径を有する。従って、通路2を画定する材料は、通路2の側壁と物体との間にシールを生成し、側壁と物体との間に締まりばめ状態を作り出す。このようにして、第2シーリング部材6を貫通する通路2は、物体が通路2を通して腹部4に挿入されている間に物体の周囲をシールする第2シーリング弁として作用する。より具体的には、通路2はリップシールとして作用する。従って、物体を通路2を通して腹部4に挿入中に腹部4から吹送ガスが漏れることが防止される。
腹腔鏡手術の場合、通路2は挿入される腹腔鏡手術器具の周囲をシールするサイズにされる。従って、通路2は、第2シーリング部材6を貫通するピンホールのサイズとされてもよい。ある場合には、第2シーリング部材6は貫通孔なしに形成され、現場で外科医が第2シーリング部材6に器具を通すことによって通路2を形成してもよい。
用手補助する腹腔鏡手術の場合、通路2は外科医の手や前腕の周囲をシールするサイズにされる。図7に示すように、フラップ部材5によって提供される第1シーリング重ね合わせ弁は、通路2によって提供される第2シーリングリップシール弁から長手方向に離れた位置に取り付けられる。
しかし、別形態として、第1シーリング弁が第2シーリング弁の近くに取り付けられてもよいことは理解されよう。
図8に示すように、シーリング器具1は切開部レトラクタ器具10に取り付けられてもよい。この取り付けは、後でより詳細に説明するような差込み型取り付け等を利用した着脱自在方式等の任意の便利な方式で行えばよい。吹送後の腹部4内のガス圧は第1シーリング部材5を押し、第1シーリング部材5をそれが第2シーリング部材6に接する形で押し付け、気腹が維持される。
この場合、器具1は手を併用する腹腔鏡手術(HALS)のための組み合わせ型の重ね合わせ/リップシール弁である。
器具1は一部品構造の成形ゲル材料からなる部品であり得る。第1及び第2シーリング部材5及び6はともにゲル材料から形成される。そのゲル材料は、シリコーンやラテックスのようなエラストマであり得る。ゲル材料が、油及び/または泡を含んでいてもよい。
或る実施形態では、器具1がゲル状のエラストマ材料からなる。ゲル状のエラストマ材料の広範囲の検討が米国特許第5994450号(Pierce)に記載されており、この米国特許の内容はここで引用したことにより本明細書の一部とする。そのようなゲル状のエラストマ材料の一群は、A−B−Aという形のトライブロックコポリマであって、Aはモノアルケニルアレーン(monoalkenylarene)ポリマからなる群から選択されたもので、Bは、複数のイソプレンモノマと複数のブタジエンモノマを含む水素添加ポリマであるものを含み得る。この材料は、天然物由来の油、合成油、及び液体オリゴマーからなる群から選択されたものであり得る可塑剤を含む。本発明のこの実施形態の器具では、ゲル状エラストマ材料が、高い引裂強度と高い柔軟性を有するように配合される。
適切なゲル材料を形成するために必要な材料は、例えば米国ユタ州のEdizone L. C.社から入手できる。ゲル材料は好ましくは、第1シーリング部材5の第2シーリング部材6への取り付け部が裂けることに対する耐性を与えるような高い引裂強度、そして通路2を通して腹部4内に物体を通すために第1シーリング部材5が引き込み状態になるのを可能とするような高い柔軟性という特性を有する。
成形時には、薄いプレートが第1シーリング部材5と第2シーリング部材6との間に配置される。この薄いプレートは、第1シーリング部材5が第2シーリング部材6に完全に一体化されるのを防止する。この結果、第1シーリング部材5は、取り付け領域7である第1の領域において第2シーリング部材6に接合し、分離領域8である第2の領域では第2シーリング部材6に接合しないままとなる。この薄いプレートは、シーリング部材5及び6の間の薄いスリット/ギャップを作り出す。
用途によっては、器具が、別形態として一部品構造の成形ゴムまたはエラストマ部品として形成されてもよい。
材料の高い伸縮性のために手のような物体を通すことができるリップシール孔2が設けられる。重ね合わせフラップ5は、その下に一体的に成形され、リップシール孔2を覆う。重ね合わせフラップ5は、この場合では径方向に延在するスリットから離れた位置においてリップシールの主本体部に接合/一体化される。材料の伸縮性のために、手のような物体で、重ね合わせフラップ5を動かして、スリットを通すことができる。使用時には、スリットはフラップ5を上向きに付勢するガス圧によって閉じられる。物体を通す際には、スリットは、ガス圧を実質的に減らすことなくその物体を通すことを可能とするのにちょうど十分なだけ開かれ得る。ここでリップシール2は、外科医の手首のよな物体をシールして、気腹を維持する。手/前腕3等の物体が取り除かれると、重ね合わせフラップ5は、リップシール2をブロックするその元の位置に戻る。
本発明の外科用シーリング器具が腹腔鏡手術で用いられる場合に、第2シーリング部材6は、別形態として、貫通する通路2を備えていない連続的な1個のブロックゲルとして形成されたものでもよい。この器具が切開部を横断して取り付けられ、切開部シールしているとき、外科医はその現場で、例えば鋭い遠位側先端部を有する腹腔鏡器具を用いて、その器具を第2シーリング部材6に押し込むことによって第2シーリング部材6を穿孔し、第2シーリング部材を貫通する通路を形成し得る。
図9及び図10は、図1乃至図8の器具1を切開部レトラクタ器具に取り付けるときに使用するのに適した取り付けリング20を示す。切開部レトラクタ器具は一般的には腹部4の切開部の側部を引っ張るために用いられる。リング20は、器具1が安定した形でレトラクタ器具に取り付けられ得るだけの十分な硬さを有する。
リング20は、水平面と垂直面の両方に、連続した複数の楕円形の開口即ちスロット21を備えている。スロット21は、器具1のリング20への確実な取り付けを助ける。
器具1のリング20への取り付け方法の一つは、第2シーリング部材6の一部をリング20のパーツの周りにオーバーモールディング(全周封止)する方法である。従って、スロット21は、第2シーリング部材6が器具1をリング20に固着するべくリング20のパーツの周囲に接合するための経路を提供する。
第1及び第2シーリング部材5及び6は一体成形されることから、器具1を成形し、器具1をリング20に取り付けるプロセスは、1つの成形ステップにおいて行うことができる。器具1は、種々の可能な別の方式で取り付けリング20に固着され得ることは理解されよう。例えば、器具1は、接着剤や他の適切な固着手段を用いてリング20に確実に取り付けることができる。
