JP2008309603A - 蛍光探傷方法および蛍光探傷装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】蛍光剤又は蛍光磁粉を表面に浸透又は吸着させた被検体1を所定の検査位置に配置する配置ステップS1と、暗室内で、蛍光剤又は蛍光磁粉を蛍光発光させるための蛍光探傷用の電磁波を、検査位置の被検体1に照射して被検体1を撮影し、蛍光静止画像5を取得する蛍光静止画像撮影ステップS2と、検査位置の被検体を3次元位置計測し、被検体表面の3次元座標点群8を取得する3次元位置計測ステップS3と、(A)蛍光静止画像3を画像処理して、蛍光部分に相当する蛍光部画像を抽出すると共に、(B)3次元座標点群8をデータ処理して、3次元形状情報を作成し、(C)蛍光部画像と3次元形状情報とを関連付けた蛍光探傷用データを得るデータ処理ステップS4、S7と、を有する。
【選択図】図2
Description
以下、蛍光浸透探傷試験と蛍光磁粉探傷試験の両方を総称して、「蛍光探傷試験」と呼ぶ。
また、検査工程以外の浸透処理、洗浄処理、現像処理を連続的に処理する手段として特許文献5が開示されている。
被検体の欠陥の大きさを精度良く得るためには、被検体の3次元形状を考慮する必要があるが、3次元形状の表現手段としてボクセル表現が提案されている。(例えば、特許文献8〜9)また、3次元形状の計測手段として、3次元レーザレーダがある。(例えば、非特許文献1)
非特許文献1の手段では、平面を想定しているものの、確率値を保持するボクセルに対して、計測データに含まれる誤差により発生したボクセルの誤った確率値を正しい値に戻す処理を提案している。
また、被検体の形状を同時に撮影するため可視光による照明を用いると、微細な傷の検出が困難または不可能になる問題点があった。
暗室内で、前記蛍光剤又は蛍光磁粉を蛍光発光させるための蛍光探傷用の電磁波を、前記検査位置の被検体に照射して被検体を撮影し、蛍光静止画像を取得する蛍光静止画像撮影ステップと、
前記検査位置の被検体を3次元位置計測し、被検体表面の3次元座標点群を取得する3次元位置計測ステップと、
(A)前記蛍光静止画像を画像処理して、蛍光部分に相当する蛍光部画像を抽出すると共に、(B)前記3次元座標点群をデータ処理して、3次元形状情報を作成し、(C)前記蛍光部画像と前記3次元形状情報とを関連付けた蛍光探傷用データを得るデータ処理ステップと、を有することを特徴とする蛍光探傷用データ生成方法が提供される。
被検体を所定の軸心を中心に旋回させる旋回ステップを有し、
被検体の複数の旋回位置の各々について、前記検査位置に対して固定された箇所から被検体を3次元位置計測して3次元座標点群を取得し、これら複数の3次元座標点群を統合して、被検体の全周または全周の一部の3次元形状情報を作成する3次元形状統合処理を行う。
なお、3次元計測する距離計測センサの位置を変えることで、被検体を複数の方向から3次元計測するようにしてもよい。この場合、距離計測センサの各位置(および距離計測センサの姿勢)は既知であるとして、当該位置のデータを3次元形状統合処理で使用してよい。
さらに、複数の3次元座標点群を統合することで統計的に被検体の3次元形状を精度良く得ることができるので、前記蛍光部画像と前記3次元形状情報とを精度よく関連付けることができ、その結果、被検体上の傷の大きさおよび傷の位置の精度が向上する。
被検体の複数の旋回位置の各々について、前記検査位置に対して固定された箇所から被検体を撮影して前記蛍光部画像を取得し、これら複数の蛍光部画像から被検体の全周または全周の一部に関する蛍光部画像を得て、該蛍光部画像と前記3次元形状情報とを関連付けた蛍光探傷用データを得る。
なお、被検体を撮影する撮影カメラの位置を変えることで、被検体を複数の方向から撮影するようにしてもよい。この場合、撮影カメラの各位置(および距離計測センサの姿勢)は既知であるとして、当該位置のデータを全周または全周の一部に関する蛍光部画像を得るために使用してよい。
また、被検体に対し相対的に複数の各方向から取得した前記蛍光部画像を用いるので、死角を無くして傷の検査を行える。
好ましくは、被検体の全周に関する前記蓄積した蛍光部画像と、被検体の全周に関する前記3次元形状情報とを関連付けた蛍光探傷用データを得ることで、精度良く得られた被検体の全周の3次元形状に各方向から撮影した蛍光部を重ね合わせて3次元表示ができるので、被検体の全面をあらゆる角度から総合的に蛍光探傷検査できる。
前記被検体を3次元位置計測して取得した3次元座標点群の各座標値を入力するデータ入力ステップと、
被検体の存在する空間領域を、境界表面が互いに直交する直方体からなる複数のボクセルに分割し、各ボクセル位置を記憶する環境モデルを構築するモデル構築ステップと、
ボクセルの内部に前記座標値に対応する代表点とその誤差分布とを設定し記憶するマッチングステップと、
前記ボクセル位置、代表点および誤差分布の少なくともいずれかを3次元形状情報として出力する出力ステップとを有する。
また、3次元座標値に対応するボクセルの内部に代表点とその誤差分布を設定し記憶するので、ボクセルの分解能以上の情報を表現することができる。
