JP2008500136A - 薄いピエゾ素子の複数の振動モードを用いた医療用具のためのナノ振動被膜工程 - Google Patents

薄いピエゾ素子の複数の振動モードを用いた医療用具のためのナノ振動被膜工程 Download PDF

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Abstract

本発明は、留置医療用具に関するバイオフィルムの生成を防止するための装置および方法である。本方法は、波を発生させるピエゾ共振器を用いて、医療用具の表面にナノ振動音響波を適用する工程を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、概ね、バクテリア汚染及び生体適合性の問題に関連する、生体内に長期間残存するステント、カテーテル、チューブおよびその他の器具のような留置医療用具に関する。より詳細には、本発明は、望ましくない微生物および汚染堆積物から表面を清潔に保つためのシステムに関する。「留置」装置は、15分あるいはそれ以上長期間、据え付けられて取り残されるような装置である。「バクテリア」の語は、本明細書では、バクテリア、ウィルス、菌類およびその他の生体作用物質を含む。
本発明は、泌尿器カテーテル、気管、心臓、中枢のあるいはその他の静脈カテーテル、インプラントおよびその他の医療用器具に適用可能である。また、本発明は、胸膜、腹膜、および気管内の空洞(これらに限定しない)のような生体の空洞に潅注あるいはこれらの空洞から排出するチューブに用いるのに好適である。
本発明は、凝結性の堆積物および汚染性のバクテリアが留置カテーテルやその他のインプラント上に蓄積することにより生じる問題に取り組む。より詳細には、本発明は、微生物の形成、増殖、移動および留置医療用具上、特にカテーテルの表面上での汚染の問題に関係する。
医療用具(カテーテル、補給チューブ、気管内チューブ、静脈ライン)上のバクテリアバイオフィルムの形成が、院内感染の主要な原因となることが知られている。泌尿器カテーテル、気管内チューブ、胃造瘻術補給チューブ、および静脈ラインのような、インプラント装置上のバイオフィルムの形成は、院内感染の原因となるバクテリアの存在を示している。これらの感染は、しばしば、深刻な合併症を引き起こし、死亡率、入院期間、および医療費を増加させる。Medical College of Virginiaの研究者らは、2001年3月−4月第7巻、第2版のEmerging Infectious Diseases誌において、米国内の病院での1年間の院内感染患者は875,000乃至3,500,000人であると保守的に見積もっている。
ここ数年で、バクテリアによる院内感染の約80%は、製品自身の母材にバクテリア群集が形成されることが原因であることが明らかになってきた。この母材は、免疫システムにより、抗生物質およびクリアランス抑制に対する抵抗を与える。このような群集を形成するために、バクテリアは化学信号を介して互い情報伝達する。医療用具の表面上にバイオフィルムが生成される第1の段階は、表面にバクテリアが付着することで始まる。その後、クオラムセンシングとして知られる、群集の構成員間での情報伝達が生じる。この工程はバクテリアの付着に従属しているのだから、バクテリアの付着を防ぐことで、バイオフィルムの段階的な生成を防ぐことができる。
バイオフィルムに対する抵抗力は、衛生および医療行為の経済性に大きな影響を与える。医療用具を銀イオンや抗菌物質で被膜するなどの様々な解決策が提案されている。これらの解決策は効果が短い。すなわち、抗菌物質あるいは銀イオンの溶出が、粘膜性の分泌物および凝固性の堆積物により妨害される。いくつかの論文に、バイオフィルムの超音波処理が抗菌物質の効果を高めるという報告がある。
従来の超音波変換器を医療用具に取り付けることによる、癒着を防ぐあるいは取り除く方法は、1994年のBacteriol誌、第176巻第2773−2780頁の「The Role of Insonation Intensity in Acoustic Enhanced Antibiotic Treatment of Bacterial Biofilms,Colloids Surfaces B」に、Qian、SagersおよびPittらにより報告されている。定義によると、商用に入手可能な変換器は、1度に1つの振動だけを提供する。すなわち縦振動、ねじれ振動または曲げ振動を提供する。従来の変換器は大きく、高価であり、また制限的である。これらを医療用具に取り付けることは、とても複雑である。これらは、大きなエネルギーを必要とする体積振動(表面振動に加えて)を発生させるように設計される。このエネルギーは、装置のなかで熱の形態で消費される。現在のところ、深刻な医学的な合併症の原因と格闘する、このような高価な経済的影響を伴う方法は、満足なものではないことが判明している。留置装置を広範囲に用いることを妨げている主要因は、それらを用いることに関連する院内感染に対する内在的な危険性である。新しい発展の可能性の範囲を開拓するため、および、事実上全ての留置装置についてこのような技術を用いる途を開拓するために、このような危険性を低減することが望まれる。
医療用具のような表面上のバクテリア群集の形成は、群集の構成員間の情報伝達に依存する。この情報伝達は、微生物が生成する化学作用を持つ分子を介して行われる。これらは、能動的な生物学的工程として観察される。
医療用具の表面上およびその付近のナノ振動の伝達および伝播は、この生物学的工程を妨害する。結果として、バイオフィルムとして知られているこれらの群集に対する、細胞外の母材特性の生成がより少なくなる。細胞外の母体は、主に、バクテリアに免疫システムおよび抗生物質や殺菌剤に対する抵抗力を持たせる多糖類で構成される。
我々の技術の概念は、表面音響波(SAW)に基づいている。我々の実験室における広範囲な実験によれば、表面音響波(SAW)、特にナノ振動を適用することで、微生物は、付着するためのフィルム表面を持たなくなり、バクテリアの付着を防ぐことができることを示している。
表面音響波(レイリー波および擬似SAW)を、弾性固体(医療用具)の自由表面に発生させることができる。弾性体表面上のレイリー波の伝播を考えてみると、時間依存性の表面構造の楕円形変位と関連付けることができる。この物理的変位の1つの成分は、SAWの伝播軸と平行であり、もう一方の成分は、表面に対して垂直である。距離xはSAWの伝播軸に関連付けられており、yを座標系の垂直な軸とする。y軸に沿った表面変位の振幅は、SAWの伝播方向軸xに沿った変位よりも大きい。SAWのこれらの両変位成分の振幅は、固体本体への進入深さが数波長よりも大きいために、無視できる。圧力(気体あるいは流体負荷)が、音響波の減衰および速度変化に寄与する。この減衰は、SAWが適用される表面に接触する気体あるいは流体に、疎密波が生成されることが原因である。換言すれば、音響波のせん断垂直方向の変位成分が、気体および流体の周期的な疎密を生じさせることで、装置から気体あるいは流体への弾性エネルギーの連結を生じさせる。減衰は、音圧に対して線形に変化する。バイオフィルムが、外側および内側の両表面に形成される泌尿器カテーテルの場合、SAWを両表面に一様に分布させることが好ましい。本提案に係る発明は、SAWを発生および分布させるための共振器として、薄いピエゾ素子を用いる。本共振器は以下の利点を備える。
1)必要とされるエネルギーが小さく、軽量のバッテリーで長時間使用できる。
2)軽量で小さいピエゾ素子は既存の医療用具に、余分な空間を必要とせずに容易に取り付けることができ、標準的な医療用具を大きく改造する必要がない。
3)これらのピエゾ素子は経済的であり、使用後に廃棄できる。
4)提案するピエゾ素子は小型であり、医療用具の柔軟性を損なわない。
5)提案するピエゾ素子は小型であり、同一の装置に1つあるいはそれ以上用いることができ、大量生産しやすい。
我々の研究所における広範囲にわたる実験は、表面ナノ振動によって、バクテリアの成長に関する問題を妨害できることを示している。微生物は、上述した工程において、付着するためのフィルム表面を備えず、従って増殖することができず、このような工程が中断されることになる。この効果は、周辺領域に数センチメートル拡大し、装置上だけでなく近隣の組織においてもバイオフィルムを妨害する。振動波長および音響波エネルギーは、抗微生物効果の実現において決定的な要因である。事実上のナノ振動被膜は、清潔な表面と同様に付着物の表面上にも生成される。付着は、高濃度の微粒子が存在するときに生じることがある(これにより高粘度の粘着性物質を生成させる)。装置は、微粒子の層で覆われる。このような状況においても、生成された付着物は、付着物の表面上にナノ振動被膜が有効に生成されることを妨害しない。
さらに、提案発明は、医用生体材料および生体適合性に関する。医用生体材料は、ある段階で組織と接触する患者の処置に用いられ、合併症と関連性のある天然あるいは合成物質であると定義される。研究者は、生体適合性を最適化し、尿道、血管ライン、およびインプラントと関連する部位内での、感染およびかさぶたのような合併症に関連する医用生体材料を削減することが不可欠であると考える。結晶の生成および沈積工程は、粗い表面、カテーテル孔および縁部の存在により動力学的に加速される。提案する発明は、表面音響波を発生させ、物体の表面構造の振動を励起し、医用生体材料の摩擦を減少させる。この現象は、摩擦的な刺激を減少させることで生体適合性を改良し、医用生体材料における細胞の付着すなわち組織との界面作用を改善する。
