JP2008510944A - 航空機ホイール用ブレーキ - Google Patents

Abstract

【課題】磨耗を測定することが可能であり、簡単で、厳しい動作環境でも信頼性のあるブレーキを提供する。
【解決手段】 本発明は、ホイール支持体に固定された環状フレーム、および相対的な動きをする回転摩擦部材と固定摩擦部材を備え、回転摩擦部材はホイールに固定され、固定摩擦部材は環状フレームに固定されて環状フレームとの回転が制約され、ホイール軸に沿って回転摩擦部材と固定摩擦部材を押付けるアクチュエータと、ブレーキのエネルギー容量を測定する測定装置を含むブレーキであって、測定装置は、対向して配置され、環状フレームに固定された２つの測定プレートを備える容量センサと、容量センサに連結された情報処理ユニットと、回転摩擦部材と固定摩擦部材に連結された遮蔽スクリーンとを備え、アクチュエータにより移動する遮蔽スクリーンは、２つの測定プレートの間で摺動可能であり、回転摩擦部材と固定摩擦部材は互いに押しつけられて２つの測定プレートによって形成されたキャパシタの容量が変更することを特徴とする。
【選択図】図１

Description

本発明は、航空機ホイール用ブレーキに係り、詳しくは、磨耗を測定することが可能であり、厳しい動作環境にも関わらず信頼性があり、構造が単純な摩耗センサ付き航空機ホイール用ブレーキに関する。

本発明は、ホイール支持体に対して回転するように取り付けられた航空機ホイール用ブレーキに関するもので、ブレーキはホイール支持体に固定するための環状フレームと、相対的な動きをする回転摩擦部材と固定摩擦部材を備え、回転摩擦部材はホイールに固定され、固定摩擦部材は環状フレームに固定されて回転が制約され、ホイール軸に沿って回転摩擦部材と固定摩擦部材に圧力をかける少なくとも１つのアクチュエータと、ブレーキのエネルギー容量を測定する測定装置を含んで構成されている。

車両、特に航空機は、摩擦ブレーキ装置を装着しており、使用によって摩擦部材は急速に磨耗する。適正な摩擦部材の交換時期を管理するため、摩耗時期の監視が行なわれている。
航空機ブレーキには、ホイールおよびホイール支持体と結合しているディスク状の摩擦部材を交互に組合わせたものが装着され、ブレーキ作動中は、これらの摩擦部材がアクチュエータによって押しつけられている。

ブレーキ摩耗部材の磨耗を管理するため、摩耗部材の端部ディスクは、ホイールの軸と平行に突出する「磨耗」ピンに連結されている。このピンは、ホイール支持体に結合された基準オリフィスを通してブレーキ環状フレームに固定されている。
ピンの端部とピンが通過しているオリフィスの間の距離は、ディスクの磨耗を示している。この距離は、従来磨耗ピンの長さを測定するオペーレータによって、定規を使用して手動で測定されていた。

米国特許第６６５９２３３号は、磨耗ピン上に光学エンコーダを配置することを記載しており、エンコーダは磨耗ピンによる一式の目盛、およびエンコーダの上を通過する目盛の数を測定するのに適した光学エンコーダによって構成されている。
このような光学センサは、高レベルの振動、極めて高い温度、およびディスクの摩耗によるカーボンダストにより、ブレーキの極めて過酷な環境での使用に困難を伴う。
米国特許第６６５９２３３号公報 特表２００４−５０５８３８号公報

本発明の目的は、磨耗を測定することが可能であり、厳しい動作環境にも関わらず簡単で信頼性のあるブレーキを提供することである。

本発明は、ホイール支持体（１２）に固定された環状フレーム（２５）、および相対的な動きをする回転摩擦部材（２０）と固定摩擦部材（２２）を備え、前記回転摩擦部材（２０）は前記ホイール支持体（１２）に固定され、前記固定摩擦部材（２２）は前記環状フレーム（２５）に固定されて前記環状フレーム（２５）との回転が制約され、ホイール軸に沿って前記回転摩擦部材（２０）と前記固定摩擦部材（２２）を押し付けることが出来る少なくとも１つのアクチュエータ（２４）と、ブレーキのエネルギー容量を測定する摩擦測定装置（１５）を含む航空機ホイール（１０）用ブレーキであって、前記摩擦測定装置（１５）は、対向して配置され、前記環状フレーム（２５）に固定された２つの測定プレート（４４）を備える容量センサ（４０）と、前記容量センサ（４０）に連結された情報処理ユニット（４２）と、前記回転摩擦部材（２０）と前記固定摩擦部材（２２）に連結された遮蔽スクリーン（４６）とを備え、前記アクチュエータ（２４）により移動する前記遮蔽スクリーン（４６）は、２つの前記測定測定プレート（４４）の間で摺動可能であり、前記回転摩擦部材（２０）と前記固定摩擦部材（２２）は互いに押しつけられて２つの前記測定プレート（４４）によって形成されたキャパシタの容量が変ることを特徴とする。

