JP2008515214A - 可逆熱電サイクルにおける熱及び仕事の変換方法並びに熱電変換器 - Google Patents
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Abstract
本発明は、電子ガスの電荷担体が少なくとも第1及び第2(7)の熱源を循環させられる熱力学的サイクルにおいて、熱及び仕事を変換する方法に関する。熱は、熱電サイクル(thermoelectric cycle)の熱力学的表現の隣接区間(c−d,d−a)を表す複数のサイクル要素(elements of the cycle)間で交換される。この方法は、第2の熱源の熱損失及び熱(エントロピー)劣化を生じることなく行われ、カルノーサイクルよりも高い熱電効率が得られる。
【選択図】図2
【選択図】図2
Description
本発明は、熱電過程における電気エネルギーの生成及び変換方法を含む電気現象に関し、熱から仕事への及びその逆の可逆循環的熱電変換に用いられる。一例としては、半導体構造での熱電加熱、冷却などの2つの熱源のうちの1つを使った電気エネルギー過程であり、電子ガス形式の作業物質の熱電環状可逆変換(thermoelectric circular reversible transformations)が行われる。
熱力学的過程での機械的仕事がこの熱力学的過程の特徴的な機能であるとすると、熱力学的過程の電気的仕事は、電荷(電気量)を伝達する仕事であって電気回路で実行される。仕事は、電場内で電荷が搬送される電場強度の強さ(電子ガスの電荷の電圧(tension of charges of the electronic gas))と、移動する電気量との積に等しい。電荷担体(charge carrier)が接続された温度及びエントロピーは、熱力学的過程における分子ガス形式の作業物質についてと同じ意味を持っている。電子ガスの仕事は、熱運動(thermal effects)によって得られると共に、過剰エネルギーが電磁放射量子の形式で放出され得るときに、熱運動による、電荷担体の再結合(すなわち、電子及び正孔(holes)再結合)の不可逆過程によって得られる。
電場及び温度勾配が併存する場合に熱過程及び電気過程の相互関係、及び、電子及び正孔伝導率(electronic and hole conductivity)をもつ半導体原子の電子流の衝突過程での熱輸送(transport of heat)に基づいて、電子ガスの環状サイクルを利用した、電荷担体の熱から電気的仕事への熱電変換方法が知られている。この方法は、熱電対の閉回路内で電場とは反対方向に電流担体(電子又は正孔)の輸送の仕事を実行するために熱エネルギーを用いる。
電気エネルギーを直接得る仕事は、高温及び低温の2つの熱源の変換にかかる可逆汎用熱電サイクルにおいて、高温及び低温の熱源のエネルギーを利用して実行される。このサイクルは、熱電対の接点を介したある程度の電気通過を伴う2つの等温過程区間を含んでいる。加えて、仕事は2つの閉じた等距離にある熱過程区間においても行われ、これは熱電対の半導体素子を流れる電流の動きによって生じる電気量の変化によって特徴付けられる。
すべての公知の熱電気サイクルは初歩的カルノー(Carnot)サイクルの和として表現されるので、すべての公知サイクルの熱効率はカルノーサイクルを超えることはできない。カルノーサイクルはすべての半導体熱変換素子の熱電効率の限度を設定する。
熱を電気的仕事に変換する直接(direct)サイクルでは、熱電発電機(thermoelectric generator)の出力端子における最大限の電気的仕事は、供給された熱の熱電エクセルギー、すなわち電子ガスを初期状態から環境温度のアネルギー(仕事に変換できない)状態へとする最大仕事によって決定される。理想的直接可逆カルノーサイクルでは、熱に含まれるアネルギーから供給された熱エクセルギーが分離する。熱エクセルギーは、電子ガスの有効電気的仕事の形式として取り去られ、熱アネルギーが廃熱として環境に棄てられる。
ゼーベック(T.Seebeck)直接熱電効果では、(金属交差部材(metallic cross-piece)で)直列に接続された複数の異種導体又は半導体の複数対からなる電気回路で熱電原動力(moving force )(thermo-emf) が発生する。これら複数の導体又は半導体の接合点は、互いに異なる温度に保持される。もし接合点が加熱されると、電子がn型半導体から金属内の接合点に移動して冷却が起こり、正孔がp型半導体を介して冷却接合点に向かって移動する。この過程において、熱が取り去られ荷電担体のエントロピーが増加する。この過程において、熱の除去及び荷電担体のエントロピーの増加が生じる。熱電原動力は、接合点の温度差とゼーベック係数の積に比例し、電荷担体の温度及び密度並びに導体の物理特性に依存しており、正孔及び電子伝導率をもつ半導体において最大となる。
導体すなわち導体の高温部分に沿って温度差があると、電流担体の平均エネルギーは低温部分よりも高くなる。トムソン(W.Thomson)(ケルビン卿)の効果が生じ、いわゆるトムソン熱が電流と共に導体内に放出される。これはトムソン係数(Thomson coefficient,)によって特徴付けられ、導体を通過する電流及び温度勾配に関して一様でない。トムソン係数は、温度勾配及び電流の方向が逆方向となったときにその符号を変える。
ペルチェ及びトムソン効果は、接合点を通る電流が流れる過程での半導体内への接合点を介して取り去られた、熱の総量を設定する。
逆過程では、2つの異なる導体の接合点を通過する電流が流れる過程で、ペルチェ(P. Peltier)の熱電効果が起こり、いわゆるペルチェ熱が熱接合点に放出され、それに加えて、もし電流の方向が同じであればジュール熱が放出され、逆であれば取り去られる。ジュール熱が電流強度の二乗に比例し且つ常に導体に放出されるのに対して、ペルチェ熱は電流強度及び温度の関数であるペルチェ係数の一次式に比例する。ペルチェ熱の符号は、接合点での電流の方向に依存する。もし回路内での電流の方向が、低エネルギーをもつ電子が近接した原子から熱を奪いその熱を回路内の別の場所に移動させるようなものであれば、ある接合点は冷却され、別の接合点は加熱される。
ヒートポンプの熱サイクルにおいて、電気的仕事の熱への逆過程における熱電変換方法が知られている。環境温度よりも高い温度に保持された高温接点(hot junction)は、加熱された体積に与えられ、その熱は、以下の2つの結合要素、つまり必要な電気的仕事として供給されたエクセルギー及び環境から熱として取り去られたアネルギーを含む。高温の熱電接点によって廃棄された熱量は、低温の熱電接点によって取り去られたものを超えれる。この差異は、外部源から用いられたエネルギー量に等しい。このエネルギーは、(ゼーベック効果によって)複数の熱電接点の温度が互いに異なるのであれば回路内に表れる電位の差分の方向と反対方向の電流を維持する仕事を実行するために用いられる(Seebeck, T.J., 1822, Magnetische Polarisation der Metalle und Erze durch Temperaturdifferenz, Abhand. Deut. Akad. Wiss. Berlin, 265-373)。