リング20は、内向きに突出する係合リップ23を備える下側に延びるリム22を有する。リップ23は、リング20とオーバーモールディングされた器具1を、レトラクタ器具にスナップ留め式に取り付けるのに特に適する。例えば、図13の切開部レトラクタ器具27の場合には、レトラクタ器具27が、リング20とオーバーモールディングされた器具1を器具27にスナップ留め方式で取り付けるために協働する外向きに延びるレッジ28を有する。
図13に示すように、リング20とオーバーモールドされた器具1が切開部レトラクタ器具27に取り付けられる際に、第2シーリング部材6は遠位側に突出して、切開部レトラクタ器具27に係合する。この構造は、器具1と切開部レトラクタ器具27との間に気密シールを形成し、従って吹送ガスのロスを防止する更なる手段として作用する。
取り付けリングは、任意の適切な方式で切開部レトラクタ器具に取り付けることができる。例えば、図14に示すように、リング30とオーバーモールドされた器具1をレトラクタ器具32に螺合させるために、ねじ部をリング30上に形成し、それと協働するねじ部33を切開部プロテクタ器具32に設けることができる。
図15及び図16では、本発明による別の外科用シーリング器具40が示されており、この器具は図1乃至図8の器具に類似していて、図15及び図16において類似の要素には図1乃至図8の器具と同一の符号を付してある。
この場合には、第1シーリング部材5が半球部分41を有する。閉位置では、半球部分41が通路2内部に部分的に延在し、特に効果的なシールを達成する。
閉位置において、第2シーリング部材5が通路2の遠位端の周辺全体で第2シーリング部材6に接触するのを確実にするために、第2シーリング部材6の厚さを、第2シーリング部材6の幅方向に沿って変化させてもよい。第2シーリング部材6の種々の可能な形態が図17乃至図19に示されている。第2シーリング部材6の厚さを通路2に隣接するところで最大とすることによって、シール効果を向上させ得る。
第2シーリング部材6の近位側を通路2の遠位端から離れる向きの近位側に湾曲させることによって(図18及び図19)、一定の臨床的用途においてはより良好なシール構造が得られることがわかっている。これらの実施例では第1シーリング部材5も、閉位置において湾曲した第2シーリング部材6に嵌合するように湾曲している(図18及び図19参照)。
図17及び図18の実施形態では、第2シーリング部材6の隆起した材料が、重ね合わせ第1シーリング部材5に重圧を与えて、効果的なシールを維持する。図19のものでは、第1シーリング部材5及び第2シーリング部材6の湾曲した/ドーム型の表面がシールを向上させている。
通路2は、図20に示すように、通路の長手方向軸A−Aが切開部の長手方向軸B−Bに対して鋭角をなし、通路2が分離領域8に向かって傾斜するように形成してもよい。
このようにして、通路2は第1シーリング部材5の分離領域8の方向に、器具や外科医の手を効果的にガイドする。これが、通路2を通しての挿入と第1シーリング部材5の引き込みをより速やかかつ滑らかに行う助けとなる。
図21に示すように、第2シーリング部材6と一体成形された追加のシーリング部材50を設けてもよい。この第4シーリング部材50は、第1シーリング部材5に類似しており、重ね合わせフラップの形態で設けられる。閉位置では、第4シーリング部材50は、通路の近位側開口部の周辺全体に重なり合う。このように、第4シーリング部材50が第2シーリング部材6に重なり合うことによって、切開部における気密シールを達成するための第3シーリング弁が形成される。第4シーリング部材50は第2シーリング部材5に対して相対移動可能で、閉位置から、器具や外科医の手の通路2への挿入が容易になる開位置に移動可能である。
この場合には、第4シーリング部材50が、第1及び第2シーリング部材5及び6と同一のゲル状のエラストマ材料からなり、一体的に形成され得る。
第1シーリング部材5を閉位置に付勢するための付勢部材が設けられてもよい。例えば、図22には、第1シーリング部材5の面において第1シーリング部材5の分離領域8に張力を与えるためのU字型弾性重ね板ばね部材60が示されている。この平面において張力を与えることによって、重ね板ばね60が第1シーリング部材5の分離領域8を第2シーリング部材6に係合した状態に付勢する。このようにして、効果的なリースが達成され得る。
図23は、別形態の弾性付勢部材を示す。この場合は、2つのばね61及び62が第1シーリング部材5の分離領域8と第2シーリング部材6との間に設けられて、第1シーリング部材5の面において第1シーリング部材5に張力を与える。
図24乃至図26は、本発明による別の外科用シーリング器具70を示す。この器具は図1乃至図8の器具に類似していて、図24乃至図26において類似の要素には図1乃至図8の器具と同一の符号を付してある。
この場合には、器具70は通路2を閉じるべく通路2内に挿入するプラグ71を有する。プラグ71で通路2を閉じることによって、これが、例えば初めの腹部4の吹送時に吹送ガスのロスを防止するためのさらなるシールを与えるように作用する。
このプラグ71は、コードによって第2シーリング部材6に取り付けられる。
さらに図27には、本発明による別の外科用シーリング器具150が示されている。この実施形態では、器具150が、第1シーリング部材153が第2シーリング部材152に部分的に重なり合うことによって形成される重ね合わせ弁を有する。シーリング部材152及び153等の器具150のエラストマ材料の特性は、挿入される物体を近接して取り囲むような特性である。従って、挿入される物体と弁体との間にガス漏れ経路は実質的に生じない。この結果、器具150は、この他に弁を用いずに使用することができ、シーリング部材152及び153と挿入される物体との間に実質的に吹送ガスの漏れを防止する十分な気密係合を達成する。
図28乃至30には、本発明による別のシーリング器具200が示されている。器具200は、シリコーンをベースにしたゲル等の高い弾性を有するエラストマ材料から形成される。第1シーリング部材202及び第2シーリング部材203は、比較的薄い外辺部分を有する。取り付け領域201には、シーリング部材202及び203は比較的厚い中央部部分を有する。図30に示すように、この中央部分には、切開部の軸線に対して斜めに延びる形態の分離領域スリット205が設けられて、スリット205によって確定されるアクセス経路の周縁部と、それを通る物体との間のシールを向上させている。この場合、弁はそれを通る物体に応じて変形する高いゴム弾性を有し、従って第2の弁は不要となる。
