JP2008509119A - 慢性呼吸疾患の治療薬 - Google Patents

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Abstract

メチルキサンチン化合物を、単独では呼吸疾患の治療に有効でない用量で投与する、該呼吸疾患の治療のための、相乗的に組合されたメチルキサンチン化合物とステロイドとの使用を提供する。

Description

本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療のための相乗的組合せにおける、メチルキサンチン誘導体(例えば、テオフィリン)とステロイド薬との使用を提供する。各成分が抗炎症効果を与えないか又は最小限の抗炎症効果しか与えない用量でのステロイドとテオフィリンとの組合せ投与は治療のための相乗的抗炎症応答をもたらす。
緒言
テオフィリンは、例えば喘息およびCOPDのような慢性呼吸疾患の経口剤として使用される安価な白色結晶性粉末である。アミノフィリンまたはテオフィリンエチレンジアミンは、テオフィリンとエチレンジアミンとを組合せたものであり、類似した特性を有する。テオフィリンは気管支拡張効果を有し、部分的には、弱い非選択的ホスホジエステラーゼ(PDE)インヒビターとしてのその活性により、穏やかな抗炎症効果を有する。これまでのところ、この薬物は狭い治療指数により特徴づけられており、胃腸異常、振戦、心不整脈および他の合併症により特徴づけられるこの物質に対する毒性が臨床実施でよく見られる。テオフィリンの副作用を避けるために、テオフィリンの代わりに、例えば吸入βアゴニストおよび吸入ステロイドのような他の慢性呼吸疾患薬がしばしば処方される。
テオフィリンは長年にわたって臨床で使用されているが、その分子作用メカニズムおよびその作用部位は依然として明らかでない。以下のものを含む幾つかの分子作用メカニズムが提示されている。
テオフィリンは、細胞内のサイクリックヌクレオチドを分解して細胞内サイクリックAMPおよびGMP濃度の上昇を引き起こすホスホジエステラーゼの、弱い非選択的インヒビターである。テオフィリンは、PDE活性(PDE3、PDE4およびPDE5)の抑制により気道平滑筋を弛緩させるが、最高弛緩のためには比較的高い濃度が必要である(Rabeら, Eur Respir J 1999, 8: 637-42)。PDE抑制の度合は、治療に適したテオフィリン濃度では非常に小さい。テオフィリンが例えばPDE4B(気道内の抗炎症効果を媒介する炎症細胞において優勢なイソ酵素)のようないずれかの特定のイソ酵素に対する選択性を有するという証拠は存在しない。
テオフィリンは、A3受容体に対してはそれほど有効ではないが、A1およびA2受容体に対しては拮抗作用により、治療濃度においてアデノシン受容体の強力なインヒビターである(Pauwels, R.A., Joos, G.F. Arch Int Pharmacodyn Ther 1995, 329: 151-60)。
テオフィリンはインターロイキン10の遊離を増強し、これは広域スペクトルの抗炎症効果をもたらす。この効果は喘息に有効な用量では見られないものの、この効果はPDE抑制により引き起こされうる(Oliverら, Allergy 2001, 56: 1087-90)。
テオフィリンは炎症性転写因子核因子κB(NF-κB)のトランスロケーションを妨げて、喘息およびCOPD炎症遺伝子の発現を潜在的に低下させる(Tomitaら, Arch Pharmacol 1999, 359: 249-55)。これらの効果は高濃度で見られ、PDEの抑制によっても生じうる。
さらに、テオフィリンはヒストンデアセチラーゼを(HDAC)活性化することが最近示された。ヒストンタンパク質のアセチル化は遺伝子機能の活性化に関連しており、炎症性遺伝子を活性化する炎症性転写因子はヒストンアセチルトランスフェラーゼ活性の増強をも引き起こすと考えられている。HDAC活性を増強してヒストンタンパク質を脱アセチル化することにより、テオフィリンは炎症性遺伝子の発現を抑制すると考えられている(Barnes, (2003) Am J Respir Crit Care Med 167:813-818を参照されたい)。
グルココルチコイド薬(ステロイド)は喘息の場合に好適な療法となっており、COPDの治療において、通常は吸入形態で広く使用されている。しかし、吸入ステロイドは喘息患者の大多数においては有効であるが、COPDにおけるその使用は議論の的となっている。なぜなら、証明されうるその抗炎症効果が存在せず(Culpitt, S.V.ら (1999). Am. J Respir. Crit Care Med. 160, 5 Pt 1, 1635-1639)、また、それは疾患の進行に見掛け上影響を及ぼさないからである(Burgeら, (2000). BMJ 320: 1297-1303)。低用量ステロイドに応答しない喘息患者には高用量(ブデソニド(budesonide)の場合には1日1600μgまで)を投与する。
Evansら, (2004) NEJM 337:1412は、喘息での使用において、高用量の吸入ステロイドの代わりに、低用量のテオフィリンと組合された通常用量のグルココルチコイドを投与しうることを示唆している。250または375mgのテオフィリンと組合された400μg(標準用量)のブデソニド、または800μgのブデソニドとプラシーボとが、1日2回患者に投与された。この研究において得られたテオフィリンの血漿中濃度は2.5〜17.1mg/lの範囲であり、中央値は8.7mg/lであった。これらの2つの治療例の効果は類似していたが、このことは、テオフィリンが、ステロイドと共に投与された場合に用量軽減効果を示すことを示唆している。しかし、用いた用量においては、患者は、胃腸異常、動悸、咽喉炎ならびにステロイドおよび/またはテオフィリン療法に関連した他の副作用を含む薬物関連副作用を受けた。さらに、その著者らは炎症に対する薬物の効果を何ら確認しなかった。吸入ステロイドと経口テオフィリンとの間の潜在的相互作用を調べるための同様の研究はCOPD患者においては行われていない。
したがって、有効な抗炎症活性をもたらし、既存療法に関連した副作用を回避する、COPDに対する治療計画が必要とされている。
発明の簡潔な説明
本発明者らは、COPDの動物モデルにおいてタバコの煙(TS)により誘発された炎症の治療において、単独では有効でない用量で投与されたステロイドおよびメチルキサンチン化合物が、一緒に投与された場合には相乗効果を示し、該モデルにおいて、以下の試験で50%以上顕著に炎症を軽減しうることを確認した。TS曝露はヒトにおけるCOPDの主要原因であることが広く受け入れられている。
第1の態様においては、慢性呼吸疾患の治療用組成物の製造における組合せ使用(併用)のためのメチルキサンチン化合物およびステロイドの使用を提供し、ここで、該メチルキサンチン化合物は、該呼吸疾患の治療において単独では有効でないがステロイドと一緒の場合には気道内の炎症の軽減に有効である用量で投与される。
好ましくは、慢性呼吸疾患はCOPDである。有利には、慢性呼吸疾患は重篤な喘息および嚢胞性線維症を含みうる。
本発明は、極めて高い抗炎症活性をもたらす、メチルキサンチン化合物とステロイド薬との相乗活性を確認している。この相乗作用は、単独で投与される場合には無効である該薬物の用量を用いて達成される。ほとんど又は全く効果を有さない2つの薬物を同時に投与することにより炎症応答の非常に顕著な抑制を得ることが可能である点で、該効果は相加的なものではなく相乗的なものである。
