JP2008519602A - 多様性を生じるためのラダーアセンブリおよびシステム - Google Patents

多様性を生じるためのラダーアセンブリおよびシステム Download PDF

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Abstract

本発明は、核酸分子を生成する新規方法を提供する。特定の実施形態では、二本鎖核酸チャンクは、相補的オリゴヌクレオチドを部分的に含んでいるラダー複合体から生成され、このチャンクは核酸アクセプター分子に結合する。特定の実施形態では、組み立てられたチャンク/核酸アクセプター分子複合体は、インビボで、またはインビトロで増殖可能である。本発明はまた、一つ以上のヌクレオチド位置で異なる複数の核酸分子を生成するための改善されたシステムを提供する。特定の実施形態では、複数の核酸分子は、ポリペプチドまたはポリペプチドの一部分をコードする。

Description

(関連出願の引用)
この出願は、米国特許仮出願第60/697,307号(2005年7月6日出願)、米国特許仮出願第60/626,589号(2004年11月11日出願)の優先権を主張するもので、これらの出願は参照により全体として本願に組み込まれる。この出願はまた、現在米国特許第6,358,712号である同時係属米国特許出願第09/225,990号(1999年1月5日出願)の部分継続である同時係属米国特許出願第09/897,712号(2001年6月29日出願)の継続である同時係属米国特許出願第11/132,356号(2005年5月18日出願)に関連しており、各々は参照によりその全体として本願に組み込まれる。この出願はまた、同時継続米国特許出願第09/910,354号(2001年7月20日出願)の部分継続である同時継続米国特許出願第10/383,135号(2003年3月5日出願)にも関連しており、各々は参照によりその全体として本願に組み込まれる。
(発明の背景)
分子生物学は、核酸の改変および組換えにとって強力なツールを提供する。制限酵素、部位特異的突然変異、種々のポリメラーゼ鎖反応法(PCR)をベースとした戦略、合成をベースとした戦略、相同組換え、および他のアプローチの全てを、改変された核酸の生産および/または核酸の一次構造の変化に用いられる。新規の技術または既存の技術の改良版の開発が続けられている。しかし、さらなる改善の余地が存在している。
種々の技術が核酸内または核酸間の多様性を生成するために開発されている。そのような技術のいくつかは、関連核酸配列間での組換えと、概ねそれに続く所望の組換え配列の選択を伴う(例えば、Pattenらの特許文献1および特許文献2を参照)。しかし、そのような出願は、顕著な欠点がある。少しも組換えの確率的性質によるものではなく、実行者は偶然の組換え現象が特定の核酸一次構造を生成することに頼らなければならない。さらにまた、親分子の一つ以上が遺伝子組換えに失敗する可能性もあり、または組換え反応で再構成される可能性もあり、目的とする新規の組換え体を同定するために広範囲なスクリーニング必要となる。
米国特許第6,579,678号明細書 米国特許第6,613,514号明細書
したがって、改変核酸配列を生成する方法および核酸分子集団中に多様性を生ずる方法の改善がいまだ求められている。
(発明の要旨)
いくつかの実施形態では、本発明は、配列の完全制御を可能にする改変核酸を生産するためのシステムを提供する。本発明のこれらのシステムは特に核酸分子セットの製造に有用であり、セット内の核酸毎の配列に対して、完全制御を可能にする。いくつかの実施形態において、本発明のシステムは、複数の核酸分子からなる関連セットを生ずるもので、該核酸分子の配列は互いに実質的同一であり、所定の場所または所定の方向でのみ異なる。特定の実施形態では、関連セットの核酸分子は、ポリペプチドまたはポリペプチドの一部をコードする。
特定の実施形態では、本発明のシステムは、互いに連結し得る核酸「チャンク」の生産を伴う。各「チャンク」は、オリゴヌクレオチドラダーの組立てを介して生ずる。チャンクを、核酸アクセプター分子により増幅および/または連結することが可能であり、インビトロまたはインビボで増殖させることが可能である。
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドラダーは、互いに相補的に重なりあったオリゴヌクレオチドをアニールすることによって生じる。オリゴヌクレオチドラダーは、オリゴヌクレオチドラダーの一つ以上のオリゴヌクレオチドの特定の部分が相補的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズしないようにラダーの1本の鎖を含む個々のオリゴヌクレオチド間の一つ以上のギャップを含むものであってもよい。いくつかの実施形態では、一つ以上の位置で異なるオリゴヌクレオチドラダーの複数のバージョンは一つ以上のヌクレオチド位置で異なる一つ以上のオリゴヌクレオチドの代替バージョンを与えることで、組み立てられる。オリゴヌクレオチドラダーのこれらの複数のバージョンを、別々の反応で一つ以上のオリゴヌクレオチドの個々の代替バージョンをアニールすることによって組み立てることが可能である。さらに、または、代わりとして、オリゴヌクレオチドラダーの複数のバージョンを、プールされた反応で一つ以上のオリゴヌクレオチドの個々の代替バージョンを提供することによって、一つのアニーリング反応で組み立てることが可能である。
本発明の特定の実施形態では、2つのプライマーを提供し、これらのプライマーによって、オリゴヌクレオチドラダーをポリメラーゼ媒介伸長反応によって、伸長させることで、二本鎖チャンクを生成する。本発明の教示によれば、オリゴヌクレオチドラダーのアニールされたオリゴヌクレオチドの以前のライゲーションは、プライマーのポリメラーゼ媒介伸長反応を起こすのには必要ない。さらに、本発明の教示によれば、オリゴヌクレオチドラダーを含む一方または両方の鎖の一つ以上のギャップの存在は、ポリメラーゼ媒介伸長反応を妨げることはない。本発明のいくつかの実施形態では、ラダー複合体のポリメラーゼ媒介伸長で使用されるプライマーのうちの少なくとも1つは、反応条件の最小の組み合わせ一つの下で、伸長反応で使用されるポリメラーゼのための複製テンプレートとしては作用しないターミネーターヌクレオチドを含むことで、発生する二本鎖核酸分子が少なくとも1つのオーバーハングを含む。この実施形態の一態様では、ターミネーターヌクレオチドを、反応条件の異なるセットの下で異なるポリメラーゼおよび/または同じポリメラーゼによって、複製させてもよい。いくつかの実施形態において、ラダー複合体のポリメラーゼ媒介伸長で使用されるプライマーのうちの少なくとも1つは、伸長反応で使用されるポリメラーゼのための複製テンプレートとして作用しないターミネーター構造を含む。
本発明の特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドラダーは、目的とするタンパク質の機能ドメインまたは機能ドメインの一部を含んでいるポリペプチドをコードする配列を含む。本発明の教示によれば、オリゴヌクレオチドラダーが一つ以上の点突然変異、欠失、挿入、または再配列を含むようにすることで、それがコードするポリペプチドの機能ドメインまたは該機能ドメインの一部が変化するようにすることができる。当業者は、導入すべき特定の点突然変異、欠失、挿入、または再配列を選ぶことができ、そのような場合、当業者の経験、商業上、または他の必要性にもとづいておこなわれる。特定の実施形態では、本発明を用いて所定のポリペプチドの一つ以上のアミノ酸の飽和突然変異生成を行うことができる。
いくつかの実施形態では、本発明を用いて1つ以上の相同ポリペプチドから1つ以上の相同ドメインを導入することができる。例えば、2つ以上の相同ポリペプチドの1つ以上の相同ドメインを「スワップ」することで、1つ以上のスワップされた相同ドメインを含むキメラポリペプチドが改善された機能もしくは特性または新規の機能もしくは特性を持つかどうかを決定することができる。さらに、または代替として、特定の実施形態で、本発明は、所定のポリペプチドにある目的とするドメインを1つ以上のほかの非相同ポリペプチド由来の1つ以上の相同ドメインによって「スワップ」する迅速かつ効率的な方法を提供する。
特定の実施形態では、本発明を用いて非コーディング核酸分子に配列変化を導入することができる。例えば、本発明の方法を用いることで、ポリペプチドをコードする目的とする核酸を調節する調節因子の導入または変更を行うことができる。いくつかの実施形態では、プロモーター領域またはプロモーター要素を本発明の特定の方法によって導入または変更することで、プロモーター領域またはプロモーター要素のどの核酸残基がそのプロモーターまたは要素による制御下でポリペプチドの発現を導くのに重要であるかを決定する。いくつかの実施形態において、本発明の方法を用いることで、ほかの異種プロモーター要素をプロモーター領域(例えば組織特異的か誘導性制御要素)に導入することができる。いくつかの実施形態において、本発明の方法を用いることで、イントロンまたはスプライシング部位を、ポリペプチドをコードする目的とする核酸に導入することができ、あるいは既存のイントロンまたはスプライシング部位を変えることができる。いくつかの実施形態において、本発明の方法を用いて、調節因子を特定のmRNA分子の3’または5’非翻訳領域(「UTR」)に導入することができ、あるいは既存の3’または5’UTR調節因子を変化させることができる。多数の他の可能な要素は、当該技術分野で知られており、当業者は、どの調節因子を変えるべきか、またどのようにして本発明の教示にもとづいてそれらを変えるべきかを選択することが可能である。
(定義)
「結合パートナーオリゴヌクレオチド」:本明細書中で用いられる用語「結合パートナーオリゴヌクレオチド」とは、オリゴヌクレオチドのことをいい、相補的であり、またラダー複合体のうちの少なくとも1つの他のオリゴヌクレオチドにアニールされるものであってもよい。本明細書中に定義されるように、結合パートナーオリゴヌクレオチドは「架橋オリゴヌクレオチド」または「末端オリゴヌクレオチド」であってもよい。ラダー複合体の各架橋オリゴヌクレオチド(以下の「ラダー複合体」の定義を参照)は、少なくとも2つの結合パートナーオリゴヌクレオチドにアニールする。ラダー複合体の各末端オリゴヌクレオチド(以下の「末端オリゴヌクレオチド」の定義を参照)は、少なくとも1つの結合パートナーオリゴヌクレオチドにアニールする。
「架橋オリゴヌクレオチド」:本明細書中で用いられる用語「架橋オリゴヌクレオチド」とは、オリゴヌクレオチドのことをいい、相補的であり、またラダー複合体の少なくとも2つの他のオリゴヌクレオチドにアニールされるものであってもよい。少なくとも2つの相補的結合パートナーオリゴヌクレオチドを、2つの相補的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされない2つの結合パートナーオリゴヌクレオチドの間に位置するような架橋オリゴヌクレオチドのヌクレオチドは存在しないように、シームレスに架橋オリゴヌクレオチドにアニールすることが可能である。あるいは、架橋オリゴヌクレオチドにアニールする2つの相補的オリゴヌクレオチドは、それらの間にギャップが生ずるようにアニールすることが可能である(以下の「ギャップ」に関する定義を参照)。
「バブル」:本明細書中で用いられる用語「バブル」とは、他方の鎖に存在する同族(以下の「同族」に関する定義を参照)に対して相補的ではない一方の鎖上にある1つ以上の隣接ヌクレオチドを含む二本鎖核酸分子の一部分のことをいう。したがって、これらのミスマッチヌクレオチド対は、互いにハイブリダイズすることなく、二本鎖分子内に「バブル」をもたらす。
「チャンク」、「チャンク分子」:本明細書中で用いられる用語「チャンク」および「チャンク分子」とは、本発明の任意の方法にもとづいてラダー複合体から生ずる二本鎖核酸分子のことをいう。特定の実施形態では、チャンクはオリゴヌクレオチドをアニールして複合体を形成し、ラダー複合体にアニールするプライマーのポリメラーゼ媒介伸長によって、ラダー複合体を増幅することによって、生成することが可能である。この実施形態によれば、チャンクを含む核酸鎖は、ラダー複合体を含む「ニック形成」または「ギャップ形成」鎖とは対照的に、途切れのない連続的なものである。特定の実施形態では「チャンク挿入」と呼ばれるプロセスでチャンクを核酸アクセプター分子(以下の「核酸アクセプター分子」に関する定義を参照)に結合させる。特定の実施形態では、チャンクは少なくとも1つのオーバーハングを有し、該オーバーハングは核酸アクセプター分子のうちの少なくとも1つのオーバーハングに対して少なくとも部分的に相補的である。この発明の教示によれば、オーバーハングは、例えば、伸張で使用されるポリメラーゼによって複製されない一つ以上のターミネーターオリゴヌクレオチドを含むプライマーを使用することによって発生するものであってもよい。チャンクは、限定されるものではないが(ライゲーション、ライゲーション非依存型クローニングと増幅)を含む当業者に知られているいくつかの方法のいずれかを、核酸アクセプター分子に連結されるものであってもよい。
「同族」:本明細書中で用いられる用語「同族」とは、二本鎖核酸分子の対向する鎖上の2つのヌクレオチドのことをいい、2つのヌクレオチドを、もしヌクレオチドが相補的(例えば、アデニンおよびチミンまたはグアニンおよびシチジン)ならば互いにハイブリダイズするようにして、配置させる。本明細書中に用いられるように、たとえそれらが相補的でないとしても、相補的であってハイブリダイズするように配置されている限り、2つのヌクレオチドは同族である。
「多様性増幅」:本明細書中に用いられる用語「多様性増幅」は、チャンクの核酸アクセプター分子(以下の「核酸アクセプター分子」に関する定義を参照)への挿入に言及する。特定の実施形態において、挿入の後、結果として生じる二本鎖核酸分子がチャンクの異なる代替バージョンを含むように、少なくとも1つのチャンクの二個以上の代替バージョンが提供される。例えば、2つのチャンクが核酸アクセプター分子に挿入され、各チャンクが2つの代替バージョンで提供される場合、生産される生成分子には4つの代替バージョンがある。代替産物分子の数は、チャンク挿入部位の数とチャンク代替バージョンの数との関数として増加する。チャンクとチャンクバージョンとの異なる組合せが使用されることで、指数増幅が起こる。特定の実施形態では、二個以上のチャンクは、結果として生じる二本鎖核酸分子に対して互いに直接的に隣接するようにして、連続した場所で核酸アクセプター分子に挿入される。いくつかの実施形態で、さらに、または代替として、複数のチャンクが、結果として生じる二本鎖核酸分子で各々に直接隣接しないように、二個以上のチャンクを核酸アクセプター分子内の離散的な場所に挿入する。二個以上のチャンクを、同時に、または経時的に、核酸アクセプター分子に挿入してもよい。
