JP2008503134A - ウォーターマーク検出のためのスケーリングファクターの探索方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
探索されるべきウォーターマークコンテンツ(W)を有する入力信号(Y′)を受信するための入力部を有するウォーターマーク検出器(20)を提供する。検出器(20)の第1処理器(40)は、特徴的な特性又はフィンガープリント(P1乃至Pq)及び関連時間記述子(d1乃至dq)の対応する集合を識別するために信号の部分(100,110,120)を分析するように動作可能である。データベース(50)への通信リンクは、信号を識別し、オリジナルの信号における部分(100,110,120)に対応する対応時間記述子(MT1乃至MTq)を決定するようにデータベース(50)にフィンガープリントを通信するように備えられている。入力信号(Y′)が対象となっているスケーリングファクターを、時間記述子(d1乃至dq)と取り出された時間記述子(MT1乃至MTq)との間の差から演算するように第2処理器(220)を有する。スケーリングファクターは、信号を再スケーリングし、再スケーリングされた信号(Y′)からウォーターマークを抽出するように用いられる。
Description
本発明は、スケーリングファクターの探索方法、例えば、ウォーターマーク検出に関連する幾何学的スケーリングファクターを探索する方法に関する。更に、本発明はまた、その方法を実施するために備えられている装置に関する。更に、本発明は、その方法を実施するための演算装置に実行可能なソフトウェア及びそれらの方法で用いるスケーリングファクター予測を与えるように動作するデータベースに関する。
データコンテンツ、例えば、インターネットのような通信ネットワークを介して配信され並びにCD及びDVDのようなデータ担体に記録された音響及び映像データコンテンツの非認定コピーは、過去10年間に音響及び映像業界に多大な経済的損失を与えた原因となっている。そのようなコピーを防止するように試みるように、ウォーターマーク特徴が、音響データコンテンツ及び映像データコンテンツの両方に、従来、含まれている。例えば、そのような非認定伝送を防止するように、著作権法の下で、法医学調査が、データコンテンツの非認定伝送の商業ルートを判定するために及びそれにより対応策を講じるために取られる。それらの調査は、しばしば、そのようなウォーターマーク特徴の検出を含む。特に、法医学の目的のために、データコンテンツに組み込まれたウォーターマーク特徴は、ウォーターマーク特徴のデータペイロードと呼ばれる識別情報を伝達する。
音響及び映像データコンテンツを知覚できる程度に劣化させないように、ウォーターマーク特徴が、そのようなデータコンテンツに軽度に組み込まれる。軽度に組み込まれたウォーターマーク特徴は、特に、ウォーターマーク特徴が軽度に組み込まれた音響又は映像データコンテンツが、ウォーターマーキングされた音響又は映像データコンテンツにおける情報損失をもたらす処理段階の対象となっている場合、検出はしばしば困難である。
ウォーターマークを組み込む及び取り出す方法については知られている。例えば、そのような方法については、国際公開第03/096337号パンフレットに記載されている。その特許文献においては、“フィンガープリンティング”は、所定の信号コンテンツのロバストな知覚可能である特徴を抽出し、タイトル、アーティスト及び類似する情報が記憶されているデータベースにおいて抽出される特徴を探索することによりマルチメディア信号を識別するための技術として定義されている。更に、上記特許文献においてはまた、ウォーターマークは、控え目に信号にペイロードデータを組み込むための技術であると定義されている。上記特許文献においては、そのようなウォーターマーキング及びフィンガープリンティングの同時の適用を有する方法について記載されている。その方法においては、オリジナルのフィンガープリントM(i)は、ホスト信号Xに組み込まれ、そのとき、データベースに記憶される。次に、ウォーターマークW(i)が、オリジナルのホスト信号Xに含まれるフィンガープリントM(i)と僅かに異なるフィンガープリントM′(i)の対応する修正された信号X′を生成するように、ホスト信号Xに組み込まれる。その修正された信号X′が受信器において受信されるとき、フィンガープリントM′(i)は受信された信号X′から抽出され、そのとき、データベースに対して調べるために用いられる。データベースは、オリジナルのフィンガープリントM(i)を送信することにより反応する。受信器は、そのとき、ウォーターマークW(i)を得るように、修正されたフィンガープリントM′(i)のオリジナルのフィンガープリントM(i)を減算する。
