JP2008513981A - 抵抗の温度係数のトリミング誘起シフトに対する補償 - Google Patents
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Abstract
複合抵抗体は、トリミング可能な抵抗体の抵抗の温度係数のトリミング誘起シフトを補償するために使用される。複合抵抗体は第1および第2部分から構成され、2つの部分の少なくとも1つは熱的にトリミング可能であり、第1および第2部分のパラメータは、トリミング可能な抵抗体をトリミングすることによって、複合抵抗体の全体的抵抗および抵抗の温度係数のトリミング誘起シフトを最小化することができるように選択される。
【選択図】図12
【選択図】図12
Description
本願は、2004年9月21日に出願した米国特許仮出願第60/611,274号の優先権を主張し、その内容を参照によって本書に援用する。
本発明は、電熱トリミング可能な抵抗体および抵抗ネットワークに関し、さらに詳しくは、これらの抵抗体の熱的トリミングにより抵抗、抵抗の温度係数、および抵抗の相対温度係数を調整することに関する。
「精密抵抗体」と呼ばれる抵抗体を取り扱う際に、抵抗値を精密に調整する能力を有することが有利である。また、そのような抵抗体の抵抗の温度係数(TCR)を精密に調整することも有利である。
第1抵抗値および正のTCRを持つ第1部分と、第2抵抗値および負のTCRを持つ第2部分とを含む複合抵抗体については、抵抗およびTCRの合同および独立調節を達成できることが知られている(米国特許第4079349号、米国特許第4907341号、米国特許第6097276号)。複合抵抗体のこれら2つの部分の独立トリミングは結果的に、複合抵抗体の総抵抗およびTCRの調整をもたらす。トリミング技術は、レーザビーム切断または超音波プローブ切断などのような、抵抗材料を切断するプロセスに基づく。このトリミングプロセス中に、抵抗体部分の形状がトリミングされるだけであるので、バルク抵抗体材料の材料特性、すなわちTCRは実質的に一定に維持される。
別の非レーザトリミング技術で薄膜抵抗体を調整することが公知である。この技術は、熱変化し易い材料から作られた抵抗体の熱的トリミングに基づく。抵抗体トリミングは、抵抗体自体または隣接する補助発熱体を通過する電流パルスを用いて加熱することによって達成される(米国特許第4210996号、米国特許第5635893号、米国特許第5679275号)。レーザトリミングで行なわれるような抵抗体材料の部分の直接的な物理的除去の代わりに、熱的トリミングは、抵抗率およびTCRのような材料の物理的特性を直接変化させる。
抵抗トリミングはTCRの著しい変化によって達成されることが報告されている(K.Kato、T.Ono、「Changes in Thermal Coefficient of Resistance of Heavily Doped Polysilicon Resistors Caused by Electrical Trimming」、Jpn.J Appl.Phys.Vol.35(1996)、pp.4209-4215;D.Feldbaumer,J.Babcock、C.Chen、「Pulse Current Trimming of Polysilicon Resistors」、Trans.On Electron Devices vol.42(1995)、pp.689-696;米国特許第6306718号)。この効果の尺度として、用語「トリミングの温度係数(TCT)」がこの文書で以下使用され、TCRのトリミング誘起シフトである、トリミングのフラクション当たりTCRの変化を定義する。例えば−1000ppm/K/トリムフラクションのTCTは、抵抗を0.01(1%)のトリムフラクションだけトリムダウンする結果、トリムの方向とは反対の方向に10ppm/Kに等しいTCRのシフト(この場合は10ppm/Kの増加)が生じることを意味する。ポリシリコン抵抗体の場合、TCTは一般的に負であり(抵抗の低下によりTCRが増大し)、その値はドーパントの種類およびドーピングレベルに依存することが、経験的に分かっている。
米国特許第4079349号
米国特許第4907341号
米国特許第6097276号
米国特許第4210996号
米国特許第5635893号
米国特許第5679275号
米国特許第6306718号
K.Kato、T.Ono、「Changes in Thermal Coefficient of Resistance of Heavily Doped Polysilicon Resistors Caused by Electrical Trimming」、Jpn.J Appl.Phys.Vol.35(1996)、pp.4209-4215
D.Feldbaumer,J.Babcock、C.Chen、「Pulse Current Trimming of Polysilicon Resistors」、Trans.On Electron Devices vol.42(1995)、pp.689-696
非零TCTは新しい問題(典型的な切断に基づくトリミング技術には存在しない)を生じ、それは以下の例で明らかにすることができる。同一の初期TCRを持ち、TCT=−2000ppm/K/トリムフラクションである2つのトリミング可能な抵抗体から構成される、抵抗分割器について考察する。抵抗比が抵抗体の1つを10%トリムダウンすることによって調整される場合、それに随伴する相対的TCR(RTCR)の変化は200ppm/Kに達することがある。熱的トリミングを用いると、抵抗整合を潜在的に非常に精密に(0.01〜0.1%より良好)行なうことができるが、±50℃の範囲の周囲温度の変化は分割器の電圧を非常に不安定にし、抵抗比のドリフトが±1%に達することがあり得る。
抵抗体のほぼ零のTCRは、周囲温度が変化しても抵抗のドリフトがほぼ零になるので望ましいが、アナログ回路における信号歪みを回避するために、動作中の自己発熱による抵抗変調も最小化する必要がある。正および負のTCRを持つ2つの部分から成る複合抵抗体の問題の1つは、抵抗体全体のほぼ零のTCRが、自己発熱による抵抗変調の零を意味しないことである。例えば、10KΩの抵抗および100ppm/KのTCRを有する第1部分および1KΩの抵抗および−1000ppm/KのTCRを有する第2部分(直列に接続)を持つ複合抵抗体は、正味零のTCRを有する。複合抵抗体を通過する電流は、第1部分で第2部分の10倍の電力消費を引き起こす。2つの部分の熱的分離が同一である場合、第1部分は、第2部分より10倍高い温度に加熱される。第1部分の過熱温度が10℃であり、第2部分の過熱温度が1℃であると仮定する。その結果、第1抵抗は0.1%つまり10Ω増大する一方、第2抵抗は0.1%つまり1Ω低下する。複合抵抗体の絶対抵抗変化は9Ωに等しい。2つの部分の同一相対抵抗変化は、それらの抵抗値の異なる絶対変化をもたらす。その結果、総抵抗はもはや一定にならない。
したがって、熱的トリミングを行なうときに、非零TCTに起因する潜在的にマイナスの影響があることは明らかである。
本発明の実施形態は、異なる抵抗値およびTCR値を有する少なくとも2つの抵抗部分から複合抵抗体を構成することによって、熱的にトリミング可能な抵抗ネットワークの非零TCTから生じるRTCR(TCR不整合)を補償(または最小化)する。
本発明の実施形態は、熱的にトリミング可能な抵抗ネットワークの抵抗比およびRTCRの独立調整を達成し、RTCRはほぼ零に、または意図的に非零値に調整される。調整可能な非零RTCRを持つトリミング可能な抵抗ネットワークは、回路パラメータ(オフセット、利得、感度など)の温度ドリフトを必要とする種々の異なる用途で使用することができる。
本発明の実施形態は、正および負のTCRを持つ2つの部分からなる複合抵抗体の抵抗変調に対する自己発熱の影響を低減する。
本発明の第1の広い態様では、トリミングの関数として抵抗の温度係数(TCR)の予め定められた挙動を有する、トリミング可能な抵抗部品を提供するための方法であって、少なくとも第1部分および第2部分を有し、少なくとも前記第1部分が、熱的にトリミング可能でありかつ第1抵抗率、抵抗の第1温度係数値α0、および前記第1抵抗率のトリミングのフラクションx当たりの前記α0の変化を定義する温度係数のトリミング誘起シフトの値γ1を有する第1抵抗体を含み、かつ前記第2部分が、第2抵抗率値および抵抗の第2温度係数値β0を有する第2抵抗体を少なくとも含んで成る、複合抵抗体を形成する材料を選択するステップと、R1およびR2を可変パラメータ、α0、β0、およびγ1を固定パラメータとして、前記TCR対トリムフラクションxの関数を生成することによって、少なくとも前記第1部分がトリミングされるときに、前記抵抗部品の前記TCR値がどのように変化するかを決定するステップと、前記TCRの前記予め定められた挙動を持つ前記抵抗部品がもたらされるように、R1およびR2またはR1/R2に特定の値を選択し、それによって前記γ1の影響を前記抵抗部品に組み込むステップとを含む方法を提供する。
本発明の第2の広い態様では、トリミングの関数として抵抗の温度係数(TCR)の予め定められた挙動を有するトリミング可能な抵抗部品であって、熱的にトリミング可能でありかつ第1抵抗率、抵抗の第1温度係数値α0、および前記第1抵抗率のトリミングのフラクションx当たりの前記α0の変化を定義する温度係数のトリミング誘起シフトの値γ1を有する第1抵抗体から構成される第1部分と、第2抵抗率値および抵抗の第2温度係数値β0を有する第2抵抗体から少なくとも構成される第2部分とを備え、前記第1部分および前記第2部分が、前記TCR値の前記予め定められた挙動を持つ前記抵抗部品をもたらすようにR1およびR2またはR1/R2に特定の値を有し、前記TCRの前記予め定められた挙動が、R1およびR2を可変パラメータ、α0、β0、およびγ1を固定パラメータとして、前記TCR対トリムフラクションxの関数によって定義され、それによって前記γ1の影響が前記抵抗部品に組み込まれるように構成された、トリミング可能な抵抗部品を提供する。
