JP2008516350A - 資金融通の申請を受理又は棄却する判定を支援するデータ処理システム - Google Patents

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    • G06Q40/02Banking, e.g. interest calculation or account maintenance

Abstract

エクイティ金融モーゲージに特に用途が見出されるデータ処理システム及び(arid)方法が開示される。総合システム(600)は、ターゲット投資システム(100)、資産オリジネーションシステム(200)、資産証券化システム(400)、資産サービシングシステム(300)及び資産管理システム(500)から形成される。ターゲットが確実に達成されるように金融フィードバックを適用する。モーゲージは、プールされて投資家に販売され、投資家が示す選好に基づいて受理されるように選択される。
【選択図】図2

Description

本発明は、新規の金融システム及び方法の実装においてコンピュータで生成したデジタルコード化電気波形を用いたデータ処理システム及び方法に関する。本明細書に含まれる記載では、本発明は主に、不動産資産に関する状態依存又は担保依存の金融協定(典型的には債務契約)、及びこのような金融協定の選別、選択、処理、証券化、及びポートフォリオ管理を行うのに必要な新しいデータ処理システム及び方法に関する。しかしながら、本発明の用途は、そのようなものとして債券又は不動産資産の何れかに限定されるものではない。本発明は、相当な数の資産カテゴリ(例えば商品又は人的資本)に関する多くの異なるタイプの金融協定に適用することができる。
本文書は、著作権に従う資料を含む。著作権者としての出願人は、本特許文書を特許商標庁ファイル又はレコード内に表されるように正確に複写することに対しては異議はないが、それ以外は、全ての著作権を留保する。
(背景技術)
グローバルなモーゲージ業界は、ここ50年にわたって急速に発展している。これは、「証券化」処理の出現に関して特に当てはまり、これに従い、モーゲージのバンドルが包括されて第3者に売却されることで、費用効果の高い貸付の新しいラウンドで契約するように銀行のバランスシートを解放する。その結果、世界中の投資家により活発に取引されるモーゲージ担保証券において流動的な流通市場が発達することとなった。
しかしながら、初期のモーゲージ市場の改革は比較的誇張されている。20世紀の変わり目以来、世界的な住宅金融は、固定金利又は変動金利のモーゲージ債務証書の何れかにより支配されてきた。これらの商品の周辺では幾らかの改革があったが(例えば、利息支払いのみの契約、ホームエクイティローン等)、これにより、消費者が住宅保有の選択肢に対して資金を提供する方法に基本的な変化が生じることはなかった。
おそらく、この場合の1つの例外は、モーゲージの金利が長期間の間に倍加又は「上昇」し、これによって消費者が死亡又は財産売却するまで融資の費用を延期することができる「リバースモーゲージ」である。従って、リバースモーゲージでは、消費者が受ける経常的利息及び元金の支払いは存在しない。更に、リバースモーゲージでは、その用途が特定のクラスの消費者、即ち高齢者に限定される。実際、これらの商品の提供者は、典型的には65歳未満の消費者がこのようなローンの資格を得ることを完全に明示的に防止している。また、リバースモーゲージは、新しい財産を購入するのには用いられず、これに反して、資産豊富だが現金に恵まれない自己所有の住居に現在居住している持家居住者向けの「エクイティリリース」機構としての用途に限定される。リバースモーゲージは、結果として、従来的な住宅金融業とは無関係である。最後に重要な点として、リバースモーゲージは、その独自の方法で、固定収入の投資家のみに魅力的な単純な利付証券である。リバースモーゲージは、どのようなものであれ、貸し手(又は、証券化の場合には第3者の投資家)に対してモーゲージが保有する基本的財産価値(即ち、住宅不動産の資産クラス)の変化に伴うリスク及びリターンへのエクスポージャを与えることはない。
2003年には、オーストラリアにおけるランドマーク政府報告書(C.Joye、A.Caplin、E.Glaeser、P.Butt、M.Kucynski(2003年)の住宅保有価格を減少させるための新しいアプローチ;首相の住宅保有タスクフォース報告、メンジーズリサーチセンター)により住宅金融の可能性の新しい領域の道が開かれ、消費者を住宅保有バランスシートの「エクイティ」側に引き寄せ得ることに特に重点がおかれ、同時に、機関投資家に住宅不動産資産クラスの効率的な利用を初めて提供した。これは、実際には、業界及び学界の両方で提案されてきた多くの(殆どは非現実的な)協定に対して極めて進化した一連の提案であった。
英国及び米国の民間部門でのいわゆる「増価分担(shared appreciation)」モーゲージの単独発生に加えて、学部及び低所得世帯をターゲットとした種々の家内工業方式の分担エクイティプログラム(オーストラリア、英国、米国、及びニュージーランドの学界及び公的部門においてほぼ独占)がある期間存在していた。しかしながら、所有者居住住居への長期にわたる経済的エクスポージャを多くの数の消費者が同様に多数の外部投資家と分担する、継続的な市場ベースのプログラムが成功した例は未だ存在しない。2003年のオーストラリア首相の住居所有権タスクフォース報告書(以降、「報告書」)は、このような市場が発達する可能性がある概念的アーキテクチャを概説しているに過ぎない。
詳細には、報告書は、何世紀にもわたって、資金を必要としている事業は、債務及びエクイティの両方を利用することができるが、拡大することを望んでいる世帯では、モーゲージ金融の利用が限定されてきたことを論じている。そこで、法人資本市場が高度に成長しているにも関わらず、世界中の消費者は、金融商品のうち最も未熟なものを用いることが余儀なくされている。報告書では、この欠陥により引き起こされるであろう結果は、単に不便であることから極めて投機的であることまで様々であると論じている。居住者のライフサイクルの全期間にわたって明らかな重要な経済問題の要因の多くは、住宅保有に関する「二者択一の制約」(即ち、世帯は、その住居のエクイティの100%を保持する必要があり、住宅不動産資産の投資金を第3者と分担することができないこと)に帰することができると言えば十分である。
報告書は、住宅保有に関するこの二者択一の制約(住宅資産の「不可分性」とも言われる)が、ライフサイクル期間の最初から最後まで消費者をどのように困らせているかを記載している。例えば、若年世代の家庭は、賃貸居住設備の問題から提案された持家居住の楽園に進むことができるように、頭金用の資金を急いでかき集めようとする。この貯蓄に熱心になる期間は、消費をかなり引き締め、ライフスタイルの選択肢を極度に制約することが多い。実際、幾つかの国の若年世代の世帯の大半は、全財産のほぼ70%を1つの高度に非流動的で、且つ極めて変動し易い資産、即ち住宅不動産に委ねることを余儀なくされる。次に、モーゲージのサービシング及び住居の保守に伴う費用がある。このような責務の負担により、家族は若年〜中年世代において質素な状態−いわゆる「住宅貧乏」を耐えなければならないことが多い。その後の人生では、全ての債務を何とかほとんどペイオフし、その住居で晴れて自由に生活する。不都合なことには、この頃には退職となり、住人の大多数は重要な収入が殆どない(老齢年金以外)。彼らは、この時点では「資産は豊富だが現金に窮乏している」。実際、高齢者の相当な部分が収入5分位階級の最も低い2つに入る。
法人と世帯資本市場との間の不均衡を是正する試みにおいて、報告書は、彼らの財産を購入するときに「債務」及び合成「エクイティ」金融の両方を用いる選択肢を有する世帯を提供する柔軟なシステムにより、同時協定を増やすことができると提案している。報告書の提案に基づくと、住宅は、従来的なモーゲージを合成エクイティ資本と組み合わせて用いて資金提供されることになり、これは、「状態又は担保依存性」債務契約を介して同一又は別の貸し手により拠出され、これによって正常金利は、権利付与又は請求権により債務証券が保持される原財産の価値の変化に伴う将来の正及び/又は負の価格変動に置き換えられる(従って「状態依存」)。報告書は、これらの「エクイティ金融」協定により、とりわけ、住宅所有の初期費用を30%強低減させ、住居に引っ越した時に(債務のサービシング義務が軽減する結果として)消費者の可処分所得を増大させ、従来のモーゲージの額が小さい場合には債務不履行のリスクを減少させ、貯蓄の大部分を他の非流動性の手の届かない居住資産に取り分ける必要がもはやなくなるので退職時の世帯の流動資産を実質的に増大させことができると主張している。従って、この世帯は、以前は高値のために市場から締め出されていたが、報告書では、エクイティ金融の利用により住居所有は遙かに現実的な目標となると主張している。
報告書はまた、エクイティ金融を利用することにより、リバースモーゲージに比較して、資産豊富だが現金窮乏の高齢者(人口に占める割合が次第に大きくなっている)向けのより安全なエクイティリリース機構が構成されることになると主張している。報告書は、住宅エクイティの非流動性により、多くの高齢者が2つの全く異なる経路の何れかを選択することを余儀なくされていることは残念な事実であると断定している。これらは、(1)長年にわたって大事にしてきた住宅に居住する権利を留保しながら引き続き貧困の間際をさまようか、(2)現在の住まいを売却して小さな家に引っ越し、場合によっては居住する地域で形成されている人間関係を損なうことによりこれらの金銭上のトラブルを軽減するかの何れかである。後者の選択肢により示唆される利点は、当然、住宅所有者の他の不透明な消費見通しを改善することである。
報告書は、エクイティリリースの好機は、金融業界に注目されることなく終わったと記載している。実際、住宅所有者に対して住宅の形で保有された資産を自由化することができる手段を与えようと幾度か試みた。これには、リバースモーゲージ、増価分担モーゲージ、及び住宅担保ローンのような商品が含まれる。リバースモーゲージの近年の成長にも関わらず、これらの募集の成功は、控えめに言ってもゆっくりとしたものである。高齢居住者の大多数は、中年時代を債権者に拘束されることにより制約されて過ごしており、彼らがこれ以上(少なくとも従来の具体化したものにおいて)債務を負いたくないことは理解される。同時にこれは、通常、全く異なる地理に移ることが必要であり、これにより2人の関係者が位置的に近いことに基づく社会的絆を犠牲にする悪影響が生じるので、より小さい家に買い換えないことを選択する人も多い。これらの現在の財産に対する強力な心理的結び付きにより、消費レベルを上げるには実質的に障害が生じる可能性があり、従って、殆どのファイナンシャルプランナーは、その後の生活で利用可能な資源を評価するときに所有者居住住宅を無視する傾向がある。
上記を考慮して、報告書は、居住資産の「不可分性」を排除することにより(即ち、エクイティ付与権利を第3者と分担することにより)、高齢居住者の可能性に新しい領域を開くことができることに殆ど疑いの余地がないと論じている。代替形態の多くとは対照的に、報告書は、担保依存エクイティ金融により、高齢所有者に3つの特に魅力的な属性が与えられることを提示している。即ち、(1)現在の住居からの移動、及びこれに伴う情緒的ストレスの全てを負う必要がなくなること、(2)従来的な債務を引き受ける必要がないこと、及び最も重要なことは、(3)リバースモーゲージと比較してエクイティ金融商品が、起こり得る最悪の不測の事態において住宅におけるかなりの比率のエクイティを消費者に残すことである。一方、リバースモーゲージでは、この同じ借り手は、ますます増大するローン量が最終的にその住宅の価値の100%を消費するまで膨らみ、これによってエクイティが僅かになるか、又はマイナスにさえなる悪影響を受けるリスクを負担することになる。
エクイティ金融により与えられる別の重要な利点は、ある割合のダウンサイドリスク(即ち、財産価格のリスクが下降している)を分担することにより貸し手が提供する有用な保険サービスである。この単純な事実は、殆どの住宅所有者は、ある1つの通りに位置し、1つの方向を向き、その明らかな特性の全てを備えたある住居を所有するということである。実際、経済学者は、単一家族の住宅であることに起因する「特異的な」リスクは、十分に分散した財産ポートフォリオに帰属させることになるリスクの2〜3倍よりも大きいと推定している(当然、大量のレバレッジを用いることは、これらの危険性を拡大させる役割を果たしているに過ぎない)。
報告書のエクイティ金融商品は、住宅市場が落ち込むと資本コストが低下するが、好況になると比較的高くなるよう(これは消費者の観点からみると明らかに理想的である)に設計されている。即ち、価格の上昇がない場合には、世帯は、元の融資額に加えて貸出機関又は個人(又は合成エクイティ提供者)に経済的に移転する必要がないようにされ、確かに大きなモーゲージに関する利払いに対して優れた結果である。価格減価がある場合には(1990年代初頭の場合のように)、世帯は、これらのリスクの一部を投資家に再分配することができることによる利点がある。これと対照的に、全ての他の形の借り入れによる資金調達(リバースモーゲージを含む)は、このような柔軟性はなく、従って、エクイティ金融モーゲージとは明確に区別される。
投資家の場合は複雑であるが、単に魅力的に見えることになる。住宅不動産は、結局、地球上で最も大きな資産クラスであり、先進国だけで70兆ドルと評価されている。1960年以来、住宅不動産は、リスク調整基準のアウトパフォーマンス株式、債券及び不動産投資信託を有する。また、高度に「無相関の」投資カテゴリでもあり、参加予定者にかなりの分散利得を与えることができる。1987年及び2001年に経験した株式市場の急落は、好適な古典的事例であり、グローバルエクイティは相当な損失を被ったが、オーストラリア、ヨーロッパ及び北アメリカの所有者居住住宅には、著しい価格上昇がもたらされた。従って、金融機関がより多くの数のバスケットに蓄えを展開させることができれば、リスク(リターン)を一定に保持しつつ、これらは、ポートフォリオリターン(リスク)を大きく増大(減少)させることができることになる。当然、十分に分散化した方式で不動産のリスク−リターンプロファイルを利用することも、又は流動市場で住宅エクイティを売買することも現在では不可能である。
報告書は、エクイティ金融の好機を印象的に表現し、これらの協定を実際にどのように開発することができるかに関する骨組みを概説しているが、例えば、自宅に留まりたい消費者による期限前償還、バンドルすることになる従来的な利付モーゲージの借換え、及び契約上の担保物件として機能する財産に対して所有者が起こす修復を含む、エクイティ金融契約の経済的価格決定に伴う基本的な問題に対して明確な契約上の解決を定めていない。その結果、エクイティ金融元帳の消費者側に関しては(即ち、資本市場の課題を一時棚上げにする)、報告書は、「逆選択」(例えば、そのエクイティ金融商品を貸し手の損失に対して前払いする借り手)及び「モラルハザード」(例えば、財産価値を最大にしようとしない、又は将来の売却額を損なう行動をとる借り手)に伴う重大な問題を確実に解決することができる方法に関して総括的な提案は行っていなかった。また、報告書は、従来的な利付モーゲージ及びエクイティ金融商品の両方の貸し手が利害の衝突を回避し、従って有利に相互作用することができるようにする基幹技術システムに関しても言及していない。
資本市場方面に関しては、報告書は、やはりエクイティ金融機会の幅広い性質を概説しているが、これらのエクイティ金融契約のディストリビュータ、貸し手、アンダーライター及び/又はファンダーが、このような資産を識別し、選別し、選択し、証券化し、返済するために利用し、更に、エクイティ金融市場の消費者側と投資家側との間の相互関係を良好且つ継続可能にするために、時系列で継続的に配置されるポートフォリオ全体を管理する必要がある方法、システム、及び技術について明確に示していない。
上記で明らかになった他の場合では解決し難い多くの商業上の問題が、本発明の開発を行う動機付けとなった。
上記報告書のエクイティ金融・イニシアチブに幾分類似した協定を実施しようと試みた幾つかの民間及び公的部門のプログラムがこれまであった。
1987年には、米国連邦会議は、全米住宅法の下、(1)高齢住宅所有者のニーズを満たすため、住宅エクイティを流動資産に転換することを可能にすること、(2)このプロセスでモーゲージ市場への参入を促し増大させること、及び(3)住宅エクイティ転換の需要の程度と、高齢者のニーズに最も役立つことになるモーゲージのタイプとを判断することを目的として住宅エクイティ転換モーゲージ(「HECM」)保険デモンストレーションプログラムを創設した。HECMプログラムを受けて、高齢住宅所有者は、住居のエクイティ担保リバースモーゲージを引き受けることができるようになった。借り手が支払いを受け取ると、モーゲージに関する債務の量は、長期間の間に上昇する。この債務は、ノンリコースであり、居住価値のみが担保として働き、この価値がローンを償還するのに十分でない場合でも他の個人的資産は没収できないことを示唆する。
当初、1991年9月までの2,500件のリバースモーゲージに保険を提供するように連邦会議が権限を与えた住宅都市開発省(「HUD」)は、連邦政府の他の機関と協議してデモンストレーションプログラムをデザインし、1989年7月に最終規則で実施した。翌年、連邦会議は、デモンストレーションを1995年まで延長し、25,000件のモーゲージに保険を提供するようにHUDの権限を拡大した。続いて、2000年9月30日まで最大50,000件のモーゲージに保険を提供する権限をHUDに与えるように再度プログラムが修正された。1998年10月には、連邦会議は、許容可能な未払債務を150,000件にまで増大させた。
しかしながら、上記で概説した理由により、このような利付リバースモーゲージ(貸し手が原財産に伴うリスクを負うことも及びリターンを得ることもない)は、エクイティ金融商品とは大幅に異なる。
米国ではまた、状態及び時間依存の「増価」分担モーゲージ(「SAM」)は、1970年代に経験したインフレ圧力に応じて開発されたものであり、本明細書で開示される「上向き」及び「下向き」担保依存のエクイティ金融モーゲージ技術に最も近い先行技術である。一般物価水準が上昇すると、標準モーゲージ証券での利子支払いの先取り方式がある。即ち、インフレにより、名目金利が上昇すると同時に、未済債務の実質価値が押し下げられる。SAMにより、インフレによって誘起される将来の住宅価値の増大の担保依存性の分担分を投資家が受け取る代わりに、使用者が時間依存性の現在の低い金利を支払うことができることにより、この先取り方式の範囲が減少する。
米国で募集されたSAMは、比較的短期間(ほぼ10年の期間)であり、利子支払いの大幅な切下げと増価の実質的な分担と組み合わせたものであった。特に、1つの商品は、世帯に対して、算定価格の伸びの40%の条件付請求権を代償として6%/年の金利手数料を提示した。このような商品は、1つには課税措置が不透明であったため、実際には殆ど発行されなかった。米国IRSの主な任務は、徴税及び脱税防止である。残念なことには、これは、SAMが世帯主にモーゲージ金利控除の権利を付与するかどうかの厄介な問題について判断を下すときに、その姿勢に影響を与えるようである。最終的に、1983年には、IRSは、(行間を読むならば、幾分不本意ながら)特定のSAM商品に関する固定及び不定利子支払いの両方が実際に課税控除可能であると決定した。この裁定は意図的に狭くされ、柔軟性に欠ける別の徴候として、IRSは以後2度にわたり、最も近年では1996年にこの問題に関して何らかの付加的な決定を発表しないと発表した。
IRSの古典的SAMに対する姿勢の帰結は、今日までずっと米国住宅市場全体に波紋を投げかけている。例えば、最近、丁度このような商品を導入する十分に資金準備され調査された計画があり、メンフィスの国立商業銀行サービス(「NCBS」)は、南東諸州の地方発行者から契約を取得することを募集しており、Bear Stearnsが証券化債券の販売を引き受けている。しかしながら、この商品は、大部分はIRSの姿勢に関して継続的に疑問があることから、殆ど直ぐに取り下げられた。明らかな曖昧性を示すために、潜在的な顧客に対しNCBSが与えたアドバイスをみてみる。
「連邦所得税規則をSAMに適用することは、不確実且つ複雑であり、この規則は、各借り手に異なる影響を及ぼすことになる。従って、SAMの下で借入した場合の結果について税務顧問に相談する必要がある。」
The Reverse Mortgage Advisor 第3.2巻(2000年春)版は、ファイナンシャルフリーダムにより開発され、標準時間依存利息部分を有する別の増価分担型商品についての次の記述を含んでいた。「住宅増価ローン(home appreciation loan)(「HAL」)と呼ばれる新しい商品は依然として開発中であり、本年の第3四半期に公表することができる。HALは、リバースモーゲージの多くの特徴を有することになる。例えば、借り手は、融資金を一括で手に入れることができ、ローンは、借り手が死亡するか住宅を売却するまで返済する必要がない。返済義務は、借入融資額に未収利息及び融資期間中の住宅増価の予め設定されたパーセンテージ分担(これは、事前にFinancial Freedomと各借り手との間で交渉されることになる)を加えたものとなる。パーセンテージが大きくなるほど、ローン額が大きくなる。例えば、HALを組むときに借り手の住宅が150,000ドルと評価され、この住宅が、5年後に180,000ドルで売却されたとすると、借り手は、住宅の売却額からFinancial Freedomに30,000ドルの利益のあるパーセンテージを支払う必要がある。」本発明の出願の優先日現在、Financial Freedom又はその親会社であるLehman Brothersによる提案商品の商品化は未だなされていない。
最近になって、銀行家、雇用者、地方自治体、及び非営利団体が、メリーランド州ホワード群からカリフォルニア州サンディエゴまでのアメリカの最も高価な住宅市場の多くで増価分担商品に参入した。これらの契約は、一般に、1つの共通要素を有する。即ち、1980年代の試みにおけるように、SAMを従来の第1モーゲージと置き換える代わりに、このスキームでは、通常第2モーゲージの形で、又は場合によっては共同所有契約の形で(後者に関しては、例えばモーゲージをジョイントベンチャーエクイティパートナーと組み合わせた米国特許第5,983,206号も参照されたい)これを補完する。典型的には、エクイティ源泉により、販売時の増価と同様の分担と引き換えに購入額の20〜25%(プログラムによってはこのパーセンテージは50%まで上昇する)が提供される。取得費用の残りは、少額の頭金及び住宅の価値の70〜75%である従来の第1モーゲージにより資金提供される。
これらのイニシアチブは、通常、低・中間所得家庭を助ける公共の目的のプログラムとして、又は被雇用者の住宅取得を支援するための雇用者提供スキームの何れかとして実行されてきた(後者は、ハーバード、MIT、スタンフォード及びコロラド大学のような比較的高価な市場での大学間に最も広く行き渡っている)。従って、殆どが小規模に運営されており、全国でもせいぜい数千の金融協定しか生成されていないことは驚くに当たらない。これらは、2つの基本的な理由、即ち、(1)現行のデザインでは、外部投資家の興味を引くのに十分に高いリターンをもたらさない−エクイティパートナーは、通常、意思決定権を放棄したことに対しての保険料を全く受け取らず、住宅不動産の直接エクイティ投資との関連で通常発生することになる賃借利回りも全く受け取らないこと、及び(2)現行プログラムでは、共通の契約構造を共有しておらず、期間から返済方式、法的構造までの全てに関してパラメータが異なること、により多くの民間資本を誘致することができるようには構築されていないようである。その結果、これらの試みは、流通市場が希求している同質性を提供することになる住宅エクイティの取引可能な金融商品を出現させるように促すことがなかった。
1996年には、サンフランシスコのベイエリアの非営利団体であるNorthbay Family Homesが、地域支援増価分担(「CASA」)契約として知られる商品を開発した。その同業他社とは異なり、CASAは、政府資金調達を補完する銀行、開発会社、及び他の民間団体からかなりの投資を集めている。投資家は、第2モーゲージの形で住居のエクイティ持ち分を取得し、これは、地方自治体により第3モーゲージでバックアップされる。第2及び第3モーゲージは各々、売出価格の10%に等しく、総エクイティ投資が20%である。投資家及び政府機関の両方は、住宅所有者が財産を売却するときに資金を取り戻す。居住者は、14年後まで売却しなかった場合には、借換えることが必要となり、余裕があれば投資家から買収する。注目すべきことには、住宅を処分するときに、その家族は増価額の40%を受け取り、エクイティパートナーは60%を得る(その大部分は民間機関に行く)。サンフランシスコエリアは物価が高いので、このイニシアチブは、居住者に極めて人気があることが証明された。
実際、これらのCASAプログラムの全ては、利用可能な供給よりも遥かに大きい需要があった。例えば、ホワード郡では、近年の9人の買手のための金融ラウンドは、347人の申請者を集めた。需要が供給を上回った理由の一部は、殆どのスキームが公的資金により提供される柔軟性があることで、例外的に好ましい条件で資金提供を募集したためである。しかしながら、CASAプログラムでも大きな需要が活性化されたことは、現在よりも遙かに大きな消費者市場が生じる可能性があることを示している。
上記の全ての場合において、増価分担モーゲージ商品の状態依存の性質は、もっぱら1つのエリア、即ち住宅の価値が増大する場合に限定される。その結果、消費者に負担される資本のコストは、財産価値が減少した場合でも影響されることはない。これらの協定下の貸し手は、住宅保有に伴う「リスク」の何れかを分担することを望む状況を明らかに想定していない。別の見方をすると、前述又は前述していない全ての他の形態の時間依存利息に加えて、財産の価格が下がった場合には元金のある割合が実際に免除されることになる「上向き」及び「下向き」担保依存モーゲージ(又は、単に「エクイティ金融モーゲージ」)協定を世帯に募集することを考えていない。多くの点で、本明細書に開示されたモーゲージ契約のこのダウンサイドリスク分担構成要素は、居住者が財産を失うことになる不測の事態に対する居住者のエクスポージャを限定しようと努める範囲で、保険サービスに類似している。多くの人々は、住宅不動産が極めて安全な投資であると信じるであろうが、個々の住宅所有者レベルでは、これは真実からかけ離れている。単純な事実として、極めて多数の世帯が、自己の住宅を売却するようになったときに、名目上の損失と実損失の両方を認識する。それにも関わらず、現行の住宅金融市場では、これに関してできることは何もなく、即ち、住宅所有に内在する全ての経済的リスクの100%を負わされる。
本発明の第1の態様によれば、実体がある範囲の決定規則を用いて、リアルタイム又はバッチベースで消費者からの申請を評価し、資産が担保として用いられる資金融通のための金融実体と金融協定を締結することを可能にするデータ処理システムが開示され、実体の最終的目的が、これらの申請を受理又は棄却することであり、該システムは、
(i)消費者及び申請される資金融通の両方に関するデータが入力される少なくとも1つのデータ入力端末と、
(ii)前記又は各入力端末に接続されるデータ処理手段と、
(iii)データ処理手段に接続され、金融実体の金融ポートフォリオを集合的に特徴付ける、現在までに受理された申請に関する初期ポートフォリオデータと、ポートフォリオの所望の特徴に関する必要データとの両方を含むデータ記憶手段と、を備え、データ処理手段が、申請が受理された場合に入力データ及びポートフォリオデータを併合してポートフォリオを表す修正ポートフォリオデータを生成し、必要データと修正ポートフォリオデータと比較して、必要データと修正ポートフォリオデータとの間の差が必要データと初期ポートフォリオデータとの間の差よりも小さい場合にのみ申請を受理する信号を送信する。
本発明の第2の態様によれば、資産が担保として用いられる資金融通のため消費者から金融実体への申請をリアルタイム又はバッチベースで受理、棄却又は照会する方法が開示され、該方法が、
(i)データ記憶手段が接続されたデータ処理手段に接続されているデータ入力端末に消費者及び資金融通の両方に関するデータを入力する段階と、
(ii)データ記憶手段に、金融実体の金融ポートフォリオを集合的に特徴付ける、現在までに受理された申請に関する初期ポートフォリオデータと、ポートフォリオの所望の特徴に関する必要データとの両方を記憶する段階と、
(iii)申請が受理された場合に前記入力データ及び初期ポートフォリオデータを併合してポートフォリオを表す修正ポートフォリオデータを生成する段階と、
(iv)修正ポートフォリオデータを必要データと比較する段階と、
(v)必要データと修正ポートフォリオデータとの間の差が、必要データと初期ポートフォリオデータとの間の差よりも小さい場合にのみ申請を受理する段階と、
を含む。
本発明の第3の態様によれば、第3者提供者から資本を調達し、金融協定の1つを各々が結ぶ複数の消費者に資金融通をもたらす担保として資産を用いる金融協定に資金を提供する金融システムが開示され、金融協定が、担保資産及び/又は消費者の1つ又はそれ以上の特性に基づき選択された消費者及び/又は選択された担保資産のみに関して締結され、該特性が、資本の第3者提供者が示す選好に基づき最初に定められるか、及び/又は経時的に修正される。
本発明の第4の態様によれば、投資の実際のプールと所望の投資のプールとの間の密接近似値を維持するためのコンピュータ実装金融システムが開示され、該システムが、システムにより動作される記憶装置内に各々が保存された複数の投資特性のためのターゲット値を指定する投資マンデートを有し、該システムが、投資の実際のプールの複数の投資特性の実際の値が維持されるデータ記憶装置を更に有し、システムが、記憶装置内の値とデータ記憶装置内の値とを比較し、ターゲット値と実際の値との間の差を減少させる投資特性を有するような追加投資のみを投資の実際のプールへの追加として許可する。
本発明の第5の態様によれば、投資の実際のプールと投資の所望のプールとの間の密接近似値を維持するためのコンピュータ実装金融システムが開示され、投資プールが、消費者が求める資金融通と資金融通を提供する意思がある実体との間に各々金融協定を含み、システムが、該システムにより動作される記憶装置内に各々が保存された複数の投資特性のためのターゲット値を指定する投資マンデートを有し、システムが、投資の実際のプールの複数の投資特性の実際の値が維持されるデータ記憶装置を更に有し、システムが、記憶装置内の値とデータ記憶装置内の値とを比較し、金融協定の下で各消費者の債務義務を変えてターゲット値と実際の値との間の差を減少させるようにする。
本発明の第6の態様によれば、第1の金融機関に対する実質的に従来的な利付モーゲージと第2の金融機関に対する第2の全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージとの両方を有する抵当権設定者からの借換承認のための要求をリアルタイム又はバッチベースで受理、棄却又は照会する方法が開示され、借換承認のための要求は第2の金融機関に対して行われ、モーゲージの両方は同じ財産を担保にされており、前記方法が、
(i)データ記憶手段が接続されたデータ処理手段に接続されているデータ入力端末に最近の評価から生じた財産の新しい価値及び借換額を入力する段階と、
(ii)データ記憶手段内に、財産の初期価値、第1モーゲージの元本、第2モーゲージの元本、第1及び第2の予め設定されたパーセンテージ、並びに第2モーゲージの現在の返済額を計算するのに必要な、上昇及び下降パーセンテージを含むデータを記憶する段階と、
(iii)データ処理手段を用いて、第1の予め設定されたパーセンテージと第1モーゲージ元本との積である基準借換額を計算する段階と、
(iv)データ処理手段を用いて、財産の新しい値と上昇及び下降パーセンテージとに基づいて第2モーゲージの現在の返済額を計算する段階と、
(v)データ処理手段を用いて第2の予め設定されたパーセンテージと現在の返済額との積である修正借換額を計算する段階と、
(vi)データ処理手段を用いて、基準借換額から修正借換額を差し引いて、結果として生じる借換額を得る段階と、
(v)承認が求められる借換額が、結果として生じる借換額よりも小さい場合にのみ借換えの要求を受理する段階と、
を含む。
本発明の第7の態様によれば、全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージにおいて抵当権設定者に対する増改築の貸方の量を表すデジタルエンコード電気信号を生成する方法が開示され、該方法は、
(i)モーゲージの元本、改良が行われる直前の住宅の第1の評価額、改良が行われた直後の住宅の第2の評価額、及びモーゲージを締結する住宅の販売又はみなし販売である、改良を含めた住宅の最終値を含む入力データをデータ処理装置に入力する段階と、
(ii)第1の評価額に対する第2の評価額の増大を含む改良差額を計算し、元本を引いた最終評価額を含む全体差額を計算するようにデータ処理装置に指示する段階と、
(iii)第1の信号が全体差額が負又はゼロである場合のゼロ量を表し、第2の信号が全体差額が正である場合の改良差額量を表す、デジタルエンコード電気信号の2つのうちの何れか1つを出力するようにデータ処理装置に更に指示する段階と、
を含む。
本発明の第8の態様によれば、全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージの調整元本の量を表すデジタルエンコード電気信号を生成する方法が開示され、全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージを保証する財産価値が増大する場合には、元本が、増大の第1のパーセンテージだけ増加させることにより調整され、全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージを保証する財産価値が減少する場合には、元本が、第2のパーセンテージだけ減少させることにより調整されるように定められており、前記方法が、
(i)全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージの元本と、第1及び第2のパーセンテージと、幾つかの予め設定された事象の1つに従って決定される調整元本を示す第1の値か或いは抵当権設定者により初期の期限前償還が選択されたことを示す第2の値の何れかからなるトグルマーカと、財産の売却又は承認増価額の何れかである財産の最終値とを含む入力データをデータ処理装置に入力する段階と、
(ii)最終値と元本との間の資本差を計算するように指示し、トグルマーカが第1の値である場合には、資本差に第1又は第2のパーセンテージをそれぞれ乗算することにより調整元本を計算するようにデータ処理装置に指示する段階と、
(iii)トグルマーカが第2の値である場合には、第2のパーセンテージをゼロに設定し、資本差に第1又はリセットした第2のパーセンテージを乗算することにより調整元本を計算するようにデータ処理装置に更に指示する段階と、
(iv)調整元本の量を示すデジタルエンコード電気信号を出力するようにデータ処理装置に更に指示する段階と、
を含む。
次に、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を説明する。
モーゲージのような資産担保証券のオリジネーション及び証券化は、今日の資本市場において一般的な手続きであり、図1は、関連する主要プロセスの一部を概略的に示している。例えば、従来の銀行は各々、銀行のバランスシート資本9を用いて借り手11と直接取引するモーゲージオリジネーションシステム10を有する。近年、借り手11は、モーゲージブローカ8と直接取引することもでき、ひいてはモーゲージブローカ8が銀行などの金融機関のモーゲージオリジネーションシステム10と取引する。
借り手11が誰と取引するかに関係なく、典型的に得られる結果は、期間及び「時間依存性」金利(固定又は変動とすることができる)並びに借り手の財産の担保を有する標準モーゲージである。しかしながら、貸し手及び投資家により従来のモーゲージで得られた価値、及び金融リターン又は利回りは、借り手の財産の市場価値の変化とは全く無関係である(モーゲージに関する収入の不払い及び貸し手による差押えが無いと仮定した場合)。
このようなモーゲージは、例えばモーゲージ証券化システム7の一部を形成するユニットトラストに譲渡することにより互いにバンドルすることができ、その結果、このユニットは、投資家19に売却することができる。これにより、元の貸し手のバランスシートの資本9を貸し手に戻し、貸し手の望み通りに用いることができるが、最も典型的には、貸し手が付加的なモーゲージの形態で再循環させることができる。