加えて、超音波は抗生物質の作用に影響を与え、所望の結果を得るために必要とされる抗生物質を少なくできることが分かっている。インプラントまたは留置医療用具の表面上にSAWを発生させることで、抗生物質の作用が活性化するからである。SAWを医療用具に適用するという本願で提案する発明は、摩擦を低減し、抗生物質の使用を減らし、留置医療用具とともに用いられる薬剤の効率を増大する。これらは、医用生体材料の生体適合性にとって、および感染やかさぶたのような合併症に関連する医用生体材料を削減するために重要な装置である。
本発明によるシステム、装置および方法の原理および作用は、図面および後述の詳細な説明を参照することでより理解されるであろう。これらの図面は単なる例示を目的として与えられるものであり、本発明をこれに限定することを意味しているものではない。
図1は本発明の実施形態を示しており、流体、液体、気体あるいはその混合物の通路を備える留置医療用具100を含む。液体は患者の身体の中あるいは外に流れる。留置医療用具は標準的構成なあるいは特別に設計された構成である。
本発明の目的は、医療用具100の外部表面110、内部表面120および端部表面130上にバイオフィルムが生成するのを防止することである。この目的は、医療用具の表面上にナノメートル範囲で音響波(SAW)を励起することにより達成される。この工程は、事実上のナノ振動被膜工程であると考えることができる。この工程の主要な特徴は、物質の全ての位置が変位し、少なくとも所定位置において、変位しない点は存在しないということである。この工程は、外部表面、内部表面、ねじれ表面およびそれらの間の境界線に、同時にあるいは別々にSAWを形成する能力を有する。
さらに、医療用具の表面を伝播するこの小さな機械的な振動エネルギーは、バクテリアの付着を抑制し、外部および内部起因の微生物が進入するのを防止する。
医療用具の内側および外側表面にナノ振動被膜工程を発生させるために、医療用具に、機械的に振動する共振作動装置を取り付ける必要がある。共振器200は、患者の身体の外で医療用具上に取り付ける必要がある。
一連の実験は、逆ピエゾ効果原理に基づく共振器が最も好適であることを示し、最良の結果を示した。ピエゾ共振器200はkHzからMHzの範囲の高周波の機械的振動を発生させることができる。このような共振器200の高周波の機械的な振動は、100ミクロン以下の波長の表面音響波(SAW)を生成する。これらの振動の振幅は数ナノメートルである。
医療用具100の内部表面111および外部表面121上に発生するSAWの種類は、進行波の特性を備える。この波は、共振器200の対向する2方向に伝播する。制御されたSAW工程(ナノ振動被膜工程)は、流体および微粒子が含まれる前述の表面上の物質を押し引きする効果を生じさせる。バイオフィルムが、医療装置に独立にあるいは非独立に発生している場合、ナノ振動波が挿入されることにより(a)存在しているバイオフィルムが減少し、(b)抗菌性のおよび抗トロンボゲン性の表面を生成し、バイオフィルム上の抗生物質の効果を増加および増強する(抗生物質に対するバイオフィルムの抵抗力を減少させる)。
共振器200に薄いPZTプレートを用いる場合、周期的な矩形の電気パルスがドライバから印加され、薄いPZTプレート素子は、基本振動モードで機械的に振動する。これらの振動を励起するのに必要なエネルギーは小さく(他の方法と比較して)、長時間にわたって本工程を継続できることを強調しておく。実験により、医療用具の表面上のバイオフィルムの生成を防止する効果が28日間継続することが証明されている。
薄いプレート型のピエゾ共振器200を、医療用具の種類や作動条件に応じて異なる形状にすることができる。薄いピエゾプレート共振器の主要な形状は、プレート形状、円板形状、膜形状(プレート形および円板形)、薄い膜殻形状、およびそれらを組合せた形状から選択される。
図1に示されているように、薄いピエゾ共振器200は、CPU制御装置300に電気的に接続されている。電気的な発振器の周波数は、共振器200における機械的な振動の周波数に直接的に関係する。適用されるエネルギー源は、周期的あるいは非周期的な特性を持ち、電気機械的あるいは電磁気的な性質を持つ。
さらに、機械的な振動を、共振器200から医療用具100の表面に伝達する効率を高めるために、特別な連結システム400が用いられる。システム400は、異なる厚さを有するマッチング層からなり、材料および構成物に依存する。連結システム400は、共振器の自己発熱を最小化するために作動する。最適な工程のために、共振器は、医療用具内部表面、外部表面および端部表面上のSAW工程に共鳴して作動するように調節される。
図2は、中央演算装置(CPU)および電気−機械変換器として薄いピエゾプレート共振器200を備える音響医療用具システムを示す。プレート200は直接あるいは連結システム400を介して、通常のあるいは特別に設計された医療用具あるいはその一部に取り付けられる。CPU300は、薄いピエゾ電気−機械共振器200に印加する電気信号を伝達および制御する。共振器200は、CPU300からの電気信号を時間および範囲に比例して機械的なエネルギーに変換する。結果として、薄い共振器200に機械的な振動が励起され、機械的な振動空間ベクトルは可変の特質を備える。1つあるいはそれ以上の共振器(アクチュエーター)200は、医療用具100上に表面機械振動を発生させることができる。医療用具上のSAWの発生は、共振器200が取り付けられる特定の領域に依存する。SAWは、事実上、実際の医療用具100の全表面上を覆うナノ振動被膜であると考えることができる。薄いピエゾ共振器200は、発生した機械的な振動エネルギーを医療用具100に伝達する。一方、共振器200は、(安全のための必要な条件を維持するために)医療用具上の最大エネルギー範囲に比例してCPUに電気信号を伝達することで、本工程を制御することができる。このため、提案するCPU300の電子ブロックは、医療用具の幾何学的な寸法の種類のための適切な入力値を備えなければならない。この情報はメモリブロック301に格納される。
CPU300の電子ブロックは、電源302(バッテリーあるいは交流電源)、メモリ301、制御装置303、ナノ振動発振器304、変調器305、振動方式制御装置306、振動方式増幅器307を適用するための装置、スイッチ装置308および309、受信器310および音声−映像アラーム装置311を含む。CPU300は、前方および後方の接続部201および202により、機械的振動共振器200と電気的に接続される。医療用具の表面上の全ての位置がナノメートル範囲で変位するときに医療用具上のナノ振動工程は発生する。CPU300から電気信号が供給される共振器200は、同時に機械振動の様々な周波数(共鳴周波数あるいは非共鳴周波数)を発生させる。同時に共鳴周波数と異なる周波数の振動を生じさせる特性は、材料のピエゾ電気特性の特徴である。
以下のより詳細な考察は、機械振動共振器200が薄いピエゾプレート形状に構成され、2つあるいはそれ以上の電極を備えることを想定している。
図3Aおよび3Bは、このような種類の薄いピエゾ共振器200(円板形状)を示しており、医療用具100の外部表面110に、連結システム400を介して取り付けられている。共振器200は、CPU300からの信号の伝達のために、導電性の電極(銀、真鍮、金あるいはその他の材料)で覆われている。薄いピエゾ共振器200の各表面電極は、異なる領域に1つあるいはそれ以上の分離した領域を備えてもよい。代替的に、薄いピエゾ共振器200は、単純なあるいは複合的なピエゾ材料の分極方向を備えてもよい。
また、図3Aおよび3Bは、厚さ方向210に分極した薄いピエゾ共振器200(円板形状)を示している。薄いピエゾ共振器200は、厚さ方向に振動するように、また、別々にあるいは同時に縦方向、半径方向および曲げ方向のようなモードに機械的に振動するように製造することができる。
図4は機械的振動を振幅対周波数で示すスペクトル線図500である。例えば、薄いピエゾセラミック装置200は、曲げ方向モード(周波数スペクトル領域511)で振動し、同時に半径方向振動モード(周波数スペクトル領域512)、厚さ方向モード(周波数スペクトル領域513)のような他のモードで振動する。一方、ある振動モード(例えば半径方向モード)は、他の振動モード(厚さ方向モード、曲げ方向モード)の原因となり得る。この特性は、薄いピエゾ素子の形体的あるいは幾何学的寸法、分極方向、ピエゾ材料の技術的特質、品質要因などに依存する。振動モードの数は、薄いピエゾ素子に印加される電気信号の形状に依存し、電気信号は、周期的な形状、パルス形状あるいは特殊な波形である。電気信号パルスの印加により、基本振動だけでなく、副次的な高次の振動も発生する。薄いピエゾ素子の厚さと長さの比が1:10より大きい場合、追加的な高調波が発生する。これは、大きな振幅が生じるピエゾ材料粒子の内部の摩擦が原因で生じる。数十ミクロンの振幅は強力な非線形過程を生じさせる。広いスペクトルの周波数を薄いピエゾ素子に印加することで、素子に同時に複数の振動モードが励起される。ピエゾ共振器の振動モードの広い周波数は、医療用具の異なる部分の表面上にSAWを発生させる。これらは、異なる材料から製造され、異なる音速およびSAWの波長を備える。SAW工程の意味するところは、医療用具の各位置が3次元の領域規模で変位するということであり、また、この工程を、事実上、表面のナノ振動被膜であると解釈することができる。
薄いピエゾ共振器200は、数Hzから数MHzの幅の広い複合的な機械振動を生じさせる。図2は電気駆動CPU300を示しており、CPU300は、電気信号の形状および時間を変化させる。ナノ振動発振器304は、個別的にあるいは同時にHz、kHzあるいはMHzの範囲の電気信号を発生させることができる。これらのインパルスは、高調波、インパルス、あるいは高次のおよび非高次の振動特性を備える特別な波形を含む。