特に、三次元形状上の複数の座標値を(例えば、距離計測センサの位置である複数の計測位置を原点とする距離データとして)取得し、該距離データの座標値を、前記代表点の座標値とし、距離データの座標値の計測誤差を代表点の誤差分布とすることにより、正確な座標値と誤差分布を用いて複数回の計測を統計的に統合することができ、一層の精度向上が可能となる。
該ボクセル内に代表点がない場合に、前記座標値と誤差分布を代表点の座標値と誤差分布として設定する。
前記ボクセル内に既に設定した代表点がある場合に、新たに取得した誤差分布と既に設定したボクセル内の誤差分布とを比較し、
誤差分布が互いに重複する場合に、両誤差分布から新たな誤差分布と新たな代表点を再設定し、
誤差分布が互いに重複しない場合に、単一のボクセル内に単一の代表点のみが存在するように、該ボクセルを更に分割して階層的に複数のボクセルに分割する。
特に、誤差分布が互いに重複する場合に、新たな誤差分布と新たな代表点を再設定した結果、代表点が別のボクセルに移動する場合には、既に設定したボクセル内の誤差分布と更に比較することで、単一のボクセル内に単一の代表点のみが存在するように一貫性を保つことができる。
該他のボクセル内に既に設定した代表点がある場合に、該新たな誤差分布と既に設定した該他のボクセル内の誤差分布とを比較し、(A)誤差分布が互いに重複する場合に、両誤差分布から、または、両誤差分布とボクセル内に既に設定した代表点と新たに入力された被計測点の座標値から、新たな誤差分布と新たな代表点を再設定し、(B)誤差分布が互いに重複しない場合に、単一のボクセル内に単一の代表点のみが存在するように、該ボクセルを更に分割して階層的に複数のボクセルに分割する。
該モデル更新ステップにおいて、新たに入力された被計測点の座標値およびその誤差分布と、既に設定したボクセル内の代表点およびその誤差分布とから、カルマンフィルタにより新たな代表点と誤差分布を取得して再設定する。
特に、カルマンフィルタを用いたモデル更新ステップを繰り返すことで、誤差を含むデータであってもカルマンフィルタの効果により真値に収束した高精度な形状が得られる。
前記蛍光剤又は蛍光磁粉を蛍光発光させるための蛍光探傷用の電磁波を、検査位置の被検体に照射するブラックライトと、
前記電磁波照射時に蛍光発光した被検体を撮影し蛍光静止画像を取得する撮影カメラと、
前記検査位置の被検体を3次元位置計測して3次元座標点群を取得する距離計測センサと、
(A)前記蛍光静止画像を画像処理して、蛍光部分に相当する蛍光部画像を抽出すると共に、(B)前記3次元座標点群をデータ処理して、3次元形状情報を作成し、(C)前記蛍光部画像と前記3次元形状情報とを関連付けた蛍光探傷用データを得るデータ処理装置とを備えた、ことを特徴とする蛍光探傷装置が提供される。
距離計測センサは、被検体の複数の旋回位置の各々について、前記検査位置に対して固定された箇所から被検体を3次元位置計測して3次元座標点群を取得し、
前記データ処理装置は、複数の前記3次元座標点群を統合して、被検体の全周または全周の一部の3次元形状情報を作成する3次元形状統合処理を行う。
さらに、複数の3次元座標点群を統合することで統計的に被検体の3次元形状を精度良く得ることができるので、前記蛍光部画像と前記3次元形状情報とを精度よく関連付けることができ、その結果、被検体上の傷の大きさおよび傷の位置の精度が向上する。
前記データ処理装置は、複数の前記蛍光部画像から被検体の全周または全周の一部に関する蛍光部画像を得て、該蛍光部画像と前記3次元形状情報とを関連付けた蛍光探傷用データを得る。
また、被検体に対し相対的に複数の各方向から取得した前記蛍光部画像を用いるので、死角を無くして傷の検査を行える。
好ましくは、被検体の全周に関する前記蓄積した蛍光部画像と、被検体の全周に関する前記3次元形状情報とを関連付けた蛍光探傷用データを得ることで、精度良く得られた被検体の全周の3次元形状に各方向から撮影した蛍光部を重ね合わせて3次元表示ができるので、被検体の全面をあらゆる角度から総合的に蛍光探傷検査できる。
前記被検体を3次元位置計測して取得した3次元座標点群の各座標値を入力するデータ入力装置と、
被検体の存在する空間領域を、境界表面が互いに直交する直方体からなる複数のボクセルに分割し、各ボクセル位置を記憶する環境モデルを構築するモデル構築装置と、
ボクセルの内部に前記座標値に対応する代表点とその誤差分布とを設定し記憶するマッチング装置と、
前記ボクセル位置、代表点および誤差分布の少なくともいずれかを3次元形状情報として出力するデータ伝達装置とを備える。
また、3次元座標値に対応するボクセルの内部に代表点とその誤差分布を設定し記憶するので、ボクセルの分解能以上の情報を表現することができる。
前記距離計測センサが複数の方向から被検体を3次元計測することで、該複数の方向の各々について取得された3次元座標点群を統合して、被検体の全周または全周の一部の3次元形状情報を作成し、
被検体の3D-CADモデルを読み込み、該3D-CADモデルと、前記全周または全周の一部の3次元形状情報とを位置および姿勢に関して照合する。
航空機用コンプレッサーには、それぞれ10種類前後の動翼とベーンが用いられ、それぞれ大きさ、形状が異なっている。また、蛍光探傷検査を必要とする箇所は、通常、翼先端の背側及び腹側であるが、これに限定されず、それ以外の部分を検査することもある。