「ギャップ」:本明細書中で使用される用語「ギャップ」とは、オリゴヌクレオチドラダー(以下の「ラダー」の定義を参照)の相補的架橋オリゴヌクレオチドにアニールする2つのオリゴヌクレオチド間のスペースを言及する。例えば、架橋オリゴヌクレオチドは、少なくとも2つのヌクレオチドが2つの結合パートナーオリゴヌクレオチドの間にあって、どちらの結合パートナー上にも同族ヌクレオチドを持たない架橋オリゴヌクレオチドにあり、ギャップが2つの結合パートナーオリゴヌクレオチドの間に生じるようにして、2つの結合パートナーオリゴヌクレオチドをアニールする。ギャップの長さは、どちらの結合パートナーオリゴヌクレオチド上でも同族ヌクレオチドを持たない2つの結合パートナーオリゴヌクレオチド間に位置する架橋オリゴヌクレオチド上のヌクレオチドの数によって、測定される。このように、2つの結合パートナーオリゴヌクレオチドの間にある架橋オリゴヌクレオチドの単一ヌクレオチドのみがいずれの結合パートナーオリゴヌクレオチド上に同族ヌクレオチドを持たないとするならば、結合パートナーオリゴヌクレオチド間のギャップの長さの1ヌクレオチドである。ギャップ(すなわち2つの結合パートナーオリゴヌクレオチドの間の領域)に位置している架橋オリゴヌクレオチドの領域は、必然的に一本鎖である。核酸鎖の2つのオリゴヌクレオチドの間のギャップの存在は、必然的に、結果として「ニック形成」(以下の「ニック形成」に関する定義を参照)核酸鎖になる。
「ギャップ増幅」:本明細書中で用いられる用語「ギャップ増幅」は、チャンクの挿入のための核酸アクセプター分子を調製するプロセスに言及するものである。1つ以上の線状核酸アクセプター分子(以下の「核酸アクセプター分子」に関する定義を参照)が発生するように、ギャップ増幅はテンプレート核酸分子を一回以上、ポリメラーゼ媒介伸長させることを含む。ギャップ増幅を、環状テンプレート核酸分子上でおこなってもよい(例えば、図2Aを参照)。あるいは、ギャップ増幅を線状テンプレート核酸分子上でおこなってもよい(例えば、図2Bを参照)。特定の実施形態では、ギャップ増幅は米国特許出願第6,358,712号(本明細書中に参照により組み込まれる)に開示される任意の方法によって行われる。いくつかの実施形態では、ギャップ増幅はアメリカ特許出願番号10/383,135(本明細書中に参照により組み込まれる)に開示される任意の方法によって行われる。
「ラダー」、「オリゴヌクレオチドラダー」、および「ラダー複合体」:本明細書中に用いられる「ラダー」、「オリゴヌクレオチドラダー」、および「ラダー複合体」は、オーバーラップ、部分的に相補的オリゴヌクレオチドをアニールすることによって発生し、かつその全長の一部分にわたって少なくとも部分的に二本鎖である核酸分子について言及するものである。特定の実施形態では、ラダー複合体は最も少なく第1および第2オリゴヌクレオチドを含み、少なくとも一部の第1のオリゴヌクレオチドは少なくとも一部の第2のオリゴヌクレオチドと少なくとも部分的に相補的である。いくつかの実施形態において、ラダー複合体は少なくとも第1、第2、および第3のオリゴヌクレオチドを含み、第1および第2オリゴヌクレオチドは、少なくとも全長の一部分にわたって互いに相補的であり、第3のオリゴヌクレオチドは、第2のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分(第1のオリゴヌクレオチドと相補的である第2のオリゴヌクレオチドの部分とは異なる)と少なくとも部分的に相補的である。いくつかの実施形態では、ラダー複合体の各鎖は、少なくとも2つの近隣のオリゴヌクレオチドを含み、該オリゴヌクレオチドは互いに共有結合によって連結されたものではなく、他方の鎖のオリゴヌクレオチドに対して相補性によって互いに関連して保持される。このように、ラダー複合体の各鎖は、その全長に沿って一つ以上の場所でニックを形成する(以下の「ニック形成」に関する定義を参照)。これらの実施形態によれば、ラダーの各鎖は各鎖の一端の一つの末端オリゴヌクレオチド(以下の「末端オリゴヌクレオチド」に関する定義を参照)と一つ以上の架橋オリゴヌクレオチドとを含む。さらに、これらの実施形態によれば、各ラダー複合体は2つの架橋オリゴヌクレオチドを含む可能性があり、末端オリゴヌクレオチドはラダー複合体の反対側に別々の鎖に配置される。2つの架橋オリゴヌクレオチドは、ラダー複合体(例えば、図1を参照)の部分的に相補的架橋オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションによって、各々に関連して維持される。
「ニック形成」:本明細書中に用いられる用語「ニック」は、非連続的な核酸鎖に言及する。例えば、二個以上のオリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチドのうちの少なくとも2つは、各々共有結合で連結されていない鎖を含む)から構成されるヌクレオチド鎖は、ニック形成鎖である。特定の実施形態では、ニック形成核酸鎖は、ラダー複合体を形成するためにオリゴヌクレオチドの集団をアニールすることによって発生するもので、その際、この集団の一部のメンバーは、1つのニック形成鎖を形成する一方で、この集団の他のメンバーは、第1の鎖がアニールされる相補的ニック形成鎖を形成する。ニックは、長さが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25またはそれ以上のヌクレオチド長にわたるものであってもよい。あるいは、ニックは0ヌクレオチド長にわたるものであってもよい。例えば、2つの結合パートナーオリゴヌクレオチド間の架橋オリゴヌクレオチド上にいずれの結合パートナーにもアニールされないヌクレオチドが存在しないようにして架橋オリゴヌクレオチドを2つの結合パートナーオリゴヌクレオチドにアニールする場合、2つの結合パートナーオリゴヌクレオチドがニック形成鎖を含み、ニックは0ヌクレオチド長である。
「核酸アクセプター分子」:本明細書中で用いられる用語「核酸アクセプター分子」とは、チャンクと結合することができる核酸分子のことをいう。特定の実施形態では、核酸アクセプター分子は、チャンクで結合できるように処理された線形状のベクターを含む。いくつかの実施形態では、核酸アクセプター分子は、少なくとも部分的にチャンク分子のうちの少なくとも1つのオーバーハングと相補的である少なくとも1つのオーバーハングを含む。特定の実施形態では、オーバーハングは2つのプライマーのポリメラーゼ媒介伸長を生成する。これらの実施形態の一部の態様において、ポリメラーゼ媒介伸長で使用されるプライマーのうちの少なくとも1つは、使用されるポリメラーゼの複製テンプレートとして作用しないターミネーターヌクレオチドを含む。核酸アクセプター分子を、当業者に知られているいくつかの方法のいずれかによって、チャンクに連結することが可能であり、該方法として、限定されるものではないが、ライゲーション、ライゲーション非依存型クローニング、および増幅が挙げられる。単一核酸アクセプター分子は、一つ以上のチャンクに連結可能である。
「プライマー」:本明細書中で用いられる用語「プライマー」とは、オリゴヌクレオチドは、テンプレート核酸鎖に対して伸長する能力によって特徴付けられ、ポリヌクレオチド鎖(配列がテンプレート鎖の少なくとも一部分に対して相補的)は、プライマーに連結されて生ずる。プライマーの長さは、プライマーがテンプレート核酸分子に対してアニールして伸長することができる限り、実行者によって選択される任意の長さでよい。例えば、本発明のプライマーの長さは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、またはそれ以上のヌクレオチド長であってもよい。特定の実施形態において、テンプレート核酸鎖に対して伸長する一つ以上のプライマーは、反応条件下での伸張反応に使用されるポリメラーゼによる複製ができない「ターミネーターヌクレオチド」または「ターミネーター構造」(以下の定義を参照)と呼ばれる一つ以上のヌクレオチドまたは構造を含む。特定の実施形態において、プライマーで存在する一つ以上のターミネーターヌクレオチドは、異なる伸張条件下で異なるポリメラーゼおよび/または同一のポリメラーゼによって複製することができる。
「核酸分子の関連セット」:本発明によれば、配列が互いに実質的同一であり、所定の場所または所定の方向でのみ異なる複数の核酸分子からなる一群(セット)は、「核酸分子の関連セット」を構成する。特定の実施形態において、1つのセット内の個々の配列は、例えば、互いに少なくとも50、55、60、65、70、75、80、85、または90パーセント同一である。他の実施形態において、セットの範囲内の個々の配列は、例えば、互いと少なくとも91、92、93、94、95、96、97、98または99パーセント同一である。多くの実施形態において、個々の配列は、差異内の一つ以上の領域で内分散する完全同一の領域を含む。いくつかの実施形態では、関連セットの異なるメンバーは、一つ以上の共通配列を共有する。そのような共通配列は、セットを定義することができる。いくつかの実施形態では、そのような共通配列は、配列(例えば、特定の活性のタンパク質のモティーフ(例えば触媒モティーフの結合)をコードまたは提示し得る)の特定の機能的特性を代わりに、または、さらに伴うことができる。本発明の一部の実施形態において、核酸分子の関連セットのメンバーは、タンパク質コード配列を含む。そのような特定の実施形態では、一つ以上の予定位置で、異なるアミノ酸がコードされるという点で、関連セットの異なるメンバーは各々と異なり、いくつかの実施形態では、一緒に取られる場合、関連セットは、特定の位置であらゆる可能なアミノ酸をコードしている配列を含む。
「飽和変異誘発」:本明細書中で用いられる用語「飽和変異誘発」は、ポリペプチド配列の所定の核酸での一つ以上の位置での改変の総合的なセットを生成する方法のことをいう。例えば、核酸一次構造の一つの位置の飽和変異誘発は通常、4つの核酸分子を生産し、それぞれは選択されたヌクレオチド位置でアデニン、シチジン、グアニン、およびチミンのうちの1つを含む。いくつかの実施形態では、異なる数の変異体を、例えば、非天然ヌクレオチドを用いることにより生成することができる。アミノ酸配列の一つの位置の「飽和変異誘発」は、20の異なるポリペプチド(非天然アミノ酸が使用される場合より多く)を発生する。ポリペプチドの所定の位置での飽和変異誘発が、通常、選択位置にあるあらゆる可能なアミノ酸をコードしている核酸分子の関連セットの生産を通して、達成されることが理解されよう。特定の核酸またはポリペプチド配列の一つ以上の位置が飽和変異誘発に従属する可能性があると、さらに理解される。
「実質的に類似」:本明細書中に用いられるように、核酸一次構造に適用されるように、用語「実質的に類似」は二個以上の核酸分子または核酸分子の部分について言及するもので、核酸分子または部分が該核酸分子または部分に沿って相対的に同じ位置関係で配置される一つ以上の同一のヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、用語「実質的に類似」は、核酸分子またはヌクレオチド配列が、例えば、該核酸分子または部分の所定の長さにわたって50、55、60、65、70、75、80、85、または90パーセント以上同一である核酸分子の部分のことに言及したものである。他の実施形態において、用語「実質的に類似」は、核酸分子またはヌクレオチド配列が、例えば、該核酸分子または部分の所定の長さにわったって、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセント以上同一である核酸分子の部分について言及したものである。二個以上の核酸分子または部分が実質的に類似である核酸分子または部分の長さは、例えば、以上10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000ヌクレオチドまたはそれ以上のヌクレオチドであってもよい。いくつかの実施形態では、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で2つの核酸分子または核酸分子の部分が別の核酸分子の同一部分にハイブリダイズすることが可能である場合、これらの2つの核酸分子または核酸分子の部分は実質的に類似である。このような状況から明らかであるように、ポリペプチド配列に適用されることから、用語「実質的に類似」は二者択一的に二個以上のポリペプチドまたはポリペプチドの一部に言及するもので、ポリペプチドまたは部分は該ポリペプチドまたは部分に沿って相対的に同一の位置関係に置かれる一つ以上の同一または類似のアミノ酸を含む。どのアミノ酸が各々と類似しているかは、当該技術分野で周知である。例えば、脂肪族側鎖(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシンを含む)を持つアミノ酸は類似しており、脂肪族ヒドロキシル側鎖(セリンおよびスレオニンを含む)を持つアミノ酸は、類似しており、アミド含有側鎖(アスパラギンおよびグルタミンを含む)を持つアミノ酸は、類似しており、芳香族側鎖(フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファンを含む)を持つアミノ酸は、類似しており、塩基性側鎖(リシン、アルギニン、およびヒスチジンを含む)を持つアミノ酸は、類似しており、さらに含硫黄側鎖(システインおよびメチオニンを含む)があるアミノ酸は、類似している。いくつかの実施形態では、用語「実質的に類似」とは、ポリペプチドまたはポリペプチドの部分のアミノ酸配列が、ポリペプチドまたは一部分の全体にわたって、例えば、50、55、60、65,70、75、80、85、または90パーセント同一または類似していることをいう。他の実施形態において、用語「実質的に類似」は、アミノ酸配列が、例えば、91、92、93、94、95、96、97、98または99パーセント、ポリペプチドまたは部分の所定の長さにわたって同一でまたは類似しているポリペプチドまたは核酸分子の部分に言及するものである。二個以上のポリペプチドまたは部分が実質的に類似であるポリペプチドまたは部分の長さは、例えば、以上5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、またはそれ以上のアミノ酸であってもよい。
「末端オリゴヌクレオチド」:本明細書中に用いられる用語「末端オリゴヌクレオチド」は、アニールされたオリゴヌクレオチドラダーの1つの鎖の一端に置かれるオリゴヌクレオチドについて言及するものである。特定の実施形態では、本発明の各ラダー複合体は2つの末端オリゴヌクレオチドを含み、各末端オリゴヌクレオチドが相対する鎖の上のラダー複合体の反対端に配置される。特定の実施形態では、末端オリゴヌクレオチドはラダー複合体(架橋オリゴヌクレオチドまたはその他の末端オリゴヌクレオチド)の他のひとつオリゴヌクレオチドだけにアニールする。いくつかの実施形態では、末端オリゴヌクレオチドはラダー複合体の一つ以上のオリゴヌクレオチドにアニールすることが可能である。特定の実施形態では、末端オリゴヌクレオチドはラダー複合体の別のオリゴヌクレオチドにアニールされない一本鎖オーバーハングを含む。
「ターミネーター」:文脈から明らかなように、本明細書中で用いられる「ターミネーター」は、ターミネーターヌクレオチドまたはターミネーター構造(以下の「ターミネーターヌクレオチド」または「ターミネーター構造」に関する定義を参照)のことに言及するもので、ターミネーターヌクレオチドまたはターミネーター構造は、重合反応において少なくとも1つのポリメラーゼによって複製されることができない。