本明細書中で用いるメチルキサンチン化合物は、テオフィリンならびにこれと薬理学的に同等な化合物および塩、アミノフィリンおよびオクストリフィリンを含む、を意味する。そのような化合物としてはメチルキサンチンが挙げられ、これはカフェイン、テオブロミン、フラフィリン(Furaphylline)、7-プロピル-テオフィリン-ドーパミン、エンプロフィリン(enprofylline)などを包含する。ステロイド薬には、グルココルチコイド、コルチコステロイドおよびミネラルコルチコイド、例えばデキサメタゾン(dexamethasone)およびブデソニド(budesonide)、ベクロメタゾン(beclomethasone)、フルニソリド(flunisolide)、フルチカゾン(fluticasone)、シクレソニド(Ciclesonide)モメタソン(mometasone)、ヒドロコルチゾン(hydrocortisone)、プレドニゾン(prednisone)、プレドニゾロン(prednisolone)、トリアムシノロン(triamcinolone)、ベタメタゾン(betamethasone)、フルドロコルチゾン(fludrocoritisone)およびデソキシコルチコステロン(desoxycorticosterone)が含まれる。ステロイド薬には更に、COPD用に臨床開発中のステロイド、例えばGW-685698、GW-799943ならびに国際特許出願WO0212265、WO0212266、WO02100879、WO03062259、WO03048181およびWO03042229に記載の化合物が含まれうる。ステロイド薬には更に、低い副作用プロファイルを有する開発中の次世代分子、例えば選択的グルココルチコイド受容体アゴニスト(SEGRA)、例えばZK-216348ならびに国際特許出願WO00032585、WO000210143、WO2005034939、WO2005003098、WO2005035518およびWO2005035502に記載の化合物が含まれうる。
好ましくは、メチルキサンチンはテオフィリンである。
本発明においては、該ステロイドは、標準用量、またはメチルキサンチン化合物とは別に投与された場合には効果を示さない用量で個体に投与されうる。
有利には、該ステロイドは、使用する用量では前記呼吸疾患における炎症の軽減に無効である。COPDなどの或る呼吸疾患はステロイド治療に抵抗性であり、ステロイド薬は炎症の軽減に無効である。しかし、テオフィリンと併用すると、抗炎症効果が観察される。
投与は、任意の適当な経路、例えば経口経路、吸入、注射、長期放出インプラントなどにより行うことが可能である。注射剤の取扱いが問題となる発展途上国においては、および一般市販薬の適用には、経口投与が有利である。吸入医薬は、もちろん、喘息のような慢性呼吸疾患の患者にはよく知られたものであり、この場合、吸入器が一般に使用される。好ましくは、テオフィリンは経口投与される。
もう1つの態様においては、本発明は、単独で投与された場合には呼吸疾患の治療に有効となるのに不十分である用量のメチルキサンチン化合物とステロイドとを含んでなる、単位投与形の医薬組成物を提供する。そのような単位投与形は、メチルキサンチン化合物とステロイドとを単位投与形内に含んでなる、呼吸疾患の治療のためのキットを提供するようパッケージングされることが可能であり、ここで、該メチルキサンチン化合物は、単独で投与された場合には呼吸疾患の治療に有効となるのに不十分である用量である。
そのようなキットは、例えば、それらの医薬が患者の体内で同時に存在するよう該医薬を実質的に同時に投与するよう使用者に指示する使用説明書を含みうる。
本発明は更に、メチルキサンチン化合物が、単独で投与された場合には呼吸疾患の治療に有効となるのに不十分である用量である、呼吸疾患の治療における同時使用、同時別使用または逐次的使用のための、単位投与形内のメチルキサンチン化合物およびステロイドを提供する。
本発明のキットまたは単位投与形においては、該ステロイドは、好ましくは、単独で投与された場合には呼吸疾患の治療に有効となるのに不十分である用量で存在する。
本発明は更に、メチルキサンチン化合物が、単独で投与された場合には呼吸疾患の治療に有効となるのに不十分である用量で提供される、呼吸疾患の治療における同時使用、同時別使用または逐次的使用のための、単位投与形内のメチルキサンチン化合物およびステロイドを提供する。
本発明の前記態様においては、いずれの治療効果も薬理効果ももたらさないメチルキサンチン化合物の経口用量は、有利には、5mg/kg未満、好ましくは、0.1〜4mg/kg、最も好ましくは、0.1〜3mg/kgである。有利には、メチルキサンチンの用量は3mg/kgまたはそれ未満である。これらの用量のメチルキサンチンで得られる血漿中レベルは、臨床効力のために必要だと現在考えられているもの(10〜20mg/l)(Cazzolaら, (2004) Pulmonary Pharmacology & Therapeutics 17, 141-145)を下回る。
本発明の前記態様においては、COPDの動物モデルにおいていずれの見掛け上の薬理効果をももたらさないステロイドの用量は、有利には、5mg/kg未満、好ましくは、0.1〜4mg/kg、最も好ましくは、0.1〜0.3mg/kgである。有利には、ステロイドの用量は0.3mg/kgまたはそれ未満である。
本発明においては、該治療の有効性は、炎症を評価しうる任意の技術によりアッセイされうる。好ましい実施形態においては、呼吸疾患の治療は、気管支肺胞洗浄(BAL)から回収された細胞を計数することにより評価される。炎症は、喀痰または気管支上皮生検においても評価されうる。
有利には、該細胞は、マクロファージ、上皮細胞、好中球、好酸球およびリンパ球よりなる群から選ばれる。
本発明は呼吸疾患における炎症を実質的に軽減しうる。有利には、細胞数は、メチルキサンチン化合物およびステロイドの投与後に50%以上、好ましくは70%以上減少する。
同時に、個々の用量のメチルキサンチン化合物およびステロイドは、有利には、一緒にした場合の合計として、細胞数を40%以下、好ましくは30%以下、理想的には20%以下減少しうる。メチルキサンチン化合物とステロイドとの投与の際の細胞数の相乗的減少が70%以上である場合には、個々の物質の相加効果は、好ましくは60%以下、有利には56%以下である。
発明の詳細な説明
本発明は、以下で更に詳しく説明するとおり、薬理学および生化学の標準的な技術を用いる。本発明においては、ある用語は、以下のとおり、特別な意味を有する。
本発明はメチルキサンチンおよびステロイド薬の組合せ投与を記載し、該組合せ投与を該薬物単独での個々の投与と対比する。したがって、「単独(別々)」は、ステロイドの非存在下でのメチルキサンチン化合物の投与またはその逆を意味し、これは、ステロイドがメチルキサンチン化合物の投与の前または同時または後に投与されるかどうかには無関係である。その意図は、標的生物においてそれらの薬理活性をもたらしうるよう同時または別々に投与されるメチルキサンチン化合物およびステロイドを区別することにある。
本発明の意義における「組合せ使用(併用)」または「組合せ」は、個々の成分が同時に(組合せ医薬の形態で)または別々ではあるが実質的に同時に(例えば、別々の用量で)または逐次的に(両方の物質が対象において同時に活性となる場合には、連続的に直ちに又は適当な時間間隔の後で)投与されうることを意味すると理解されるべきである。