信号の周波数スペクトルを広げるために、図2に示すように、振動発振器304が、スイッチ装置309(これは制御装置302に制御される)を介して、変調器305に接続されている。変調器305は電子的なブロックを備え、これにより個別的あるいは同時に、振幅変調(AM)、周波数変調(FM)、リング変調(RM)、付加的変調、減少的変調、漸進的変調、および波形合成(wave table synthesis)を行うことができる。変調器305からの合成信号は、制御装置302の命令に応答する振動モード装置306に入り、振動モード装置306は、その信号を単相信号、2相信号、あるいは多相信号に変換する。増幅器307および第2のスイッチ装置309を通った信号は、薄い機械振動共振器200の上の機械振動励起の異なる空間に導かれる(図3のピエゾ素子においては、このような空間は異なる電極である)。音響あるいは光学的なアラームシステム311は、システムが作動している場合、あるいは作動していない場合(例えば、接触不良が生じたとき)に作動あるいは信号を発する。この補助装置は、患者の健康状態に関連して制御および調節するため、生物学的なサイクル、体温の変化、あるいは病理学上の条件に適合させるために設けられる。このようなアラームシステムは、ナノビブロニクス社による設計の「Uroshield(商標)」に用いられており、これは使用者にバッテリー電力の低下、あるいはワイヤとの非接触を知らせる。代替的に、アラームシステムは、制御装置の妨害(例えば、患者の動きに起因する)、および応答命令によって条件の防止を通知してもよい。換言すれば、医療用具を検知する機能は、システムの振動およびバイオフィルム防止工程の継続についての変更を、作動させることができる。この検知機能は、患者の身体内部にある医療用具の一部の妨害を補償することができる。必要であれば、検知器は血流の脈動の情報を提供してもよい。機械振動共振器200は、医療用具100の材料、形状、共振器200の取り付け位置、連結システム400に依存する固有振動周波数スペクトルを備える。機械振動共振器200の周波数範囲は、約1.0Hzから約50MHzの間にわたり変更可能である。フィードバックすることにより、振動モードおよび自己SAW工程の高調波を制御することができる。SAWは進行波の特性をもち、共振装置を構成する材料の弾性特性によって調節される。
図3Aは、医療用具100の外部表面110上の、2つの方向のSAW、すなわち111Aおよび111Bを示している。薄いピエゾ素子200が、連結システム400を介して医療用具100の外部表面110に取り付けられている。ピエゾプレート共振器200は、縦方向モード220(分極方向−厚さ方向210)で振動し、ピエゾプレート共振器200から対向する2つの方向、すなわち方向111Aおよび方向111Bに進行する2つのSAWを発生させる。ナノビブロニクス社による実験によると、プレートの厚さと長さの比が1:8の関係にあるときに、最大振幅のSAWが発生することが示されている。
図3Bは、円板形状のピエゾプレート共振器200の応用例を示しており、本共振器200は、半径方向振動モード220で振動する。医療用具の表面上に発生する、円板形状起因のSAWは、以下の方向、すなわち方向111A−111B、方向112A−112B、方向113A−113B、方向114A−114Bを備える。SAWの発生のために円板形状の薄いピエゾ素子共振器200を適用することで、全ての半径方向に同時に振動するSAWを発生させることができる(これは他の形状では不可能である)。前述の方法は、医療用具の外部表面110上のバイオフィルムを防止するのに必要なときに適用できる。実際上、内部表面に振動工程を適用することが必要な場合がよくある。一方、内部表面は、アクセスしにくく、とても小さく、あるいは内部表面に直接取り付けることを阻害する特性を備えていることがある。
医療用具の外部表面に取り付けられたあるいは結合された共振器の手段によりSAWを所定の方向に発生させる方法を以下に説明する。図5は、特別のプリズム形状の連結層(連結システム400)を介して、外部表面110に取り付けられた薄いピエゾ共振器200を示している。共振器200は、厚さ方向モード230で機械的に振動し、連結システム400を介して、機械的なエネルギーを直接伝達する。平面縦波210の形態で機械的なエネルギーが、外部表面および連結システム表面の間の領域に(角度240で)伝達される。角度240は、連結システム中の音速と調和するように、また、医療用具100の外部表面110上の音速よりも大きくなるように選択される。一方、薄いピエゾ共振器200の音速は、連結システム400中の音速よりも大きくなければならない。この結果、医療用具の外部表面110と連結システム400との間において、SAW工程が励起される。縦波231の周期的な機械的な振動エネルギーが、医療用具上のSAWの波長と等しい波長の空間周期を備えるときに、SAWが発現する。機械的な振動231の方向112Aは、共振器200に対して正の方向である。
図6は、装置の外部表面110全体にSAW(事実上のナノ振動被膜工程)を展開するための方法を示す。共振器に対するSAW工程は、負の方向113Bよりも正の方向113Aの方に大きい。これは、プリズム形状の連結システム400により実現することができる。2つの薄いピエゾ素子共振器250および260が連結システムに取り付けられている。共振器250は厚さ方向モード251で振動し、機械的な振動エネルギーを発生させ、連結システム400を介して、機械的なエネルギーを縦波252の形態で、連結システムと医療用具表面との間の領域に伝達する。このエネルギーは共振器に対して負の方向113BのSAWに寄与する。SAWの展開の条件は、図5の説明で既に述べた。同様に、連結システムを介しての、連結システムと医療用具表面110との間の領域での縦波の形態の機械的エネルギーは、薄いピエゾ素子260の厚さ方向振動モード261により発生する。CPU300は、ピエゾ素子250および260のパラメータ(周波数、振幅、信号形状、繰返し周期等)を制御する。これらは、それぞれ厚さ方向251および261のモードで振動する。図5および図6は、医療用具の外部表面にSAW(事実上のナノ振動被膜工程)を発生させる方法を説明している。同様に、装置の内部表面120に取り付けられた薄いピエゾ共振器により、医療用具の内部表面上にSAWを励起することができる。生物学的な問題に応じて、適切なSAWを選択すべきである。FDAの音響エネルギーに対する要求によれば、通常、装置の内部表面にはより大きいSAWレベルが必要であり、留置医療用具の外部表面にはより小さいレベルが必要である。インプラント上のバイオフィルムを防止するための予防手段として、短い周期の強いSAWレベルが必要であり、それにより、抗菌性および抗トロンボゲン効果を実現する。
一方、大多数の医療用具は、装置の全表面にわたるバイオフィルムの防止が必要である。この観点から、1つの薄いピエゾ素子の手段により、全表面に事実上のナノ振動被膜工程を構成することが好ましい。医療用具表面に対して垂直な分極軸を備え、縦方向振動モードを提供する薄いピエゾ素子を取り付けることで、SAW工程を外部表面上にだけ発生させることができる。同様に、厚さ方向の振動モードを持つピエゾ素子を用いることで、SAWを内部表面にだけ作用させることができる。
ピエゾ素子の、表面に曲げ振動モードを適用することで、外部および内部の両表面のナノ振動被膜を達成することができる。曲げ振動モードの周期が、表面音響波の長さと等しいときにSAWが発生する。同時に生成され且つ周期的に変更される様々な振動モードの組合せに制御される、異なる変形例(直接あるいはピエゾ素子を通じて)で駆動することにより、全ての振動モードを1つの素子で実現することができる。
図7は、医療用具の外部、内部または端部表面に取り付けられた共振器270によって、これらの表面上に制御されたSAWを展開する方法示している。この目的のために、薄いピエゾ共振器270は、同時に3つの振動モード、すなわち厚さ方向モード271、縦方向モード272、曲げ方向モード273で振動するように励起される。曲げモード273の最小周波数は、2つの摩擦点(2つの点は最大振幅の間である)の間の距離が、表面上のSAWの波長よりも小さくならないことを保証するように選択すべきである(図8参照)。薄いピエゾプレートに印加される電気信号の周波数は、厚さモードの周波数271に応じて選ばれる。CPU300中で、この電気信号は、同時に2つの周波数、すなわち縦方向272モード、曲げ方向273モードにそれぞれ変調される。連結システム400を介した薄いピエゾプレート270は、医療用具100の外部表面110に固く取り付けられる。こうして、機械振動の3つのモードにより、外部表面110および内部表面120上のSAW振動が同時に励起される。この外部表面上の進行波は、正の方向114Aおよび負の方向114Bを備える。
共振器から内部表面120への機械的エネルギーの伝播は、以下のように生じる。機械的エネルギーは、曲げ方向モードの周波数特性を備える平面縦波により、連結システム400および外部表面と内部表面との間の材料距離を通じて方向274に伝播する。結果として、機械的エネルギーのレベルは、内部表面上で、縦方向272周波数、曲げ方向273周波数モードおよび121A方向および121B方向のSAWによって時間変調される。
異なる高調波(1次、2次、3次、4次)の振動の種類(厚さ方向、縦方向、曲げ方向)を組み合わせることで、異なる周波数範囲を実現することができる。この効果は、共振器を医療用具の表面に内部的あるいは外部的に取り付けることで達成される。外部的に素子を取り付けることは、より強い振動効果を外部表面にもたらすことを理解されたい。