さらに、必要なエクセルギー量が電気的仕事の形式で冷却体積に供給されたとき、冷却サイクルでの逆過程に用いられる電気的仕事の熱電変換方法が知られており、電気的仕事の量はアネルギーの流れに等しく、それは、冷却体積から取り除かれて環境に移動させなければならない。熱電冷却サイクルにおいては、電荷担体の流れが熱の流れを伴い、電子ガスは冷却器から熱い熱電接点へのエネルギーであり冷却媒体(cooling agent )として機能する(Peltier, J.C:, 1834, Nouvelles experiences sur la caloriecete des courans electriques. Ann.. Chem.; LVI, 371-387)。
通常の熱電サイクルに基づいた熱及び仕事の全ての変換方法は、概念的に避けられない熱損失のために限られた熱電効率しか持たない。熱損失は、作業物質(電子ガス)の熱の一部を取り除く過程において生じ、この過程によって熱供給媒体(heat supplying agent)のエントロピーの減少が補償される。実際には、前記過程の不可逆性のために、たとえ最も効率のよい熱変換器であっても、有効仕事は大きな熱損失によって最大可能値(maximum possible value)の5分の1にさえ満たない。
提案された方法に最も近い技術的解決策は、半導体構造の熱電サイクルに基づいた熱及び仕事の変換方法である(Ioffe. A.F., 1957, Semiconductor Thermoelements and Thermoelectric Cooling, Infosearch, London)。公知の直接サイクルでは、熱供給媒体からの熱は、前記サイクルに入れられ、電荷担体のエントロピーが増加する発熱過程において部分的に有効仕事に変換される。その後、トムソン熱が失われそして電子ガスの電荷のエントロピーが、第2の熱源の温度において等温過程で減少する。第2の熱源は、金属交差部材をもつ半導体の熱電接点を冷却し、その過程において、廃熱(thermal waste)の形式で熱の一部が前記サイクルから熱除去器(heat abstractor)内へ(例えば、環境内へ)と失われ(低温サイクル)、熱エクセルギーが減少して、これが主な原因となってサイクルの効率が低下する。前記直接サイクルで熱供給媒体(heat supplying agent)のエントロピー減少を補償する受熱媒体(heat receiving agent)へと取り去られて前記サイクルに供給される熱の一部は、熱供給媒体と熱除去媒体(heat removing agent)との温度比に比例する。可逆熱交換過程において、熱供給媒体と熱除去媒体のエントロピー変化は同じ大きさで逆符号となっている。
すべての公知のサイクルは、熱及びエクセルギー的効率を低下させるシステムからエクセルギーが廃棄されるという事実のために、不十分な熱電効率を有するものである。
したがって、上述した問題をより効率よく解決する処理システム及び/又は方法が必要とされている。特に、熱電サイクルにおいて熱及び仕事をより効率よく変換する方法を提供することが望まれている。
本発明によると、具体化されて広く説明されるように、本発明の原理に従った方法及びシステムは、熱電サイクルにおいて熱及び仕事の変換を提供する本発明の原理と一致しており、電子ガスの電荷担体が少なくとも第1及び第2の熱源を循環させられるものであって、
熱が、熱電サイクルの熱力学的表現(thermodynamic representation)での隣接区間を表す複数のサイクル要素間で交換される。
熱が、熱電サイクルの熱力学的表現(thermodynamic representation)での隣接区間を表す複数のサイクル要素間で交換される。
「電子ガス」という用語は、金属又はn型、p型半導体によって提供される電子及び正孔を広く含むものである。「熱源」という用語は、断熱又は等温であるかに関係なく、熱の源及びシンク(sink)を広く含むものである。「熱力学的表現」という用語は、特にTS座標及びei座標であるすべての公知の熱力学的線図を広く含むものである。
本発明及びその実施の形態による方法は、カルノーサイクルの限界を超えた修正熱電サイクルによって熱と仕事の熱電変換効率を増大させるという問題を解決するのに有効である。これは、熱損失がなく且つ第2の熱源の熱的(エントロピー)劣化がなく、そのためにカルノーサイクルよりも熱力学的効率が高い、2つの熱源の温度レベル間で電子ガス形式の作業物質をもつシステムについて熱力学的な一般則で定式化された熱力学第1及び第2法則を満たすエクセルギー省力(すなわちエネルギー担体のエクセルギーを省力する)及びアネルギー閉鎖(すなわち熱損失のない)再生可逆熱電サイクルにおいて公知のサイクルと比べて、熱交換の構造を変更することによって実現される。
別の観点では、本発明の原理に沿った方法及びシステムは、以下に具現化され詳細に説明されるように、請求項13による熱電変換器を提供する。
本発明のその他の目的及び利益及び実施の形態は、その一部が明細書中に説明され、本発明の実行によって理解される。目的及び利益は、添付の特許請求の範囲で指摘した要素及び組み合わせによって実現及び達成される。本発明の実施の形態は、詳細な説明の欄及び添付の請求項に開示されている。
上述した一般的説明及び以下の詳細な説明は例示に過ぎないものであり、本発明及びその実施の形態を限定するものではないと理解されるべきである。
本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付図面は、本発明の実施の形態の例を示しており、明細書と共に本発明の原理を説明するものである。
以下、添付図面に示された熱力学的蒸気サイクルプロセスに基づいて、本発明の原理を詳細に説明する。ここで言及する例は本発明を説明するためのものであって、いかなる意味においても本発明を限定するものではない。
本発明及びその実施の形態による方法は、熱電過程での熱及び仕事の変換方法として実行され、半導体構造内の電子ガスの電荷担体の熱及び仕事の可逆循環変換にある。電子ガスの相互作用過程において、2つの熱源及び熱電システムの境界での熱交換とによって、少なくとも、周期過程での第1の熱源の等エントロピー線の境界間にあるシステムの境界において、ペルチェ及びトムソン熱のエクセルギー交換が実行される。周期過程は、前記システム内での電子ガスの非相反(non-reciprocal)遷移の異なる区間での熱エクセルギーの理想的再生及び第2の熱源の温度場内でのそのエントロピーの不可逆的増加を伴う、第2の熱源による初期状態への電子ガスの環状遷移を伴う電子ガスの熱及び仕事の非周期的完全変換から形成される。
したがって、トムソン熱の理想的再生は、非相反遷移の過程で電子ガスのエクセルギーバランスを満たしつつ実行される。このとき、第1の熱源のエントロピー変化は、第2の熱源と熱交換せず且つ電気的仕事が電子ガスによって行われることがなく、一定の温度及び電場(ポテンシャル)強度の作業物質のエントロピーの永久的に循環する(permanent-cyclic)変化の不可逆的過程で補償される。