炎症状態および/または呼吸疾患の治療に関する「有効」は、呼吸疾患における炎症を測定するアッセイにおいて応答が得られることを意味する。好ましいアッセイは気管支肺胞洗浄(BAL)およびそれに続く細胞計数であり、この場合、細胞の存在は肺の炎症の指標となる。ヒト患者においては、BAL、誘導(induced)喀痰および気管支生検が、好ましい炎症評価方法である。炎症は、任意の望ましい手段、例えばタバコの煙の吸入、LPSのような刺激物質の投与などにより誘発されうる。タバコの煙の吸入が好ましい。なぜなら、本明細書中に示されているとおり、LPSの使用は、COPDにおいて見られるステロイド抵抗性炎症応答を正確には再現しないからである。BAL/細胞計数アッセイの場合、「有効」は、好ましくは、該物質が投与されていない対照と比較して30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%またはそれ以上の細胞数の減少を含む。
「有効でない」は、同じアッセイにおける、はるかに低いレベルの応答を意味する。好ましくは、BAL/細胞計数アッセイにおいては、「有効でない」は、細胞数の減少が30%以下、有利には、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%または21%以下、好ましくは20%以下であることを意味する。いくつかの場合には、「有効でない」は、例えば細胞数の増加として見られる、炎症の増強を含みうる。
「相乗(的)」は、2つの物質の有効性が、与えられたアッセイにおけるそれらのそれぞれの個々の有効性を加え合わせることにより予想されるものを上回ることを意味する。例えば、別々に投与されるメチルキサンチン化合物およびステロイドがBALアッセイにおいて細胞数をそれぞれ10%および20%減少させる場合において、同じ物質の同じ用量での組合せ投与において細胞数の減少が30%を超えるならば、相乗的応答が認められるということになろう。
「投与」は、意図される対象への該物質の全用量(例えば、ボーラス用量におけるもの)の投与を意味する。本発明においては、投与量は、好ましくは、得られる血漿中レベル(<5mg/l; 6〜9mg/l; 10〜20mg/l)として表され、血漿中レベルは、好ましくは1〜9mg/l、最も好ましくは1mg/l未満である。
「用量」は、前記のとおり投与される物質の量である。投与は、前記の経路を含む任意の適当な経路によるものでありうる。一般に、2つの投与経路により投与される投与量を等しくすることは可能でない。例えば、吸入ステロイドは、一般には、比較しうる効果を達成するためには経口ステロイドより低い用量で投与される。なぜなら、吸入ステロイドは、全身的ではなく直接的に作用部位に運搬されるからである。
「単位投与」形は、1以上のパッケージ化された量の医薬組成物の製剤であり、そのそれぞれは本発明における単一投与量を含有する。典型的な単位投与形には、丸剤、カプセル剤、坐剤、1回使用用アンプルなどが含まれる。
テオフィリンおよびステロイド
テオフィリンおよびアミノフィリン
テオフィリンは、以下に示す構造:
Figure 2008509119
を有し、Accurbron、Aerobin、Aerolate、Afonilum、Aquaphyllin、Armophylline、Asmalix、Austyn、Bilordyl、Bronchoretard、Bronkodyl、Cetraphylline、Constant T、Duraphyllin、Diffumal、Elixomin、Elixophyllin、Etheophyl、Euphyllin、Euphylong、LaBID、Lanophyllin、Lasma、Nuelin、Physpan、Pro-Vent、PulmiDur、Pulmo-Timelets、Quibron、Respid、Slo-Bid、Slo-Phyllin、Solosin、Sustaire、Talotren、Teosona、Theobid、Theoclear、Theochron、Theo-Dur、Theolair、Theon、Theophyl、Theograd、Theo-Sav、Theospan、Theostat、Theovent、T-Phyl、Unifyl、Uniphyl、UniphyllinおよびXanthiumを含む種々のブランド名で商業的に入手可能である。テオフィリンの化学名は3,7-ジヒドロ-1,3-ジメチル-1H-プリン-2,6-ジオンまたは1,3-ジメチルキサンチンであり、その一般化学式はC7H8N4O2である。
アミノフィリン
テオフィリン誘導体であり、これはテオフィリンエチレンジアミンと同義である。アミノフィリンはテオフィリンの誘導体であり、共にメチルキサンチンであり、キサンチンから誘導される。薬物アミノフィリンは、その構造において、エチレンジアミンおよびより多数の水分子を含有する点で、テオフィリンとは少し異なる。アミノフィリンはテオフィリンほどは強力ではなくテオフィリンより短作用性である傾向にある。その構造を以下に示す。
Figure 2008509119
テオフィリンは胃腸管から良く吸収され、90〜100%までのバイオアベイラビリティを有する。ピークレベルは摂取の1〜2時間後に得られるが、これは食物の存在により遅くなる。テオフィリンは、その約60%が血漿タンパク質に結合しており、0.5L/kgの平均分布体積を有する。血漿タンパク質結合は乳児および肝硬変患者においては低下する。テオフィリンの平均血漿半減期は成人では約8時間であるが、個体内および個体間の大きな変動が認められ、年齢によっても大きく変動し、未熟新生児においては約30時間、最初の6ヶ月以内では12時間、生後の最初の1年までは5時間、そして20歳までは約3.5時間であり、その後は再び徐々に増加する。テオフィリンは比較的短い血漿半減期を有するため、商業的に入手可能な多数の徐放製剤が存在する。これらはすべて、それらのバイオアベイラビリティおよびピーク血漿中濃度までの時間に関して様々である(さらに以下を参照されたい)。
テオフィリンは、主として、シトクロムP450系を利用する脱メチル化または酸化により、肝臓で吸収される。不変のまま腎臓により排泄されるのは少量に過ぎず、腎不全における投与量の調節は不要である。しかし、血漿中レベルの値に関して投与量調節が必要な、シトクロム系により代謝される他の薬物を使用する場合には、注意が必要である。多数の薬物がテオフィリンの代謝を妨げうる。ある抗生物質では、特別な配慮をすべきである。なぜなら、気道閉塞の急性感染性増悪を伴う患者に、テオフィリン代謝に対する効果を考慮することなく、不注意にそのような抗生物質を投与してしまう可能性があるからである。これらには、共にテオフィリンのクリアランスを種々の度合で低下させるマクロライド(例えば、エリスロマイシン)およびキノロン(例えば、シプロフロキサシン)ファミリーの抗生物質が含まれる。テオフィリンのクリアランスを低下させる他の薬物には、(やや特殊な治療的組合せではあるが)シメチジン、アロプリノールおよびプロパノロールが含まれる。テオフィリン代謝を増強する薬物には、リファンピシン、フェノバルビトン、特にフェニトインおよびカルバマゼピンが含まれるが、経口避妊ピルは含まれない。テオフィリンの代謝速度は喫煙者では実質的に増加する(半減期は半分になりうる)が、これは10本/日未満の喫煙者では有意ではないであろう。マリファナを吸うことは同様の影響を及ぼし、高タンパク質食の摂取も同様の影響を及ぼしうる。肝不全、心不全および慢性肺性心はすべて、テオフィリンの消失を低下させ、低アルブミン状態はタンパク質結合薬の血中量を減少させるため、血漿中レベルの結果の解釈においては注意が必要である。したがって、心不全または慢性肺性心を伴う呼吸器不全の患者の臨床状態が改善するにつれて、テオフィリンのクリアランスが変化し、投与量の調節が必要となるかもしれない。
メチルキサンチン
テオフィリンおよびアミノフィリンを含むメチルキサンチン化合物は以下の一般式を有する。