図8は、曲げ方向(固有)モードで振動している薄い円形のピエゾ膜270を示している。膜270の固有振動モードのパラメータは、n=0、m=1である。この膜は、回転軸に対して対称に機械的に振動する。外部表面110上のSAWの伝播は、114A方向、114B方向、114C方向、114D方向および115A方向、115B方向、115C方向、115D方向を備えている。同様に、SAWは内部表面120上を、121A方向、122A方向、121B方向、122B方向(反対側は図示せず)に伝播する。図9は、薄い円形のピエゾ膜270の振動モードのパラメータを操作することによる、方向およびSAWの伝播のレベルの変更可能性を線図で示している。図9A、10A、11Aおよび12Aは、異なるnおよびm値による円形膜形状の基本モードを図示している。
図9B、10B、11Bおよび12Bは、同モードでの概略図である。図9Aおよび9Bに示されるように、円形の膜形状の薄いピエゾ素子270がn=0、m=1であるとき唯一のピーク変位をもつ。ピークと膜の縁との間の距離は、SAWの波長の1/4に等しい。図10Aおよび10Bに示されるように、n=0且つm=2の場合、ピエゾ素子270は、2つの最大振幅ピーク、すなわち負のピーク276、正のピーク277を有する。この場合、最小のSAWの1/4の波長は距離274に対応し、これは図9Aおよび9Bに示されているものよりも小さい。
図9および10は、円形の膜形状のピエゾ素子270を備える場合を示しており、素子の周囲に均一のSAW伝播工程を配置することが可能である。さらに、n=1、m=1のパラメータの振動が、薄いピエゾ素子270中に励起された場合(図11Aおよび11B参照)、2つの最大振幅276および277が生じる。SAW278Aおよび278Bの伝播方向は互いに対称である。地点279の振幅は0に等しいために、位置279にはSAW工程が励起されない。n=2、m=1の場合に類似の工程が膜270に励起され、4つのピーク変位、すなわち負のピーク276および正のピーク277が発生する。SAW工程の伝播は、4つの方向278A、278B、278Cおよび278Dと領域279とを有し、領域279にはSAW工程は励起されない。結論として、膜のnおよびm振動モードを変化させることで、同一の薄いピエゾ素子で異なるSAW工程を励起することができる。距離274は、SAWの波長に比例する。同様のSAW工程は、ピエゾ素子が方形の膜形状を備える場合に励起される。図13A、14A、15Aおよび16Aは、方形プレート280の基本モードを図示している。図13B、14B、15Bおよび16Bは、異なるnおよびmにおける同一のモードの概略図である。図13Aおよび13Bに示されるようにn=1、m=1の場合に、膜280は1つの最大振幅変位281を有する。n=2、m=1の場合、図14Aおよび14Bに示されるように、SAW工程は2つの最大振幅変位282Aおよび282Bを有し、2つの振動が励起されない領域283を有する。n=2、m=2の場合、SAW工程は、振動が励起されない4つの領域283を有するとともに、4つの最大振幅変位、すなわち2つの正の変位282Aおよび2つの負の変位282Bを有する(図15Aおよび15Bを参照)。n=2、m=4の場合、図16Aおよび16Bに示されているように、SAW工程は8つの最大振幅変位、すなわち4つの正の変位282Aおよび4つの負の変位282Bを有する。本工程は振動が励起されな8つの領域283を有する。
医療用具上にSAWを励起するために、ピエゾ素子に発生する振動モード、高調波、および周期長は、医療用具のSAW長に対応することが必要である。方形のピエゾ素子は、素子の長さ方向および幅方向に異なるSAW伝播を励起することができる(これは、異なる材料が医療用具の構造に用いられている場合において重要であり、異なるSAWを励起すべきである)。
図14Bは膜280を示しており、薄いピエゾプレート上のある適当な周期で長さ方向に励起された機械振動モードを示している。図15Bは、薄いピエゾプレートの励起された機械振動モードが、長さ方向および幅方向に1周期を有している場合の図である。図16Bは、薄いピエゾプレートの励起された機械振動モードが、長さ方向に1周期、および幅方向に2周期を有している場合を示している。医療用具に励起されたSAW工程の安定性は、ピエゾプレート中に発生する振動モードの周期の数に対応する(より多周期はよりSAW工程の高い安定性を意味する)。SAW共振器を励起する手段によるバイオフィルムの防止のためには、円形および方形の形状だけが好適であるというわけではない。同様の振動モードは、異なる幾何学形状の共振器から励起することができる。
図17乃至24は、医療用具表面上のバイオフィルムを防止するための、いくつかの他の提案する円形の共振器を示している。図17は、円板形状の薄いピエゾ素子280を示している。図18は、開口281を備える、環状の薄いピエゾ素子280を示している。図19は、保持開口281を備える特別な形状の薄いピエゾ素子280を示している。図20は、2つあるいはそれ以上の保持開口281を備える円板形状の薄いピエゾ素子280を示している。保持開口を取り囲む縁領域は、追加的な振動励起源として役立つ。
図21乃至24は、医療用具の表面上にSAWを励起するための、ブザー形式の素子の利点を示している。ブザー構成は、金属または伝導性プラスチックで形成された薄い円板形状の層に機械的に取り付けられた、とても薄いピエゾ材料層を使用することを可能にする。このような、異なるD、d1およびd2を備える多層構造の薄いピエゾ素子は、高いnおよびm高調波次数で、固有振動モードを生成することを可能にする。図21は、円板形状の支持プレート287に取り付けられた、円板形状の薄いピエゾ素子を示している。支持プレート282は、金属、プラスチックあるいは、導電性を有する合成物からなる。図22は、ピエゾ円板280Aおよび280Bからなるこのような素子を示しており、ピエゾ円板280Aおよび280Bは、それぞれ直径d1およびd2を有し、直径Dを有するプレートの両側に取り付けられている。図23は、プレート282に結合された、開口281を有するピエゾ素子280を備える実施形態を示している。要素283により電気的に分離された、1つあるいはそれ以上のピエゾ素子280を、プレート282の一方の面に取り付けることができる。これらのピエゾ素子に異なる周波数の信号を印加することで、異なる固有モードの振動形態が生成される。実験結果は、薄いバイモルフピエゾ素子の2次および高次の高調波を用いつつ、定在波の安定性を増大させるために、プレートの中心でピエゾ材料層を取り除くべきであることを証明している。バイモルフ素子中のピエゾ材料層と金属層との間の関係が、約0.95から約1.35の範囲内であるときに、医療用具の表面上の最適な(エネルギー効率の観点から)ナノ振動被膜工程が達成される。
薄いピエゾ素子は、より均一なナノ振動被膜を医療用具の表面上に生成するという利点を有する。この特徴は、材料、幾何学的因子およびバイオフィルムの付着効果の特性が互いに異なる、いくつかの種類の医療用具に同一のSAW共振器を取り付ける場合に望まれる。
図25乃至34は、医療用具の幾何的形状が薄いピエゾプレートの使用を必要とするときの、いくつかの提案する薄いピエゾ素子の構成を示す。医療用具表面が異なるSAW工程を要求するときでも、同一の構成のピエゾ素子を用いることができる。均一なバイオフィルムの防止を達成するために、実際の医療用具の幾何形状および材料は、異なるSAW工程の励起を必要とすることがある。図25は、薄いプレート形のピエゾ素子を示しており、その縁部は異なるSAW工程を励起する。図26は、方形の開口を有するピエゾプレートを示している。合成形状のピエゾプレート280が図27乃至28に示されている。
図29乃至33は、バイモルフ形式のピエゾ素子の応用を示している。図29は、金属支持部材282に取り付けられた1つの薄いピエゾ素子からなる、単一のバイモルフプレートを示している。図30は、1つの支持プレート282に取り付けられた、2つのピエゾ素子280Aおよび280Bを示している。図31は、1つの支持プレートに機械的に取り付けられた、1つ以上のピエゾ素子280を示している。図32および33は、金属支持プレート282にピエゾ素子280を取り付ける方法に関する、他の提案する変形例を示している。図34は、薄い殻形式のバイモルフピエゾ素子の応用を示している。プレート282へのピエゾ素子280のそれぞれの配置は、上述したような可能な全ての変形例を含むことができる。
図35は、単一の共振器上の離隔したピエゾ素子の提案応用例を示している。本方法により、追加的な振動モードが励起され、より正確には図35に示されるように、ピエゾプレートの縦方向に対称な軸に沿ったより正確な曲げモードが励起される。このSAW共振器は同時に、x軸、y軸、z軸関して4つの種類の振動モードを励起する。y−z平面内での縦振動モード272が272Aに図示され、厚さ方向振動モード271が271Aに図示され、z−x平面内での2つの曲げ方向振動モード273が図273Aに示され、y−x平面内での他の曲げモード284が図284Aに示されている。これは、4つのピエゾ素子部分280A、280B、280Cおよび280Dを、単一のプレート281に取り付けることで達成される。これらの部分は、以下のように電気的に接続される、すなわち、部分280Aを部分280Cに接続し、部分280Bを部分280Cに接続する。特定の実施形態は、図24に示されるように、単一のピエゾプレートあるいは単一のピエゾ円板であってもよく、ここでは電極はピエゾ素子上の隔離した領域に接続されている。CPU300が電気信号を部分280Aおよび280Cに伝達したとき、薄いピエゾ素子共振器はx−y平面内で、プレートの曲げモード284共鳴に対応する周波数で振動する。同一の電気信号を部分280Bおよび280Dに伝達することで、薄いピエゾ素子共振器は、位相曲げ振動モード284共鳴により、反対の手法で振動する。曲げ振動モード273を増強したいのであれば、部分280Aおよび280Bの分極を、部分280Cおよび280Dの分極に対して反対にすればよい。上述の機械振動の共鳴周波数により変調された電気信号をCPU300から共振器に適用する結果、異なる形状およびレベルの特徴を持つSAWを励起することができる。これらは所望の方向に制御され、また、内部表面に伝達される。薄いピエゾ素子に定在波の2次高調波を発生させることで、ナノ振動被膜工程の効率は、1次高調波の定在波と比較して約30%増加する。