本発明の第3の広い態様では、回路の調整可能なパラメータおよび前記パラメータの調整可能な温度係数を有する特定用途向け回路であって、熱的にトリミング可能でありかつ第1抵抗率、抵抗の第1温度係数値α0、および前記第1抵抗率のトリミングのフラクションx当たりの前記α0の変化を定義する温度係数のトリミング誘起シフトの値γ1を有する第1抵抗体から構成される第1部分と、第2抵抗率値および抵抗の第2温度係数値β0を有する第2抵抗体から構成される第2部分とを含み、前記第1部分および前記第2部分が、前記TCR値の前記予め定められた挙動を持つ複合抵抗体をもたらすようにR1およびR2ならびにR1/R2の少なくとも1つに特定の値を有して成る少なくとも1つの複合抵抗体と、前記少なくとも1つの複合抵抗体を熱的にトリミングするための制御回路機構と、前記少なくとも1つの複合抵抗体に接続された前記用途のための回路機構とを備え、前記TCRの前記予め定められた挙動が、R1およびR2を可変パラメータ、α0、β0、およびγ1を固定パラメータとして、前記TCR対トリムフラクションxの関数によって定義され、それによって前記γ1の影響が前記複合抵抗体に組み込まれるように構成された回路を提供する。
本発明の別個の態様では、図23aに示す回路は、先行技術の通りR1_compおよびR2_compにより実現することができることを理解されたい。
好適な実施形態では、PCT国際公開第04/097859号、国際公開第04/097860号、および国際公開第04/083840号に開示されているようなトリミングアルゴリズムを使用する。加えて、抵抗体をトリミングするためのPCT国際公開第03/023794号、および国際公開第04/097859号に記載されているような制御回路機構も好適である。
本発明の第4の広い態様では、予め定められた抵抗値および抵抗の温度係数値を有する抵抗体を提供するための方法であって、トリミングの関数として抵抗の温度係数(TCR)の予め定められた挙動を有するトリミング可能な抵抗部品を提供するステップを含み、少なくとも第1部分および第2部分を有し、少なくとも前記第1部分が、熱的にトリミング可能でありかつ第1抵抗率、抵抗の第1温度係数値α0、および前記第1抵抗率のトリミングのフラクションx当たりの前記α0の変化を定義する温度係数のトリミング誘起シフトの値γ1を有する第1抵抗体を含み、かつ前記第2部分が、第2抵抗率値および抵抗の第2温度係数値β0を有する第2抵抗体を少なくとも含んで成る、複合抵抗体を形成する材料を選択するステップと、R1およびR2を可変パラメータ、α0、β0、およびγ1を固定パラメータとして、前記TCR対トリムフラクションxの関数を生成することによって、少なくとも前記第1部分がトリミングされるときに、前記抵抗部品の前記TCR値がどのように変化するかを決定するステップと、前記TCRの前記予め定められた挙動を持つ前記抵抗部品がもたらされるように、R1およびR2またはR1/R2に特定の値を選択し、それによって前記γ1の影響を前記抵抗部品に組み込むステップと、前記予め定められた抵抗値および抵抗の温度係数値が得られるように前記第1抵抗体を熱的にトリミングするステップとを含む方法を提供する。
本発明の実施形態は、精密調整可能な抵抗体および抵抗ネットワークを製造するために使用することができる。調整に使用される電熱トリミングは一般的に、抵抗値のみならず、トリミング可能な材料のTCRをも変化させる。提案する解決策は、設計者/使用者が次のことを達成することを可能にする。
‐抵抗体のTCRの変動を低減する抵抗の調整
‐ほぼ零のRTCRの独立調整と共に、少なくとも2つの抵抗体の抵抗比の調整
‐RTCRの実質的に非零値への意図的調整と共に、少なくとも2つの抵抗体の抵抗比の調整
‐動作中の電力消費の結果生じる自己発熱による抵抗変調の低減
‐抵抗体のTCRの変動を低減する抵抗の調整
‐ほぼ零のRTCRの独立調整と共に、少なくとも2つの抵抗体の抵抗比の調整
‐RTCRの実質的に非零値への意図的調整と共に、少なくとも2つの抵抗体の抵抗比の調整
‐動作中の電力消費の結果生じる自己発熱による抵抗変調の低減
用語「複合抵抗体」は、同一または異なる抵抗、抵抗率、シート抵抗、トリミング量、および他の物理的性質を持つことのできる、2つ以上の識別可能な抵抗体から構成される抵抗体と理解される。
「抵抗部品」は、単一の抵抗、抵抗のネットワーク、一部が応用回路の一部である複数の抵抗、完全に応用回路内に組み込まれた複数の抵抗、または応用回路の外部の複数の抵抗とすることができる。それはまた、上に定義した複合抵抗体とすることもできる。
関数を生成するために行なわれる解析は、数値解析(コンピュータベースのシミュレーションツールを使用する場合)、分析的解析(古典的電気の法則に基づく)、または実験的解析(TCR(x)曲線の組を実験的に生成する場合)とすることができ、これらの技術のいずれか1つに限定すべきではない。上述したように関数を生成するのに使用される基本的電気の法則は、オームの法則(抵抗体の電流、電圧、および抵抗を関係付ける)、キルヒホッフの電流の法則(ノードの電流の総和について)、キルヒホッフの電圧の法則(閉電気ループの電圧の総和に関する)、および電気部品(例えば抵抗)の成分値が温度によりどのように変化するかを表わす式とすることができることを、通常の当業熟練者は容易に理解することができる。
用語「抵抗率」(単位:Ω・cm)を使用するが、「抵抗率」の代わりに、「シート抵抗」(単位:Ω/スクエア)を材料の性質の1つにすることもできることを理解されたい。「抵抗率」を出発点にして、長さを乗算し、断面積で除算することにより、抵抗を算出することができる(R=p*L/A)。しかし、実際には、半導体デバイスに典型的な薄膜が製造工程で使用されることがあり、一部には、膜の厚さ全体にわたって抵抗率が一定でないため、レイアウト設計者が一般的に膜の縦方向寸法(厚さ)を制御することができないため、かつ最も容易に測定できるものが「シート抵抗」(膜の特性)であるため、これらは「シート抵抗」で記述される。抵抗は、「シート抵抗」に抵抗トレースを構成する「スクエア」数を乗算することによって算出される。
用語「トリムフラクション」および「トリミングフラクション」は互換可能に使用され、トリミングで抵抗が低減される製造時の抵抗のフラクションを意味する。
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面と組み合わせて取り上げる以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
添付の図面全体を通して、同様の特徴は同様の参照番号で識別されることに注意されたい。
図1は、直列に接続された2つの部分、つまりTCRα0、負のTCTγ1を持つトリミング可能な抵抗体R1、およびTCRβ0を持つバラスト抵抗体R20(トリミング不可能)から構成された複合抵抗体の略図を示す。抵抗体R1がその中間抵抗値R10から±15%の範囲でトリミング可能であると仮定する。
ここでxはトリムフラクションであり、−0.15<x<0.15である。抵抗体R1のTCRは次のように変化する。
この状態(直列接続に有効)は、比の値kを変えることによって、異なる値のxに移動させることができることに注目されたい。図2は、単一のトリミング可能な抵抗体R1のTCRおよび(図1に示すような)複合抵抗体のTCRを、その中間値R10に対して相対的な抵抗トリミングの関数として表わす。この実施例で使用される抵抗体のパラメータは、α0=500ppm/K、β0=−1200ppm/K、γ1=−500ppm/K/トリムフラクションである。TCT補償に使用される抵抗体R2の抵抗値は、式(4)から算出した。つまりR20=0.417R10である。
誘導式(4)からの結果について考察する。負のTCTを有する抵抗体のTCT補償は、バラスト抵抗体R20がトリミング可能な抵抗体より大きい負のTCRを有する場合にだけ可能である。例えば、α0=1000ppm/Kおよびγ1=−500ppm/K/トリムフラクションを有するトリミング可能な抵抗体の補償は、バラスト抵抗体R20がTCRβ0<500ppm/Kを有する場合に可能である。可能な補償の別の例は、α0=−1200ppm/K、γ1=−3000ppm/K/トリムフラクション、およびβ0<−4200ppm/Kである。(ここで−4200ppm/Kのような特定のTCRを持つ抵抗体または抵抗ネットワークの実際の実現を考慮しているわけではないことに注意されたい)。
また、複合抵抗体は、単一のトリミング可能な抵抗体より1/(1+k)倍狭いトリミング範囲を有することも理解されたい。図2の複合抵抗体のトリミング範囲が、単一抵抗体R1のトリミング範囲より1/(1+0.417)=0.706倍狭いのはこのためである。複合抵抗体のための実質的なトリミング範囲を維持するために、その2つの部分の材料を、パラメータkが最小化されるように選択することが好ましい。このための単純な指針は、低いTCTγ1および高いTCR差α0−β0を持つ抵抗体材料を使用することである。複合抵抗の意図的に狭いトリミング範囲を必要とする特定用途向けの事例も存在するかもしれない。式(4、5)は、抵抗体材料の適切な選択を行なうために使用することができる。