なお、本発明の被検体は、上述したような航空機用部品に限定されず、自動車部品等、蛍光探傷検査を必要とするあらゆる被検体を対象とすることができる。
なおこの構成は必須ではなく、水平軸或いはその他の軸を中心に旋回してもよく、また数値制御を行わずに任意に旋回角度(例えば、180度、90度、60度、30度等)を設定して停止する構成であってもよい。
なお、本発明において、搬送装置12は必須ではなく、被検体1を所定の検査位置に手で運んで配置してもよい。
従って、高精度の静止画像を撮影するため、例えば0.5秒間程度完全に停止するのがよい。また、距離計測センサが3次元位置計測を高精度に行うためには、被検体を停止させるのがよい。
しかし、完全停止は必須ではなく、高精度の静止画像を撮影できる限り、および高精度の3次元位置計測を行える限り、低速で移動してもよい。
また、CCDの感度を高める、蛍光強度を高める、対象とする傷を大きくする、等の手段により、露光時間を短くし、搬送又は旋回を連続してできるようにしてもよい。
また、本発明による蛍光探傷検査の結果、欠陥候補があると判断された被検体1は、図示しない別のラインに搬送され、目視検査などより詳細な検査を受けるようになっているのがよい。
また被検体1を暗室装置14内に搬入し、搬出できるように、スリット、開閉ドア等を備え、撮影カメラ22による撮影時に内部を撮影可能な程度に低い照度下に維持するようになっている。撮影可能な低照度は、微弱な蛍光4を検出できるように、可能な限り完全な暗闇であるのがよい。
このブラックライト16は、連続的に近紫外線2を放射するのが好ましいが、撮影時のみ放射してもよい。また、この例では、1灯のみ設けているが、被検体1の影を防止するため、左右に2つ設けても3灯以上でもよい。 また、露光時間を短くして、搬送又は旋回を連続して行う場合には、通常の写真撮影用のストロボと同様に、極短時間(1/1000秒以下)の照射時間にするのが好ましい。
通常の蛍光探傷試験では、紫外線フィルタとして、特定の波長のみを透過するバンドパスフィルタを用いる。本発明では、ブラックライト16の反射光を通さないような光学フィルタを使用して、蛍光領域を明確に撮影する。
例えば仮に観察対象物の位置で0.10mm/画素となるようにするには、CCDの有効画素数が1000×1000画素以上必要となる(100mm÷0.1mm/画素=1000画素)。
この図に示すように、三次元レーザレーダ110は、レーダヘッド112と制御器120から構成される。レーザダイオード113から発振されたパルスレーザ光101は、投光レンズ114で平行光102に整形され、ミラー118a,118bと回転・揺動するポリゴンミラー115で二次元方向に走査され、測定対象物に照射される。測定対象物から反射されたパルスレーザ光103は、ポリゴンミラー115を介して受光レンズ116で集光され、光検出器117で電気信号に変換される。
rは計測位置(即ち、レーダヘッド設置位置)を原点とする距離であり、r=c×t/2 の式で求められる。ここでcは光速である。
判定処理ユニット123は、信号処理ボード122からの極座標データを、レーダヘッド設置位置を原点とした三次元空間データ(x,y,z)へ変換して、検出処理を行うようになっている。なおこの図で124はドライブユニットである。
また、ポリゴンミラーの回転角度θ、揺動角度φを変化させて、3次元位置計測を複数回行って、3次元座標点群8(この例では、複数の三次元空間データ(x,y,z))を取得する
図4(A)に示すように、任意の計測位置を原点とする極座標値(r,θ,φ)を計測結果として計測する。距離計測センサによる計測結果には、この図に示すような誤差分布が通常存在する。
この誤差分布は、誤差分布のrs,θs,φsでの存在確率をP(rs,θs,φs)とした場合、誤差分布は計測の軸r,θ,φ方向に正規分布しているとし、例えば[数1]の式(1)で表すことができる。ここで、r,θ,φはセンサからの計測値、σr,σθ,σφは標準偏差、Aは規格化定数である。
図4(B)に示すように、誤差分布は、通常r方向に長い切頭円錐形(左図)に内包される分布であるが、遠方においてaとbの差は小さい。従って、この誤差分布を直方体に包含される楕円体として安全サイドに近似することができる。
データ処理装置24は、3次元座標点群8を取り込み、検査領域を特定し、蛍光静止画像6から検査領域以外の画像を消去する。
さらに、このデータ処理装置24は、蛍光静止画像5をモフォロジ処理を中心とする高輝度領域抽出処理して蛍光部分を特定し、3次元形状情報を基に、蛍光部分の位置と大きさを算出するようになっている。また、データ処理装置24は、蛍光部分に相当する、各方向から得た蛍光部画像を蓄積する。
さらに、全周分の蛍光部画像と3次元形状統合処理で得られた全周分の3次元形状情報とを関連付けた蛍光探傷用データを生成する。蛍光探傷用データは、例えば、3次元形状情報を表した座標系を用いた蛍光部画像の各位置の座標を含んでよい。この蛍光探傷用データに基づいて、蓄積された全周分の蛍光部画像と、3次元形状統合処理で得られた全周分の3次元形状情報とを重ねて、3次元的に表示し、蛍光探傷検査を容易に行えるようにする。また、蛍光部分の位置と大きさを算出する。