「ターミネーターヌクレオチド」、「ターミネーター残基」:本明細書中で用いられる用語「ターミネーターヌクレオチド」と「ターミネーター残基」は、複数の条件からなる少なくとも1つのセットのもとで、重合反応において少なくとも1つのポリメラーゼによって複製されることができないヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体について、言及するものである。所定のターミネーターヌクレオチドは、ほかの同一または類似の条件下で、異なるポリメラーゼによって複製し得るものであってもよい。さらに、または代替として、所定のターミネーターヌクレオチドは、重合条件の異なるセット下で、同一ポリメラーゼによって複製される得るものであってもよい。特定の実施形態では、ターミネーターヌクレオチドはポリメラーゼ媒介伸長反応で使われるプライマーに含まれる。さらにまた、ターミネーターヌクレオチドを含んでいるプライマーが米国特許出願第6,358,712号で、または、米国特許出願第10/383,135号で開示される任意の方法に関連して使用することが可能であり、それぞれを本明細書中に参照により組み込む。わずかに1つの非限定的な実施形態として、プライマーは、ポリメラーゼ媒介伸長反応で使用される少なくとも1つのポリメラーゼによって複製されない一つ以上のリボヌクレオチド残基を含むものであってもよい。もう一つの非限定的な実施形態として、プライマーは、ポリメラーゼ媒介伸長反応で使用される少なくとも1つのポリメラーゼによって複製されない一つ以上の2’−O−メチル残基を含むものであってもよい。
「ターミネーター構造」:本明細書中に用いられる用語「ターミネーター構造」は、ヌクレオチドが、通常、重合反応で使用されるポリメラーゼがその構造特徴を越えて移動し、また該構造機能を越えてヌクレオチドを複製することができない位置におかれる、リン酸塩主鎖に関した位置の核酸分子の構造特徴に言及する。ポリメラーゼが核酸鎖に沿って所定の位置を越えてヌクレオチドを複製するのを止めるために機能する任意の物理的部分は、ターミネーター構造である。また、ポリメラーゼがその無塩基部位を越えてヌクレオチドを複製するのを止めるように機能する場合、リン酸塩主鎖(すなわち「無塩基部位」)に沿った所定の位置のヌクレオチド残基の欠如はターミネーター構造であってもよい。特定の実施形態では、ターミネーター構造はプライマーに含まれる。本明細書中で用いられるように、用語「構造特徴」はヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体(上記「ターミネーターヌクレオチド」の定義を参照)に言及するものではない。
(特定の実施形態の詳細な説明)
本発明は、改変された核酸分子を生成するための新規システムを提供する。特定の実施形態では、二本鎖核酸チャンクは相補的オリゴヌクレオチドを部分的に含んでいるラダー複合体から生成され、チャンクは核酸アクセプター分子と連結し得る。いくつかの実施形態では、組み立てられたチャンク/核酸アクセプター分子複合体をインビボまたはインビトロで増殖させることが可能である。本発明はまた、改善されたシステムを、一つ以上の予め定められた場所で異なる核酸分子の関連セットを生成するために、提供する。特定の実施形態では、関連セットの核酸分子は、ポリペプチドまたはポリペプチド部分をコードする。
本発明のさらなる、および代替の実施形態を以下に詳細に説明する。しかし、当該技術分野の通常の知識を有する者は、これらの実施形態に対する種々の修飾が添付の特許請求の範囲の範囲内であると理解する。それは、本発明の範囲を定義する請求の範囲とその等価物であり、特定の実施形態のこの説明に限定またはそれに限定されるもの、あるいは限定すべきものではない。
(ラダーアセンブリ)
本発明は、核酸分子配列が実行者によって前もって決定および選択される改変核酸分子を生成するためのシステムを提供する。特定の実施形態では、ラダー複合体は二個以上のオリゴヌクレオチドをアニールすることによって生成され、少なくとも一部の各オリゴヌクレオチドは、少なくともラダー複合体の一部のうちの少なくとも1つの他のオリゴヌクレオチドと、少なくとも部分的に相補的である。いくつかの実施形態において、少なくとも第1のおよび第2のオリゴヌクレオチドを提供し、これらの実施形態によれば、少なくとも一部の第1のオリゴヌクレオチドは、第2のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と少なくとも部分的に相補的である。これらの実施形態によれば、第1および第2オリゴヌクレオチドはラダー複合体を形成するためにアニールされる。いくつかの実施形態において、少なくとも第1、第2、および第3オリゴヌクレオチドを提供し、第1および第2オリゴヌクレオチドは、全長の少なくとも一部分にわたって、少なくとも部分的に互いに相補的であり、第3のオリゴヌクレオチドは、第1のオリゴヌクレオチドと相補的である第2のオリゴヌクレオチドの部分と異なる少なくとも部分的に一部の第2のオリゴヌクレオチドと相補的である。第1、第2、および第3オリゴヌクレオチドは、ラダー複合体を形成するためにアニールされる。これらの実施形態によれば、それが第2のオリゴヌクレオチドだけを含むことから、他の鎖がニック形成されていない間、ラダー複合体の1つの鎖は第1および第3のオリゴヌクレオチドを含み、そのことからニックが形成される。
特定の実施形態では、部分的な相補的オリゴヌクレオチドの集団は、第1の末端オリゴヌクレオチド、第2の末端オリゴヌクレオチド、および少なくとも2つの架橋オリゴヌクレオチドを含んで提供される。これらのオリゴヌクレオチドは、ラダー複合体を形成するためにアニールされる。これらの実施形態によれば、ラダー複合体の各鎖は、少なくとも1つの末端オリゴヌクレオチドと少なくとも1つの架橋オリゴヌクレオチドとを含んでいることから、その全長に沿って少なくとも1つの場所でニックが形成される。第1および第2末端オリゴヌクレオチドは別々の鎖に配置されて、ラダー複合体の反対側にある。第1および第2末端オリゴヌクレオチドは、部分的に相補的架橋オリゴヌクレオチドを通して各々、非共有結合的に接続されている。ラダー複合体を含む個々のオリゴヌクレオチドの配列が実行者によって測定されるので、これらの実施形態による方法が任意の配列を含んでいるラダー複合体の生産を可能にする。
ラダー複合体の形成に用いられるオリゴヌクレオチドを、任意の方法によって生成することが可能である。いくつかの実施形態では、合成オリゴヌクレオチドは、当該技術分野で知られているいくつかの技術のいずれか一つによって生成することができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはDNAポリメラーゼによって酵素で生産され、DNAポリメラーゼは一本鎖生成オリゴヌクレオチドを生産するためにテンプレート核酸分子を複製する。これらの実施形態によれば、酵素処理で生産したオリゴヌクレオチドを、アニール前に、テンプレート核酸分子およびポリメラーゼから分離および生成することで、ラダー複合体を形成してもよい。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは二本鎖核酸分子の解離とその後の一本鎖の隔離とによって生成される。ラダー複合体の形成に用いられる種々のオリゴヌクレオチドを、同様の法によって生成する必要はない。当業者は、該当業者の実験的、商業的、または他の必要性に基づいて、オリゴヌクレオチドを生成する特定の方法を選択することが可能である。
本発明の教示にしたがって、ラダー複合体を形成するために用いられるオリゴヌクレオチドの配列を事前に決定し、実行者によって選択される任意の配列から構成されるものであってもよい。しかし、ハイブリダイゼーションおよび重合の実行者は、ヌクレオチド配列への特定の制約は、使用されるオリゴヌクレオチドを設計または選択する際に留意しておかなければならないことを指示する。例えば、ラダー複合体を形成するのに用いられる各オリゴヌクレオチドがラダー複合体のうちの少なくとも1つの他のオリゴヌクレオチドでアニールしなければならない時から、実行者は可能ならば最小の相補性を有するか、または自己相補性を持たないオリゴヌクレオチドを好ましくは選択および/または設計しなければならない。当業者は、該当業者の実験的、商業的、または他の必要に基づいて、本発明に従って使用されるオリゴヌクレオチドを設計または選択する際に適応されなければならない他の制約に気づいている。
ラダー複合体の形成に使用されるオリゴヌクレオチドの長さは、アニールしてラダー複合体を形成する限り、任意の都合よい長さであってもよい。したがって、オリゴヌクレオチドは、例えば、長さが2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100またはそれ以上のヌクレオチド長であってもよい。特定の実施形態では、ラダー複合体の形成に用いられるオリゴヌクレオチドは、すべて同じ長さである。いくつかの実施形態では、ラダー複合体を形成するのに用いられる二個以上のオリゴヌクレオチドは、異なる長さである。実行者は、該実行者の実験的、商業的、または他の必要に基づいて、オリゴヌクレオチドを選択することができる。
同様に、ハイブリダイゼーションの強さがラダー複合体が分離しないようにするのに十分な限り、ラダー複合体の相補的オリゴヌクレオチドがハイブリダイズするヌクレオチドの数は任意の都合よい数であってもよい。このように、ラダー複合体の相補的オリゴヌクレオチドがハイブリダイズするヌクレオチドの数は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、またはそれ以上のヌクレオチド長であってもよい。特定の実施形態では、ラダー複合体の相補的オリゴヌクレオチドがハイブリダイズするヌクレオチドの数は相補的オリゴヌクレオチドの各対について同一である。他の実施形態において、ラダー複合体の相補的オリゴヌクレオチドがハイブリダイズするヌクレオチドの数は相補的オリゴヌクレオチドの異なる対で異なる。さらにまた、2つの結合パートナーオリゴヌクレオチド(2つの架橋オリゴヌクレオチドまたは1つの架橋オリゴヌクレオチドと1つの末端オリゴヌクレオチド)とハイブリダイズするラダー複合体の架橋オリゴヌクレオチドは、同数のヌクレオチドにわたってその2つの結合パートナーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズする必要はない。実行者は、該実行者の実験的、商業的、または他の必要に基づくラダー複合体の相補的オリゴヌクレオチドがハイブリダイズするヌクレオチドの数を選択する可能性がある。
特定の実施形態では、ラダー複合体のオリゴヌクレオチドを、1つの反応で同時にアニールすることが可能である。さらに、または代替として、ラダー複合体が一度に一つのオリゴヌクレオチドを組み立てるように、個々のオリゴヌクレオチドが経時的に成長するラダー複合体にアニールされることが可能である。当業者は、アニールを許容する適当な条件を決定することが可能である。例えば、当業者は当業者が選択したヌクレオチド組成またはオリゴヌクレオチド長に基づくオリゴヌクレオチドをアニールする適当な温度を測定することが可能である。同様に、当業者は種々の塩類または他の構成要素の存在下でオリゴヌクレオチドをアニールするべきかどうか決定することが可能であり、それらはアニーリングを促進することが可能であり、および/または非特異的相互作用または分子間相互作用を減少させることが可能である。ラダー複合体の生成の後、当該技術分野で公知の技術によって、過剰な非アニール化オリゴヌクレオチドをラダー状複合体から分離および/または除去することが可能であり、そのような技術として、限定されるものではないが、サイズ分画、沈降、非アニール化オリゴヌクレオチドのエキソヌクレアーゼ消化、または非変性ゲル電気泳動が挙げられる。
(シームレスラダーアセンブリ)
本発明のいくつかの実施形態では、ラダー複合体のうちの少なくとも1つの鎖は、2つ以上のオリゴヌクレオチドから構成され、互いに直接隣接することで、それらの間にギャップを形成しない。これらの実施形態によれば、第1の末端オリゴヌクレオチド、第2の末端オリゴヌクレオチド、および少なくとも2つの架橋オリゴヌクレオチドを含むラダー複合体において、ラダー複合体の各架橋オリゴヌクレオチドは、ラダー複合体(2つの他の架橋オリゴヌクレオチドまたは1つの末端オリゴヌクレオチドと1つの架橋オリゴヌクレオチドのいずれか)の2つの他の結合パートナーオリゴヌクレオチドにアニールし、また架橋オリゴヌクレオチドの各ヌクレオチドは、2つの結合パートナーオリゴヌクレオチドのうちの1つのヌクレオチドに対する同族である。それ故、このラダー複合体において、ラダー複合体のもう一つのオリゴヌクレオチドのヌクレオチドに対する同族でないヌクレオチドを任意に含むと考えられる唯一のオリゴヌクレオチドは、1つの架橋オリゴヌクレオチドだけにアニールする2つの架橋オリゴヌクレオチドであって、このようにラダー複合体終了後一本鎖オーバーハングを含むことが可能である。シームレスラダーは、このように、個々の鎖が少なくとも1つの位置でニックを形成し、いずれの末端でも任意に一つ以上の一本鎖オーバーハングを含む二本鎖核酸分子である。シームレスラダーアセンブリの一実施形態を図1Aに示す。
いくつかの実施形態では、シームレスラダー複合体は2つの鎖を含み、該2つの鎖は、これらの鎖がアニールする領域上で、互いに完全に相補的である。これらの実施形態によれば、ミスマッチの同族ヌクレオチド対がでない、バブルがラダー複合体の中に存在しない。いくつかの実施形態では、ラダー複合体の2つの鎖はミスマッチである一つ以上の同族ヌクレオチド対を含み、ラダー複合体で結果として一つ以上のバブルになる。ラダー複合体がチャンク(以下のチャンク生成セクションを参照)を形成するためにポリメラーゼ媒介伸長反応に従属する場合、別々の2つのチャンクが生成され、ラダー複合体の1つの鎖に存在する不適性ヌクレオチドを含んでいる配列から構成される1つのチャンクと、ラダー複合体の他の鎖に存在するミスマッチヌクレオチドを含んでいる配列から構成される第2のチャンクとを含む。本発明の方法は、ミスマッチされた同族ヌクレオチドによって形成されるバブルを含む、または含まないシームレスラダーに対して等しく適用される。
(ギャップ形成ラダーアセンブリ)
本発明の特定の実施形態において、ラダー複合体の少なくとも1本の鎖は、互いに直接的には隣接してない少なくとも2つのオリゴヌクレオチドを含み、それらの間にギャップを残す。これらの実施形態によれば、第1の末端オリゴヌクレオチド、第2の末端オリゴヌクレオチド、および少なくとも2つの架橋オリゴヌクレオチドを含むラダー複合体において、ラダー複合体の各架橋オリゴヌクレオチドは他の2つの結合パートナーオリゴヌクレオチド(2つの他の架橋オリゴヌクレオチドまたは1つの末端オリゴヌクレオチドおよび1つの架橋オリゴヌクレオチドのいずれか)にアニールし、少なくとも1つの架橋オリゴヌクレオチドの少なくとも2つのヌクレオチドは2つの結合パートナーオリゴヌクレオチドのどちらの上にも同族ヌクレオチドを持たないことから、結合パートナーオリゴヌクレオチドの間に位置するギャップを形成する。ギャップの長さは、どちらの結合パートナーオリゴヌクレオチド上にも同族ヌクレオチドを持たない2つの結合パートナーオリゴヌクレオチドの間に、架橋オリゴヌクレオチド上でヌクレオチドの数で、測定される。このように、2つの結合パートナーオリゴヌクレオチドの間にある架橋オリゴヌクレオチドの単一ヌクレオチドがどちらの結合パートナーオリゴヌクレオチドの上にも同族ヌクレオチドを持たなくさえすれば、結合パートナーオリゴヌクレオチド間のギャップは1ヌクレオチド長である。各結合パートナーが解離を予防するのに十分な強さで架橋オリゴヌクレオチドにアニールすることが可能な限り、ギャップは任意の長さ(同族ヌクレオチドを持たない結合パートナーオリゴヌクレオチドの間に位置する架橋オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの数で測定されるので)であってもよい。同様に、各結合パートナーが解離を防ぐのに十分な強さで架橋オリゴヌクレオチドにアニールすることが可能な限り、ギャップの位置は架橋オリゴヌクレオチドに沿っていかなる点にでも位置する可能性がある。ギャップ形成ラダーアセンブリの一実施形態を図1Bに示す。