図31乃至図35には、腹腔鏡手術または手を併用する腹腔鏡手術等の外科手術で使用するための、本発明による外科用シーリング器具が示されている。器具101は、第1シーリング部材102及び第2シーリング部材103を有し、これらの部材は通常の閉位置(図33及び図34)と開位置(図35)とを有する。シーリング部材102及び103は、開創された切開部等の開口の前後に延在し、その閉位置において互いに部分的に重なる状態になる。シーリング部材102及び103は、外科医の手/前腕105等の物体の挿入時にシーリング部材102及び103の間のアクセスを容易にするべく動くことができる(図35)。
シーリング部材102及び103は、その閉位置において互いに重なる重なり部分106及び107をそれぞれが有する。シーリング部材102及び103は概ね平坦で、重なり部分106及び106の面は僅かにオフセットしている。重なり部分106及び107は、その閉位置において少なくとも部分的に係合し合う。この場合、シーリング部材102及び103は、ゴム、シリコーン、またはラテックス等の弾力性のあるエラストマシート材料からなる。重なり部分106及び107の係合力は、外科医の手等の物体の挿入によって超克される。
この場合、シーリング部材102及び103は、それぞれOリング110の形の取り付けリングに取り付けられる。スリーブ112は、取り付けOリングから近位側に延在している。
図36を参照すると、別の外科用シーリング器具120が示されており、ここでは図31乃至35の器具101に類似した部品には同じ符号を付して示してある。シーリング部材102及び103は、この場合、ゲル、ネオプレン、ゴム、またはシリコーン等の材料からなり、選択に応じて、係合しない側に上塗り121及び122がされてもよい。実際には、係合を強化するために係合側に上塗りがされることもある。この場合、上塗りは接着性や粘着性を有するものであり得る。
図37を参照すると、ここでは、外科用シーリング器具130が、シーリング部材102及び103の間の係合を強化して、閉位置でのシールを維持するために、重なり部分106及び107にそれぞれ磁石131及び132を有する。協働する磁石要素131及び132は、器具130を閉位置に付勢する付勢部材として作用する。
図38を参照すると、第2シーリング弁として用いられ得るリップシール型の弁1000の形態である第3シーリング部材1000が示されている。リップシール1000はそれを貫通する通路を有し、その通路を通して物体が挿入され得る。通路は、通路の側壁と挿入される物体との間にシールを提供する。リップシール弁1000は、重ね合わせ弁1100のような第1シーリング弁から離れた位置、またはその内部の位置に配置され得る。重ね合わせ弁1100は、上述したタイプのうち任意のタイプのものであり得、類似した部品には同一の符号を付してある。
図39乃至図41を参照すると、重ね合わせ弁1100が切開部のちょうど内側に配置されている。弁1100は、腹部壁141等の手術部位の切開部に配置されたレトラクタに結合される。
レトラクタは、任意の適切な構造を有するものであってよく、例えば、米国特許出願公開第2001/0037053A号、米国特許第6582364号、米国特許出願第10/678653号の中の1以上に記載されたものであってよく、上記の米国特許出願及び米国特許は、ここで引用したことにより本明細書の一部とする。
この場合、レトラクタは、図に示すように、遠位リング142及び近位リング143とともに、それらの間に延在する開創スリーブ144を有する。レトラクタは、近位側ガイド−取り付けリング145を有する。この場合には、近位リング143がガイド−取り付けリング145における凹部に配置されているが、種々の他の構造も可能である。弁スリーブ112はレトラクタに取り付けられ、この場合には取り付けリング145に取り付けられる。弁スリーブ112の遠位端は、図に示すように、結合を強化する強化取り付けリング146を有する。詳述すると、強化リング146は、取り付けリング145の周囲に引っ掛けられて、器具1100をレトラクタに取り付けることができる。
リップシール1000は、レトラクタの取り付けリング45に取り付けられる。
図42及び図43を参照すると、図39乃至図41に示すものに類似した別の外科用アセンブリが示されており、図39乃至図41に示すものに類似の部品には同一の符号を付して示してある。ここでは、第2シーリング弁がリップシール弁160によって提供されている。リップシール160は、シリコーン、ゲル、またはゴムのような任意の適切な材料からなり得る。
第1シーリング重ね合わせ弁1100は、腹部内の切開部から遠位側に位置し、第2シーリングリップシール弁160は、腹部の外部の切開部から近位側に位置する。図に示すように、第1シーリング弁1100は、第2シーリング弁160から長手方向に離隔された位置にある。
図44及び図45を参照すると、図39乃至図41のアセンブリに類似した別の外科用アセンブリが示されており、図44乃至図45における類似の部品には前の図面と同一の符号を付して示してある。
この場合、第2シーリング弁リップシール100は、第2シーリング重ね合わせ弁1100に近接した位置に設けられる。リップシール1000は、重ね合わせ弁1100の取り付けリング110に取り付けられてもよい。この構造の利点の1つは、器具の断面厚さが非常に薄くなくことである。使用時には、第1シーリング弁1100と第2シーリング弁1000の両方が腹部内で切開部から遠位側に位置し、切開部レトラクタ器具の遠位端に隣接している。
図46を参照すると、この場合には、レトラクタが図39乃至図41を参照して上述したタイプの外側取り付けリング180を有する。第2シーリングリップシール弁1000は、第2シーリング重ね合わせ弁1100の取り付けリング110に取り付けられ、第2シーリング重ね合わせ弁1100の取り付けリング110は取り付けリング180の凹部183内に配置される。
第1シーリング弁1100は、第2シーリング弁1000に隣接し、近接した位置におかれる。使用時には、第1シーリング弁1100と第2シーリング弁1000の両方が、腹部内で切開部から遠位側で、切開部レトラクタ器具の遠位端に隣接した位置にある。
別形態として、シーリング弁の一方または両方が切開部の内部に配置されてもよい。
図47及び図48において、第2シーリング弁リップシール1000は、第2シーリング重ね合わせ弁1100の内部に位置している。リップシール1000の本体は、重ね合わせ弁1100のフラップ102と103の間に位置している。この器具は特に薄い厚さを有する。
図49乃至図54を参照すると、上述のタイプの第1シーリング重ね合わせ弁を有する別の外科用シーリング器具251が示されている。
取り付けリング145は、アイリス型の絞り弁のような第2シーリング弁250をレトラクタ140に取り付けるためのプラットフォームを提供する。この場合、弁250は第1の弁、重ね合わせ弁が第2の弁とみなすことができる。