図3は、複合抵抗体のTCR対その抵抗値の相対的トリミングを示すグラフである。抵抗体は図1に示すものと同様であり、2つの抵抗部分に対し次の製造時パラメータを有する。すなわち、第1部分については抵抗R10、TCRα0=500ppm/K、TCTγ1=−500ppm/K/トリムフラクション、かつ第2部分については相応してR20およびβ0=−1000ppm/Kを有する。TCT補償は、k=R20/R10=γ1/(β0−α0−γ1)=0.5で達成される。
実際には、熱的トリミングは通常、結果的に抵抗をその製造時の値から特定の目標値まで低減し、その後抵抗が製造時の値より高くなることはめったにない。所与のトリミング範囲で複合抵抗体のTCRの変動を最小限にすることが好ましいかもしれない。また、比R20/R10=0.26の複合抵抗体が30%のトリミング範囲で、比R20/R10=0.5の複合抵抗体より優れたTCRの均一性を有することが、図3からも分かる(+8.5ppm/K対+50ppm/K)。同様に、比R20/R10=0.4およびR20/R10=0.323の複合抵抗体は、それぞれ10%および20%のそれらのトリミング範囲(それぞれ+1ppm/Kおよび±3.5ppm/Kに対応する)で最適なTCRの均一性を有する。複合抵抗体が理想的にTCTを補償されるトリムフラクションは、トリミング範囲のほぼ中間に位置することに注目されたい。これらの位置は図中で三角形により示される。特にこれらの位置における2つの部分の抵抗比は、式(4)の修正版:R20/R1(x)=γ1/{β0−α(x)−γ1}によって定義される。複合抵抗体が理想的にTCT補償されるこれらの特定的なトリムフラクションは、抵抗体の値および特性の適切な選択によって予め定める(使用者が指定する)ことができる。R1(x)、α(x)は第1部分の製造時の抵抗およびTCRではなく、特定のトリミングレベルで(これらの「予め定められたトリムフラクション」で)達成されるその実際の値であることを理解されたい。
本発明の方法の実施形態を実現するための手順は、次の通りである(図1に示した回路の場合)。
1.抵抗体の2つの部分の材料を選択する(両方の部分については特定のシート抵抗およびTCRを持ち、かつ第1部分については特定のTCTを持つ)。
2.所与の用途に要求されるトリミング範囲を選択する。
3.複合抵抗体が所望のトリミング範囲のほぼ中間位置で(式(4)によって決定される)理想的なTCT補償を達成し、こうしてその所望のトリミング範囲全体で比較的「平坦な」TCR対トリミングがもたらされるように、2つの部分の製造時の抵抗比を(既知のシート抵抗、TCR、およびTCTに基づいて)明確にする。
4.2つの抵抗部分の実際のレイアウトは、要求される絶対的な製造時の抵抗値に達するように設計される(ステップ(3)では抵抗比だけを決定したことに注目されたい)。
5.レイアウト設計の一部として、抵抗部分は、それらの熱的分離が(正および負のTCRを持つ)2つの部分の自己発熱をもたらし、動作中の正味抵抗変調が最小化されるように、チップ(および/または懸架微細構造)内に分配される。
1.抵抗体の2つの部分の材料を選択する(両方の部分については特定のシート抵抗およびTCRを持ち、かつ第1部分については特定のTCTを持つ)。
2.所与の用途に要求されるトリミング範囲を選択する。
3.複合抵抗体が所望のトリミング範囲のほぼ中間位置で(式(4)によって決定される)理想的なTCT補償を達成し、こうしてその所望のトリミング範囲全体で比較的「平坦な」TCR対トリミングがもたらされるように、2つの部分の製造時の抵抗比を(既知のシート抵抗、TCR、およびTCTに基づいて)明確にする。
4.2つの抵抗部分の実際のレイアウトは、要求される絶対的な製造時の抵抗値に達するように設計される(ステップ(3)では抵抗比だけを決定したことに注目されたい)。
5.レイアウト設計の一部として、抵抗部分は、それらの熱的分離が(正および負のTCRを持つ)2つの部分の自己発熱をもたらし、動作中の正味抵抗変調が最小化されるように、チップ(および/または懸架微細構造)内に分配される。
図4は、並列に接続された2つの抵抗部分を持つ類似の複合抵抗体の略図を示す。複合抵抗体の抵抗およびそのTCRは次のように求めることができる。
ここでR1(x)およびα(x)は式(1)および(2)によって定義される。
複合抵抗体は、単一のトリミング可能な抵抗体の場合よりk/(1+k)倍狭いトリミング範囲を有する。したがって、複合抵抗体の実質的なトリミング範囲を維持するために、再び、パラメータkを最大にするように高いTCR差β0−α0を持つ材料を選択することが好ましい。
図5は、単一のトリミング可能な抵抗体R1のTCRおよび並列に接続された2つの抵抗体から構成された複合抵抗体のTCRを、その中間値R10に対して相対的な抵抗トリミングの関数として描く。この実施例における抵抗体のパラメータは、α0=−800ppm/K、β0=4000ppm/K、γ1=−3000ppm/K/トリムフラクションである。TCT補償に使用され、式(7)から算出される抵抗体の抵抗値R20は、0.6R10に等しい。複合抵抗体のトリミング範囲は、単一の抵抗体R1の場合より0.6/(1+0.6)=0.375倍狭く、(±15%)0.375=±5.6%に達する。
補償されたTCTを持つ上述のトリミング可能な複合抵抗体は、様々な抵抗ネットワークの設計に使用することができる。例えば抵抗分割器は、2つのTCT補償されたトリミング可能な抵抗体から構成することができる。この分割器の抵抗比の調整は、以下でさらに説明するように、RTCRの変動がほぼ零の状態で実行することができる。
熱変化し易い材料、例えば様々な種類のドーパントをドープしたポリシリコンが、著しく異なるTCTを持つことが先行技術から公知である。特に、ホウ素をドープしたポリシリコンは、ヒ素をドープしたポリシリコンよりずっと低いTCTを持つことが報告された(D.Feldbaumer、J.Babcock、C.Chen、「Pulse Current Trimming of Polysilicon Resistors」、Trans.on Electron Devices、vol.42(1995)、pp.689-696)。1つの種類のドーパントを異なるドーピングレベルにドープしたポリシリコン試料もまた、異なるTCTを有する(米国特許第6306718号)。
異なるTCRおよびTCTを持つ熱的にトリミング可能な単一の抵抗体を複合抵抗体で使用して、抵抗値およびTCRの独立調整を達成することを提案する。図1に示したものと同様であるが第2抵抗体もトリミング可能である、直列の2つの抵抗体から構成された複合抵抗体について考察する。2つの抵抗部分のTCRおよびTCTが、第1抵抗体についてはα0=500ppm/K、γ1=−500ppm/K/トリムフラクションであり、第2抵抗体についてはβ0=−1000ppm/K、γ2=−3000ppm/K/トリムフラクションである実施例について考察する。2つの単一の抵抗体の各々が、R1(x)=R10(1+x)およびR2(x)=R20(1+y)としてトリミング可能である。ここでxおよびyはそれぞれのトリミングフラクションである。複合抵抗体は、抵抗比がk=R20/R10=γ1/(β0−α0−γ1)=0.5であるときに、(第1抵抗部分をトリミングすることによって)TCT補償される。
図6は、この直列接続複合抵抗体RcompのTCRの依存性をその相対トリミングの関数として示す。抵抗体R1(x)がフラクションxだけトリミングされると、複合抵抗体のTCRはほぼ一定に維持される一方、その総抵抗Rcompは変化する。抵抗体R2(y)をフラクションyだけトリミングすると、複合抵抗体のトリミングの1%当たり約−40ppm/K、または抵抗体R2のトリミングの1%当たり−13ppm/Kの勾配で、RcompのTCRに著しい変化が生じる。TCR対Rcompのトリミングフラクションの異なる勾配で複合抵抗体の抵抗値をトリミングする可能性は、抵抗比およびRTCRの独立調整により抵抗ネットワークを構築するのに有用である。
各々がTCTγ1を持つ第1部分およびTCTγ2を持つ第2部分を有する、2つの同一の複合抵抗体(R1comp/R2comp=1)から構成される、抵抗体電圧分割器について考察する(図7参照)。抵抗体R11およびR21は、2つの複合抵抗体の各々の内部の「第1」抵抗体であり、抵抗R11(x1)=R1(1+x1)、R21(x2)=R1(1+x2)、およびTCRα11(x1)=α0+γ1x1、α21(x2)=α0+γ1x2を持つ同一材料から形成される。ここでx1およびx2は、各複合体対の「第1」抵抗体の各々の相対トリミングフラクションである。同様に、抵抗体R12およびR22(各複合体対の「第2」抵抗体)の抵抗およびTCRは、R12(y1)=R2(1+y1)、R22(y2)=R2(1+y2)、α12(y1)=β0+γ2y1、α22(y2)=β0+γ2y2ように表わすことができ、ここで、y1およびy2は、各複合体対の「第2」抵抗体の各々の相対トリミングフラクションである。
2つの複合抵抗体は、上述した前実施例で掲げたものと同様のパラメータでTCT補償されると仮定する(図6参照)。抵抗(電圧分割器)比R1comp/R2compおよびRTCRΔα=α1comp−α2compの特定の目標値への独立調整は、2つの複合抵抗体における4つの独立抵抗体のうちの少なくとも2つの合同トリミングによって可能である。
実施例1: 目標抵抗比がR1comp/R2comp=0.95であり、目標RTCRΔα=0ppm/Kであると仮定する。近似簡易トリミング手順は、抵抗体R11またはR21のトリミングでは複合抵抗体のTCRは変化しないが、抵抗体R12またはR22のトリミングでは複合抵抗体のTCRが抵抗体R12またはR22のトリミングの1%当たり−13ppm/Kの勾配で直線的に変化する(図6参照)という前提に基づく。したがって、抵抗体R11をx1=0.05(1+/k)=0.075だけトリムダウンすることから開始することができる。このトリミングの結果、第1複合抵抗体のTCRは、α1comp=−2ppm/Kとなり、第2複合抵抗体のTCRは変化しない(α2comp=0)。