また、被検体の3D-CADモデルを読み込み、全周分の3次元形状情報と位置・姿勢を照合することによって、両者の形状の差異を検出し、蛍光探傷検査と共に、3次元形状検査も同時に行う。なお、被検体の3D-CADモデルは、被検体の製作時に使用したものであってよい。
すなわち、撮影カメラ22と距離計測センサ23との幾何学的関係を予めキャリブレーションで求めておくことによって、被検体1の3次元座標点群8の各点と蛍光静止画像5の各画素との対応が可能になり、蛍光静止画像の各画素の3次元位置を求めることができる。また、被検体1は、旋回装置11に保持されており、被検体1の表面位置は、旋回装置11の周辺位置に限定される。従って、旋回装置11の周辺位置(例えば、旋回装置11の位置とその近傍付近)を検査領域と特定することにより、これから外れる位置の画像を消去することができる。
3次元形状統合処理をは、三次元形状上の被計測点(即ち、複数の3次元座標点群8)の座標値から三次元形状を復元するための三次元形状の計測方法であり、データ入力ステップSS1、データ補正ステップSS2、モデル構築ステップSS3、マッチングステップSS4、モデル更新ステップSS5及び出力ステップSS6を有する。
なお、これら一連の処理のうち、SS1、SS2、SS4〜SS6は、計測データが得られる毎に実施し、SS3は初めて計測データが得られたときにだけ実施することができる。
なおこのデータ入力ステップSS1において、三次元レーザレーダ110を用いて、三次元形状上(即ち、被検体上)の座標値を,上述の旋回ステップS6により被検体1を回転させながら異なる方向から順次取得するのがよい。
距離データの補正処理では、孤立点の除去、統計的処理、等を行う。孤立点は、周囲の点から孤立して存在する点であり、計測データは複数の近接する点で構成されることから、孤立点は誤計測と仮定して除去することができる。統計的処理は、計測データが含む誤差分布を考慮して、複数回の計測を統計処理(例えば平均値等)することで、距離の補正を行う。
さらに、対象とする三次元形状が、直線近似又は平面近似できる場合にはこれらを行うのがよい。
モデル構築ステップSS3では、この図に示すように、三次元形状の存在する空間領域を、境界表面が互いに直交する直方体からなる複数のボクセル106に分割し、各ボクセル位置を記憶する環境モデルを構築する。即ち、環境モデルは各ボクセル位置の情報を含む。
ボクセル106の形状は、各辺の長さが等しい立方体でも、各辺の長さが異なる直方体でもよい。
また、ボクセル106の各辺の長さは、最大のボクセル106を必要最小限の分解能に相当する大きさに設定するのがよい。以下、最大のボクセル106をレベル1のボクセルと呼ぶ。
また、単一のボクセル内に複数の被計測点が存在する場合には、単一のボクセル内に単一の被計測点のみが存在するように、ボクセルを更に八分割して階層的に複数のボクセルに分割する。以下、最大のボクセル106の八分割を1回実施した空間領域をレベル2のボクセル、k回実施した空間領域をレベルk+1のボクセルと呼ぶ。
マッチングステップSS4では、この図に示すように、三次元形状上の座標値に対応するボクセル106の内部に代表点107とその誤差分布108を設定し記憶する。末端のボクセルは計測値の代表点を1つだけ持つことができる。各ボクセルが計測値の代表点とその誤差分布を持つことで、物体の形状を表す。
この図において、図10(A)は、各ボクセルデータのメモリレイアウト例である。この図において、矢印はデータへのリンクを表し、値としてはデータへのポインタを保持する。
図10(B)は、レベル2(1,1,0)のボクセルが代表点を持つ場合の例を示している。なおこの図において、nullは空集合を表す。
(1)内容:空間を小直方体で分割して各ボクセルに計測点の代表点と誤差分布を保持する。
(2)精度:ボクセル毎に持つ計測点の代表値相当である。
(3)存在:物体の存在の有無を表現できる。
(4)データ量:ボクセルの個数に比例してメモリを必要とするが、サイズ固定である。
(5)点群からの変換:適しており、計算量は少ない。
(6)アクセス速度:シンプルな構造をしているため、要素へのアクセスが高速である。
効果A:誤差を考慮した表現が可能である。
効果B:必要なメモリ量と計算量が一定量以下である。
効果C:物体の存在だけでなく、物体が存在しないことを表せる。
また、このステップST3において、新しい計測位置(原点)と被計測点の間には、原理的に物体が存在しないはずである。従って新しい計測位置(原点)と被計測点の間に位置するボクセル内の代表点と誤差分布を再設定もしくは消去する。
図11のステップST2で該当するボクセル内に既に設定した代表点がある場合には、ステップST4で新たに取得した誤差分布と既に設定したボクセル内の誤差分布とを比較する(すなわち異なる点か同一点かを判断する)。
この比較で、誤差分布が互いに重複する場合(図12(A))には、ステップST5で両誤差分布から、または、両誤差分布とボクセル内に既に設定した代表点と新たに入力された被計測点の座標値から、新たな誤差分布と新たな誤差分布の中心を再設定する(すなわち誤差分布を合成する)。
またこの比較で、誤差分布が互いに重複しない場合(図12(B))には、ステップST6、ST7で単一のボクセル内に単一の代表点のみが存在するように、該ボクセルを更に八分割して階層的に複数のボクセルに分割し新規に登録する。