(ラダー複合体での配列多様性の生成)
本発明の特定の実施形態において、配列多様性を、一つ以上の選択肢オリゴヌクレオチドを、ラダー複合体を含むオリゴヌクレオチドのうちの1つと置換することによって、ラダー複合体で生成することが可能である。これらの実施形態によれば、他のオリゴヌクレオチドは、一つ以上のヌクレオチド位置で当初のオリゴヌクレオチドとは異なる。例えば、ラダー複合体のオリゴヌクレオチドのうちの1つが位置xでアデニン塩基を含む場合、位置xでシチジン、グアニンまたはチミンを含む3つの他のオリゴヌクレオチドが生産される場合もあり、結果としてラダー複合体の4つの相対変異になる。2つのヌクレオチドが特定のオリゴヌクレオチドで変わる場合、ラダー複合体の16個の変形例の生成等がおこる可能性がある。さらに、または代替として、オリゴヌクレオチドがラダー複合体を形成することが依然として可能である限り、一つ以上の欠失、挿入または再配列を含む点で、ラダー複合体の他のオリゴヌクレオチドは各々と異なる場合もある。特定の実施形態では、一つ以上の欠失を含む他のオリゴヌクレオチドの利用、挿入、または再配列は、結果として本来の新規のラダー複合体の本体のオリゴヌクレオチドの一つ以上が除外される新規のラダー複合体になる。
いくつかの実施形態では、ラダー複合体はポリペプチドまたはポリペプチドの一部分をコードする配列を含む。このように、ラダー複合体のヌクレオチド配列の変化は、結果として他のアミノ酸配列を含むポリペプチドまたは一部分の変形例をコード可能なラダー複合体をもたらす。ポリペプチドは、ますます重要な治療薬、農薬、および商業的薬剤になった。ますます多くの発見および研究は、役立つ剤として機能またはそれ自身薬物分子の標的となるポリペプチドの同定を目的とする。しばしば、関心のポリペプチドのアミノ酸配列での小さな変化は、その性質に大きな効果を持ち得る。あるいは、またはそれに加えて、ポリペプチドの特定の構造領域の追加、欠失、または修飾は、劇的なおよび予期しない方向で、その性質に影響を及ぼす可能性もある。それらの特定のアミノ酸配列と構造領域とを同定して、一つ以上の所望の性質を持つポリペプチドを生成するためにそれらを最適化することは、既知のポリペプチド配列の新規かつ役に立つ変異体の開発にとって重要な課題である。大規模なシークエンシングプロジェクトの出現で、一つ以上のポリペプチドをコードするために予測される圧倒的数の遺伝子が現在知られている。予測されたポリペプチド配列データについてのこの広範囲な知識でさえ、研究者はこれらの予測されたポリペプチドとそれらの領域についての機能的な知識との不足によって、これらのポリペプチドの治療上、農業上、または商業上役立つ変異体に開発する努力がしばしば妨げられる。
遺伝コードの縮重のため、ラダー複合体のヌクレオチド配列の改変は、結果としてそれがコードするポリペプチドまたは一部分のペプチド配列を変えないいわゆる「サイレント置換」になる場合がある。例えば、アミノ酸ロイシンは、コドンCTT、CTC、CTG、およびCTAによってコードされる。この場合、ロイシンをコードするコドンの第3位に位置するヌクレオチドの改変は、ラダー複合体によってコードされるポリペプチドまたは一部分のアミノ酸配列で、結果として不変になる。
遺伝コードの縮重は、目的とするポリペプチドの飽和変異誘発のプロセスを単純化する。飽和変異誘発は、その位置であらゆる可能なアミノ酸置換を表す複数のポリペプチドが生成されるようにして、一つ以上のアミノ酸位置で包括的にポリペプチドの配列を変えることによって達成される。この技術は、アミノ酸がポリペプチドの機能に関わり、どのアミノ酸置換が結果としてそのポリペプチドの機能性の増加または減少をもたらすかを決定できるようにする役割を公平に同定ができるようにする。
アミノ酸は、3つの連続的なヌクレオチドから成るコドンによってコードされる。このように、アミノ酸をコードし得る64種類の可能なヌクレオチドの組合せが存在する。しかし、所定のコドンの多くのヌクレオチド置換がサイレントであって、コドンがコードするアミノ酸配列を変えないので、64通りの可能な異なるコドンの各々は、特定のコドン位置で飽和変異誘発を達成するために生成される必要はない。本発明によれば、天然に存在するアミノ酸の全20種類が表されるように、ラダー複合体の特定のコドン位置で、飽和変異誘発を達成するために、20種類の他のオリゴヌクレオチドだけは生成されなければならない。
特定の実施形態では、ラダー複合体は一つ以上のオリゴヌクレオチドを含み、該オリゴヌクレオチドは、文字「N」によって表される少なくとも1つの変性ヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドがポリペプチドまたはポリペプチドの一部分をコードする場合、特定のコドン位置の変性ヌクレオチド配列NNNはポリペプチドまたは一部分からなる集団を生成する。その際、その位置のあらゆる可能なアミノ酸が集団によって表される(留意すべきことは、可能な64通りのヌクレオチドの組合せのうちの3通りが停止コドンをコードすることから、完全変性コドンNNNは先端を切ったポリペプチドまたは部分を生成もするということである)。遺伝コードの縮重は、最大で64通りの可能な縮重ヌクレオチドの組合せよりも少ない数で用いて、特定のアミノ酸の飽和変異誘発ができるようにする。例えば、縮重ヌクレオチド配列NNG/T(コドンの最初の2つの位置が完全に縮重、第3位がグアニンまたはチミン残基を含む)は、そのコドン位置のあらゆる可能なアミノ酸が集団のポリペプチドで表されるようにして、ポリペプチドまたは一部分からなる集団も生成する。これは、64から32まで特定のコドン位置を飽和させることが求められる変性オリゴヌクレオチドの数を減らす。本発明の教示によれば、実行者は、該実行者が集団で、ポリペプチド配列で可能なアミノ酸改変を制限することを望むならば、32の縮重オリゴヌクレオチドよりさらに少ない分を使用することを選択可能である。
天然に存在するアミノ酸20種類のほぼ全てが、少なくとも2つのコドンによってコードされることから、実行者は、どの特定のコドンを使用するべきかについて、多少の判断をする。例えば、特定の生体は、同じアミノ酸をコードするもう一つのコドンに所定のアミノ酸をコードする1つの特定のコドンを好む。いくつかの実施形態では、ラダー複合体のヌクレオチド配列はインビボで(以下の挿入チャンクの増殖に関するセクションを参照)、宿主細胞において増殖される。これらの実施形態の特定の態様において、実行者は、強い増殖を目的としてその同じアミノ酸をコードするもう一つのコドンよりもその宿主細胞によって好まれるコドンの使用を選択してもよい。同様に、特定のコドンは部分的にオリゴヌクレオチドを自己相補的にするか、さもなければラダー複合体を形成するその能力に影響を及ぼすかもしれない。この場合、実行者は問題を軽減するために同じアミノ酸をコードするもう一つのコドンを選択してもよい。
本発明の方法は、特に特定の目的とするポリペプチドで多様性を生成することに適している。ポリペプチドをコードするラダー複合体のヌクレオチド配列を変えることによって、実行者が重要であると考えるどのような品質でも見つけ出すことを目的として検査し得るほとんど無制限の数のポリペプチド変異体を設計することが、可能である。例えば、二個以上の相同ポリペプチドのファミリーの一部であるポリペプチドを改変して、ファミリーの二個以上のメンバーからポリペプチド配列または領域を含むキメラポリペプチドを生成することが可能である。適当なオリゴヌクレオチドをラダー複合体を形成するために選ぶことによって、実行者はファミリーの他のメンバーから特に迅速且つ容易に配列または領域を「スワップ(交換)する」ことが可能である。このように、ファミリーが2つのポリペプチドメンバー(それぞれは目的とする3つの領域を含む)から構成される場合、本発明の方法は6つのキメラポリペプチドの生成を可能にし、それぞれが目的とする3つの領域の異なる組合せを含む。
同様に、ラダー複合体を形成するために、適当な交代性オリゴヌクレオチドを選ぶことによって、本発明の方法は、実行者がほかの非相同ポリペプチドから相同ドメインでの「スワップ」を可能にする。一例ではあるが、転写因子からの亜鉛フィンガー領域を、翻訳リプレッサータンパク質からの亜鉛フィンガー領域と置換可能であり、キメラポリペプチドに対して転写(または実行者が興味を持っている他のいかなる性質のために)を開始させる能力を試験してもよい。
ヌクレオチド配列(ポリペプチドを任意にコードする場合もある)に配列多様性を導入する本発明の方法は、多様性を生成する多くの他の方法よりも有意な利点を提供する。例えば、Pattenら(米国特許出願第6,579,678号および第6,613,514号)によって開示される方法は、子孫核酸分子の集団で多様性を生成するために、二個以上の親核酸分子のランダムな遺伝子組換えを利用する。遺伝子組換えの後、子孫核酸分子はキメラであり、親の核酸分子の二個以上に由来する配列部分を含む可能性がある。しかし、Pattenらの方法は、組換減少が完全にランダムであるという欠点を有する。このように、親の領域の特定の組合せを含む特定の子孫核酸分子が生産されるという保証はない。その上、遺伝子組換えがランダムなことから、親の核酸分子の一つ以上は遺伝子組換えを受けるのに失敗する可能性があり、再結合反応で再構成される場合もある。本発明の方法は、実行者が特にラダー複合体の適当なオリゴヌクレオチドを選択または生成することによって、該実行者がヌクレオチド配列を設計することができることによって、これらの不利な点を回避させる。このように、実行者はラダー複合体配列の完全な対照を持って、所望のヌクレオチド配列を生成することを願って、確率過程に依存する必要がない。
さらに、Pattenらの要求によって子孫ポリヌクレオチドの集団の実質的なスクリーニングが開示される方法は、どのキメラの子孫核酸分子が親の配列の所望の組合せを含むかを決定し、また、任意の不必要な非組み換えまたは再構成された親核酸分子を除外することを必要とする。本発明の方法は、実行者がPattenらのスクリーニングステップを回避するのを許す。実行者がラダー複合体の適当なオリゴヌクレオチドを選択するか、生成することによって特異的な所望のヌクレオチド配列を生成することが可能であり、本質的に、再結合過程によって生成される不必要なアーチファクトの有無に関してスクリーニングする必要がない。
特定の実施形態では、ラダー複合体は目的とするポリペプチドを調節する調節因子を含む配列から構成される。例えば、配列はプロモーター要素を含むものであってもよい。適当な交代性オリゴヌクレオチドをラダー複合体を形成するために選ぶことによって、プロモーター配列の代替バージョンを、生成することができる。本発明の教示を使用して、例えば、プロモーターのこれらの代替形態を発現ベクターに導入することが可能であり、このベクターはプロモーターの代替形態がリポーター遺伝子の発現を調節するように、リポーター遺伝子を含む。リポーター遺伝子の濃度および/または活性を測定することによって、どの核酸残基がそのプロモーターの制御下のポリペプチドの発現にとって重要か、またどのヌクレオチド置換が結果としてそのリポーター遺伝子のよりも大きい、またはより小さい発現になるかを決定することが可能である。本発明の方法は、任意のプロモーター要素の代替バージョンの生成に適している。多種多様なプロモーター要素が知られており、構成的要素、誘導性要素、および組織特異的要素を含むが、これに限定されない。当業者は、該当業者が改変を望むプロモーター要素または複数のプロモーター要素を決定することができる。さらにまた、当業者はそれらのプロモーター要素に対してどのような改変を行うかについて決定することが可能である。特定の実施形態では、それらのヌクレオチドのあらゆる可能な配列組合せが生成されるように、プロモーター要素の一つ以上のヌクレオチドに対して、飽和変異誘発がおこなわれる。
いくつかの実施形態では、ラダー複合体は任意に一つ以上のイントロン配列を含むポリペプチドをコードする配列を含む配列から構成される。いくつかの実施形態では、本発明の方法を、1つ以上のイントロンをラダー複合体配列に導入するのに用いることが可能である。さらに、または、代わりに、本発明の方法を、ラダー複合体配列から1つ以上のイントロンを摘出する際に用いてもよく、いくつかの実施形態では、本発明の方法を、さらなる配列要素またはヌクレオチドをラダー複合体配列に含まれる1つ以上のイントロンの導入にさらに、または代わりに、用いてもよい。特定の実施形態では、本発明の方法を、ラダー複合体配列に含まれる1つ以上のイントロンから特定の配列要素またはヌクレオチドを摘出するのにさらに、または代わりに、用いてもよい。いくつかの実施形態では、本発明の方法を、ラダー複合体配列に含まれる1つ以上のイントロンの一つ以上のスプライス部位を変えるのに、さらに、または代わりに、用いてもよい。当業者は、該当業者が望むイントロン要素または複数のイントロン要素のいずれを導入するか、変えるかについて決定することが可能である。さらにまた、当業者はそれらのイントロン要素にどのような改変を行うかについて決定することが可能である。特定の実施形態では、それらのヌクレオチドのあらゆる可能な配列組合せが生成されるように、イントロン要素の一つ以上のヌクレオチドに対して飽和変異誘発をおこなってもよい。
いくつかの実施形態では、ラダー複合体は目的とするポリペプチド転写後を調節する調節因子を含む配列を含む。例えば、ラダー複合体配列は、特定のmRNAの5’または3’UTRを含むものであってもよい。本発明の方法を、調節因子を5’または3’UTRに導入するのに用いることが可能である。さらに、または代替として、本発明の方法を、すでに存在する調節因子の改変に用いることが可能である。非限定的な例として、調節因子はそのmRNAの安定性または翻訳を調節することが可能である。当業者は、該当業者が導入または改変を望むUTR要素または複数を決定することが可能である。さらにまた、当業者はそれらのUTR要素にどのような改変を行うかについて決定することができる。特定の実施形態では、それらのヌクレオチドのあらゆる可能な配列組合せが生成されるように、UTR要素の一つ以上のヌクレオチドに対して飽和変異誘発を行う。
多数の他の可能な調節因子は当該技術分野で知られており、当業者はどの調節因子を改変すべきか、また本発明の教示にもとづいてどのようにしてそれらを改変すべきかを選択することができる。
(シームレスラダーでの配列多様性の生成)
シームレスラダーでは、同じ鎖の隣接オリゴヌクレオチド間にギャップが存在していない。このように、シームレスラダーの末端オリゴヌクレオチドだけは、一本鎖部分を任意に含むものであってもよい。例えば、第1の末端オリゴヌクレオチド、第2の末端オリゴヌクレオチド、および少なくとも2つの架橋オリゴヌクレオチドを含むラダー複合体では、一方または両方の末端オリゴヌクレオチドは、該末端オリゴヌクレオチドがアニールする相補鎖の最後の架橋オリゴヌクレオチドに対して遠位に位置する一本鎖部分を含むものであってもよい。