２つの前記測定プレート（４４）は、前記遮蔽スクリーン（４６）がこれに沿って移動可能な中間軸（Ｘ−Ｘ）周りに対称的に配置された曲線断面を有するプレートによって形成されていることを特徴とする。

２つの前記測定プレート（４４）は、前記遮蔽スクリーン（４６）がこれに沿って移動可能な中間軸（Ｘ−Ｘ）周りに対称的に配置されたピン（６２）によって形成されていることを特徴とする。

２つの前記測定プレート（４４）は、もう１つの前記測定プレート（４４）と前記遮蔽スクリーン（４６）の少なくとも一部を収容する空間を含むハウジング（４８）を形成することを特徴とする。

２つの前記測定プレート（４４）は、前記回転摩擦部材（２０）、および、前記固定摩擦部材（２２）が押付けられる方向に平行に装着されることを特徴とする。

前記遮蔽スクリーン（４６）は、前記回転摩擦部材（２０）、および、前記固定摩擦部材（２２）が押付けられる方向に伸びるピン（６２）の形をしていることを特徴とする。

２つの前記測定プレート（４４）と前記遮蔽スクリーン（４６）の間には、絶縁インサート（６０）が挿入されており、遮蔽スクリーン（４６）に機械的案内機能を付与することを特徴とする。

本発明は、前記ホイール支持体（１２）、前記ホイール（１０）、および、前記ブレーキ（１４）を備えている航空機着陸用であることを特徴とする。

本発明のホイール支持体に回転可能に取り付けられた車両ホイール用ブレーキは、磨耗を測定することが可能であり、厳しい動作環境にも関わらず簡単で信頼性がある。

以下、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。

図１は、ホイール支持体１２周りに回転するように取り付けられた航空機ホイール１０を示している。航空機ホイール１０は、磨耗測定装置１５を備えたブレーキ１４を装着している。
ホイール支持体１２は、タイヤ１８を取り付けるリム１６を備え、ブレーキ１４は、ホイール支持体１２およびリム１６と結合する回転摩擦部材２０及び固定摩擦部材２２の積層部を備えている。
回転摩擦部材２０及び固定摩擦部材２２は、何れもディスク状で、回転摩擦部材２０は、リム１６と共に回転するようになっている。

ディスク状の回転摩擦部材２０は、ホイール軸に沿って所定の移動ストロークだけリムに対して自由に平行移動することができる。
また、ディスク状の回転摩擦部材２０の間には、ホイール支持体１２に固定されたディスク状の固定摩擦部材２２を備えている。ディスク状の回転摩擦部材２０と、ディスク状の固定摩擦部材２２は、交互に配置され、固定摩擦部材２２は、ホイール支持体１２に対して回転しないようにされ、ホイール１８の回転軸に沿って平行移動可能である。
交互に配置された回転摩擦部材２０と固定摩擦部材２２のスタックは、ブレーキ１４が作動する間、アクチュエータ２４によってタイヤ１８の回転軸方向に互いに押し付けられる。各アクチュエータ２４はブレーキ１４の環状フレーム２５に固定される。

アクチュエータ２４の移動部は、回転摩擦部材２０及び固定摩擦部材２２のスタックの端部ディスク２２Ａを押し付けるようになっている。このスタックのもう一方の端部は、ホイール支持体１２およびブレーキ１４の環状フレーム２５に固定された端部ディスク２２Ｂを介してショルダ２６に押し付けられる。
アクチュエータ２４は、タイヤ１８の回転軸と平行な方向に作用する。
摩耗測定装置１５は、ブレーキ１４の磨耗、特にブレーキ１４のエネルギー容量を示すパラメータを測定するのに適している。エネルギー容量は、回転摩擦部材２０あるいは固定摩擦部材２２を変更する必要がある前に、ブレーキによってまだ分散吸収することができるエネルギーを示している。これは、回転摩擦部材２０あるいは固定摩擦部材２２の残りの容量による。
摩耗測定装置１５は、容量センサ４０、および容量センサ４０に連結された情報処理ユニット４２を備えている。

容量センサ４０は、互いに向かい合って配置された２つの同一の測定プレート４４を備えている。測定プレート４４は、金属などの導電性であり、絶縁体で覆われている。
測定プレート４４は環状フレーム２５によって定位置に固定されている。
図１から４に示す本発明の実施例では、２枚の測定プレート４４は、タイヤ１８ホイールの回転軸と平行な容量センサ４０の長手中間軸Ｘ−Ｘ周りに対称に配置された断面が半円形の測定プレート４４からなっている。
測定プレート４４の長さは、摩擦部材の磨耗の結果、端部ディスク２２Ａの最大許容変位より大きい。