分割と合成の基準は、例えば誤差分布の一致度から判断する。誤差分布の一致度には例えば、マハラノビス距離のような距離尺度や、尤度のような確率値の尺度を利用できる。また、2つの誤差分布に基づき、両者が同一点を表しているかを統計的検定によって判定してもよい。
なお、図13は、ステップST5で両誤差分布から、または、両誤差分布とボクセル内に既に設定した代表点と新たに入力された被計測点の座標値から、新たな誤差分布と新たな誤差分布の中心を再設定した結果、新たな代表点が他のボクセル内へ移動する場合を示している。
出力先は、ボクセル位置、及び代表点とその誤差分布を記憶・保持できる適切な記憶装置(この例では、図2の記憶装置25)であってもよい。
なお、出力ステップSS6では、ボクセル位置、及び代表点とその誤差分布を別の装置(例えば制御装置、コンピュータ)に転送してもよく、プリンタで出力してもよい。即ち、出力先は、当該別の装置(例えば制御装置、コンピュータ)であってよい。
また、出力ステップSS6において、ボクセルの代表点の位置を三次元形状の計測値として出力するとともに、該計測値の信頼性または精度を示す指標(例えば、数値)を、該ボクセルの内部の誤差分布の大きさに基づいて、出力してもよい。さらに、出力ステップSS6において、ボクセルの代表点の位置を三次元形状の計測値として出力するときに、該ボクセルの内部の誤差分布の大きさ(広がり)が所定の基準値よりも大きい場合に、該計測値の信頼性または精度が所定の基準よりも低いとして、該ボクセルの前記計測値(即ち、このボクセルの代表点の位置)を出力しないようにしてもよい。
また、座標値に対応するボクセル106の内部に代表点107とその誤差分布108を設定し記憶するので、ボクセルの分解能以上の情報を表現することができる。
図15は、複数の計測位置を原点とする距離データを統合することによって、代表点の誤差分布が縮小し、代表点の精度が向上する様子を示している。このように異なる計測位置(即ち、距離計測センサである3次元計測器の位置)を原点として得られた距離データは誤差分布の向きも異なるので、これらの距離データを環境モデルを介して逐次統合することによって、代表点の誤差分布が縮小し、代表点の位置精度が向上する。なお、図15において、3次元計測後の図はコップの2次元断面を表わした模式図であり、3次元計測後の図の破線はコップの実際表面を表わしている。
誤差分布が互いに重複する場合に、両誤差分布から、または、両誤差分布とボクセル内に既に設定した代表点と新たに入力された被計測点の座標値から、新たな誤差分布と新たな代表点を再設定し、
誤差分布が互いに重複しない場合に、単一のボクセル内に単一の代表点のみが存在するように、該ボクセルを更に八分割して階層的に複数のボクセルに分割する、ことにより、誤差の蓄積を回避しながら高精度な形状に収束させることができる。
また、模式図を図17に示すように、2つ以上の誤差分布が交差するような場合は、例えば、それぞれの誤差分布に対する確率値を用いたベイズ推定等により確率値の合成を行う。
L(j)は、距離計測センサによる計測位置である。例えば、L(j)は、距離計測センサのセンサ座標系において3次元LRF(レーザレンジファインダ)の計測点j(j=1,...,N)の位置L(j)=(xL(j),yL(j),zL(j))tである。ここで、tは転置行列を示す(以下、同様)。
hm(Rr,tr,m(i))は、L(j)に対する観測系モデルである。
Rrは、距離計測センサを搭載した搭載装置のワールド座標系に対する姿勢を表す回転行列Rr=R(θx,θy,θz)である。なお、θx,θy,θzは、それぞれx軸、y軸、z軸周りの回転角を示す(以下、同様)。
trは、距離計測センサを搭載した搭載装置のワールド座標系に対する位置を表す並進ベクトルtr=(x,y,z)である。
vL(i)は、距離計測センサの計測値L(j)に加わる観測ノイズである。
Rsは、センサ座標系の搭載装置座標系に対する回転行列Rs=R(θx,θy,θz)である。
tsは、センサ座標系の搭載装置座標系に対する位置を表す併進ベクトルts=(x,y,z)である。
添え字kは、離散時刻kでの値であることを表す。
mk(i)について、m’k(i)はmk(i)の更新値(事後推定値)を示し、mk,k−1(i)はm’k−1(i)に基づいたmk(i)の予測値(事前推定値)を示す。なお、環境(測定対象物)は静止しているので、mk,k-1(i)=m’k-1(i)である。
Σmk(i)は、ボクセル内部の代表点mk(i)の誤差共分散行列(即ち、上述の誤差分布)である。また、Σmk(i)について、 Σ’mk(i)はΣmk(i)の更新値(事後推定値)を示し、Σmk,k−1(i)はΣ’mk−1(i)に基づいたΣmk(i)の予測値(事前推定値)を示す。センサ座標系において3次元LRFの計測点j(j=1,…,N)の位置をL(j)で表し、その誤差共分散行列をΣL(j)で表す。ここでNは、3次元LRFで得られた計測点の総数である。3次元LRFの誤差モデルとして計測距離に関係ない一定の正規分布を仮定する。センサ座標系のx軸方向にレーザを照射する場合の誤差共分散行列をΣSとする。レーザの照射方向に応じて誤差分布も姿勢を変える。ΣL(j)は、基準の方向に対するレーザ照射方向を回転行列RL(j)を用いてΣL(j)=RL(j)ΣSRL t(j)と表される。計測点jのワールド座標系における位置z(j)、およびその誤差共分散行列Σz(j)は、それぞれz(j)=Rr(RsL(j)+ts)+tr、Σz(j)=RrRsΣL(j)Rs tRr tと表すことができる。