ウォーターマーク検出は、特に、例えば、HD映像プログラムデータコンテンツにおけるように、オリジナルの高品質のデータコンテンツを維持するように軽度に組み込まれるとき、実際に実施することは困難である。音響及び映像データコンテンツの幾何学的スケーリングは、ウォーターマークペイロード情報が高信頼性を有して抽出されるように成っているスケーリングファクターを連続して決定する前に、可能な幾何学的スケーリングファクターの範囲について、ウォーターマーク検出器はデータコンテンツを繰り返して処理するようにするため、軽度のウォーターマーク特徴を抽出することを困難にする。それ故、今日のウォーターマーク検出器は、多くの場合、音響及び/視聴データコンテンツにおいて検出可能でないウォーターマーク特徴を表す可能性のあるスケーリングのような、幾何学的にスケーリングされたデータコンテンツに対処するように、十分効率的なウォーターマーク検出方法を用いていない。
定義としては、音響記録の場合の“幾何学的スケーリングファクター”における変化は、対応する記録速度に一致しない再生速度を利用すること、それにより、再生コンテンツにおいて同じ相対的比率により全ての周波数をシフトさせることに関するものである。更に、映像コンテンツの場合の“幾何学的スケーリングファクター”における変化は、1つ又はそれ以上の方向、例えば、実質的に水平方向及び/又は実質的に鉛直方向における空間的スケーリングにおける変化に関するものである。
国際公開第03/096337号パンフレット
本発明の目的は、ウォーターマーク検出と関連するスケーリングファクターを探索する方法を提供することである。
本発明の第1の特徴にしたがって、ウォーターマーク検出と関連するスケーリングファクターを探索する方法であって:
(a)探索されるべき潜在的なウォーターマークコンテンツを有する入力信号を受信する段階;
(b)特徴的な特性の対応する集合及びそれに関連付けられる測定された時間記述子を識別するように、信号の一部を分析する段階;
(c)それらの一部に対応する対応予測時間記述子を決定するように基準データと特徴的な特性の集合をマッチングさせる段階;及び
(d)測定された時間記述子と予測された時間記述子との間の差から、入力信号が対象となっているスケーリングファクターを演算により求める段階;
を有する方法を提供することである。
(a)探索されるべき潜在的なウォーターマークコンテンツを有する入力信号を受信する段階;
(b)特徴的な特性の対応する集合及びそれに関連付けられる測定された時間記述子を識別するように、信号の一部を分析する段階;
(c)それらの一部に対応する対応予測時間記述子を決定するように基準データと特徴的な特性の集合をマッチングさせる段階;及び
(d)測定された時間記述子と予測された時間記述子との間の差から、入力信号が対象となっているスケーリングファクターを演算により求める段階;
を有する方法を提供することである。
本発明は、その方法が、改善されたウォーターマーク検出速度及びスケーリングファクター変化のロバストな尺度を提供することができる。
“マッチング”は、相関関係、期間の比較、最小二乗誤差分析又は何れの関連データの他の方法の1つ又はそれ以上を有すると解釈される。
好適には、その方法は、対応する再スケーリングされた入力信号を生成するように段階(d)において決定されるスケーリングファクターを用いて入力信号を再スケーリングし、次いで、再スケーリングされた入力信号からウォーターマーク情報を抽出する更なる段階を有する。そのような再スケーリングは、入力信号がウォーターマーク検出器に供給される前に再スケーリングされることが可能であり、それにより、ウォーターマーク検出の信頼性及び/又は速度を改善することが可能である。更に、標準的なウォーターマーク検出ハードウェアを使用することが可能であり、それにより、既知の従来のウォーターマーク検出器を用いて、その方法を更に簡単に実施することができる。
好適には、ウォーターマーク検出の信頼性及び精度を更に改善するために、その方法は、ウォーターマーク情報を抽出するために段階(d)からのスケーリングファクターの周りで反復されるスケーリングファクターを適用する更なる段階を有する。
好適には、その方法においては、特徴的な特性の集合は、入力信号のコンテンツフィンガープリントに対応する。そのようなフィンガープリントは、有利であることに、例えば、視覚特性、マーカー特性、入力信号に含まれるタギング特性等の特性に対応する。
好適には、可能な有用な付加的補助情報をユーザに与えるように、その方法は、入力信号のデータコンテンツをプログラムに関するメタデータを識別するように特徴的な特性の集合を用いる更なる段階を有する。