特定の実施形態では、シームレスラダーの多様性を、架橋オリゴヌクレオチド(例えば、図4Aを参照)に位置するヌクレオチドを変えることによって生成することが可能である。これらの実施形態のいくつかの態様では、架橋オリゴヌクレオチドの改変ヌクレオチドがハイブリダイズする結合パートナーオリゴヌクレオチドの同族ヌクレオチドも、架橋オリゴヌクレオチドの改変ヌクレオチドに対して相補的であるようにして、改変される。これらの態様によれば、架橋オリゴヌクレオチドの改変ヌクレオチドは、結合パートナーオリゴヌクレオチドの改変相補的ヌクレオチドにアニールする。これらの実施形態のいくつかの態様において、架橋オリゴヌクレオチドに位置するヌクレオチドが改変されるが、その結合パートナーオリゴヌクレオチドの同族ヌクレオチドは改変されない。これらの態様によれば、ラダー複合体の改変ヌクレオチドは結合パートナーオリゴヌクレオチド上でその同族ヌクレオチドともはや相補的でなく、それに対してアニールしないことから、その位置でバブルを形成する。このラダー複合体がポリメラーゼ媒介伸長反応によってチャンク(以下のチャンク生成のセクションを参照)を形成する場合、別々の2つのチャンクが生成され、一方のチャンクが架橋オリゴヌクレオチドの改変ヌクレオチドを含む配列から構成され、他方のチャンクが結合パートナーオリゴヌクレオチドの非改変同族ヌクレオチドを含む配列から構成される。
特定の実施形態では、一つの架橋オリゴヌクレオチドの二個以上のヌクレオチドを、同時に改変することが可能である(例えば、図6を参照)。これらの実施形態のいくつかの態様において、1つの結合パートナーオリゴヌクレオチドは、架橋オリゴヌクレオチドで改変されるヌクレオチドのすべての同族ヌクレオチドを含むことが可能である。これらの実施形態のいくつかの態様において、架橋オリゴヌクレオチドで改変される二個以上のヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、2つの結合パートナーオリゴヌクレオチドの各々にあるヌクレオチドに対する同族である。例えば、図6は2つのヌクレオチドの同時改変を示し、その一方が結合パートナーオリゴヌクレオチドのうちの1つのヌクレオチドに対する同族であり、他方が他の結合パートナーオリゴヌクレオチドのヌクレオチドに対して同族である。結合パートナーオリゴヌクレオチドの同族ヌクレオチドは架橋オリゴヌクレオチドの改変ヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを含むため、任意に改変可能であり、バブルがないラダー複合体を形成する。あるいは、結合パートナーオリゴヌクレオチドの同族ヌクレオチドを不変のままにしておくことが可能であり、一つ以上のバブルを含むラダー複合体が形成される。
特定の実施形態では、別々の架橋オリゴヌクレオチドの上で位置する二個以上のヌクレオチドを同時に改変することも可能である。別々の架橋オリゴヌクレオチドの改変ヌクレオチドに対する同族である結合パートナーオリゴヌクレオチドのヌクレオチドは、架橋オリゴヌクレオチドの改変ヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを含むために、任意に改変可能性である。
特定の実施形態では、末端オリゴヌクレオチドの一本鎖部分で位置する一つ以上のヌクレオチドを改変することが可能である。これらの実施形態によれば、改変ヌクレオチドにアニールするもう一つのオリゴヌクレオチド上に位置する同族ヌクレオチドは存在しない。特定の実施形態では、両方の末端オリゴヌクレオチドの一本鎖部分に位置する一つ以上のヌクレオチドを改変することが可能である。特定の実施形態において、末端オリゴヌクレオチドの一本鎖部分に位置する一つ以上のヌクレオチドを、結合パートナーオリゴヌクレオチドにアニールする末端オリゴヌクレオチドの部分に位置する一つ以上のヌクレオチドと同時に改変してもよい。末端オリゴヌクレオチドの改変ヌクレオチドに対する同族である結合パートナーオリゴヌクレオチドのヌクレオチドを任意に改変して、末端オリゴヌクレオチドの改変ヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを含むものとすることが可能である。
特定の実施形態では、改変ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを同時にプールして、単一反応でアニールする(例えば、図4Bを参照)。他の実施形態において、改変ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを個々の反応でアニールする(例えば、図4Cを参照)。
(ギャップ形成ラダー内での多様性の生成)
特定の実施形態では、ギャップ形成ラダーの多様性は、一つ以上のヌクレオチドを改変することによって生成可能であり、該ヌクレオチドは、2つの結合パートナーオリゴヌクレオチド(例えば、5A、図を参照)によって生じるギャップ間に位置する架橋オリゴヌクレオチドの一本鎖部分に位置する。これらの実施形態によれば、改変ヌクレオチドがアニールする可能性がある同族ヌクレオチドが存在しないことから、架橋オリゴヌクレオチドの配列だけが改変される。改変ヌクレオチドが互いに隣接可能であり、あるいは一つ以上のヌクレオチドによって互いに分離可能である。
いくつかの実施形態では、多様性は2つの結合パートナーオリゴヌクレオチドによって生じるギャップの間に位置する架橋オリゴヌクレオチドの一本鎖部分に位置する一つ以上のヌクレオチドを改変することによって、同時に一方または両方の結合パートナーオリゴヌクレオチドにアニールする架橋オリゴヌクレオチドの一方または両方の部分に位置する一つ以上のヌクレオチドを改変することで、ギャップ形成ラダーに生成される。結合パートナーオリゴヌクレオチドの同族ヌクレオチドは架橋オリゴヌクレオチドの改変ヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを含むため、任意に改変される場合があり、結果としてバブルを含まないギャップ形成ラダー複合体になる。あるいは、結合パートナーオリゴヌクレオチドの同族ヌクレオチドは、不変で、結果として一つ以上のバブルを含むギャップ形成ラダー複合体になって残される場合もある。
特定の実施形態では、改変ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを同時にプールし、単一反応でアニールする(例えば、図5Bを参照)。いくつかの実施形態では、改変ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを個々の反応でアニールする(例えば、図5Cを参照)。
(チャンク生成)
本発明の特定の実施形態において、ラダー複合体を生成した後、2つのプライマーを提供し、ラダー複合体をポリメラーゼ媒介伸長反応にかける。結果として生じる二本鎖核酸分子を「チャンク」と称する。プライマーがラダー複合体にハイブリダイズする場所およびプライマーの一方または両方の一部分はラダー複合体末端を超えて伸長するかどうかに依存して、チャンクは、ラダー複合体よりも長いか、より短いか、あるいは同じ長さであってもよい。例えば、プライマーの端がラダー複合体の終末と同一平面上にあるようにして両方のプライマーがラダー複合体にアニールする場合、ラダー複合体のポリメラーゼ媒介伸長によってラダー複合体と同じ長さのチャンクが生産される。一方または両方のプライマーが、ラダー複合体が一方または両方のプライマーの末端を超えて伸長するようにして、内側に向けてラダー複合体にアニールする場合、ラダー複合体のポリメラーゼ媒介伸長が、ラダー複合体の全長よりも短いチャンクを生産する。各プライマーがラダー複合体末端に、少なくとも、一部のうちの少なくとも1つのプライマーがラダー複合体の末端を超えて伸長するようにしてアニールする場合、ラダー複合体のポリメラーゼ媒介伸長は、ラダー複合体の全長よりも長いチャンクを生産する。
特定の実施形態では、少なくとも1つのプライマーは、ポリメラーゼ媒介伸長反応で使用されるポリメラーゼのテンプレートとしては働かない少なくとも1つ以上のターミネーターヌクレオチドおよび/または1つ以上のターミネーター構造を、伸張反応から生成されるチャンクが少なくとも1つの5’オーバーハングを含むようにして、含む。
プライマーに存在するヌクレオチドのうちの少なくとも1つを複製することが可能である任意のポリメラーゼを、ラダー複合体のポリメラーゼ媒介伸長に使用することが可能である。特定の実施形態では、ラダー複合体の伸長に用いられるポリメラーゼ媒介伸長反応は、ポリメラーゼ鎖反応(「PCR」)である。この実施形態の特定の態様において、ラダー複合体が1つの反応室でPCRによって伸長されるように、熱安定型ポリメラーゼを使用することが可能である。非限定的な例として、Thermus aquaticus(「Taq」)、Pyrococcus furiousus(「Pfu」)、Thermus thermophilius (「Tth」)、Thermococcus gorgonarius(「Tgo」)、Thermus flavus(「Tfl」)、Thermus brockianus(「Tbr」)、Thermococcus litoralis(「Vent」)、およびBacillus stearothermophilus(「Bst」)に由来する熱安定型ポリメラーゼを使用してもよい。当業者は、ポリメラーゼ媒介伸長(重合を促進および/または可能にする適当な酵素条件と同様に)で使用可能である他の適当なポリメラーゼを認識する。
本発明の教示によれば、二本鎖チャンクを、シームレスラダー複合体またはギャップ形成ラダー複合体から生成可能性である。シームレスラダー複合体を含んでいる鎖の一つ以上のニックの存在も、ギャップ形成ラダー複合体を含んでいる鎖の一つ以上のギャップの存在も、ラダー複合体のポリメラーゼ媒介伸長を抑制するものではない。ポリメラーゼ媒介伸長反応前にラダー複合体を含んでいるオリゴヌクレオチドを連結させる必要性を除去することから、この現象は有用である。さらにまた、この現象は、ギャップ形成ラダー複合体における多様性の生成をかなり促進するもので、なぜなら1つのオリゴヌクレオチド(すなわち、その2つのパートナー結合オリゴヌクレオチド間のギャップに相対する一本鎖部分を含むオリゴヌクレオチド)だけは、ラダー複合体で配列変化を導入するために改変されなければならないからである。これらの実施形態によれば、2つのパートナー結合オリゴヌクレオチド間のギャップに相対する一本鎖部分において一つ以上のヌクレオチド位置で改変されるオリゴヌクレオチドの代替バージョンが提供され、複数の多様なラダー複合体を生成する。複数の多様なラダー複合体を次にポリメラーゼ媒介伸長反応にさらし、複数の二本鎖チャンクを生成する。
特定の実施形態では、チャンクのヌクレオチド配列は、転写可能であり、インビトロで任意に翻訳してもよい。例えば、チャンクを改変してプロモーター配列を有するものとしてもよく、その配列は、チャンクの配列をRNAに転写するためのプロモーター配列を認識するRNAポリメラーゼを許容する。有用なRNAポリメラーゼの非限定的な例は、T7RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、およびSP6ポリメラーゼを含む。当業者は、インビトロ転写反応で使用可能である他の役立つRNAポリメラーゼを認識する。さらに、または代替として、これらの実施形態の特定の態様において、チャンクのヌクレオチド配列がポリペプチドをコードする可能性がある。これらの態様において、チャンクのヌクレオチド配列を改変することで、適当な翻訳機構によって認識される翻訳開始部位を含むことが可能である。このように、チャンクのヌクレオチド配列をインビトロで転写し、インビトロ翻訳させ、チャンクによってコードされたポリペプチドを生成することが可能である。一般に、インビトロ翻訳は、無細胞抽出で行われる。無細胞抽出液システムの非限定的な例として、ウサギ網状赤血球、コムギ胚芽、および大腸菌に由来する抽出物が挙げられる。当業者は、日常的なインビトロ翻訳に使用される他の無細胞抽出液システムおよび他の方法を認識する。ポリペプチドのインビトロ合成には、種々の用途があり、例えば、正常な後翻訳修飾を受けないポリペプチドの生産、タンパク質の折畳み研究、機能性研究のための改質アミノ酸または非天然アミノ酸の取込み、特定の宿主細胞に有毒またはその宿主細胞で不溶性であるポリペプチドの生産、および細胞内プロテアーゼによるタンパク質分解を受けるポリペプチドの生産が挙げられる。
(ギャップ増幅)
本発明の特定の実施形態では、生成された二本鎖チャンクを、核酸アクセプター分子に挿入する。これらの実施形態のいくつかの態様において、核酸アクセプター分子は、チャンクが一つの位置かつ一つの方向で核酸アクセプター分子に挿入されるように、チャンクの1つのオーバーハング末端で少なくとも部分的に相補的であるオーバーハングを含む少なくとも1つの末端を含む。核酸アクセプター分子の他端は、チャンクの他のオーバーハング末端で少なくとも部分的に相補的であるオーバーハングを含んでいる末端を任意に含むものであってもよい。このように、本発明の教示によれば、実行者は挿入の位置と方向づけとを決定するために、重荷となるスクリーニングの要求から解放される。いくつかの実施形態では、核酸アクセプター分子端間の分子間相互作用が最小化されるように、核酸アクセプター分子の末端は互いに相補的でない。特定の実施形態において、核酸アクセプター分子が細菌、酵母、培養哺乳動物細胞、培養昆虫細胞、または当業者に公知の数多くの他の細胞型のいずれかで、伝搬し得るベクターである。
核酸アクセプター分子は、いくつかの当該技術分野で公知の技術のいずれかによって、チャンク挿入用に調製されるものであってもよい。例えば、核酸アクセプター分子はチャンクの一端で少なくとも部分的に相補的である少なくとも1つの末端を残す適当な制限酵素で切断可能である。さらに、または代替として、核酸アクセプター分子は、二個以上の二本鎖核酸分子を一緒に連結することによって生成可能であり、それによって単一の二本鎖核酸分子が形成され、該分子はチャンクの一端と少なくとも部分的に相補性を示す少なくとも1つの末端を含む。
本発明の特定の実施形態において、核酸アクセプター分子の調製は「ギャップ増幅」と称されるプロセスでのチャンク挿入に対しておこなわれる。1つ以上の線状核酸アクセプター分子が生成されるように、ギャップ増幅はテンプレート核酸分子を一つ以上のポリメラーゼ媒介伸長にかけることを含む。例えば、プライマーはテンプレート核酸分子にアニール可能であって、核酸アクセプター分子を生成するために、そのテンプレート核酸分子に対して伸長可能である。プライマーがアニールする場所に依存して、当初のテンプレート核酸分子よりも大きいかまたはより小さい部分を、結果として生じる核酸アクセプター分子で保持されてもよい。この方法は、当初のテンプレート核酸分子の多くが生成された核酸アクセプター分子で保持される方法を実行者に正確に決定させることから、かなり強力である。
特定の実施形態では、ギャップ増殖はプライマーを伸長させることによって達成される。その1つまたは両方が1つ以上のターミネーターヌクレオチドおよび/または1つ以上のターミネーター構造を有し、挿入されるチャンクの一端と少なくとも部分的に相補的である少なくとも1つの5’オーバーハングを含む核酸アクセプター分子を生成する。特定の実施形態では、ポリメラーゼ媒介伸長反応はPCRである。