Kmk(i) は、 mk(i)に対するカルマンゲインである。
hmk(Rrk,trk,mk,k−1(i))は、Lk(j)、i=pk(j)に対するワールド座標系の環境モデルである。i=pk(j)は、計測点jに対応付けられた環境地図(即ち、環境モデル)上の点である。
Hmkは、Lk(j)、i=pk(j)に対するワールド座標系環境モデルのヤコビアン行列であり、次の式(5)で表わされる。
(1)これら更新値m’k(i)、Σ’mk(i)を、新たな代表点、誤差分布として再設定する。
(2)上述(1)の結果、代表点の位置が別のボクセル内に移動した場合、移動先のボクセルが代表点を保持していないときは、移動後の代表点とその誤差共分散行列を移動先のボクセルに保持させ、移動元のボクセルからは代表点等を取り除く。移動先のボクセルが既に代表点を保持しているときには、2つの代表点において、これらの両誤差分布が重複するかを判断する(上述のST4における判断と同様)。その後の処理は、図11のST4以降の処理と同じであってよい。
(3)モデル点群上の代表点m(i)と対応付けが行われなかった距離計測センサによる計測点について、当該計測点が含まれるボクセルが代表点を持たない場合は、計測点とその誤差分布をそのボクセルの代表点と誤差分布として追加し保持する。もし、ボクセル内に既に代表点が存在する場合には、ボクセル内にある対応付けが行われなかった他の複数の計測点を含め、既存の代表点と各計測点とが全て異なるボクセルに含まれるように、ボクセルを分割した上で分割後のボクセルに代表点等を継承させる。
図18は、カルマンフィルタを用いたモデル更新ステップにより得られた結果を示す。図19は図18の一部拡大図である。これら図において、初期のボクセルの1辺の長さを100cmとし、再分割数を6分割まで許している。対象が存在している領域では、ボクセルの再分割を繰り返した結果、計測対象を精度良く表現している。対象が存在しない領域ではボクセルの再分割は行われず、必要十分なデータ量で環境を表現できることがわかる。また、各ボクセル内の代表点の誤差分布も小さく、環境地図を高精度で表現できている。このように、誤差を含むデータであってもカルマンフィルタの効果により、真値に収束した結果が得られる。さらに、この方法では計測データ数を増加させることによって標準偏差が小さくなり、精度のさらなる向上が期待できる。
対象とする計測点jの誤差共分散行列ΣL(j)の範囲(例えば標準偏差の3倍の範囲)と交わる最上位のボクセルとそのボクセルに隣接している最上位のボクセルを求め、下層のボクセルも含めこれらのボクセル内に存在する代表点を対応点の候補とする。ボクセルが階層構造となっているため、この候補点の探索には計算コストはほとんどかからない。このとき、候補となる代表点がない場合には、対応点がないものとみなす。隣接するボクセルも候補に加える理由は、ボクセル内の代表点の位置によっては、誤差共分散行列の範囲が隣接するボクセルまではみ出すことがあるからである。
その後、被検体1をある特定の方向から見た状態で蛍光探傷評価を行う(S5)。
ある特定の方向のみから状態のみでも、蛍光静止画像5と3次元形状情報の重合せ(S45)や、検査領域以外の画像の消去(S46)、蛍光部分の位置と大きさの算出する(S47)、および蛍光探傷評価(S5)を行うことによって、3次元形状情報の精度が統計的にまだ十分高くない場合でも、被検体1が明らかに許容できない欠陥があると判断された場合は、図示しない別のラインに搬送し、目視検査などの、より詳細な検査を事前に受けることが可能となる。後述する全周のデータ処理S7、および全周の蛍光探傷評価S8をもって、欠陥の判断を行えば処理時間的に足る場合には、S4、S5のステップを省略することができる。
この旋回は、死角が発生しないように、数値制御又はその他の手段(リミットスイッチ等)により、任意に旋回角度(例えば、180度、90度、60度、30度等)を設定するのがよい。
なお、一方向のデータ処理ステップS4と全周のデータ処理ステップS7とを含めた概念をデータ処理ステップという。このデータ処理ステップでは、蛍光静止画像を画像処理して、蛍光部画像を抽出すると共に、3次元座標点群をデータ処理して、3次元形状情報を作成し、蛍光部画像と3次元形状情報とを関連付ける。
なお、この画像表示は、異なる位置から取得した画像の重合せ画像をそれぞれ別個に表示しても、複数の方向の画像を順次旋回させながら表示してもよい。3次元形状情報を利用して3次元的に表示しても良い。
この蛍光探傷検査の結果、欠陥候補があると判断された被検体は、図示しない別のラインに搬送され、目視検査などの、より詳細な検査を受ける。
この図に示すように、本発明の方法では、被検体1を所定の軸心Z(例えば鉛直軸)を中心に旋回させる旋回装置11(ターンテーブルや、吊り下げ運搬時のアームの回転機構など)を用いて、旋回させながら撮影を行うことで死角を減らす。また、撮影カメラ22と距離計測センサ23を用いて蛍光部分の位置と大きさを算出する。
4 蛍光、4a 蛍光部分、5 蛍光静止画像、