使用時には、腹部壁141の下の体腔が吹送される。第1の弁250は通常閉じられており、腹腔鏡器具や外科医の手/前腕105のような物体の挿入のために開かれる。弁250の開放時には、第2の重ね合わせ弁が腹部の内部のガスの圧力を保持する。弁250が外科医の前腕105の周囲に係合すると(図53)、第1の弁250は外科医の前腕105と弁250との間のガス漏れを防止するシールを提供する。こうして外科医は、気腹を維持しながら容易に重ね合わせ弁の第2のシールを開くことができる。従って、腹部内の空間からのガス漏れが実質的に生じないようにした密封状態でのアクセスが可能となる。特に図54から理解されるように、この場合、第2の重ね合わせ弁は外科医の腕105の周囲に完全に気密にシールせず、腕105とシーリング部材102及び103との間の漏れ経路149が存在する。ガス漏れは、シールされた第1の弁250によって抑えられる。
本発明の弁システムは、外科医が容易に使用できるが、実質的にガス漏れを防止できる。弁250が外科医の腕にシールされることから、第2の重ね合わせ弁は、腹部内の空間へのアクセスができるよう容易かつ安全に開くことができる。第2の重ね合わせ弁は、外科医が腕を第1の弁250にシールしている際のガス漏れに対する効果的なシールを提供する。第2の重ね合わせ弁の開放時には、第1の弁250はガス漏れに対する主要なシールを提供する。
この場合、シーリング部材102及び103はゲル材料からなる。しかし、別形態として、シーリング弁102及び103は、例えばネオプレン等の他の任意の適切な弾力性材料製のものを用いてもよい。
図55及び図56を参照すると、図49乃至図54に示すものに類似した、別の外科用アセンブリが示されている。この形態では、第2のシーリング弁が膨張弁165であって、本出願人に付与された米国特許第6578577号に記載されているものである。前記米国特許は、ここで引用したことによりその全内容を本明細書の一部とする。弁165は、この場合には、取り付けリング145の上に引っ掛けることができる強化リング167を備えた取り付けスリーブ166によってレトラクタの基部に取り付けられる。他の取り付け構造を用いることもできる。このタイプの膨張弁/シールは、手の挿入と引き抜きを容易かつ速やかに行えるようにする。
図57乃至図59を参照すると、図55及び図56のものに類似した別の外科用アセンブリが示されている。この形態では、第2シーリング弁170が膨張式である。弁170は、レトラクタの取り付けリング172に取り付けるための取り付けリング171を有する。この場合には、取り付けリング172は、弁170の取り付けリング171を収容する凹部173を有する。図57には、弁170内のアクセスチャネル177が閉じたシール位置にあるところが示されている。図58及び図59では、アクセスチャネル177が開放されて、そこを通された外科医の腕105にシール状態で係合している。
上述の実施形態のいくつかでは、第1シール重ね合わせ弁が、切開部の遠位体に隣接した位置に配置されている。この第1シーリング重ね合わせ弁を、腹部の外部の切開部から近位側に設けることも可能である。例えば、図60に示すように、レトラクタに取り付けリング280を設け、第1シーリング重ね合わせ弁281の取り付けリング110を、例えば取り付けリング280における凹部283に係合させることによって、取り付けリング280に取り付けるようにしてもよい。この場合には、弁スリーブは不要である。
他の取り付け構造も様々なものが使用可能である。例えば、図61及び図62に示すように、第1シーリング重ね合わせ弁190を、レトラクタの遠位リング142の上に引っ掛けることによって取り付けてもよい。この場合には、弁190が、強化リング192とともに折返し部191を有しており、レトラクタへの取り付けを容易にしている。
図63及び図64を参照すると、本発明による別の外科用シーリング器具300が示されている。器具300は、第1シーリング部材301及び第2シーリング部材302を有する。各シーリング部材301及び302は、その内部を貫通する通路303及び304を有する。通路303及び304は、互いに位置をずらして配置されている。このようにして、第1シーリング部材301は通路304の遠位体開口の周辺全体の上に重なり、第2シーリング部材302は、通路303の近位端開口の周辺全体の上に重なる。従って、図64に示すような閉位置では、器具300は切開部の効果的なシールを維持する。
シーリング部材301及び302は、弾性ゲル材料からなる。従ってシーリング部材301及び302を操作することによって、2つの通路303及び304の位置を合わせ、腹腔鏡器具や外科医の手/前腕のような物体が器具300を通して腹部にアクセスすることを容易にできる。
各通路303及び304はリップシールの形態を有し、通路303及び304の壁とそこに挿入される物体との間に気密シールを与えることができる。従って、通路303及び304を通して物体が挿入される間に吹送ガスの漏れが防止される。
図65には、図1乃至図8の器具1に類似した、本発明による別の外科用シーリング器具310が示されており、図65において類似の要素には図1乃至図8と同一の符号を付してある。
この形態では、第1シーリング部材5が、ヒンジ構造によって取り付け領域7で第2シーリング部材6に取り付けられる。従って、第1シーリング部材5は、第2シーリング部材6に関して開位置と閉位置の間でヒンジ動作可能である。
閉位置にシールを強化するために、第1シーリング部材5の分離領域8を第2シーリング部材6に接合させるべく付勢し、従って器具320を閉位置に付勢する付勢部材を設けてもよい。適切な付勢部材は、図66に示すような、第1シーリング部材5上の磁石要素321、及び第2シーリング部材6上の協働する磁石要素322である。
別の付勢部材としては、面ファスナやラッチ等が挙げられる。
図67乃至図70には、図1乃至図8の器具1に類似した、本発明による別の外科用シーリング器具330が示されており、図67乃至図70において類似の要素には図1乃至図8と同一の符号を付してある。
この場合には、第1シーリング部材5は、弾力性カンチレバーアーム331によって第2シーリング部材6に取り付けられる。アーム331は、第1シーリング部材5を通路2の遠位端開口に接合するように付勢し、従って器具330を閉位置に付勢する重ね板ばねとして作用する。
第1シーリング部材5は、閉位置において通路2の内部に部分的に延在する部分的に球状の湾曲した部分を有する。
図71及び図72を参照すると、図1乃至図8の器具1に類似した、本発明による別の外科用シーリング器具340が示されており、図71乃至図72における類似の要素には図1乃至図8と同一の符号を付してある。