次に、精密調整のために別の単一の抵抗体を使用して、R11をトリミングすることによって生じた小さいRTCRシフトを補償する必要がある。抵抗体R22(そのトリミングは複合抵抗体のTCRを著しく変化させる)をこの目的に使用することができる。
上の実施例の場合、精密解はx1=−0.074、y1=0、x2=0、y2=0.0015、(α1comp=−1.9ppm/K、α2comp=−1.9ppm/K)である。
実施例2: 目標すなわちR1comp/R2comp=0.95、Δα=100ppm/Kについて考慮する。近似簡易トリミング手順では、第2複合抵抗体のTCRを100ppm/Kだけ増大させるために、抵抗体R22をフラクションy2=(100ppm/K)/(−13ppm/K)/100=−0.077だけトリミングするように選択する。次いで、目標抵抗比x1=−0.112に達するように、抵抗体R11をフラクションx1だけトリミングする。近似解は、x1=−0.112、y2=−0.077(α1comp=−4.5ppm/K、α0comp=99.3ppm/K)である。2つの式10a、bを解くことによって求められる精密解は、x1=−0.11、y1=0、x2=0、y2=−0.077(α1comp=−4.4ppm/K、α2comp=95.6ppm/K)である。
簡易手順の誤差は、トリミングフラクションの関数としての複合抵抗体のTCRの変動の非線形性によって生じることに注意されたい。
実施例3: 異なる目標すなわちR1comp/R2comp=0.95、Δα=100ppm/Kについて考慮する。しかし、この場合、抵抗体R12およびR21がトリミングのために選択され、抵抗体R12(x2)はRTCRの調整の「役割を果たし」、R21(y1)は抵抗比の調整の「役割を果たす」(x1=y2=0)。近似解は、y1=−0.077、x2=−0.038(α1comp=99.3ppm/K、α2comp=-0.5ppm/K)である。精密解は、y1=−0.0772、x2=−0.038、y2=0、x1=0(α1comp=99.5ppm/K、α2comp=-0.5ppm/K)である。
実施例4:R1comp/R2comp=1、Δα=100ppm/K。抵抗体R12およびR21を、フラクションy1およびx2だけトリミングする(x1=y2=0)。近似解は、y1=−0.077、x2=−0.039(α1comp=99.3ppm/K、α2comp=-0.5ppm/K)となる。精密解は、y1=−0.0772、x2=−0.039、x1=0、y2=0(α1comp=99.5ppm/K、α2comp=-0.5ppm/K)となる。
一般的に、(k=0.5である図5の実施例のように)2つの複合抵抗体をTCT補償することが必須なのではなく、むしろ各々が、各複合抵抗体のTCR対トリミングフラクションに異なる勾配をもたらす異なるTCTを持つ2つの単一抵抗体を含むことが必須である。下の数値例は、各々がR1=R2を有する2つの複合抵抗体を含む電圧分割器の抵抗比およびRTCRの独立調整の可能性を実証する。下の4つの実施例の組では、トリミングの目標は、前の4つの実施例と比較して、初期状態からさらに遠く外れる。前の実施例の場合と同じ抵抗体位置をトリミングのために選択した。
実施例5. R1comp/R2comp=0.9、Δα=0ppm/K。抵抗体R11および抵抗体R22をフラクションx1およびy2だけトリミングする(x2=y1=0)。精密解はx1=−0.184、y2=0.0183(α1comp=-284.5ppm/K、α2comp=-284.5ppm/K)である。
実施例6. R1comp/R2comp=0.9、Δα=200ppm/K。抵抗体R11および抵抗体R22をフラクションx1およびy2だけトリミングする(x2=y1=0)。精密解はx1=−0.269、y2=−0.0767(α1comp=-309.7ppm/K、α2comp=-109.7ppm/K)である。
実施例7. R1comp/R2comp=0.9、Δα=200ppm/K。抵抗体R12および抵抗体R21をフラクションy1およびx2だけトリミングする(x1=y2=0)。精密解はy1=−0.166、x2=0.094(α1comp=-40ppm/K、α0comp=-240ppm/K)である。
実施例8. R1comp/R2comp=1、Δα=200ppm/K。抵抗体R12および抵抗体R21をフラクションy1およびx2だけトリミングする(x1=y2=0)。精密解はy1=−0.1013、x2=−0.1013(α1comp=-66ppm/K、α2comp=-266ppm/K)である。
上の実施例は、2つのTCT補償抵抗体から構成される分割器に対して近似解が容易に得られ、最高4ppm/KのRTCRの誤差を生じることを実証している。技術的要件(精度およびトリミング範囲)に応じて、トリミング値の適切な計算方法を選択する必要があることを理解されたい。それは、式(9a〜d)の解析解または数値解に基づくか、あるいはルックアップテーブルの使用に基づくことができる。
2つのトリミング可能な抵抗体の抵抗比およびそれらのRTCRを調整する必要性は、実施例で記述した抵抗分割器回路の場合だけでなく、2つのトリミング可能な抵抗体が必ずしも直列に接続されない他の抵抗ネットワークの場合にも存在するかもしれないことに注目されたい。そのような回路の調整の原理は、実施例1〜8で記載したのと同じである。一般的に、回路全体の出力は、必ずしも単純な直列または並列の組合せではない(必ずしも相互に直接接続されない)多数の抵抗体の比(または関係)に依存する。主たる概念は、異なるTCTを有することを前提として、一方または他方をトリミングすると、複合抵抗体が異なる挙動を示すということである。
図8は、直列に接続されたTCT補償されたトリミング可能な複合抵抗体Rcompとトリミング可能な単一の抵抗体R3とから構成された、抵抗分割器の略図を示す。該回路は、電圧分割器の基本的に非零のRTCRを必要とする用途に使用することができる。実施例として、抵抗体Rcompが抵抗体R3より900ppm/K高いTCRを有する電圧分割器について考察する。TCT補償複合抵抗体は、図2に示したものと同様となるように選択する(α0=500ppm/K、β0=−1200ppm/K、γ=−500ppm/K、k=0.417)。トリミング可能な抵抗体R3は、TCRβ0=−1200ppm/KおよびTCTγ3=−3000ppm/Kの熱的にトリミング可能な材料から形成される。900ppm/Kに等しいRTCRに達するために、抵抗体R3は10%トリムダウンしなければならない(トリミングフラクションz=−10%=−0.1)。そのTCRは、トリミングによってその「製造時」の値から(−1200ppm/K)+(−3000ppm/K)(−0.1)=900ppm/Kに変化する。目標RTCRに達した後、分割器の抵抗比は、TCT補償複合抵抗体R1compのトリミングによって、(例えば図6で)上述した通り著しいRTCRの変化無く調整することができる。この場合、RcompおよびR3の「動作」抵抗値が事前に分かっているならば、後で−10%トリムダウンすることにより必要なRTCRの調整および必要な抵抗比の両方が得られるように、R3の製造時の抵抗値は意図的に10%高く選択する必要ある。
一般的に、本発明は、熱変化し易い抵抗の熱的トリミングが可能である広範囲の事例に適している。これは、標準的な集積回路ホストプロセスに一般的に見られる以上の、抵抗体の特殊な熱分離を必ずしも必要としない。本発明は必ずしも双方向トリミングを必要とせず、たとえ個々の抵抗体が下向きの方向にのみに大きくトリミングされる場合でも、効果的に機能することができる。また、トリムダウン値から上向きにトリミングするように範囲が制限される場合にも、効果的に機能することができる。熱的トリミングは一般的に、上向きより下向きの方向がずっと速いので、必要なトリム信号は、特殊な熱分離を必要としないように充分に短くすることができ、(したがってこの技術は、標準的CMOSプロセスによって提供されるような他の回路機構と共に同一チップ上に集積される、熱的にトリミング可能な抵抗体を扱うことができる)。
得られるトリミング精度および効率は、より大きい熱分離を有する装置を使用することによって向上させることができる。しかし、これは、動作中にトリミング可能な抵抗体の自己発熱の式を提起させる。下の解析は、自己発熱による抵抗の変化を管理するための随伴する技術を取り扱う。
複合抵抗体の自己発熱: 図1に示した、対応する熱分離G1およびG2(K/mW単位で測定)を有する2つの抵抗部分R1およびR2を持つ、直列複合抵抗体について考察する。複合抵抗体を通過する電流Iは、2つの部分および抵抗体全体の抵抗の変化を引き起こす。
ここでΔT1およびΔT2は、2つの部分の各々で消費された電力I2R1およびI2R2によるそれらの過熱温度である。
並列に接続され、対応する熱分離G1およびG2(K/mW単位で測定)を有する2つの抵抗部分R1およびR2を持つ、図3に示した複合抵抗体について考察する。複合抵抗体に電圧Uを印加すると、2つの部分および抵抗体全体の抵抗の変化が生じる。
ここでΔT1およびΔT2は、2つの部分の各々で消費された電力U2/R1およびU2/R2によるそれらの過熱温度である。