好適には、その方法においては、基準データの少なくとも部分が、特徴的な特性の1つ又はそれ以上の集合を受信することに反応してリアルタイムに生成される。そのような基準データのリアルタイムの生成は、有利であることに、メモリに記憶する必要がある情報の量を減少させる。
好適には、その方法の段階(b)においては、それら部分の少なくとも1つは、1乃至10秒の範囲内の、好適には、実質的に3秒の再生持続時間を有する信号の少なくとも1つの小部分に対応する。そのような持続時間は、スケーリングファクターの尺度の潜在的に高速の決定及び/又はウォーターマークコンテンツの抽出を可能にする点で有利である。
好適には、その方法は、入力信号に与えられる歪み、即ち、時間スケーリングファクター歪み、空間スケーリングファクター歪み、空間フィルタ歪み、時間フィルタ歪みの少なくとも1つを補正するように、段階(d)において演算されるスケーリングファクターを備える更なる段階を有する。そのような歪みは、ウォーターマーク検出を回避するカウンターファイターによりしばしば与えられる複雑な歪みのタイプに相当する。そのような歪みのアドレッシングに対処する方法の能力は、その方法を更にロバストにすることができる。
好適には、その方法においては、入力信号は、音響、発話、画像及び映像の少なくとも1つを有するマルチメディア信号である。
本発明の第2の特徴にしたがって、ウォーターマーク検出に関連するスケーリングファクターを探索するように動作可能なウォーターマーク検出器であって:
(a)探索される潜在的なウォーターマークコンテンツを有する入力信号を受信するための入力部;
(b)特徴的な特性の対応する集合及びそれに関連付けられる測定された時間記述子を識別するように、信号の部分を分析するための第1処理器;
(c)基準データと特徴的な特性の集合をマッチングさせることによりそれらの部分に対応する対応予測時間記述子を決定することを可能にするために、データベースに前記特徴的な特性の集合を通信するためのデータベースへの通信リンク;及び
(d)測定された時間記述子と予測された時間記述子との間の差から、入力信号が対象となっているスケーリングファクターを演算により求めるための第2処理器;
を有する検出器を提供することである。
(a)探索される潜在的なウォーターマークコンテンツを有する入力信号を受信するための入力部;
(b)特徴的な特性の対応する集合及びそれに関連付けられる測定された時間記述子を識別するように、信号の部分を分析するための第1処理器;
(c)基準データと特徴的な特性の集合をマッチングさせることによりそれらの部分に対応する対応予測時間記述子を決定することを可能にするために、データベースに前記特徴的な特性の集合を通信するためのデータベースへの通信リンク;及び
(d)測定された時間記述子と予測された時間記述子との間の差から、入力信号が対象となっているスケーリングファクターを演算により求めるための第2処理器;
を有する検出器を提供することである。
本発明の第3の特徴にしたがって、データベースと通信するように結合可能である本発明の第2の特徴にしたがった検出器を有するウォーターマーク検出システムであって、前記データベースは、入力信号の分析から検出器において引き出せる特徴的な特性の集合に対応する予測された時間記述子を与えるように動作可能であり、前記予測された時間記述子は、入力信号が対象となっているスケーリングファクターを計算するために特徴の集合に関連する測定された時間記述子と共に使用可能であり、前記スケーリングファクターは、検出器においてウォーターマーク検出を方向付けるために使用可能である、ウォーターマーク検出システムを与える。
本発明の第4の特徴にしたがって、本発明の第2の特徴にしたがった検出器に結合可能であるデータベースであって、前記データベースは、予測されたスケーリングファクター及び関連付けられた予測された特徴的な特性の集合に関係するデータを有し、前記関連付けられた予測された特徴的な特性の集合は、入力信号の分析から導き出された、測定された特徴的な特性の集合に、入力信号の分析から導き出された前記測定された特徴的な特性の集合に前記予測されたスケーリングファクターを関連付けるようにマッチング可能である、データベースを与える。
本発明の特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、何れの組み合わせに組み合わされることが可能であることが理解されるであろう。