このような従来のモーゲージは、時間依存性利付金融の形態であり、固定又は変動とすることができる貸し手約定金利により決定されるリターンを獲得する。従って、これらの契約により供給されるキャッシュフローは、モーゲージが保全されている担保(即ち、担保不動産資産)で得られるリターンとは全く別の物である。従って、現行のモーゲージオリジネーションシステムは、貸付の担保となる担保資産の特定の特性には多かれ少なかれ無関係である。即ち、現代の貸し手は、モーゲージ契約の金利と原財産の価格変化との間に依存関係が無い場合には、モーゲージが保有される財産上で得られるリターンを最大化するために住宅金融を分散しない。別の言い方をすると、現代の貸し手は、借り手と結ぶ資金調達契約のための担保として機能する原資産の「投資家」として記載される可能性はない。従って、債務不履行及び差押えの場合などの状況を除けば、現代の貸し手は、住宅不動産のような担保資産の資本価値の変化に対する継続的なエクスポージャを有することはない。
現代の住宅金融市場の別の重要な特徴は、証券化モーゲージのあらゆる標準プールに関する金利に本質的に同質の傾向があることである。モーゲージのあらゆるこのようなプールの基礎となる特定のタイプの財産、及び実際にはこれらの財産の業績は、金融発行時又は当該金融の全期間にわたって貸し手が課す金利には関係しないことは確かである。例えば、オーストラリア連邦銀行が、ある所与の月の間に、例えば2.5億ドル相当額の標準変動住宅ローンを分配することになっている場合には、これらのローンは、通常同じ金利を伴うことになる。この状況では、オーストラリア連邦銀行は、債務不履行リスク及び担保損失に伴う約因に従って、モーゲージが発行される地理的領域及び住居タイプに多少なりとも無関係である。貸し手に関わる主要な問題は、長期間にわたりそのローンの利子及び元本の返済を行う借り手の能力に影響を与える問題、即ち、借り手の過去の所得実績、将来の所得見込み、信用度等である。その後、オーストラリア連邦銀行は、これらのモーゲージを証券化し、世界中の投資家に売却することを選択することができ、この投資家は、商品の性質が同質であれば、異なる地理に位置する多くの様々なタイプの財産(実際、プール内の財産には1つとして同じものはない)に対して創出されたこととは無関係になる。これは、全ての証券化ローンが「保険付きモーゲージ」であることが必要なオーストラリア、英国及び米国のような国における場合である。モーゲージ保険が存在すると、投資家は、対象となる借り手による所得不払い、及びその結果として得られる担保損失見通しに伴うリスクから保護される(即ち、後者のリスク事実上、モーゲージ保険者に「売却」される)。
現在の低金利環境にも関わらず存在する多くの先進国での住宅アフォーダビリティ危機を考えると、消費者の資本原価が従来の時間依存の金利にのみ依存するのではなく、担保物件資産(即ち住宅不動産)の価値に対する(場合によっては非排他的に)正及び負の両方の変化に依存し、他の場合には貸出機関が借り手の住宅の直接持ち分を取得したと判断されるはずの共同所有、合有不動産権、パートナーシップ、又はジョイントベンチャーに関する法律を必ずしも行使することのない高度な金融形態の必要性が確かにある。同様に、このような金融商品を広く流通させ、第3者により永久的にアンダーライトすることが可能になる根本的な技術及び特定の金融手法を開発することが強く必要とされている。
本明細書に記載する新方式の1つの相補的な目的は、上述の証券化された状態又は担保依存性(この2つの用語は、以下では同義的に使用される)の金融契約のリターンプロファイルの利用を第3者の投資家に対し提供する流動資本市場を同時に出現させ得ることであり、その金融契約の業績は、担保物件資産の(場合によっては資本と収入の両方の)価値の動きに関係する。1つの特定の実施例に注目すると、以下に記載する詳細なビジネス技術、方法、及びシステムにより、状態又は担保依存性不動産エクイティ(及び利子又は賃貸利回り付きの組み合わせを含むその関連する変形形態)を利用することによって、世界中の世帯が住宅保有の初期費用を大幅に削減し、既存の住居に現在は関連付けられている資本をリリースすることが可能になることが期待され、この場合、貸し付け実体により得られるリターン率は、世帯財産の業績に関連付けられる。次いで、これらの債権者は、このような「エクイティ金融」商品を取引可能な形式に包括化して、流通市場の投資家に売却することを選択し、このようにすることによってより高度な金融債権(例えば、住宅不動産デリバティブ)を開発することが可能とすることができる。
誤解を避けるために、金融契約に関連して(法律的に債務、エクイティ又はハイブリッドな協定として分類されていても)本明細書で用いる用語「状態又は担保依存性」とは、貸し手の資本コストが、住宅財産のような担保物件資産の現在価値、及び当該資産の市場価値(資本及び利回り収入構成部分の両方を含む)の将来の正又は負の変化に依存することを意味する。このような状態依存性の金融協定は現在のところモーゲージ市場のような業界において何らかの普遍的な形態では存在しておらず、このような金融協定の出現は、両方の構成者に扱い易い価値ある提案を行うことによって金融方程式の消費者市場側と投資家市場側とを互いに結び付けることができる資産の選択、処理、サービシング、証券化及びポートフォリオ管理のシステム、方法並びに技術の開発に大きく依存している。
このような金融協定を例証するために、家庭を持ち200,000ドルの住宅に移ることを希望している、現金をあまり持っていない若いカップルを考える。彼らには貯蓄があまりなく90%のローンを組む必要があるとすると、これは、180,000ドルの標準利付モーゲージを締結することを意味する。現在の多くの先進国における場合のように、金利が例えば7%であるとすると、この若いカップルは、債務を絶対にペイオフすることを望む場合、ローンの30年の期間の間ほぼ1,500ドル/月を支払う必要があることになる。多くのOECD国でこの十年にわたって住宅不動産の相場が上昇するのに伴い、相当な数の低所得住宅取得希望者は、保証金を支払うのに十分な可処分所得がなく、或いは、ローンの利子及び元金の支払いを行う適切な継続的収入がない。その結果、彼らは、最初の住宅購入を遅らせ、当分の間は賃貸居住設備に住む不安な見通しを立てざるを得ない(子供をもうける見込みも延期しなければならないのは言うまでもない)。
このカップルが、標準住宅ローン及び担保依存性の形態のエクイティ金融(即ち金利を伴わないが、原財産の損益に対するエクスポージャにより貸し手に補償を行うローン)の両方を利用する別のシナリオを考える。詳細には、金融機関は、財産の市場価値の可能性のあるあらゆる値上がりの40%及びあらゆる値下がりの20%に対する権利と引き換えに、事前にその財産の評価額の例えば20%(即ち200,000ドルのうちの40,000ドル)を貸し付けると仮定する。その結果として、このカップルは、ここでは160,000ドル(即ち200,000ドルから40,000ドルを差し引く)の資金を出す必要があるに過ぎない。同様に、融資比率を90%とすると、住宅ローン額は、180,000ドルから144,000ドルまで20%下がる。金利を7%とすると、継続的な利子及び元金の支払いはほぼ1,500ドル/月から1,200ドル/月にまで削減され、従って、必要な保証金は、20,000ドルから16,000ドルにまで下がる。カップルの利付住宅ローンの融資比率が90%から72%に低下するので、モーゲージ保険の必要性がなくなる可能性が高い。加えて、カップルが彼らの住居に移ると(債務返済義務が軽くなる結果)彼らの可処分所得が増加し、債務不履行リスクが減少し、更に、貯蓄の殆どを手の届かない他の居住資産に取り分ける必要がなくなるので、彼らの退職時の流動資産が実質的に増大する可能性がある。従って、この家族は、以前は高値のために住宅所有市場から締め出されていた可能性があるが、今では財産の購入が遥かに現実的な目標となった。
上述のように、機関投資家は現在、十分に分散した方式で所有者居住の住宅のリスク−リターンプロファイルを利用すること、又は住宅エクイティを取り引きすることが不可能である。これは、住宅不動産エクイティが、その魅力的な「相関」特性は言うまでもなく、株、債券及び現金と比べて長年にわたり極めて良好な業績を挙げていることを考慮するととりわけ残念なことである(即ち、住宅不動産は、他の投資カテゴリとは大きく異なる方向に進み、従って、貴重な分散化利得への道が開かれる)。最終的に、住宅財産は、地球上で最も大きな資産クラスであり、実際に、エクイティ及び固定収入の両方の額を倍増させることもあり、最近エコノミスト誌(Economist magazine)により、先進国単独で50兆米ドルを超えると評価された。
ポートフォリオ投資家が現在利用可能な最も身近な代替品は、不動産投資信託(「REITS」)である。しかしながら、殆ど全てのREITは、不可分的商業不動産に基づいており、住宅エクスポージャを備えるものは、特異なアパート群の賃貸財産に制約される。商業的及び賃貸不動産市場の両方は、固有のリスク−リターンダイナミクスによって特徴付けられ、これら全てのうちで最も大きく、多くの点で最も魅力的な投資カテゴリである所有者居住住宅のうちの小さな割合を占めるに過ぎない。
従って、金融界は、前述のエクイティ金融モーゲージの証券化プールを極めて肯定的な面で考える必要がある。機関は、投資の新しいカテゴリ、特に株及び債券とは異なるリターンプロファイルを備えたものを常に求めている。従来、これによって機関は、これらのストラテジーに関わる潜在的リスクが高いにも関わらず、相当な資本を民間エクイティ手段及びヘッジファンドに割り当てていた。所有者居住の住宅不動産市場は、膨大な新しい資産リターンのセット及び何らかの極めて魅力的な分散化機会を求めるのに格好の環境である。しかしながら、所有者居住の住宅不動産を真の投資クラスに転換するためには、最初に、証券化投資プールの基礎を形成することになる基礎金融協定を生成する必要がある。更に、これらの協定は、消費者及び投資家両方の観点からそれぞれ満足できる必要がある。これは些細な作業ではなく、今日このような市場が存在しないことは、問題が待ち構えていることの証しである。「最適な契約」問題が解決(即ち、これによって例えば債務者と債権者との間に持続性のある長期契約協定を築くことができる)しても、依然として、これらの協定の識別、選択、管理、処理、及びサービシングを正常に制御することになる実用的な技術及び商業的処理を設計すると共に、高度に特異的な個人資産を市場性のある投資形態に転換することができるようにする証券化及び継続的ポートフォリオ管理手順を開発する必要がある。
概要
以下の2つの主要な目的を集合的に達成しようとする商品、技術及びビジネスシステムの統合セットが開示される。第1の目的は、消費者に状態依存性金融商品(即ち資本コストは、協定の一部を形成する場合もあるあらゆる従来的な時間依存の金利には関係せず、担保物件資産の価値の正及び負の動向に関係している)を提供することであり、この場合、典型的には非流動性であり極めて高リスクの場合もある資産(例えば所有者居住の住宅)において、他の不可分投資に関連するリスク及びリターンの一部を外部の第3者と分担することができる。第2の目的は、外部の第3者の投資家に資産の分散型プールの利用を提供することであり、これにより、基礎となる投資クラスに対する費用効果の高いエクスポージャを得ることができるようになり、この結果は、現在はこのような第3者が確保するのは極めて困難なものである。上述のように、これらの新しい市場を巧みに運営し、独立した消費者及び投資家の顧客層を引き合わせて両者の要求及びニーズを同時に満足させることから得られる社会的利益は多々あり、人を引き付けるものである。
このような機会を開発するための1つの予想される機構は、本明細書においてエクイティ金融モーゲージ(「EFM」)として記載した新しい形態の住宅金融の出現によるものであり、これは、上述の「首相の住宅保有タスクフォースの報告書(Report of the Prime Minister’s Home Ownership Task Force)」で提案されたものとは実質的に異なる。EFM商品は、(標準モーゲージ契約に基づくので)法的に債務として分類される意味において「ハイブリッド」金融協定であると共に、住宅不動産のエクイティ投資と類似する経済的ペイオフをもたらし、即ち、モーゲージに関するリターンは、貸し付けられる住宅資産の経済的動向(例えば資本増価及び/又は減価)に依存する公式により求められる。以下に記載される本発明の態様は、EFM契約及びこのような契約を実際に運用可能にすることが必要な無数のプロセス及びシステムの両方に関連する、上記で開示されていない方法、商品、技術及びビジネスシステムを詳細に示している。しかしながら、これらの方法、商品、技術及びビジネスシステムは、「担保依存性」のペイオフを有するあらゆる他の形態の金融協定にも等しく適用することができ、EFMに関する以下の詳細な説明は、限定を意図するものではない。
図2に記載したビジネスシステム、技術及びプロセスは、統合コンピュータシステム(図2に正方形で示す)により各々制御される5つのモジュラーシステムの形態をとり、その多くの構成要素は、「資産ターゲット、取得、サービシング、証券化、及びポートフォリオ管理システム」として知られ、以後「総合システム」600とされるものを共に形成する「リアルタイム」の自動化方式で機能することができる。その結果、これは、典型的にはシステム管理者(「SM」)として知られる人間のオペレータにより監視される。
上述のように、総合システム600の主な目的は、EFM(ここでは、担保依存性金融協定の実施例として用いる)が第3者の投資家により供給される金融又は「アンダーライト」資本を利用することで消費者に上手く分配することができるようにすること、及びその後に個々のEFMを大きなプール又はポートフォリオに包括化することであり、これらの特徴は、場合によっては原始金融資本を供給している第3者の投資家の選好と一致している。後者の点に関連して、第3者の投資家が、原始金融資本を供給した同じ実体であるかどうかに関して不確定であることは、総合システム600が1つ又は2つの段階の資本引当プロセスの何れにも対応可能であることに起因する。1段階の実施例では、資本は、事前に投資家から調達され、これを用いてEFMの消費者への分配をアンダーライトすることができる。資本がなくなると、EFMは、最初にその資本を供給した同じ実体により保持されるポートフォリオに移される。従って、このような実体はまた、エンドユーザ投資家でもある。2段階の代替形態では、総合システム600は、EFMの分配を可能にするための短期間アンダーライト資本を提供する「仲介」金融業者又は「卸業者」を組み入れる。しかしながら、この資本の全てが使い果たされると、総合システム600は、EFMを包括化してプールに入れ、次いで、新しい投資家クラスに売却される。その後、このEFMの包括ポートフォリオの持ち分(例えば共有又はユニット)が第3者に売却され、元の提供者(即ち卸業者)である金融資本が返済され、仲介サービスに供給するように補償される。
従って、消費者とエンドユーザ投資家との間の関係を構築することができる幾つかの異なる方法が存在することが分かる。これは、この関係の金融側の複数の関係者、即ちディストリビュータ(モーゲージ銀行とすることができる)、契約上の貸し手(即ち「モーゲージ権者」)、金融資本の提供者(例えばアンダーライター)、及びエンドユーザ投資家が存在することを考慮する必要があるので、混乱のポイントとなる場合もある。実際には、EFMディストリビュータは、大手銀行とすることもできるが、EFMをそのバランスシート上に保持することも、契約上の貸し手として働くこともない(ある期間にEFMディストリビュータがこのような機能を果たすことが極めて相応しいにもかかわらず)。本出願では、より可能性の高いシナリオは、契約上の貸し手が金融資本の提供者(即ち短期アンダーライター)又はエンドユーザ投資家(アンダーライターが存在しない場合)の何れかの代わりとしてEFMを保有する保管会社又は金融サービス管理実体が存在することが予想される。従って、簡単にするために、用語「貸出機関」、「金融実体」、「合成エクイティ提供者」、「投資家」、「モーゲージ権者」及び「債権者」は、これらの関係者が同一のものとすることもでき、或いは全体としての目的を満たす別個の実体であってもよいことを認識した上で、同義的に使用されることになる。
独立しているが完全に統合された5つのシステムである総合システム600及びその関連データベース相互作用は、以下のように要約される。
1.「ターゲット投資システム」100
総合システム600の最初の役割は、その投資情報提供者(「IIP]」)101から、所要のポートフォリオレベルのリスク、リターン及び相関的結果などのエンドユーザ投資家(即ちEFMポートフォリオの最終的な保持者となる人)の多くの様々な選好、並びにこのような投資家が最終EFMポートフォリオにあることを望む担保物件資産のタイプ(例えば完全分離財産又はアパート)及び場所(例えばシドニー又はメルボルン)を継続的に収集することである。IIP101はまた、マクロ経済、ミクロ経済、又は不動産関連の性質の過去、現在及び予想のデータを含む、EFMポートフォリオの将来の業績に関する他の情報を与える。この情報は、時系列で連続的に更新され、中央電子データベース(「投資情報データベース」、又は「IID」102)に入力される。IID102は、投資家の選好を記録する必要性のためだけではなく、ターゲット投資システム(「TIS」)100に実際の発生EFMポートフォリオの「理想的な」(即ちターゲットの)ポートフォリオの特性を求める(例えば、ポートフォリオ重みを種々の地理、財産のタイプ、及び消費者特性に割り当てることにより)のに必要な入力を提供する主要目的のために維持される。TIS100は、電子的接続を用いて必要な情報をIID102から引き出し、(一連のTIS100内蔵アルゴリズムにより)所要のポートフォリオ要素及びターゲットEFMプールの全体的な属性を動的に推定する。次いで、これらは、時間と共に新しい情報がIID102に入力されるときに連続的に更新される。次いで、TIS100の出力は、電子的フィードによりターゲット投資データベース(「TID」)112に送信され、これがリアルタイム電子インタフェースを介して資産オリジネーションシステム(「AOS」)200に接続される。以下に説明するように、AOS200は、その一連の自動決定規則を用いて、EFM申請の投資特性をTID112の理想的ポートフォリオ特性と比較し、これらのEFM申請をリアルタイムで処理し、最終的には、TID112属性を可能な最大限度に適合させることでそのエンドユーザ投資家の選好を満足させる最終EFMプールを生成するようにする。TIS100の最終的な1つの役割は、資産管理システム(「AMS」)500の投資マンデート(「IM」)に、次いでIID102出力の動的更新から収集したデータによりTID112に応答することであり、該TID112は、AMS500に(同様にAMS500とTID112との間の電子的接続を介して)そのターゲットポートフォリオ特性を提供する。これによりAMS500は、自己の決定規則を処理し、投資プールの実際の業績がこれらのプールの種々の投資家の選好に可能な限り近くなるよう、確実に収束させるために必要な措置を取ることができる。
2.「資産オリジネーションシステム」200
TID112、資産オリジネーションデータベース(「AOD」202)、及び資産保管データベース(「AWD」210)とのリアルタイム電子的接続を利用して、AOS200は、種々の静的及び動的フィードバック及びフィードフォワード決定規則を参照しながら、その販売代理人(モーゲージ市場情報提供者、又は「MMIP」201)を介してエンドユーザ消費者へのEFMの発行を自動的に管理する。このような規則により、消費者から得たEFMの実際の特性、詳細には、担保物件資産(この場合は住宅財産)及び消費者自身の両方の属性が、許容可能な誤差変動幅の範囲内でTID112の理想的なポートフォリオの選好に適合し、これにより、最終的には第3者の投資家に許容可能となるEFMの実現プールを生じさせることが保証される。これには、広範囲の地理、消費者、及び財産に関連するポートフォリオ選好に基づいて複雑な資産選択規則を確立することを伴い、該規則は、EFM申請者(即ち消費者)がMMIP201により受理されるか又は棄却されるかどうかをリアルタイムで実質的に自動的に判定する。TID112、AOD202、及びAWD210とのリアルタイム電子インタフェースと共に静的及び動的フィードバック及びフィードフォワード決定規則のこのような利用に加えて、AOS200はまた、該AOS200がそのポートフォリオ構築の目的を達成する可能性を更に改善するように動作する動的MMIP201報酬システムを含む。詳細には、AOS200は、EFMのディストリビュータにTID112内に保存されたエンドユーザ選好と一致して契約を発行する最も強力な可能性のある動機付けを与えると同時に、長期間にわたって観察した業績に応答してMMIP201の経済的インセンティブを改善する動的MMIP201報酬ストラテジーを較正する。
最後のタスクとして、AOS200は、アンダーライティング資本提供者(「UCP」211)と相互作用し、EFM申請がAOS200の決定規則に従って進捗し、正式に承認されると、UCP211から融資を要求することに成功した各申請者まで(MMIP201を介して)の資本の移転を管理する。融資と引き換えに申請者により提供される担保は、基礎となる金融協定(この場合EFM)であり、これは、UCP211又はUCP211の代わりの管理仲介者により保有される。各EFMの特性は、保管期間の間(例えば、全ての必要なEFMが供給されて最後のポートフォリオが閉じるか、又は2段階の資本引当プロセスの場合には、ポートフォリオが証券化されるか、或いはUCP211とは独立した第3者の投資家に販売される時まで)AWD210に保存される。
AOD202は、通常は(インターネット直配モデルでは常時とは限らないが)申請者とのインタフェースを担うMMIP201から広範囲の入力申請データをAOS200に供給する。MMIP201から供給されたEFM申請情報は、リアルタイムインターネットベース電子インタフェースによるか、ファックスベースの申請形式を受け取って手動でAOD202に入力され、申請者の特性(例えば年齢、現在の居宅住所、職業、収入、配偶者関係、第1モーゲージ権者、クレジット記録、以前の所有経験等)、現在又は求められている住居属性(例えば場所、価格、購入方法(競売又は個人売買)、土地面積、土地対住宅比率、寝室数、浴室等)、及びMMIP201の特定変数(例えばディストリビュータのタイプ(モーゲージブローカ又はファイナンシャルプランナー)、法人会員、地理的場所、現在の報酬構造、EFM分配履歴等)に関するデータを含む。AOS200は、AOD202とリアルタイムに電子的に接続し、AOD202からEFM申請データの送信を受け取ると、この情報を一連の静的及び動的フィードバック及びフィードフォワード決定規則に供する。動的決定規則は、AOS200が申請データとTID112に保存されているポートフォリオ選好とをリアルタイムで比較する段階を含む。申請データがAOS200の決定規則の全てを経て首尾良く進んだ場合には、AOS200は、申請を承認し、一連のアルゴリズムに従って、申請価格決定及び具体的条件を確定する。次いで、この情報は、AOD202を通って、最初に申請を供給したMMIP201まで中継して戻される。取引が決まると、申請者、財産タイプ、MMIP201代理人、及び契約条件に関する関連データが、AOD202からAOS200を通じてAWD210に送信され、ここで正式に承認されたEFM申請に関する全ての情報が保有される。また、AWD210は、アンダーライティング資本の金額、及びEFM分配期間中に引き出された当該資本のシェアなどのUCP211により提供される追加データを取り込む。一方、EFM申請がAOS200決定規則を首尾良く通過しなかった場合には、AOS200によりAOD202を通ってMMIP201に棄却又は照会信号が送信される。AOS200は、その決定規則を継続的に精緻化するために、全ての棄却及び照会された申請データをAOD202に保存する。
3.「資産証券化システム」400
予め指定したパラメータにより自動的に定められた時(例えば、EFMの特定の値が調達されるか又は特定の時間期間が経過したとき)、又はSMが判断するときに、資産証券化システム(「ASS」)400は、TID112及びAWD20とのリアルタイム電子インタフェースを用いて、実際に調達されたEFMの特性をTID112に含まれる更新投資家選好(これらは、新しい情報がIID102に入力されると経時的に連続して精緻化されることを想起されたい)と比較する。次に、ASS400は、一連の静的及び動的フィードバック及びフィードフォワード決定規則を処理して、エンドユーザ投資家の選好(TID112に保存されている)に最も密接に一致するように発生EFMを含む投資プールの構造を最適にするために、もしあればどのような措置が必要とされるかを求める。単純な1段階の資本引当プロセス(アンダーライティング資本の元の提供者が、長期間にわたってEFM資産を保有することを意図する同じ投資家である)の場合には、ASS400は、単に、EFM資産がオリジネーションプロセスの期間中保有されている既存の投資プールの特性を較正する。発生EFM資産をUCP211(このシナリオでは比較的短期間の仲介ベースでAOS200にアンダーライティング資本を供給することになる)により制御される保管手段から、可能性としては第3者の投資家に販売されることになる多数の投資ポートフォリオに移すときに、ASS400のより高度な構築化及び最適化の能力がレバレッジをより良好にする。これ以後、ASS400がEFMの発生プールを評価して最終投資プールの特性を求める手順は、説明を容易にするために「証券化」プロセスと呼ぶことにする。証券化プロセスが完了すると、ASS400が、AWD210及び資産サービシングデータベース「AServD」)302からの関連するEFM契約データの全てを資産管理データベース(「AMD」)502に転送し、該データベースは、同時に、投資市場情報提供者501、すなわち「IMIP」(例えば株ブローカ、投資アナリスト、及び他の資本市場情報提供者などの第1次及び第2次資本市場参加者)から情報を収集する。この後者の一連の情報には、限定ではないが、最終プール登記、継続中の登記データ、及びプールの価格、量、変動率及び利回りなどの第2の市場取引情報を含むことになる。同時に、ASS400は、EFM資産を短期仲介ベースで保有する場合において、証券化事象から得られる受取金を介してUCP211の報酬を決定する。
4.「資産サービシングシステム」300
EFMが最初に消費者に分配された日と最終的に証券化された日との間には相当な期間(例えば12ヶ月を上回る)が存在することもある。この期間全体及びEFM契約期間の間、資産サービシングシステム(「AServS」)300は、EFM契約の管理要件の全てを担い、該要求は、資産サービシング情報提供者(「ASIP」)301に外部委託される。これらの管理要件は、数ある中でも、契約期間の変動、不履行事由、期限前償還、財産の修復、返済、関連契約の借換(例えば第1の利付モーゲージ)、及び契約解消後のエンドユーザ投資家までのキャッシュフローの処理を含む。EFM契約サービシング事象に関するあらゆるデータは、ASIP301により資産サービシングデータベース(「AServD」)302に電子的に入力され、次に、その詳細事項が自己の電子インタフェースを介してAServS300に中継される。次に、AServS300が、保管期間中のAWD210と、証券化及び非証券化EFMの両方の継続中のEFMサービシング要求を管理するためにEFMが証券化されたときのAMD502との両方に電子的に相互作用する。また、AServS300は、EFMローンの期間中にMMIP201の継続中の報酬のAOS200の管理を助けるために、AServD302を介してAOS200と間接的にインタフェースする。
5.「資産管理システム」500
証券化後、資産管理システム(「AMS」)500は、一連の静的及び動的フィードバック及びフィードフォワード決定規則を用いて、上場及び未上場証券化EFMプールのリスク及びリターン特性を(AMD502との電子的接続を介して)監視し、その動向及び業績が、IID102及びTID112の両方から電子的に収集されたデータ及び情報によって規定されるよう、こうしたプールの投資家の期待と確実に一致するようにする。
データをAMD502、IID102及びTID112から抽出し、その決定規則によりこれを処理した後、AMS500は、数ある中でも、プールの基礎となるEFM契約の条件を(例えば特定の消費者の行動を促すために)あるとすればどのように変える必要があるかを求める。AMS500が、(その規則に基づき)プールの基礎となる契約の期間を変える必要があると判断した場合には、これらの変更をAServDを通じてAServS300に電子的に信号送信することになり、これにより、要求された変更を実施してAMD502にその結果を知らせる。例として、ノースシドニーのような特定の場所にある世帯が、投資家にプールを販売したときに元々予想された期間よりも相当長い期間そのEFMを手放さず、プールのキャッシュフローの規模が小さくなり、このような投資家に損害を与えるようになる場合には、AMS500は、AServS300に対して限定期間の間そのエリアのEFMのコストを下げるように指示し、返済率が高くなるように促すことができる。或いは、時間と共に連続的に供給されるEFMの新しいトランシェに関して無制限である投資プールの場合には、AMS500は、プールの将来の業績を最適化するために、資産のあらゆる付加的なトランシェにどのような修正が必要であるかを求めることになる。変更が必要とみなされる場合には、AMS500は、これらの変更をIID102を介してTIS100に電気的に信号送信することで、AOS200がとる行動、及び最終的にはMMIPにより供給されるEFMの構成に影響を与えることになる。
図2は、総合システム600の中心的なエンドツーエンドの申請者対投資家複合技術システム及びプロセスの概略図を示す。個々のシステム100〜500に関する詳細な解説は、本出願の次節に委ねる。これらのシステム(及び対応するプロセス)は関連性があるが、各個々のシステムは、別個の商業的目的を果たし、従って、独立して配備することができることに留意されたい。即ち、本明細書に開示する技術は、独立した技術的アーキテクチャとして動作する総合システム600のモジュラー構成要素と共に順次的に開発することができる。
総合システム600のデータ処理能力及び技術的構造は、先行技術のモーゲージオリジネーション及び証券化システムと幾つかの異なる様態で区別することができる。
第1に、総合システム600は、他の場合では独立したモーゲージ識別、選別、選択、処理、証券化、サービシング、及び継続中のポートフォリオ管理システム要件をエンドツーエンドベースで電子的に統合しており、これらは、先行技術においては、通常は互いに相互作用しない独立したユーティリティに分割されている。
第2に、総合システム600では、先行技術モーゲージ証券に関連するものとは根本的に異なるリスク及びリターンペイオフを供給する金融協定のクラスを識別、選別、選択、証券化及びサービシング(リアルタイムの自動決定規則を用いて)を行うことが可能になると考えられる。詳細には、先行技術の利付金融の形態(例えば住宅ローン)では、固定又は変動の時間依存金利によって求められるリターンを得る。従って、これらの契約により供給されるキャッシュフローは、保全される担保(即ち住宅不動産)で得られるリターンとは全く異なる。これとは対照的に、EFMは、担保として用いられてきた原資産の価値の将来の変化に対する権利によって金融業者を補償する契約である。従って、消費者に対する資本のコストは、先行技術のモーゲージ市場の場合のように専ら時間依存性というわけではなく、問題の財産の将来の正及び負の価格対性能比に依存する。即ち、EFMの資本コストは、「状態又は担保依存性」である。従って、先行技術モーゲージオリジネーション及び証券化システムは、貸し付けの対象となる住居資産の固有の特性にほぼ完全に無関係(特にモーゲージ保険が存在する場合)であるが、これは、総合システム600に最も利益をもたらす領域である(担保資産自体の属性が金融協定の業績に1次影響を及ぼすため)。
第3に、EFMのポートフォリオを含む状態依存性金融協定に帰属する個々のリターン率は本質的に同質ではなく、標準モーゲージプールを構成する個々のモーゲージに帰属する金利は同質である。上述のように、オーストラリア連邦銀行は、何れかの所与の月に、例えば2.5億ドル相当額の変動金利のモーゲージを分配することができ、その全てが全く同じ金利を伴うことになる。この状況では、オーストラリア連邦銀行は、モーゲージが発行される地理的領域及び住居タイプに関して多少曖昧になる。次いで、オーストラリア銀行は、これらのモーゲージを証券化し、世界中の投資家に売却することを選択することができ、この投資家は、商品が同質の性質であれば、担保として機能する全ての財産が地理的場所及び物理的特性の両方の点で全く独自であることに無関係になる。これと比較して、2.5億ドル相当額の状態依存性のEFMは、高度に特異的な資産のプールを生じ、その各々の予定リターン率は大幅に異なることになる。更に、EFMを発行する地理的領域及び住居タイプが、ポートフォリオの期待される業績に強い影響を及ぼすことになる(これらがオーストラリアの住宅不動産に関する請求権を示すことは言うまでもないが、海外の他の不動産市場とは大きく異なる方式で実施することができ、従って海外の投資家にはあまり興味がない可能性がある)。その結果、先行技術モーゲージ市場で行われるよりも遥かに高度な方式でEFMなどの資産の識別、選別、選択、証券化、サービシング、及びポートフォリオ管理を行う必要がある。このニーズは、時系列でみて資産選択プロセスを動的に調整する技術を用いて満足される。例証として、オーストラリア連邦銀行は、ウエスタンシドニーの2.5億ドル相当額のモーゲージを発行することを許容可能とみなすことができるが、2.5億ドルのEFMプールの投資家は、このような集中した地理的領域に位置するこれらの資産全てを許容可能とは考えない可能性がある。
第4に(第3の点の結果として)、総合システム600は、広範な一連の静的及び動的フィードバック及びフィードフォワード決定規則を用いて、第3者の投資家のターゲットポートフォリオ選好に従い、時系列でEFMの分配を制御する。総合システム600の主な目的は、EFMの承認プールの属性が、エンドユーザ投資家(その要望は、「理想的な」又はターゲット投資ポートフォリオを用いることにより表される)が望むものと一致することになる可能性を最大にすることである。上述のように、EFMに対するリターンは、高度に不均一な集合体(即ち住宅不動産)の業績によって決まるので、これらの資産を選別して選択するプロセスは、従来の銀行が先行技術の利付モーゲージ契約を発行する方法よりも大幅に複雑である。
差別化の最後のポイントとして、総合システム600は、プールの業績とエンドユーザ投資家の選好との間の観察される差異を最小にする目的で、静的及び動的フィードバック及びフィードフォワード決定規則及びプロセス制御システムを用いて、基礎となる金融協定の条件及びプールに加えられる資産の将来のトランシェの特性を自動的に修正する統合資産管理システムを含む。これは、資産管理システムと、プールの業績及び投資家の要求に関する情報を保存する種々のメモリバンク(記憶装置)と、ターゲットポートフォリオの生成、原資産の選択、及び時系列でのこれらの資産のサービシングを管理する他の臨界制御システムとの間の統合電子インタフェースに依存する。
個々の態様の説明
1.状態依存性金融協定
以下は、EFMの1つ又はそれ以上の実施形態の説明である。
EFMの1つの実施形態によれば、債権者は、以下の最終的な返済と引き替えに、ゼロ利子ベースでその担保資産(例えば所有者居住の財産)の総価値のうちのあるパーセンテージ(例えば20%)に等しい融資を消費者に提供することを募集する。
(1)貸付元金
(2)担保資産のあらゆる資本増価の予め設定された分担に対するプラス権利(例えば40%)
(3)担保資産に関するあらゆる資本減価の予め設定された分担に対するマイナス権利
この場合、EFMでの借入総額は、金融書類に明記されることになる契約解消日又は返済日時点で決定付けられ、通常は問題の資産の売却時又は借り手の選出時に発生することができる。
この説明のために、債権者により供給される融資の比例値(即ち、融資延長時点での担保資産の価値の割合としての貸付元金)と担保資産の将来の資本増価又は資本減価の分担に対する債権者権利との間の数学的関係(EFMでの借入総額の契約解消日時点で最終的に何れが関係しているとしても)は、比X:Y:Zで表すことができ、ここで、Xは、債権者により供給される融資の比例値を表し、Yは、担保資産のあらゆる将来の資本増価に対する債権者の権利を示し、当該担保資産の総資本増価の価値の割合と呼ばれ、Zは、担保資産のあらゆる将来の資本減価に対する債権者の権利を表し、当該担保資産の総資本減価の価値の割合と呼ばれる。
従って、1:2:1のEFM「資本コスト」は、債権者が供給する融資の全てのパーセント点において、全ての将来の資本増価の2パーセント点及び全ての将来の資本減価の1パーセント点に権利を与えることを示すことになる。しかしながら、この一般的な場合のより高度な表現、詳細には、時間変動請求権を担保物件資産に関する資本増価Y又は資本減価Z、及び/又は時間依存の金利又は担保資産に関する推定収入利回りに対する代理値を含む協定(組合わせた資本及び収入リターンが問題の資産の合計の経済的効果を表すことになる)を組み込む表現は、当業者には容易に想起される点に留意されたい。例証として、EFM資本コストの以下の代替形態は実質的に展開することができるが、これらは、当業者が処理することができる可能性の完全な母集団を表していない。