したがって、好ましい実施の形態では、前記熱交換が、電位一定且つ電子ガスの電荷量一定という前記サイクルの区間において実行される。熱交換は、トムソン熱の熱エクセルギーの再生熱交換であってよい。
さらに好ましい実施の形態では、前記サイクル内でトムソン熱の熱エネルギーを熱交換する区間が、等エクセルギー熱交換過程の区間によって閉じられている。熱交換の区間は、トムソン熱の熱エクセルギーの再生熱交換の区間であってよい。熱交換の等エクセルギー過程は、一定の熱エクセルギーをもつポリトロープ過程であってよい。
さらに好適な実施の形態は、前記サイクル内でトムソン熱の熱エネルギーを熱交換する区間が、電位一定且つ電子ガスの電荷量一定、又は、等温で等エントロピー過程の複数区間の組み合わせによって閉じられていることを特徴とする。
さらに好適な実施の形態は、熱が第1の熱源から電子ガスに供給されて、熱力学的表現に関して時計回りの直接サイクルを実行することをさらに備えており、電子ガスのエントロピーが増加し電子ガスによる第1の熱源の熱を取り去る等温過程の温度を、第2の熱源の温度場にある電子ガスの熱アネルギーの状態の温度よりも高く設定する、直接サイクルを実行することを備えている。「直接サイクル」という用語は、熱を電気的仕事に変換する過程を意味している。
他の実施の形態は、熱が第1の熱源から電子ガスに供給されて、熱力学的表現に関して反時計回りの直接サイクルを実行することをさらに備えており、電子ガスのエントロピーが増加し電子ガスによる第1の熱源の熱を取り去る等温過程の温度(T3)を、第2の熱源の温度場にある電子ガスの熱アネルギーの状態の温度(T1)よりも低く設定する、直接サイクルを実行することを備えている。
さらに好適な実施の形態は、熱力学的表現に関して反時計回りの逆サイクルを実行することをさらに備えており、電子ガスの熱が加熱環境へ移動し電子ガスのエントロピーが減少する等温過程の温度を、第1の熱源の温度場にある電子ガスの熱アネルギーの状態の温度よりも高く設定する。「逆サイクル」という用語は、電気的仕事を熱に変換する過程を意味している。
さらに好適な実施の形態は、熱力学的表現に関して反時計回りの逆サイクルを実行することをさらに備えており、電子ガスの熱が加熱環境へ移動し電子ガスのエントロピーが減少する等温過程の温度を、第1の熱源の温度場にある電子ガスの熱アネルギーの状態の温度よりも高く設定する。
さらに好適な実施の形態は、環境が第1の熱源として用いられ、低温の局所断熱源が第2の熱源として用いられることを特徴とする。さらに、直接エクセルギー省力サイクルの電気的仕事の一部が、第2の熱源の温度場内での熱を除去する等温過程が実行される付加的な冷却サイクルのために用いられてよい。
さらに好適な実施の形態は、環境が第1の熱源として用いられ、高温の局所断熱源が第2の熱源として用いられることを特徴とする。さらに、直接エクセルギー省力サイクルの電気的仕事の一部が、第2の熱源の温度場内での熱を放出する等温過程が実行される付加的な加熱サイクルのために用いられてよい。
加えて、電磁放射の量子の形式で、電子及び正孔の再結合という不可逆過程が実行される。
さらに好適な実施の形態は、電気的仕事の連続した除去及び回復を伴う断熱システム内に、電気的仕事が供給されて蓄積されることを特徴とする。
さらに好適な実施の形態は、前記サイクルにおける温度変化比をΠT、前記サイクルにおける電子ガスの電位変化比をΠPとしたとき、熱が仕事をする能力のスケールが、ΠTlnΠPという式によって表されることを特徴とする。この変化では、熱は、直接エクセルギー省力サイクルの電子ガスの等温過程に供給される、熱の第1の熱源から用いられる。第2の熱源の温度場において作業物質の(熱アネルギーでの)温度は固定である。エクセルギー省力サイクルが実行され、電子ガスの温度及び電位の変化量(比)が測定されて熱の仕事をする能力が決定される。
さらに本発明は、電子及び正孔での導電性をもつ少なくとも一対の半導体と、複数の金属接合点と、金属部材が電気的に接続された前記半導体の冷却された及び加熱された複数の熱電接点とを備えており、上述した方法を行う熱電変換器であって、前記対の一方の半導体又は各対が、トムソン熱の放出過程において電子ガスの一定電位をもつユニットとして具現化されており、前記対の他方の半導体又は各1つの対が、トムソン熱の過程において電子ガスの一定電荷量をもつユニットとして具現化されている。両方の半導体の間には、半導体を通る非相反遷移の過程で電子ガスの熱エクセルギーのバランスを満たしつつトムソン熱の熱エクセルギーの理想的再生を行うことが好ましい熱交換器が配置されている。これら半導体の間の金属横材は、エントロピーを補償するユニットをもつ断熱システムとして具現化されてよい。
熱電変換器の好ましい実施の形態は、前記熱交換器が、熱管又は多孔性セラミックとして具現化されていることを特徴とする。
さらに好適な実施の形態では、熱電変換器が、エントロピーを補償するユニットをさらに備えている。このユニットは、断熱熱源内の超電導横材として、又は、不可逆的に一部の体積を明け渡して一定電位、温度、エンタルピーの電子ガスを蓄積するための、仕事をすることなく且つ連続的に電子ガスに一定電荷を与えるユニットとして具現化されてよい。
熱電変換器のさらに好適な実施の形態では、付加的な熱電変換器が熱電変換器に接続されている。付加的な熱電変換器は、エクセルギー省力サイクル及び断熱源内へのエントロピーを補償する断熱システムと共に熱電変換器内に配置されてよい。この付加的な熱電変換器の金属横材又はクロスストラップは、断熱源内に位置していてよい。付加的な熱電変換器は、メインの熱電変換器と電気的に接続されていることが好ましい。
熱電変換器のさらに好適な実施の形態では、電子ガスの温度の等エントロピー変換器が、前記半導体の1つに直列接続されている。等エントロピー変換器は、好ましくは、エクセルギー省力サイクル内の熱電変換器内に配置される。これは、限定される例ではないが、米国特許出願2003/0072351 A1のように実施される。
以下、添付図面に例を示す熱力学的蒸気サイクル過程に基づいた説明によって本発明及びその実施の形態の原理を詳細に説明する。ここでの例は、説明のためのものであっていかなる意味においても本発明を限定するものではない。
熱電エクセルギー省力(saving)過程で熱及び仕事を変換する方法は、以下のように実施される。図1は、少なくとも一対の異なる導体の金属出力コンタクト4、5と、断熱蓄積熱源(adiabatic accumulating heat source )7内に配置された導体(導線)1によって直列接続及び分離されたn型半導体2及びp型半導体3とを含む電気回路を示している。導体1及び断熱原7は、熱供給媒体(heat supplying agent)のエントロピーを補償するために用いられる。コンタクト4、5の半導体2、3との金属熱電接点と導体1の熱電接点とは、温度が異なる。なぜなら、コンタクト4、5は、高温熱源(例えば環境)である温度T3の熱供給媒体を持っている一方で、導体1は、低温T1(例えば時計回りに実行される標準型直接サイクルの液化窒素9)又は高温(例えば反時計回りに実行される非標準型直接サイクルの溶融塩(melt of a salt ))の担体をもつ断熱シェル7内に位置しているからである。導体4と半導体3との間には、電子ガス温度の等エントロピー変換器6が配置されている。半導体2及び3の間では、熱交換器8によって、半導体2から半導体3へのトムソン熱の非相反変換過程での電子ガスのエクセルギーバランスを満足しつつ、トムソン熱のエクセルギーの理想再生条件が成立している。