図1においては、ウォーターマークエンコーダ10を示している。エンコーダ10は、入力信号X及びウォーターマークデータを受信するように動作する。更に、エンコーダ10は、次式(式1)にしたがって、対応するウォーターマーク信号Yを出力するように動作する。
Y=X+W 式1
ウォーターマーク検出器20は、それからウォーターマークWを抽出するために信号Y′を受信するように動作する。一般に、検出器20は、信号Y′からウォーターマークWを定期的に抽出することができる。
ウォーターマーク検出器20は、それからウォーターマークWを抽出するために信号Y′を受信するように動作する。一般に、検出器20は、信号Y′からウォーターマークWを定期的に抽出することができる。
しかしながら、信号Yは、信号Y′を生成するための1つ又はそれ以上の処理段階、例えば、量子化、圧縮、加速又は減速による周波数スケーリング音声コンテンツ、1つ又はそれ以上の画像空間方向における空間映像コンテンツの1つ又はそれ以上に対しての対象であり、その結果、信号Yに対して変形した信号Y′を得る。映像コンテンツの空間スケーリングは、例えば、信号Yにあるウォーターマークの特徴を変形させる空間バンドパスフィルタによる信号Yの処理を有する。更に、時間的スケーリング、又は周波数スケーリングは、信号Y′の生成において用いられるサンプリング周波数の修正に効果的に対応する。検出器20が、それらの変形の種類の1つ又はそれ以上を処理するようにデザインされているとき、ウォーターマークデータWは、検出される可能性はあるが、高信頼性を有するようには検出されず、又は、最悪の場合、検出されない。
検出器20を改善するために、既知の一方法は、対象のスケール範囲で信号Y′におけるウォーターマークの全探索を行うことに基づいている。そのような全探索は、ウォーターマーキングされたデータコンテンツにおいてウォーターマークを検出しない確率を低下させる可能性がある。しかしながら、所定の検出閾値については、そのような全探索はまた、偽陽性ウォーターマーク検出を生じる可能性があり、例えば、非ウオーターマーキングデータコンテンツにおいてウォーターマークの存在を誤って検出する可能性がある。ウォーターマーク検出のための検出閾値の修正は、ロバスト性が小さいそのような全探索をレンダリングする可能性がある。
検出閾値は、ウォーターマークデータWを検出するように、信号Y′において実行されるスケール探索テストの数にしたがって、好適に設定される。更に、時間的スケーリングをアドレス指定する効率的な方法は、推定された非スケーリングウォーターマークの記憶されている中間的推定を利用する。この効率的な方法は、式2にしたがって設定する予測時間における信号Y′の再サンプリングを効果的に有し、
N=(ηmax−ηmin)/Δ 式2
ここで、
Δ=探索グリッドサイズ
ηmax=最大時間スケール
ηmin=最小時間スケール
である。
N=(ηmax−ηmin)/Δ 式2
ここで、
Δ=探索グリッドサイズ
ηmax=最大時間スケール
ηmin=最小時間スケール
である。
ウォーターマークデータの探索は、ウォーターマークデータWの検出で用いる最適な幾何学的スケーリングファクターを識別するようにコンピュータが要求する実行されるべき複数の関係を必要とする。上記の短所は、例えば、時間的スケーリングに関して、次のような幾つかの因子のために生じる。
(a)実際には、しばしば、0.01%のオーダーにある変動のような、アナログデジタル(AD)変換器及びデジタルアナログ(DA)変換器のクロック速度における変動、及び
(b)放送局による速度変調、例えば、より美的に見える又は印象付けられるコマーシャルレコーディングを表現するように、0%乃至4%の範囲内で、コマーシャルレコーディング、例えば、ポップソングの再生速度を速くすることは一般的な方法である。
(a)実際には、しばしば、0.01%のオーダーにある変動のような、アナログデジタル(AD)変換器及びデジタルアナログ(DA)変換器のクロック速度における変動、及び
(b)放送局による速度変調、例えば、より美的に見える又は印象付けられるコマーシャルレコーディングを表現するように、0%乃至4%の範囲内で、コマーシャルレコーディング、例えば、ポップソングの再生速度を速くすることは一般的な方法である。
本発明の実施形態においては、検出器20はフィンガープリント抽出装置40を有するように備えられている。“フィンガープリント”は、例えば、データコンテンツに関連したメタデータに、パラメータ、タイムスタンプ/時間記述子、タイトル、アーティスト及び類似する情報が記憶されているデータベースにおける探索に用いられることが可能なロバストな知覚特徴又は特性であると定義される。好適には、抽出装置40は、信号Y′を生成するときに、信号Yに適用された−5%乃至+5%の範囲内の時間スケーリング変化をロバストに処理することが可能である。それ故、装置40は、装置40により抽出されたデータコンテンツフィンガープリントがデータベース50に記憶されている対応するデータと関連付けられることができるように、データベース50と通信するように好適に結合されている。