TCRがほぼ零であり、かつ自己発熱による抵抗変調がほぼ零である、特殊設計のTCT補償複合抵抗体の実施例は、次のように構成することができる。実施例5〜8に掲げたものと同様のパラメータを持つ複合抵抗体を選択する(R1=2R2)。2つの抵抗部分は、それらの熱分離比がG1/G2=1/2となるように設計する。図8は、複合抵抗体の1つの可能な構成を示す。第1部分R1は、各々が抵抗R1/2を有する2つの下位部分から構成される。この場合、各下位部分および第2部分R2は、同一熱分離を有する。この条件は、複合抵抗体の3つの部分全部がほぼ同一面積を有し、基板または他のヒートシンクとそれらの接触が同一である場合に満たされる。3つの部分全部が、PCT公開公報PCT/CA02/01366にあるように、MEMS型構造のような微細構造上に配置される場合、基板から同一熱分離を持つ同一支持微細構造を使用することが好ましい。直列接続を通過する電流は3つの部分全部を同一温度まで加熱するが、第1部分(2つの下位部分から構成される)で消費される電力は、第2部分で消費される電力の2倍である。これが、抵抗体R1の全体的熱分離を抵抗体R2の熱分離より2倍低くすることが必要となる理由である。抵抗R2の負のシフトは、抵抗体R1の2つの下位部分の各々の正のシフトより2倍大きい。その結果、複合抵抗体の正味抵抗偏差は、たとえ変動する電力レベルで動作する場合でも、零に維持される。図9に示す複合抵抗体における単一抵抗体R2はトリミング可能(「能動」)または不可能(「受動」)とすることができることに注目されたい。
本発明は、ホイートストンブリッジの零補償のような、様々な用途に使用することができる。4つの抵抗体(一般的に名目上全て等しいが、構成によってそうでなくてもかまわない)から構築されたホイートストンブリッジについて考察する。この解析では、均等な抵抗体の各々を「Rb」と呼ぶことにしよう。ホイートストンブリッジの「零オフセット」(ブリッジの2つの中間点における電圧の不整合、不平衡(Δu))は、4つの抵抗体のうちの1つの相対的抵抗不整合ΔRb/Rb、およびその抵抗体のTCRの他の抵抗体(名目上、同一TCRを有する)に対する不整合に変換することができる。ブリッジ全体前後の電圧降下がUであり、4つの名目上同一の抵抗体の1つがΔRbの望ましくない抵抗シフトを有する場合には、零オフセットは次式のようになる。
零オフセットの値(±5mV/V)の例を式(15a)に代入し、かつ0±25μV/V/Kの温度係数を式(16)に代入することにより、トリムアウト(または補償)することを希望する次のような抵抗およびΔTCRの変動性の範囲の例が得られる。ΔRb/Rb=±2.0%、ΔTCR=±100ppm/K
図10に描かれた略図は、ホイートストンブリッジの零補償(零オフセットの補償および零オフセットの温度係数)に適用される本発明の方法の実施例である。4つのトリミング可能な複合抵抗体Rcomp1、Rcomp2、Rcomp3、Rcomp4は各々、対応するブリッジ抵抗体Rb1、Rb2、Rb3、Rb4に並列に接続される。各対の抵抗体はこうして図中にRb_comp1、Rb_comp2、Rb_comp3、Rb_comp4で表わされる新しい複合抵抗体を形成する。
各々が異なる材料から形成された2つのトリミング可能な部分R1(x)およびR2(y)から構成されるトリミング可能な複合抵抗体のトリミングオプションの柔軟性について考察する(ここでxおよびyは、複合抵抗体内の各単一抵抗体のトリミングフラクションである)。これらの部分は、図11に示すように、直列または並列に接続することができる。各抵抗部分は独立してトリミング可能である。
ここでR10およびR20は製造時の抵抗値である。これらの単一抵抗体の各々のTCRは、次式に従ってトリミングと共に変化する。
ここでα0およびβ0は、2つの抵抗部分のTCRの製造時の値であり、γ1およびγ2はトリミングフラクション当たりのTCRのトリミング誘起シフトである(ppm/K/トリムフラクション単位で測定された「TCT」と呼ばれる)。
図12〜14は3つの異なる実施例を示し、複合抵抗体の1つ(一般的にRb_compと呼ばれる、ブリッジ抵抗体Rbの1つとその対応するRcompとの並列組合せ)の全体的(「正味」)TCRをそれ自体の正規化抵抗(Rb_comp)の関数として描く。例えば図12で、Rbは(単独で)1600ppm/KのTCRを有し、これがRcompと並列に接続されたときに(図12に指定されたパラメータを有する)、結果的に生じるRb_compの全体的TCRは約1275ppm/Kである。これらの実施例では、複合抵抗体Rcompの全てが、(図11の上部に示す通り)直列に接続された同等の抵抗下位部分R1=R2を有する。単一抵抗体R1およびR2のトリミング範囲は、−35%である(製造時の抵抗値から35%低下する)ことに注目されたい。これらの実施例では、複合抵抗体Rcompの抵抗値は、ブリッジ抵抗体Rbの抵抗の約5倍(図12および13)、および10倍(図14)である。抵抗体R1およびR2の製造時のTCRおよびTCTは、α0=500ppm/K、γ1=−500ppm/K、β0=−1200ppm/K、およびγ2=−3000ppm/K(図12および14)、およびβ0=850ppm/K、γ2=−3000ppm/K(図13)である。
図12で、複合抵抗体RcompのR1だけをトリムダウンした場合、Rb_compのトリミング誘起ΔTCRは、約−70ppm/Kに達することができる。R1はRcompの抵抗の約半分にすぎず、RcompはRbと並列でありかつRbの5倍の高さであるので、Rb_compを3%低下させるには、R1を約31%低下させる必要がある。R1だけをトリミングする代わりに、R2だけをトリムダウンし、R1をトリミングしないでおいた場合、R2が同等に〜31%低下する場合、Rb_compのトリミング誘起ΔTCRは約+50ppm/Kとなる。
複合抵抗体Rb_compのトリミングフラクションの関数としての正味TCRの異なる勾配があるという事実は、ブリッジの相対抵抗不整合とは独立したΔTCRの調整を可能にする。これを説明するために、図12に示し/列挙したトリミング特性を有する抵抗体Rcomp1およびRcomp3(図10参照)の一部分だけをトリムダウンすると仮定する。Rb_comp1およびRb_comp3をそれぞれ〜3%トリム「ダウン」するが、前記トリミングが複合抵抗体Rcomp1における抵抗体R1の〜31%のトリム「ダウン」および複合抵抗体Rcomp3における抵抗体R2の〜31%のトリム「ダウン」の結果であると仮定する。この場合、Rb_comp1のトリミング誘起ΔTCRは約−70ppm/Kであり、ブリッジの反対側のRb_comp3のトリミング誘起ΔTCRは約+50ppm/Kであり、総ΔTCRは約120ppm/Kの大きさを有する。ブリッジの対向アームの対応位置にあるRb_comp1およびRb_comp3は各々同じ3%だけ低減されたので、これらのトリミング動作でブリッジ抵抗の整合(または不整合)の状態は変化しなかったことに注目されたい。零の実効温度係数が、約30μV/V/Kの零の温度係数に対応する120ppm/Kだけ変化するように、相対TCRだけが変化する。
また、単一の所定の複合抵抗体、例えばRcomp1の抵抗体R1およびR2を各々例えば20%トリム「ダウン」することも可能である。その結果、抵抗体Rb_comp1の総抵抗は〜4%低減し、そのTCRは事実上変化しない。このようにして、ブリッジの零オフセットは、システムの相対TCRを著しく不均衡にすることなく(追加のΔTCRを生じることなく)、熱的にトリミング可能な抵抗体を使用してかなり調整することができる。一般的に、2つの複合抵抗体Rcomp1およびRcomp3に含まれる4つの単一抵抗体のうちの少なくとも2つのトリミングにより、ブリッジの目標トリミング誘起ΔTCRおよび目標相対抵抗(ΔRb/Rb)の両方を達成することができる。
Rcomp1、Rcomp4の対、およびRcomp2、Rcomp3の対における対応する(同一番号の)単一抵抗体R1またはR2を同時にトリミングすると、ブリッジの零オフセット調整の範囲はさらに2倍にすることができる。例えば、Rcomp1およびRcomp4でR1をトリムダウンし、Rcomp2およびRcomp3でR2をトリムダウンする。
図15〜17は、トリミング可能な単一抵抗体R1およびR2が直列ではなく並列に接続された、図12〜14に示したものと同様の実施例を示す。再び、トリミング可能な単一抵抗体R1およびR2をトリムダウンしたときの正規化抵抗Rb_compの関数としての複合抵抗体Rb_compの総(正味)TCRを示す。
図12〜17の実施例は、単一抵抗体のパラメータの特定の組合せが、ブリッジの零オフセットおよび零オフセットの温度係数を調整する用途に有利な複合抵抗体のトリミング特性をもたらすことを示す。例えば、α0=500ppm/K、γ1=−500ppm/K、β0=−1200ppm/K、およびγ2=−3000ppm/K(図12)を持つ2つのトリミング可能な抵抗体(直列接続)の組合せに対し、適切な範囲のΔTCR調整が達成される。2つのトリミング可能な抵抗体の並列接続は、α0=500ppm/K、γ1=−500ppm/K、β0=850ppm/K、およびγ2=−3000ppm/K(図6)であるときに最も有利(ΔTCRの調整範囲が最も広い)である。
図18は、4つのブリッジ抵抗体(Rb)の各々の公称TCR(βb)が幾つかの異なる値を持つ複合抵抗体Rb_compのトリミング挙動を示す。図18で、トリミングによるこのブリッジ全体のTCRの勾配はβbの値に依存する一方、ΔTCRおよび相対抵抗変化のトリミング範囲は、βbの3つの値の各々に対してほぼ同一に維持される。
要約すると、ブリッジの抵抗体の抵抗より約5倍高い抵抗値を持つ4つの複合抵抗体から構成されるトリミング補償回路(図10)は、±240ppm/K(2×120ppm/K)の範囲のRTCR調整、および±12%(2×2×3%)の相対抵抗調整を可能にする。