(1)1:1:1のEFM資本コスト;
(2)1:1:0のEFM資本コスト;
(3)1:1.5:0のEFM資本コスト;
(4)1:2:1のEFM資本コスト;
(5)1:2:2のEFM資本コスト;
(6)1:2:0のEFM資本コスト;
(7)1:3:1のEFM資本コスト;
(8)1:3:2のEFM資本コスト;
(9)1:3:3のEFM資本コスト;
(10)1:3:0のEFM資本コスト;又は
(11)標準時間依存の金利又は賃貸利回り代理値と組み合わせた上記の何れか1つ
EFMの資本コストの状態依存の性質の1つの重要な影響は、不測の事態が生じる可能性があり、これによって長期間にわたる借り手に対するこの形態の融資コストが、無視できる量、ゼロ、又はマイナスの何れかになることである。例えば、借り手の担保資産の価値が契約解消日時点で高くなっていなければ、借り手は単に、利子コストを追加されることなく、借り手がEFM協定と契約した日に債権者が提供した元の融資額を支払うことになる。従って、EFMは、融資の自由な形式となっていた。別の実施例を挙げると、借り手の担保資産の価値が契約解消日時点で下がっていた場合には、債権者は、これらの資本損失の幾らかを見込み、元の融資額の価値を必要に応じて下げることができる。これにより、先行技術に既知の先例がない完全に独自の状況をもたらすことで、借り手に対するEFM金融コストが負になり、即ち、債権者から借り手への価値の転移が存在することになる。このような機能を組み入れ、頻度の高い不測の事態が生じる可能性があることで借り手に対する当該金融コストが実際に負になる住宅金融の現在の形態は存在しない。
説明の目的において、これ以降では全てのEFMが1:2:1の資本コストを伴うものとする。EFM契約の他の特徴は、限定ではないが、以下のことを含む。
(1)借り手のEFMの契約解消の義務は、財産の移転又は回収、所有者の死亡、ローンのn年契約応当日、新規の期限前償還条項の実行、又は不履行事由の何れか1つによりトリガされる。
(2)EFMは、契約の潜在的n年期間中の何れかの時点で「前払い」(即ち財産を売却せずに)することができる(このような状況は、EFMの二値切替をトリガし、これによりその資本コストは、債権者が原財産のどのような資本損失も分担する必要がない「1:2:0」比規則に戻る)。以下で説明するように、EFM資本コストのこの二値切替は、消費者による予想に反する「ゲーミング」の負の結果、及びより一般的には「逆選択」を抑制するための重要な機構である。
(3)消費者は、その担保資産のエクイティの100%を法的に所有し、先行技術の標準的なモーゲージ商品で所有するのと同様の権利と自由を留保する。
(4)EFMは、担保資産に対するモーゲージによって、或いは、借り手が標準利付モーゲージを取得した場合において、「劣後」EFMと独自に包括することができる第2モーゲージにより保全される。
(5)契約期間中に独自に評価された資本的支出とみられる改良を借り手が行った結果として生じる担保資産の価値の何らかの上昇に対して、EFMの弁契約解消日に借り手が貸方を受け取ることができる改良条項。期限前償還条項と同様、この改良手順は、以下で詳細に説明する。
(6)EFM契約の特定の条件を較正して、このような契約の分散化プールにおける外部の第3者投資家の要求を満足させる投資リターンを発生させることができる。
EFM契約の最後の主要な特徴は、借り手の投資利益(即ち担保物件資産の将来の業績)が、債権者、適切な場合にはこれらの契約の分散プールにおける投資家の投資利益と極めて一致することである。EFMで企図される契約の更に詳細な説明を以下に示す。
1.1 消費者バリュー・プロポジション
住宅市場では、EFMに対する需要は、様々なバリュー・プロポジションを備えた以下の3つの主要な消費者カテゴリが期待される。
(1)(a)財産を購入する金銭的余裕がない、(b)初期費用を削減したい、又は(c)より高価な住宅を購入したい、第1回目の買手;
(2)(a)継続中のモーゲージ返済を削減するために現在のモーゲージを借換えたい、又は(b)より高価な住宅にグレードアップしたい、既存の住宅所有者;
(3)リバースモーゲージ以外のエクイティリリース機構を利用したい、資産豊富であるが収入に乏しい高齢者。
EFM債権者は、融資がなされた時点で借り手が担保資産にかなりの金融投資を確実に有するように、借り手が利用する融資合計(例えば、劣後又は他の場合には等順位のEFMと共にバンドルされた第1利付モーゲージの両方を含む)に最大の融資比率を課すことができる。
EFMは、消費者にとって魅力的な住宅金融の形態であることを証明する必要がある。表1は、従来のモーゲージでの財産への融資(「従来的シナリオ1」)と、消費者が標準的な形態の利付融資と組み合わせてEFMを用いる2つの代替シナリオ(「従来的+EFMシナリオ2」及び「従来的+EFMシナリオ3」)とを比較している。
表1
EFM利用と比較した従来的住宅金融
Figure 2008516350
EFMシナリオ2では、消費者は、EFMを用いて、その第1モーゲージの額を450,000ドルから360,000ドルまで低減させている。このシナリオでは、消費者は、以下のような幾つかの方法で利益を得るはずである。
(1)第1モーゲージに必要な保証金の額が(50,000ドルから40,000ドルまで)20%低下する。
(2)第1モーゲージの額が削減された結果、従来的モーゲージのn年の残存期間にわたる継続中の利息及び元本返済の額が(3,000ドル/月から2,400ドル/月まで)20%低下する。
(3)第1モーゲージの価値が、他の場合にLMIが必要とされるレベル(即ち80%)を下回る財産価値の72%に低下すると、貸し手のモーゲージ保険(「LMI」)のニーズが全くなくなる(6,750ドルから0ドルまで低下)。
EFMシナリオ3では、消費者は、EFMを用いて、より価値の高い住宅を購入する。この実施例では、世帯は、同じ前払い及び継続中の毎月のキャッシュコストに対して従来的シナリオ1の住宅よりも25%価値の高い住宅を購入することができる。
1.2 EFMペイオフ
以下の実施例は、販売時に得られた種々の価格を500,000ドルの財産に融資するのに用いた100,000ドルのEFMに伴う単純化したペイオフを示す。表2は、債権者に対する総キャッシュフローを明らかにしている。
表2
EFMペイオフを示す実施例
Figure 2008516350
1.3 主要なEFMの条件
住宅市場関連では、EFM契約の条件の大半は、先行技術による標準モーゲージ契約に基づくことができる。EFM借入総額は、抵当権設定者がローンの契約を解消する日に支払うべきものである(例えば、財産を売却する、又は売却せずに返済することによる)。借入総額は、競合取引額(例えば、競売又は個人売買トリーティ(treaty))によるか、或いは価格査定人(例えば、債権者が承認した価格査定人)が行った独立適正市場評価の何れかにより決定される。EFMの1つの実施形態では、債権者は、取引額を受け入れるか又は独立市場評価を要求する権利を有し、差異がある場合には、独立価格査定人の査定見積りを基礎とする。借り手が査定額を受け入れない場合には、別の独立市場評価を要求することができ、この場合、財産価値は、(債権者の選択で)2つの評価の中点又は取引価格の何れかにされることになる。債権者はまた、別の評価額を探す選択肢も有する。これを行う場合には、財産価値は、全ての評価額の最も近接した2つの中点とすることができる。他の変形形態は、当業者には明らかであろう。
好ましいEFM契約の他の重要な特徴は以下を含む。
(1)改良条項
(2)借換条項
(3)期限前償還条項
1.3.1 修復条項
EFM契約は、借り手が、資産の価値の改良をもたらし、債権者の同意でなされる担保資産の修復に対して貸方を得ることができる改良条項を組み入れることが好ましい。借り手は、以下を含む条件を前提として財産の改良に対する貸方を求めることができる。
(1)債権者の裁量で適宜決定される改良に関する最小公認支出がある(これは、定額(例えば20,000ドル)とすることができ、適宜物価スライドの影響を受けることができる)。
(2)承認された独立価格査定人は、修復開始日時点及びその完了日時点の両方で財産の適正市場評価を始める。
(3)修復は、開始した日から特定の月数以内(又は債権者が承認すればそれよりも長い)に完了する。
(4)第2の評価額は、修復に起因する増分価値を決定付ける。増分価値は、改良の前後の財産評価額の差として算出される。
(5)修復に起因する増分価値は、EFMで借入れている総額の契約解消時に借り手の貸方に計上される。
(6)修復に対する貸方は、EFMで借入れている総額の契約解消時に、販売時の財産価値(貸方に計上されるあらゆる改良の価値を含む)が最初にEFMローン額を貸付けた時点でのその財産価値よりも大きい範囲で借入額を削減されるだけである(即ち、修復条項は、貸し手が「1:2:1」規則又は同様の規則により損失を分担する状況を生じるのに用いることはできない)。
1.3.2. 借換条項
借り手は、以下のことを含む条件を前提として、EFMよりも上位又はEMFと等位にランク付けするあらゆる先順位又は「同順位」のモーゲージを借換えることができる。
(1)財産の適正市場評価を始めるためには、債権者の承認された独立価格査定人の1人が必要である。
(2)借換は、先順位の貸し手の関係する債権者の承認された名簿の1人とする必要がある。
(3)借換総額は、何れが大きいかに関係なく、借換時点での先順位の未払い合計利付債務か、或いは財産が借換評価額のあるパーセンテージで売却されたと仮定したときの借換評価額のその当該パーセンテージ(例えば85%)から借換時点で算出したEFMで借入れている何らかの額を差し引いたもののうちの大きい方を超えてはならない。
1.3.3. 期限前償還条項
借り手は、以下のことを含む条件を前提として、財産を所有し居住しながらEFMで借入している額の全てを、そして1つの実施形態では一部ではなく全てを期限前償還することができる。
(1)債権者の承認された独立価格査定人の1人は、期限前償還日時点で財産の適正市場評価を始める必要がある。
(2)借り手は、EFMで借入している全額を期限前償還しなければならない可能性がある。従って、EFMで借入している額を部分的に期限前償還することができない場合があるが、これは契約で許容可能にすることができる。
(3)最も重要なことには、債権者は、契約解消時の借り手の財産価値がEFMローン額を最初に貸し付けた当日の財産価値よりも少ないことを承認独立価格査定人が判断した場合には、どのような資本損失も分担しない。
借り手による期限前償還日時点で担保資産が資本減価を生じた場合において、1:2:1比率から1:2:0比率へのEFM契約の資本コストの二値切替は、商品を上手く運用可能にするのに重要である。詳細には、借り手が債権者の経済的損失に対してEFMを前払いしようとする状況(即ち、担保資産の価値が低下し、従ってEFM資本コストが負になる状況)から債権者を保護する。この二値切替がない場合には、EFM借り手が、住宅市場の下降すなわち負の担保資産業績の期間と一致するようにその契約解消日を系統的に時間調整することは可能である。これにより、次善の債権者リターンをもたらすことになる。上の条項の全ての機構に関する更に詳細な説明は添付資料3で提供され、これには、好ましい実施形態の完全なEFM契約の実施例が含まれる。
1.4 優先契約
EFMの先順位にランク付けされるモーゲージがある場合には常に、本明細書で開示される協定の1つの特徴は、EFM債権者と、EFMと合わせて借り手に融資を提供した他の何れかの独立債権者との間の契約であり、この契約は、債権者のそれぞれの権利を調整する。実行可能である限り、EFM債権者は常に、あらゆる先順位の債権者(即ちEFMと共にバンドルされた先順位にランク付けされる利付モーゲージの提供者)の優先権に上限を定めることを含めて、その権利を保護する契約を結ぶことを求めている。
2.ターゲット投資システム(「TIS」100)
統合技術の総合システム600のモジュラーチェーンは、TIS100から始まる。最も基本的な実施形態では、TIS100は、高度な投資アルゴリズムを用いて、IID102から電子的に引き出されるコアデータ(このデータは、元々、IIP101から供給される情報に基づいてIID102に入力されたものである)を操作し、TID112に電子的に出力される「理想的」又はターゲット投資プール特性を連続的に生成するシステムである。この電子的出力は通常、ターゲットポートフォリオの属性を極めて高度な定量的分析度で記述するスプレッドシート様フォーマットでの経済的選好のマトリクスを含むことになる。例えば、TIS100の出力は、状態依存性の金融契約(即ちEFM)に対する正確なターゲットポートフォリオ重みを地方自治体のような極めて小さな地理的単位に至るまで定量化すると同時に、数ある中でも例えば、地理的単位及び住居タイプの両方を条件として最大及び最小の許容可能なEFM投資閾値を規定することができる。TIS100から送信を受け取った後、TID112は、このデータをTIDの記憶装置内に保存し、その結果、該データは、AOS所有の決定規則を処理するためにAOS200がリアルタイムで電子的に引き出すことができる。
IID102に連続的に入力される生の経済及び金融データ(例えばオーストラリア中の郵便番号に対する上場及び未上場プール評価額又は中間財産価格)は、IIP101と物理的に接触することを介して手動で収集されるか、総合システム600をIIPとリンク付けするインターネット又は他のコンピュータベースの統合ネットワーク(例えばブルームバーグターミナル(Bloomberg terminal)又は財産情報提供者からのリアルタイムフィード)を通じて電子的に集められる。数ある構成要素の中でも、IIPは、(i)EFMプール内の潜在的投資家;(ii)SM;(iii)UCP211;(iv)現行のEFMプール内の投資家;及び(v)直接データ公表サプライヤを含むことができる。
(i)潜在的投資家
潜在的投資家によりIID102に入力された情報の性質では、彼らが好むポートフォリオ特性に関して予備選択を行うことが必要となる可能性がある。例えば、IID102により、潜在的投資家は、(1)広い不動産市場の業績を反映する十分に分散された不動産資産の保有を提供する「受動的」EFMポートフォリオエクスポージャ、又は(2)TIS100が同程度に高リスクであるが高い粗リターンをもたらす攻撃的投資ターゲットを生成することになる、「能動的な」EFMポートフォリオエクスポージャを選択することができる。見込み投資家はまた、ある所与のEFMプールに対して好ましいドル価値コミットメントを提示することができ、これは、AOS200が受理又は棄却を選択する資産の量に対し影響を与えることができる。これに関して、IID102は、ある所与のEFMプールに対する見込み投資家の金融エクスポージャに関連する指標となる(即ち拘束力のない)指示及び法的に拘束力のある指示の両方を記憶する能力を有する。
受動的投資サービスの提供は、更に高度で能動的な投資ストラテジーを供給することに伴うコストよりも従来的に安価な事業であり、これに関する投資家の選択は、選好入力プロセスの完了時にIIDを介して投資家に対して見積もられた指標となる手数料に影響を及ぼすことになる。TIS100は、年金計画のような個々の投資家に個別にカスタマイズされたターゲットEFMポートフォリオを生成するか(これらの投資家がこのようなカスタマイズを保証するために十分に多額の資本を委ねることができる場合)、IID102に保存されている入力された投資家選好を単に集約し、最大数の潜在的投資家を満足させる最良のポートフォリオの成果を計算する能力を有することは強調すべきである。前者のカスタマイズされた代替形態は、投資業界では「特別運用委託(マンデート)」と呼ばれることが多く、この場合、ポートフォリオ管理者は、彼らが利用するストラテジーが顧客の特注要求と完全に一致するように、多額の顧客の資本を個々に非プールベースで投資することになる。
上記で概説したEFMプール管理選択肢の潜在的な特異性を説明するために、TIS100は、例示として、以下のことを生成するなど、IID102を介して投資家にある範囲の「受動的」ポートフォリオ構築方法を提案することができる。
(1)基礎となる住宅財産の地理的場所による価値又は量の何れかの重みが付けられたEFM投資プール(例えば、TIS100が希望する地理的描写の細分性に応じて、州毎、都市毎、又は郵便番号毎)。このように、TIS100により生成されたターゲットポートフォリオは、関連する地理的識別子によりオーストラリア中の住宅不動産の価値又は量の重み付け分布を反映したEFM重み(ここで量は、財産の絶対数又はその財産の取引流動性の何れかにより定義することができる)を有する。例えば、全ての住宅財産の例えば40%がシドニーに価値ベース(即ち、住居総数にこれらの住居の現在の価格を乗算したもの)で位置する場合、TIS100は、上限及び下限許容閾値を条件として、シドニーについてのターゲットEFM重みを40%にする。次に、これらの許容閾値は、TIS100が行うランダム統計シミュレーションを介して(例えばモンテカルロ又は同様の方法を用いて)パラメータ化され、その業績に著しい変化が起こる前に、EFMプールがターゲットポートフォリオ重みからどのような変動を受け入れることができるかを判断する。
(2)住居のタイプ及び地理の両方により価値又は量の重みが付けられたEFM投資プール。例えば、投資家が、正当な地理的エクスポージャ及び正当な財産構成の両方を確実に有することを望む場合である。この場合、TIS100は、その場所を条件とする全ての住居タイプの価値重み付け分布を定量化し、従って、必要な地理的及び住居のタイプの資本配分の両方を指定する2次元ターゲットポートフォリオ重みを提供する。
(3)住居のタイプ、地理的場所、及び、例えば同時期に存在する消費者コーホートにより価値又は量の重みが付けられたEFM投資プール。これは、更に高レベルのポートフォリオ構築解決策を提示し、これによってTIS100は、その場所に基づく全ての住居タイプ及びこれらの財産に居住する消費者のタイプ(例えば第1回目の買手、グレードアップ者、及び退職者)の分布に基づき3次元の価値又は量の重み付きポートフォリオ構築ターゲットを生成する。
上記で識別された受動型TIS100重み付けシステムの目的は、単に、広範囲の住宅不動産市場の特徴を最も密接に近似し、従っていわゆる「連動誤差」を最小にするEFMのポートフォリオを投資家に供給することであり、「連動誤差」とは、その選択した資産クラスのベンチマークからの受動型ポートフォリオの発散を定量化するのに資金管理業界で用いられるメトリクスである。各サブオプションを説明する詳細情報は、人により、電話で、又はIID102コンピュータベースインタフェース上の関連するEFMプールの注文ページを介して提供される。
このような投資サービスを提供するためにIID102を通じてTIS100が見積もった指標となるポートフォリオ管理手数料は、行われた選択に応じて決まる。各投資家の初期「ポートフォリオ要求」が完了すると、提案したポートフォリオ構築方法及び管理手数料構造の予備概要を与える自動メッセージが電子メールで投資家に送られる。
能動的なEFMプールで利益を得ることを望む潜在的投資家は、更に詳細な情報をIID102に提示することが要求される。これらの参加者は、以下のサービスの1つ又はそれ以上を選択することができ、その実行は、以下に詳細に説明するように、TIS100及びAOS200により注意深く管理される(以下のリストは、網羅的なことを意図するものではない)。
(1)投資家191は、その地理的ポートフォリオ構築の選好(例えば特定の庁所在都市に対して高い重み又は低い重みを有する)をIID102を通じてTIS100に送信する。
(2)投資家191は、その住居タイプのポートフォリオ構築の選好(例えば一戸建て住宅のような財産タイプに対して高い重み又は低い重みを有する)をIID102を通じてTIS100に送信する。
(3)投資家191は、限定ではないが、財産の大きさ、財産の土地対住宅比率、財産の寝室数、財産の販売機構(例えば競売対個人トリーティ売買)、財産のバスルーム数、居住者の年齢、収入、クレジット記録又はコーホート(例えば第1回目の買手、既存所有者、又は退職者)を含む、種々の特徴的な他の消費者及び財産関連の特性に基づくポートフォリオ構築の選好をIID102を通じて送信する。
(4)投資家191は、総合システム600が投資家の予め指定した好ましいリターンレベルを条件として、EFMプールのポートフォリオリスク(即ち期待される将来の変動率)を最小にしようとする彼らの選好をIID102を通じてTIS100に送信する。
(5)投資家191は、総合システム600が投資家の予め指定した好ましいリスクレベルを条件として、EFMプールのポートフォリオリターンを最大にしようとする彼らの選好をIID102を通じてTIS100に送信する。
(6)投資家191は、例えば株、債券、現金及び他の種類の不動産(例えば商業的又は工業的)に対するその既存のポートフォリオ配分に関する情報をIID102を通じてTIS100に送信し、総合システム600が、ポートフォリオにEFMへの平均・分散「効率的」エクスポージャを加え(これによって、自己内部投資マンデートにより求められる最大上限又は下限により投資家の許容可能なEFMプール配分を制限することができ、別の環境では、これらの分配は制限されない)、更に上記の(4)及び(5)の点で考察した方法の方針に沿って投資家の好ましい総ポートフォリオのリスク又はリターンレベル(即ち彼らの資産クラスの所有財産の全てにわたる)を条件とすることで、いわゆる「平均・分散ベース」でその総ポートフォリオ保有を最適化することを要求する。
(7)或いは、投資家191は、総合システム600がTIS100の独自の投資方法に従ってEFMポートフォリオを構築する選好をIID102を通じてTIS100に送信し、その方法の正確な機構は機密にされ、投資家に開示されることはない。
(8)上記の1つ又はそれ以上の何れかの組み合わせ。
上記に概説した能動的なTIS100ポートフォリオ構築システムの目的は、投資家から伝えられた選好に最も密接に近似するEFMエクスポージャを処理することである。各サブオプションを説明する詳細情報は、人により、電話で、又はIID102コンピュータベースインタフェース上の関連するEFMプールの注文ページを介して提供される。
このような投資サービスを提供するためにIID102を通じてTIS100が見積もった指標となるポートフォリオ管理手数料は、行われた選択に応じて決まる。各投資家の初期「ポートフォリオ要求」が完了すると、提案したポートフォリオ構築方法及び管理手数料構造の予備概要を与える自動メッセージが電子メールで投資家に送られる。
処理のこの時点で、見込み投資家にはまた、ポートフォリオを更に強化させること及び継続中の彼らの委託資本の管理に関する種々の他の選好を示す機能を提供することができる。このような追加事項は、上記で概説したものと同様の方法で提供され、限定ではないが、以下のことを含む。
(1)投資家が資本利得以外の収入(又はその逆)に対して絶対又は相対課税の何れを好むか(殆どの場合、単に、投資家の個人的事情に基づき各々に対して関連する有効税率を提示することにより与えられる);
(2)投資家が、課税の理由以外で、利回り又は資本増価(即ちEFMプールからの現金配分)の形態のリターンについての選好及び全てのそのような選好の性質を有するかどうか;
(3)上記の(1)及び(2)の点、及び他の可能性のある考慮事項に基づき、投資家が、EFMプールによりもたらされる収入及び資本キャッシュフロー配分を同じEFMプール又は他の総合システム600が管理する投資手段に「再投資」することを望むか、或いは、これが投資家の選好ではない場合には、投資家が選んだ口座に完全に配分することを望むかどうか;
(4)投資家が、EFMの新しい「トランシェ」を定期的に導入して、EFMへのエクスポージャをますます分散化させ、これによって時間と共に投資家がプールを介して利用する資産の数を増大させることを好むかどうか。
このようにしてIID102に選好を入力した投資家191は、上記で用いられた用語の意味及び投資保有財産へのこれらの用語の適用に関する強力な実際上の知識を有することになる点に留意されたい。
(ii)システム管理者(「SM」)
SMは、自由裁量で情報をIIDに入力する能力を有する。全体として総合システム600の機能に関してこのようにする必要がある理由は幾つかある。例えば、AMS500が予め予想していなかったある意図しない事情の結果として、EFMプールの挙動が投資家の選好と一致しせず、従ってその決定規則により供されない場合には、修正措置をとることが必要となる可能性がある。図2のAMS500、IID102及びTID112の間の電子的通信リンクにより、このようなフィードバックが得られる。
(iii)アンダーライティング資本提供者(UCP211)
彼らのサービスが必要な場合には、UCP211は、短期保管資金を供給し、ASS300による証券化及びUCP211の資金の最終的な返済の前にAOS200によりEFMの配分を可能にする。また、これらの実体は、彼らの選好をIID102に入力する能力も有する。従って、彼らは、証券化の前の保有する準備ができていないEFMのオリジネーションを(AOS200を通じて)阻止するために、TIS100コンピュータターゲットに強い影響を及ぼすことができる。また、UCP211は、「正」及び「負」の両方の選好をIID102に提示することができる。正の選好は、保有の準備がされたあらゆる基礎となるEFMに関連する好ましい特性(例えば地理、住居タイプ、消費者コーホート)を含み、負の選好は、AOS200を通じてオリジネーションされるべきでないEFM属性をTIS100に信号送信する。従って、負の選好は、AWD210に流れることができない特性リストを与えるTID112の重要な構成要素を形成する。
(iv)現在の投資家
現在の投資家は、情報をIID102に入力するIIP101の最後から2番目のカテゴリである。総合システム600は、自由裁量及び以下で説明するAMS500を介した自動電子の両方に基づいてこれらの送信を管理している。簡単に言えば、AMS500により生成された出力の多くは、その自動決定規則分析(AMD502及びTID112により供給されるデータを利用する)の結果を反映しており、AMSは、既存の投資家の選好とEFMプールの実際の業績との間の差を動的に監視する。AMS500の決定規則分析の結果に基づき、該AMSは、IID102に新しい情報を電子的にフィードバックし、所与の時点で存在していることが認められる意図しないあらゆるポートフォリオの非対称性を是正するのを支援する。即ち、AMS500は、IID102、従ってTIS100、TID112、及び最終的にAOS200までのフィードバック制御ループを提供し、AOS200により制御される資産選択規則に影響を与え(以下でも考察する)、投資家の選好及びEFMプールの業績がより密接に一致するようにする。
(v)直接データ公表サプライヤ
情報をIID102に入力するIIP101の最後のクラスは、直接データ公表提供者である。これらの実体は、TIS100のポートフォリオ生成手順に重要なコアデータに関して定期バッチ又はリアルタイム情報更新を送信するIID102への電子的接続を有する。これらの実体は、限定ではないが、ブルームバーグ又はロイター(Reuters)、政府統計局、信用情報センター及びモーゲージ保険者のような金融市場情報提供者、及び不動産市場情報提供者を含む。
1.1 指標となるTIS100ポートフォリオ生成手順
上述のように、TIS100は、TID112に出力され、EFM資産を供給しようとする場合にAOS200の意思決定プロセスへの重要な入力を構成するターゲット又は理想的EFMポートフォリオを電子的に計算することを担う。TIS100は、IID102から電子的に引き出す情報に基づき、複数のターゲットポートフォリオを生成することができる。これらのターゲットポートフォリオは、TIS100がAMS500により管理されている既存のEFMプール用に生成し、この既存のEFMプールに導入するためにAOS200により供給されているEFMの新しいトランシェの特性に影響を及ぼすことになるターゲットポートフォリオに加えて、新しいクラスの投資家の選好を満足させるように構成する必要がある両方の新しいEFMプールに関連する。上記を考慮し、TIS100への入力及びこれが生じる出力は、ターゲットポートフォリオの性質に応じて決まることになる。
TIS100は、IID102から必要なデータを電子的に引き出した後、TID112内に含まれる複数のターゲットポートフォリオが確実に最新のものであるようにするために、幾つかの主要な段階を時系列で連続的に始める。これらの段階のアーキテクチャの非制限的な実施例を以下に記載する。
指標となるポートフォリオ構築段階1:
TIS100は、IID102に保存される全ての同時期に存在する投資選好を集計する。これらは、特定の投資家のポートフォリオ選好を反映するいわゆる「専門家」投資マンデートに加え、入力された能動的及び受動的EFMポートフォリオの要求事項を含む。
指標となるターゲットポートフォリオ構築段階2:
段階1で概説した集計に基づき、TIS100は、複数のEFMターゲットポートフォリオを定量的に計算し(付加的なコアの経済的、金融的、人口統計的、及びIID102から電子的に引き出される他の必要なデータを利用する)、以下に概説する種々のポートフォリオ最適化方法を適用して、ターゲットポートフォリオがIID102に投資家の選好を伝達した種々のクラスの投資家の「有用性」又は経済的満足度を最大にするようにする。
指標となるターゲットポートフォリオ構築段階3:
ターゲットポートフォリオの特性を計算すると、TIS100は、これらのターゲット見積りからの広範囲にわたる作為的又は不規則な偏差の影響に関する高度な統計的シミュレーション(例えば、モンテカルロなどの方法を用いた)を行い、ポートフォリオの期待される業績のこのような影響を求める。これらのシミュレーションの完了後、TIS100は、一連のAOS200制御属性(例えば、異なる地理的領域、住居タイプ、及び消費者特性に対するプールのエクスポージャ)に対する最大及び最小の許容可能なポートフォリオ許容閾値を求める。このようなポートフォリオシミュレーションを行うのに用いるコンピュータプログラミングコードの実施例から抽出したものを添付資料1に含む。
指標となるターゲットポートフォリオ構築の段階4:
TIS100は、EFMプールの好ましい属性を高い分析度まで定量化する極めて詳細なマトリクスの形式でターゲットEFMプールの固有の特性及び認容できる許容閾値をTID112に電子的に出力する。TIS100のターゲットポートフォリオ出力の実施例は、添付資料2に含まれる。TIS100は、極めて迅速に段階1から段階4を繰り返し、これによって必要に応じてその日の内の更新をTID112に提供することができる。
上述のように、TIS100は、投資家の選好を最も正確に近似するターゲットEFMポートフォリオ特性を計算するために、多くの高度なアルゴリズム(例えば、非線形、低勾配最適化、モンテカルロ及びブートストラップシミュレーション、ニューラルネットワーク、及び他の計量経済学技術)を用いる。次節では、幾つかの代表的な特定のポートフォリオ構築方法が開示される。TIS100は、これらを利用し、ターゲットポートフォリオ出力を計算して、IID102により供給される入力に基づいてTID112に送信する。
上記で考察されたTIS100の1次元、2次元、及び3次元の価値及び量で重みが付けられた受動型ポートフォリオ構築プロセスは、典型的には、ポートフォリオを含む資産の「価格」の見積りに基づく。しかしながら、EFM協定の基礎になる担保資産が通常極めて非流動的(即ちこれらは不定期に個々に売買される)であると仮定すると、何れかの時点でこれらの価格に対する信頼できる代理値は、極めて取得し難い可能性がある。従って、受動型ポートフォリオを構築するときには、TIS100は、ある所与の管轄(jurisdiction)(これ以後、統計的局所又は「SLA」と呼ぶ)で、個々の資産の価格に対する幾つかの異なる代理値を利用する。数あるメトリクスのうちでも、これらの尺度は、限定ではないが、以下のものを含む。
(1)資産の直前の四半期の中間価格;
(2)資産の直前の4つの四半期の平均中間価格;
(3)資産の直前の4つの四半期の平均量の重み付き中間価格
TIS100は、上に開示した3つの資産価格代理値に時系列的に対応する以下の式を用いて、受動価値重み付きEFMポートフォリオ見積りを構築することができる。
Figure 2008516350
Figure 2008516350
Figure 2008516350
式中、Median Priceは、時間tでのSLA1の中間価格であり、Total Dwellings2001は、2001年の一戸建て住宅、二戸1棟住宅、及びテラスハウス、ユニット又はフラット、及び他の建築物と連棟となった住宅又はユニットの合計として定義することができ、Saleは、時間期間tにSLAiで売却された住居の数である。
TIS100は、幾つかの異なる「能動的な」ポートフォリオ構築プロセスを用いることができる。1つの代替形態は、TIS100が投資家の他の資産保有物(例えば株、債券及び現金)を無視し、原資産のリスクとリターン属性に基づいたEFMプールのターゲット重みを単に最適化するものである。これは、数ある中でも、特定の地理、資産タイプ、及び消費者コーホートの将来の業績のTIS100期待値に基づく種々のEFM重み付けストラテジーを用いることを伴う。その結果、これらの方法は、上記で考察した受動的技術に対して大きく異なるターゲットポートフォリオの結果をもたらす可能性がある。
更に別の僅かに異なるポートフォリオ構築の選択肢は、投資家が、適宜更新するその既存の資産エクスポージャ(例えば株、債券、現金及び(商業的及び工業的)財産)に関する情報をIID102に送信し、その後、リスク及びリターンに関する投資家の選好を条件として、EFM資産のプールに加えて投資家の全ポートフォリオ保有物(即ち全ての資産クラスを含む)をTIS100が最適化することを含む。このようにして、TIS100は、投資家の非EFM資産クラスに対する直接配分を必ずしも管理することなく、投資家に「全財産」の資産計画サービスを提供することができる。
TIS100ポートフォリオ最適化能力に関する更に具体的な例証を以下に開示する。これらの手順は、TIS100の一連のアルゴリズムの一部を形成するだけであり、投資家の要求を条件とすると、この手順を用いて、TID112に送信されるターゲット出力を生じることができる。ここで、TIS100の全範囲のポートフォリオ生成手順は、極めて高度な機能(例えばニューラルネットワーク)を含む更に複雑な方法を含み、本明細書で考察した内容は、TIS100動作の認識される範囲をどのようにも限定しない点に留意することが重要である。TIS100が行う動作の性質はまた、その選好集計及び特殊マンデート能力に対して状況に当てはめる必要がある(特に前者の場合、これによってTIS100は、最初に、どのポートフォリオ構築技術が、最大数のプール投資家の有用性を最大にする可能性が高いかを判定する必要がある)。
(a)リターンに関する独立TIS100ポートフォリオ最適化
各独立TIS100ポートフォリオ最適化選択肢では、投資家191は、IID102に彼らの既存の資産保有物に関する何らかの追加情報を送信する必要がない。従って、TIS100は、投資家により保有されている唯一の資産であるようにEFMポートフォリオを最適化する。
TIS100最適化は通常、最大化又は最小化の何れかを行う数学上の目的関数を生成することにより進められ、次いで、その目的関数が従うことになるあらゆる制約を規定する。これらの計算は、IS100内に組み込まれた統計的アプリケーションにより全て行われる。
例証として示すために、投資家は、Xドルの資本委託を含む専門家投資マンデート(即ち、TIS100により生成されたターゲットEFMプールを投資家の選好に特別にカスタマイズしたもの)を保全する意図をIID102に伝達すると仮定する。更に、投資家はまた、例えば、EFMの受動型ポートフォリオで得ることが期待できる業績よりもY%高いその投資に関する期待リターンについての選好を入力していると仮定する。この情報をIID102から引き出し、そのポートフォリオ最適化手順を開始した後、要求されたリターンが実際に達成可能であるとすれば、TIS100は、ポートフォリオの期待リスクプロファイルに加えて、EFMプールのターゲットポートフォリオ特性(即ち、種々の地理及び住居タイプのようなある範囲の資産レベル属性に対する特定の重みを含む)をIID102を介して投資家に伝達することができる。当然、このデータはまた、投資家が取引を進めることに同意すれば、TID112に送信される。このTIS100で生成された情報のベースとなる指標としてのポートフォリオ構築技術は、以下の式で記述される。
選択肢(a)に基づく目的関数は、投資家が望む名目ポートフォリオリターン(例えば12%/年)、及び以下に示すような他のあらゆる制約を条件として、EFMポートフォリオのリスクを最小にすることになる。
i(i=l,...,n)を選択することにより、
Figure 2008516350
を最小にする。
ここで、以下の制約を条件とする。
Figure 2008516350
Figure 2008516350
Figure 2008516350
式中、Wiは、各EFM又はEFMのグループに対するnパーセントポートフォリオの重み(例えばTIS100は、ポートフォリオの資産入力の基礎を形成する郵便番号レベルの地理単位を用いて最適化することができる)、nはEFMの数、又は同様のEFMのグループの数、δijは各EFM又はEFMのグループの間のリターンの期待統計相関関係、riは各EFM又はEFMのグループに起因する期待リターン、E(r)は期待ポートフォリオレベルリターンである。