例えば、円筒形のピン６２によって構成された遮蔽スクリーン４６はスチール製で、２つの測定プレート４４の間に摺動可能に取り付けられている。この遮蔽スクリーン４６は、一端部が端部ディスク２２Ａに連結されている。
遮蔽スクリーン４６は、タイヤ１８の回転軸と平行な軸Ｘ−Ｘに沿って、すなわち端部ディスク２２Ａの平面と垂直に延び、測定プレート４４からある間隔を置いて配置されており、これと接触することなく環状フレーム２５を貫通している。

遮蔽スクリーン４６の長さは、測定プレート４４の長さより大きい。図３は、遮蔽スクリーン４６が長さ方向で２つの測定プレート４４とラップする場合を示し、図４は、遮蔽スクリーン４６が長さ方向で２つの測定プレートの一部とラップする場合を示す。端部は、ディスク２２Ａと共に変位可能である。
遮蔽スクリーン４６が、測定プレート４４の全長にわたって測定プレート４４とラップする完全ラップの位置は、回転摩擦部材２０、固定摩擦部材２２が新しい場合の、測定プレート４４の位置に対応する。これに対して、図４の１部ラップする位置は、ブレーキが作動した場合に、遮蔽スクリーン４６が、２つの測定プレート４４の間の１部でのみラップし、部分的にまたは完全に磨耗している回転摩擦部材２０、固定摩擦部材２２に対応している。

また、容量センサ４０は、測定プレート４４を完全に囲む金属製のハウジング４８を備えている。
遮蔽スクリーン４６は、接地され、測定プレート４４は、情報処理ユニット４２の２つの端子に連結されている。
この情報処理ユニット４２は、測定プレート４４によって形成されたキャパシタの容量を測定する測定手段５０を備えている。この測定手段５０は、ホイートストーンブリッジの容量センサを備え、これには発電機によって電力が供給されている。

また、情報処理ユニット４２は、測定手段５０に連結され、容量センサ４０の２つの測定プレート４４の間で測定される容量に基づき回転摩擦部材２０および固定摩擦部材２２の厚さを推測するに適したプロセッサ５２を備えている。プロセッサ５２は、ブレーキ１４の寸法データ、および回転摩擦部材２０および固定摩擦部材２２の推定厚さに基づき、ブレーキ１４のエネルギー容量を測定するようになっている。
ブレーキは、アクチュエータ２４を作動させると回転摩擦部材２０および固定摩擦部材２２が押し付けられることによって作用する。回転摩擦部材２０および固定摩擦部材２２が互いに押し付けられている間、遮蔽スクリーン４６は、回転摩擦部材２０および固定摩擦部材２２が受けた磨耗量によって設定された位置に到達するように、測定プレート４４の間を移動する。この位置では、遮蔽スクリーン４６は長さの一部が測定プレート４４の間に延びている。

キャパシタの容量は、測定プレート４４の間に配置された材料の透過性に依存し、また、遮蔽スクリーン４６を構成する材料の透過性が空気の透過性とは異なり、特に、これよりかなり大きい場合に限り、測定プレート４４の長さに沿ったピン６２の位置がキャパシタの容量を示す。この容量は、ブレーキの磨耗量に直接関連している。というのは、これは遮蔽スクリーン４６の位置によるものであるからである。
容量センサ４０の容量に基づき、情報処理ユニット４２は、ブレーキの残りのエネルギー容量を算出する。

容量センサ４０の使用により、簡単で、ブレーキが置かれた特に振動および温度の厳しい環境に比較的鈍感である磨耗測定装置を得ることが可能になる。
また、図５に示すように、絶縁インサート６０が測定プレート４４、遮蔽スクリーン４６、およびハウジング４８の間に装入されており、遮蔽スクリーン４６の移動を案内する機械的ガイドを形成している。この絶縁インサート６０は、剛性がある電気絶縁材料でできており、測定プレート４４を支持する役目をもっている。

図６および７には、容量センサ４０の他の実施例を示す。
図６の実施例では、測定プレート４４は、シリンダの一部ではなく、遮蔽スクリーン４６を通るＸ−Ｘ軸の周りで、軸を中心に対向する位置の円形のピン６２に置き換わっている。
図７の実施例では、一つの測定プレート４４がハウジング４８内に配置されている。容量センサ４０である別の測定プレート４４は、ハウジング４８そのものを形成し、これが、第２測定プレートとして情報処理ユニット４２に結合されている。
そして、ピン６２が、キャビティであるハウジング４８の内側で移動するように取り付けられており、測定プレート４４およびハウジング４８とは分離されている。