熱電接点4、6及び2、5の加熱過程では、電子はn型半導体を通って低温接点(cooled junction)3、1に向かって移動し、正孔はp型半導体を通って低温接点2、1に向かって移動する。この過程において、ペルチェ熱が取り除かれ、電荷担体のエントロピーが増加する。コンタクト4、5では、熱電接点での温度差とゼーベック係数との積に比例した熱電原動力が発生する。
半導体に沿った温度差は、半導体2の高温部分での電流担体平均エネルギーが低温部分よりも大きくなるという結果をもたらし、トムソン熱は電流と共に半導体2内に放出され、半導体3内のトムソン熱は取り除かれる。ペルチェ及びトムソン効果は、電流通過過程において熱電接点を通って半導体内へと持ち去られる総熱量を決定する。
外部源からの電流が熱電変換器を通過するとき、ペルチェ熱が熱電接点に放出される。環境よりも温度の高い高温熱電接点は、加熱された物体に、以下の2つの成分からなる熱を与える。その1つは必要な電気的仕事として供給されたエクセルギーであり、2つ目は低温接点によって環境から熱として取り去られたアネルギーである。高温熱電接点によって放出された熱量は、用いられた外部源からの電気エネルギーの値によって、低温熱電接点によって取り去られた熱量を越える。このエネルギーは、熱電接点の温度が互いに異なるときにゼーベック則(Seebeck, T.J., 1822, Magnetische Polarisation der Metalle und Erze durch Temperaturdifferenz, Abhand. Deut. Akad. Wiss. Berlin, 265-373)によって回路に生じる電位差とは反対方向に電流の担体を移動させる仕事を実行するのに用いられる。
熱力学第1法則は、どのような制限(reservation)もないエネルギー変換方法として、熱及び仕事が等価であることを提示している。熱力学第2法則は、もし変換過程の間にいくつかの他の変化が実行されるのであれば、1つの源の熱から仕事への完全な変換の可能性を禁止しない。例えば、熱を電子ガスの仕事に完全に可逆変換する非周期的等温熱電過程の間、電子ガスの電荷が変化する。
熱を仕事に変換する直接循環過程では、高温源の熱は、(第1法則の要求により)高温熱電接点に供給される必要がある。さらに、エントロピーを補償しつつ、熱は、(第2法則の要求により)低温熱電接点から低温源に取り去られなければならない。
熱力学第2法則は、熱電効果に適用可能であり、電気エネルギーはエントロピーがゼロであるが、その熱エネルギーへの変換過程は不可逆である。なぜなら、導体及びコア(core)でのジュール熱の放出によるエントロピー増加過程が同時に生じるからである。
電子ガスの環状サイクルにおいて、熱電対の電気回路が閉じており且つ一定温度差が生じてそれが維持されるのであれば、3つの熱電効果が同時に生じ、ペルチェ、トムソン及びゼーベック係数間の関係がケルビン則(Kelvin relations)によって設定される。与えられた電荷量が通過する際に熱電原動力によって行われる環状サイクル内の電子ガスの仕事は、熱力学第1法則にしたがって、供給された熱量及び取り去られた熱量の差によって決定される。
何らかの変化をしているすべての物体を含む孤立系での熱力学第1及び第2法則は、それぞれが可逆等式及び不可逆不等式として形式化されているため、分離されている。これらは、2つの熱源をもつシステムでの1つの熱源の熱及び仕事の完全な可逆循環変換であって環状サイクルでの第2熱源のエントロピー劣化がないという条件を決定することによってのみ、一般化された熱力学法則として統合される。
熱電環状可逆過程についての一般化された熱力学法則の要点は、1つの熱源(source)の熱及び仕事の可逆完全循環変換を、他の熱源を用いて、サンプルサイクルでの第2熱源のエントロピー劣化なく実行する可能性及び条件を述べることである。
電子ガスの環状サイクルにおける電子ガスの電荷担体の熱及び仕事の可逆熱電変換では、1つの熱源の熱及び電子ガスの電荷担体の仕事は、エネルギー変換方法によって示されるように等価であって環状過程では完全に可逆である。これらは、非相反変換の熱エクセルギーの理想的再生、定温電子ガスエントロピーの可逆的増加、及び、熱交換がなく且つ電子ガスによる仕事の実行のない電場強度の上昇を伴って、第2の熱源による電子ガスの初期状態への環状遷移による、電荷担体の熱及び仕事の非周期的完全変換によって形成される。
これにしたがって、本方法による熱及び仕事の可逆エクセルギー省力変換が実行される。エクセルギー省力(すなわちエネルギー担体のエクセルギーを節約する)またはアネルギー損失のない(すなわち理想的サイクルで廃熱のない)サイクルの実行が、高温熱源つまり熱供給媒体のエントロピー変化を補償することによって達成される。一般化された熱力学法則による3つの物理的対極(エントロピー、エクセルギー、アネルギー)の相互作用は、熱交換の構造を根本的に変更する。さらに、再生熱電サイクルでの熱及び仕事の可逆変換方法の効率を基本的には増加させ、さらに、1つの熱源から他の熱源への熱エクセルギーの一部が移動することなく且つ他の熱源のエントロピー劣化を生じることなく、電子ガスである作業物質を用いて、2つの熱源の温度レベル間で実行される。
標準型直接エクセルギー省力熱電サイクルa−b−c−dを示す図2には、熱を仕事に等温的(ΔT=0)に変換する過程がTS座標で示されている。この過程では、等エントロピー線S2及びS3の区間で、ペルチェ及びトムソン熱の和に等しい熱QT1が、熱電接点5,2及び4,6によって取り去られ、電子ガスの熱電エクセルギーに完全に変換される。熱供給媒体、つまり高温T3の熱源(例えば環境)のエントロピーは減少し、等温過程b−cでのペルチェ及びトムソン熱の和に等しい熱が、熱電接点5,2及び4,6に与えられる。この過程で、供給された熱のエクセルギーは、電荷の増加及び電場強度の上昇を伴って、電子ガス担体の仕事に完全に変換される。熱相互作用において、システムの境界を介して移動したエントロピーが交換される。したがって、熱供給媒体のエントロピーが減少すると、電子ガスのエントロピー及びその電荷が増加する。熱供給媒体との熱交換区間同士のエントロピー変化は、同じ大きさで符号が逆である。
初期状態への戻りが、エクセルギーバランスを満たしつつ、非相反遷移2−8−3(図1)、c−d(図2)及び3−8−2(図1)、d−a又はa’−b(図2)でのトムソン熱QRGの熱エクセルギーの完全な理想的再生を伴って実行される。トムソン熱QRGの形式の電子ガスの熱エクセルギーは、非相反通過、すなわち対向する(非類似)部分2−8−3(図1)、区間c−d(図2)及び3−8−2(図1)、区間d−a又はa’−b(図2)においてサイクル内で再生する。循環過程において、第2の熱源の断熱シェル7の境界を越える前に、トムソン熱QRGの形式の電子ガスの熱エクセルギーが、電子ガスそのものから分かれて、例えば熱管(heat tube)として具体化される熱交換器8を通って半導体3に供給される。熱供給媒体の熱即ちトムソン熱の熱は、低温T1担体の温度にまで、一定ポテンシャル(電場強度)で、半導体2に沿って減少し、部分2−8−3(図1)、区間c−d(図2)でのトムソン熱を除去する過程で電荷が減少する。