6 可視静止画像、7 重合せ画像、8 3次元座標点群、
9 旋回位置(旋回角度情報)、10 蛍光探傷装置、11 旋回装置、
12 搬送装置、13 位置検出センサ、
14 暗室装置(暗幕、暗箱)、16 ブラックライト、
20 ロングパスフィルタ、22 撮影カメラ、23 距離計測センサ
24 データ処理装置(コンピュータ)、25 記憶装置、
26 画像表示装置、27 通信制御装置
Claims (22)
- 蛍光剤又は蛍光磁粉を表面に浸透又は吸着させた被検体を所定の検査位置に配置する配置ステップと、
暗室内で、前記蛍光剤又は蛍光磁粉を蛍光発光させるための蛍光探傷用の電磁波を、前記検査位置の被検体に照射して被検体を撮影し、蛍光静止画像を取得する蛍光静止画像撮影ステップと、
前記検査位置の被検体を3次元位置計測し、被検体表面の3次元座標点群を取得する3次元位置計測ステップと、
(A)前記蛍光静止画像を画像処理して、蛍光部分に相当する蛍光部画像を抽出すると共に、(B)前記3次元座標点群をデータ処理して、3次元形状情報を作成し、(C)前記蛍光部画像と前記3次元形状情報とを関連付けた蛍光探傷用データを得るデータ処理ステップと、を有することを特徴とする蛍光探傷用データ生成方法。 - 被検体を複数の方向から3次元計測することで、該複数の方向の各々について、3次元座標点群を取得し、これら複数の3次元座標点群を統合して、被検体の全周または全周の一部の3次元形状情報を作成する3次元形状統合処理を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光探傷方法。
- 被検体を複数の方向から撮影することで、該複数の方向の各々について、前記蛍光部画像を取得し、これら複数の蛍光部画像から被検体の全周または全周の一部に関する蛍光部画像を得て、該蛍光部画像と前記3次元形状情報とを関連付けた蛍光探傷用データを得る、ことを特徴とする請求項2に記載の蛍光探傷方法。
- 前記3次元形状情報は、3次元座標点群の各点の位置情報、および、該各点の誤差情報を含む、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の蛍光探傷方法。
- 前記3次元形状統合処理は、
前記被検体を3次元位置計測して取得した3次元座標点群の各座標値を入力するデータ入力ステップと、
被検体の存在する空間領域を、境界表面が互いに直交する直方体からなる複数のボクセルに分割し、各ボクセル位置を記憶する環境モデルを構築するモデル構築ステップと、
ボクセルの内部に前記座標値に対応する代表点とその誤差分布とを設定し記憶するマッチングステップと、
前記ボクセル位置、代表点および誤差分布の少なくともいずれかを3次元形状情報として出力する出力ステップとを有する、ことを特徴とする請求項2または3に記載の蛍光探傷方法。 - 前記モデル構築ステップにおいて、最大のボクセルを必要最小限の分解能に相当する大きさに設定し、かつ単一のボクセル内に複数の被計測点が存在する場合に、単一のボクセル内に単一の被計測点のみが存在するように、該ボクセルを更に分割して階層的に複数のボクセルに分割する、ことを特徴とする請求項5に記載の蛍光探傷方法。
- 前記マッチングステップの後に、前記環境モデルを更新するモデル更新ステップを有し、該モデル更新ステップにおいて、新たに入力された被計測点の座標値に対応するボクセルを探索し、原点と被計測点の間に物体が存在しないものとして、その間に位置するボクセル内の代表点と誤差分布を再設定もしくは消去する、ことを特徴とする請求項5または6に記載の蛍光探傷方法。
- 前記マッチングステップの後に、前記環境モデルを更新するモデル更新ステップを有し、該モデル更新ステップにおいて、新たに入力された被計測点の座標値に対応するボクセルを探索し、
該ボクセル内に代表点がない場合に、前記座標値と誤差分布を代表点の座標値と誤差分布として設定する、ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の蛍光探傷方法。 - 前記マッチングステップの後に、前記環境モデルを更新するモデル更新ステップを有し、該モデル更新ステップにおいて、新たに入力された被計測点の座標値に対応するボクセルを探索し、
前記ボクセル内に既に設定した代表点がある場合に、新たに取得した誤差分布と既に設定したボクセル内の誤差分布とを比較し、
誤差分布が互いに重複する場合に、両誤差分布から新たな誤差分布と新たな代表点を再設定し、
誤差分布が互いに重複しない場合に、単一のボクセル内に単一の代表点のみが存在するように、該ボクセルを更に分割して階層的に複数のボクセルに分割する、ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の蛍光探傷方法。 - ボクセルの内部に代表点とその誤差分布に加えて、確率値を併せ持つ、ことを特徴とする請求項5乃至9のいずれかに記載の蛍光探傷方法。
- 前記モデル更新ステップにおいて、前記新たに取得した誤差分布と前記既に設定したボクセル内の誤差分布とを比較し、誤差分布が互いに重複する場合に、両誤差分布から新たな誤差分布と新たな代表点を再設定した結果、新たな代表点が他のボクセル内へ移動したとき、該他のボクセル内に代表点がない場合に、該新たな誤差分布と該新たな代表点を該他のボクセルの内部に設定し、