本発明の容量センサ４０では、線形可変差動変圧器（ＬＶＤＴ）タイプのセンサを使用するよりもより優れた性能の得られることが判明した。

本発明のブレーキ装置を装着した航空機ホイールの断面図である。 本発明の容量センサの第１の実施例の断面図である。 本発明の容量センサの長手方向の断面図である。 本発明の容量センサの長手方向の断面図である。 本発明の他の実施例の容量センサの断面図である。 本発明の他の実施例の容量センサの断面図である。 本発明の他の実施例の容量センサの断面図である。

符号の説明

１０ 航空機ホイール
１２ ホイール支持体
１４ ブレーキ
１５ 摩耗測定装置
１６ リム
１８ タイヤ
２０ 回転摩擦部材
２２ 固定摩擦部材
２２Ａ 端部ディスク
２２Ｂ 端部ディスク
２４ アクチュエータ
２５ 環状フレーム
２６ ショルダ
４０ 移動ディスク
４０ 容量センサ
４２ 情報処理ユニット
４４ 測定プレート
４６ 遮蔽スクリーン
４８ ハウジング
５０ 測定手段
５２ プロセッサ
６０ 絶縁インサート
６２ ピン

Claims (8)

1. ホイール支持体（１２）に固定された環状フレーム（２５）、および相対的な動きをする回転摩擦部材（２０）と固定摩擦部材（２２）を備え、前記回転摩擦部材（２０）は前記ホイール支持体（１２）に固定され、前記固定摩擦部材（２２）は前記環状フレーム（２５）に固定されて前記環状フレーム（２５）との回転が制約され、ホイール軸に沿って前記回転摩擦部材（２０）と前記固定摩擦部材（２２）を押し付けることが出来る少なくとも１つのアクチュエータ（２４）と、ブレーキのエネルギー容量を測定する摩擦測定装置（１５）を含む航空機ホイール（１０）用ブレーキであって、
   前記摩擦測定装置（１５）は、対向して配置され、前記環状フレーム（２５）に固定された２つの測定プレート（４４）を備える容量センサ（４０）と、前記容量センサ（４０）に連結された情報処理ユニット（４２）と、前記回転摩擦部材（２０）と前記固定摩擦部材（２２）に連結された遮蔽スクリーン（４６）とを備え、前記アクチュエータ（２４）により移動する前記遮蔽スクリーン（４６）は、２つの前記測定測定プレート（４４）の間で摺動可能であり、前記回転摩擦部材（２０）と前記固定摩擦部材（２２）は互いに押しつけられて２つの前記測定プレート（４４）によって形成されたキャパシタの容量が変ることを特徴とする前記ホイール支持体（１２）に回転可能に取り付けられた航空機ホイール（１０）用ブレーキ。
2. ２つの前記測定プレート（４４）は、前記遮蔽スクリーン（４６）がこれに沿って移動可能な中間軸（Ｘ−Ｘ）周りに対称的に配置された曲線断面を有するプレートによって形成されていることを特徴とする前記ホイール支持体（１２）に回転可能に取り付けられた請求項１に記載の航空機ホイール（１０）用ブレーキ。
3. ２つの前記測定プレート（４４）は、前記遮蔽スクリーン（４６）がこれに沿って移動可能な中間軸（Ｘ−Ｘ）周りに対称的に配置されたピン（６２）によって形成されていることを特徴とする前記ホイール支持体（１２）に回転可能に取り付けられた請求項１に記載の航空機ホイール（１０）用ブレーキ。
4. ２つの前記測定プレート（４４）は、もう１つの前記測定プレート（４４）と前記遮蔽スクリーン（４６）の少なくとも一部を収容する空間を含むハウジング（４８）を形成することを特徴とする請求項１に記載の航空機ホイール（１０）用ブレーキ。
5. ２つの前記測定プレート（４４）は、前記回転摩擦部材（２０）、および、前記固定摩擦部材（２２）が押付けられる方向に平行に装着されることを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の航空機ホイール（１０）用ブレーキ。
6. 前記遮蔽スクリーン（４６）は、前記回転摩擦部材（２０）、および、前記固定摩擦部材（２２）が押付けられる方向に伸びるピン（６２）の形をしていることを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の航空機ホイール（１０）用ブレーキ。
7. ２つの前記測定プレート（４４）と前記遮蔽スクリーン（４６）の間には、絶縁インサート（６０）が挿入されており、遮蔽スクリーン（４６）に機械的案内機能を付与することを特徴とする請求項１乃至６のいずれかに記載の航空機ホイール（１０）用ブレーキ。
8. 前記請求項１乃至６のいずれかに記載の前記ホイール支持体（１２）、前記航空機ホイール（１０）、および前記ブレーキ（１４）を備えた航空機着陸用であることを特徴とする航空機ホイール（１０）用ブレーキ。

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