検出器20の動作について、ここでは、図2を参照して説明する。検出器20は信号Y′を受信する。装置40は、持続時間d1乃至dqのそれぞれの100乃至120の一連のqの抜粋を抽出し、ここで、qは1より大きい整数である。更に、qの抜粋100乃至120について、装置40は、フィンガープリント抽出として、対応する特性P1乃至Pqの集合を決定し、即ち、主特性を区別し、各々の特性の集合は、関連抜粋のフィンガープリントに対応しているとみなされる。持続時間d1乃至dqは、好適には、各々1秒乃至10秒の範囲内にあり、更に好適には、実質的に3秒である。
装置40は、次に、データベース50に対して特性P1乃至Pqの少なくとも1つと通信し、それらの特性の各々は、上記のようなフィンガープリントを表す。データベース50は、抜粋100乃至120がもたらされる記録を決定するように、データベース50に記憶されている特性T1乃至TNのN個の記録を有する装置40から受信された特性P1乃至Pqの集合を実質的に適合させるように試みる。
特徴的な特性P1乃至Pqの集合は、信号Y′に対応するデータベース50に記憶されているプログラムコンテンツメタデータを識別するために任意に使用可能である信号Y′の一連のフィンガープリントを規定する。そのようなメタデータの識別は、関連データコンテンツ、例えば、他の関連映画又は音響記録のためのデータベース50を探索し、ユーザ情報を補足的に供給する幾つかの可能性のあるアプリケーションを有する。
本発明にしたがって、そのデータベースは、ここで、抜粋100乃至120がもたらされた記録から1つ又はそれ以上の時間表示MT1乃至MTqを決定する。時間表示MT1乃至MTqはまた、“時間スタンプ”として知られている。時間表示MT1乃至MTqは、実質的に20msecの精度でデータベース50から取り出されることが可能である。データベース50から装置40に供給される時間表示MT1乃至MTqと装置40により決定される持続時間d1乃至dqを比較することにより、速度変化が信号Yに対する信号Y′において生じたかどうかを決定することが可能である。例えば、2つの連続した時間表示MT1及びMT2がデータベースから装置40により得られるとき、装置40は、(MT1及びMT2)を第1抜粋の持続時間d1と比較する。持続時間d1=3の抜粋のフィンガープリントがデータベースに適用され、データベースが(MT2−MT1)=3秒をレポートする条件下では、速度変化は起こらない、即ち、スケーリング変化は起こらない。しかしながら、データベースが、時間サンプルMT1及びMT2が2.88sec離れていることをレポートする場合、4%の速度減少が、信号Y′の生成において信号Yに適用される必要がある。それ故、時間スケーリングファクターの適切な推定は、データベース50に関連して装置40により行われるフィンガープリント検出からもたらされる時間表示MTから計算されることが可能である。
上記のように、今日のウォーターマーク検出器は、±1%より大きい速度変化が信号YとY′との間で生じるとき、ウォーターマーク情報を検出することができないようになっていて、速度変動に対して耐性が少ない傾向にある。±1%までの速度変化に対してさえ、今日のウォーターマーク検出器は、演算資源に関連して要求される比較的大きい探索数、例えば、代表的には、数百回の探索数を実行する必要がある。本発明においては、装置40により実行されるフィンガープリント抽出に応じてデータベース50から予測されるスケーリングファクターを導き出すことは、続くウォーターマーク検出が演算されたスケーリングファクターの周りで任意に反復されることを可能にする。そのような方法は、一桁だけ、例えば、10乃至20倍だけウォーターマーク検出速度を大きくすることができる。例としては、従来のウォーターマーク検出器に適用されるときの方法は、20倍まで、従来の検出器の動作速度を大きくすることができることが実験的研究により確認された。
図3は、上記方法を実行するように、装置40に関連して動作する検出器20の模式図である。検出器20は、指紋抽出器200であって、最適な指紋検出に対応する指紋抽出器200から幾何学的スケーリングファクター情報sc(fp)を受信するため及びより適切な範囲においてウォーターマークコンテンツの探索を方向付けるようにこの情報を用いるために、それ故、ウォーターマーク検出の高速化及び高信頼性化を改善するために、ウォーターマーク検出装置220に結合された装置40において実施される、指紋抽出器200を有する。