零オフセット補償に加えて、本発明は、ブリッジの総TCRを変化させるためにも適用することができる。(4抵抗体のブリッジネットワークを、その総TCRが抵抗体の1つのTCRと名目上同一(βb)となる単一抵抗体としてモデル化する)。例えば名目上βb=1600ppm/Kであり、目標がそれを低減して1225〜1530ppm/Kの範囲内にすることである場合、これを本発明のトリミングスキームの目標とみなすことができる。
検知素子がホイートストンブリッジに構成されたセンサに基づく一部の用途は、検知素子の感度の負の温度誘導ドリフトを補償するために、温度と共にブリッジ電圧(例えば図21のUb)を増大させる(正のブリッジ電圧温度係数を適用する)必要がある。これらの型のセンサの例として、圧電抵抗圧力センサおよび抵抗磁界センサがある。通常、特定のセンサの較正手順は、温度安定なフルスケール出力を達成するために、ブリッジ電圧温度係数の調整を含む。
ブリッジTCR補償スキーム(ブリッジと並列のトリミング可能な抵抗体):最初に、「零オフセット補償」複合抵抗体Rcomp1〜Rcomp4(図10)の接続によって生じるブリッジTCRのシフト(図12〜17に示す)を考慮に入れなければならないことに注目されたい。図19に示したスキームを用いて、図15に示すパラメータを持つ「零オフセット補償」ブリッジを「TCR補償」すると仮定する。この場合、ブリッジTCRは、すでに(トリミングの前に)その初期の1600ppm/Kから約1450ppm/Kまでシフトされている。
高TCTを持つトリミング可能な抵抗体を使用することが、調整には好都合である。図20は、α0=850ppm/K、γ1=−3000ppm/K、および製造時の抵抗値R10=2Rbを持つ1つのトリミング可能な単一抵抗体R1から構成される抵抗体R5が、〜1240ppm/Kから〜1630ppm/Kの間の範囲のブリッジTCRの変動を可能にすることを示す。特定のユーザの用途によって要求されるブリッジTCRの変動が代わりに1100から1500ppm/Kの間でなければならないと仮定する。この場合、ブリッジTCR調整の得られる範囲は、所望の目標より少し上にずれる。R5の一部として、負のTCRを有する追加の抵抗体R2をこの段落で上述した抵抗体R1と並列に接続することによって、トリミング範囲全体をTCRスケール上で「下方」にシフトさせることが可能である。(これにより、抵抗体R5は複合抵抗体に変化する)。この抵抗体R2がR20=8R10を有し、TCRβ=−1200ppm/Kである場合、それはブリッジTCRのトリミング範囲を、所望の範囲にずっと近い1150から1530ppm/Kの間の範囲に低下させる効果を有する。
ブリッジTCR補償スキーム(ブリッジと直列のトリミング可能な抵抗体): ブリッジ電圧温度係数(tempco)の調整は、トリミング可能な抵抗体R5(x)がブリッジと並列に接続された図19に示したスキームによってだけでなく、図21に示すようにトリミング可能な抵抗体R6(x)がブリッジと直列に接続された(4つのブリッジ抵抗体全部が抵抗Rbを有するので、同等の抵抗Rbを有する)場合でも可能である。
図22は、ブリッジ電圧温度係数および比Ub/U(ここでUは励起電圧である)をトリミング可能な抵抗体R6(x)の正規化抵抗の関数として示す。補償スキームの有効性は実質的に、製造時のTCRα0およびトリミング可能な抵抗体のトリミングフラクションγ当たりのTCRのトリミング誘起シフトに依存する。
例えば、一定の通常零のTCRを有するトリミング可能な抵抗体を補償のために使用する場合、1100から1500ppm/Kの間の範囲の特定の所望のブリッジ電圧温度係数範囲を網羅するために、その製造時の抵抗から0ないし85%をトリムダウンしなければならない。また、ブリッジ抵抗より15倍高いトリミング可能な抵抗体の製造時の抵抗値は結果的に、比Ub/Uを0.1〜0.3に低減させ、センサの感度もそれに対応して低下することに注目することも重要である。したがって、例えば1Vの所望の正常動作ブリッジ電圧は、3〜10Vの励起電圧を必要とする。
一定の負の高いTCRを持つトリミング可能なR6(x)抵抗体を使用すると、この問題を緩和するのに役立つ。例えばα0=−1200ppm/Kである場合、必要なトリミング範囲は、0ないし40%ダウンするだけであり、同一ブリッジ電圧温度係数範囲を網羅する。この場合、図22(右側)に示すように、0.45〜0.55のかなり高い比Ub/Uが達成される。
R6(x)のTCT(γ)が零である場合、ブリッジ電圧温度係数は図22の右上の曲線に示すように挙動する。しかし、負のTCRα0=−1200ppm/K、およびトリミングフラクション当たりのTCRのトリミング誘起シフトγ=−3000ppm/Kを持つトリミング可能な抵抗体は、同じブリッジ電圧温度係数範囲を網羅するために、ずっと小さいトリミングを必要とする(0ないし15%ダウン)(同じく図22の右上部分に示す)。
上記解析で使用したトリミング可能な単一抵抗体のTCRおよびTCTの値は、以下の材料に対応する。
TCR=500ppm/K(近似)、TCT=−500ppm/K(近似)→主としてホウ素をドープしたポリシリコンの変異体
TCR=−1200ppm/K(近似)、TCT=−3000ppm/K(近似)→主としてヒ素をドープしたポリシリコンの変異体
TCR=850ppm/K(近似)、TCT=−3000ppm/K(近似)→主としてリンをドープしたポリシリコンの変異体
TCR=500ppm/K(近似)、TCT=−500ppm/K(近似)→主としてホウ素をドープしたポリシリコンの変異体
TCR=−1200ppm/K(近似)、TCT=−3000ppm/K(近似)→主としてヒ素をドープしたポリシリコンの変異体
TCR=850ppm/K(近似)、TCT=−3000ppm/K(近似)→主としてリンをドープしたポリシリコンの変異体
複合抵抗体の総TCRの計算―1。直列に接続された(図11)2つのトリミング可能な単一抵抗体R1およびR2ならびにブリッジ抵抗体Rb(図11)から構成される複合抵抗体Rcompが正味複合抵抗体Rb_compを形成する。
単一抵抗体の抵抗およびTCRは、相応してそれらのトリミングフラクションxおよびyの関数である。
ここでR10、R20、α0、β0、γ1、γ2は、単一抵抗体の製造時の抵抗、TCR、およびTCT値のである。
図12〜14は、どちらもパラメータx(y=0のとき)またはy(x=0のとき)の関数である、TCRαb_comp(式(23)対正規化抵抗Rb_comp(式(20))を示す。
複合抵抗体の正味TCRの計算―2。並列に接続された(図11)2つのトリミング可能な単一抵抗体R1およびR2ならびにブリッジ抵抗体Rb(図10)から構成される複合抵抗体Rcompが正味複合抵抗体Rb_compを形成する。
図15〜17は、どちらもパラメータx(y=0のとき)またはy(x=0のとき)の関数である、TCRαb_comp(式(26)対正規化抵抗Rb_comp(式(24))を示す。
本発明の用途の別の例として、非線形温度変化の補償のための回路を構築することができる。そのような回路は出力電圧を温度Tの多項式関数として生成する。例えば水晶発振子の温度補償のために使用することができる(米国特許第4560959号)。一般的に、高次温度補償のそのような生成は、バイポーラデバイスを用いたアナログ乗算、および補償信号のための所望のより高次の成分のアナログまたはデジタル加算により行なわれる。これは一般的に、BiCMOSプロセスのホスト処理応力を必要とする。本発明は、図23a、23b、および以下の関連説明文で実証するように、あまり複雑なアナログ回路機構を必要とせずに、そのような高次温度補償の実現を可能にする。図23a、23bに示した回路機構は、CMOSプロセスで(BiCMOSプロセスを必要とせずに)より容易に実現することができる。
図23aは、2つのトリミング可能な複合抵抗体R1_compおよびR2_comp(上述したものと同様)を持つ抵抗ブリッジ、ならびに利得K1を持つ増幅器を含む単一モジュールの略図を示す。ブリッジの反対側の抵抗体R1およびR2は必ずしもトリミング可能である必要はない。当初周囲温度T0でブリッジが平衡している状態(零出力電圧)のモジュールの出力電圧は、次の通りである。
ここで、η=R1_comp/R2_compであり、Δηはトリミングの結果生じる2つの複合抵抗体の抵抗比の変化であり、ΔTCRはトリミングの結果生じる2つの複合抵抗体のTCRの差である。
式(27)は次のように書き換えることができる。
ここで係数a1およびb1は、2つのトリミング可能な複合抵抗体の抵抗不整合およびTCR不整合に依存する。これまでの説明から、係数a1およびb1は独立に調整することができ、任意の極性を持つことができる。
幾つか(N個)のそのようなモジュールを、前のモジュールの出力電圧が次のモジュールの入力に印加されるように接続した場合、最終モジュールの出力電圧は、温度のN次の多項式関数である。図23bに示したスキームの場合、第3モジュールの出力電圧は次の通りである。
これは、次の形に再構成することができる。
ここで係数Ajは係数aiおよびbiから導出することができる(i,j=1,2,3)。
上述したように複合抵抗体をトリミングすることによって係数aiおよびbi(i=1,2,3)を調整することで、温度の所望の多項式関数(29b)を生成することが可能になる。
第1および第2モジュールの出力電圧もまた、3つの出力電圧を全部加算することによって、温度の多項式関数を生成するために使用することができることに注目されたい。