いくつかの実施形態では、当初のテンプレート核酸分子は、環状ベクターであり、該環状ベクターは、その中にチャンク配列と同一または類似の配列を任意に含むものであってよい(例えば、図2Aを参照)。例えば、当初の環状ベクターは、プロモーターの制御下で目的とするポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターであってもよい。あるいは、当初の環状ベクターは、単に目的とするポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むクローニングベクターである。特定の態様において、プライマーはこの環状ベクターに対して伸長することで、ポリペプチドをコードしている一部のヌクレオチド配列が欠けている線状核酸アクセプター分子を生成する。次に、核酸アクセプター分子から削除される部分に対する同一または類似の配列を含む二本鎖チャンクを、核酸アクセプター分子(以下のチャンク挿入に関するセクションを参照)に挿入することで、当初のヌクレオチド配列またはこの当初のヌクレオチド配列に類似する配列を再構成する。複数のチャンクは、複数のラダー複合体から生成可能である(例えば、上記のラダー複合体での配列多様性の生成を参照)。これは、核酸アクセプター分子に挿入された場合、複数のポリペプチドをコードする複数のヌクレオチド配列を生成する。
いくつかの実施形態では、ギャップ増幅は線状二本鎖核酸分子から核酸アクセプター分子を生成することによって達成される((例えば、図2Bを参照)。これらの実施形態によれば、2セットのプライマーを用いて、2つの別々の核酸アクセプター分子を生成する。プライマーの第1セットは、チャンクの1つのオーバーハング末端と少なくとも部分的に相補的であるオーバーハング末端を含む第1の核酸アクセプター分子を生成するのに用いられる。プライマーの第2セットは、チャンクの他方のオーバーハング末端と少なくとも部分的に相補的であるオーバーハング末端を含む第2の核酸アクセプター分子を生成するのに用いられる。これらの実施形態によれば、チャンクは第1および第2核酸アクセプター分子(以下のチャンク挿入のセクションを参照)の間に挿入される。
(チャンク挿入)
特定の実施形態では、チャンクおよび核酸アクセプター分子を生成した後に、チャンクを核酸アクセプター分子に挿入する。最も単純な実施形態によれば、一つのチャンクを、一つの核酸アクセプター分子に挿入する(例えば、図3を参照)。これらの実施形態のいくつかの態様によれば、核酸アクセプター分子の末端のうちの少なくとも1つは、チャンクが一つの位置および一つの方向に沿って核酸アクセプター分子に挿入されるように、チャンク(それはまた、オーバーハングを含む)の末端のうちの一方と少なくとも部分的に相補的であるオーバーハングを含む。核酸アクセプター分子の他端は、また、オーバーハングを含むチャンクの他端で少なくとも部分的に相補的であるオーバーハング末端を任意に含むことが可能である。
特定の実施形態では、複数のチャンクを複数のラダー複合体から生成される。複数の結果として生じる二本鎖核酸分子が生成されるように、次に、複数のチャンクを核酸アクセプター分子に挿入する。これらの実施形態のいくつかの態様で、核酸アクセプター分子は、複数チャンクのメンバーの各々の1つのオーバーハング末端と少なくとも部分的に相補的であるオーバーハングを含む少なくとも1つの末端を有する。これらの実施形態によれば、1つのチャンクだけが所定の核酸アクセプター分子に挿入されるように、チャンク分子の末端は互いに相補的ではない。これらの実施形態の特定の態様において、複数のチャンクは同時にプールされ、かつ1つの反応で核酸アクセプター分子に挿入される。複数のチャンクの末端も核酸アクセプター分子の末端も互いに相補的ではないことから、1つのチャンクのみが所定の核酸アクセプター分子に挿入する。これらの実施形態の特定の態様では、複数のチャンクの各メンバーを、別々の、個々の反応で、核酸アクセプター分子に挿入する。前端でより扱いにくいにもかかわらず、これらの実施形態は、複数のチャンクの単一メンバーだけが個々の反応で存在する利点があり、核酸アクセプター分子に挿入される複数の個々のメンバーの後末端を単離する必要性が実質的に排除される。
いくつかの実施形態では、一つのチャンクが複数のラダー複合体に挿入される。これらの実施形態のいくつかによれば、各核酸アクセプター分子は、挿入されるチャンクのうちの少なくとも1つのオーバーハング末端と少なくとも部分的に相補的であるオーバーハングを含んでいる少なくとも1つの末端を含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、1つのチャンクだけが核酸アクセプター分子複数性の単一のメンバーに挿入されるように、挿入されるチャンク分子の末端が互いに相補的ではない。これらの実施形態のいくつかの態様において、複数の核酸アクセプター分子を一緒にプールし、チャンクを1つの反応に挿入する。複数の核酸分子の末端もチャンクの末端も互いに相補的ではないことから、1つのチャンクのみが複数の核酸アクセプター分子の所定のメンバーに挿入される。これらの実施形態のいくつかの態様において、チャンクは、別々の、個々の反応で、複数の核酸分子の各メンバーに挿入される。
(多様性増幅)
特定の実施形態では、複数の他のチャンクが一つ以上の場所で一つ以上の核酸アクセプター分子に挿入され、プロセスは「多様性増幅」と称される。多様性増幅の一部の実施形態において、他のチャンクが核酸アクセプター分子内の連続した場所に挿入され、その際、他のチャンクが互いに直接隣接し、結果として二本鎖核酸分子が生ずるようにする(例えば、図7Aおよび8Aを参照)。これらの実施形態の特定の態様において、第1のチャンクの一端は、核酸アクセプター分子の1つのオーバーハング末端で少なくとも部分的に相補的であるオーバーハングを含み、一方、第1のチャンクの他端は、第1のチャンクに連続した場所に挿入される第2のチャンクのオーバーハング末端で少なくとも部分的に相補的であるもう一つのオーバーハングを含む。第2のチャンクの他端は、第3のチャンクのオーバーハング末端と少なくとも部分的に相補的であるオーバーハングを任意に含むことが可能であり、第3のチャンクは、挿入された第1のチャンクに対向する第2のチャンクに連続する位置で、挿入される。あるいは、第2のチャンクの他端は核酸アクセプター分子の他端と少なくとも部分的に相補的であるオーバーハングを任意に含み、末端もオーバーハングを含む。
多様性増幅のいくつかの実施形態では、代替チャンクが、結果として生じる二本鎖核酸分子内で互いに直接隣接しないで、各々に隣接しないように、他のチャンクを核酸アクセプター分子内の離散的な場所に挿入する(例えば、図7Bおよび図8B参照)。これらの実施形態によれば、挿入されるチャンクの各々のうちの少なくとも1つの末端は、核酸アクセプター分子のオーバーハング末端と少なくとも部分的に相補的であるオーバーハングを含む。さらに、これらの実施形態によれば、任意の2つの所定の挿入されたチャンクの各々の間に位置する介在核酸アクセプター分子が提供される。
多様性増幅による核酸分子の生成は、結果として所定の方向で一つ以上の予め定められた場所で各々と異なる核酸分子の関連セットになる可能性がある。例えば、図8は多様性増幅の2つの実施形態に2つの位置の各々で挿入されることができる2つの他のチャンクを示す。そして、結果として4つの核酸分子の関連セットになる。図8Bが離散的な挿入の実施形態を示す一方で、図8Aは連続した挿入の実施形態を示す。生成することができる4つの核酸分子は、単一の場所(連続した挿入(図8A)または2つの場所(離散的挿入、図8B)で、互いに4つの可能な方向において異なる関連セットを含む。任意の数の選択肢チャンクが任意の特定の場所に挿入される可能性があること、および任意の数の場所が核酸分子の関連セットの生成に使用することができることは、当該技術分野の当業者によってよく理解されている。
多様性増幅の特定の実施形態において、他のチャンクは、同時に核酸アクセプター分子に挿入される。多様性増幅の特定の実施形態において、他のチャンクは、経時的に核酸アクセプター分子に挿入される。これらの実施形態のいくつかの態様において、例えば、ギャップ増幅により、第1の核酸アクセプター分子は、テンプレート核酸分子から生成される。チャンクは、それから第1の核酸アクセプター分子に挿入される。次に、結果として生じるチャンク/第1の核酸アクセプター分子複合体を、ギャップ増幅の別のラウンドにかけ、第2の核酸アクセプター分子を生産する。次に、もう一つのチャンクが第2の核酸アクセプター分子に挿入される。このプロセスは、無限に繰り返すことで、潜在的に無制限の数のチャンクを当初の核酸アクセプター分子に挿入することができる。これらの実施形態のいくつかの態様において、すべての核酸アクセプター分子は、チャンク挿入前に調製される。チャンクを経時的に提供し、チャンク/核酸アクセプター分子複合体をギャップ増幅のさらなるラウンドにかけることはしない。
多様性増幅は、核酸一次構造で大量の多様性を生成する強力な方法を提供する。例えば、核酸一次構造はチャンクの3つの代替バージョンの挿入によって2つの場所で改変可能性であり、一つ以上のヌクレオチド位置で互いに異なる。この例では、親核酸一次構造の6つの異なる変異体の関連セットを生成することが可能である。3つの他のチャンクがヌクレオチド配列内の3つの場所の各々に挿入される場合、9つの異なる変異体からなるセットが生成される可能性がある。目的とする2つ以上の領域またはアミノ酸配列を含むポリペプチドの性質の検査を望む場合、多様性増幅は特に役立つ。ポリペプチドまたはポリペプチドの部分をコードしている配列を含むラダー複合体のヌクレオチド配列を改変することによって、実行者は迅速且つ容易に目的とするポリペプチドの特異的な変異体を生成することが可能である。例えば、多様性増幅によって、実行者にとって関心のあるDNA結合領域、転写性活性化領域、任意の他の領域の代替バージョンを生成することで、目的とする所定の転写因子のほとんど無制限の変形例の試験が可能となる。当業者は、本明細書中に開示されて、該実行者の実験的、商業的、または他の必要性に基づいて、本明細書に開示された方法を用いて生成すべき所定のポリペプチドの改変バージョンのいっさいの数およびタイプを選択することができる。
(挿入チャンクの増殖)
一旦チャンクが核酸アクセプター分子に挿入されると、チャンクは当該技術分野で知られている任意のインビボまたはインビトロ方法によって増殖することが可能である。例えば、挿入されたチャンクは、最初に核酸アクセプター分子にインビトロで連結される可能性があり、その後、クローンとして連結された核酸分子を増殖することができる宿主細胞に導入させることが可能である。
いくつかの実施形態では、チャンクおよび核酸アクセプター分子は、宿主細胞に導入の前にインビトロで連結されない。これらの実施形態によって、一端導入されると、宿主細胞の体内機構は、共有結合性にチャンクおよび核酸アクセプター分子の連結に十分であることから、宿主細胞によってクローンとして増殖される二本鎖核酸分子を形成する。既に述べられるように、本発明の1つの長所はアニールされたラダー複合体のライゲーションがポリメラーゼ媒介伸長反応を介したチャンクの生成に先立って必要ではないということである。このように、本発明の特定の実施形態において、インビトロライゲーションはプロセスの過程の任意のステップで実施されない。
特定の実施形態では、チャンクはインビトロで増殖される。例えば、一旦チャンクが核酸アクセプター分子に挿入されると、チャンク/核酸アクセプター分子複合体はポリメラーゼ媒介伸長反応を経て伸長可能である。特定の実施形態では、ポリメラーゼ媒介伸長反応はPCRを含む。チャンク/核酸アクセプター分子複合体の別々の鎖上にある同族ヌクレオチドにアニールする一対のプライマーを選択することによって、任意の塩基対の損失なしで全てのチャンク/核酸アクセプター分子複合体を複製させることが可能である。いくつかの実施形態において、プライマーは伸張反応で利用されるポリメラーゼによって複製されない一つ以上のヌクレオチドを含み、各末端で5’オーバーハングを含む線状二本鎖核酸分子を生成する。生成された5’オーバーハングが少なくとも部分的に互いに相補的であるようにプライマーが選択される場合、結果として生じる線状二本鎖核酸分子の末端は、環状二本鎖核酸分子を形成するためにアニール可能である。これらの実施形態の特定の態様では、結果として生じる環状二本鎖核酸分子を、ニックを含まない環状分子を形成するために、インビトロライゲーションにかける。これらの実施形態の特定の態様では、結果として生じる環状二本鎖核酸分子を宿主細胞に導入し、先に述べたように更に増殖させる。
(実施例1:ラダーアセンブリ)
株、プラスミド、および培地:全ての遺伝子操作をXL−1 Blue化学的有用大腸菌細胞(Novagen,Madison,WI)を用いておこなった。colEI複製開始点、アンピシリンおよびカナマイシンのための耐性遺伝子、およびSacB遺伝子(形質転換中の残留親プラスミドのネガティブセレクション用)を部分挿入部位に含むカスタムプラスミドを全てのセグメントに対して、クローニングベクターとして使用した。形質転換細胞を5%ショ糖および100μg/mLアンピシリン添加LB寒天培地に播種した。結果として生ずるコロニーを、最終濃度が100μg/mLのアンピシリンを添加したCircleGrowブロス培地(Qbiogene,Carlsbad,CA)で培養した。
ベクター調製のためのPCR:各50μl反応液を各々のプライマー25pMol、1xPfu緩衝液(10mM(NHSO、20mM Tris(pH8.8)、2mM MgSO、10mM KCl、0.1%TritonX−100および1mg/ml牛血清アルブミン)、1mM 追加MgSO、0.2mM 各dNTP、0.5ngプラスミドテンプレート、ならびに2.5単位、クローン化されたPfuおよびPfu Turboポリメラーゼ(Stratagene,La Jolla,CA)の各々からなるものとした。プライマーを、Integrated DNA Technologies、Coralville、IAから購入した。結果として生ずるPCR産物がSacB−となるようにSacB遺伝子をフランキングした親プラスミドテンプレート上のプライミング部位。PCRの典型的なステッププログラムを以下の通りとした。すなわち、95℃、5分;58〜63℃、3分;72℃、7分を1サイクル、続いて95℃、45秒;58〜63℃、45秒;72℃、5.25分間を30サイクルとした。PCR反応はMJリサーチ(Research)グラジエントサイクラーを用いておこなった。PC効率は0.75%アガロースゲルで試料を分画することによっておこなった。
ラダーアセンブリ:合計4.2μgのオリゴラダー(最大で16オーバーラッピング50−merオリゴ類(等濃度)からなる)、1xPfu緩衝液(10mM(NHSO、20mM Tris(pH8.8)、2mM MgSO、10mM KCl、0.1%TritonX−100、および1mg/ml牛血清アルブミン)、2mM追加MgSO、0.2mM各dNTP、各々1.25単位のPfuおよびPfu Turboポリメラーゼ(Stratagene,La Jolla,CA)からなる各々50μl反応液とした。DNAオリゴ類は、Integrated DNA Technologies、Coralville、IAから購入した。ラダーアセンブリの典型的なステッププログラムは、以下の通りである。すなわち、94℃、1分を1サイクル;続いて、94℃、45秒;55℃、45秒;72℃、45秒を30サイクルとした。PCR反応はMJResearchグラジエントサイクラーを用いておこない、その効率を上記のようにして観察した。