図4には、検出器20において実行される機能が、符号300、310及び320で示されている。機能310は、記憶されている特性T1乃至TNと適合するためにデータベース50に特性P1乃至Pqのそれらの集合を通信するため及び信号Y′についてMTにより表されている予測される時間スタンプのデータベース50の集合から続いて受信するために、入力信号Y′から特徴的な特性P1乃至Pqの1つ又はそれ以上の集合を抽出するための速度変化予測機能である。更に、機能300は、信号Y′の対応する再スケーリングされた信号YPを生成するように、信号Y′を処理する逆スケーリング操作である。更に、機能320は、組み込まれているウォーターマークコンテンツを検出するように、再スケーリングされた信号YPを処理するウォーターマーク検出器機能である。機能320は、ウォーターマークコンテンツWが再スケーリングされた信号YPにおいて最も信頼性高く検出される条件を決定するように、それ故、予測されるスケーリングファクターMTに関連して、信号Yが対応する修正された信号Y′の生成において信号Yが対象となっているスケーリングファクターを決定するように、予測スケーリングファクターMTの周りで反復するように操作可能である。
それ故、結論として、検出器20は、信号Y′においてウォーターマークを検出する方法を実行するように、例えば、信号Y′がマルチメディア信号であるように備えられる。その方法は、信号Y′からシンガープリント特性を抽出し、予測時間スケーリングファクターMTを得るようにデータベース50においてそれらの特性を適合させる第1段階を有する。更に、その方法はまた、信号Y′に組み込まれたウォーターマークコンテンツWを抽出するように、信号Y′においてこの予測時間スケーリングファクターの周りで反復探索を実行するために、予測スケーリングファクターMTを用いる第2段階を有する。信号Y′から抽出された特徴的な特性P1乃至Pqの集合と適合させるためにデータベース50に記憶されたデータ自体は、好適には、指紋データの形である。更に、信号Y、Y′は、好適には、マルチメディア信号、例えば、音響、発話、画像及び映像の少なくとも1つである。
信号Y、Y′間の時間スケーリングファクター検出のアドレッシングの問題以外に、検出器20は、代替の又は付加的な上記方法を用いる、即ち、検出器20において実行されるより適切に方向付けられた反復ウォーターマーク検出により後続されるデータベース50からのスケーリングファクターの評価を得るように指紋検出を用いる、同様の方式の幾何学的変形のアドレッシング空間スケーリングファクター変化及び他の形を与えることが可能である。
上記の本発明の実施形態を、請求項に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、修正することが可能であることを理解することができる。
“を有する”のような表現は、詳細説明及び関連請求項を解釈するときに、非限定的であるとみなされる、即ち、明示的に記載されていない他のアイテム又は構成要素はまた、存在することが可能であると解釈される。
本発明については、次のように要約することができる。探索されるウォーターマークコンテンツ(W)を有する入力信号(Y′)を受信するために入力を有するウォーターマーク検出器(20)を備えている。検出器(20)の第1処理器(40)は、特徴的な特性又は指紋(P1乃至Pq)及び関連時間記述子(d1乃至dq)の対応する集合を識別するように信号(Y′)の一部(100、110、120)を分析するように動作する。データベース(50)への通信リンクは、信号を識別するように、及びオリジナルの信号における一部(100、110、120)に対応する対応する時間記述子(MT1乃至MTq)を決定するように、データベース(50)に指紋を通信するために備えられている。第2諸機器(220)は、入力信号(Y′)が対象となっているスケーリングファクターを、時間記述子(d1乃至dq)と取り出された時間記述子(MT1乃至MTq)の間の差から演算するために備えられている。スケーリングファクターは、その信号の再スケーリング及び再スケーリングされた信号(Y′)からの抽出のために使用可能である。
Claims (13)
- ウォーターマーク検出に関連してスケーリングファクターを探索する方法であって:
(a)探索されるべき潜在的なウォーターマークコンテンツを有する入力信号を受信する段階;
(b)対応する特徴的な特性の集合及び関連する測定時間記述子を識別するように前記入力信号の部分を分析する段階;