この形態では、第1シーリング部材5が実質的に球体の形状で設けられる。閉位置では、球体5が通路2の遠位端開口に係合し、気密シールを提供する。球体5の一部は、閉位置における通路2内に入り込む。
球体5は2本の弾力性コード341によって第2シーリング部材6の遠位側に取り付けられる。コード341は、通路2の遠位端開口に係合するように球体5を付勢し、従って器具340を閉位置に付勢するばね部材として作用する。
第1シーリング部材5は、種々の可能な構造で第2シーリング部材6に取り付けられることは理解されよう。例えば、図73及び図74に示すように、1本の弾力性コード341が通路5から通路2を通して延び、第2シーリング部材6の近位側に取り付けられてもよい。
図75乃至図78を参照すると、図1乃至図8の器具1に類似した、本発明による別の外科用シーリング器具405が示されており、図75乃至図78における類似の要素には図1乃至図8と同一の符号を付してある。
器具405は、腹腔鏡手術において、腹部内の吹送ガス圧を維持するために、器具405を通して腹部内に挿入される腹腔鏡器具の周囲をシールするために用いられ得る。別形態では、器具405は、用手補助腹腔鏡手術において、腹部内の吹送ガス圧を維持するために、器具405を通して腹部内に挿入される外科医の手または前腕の周囲をシールするために用いられ得る。
この場合、器具405は、第1シーリング部材5の近位側の外側面408に固着された平坦な支持要素406を有する。支持要素406は、繊維、プラスチック、ゴムまたは金属のような任意の適切な材料によって設けられる。支持要素406は、例えば熱シール、粘着性裏地、接着等の任意の適切な手段によって第1シーリング部材5に取り付けられ得る。
図1乃至図8を参照して前に説明したように、第1シーリング部材5は、取り付け領域409で第2シーリング部材6に固着され、残りの分離領域407は第2シーリング部材から分離されている。支持要素406は、第1シーリング部材5の分離領域407の硬さを高めるための補強要素として作用する。第1シーリング部材5の分離領域407を硬化させることによって、器具や外科医の手/前腕3が通路に押し込まれた際に、支持要素406が第1シーリング部材5の分離領域の変形を最小にする。より詳細には、分離領域407の第1シーリング部材5の面に対して垂直な方向の変形を最小にする。
従って、第1シーリング部材5の変形が最小であることで、外科医が器具や手/前腕3を通路2に押し込むことによって、第1シーリング部材5を横方向に開いて通路の遠位端開口を露出するのが容易になる。従って、支持要素406によって与えられる第1シーリング部材5に対する支持のために、外科医が器具や手/前腕3を器具405に通し、腹部4にアクセスするのも容易になる。
図78に示すように、外科医が通路2を通して手/前腕3を押し込むとき、手3の指が第1シーリング部材5の近位側に接触する。手/前腕3を遠位側にさらに押すと、第1シーリング部材5が横方向に引っ張られて、通路2の遠位端開口が露出されるが、このとき第1シーリング部材5の分離領域407は実質的に変形しない。
第1シーリング部材5の取り付け領域409は支持要素406によって硬化されず、取り付け領域409は、通路2の遠位端開口を露出するための第1シーリング部材5の引き込みを容易にするために必要な弾力性を保持している。
図79及び図80は、図75乃至図78の器具405に類似した、本発明による別の外科用シーリング器具410が示されており、図79及び図80における類似の要素には図75乃至図78と同一の符号を付してある。
この形態では、図80に示すように、支持要素406が第1シーリング部材5内に埋め込まれている。
支持要素406が分離領域407を支持していることから、外科医が、器具や手/前腕3を通路2に挿入することによって、第1シーリング部材5の引着込み状態にし、通路2の遠位端開口を露出することの困難さをなくすことが確実となる。詳述すると、第1シーリング部材5は支持されているので、外科医が器具や手/前腕3を通路2に通したときに第1シーリング部材5の面に垂直方向下向きの遠位側に変形しない。そのようにして、第1シーリング部材5は、遠位側下向きに変形するのが防止されており、代わりに引き込まれた状態になって通路2の遠位端開口を露出することから、外科医は比較的容易に腹部4にアクセスすることができる。
図75乃至図80を参照して説明した支持要素の構成は、図1乃至図74を参照して以前に説明した外科用シーリング器具の何れにおいても用いることができることは理解されよう。
本発明は、添付の図面を参照して上記した実施形態に限定されず、構造や細部を様々に変更して実施できる。
本発明による外科用シーリング器具を上方から示す斜視図。 図1の器具を下方から示す斜視図。 図1の器具を上方から示す平面図。 図3の矢印Aの方向における側面図。 図3の線V−Vにおける断面図。 図3の線VI−VIにおける断面図。 使用時の図1の器具の部分断面側面図。 レトラクタ器具に取り付けられた図1の器具の部分断面側面図。 図1の器具の取り付け要素の斜視図。 図9の取り付け要素の切り欠き斜視図。 図1の器具及び図9の取り付け要素の断面側面図。 図1の器具及び図9の取り付け要素の切り欠き斜視図。 図1の器具及びレトラクタ器具に取り付けられた図9の取り付け要素の断面側面図。 図1の器具及び別の取り付け要素の別のレトラクタ器具への取り付けを示す斜視図。 本発明による別の外科用シーリング器具の断面側面図。 図15の器具の一部分の斜視図。 本発明による別の外科用シーリング器具の断面側面図。 本発明による別の外科用シーリング器具の断面側面図。 本発明による別の外科用シーリング器具の断面側面図。 本発明による別の外科用シーリング器具の断面側面図。 本発明による別の外科用シーリング器具の断面側面図。 本発明による更に別の外科用シーリング器具の上方から示す平面図。 本発明による更に別の外科用シーリング器具の上方から示す平面図。 本発明による別の外科用シーリング器具の斜視図。 本発明による別の外科用シーリング器具の斜視図。 図25の器具の断面側面図。 本発明による別の外科用シーリング器具の斜視図。 本発明による更に別の外科用シーリング器具の斜視図。 図28の器具の側面図。 外科医の腕のような物体が所定位置にある図28及び図29の器具の平面図。 本発明による別の外科用シーリング器具の斜視図。 図31の器具の平面図。 図31の器具の断面側面図。 使用時の図31乃至図33の器具を示す一部断面側面図。 使用時の図31乃至図33の器具を示す一部断面側面図。 本発明による他の外科用シーリング器具の断面側面図。 本発明による他の外科用シーリング器具の断面側面図。 