上記に概説した最適化問題は、TIS100で解かれる。制約(d)が必要でない場合には、TIS100は、未知変数n(即ち、各個々のEFM又はEFMのグループに対する重み配分)の値を求めるために、ラグランジュの数学的手法を用いてこの問題を処理する。制約(d)が必要な場合には、TIS100は、2次計画法を用いてこの問題を解く。これらの能力はTIS100の統計的アプリケーションに組み込まれている。
上記式(a)は、EFMポートフォリオの期待変動率のTIS100式である。δijは、TIS100により自動的に式に入力することができる。式(b)は、EFMポートフォリオのリターンを投資家の好ましいターゲットに等しく設定する必要があることを示している。同様に、riは自動的に入力することができる。式(c)は、単に重みを100%まで加える必要がある(即ち、この独立ポートフォリオ最適化の実施例では全ての資本をEFMに割り当てる必要がある)ことを示している。不等式(d)は、EFMに関して「ショート」ポジションをとることができない場合に必要であり、これに該当する可能性が高い。ショートポジションとは、投資家が資産を所有する前に売却し(通常、後で返す合意の下で資産を借用することによる)た後で将来同じ資産を買い戻す状況を意味する。これは、資産の価格が(上昇ではなく)低下したときに投資家が空売りで利益を得るので、通常の過程で資産を購入するのとは(経済的な意味で)正反対である。基礎となるEFM証券に基づくデリバティブ市場が開発されるときには、このような機能を投資家に提供することが好ましい。この予備的なケースでは、不等式(d)は、最適化プロセスに必要な制約である。
(b)リスクに関する独立最適化
選択肢(b)でのTIS100のタスクは、目的関数及び制約が僅かに変更されていることを除けば上記に概説したタスクと同様である。しかしながら、ターゲットポートフォリオの重みを求めるためにTIS100が用いる実際の方法は、本質的に同じである。
この選択肢では、TIS100の目的関数は、望ましいリスクレベル、及び以下に示すあらゆる他の制約を条件として、ポートフォリオレベルリターンを最大にする(即ち上記のようにそのリスクを最小にするものではない)ことになる。
i(i=l,...,n)を選択することにより
Figure 2008516350
を最小にする。
ここで、以下の制約を条件とする。
Figure 2008516350
Figure 2008516350
Figure 2008516350
式中、全ての記号は上記と同じ説明であり、E(σ)は、その直ぐ上の(a)における目的関数と同じ方法で定義されるポートフォリオの期待変動率を表す。
(c)リターンに関するマルチ資産クラス最適化
TIS100のマルチ資産クラス最適化手順は、重みwiが、EFM、及び例えば、株、債券、現金及び他の不動産資産(適用される場合)を含む投資家の提案ポートフォリオの投資クラスの全てに適用されることを除いて、上記に概説した独立技術と概念的には同様である。加えて、以下に示すように、投資家(例えば年金計画)が、EFMに対するポートフォリオ配分に上限を規定する別の制約が存在する可能性がある。
TIS100の最適化問題は以下のようになる。
i(i=l,...,n)を選択することにより
Figure 2008516350
を最小にする。
ここで、以下の制約を条件とする。
Figure 2008516350
Figure 2008516350
Figure 2008516350
Figure 2008516350
式中、WEFMは投資家により予め指定されたEFMプールに起因する最大重みであり、Wiは残りの資産クラス(例えば、株、債券及び現金)に起因する総ポートフォリオ重みであり、全ての他の記号は上記で定義した通りである。
(d)リスクに関するマルチ資産クラス最適化
この第2のマルチ資産クラス選択肢では、TIS100の目的関数は、望ましいリスクレベル及び以下に示すあらゆる他の制約を条件として、投資家の総ポートフォリオレベルリターンを最大化する(即ち、上述のようにそのリスクを最小にしない)ように僅かに修正される。
i(i=l,...,n)を選択することにより
Figure 2008516350
を最小にする。
ここで、以下の制約を条件とする。
Figure 2008516350
Figure 2008516350
Figure 2008516350
Figure 2008516350
式中、全ての記号は上述と同じ説明である。
3.資産オリジネーションシステム(「AOS」200)
TID112、AOD202及びAWD210との電子的接続を利用し、AOS200は、その販売代理人(即ちMMIP201)を介して提示されるリアルタイムEFM申請を選択するために、ある範囲の静的及び動的フィードバック及びフィードフォワード決定規則を用いる。AOS200の最終的な目的は、TID112により規定されたポートフォリオ選好を最も密接に近似する(従って、IID102に入力されてTIS100により処理される、投資家及び適用される場合にはUCP211の予め指定したポートフォリオ要求を満たす)EFM資産を調達することである。図4は、このプロセスを例示している。従って、AOS200は、(MMIP201が入力する申請特性に関連して)AOD202から引き出されるデータをTID112により供給されたターゲットポートフォリオ属性及び許容閾値とリアルタイムで比較し、AOS200が既に承認した(AWD210に保存され、これから引き出される)EFM資産の特性を条件として、提示された申請が進捗して決済されたかどうかを判定する。AOS200はまた、その静的及び動的決定規則に基づき、MMIP201の報酬システムを管理すること、適切な資産を調達するためにEFM契約条件を調整すること、及びMMIP201に消費者コーホート及び地理的領域による流通及び市場ニーズの変化を信号送信することを担う。最後のタスクとして、AOS200は、AWD201と相互作用し、EFM申請が承認されたときには、UCP211から融資を要求することに成功した申請者まで(MMIP201を介して)の資本の移転を管理する必要がある。融資と引き換えに申請者により提供される担保は、基礎となるEFM契約であり、これは、適用される場合には、契約が正式に証券化される時までの保管期間の間UCP211により保有される(即ち、契約はエンドユーザ投資家が所有するプールに包括される)。当然、1段階の資本引当プロセスでは、エンドユーザ投資家は、資産選択サイクルの最初から資産を保有することができる。
静的資産評価規則に加え、AOS200はまた、動的「フィードバック」及び「フィードフォワード」決定規則(「プロセス制御システム」としても知られる)を用いており、これは、その資産選択動作の効率を最大にするためにAOD202、TID112及びAWD210からのリアルタイムの電子データ送信に基づいている。AOS200のリアルタイム決定手順には、いわゆる分配「誤差」(例えば、TID112がTIS100を通じてターゲットにしたものに対するEFM申請又は広範囲のポートフォリオ特性の偏差)を計算することが含まれ、これは、AOS200がどのような資産評価措置(例えば、申請情報を受理、棄却、又は更に申請情報を要求する)をとる必要があるか否かを判定する目的で用いられる。
その決定システムを管理するときにAOS200が行う2つの一般的な段階は、少なくとも以下のことを含む。
(1)AOD202からMMIP201の入力データを引き出した後、AOS200は、申請者の観察属性とその担保の属性(これは、技術的プロセス制御の語彙では、「信号」又は「妨害」変数として知られる)との間の差、並びにTID112のターゲット及び許容閾値とAWD210に保存された実際の(即ち承認された)申請属性との間の差のリアルタイム評価に基づくAOS200の好ましいEFM申請特性(このAOS200評価は、「設定点」変数と呼ぶことができる)を測定する。
(2)次に、AOS200が、「信号」変数と「設定点」変数との間の(1)で推定された差異を決定規則に入力し、このプロセスの結果に基づいて、申請の実際の「決済」又は最終承認の前に観察される誤差を最小にするか(これは、「フィードフォワード」手順として分類することができる)、又は承認後データから引き出される誤差を最小にし、これによって将来の資産選択業績に影響を及ぼす(これは、「フィードバック」技術である)ように必要な措置をとる。
より具体的には、AOS200の「フィードフォワード」資産選択プロセスは、あらゆる事前の(即ち申請承認前の)TID112から生成されたターゲットポートフォリオ選好を用いて、現行のEFM申請を選別する(TID112及びAWD210の両方からの情報をAOS200が同時に用いることが、「フィードフォワード」及び「フィードバック」プロセス制御の両方の要素を含む場合でも)段階と、MMIP201によりAOD202に入力された申請属性(例えば、申請者の属性に基づくEFM資本コストの増大又は減少)に応答してEFMの契約条件をリアルタイムで動的に修正し、結果としてAOS200の提案条件を受理又は棄却する申請者の尤度に影響を及ぼす段階と、事前MMIP201報酬ストラテジーが、投資家のポートフォリオ要求に最も密接に一致するMMIP201調達申請の確率を最大にするように構成されるようにする段階と、将来のEFM申請パターンに影響を与えるためにEFM市場プログラムの内容、構成及びコストを較正する段階と、(これらの全ては「操作」変数として知られる)を含む。
これとは対照的に、AOS200の「フィードバック」資産選択プロセスは、承認されたEFM申請の特性に起因する、EFMの条件、MMIP201報酬システム、EFM市場プログラムの内容、構造及び費用、並びにAOS200のリアルタイム決定の結果(これは、部分的には、AWD210から収集した事後的データの結果となる)に対するあらゆる事後的(即ち申請承認後の)変更を含む。このような場合には、AOS200プロセス制御システムは、ターゲット変数と観察変数との間の差を計算して、適切な資産選択措置を実施する。これは、リアルタイムでの申請の受理、棄却又は照会を行い、或いはIID102に情報を直接電子的に返信して、TIS100の出力及びTID112に保存されたデータを変化させる段階を含む。
上記のAOS200の段階の全ては、高度なプロセス制御技術を管理するように設計された統合コンピュータシステムによりバッチベース又はリアルタイムベースで実行される。
要約すると、AOS200は、その静的及び動的フィードバック及びフィードフォワード決定規則と組み合わせて、TID112、AOD202、及びAWD210との電子的リンクを利用し、TIS100により生成されるターゲットEFMポートフォリオ特性と承認された実際のEFM申請との間の変動が最小になるようにする。事実上これは、
(1)MMIP201の入力申請データを引き出し、これをAOS200の単純静的規則に対して処理し、その後、TID112に含まれるターゲットポートフォリオ特性及びAWD210に保有されている先に承認された申請の属性を比較することを含む、より高度な動的規則に対して処理する段階と、
(2)信号をMMIP201に送信し、EFM市場プログラムの内容、構造及びコストを調整して、地理及び消費者コーホートによるEFM要求を規制する段階と、
(3)EFM契約の条件をバッチベース及びリアルタイムで修正し、承認申請が、IID102に入力された投資家の選好に最も密接に一致するようにする段階と、
(4)情報(資産選択誤差を反映する場合が多い)をIID102に戻して入力し、TIS100により生成される出力及びTID112に保存されるデータに影響を及ぼすようにする段階と、
(5)観察される業績に応答して経時的にMMIP201の報酬パラメータを連続的に較正しながら、TID112の期待を満足させるEFM申請を供給しようとする実施可能な強いインセンティブを有するようにMMIP201報酬システムを動的に管理する段階と、
(6)担保(即ちモーゲージ契約)と引き替えにUCP211から資本を移転することによりEFM取引を設定する(担保物件資産に対するエンドユーザ投資家の請求権の法的な実施形態を表す)段階と、
を含む幾つかの補助プロセスを伴う。
ここで、上記に概説されたAOS200手順のサンプリングをより詳細に検討するが、これらは、以後、AOSプロセス200/1〜200/6として知られる。
2.1 AOSプロセス200/1
AOD202に保存された情報により、AOS200は、MMIP201によりAOD2020に電子的に入力されたEFM申請者のプロフィール(例えば、年齢、収入、現住所、クレジット記録、提案される財産の場所、提案される財産タイプ等)をカバーする極めて詳細な一連の特性ベースのデータにアクセスすることができる。AOS200は、申請データの関連パケットを電子的に引き出し、リアルタイムで、一連の静的決定規則を通じてこのデータを処理することで開始する。例えば、初期AOS200規則のデータは、以下のものを含む。
(1)申請者の年齢
(2)財産タイプ(例えば、一戸建て、二戸一棟、又は連棟)
(3)保有権のタイプ(例えば、自由保有権対賃借権)
(4)財産の提案された住所(これは、1つの郵便番号、又は複数の郵便番号を含む申請者が選択するSLAを含むことができる)
(5)申請者の現在の収入
(6)EFMが、先順位の独立モーゲージとなるか、又はプライム利付ローンの劣後となるかどうか
(7)EFMが、既存の住宅からグレードアップするため、又は世帯の現在のモーゲージを借換えるため、或いは消費目的でエクイティをリリースするために第1の財産購入に用いられるかどうか
(8)適用する場合、プライム利付ローン及び金利のタイプ(例えば、8.5%金利の標準変動金利ローン)
(9)適用する場合、プライム利付ローンに関して要求された融資比率(「LVR」)(例えば50%、60%、70%)
(10)EFMに関する要求されたLVR(例えば10%、15%、20%)、及び、
(11)要求された財産の価値のある割合として表される申請者の最小保証金(例えば3%、5%、10%)
上記に概説した規則データは、AOS200がその処理機能を完了するのに要求する規則の非制限的な実施例である点に留意されたい。また、AOS200は、問題の申請者がそのプライム利付ローンにおいて承認されたかどうかを規定する追加データを受け取ることになる可能性が高い。このデータは、申請が予備承認の段階まで進んだかどうかを判定するために、規則を処理する前又は後でAOSが受け取ることができる。
規則のデータがAOS200によりAOD202から引き出されると、種々の静的及び動的フィードフォワード及びフィードバック規則を処理することができる。例証として、これらの段階は、以下の自動リアルタイム手順を含むことができる。
段階1:MMIP201が、EFM申請データをAOD202に入力する。
段階2:AOS200が、リアルタイムの電子コネクタを介して新しい申請データの到着を識別する。AOS200は規則を調べ、その要求事項を条件として、AOD202から関連申請データを引き出す。
段階3:AOSが最初の規則を処理する。単純なAOS200規則は以下のものを含む。
R1:申請者の年齢が18を越えているか?
そうであれば、次の規則に進む。
そうでなければ、処理を停止し、棄却データをAOD202に保存し、MMIP201に棄却信号を送る。
R2:申請者の保有権のタイプが自由保有権であるか又は賃借権であるか?
自由保有権である場合には、次の規則に進む。
賃借権である場合には、処理を停止し、棄却データをAOD202に保存し、MMIP201に棄却信号を送る。
R3:申請者が、最低所要保証金を供給することができるか?
そうであれば、次の規則に進む。
そうでなければ、処理を停止し、棄却データをAOD202に保存し、MMIP201に棄却信号を送る。
R4:申請が、先順位独立EFM用のものであるか、プライム利付ローンの劣後となるEFM用のものであるか?
申請が先順位独立EFM用のものである場合には、TID112及びAWD210から追加データを引き出し、何らかの他の独立EFMを受理できるかどうかを判定する。
そうであれば、次の規則に進む。
そうでなければ、処理を停止し、棄却データをAOD202に保存し、MMIP201に棄却信号を送る。
申請が、プライム利付ローンの劣後となるEFM用のものである場合には、TID112及びAWD210から追加データを引き出し、何らかの他の劣後EFMを受理することができるかどうかを判定する。
そうであれば、次の規則に進む。
そうでなければ、処理を停止し、棄却データをAOD202に保存し、MMIP201に棄却信号を送る。
R5:TID112及びAWD210を参照して判定するときに、財産タイプ及びその地理的場所の両方が許容可能な限度内にあるか?
そうであれば、次の規則に進む。
そうでなければ、処理を停止し、棄却データをAOD202に保存し、MMIP201に棄却信号を送る。
段階5:申請が規則を上手く進むことができない場合には、AOS200が棄却データをAOD202に保存すると、評価プロセスは停止し、この決定をMMIP201に電子的に送信する。
段階6:申請が全ての規則を満足する場合には、AOS200は、その承認決定をリアルタイムでMMIP201に送信すると同時に、承認申請データをAWD210に送信する。次いで申請は、処理中のライフサイクルの決済段階に移る。
ここで、(上記の例示的な規則4及び規則5で参照されるような)より複雑なフィードバック及びフィードフォワード決定要件の一部を自動的に処理するときにAOS200が用いる特定の方法を詳細に考察する。
AOS200が、EFM申請を受理又は棄却すべきかどうかを判定するために、TID112に保存された理想的ポートフォリオ特性とAWD210内に保有される先に承認された申請の属性との間の差(又は誤差)の初期計算を行う。次いで、この分析の出力は、AOD202から引き出されたデータに対してAOS200により処理され、この出力は、どの措置が適切であるか(例えば、受理する、棄却する、又は更に情報を要求する)に関する情報をAOS200に知らせる。この一連の第1のアルゴリズムでは、AOS200は、問題の申請が標準条件を含むと仮定すると、(TID112及びAWD210にそれぞれ保存されたターゲット及び実際の属性に基づいて)申請情報が投資家の選好を満足することになるかどうかを推定する。詳細には、誤差関数eの計算は、次の一般式となる。
Figure 2008516350
式中、実際の関数は、ターゲット申請特性(これは、上記で概説したようにTID112及びAWD210に保存される属性間のAOS200の推定差異の関数となる)と問題の申請者に適用する特定の属性との間の差に基づく。即ち、
Figure 2008516350
式中、iは1〜Nの申請特性であり、fiは2つの変数、即ち、属性iに対するターゲット特性TCi及び実際の申請者特性Ciの関数である。評価される特性iは、限定ではないが、;申請者の年齢、性別、収入、配偶者関係、クレジット記録、現在の住所、以前の取引記録、収入レバレッジ、融資比率(即ち存在する場合には第1モーゲージ);住居の場所、タイプ、価格、大きさ、土地対価値比;及び、MMIP201の場所、ネットワーク会員、及び以前のEFMオリジネーション記録を含む。Kiは、相対的特性に重みを付けるのに用いられる定数であり、Xは、ここに示すように、AOS200推定申請選好TCiからの許容可能な全発散eの合計の上限を示す。
このアルゴリズムの関数は、以下のように用いられる。即ち、e>Xであれば、申請は棄却されることになり、評価プロセスの次の段階には進まない。この情報は、AOD202と最初にこの申請を提供したMMIP201との両方に伝達される。不正行為を制限するために、AOS200はまた、将来の申請者情報の全てをAOD202に保存されている以前の提示物と比較し、消費者及び/又はMMIP201が申請の成功の確率を高めるために主要変数(例えば収入)を操作しないことを保証する。一方、e≦Xであれば、申請は、第2のAOS200評価段階まで通り、ここでは、契約条件及び関連するMMIP201の補償金を決定することを担うより高度な契約較正アルゴリズムを用いる段階を含む。
2.2 AOS200プロセス200/2
申請がAOS200プロセス200/1を満たし、且つe≦Xである場合には、AOS200は、事実上、質問「どのような特定の条件でこの申請を承認すべきであるか?」を提起する一連のより高度な契約較正規則を処理する能力がある。この質問に応答して、AOS200は、申請者の観察特性と、TID112及びAWD210にそれぞれ保存されているターゲット及び実際の属性間の差に基づきAOS200のプロセス200/1で行われる分析において求められる好ましい属性との間の差の大きさに基づき、EFM契約条件(例えば、満期日、資本増価請求権、資本減価請求権、金利、賃貸利回り、及び/又は期限前償還条項)を最適化することができる。
EFMの募集条件が計算されると、AOS200は、リアルタイム接続でこの情報をMMIP201に電子的に送信し、次いで、申請者に最終契約の詳細事項を知らせる。このプロセスと同時に、AOS200は、関連する申請データをAOD202に送信する。申請者がEFM募集を棄却するよう決定した場合でも、AOD202は、将来評価する目的で、問題の条件の記録を保存する。
EFMの正確な条件を計算するために、AOS200は、異なる特性に基づく変数全てにわたる加法関数を含むアルゴリズムを用いる。この結果、EFMの条件関数Pの計算は、以下の形になる。
Figure 2008516350
アルゴリズムの実際の構造は、AOS200プロセス200/1で行われる分析において求められる好ましい属性と、申請自体で観察される属性との間の差に基づくことになり、
Figure 2008516350
式中、i、fi、TCi、及びCiは、上記で定義された通りであり、Kiは、相対特性に重み付けするのに用いられる新しい定数であり、Pは、差の最大値である。
各契約が適切に較正されるのを確保するために、式(5)に用いられた最大有償条件を再度用いて、
Figure 2008516350
である場合には、AOS200は、複数の契約可能性をMMIP201に伝達して返すことを選択する。(
Figure 2008516350
である場合、式(5)の条件は、その特性が計算した誤差変動幅の限界であるので、申請者が利用可能な唯一の契約の機会であることが分かり、AOS200は、申請を承認する代わりに最も魅力的な可能性のある条件を要求する)。
満期日、金利、賃貸利回り、又は期限前償還条項を変更することに加えて、これらの契約上の可能性は、限定ではないが(EFM契約パラメータの説明に関して)、以下のものを含む。
(1)1:1:1のEFM資本コスト;
(2)1:1:0のEFM資本コスト;
(3)1:1.5:0のEFM資本コスト;
(4)1:2:1のEFM資本コスト;
(5)1:2:2のEFM資本コスト;
(6)1:2:0のEFM資本コスト;
(7)1:3:1のEFM資本コスト;
(8)1:3:2のEFM資本コスト;
(9)1:3:3のEFM資本コスト;
(10)1:3:0のEFM資本コスト;又は
(11)標準時間依存の金利に加えてx:y:zのEFM資本コスト、及びその全ての派生
次に、AOS200又はMMIP201の何れかが申請者と繰り返し相互作用(前者は、消費者がMMIP201仲介体を必要とせずに、AOS200と直接インタフェースするインターネットベースのEFM分配システムで可能である)して、以下の時点でEFM契約の条件を変更することにより、申請者の契約選好を決定することができる。
Figure 2008516350
これは、Ci変数の一部がMMIP201又はAOS200の何れかにより操作される較正関数の有界最大化を表す。
2.3 AOS200プロセス200/3
申請を契約較正段階に移行すべきか、又は完全に棄却すべきかどうかに関するプロセス200/1でのAOS200評価と並行して、AOS200はまた、AOS200の広告出力アルゴリズムによって実施される分析の結果として、ターゲット市場フィードバックをMMIP201に送信する。このアルゴリズムは、AOS200の予想に対するMMIP201の各々の申請調達動作を監視し、この場合、これらの期待値は、経時的にAOS200により動的に求められ、広告支出の相対比率が申請調達に及ぼす影響に関する仮定に対して調整される。AOS200の広告出力アルゴリズムは、各MMIP201の業績を予想された業績と比較し、異なる申請特性の関数としてパーセント許容値に基づいて動作する。アルゴリズムの2つの主要な計算は、(1)申請棄却の合計又は割合の実際と期待との間の差、及び(2)申請承認の合計又は割合の実際と期待との間の差に関する。棄却の合計は、次式で与えられる。
Figure 2008516350
棄却の割合は、単に、所与の時間にわたる棄却の合計であり、すなわち、
Figure 2008516350
である。
棄却の割合の変化は、経時的な棄却の割合の差に等しい。
Figure 2008516350
式中、Riは、広告の価値及び構成を変えることにより影響を与えることができる各申請特性iに基づく申請の棄却を表し、TAPiは供給された申請の総数を表し、Tiは、ある所与の期間の棄却の割合に関連する許容値である。あらゆるMMIP201の申請調達動作が、AOS200により推定されたものと一致して動いたかどうかを判定するために、アルゴリズムは、以下の種類の計算を行うことができる。
Figure 2008516350
式中、E(Ri)は、AOS200の期待棄却数である。期待値を導入することにより、AOS200は、各又は全てのMMIP201の業績をより厳密に監視することができ、これは、直ぐ上の不等式(10)、(11)及び(12)の関連で用いることができる。
広告を用いることにより変わる可能性のある変数は、申請者のタイプ(例えば、第1回目の買手、グレードアップする人、借換える人及び退職者)、申請者の年齢、収入及び場所を含む。これらの申請識別子に焦点を当てることで、AOS200は(これに関連するMMIP201により)、特定の人口統計学的コーホート、住居タイプ及び地理的領域に対する申請のエクスポージャの影響を実際の承認プールに及ぼすことができる。
詳細には、上記の不等式(10)の出力は、その好ましい許容値パラメータに関連して受け取った総数に対する棄却申請の比率の差をAOS200に知らせるものであり、不等式(11)では、経時的なこの比率の変化率が得られ、不等式(12)では、不等式(11)で計算した変化率の1次微分が得られる。これよりも高次の微分を用いることもできるが、これらの計算から引き出される値は、微分の次数の減少関数である。
上記で概説した全ての広告アルゴリズム出力は、AOD202に配信され、許容値がTiよりも大きい場合、AOS200は、MMIP201にその結果を通知することによって、この広告プログラムを調整するのに必要な情報をMMIP201に提供して申請調達を改良する。
承認データ(AOD202に保存される)に含まれる考察は、棄却に関連する考察とは実質的に異なる。受理データは、経時的にAOS200により承認されたEFM申請の数及び割合を示す。更に、これらは、EFMを利用する準備ができており、AOS200に認容可能であることが分かっている申請者のタイプを明らかにする。このデータを分析するのに用いられるアルゴリズムの種類は、以下の不等式を含む。
Figure 2008516350
Figure 2008516350
Figure 2008516350
Figure 2008516350
2.4 AOS200プロセス200/4
プロセス200/4は、AOS200のフィードバック制御システムの1つであり、TID112により最初に指定された投資家の事前選好に対して、AWD210内に保存された承認済みEFM申請の事後プールの属性に伴う推定誤差を最小にする。
上述のように、AOS200は、本質的に、MMIP201からの規則的多次元データ入力信号とランダム多次元データ入力信号とが混合されたものをAOD202から引き出す。(ランダムとは、幾つかの可能性のあるパラメータを挙げると、所与の時点での特定の申請者が、例えば、第1回目の買手、既存の所有者、又は高齢の住宅所有者であるかどうか;一戸建て住宅、テラス又はユニットに対してEFMを取得しようとするかどうか;及び問題の財産の地理的場所(例えばシドニー、メルボルン、ブリスベーン、アデレード及びパース)を予測することが困難であるという意味である。)次いで、承認された申請属性とTID112により要求された特性との間の推定される差が、AOS200によりIID102に戻され、TIS102の将来の計算が、承認されたEFM契約の実際のプールの発展的局面を考慮できるようにする。このフィードバック機構は、その資産選択動作を最適化し、エンドユーザ投資家の要求を満たすためのAOS200の継続能力に重要であることは自明である。
AOS200が用いるフィードバック制御には、少なくとも5つの実施可能な方法があり、これは、(1)2位置;(2)比例;(3)比例プラス積分;(4)比例プラス微分;及び(5)比例プラス積分プラス微分として知られている。この関連において、AOS200の「操作変数」は、EFM契約の条件、MMIP201に供給される報酬、各申請者が利用可能な融資の額(即ち最大LVR)、及びMMIP201に送信されるあらゆる広告信号を含む。操作変数の各々は、種々の異なる制御方法を管理するためにAOS200により用いられ、その実施例を以下に時間ステップで概説する。
1.「2位置」制御では、e<AであればXを適用し、e>BであればYを適用する。ここでA及びBは、予め設定されたAOS200パラメータであり、X及びYは操作変数である。これは、AOS200のプロセス制御の最も単純な形であるが、最も基本のものでもある。
2.AOS200の「比例」制御では、操作変数p(t)は、誤差プラスバイアス値
Figure 2008516350
の比Kpにより求められ、ここで、バイアス値は、誤差がないときの操作変数の状態である。誤差自体は、目標値から測定変数の実際の値を引いたものとして定義され、Kpは比例誤差に適用される制御比である。このことは、
Figure 2008516350
であることを意味する。
3.AOS200の「積分」制御では、操作変数は、前の誤差(現在の誤差を除く)の比率プラスバイアス値
Figure 2008516350
である。KIは、積分動作のために前の誤差の合計に適用される制御比であり、τIは、積分動作に用いられる積分時間(例えば積分制御は、前の誤差の全てに対し2週間毎に適用される)を表す。よって、
Figure 2008516350
である。
式中、誤差ekはTCk−Ckに等しく、全ての他の変数は上記で定義した通りである。
4.「比例及び積分」制御の両方において、操作変数pnは、現在の誤差enプラスバイアス値
Figure 2008516350
を含む、全ての前の誤差
Figure 2008516350
の比である。前述と同様に、τIは積分動作に用いられる積分時間である。従って、
Figure 2008516350
である。
5.AOS200が、制御の最も高度な「比例−積分−微分」(「PID」)の形式を用いる場合には、操作変数pnは、全ての前の誤差
Figure 2008516350
の比プラス特定の割合の最新の誤差変化
Figure 2008516350
及びバイアス値
Figure 2008516350
である。KDは、最新の誤差に適用される制御比である。この場合もτDは、微分動作に用いられる積分時間である。よって、
Figure 2008516350
上記に概説したAOS200フィードバック制御選択肢の簡単な実施例を挙げると、AOS200申請誤差の測定値がPIDシステムに入力され、これによって、IID102に直接戻して送られる、結果として得られる制御動作が起こる。実施可能な例証として、以下の表3は、PID制御関数を概説しており、この場合、EFMポートフォリオの平均ターゲット住居価格は500,000ドル(TIS100により決定され、TID112に伝達される)であり、AOS200の承認された住居の平均値は所要値よりも小さい。表3は、PID制御パラメータpnのAOS200の見積りが、計算誤差に基づいて経時的に変化することを示している。簡単にするために、このτD及びτIがtに等しく(これは、Δt÷τI=1且つτI÷Δt=1であることを意味する)、KP、KI及びKDが1に等しく、
Figure 2008516350
であることを意味すると仮定する。これらは、KP、KI及びKDがこの性質のシステムに対して大きすぎる可能性があるとすると、僅かに非現実的な仮定である。また、KIがPnを決定していることも観察される。
表3
Figure 2008516350
次いで、制御アルゴリズムPnからの出力は、AOS200によりIID102に送信される。その結果、TIS100が、IID102からこの情報を引き出し、発生住居の目標値を求めてTID112に出力する。この実施例では、誤差が大きくなるとIID102への信号Pnも大きくなり、ターゲット価格を増大させて、承認されたEFMポートフォリオの平均価格が元の500,000ドル設定ポイントに近似するように確保する必要があることを示している。KP、KI及びKD、τD及びτIのパラメータが正しく較正されると、出力Pnは、ターゲット価格、或いは幾つか例を挙げると、住居の場所、大きさ又はタイプなどの他のあらゆる操作変数に直接加えることができる。
2.5 AOS200プロセス200/5
AOS200プロセス200/5では、AOS200は、報酬アルゴリズムを用いてMMIP201に対して行う支払いの正確な額及び期間を決定する。この手順では、MMIP201の補償に対して最低2つの構成要素が存在する。即ち、(1)申請者が支払う初期費用と、(2)AServS300により供給される継続中のトレーリング・コミッション(trailing commission)である。主要プロセス200/5の計算は、AOS200により行われ、補助計算は、承認済み申請の年数にわたってAServS300により行われる。MMIP201の報酬を生じる主要因子は、(1)調達申請がTID112及びAWD210に保存された特性に関して求められたAOS200の事前選好にどれだけ近いか;(2)AOS200の期待値に対してのMMIP201の過去の業績;及び(3)その存続期間にわたってEFMにより引き渡される投資リターンを含む。
MMIP201の最適な補償パッケージMRを見積もるために、AOS200は、アルゴリズムを用いてMMIP201の申請調達業績、続いて報酬削減パラメータMRRを計算し、これは、ターゲット基準からの申請の発散が大きいほど、MMIP201の報酬の削減が大きくなるように構成され、以下で与えられる。
Figure 2008516350
である。
AOS200は、最大報酬から削減パラメータvizを差し引いた、MR=最大報酬−MRRとしてMMIP201の総補償を定義する。AOS200が種々のMMIP201の挙動に関する過去のデータをAOD202に入力すると、これは、過去のアウトパフォーマンスに報いることにより、そのインセンティブ構造をよりインテリジェントに較正することができる。ここで、EFMプールのエンドユーザ投資家は、少なくとも3つの変数;即ち、(1)各担保資産(即ち住居)に起因するリターンの割合、(2)プールのキャッシュフローの分配を定めるEFM返済期間、及び(3)プールの額面(即ち、特定の割合の総プール値としての調達を考慮する申請の総価値)に対する各MMIP201の寄与に最も関心を持つ可能性が高いことになる。各MMIP201の業績と平均MMIP201に起因する業績との間の差は、1つの基準点のみを強調するために、AOS200が、以下の基本ケースアルゴリズムを用いてMMIP201の総補償への主要な入力である報酬調整因子(「RAF」)を見積もることができるようにする。
Figure 2008516350
式中、RORは、MMIP201のEFMに起因するリターンの割合を表し、Durationは、MMIP201の平均EFM保有期間を意味し、Valuationは、MMIP201がプールに寄与するEFMの総額面である。
Figure 2008516350
MMIP201の補償パラメータが計算されると、AOS200は、パーセント出力にEFMの額面を乗算し、申請者により支払われた初期オリジネーション手数料を計算する。同時に、AOS200は、上の等式(24)で求められたトレーリング・メトリクスをAServS300に伝達し、MMIP201に対して行う必要がある継続中の支払いの値を計算することができるようになる。
2.6 AOS200プロセス200/6
AOS200プロセス200/1〜200/5の完了後、AOS200は、リアルタイムでEFM申請の条件を成立させ、この情報をAOD202、最終的にはMMIP201を介してエンドユーザ申請者に送信する(MMIP201が申請者とAOS200との間を仲介すると仮定する)。AOS200はまた、申請固有データの全てをAWD210に電子的に送信し、承認された資産の属性の完全な記録を有するようにする。取引を成立させる状況では、申請承認時と取引終結時との間で貸し付けられた資金の額及び/又は担保資産(即ち財産)評価額の調整を行うことができるので、AOS200は、申請決済の日までMMIP201とインタフェースする必要がある。これらのパラメータの何れかに変更がある場合には、AOS200プロセス200/1及び200/2の有界最大化を再度実行し、結果をAOD202及びMMIP201に返送する。