複数振動の共振器が実際の医療用具に取り付けられてもよく、あるいは装置との統合ユニットとして形成されてもよい。SAWの励起のために、これらを、堅固な接着、機械的な取り付け、弾性的な取り付けのようないくつか方法で取り付けることができる。この提案する堅固な取り付け方法(接着、あるいは機械的な方法)は、医療用具上で共振器の位置の不変を保証する。弾性的な取り付け方法によれば、共振器が医療用具の表面に対して移動することができる。
図36乃至44は、上述の共振器280を、医療用具100あるいは装置の異なる部分に取り付け例を示している。これらの提案例は、ピエゾ素子を新しい設計の医療用具に統合する方法としても応用できる。1つあるいはそれ以上のSAW工程共振器を、単一の医療用具に取り付けてもよい。
図42は、医療用具101および102の異なる部分上にSAWを発生させるための単一のピエゾ共振器の応用の提案例を示している。図36乃至38は、同一のピエゾプレート280を医療用具100に取り付ける方法の提案変形例を示している。医療用具に対するピエゾプレートの向きは、所望のSAW工程および医療用具の設計特徴(幾何学的な特徴)を考慮して選択すべきである。図39は、殻形状のピエゾプレート280の取り付け方法を示している。図40は、提案する円形領域形状の薄いピエゾプレート280を示している。2つあるいはそれ以上のピエゾプレート280を用いる応用例が概略的に図41および43に示されている。図44は、提案する発明を示しており、ここでは、医療用具保持要素280は殻形状のピエゾ素子280からなる。
高濃度の粘性、粘着性粒子物質は付着を生じさせ得る。装置はこの粒子物質の付着の層で覆われ得る。このような状況で、付着の設立は、SAW工程あるいは付着物の表面上での本工程の機能を抑制しない。
図45(A,B,C)は、励起されたSAWの生体効果(取り付けられた培養組織の単一層細胞に対する効果)に対する安全性を証明するための、我々の生体外での実験の結果を示している。後述の実験において、我々は、組織フラスコの内部表面上で、医療用具から発生する異なるエネルギーレベルを見積もった。
これらの実験は、単層の培養組織をもちいて、人間の細胞に対するナノ波処理の効果を試験することを目的とした。U87MGヒト神経膠芽腫細胞株およびARPE19ヒト網膜色素上皮細胞株(通常の、非発癌性の)が試験された。この細胞は、それらの繁殖不能と妥協しないために、フラスコの外部表面に共振器が接着された25cmの組織培養フラスコ(コーニング社製)で培養された。これらの装置は、37℃、5%CO組織培養恒温装置で48時間の期間にわたって試験された。この培養物を、PBSで洗浄し、メタノールで固定し、May−Grunwald Geimsa染色し、顕微鏡で観察した。共振器は、25cmの組織培養フラスコ(Costar社製)の下方の外部表面に接着された。1組の素子は、220kHzの周波数を、0.22kPaの音圧振幅で発生させた。他のフラスコの組は、285kHz、1.2kPaの周波数を発生させる素子を接着した。
この結果が図45に示されている。同図から見て取れるように、実験対象(45B、45C)群中の細胞は、通常の形態が維持されており、アポトーシス体(断片化した核を含む)が見られないことから、プログラムされた細胞死(アポトーシス)の証拠あるいは発現の痕跡はない。また、細胞単層の破壊、死滅した細胞の残骸、あるいは壊死による細胞死の反応の痕跡もない。我々は、いずれの細胞培養体の処置にも不都合な効果を検出しなかった。
以下に説明する応用例は、バイオフィルムの生成を防止するという問題が重要となる様々な場合を説明する。末梢の、特に中枢静脈カテーテルのような留置医療用具は、集中治療および一般病棟において、静脈流、血管製品、薬剤、非経口の栄養剤を投与するために、高い頻度で用いられている。カテーテルの細菌定着は、静脈カテーテルに関連する危険因子の1つである。それゆえ、小さな機械的振動エネルギーを医療用具に伝達することで、医療用具の全表面に表面音響波(事実上のナノ振動被膜工程)を形成する機能が重要であり、これによりバクテリアの付着を抑止し且つ外部および内部から微生物が侵入することを抑止することができる。加えて、SAW工程は、医療用具の挿入あるいは取り除く間の摩擦あるいは機械的な応力を低減する。
制御されたSAW工程は、流体およびその中に懸濁した粒子などの材料を、医療用具の表面に沿って押したり引いたりすることを可能にする。ある場合において、異なる条件を作成するため、および選択されたバクテリアを他よりも優先的に成長させるために、異なる振動エネルギーを用いることが有効である。これは、付着する能力および群集を形成する能力が異なるバクテリアを選択するということを意味する。
図46は、チューブを備えるカテーテル901からなる標準的な末梢静脈カテーテルシステムに関する技術のもう一つの提案応用例を示している。このカテーテルは患者の手902あるいは前腕(図示せず)に適用される、典型的な「hospital IV」ラインである。少なくとも1つの薄いピエゾ共振器903が、カテーテルのハブに取り付けられている。ピエゾ共振器903は、SAW工程を検出および検知する機能を含んでもよい。ピエゾ共振器903の励起は、CPU906を介して行われる。組織と医療用具との間の接触領域で、横方向の機械的エネルギーが集中し、周囲の組織に作用してバイオフィルムの生成を防ぐ。この効果は、周囲数ミリメートルの距離に拡張される。装置上だけでなく、隣接する組織上でもバイオフィルムが防止される。この効果は、振動波長に応じて5cmに及ぶ。さらに、方向に関わらず装置を通じて流れる流体の摩擦が低減される結果、ありがちな血栓および先端への物質の付着が防止される。
図46は、末部が患者の手902に取り付けられているときに、末梢静脈カテーテルシステムにピエゾ共振器を接続するいくつかの方法を示している。第1の方法は、薄いピエゾ共振器は、機械的に取り付け可能な構成であるか、あるいはカテーテル接続部に結合される薄い環状領域903(図47および48に示される)を備える。他の応用例が図46および49に示されており、ピエゾ共振器904(1つあるいはそれ以上)は接着テープ905に結合される。
図49は、2つの薄いピエゾ共振器904Aおよび904Bを備える接着テープ905を示しており、これらは目標物がナノ振動被膜工程を発生させるために、カテーテルシステム901に取り付けられる。ピエゾ共振器904Aおよび904Bは、SAWを発生させるため、および本工程を検出するために、センサおよび作動機としての特性を備える。ピエゾ共振器903および904は、CPU906からの信号により様々な制御を介して励起される。図46を参照されたい。CPU906は、ベルト907あるいは、例えば接着テープなどの他の手段により、患者の手902に取り付けるための手段を備える。CPU906は、ワイヤ908により、ピエゾ共振器903および904(共にあるいは個別に)に接続される。
図49は、提案する発明の他の応用例を示しており、CPU906がピエゾ共振器904Aおよび904Bに接続されており、共振器およびそれらの電気的なワイヤが医療用具に接着テープ905により接続されている。CPU906は、振動を発生させることができ且つこれらの素子から電気信号を受信することができる。CPU906の動作は図2とともに説明および図解した。さらに、ナノ振動被膜工程を発生させる共振器903あるいは904を、留置血管カテーテルの任意の部位に配置することができる。
図50は、接続部909に取り付けられた、特別な形状の薄い円板環状ピエゾプレート901を示している。円板環状プレート910の内側プレート911は接続部への取り付け部を提供する。プレート910および911は、SAWを発生させるだけでなく(事実上のナノ振動被膜)、同時に留置医療用具部分のSAWの伝播センサとしても動作することができる。
図51および52は、患者の身体913に取り付けられた中枢静脈カテーテルシステム912を示している。カテーテルシステム912は、首の静脈(外頚静脈あるいは内頚静脈)あるいは鎖骨下の上胸の静脈(鎖骨下静脈)を通じて、胸914の中の大きな中枢静脈(大静脈)に至るように通る。2つの一般的な形式のカテーテルシステム912は、皮膚913の下に恒久的に配置されカテーテルも皮膚から出ていない(内部カテーテル)か、あるいは皮膚から出ている(外部カテーテル)。患者のカテーテルシステム処置に用いられる合成物質は、ある段階で組織と接触し、合併症に関連する。提案する発明は、生体適合性を最適化し、尿道、血管ライン、およびインプラントが関連する部位内の感染症および痂皮のような合併症に関連する生体接触材料を低減するであろう。本発明の機構は、構造物質の振動を発生させる表面音響波を含み、これにより生体接触材料の摩擦係数は小さくなる。組織界面において、摩擦による刺激および生体接触材料への細胞の癒着が低減されるので、生体適合性が改良される。結晶の沈積および形成工程(カテーテル穴および縁部などの粗い表面の存在により、動力学的に加速される)が低減されるであろう。