温度がT3からT1に低下する等ポテンシャル又は等張(isotonic)(ΔE=0、定強度)区間c−dから取り去られた電子ガスのトムソン熱QRGの熱エクセルギーは、電子ガスの温度をT1からT2まで増加させるのに必要な等密度(isopycnic)(Δq=0、電荷密度一定)区間d−aでのトムソン熱の熱エクセルギーに等しくなるべきである。
これは、以下の条件が満たされるときに示される。
T3/T1−ln(T3/T1)=T2/T1−kln(T2/T1)
又は、
pT(ΔE=0)−lnpT(ΔE=0)=pT(Δq=0)−klnpT(Δq=0)
ここで、kは半導体の特性によって決められる係数であり、
pT(ΔE=0)、pT(Δq=0)は、それぞれ、等張及び等密度過程での温度変化の量(比)である。
T3/T1−ln(T3/T1)=T2/T1−kln(T2/T1)
又は、
pT(ΔE=0)−lnpT(ΔE=0)=pT(Δq=0)−klnpT(Δq=0)
ここで、kは半導体の特性によって決められる係数であり、
pT(ΔE=0)、pT(Δq=0)は、それぞれ、等張及び等密度過程での温度変化の量(比)である。
この数式によって、図2に示された標準直接エクセルギー省力サイクルa−b−c−dの複数の隣接区間での再生過程、及び、図4に示された非標準直接エクセルギー省力サイクルa’−b−c−dの複数の対向区間での再生過程において、既知の値T1及びT3に基づいてT2を計算することができる。
公知の直接(一般化されていない)カルノーサイクルでは、熱の2つの境界等エントロピー線の間に、熱が冷却器へと取り去られると共に、熱の仕事への変換(主過程)及び初期状態への戻り(補助的な補償過程)の両方が起こる。低温(標準サイクル)又は高温(非標準サイクル)の第2の熱源の温度場(temperature field)が電子ガスのエクセルギーにとって閉鎖(closed for)されたという条件の下で、エクセルギー省力サイクルでは、熱の2つの境界等エントロピー線S2、S3の間に、供給された熱を取り去り且つ電荷担体を変更する主過程だけが起こり、初期状態への戻りの補助過程は、等エントロピー線S1(図2の標準サイクルa−b−c−dではサイクルの隣接区間においてトムソン熱を再生し、または、図4のサイクルa’−b−c−dでは対向区間において再生する)又はS3(非標準サイクルでは、サイクルの対向区間においてトムソン熱を再生する1−2−5−6、または、隣接区間において再生する1−2−5’−6)への移動に伴って実行される。これは、変換された熱の等エントロピー線の境界の外側に位置する。第2の熱源7を通過する電子ガスの通過は、熱アネルギーの状態で、熱交換なしで且つ仕事をしないで、実行される。
エントロピー補償過程は、例えば、仕事をしない電子ガスのアネルギーの体積変化によるエントロピーの補償の横材(cross-piece)又はクロスストラップ(cross-strap)のシステム1によって実行される。電子ガスのアネルギー流は、システム1に向けられて、エントロピー補償過程を実行する。システム1を通過して熱供給媒体のエントロピー補償過程を完了した後、半導体3を通過する過程において、電子ガスの電荷担体が逆順で非相反通過の再生器(regenerator)の一部と熱的に接触することによるトムソン熱を代償にして、例えば電荷一定という条件の下で、電子ガスがトムソン熱の供給された熱エクセルギーを完全に吸収し、その温度及びエントロピーを低温・低エントロピーにまで変化(enhance)させる。これは、一定電場及び一定電荷でのp型材料とn型材料とのゼーベック係数の差に起因したものである。再生過程は、エクセルギーバランスを満たして実行され、すなわち理想的にはエクセルギー損失がなく、完全に可逆で完全に熱源から独立している。
環境の熱は、高温熱電接点(thermojunction)での環境温度にあるコンタクトプレート4、5に供給される。低温熱電接点2,1及び3,1は、例えば、熱源7の液化窒素の温度に維持される。発電器の電気回路が閉じており電流が流れているとき、以下の3つの熱電効果が生じる。ゼーベック、ペルチェ、トムソン効果、及び、液化窒素の温度にある極低温接合点1での超電導効果は、横材1に適切な材料を選択することで達成される。環境の熱が金属コンタクトプレート4、5に供給され、さらに、pn接合の超電導横材1が冷却されたとき、半導体の複数対に熱電原動力が生じる(ゼーベック効果)。再生熱交換器8を介して半導体2、3間で交換されるトムソン熱は、各半導体の温度勾配の場で同じ温度であるときに、電荷担体(電子及び正孔)のエントロピーの値が初期状態に戻る区間において異なるように、エクセルギーバランスを満たしつつ、生じる。これは、電場強度一定及び電気量一定という条件の下で、半導体2、3の熱電原動力係数の値、及び、再生過程の異なる条件を適切に選択することによって達成される。仕事の一部は、区間a−bで初期状態に戻る過程で、T2からT3(図2)まで電子ガスの温度を断熱増加させるユニット6によって電位を初期状態まで変更するために用いられてよい。
断熱源7内の超電導横材1を通過する電流通過は、電子の散逸(dissipation )、熱の放出、及び、蓄熱極低温9熱源7のエントロピー劣化を伴わない。この劣化は、半導体2、3の両端に温度勾配があれば熱伝導の結果として半導体の高温端部から低温端部へと移動する熱を蓄熱器7で取り去る結果として生じる。さらに、断熱シェル7の断熱が完全ではないことのために、熱が熱源7を貫く。
環状サイクルにおいて熱変換器(thermotransformer)及びその電子ガスにどのような変化が起こるか?それは、可逆環状過程でのエントロピー保存則によって決定される。可逆サイクルが実行された後、変換器は何らの結果も生じずに初期状態に戻る。この場合での可逆過程は、過程がないに等しい。それゆえ、サイクル全体での環状機器及びその電子ガスのエントロピーは不変であり、機器にいかなる変化も生じないことと等価である。
上述した可逆サイクル過程でのエントロピー保存則は全体システムにも適用可能なので、全体として考えたとき、全体を考慮して、エントロピーは、システムのエントロピーバランスを閉じる(close)ように変化すべきである。エクセルギー省力熱電サイクルでの不可逆的エントロピー変化の補償過程は、電子ガスの熱エクセルギーをトムソン熱の除去によってアネルギーに変換した後に発生するものであって、カルノーサイクルにおけるように電子ガスの熱を受熱媒体に与えることによってではなく、アネルギーを変化させることによって実行される。電子ガス及びその通過から、断熱熱源の温度場において補償システム1内で明け渡された体積内へとトムソン熱を取り去る過程では、電荷の変化と、一定の温度及び電場強度にある電子ガスの体積換算の不可逆的エントロピー、電位(potential )アネルギー及びエントロピーの変化とが、仕事なし且つ不可逆的で継続した周期的な(continually-cyclic)過程なしで生じる。