Figure 2008509119
(式中、
Xは水素、脂肪族炭化水素基または-CO-NR3R4を表す;
R1、R2およびR3は脂肪族炭化水素基を表す;
R4は水素または脂肪族炭化水素基を表し、R3およびR4は該窒素原子と一緒になって、モルホリノ基または5〜6員環を有するアルキレンイミノ基をも表しうる;
R5は水素または脂肪族炭化水素基を表す)。
すべてのそのような化合物が本発明の範囲内であるが、テオフィリン自体が特に好ましい。
ステロイド
ステロイド薬は全般的に本発明での使用に適している。特定のステロイドを以下に記載する。
一般的な吸入ステロイドには以下のものが含まれる。
・Pulmicort(登録商標)(ブデソニド(budesonide))
・Flovent(登録商標)(フルチカソン(fluticasone))
・Asmanex(登録商標)(モメタゾン(mometasone))
・Alvesco(登録商標)(シルセソニド(cilcesonide))
・Aerobid(登録商標)(フルニソリド(flunisolide))
・Azmacort(登録商標)(トリアムシノロン(triamcinolone))
・Qvar(登録商標)(ベクロメタゾン(beclomethasone)HFA))
・ステロイドは、β2アドレナリン作用性アゴニストおよび/またはムスカリンアンタゴニストを含む一連のメカニズムを有する長時間作用型気管支拡張薬との組合せ形態でも投与されうる。該ステロイド組合せに含まれる気管支拡張薬は同一分子内にβ2アドレナリン作用性アゴニストおよびムスカリンアンタゴニスト活性を有しうる。
・Advair(登録商標)(Flovent(登録商標)およびSerevent(登録商標))。Serevent(登録商標)は、長時間作用型βアゴニストであるサルメテロール(salmeterol)であることに注意されたい。
・Symbicort(登録商標)(Pulmicort(登録商標)およびOxis(登録商標))。Oxisは、長時間作用型βアゴニストであるフォルモテロール(formoterol)であることに注意されたい。
一般的なステロイド丸剤およびシロップ剤には以下のものが含まれる。
・Deltasone(登録商標)(プレドニゾン(prednisone))
・Medrol(登録商標)(メチルプレドニゾロン(methylprednisolone))
・Orapred(登録商標)、Prelone(登録商標)、Pediapred(登録商標)(プレドニゾロン(prednisolone))。
ブデソニド(Budesonide)
Figure 2008509119
化学名: C25H34O6: 430.54 (+) - [ (RS) - 16a, 17a - ブチリデンジオキシ - 11b, 21 - ジヒドロキシ - 1, 4 - プレグナジエン - 3, 20 - ジオン]
CAS登録番号: 51333-22-3
ブデソニドは最初は16a-ヒドロキシプレドニゾロンから合成された。該分子の特有の構造は、高い局所抗炎症効力と全身副作用の比較的低い可能性とをそれが併せ持つために極めて重要である。また、ブデソニドは、粘膜流体への容易な溶解に十分な水溶性を有し、粘膜による迅速な取り込みに十分な脂溶性を有する。アセタール基は不斉であるため、ブデソニドは、22Rおよび22Sとして公知の2つのエピマーの1:1混合物として存在する。
フルチカゾン(Fluticasone)
Figure 2008509119
ブランド名:Cutivate、Flixonase、Flixotide、Flonase、Flovent、Flunase
化学名:(6(,11(,16(,17()-6,9-ジフルオロ-11-ヒドロキシ-16-メチル-3-オキソ-17-(1-オキソプロポキシ)アンドロスタ-1,4-ジエン-17-カルボチオ酸S-(フルオロメチル)エステル
化学式:C25H31F3O5S
CAS番号:80474-14-2
ベルクロメタゾン(Beclomethasone)
Figure 2008509119
化学名:(11(,16()-9-クロロ-11,17,21-トリヒドロキシ-16-メチルプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン
化学式:C22H29ClO5
CAS番号:4419-39-0
ブランド名(バリアント):
Aerobec (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Aldecin (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Anceron (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Andion (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Beclacin (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Becloforte (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Beclomet (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Beclorhinol (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Becloval (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Beclovent (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Becodisks (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Beconase (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Beconasol (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Becotide (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Clenil-A (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Entyderma (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Inalone (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Korbutone (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Propaderm (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Qvar (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Rino-Clenil (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Sanasthmax (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Sanasthmyl (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Vancenase (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Vanceril (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Viarex (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)およびViarox (ジプロピオン酸ベクロメタゾン)