モジュールの個数は3とは異なることができることを理解されたい。また、モジュール内の抵抗ブリッジは、温度の所望の多項式関数の生成を簡単にするために、意図的に最初に不平衡にすることができる。例えば図23bに示したスキームは、初期(製造時)ブリッジが不平衡の状態の第1モジュールを持つことができ、それは温度の線形関数としての出力電圧を生成する。次いでモジュール2および3の複合抵抗体(a2、a3、b2、b3に関与する)をトリミングするだけで、充分に所望の関数(29b)を生成することができる。
記載した実施例は、トリミング可能な複合抵抗体に基づく、可能なスキームの多様性を制限しないことを理解されたい。ネットワーク内の単一および複合抵抗体の個数、抵抗値、抵抗比等のようなパラメータは特定用途向けのものであり、上述したものとは異なることができる。また、TCRおよびTCTのような抵抗体材料の物理的パラメータも異なることができ、それは「最適な」抵抗比を変化させる。
特定の場合に、本発明における基本式によって示唆される規則の2つ以上(例えば式(4)と同時に式(12))を正確かつ同時に実現することができないことがあり得る。したがって、優先順位を決めて、特定の用途に対して「重要性の低い」特徴を部分的に犠牲にすることができ、あるいは「トレードオフ」として、抵抗ネットワークパラメータの「ほぼ最適な」整合を使用することができる。
Claims (68)
- トリミングの関数として抵抗の温度係数(TCR)の予め定められた挙動を有するトリミング可能な抵抗部品を提供するための方法であって、
少なくとも第1部分および第2部分を有し、少なくとも前記第1部分が、熱的にトリミング可能でありかつ第1抵抗率、抵抗の第1温度係数値α0、および前記第1抵抗率のトリミングフラクションx当たりの前記α0の変化を定義する温度係数のトリミング誘起シフトの値γ1を有する第1抵抗体を含み、かつ前記第2部分が、第2抵抗率値および抵抗の第2温度係数値β0を有する第2抵抗体を少なくとも含んで成る、複合抵抗体を形成する材料を選択するステップと、
R1およびR2を可変パラメータ、α0、β0、およびγ1を固定パラメータとして、前記TCR対トリミングフラクションxの関数を生成することによって、少なくとも前記第1部分がトリミングされるときに、前記抵抗部品の前記TCR値がどのように変化するかを決定するステップと、
前記TCRの前記予め定められた挙動を持つ前記抵抗部品がもたらされるように、R1およびR2またはR1/R2に特定の値を選択し、それによって前記γ1の影響を前記抵抗部品に組み込むステップと、を含む方法。 - 前記第1抵抗体および前記第2抵抗体が直列に接続された、請求項1に記載の方法。
- 前記第1抵抗体および前記第2抵抗体が並列に接続された、請求項1に記載の方法。
- TCRの前記予め定められた挙動が、トリムフラクションの範囲全体にわたって前記トリミングフラクションxによる前記TCRの無視できるほど小さい変動に対応する、請求項2に記載の方法。
- TCRの前記予め定められた挙動が、トリムフラクションの範囲全体にわたって前記トリミングフラクションxによる前記TCRの無視できるほど小さい変動に対応する、請求項3に記載の方法。
- TCRの前記予め定められた挙動が、前記トリミングフラクションxによる前記TCRの実質的に非零の変動に対応する、請求項2に記載の方法。
- TCRの前記予め定められた挙動が、前記トリミングフラクションxによる前記TCRの実質的に非零の変動に対応する、請求項3に記載の方法。
- 前記材料を選択するステップが、α0−β0>−γ1となるように材料を選択するステップを含む、請求項2、4、または6に記載の方法。
- 前記特定の値を選択するステップが、R2/R10=γ1/(β0−α0−γ1)となるように値を選択することを含み、ここでR10は前記第1抵抗体のトリミング範囲内の予め定められたトリムフラクションにおける前記第1抵抗体の抵抗値である、請求項2、4、または8に記載の方法。
- 前記材料を選択するステップが、β0−α0>−γ1となるように材料を選択するステップを含む、請求項3、5、または7に記載の方法。
- 前記特定の値を選択するステップが、R2/R10=(α0−β0−γ1)/γ1となるように値を選択することを含み、ここでR10は前記第1抵抗体のトリミング範囲内の予め定められたトリムフラクションにおける前記第1抵抗体の抵抗値である、請求項3、5、または10に記載の方法。
- 前記第2抵抗体もまた熱的にトリミング可能であり、前記第2抵抗率のトリミングフラクションy当たりの前記β0の変化を定義する温度係数のトリミング誘起シフトγ2の値を有し、TCRの前記予め定められた挙動が前記トリムフラクションxによる前記TCRの変動および前記トリムフラクションyによる前記TCRの変動を表わす2つの実質的に異なる曲線に対応する、請求項2または3に記載の方法。
- 前記2つの曲線が異なる符号の勾配を有する、請求項12に記載の方法。
- 少なくとも1つの熱的に分離されたマイクロプラットフォーム上で前記第1部分および前記第2部分を熱的に分離するステップをさらに含む、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1部分および前記第2部分が、熱的に分離された別個のマイクロプラットフォーム上に設けられた、請求項14に記載の方法。
- 前記第2部分が特定用途向け回路の一部であり、R1およびR2またはR1/R2に対して特定の値を選択する前記ステップが、前記第2部分の電圧の温度係数の予め定められた挙動を前記第1抵抗体のトリミングの関数として提供するように、前記特定の値を選択するステップを含む、請求項1に記載の方法。
- トリミングの関数として抵抗の温度係数(TCR)の予め定められた挙動を有するトリミング可能な抵抗部品であって、
熱的にトリミング可能でありかつ第1抵抗率、抵抗の第1温度係数値α0、および前記第1抵抗率のトリミングフラクションx当たりの前記α0の変化を定義する温度係数のトリミング誘起シフトの値γ1を有する第1抵抗体から構成される第1部分と、
第2抵抗率値および抵抗の第2温度係数値β0を有する第2抵抗体から少なくとも構成される第2部分と、を備え、前記第1部分および前記第2部分が、前記TCR値の前記予め定められた挙動を持つ前記抵抗部品をもたらすようにR1およびR2またはR1/R2に対し特定の値を有し、
前記TCRの前記予め定められた挙動が、R1およびR2を可変パラメータ、α0、β0、およびγ1を固定パラメータとして、前記TCR対トリムフラクションxの関数によって定義され、それによって前記γ1の影響が前記抵抗部品に組み込まれるように構成された、トリミング可能な抵抗部品。 - 前記第1抵抗体および前記第2抵抗体が直列に接続された、請求項17に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- 前記第1抵抗体および前記第2抵抗体が並列に接続された、請求項17に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- TCRの前記予め定められた挙動が、トリムフラクションの範囲全体にわたって前記トリミングフラクションxによる前記TCRの無視できるほど小さい変動に対応する、請求項18に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- TCRの前記予め定められた挙動が、トリムフラクションの範囲全体にわたって前記トリミングフラクションxによる前記TCRの無視できるほど小さい変動に対応する、請求項19に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- TCRの前記予め定められた挙動が、前記トリミングフラクションxによる前記TCRの実質的に非零の変動に対応する、請求項18に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- TCRの前記予め定められた挙動が、前記トリミングフラクションxによる前記TCRの実質的に非零の変動に対応する、請求項19に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- α0−β0>−γ1である、請求項18、20、または22に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- R2/R10=γ1/(β0−α0−γ1)を満たし、ここでR10は前記第1抵抗体のトリミング範囲内の予め定められたトリムフラクションにおける前記第1抵抗体の抵抗値である、請求項18、20、または24に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- α0−β0>−γ1である、請求項19、21、または23に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- R2/R10=(α0−β0−γ1)/γ1を満たし、ここでR10は前記第1抵抗体のトリミング範囲内の予め定められたトリムフラクションにおける前記第1抵抗体の抵抗値である、請求項19、21、または26に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- 前記第2抵抗体もまた熱的にトリミング可能であり、前記第2抵抗率のトリミングフラクションy当たりの前記β0の変化を定義する温度係数のトリミング誘起シフトγ2の値を有し、TCRの前記予め定められた挙動が前記トリムフラクションxによる前記TCRの変動および前記トリムフラクションyによる前記TCRの変動を表わす2つの実質的に異なる曲線に対応する、請求項18または19に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- 