エントロピーの補償生成は、一定の電場強度及び温度などで電荷担体の体積の一部を放出する不可逆膨張過程で、作業物質を、拡散(diffusion)、冷凍、凝縮、爆発または再結合において、より安定な状態に遷移させる過程で行われたであろう仕事の損失を代償として実行される。
以下の2種類の担体、つまり電子と正孔が電荷担体として用いられる。エントロピーの増加は、この場合、仕事の損失を代償にして実行される。このエントロピーの増加は、ギブスのパラドックス(Gibbs' paradox)におけるエントロピー変化に類似している。これは、2つのガスを混合する過程では、幾何学量(geometric volume)間の隔壁を取り去った後、内部エネルギー、エンタルピー、温度及び圧力は変化しないが、混合エントロピーが2つのガスのエントロピーの和よりも大きくなるというものである。
この場合のエントロピー過程は、アネルギー(仕事をすることができない、電子ガスのエネルギーの一部)又はエクセルギー(仕事をすることができる、電子ガスのエネルギーの一部)として、熱を第2の熱源に与えることを伴わない。価値のある熱エクセルギーは、サイクル内で完全に用いられ、これが電子ガスにとってカルノーサイクルよりもより効率のよいものとする。
この方法の構成では、2つの熱源の機能及びエクセルギー省力サイクルでの熱交換構造は、概念的に、カルノーサイクル(作業物質が電子ガスと熱交換すると共に、第2の熱源(断熱源)が係る交換のために閉じられる)とは異なっている。第2の熱源を用いて、熱アネルギーの状態にある電子ガスの電荷の体積換算の変化及びエントロピーの変換が実行される。断熱源の熱ポテンシャルは、サイクル内の電子ガスの循環過程において、断熱源の外で電子ガスの熱状態を変更するのに有効である。断熱源のエクセルギーは、エクセルギー省力サイクル内で用いられない(一定エネルギーの磁石が電磁効果(magneto-electric effects)に用いられないのと同様)。
いくつかの新たな現象が明らかとなった。すなわち、電子ガスを用いたすべての熱電エクセルギー省力サイクルにおいて、サイクルから吸熱体(heat absorber )への熱の流れはなく、断熱源の温度は、作業物質(例えば環境)の対応するパラメータよりも上又は下のいずれかに設定され得る。前記熱力学的サイクルは、熱過程の標準(従来の)配列(通過)のいずれか(すなわち直接サイクルについては時計回りで、逆サイクル(冷却及び加熱サイクル)については反時計回り又は非標準配列、または、直接サイクルについては反時計回りで、冷却及び加熱サイクルについては時計回り)を有している。
定温下において、断熱源を通りそれと熱交換しない熱アネルギーの状態にある電子ガスの通過は、断熱源の熱エネルギーを劣化させることがない。局所的な断熱源の劣化は、例えばデュワーフラスコ(Dewar flask )内の蓄熱担体である局所熱源の非理想的熱的孤立(thermal isolation)と、特に半導体の熱伝導率によるシステムの部分的な熱の技術的散逸(technical dissipation )とだけに起因して生じる。温度差があれば、熱は高温熱電接点から低温熱電接点へと移動する。
サイクルにおいてトムソン熱の熱エネルギーの再生熱交換区間(図2の線図における部分c−d及びd−a又はa’−b)は、熱交換の等エクセルギー過程の単一区間(つまり、一定の熱エクセルギーという条件下で、熱を供給又は取り去るポリトロープ過程)、又は、一定のポテンシャル値、一定の電子ガスの電荷量、若しくは、等温(図2において部分b−c)及び等エントロピー過程(図2において部分a−b又はa’−d)をもつ複数区間の組み合わせによって閉じられている。
直接サイクルを時計回りに実行する過程で、電子ガスのエントロピーを増加させ、電子ガスによって第1の熱源の熱を取り去る等温過程の温度は、第2の熱源の温度場にある電子ガスの熱アネルギーの状態の温度よりも高く設定されてよい。
直接サイクルを反時計回りに実行する過程で、電子ガスのエントロピーを増加させ、第1の熱源の熱を取り去る等温過程の温度は、第2の熱源の温度場にある電子ガスの熱アネルギーの状態の温度よりも低く設定されてよい。
逆加熱サイクルを反時計回りに実行するためにいくらかの電気的仕事を行うことによる直接サイクルの変換の過程において、電子ガスの熱を加熱環境に与え且つ電子ガスのエントロピーを減少させる等温過程の温度は、第1の熱源の温度場にある電子ガスの熱アネルギーの状態の温度よりも高く設定されてよい。
逆加熱サイクルを時計回りに実行するためにいくらかの電気的仕事を行うことによる直接サイクルの変換の過程において、電子ガスの熱を加熱環境に与え且つ電子ガスのエントロピーを減少させる等温過程の温度は、第1の熱源の温度場にある電子ガスの熱アネルギーの状態の温度よりも低く設定されてよい。
第1の熱源の熱として環境が用いられてよく、第2の熱源として高温の局所断熱源が用いられてよく、標準型直接エクセルギー省力サイクルの電気的仕事の一部が用いられてよく、第2の熱源の温度場に熱を放出する等温過程をもつ付加的な加熱サイクルが実行されてもよい。
エクセルギー省力サイクルにおいて、電磁放射の量子の形式で、電子及び正孔の再結合という不可逆過程が実行される。
電気的仕事の形式での連続した除去及び回復(recuperation)が行われる断熱システムにおいて、電気的仕事がエクセルギー省力サイクルに供給され且つ蓄積されてよい。熱が仕事をする能力のスケールは、ΠTlnΠPという式によって表される。ここで、ΠTはエクセルギー省力サイクルにおける温度変化量(比)であり、ΠPは前記サイクルにおける電子ガスの電位変化量(比)であって、熱は、直接エクセルギー省力サイクルの電子ガスの等温過程に供給される熱の第1の熱源として用いられ、第2の熱源の温度場において作業物質の熱アネルギーの温度は固定であり、エクセルギー省力サイクルが実行され、電子ガスの温度及び電位の変化量(比)が測定されて熱の仕事をする能力が決定される。半導体熱変換の助けを借りて、上述した複数の熱電効果を同時に用いることで、環境熱エネルギーをエネルギー源として用いた、新たな熱電電流源、高温又は低温の熱電熱源、又は、熱電電磁放射源(光又はUHF発生器の量子源)が作り出される。
[熱電変換器]
2つの熱源の温度差を電位に直接変換し、逆に電気的仕事を(加熱された環境に供給された又は冷却された物体から取り去られた)熱に変換する熱電変換器が知られている(Seebeck, T.J., 1822, Magnetische Polarisation der Metalle und Erze durch Temperaturdifferenz, Abhand. Deut. Akad. Wiss. Berlin, 265-373; Peltier, J.C:, 1834, Nouvelles experiences sur la caloriecete des courans electriques. Ann.. Chem.; LVI, 371-387; Thomson, W., 1851, On a mechanical theory of thermoelectric currents, Proc. Roy. Soc. Edinburgh, 91-98)。