トリアムシノロン(Triamcinolone)
Figure 2008509119
ブランド名:
Aristocort、Aristospan、Azmacort、Kenalog Nasacort
化学名:(11(,16()-9-ジフルオロ-11,21-ジヒドロキシ-16,17-[1-メチルエチリデンビス(オキシ)]プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン
化学名:C24H31FO6
CAS名:76-25-5
サルメテロール(Salmeterol)/アドバイル(Advair)
ブランド名:*1-ヒドロキシ-2-ナフトアート *1-ヒドロキシ-2-ナフトアート; Arial、Salmetedur、Serevent
Figure 2008509119
化学名:(()-4-ヒドロキシ-('-[[[6-(4-フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ]メチル]-1,3-ベンゼンジメタノール
化学式:C25H37NO4
CAS番号:89365-50-4
メチルプレドニゾロン(Methylprednisolone)
Figure 2008509119
化学名:(6(,11()-11,17,21-トリヒドロキシ-6-メチルプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン
化学式:C22H30O5
CAS番号:83-43-2
ブランド名:Medrate、Medrol、Medrone、Metastab、Metrisone、Promacortine、Suprametil、Urbason
プレドニゾン(Prednisone)
Figure 2008509119
ブランド名:
Ancortone、Colisone、Cortancyl、Dacortin、Decortancyl、Decortin、Delcortin、Deltacortone、Deltasone、Deltison、Di-Adreson、Encorton、Meticorten、Nurison、Orasone、Paracort、Prednilonga、Pronison、Rectodelt、Sone、Ultracorten
化学名:17,21-ジヒドロキシプレグナ-1,4-ジエン-3,11,20,トリオン
化学式:C21H26O5
CAS番号:53-03-2
製剤化
テオフィリンおよびアミノフィリンのようなキサンチン誘導体は、徐放性、経皮運搬製剤、経口または吸入(鼻腔内)運搬用製剤を含む種々の医薬製剤において広く利用可能である。同様に、ステロイド薬も種々の製剤において広く利用可能である。本明細書に記載の実施例で使用する製剤については以下で更に詳しく説明するが、本発明においては、所望の投与量での対象への該薬物の運搬を可能にする任意の製剤を使用することが可能である。
一般に、該医薬製剤は、経口経路、静脈内経路、吸入、直腸内経路または経皮経路により投与されうるものでありうる。
本発明で使用するのに好ましい組成物は、適切には、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、球形、散剤または液体製剤の形態をとりうる。
経口投与用の錠剤およびカプセル剤は、製薬上許容される賦形剤、例えば結合剤、充填剤、滑沢剤、崩壊剤、湿潤剤、着色剤および香味剤を使用する通常の技術により製造されうる。該錠剤は、当技術分野でよく知られた方法によりコーティングされうる。
好ましくは、本発明に従い製造または使用される組成物は、単位投与形、例えば、錠剤または充填カプセル剤の形態である。さらに、活性物質がコントロールリリース形態であることが想定される。
コントロールリリースマトリックスに含まれる適当な材料には、例えば以下のものが含まれる。
(a)親水性または疎水性重合体、例えばガム、セルロースエステル、セルロースエーテル、タンパク質由来物質、ナイロン、アクリル樹脂、ポリアクチック酸(polyactic acid)、ポリビニルクロリド、デンプン、ポリビニルピロリドン、セルロースアセタートフタラート。これらの重合体のうち、セルロースエーテル、特に置換セルロースエーテル、例えばアルキルセルロース(例えば、エチルセルロース)、C1-6ヒドロアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、特にヒドロキシエチルセルロース)およびアクリル樹脂(例えば、メタクリラート、例えばメタクリル酸共重合体)が好ましい。コントロールリリースマトリックスは、簡便には、1%〜80%(重量%)の該親水性または疎水性重合体を含有する。
(b)消化可能な長鎖(C8 -C50、特にC8 -C40)の置換または非置換炭化水素、例えば脂肪酸、水素化植物油、例えばCutina(商標)、脂肪アルコール(例えば、ラウリル、ミリスチル、ステアリル、セチルまたは好ましくはセトステアリルアルコール)、脂肪酸のグリセリルエステル、例えばグリセリルモノステアラート、鉱油およびロウ(例えば、蜜ロウ、グリコワックス、カスター(caster)ワックスまたはカルバウナロウ)。20℃〜90℃の融点を有する炭化水素が好ましい。これらの長鎖炭化水素材料のうち、脂肪(脂肪族)アルコールが好ましい。該マトリックスは60%(重量%)までの少なくとも1つの消化可能な長鎖炭化水素を含有しうる。
(c)ポリアルキレングリコール。該マトリックスは60%(重量%)までの少なくとも1つのポリアルキレングリコールを含有しうる。
該医薬含有コントロールリリースマトリックスは、例えば湿式顆粒化、乾燥混合または共沈のような通常の医薬技術を用いてコントロールリリース系に有効成分を分散させることにより容易に製造されうる。
本発明の物質は吸入形態で投与されうる。エアゾールの生成は、例えば、圧力駆動式ジェット噴霧器または超音波噴霧器により行われうるが、有利には、プロペラント駆動式定量エアゾール、または吸入カプセルからの微粒化活性化合物のプロペラント非含有投与により行われる。
該活性化合物は、用いる吸入系に応じて、記載されているとおりに投与される。該投与形態は、該活性化合物に加えて更に、必要な賦形剤、例えばプロペラント(例えば、定量エアゾールの場合にはFrigen)、界面活性物質、乳化剤、安定剤、保存剤、香味剤、充填剤(例えば、散剤吸入器の場合にはラクトース)または適当な場合には他の活性化合物を含有する。
吸入のためには、患者に適した吸入技術を用いて最適な粒径のエアゾールが生成され投与されうる多数の装置が利用可能である。特に粉末吸入器の場合には、定量エアゾールのためのアダプター(スペーサー、エキスパンダー)およびナシ形の容器(例えば、Nebulator(登録商標)、Volumatic(登録商標))、およびパファー(puffer)噴霧を放出する自動装置(Autohaler(登録商標))に加えて、多数の専用溶液が利用可能である(例えば、Diskhaler(登録商標)、Rotadisk(登録商標)、Turbohaler(登録商標)、または例えば欧州特許出願EP 0 505 321に記載の吸入器)。