本発明のいくつかの側面で使用されるリップシールの斜視図。 遠位側の重ね合わせ弁と近位側のリップシールとを備える本発明の別の外科用シーリング器具の断面側面図。 遠位側の重ね合わせ弁と近位側のリップシールをと備える本発明の別の外科用シーリング器具の断面側面図。 使用時の図39及び図40の器具の部分断面側面図。 レトラクタ器具に取り付けられた本発明による別の外科用シーリング器具の断面側面図。 使用時の図42の器具の部分断面側面図。 遠位側の重ね合わせ弁と該重ね合わせ弁に近接して配置されたリップシールとを備えた本発明による別の外科用シーリング器具の断面側面図。 使用時の図44の器具の部分断面側面図。 リップシールとレトラクタ器具の近位側に配置された重ね合わせ弁とを備えた本発明による別の外科用シーリング器具の断面側面図。 リップシールを組み込んだ重ね合わせ弁を備えた本発明による別の外科用シーリング器具の断面側面図。 使用時の図47の器具の部分断面側面図。 第2の弁を組み込んだ本発明による更に別の外科用シーリング器具の断面側面図。 使用時の図49の器具の部分断面側面図。 使用時の図49の器具の部分断面側面図。 使用時の図49の器具の部分断面側面図。 使用時の図49の器具の部分断面側面図。 図53の位置にある図49の器具の第2の弁の平面図。 レトラクタ器具に取り付けられた本発明による別の外科用シーリング器具の断面側面図。 使用時の図55の器具の部分断面側面図。 使用時の一方の位置にある本発明による別の外科用シーリング器具の断面側面図。 使用時の別の位置にある図57の器具の断面側面図。 手が挿入された状態の図57及び図58の器具の部分断面側面図。 レトラクタ器具に取り付けられた本発明による別の外科用シーリング器具の断面側面図。 レトラクタ器具に取り付けられた本発明による別の外科用シーリング器具の断面側面図。 図61の器具の第2の弁の斜視図。 本発明による別の外科用シーリング器具の分解斜視図。 図63の器具の断面側面図。 本発明による更に別の外科用シーリング器具の下方からみた斜視図。 本発明による更に別の外科用シーリング器具の下方からみた斜視図。 本発明による更に別の外科用シーリング器具の下方からみた斜視図。 図67の器具の下方から示す平面図。 本発明による別の外科用シーリング器具の断面側面図。 使用時の図69の器具の部分断面側面図。 本発明による更に別の外科用シーリング器具の部分断面側面図。 図71の器具の下方から示す斜視図。 本発明による別の外科用シーリング器具の部分断面側面図。 使用時の図73の器具の部分断面側面図。 本発明による別の外科用シーリング器具の下方から示す斜視図。 図75の器具の断面側面図。 図75の器具の断面側面図。 使用時の図75の器具の部分断面側面図。 本発明による更に別の外科用シーリング器具の図75及び図76に類似した図。 本発明による更に別の外科用シーリング器具の図75及び図76に類似した図。

Claims (93)

  1. 外科用シーリング器具であって、
    体腔への開口をシールするための第1シーリング弁であって、第1のシーリング部材及び第2のシーリング部材からなり、前記シーリング部材が少なくとも部分的に互いに重なる、前記開口をシールするための閉位置と、物体が前記第1シーリング弁を通して前記体腔にアクセスするのを容易にするための開位置との間で、前記シーリング部材が相対移動可能な第1シーリング弁と、
    前記物体が前記第1シーリング弁を通るのを容易にするべく、少なくとも一方の前記シーリング部材を少なくとも部分的に支持するための少なくとも1つの支持要素とを有することを特徴とする外科用シーリング器具。
  2. 前記支持要素が、前記シーリング部材を少なくとも部分的に支持して、前記シーリング部材が前記閉位置から前記開位置へと相対的に移動するのを容易にするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の器具。
  3. 前記支持要素が、前記シーリング部材の少なくとも一部の変形を最小にするように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の器具。
  4. 前記シーリング部材が平坦であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の器具。
  5. 前記支持要素が、前記シーリング部材の面に対して垂直な方向への前記シーリング部材の少なくとも一部分の変形を最小にするように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の器具。
  6. 前記支持要素が平坦であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の器具。
  7. 前記シーリング部材が互いに固着されており、前記各シーリング部材が、他の前記シーリング部材に取り付けられる第1領域と、前記他のシーリング部材から分離されたままの第2領域とを有することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の器具。
  8. 前記支持要素が、前記シーリング部材の前記第2領域の変形を最小にするように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の器具。
  9. 前記支持要素が、前記シーリング部材の少なくとも一部分の硬さを高める補強要素を有することを特徴とする請求項3乃至8の何れかに記載の器具。
  10. 前記支持要素が、前記シーリング部材に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の器具。
  11. 前記支持要素が、前記シーリング部材の外面に取り付けられていることを特徴とする請求項10に記載の器具。
  12. 前記支持要素が、前記シーリング部材に埋め込まれていることを特徴とする請求項10に記載の器具。
  13. 前記シーリング部材の少なくとも一方が、少なくとも部分的にゲル状エラストマ材料からなることを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の器具。
  14. 前記シーリング部材の両方が、少なくとも部分的にゲル状エラストマ材料からなることを特徴とする請求項13に記載の器具。
  15. 前記材料が可塑剤を含むことを特徴とする請求項13又は14に記載の器具。
  16. 前記可塑剤が、天然物由来の油、合成油、及び液体オリゴマーからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項15に記載の器具。