該他のボクセル内に既に設定した代表点がある場合に、該新たな誤差分布と既に設定した該他のボクセル内の誤差分布とを比較し、(A)誤差分布が互いに重複する場合に、両誤差分布から、または、両誤差分布とボクセル内に既に設定した代表点と新たに入力された被計測点の座標値から、新たな誤差分布と新たな代表点を再設定し、(B)誤差分布が互いに重複しない場合に、単一のボクセル内に単一の代表点のみが存在するように、該ボクセルを更に分割して階層的に複数のボクセルに分割する、ことを特徴とする請求項9に記載の蛍光探傷方法。 - 前記マッチングステップの後に、前記環境モデルを更新するモデル更新ステップを有し、
該モデル更新ステップにおいて、新たに入力された被計測点の座標値およびその誤差分布と、既に設定したボクセル内の代表点およびその誤差分布とから、カルマンフィルタにより新たな代表点と誤差分布を取得して再設定する、ことを特徴とする請求項5に記載の蛍光探傷方法。 - 前記出力ステップにおいて、前記ボクセルの代表点の位置を三次元形状の計測値として出力装置に出力するとともに、該計測値の信頼性または精度を示す指標を、該ボクセルの内部の誤差分布の大きさに基づいて出力する、ことを特徴とする請求項5乃至12のいずれかに記載の蛍光探傷方法。
- 前記出力ステップにおいて、前記ボクセルの代表点の位置を三次元形状の計測値として出力装置に出力するときに、該ボクセルの内部の誤差分布の大きさが所定の基準値よりも大きい場合に、該計測値の信頼性または精度が所定の基準よりも低いとして、該ボクセルの前記計測値を出力しない、ことを特徴とする請求項5乃至13のいずれかに記載の蛍光探傷方法。
- 前記出力ステップにおいて、距離計測センサの位置から距離計測センサが位置計測可能な範囲の環境モデル内のボクセルの代表点の位置を三次元形状の計測値として出力する、ことを特徴とする請求項5乃至14のいずれかに記載の蛍光探傷方法。
- 被検体の3D-CADモデルを読み込み、該3D-CADモデルと、前記全周または全周の一部の3次元形状情報とを位置および姿勢に関して照合する、ことを特徴とする請求項2乃至15のいずれかに記載の蛍光探傷方法。
- 所定の検査位置に配置され蛍光剤又は蛍光磁粉を表面に浸透又は吸着させた被検体を囲み内部を蛍光を撮影可能な程度に低い照度下に維持する暗室装置と、
前記蛍光剤又は蛍光磁粉を蛍光発光させるための蛍光探傷用の電磁波を、検査位置の被検体に照射するブラックライトと、
前記電磁波照射時に蛍光発光した被検体を撮影し蛍光静止画像を取得する撮影カメラと、
前記検査位置の被検体を3次元位置計測して3次元座標点群を取得する距離計測センサと、
(A)前記蛍光静止画像を画像処理して、蛍光部分に相当する蛍光部画像を抽出すると共に、(B)前記3次元座標点群をデータ処理して、3次元形状情報を作成し、(C)前記蛍光部画像と前記3次元形状情報とを関連付けた蛍光探傷用データを得るデータ処理装置とを備えた、ことを特徴とする蛍光探傷装置。 - 所定の検査位置において被検体を保持し所定の軸心を中心に旋回可能な旋回装置を備え、
距離計測センサは、被検体の複数の旋回位置の各々について、前記検査位置に対して固定された箇所から被検体を3次元位置計測して3次元座標点群を取得し、
前記データ処理装置は、複数の前記3次元座標点群を統合して、被検体の全周または全周の一部の3次元形状情報を作成する3次元形状統合処理を行う、ことを特徴とする請求項17に記載の蛍光探傷装置。 - 撮影カメラは、被検体の複数の旋回位置の各々について、前記検査位置に対して固定された箇所から被検体を撮影して前記蛍光部画像を取得し、
前記データ処理装置は、複数の前記蛍光部画像から被検体の全周または全周の一部に関する蛍光部画像を得て、該蛍光部画像と前記3次元形状情報とを関連付けた蛍光探傷用データを得る、ことを特徴とする請求項18に記載の蛍光探傷装置。 - 前記3次元形状情報は、3次元座標点群の各点の位置情報、および、該各点の誤差情報を含む、ことを特徴とする請求項17乃至19のいずれかに記載の蛍光探傷装置。
- 前記データ処理装置は、
前記被検体を3次元位置計測して取得した3次元座標点群の各座標値を入力するデータ入力装置と、
被検体の存在する空間領域を、境界表面が互いに直交する直方体からなる複数のボクセルに分割し、各ボクセル位置を記憶する環境モデルを構築するモデル構築装置と、
ボクセルの内部に前記座標値に対応する代表点とその誤差分布とを設定し記憶するマッチング装置と、
前記ボクセル位置、代表点および誤差分布の少なくともいずれかを3次元形状情報として出力するデータ伝達装置とを備える、ことを特徴とする請求項17に記載の蛍光探傷装置。 - 前記データ処理装置は、
前記距離計測センサが複数の方向から被検体を3次元計測することで、該複数の方向の各々について取得された3次元座標点群を統合して、被検体の全周または全周の一部の3次元形状情報を作成し、
被検体の3D-CADモデルを読み込み、該3D-CADモデルと、前記全周または全周の一部の3次元形状情報とを位置および姿勢に関して照合する、ことを特徴とする請求項17に記載の蛍光探傷装置。
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