本発明により治療される呼吸疾患には、特に、アレルゲンおよび炎症誘発性気管支障害(気管支炎、閉塞性気管支炎、痙性気管支炎、アレルギー喘息、気管支喘息、嚢胞性線維症およびCOPD)が含まれ、これらは本発明の組合せにより治療されうる。本発明の相乗的組合せは、通常の方法よりも少量の薬物で十分であるため、長期療法に特に適応となる。
1.材料
化合物は外部供給業者から購入した。カルボキシメチルセルロース(CMC)(Na塩)(製品コードC-4888)はSigmaから入手した。リン酸緩衝食塩水(PBS)はGibcoから入手した。無菌食塩水(0.95w/v NaCl)およびEuthatal(フェノバルビトンナトリウム)はそれぞれFresenius Ltd.およびVeterinary Drug Companyから入手した。リポ多糖(Pseudomonas aeruginosa由来)はSigmaから入手した。
タバコの煙は、Institute of Tobacco Research, University of Kentucky, USAから購入した1R1巻きタバコを使用して生成させた。
動物
雌近交系AJマウス(使用初日の体重:17.2〜27.4g)をHarlanから入手した。これは完全バリアー飼育(full barrier bred)動物であり、特定された微生物を含有しないことが受領時に証明された。個々に換気されポリカーボネートの固体の底を有しグレード8のアスペンの切れ端の寝床を含有する檻(IVC)に、該マウスを、5匹/檻以下となるよう収容した。籠内の環境(気流、温度および湿度)はIVCシステム(Techniplast)により制御された。餌(RM1、Special Diet Services)および水は任意量で与えられた。個々の動物を、特有の色の「ペンテル(pentel)」マーキングをそれらの尾部に施すことにより識別し、秤量し、処理群にランダムに割当てた。
2.製剤化
化合物の必要量を乳鉢内に配置した。必要体積の半分のCMCをゆっくりと加えて細かいペーストを形成させ、ついでこれを注意深く容器に加えて戻した。必要な用量を得るのに必要な残りの体積のCMCは、乳鉢を洗浄するために使用し、洗液を該溶液に加えて戻した。組合せ用量を得るために、各化合物を最終必要濃度の2倍の濃度で製剤化し、等体積の各化合物を一緒にした。
製剤化の頻度:各経口投与の前に毎日、化合物を新たに製剤化した。基剤(水中の0.5メチルセルロース)を3日ごとに新たに調製し、アリコート中に4℃で保存した。これらのアリコートは化合物の製剤化の前には室温に付された。
3.0 方法
これまでの研究から、BALにおいて回収される細胞の総数は、連続11日間の毎日のTS曝露の最後のTS曝露の24時間後に有意に上昇することが確認されており、この時点を本明細書に記載の研究において用いた。これまでの研究は、ピークBAL好中球が0.3μgのLPSでの鼻腔内チャレンジの24時間後に得られることを示している。本明細書に記載の研究においては、このLPS用量およびこの時点を用いた。対照動物にはリン酸緩衝食塩水(PBS)を鼻腔内に投与した。
TSまたはLPSへのマウスの曝露、気管支肺胞洗浄(BAL)の入手、鑑別(differntial)細胞計数のためのサイトスピン(cytospin)スライドの調製ためのプロトコールを以下に説明する。
連続11日間の毎日のTSへの動物の曝露
この曝露プロトコールにおいては、5群のマウスを個々の透明なポリカーボネート容器(27 cm×16 cm×12 cm)において曝露させた。巻きタバコからのTSを100ml/分の流速で該曝露容器内に侵入させた。高レベルのTS(巻きタバコ6本)への反復曝露により引き起こされる潜在的な問題を最小にするために、TSへの該マウスの曝露を、最高で巻きタバコ6本まで、曝露期間の経過と共に次第に増加させた。この研究で用いた曝露計画は以下のとおりであった。
第1日:巻きタバコ2本(約16分間の曝露)
第2日:巻きタバコ3本(約24分間の曝露)
第3日:巻きタバコ4本(約32分間の曝露)
第4日:巻きタバコ5本(約40分間の曝露)
第5日〜11日:巻きタバコ6本(約48分間の曝露)
もう1つの群のマウスには、対照(TS曝露無し)として、同等の長さの時間にわたり毎日、空気に曝露させた。
LPSチャレンジ
鼻腔内チャレンジの約3分前に、イソフルオラン吸入により麻酔を誘導した。基剤(PBS)またはLPSを50μl/マウスで点滴した。LPS濃度は6μg/ml(0.3μg/マウス)であった。動物を37℃の加温箱内で回復させ、ついで籠に戻した。
気管支肺胞洗浄およびサイトスピン分析
気管支肺胞洗浄を以下のとおりに行った。約8mmに短縮化されたPortexナイロン静脈内カニューレ(pink luer fitting)を使用して、気管にカニューレ挿入した。ヘパリン(10単位/ml)を含有するリン酸緩衝食塩水(PBS)を洗浄液として使用した。0.4mlの容量を穏やかに点滴し、1mlシリンジを使用して3回引き抜き、ついでエッペンドルフチューブ内に配置し、後続の測定まで氷上に維持した。
細胞計数:
洗浄液を遠心分離により細胞から分離し、上清をデカントし、後続の分析のために凍結した。細胞ペレットを既知容量のPBSに再懸濁させ、血球計数器を使用して顕微鏡下で染色(Turks染色)アリコートを計数することにより全細胞数を求めた。
鑑別(differential)細胞計数を以下のとおりに行った。
残留細胞ペレットを約105細胞/mlに希釈した。500μlの容量をサイトスピンスライドの漏斗内に配置し、800rpmで8分間遠心分離した。該スライドを風乾させ、「Kwik-Diff」溶液(Shandon)を該所有権者の指示に従い使用して染色した。鑑別(differential)細胞を乾燥させカバーグガラスで覆ったら、光学顕微鏡検査によりそれを計数した。先入観を有さない実施者が光学顕微鏡検査により400個までの細胞を計数した。標準的な形態計測技術を用いて、細胞を鑑別した。
A/Jマウスにおける経口投与後のテオフィリンの血漿中レベルの薬物動態学的評価
動物を秤量し、マーキングを行い、テオフィリン(5ml/kg)を3、1または0.3mg/kgで経口投与した。テオフィリンの経口投与後に特定の間隔(15、30、60または240分間)で、動物を終末的に麻酔し、5μl中に20Uヘパリンリチウムを含有するシリンジ内に心臓穿刺により血液を集めた。集めた血液を混合し、エッペンドルフチューブ内にデカントした後、ミクロ遠心機で遠心分離を行った。血漿を集め、-80℃で保存した後、HPLC/MS/MS法により分析した。血漿レベルの測定に使用した装置はMicromann Quatro Micro Mass Spectrometer (Micromass UK Limited)およびWaters 2795 Alliance HT液体クロマトグラフ (Waters USA)であった。
メタノールに溶解されたストック濃度のテオフィリンをマウス血漿に加えることにより、6個の参照標準濃度を調製した。マウス血漿中のテオフィリンの最終濃度は0.1〜6mg/lであった。50μlの各解凍サンプルおよび標準物に200μlのアセトニトリル(内部標準として0.25mg/l デクストロルファンを含有するもの)を加えることにより、分析用のサンプルを調製し、激しく混合した。ついで各サンプルおよび標準物を10000gで2分間遠心分離し、LC-MS/MS分析のために上清を取り出した。
テオフィリンおよびデクストロルファンの分析を、タンデム質量分析検出付きの逆相HPLC(LC-MS/MS)を用いて行った。親化合物および特定の断片生成物の正イオンを、Micromass MassLynxソフトウェアバージョン4.0と共にMicromass Quatro Micro Mass Spectrometerを使用してMultiple Reaction Monitoringモードでモニターした。各サンプルおよび標準物のアリコート25μlを該液体クロマトグラフィー系に注入した。