  17. 前記第1シーリング弁が、前記閉位置に付勢されていることを特徴とする請求項1乃至16の何れかに記載の器具。
  18. 前記シーリング部材の少なくとも一方が、前記第1シーリング弁を前記閉位置に付勢する弾性材料からなることを特徴とする請求項17に記載の器具。
  19. 前記第1のシーリング部材と前記第2のシーリング部材とによって、前記閉位置において互いに重なる重なり部分が画定されることを特徴とする請求項1乃至18の何れかに記載の器具。
  20. 少なくとも前記シーリング部材の前記重なり部分が平坦であることを特徴とする請求項19に記載の器具。
  21. 前記両重なり部分の面がわずかにオフセットしていることを特徴とする請求項20に記載の器具。
  22. 前記重なり部分が前記閉位置において互いに係合していることを特徴とする請求項19乃至21の何れかに記載の器具。
  23. 前記係合を生じる力が、外科医の手のような物体の挿入時に超克されることを特徴とする請求項22に記載の器具。
  24. 前記第1シーリング部材が前記第2シーリング部材に重なる間に薄いスリットが画定されることを特徴とする請求項1乃至23の何れかに記載の器具。
  25. 前記第1シーリング部材が前記第2シーリング部材に固着されていることを特徴とする請求項1乃至24に記載の器具。
  26. 前記第1シーリング部材が、前記第2シーリング部材と一体的に形成されることを特徴とする請求項25に記載の器具。
  27. 前記第1シーリング部材が、前記第2シーリング部材と一体的にモールド成形されることを特徴とする請求項26に記載の器具。
  28. 前記第1シーリング部材が、前記閉位置において前記第2シーリング部材に重なる重なり領域を有し、前記重なり領域が、前記第2シーリング部材に取り付けられる第1領域と、前記第2シーリング部材から分離された第2領域とを有することを特徴とする請求項25乃至27のいずれかに記載の器具。
  29. 前記第1シーリング部材の前記第2領域と前記第2シーリング部材との間に薄いスリットが画定されることを特徴とする請求項28に記載の器具。
  30. 前記スリットが、周方向に90度延長していることを特徴とする請求項29に記載の器具。
  31. 前記スリットの半径寸法の前記第1シーリング部材全体の半径寸法に対する比が1対4であることを特徴とする請求項29又は30に記載の器具。
  32. 前記スリットの半径寸法の前記第1シーリング部材全体の半径寸法に対する比が1対8であることを特徴とする請求項29乃至31の何れかに記載の器具。
  33. 前記閉位置において、前記第1シーリング部材の前記第2領域が前記第2シーリング部材に係合することを特徴とする請求項28乃至32の何れかに記載の器具。
  34. 前記第1シーリング部材の前記第2領域が、前記第2シーリング部材に係合するように付勢されていることを特徴とする請求項33に記載の器具。
  35. 前記第1シーリング弁が、体腔の外部で、前記体腔への開口から近位側に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至34の何れかに記載の器具。
  36. 前記第1シーリング弁が、体腔の内部で、前記体腔への開口から遠位側に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至34の何れかに記載の器具。
  37. 前記器具が、体腔への開口の中に通す物体の周囲をシールするための第2シーリング弁を有することを特徴とする請求項1乃至36の何れかに記載の器具。
  38. 前記第1シーリング弁が、前記第2シーリング弁の遠位側に配置されていることを特徴とする請求項37に記載の器具。
  39. 前記第1シーリング弁が、前記第2シーリング弁の近位側に配置されていることを特徴とする請求項37に記載の器具。
  40. 前記第1シーリング弁が、前記第2シーリング弁から長手方向に離隔されていることを特徴とする請求項37乃至39の何れかに記載の器具。
  41. 一方の前記シーリング弁が、体腔の外部で、前記体腔への開口から近位側に配置されるように構成され、他方の前記シーリング弁が、前記体腔の内部で、前記体腔への開口から遠位側に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項40に記載の器具。
  42. 前記第1シーリング弁が、前記第2シーリング弁に隣接して直近に配置されていることを特徴とする請求項37乃至39の何れかに記載の器具。
  43. 前記第1シーリング弁及び前記第2シーリング弁の両方が、体腔の外部で、前記体腔への開口から近位側に配置されていることを特徴とする請求項42に記載の器具。
  44. 前記第1シーリング弁及び前記第2シーリング弁の両方が、体腔の内部で、前記体腔への開口から遠位側に配置されていることを特徴とする請求項42に記載の器具。
  45. 前記第2シーリング部材が前記第2シーリング弁を提供することを特徴とする請求項37乃至44の何れかに記載の器具。
  46. 前記第2シーリング部材が、それを貫通して延長する通路を有し、前記通路を通して物体を挿入して体腔にアクセスすることができることを特徴とする請求項45に記載の器具。
  47. 前記第2シーリング部材が、前記通路の側壁と前記通路を通して挿入される物体との間にシールを施すように構成されていることを特徴とする請求項46に記載の器具。
  48. 前記閉位置において、前記第1シーリング部材が前記通路の端部を横断して延長し、前記通路の前記端部の全周において前記第2シーリング部材に重なることを特徴とする請求項46又は47に記載の器具。
  49. 前記開位置において、前記第1シーリング部材が引っ込められると、前記通路の前記端部の少なくとも一部分を露出させるようにすることを特徴とする請求項48に記載の器具。
  50. 前記第2シーリング弁がリップシール弁からなることを特徴とする請求項37乃至49の何れかに記載の器具。
  51. レトラクタ器具に取り付け可能であることを特徴とする請求項1乃至50の何れかに記載の器具。
  52. 前記器具をレトラクタ器具に取り付けるための取り付け要素を有することを特徴とする請求項51に記載の器具。
  53. 前記取り付け要素が、前記シーリング弁に固着されていることを特徴とする請求項52に記載の器具。
  54. 前記シーリング弁の一部分が、前記取り付け要素の一部分の周囲にオーバーモールディングされていることを特徴とする請求項53に記載の器具。
  55. 前記取り付け要素が、1つ又は複数のオーバーモールディング用の開口を有することを特徴とする請求項54に記載の器具。