図51は、中央のカテーテル(カテーテルの外側部分)のルーメンに取り付けられた2つの薄いピエゾプレート915Aおよび915Bを示しており、ナノ振動被膜工程を発生させるためにCPU906に電気的に接続されている。プレート915Aおよび915Bは、SAWの伝播が発生している間、同一のあるいは分離した方式で作動する。
図52は、本願が提案する発明の他の応用例を示しており、接着テープが薄いピエゾプレート916と共に、中枢静脈カテーテルシステムに用いられる。薄いピエゾ駆動プレート903、905、915A、915Bおよび916は、静脈カテーテルラインの部分901および部分912を含む任意の部分に配置できるが、流体貯蔵器、ポンプあるいは任意の補助装置に限定されない。
生体適合性の問題は、気管内換気チューブなどの他の種類の留置装置と関連している。これらは、バイオフィルムから生じる肺炎により、死亡の主要な原因となる。図53乃至55は本発明の他の実施形態を示しており、異なる種類のSAW共振器が、気管内換気チューブシステム917に取り付けられている。図53は、薄い殻形状のピエゾ素子918を備えるSAW共振器を有する実施形態を示しており、ピエゾ素子918は、カテーテルの中央のチューブに取り付けあるいは結合されている。図54は、円板形状のピエゾ素子919を備えるSAW共振器を有する実施形態を示しており、円板形状のピエゾ素子919は取り付け穴を備えているか、あるいは、バルーン920の膨張チャネルに結合されている。図55は他の実施形態を示しており、カテーテルシステム917の分離したルーメンに取り付けられたSAW共振器は、複合ピエゾ素子システム921を備える。CPU922により、上述したSAW共振器918、919および921は、バルーン920の外部表面上に表面機械振動を発生させることができる。機械的振動の周波数範囲は、10HzからMHzの範囲である。繰返し数は1:1から1:1000まで可変である。振幅変位の規模はナノメートルである。適用される音響パワーは1mW/cmより小さい。図53乃至55に示されている気管内換気チューブは、換気装置の標準的な実務において、汚染される危険性の高い装置である。SAW工程により、横振動エネルギーは、接触流体に影響を与え、流体の摩擦が低減される。振動は流体を押し出し、皮膚に接触する部位での乾燥工程を促進し、バクテリアの進入に対する抵抗性を呈する。
CAUTI(カテーテル関連尿路感染症)は、それらが主要な病原体の抵抗の貯蔵器であるという、関心の根拠である。留置医療用具の表面にSAWを生成させることで、これらの感染症を防ぐという提案発明は、疑いなく、抗生物質の抵抗に対する闘いの決定的な方法である。
図56および57は、尿路システム922のための随意のSAW発生工程の応用例を示している。図56は、それぞれにCPU925に取り付けられあるいは接続された、薄いピエゾ素子924を備える尿路カテーテルチューブ923を示している。バルーンを備えるカテーテル923は、尿路922に挿入され、生成される機械的なナノスケールの振動により、カテーテル923の全表面上でバイオフィルムの生成が防止される。発生したSAW工程は、横方向に作用する特性という他の特徴を有する。これは、エネルギーが外部表面から人体の組織に伝達され、また、エネルギーが装置の内部表面から内部表面に接触している医用生体材料に伝達される。
図56は、提案する本発明の他の応用例の原理を示しており、これは装置924「Uroshield(商標)」型式010であり、尿路カテーテル上のバイオフィルム阻止のために、ナノビブロニクス社により設計および開発された。同一の装置の他の結合方法が図57に示されている。いくつかのピエゾ素子927はカテーテルの交差位置に取り付けられている。
図58乃至61は、生体内での試験結果を示している。本試験は、ウサギを被検体として、泌尿器カテーテル上のバイオフィルム生成の遅延/防止についての、「Uroshield」(図56参照)の安全性および効率を評価することを目的とした。試験の最終目標は、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより、バクテリアの遅延/防止におけるSAWの効力を評価し、また、バイオフィルム生成の縮小あるいは除去におけるSAWの効力を評価することを含めた。加えて、安全性の目標とともに、SAWの尿路における組織病理学による評価に関する効果が試験された。安全性は、両方のグループの尿道の組織病理学的な共試体を以下の方法で比較することで試験した。
1.UroSheildの機能を、定義された一連のパラメータに従って周波数、振幅、連結器、電流および音響波を測定する日常的な確認装置を用いて評価する。
2.最終的に、実験動物を安楽死させ、隣接する粘膜とともに摘出した膀胱および尿道内部をカテーテルとともに検死した。カテーテルは、緩衝剤で処理された4%のホルムアルデヒドに浸され、SEM(走査型電子顕微鏡)分析に供された。泌尿器粘膜領域は、組織病理学分析のために、膀胱の漏斗状気管、膀胱中央部、三角形領域、近位の尿道および遠位の尿道より、緩衝剤で処理された4%のホルムアルデヒド内に収集された。カテーテルは、音響パワーに関連させて小区分に分割された。カテーテル上の発振地点における音圧振幅を、D−body、B−Baloonに分割した。D−bodyは、泌尿器カテーテルの異なる地点上の最大音圧振幅Pmax=0.14(kPa)であり、B−Baloonは最大音圧振幅Pmax=1.2(kPa)である。
実験結果を以下に示す。
Figure 2008500136
Figure 2008500136
実験結果から以下のことが分かる。
実験中を通じて無菌のままであった実験動物の割合は50%(4分の2)である。
実験中を通じて無菌のままであった対照動物の割合は0%である。
感染が発現した実験動物の細菌尿発症までの平均時間は5日である。
対照動物の細菌尿発症までの平均時間は1.5日である。
カテーテルの全ての部分が試験された。以下のSEM評価は我々の研究チームが行った。
ウサギ229(実験対象装置、ウサギ#229に使用したカテーテル本体)については、カテーテルの全部分の試験(入手できなかった先端部を除く)は、独特のバイオフィルムの生成あるいはバクテリアの存在を示さなかった。カテーテル上の物質として、細胞死片、凝固したタンパク質、ラテックスおよびシリコン粒子が確認された。精液細胞が本体の外部表面で観察され、内部表面が広範囲に結晶で覆われていた。
ウサギ143(実験対象装置、ウサギ#143に使用したカテーテル本体)については、バルーンのみにいくらかバイオフィルムが見られ、カテーテルの他の部分ではバイオフィルムは見られなかった。カテーテルの内部表面に多数の赤血球が見られた。
ウサギ31(対照装置、ウサギ#31に使用したカテーテル本体)については、カテーテルの全部分上で厚いバイオフィルムが観察された。バイオフィルムのいくつかはカテーテルから分離されていた。ラテックスおよびシリコンが剥離し、粘液組織がカテーテルに付着していた。
ウサギ150(対照装置、ウサギ#150に使用したカテーテル本体)については、カテーテルはバイオフィルムで覆われ、バクテリアの群集がいたるところに発生しており、特にバルーンおよび本体の内部表面に大量に発生していた。シリコン層が剥離し、精液細胞がいたるところに分散していた。
実験結果の要約を以下に示す。66パーセントの対照カテーテルが大量のバイオフィルムおよびバクテリアの群集で覆われていた。ウサギ31および150に使用したカテーテル試験体は大量のバイオフィルムで覆われ、ウサギ28に使用したカテーテルは、カテーテルの異なる部分に少量のバイオフィルムを呈した。実験カテーテルの表面の75%は、バイオフィルムおよびバクテリアの群集で汚染されていなかった。ウサギ163および229に使用したカテーテル試験体は、それぞれ7日および9日間無菌(バクテリアが0)のままであり、バイオフィルムあるいはバクテリアの群集で覆われていなかった。ウサギ265に使用したカテーテルの表面上で、(カテーテルが活動的に振動していたにもかかわらず)バイオフィルムが観察された。しかし、ウサギ265は試験の最後の2日間で細菌尿が発現した。最後の日の細菌尿のレベルは10CFU/mlであり、バイオフィルム生成が生じる程度に十分高いレベルであった。これらの結果は、カテーテル表面上のバイオフィルムの生成は、細菌尿のレベルと相関があることを示唆している。
カテーテル試験体のSEM画像の独立した盲検実験は、電子顕微鏡の専門家により行われた。
実験結果は、バイオフィルムが独立あるいは非独立に成長している場合、ナノ振動波を導入することで(a)存在しているバイオフィルムを減少させ、(b)バイオフィルムに対する抗生物質の効果を増大あるいは増強させる(バイオフィルムの抗生物質に対する抵抗力を減少させる)。所定の場所(外部および気管の流体、尿等)において、自然排液および生体内で生成される流体の流れに従った運動とともに指向性を持ったナノ振動被膜工程を生成できるために、バクテリアが生体の腔に進入するのを排除あるいは遅延するこができる。これらの全ての要因は感染を遅らせる。
実験結果は、バイオフィルム防止装置としてのSAW共振器924および927は、医療用具の所望の部位に配置できることを示している。例えば(図56および57に示されているように)、接続部、袋、あるいは補助装置に配置することができる。
図62および63は、追加的な可能な変形例の概略図を示している。尿袋928を患者929の脚部に取り付けることができ、バッテリーを備えるCPU930がベルト931に取り付けられている。図62に示されているように、SAWピエゾ共振器932が接続チューブ933に取り付けられており、電気信号がケーブル934を通じてCPU930から伝達される。他の実施形態においては、尿袋928に追加のSAW共振器936が取り付けあるいは結合されている。