アセンブリ産物の結合/クローニングのためのPCR:各々25pMolのプライマー、1〜3μlのラダーアセンブリ産物テンプレート(最大で3オーバーラッピングセグメント前駆体からなる)からなる)、1xPfu緩衝液(10mM(NHSO、20mM Tris(pH8.8)、2mM MgSO、10mM KCl、0.1%TritonX−100、および1mg/ml牛血清アルブミン)、1mM追加MgSO、0.2mM各dNTP、さらに各々1.25単位のPfuおよびPfu Turboポリメラーゼ(Stratagene,La Jolla,CA)からなる各々50μl反応液とした。プライマーを、Integrated DNA Technologies、Coralville、IAから購入した。プライマーは、PCRの典型的なステッププログラムは以下の通り。すなわち、95℃、1〜5分;58℃、1分、72℃、1〜3分を1サイクル、続いて95℃、45秒;58℃、45秒;72℃、45〜90秒を30サイクルとした。PCR反応をMJResearchグラジエントサイクラーおよび有効性を上記のように観察した。
配列が確認されたクローン化セグメントの増幅のためのPCR:各々のプライマー25pMol、1xPfu緩衝液(10mM(NHSO、20mM Tris(pH8.8)、2mM MgSO、10mM KCl、0.1%TritonX−100および1mg/ml牛血清アルブミン)、1mM 追加MgSO、0.2mM 各dNTP、0.5ngプラスミドテンプレート、ならびに1.25単位のクローン化されたPfuおよびPfu Turboポリメラーゼ (Stratagene,La Jolla,CA)からなる各々50μl反応液とした。プライマーを、Integrated DNA Technologies、Coralville、IAから購入した。PCRの典型的なステッププログラムを以下の通りとした。すなわち、95℃、3〜5分;50〜60℃、2分;72℃、2〜2.5分/kb配列を1サイクル、続いて90℃、45秒;50〜60℃、45秒;72℃、1〜1.5分/kb配列を30サイクルとした。PCR反応はMJResearchグラジエントサイクラーを用いておこない、その効率を上記のようにして観察した。
セグメントの結合/クローニングのためのPCR:各プライマー25pMol、1〜3μlのセグメントテンプレート(アセンブリ産物の結合または配列が確認されたクローニングセグメントの増殖のいずれかに由来する最大3つのセグメントからなり、さらに少なくとも75塩基対がオーバーラップしている)、1xPfu緩衝液(10mM(NHSO、20mM Tris(pH8.8)、2mM MgSO、10mM KCl、0.1%TritonX−100および1mg/ml牛血清アルブミン)、1mM 追加MgSO、0.2mM各dNTP、および1.25単位のクローン化されたPfuおよびPfu Turboポリメラーゼ(Stratagene,La Jolla,CA)からなる各々50μl反応液とした。プライマーを、Integrated DNA Technologies、Coralville、IAから購入した。PCRの典型的なステッププログラムを以下の通りとした。すなわち、95℃、1〜5分;58℃、1分;72℃、2〜2.5分/kb配列を1サイクル、続いて95℃、45秒;58℃、45秒;72℃、1〜1.5分/kb配列を30サイクルとした。PCR反応はMJResearchグラジエントサイクラーを用いておこない、その効率を上記のようにして観察した。
DpnI消化:PCR産物をDpnI制限エンドヌクレアーゼ(New England Biolabs,Beverly,MA)によって処理し、親プラスミドDNA(必要な場合)を好ましく消化した。消化は45μlの各々のPCR反応液と2μl(10単位)のDpnI(New England Biolabs,Beverly,MA)を組み合わせ、37℃で2時間インキュベートした。
アニーリング反応:2つのDNAフラグメントの結合を伴う反応(例えば遺伝子部分のカスタムベクターへの挿入)に関して、DpnI処理後にエタノール沈降させることでPCR反応液を濃縮させた(必要な場合)。濃縮されたフラグメントを蛍光分光分析法で低量化した。この際、ピコグリーン(Picogreen)試薬アッセイキット(Molecular Probes,Eugene,OR)およびフルオスターオプティマフルオロメータ/スペクトロメータ(Fluostar Optima Fluorometer/Spectrophotometer) (BMG Labtechnologies,Durham,NC)を用いた。10μlのアニーリング反応液を100〜200ngのより大きなPCR産物、3モル等量の小PCR産物、および1μlの10XDNAリガーゼ緩衝液(660mM Tris−HCL(pH7.6)、66mM MgCl、100mM DTT、660μM ATP)とともに集めた。反応液を75℃で5分間加熱し、オーバーハングの適当なアニーリング温度に到るまで、反応温度を30秒毎に2℃減少させた。反応はこの温度に保って15分間おこない、最終反応温度が36℃になるまで30秒毎に2℃低下させた。試料を軽く遠心し、形質転換まで氷上に保存した。
形質転換:5μlの各アニーリング反応液を100μlのXL−1 Blue化学的コンピテント大腸菌と組み合わせた。氷上で15分間インキュベートした後、反応液を42℃、45秒間のヒートショックをおこなった。氷上でさらに2分間インキュベートした後、400μlのSOCを各形質転換体に添加した。形質転換体を37℃で1時間にわたり振とうさせながらインキュベートした。5%ショ糖およびアンピシリンを添加したLB寒天培地上に分割量(アリコート)を平板培養し、最終濃度を100μg/mlとし、37℃、O/Nでインキュベートした。プラスミドDNAを形質転換体から単離し、正確なライゲーションをサンガーシークエンシングによって確認した。
前述の説明は、提示するためだけのものであり、限定することを意図したものでもない。本発明を実行するための別の方法および材料およびさらなる出願は、当業者に明らかであり、添付された特許請求の範囲内であることを意図している。
図1は、ラダーアセンブリおよびチャンク生成の2つの実施形態を示す。図1Aは、共通の結合パートナーとなるオリゴヌクレオチドに対してアニールする隣接オリゴヌクレオチド間にギャップが残されていないシームレスラダーアセンブリの一例を示す。図1Bはギャップが形成されたラダーアセンブリの一例を示し、ここではオリゴ2とオリゴ4とがオリゴ3にアニーリングされることでオリゴ2とオリゴ4との間にギャップが生ずる。図1Aおよび図1Bでは、プライマー1および2はオリゴ1および6の単鎖領域をそれぞれアニールする。プライマー1および2にある星印は、少なくとも1つのポリメラーゼに対して複製テンプレートとして作用しないターミネーターを示す。このターミネーターは、ターミネーターヌクレオチドまたはターミネーター構造のいずれであってもよい。プライマーのターミネーターを複製することのないポリメラーゼを用いて、ポリメラーゼ媒介伸長反応を介して、アニールされたラダーを増幅させることで、プライマーのターミネーターの位置で開始する少なくとも1つの5’オーバーハングを含むチャンクがもたらされる。図1Aおよび図1Bは、6個のオリゴヌクレオチドから構成されるラダーを示すが、いくつかのオリゴヌクレオチドをアニールして本発明にもとづくラダーを形成してもよい。 図2は、ギャップ増幅の2つの実施形態を示す。2つのプライマーの設計は、ポリメラーゼ媒介伸長反応でプライマーを伸長させることでテンプレート核酸分子を増幅させ、それによって核酸アクセプター分子が得られるように、行う。図2Aは、環状テンプレートのギャップ増幅の実施例を示す。図2Bは、線状テンプレートのギャップ増幅の実施例を示す。プライマーは、少なくとも1つのポリメラーゼ(星印として示される)のための複製テンプレートとしては作用しない1つ以上のターミネーターを含むものであってもよい。プライマーのターミネーターを複製しないポリメラーゼを使用しているポリメラーゼ媒介伸長反応を経たテンプレート核酸モジュールを増幅させることで、プライマーのターミネーターの位置で開始する少なくとも1つの5’オーバーハングを含む核酸分子がもたらされる。 図3は、チャンク挿入の一実施形態を表す。この実施形態では、核酸アクセプター分子のうちの少なくとも1つのオーバーハングと相補的な少なくとも1つのオーバーハングを持つチャンクを、核酸アクセプター分子と組み合わせることで、結果としてチャンクと核酸アクセプター分子とが結合する。チャンクおよび核酸アクセプター分子は、ライゲーション、ライゲーション非依存型クローニング、増幅または核酸アクセプター分子で結果としてチャンクの結合をもたらす任意の他の方法に、必要に応じてかけてもよい。 図4は、シームレスオリゴヌクレオチドラダーで多様性を生成する特定の実施形態を示す。図4Aは、6個のオリゴヌクレオチドから構成されるシームレスラダーを示すが、任意の数のオリゴヌクレオチドをアニールして本発明にもとづくラダーを形成してもよい。オリゴヌクレオチド3および4は一つ以上のヌクレオチド位置で各々と異なる複数の他の形態として提供され、閉環によって表される。複数のオリゴヌクレオチド変異体を、プールされた反応でアニールしてもよい(図4B)。あるいは、複数のオリゴヌクレオチド変異体を、個々の反応でアニールしてもよい(図4C)。 図5は、ギャップがあるオリゴヌクレオチドラダーで多様性を生成する特定の実施形態を示す。図5Aは、6個のオリゴヌクレオチドから構成される、ギャップがあるオリゴヌクレオチドを示すが、任意の数のオリゴヌクレオチドをアニールして本発明にもとづくラダーを形成してもよい。オリゴヌクレオチド3は一つ以上のヌクレオチド位置で各々と異なる同じ配列の複数の他の形態として提供され、閉環によって表される。複数のオリゴヌクレオチド変異体を、プールされた反応でアニールしてもよい(図5B)。あるいは、複数のオリゴヌクレオチド変異体を、個々の反応でアニールしてもよい(図5C)。 図6は、複数のヌクレオチド位置が同じ反応で変えられるシームレスオリゴヌクレオチドラダーで多様性を生成する一実施形態を表す。図6は、6個のオリゴヌクレオチドから構成されるシームレスラダーを示すが、任意の数のオリゴヌクレオチドをアニールして本発明にもとづくラダーを形成してもよい。単純化のために、図6Aは、2つの位置で変化するシームレスオリゴヌクレオチドラダーを示す。オリゴヌクレオチド3、4、および5は一つ以上のヌクレオチド位置で各々と異なる複数の他の形態として提供され、閉環および閉じた方形によって表される。図6がシームレスオリゴヌクレオチドラダーを表すにもかかわらず、本発明によれば、オリゴヌクレオチドラダーはラダー複合体の1つの鎖を含む近隣のオリゴヌクレオチド間の一つ以上のギャップを含むものであってもよい。複数のオリゴヌクレオチド変異体を、プールされた反応でアニールしてもよい(図6B)。あるいは、複数のオリゴヌクレオチド変異体を、個々の反応でアニールしてもよい(図6C)。 図7は、複数のチャンクが核酸アクセプター分子に挿入される多様性増幅の2つの実施形態を示す。図7Aは、多様性増幅の実施例を示し、複数のチャンクが隣接する位置に環状核酸アクセプター分子に挿入される。図7Bは、多様性増幅の実施例を示す複数のチャンクは、離散性位置に環状核酸アクセプター分子に挿入される。 図8は、多様性増幅の2つの実施形態を示し、複数のチャンクが核酸分子の関連セットを生成するために核酸アクセプター分子に挿入される。図8Aは、多様性増幅の実施例を示し、複数のチャンクが隣接する位置に環状核酸アクセプター分子に挿入される。図8Bは、多様性増幅の実施例を示し、複数のチャンクが離散性位置に環状核酸アクセプター分子に挿入される。多様性増幅のこれらの実施形態では、4つの核酸分子の関連セットが生ずる。関連セットの核酸分子は、一箇所(連続した挿入(図8A))または二箇所(離散的な挿入、図8B)において、所定の方法で各々が異なる。

Claims (31)

  1. 二本鎖核酸分子を生成するための方法であって、
    オリゴヌクレオチドの集団を提供するステップであって、該オリゴヌクレオチドは、
    少なくとも1つの第1の末端オリゴヌクレオチド、
    少なくとも1つの第2の末端オリゴヌクレオチド、および
    少なくとも2つの架橋オリゴヌクレオチドを含み、
    該第1および第2の末端オリゴヌクレオチドは、各末端オリゴヌクレオチドが該集団内の1つのみの他のオリゴヌクレオチドとアニールすることにより特徴付けられ、各架橋オリゴヌクレオチドは、各架橋オリゴヌクレオチドが該集団内の少なくとも2つの他のオリゴヌクレオチドとアニールすることにより特徴付けられる、ステップと、
    該オリゴヌクレオチドの集団をアニールさせ、その結果、少なくとも1つのラダー複合体が生成される工程であって、該ラダー複合体が、1つの第1の末端オリゴヌクレオチド、一つの第2の末端オリゴヌクレオチド、および少なくとも2つの架橋オリゴヌクレオチドを含み、その結果、該第1の末端オリゴヌクレオチドと該第2の末端オリゴヌクレオチドとが、少なくとも2つのオーバーラッピング相補性架橋オリゴヌクレオチドを介して互いに接続される、ステップと、
    少なくとも第1のプライマーおよび第2のプライマーを提供するステップであって、該第1のプライマーまたは第2のプライマーのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのポリメラーゼのテンプレートとして作用しない少なくとも1つのターミネーターヌクレオチドを含む、ステップと、
    第1の増幅プライマーおよび第2の増幅プライマーのポリメラーゼ媒介伸長によって該ラダー複合体を増幅させ、その結果、該ポリメラーゼがターミネーターヌクレオチドをコピーすることなく、伸長反応が少なくとも第1のオーバーハングを含む生成物分子を提供する、ステップと、
    を包含する、方法。
  2. 前記アニールさせるステップにおいて、架橋オリゴヌクレオチドにアニールされるオリゴヌクレオチド間にギャップが存在しない、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アニールさせるステップにおいて、所定の架橋オリゴヌクレオチドにアニールされる2つのオリゴヌクレオチド間に少なくとも1つのギャップが生成される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ギャップが前記所定の架橋オリゴヌクレオチドのうちの約1〜5ヌクレオチドにおよぶ、請求項3に記載の方法。
  5. 第2のオーバーハングを含む少なくとも1つの第2の二本鎖核酸アクセプター分子を提供するステップであって、該第2のオーバーハングが、第1のオーバーハングに対して少なくとも部分的に相補的である、ステップと、
    該第1のオーバーハングと該第2のオーバーハングとのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で、第1のDNA分子および第2のDNA分子を組み合わせるステップと、
    をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第2の二本鎖DNA分子がポリメラーゼ媒介伸長反応において第3のプライマーおよび第4のプライマーを伸長させることによって生成され、該第3のプライマーまたは該第4のプライマーのうちの少なくとも1つは、前記伸長反応で用いられるポリメラーゼによってコピーされない少なくとも1つのヌクレオチドを含み、その結果、前記第2のオーバーハングを持つ核酸分子が生成される、請求項5に記載の方法。
  7. 複数の二本鎖核酸分子を生成する方法であって、
    二本鎖核酸分子の集団を生成するステップであって、該二本鎖核酸分子の各々が請求項1に記載の方法にしたがって生成され、該集団の各核酸分子の第1のオーバーハングが実質的に類似している、ステップと、
    第2のオーバーハングを含む少なくとも1つの第2の二本鎖DNA分子を提供するステップであって、該第2のオーバーハングが、該第1のオーバーハングと少なくとも部分的に相補的である、ステップと、
    該第1のオーバーハングと該第2のオーバーハングとのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で、該二本鎖DNA分子の集団と該第2のDNA分子とを組み合わせるステップと、
    を包含する、方法。
  8. 前記組み合わせるステップが、別々の組み合わせ反応物中で前記集団の個々の二本鎖分子と第2の二本鎖DNA分子とを組み合わせることを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記組み合わせるステップが、前記集団の1より多くの二本鎖分子を前記第2の二本鎖DNA分子と単一の組み合わせ反応物中で同時に組み合わせ、その結果、該集団のたった1つの二本鎖分子のみが単一の二本鎖DNA分子と組み合わさることを含む、請求項7に記載の方法。
  10. 各々の架橋オリゴヌクレオチドの一部分が、前記末端オリゴヌクレオチドの一部分またはそれがアニールする他の架橋オリゴヌクレオチドの一部分のいずれかと正確に相補的である、請求項1に記載の方法。
  11. 各架橋オリゴヌクレオチドの一部分が、それがアニールする少なくとも1つの他の架橋オリゴヌクレオチドの一部分と正確に相補的である、請求項1に記載の方法。
  12. 複数の二本鎖核酸分子を生成する方法であって、該二本鎖核酸分子の各々が、請求項2に記載の方法にしたがって生成され、架橋オリゴヌクレオチドを提供するステップが、少なくとも第1の交互架橋オリゴヌクレオチドおよび第2の交互架橋オリゴヌクレオチドを提供することを含み、該第1の交互架橋オリゴヌクレオチドと該第2の交互架橋オリゴヌクレオチドとは互いに実質的に類似しているが、少なくとも第1の可変ヌクレオチドが互いに異なり、該第1の可変ヌクレオチドは該第1の交互架橋オリゴヌクレオチドおよび該第2の交互架橋オリゴヌクレオチドに沿った同一の相対的位置に位置しており、
    架橋オリゴヌクレオチドを提供するステップは、少なくとも第3の交互架橋オリゴヌクレオチドおよび第4の交互架橋オリゴヌクレオチドを提供することをさらに含み、該第3の交互架橋オリゴヌクレオチドと該第4の交互架橋オリゴヌクレオチドとは互いに実質的に類似してはいるが、少なくとも第2の可変ヌクレオチドが互いに異なり、該第2の可変ヌクレオチドは、該第3の交互架橋オリゴヌクレオチドおよび該第4の交互架橋オリゴヌクレオチドに沿った同一の相対的位置に位置しており、
    該第1の交互架橋オリゴヌクレオチドの該異なる第1の可変ヌクレオチドが、該第3の交互架橋オリゴヌクレオチドの該異なる第2の可変ヌクレオチドに対して相補的であり、
    該第2の交互架橋オリゴヌクレオチドの該異なる第1の可変ヌクレオチドが、該第4の交互架橋オリゴヌクレオチドの該異なる第2の可変ヌクレオチドに対して相補的である、方法。
  13. 前記第1の交互架橋オリゴヌクレオチドおよび前記第3の交互架橋オリゴヌクレオチドが1つの増幅反応物に提供され、前記第2の交互架橋オリゴヌクレオチドおよび前記第4の交互架橋オリゴヌクレオチドが別の増幅反応物に提供される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記第1交互架橋オリゴヌクレオチド、前記第2交互架橋オリゴヌクレオチド、前記第3交互架橋オリゴヌクレオチド、および前記第4の交互架橋オリゴヌクレオチドが同一の増幅反応物に同時に提供される、請求項12に記載の方法。
  15. 前記架橋オリゴヌクレオチドを提供するステップは、少なくとも第5の交互架橋オリゴヌクレオチドおよび第6の交互架橋オリゴヌクレオチドを提供することをさらに含み、該第5の交互架橋オリゴヌクレオチドと該第6の交互架橋オリゴヌクレオチドとは互いに実質的に類似しているが、少なくとも第3の可変ヌクレオチドが互いに異なり、該第3の可変ヌクレオチドは該第5の交互架橋オリゴヌクレオチドおよび該第6の交互架橋オリゴヌクレオチドに沿った同一の相対的位置に位置しており、
    前記第3の交互架橋オリゴヌクレオチドと前記第4の交互架橋オリゴヌクレオチドとは、少なくとも第4の可変ヌクレオチドでさらに互いに異なり、該第4の可変ヌクレオチドが該第3の交互架橋オリゴヌクレオチドおよび該第4の可変架橋オリゴヌクレオチドに沿った同一の相対的位置に位置しており、かつ該第3の交互架橋オリゴヌクレオチドおよび該第4の交互架橋オリゴヌクレオチドに沿った、前記第2の可変ヌクレオチドとは異なる位置に位置しており、
    該第5の交互架橋オリゴヌクレオチドの該異なる第3の可変ヌクレオチドは該第3の交互架橋オリゴヌクレオチドの該異なる第4の可変ヌクレオチドに対して相補的であり、
    該第6の交互架橋オリゴヌクレオチドの該異なる第3の可変ヌクレオチドは、該第4の交互架橋オリゴヌクレオチドの該異なる第4の可変ヌクレオチドに対して相補的である、請求項12に記載の方法。
  16. 前記架橋オリゴヌクレオチドを提供するステップは、少なくとも第5の交互架橋オリゴヌクレオチドおよび第6の交互架橋オリゴヌクレオチドを提供することをさらに含み、該第5の交互架橋オリゴヌクレオチドと該第6の交互架橋オリゴヌクレオチドとは実質的に互いに類似しているが、少なくとも第3の可変ヌクレオチドで互いに異なり、該第3の可変ヌクレオチドは該第5の交互架橋オリゴヌクレオチドおよび該第6の交互架橋オリゴヌクレオチドに沿った同一の相対的位置に位置しており、
    前記架橋オリゴヌクレオチドを提供するステップは、少なくとも第7の交互架橋オリゴヌクレオチドおよび第8の交互架橋オリゴヌクレオチドを提供することをさらに含み、該第7の交互架橋オリゴヌクレオチドと該第8の交互架橋オリゴヌクレオチドとは実質的に互いに類似しているが、少なくとも第4の可変ヌクレオチドで互いに異なり、該第4の可変ヌクレオチドは該第7の交互架橋オリゴヌクレオチドおよび該第8の交互架橋オリゴヌクレオチドに沿った同一の相対的位置に位置しており、
    該第5の交互架橋オリゴヌクレオチドの該異なる第3の可変ヌクレオチドは、該第7の可変架橋オリゴヌクレオチドの該異なる第4の可変ヌクレオチドに対して相補的であり、
    該第6の交互架橋オリゴヌクレオチドの該異なる第3の可変ヌクレオチドは、該第8の交互架橋オリゴヌクレオチドの該異なる第4の可変ヌクレオチドに対して相補的である、請求項12に記載の方法。
  17. 複数の二本鎖核酸分子を生成する方法であって、
    二本鎖核酸分子の集団を生成するステップであって、該二本鎖核酸分子の各々が請求項3の方法にしたがって生成され、前記架橋オリゴヌクレオチドを提供するステップが、少なくとも2つの交互架橋オリゴヌクレオチドを提供することを含み、各々の交互架橋オリゴヌクレオチドが実質的に互いに類似しているが、該交互架橋オリゴヌクレオチドに沿った同一の相対位置に位置する少なくとも1つのヌクレオチドで互いに異なり、該位置は、該交互架橋オリゴヌクレオチドにアニールして前記ギャップアニールを形成する2つのオリゴヌクレオチドのいずれもが、該位置で該交互架橋オリゴヌクレオチドとアニールすることがないように位置する、複数の二本鎖核酸分子を生成する方法。
  18. 前記別々の交互架橋オリゴヌクレオチドを異なる増幅反応物に各々別々に提供する、請求項19に記載の方法。
  19. 一つより多くの別々の交互架橋オリゴヌクレオチドが同じ増幅反応物に同時に提供される、請求項17に記載の方法。
  20. 前記ラダー複合体を含んでいる前記オリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、約25ヌクレオチド長、約50ヌクレオチド長、または約75ヌクレオチド長である、請求項1に記載の方法。
  21. 前記生成された核酸分子は、タンパク質の機能ドメインを含むポリペプチドをコードする、請求項1に記載の方法。
  22. 前記機能ドメインが触媒部分を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 二本鎖核酸分子を生成する方法であって、
    少なくとも第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドを提供するステップであって、該第1のオリゴヌクレオチドと該第2のオリゴヌクレオチドとは、全長の少なくとも一部分にわたって互いに相補的である、ステップと、
    該第1のオリゴヌクレオチドと該第2のオリゴヌクレオチドとをアニールさせ、その結果、それらの相補的部分が二本鎖領域を形成するステップと、
    少なくとも第1のプライマーおよび第2のプライマーを提供するステップであって、該第1のプライマーまたは該第2のプライマーのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのポリメラーゼのテンプレートとして作用しない少なくとも1つのターミネーターヌクレオチドを含む、ステップと、
    該第1のプライマーおよび該第2のプライマーのポリメラーゼ媒介伸長によって、アニールされた第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドを増幅させ、その結果、該ポリメラーゼは該ターミネーターヌクレオチドをコピーせず、伸張反応が少なくとも第1のオーバーハングを含む生成物分子を生産する、ステップと
    を包含する、方法。
  24. 少なくとも第1のオリゴヌクレオチド、第2のオリゴヌクレオチド、および第3のオリゴヌクレオチドを提供するステップであって、該第1のオリゴヌクレオチドおよび該第2のオリゴヌクレオチドがそれらの全長の少なくとも一部分にわたって互いに相補的であり、該第3のオリゴヌクレオチドが、該第1のオリゴヌクレオチドに対して相補的である該第2のオリゴヌクレオチドの一部分とは異なる該第2のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と少なくとも部分的に相補的である、ステップと、
    該第1のオリゴヌクレオチドおよび該第3のオリゴヌクレオチドが該第2のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズするように該第1のオリゴヌクレオチド、該第2のオリゴヌクレオチド、および該第3のオリゴヌクレオチドをアニールするステップと、
    少なくとも第1のプライマーおよび第2のプライマーを提供するステップであって、該第1のプライマーまたは該第2のプライマーのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのポリメラーゼのテンプレートとして作用しない少なくとも1つのターミネーターヌクレオチドを含む、前記少なくとも第1のプライマーおよび第2のプライマーを提供するステップと、
    前記第1および第2プライマーのポリメラーゼ媒介伸長によってアニールされたオリゴヌクレオチドトリプレックスを増幅させ、その結果、該ポリメラーゼが該ターミネーターヌクレオチドをコピーせず、該伸張反応が少なくとも第1のオーバーハングを含む生成物分子を生成するステップと
    をさらに包含する、請求項23に記載の方法。
  25. 前記アニールするステップにおいて、前記第2のオリゴヌクレオチドにアニールした前記第1のオリゴヌクレオチドと前記第3のオリゴヌクレオチドとの間にギャップが存在しない、請求項24に記載の方法。
  26. 前記アニールするステップにおいて、前記第2のオリゴヌクレオチドにアニールした前記第1のオリゴヌクレオチドと前記第3のオリゴヌクレオチドとの間にギャップが存在する、請求項24に記載の方法。
  27. 二本鎖核酸分子を生成する方法であって、
    (a)オリゴヌクレオチドの集団を提供するステップであって、該オリゴヌクレオチドは、互いにハイブリダイズした場合に、ニックが形成された二本鎖核酸分子を形成し、該集団は、
    末端上鎖オリゴヌクレオチドと少なくとも1つの上鎖架橋オリゴヌクレオチドとを含む上鎖オリゴヌクレオチドのセットと、
    末端下鎖オリゴヌクレオチドと少なくとも1つの下鎖架橋オリゴヌクレオチドとを含む下鎖オリゴヌクレオチドのセットとを含み、
    該末端上鎖オリゴヌクレオチドと該末端下鎖オリゴヌクレオチドとは、該ニックが形成された二本鎖核酸分子の反対の端に位置し、
    所定の鎖セットの各オリゴヌクレオチドは、他の鎖セットからの少なくとも1つのオリゴヌクレオチドとハイブリダイズし、
    各架橋オリゴヌクレオチドは結合パートナーとしての他の鎖セットからの少なくとも2つのオリゴヌクレオチドとハイブリダイズし、任意の所定の架橋オリゴヌクレオチドの該結合パートナーが、該ニックが形成された二本鎖核酸分子の鎖内で互いに隣接する、ステップと、
    (b)前記オリゴヌクレオチドの集団をアニールするステップと、
    (c)少なくとも第1のプライマーおよび第2のプライマーを提供するステップであって、該第1のプライマーまたは該第2のプライマーのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのポリメラーゼのテンプレートとして作用しない少なくとも1つのターミネーターヌクレオチドを含む、ステップと、
    (d)第1の増幅プライマーおよび第2の増幅プライマーのポリメラーゼ媒介伸長によって該ニックが形成された二本鎖核酸分子を増幅させ、その結果、該ポリメラーゼが該ターミネーターヌクレオチドをコピーせず、該伸張反応が第1のオーバーハングを含む生成物分子を生成する、ステップと、
    を包含する、方法。
  28. 少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが、異なる配列の複数のオリゴヌクレオチドを含む、請求項27に記載の方法。
  29. 少なくとも1つの架橋オリゴヌクレオチドが、異なる配列の複数のオリゴヌクレオチドを含む、請求項27に記載の方法。
  30. 前記架橋オリゴヌクレオチドの少なくとも1つの結合パートナーもまた、前記複数の架橋オリゴヌクレオチドの異なるメンバーと相補的である異なる配列の複数のオリゴヌクレオチドを含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記複数の架橋オリゴヌクレオチドの各メンバーは、相補的結合パートナーを有する、請求項29に記載の方法。
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