2つの熱源の温度差を電位に直接変換し、逆に電気的仕事を(加熱された環境に供給された又は冷却された物体から取り去られた)熱に変換する熱電変換器が知られている(Seebeck, T.J., 1822, Magnetische Polarisation der Metalle und Erze durch Temperaturdifferenz, Abhand. Deut. Akad. Wiss. Berlin, 265-373; Peltier, J.C:, 1834, Nouvelles experiences sur la caloriecete des courans electriques. Ann.. Chem.; LVI, 371-387; Thomson, W., 1851, On a mechanical theory of thermoelectric currents, Proc. Roy. Soc. Edinburgh, 91-98)。
提案された熱電変換器に最も近い最先端の技術的解決策は、加熱又は冷却して電気を生成する半導体熱変換器(米国特許6,384,312号)である。この変換器は、電子及び正孔で導電性(conductivity)をもつ少なくとも一対の半導体と、各対を電気的に接続する金属横材(金属接合点を有する、冷却された又は加熱された半導体の熱電接点)とを備えている。
公知の熱電変換器の熱電変換効率は、熱及び電気的エネルギーの不完全な使用と、システムからの廃熱の廃棄とのために不十分なものであり、熱及びエクセルギー効率を低下させている。
この問題は、本発明による熱電変換器によって解決され、その実施の形態は、熱及び仕事の熱電変換器の熱電効率を高める。
上記問題は、電子及び正孔で導電性をもつ少なくとも一対の半導体と、金属横材とを含み、半導体の熱電接点が金属接合点を有する熱電変換器によって解決される。ここで、1つの半導体変換器は、トムソン熱を放出する過程において電子ガスが等電位であるユニットとして具現化され、他方はトムソン熱を取り去る過程において電子ガスが等電荷であるユニットとして具現化される。トムソン熱の理想的再生を行う熱電変換器が、半導体を介した非相反遷移の過程での電子ガスの熱エネルギーバランスを満たすために、これら半導体の間に配置される。これら半導体の間の金属接合点(横材)は、エントロピーを補償するユニットをもつ断熱システムとして具現化されてよい。
好適な実施の形態では、トムソン熱の熱エクセルギーの理想的再生を行う熱交換器が、熱管又は多孔質セラミックとして具現化されてよい。
好適な実施の形態では、エントロピーを補償するユニットは、不可逆的に一部の体積を明け渡して一定電位、温度、エンタルピーの電子ガスを蓄積するための、仕事をすることなく且つ連続的に一定電荷が与えられるユニットとして具現化されてよい。
好適な実施の形態では、エントロピーを補償するユニットは、断熱蓄熱器内の超電導横材として具現化されてよい。
さらに好適な実施の形態では、付加的な熱電変換器が、エクセルギー省力サイクル及び断熱源内へのエントロピーを補償する断熱システムと共に熱電変換器内に配置されてよい。この付加的な熱電変換器の金属横材又はクロスストラップは、断熱源内に位置していてよい。付加的な熱電変換器は、メインの熱電変換器と電気的に接続されていてよい。
さらに好適な実施の形態では、電子ガスの温度の等エントロピー変換器が、エクセルギー省力サイクル内の熱電変換器内で半導体と直列に接続されていてよい。
図10には、環境の熱を電気エネルギーに変換する直接エクセルギー省力熱電変換器の設計の1バージョンが例示されている。これは、断熱シェル7内の蓄熱極低温源9としての断熱自律(autonomous)源をもつ電流のメイン熱電発電器1,2,3,4,5,6,7,8,9と、メイン熱電発電器と電気的に接続された組込型補助可逆変換器10,2,3,4,5,7,8,9とを備えている。補助冷却閉曲線(contour)は、断熱シェル7の非理想的な熱的孤立と半導体2、3の熱伝導率の不可逆過程とによって生じるエントロピーの劣化を補償するために用いられる。
熱電変換器は、直列又はカスケード接続された、電子又は正孔での導電性をもつ少なくとも一対又は複数対の半導体2、3と、蓄熱源の担体9(例えば断熱シェル7内の液化窒素(78K))の温度で超電導となる例えば横材1として具現化されるエントロピー補償システムと、熱電原動力発生器の導電出力端子としても用いられてよい、環境熱を供給する金属コンタクトプレート4、5とを含んでいる。半導体2、3の外側面間には、熱交換器−再生器8の熱管によって、トムソン熱の熱接点が設けられてよい。
環境熱は、高温熱電接点において環境温度にあるコンタクトプレート4、5に供給されてよい。低温熱電接点は、液化窒素の温度に維持されてよい。発生器の電気回路が閉じられており且つ電流が流れると、以下の3つの熱電効果が生じる。ゼーベック、ペルチェ、トムソン効果、さらに、液化窒素の温度にある極低温接合点1での超電導効果である。環境熱が金属コンタクトプレートに供給されてpn接合をもつ超電導横材が冷却されると、半導体の対に熱電原動力が生じる(ゼーベック効果)。トムソン熱は、再生熱交換器8を介して半導体2、3間で交換される。この交換は、各半導体の温度勾配の場において同じ温度であるところで、初期状態に戻る区間での電荷担体(電子及び正孔)のエントロピーの値が互いに異なるというエクセルギーバランスを満たしつつ生じる。これは、半導体2、3の熱電原動力係数を適切な値に選択すること、及び、例えば電場強度一定及び電気量一定という条件という再生過程の異なる条件によって、達成される。仕事の一部が初期状態への戻り過程で、電子ガスの断熱温度上昇ユニット6によって電位を初期状態まで変更するために用いられてよい。
断熱源7内の超電導横材1を通って電流が通過しても、電子の散逸、熱の放出、及び、蓄熱極低温源9のエントロピー劣化が伴うことがない。係る劣化は、半導体2、3の両端に温度勾配があるという熱的条件がある場合に、高温端部から低温端部への蓄熱器7への熱の移動の結果として生じる。さらに、熱は、断熱シェル7の不完全な熱的孤立のために、熱源9内に侵入する。
これらの条件が満たされた場合、環境熱は電子ガスに仕事をする能力を獲得し、前記サイクルはエクセルギー省力となり、すなわち電子ガスのエクセルギーは完全に前記サイクル内で用いられる。エントロピー補償過程は、体積換算のエントロピー変化、電荷担体のポテンシャルアネルギー(potential anergy)が不可逆過程において仕事をすることなく定温で起こったときに、アネルギー状態の電子が超電導横材を通過する過程で実行される。
エントロピーの増加は、仕事の損失を代償として生じるものであり、定温の電子ガスにいくらかの空間を明け渡すと共に電荷担体数が増加する過程において、電子の集合である超流動体の超電導のより安定した状態への不可逆的遷移過程で電子によって実行される