図64および66は、追加的な可能な変形例を示している。図64は、尿袋938の収集チューブ937に取り付けられているSAW共振器936(上述したUrosheild形式とすることができる)を示している。CPU939は電気信号を(1つあるいはそれ以上の)ピエゾ素子936に伝達し、振動を発生させる。これにより、泌尿器カテーテルおよび尿袋の両方にバイオフィルム防止工程を実現する。
図65は他の応用例を概略的に示しており、1つあるいはそれ以上のピエゾ共振器940がCPU941と共に、尿袋983に取り付けられている。複数の薄いピエゾ素子940を、尿袋の壁に取り付けることができる(補助的に1つあるいは2つの対向する壁に取り付けてもよい)。この場合、対向するナノ振動波を生じさせ、2つの別々の音響工程が生じる。すなわち、ピエゾ素子が1つの壁に取り付けられている場合にはSAWが発生し、2つのピエゾ素子が反対方向の壁に取り付けられている場合には、収集された尿に定在波が生じる。第1の工程により、バイオフィルムの生成を防止することができ、第2の工程により、尿中のバクテリアを殺傷することができる。これらの2つの工程は、薄いピエゾ素子を互いに対向するように配置し、低エネルギーの適用で、高い動的圧力の特徴を備える音響定在波を発生させることができる(空洞形成工程)。自由遊動バクテリアは、群集の大量の運動の流れの向きに自身の運動を整合させる、ということが最近明らかにされている。弾性波を流体に伝播させることよるナノ振動工程は、群集の協働運動を混乱させる。この結果、組織化された群集運動が減退する。
図66は、尿袋の実験結果を示している。最低限の成長媒体を備える流体容器および10/mlバクテリア汚染物(シュードモナス属系緑膿菌)が、37℃で12日間培養された。作動装置が取り付けられた容器は、SAW工程を使用したことを示している。作動装置が取り付けられた容器中の流体は、清潔であり、対照装置の方はくすんでいた。実験室での結果は、対照物と比較して2logの縮小が認められた(実験対象容器中のバクテリア汚染物は10/mlであったが、対照物の方は10/mlになっていた)。写真は、薄いピエゾ作動装置を備える容器942中の清潔な流体を示している。対照物容器943中の流体は、バクテリア由来の媒質の生成により不透明であった。
我々の技術によれば、作動装置を取り付けることで、システムの任意の部位でバイオフィルムの生成を防止することができる。活性化した医療用具に接触する生体組織は保護される。このようにして、動脈、静脈、粘膜および他の生体部位や生体腔は、バクテリアの群生化やバイオフィルムの生成から保護される。さらに、留置医療用具にSAW工程を発生させれば、本工程がさらに医療用具が導入された動脈、静脈、尿道および他の生体腔に伝播する。
このSAWのさらなる伝播は、患者の身体における問題点に良好な影響を与える。
上述の全ての説明および実施形態は、医療用具の使用を限定するためのものとはみなされない。本技術分野における当業者には、本発明による装置上のSAWを、任意の将来に医療用機器や補助装置に結合、搭載あるいは統合することができることが明らかであろう。
図1は、本発明のいくつかの実施形態による、医療用具内に弾性音響波の縦波を伝播させるための薄い機械的振動素子およびスイッチ装置を概略的に示しており、これは、バイオフィルムの生成を防ぐため、および/またはバイオフィルムの生成を分散させるために、外部および内部表面をナノ振動で覆うためのものであり、ここでは、薄いピエゾセラミック素子は、内部および外部表面に、少なくとも1つの電極の形体を有している。 図2は、本発明のいくつかの実施形態による、医療用具内に弾性音響波の縦波を伝播させるための薄い機械的振動素子およびスイッチ装置を概略的に示しており、これは、バイオフィルムの生成を防ぐため、および/またはバイオフィルムの生成を分散させるために、外部および内部表面をナノ振動で覆うためのものであり、ここでは、薄いピエゾセラミック素子は、内部および外部表面に、少なくとも1つの電極の形体を有している。 図3Aは、ピエゾ素子の縦振動モードが適用されたときの、医療用具の外部表面上の表面音響波の伝播方向を示す概略図である。 図3Bは、ピエゾ素子の縦振動モードが適用されたときの、医療用具の外部表面上の表面音響波の伝播方向を示す概略図である。 図4は、本発明のいくつかの実施形態において、バイオフィルムの生成を防ぐために、および/またはバイオフィルムの生成を分散させるために適用される薄いピエゾ素子の自己縦振動モードにおける、医療用具を横断するSAWのスペクトルを示すグラフを表す概略図である。 図5は、ピエゾ素子の厚さ方向の振動モードを用いたSAWの伝播方向を示す概略図である。 図6は、共振器に関して、SAW過程が正の方向の方が反対方向よりも強い場合を示すの概略図である(2つのピエゾ素子共振器が連結システムに取り付けられており、共振器は厚さ方向の振動モードで振動している)。 図7は、医療用具の外部表面、内部表面あるいは端部表面上で、制御されたSAW過程を発現させるために、これらの表面上に取り付けられた共振器を示す概略図である(薄いピエゾ素子は同時に、曲げモード、縦モード、厚さモードの3つの振動モードが励起されている)。 図8は、曲げ(固有)モードで振動する円形の薄いピエゾ素子膜を示す図である。 図9Aは、円形膜形状の基本振動モードを図解する図である。 図9Bは、同モードの概略図である。 図10Aは、円形膜形状の異なるnおよびmの振動モードを図解する図である。 図10Bは、同モードの概略図である。 図11Aは、円形膜形状の異なるnおよびmの振動モードを図解する図である。 図11Bは、同モードの概略図である。 図12Aは、円形膜形状の異なるnおよびmの振動モードを図解する図である。 図12Bは、同モードの概略図である。 図13Aは、方形の板の基本振動モードを図解する図である。 図13Bは、同モードでの概略図である。 図14Aは、方形の板の振動モードを図解する図である。 図14Bは、異なるnおよびmの高調波を示す概略図である。 図15Aは、方形の板の振動モードを図解する図である。 図15Bは、異なるnおよびmの高調波を示す概略図である。 図16Aは、方形の板の振動モードを図解する図である。 図16Bは、異なるnおよびmの高調波を示す概略図である。 図17は、医療用具表面上のバイオフィルムを防ぐための、本発明で提案する円形形状の共振器を示す概略図である。 図18は、医療用具表面上のバイオフィルムを防ぐための、本発明で提案する円形形状の共振器を示す概略図である。 図19は、医療用具表面上のバイオフィルムを防ぐための、本発明で提案する円形形状の共振器を示す概略図である。 図20は、医療用具表面上のバイオフィルムを防ぐための、本発明で提案する円形形状の共振器を示す概略図である。 図21は、医療用具表面上のバイオフィルムを防ぐための、本発明で提案する円形形状の共振器を示す概略図である。 図22は、医療用具表面上のバイオフィルムを防ぐための、本発明で提案する円形形状の共振器を示す概略図である。 図23は、医療用具表面上のバイオフィルムを防ぐための、本発明で提案する円形形状の共振器を示す概略図である。 図24は、医療用具表面上のバイオフィルムを防ぐための、本発明で提案する円形形状の共振器を示す概略図である。 図25は、医療用具の幾何学的形状により板状のピエゾ素子が必要とされる場合に、本発明が提案する薄いピエゾ素子を示す概略図である。 図26は、医療用具の幾何学的形状により板状のピエゾ素子が必要とされる場合に、本発明が提案する薄いピエゾ素子を示す概略図である。 図27は、医療用具の幾何学的形状により板状のピエゾ素子が必要とされる場合に、本発明が提案する薄いピエゾ素子を示す概略図である。 図28は、医療用具の幾何学的形状により板状のピエゾ素子が必要とされる場合に、本発明が提案する薄いピエゾ素子を示す概略図である。 図29は、医療用具の幾何学的形状により板状のピエゾ素子が必要とされる場合に、本発明が提案する薄いピエゾ素子を示す概略図である。 図30は、医療用具の幾何学的形状により板状のピエゾ素子が必要とされる場合に、本発明が提案する薄いピエゾ素子を示す概略図である。 図31は、医療用具の幾何学的形状により板状のピエゾ素子が必要とされる場合に、本発明が提案する薄いピエゾ素子を示す概略図である。 図32は、医療用具の幾何学的形状により板状のピエゾ素子が必要とされる場合に、本発明が提案する薄いピエゾ素子を示す概略図である。 図33は、医療用具の幾何学的形状により板状のピエゾ素子が必要とされる場合に、本発明が提案する薄いピエゾ素子を示す概略図である。 図34は、医療用具の幾何学的形状により板状のピエゾ素子が必要とされる場合に、本発明が提案する薄いピエゾ素子を示す概略図である。 図35は、本発明が提案する、単一の共振器上での分離したピエゾ素子の応用例を示す概略図である。 図36は、医療用具あるいはその一部への共振器の配置方法を示す概略図である。(提案例は、ピエゾ共振器を新しい医療用具に統合するときに適用することができる。1つあるいはそれ以上のSAW工程共振器を単一の医療用具に取り付けることができる。) 図37は、医療用具あるいはその一部への共振器の配置方法を示す概略図である。(提案例は、ピエゾ共振器を新しい医療用具に統合するときに適用することができる。1つあるいはそれ以上のSAW工程共振器を単一の医療用具に取り付けることができる。) 図38は、医療用具あるいはその一部への共振器の配置方法を示す概略図である。(提案例は、ピエゾ共振器を新しい医療用具に統合するときに適用することができる。1つあるいはそれ以上のSAW工程共振器を単一の医療用具に取り付けることができる。) 図39は、医療用具あるいはその一部への共振器の配置方法を示す概略図である。(提案例は、ピエゾ共振器を新しい医療用具に統合するときに適用することができる。1つあるいはそれ以上のSAW工程共振器を単一の医療用具に取り付けることができる。) 