(c)前記部分に対応する対応予測時間記述子を決定するように基準データと前記特徴的な特性をマッチングさせる段階;及び
(d)前記入力信号が対象となっているスケーリングファクターを、前記測定時間記述子と前記予測時間記述子との間の差から演算する段階;
を有する方法。 - 請求項1に記載の方法であって、対応する再スケーリング入力信号を生成するように、段階(d)において決定された前記スケーリングファクターを用いて前記入力信号を再スケーリングし、次いで、前記再スケーリング入力信号からウォーターマーク情報を抽出する更なる段階を有する、方法。
- 請求項2に記載の方法であって、前記ウォーターマーク情報を抽出するための段階(d)からのスケーリングファクターの周りで反復される前記スケーリングファクターを与える更なる段階を有する、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記特徴的な特性の集合は前記入力信号のコンテンツフィンガープリントに対応する、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記入力信号のデータコンテンツをプログラムするために関連するメタデータを識別するように前記特徴的な特性の集合を用いる更なる段階を有する、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記基準データの少なくとも部分は、特徴的な特性の1つ又はそれ以上の集合を受信することに反応してリアルタイムに生成される、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、段階(b)において、前記部分の少なくとも1つは、1乃至10秒の範囲内の再生持続時間、好適には、実質的に3秒を有する前記信号の少なくとも1つの小部分に対応する、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記入力信号に与えられる歪み、即ち、時間スケーリングファクター歪み、空間スケーリングファクター歪み、空間フィルタ歪み、時間フィルタ歪みの少なくとも1つを補正する段階(d)において演算される前記スケーリングファクターを備える更なる段階を有する、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記入力信号は、音響、発話、画像及び映像の少なくとも1つを有するマルチメディア信号である、方法。
- ウォーターマーク検出に関連してスケーリングファクターを探索するように動作するウォーターマーク検出器であって:
(a)探索されるべき潜在的なウォーターマークコンテンツを有する入力信号を受信するための入力部;
(b)対応する特徴的な特性の集合及び関連する測定時間記述子を識別するように前記入力信号の部分を分析するための第1処理器;
(c)前記特徴的な特性の集合の基準データとのマッチングが前記部分に対応する対応予測時間記述子を決定するようにするために、データベースに前記特徴的な特性の集合を通信するための前記データベースへの通信リンク;及び
(d)前記入力信号が対象となっているスケーリングファクターを、前記測定時間記述子と前記予測時間記述子との間の差から演算するための第2処理器;
を有する検出器。 - 請求項10に記載の検出器であって、前記入力信号からウォーターマークコンテンツを抽出するように前記第2処理器により決定された前記スケーリングファクターを適用するように動作可能である、検出器。
- データベースと通信するように結合可能である請求項10に記載の検出器を有するウォーターマーク検出システムであって、前記データベースは、入力信号の分析から検出器に伝送可能である特徴的な特性の集合に対応する予測時間記述子を与えるように動作可能であり、前記予測時間記述子は、前記入力信号が対象となっているスケーリングファクターを演算するために前記特徴的な特性の集合に関連付けられる測定時間記述子と共に使用可能であり、前記スケーリングファクターは前記検出器においてウォーターマーク検出を方向付けるために使用可能である、検出システム。
- 請求項10に記載の検出器に結合可能であるデータベースであって、前記データベースは予測スケーリングファクターに関連するデータと特徴的な特性の関連予測集合とを有し、前記特徴的な特性の関連予測集合は、前記入力信号の分析からもたらされた特徴的な特性の測定集合に前記予測スケーリングファクターを関連付けるように入力信号の分析からもたらされる前記特徴的な特性の測定集合にマッチング可能である、データベース。
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