  56. 前記取り付け要素は、前記器具をレトラクタ器具にスナップ留めで取り付けるために形成された係合部分を有することを特徴とする請求項52乃至55の何れかに記載の器具。
  57. 前記取り付け要素がリング要素を有することを特徴とする請求項52乃至56の何れかに記載の器具。
  58. 前記器具をレトラクタ器具に取り付ける際に、前記器具と前記レトラクタ器具との間にシールを施すように構成されていることを特徴とする請求項51乃至57の何れかに記載の器具。
  59. 少なくとも一方の前記シーリング部材が、レトラクタ器具への取り付け時に前記レトラクタ器具に係合するように構成されていることを特徴とする請求項58に記載の器具。
  60. 前記第1シーリング弁が、該第1シーリング弁を前記閉位置に向けて付勢する付勢部材を有することを特徴とする請求項17又は18に記載の器具。
  61. 前記付勢部材が、前記第1シーリング部材と前記第2シーリング部材との間に延在する弾性要素を有することを特徴とする請求項60に記載の器具。
  62. 前記弾性要素がばねからなることを特徴とする請求項61に記載の器具。
  63. 前記付勢部材が、前記第1シーリング部材上の磁石要素と、それに協働する前記第2付勢部材上の磁石要素とを含むことを特徴とする請求項60乃至62の何れかに記載の器具。
  64. 前記第1シーリング弁は、前記第1シーリング部材の前記第2領域を前記第2シーリング部材と係合する向きに付勢する付勢部材を有することを特徴とする請求項34に記載の器具。
  65. 前記付勢部材が、前記第1シーリング部材の前記第2領域に張力を与えるための弾性要素を有することを特徴とする請求項64に記載の器具。
  66. 前記弾性要素が、前記第1シーリング部材の前記第2領域と前記第2シーリング部材との間に延在することを特徴とする請求項65に記載の器具。
  67. 前記第1シーリング部材が、前記閉位置と前記開位置の間で前記第2シーリング部材に関してヒンジ動作可能であることを特徴とする請求項1乃至66の何れかに記載の器具。
  68. 前記第1シーリング部材が、少なくとも部分的に湾曲していることを特徴とする請求項1乃至67の何れかに記載の器具。
  69. 前記第1シーリング部材が、少なくとも部分的に球形であることを特徴とする請求項68に記載の器具。
  70. 前記第2シーリング部材が湾曲していることを特徴とする請求項1乃至69の何れかに記載の器具。
  71. 前記閉位置において、前記第1シーリング部材が、前記通路内に少なくとも部分的に延長していることを特徴とする請求項46乃至49の何れかに記載の器具。
  72. 前記第2シーリング部材の厚さが、前記第2シーリング部材の全幅に亘って変化していることを特徴とする請求項46乃至49及び71の何れかに記載の器具。
  73. 前記第2シーリング部材の厚さが、前記通路に隣接した位置で最大であることを特徴とする請求項72に記載の器具。
  74. 前記通路が長手方向軸を画定し、前記通路の長手方向軸が、体腔への開口によって画定される長手方向軸に対して鋭角をなすように構成されていることを特徴とする請求項46乃至49及び請求項71乃至73の何れかに記載の器具。
  75. 前記通路の長手方向軸が、前記第1シーリング部材の第2領域に向けて角度をもたせたことを特徴とする請求項74に記載の器具。
  76. 前記通路を閉鎖するための閉鎖部材を有することを特徴とする請求項46乃至49及び請求項71乃至75の何れかに記載の器具。
  77. 前記閉鎖部材がプラグからなることを特徴とする請求項76に記載の器具。
  78. 前記第2シーリング弁が、通路がその中を貫通する第3シーリング部材を有し、前記通路の中に物体を挿入して体腔にアクセスすることができることを特徴とする請求項37乃至44の何れかに記載の器具。
  79. 前記第3シーリング部材が、前記通路の側壁と前記通路を通して挿入される物体との間にシールを施すように構成されていることを特徴とする請求項78に記載の器具。
  80. 前記第3シーリング部材が、少なくとも部分的にゲル状エラストマ材料からなることを特徴とする請求項78又は79に記載の器具。
  81. 前記第2シーリング弁が、少なくとも部分的に膨張可能であることを特徴とする請求項37乃至44の何れかに記載の器具。
  82. 前記第2シーリング弁が、アイリスバルブからなることを特徴とする請求項37乃至44の何れかに記載の器具。
  83. 体腔への開口をシールするための第3シーリング弁を有することを特徴とする請求項1乃至82の何れかに記載の器具。
  84. 前記第3シーリング部材が第4シーリング部材を有し、前記第2シーリング部材と前記第4シーリング部材とが少なくとも部分的に互いに重なる前記閉位置と前記開位置との間で、前記第2シーリング部材と前記第4シーリング部材とが相対的に動くことができることを特徴とする請求項83に記載の器具。
  85. 前記第4シーリング部材が、少なくとも部分的にゲル状エラストマ材料からなることを特徴とする請求項84に記載の器具。
  86. 前記取り付け要素が、前記器具をレトラクタ器具にねじ留めで取り付けるために形成されたねじ部を有することを特徴とする請求項52乃至55の何れかに記載の器具。
  87. 前記取り付け要素が、前記シーリング弁の近位側に延長するスリーブを有することを特徴とする請求項52乃至56の何れかに記載の器具。
  88. 前記スリーブが、前記器具をレトラクタ器具に取り付けるように、前記レトラクタ器具の一部分の周囲に引掛け可能であることを特徴とする請求項87に記載の器具。
  89. 前記スリーブが、レトラクタ器具の一部分の周囲に引掛けるための取り付けリングを有することを特徴とする請求項88に記載の器具。
  90. 外科用アセンブリであって、
    体腔への開口の側部を引っ張るためのレトラクタ器具と、
    請求項1乃至89の何れかに記載の外科用シーリング器具とを含むことを特徴とする外科用アセンブリ。
  91. 前記外科用シーリング器具が、前記レトラクタ器具に取り付けられていることを特徴とする請求項91に記載のアセンブリ。
  92. 前記レトラクタ器具が遠位端と近位端とを有し、前記外科用シーリング器具が、前記レトラクタ器具の前記遠位端に隣接して配置されることを特徴とする請求項92に記載のアセンブリ。
  93. 前記レトラクタ器具が遠位端と近位端とを有し、前記外科用シーリング器具が、前記レトラクタ器具の前記近位端に隣接して配置されることを特徴とする請求項92に記載のアセンブリ。
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