直接エクセルギー省力熱電サイクルの効率は、カルノーサイクルにしたがって電子ガスによって熱を仕事に熱電変換する効率よりも高い。それゆえ、エクセルギー省力熱発生器は、極低温源のエントロピー劣化を補償する連続した作業閉曲線(contour)と共に用いることができる。熱電冷却変換器10,2,3,4,5,7,8,9は、極低温源9へと貫通する熱を除去する通常冷却熱電サイクルにしたがって動作する。
エクセルギー省力熱発生器(同時に、極低温源のエントロピー劣化を補償する熱電極低温冷却器でもある)内において、エクセルギー省力熱発生器は、極低温源内へと貫通する熱を取り去る再生変換器10,2,3,4,5,7,8,9の電流源として用いられてよい。これは、熱発生器と同じ要素を含んでいる。しかしながら、その内部にある極低温接合点10は、通常の金属から具現化されてよい。これはペルチェ効果に基づいて動作する。したがって、金属極低温接合点10は熱を吸収し、高温熱電接点は、低温極低温接合点が取り去った熱量を、熱発生器のエネルギーの値だけ超える熱量を放出し、それは電場とは反対方向に電荷担体を移動させる仕事を実行するのに用いられる。ペルチェ、ジュール及び環境熱は、共通蓄熱プレートに蓄積され、熱発生器によって用いられる。
上述したエクセルギー省力熱発生器は、環境の熱エネルギーを用い且つ第2の熱源を利用して、そのエントロピー劣化を生じることなく、通信、コンピュータ用電力供給源として用いることができ、さらに、例えばコンピュータプロセッサ、UHF素子といったマイクロ電子部品の同時極低温冷却を提供する。
さらに、環境の熱エネルギーを用いる熱電加熱器、熱電量子光源などの助けを借りて、閉鎖体積内で所望空気温度を保持し且つ熱エクセルギー省力サイクルを実行するヒートポンプを作製する可能性のある、非標準熱電サイクルを実行するための技術的可能性を示すことができる。
明細書及び上述した本発明の実施を考慮すると、当業者にとって本発明の変形例は明白である。本発明の上述した実施例は、説明のためのものに過ぎない。本発明は開示された実施例そのものに限定されるものでない。上記した各種の教示から、様々な変更又は変形を行うことが可能である。明細書及び実施例は例示だけを目的としており、本発明の観点は特許請求の範囲によって示される。
Claims (18)
- 電子ガスの電荷担体が少なくとも第1及び第2の(7)熱源を循環させられる熱電サイクル内で熱及び仕事を変換する方法であって、
前記熱電サイクルの熱力学的表現の隣接区間(c−d,d−a)を表すサイクル要素間で熱交換を行うことを特徴とする方法。 - 前記熱交換が、電位一定且つ電子ガスの電荷量一定という前記サイクルの区間において実行される、請求項1に記載の方法。
- 前記サイクル内でトムソン熱の熱エネルギーを熱交換する区間が、等エクセルギー熱交換過程の区間によって閉じられている、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記サイクル内でトムソン熱の熱エネルギーを熱交換する区間が、電位一定且つ電子ガスの電荷量一定、又は、等温で等エントロピー過程の複数区間の組み合わせによって閉じられている、請求項1又は2に記載の方法。
- 熱が第1の熱源から電子ガスに供給されて、熱力学的表現に関して時計回りの直接サイクルを実行することをさらに備えており、電子ガスのエントロピーが増加し電子ガスによる第1の熱源の熱を取り去る等温過程の温度(T3)を、第2の熱源の温度場にある電子ガスの熱アネルギーの状態の温度(T1)よりも高く設定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 熱が第1の熱源から電子ガスに供給されて、熱力学的表現に関して反時計回りの直接サイクルを実行することをさらに備えており、電子ガスのエントロピーが増加し電子ガスによる第1の熱源の熱を取り去る等温過程の温度(T3)を、第2の熱源の温度場にある電子ガスの熱アネルギーの状態の温度(T1)よりも低く設定する、請求項1、2及び4のいずれか1項に記載の方法。
- 熱力学的表現に関して反時計回りの逆サイクルを実行することをさらに備えており、電子ガスの熱が加熱環境へ移動し電子ガスのエントロピーが減少する等温過程の温度を、第1の熱源の温度場にある電子ガスの熱アネルギーの状態の温度よりも高く設定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 熱力学的表現に関して時計回りの逆サイクルを実行することをさらに備えており、電子ガスの熱が加熱環境へ移動し電子ガスのエントロピーが減少する等温過程の温度を、第2の熱源の温度場にある電子ガスの熱アネルギーの状態の温度よりも低く設定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 環境が第1の熱源として用いられ、低温の局所断熱源が第2の熱源として用いられる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 環境が第1の熱源として用いられ、高温の局所断熱源が第2の熱源として用いられる、請求項9に記載の方法。
- 電気的仕事の連続した除去及び回復を伴う断熱システム内に、電気的仕事が供給されて蓄積される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 前記サイクルにおける温度変化比をΠT、前記サイクルにおける電子ガスの電位変化比をΠPとしたとき、熱が仕事をする能力のスケールが、ΠTlnΠPという式によって表される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 電子及び正孔での導電性をもつ少なくとも一対の半導体と、複数の金属接合点と、金属部材が電気的に接続された前記半導体の冷却された及び加熱された複数の熱電接点とを備えており、請求項1〜12のいずれかの方法を行う熱電変換器であって、
前記対の一方の半導体又は各対が、電子ガスの一定電位をもつユニットとして具現化されており、
前記対の他方の半導体又は各1つの対が、電子ガスの一定電荷量をもつユニットとして具現化されており、
両方の半導体又は各1つの対同士が、熱交換器によって接続されていることを特徴とする熱電変換器。 - 前記熱交換器が、熱管又は多孔性セラミックとして具現化されていることを特徴とする請求項13に記載の熱電変換器。
- エントロピーを補償するユニットをさらに備えている、請求項13又は14に記載の熱電変換器。
- 付加的な熱電変換器が接続されていることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の熱電変換器。
- 電子ガスの温度の等エントロピー変換器が、前記半導体の1つに直列接続されていることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の熱電変換器。
- 電子及び正孔を再結合させるユニットが、前記半導体の1つに直列接続されていることを特徴とする請求項13〜17のいずれか1項に記載の熱電変換器。
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