取引決済日には、AOS200は、AWD210、ひいてはUGP211に引き出される必要がある資本の額に関する情報を直接伝達することにより金融資本の移転を容易にする。このデータを受け取ると、UCP211は、申請者に移転するための資金をリリースする。同時に、AOS200は、関連する決済データをAOD202、MMIP201、及びAWD210に送信する。この時点で、AWD210は、申請特性(例えば年齢、収入、クレジット記録、配偶者関係、住居タイプ、価格、大きさ、場所等)及び決済日に関する全ての情報を有する。最後のタスクとして、AOS200は、決済情報をIID102に伝達し、これによって、TIS100が申請が承認されるときに時系列でTID112を動的に精緻化することができる。上記のように、この連続的フィードバックループにより、承認された申請属性に関してTIS100にその投資選好を調整させることで、ターゲットポートフォリオ特性とEFM申請の実際の承認プールとの間のあらゆる発散が最小になる。
4.資産証券化システム(「ASS」400)
ASS400が、予め指定したパラメータ(例えば、AWD210及びTID112を参照することにより明らかになるように、特定の数又は値のEFMが調達されるか又は特定の時間期間が経過したとき)を介して自動的に、又はSMによる自由裁量に基づいて判断するときに、ASS400は、TID112及びAWD210とのそのリアルタイム電子インタフェースを用いて、実際に承認されたEFMの特性をTID112に含まれる更新された投資家選好(これらは、新しい情報がIID102に入力されると経時的に連続して精緻化されることを想起されたい)と比較する。次いで、ASS400は、一連の静的及び動的フィードバック及びフィードフォワード決定規則を処理し、TID112に保存されるエンドユーザ投資家の選好(例えば、異なるタイプの金融権をEFMプールに付加すること、基礎になるEFM契約のキャッシュフロー請求権を再構築すること(例えばその元本及び収入構成要素に入れる)、又は種々の能動的及び受動最適化手順を用いてプールを再構築すること(TIS100ターゲット方法の一部として上記で開示したものに類似する)に最も密接に一致するように承認されたEFMを含む投資プールの構造を最適化するために、もしあればどの措置が必要であるかを求める。これはまた、ASS400が、発生EFM資産をUCP211(このシナリオでは、比較的短期間の仲介に基づきAOS200にアンダーライティング資本を供給することになる)により制御された保管手段から第3者の投資家に販売されることになる最終投資ポートフォリオに移転する段階、或いは、更に単純な1段階の資本引当プロセス(アンダーライティング資本の元の提供者が、EFM資産を長期間にわたり保有することを意図する同じ投資家となる)の場合には、EFM資産がAOS200の資産選択プロセスの期間中に保有されている既存の投資プールの特性を単に較正する段階を含む。
誤解を避けるために、IID102、TID112、及びAOD202と同様に、AWD210は、電子リンクでAOS200及びASS400に接続されたコンピュータデータベースであることを明らかにする必要がある。上述のように、AWD210は、UCP211により担保として保有されている(当初はMMIP201により調達された)AOS200承認済み申請の全ての詳細事項を維持する。これらの特徴は、MMIP201により収集され、AOS200資産選択プロセスの一部として(通常はインターネットベースのインタフェースを介して)AOD202に入力される。承認されると、申請データは、集計及び必要に応じてその後に要素分解する目的で、AOS200によりAWD210に送信され、ここでEFMを再包括化し、その長期保有者に販売することができる。
AWD210内に収集され保存される特徴は、以下を含む。
(1)申請者の年齢;
(2)財産タイプ(例えば完全一戸建て、二戸一棟、又は連棟);
(3)保有権のタイプ(例えば自由保有権対賃借権);
(4)財産の住所;
(5)申請者の現在の収入;
(6)申請者のクレジット記録;
(7)EFMが先順位の独立モーゲージであるか、又はプライム利付ローンの劣後であるかどうか;
(8)EFMが、既存の住宅からグレードアップするため、又は世帯の現在のモーゲージを借換えるため、或いは消費目的でエクイティをリリースするために第1の財産購入に用いられたかどうか;
(9)適用する場合、プライム利付ローン及び金利のタイプ(例えば8.5%金利の標準変動金利ローン);
(10)適用する場合、プライム利付ローンに関するLVR(例えば50%、60%、70%);
(11)EFMに関するLVR(例えば10%、15%、20%);及び
(12)提案された財産の価値のある割合として表される申請者の保証金(例えば3%、5%、10%)
ASS400は、AWD210内に保存されるUCP211の限界及び/又はTID112に含まれる動的な投資家受理選好のような様々な決定規則に従ってAWD210を連続的に監視する。AWD210保存特性(例えばポートフォリオ分散化の最小レベル)が許容可能レベルに達すると直ぐに、上記に概説した証券化プロセスが始まる。ここで、上記で開示されたように、ASS400の最終ポートフォリオ構築アルゴリズムがIID102により供給される情報入力に基づきTID112に出力される理想的ポートフォリオ保有を生成するためにTIS100により用いられる手順の全てを含むことは、この場合もやはり何も意味がない。
証券化プロセスが完了すると、ASS400は、関連するEFM契約データの全てをAWD210及び資産サービシングデータベース(「AServD」)302から資産管理データベース(「AMD」)502に移管する。同時に、ASS400は、EFMを短期仲介に基づいて保有する場合には、証券化事象により得られる受取額によりUCP211の報酬を決定する。
5.資産サービシングシステム(「ASS」300)
AServS300は、その期間中に基礎になる契約管理要件の全てを担い、次いで、該要件は、第3者の資産サービシング情報提供者(「ASIP」)301に外部委託される。これらの要件は、AMS500により要求される契約条件に対する変動を処理する段階と、最初及び後続のモーゲージの借換、不履行事由、期限前償還、財産の修復、MMIP201に支払われた継続中の手数料運営、及びAMD502と共にエンドユーザ投資家までの返済キャッシュフローの処理を管理する段階を含むことができる。契約サービシング事象に関するあらゆるデータは、ASIP301によりAServD302に伝達され、次いで、その詳細事項をAServS300に中継する。次に、AServS300は、保管期間中のAWD210と、契約が第3者に販売されたときのAMD502との両方とインタフェースする。AMS500が、EFMの条件(例えば、満期日、資本増価請求権、資本減価請求権、及び/又は期限前償還条項)を調整することを決定すると、この情報をAServD302を通じてAServS300に送信し、次いでAServS300が命令を実行する。同様に、AMS500又はAOS200の何れかがMMIP201に支払われるトレーリング・コミッションを調整することを望む場合、これらは、直接措置のためにAServD302を通じてAServS300に伝達されることになる。AServD302はまた、AMS500からプール評価額情報を受け取り、これがMMIP201のトレーリング・コミッション情報と組み合わされ、MMIP201が特定の割合の継続中のプール評価額に基づき確実に報酬を得ることができるようにする。
6.資産管理システム(「AMS」500)
総合システム600のこの最終構成要素は、証券化EFMプールのリスク−リターンプロファイルを最適化する。上述のように、これらのプールは、当初、TID112に示された選好に従ってAOS200及びASS400を介して調達されて構築されたが、経時的に連続して最適化され、末端投資家に最大の有用性を保証する。初期期待値と比べて各投資プールの業績を正確に測定するため、及び基礎となる契約期間に対する変化又はオープンエンド型資金に導入される資産の新しいトランシェの局面の何れかに関してAMS500が実施できるものと実施できないものとに対し適切に制限を加えるために、投資マンデート(以下「IM」)は、IID102により供給される選好及びIMIP501から受け取られるフィードバックに基づいてAMS500により設計され、AMD502により保有されることになる。
IMは、何らかの特定の地理的領域、消費者コーホート又は住居タイプ、及び資産の新しいトランシェを加えることができる手順に対してプールが有することができる最大エクスポージャに制約を加える。IMはまた、消費者の資本コスト(実際には、担保資産の見込み価格の増価及び減価に対するEFMの請求権を介して内包される)に対して起こり得る変化の性質、及びこのような変化が起こり得る特定の状況に関して厳密な限度を設ける。AMS500により計算されると、IMの詳細事項は、AMD502に供給され、そこでAMS500がIMと動的にインタフェースし、そのパラメータを関連する流通市場のメトリクス(例えば、プールの価格、取引高、変動率、地理的重み、利回り等)と比較することができる。AMS500がこれらのパラメータ間のあらゆる重大な発散と、IM内に設定される最大認容可能限界を決定付ける予め指定した閾値を越える差違とをその動的決定規則を用いて観察する限りでは、AMS500は、特定の是正措置を実施する権利を有することができる。
これらの措置を行うために、行う必要がある調整の大きさを決定するにはフィードバック制御機構が必要である。業績期待値又はターゲットを有する各プール特性に対して、AMS500は、ターゲットと実際の特性との間の誤差を最小にするようシステムを制御する。ターゲット特性は、プールの利回り、資本の成長、相対業績、総リターン、取引高、変動率、相関関係、共和分、長期的分散化及び消費者又は資産固有属性を含む。フィードバック制御を規定することになる式は、現在の誤差の割合、過去の誤差の割合、及び最新の誤差間の差を用いることに基づく。この誤差フィードバック制御アルゴリズムの性質は、上記(5)に概説したものと同様であり、以下のように構成される。
Figure 2008516350
式中、全ての記号は、上記の式(5)と同様に解釈される。この式は、現在の申請者を選別するためのTID112から導出されたターゲットポートフォリオ属性;MMIP201からの入力属性に応答する契約条件の動的価格決定;及びMMIP201が期待値及び広告プログラムに従って契約を発行するよう動機付けする構造にされた事前報酬ストラテジーを変更するのに用いられ、これらの全ては既に詳細に考察された。これらの調整は、各ターゲット属性に対してパラメータKP、KI、KD、τI及びτDを較正し、制御変数特性の誤差が経時的に最小となるのを確保することに基づくことができる。従って、AMS500は、プロセス制御の高度なモデルを用いることで、調整パラメータ値が理論的に求められ、或いは経験的調整と理論的調整との組み合わせにより求められる。
AMS500はまた、AMS500の措置又は消費者の動作の何れかによってプールにおける投資家の行動が変化することになる方法モデルを開発するフィードフォワード制御を用いる。一例として、1つの特定の領域での利回りプロファイルが、TIS100により当初予想されたものと一致しない場合には、AMS500は、AServS300に対して(AServD302を介して間接的に)、特定のクラスの世帯(例えば第1回目の買手)の間で有限の時間期間にたいするEFMの資本コストを低減させ、より高度な取引活動を促すように指示する。その継続中のポートフォリオ管理責務の一環としてAMS500が修正可能な主要EFM条件は、限定ではないが、EFMの資本コスト(即ち、上述のX:Y:Z関係);最長期間;修復条項;借換条項;期限前償還条項;及び解約ペナルティを含む。
ここで、AMS500が機能する方法に影響を及ぼす広範囲のポートフォリオ構築及び投資管理問題の幾つかを考える。
投資家は、最初の要求事項をIID102(従属システムのカスケードとインタフェースを介してこれらを実行する)に提出すると、能動的対受動的エクスポージャ、プールの利回りプロファイル、租税負債の発生、及び上記に説明した長期的な(すなわち時間)分散化のような主要なポートフォリオレベルの特性に関する多くの特定の選好を伝達することになる。その結果、これらの仕様は、証券化プールの現在及び将来の構造に対する影響がある。例えば、プールは、クローズエンド型又はオープンエンド型とすることができ、債務及び/又は他の特殊金融商品を発行することによりレバレッジを導入することができ、流通市場参加者の選好を更に正確に反映する補助証券に再構築することができる。次に、AMS500が実施できる動作のタイプの関連の範囲内で、1次課税、利回り及び分散化の考察を説明する。
6.1 税の構築
殆どの管轄区域において、資本勘定から発生する金融損益と、収入勘定から発生する損益との間には、課税目的において付けられる明白な区別がある。あるものと他のものの処理に差違がある場合には、国際的マクロ経済理論での取引からの利得の関連においてほぼ同じように存在する潜在的な比較優位性がある。EFMの初期証券化がASS400の下で行われると、直ちに、直接IID102を通じて伝達された種々の税顧客の期待値、及びIMの下でAMS500が利用可能にされる条項に従って更に細分化される可能性がある。
例証として、単一のEFMの場合を取り上げる。基礎となる住居が売却されると、契約のペイオフは、元本のリターンとして投資家に発生し、資本勘定(住宅所有者に最初に貸し付けられた総額)に課税の目的で取られる要素と、収入として投資家に発生し、収入勘定に取り上げられることになる住宅の価格増価又は減価(基礎となる資産の業績に応じて)とを含むことになる。様々な理由から、投資家によっては、ある形態を他の形態よりも好む相対的選好を有する。AMS500は、固有の租税構造を有するこれらの選好を満足し、これによって投資家市場の多額の資本を集め、従ってAOS200を介して消費者が利用可能な継続中の資金額を増大させ、殆どの住宅所有者が直面する負担を軽減するように総合システム600の能力を改善することが望ましい。AMS500がこのプロセスを促進するための最も簡単な方法は、直ぐ上で概説した金融利得(又は損失)の2つの発生源により各EFMに付随する権利を分割することでその権利に別の(法的な)再構築を行うことである。これは、IMにより許容可能であり、適切な信号がIID102から受け取られる場合にAMS500に利用される自動化手順である。次に、異なるセットの金融請求権が、完全に別個の証券として構築され、即ち、1つは、元本の全てのリターンに対する権利を有し、もう1つは、契約に関して発生する増価又は減価に対するよりリスクの大きな権利を有するものである。あるものを他のものよりも好む何らかの相対的選好が存在する限り、これによって内部相互補助が可能にされ促進され、AOS200が消費者に供与することができる資金の量が増大する。
おおよその実施例を介して説明すると、投資家191Aは、両方のセットの金融権(即ち、元本、増価及び減価)に対する請求権を有していた担保に100ドルしか支払う意思がない可能性があるが、投資家191A及び191Bは共に、その相対的選好及び状況によっては同じ組み合わせパッケージに対して合計で105ドル支払う意思がある。これにより、総合システム600を通じて資金を調達することが容易になり、このようにすることにより、これら2つの本質的に異なるグループを集めて、エクイティ資本を提供する目的が達成される。これらの補助構造に影響を及ぼすのにAMS500が用いるアルゴリズムは、以下の通りである。
TID112下のバンドルされた投資選好を考察し、この目的のために2つ存在すると仮定し、これらをA及びBと名付ける。各々に伴う税率をそれぞれACGT及びBCGTとする。同様に、所得税の実効税率を同様の方法でAIT及びBITとする。すると、
CGT−BCGT>X(式中、Xは正の実数)、且つ
IT−ACGT>Y(式中、Yは正の実数)
であれば、AMS500がAMD502に命令を送信し、担保を上記で概説した補助証券に分割するようにする。
さもなければ、
CGT−BCGT>X’(式中、X’は正の実数)、且つ
IT−BIT>Y’(式中、Y’=X’+Z、Zは正の実数)
であれば、AMS500がAMD502に命令を送信し、担保を上記で概説した補助証券に分割するようにする。
さもなければ、このプロセスを迂回する。
最初の証券化後、IID102に提示される理想的な租税構造(例えば規制上の変更の観点で)に関するあらゆる将来の選好は、AMS500により動的にレビューされ、該選好が、適切な閾値をトリガすると共に、IMにより規定される制約を満足する場合には、これらの選好に基づいて、ASS400による将来のプールの要素分解に関する命令がAMSからIID102に返送される。
6.2 利回りプロファイル
「利回り」という用語は、経時的に長期保有者に対してプール又は同様の投資手段により行われる現金支払いを意味するのに用いられる(技術的には、これは、現金支払いを資金の値で除算したものとして記述することができる)。全体的に高利回りであるか又は特定の時期に高利回りであるのを好む投資家もいれば、別の方法を好む別の投資家もいる(即ち、支払いがプールにより再投資され、そのリターンがプールの価値の上昇という形態で得られるのを好むことになる)。同様に、変動が少ない利回りを好む投資家もいれば、おそらくは彼らが受ける他の負債に一致する特定の時期の特定の利回りを好む投資家もいる。当然、課税を考慮することにより生じる利回りの選好と、将来の現金受け取りのタイミングに関する期待値によって純粋に動機付けされた利回りの選好とは区別する必要がある。
比較的単純な実施例を挙げると、適合する年金を支払う年金資金には、その投資管理事業の収益がユニット保有者(例えば年金受給者)に対するその負債に一致するキャッシュフローの安定した予測可能な流れが必要とされている。これらの資金は、投資期間にわたって利回りが安定していることを好む傾向がある。これとは対照的に、基礎となる証券に支払われる現金分配(退職年金資金に管理される手許の受領高)は、推定されるように途中の取引コストを負担して再投資される必要があり、必ずしも同等の業績特性を有する資産クラスである必要はないので、当面の負債がない退職年金資金は、皆無かそれに近い利回りをかなり強く好む可能性がある。この状況で利回りが高いことは、重大な業績漏損と見なされる。証券化事象の直前のASS400のプール構築において、及びその後、この場合の責任の負担がAMS500にかかる流通市場ポートフォリオレベル時点における両方で総合システム600がこれらの問題を処理することができる幾つかの方法が存在する。
おそらく、2つの分岐点のうち何れかにおける利回り選好に一致する最も明白な実施例は、ASS400又はAMS500の何れかが、領域の本質的に異なる両端部に利回り選好を有する2つの当事者間のストレートスワップファシリティ(straight swap facility)を提供するものである(この措置は、IMにより決定されるように、当然、IID102を介してASS400又はAMS500に供給された元の投資家情報の完全性、及びこのような動作を行うようにAMSに課されたあらゆる制約に基づくことになる)。明らかに、ある投資家が利回りを好み、別の投資家が資本利得を好む場合(課税以外の理由で)には、この2者が相互に合意可能な価格に達することができれば、入手した取引から利得が得られる。これを行う1つの方法は、ASS400又はAMS500が、1人の投資家から別の投資家への単純な移転を処理し、これによって、利回り選好を有する投資家191Aは、資金内で他の投資家191Bの基礎となるユニットの一部を交換(「スワップ」)する代わりに、この他の投資家191Bから利回りを「獲得」することになる。利回り選好の取引を行うかどうかを体系化することに関して、以下の決定段階をとることができる。
YieldA−YieldB>Xならば、投資家191A及び191Bに対し資本スワップの配当を提供する。式中、YieldA及びYieldBは、投資家191A及び19IBの利回りの選好であり、Xは差分選好許容パラメータである。
プールの期間にわたって比較的安定な利回りを好む投資家において、利回りが低いときに長年にわたり利回りを高くする合理的で簡単な機構は、利回りが高くなったときに返済することができる債務(又はレバレッジ)を導入することによるものである。この場合も同様に、AMS500がこのような企図を実施する能力は、IMによりAMSに課されたあらゆる制約に基づく。IMが、許容可能な債務−エクイティ比を規定すると仮定すると、AMS500が、経時的にプールの分配を円滑にするように導入するようASS400に指示することができる種々の形態の債務がある。いずれの場合も、プールは、利回りが低いときには、効果的に債務提供者から借り入れて何年かでエクイティ参加者に支払い、利回りが比較的高いときに債務プラス利子を後で折々に返済することに同意する。エクイティ投資家が、リスクが大きすぎることはレバレッジの増大に起因すると考えない場合には、彼らの選好により一致するようにAMS500及びASS400にキャッシュフローを再処理させるプロセスは、著しく値を増大させる。上記を定式表現すると、
(ターゲット利回り)−(実際の利回り)>X(式中、Xは投資家の許容値である)
であれば債務を導入する。導入される債務金融の量は、投資マンデートにより境界付けられる。導入される債務金融のターゲット量は、(期近ターゲット利回り−実際の利回り)=0を確保するのに十分である。極めて簡単な実施例を示すために、単一のプールが1つのEFMのみを含み、このEFMの基礎になる住宅が、2年のうちに販売されることが知られていると仮定する(十分に分散され統計的に十分大きなプールで、将来の売却のタイミング及び価値を予想する能力が高い)。また、第1日目の契約額面が100ドルであるとする。2年の終わり時点では、契約により元本の100ドル及び増価の20ドルが相当な確度で戻ると仮定する。1年の終わり時点で、レバレッジがないクローズドエンド型プールは、ゼロ利回りを返済することになる(即ち、その年の終わりに投資家に配当を支払うことにならない)。ここで、以下の別のシナリオを考える。1年の終わりには、プールは、1年間で返済可能な10%/年の率で債務として5ドル借り入れる。これは、5ドルを配当として投資家に渡す。2年の終わりでは、プールは、5.50ドル(0.50ドルの利子)を戻し、投資家に残りの114.50ドルを支払う。債務を導入することで、この2年間にわたって利回りが円滑になったのが分かることは難しくない。
債務をプールに導入することができる別の方法は、単に第1日目に借り入れて、より多くの資産を購入することによるものである。債務のコストが、基礎となるプールにより発生する総リターンよりも小さいと仮定すると、このようなアプローチは、その有用な期間にわたってプールの期待される利回り(及び資本増価)を増大させる。この手順は、上記に概説した機構と組み合わせると、投資家がこのようなことについての選好を示すときに、プールの利回りを引き上げて円滑にすることができる。
また、基礎になるEFM契約に基づく一連のデリバティブ商品はまた、ASS400又はAMS500により処理することができる。上の簡単な実施例と殆ど同様に、これにより投資家のものになるキャッシュフローは、彼らの選好をより支持するように構築することができる。例えば、利回りに伴う変動率に関するリスクを負うことを望まない投資家は、ASS400又はAMS500が仲介サービスを提供する第3者機関との「固定変動(fixed−for−floating)」スワップを結ぶことができる。即ち、外部デリバティブ提供者は、利回りの変動に伴うリスクを負い、プールの基礎になる投資家(元本の全てのリターンに対する権利を留保する)に固定利回り/期間を支払う用意がある。何らリスクを負いたくない投資家は、「トータルリターンスワップ」を結ぶのが有利と考える可能性がある。これらの商品は、他の基礎になる資産を取り扱う金融市場では公知であるが、パッケージEFMを含む金融証券に関しては未だ開発されていない。トータルリターンスワップの一般的な経済用語は、極めて単純である。1人の当事者が、価格に対するリターン、すなわちカウンターパーティに支払われるリターン(これは一般に期待リターンより少なく、この差が、全てのリスクを負うことに同意した第1の当事者のものになるプレミアムである)に伴うリスクの全てを負う。
要約すると、投資家の利回り選好は、より効率的な租税構造が開発されたものと同様に、これらのシステムをAMD502、IID102及びTID112とインタフェースすることによりASS400及びAMS500で処理される。しかしながら、上記の課税方法の場合のように金融権を分割するのではなく、新しい金融請求権(例えば債務)を種々の段階でプールに加え、投資家の希望に応じるようにする。これは、証券化の直前に行うこともでき、この場合、取引は、ASS400により独占的に管理され、或いはこの日付の後で行うこともでき、この場合、取引は、何らかのIM制約に従ってAMS500に中継される命令により動機付けられる。
6.3 長期分散化
AMS500により管理されるプール内の投資家が得る分散化の利益は、ひとつには、資産選択及び証券化プロセスを介して具体化されるが、資産の新しいトランシェを連続的に選択可能に導入することにより、オープンエンド型フレームワークで得られる潜在的にかなりの利得が存在する。この点に関して得られる利益は、2要素からなる。即ち、(1)単にプールの大きさが大きくなることによる横断分散化(3つの次元でプールのリスク―リターンプロファイルに影響を及ぼすことになり、即ち、(i)基礎になる財産の数及びタイプ(例えば、一戸建て、二戸1棟、及びアパート);(ii)世帯の数及びタイプ(例えば、第1回目の買手、中年の居住者、及び高齢の住宅所有者);及び(iii)これらの世帯とその財産が位置する地理的領域(例えばシドニー、メルボルン、ブリスベーン、アデレード、及びパース)の数である)と、(2)異なる時間期間中に資産の新しいバンドルをオリジネーションすることによる時系列分散化(例えば、1年目に、ASS400が10,000のEFMをオープンエンド型プールに入れることができ;2年目に、AMS500がASS400に更に10,000の契約(従って10,000の財産)を加えるように命令することができ;3年目に、このプロセスを継続することができる、以下同様)である。このような状況では、特定の1年(例えば1年目)での投資家の財産増価額への依存性は、次の期間(例えば1、2、3,...,N年目)に発生した資産の新しいトランシェを継続的に加えることにより実質的に軽減される。
TIS100にリンクされ、更にこのシステムを通じてTID112にもリンクされたIID102によって、投資家がその広範な投資方式(例えば、オープンエンド型又はクローズエンド型、更に、彼らが横断及び時系列分散化を好む範囲)を選択することが期待される。一方、特定のクラスの投資家には、事実上、彼ら自身の個人ポートフォリオを構築し、種々の住居のタイプ、消費者コーホート及び地理的領域に対しプールの特定重みを決定する機会がある。資金運用業界では、これは、「専門家」卸売投資マンデートと類似していることになり、この場合、投資手段の特性が、1つの特定の機関の選好に合うように特別にカスタマイズされている。この主題は、本出願のTIS100の考察でより詳細に説明した。
IID102を通じて、継続中の時系列分散化の選好を提示した投資家に対しては、彼らの最初及び最新の選好がこのデータベースに保存されて、TID112に伝達され、これが直接AMS500とインタフェースする。既存の流通市場プールの投資家が、彼らの資金に加えられる資産の新しいトランシェを望む場合には、AMS500は、同じ処理を通じてこれらの期待値を学習し、次いで、投資家の指示をASS400を通じて送信し、契約の追加パッケージが、単に新しい構造又は手段に配置するのではなく、現在のプールに導入されるようにされる。上記と同様に、AMS500の動作は、AMD302を通じてインタフェースするIMにより課されるあらゆる制約により境界付けられることになる。AMSが使用してこれらの選好を実行するアルゴリズムは、以下の大まかなラインに沿って構築することができる。
TID112を検索し、
長期分散化選好=「はい」であれば、
AMD502の長期分散化選好を検索し、AMD502を既存のプール(同様にAMD502のセルに保存されている)に出力する。
さもなければ、長期選好=「いいえ」であれば、
プロセスを迂回し、ループを行う。
頭字語のまとめ
AMS 500 資産管理システム
AMD 502 資産管理データベース
AOD 202 資産オリジネーションデータベース
AOS 200 資産オリジネーションシステム
AServS 300 資産サービシングシステム
AServD 302 資産サービシングデータベース
ASIP 301 資産サービシング情報提供者
ASS 400 資産証券化システム
AWD 210 資産保管データベース
IID 102 投資情報データベース
IIP 101 投資情報提供者
IMIP 501 投資家市場情報提供者
MMIP 201 モーゲージ市場情報提供者
TID 112 ターゲット投資データベース
TIS 100 ターゲット投資システム
UCP 211 アンダーライティング資本提供者
図2、図3及び図4に関して上記で説明したこの方法及びプロセスは、図5に示すような従来の汎用コンピュータシステム60を用いて実施するのが好ましく、このプロセスは、コンピュータシステム60内で実行されるアプリケーションプログラムのようなソフトウェアとして実装される。詳細には、プロセスの各段階は、コンピュータにより実行されるソフトウェアの命令により行われる。ソフトウェアは、2つの別個の部分;すなわち、1つの部分は、特定のプロセスを実行するためのものであり、もう1つの部分は、ユーザとの間のユーザインタフェースを管理するためのものに分けることができる。ソフトウェアは、例えば以下に説明する記憶装置を含むコンピュータ可読媒体内に保存することができる。ソフトウェアは、コンピュータ可読媒体からコンピュータにロードされ、次いで、コンピュータにより実行される。このようなソフトウェア又はコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラム製品である。コンピュータにおいてコンピュータプログラム製品を用いることで、本発明の実施形態を実行するのに有利な装置をもたらすことが好ましい。
コンピュータシステム60は、コンピュータモジュール61と、キーボード62及びマウス63などの入力装置と、プリンタ65及びディスプレイ装置64を含む出力装置とを備える。コンピュータモジュール61により変復調装置(モデム)送受信器16が用いられ、例えば電話線81又は他の機能的媒体を介して接続可能な通信ネットワーク80との間で通信する。モデム76を用いて、インターネットと、並びにローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)、或いは各々が固有の対応するモデム176、276、...976、等を備え、各々データ入力端末162、262、...962、等を有する他のコンピュータ160、260、...960のような他のネットワークシステムとアクセスすることができる。コンピュータ160〜960の各々は、例えばMMIP201により操作される。
コンピュータモジュール61は通常、少なくとも1つのプロセッサユニット65と、例えば半導体ランダムアクセスメモリ(RAM)及び読み出し専用メモリ(ROM)から形成されるメモリユニット66とを含む。ビデオインタフェース67と、キーボード62、マウス63及び任意的にカードリーダ59用のI/Oインタフェース73と、モデム76又は任意的にカメラ77用の別のインタフェース68とを含む、入力/出力(I/O)インタフェースがある。記憶装置69が設けられ、これは通常、ハードディスクドライブ70及びフロッピードライブ71を含む。磁気テープドライブ(図示せず)も用いることができる。CD―ROMドライブ72は通常、不揮発性のデータソースとして設けられる。コンピュータモジュール61の構成要素65〜73は通常、相互接続バス64を介して、当業者には公知のコンピュータシステム60の従来の動作モードを生じるように通信する。実施形態を実施することができるコンピュータの実施例は、IBM―PC及び互換品、Sun Sparcstation、又はこれから発展させた同様のコンピュータシステムを含む。
通常、好ましい実施形態のアプリケーションプログラムは、ハードディスクドライブ70上に存在し、プロセッサ65により実行されるときに読み出され制御される。プログラム及びネットワーク80からのあらゆるデータの中間記憶装置は、場合によってはハードディスクドライブ70と協調させて、半導体メモリ66を用いて達成される。幾つかの実施例では、アプリケーションプログラムは、CD―ROM又はフロッピーディスク上にエンコードされ、対応するドライブ72又は71を介して読み出され、或いは、モデム装置76を介してネットワーク80から読み出される。更に、ソフトウェアはまた、磁気テープ、ROM又は集積回路、光磁気ディスク、コンピュータモジュール61と別の装置との間の無線又は赤外線送信チャネル、PCMCIAカードのようなコンピュータ可読カード、並びに電子メール送信及びウェブサイト上に記録された情報を含むインターネット及びイントラネット、及び同様のものを含む他のコンピュータ可読媒体からコンピュータシステム60にロードすることができる。上記は、関連するコンピュータ可読媒体の単に例示に過ぎない。本発明の範囲及び精神から逸脱することなく他のコンピュータ可読媒体が実施可能である。
コンピュータシステム60の目的が、出力インタフェース(例えばディスプレイ装置64又はプリンタ65)に印加されたときに、情報を伝達し、人が判読可能又は理解可能な1つ又は複数の指標を生成するデジタルエンコード電気信号(図6に示すようなもの)を生成することであることを見失ってはいけない。例えば、図6に示される電気信号は、2進コード信号01001であり、ディスプレイ装置64又はプリンタ65に加えられると、指標9が表示又は印刷される。
或いは、このプロセスは、該プロセスの機能又は従属機能を実施する1つ又はそれ以上の集積回路のような専用ハードウェアに実装することができる。このような専用ハードウェアは、グラフィックプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、又は1つ又はそれ以上のマイクロプロセッサ及び付随メモリを含むことができる。
上記は、単に本発明の1つの実施形態を記載したものであり、本発明の範囲から逸脱することなく金融及びコンピュータ分野の当業者には明らかな修正を行うことができる。
本明細書で用いる用語「備える」(及びその文法的変形)は、「含む」又は「有する」といった包括的な意味で用いられ、「のみからなる」といった排他的な意味では用いられない。
添付資料1
ポートフォリオシミュレーションコードの実施例
以下は、SASとして知られる統計ユーティリティ内でTIS100により用いられるポートフォリオシミュレーションコードの実施例である。以下のより複雑なコードの準備として、最初に、ある汎用コードを調べることにする。平均MU及び分散S2の正規変量Xをこのコード:x=MU+sqrt(S2)*rannor(seed)を用いて生成することができ、平均exp(MU+S2/2)及び分散exp(2*MU+2*S2)―exp(2*MU+S2)を有する対数正規変量Xは、このコード:x=exp(MU+sqrt(S2)*rannor(seed))を用いて生成することができ、コードの「rannor(seed)」成分は、SASの乱数発生演算である。
Figure 2008516350
下のコードは、国の各個々のSLAに対するターゲットポートフォリオ重みを含むデータセット「new2」を生成する(即ち「sla105051100」は、フィールド名であり、その値「0.0028363554」は、その特定のSLAのターゲット重みである)。各ターゲットポートフォリオ重み付近では、TIS100は、ユーザ定義の平均及び分散のランダム対数正規分布を生成することができる。下に示すこのコードにより、分散がvar=0.0000000625の各平均/ターゲットポートフォリオ重み付近では10,000の繰り返しが生じる((x<=10000)の間行う)。小さい平均であるものの付近に十分な分散を生じさせるように、選択された分散は小さい。アクア(aqua)中の全ての値は、ユーザ定義のものであり、その結果変数である。TIS100モデルに加えた複雑性は、ポートフォリオ理論が、ポートフォリオ重みの合計を1に等しくすることが必要であることである。現在、住宅不動産に関する別の1つの制約は、個人が、ショートポジション(即ち負の重み)を保有することができないことである。シミュレーションにおけるこの構成要素を幾らか上回るために、TIS100は、1つのSLA、残りのSLA「sla805406719」を選択し、ポートフォリオ及び住宅不動産理論を満足させるようにする。このコードでは、全てのポートフォリオの重みの合計が1になるまで分配が生じず、SLAの「sla805406719」に対して生成された繰り返しが、あるユーザ定義のテール分布により境界付けられ、この場合「0<z805406719<0.002836355」である。これらの数は、SLA「sla805406719」が、0.0002832844付近に分布するはずであると仮定して選択され、従って、指定された境界により、実施可能な値の大きな分布が得られる。
その結果、計算した重みは、ポートフォリオリターン及び分散の計算に入力され、この場合、10,000である。






