3.1 治療(処理)計画
TS研究においては、11日間の各日におけるタバコの煙への曝露の1時間前および6時間後(-1時間および+6時間)に、基剤(1% カルボキシメチルセルロース)、PDE4インヒビター(3mg/kg)、テオフィリン(0.3mg/kg)、デキサメタゾン(0.3mg/kg)またはテオフィリン/デキサメタゾン組合せ体(それぞれ3および0.3mg/kg)を動物に経口投与した。また、ステロイドまたは該ステロイド組合せ体の投与を受けた動物に最初のTS曝露の20時間前にステロイドを投与した。マウスの対照群(模擬)には第1日〜第11日に基剤を投与し、1日当たり最長で50分間にわたり毎日、空気に曝露した。11回目の最終TS曝露の24時間後の第12日にBALを行った。
LPS研究においては、LPSのi.n.点滴の20および1時間前ならびに6時間後に、基剤(1% カルボキシメチルセルロース)、デキサメタゾン(0.3mg/kg)、テオフィリン(0.3mg/kg)を動物に経口投与した。
PK研究においては、テオフィリンのみを3、1または0.3mg/kgで動物に投与し、15、30、60または240分後に動物を犠死させ血漿サンプルを採取した。
3.2 データ測定および統計分析
すべての結果は各動物に関する個々のデータ点として記載されている。各群に関する平均値を計算した。
正規性に関する検定がポジティブであったため、該データを一元配置分散分析(ANOVA)に付し、ついで多重比較のためのボンフェロニ補正に付して、処理群間の有意性に関して検定した。0.05未満の「p」値は統計的に有意だとみなされた。以下の式を用いて、細胞データに関して抑制率(%)をエクセル(Excel)スプレッドシート内で自動計算した:
%抑制=1-[(処理群結果-模擬群結果)/(TS基剤群結果-模擬群結果)]×100
他のパラメータに関する抑制データは、前記式を用いて手動計算した。
4.0 結果
4.1 連続11日間の毎日のTS曝露により誘発された気管支肺胞洗浄液における炎症応答(最終曝露の24時間後)
この研究において、連続11日間のTS曝露は最終曝露の24時間後に炎症応答を誘発した。これは、空気曝露(模擬)動物と比較した場合の、気管支肺胞洗浄(BAL)から回収されたBAL液中の好中球、マクロファージ、好酸球、リンパ球および上皮細胞における有意な増加よりなるものであった(すべて、P<0.01)。マクロファージ、好中球、好酸球およびリンパ球の増加は細胞流入を示すものであり、一方、BAL上皮細胞の増加は恐らく、この細胞の付着の減弱を示すものであろう。
4.2 連続11日間の毎日のTS曝露により気管支肺胞洗浄液において誘発された炎症応答に対するテオフィリン、デキサメタゾンおよびテオフィリン/デキサメタゾン組合せ体の効果(最終曝露の24時間後)
11日間の曝露のそれぞれの1時間前および6時間後に、基剤またはPDE4インヒビター、テオフィリン、デキサメタゾンおよび2つのテオフィリン/デキサメタゾン組合せ体(1日2回のテオフィリン3mg/kg + デキサメタゾン0.3mg/kgまたは1日2回のテオフィリン1mg/kg + デキサメタゾン0.3mg/kg)のうちの1つでマウス群を経口的に処理した。TS/空気への最終曝露の24時間後に動物を犠死させた。BALを行い、回収された細胞の総数を計数した。データは個々の点として示されており、平均値が示されている。データは1群当たり9〜10匹の動物からのものである。統計分析はANOVAによるものであった。0.05未満の「p」値が統計的に有意だとみなされた。ns = 統計的に有意でない。
TS曝露の1時間前および6時間後に11日間にわたり毎日経口投与したテオフィリン(3mg/kg)またはデキサメタゾン(0.3mg/kg)はいずれも、BAL中に回収された細胞の総数を有意には抑制しなかった。特異的細胞型のいずれにおいても、統計的に有意な抑制効果は見られなかった。
これとは対照的に、11日間にわたり毎日、TS曝露の1時間前および6時間後に経口投与されたテオフィリン(3mg/kg)/デキサメタゾン(0.3mg/kg)の組合せは、BAL中に回収された細胞の総数を有意に63%抑制した(p<0.001)。全細胞に対するこの効果はマクロファージ、上皮細胞および好中球のそれぞれ77%、60%および66%の抑制を含むものであった(すべて、p<0.05)。上皮細胞、リンパ球または好酸球の統計的に有意な抑制は見られなかった。
抑制の度合および有意性を表1に要約し、個々のデータを図1〜4に示す。
4.3 1回のLPSチャレンジにより気管支肺胞洗浄液中で誘発された炎症応答に対するテオフィリンおよびデキサメタゾンの効果(チャレンジの24時間後)
LPSチャレンジ(0.3μg)の20および2時間前ならびに6時間後にマウスを基剤、テオフィリンまたはデキサメタゾンで経口的に処理した。LPSチャレンジの24時間後に動物を犠死させた。BALを行い、回収された細胞の総数を計数した。データは個々の点として示されており、平均値が示されている。データは1群当たり9〜10匹の動物からのものである。統計分析はANOVAによるものであった。0.05未満の「p」値が統計的に有意だとみなされた。ns = 統計的に有意でない。
A/JマウスへのLPSの鼻腔内投与は、チャレンジの24時間後にBAL中に回収される細胞の総数の増加をもたらした(p<0.01)。細胞のこの増加は全て、好中球におけるものであった。LPSチャレンジの-20、-1および6時間後に経口投与(0.3mg/kg)されたデキサメタゾンはBAL中の全細胞(68%、p<0.01)および好中球(71%、p<0.001)を有意に減少させた。個々の結果を図7および8に示す。
4.1 4.4薬物動態学的分析
A/Jマウスへのテオフィリンの経口投与の後、投与したすべての用量における血漿レベルを検出した。テオフィリンの経口投与の後の血漿中レベルは14分と60分との間の時点でピークになり、その後はレベルが低下した。3mg/kgの用量の投与の30分後に、テオフィリンのピークレベルが観察された(3.66±2.64mg/l)。この用量においては、薬物の血漿中レベルは、30分の時点における1つ(6.7mg/l)を除く全ての時点における全ての動物において、5mg/l未満のままであった。0.3および1mg/kg用量における血漿中濃度は、分析した全ての時点において1mg/kg未満であった。データを表2および図7に要約する。
5.0 考察
この研究においては、ステロイドでの毎日の処理は、COPDのこの肺炎症モデルにおける抑制活性を何ら示さなかった。これは、本明細書に記載のLPSモデルを含む他のモデルにおいて得られたデータとは対照的である。テオフィリンも、このCOPDモデルにおける有意な抗炎症活性を何ら示さなかった。しかし、それらの化合物を単独投与の場合と同じ用量で共投与した場合には、有意な抗炎症活性が見られた(テオフィリン3mg/kg/デキサメタゾン0.3mg/kg)。PK研究においては、3mg/kgの用量で投与したテオフィリンの血漿中レベルは、評価した全ての時点で5mg/l未満だったが、このことは、COPDモデルにおけるテオフィリンの相乗効果が、抗炎症効力に必要だと考えられている血漿中レベル(10〜20mg/l)より低い血漿中レベルで達成されることを示唆している。マクロファージ、上皮細胞および好中球のTS誘発性増加に対するテオフィリンおよびデキサメタゾン(3および0.3mg/kg)の組合せの優れた抑制活性(>60%)にもかかわらず、好酸球およびリンパ球の増加に対する統計的に有意な抑制効果は観察されなかった。該組合せで観察された抑制のレベルは、それらの化合物を一緒に投与することにより真に相乗的な効果があらわにされたことを示唆している。これは、テオフィリン(1mg/kg)とデキサメタゾン(0.3mg/kg)との、より低用量の組合せで見られる効力により更に裏付けられ、この組合せも、マクロファージ(59%)および好中球(66%)のTS誘発性増加に対する有意な抑制活性を示した。1mg/kgにおけるテオフィリンの血漿中レベルは、評価した全ての時点において1mg/l未満のままであったが、このこともまた、効力発現に通常必要とされるものより低い血漿中レベルがステロイド活性をあらわにしうることを示唆している。