図40は、医療用具あるいはその一部への共振器の配置方法を示す概略図である。(提案例は、ピエゾ共振器を新しい医療用具に統合するときに適用することができる。1つあるいはそれ以上のSAW工程共振器を単一の医療用具に取り付けることができる。) 図41は、医療用具あるいはその一部への共振器の配置方法を示す概略図である。(提案例は、ピエゾ共振器を新しい医療用具に統合するときに適用することができる。1つあるいはそれ以上のSAW工程共振器を単一の医療用具に取り付けることができる。) 図42は、医療用具あるいはその一部への共振器の配置方法を示す概略図である。(提案例は、ピエゾ共振器を新しい医療用具に統合するときに適用することができる。1つあるいはそれ以上のSAW工程共振器を単一の医療用具に取り付けることができる。) 図43は、医療用具あるいはその一部への共振器の配置方法を示す概略図である。(提案例は、ピエゾ共振器を新しい医療用具に統合するときに適用することができる。1つあるいはそれ以上のSAW工程共振器を単一の医療用具に取り付けることができる。) 図44は、医療用具あるいはその一部への共振器の配置方法を示す概略図である。(提案例は、ピエゾ共振器を新しい医療用具に統合するときに適用することができる。1つあるいはそれ以上のSAW工程共振器を単一の医療用具に取り付けることができる。) 図45Aは、生体外で安全に行われた、励起SAWの生体効果に関する実験の電子顕微鏡写真の結果である(培養組織中の単一層に取り付けられた効果に関する。)。 図45Bは、生体外で安全に行われた、励起SAWの生体効果に関する実験の電子顕微鏡写真の結果である(培養組織中の単一層に取り付けられた効果に関する。)。 図45Cは、生体外で安全に行われた、励起SAWの生体効果に関する実験の電子顕微鏡写真の結果である(培養組織中の単一層に取り付けられた効果に関する。)。 図46は、標準的な末梢静脈カテーテルに関する技術の応用を示す図である。 図47は、カテーテル接続部に機械的に取り付けられたあるいは統合された、薄い環状領域を備えるピエゾ素子を含む実施形態を示す図である。 図48は、カテーテル接続部に機械的に取り付けられたあるいは統合された、薄い環状領域を備えるピエゾ素子を含む実施形態を示す図である。 図49は、接着テープで結合されたピエゾ素子(1つあるいはそれ以上)を用いる他の応用例を示す図である。 図50は、静脈カテーテル接続部に取り付けられた特別な形状の薄い平板環形状のピエゾ素子を示す図である。 図51は、中枢静脈カテーテルの離間したルーメンに取り付けられた2つの薄いピエゾ素子を示す図である。 図52は、提案発明の他の応用例を示す図であり、薄いピエゾ素子とともに接着テープが中枢静脈カテーテルシステムに用いられている。 図53は、本発明の他の実施形態の図解であり、気管換気チューブシステムに取り付けられたSAW共振器を示す図である。 図54は、本発明の他の実施形態の図解であり、気管換気チューブシステムに取り付けられた、異なる種類のSAW共振器を示す図である。 図55は、本発明の他の実施形態の図解であり、気管換気チューブシステムに取り付けられた、異なる種類のSAW共振器を示す図である。 図56は、提案発明の他の応用原理を示す図であり、装置「Uroshield(商標)」(型式010)を示す図である。 図57は、いくつかのピエゾ素子がカテーテルの交差地点に設けられている、装置「Uroshield」のための他の結合方法を示す図である。 図58は、生体内での試験結果を示す図である(SEM)。 図59は、生体内での試験結果を示す図である(SEM)。 図60は、生体内での試験結果を示す図である(SEM)。 図61は、生体内での試験結果を示す図である(SEM)。 図62は、患者の足に尿袋が取り付けられているときの、可能な変形例を示す概略図である。 図63は、患者の足に尿袋が取り付けられているときの、可能な変形例を示す概略図である。 図64は、尿袋の収集チューブに取り付けられたSAW共振器の、追加的な可能な変形例を示す図である。 図65は、1つあるいはそれ以上のピエゾ共振器がCPUと共に尿袋に取り付けられた、他の応用例を示す概略図である。 図66は、尿袋の実験結果を示す図である。

Claims (26)

  1. 留置医療用具にバイオフィルムが生成されるのを防ぐ方法であって、前記医療用具の表面上にナノ振動音響波を適用する工程を有することを特徴とする方法。
  2. 前記音響波は、前記医療用具の表面の全領域に伝播することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記音響波の振幅は、約1ナノメートル乃至約50ナノメートルの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記音響波の周波数は、約1Hz乃至約50MHzの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記音響波の周波数は、約1Hz乃至約10MHzの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記音響波は、少なくとも2つのピエゾ共振器から発生することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記音響波は、前記医療用具の表面上に支持された板状のピエゾセラミック共振器から発生することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記医療用具は、カテーテルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 前記音響波が、前記医療用具の表面に垂直な分極軸を有するピエゾ共振器から適用されることで、前記音響波が前記医療用具の外部表面を伝播するように実質的に制限されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 前記音響波は、曲げ振動を発生させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 前記音響波は、2倍波およびより高次の高調波を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. 前記音響波は、金属材料と結合されてバイモルフ素子を構成するピエゾセラミック材料から発生し、前記各材料は、相対重量比が約0.95乃至約1.35で、層内に存在することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. センサにより前記音響波の有効性と前記医療用具の表面とを検知する工程と、前記音響波の特性を調節するために、前記センサから離れた位置で、検知結果のフィードバックを取得する工程とを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  14. 前記音響波は、変調器およびスイッチ装置から伝達される電気信号により駆動する機械的振動装置から発生することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. 前記フィードバックは、病理学的条件および人間の体温であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  16. 前記音響波は、有害なバイオフィルムを形成するバクテリアと比較して有益なバクテリアの成長を促進するために、選択された振動エネルギーを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  17. 前記医療用具は、静脈の流体を提供するカテーテルであり、前記カテーテルはハブまたは連結器を備え、前記音響波は前記ハブまたは前記連結器に取り付けられたピエゾ素子から発生することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  18. 留置医療用具の表面上にバイオフィルムが形成されることを防ぐための装置であって、前記医療用具の表面に沿ってナノ振動音響波を発生させるピエゾ共振器を有することを特徴とする装置。
  19. 前記音響波は、約1ナノメートル乃至約50ナノメートルの範囲の振幅を有することを特徴とする請求項18に記載の装置。
  20. 前記音響波は、約1Hz乃至約50MHzの範囲の周波数を有することを特徴とする請求項18に記載の装置。
  21. さらに、第2のピエゾ共振器を有することを特徴とする請求項18に記載の装置。
  22. 前記音響波は、2倍波およびより高次の高調波を含むことを特徴とする請求項18に記載の装置。
  23. 前記ピエゾ共振器は、バイモルフ素子を形成する金属材料と結合されたピエゾセラミック材料を有し、前記各材料は、相対重量比が約0.95乃至約1.35で層内に存在することを特徴とする請求項18に記載の装置。
  24. さらに、前記医療用具の表面上の前記音響波の有効性を検知するため、および、前記音響波の性質を調節するために前記センサから離れた距離で検知結果のフィードバックを得るためのセンサを有することを特徴とする請求項18に記載の装置。
  25. 有害なバイオフィルムを形成するバクテリアと比較して有益なバクテリアの成長を促進するために、前記音響波は、選択された振動エネルギーを有することを特徴とする請求項18に記載の装置。
  26. 前記医療用具はハブまたは連結器を有し、前記ピエゾ共振器は、前記ハブまたは前記連結器に取り付けられていることを特徴とする請求項18に記載の装置。
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