Figure 2008516350

Figure 2008516350

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Figure 2008516350

Figure 2008516350








































添付資料2
TIS100ターゲットポートフォリオ出力の実施例
Figure 2008516350
添付資料3
エクイティ金融モーゲージ契約の実施例

[貸し手名]
ABN[ ]

ローン契約書

一般条項

[月]2005年

本契約について
本契約は、2つの書類、即ち「詳細事項」及びこれらの「一般条項」から構成される。これらは併せて読む必要がある。

乙が「詳細事項」の申込みに署名し、この申込みを甲が受理した場合に限り、本ローン契約書類は甲を法的に拘束するようになる。

ここに印刷された用語及び他の何らかのキーワードの意味は、これらの「一般条項」の終わりに説明する。

目次 ページ
ローン額取得要領
1 ローン額貸付要領 1
2 最初に行う必要があること 1
支払義務及び期日
3 支払義務 1
4 返済 1
5 他の金額 1
増価支払及び減価割引
6 増価支払を支払う要件 2
7 減価割引に対する権利 2
8 増価支払及び減価割引の計算 2
9 改良 4
10 財産評価 5
早期返済
11 早期返済 6
不履行
12 乙が不履行となる場合 6
13 次に起こり得ること 7
14 延滞利息 7
一般事項
15 消費者信用法典 8
16 ローン勘定の開設及び会計上の取引 8
17 同意事項 8
18 甲の権利行使方法 8
19 空欄 9
20 甲の証書 8
21 譲渡 9
22 通知、他の連絡及び文書のサービス 9
23 変更 9
24 準拠法 10
25 用語の意味 10
別表1 「1/2/1規則」運用方法 13
別表2 改良の控除例 16
提案される信用貸し契約に関して知っておくべき事柄 18

[貸し手の名前]
ローン契約書
一般条項
ローン額取得要領
1 ローン額貸付要領
1.1 甲は、乙が要求した時点でローン額を乙に貸し付けることに合意する。ローン額は、1回の振出しでのみ利用可能である。ローン額を他者に支払うことにする旨が詳細事項に示されている場合を除き、乙又は乙の代理人による指示通りに甲は乙に金銭を支払う。
2 最初に行う必要があること
但し、甲は、以下の場合にのみ貸し付けるものとする。
(a)甲が以下のものを受領し、甲が満足する形である場合
・全ての担保及び関連文書
・甲が要求する全ての保険(火災及びオールリスク、一般賠償責任保険及び区分所有権保険など)の証拠書類
・甲が要求するあらゆる報告書、評価又は査定結果
・甲が合理的に要求するあらゆる他の文書又は情報(不動産所有権調査、計画証書、財産徴用に対する回答、並びに担保及びあらゆる他のモーゲージ権者に基づく甲の利息を規制する優先権契約書を含む)
(b)乙が、本契約に基づく不履行がなく(例えば、乙が全ての関連料金及び手数料を支払い、甲に誤解を与える金融又は他の情報を与えない)、担保を提供する者が当該担保に基づく不履行又は引出し撤回がない場合
支払義務及び期日
3 支払義務
乙は、甲から借入れた総額及び第5節及び第6節の他の額を返済するものとする。
4 返済
返済期日
4.1 乙は、返済期日に負債総額を支払うものとする。
4.2 返済期日は、以下のうちの最も早い日である。
(a)独立当事者間の善意の取引により乙の財産の権益の全てを移転又は譲渡する日
(b)当局が財産の全部又は一部を回復又は強制収用する日、又は
(c)登録日から25年目の応当日、又は
(d)乙が死亡(又は、財産の共同権者が2人又はそれ以上である場合には、乙のうち最後の人が死亡)した場合、以下のうち何れか最も早い日。
・乙の死亡後の財産の次の移転又は譲渡の日、又は
・乙の死亡(又は乙のうち最後の1人が死亡した)後の12ヶ月後の日
乙は、上記(a)又は(b)に記載した事象の発生後直ちに、或いはこのような事象が発生する可能性が高いと信じるだけの合理的根拠があるときには直ちに甲に通知することに同意する。

5 他の金額
違反の場合、強制執行費用は、本契約又はあらゆるモーゲージもしくは他の担保に基づき支払い可能とすることができる。
支払うべき他の額
5.1 乙は、甲が、以下を求める場合に甲に支払うものとする。
(a)「詳細事項」に示される状況における全ての手数料及び料金、並びに乙に通知された変更又は新規のあらゆる手数料又は料金;
(b)関連法に従って計算された、本契約に基づく受領又は引出しに関する公的料金及び税に等しい額。本債務に縛られることなく、乙は、信用業務に課された印紙税を支払わなければならない(クィーンズランド)。これらは、乙がこうした料金及び税に対し優先的に責任を負うか否かに関わらず支払うべきである。;
(c)乙が担保に基づくあらゆる要件に従うことができない結果として、甲が承認作業を含むあらゆる作業を引き継ぐ場合に甲が費やしたあらゆる額;
(d)あらゆる作業に関連して同意を取り、監視し、又は他の措置を講じるための甲の妥当な費用;及び
(f)甲が求める場合、乙の不履行後に本契約又は担保を執行する際に甲が正当な理由で負担するあらゆる妥当な費用
(これは以下を含む。(i)モーゲージの場合、財産に対する保険、地方税及び国税を支払うことなどにより、財産を保存し維持するのに負う費用;及び
(ii)甲の職員及び設備の利用)
これらの支払いは、後でその金額を支払う必要が無かったことを甲が発見した場合(例えば、乙が抵当不動産に対する保険を更新したが、このことを甲に通告せず、甲がその後同じ財産に対して保険に入った場合)でも、甲がそれを支払うべきであるか、又はその可能性があると合理的に認めたことによって甲が支払うあらゆる額を含む。
手数料及び料金の変更
5.2 周知の範囲で、開示日現在での手数料及び料金の金額を「詳細事項」に示す。
乙に(書面で又は新聞広告で)事前通知することにより、甲は、あらゆる手数料又は料金の金額又は支払い頻度を変更することができ、新しい手数料又は料金を課すことができる。公的手数料及び数金の変更の一部は、甲ではなく政府により公表される。
現在の手数料及び料金に関する情報は、要求があり次第、甲から入手可能である。
増価支払及び減価割引
6 増価支払を支払う要件
乙は、返済額が登録額よりも高い場合には、増価支払を支払うものとする。
7 減価割引に対する権利
7.1 返済期日の査定額が登録額よりも低い場合には、乙は、第8節に記載する「1/2/1規則」に従って総負債額を減価割引で調節させる権利を得ることができる。
7.2 乙は、返済期日前に負債総額を前払いする場合、又は、第13節に基づき負債総額が直ちに支払い期限となる場合、減価割引の権利は得られない。
8 増価支払及び減価割引の計算
8.1 甲は、乙が不履行でない限り、本契約に基づき甲が乙に貸付けた額に対する利息を乙に課さない。乙が不履行の場合には、甲は乙に本契約において指定した額に対して延滞利率で利息を課す。
8.2 総負債額は、以下のことに応じて当初のローン額から増減する場合がある。
(a)財産の登録額と返済額との間の差、及び
(b)他の何らかの金額を支払うことが必要となったかどうか(例えば乙が不履行した場合)
8.3 乙が負債総額を支払うときに、「1/2/1規則」に従って乙が減価割引を受ける権利を得ていない場合には、乙は、第8.5節に記載した「1/2/1規則」に従って増価支払を支払うものとする。
8.4 乙が、第11節に基づき早期返済を選択する場合、又は負債総額が、第13節に基づき直ちに支払期限となる場合には、別の規則すなわち第8.9節に記載される「1/2/0規則」を適用する。乙は、依然として「1/2/0規則」に基づき増価支払を支払う必要があるが、減価割引には適格とならない。
8.5「1/2/1規則」は以下のように運用する。
(a)返済額が登録額より大きい場合には、乙が支払わなければならない増価支払は、登録額に対するローン額の比率に返済額と登録額との間の差を掛けたものの2倍である。
(b)返済額が登録額より小さい場合には、減価割引は、登録額に対するローン額の比率に登録額と返済額との間の差を掛けたものに等しい。

ローン額が登録額の20%と仮定する(言い換えると、モーゲージは、登録日のローン−財産額比率が20%である)。「1/2/1規則」を適用すると、乙は、以下の3つの代替シナリオを反映するように調節された、甲が最初に乙に貸し付けたローン額を返済期日に甲に支払うことを要求されることになる。
(a)財産の返済額が登録額よりも大きい場合には、乙は、ローン額プラス財産価値の増大の40%に等しい増価支払を甲に支払うものとする。
(b)乙の財産の返済額が登録額よりも小さい場合には、乙は、ローン額から財産価値の減少の20%の減価割引を引いたものを甲に支払うものとする。又は
(c)乙の財産の返済額が登録額と同じである場合には、乙は、甲が乙に貸し付けた当初金額を甲に支払うものとする。
「1/2/1」の記載は、20%ローン、利得の40%分担、及び損失の20%分担の間の関係(即ち、20/40/20又は1/2/1)に由来する。

8.6 ローン額が、登録額の20%以外であった場合には、「1/2/1規則」(及びあらゆる増価支払又は減価割引)に基づき計算した額は、比例的に変動する。例えば、ローン額が、乙の財産の登録額の10%(即ち、20%の1/2)しかなかったと仮定する。この結果、財産の返済額が登録額よりも大きい場合には、乙は甲にローン額プラス価値の増価の20%に等しい増価支払を支払うが、財産の返済額が登録額よりも小さい場合には、乙は甲にローン額からその値の減価の10%に等しい減価割引を引いたものを支払うものとする。
8.7 別表1は、「1/2/1規則」の適用を示す幾つかの実施例を含む。
8.8 「1/2/0規則」は、以下のように運用する。
甲が第11節に基づきローン額を前払いするか、又は第13節に基づき負債総額が支払い期限になると、返済額が登録額よりも大きい場合、乙が支払わなければならない増価支払は、登録額に対するローン額の比率に返済額と登録額との間の差を掛けたものの2倍である。
乙が第11節に基づきローン額を前払いするか、又は第13節に基づき負債総額が支払い期限になると、返済額が登録額より小さい場合でも減価割引はない。
ローン額が、財産の登録額の20%(言い換えると、モーゲージのローン対財産値比率が、登録日に20%である)と仮定する。この仮定では:
(a)財産の返済額が登録額より大きい場合には、乙は、甲にローン額プラス財産の価値の増大の40%に等しい増価支払を支払うものとする;但し、
(b)財産の返済額が登録額より小さい場合には、乙は、甲が乙に貸し付けた当初金額を甲に支払うものとする。