A/JマウスへのLPSの1回の鼻腔内投与はチャレンジの24時間後に肺好中球増加症を引き起こした。亜慢性TSモデルとは対照的に、デキサメタゾンでの処理はLPS誘発性肺炎症を軽減したが、これはこのモデルのステロイド感受性を示している。テオフィリンは、試験した用量レベルでは活性を示さなかった。
これらのデータはマウス亜慢性TSモデルのステロイド無感受性を示しており、COPDに対する治療方法としての、治療量のステロイドと不活性用量のテオフィリンとの組合せの相乗効果を更に裏付けるものである。決定的なのは、この効果が、抗炎症活性に通常関連するものより低い血漿中レベルで得られることである。
Figure 2008509119
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(連続11日間の毎日のTSへの曝露の1時間前および6時間後に)単独で又は組合せて経口投与したテオフィリン(「Theo」)およびデキサメタゾン(「Dex」)の、最終曝露の24時間後にBALにおいて回収された全細胞数に対する効果。テオフィリンは、単独で3mg/kgで又はデキサメタゾン(0.3mg/kg)と組合せて3および1mg/kgで投与した。 (連続11日間の毎日のTSへの曝露の1時間前および6時間後に)単独で又は組合せて経口投与したテオフィリン(「Theo」)およびデキサメタゾン(「Dex」)の、最終曝露の24時間後にBALにおいて回収されたマクロファージ数に対する効果。テオフィリンは、単独で3mg/kgで又はデキサメタゾン(0.3mg/kg)と組合せて3および1mg/kgで投与した。 (連続11日間の毎日のTSへの曝露の1時間前および6時間後に)単独で又は組合せて経口投与したテオフィリン(「Theo」)およびデキサメタゾン(「Dex」)の、最終曝露の24時間後にBALにおいて回収された上皮細胞数に対する効果。テオフィリンは、単独で3mg/kgで又はデキサメタゾン(0.3mg/kg)と組合せて3および1mg/kgで投与した。 (連続11日間の毎日のTSへの曝露の1時間前および6時間後に)単独で又は組合せて経口投与したテオフィリン(「Theo」)およびデキサメタゾン(「Dex」)の、最終曝露の24時間後にBALにおいて回収された好中球数に対する効果。テオフィリンは、単独で3mg/kgで又はデキサメタゾン(0.3mg/kg)と組合せて3および1mg/kgで投与した。 (LPSの1時間前および6時間後に)経口投与したテオフィリンおよびデキサメタゾン(「Dex」)の、チャレンジの24時間後の全BAL細胞におけるLPS誘導性増加に対する効果。 (LPSの20および1時間前ならびに6時間後に)経口投与したテオフィリンおよびデキサメタゾン(「Dex」)の、チャレンジの24時間後の全BAL好中球におけるLPS誘導性増加に対する効果。 A/Jマウスにおける経口投与後のテオフィリンに関する血漿中濃度。

Claims (21)

  1. メチルキサンチン化合物を、単独では慢性呼吸疾患の治療に有効でない用量で投与する、該慢性呼吸疾患の治療のための組成物の製造におけるメチルキサンチン化合物とステロイドとの使用。
  2. ステロイドを、呼吸疾患に関連した炎症の軽減に単独では有効でない用量で投与する、請求項1記載の使用。
  3. ステロイドを、該呼吸疾患の治療における肺機能および炎症の改善に関して、単独では最低限の効力しか示さない用量で投与する、請求項2記載の使用。
  4. メチルキサンチン化合物とステロイドとが、該呼吸疾患における炎症を治療するために相乗的に作用する、請求項1または請求項2記載の使用。
  5. 吸入、注射、経口投与および長期放出性インプラントよりなる群から選ばれる経路によりメチルキサンチン化合物および/またはステロイドを投与する、前記請求項のいずれか1項記載の使用。
  6. メチルキサンチン化合物とステロイドとを同じ経路で投与する、請求項4記載の使用。
  7. 単独で投与された場合には呼吸疾患の治療に有効となるのに不十分である用量のメチルキサンチン化合物とステロイドとを含んでなる、単位投与形の医薬組成物。
  8. ステロイドが、単独で投与された場合には呼吸疾患の治療において抗炎症活性を示すのに不十分である用量で提供される、請求項7記載の医薬組成物。
  9. 治療が呼吸疾患における炎症の軽減であり、それにより、その抗炎症効果が患者の健康状態の改善をもたらしうる、請求項6または請求項7記載の医薬組成物。
  10. 単位投与形内にメチルキサンチン化合物とステロイドとを含んでなり、該メチルキサンチン化合物が、単独で投与された場合には呼吸疾患の治療に有効となるのに不十分である用量で提供される、呼吸疾患の治療のためのキット。
  11. ステロイドが、単独で投与された場合には呼吸疾患の治療において抗炎症活性を示すのに不十分である用量で提供される、請求項9記載のキット。
  12. メチルキサンチン化合物が、単独で投与された場合には呼吸疾患の治療に有効となるのに不十分である用量で提供される、呼吸疾患の治療における同時使用、同時別使用または逐次的使用のための、単位投与形内のメチルキサンチン化合物およびステロイド。
  13. メチルキサンチン化合物およびステロイドが、単独で投与された場合には呼吸疾患の治療における抗炎症活性を示すのに不十分である用量で提供される、呼吸疾患の治療における同時使用、同時別使用または逐次的使用のための、単位投与形内のメチルキサンチン化合物およびステロイド。
  14. 使用するメチルキサンチン化合物の用量が、臨床効力のために必要な血漿中レベルより低い血漿中レベル(5mg/L未満)を与える、請求項1〜13のいずれか1項記載の発明。
  15. 吸入により投与するメチルキサンチン化合物の用量が、臨床効力のために必要な血漿中レベル(30mg〜500mg)より低い、請求項1〜14のいずれか1項記載の発明。
  16. ステロイドの用量が、臨床的に使用されるものであり、最適未満であるか抗炎症活性を示さない、請求項1〜15のいずれか1項記載の発明。
  17. ステロイドがブデソニド(budesonide)であり、単独で又は気管支拡張薬と共に投与され、それぞれ400μgまたは800μgの用量で1日2回投与される、請求項16記載の発明。
  18. 呼吸疾患の治療が、細胞の計数により又は気管支肺胞洗浄、誘導喀痰もしくは気管支生検により評価される、前記請求項のいずれか1項記載の発明。
  19. 細胞が、マクロファージ、上皮細胞、好中球、好酸球およびリンパ球よりなる群から選ばれる、請求項18記載の発明。
  20. メチルキサンチン化合物およびステロイドの投与後に細胞数が50%以上減少する、請求項18または請求項19記載の発明。
  21. メチルキサンチン化合物およびステロイドの投与後に細胞数が70%以上減少する、請求項20記載の発明。
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