前記2つの曲線が異なる符号の勾配を有する、請求項28に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- 前記第2部分が特定用途向け回路の一部であり、前記第1抵抗体のトリミングの関数としての前記第2部分の電圧の温度係数の予め定められた挙動も、R1およびR2またはR1/R2の少なくとも1つの前記特定の値によって定義される、請求項17に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- 前記第1部分および前記第2部分が少なくとも1つの熱的に分離されたマイクロプラットフォーム上にある、請求項17ないし30のいずれか一項に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- 前記第1部分および前記第2部分が熱的に分離された別個のマイクロプラットフォーム上にある、請求項31に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- 前記第1抵抗体がホウ素をドープしたポリシリコンから形成され、前記第2抵抗体がヒ素をドープしたポリシリコンから形成される、請求項17ないし32のいずれか一項に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- 前記第2部分が特定用途向け回路の一部である、請求項17ないし33のいずれか一項に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- 前記第2部分が4つの相互接続された抵抗体から構成される、請求項17ないし34のいずれか一項に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- 前記4つの相互接続された抵抗体がホイートストンブリッジ回路である、請求項35に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- 回路の調整可能なパラメータおよび前記パラメータの調整可能な温度係数を有する特定用途向け回路であって、
熱的にトリミング可能でありかつ第1抵抗率、抵抗の第1温度係数(TCR)値α0、および前記第1抵抗率のトリミングフラクションx当たりの前記α0の変化を定義する温度係数のトリミング誘起シフトの値γ1を有する第1抵抗体から構成される第1部分と、
第2抵抗率値および第2TCR値β0を有する第2抵抗体から構成される第2部分と、を含み、
前記第1部分および前記第2部分が、前記TCR値の前記予め定められた挙動を持つ複合抵抗体をもたらすようにR1およびR2ならびにR1/R2の少なくとも1つに対し特定の値を有して成る少なくとも1つの複合抵抗体と、
前記少なくとも1つの複合抵抗体を熱的にトリミングするための制御回路機構と、
前記少なくとも1つの複合抵抗体に接続された前記用途のための回路機構と、を備え、
前記TCRの前記予め定められた挙動が、R1およびR2を可変パラメータ、α0、β0、およびγ1を固定パラメータとして、前記TCR対トリムフラクションxの関数によって定義され、それによって前記γ1の影響が前記複合抵抗体に組み込まれるように構成された回路。 - 前記第1抵抗体および前記第2抵抗体が直列に接続された、請求項37に記載の回路。
- 前記第1抵抗体および前記第2抵抗体が並列に接続された、請求項37に記載の回路。
- 前記第2抵抗体もまた熱的にトリミング可能であり、前記第2抵抗率のトリミングフラクションy当たりの前記β0の変化を定義する温度係数のトリミング誘起シフトγ2の値を有し、TCRの前記予め定められた挙動が前記トリムフラクションxによる前記TCRの変動および前記トリムフラクションyによる前記TCRの変動を表わす2つの実質的に異なる曲線に対応する、請求項38または39に記載の回路。
- 前記2つの曲線が異なる符号の勾配を有する、請求項40に記載の回路。
- 前記少なくとも1つの複合抵抗体が前記特定用途向け回路のための前記回路機構の一部である、請求項37または40に記載の回路。
- 前記回路機構がホイートストンブリッジである、請求項42に記載の回路。
- 前記少なくとも1つの複合抵抗体が4つの複合抵抗体を含み、前記4つの複合抵抗体が前記ホイートストンブリッジを構成する、請求項43に記載の回路。
- 前記パラメータの前記温度係数を調整するために前記4つの複合抵抗体のうちの2つだけがトリミングされ、前記2つが前記パラメータの測定オフセットに従って選択される、請求項44に記載の回路。
- 前記パラメータが総ブリッジ抵抗である、請求項43ないし45のいずれか一項に記載の回路。
- 前記パラメータがセンサ刺激の零オフセットである、請求項43ないし45のいずれか一項に記載の回路。
- 前記回路機構が電圧分割器である、請求項42に記載の回路。
- 前記少なくとも1つの複合抵抗体が2つの複合抵抗体を備え、前記2つの複合抵抗体が前記電圧分割器を構成する、請求項48に記載の回路。
- TCRの前記予め定められた挙動が、トリムフラクションの範囲全体にわたって前記トリミングフラクションxによる前記TCRの無視できるほど小さい変動に対応する、請求項38に記載の回路。
- TCRの前記予め定められた挙動が、トリムフラクションの範囲全体にわたって前記トリミングフラクションxによる前記TCRの無視できるほど小さい変動に対応する、請求項39に記載の回路。
- TCRの前記予め定められた挙動が、前記トリミングフラクションxによる前記TCRの実質的に非零の変動に対応する、請求項38に記載の回路。
- TCRの前記予め定められた挙動が、前記トリミングフラクションxによる前記TCRの実質的に非零の変動に対応する、請求項39に記載の回路。
- α0−β0>−γ1である、請求項38、50、または52に記載の回路。
- R2/R10=γ1/(β0−α0−γ1)を満たし、ここでR10は前記第1抵抗体のトリミング範囲内の予め定められたトリムフラクションにおける前記第1抵抗体の抵抗値である、請求項38、50、または54に記載の回路。
- α0−β0>−γ1である、請求項39、51、または53に記載のトリミング可能な抵抗部品。
- R2/R10=(α0−β0−γ1)/γ1を満たし、ここでR10は前記第1抵抗体のトリミング範囲内の予め定められたトリムフラクションにおける前記第1抵抗体の抵抗値である、請求項39、51、または56に記載の回路。
- 前記第1部分および前記第2部分が少なくとも1つの熱的に分離されたマイクロプラットフォーム上にある、請求項37ないし57のいずれか一項に記載の回路。
- 前記第1部分および前記第2部分が熱的に分離された別個のマイクロプラットフォーム上にある、請求項58に記載の回路。
- 前記第1抵抗体がホウ素をドープしたポリシリコンから形成され、前記第2抵抗体がヒ素をドープしたポリシリコンから形成される、請求項37ないし59のいずれか一項に記載の回路。
- 前記回路が、入力の線形関数であり実質的線形温度誘導ドリフトを持つ出力を有する、請求項38に記載の回路。
- 前記回路が、増幅出力を持つ差動ブリッジ回路である、請求項61に記載の回路。
- 前記回路が、増幅出力を持つ複数の前記差動ブリッジ回路のカスケードである、請求項61または62に記載の回路。
- 前記回路が3つのカスケード接続された差動ブリッジ回路である、請求項63に記載の回路。
- 前記第2部分が特定用途向け回路の一部であり、前記第1抵抗体のトリミングの関数としての前記第2部分の電圧の温度係数の予め定められた挙動も、R1およびR2またはR1/R2の少なくとも1つの前記特定の値によって定義される、請求項37に記載の回路。
- 予め定められた抵抗値および抵抗の温度係数値を有する抵抗体を提供するための方法であって、
トリミングの関数として抵抗の温度係数(TCR)の予め定められた挙動を有するトリミング可能な抵抗部品を提供するステップを含み、
少なくとも第1部分および第2部分を有し、少なくとも前記第1部分が、熱的にトリミング可能でありかつ第1抵抗率、抵抗の第1温度係数値α0、および前記第1抵抗率のトリミングフラクションx当たりの前記α0の変化を定義する温度係数のトリミング誘起シフトの値γ1を有する第1抵抗体を含み、かつ前記第2部分が、第2抵抗率値および抵抗の第2温度係数値β0を有する第2抵抗体を少なくとも含んで成る、複合抵抗体を形成する材料を選択するステップと、
R1およびR2を可変パラメータ、α0、β0、およびγ1を固定パラメータとして、前記TCR対トリムフラクションxの関数を生成することによって、少なくとも前記第1部分がトリミングされるときに、前記抵抗部品の前記TCR値がどのように変化するかを決定するステップと、
前記TCRの前記予め定められた挙動を持つ前記抵抗部品がもたらされるように、R1およびR2またはR1/R2に特定の値を選択し、それによって前記γ1の影響を前記抵抗部品に組み込むステップと、
前記予め定められた抵抗値および抵抗の温度係数値が得られるように前記第1抵抗体を熱的にトリミングするステップと、を含む方法。 - 前記第2抵抗体もまた熱的にトリミング可能であり、前記第2抵抗率のトリミングフラクションy当たりの前記β0の変化を定義する温度係数のトリミング誘起シフトγ2の値を有し、TCRの前記予め定められた挙動が前記トリムフラクションxによる前記TCRの変動および前記トリムフラクションyによる前記TCRの変動を表わす2つの実質的に異なる曲線に対応する、請求項66に記載の方法。
- 前記熱的にトリミングするステップが、前記第1抵抗値および前記第2抵抗値を異なる値に熱的にトリミングするステップを含む、請求項67に記載の方法。
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