8.9 ローン額が登録額の20%以外であった場合には、「1/2/0規則」に基づいて計算した金額は、比例的に変動する。例えば、甲が乙に貸し付けた金額が乙の財産の登録額の10%(即ち、20%の1/2)しかなかったと仮定する。その結果、財産の返済額が登録額よりも大きい場合には、乙は甲にローン額プラス価値の増価の20%に等しい増価支払を支払うものとする。但し、財産の返済額が、登録額よりも小さい場合には、乙は甲にローン額を支払うものとする。

8.10 財産の査定額が、登録日と前払い日とで同じままである場合には、「1/2/0規則」に基づく総負債額は、この場合も同様にローン額(即ち、登録日の財産の査定額の10%)に等しい。
8.11 本契約において査定額を求める必要がある度に、甲は、乙の費用負担で適格評価額を取得し、増価支払又は減価割引(ある場合)を求めることができる。
9 改良
9.1 乙は、作業を実施又は許可するか、もしくは該作業を実施する契約を締結する前に、甲の同意及び当局(及び財産が共同計画の一部である場合には運営団体)からの全ての必要な承認を得るものとする。
9.2 乙があらゆる承認作業に費やした金額が、規定額を超える場合には(乙は善意の税金請求書の写しを甲に提供することによりこのような金額を実証するものとする)、乙は、返済額を調節することで、承認作業に起因する財産の価値のあらゆる増大に対する貸方を求めることができる。
9.3 但し、改良に対する控除額を受け取るためには、乙は以下のことを行う必要がある:
(a)この作業が承認作業であることを保証すること;及び
(b)作業開始日に財産の適格査定額を得ること;及び
(c)甲の絶対的な裁量で甲が乙に期間延長を許可しない限り、この作業を開始後6ヶ月以内に完了すること;及び
(d)作業完了日に財産の別の適格評価額を得ること;及び
(e)改良のための控除を乙に与えるように甲に要求を提示(改良が、甲及び関係当局により承認された計画及び仕様書に従って実施されており、居住に適すると認定されたという証拠を含む必要がある)すること;及び
(f)甲に調査結果報告書、全ての担保のアップスタンピング(upstamping)の証拠、遵守証書、及び保険による補償の増大、及び甲が合理的に要求する全ての他の情報を提供すること、
9.4 本契約の第9.2節に基づき、乙は、承認作業に少なくとも規定額を費やさない限り、控除を受ける資格を得ることができない。但し、全ての控除は、改良により財産に加えられた価値を参照することにより計算される。即ち、乙は、改良控除を受け取る資格を得るためには閾値額に達する必要があるが、控除額は乙が費やした額とは関係がない。
9.5 規定額は、善意の税金請求書から求められる。このことは、乙が建築業者を雇わずに作業を自分で行う場合には、乙の適格支出は、乙が購入した物品、サービス及び材料のコストに限定されることになることを意味する。乙自身の労働価値は、規定額では勘定に入らないことになる。
控除の計算
9.6 ローン期間中の特定の時点で、乙が甲の同意を得て改良を実施し、これにより乙は、本第9節に基づいて控除を求める資格を得ると仮定する。これらの改良(改良額)に起因する財産の査定額のあらゆる増大は、改良の前後に得られる適格評価額を比較することによって求められることになる。返済期日に、甲は、当該改良額に対して(以下の適格性を条件として)乙に控除を与えることになる。甲は、「1/2/1規則」に用いる返済額を控除額だけ減じることにより乙に控除を与えることになる。
即ち、返済額は、改良を開始する前の作業開始日時点での財産の査定額と、作業が完了した日時点での財産の査定額との差だけ減少されることになる。
9.7 第9.6節にも関わらず、改良の控除は、返済額を登録額よりも下回って減少させることはない。
9.8 別表2は、本第9節の適用を示す幾つかの実施例を含む。
9.9 乙は以下のことを行うものとする。
(a)作業が全ての法、当局の要求、地役権及び捺印契約に従うことを保証すること;及び
(b)作業が、認定契約者により、甲が承認した計画及び仕様書に従って適格になされ、あらゆる法律に基づき要求通りに保険をかけ、合理的な期間内に完了することを保証すること;及び
(c)甲が要求する関係証書及び許可証(満足できる完了及び遵守の証書、居住許可証、及び保険契約書)を得て甲に提供すること;及び
(d)甲の同意のあらゆる条件を遵守すること
9.10 乙が第9.9節を遵守できない場合には、甲が、担保に基づく甲の権利に従って作業を引き継ぐかどうかに関わらず、
(a)乙は、第9.2節及び第9.3節に基づき、乙が作業に費やした金額に対して控除を請求することはできない;及び
(b)乙は、著作権違反を防ぐために、全てのライセンス又は著作権の甲への移転を行うものとする。
10 財産評価
10.1 本契約に関する全ての評価額(乙が本契約を締結する前になされたものも全て含む)は、甲の登録名簿の承認された評価者から選択された評価者が実行するものとする。
10.2 評価額は、財産の適正市場価格に基づいてなされ、この価格は、意思はあるが切望はしていない売手が、意思はあるが切望はしていない買手から受け取ることになる価格である。
10.3 このセクションに記載されるプロセスに従う評価又は決定は、適格評価である。
10.4 乙は、評価者及び他のコンサルタントが財産にアクセスするのが妨げられないようにすること、及び甲が合理的に要求する別の情報を甲に与えることを含めて、評価プロセスに完全に協力するものとする。
10.5 財産が公開市場で購入又は販売される場合には、甲は、財産の(移転の日の)適正市場価格として、関連契約の文面上に示される対価を承諾するよう選択することができる。
10.6 乙は、財産を売却する前に甲に協議しなければならない。(これにより、甲は、財産の査定額の計算方法を含む、このモーゲージに基づく種々の手続、権利及び義務に関して乙と話し合うことができる。)売却時には、乙は、売却時点での財産の適正市場価格を得るために合理的な措置を講じるものとする。
財産が適正市場価格を下回って売却されたと甲がみなした場合には、甲は評価を要求することができる。
10.7 乙は、甲に以下のものを提供するものとする。
(a)当該契約書1通:
・弁護士又は認定不動産権譲渡専門弁護士により正しく完全であると認定され;及び
・売却に伴って支払われ受領された完全な対価を示すと乙により宣言されたもの;
及び
(b)乙が有するか、又は乙がアクセスし、財産の値に関連性があるとすることができる他の何らかの情報(例えば、実際又は予想される領域の再区分、又は財産の価値に負又は正の影響を与える可能性がある別の財産の提案開発に関する情報)
10.8 甲は、以下の場合には、登録日及び返済期日の何れか又は両方、或いは財産が購入又は売却される他の何れかの日の時点で甲の承認価格査定人の1人に財産を評価するように指示することができる。
(a)甲が、何らかの理由により契約書の文面上に示される対価が財産の適正市場価格又は支払われたか受領した完全な対価でない可能性があるとみなす場合;又は
(b)乙により発効される独立当事者間の契約以外によって、財産が取得又は売却された場合(例えば、血縁者により乙に移転された場合、又は乙から強制的に取得された場合、或いは乙の遺言執行者により移転された場合)。
10.9 乙は、この評価及びこれに必要なあらゆる検査のコストを支払うものとする。
10.10 乙が当該評価に合意しない場合には、乙は、甲に対して同様に乙の費用負担で別の承認された価格査定人を指名して第2の評価を行わせるように求めることができる。
10.11 第2の評価が第1の評価と異なる場合には、財産の適正市場価格は、甲の選択で2つの査定額の中点又は契約書の文面上に示される対価の何れかとする。或いは、甲は、第10.13節の条項を行使するよう選択することができる。
10.12 第10.13節で定められている場合を除き、乙は、本契約に関して要求されるあらゆる評価額を支払うものとする。例えば、乙が、第11節に基づいて前払いすることを望む場合には、適格評価額を取得し、あらゆる増価支払を求めるものとする。乙が、本契約に基づく評価に合意しない場合には、乙は、甲に対して同様に乙の費用負担で別の承認された価格査定人を指名して第2の評価を行わせるように求めることができる。
10.13 甲が選択する場合(合理的に行動する)、甲は、甲の費用負担で1つ又はそれ以上の別の評価額を求めることができる。この結果、財産の価値は、この別表に基づいて得られる全ての評価額のうち最も近接した2つの中点になる。
10.14 全ての適格評価は、特定の日付が評価日の前後42日の期間内であれば、当該日付時点での適格評価額とみなされる。
早期返済
11 早期返済
乙が前払いできる額及び時期
11.1 乙は、本第11節に従って返済期日前のどの時点においても負債総額を支払うことができる(負債総額の全額に限る)。
11.2 前払いするために、乙は以下のことを行うものとする。
(a)乙は、前払いする乙の意思及び前払いする予定日を少なくとも1ヶ月前に甲に通知すること;及び
(b)前払い日時点での適格評価を得ること(これは財産の査定額を確認するのに必要である)
乙の決定の終局性
11.3 乙が甲に返済の決定を通知すると、乙はこれを変更することはできず、乙は甲に告げた前払いする日に支払うものとする。
不履行
12 乙が不履行となる場合
乙は、次の場合に不履行となる。
(a)乙が甲と締結した本契約又は別のローン契約に基づき、期日の到来した何れかの額を遅滞なく支払をしなかったとき;又は
(b)乙が、本契約に基づき、実施しないよう合意していたことを実施した場合、又は実施するよう合意していたことを実施しなかった場合;又は
(c)乙又は別の者が、本契約又は担保に関する誤り又は誤解を与える情報を甲に提供した場合;又は
(d) 財産のあらゆるモーゲージ権者(甲を除く)が売買による抵当権実行権又は受戻権喪失手続権を行使するか否かに関わらず、乙が、財産に影響を及ぼす別の担保権益を不履行した場合;又は
(e)乙又は乙の代理として行為をなす別の者が本契約又は担保に関して不正行為をなしたと甲が合理的に認めた場合;又は
(f)登録額が登録日時点での財産の適正市場価格ではなかったことを乙が知っていた又は合理的に知っていたはずであると甲が合理的に認めた場合;又は
(g)乙又は担保提供者が支払不能になるか、そのための措置がとられる場合;又は
(h)任意の他者(乙の代理として、又は乙の遺言執行者、遺言管理人、又は破産時の管財人として行為をなすことを意味するか否かに関わらず)が、財産の全部又は一部を移転又は譲渡した場合;又は
(i)乙が、財産の全部未満を移転又は譲渡した場合;又は
(j)乙が、独立当事者間の善意の取引以外によって財産の全部又は一部を移転又は譲渡した場合;又は
(k)甲が本要求を書面をもって放棄しない限り、乙が、乙の主たる住居場所として当該財産に居住することを止めた場合;又は
(l)乙が、財産又はあらゆる不動産権もしくは乙が当該財産に保有する権益の全部又は一部に対して信託を宣言した場合;又は
(m)乙又は担保提供者が、担保に基づいて不履行したか、担保を引き上げたか、その条項に違反したか、担保が強制執行可能でないか強制執行できない可能性がある場合。
13 次に起こり得ること
通知及び猶予期間
13.1 乙が不履行の場合には、甲は、乙の不履行を提示する通知を乙に送ることができる。
乙が、通知に示されるか又は法により要求される猶予期間内に不履行を是正しない場合、又は是正できない場合(或いは、当該期間の終わりに乙が同様の理由で再度不履行の場合)には、その期間の終わりに乙に更に通知することなく、負債総額が直ちに支払い期日になる(未だ支払い期日が来ていない場合に限る)。
この結果、甲は、乙を当該金額に対して訴えることができ、又はあらゆる担保を強制執行することができ、もしくはその両方を行うことができる。
通知及び猶予期間の例外
13.2 法で定められる限定された状況では(甲が乙の場所を特定することができない場合など)、甲は、通知する必要が無く、又は通知において示されるある猶予期間の終わりまで待つ必要がない。乙が不履行の場合には、負債総額が通知することなく直ちに支払い期限となる。
その結果、甲は、直ちにその金額に対して乙を訴えることができ、又はあらゆる担保を強制執行することができ、もしくはその両方を行うことができる。
14 延滞利息
本契約書に基づき、支払いが不履行された場合に延滞利息率を課すことができる。
延滞利息
14.1 乙が不履行の場合には、支払期限が過ぎている間、「詳細事項」に記載された延滞利息率を何らかの額に毎日課すことができる。
注記:延滞利息が課せられる期限経過額は、当該負債総額が第13節に基づき(例えば乙が猶予期間内に不履行を是正しないことによる)支払い期限になり、乙が直ちに支払わない場合には負債総額を含むことができる。
延滞利息の資本化
14.2 乙がこれらの延滞利息料を支払わない場合には、甲は、毎月この延滞利息料を期限経過額に加える(これは「資本化」として知られる)。その結果、乙は、期限経過の新しい額に対して延滞利息料を支払う責任を負う。
延滞利率
14.3 延滞利率は、延滞利息を支払うべき金額の支払日以前における最新のオーストラリア財務概況で発表される90日銀行為替スワップ指標金利(Bank Bill Swap Reference Rate)(このような金利が7日間発表されていない場合には、甲が誠実に設定した別の金利)よりも年4%高い。延滞利息は、不履行開始日(これを含む)から実際の支払日(含まず)まで毎日発生する。延滞利息は、経過した実際の日数に対し1年365日で計算される。
影響を受けない債務
14.4 分割払いの乙の債務は、この節により解除されない。
一般的事項
15 消費者信用法典
本節は、消費者信用法典が本契約に適用される範囲内で適用される。
(a)或いは、この法典により本契約の条項が違法、無効又は強制執行不能になる場合;又は
(b)或いは、本契約の条項がこの法典の要件に違反するか、この法典では禁止されている債務又は負債を課す場合には、
本契約は、当該条項が該法典に準拠するのに必要な範囲内で変更されるように読まれ、或いは必要であれば省略されるものとする。
16 ローン勘定の開設及び会計上の取引
16.1 乙は、乙の名前でローン勘定を開設し、最初に乙に通知することなく甲が貸し付けた日に乙が借りた額及び期限がくる日以降に本契約に基づき乙が支払うべき額の各部を借方に計上する権限を甲に与える。
16.2 甲は、ローン勘定に対して借方又は貸方に適切とみなす日を指定する(貸方の場合には、関連取引が行われる日よりも早くすることはできない点を除く)ことができる。
但し、甲は、甲(他者ではなく)が実際に支払いを受け取った後にできるだけ速やかに乙のローン勘定に支払いを貸方記入する。これは、乙の支払日と必ずしも同じである必要はない。
16.3 この後、甲は、乙及び甲の法的義務(例えば、誤謬による、又は小切手の不渡りによるもの)を正確に反映させるために、ローン勘定に対する借方及び貸方並びに乙のローン勘定の負債残高を調節することができる。甲がこれを行う場合、甲は、間接的に修正(延滞利息料を含めること)を行うことができる。
16.4 特に規定されない限り、甲は、本契約に関連して受け取るあらゆる支払いを利用して、甲が選択するあらゆる順序で負債総額を減じることができる。
16.5 [甲は、乙のローン勘定の負債残高がなくなるまで、乙に対し6ヶ月毎にローン勘定の計算書を提供する(一般的には7月と1月)。]
17 同意事項
乙は、甲が与えるあらゆる同意の条件及び要件全てを遵守するものとする。
18 甲の権利行使方法
18.1 甲は、条件を課すことを含む、甲が適切と認めるあらゆる方法で権利又は救済措置を行使し、或いは甲の同意を与えること、又は拒否することができる。
18.2 甲が、権利又は救済措置を完全に或いは所与の時期に行使しない場合には、甲は、その後でも行使することもできる。
18.3 本契約及びあらゆる担保に基づく甲の権利及び救済措置は、これとは独立して法により与えられる他の権利及び救済措置に付加される。
18.4 甲の権利及び救済措置は、
・甲の取締役のうちの何れか、又は
・甲が権限を与えたあらゆる他者、
が甲に代わって行使することができる。
18.5 甲は、権利又は救済措置の行使又は行使の未遂、行使の失敗、又は行使の遅延により生じる損失に対し責任がない。
18.6 甲は、本契約又は担保に基づき乙が行うべきであり、乙がまだ行っていないか甲の所見では適切に行われていないあらゆることを行うことができる。乙は、その際に甲が費やす金額又は甲が発生させる費用の全てを甲に支払うものとする。
19 空欄
乙は、甲が本契約に関連するあらゆる文書内のあらゆる空欄(承認)を記入することができることに合意する。
20 甲の証書
甲は、乙に、本契約に関して支払うべき事柄又は金額(ブレークコストを含む)についての証明書又は正式の計算書を提供することができる。これは、誤りであることが証明されない限り、この事柄又は金額の証拠として十分である。
21 譲渡
21.1 甲は、甲が適切と認めたいかなる方法によっても本契約に基づく甲の権利を譲渡又は他の方法で扱うことができる。乙は、甲がこの権利の行使を助けるのに望ましいと認めた情報又は文書を開示できることに合意する。乙はまた、甲が、本契約に基づく甲の権利を譲渡する者に情報又は文書をいつでも開示できることに合意する。
21.2 乙の権利は、乙個人に向けられたものであり、甲が書面で同意せずに譲渡することはできない。
22 通知、他の連絡及び文書のサービス
22.1 本契約に関する通知、証明、同意、承認及び他の連絡は、甲が書面と別の方法で合意しない限り、書面で行うものとする。
22.2 甲からの連絡は、甲の弁護士、又は甲が乙に連絡する権限を与えた甲の役員の誰かが署名することができる。
22.3 乙への連絡は、以下のいずれかを行うことができる。
(a)手交されるか;又は
(b)最後に甲に知らされた乙の居宅又は勤務先住所に残すか;又は
(c)最後に甲に知らされた乙の郵便又は居宅又は勤務先住所に郵送するか;又は
(d)最後に甲に知らされた乙の居宅又は勤務先ファックス番号にファックスを送る。
22.4
甲への連絡は、:
(a)
・甲が乙に告げたいずれかの事務所;又は
・甲の登記事務所;
に残すか、又は
(b)代金前払い郵便又はファックスによりこれらの場所の何れかに送付するものとする。
22.5 連絡は:以下の日付で提供されるように行う。
(a)手交による連絡の場合には、連絡に記載された日付又は宛先人が受け取った日付の何れか遅い方;又は
(b)郵送による連絡の場合には、連絡に記載された日付又は通常の郵便経路で配達されることになる日付の何れか遅い方;又は
(c)ファックスで送信される連絡の場合には、連絡に記載した日付又は連絡が送られる機械により、連絡がファックス番号又は宛先人の他の番号に送られたことを示すレポートを作成する日付の何れか遅い方;又は
(d)新聞広告で連絡される場合には、最初に発表された日付
22.6 甲は、乙に対する訴訟のあらゆる文書(召喚令状、他のオリジネーションプロセス又は第3者もしくは他の当事者の通知を含む)を財産に配達するか、そこに預けることによってこれらを送達することができる。本節は、送達のあらゆる他の方法を妨げない。
22.7 乙及び甲は、誠実に本契約及びあらゆる担保に基づく各々の権利を行使することに合意する。
23 変更
甲は、本契約の何れの期間も変更することができる。(消費者信用法典を本契約に適用する場合には、甲は、当該法典に従ってのみこれを行うことができる)。甲は、あらゆる変更が発効される前に乙に通知するものとする。
24 準拠法
本契約は、ニューサウスウェールズ州の現行法に準拠する。乙及び甲は、当該場所の裁判所の非専属裁判管轄権に従う。
25 用語の意味
「1/2/0規則」は、第8.9節に記載される。「1/2/1規則」は、第8.5節に記載される。
査定額とは、財産に関しては、乙及び甲により書面で合意された適正市場価格であり、又は合意がない場合には、適格評価額により確認されるものを意味する。
増価支払いとは、「1/2/1規則」又は「1/2/0規則」に従って増価支払いとして計算された額を意味する。
承認作業とは、乙が作業を実施又は許可するか、もしくは該作業を実施する契約を締結する前に、甲の同意及び当局(及び、財産が共同計画の一部である場合には運営団体)からの全ての必要な承認を得た全ての作業を意味する。
乙のローン勘定の負債残高とは、どの時点においても、その時点での本契約に基づく乙に対する貸方計上総額と借方計上総額との間の差を意味する。1日の終わりにこの額を計算するときには、当該日に担保提供された全ての借方及び貸方を含む。
銀行取引日とは、土曜日又は日曜日、もしくはニューサウスウェールズ州の祝祭日、特別休日又は銀行休日以外の日を意味する。
営業日とは、土曜日又は日曜日、もしくはニューサウスウェールズ州の祝祭日、特別休日以外の日を意味する。
適格評価額とは、第10節に述べるプロセス(価格査定人の任命を含む)に準拠した評価額を意味する。
返済期日とは、第4.2節に従って負債総額を返済しなければならない日を意味する。
延滞利率は、第14節を参照されたい。
減価割引とは、「1/2/0」規則に従う減価割引として計算される額を意味する。
「詳細事項」とは、本契約の一部をなすローン契約詳細事項を意味する。
開示日は、「詳細事項」において述べられている。
登録日とは、乙にローン額を貸付けるように乙が甲に告げた日(甲が乙にローン額を貸付ける実際の日はこれよりも遅い日である可能性はあるが)を意味する。
登録額とは、財産における権益の強制収用に関連して乙又は甲もしくはあらゆる他者が受け取る額(道路拡張計画のために財産が収用された場合の補償金のような)を除いた登録日の査定額を意味する。
運営団体とは、財産を分けるあらゆる共有計画を管理し運営する各実体を意味する。
改良額とは、本契約に従って行われたあらゆる改良の結果生じる財産の査定額のあらゆる増大を意味する。
支払不能とは、管理下で支払不能者であるか、支払不能状態、すなわち倒産管財制、倒産管財制及び経営管理、清算、及び暫定清算において任命された会計監査官(各々会社法で定義される)が管理下で、事業を整理し、あらゆる和議、譲渡又は債務免除に従い、あらゆる制定法に基づき債権者を保護し、解散(支払能力がある間に再建を行うこと以外)させており、或いは期日に債務を支払うことができない状態を意味する。
ローン勘定とは、本契約に関する全ての取引を記録するために甲が乙の名前で設定した勘定を意味する。
ローン額は、「詳細事項」に記載する。
規定額とは、第9節においては、甲の絶対的な裁量で適宜甲が決定するオーストラリアドルでの額を意味する。
財産とは、状況によって認められる以下の各1つ又はそれ以上を意味する:即ち、
・あらゆる担保に記載された土地、及び
・土地の上にあるか又はこれに固定された各定着物、建造物又は改良;及び
・乙の土地の不動産権及び権益、並びにこれに関連して発生している権利又は発生し得る権利。
返済額とは、規定に応じた以下の何れかの時点での査定額を意味する。
・返済期日;又は
・第11節に従って、返済期日より前に乙が負債総額を前払いする日;又は
・第13節に従って、負債総額が直ちに支払い期限となる日。
返済額は、第9節に基づき乙に控除を与える場合には調整することができる。
担保とは、「詳細事項」において「担保」の項目で記載される各担保権、並びに本契約に関連して与えられるあらゆる代位物又は追加の担保権を意味する。財産は、不動産のあらゆるモーゲージの対象であって、「詳細事項」の「担保」の項目に記載されており、以下のものを含む。
・あらゆる担保に記載された土地、及び
・土地上にあるかこれに固定された各定着物、建造物又は改良;及び
・乙の土地の不動産及び権益、並びにこれに関連して発生している権利又は発生し得る権利
・甲が所有権を得た場合にこの財産上に残る動産に対する権利;及び
・甲が抵当権設定者に負うあらゆる金銭を当該モーゲージにより保全されている額と相殺する権利
担保権とは、金銭の支払い、或いはモーゲージ、チャージ、留置権、動産質、信託又は権限を含む債券債務関係の履行に対するあらゆる担保を意味する。担保権は保証又は損失補償も含む。
担保提供者とは、担保を提供する(乙以外の)各人を意味する。
共有計画とは、財産に影響を及ぼす共有計画法で規制される各計画又はプランを意味する。共有計画の一部であることが多い財産の例は、区分所有権住宅ユニット、及びタウンハウス及び総合開発された財産である。
共有計画法とは以下のものに提供するあらゆる立法を意味する。
・共有財産による土地の分譲及び開発;又は
・建築物の分譲;又は
・分譲され共有財産を有する土地の管理;又は
・分譲建築物の管理
負債総額とは、どの時点においても、その時点での乙のローン勘定の負債残高プラス全ての未収延滞利息、及び本契約に基づき乙が支払うべき他の金額で、当該時点での乙のローン勘定の借方に計上されていないもの(増価支払を含む)から乙のローン勘定の貸方に計上されていないあらゆる金額(減価割引を含む)を差し引いたものを意味する。
甲とは、[貸し手名](ABN[ ])を意味し、その継承人及び譲受人を含む。
作業とは:
・建築作業;又は
・財産に行う掘削又は土木工事、又は
・財産の何らかの一部を解体、除去又は改造する作業、又は
・この財産に関して当局が要求するあらゆる建築又は開発作業
を意味する。
乙とは、「詳細事項」において「顧客」として指定された人又は複数の人を意味する。複数人存在する場合には、乙は、その各自を個別的に意味すると共に、その2人又はそれ以上全てを共同的に意味する。乙には、乙の継承人及び譲受人が含まれる。
関連事項:
・全ての事柄は、その全部及び各一部を含む;及び
・文書は、そのあらゆる変形又は差し替えを含む;及び
・法とは、コモンロー、衡平の原理、及び国会により作られた法(国会で作られた法には、行政規則及びこれに基づく他の法律文書、及びこれらの併合、改正、再制定又は差し替えが含まれる);及び
・実施例を提示する場合の用語「含む」又は「など」は、その実施例が当該実施例又は類似の種類の実施例に関連する用語の意味を限定するものではない;及び
・用語「人」は、個人、企業、法人、法人格のない社団又は公社を含む。
単数は複数を含み、その逆も同様である。
見出しは、便宜上のものに過ぎず、本契約の解釈に影響を与えない。


別表1 「1/2/1規則」運用方法
以下の実施例は、「1/2/1規則」がどのように作用するかを示している。:
注:実施例では、負債総額が、例えば、乙が債務不履行したため、又は本契約に基づく何かを乙ができず、その額を乙が返済していない場合に甲が金銭を費やしたことにより、契約の他の条項に基づき増大していないと仮定する。

例1:甲が、2005年6月1日に乙に100,000ドル貸し付け、登録日に乙の財産の査定額が500,000ドルであったとする。
注:乙及び甲が査定額に合意することができない場合には、査定プロセスにより設定される;査定額は、購入価格と同額でないこともある。100,000ドルは、財産の査定額の20%に等しいので、モーゲージのローン対財産値比は20%である。

(a)返済期日の財産の査定額が600,000ドルまで増大した場合、負債総額は、元の100,000ドルのローン額プラス2つの日付の間での価値利得の40%に等しい増価支払を含む。乙は、甲が元々乙に貸付けた100,000ドルに加えて、40,000ドル(即ち、財産の100,000ドルの価値利得の40%)の増価支払を支払わなければならない。従って、負債総額は増大し、140,000ドルとなる。
(b)返済期日の財産の査定額が400,000ドルまで減少した場合には、負債総額は、元の100,000ドルローン額から2つの日付の間の価値損失の20%の減価割引を引いたものを含む。甲は、損失の20,000ドル(即ち、財産の100,000ドルの価値減少の20%)を負わなければならない。従って、負債総額は80,000ドル(即ち、甲が元々乙に貸付けた100,000ドルマイナス甲が負う20,000ドルの損失)に減少する。
(c)返済期日の財産の査定額が同じまま(即ち、500,000ドル)である場合には、負債総額は、元の100,000ドルローン額である。即ち、乙は、甲が元々乙に貸し付けたのと同じ額を甲に返済する。
この3つのシナリオを以下の表に示す。

Figure 2008516350
例2:甲が乙に50,000ドル(即ち、500,000ドルの財産の査定額の10%)を貸付けたことを除き、例1と同じ事例の場合には、計算は以下のようになる:
(a)返済期日の財産の査定額が600,000ドルまで増大した場合には、負債総額は、甲が乙に貸付けた元々の50,000ドルプラス財産の100,000ドルの査定額増大の20%(即ち、20,000ドル)に等しい増価支払を含む。従って、負債総額は、70,000ドルである。
(b)返済期日の財産の査定額が400,000ドルまで減少する場合には、負債総額は、甲が乙に貸付けた元々の50,000ドルから財産の100,000ドルの査定額の減少の10%(即ち10,000ドル)に等しい減価割引を引いたものを含む。従って、負債総額は低下し、40,000ドルになる。
(c)返済期日の財産の査定額が500,000ドルで同じままの場合には、負債総額は、甲が乙に貸付けた50,000ドルに等しい。従って、負債総額は、同じままである。
増価支払はまた、以下の式で表すことができる。
Figure 2008516350
式中:
RAは増価支払
Iはローン額
νeは登録額
νrは返済額
である。
同様に、減価割引は次の式で表すことができる。
Figure 2008516350
式中:
RDは、減価割引
Iは、ローン額
νeは、登録額
νrは、返済額
である。
先行技術のモーゲージオリジネーション及び証券化システムの概略的なフローチャートである。 好ましい実施形態の資産ターゲティング、選択、サービシング、証券化及びポートフォリオ管理システムの概略的なフローチャートである。 図2から抽出されるフィードバックループである。 受理手順を例証するフローチャートである。 好ましい実施形態の方法及びシステムを実装できるコンピュータシステムのブロック図である。 代表的なデジタルエンコード電子信号のグラフである。
符号の説明
100 ターゲット投資システム
101 投資情報提供者
102 投資情報データベース
200 資産オリジネーションシステム
201 モーゲージ市場情報提供者
202 資産オリジネーションデータベース
300 資産サービシングシステム
400 資産証券化システム
500 資産管理システム
600 総合システム

Claims (113)

  1. 実体がある範囲の決定規則を用いてリアルタイム又はバッチベースで消費者からの申請を評価し、資産が担保として用いられる資金融通のため金融実体と金融協定を結ぶことができるようにするデータ処理システムであって、前記実体の最終的な目的は、これらの申請を受理又は棄却することであり、前記システムが、
    (i)前記消費者及び申請される資金融通の両方に関するデータが入力される少なくとも1つのデータ入力端末と、
    (ii)前記入力端末又は前記入力端末の各々に接続されるデータ処理手段と、
    (iii)前記データ処理手段に接続され、前記金融実体の金融ポートフォリオを集合的に特徴付ける、現在までに受理された前記申請に関する初期ポートフォリオデータと、前記ポートフォリオの所望の特徴に関する必要データとの両方を含むデータ記憶手段と、
    を備え、
    前記データ処理手段が、前記申請が受理された場合に前記入力データ及び前記ポートフォリオデータを併合して前記ポートフォリオを表す修正ポートフォリオデータを生成し、前記修正ポートフォリオデータを前記必要データと比較して、前記必要データと前記修正ポートフォリオデータとの間の差が前記必要データと前記初期ポートフォリオデータとの間の差よりも小さい場合にのみ前記申請を受理する信号を送信する、
    ことを特徴とするシステム。
  2. 前記金融協定は、
    (i)前記金融実体が前記消費者に対して前記資産の価値の第1のパーセンテージに等しい資金を融資すること、及び
    (ii)少なくとも1つの予め設定された状態が生じた場合には、前記消費者が、前記資金の融資に前記担保資産の価値の何らかの増加の第2のパーセンテージをプラスしたもの、又は前記担保資産の価値の何らかの減少の第3のパーセンテージを差し引いたものを前記金融実体に返済することを引き受けること、及び/又は
    (iii)前記消費者が、前記資金の融資プラス前記第2のパーセンテージ又はマイナス前記第3のパーセンテージ、プラス前記担保資産の価値の第4のパーセンテージを前記金融協定の期間全体にわたり経常ベースで前記金融実体に返済することを引き受けること、及び/又は
    (iv)前記消費者が、前記資金の融資プラス前記第2のパーセンテージ又はマイナス前記第3のパーセンテージ、プラス標準変動金利又は固定金利に関する補足的支払いを前記金融協定の期間全体にわたり経常ベースで前記金融実体に返済することを引き受けることと、及び/又は
    (v)前記金融実体が、前記担保資産になされた改良の価値を相殺することにより前記消費者に補償することを引き受けること、及び/又は
    (vi)前記消費者が、前記金融実体に対する優先権の低い金融協定の価値を保持する式/(e)に基づきあらゆる優先権の高い金融協定に借換えることを可能にする条項と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  3. 前記第2のパーセンテージが、前記第3のパーセンテージよりも大きいか又は小さいことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  4. 前記第3のパーセンテージが、ゼロに等しいことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  5. 前記第1及び第3のパーセンテージが等しいことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  6. 前記第2及び第3のパーセンテージが、予め設定された状態に従って変動することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  7. 前記予め設定された状態が、予め設定された経済的条件の達成又は予め設定された時間の満了からなるグループから選択されることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
  8. 前記第2及び第3のパーセンテージが、予め設定された時間又は状態に到達するまで固定されることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  9. 前記予め設定された状態が、予め設定された経済的条件の達成又は予め設定された時間の満了からなるグループから選択されることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
  10. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:2:1であることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  11. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:1:1であることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  12. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:1.5:0であることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  13. 前記予め設定された状態が、前記消費者による前記担保資産の売却であることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  14. 前記予め設定された状態が、予め設定された時間の満了、前記消費者の死亡、予め設定された経済的条件の達成、又は前記金融協定の期限満了前の何れかの時点での前記消費者の自発的選択からなるグループから選択されることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  15. 前記予め設定された時間が、あらゆる整数の月又は年からなるグループから選択されることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  16. 資産が担保として用いられる資金融通のため消費者から金融実体への申請をリアルタイム又はバッチベースで受理、棄却又は照会する方法であって、
    (i)データ記憶手段が接続されたデータ処理手段に接続されているデータ入力端末に前記消費者及び前記資金融通の両方に関するデータを入力する段階と、
    (ii)前記データ記憶手段に、前記金融実体の金融ポートフォリオを集合的に特徴付ける、現在までに受理された前記申請に関する初期ポートフォリオデータと、前記ポートフォリオの所望の特徴に関する必要データとの両方を記憶する段階と、
    (iii)前記申請が受理された場合に前記入力データ及び前記初期ポートフォリオデータを併合して前記ポートフォリオを表す修正ポートフォリオデータを生成する段階と、
    (iv)前記修正ポートフォリオデータを前記必要データと比較する段階と、
    (v)前記必要データと前記修正ポートフォリオデータとの間の差が、前記必要データと前記初期ポートフォリオデータとの間の差よりも小さい場合にのみ前記申請を受理する段階と、
    を含む方法。
  17. 前記金融協定は、
    (i)前記金融実体が前記消費者に対して前記資産の価値の第1のパーセンテージに等しい資金を融資すること、及び
    (ii)少なくとも1つの予め設定された状態が生じた場合には、前記消費者が、前記資金の融資に前記担保資産の価値の何らかの増加の第2のパーセンテージをプラスしたもの、又は前記担保資産の価値の何らかの減少の第3のパーセンテージを差し引いたものを前記金融実体に返済することを引き受けること、及び/又は
    (iii)前記消費者が、前記資金の融資プラス前記第2のパーセンテージ又はマイナス前記第3のパーセンテージ、プラス前記担保資産の価値の第4のパーセンテージを前記金融協定の期間全体にわたり経常ベースで前記金融実体に返済することを引き受けること、及び/又は
    (iv)前記消費者が、前記資金の融資プラス前記第2のパーセンテージ又はマイナス前記第3のパーセンテージ、プラス標準変動金利又は固定金利に関する補足的支払いを前記金融協定の期間全体にわたり経常ベースで前記金融実体に返済することを引き受けることと、及び/又は
    (v)前記金融実体が、前記担保資産になされた改良の価値を相殺することにより前記消費者に補償することを引き受けることと、及び/又は
    (vi)前記消費者が、前記金融実体に対する優先権の低い金融協定の価値を保持する式/(e)に基づきあらゆる優先権の高い金融協定に借換えることを可能にする条項と、
    を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 前記第2のパーセンテージが、前記第3のパーセンテージよりも大きいか又は小さいことを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 前記第3のパーセンテージが、ゼロに等しいことを特徴とする請求項17に記載の方法。
  20. 前記第1及び第3のパーセンテージが等しいことを特徴とする請求項17に記載の方法。
  21. 前記第2及び第3のパーセンテージが、予め設定された状態に従って変動することを特徴とする請求項17に記載の方法。
  22. 前記予め設定された状態が、予め設定された経済的条件の達成又は予め設定された時間の満了からなるグループから選択されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 前記第2及び第3のパーセンテージが、予め設定された時間又は状態に達するまで固定されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  24. 前記予め設定された状態が、予め設定された経済的条件の達成又は予め設定された時間の満了からなるグループから選択されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:2:1であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  26. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:1:1であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  27. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:1.5:0であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  28. 前記予め設定された状態が、前記消費者による担保資産の売却であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  29. 前記予め設定された状態が、予め設定された時間の満了、前記消費者の死亡、予め設定された経済的条件の達成、又は前記金融協定の期限満了前の何れかの時点での前記消費者の自発的選択からなるグループから選択されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  30. 前記予め設定された時間が、あらゆる整数の月又は年からなるグループから選択されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  31. 第3者提供者から資本を調達し、該資本を用いて、金融協定の1つを各々が結ぶ複数の消費者に資金融通をもたらす担保として資産を用いる金融協定に資金を提供するための金融システムであって、前記金融協定が、前記担保資産及び/又は消費者の1つ又はそれ以上の特性に基づき選択された消費者及び/又は選択された担保資産のみに関して締結され、前記特性が、資本の第3者提供者が示す選好に基づき最初に定められたものであるか、及び/又は前記経時的に修正されたものであることを特徴とするシステム。
  32. 前記金融協定が、前記金融資本の第3者提供者及び/又は他の実体が投資する投資手段により保有されることを特徴とする請求項31に記載のシステム。
  33. 前記投資手段が、クローズであり、前記金融協定の固定集合体を含むことを特徴とする請求項32に記載のシステム。
  34. 前記投資手段が、オープンであり、追加の金融協定が適宜加えられる前記金融協定集合体を含むことを特徴とする請求項32に記載のシステム。
  35. 前記追加の金融協定の特性が、前記投資家が示す選好の変化の結果として前記最初の金融協定と異なるようになることを特徴とする請求項34に記載のシステム。
  36. フィードバックループを備えた請求項35に記載されるシステム。
  37. 前記担保資産が不動産資産であり、前記不動産資産の特性が、現在の価値、期待される将来の価値、過去のリターン、過去の相対リターン、期待される将来のリターン、期待される将来の相対リターン、過去のリスク、過去の相対リスク、期待される将来のリスク、期待される将来の相対リスク、他の不動産資産との過去の相関関係、他の不動産資産との期待される将来の相関関係、競売による購入、個人トリーティによる購入、地理的場所、権原保有権、資産タイプ、不動産に伴う負担、土地の大きさ、磁針の向き、建築物の大きさ、部屋の数及びタイプ、階数及び建築材料からなるグループから選択されることを特徴とする請求項31に記載のシステム。
  38. 前記消費者の特性が、現在の収入レベル、過去の収入レベル、性別、年齢、配偶者関係、雇用関係、以前の借用歴、以前の所有歴、現住所、国籍、過去の担保資産維持管理業績、及び期待される将来の担保資産維持管理業績からなるグループから選択されることを特徴とする請求項31に記載のシステム。
  39. 前記金融協定の少なくとも1つが、モーゲージであることを特徴とする請求項31に記載のシステム。
  40. 前記モーゲージが、
    (i)モーゲージ権者が抵当権設定者に対して前記モーゲージのための担保として用いられる不動産資産の価値の第1のパーセンテージに等しい資金を融資すること、及び
    (ii)少なくとも1つの予め設定された状態が生じる場合には、前記抵当権設定者が、前記資金の融資に前記担保不動産資産の価値の何らかの増加の第2のパーセンテージをプラスしたもの、又は前記担保不動産資産の価値の減少の第3のパーセンテージを差し引いたものを前記モーゲージ権者に返済することを引き受けること、及び/又は
    (iii)前記抵当権設定者が、前記資金の融資プラス前記第2のパーセンテージ又はマイナス前記第3のパーセンテージ、プラス前記担保不動産資産の価値の第4のパーセンテージを前記金融協定の期間全体にわたり経常ベースで前記モーゲージ権者に返済することを引き受けること、及び/又は
    (iv)前記抵当権設定者が、前記資金の融資プラス前記第2のパーセンテージ又はマイナス前記第3のパーセンテージ、プラス標準変動金利又は固定金利に関する補足的支払いを前記金融協定の期間全体にわたり経常ベースで前記モーゲージ権者に返済することを引き受けること、及び/又は
    (v)前記モーゲージ権者が、前記担保不動産資産になされた改良の価値を相殺することにより前記抵当権設定者に補償することを引き受けること、及び/又は
    (vi)前記抵当権設定者が、前記モーゲージ権者に対する優先権の低いモーゲージの価値を保持する式/(e)に基づきあらゆる優先権の高いモーゲージに借換えることを可能にする条項と、
    を含むことを特徴とする請求項39に記載のシステム。
  41. 前記第2のパーセンテージが、前記第3のパーセンテージよりも大きいか又は小さいことを特徴とする請求項40に記載のシステム。
  42. 前記第3のパーセンテージが、ゼロに等しいことを特徴とする請求項40に記載のシステム。
  43. 前記第1及び第3のパーセンテージが等しいことを特徴とする請求項40に記載のシステム。
  44. 前記第2及び第3のパーセンテージが、予め設定された状態に従って変動することを特徴とする請求項40に記載のシステム。
  45. 前記予め設定された状態が、予め設定された経済的条件の達成又は予め設定された時間の満了からなるグループから選択されることを特徴とする請求項44に記載のシステム。
  46. 前記第2及び第3のパーセンテージが、予め設定された時間又は状態に達するまで固定されることを特徴とする請求項40に記載のシステム。
  47. 前記予め設定された状態が、予め設定された経済的条件の達成又は予め設定された時間の満了からなるグループから選択されることを特徴とする請求項46に記載のシステム。
  48. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:2:1であることを特徴とする請求項40に記載のシステム。
  49. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:1:1であることを特徴とする請求項40に記載のシステム。
  50. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:1.5:0であることを特徴とする請求項40に記載のシステム。
  51. 前記予め設定された状態が、前記抵当権設定者による担保不動産資産の売却であることを特徴とする請求項40に記載のシステム。
  52. 前記予め設定された状態が、予め設定された時間の満了、抵当権設定者の死亡、予め設定された経済的条件の達成、又は前記モーゲージの期限満了前の何れかの時点での前記抵当権設定者の自発的選択からなるグループから選択されることを特徴とする請求項40に記載のシステム。
  53. 前記予め設定された時間が、あらゆる整数の月又は年からなるグループから選択されることを特徴とする請求項40に記載のシステム。
  54. 第1の実体によりアンダーライティングされ又は保管された後の前記複数の金融協定が、第2の投資手段に販売又は譲渡されることを特徴とする請求項32に記載のシステム。
  55. 前記投資手段が、複数のエクイティ、債務、転換、ハイブリッド又はデリバティブユニットであることを特徴とする請求項32に記載のシステム。
  56. 前記エクイティ、債務、転換可能、ハイブリッド又はデリバティブユニットが、公的に上場されて取引されることを特徴とする請求55に記載のシステム。
  57. 前記エクイティ、債務、転換可能、ハイブリッド又はデリバティブユニットが、公的に上場されていないことを特徴とする請求55に記載のシステム。
  58. 投資の実際のプールと投資の所望のプールとの間の密接近似を維持するためのコンピュータ実装金融システムであって、前記システムが、前記システムにより動作される記憶装置内に各々が保存された複数の投資特性のためのターゲット値を指定する投資マンデートを有し、前記システムが、前記投資の実際のプールの前記複数の投資特性の実際の値が維持されるデータ記憶装置を更に有し、前記システムが、前記記憶装置内の値と前記データ記憶装置内の値とを比較し、前記ターゲット値と前記実際の値との間の差を減少させる投資特性を有する追加投資のみを前記投資の実際のプールへの追加として許容することを特徴とするシステム。
  59. 前記投資が、不動産資産に対するモーゲージを含むことを特徴とする請求項58に記載のシステム。
  60. 前記モーゲージが、全担保依存性又は部分担保依存性であることを特徴とする請求項59に記載のシステム。
  61. 前記全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージが、
    (i)モーゲージ権者が、抵当権設定者に対して、全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージのための担保として用いられる不動産資産の価値の第1のパーセンテージに等しい資金を融資すること、及び
    (ii)少なくとも1つの予め設定された状態が生じる場合には、前記抵当権設定者が、前記資金の融資に前記担保不動産資産の価値の何らかの増加の第2のパーセンテージをプラスしたもの、又は前記担保不動産資産の価値の減少の第3のパーセンテージを差し引いたものを前記モーゲージ権者に返済することを引き受けること、及び/又は
    (iii)前記抵当権設定者が、前記資金の融資プラス前記第2のパーセンテージ又はマイナス前記第3のパーセンテージ、プラス前記担保不動産資産の価値の第4のパーセンテージを前記全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージの期間全体にわたり経常ベースで前記モーゲージ権者に返済することを引き受けること、及び/又は
    (iv)前記抵当権設定者が、前記資金の融資プラス前記第2のパーセンテージ又はマイナス前記第3のパーセンテージ、プラス標準変動金利又は固定金利に関する補足的支払いを前記全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージの期間全体にわたり経常ベースで前記モーゲージ権者に返済することを引き受けること、及び/又は
    (v)前記モーゲージ権者が、前記担保不動産資産になされた改良の価値を相殺することにより前記抵当権設定者に補償することを引き受けること、及び/又は
    (vi)前記抵当権設定者が、前記モーゲージ権者に対する前記全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージの価値を保持する式/(e)に基づきあらゆる優先権の高いモーゲージに借換えることを可能にする条項と、
    を含むことを特徴とする請求項60に記載のシステム。
  62. 前記第2のパーセンテージが、前記第3のパーセンテージよりも大きいか又は小さいことを特徴とする請求項61に記載のシステム。
  63. 前記第3のパーセンテージが、ゼロに等しいことを特徴とする請求項61に記載のシステム。
  64. 前記第1及び第3のパーセンテージが等しいことを特徴とする請求項61に記載のシステム。
  65. 前記第2及び第3のパーセンテージが、予め設定された状態に従って変動することを特徴とする請求項61に記載のシステム。
  66. 前記予め設定された状態が、予め設定された経済的条件の達成又は予め設定された時間の満了からなるグループから選択されることを特徴とする請求項65に記載のシステム。
  67. 前記第2及び第3のパーセンテージが、予め設定された時間又は状態に達するまで固定されることを特徴とする請求項61に記載のシステム。
  68. 前記予め設定された状態が、予め設定された経済的条件の達成又は予め設定された時間の満了からなるグループから選択されることを特徴とする請求項67に記載のシステム。
  69. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:2:1であることを特徴とする請求項61に記載のシステム。
  70. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:1:1であることを特徴とする請求項61に記載のシステム。
  71. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:1.5:0であることを特徴とする請求項61に記載のシステム。
  72. 前記予め設定された状態が、前記抵当権設定者による担保不動産資産の売却であることを特徴とする請求項61に記載のシステム。
  73. 前記予め設定された状態が、予め設定された時間の満了、抵当権設定者の死亡、予め設定された経済的条件の達成、又は前記全担保依存性又は部分担保依存性のモーゲージの期限満了前の何れかの時点での前記抵当権設定者の自発的選択からなるグループから選択されることを特徴とする請求項61に記載のシステム。
  74. 前記予め設定された時間が、あらゆる整数の月又は年からなるグループから選択されることを特徴とする請求項61に記載のシステム。
  75. 金融協定を導入する委託金融仲介業者により該金融協定を含む投資プールに報酬を払うためのコンピュータ実装システムであって、前記システムが、前記投資プールの複数の特性についてのターゲット値を記憶する記憶装置を有し、前記システムが、導入される各提案された前記金融協定の対応する特性が記憶されるデータ記憶装置を更に有し、前記システムが、前記ターゲット特性と提案された特性とを比較し、前記ターゲット特性の予め設定された閾値内にある前記提案された金融協定のみを前記投資プールに受け入れることを認め、更に前記金融仲介業者に導入するための手数料を計算し、該手数料は前記ターゲットと提案された特性との間の差の変動に応じて変わることを特徴とするシステム。
  76. 前記導入する金融仲介業者の手数料がまた、過去の金融協定の調達業績に依存することを特徴とする請求項75に記載のシステム。
  77. 前記各金融協定が、全担保依存性又は部分担保依存性の金融協定であることを特徴とする請求項75に記載のシステム。
  78. 前記全担保依存性又は部分担保依存性の金融協定が、
    (i)前記金融実体が前記消費者に対して前記金融協定のための担保として用いられる前記資産の価値の第1のパーセンテージに等しい資金を融資すること、及び
    (ii)少なくとも1つの予め設定された状態が生じた場合には、前記消費者が、前記資金の融資に前記担保資産の価値の何らかの増加の第2のパーセンテージをプラスしたもの、又は前記担保資産の価値の何らかの減少の第3のパーセンテージを差し引いたものを前記金融実体に返済することを引き受けること、及び/又は
    (iii)前記消費者が、前記資金の融資プラス前記第2のパーセンテージ又はマイナス前記第3のパーセンテージ、プラス前記担保資産の価値の第4のパーセンテージを前記金融協定の期間全体にわたり経常ベースで前記金融実体に返済することを引き受けること、及び/又は
    (iv)前記消費者が、前記資金の融資プラス前記第2のパーセンテージ又はマイナス前記第3のパーセンテージ、プラス標準変動金利又は固定金利に関する補足的支払いを前記金融協定の期間全体にわたり経常ベースで前記金融実体に返済することを引き受けること、及び/又は
    (v)前記金融実体が、前記担保資産になされた改良の価値を相殺することにより前記消費者に補償することを引き受けること、及び/又は
    (vi)前記消費者が、前記金融実体に対する優先権の低い金融協定の価値を保持する式/(e)に基づきあらゆる優先権の高い金融協定に借換えることを可能にする条項と、
    を含むことを特徴とする請求項75に記載のシステム。
  79. 前記第2のパーセンテージが、前記第3のパーセンテージよりも大きいか又は小さいことを特徴とする請求項78に記載のシステム。
  80. 前記第3のパーセンテージが、ゼロに等しいことを特徴とする請求項78に記載のシステム。
  81. 前記第1及び第3のパーセンテージが等しいことを特徴とする請求項78に記載のシステム。
  82. 前記第2及び第3のパーセンテージが、予め設定された状態に従って変動することを特徴とする請求項78に記載のシステム。
  83. 前記予め設定された状態が、予め設定された経済的条件の達成又は予め設定された時間の満了からなるグループから選択されることを特徴とする請求項82に記載のシステム。
  84. 前記第2及び第3のパーセンテージが、予め設定された時間又は状態に達するまで固定されることを特徴とする請求項78に記載のシステム。
  85. 前記予め設定された状態が、予め設定された経済的条件の達成又は予め設定された時間の満了からなるグループから選択されることを特徴とする請求項84に記載のシステム。
  86. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:2:1であることを特徴とする請求項78に記載のシステム。
  87. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:1:1であることを特徴とする請求項78に記載のシステム。
  88. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:1.5:0であることを特徴とする請求項78に記載のシステム。
  89. 前記予め設定された状態が、前記消費者による担保資産の売却であることを特徴とする請求項78に記載のシステム。
  90. 前記予め設定された状態が、予め設定された時間の満了、消費者の死亡、予め設定された経済的条件の達成、又は前記金融協定の期限満了前の何れかの時点での前記消費者の自発的選択からなるグループから選択されることを特徴とする請求項78に記載のシステム。
  91. 前記予め設定された時間が、あらゆる整数の月又は年からなるグループから選択されることを特徴とする請求項78に記載のシステム。
  92. 投資の実際のプールと投資の所望のプールとの間の密接近似を維持するためのコンピュータ実装金融システムであって、前記投資プールが、消費者が求める資金融通とこのような資金融通を提供する意思がある実体との間に各々金融協定を含み、前記システムが、前記システムにより動作される記憶装置内に各々が保存された複数の投資特性のためのターゲット値を指定する投資マンデートを有し、前記システムが、前記投資の実際のプールの前記複数の投資特性の実際の値が維持されるデータ記憶装置を更に有し、前記システムが、前記記憶装置内の値と前記データ記憶装置内の値とを比較し、前記金融協定の下で前記各消費者の債務義務関係を変えて、前記ターゲット値と前記実際の値との間の差を減少させるようにすることを特徴とするシステム。
  93. 前記金融協定が、全担保依存性又は部分担保依存性金融協定であることを特徴とする請求項92に記載のシステム。
  94. 前記全担保依存性又は部分担保依存性の金融協定が、
    (i)前記金融実体が前記消費者に対して、前記金融協定のための担保として用いられる前記資産の価値の第1のパーセンテージに等しい資金を融資すること、及び
    (ii)少なくとも1つの予め設定された状態が生じた場合には、前記消費者が、前記資金の融資に前記担保資産の価値の何らかの増加の第2のパーセンテージをプラスしたもの、又は前記担保資産の価値の何らかの減少の第3のパーセンテージを差し引いたものを前記金融実体に返済することを引き受けること、及び/又は
    (iii)前記消費者が、前記資金の融資プラス前記第2のパーセンテージ又はマイナス前記第3のパーセンテージ、プラス前記担保資産の価値の第4のパーセンテージを前記金融協定の期間全体にわたり経常ベースで前記金融実体に返済することを引き受けること、及び/又は
    (iv)前記消費者が、前記資金の融資プラス前記第2のパーセンテージ又はマイナス前記第3のパーセンテージ、プラス標準変動金利又は固定金利に関する補足的支払いを前記金融協定の期間全体にわたり経常ベースで前記金融実体に返済することを引き受けること、及び/又は
    (v)前記金融実体が、前記担保資産になされた改良の価値を相殺することにより前記消費者に補償することを引き受けること、及び/又は
    (vi)前記消費者が、前記金融実体に対する優先権の低い金融協定の価値を保持する式/(e)に基づきあらゆる優先権の高い金融協定に借換えることを可能にする条項と、
    を含むことを特徴とする請求項92に記載のシステム。
  95. 前記第2のパーセンテージが、前記第3のパーセンテージよりも大きいか又は小さいことを特徴とする請求項94に記載のシステム。
  96. 前記第3のパーセンテージが、ゼロに等しいことを特徴とする請求項94に記載のシステム。
  97. 前記第1及び第3のパーセンテージが等しいことを特徴とする請求項94に記載のシステム。
  98. 前記第2及び第3のパーセンテージが、予め設定された状態に従って変動することを特徴とする請求項94に記載のシステム。
  99. 前記予め設定された状態が、予め設定された経済的条件の達成又は予め設定された時間の満了からなるグループから選択されることを特徴とする請求項98に記載のシステム。
  100. 前記第2及び第3のパーセンテージが、予め設定された時間又は状態に達するまで固定されることを特徴とする請求項94に記載のシステム。
  101. 前記予め設定された状態が、予め設定された経済的条件の達成又は予め設定された時間の満了からなるグループから選択されることを特徴とする請求項100に記載のシステム。
  102. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:2:1であることを特徴とする請求項94に記載のシステム。
  103. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:1:1であることを特徴とする請求項94に記載のシステム。
  104. 前記第1のパーセンテージ、前記第2のパーセンテージ、及び前記第3のパーセンテージの比が、1:1.5:0であることを特徴とする請求項94に記載のシステム。
  105. 前記予め設定された状態が、前記消費者による担保資産の売却であることを特徴とする請求項94に記載のシステム。
  106. 前記予め設定された状態が、予め設定された時間の満了、消費者の死亡、予め設定された経済的条件の達成、又は全担保依存性又は部分担保依存性の前記金融協定の期限満了前の何れかの時点での消費者の自発的選択からなるグループから選択されることを特徴とする請求項94に記載のシステム。
  107. 前記予め設定された時間が、あらゆる整数の月又は年からなるグループから選択されることを特徴とする請求項94に記載のシステム。
  108. 消費者の前記変更債務関係が、前記第1、第2、第3及び第4のパーセンテージ、並びに前記最大満了時間からなるグループから選択されることを特徴とする請求項94に記載のシステム。
  109. 第1の金融機関に対する実質的に従来的な利付モーゲージと第2の金融機関に対する第2の全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージとの両方を有する抵当権設定者からの借換承認のための要求をリアルタイム又はバッチベースで受理、棄却又は照会する方法であって、借換承認のための前記要求は前記第2の金融機関に対して行われ、前記モーゲージの両方は同じ財産を担保にされており、前記方法が、
    (i)データ記憶手段が接続されたデータ処理手段に接続されているデータ入力端末に最近の評価から生じた前記財産の新しい価値及び借換額を入力する段階と、
    (ii)前記データ記憶手段内に、前記財産の初期価値、前記第1モーゲージの元本、前記第2モーゲージの元本、第1及び第2の予め設定されたパーセンテージ、並びに前記第2モーゲージの現在の返済額を計算するのに必要な、上昇及び下降パーセンテージを含むデータを記憶する段階と、
    (iii)前記データ処理手段を用いて、前記第1の予め設定されたパーセンテージと前記第1モーゲージ元本との積である基準借換額を計算する段階と、
    (iv)前記データ処理手段を用いて、前記財産の前記新しい値と前記上昇及び下降パーセンテージとに基づいて前記第2モーゲージの現在の返済額を計算する段階と、
    (v)前記データ処理手段を用いて前記第2の予め設定されたパーセンテージと前記現在の返済額との積である修正借換額を計算する段階と、
    (vi)前記データ処理手段を用いて、前記基準借換額から前記修正借換額を差し引いて、結果として生じる借換額を得る段階と、
    (v)承認が求められる前記借換額が、前記結果として生じる借換額よりも小さい場合にのみ借換えの前記要求を受理する段階と、
    を含む方法。
  110. 前記全担保依存性又は部分担保依存性のモーゲージが、前記実質的に従来の利付モーゲージに対して劣後担保であることを特徴とする請求項109に記載の方法。
  111. 前記全担保依存性又は部分担保依存性のモーゲージが、前記実質的に従来の利付モーゲージと等順位の担保であることを特徴とする請求項109に記載の方法。
  112. 全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージにおいて抵当権設定者に対する増改築の貸方の量を表すデジタルエンコード電気信号を生成する方法であって、
    (i)前記モーゲージの元本、前記改良が行われる直前の住宅の第1の評価額、前記改良が行われた直後の前記住宅の第2の評価額、並びに前記モーゲージを締結する住宅の販売又はみなし販売である、前記改良を含めた前記住宅の最終値を含む入力データをデータ処理装置に入力する段階と、
    (ii)前記第1の評価額に対する前記第2の評価額の増大を含む改良差額を計算し、前記元本を引いた前記最終評価額を含む全体差額を計算するように前記データ処理装置に指示する段階と、
    (iii)第1の前記信号が前記全体差額が負又はゼロである場合のゼロ量を表し、第2の前記信号が前記全体差額が正である場合の前記改良差額量を表す、前記デジタルエンコード電気信号の2つのうちの何れか1つを出力するように前記データ処理装置に更に指示する段階と、
    を含む方法。
  113. 全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージの調整元本の量を表すデジタルエンコード電気信号を生成する方法であって、前記全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージを保証する前記財産価値が増大する場合には、前記元本が、前記増大の第1のパーセンテージだけ増加させることにより調整され、前記全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージを保証する前記財産価値が減少する場合には、前記元本が、前記減少の第2のパーセンテージだけ減少させることにより調整されるよう定められており、前記方法が、
    (i)前記全担保依存性又は部分担保依存性モーゲージの元本と、前記第1及び第2のパーセンテージと、幾つかの予め設定された事象の1つに従って決定される前記調整元本を示す第1の値か或いは前記抵当権設定者により初期の期限前償還が選択されたことを示す第2の値の何れかからなるトグルマーカと、財産の売却又は承認評価額の何れかである前記財産の最終値とを含む入力データをデータ処理装置に入力する段階と、
    (ii)前記最終値と前記元本との間の資本差を計算するように指示し、前記トグルマーカが、前記第1の値である場合には、前記資本差に前記第1又は前記第2のパーセンテージをそれぞれ乗算することにより前記調整元本を計算するように前記データ処理装置に指示する段階と、
    (iii)前記トグルマーカが前記第2の値である場合には、前記第2のパーセンテージをゼロに設定し、前記資本差に前記第1のパーセンテージ又は前記リセットした第2のパーセンテージを乗算することにより前記調整元本を計算するように前記データ処理装置に更に指示する段階と、
    (iv)前記調整元本の量を示すデジタルエンコード電気信号を出力するように前記データ処理装置に更に指示する段階と、
    を含む方法。
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