JP2008309431A - 床暖房システム - Google Patents

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Abstract

【課題】設置が容易であり、かつ、高い省エネルギー性を実現できる床暖房システムを提供する。
【解決手段】熱源機1、及び、熱媒体が流れる熱媒体管3を内部に有する放熱器2、を具備する床暖房システム10であって、熱源機1が、放熱器2毎に、放熱器2と同空間で隣接して設置され、熱源機1の暖房出力が、運転時の放熱器2での放熱量に対して、1.3倍以下であることを特徴とする、床暖房システム10とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、床暖房システムに好適に用いられる熱源機に関する。さらに詳しくは、設置が容易であり、かつ、高い省エネルギー性を実現できる熱源機に関するものである。
従来、温暖地方の寒冷期および寒冷地の住宅などの構造物における居住空間の居住性を向上させる目的で、多様な暖房技術が提案され、実用化されている。その大部分は、居住空間の床面に配置する床暖房システムである。床暖房システムの例としては、発泡合成樹脂製板状体や木製板状体などを基体としており、その一方の面に刻設された溝に熱媒体管を埋設し、これらの表面を、アルミニウム箔などの可撓性薄板で被覆した構造の放熱器を備えるものが挙げられる。これは、床暖房システムの放熱器内に配設された熱媒体管を流れる熱媒体によって床面が暖められ、その床面からの輻射熱により、室内を暖房するものである。
従来見られる床暖房システムには、熱媒体として水を用いる温水式床暖房システムがあり、屋外に熱源機が設置されるものと、屋内に熱源機が設置されるものとがある。そして、熱源機には、ガスや灯油による燃焼式のものと、電気式のものとがあり、一台の熱源機及び複数の放熱器によって暖房箇所全体を十分に暖房できるよう、熱源機の仕様が決められている。
従来の床暖房システムとして、例えば、特許文献1には、室内の床に敷設された床暖房パネルに温水を循環させて室内の暖房を行う温水床暖房システムであって、温水の循環路に配された開閉弁と、該開閉弁を開閉制御するための床暖房コントローラと、該床暖房コントローラと通信線により接続されて制御信号をやりとりするリモートコントローラとを備えた温水床暖房システムにおいて、前記床暖房コントローラと前記リモートコントローラにはそれぞれ、床暖房パネル、若しくは温水循環回路に配された温度検知手段からの検知温度信号を入力するための入力端子を備えたことを特徴とする温水床暖房システムが開示されている。
特開2001−304589号公報
しかし、従来の温水式床暖房システムでは、以下のような問題があった。
従来の屋外に熱源機が設置される温水式床暖房システムは、ガスや灯油による燃焼式の加熱装置を有する熱源機を備えるのが一般的であった。この温水式床暖房システムは、熱源機が放熱器から離れているため、屋外配管を含めて、大掛かりな配管作業を必要とした。この配管作業には、手間が掛かかり、コストが上がる上、施工品質上、漏水のリスクがあるという問題があった。また、熱効率の面では、屋外に配管を引き回すため、配管からの放熱損失が大きくなり易いといった問題や、熱源機が屋外に設置されていることによって、排熱損失も大きくなるといった問題があった。そのため、熱源機の暖房出力は、運転時に放熱器で放熱される熱量に対して、遥かに上回る大きさの出力(例えば、放熱器で放熱される熱量の1.3〜2倍程度)が要求された。さらに、熱源機と放熱器との間の配管が長いため、熱媒体が配管内で受ける圧損が大きいので、熱媒体を配管内で循環させるために用いられる循環ポンプは、揚程が高いものを使用していた。揚程が高い循環ポンプは、大型であり、消費電力が大きかった。さらに、熱源機と放熱器との間の配管が長い分、温水式床暖房システム全体での保有熱媒体量が多くなるため、その熱媒体を加熱するためには、多くの熱を必要とするといった問題や、暖房箇所までの配管長が不均一になり易く、暖房箇所毎に必要な熱媒体の流量を確保できず、暖房性能が出ないという問題もあった。さらにまた、上述した熱源機の暖房出力や循環ポンプの揚程等を決定する際には、温水式床暖房システムを設置する現場毎に、暖房箇所での暖房負荷の計算、熱媒体が配管で受ける圧損の計算、熱源機や配管での放熱損失の計算等の複雑な計算や、熱源機の設置場所の選定、配管の設計等の専門的知識を必要とする設計作業を行わなければならなかった。
一方、従来の屋内に熱源機が設置される温水式床暖房システムは、熱源機に対する安全上及び小型化の要求から、電気式の加熱装置を有する熱源機を備えるのが一般的であった。この温水式床暖房システムは、屋外に熱源機が設置される温水式床暖房システムに比べて放熱損失は少なく、大掛かりな配管作業を必要としないものである。しかし、熱源機が小型化されることによって、一台の熱源機で対応できる床暖房面積に制限が生じるため、設計上の制限を受ける。また、放熱器が複数になれば、温水式床暖房システムを設置する現場毎で、設置作業前に行わなければならない計算や設計が複雑になるといった問題、設置作業にも手間がかかるといった問題、放熱器の割付により、暖房箇所までの配管長が不均一になり易く、放熱器毎の熱媒体の流量が変わり易いといった問題等があった。
そこで、本発明は、設置が容易であり、かつ、高い省エネルギー性を実現できる床暖房システムを提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明は、熱源機(1)、及び、熱媒体が流れる熱媒体管(3)を内部に有する放熱器(2)、を具備する床暖房システムであって、熱源機が、放熱器毎に、放熱器と同空間で隣接して設置され、熱源機の暖房出力が、運転時の放熱器での放熱量に対して、1.3倍以下であることを特徴とする、床暖房システム(10)を提供することにより上記課題を解決する。
本発明にかかる床暖房システムは、熱源機と放熱器とを備えており、熱源機内で昇温された熱媒体を放熱器内に循環させることで、輻射熱によって暖房を行う。本発明では、その熱源機一台に対して放熱器一台が備えられる。さらに、熱源機及び放熱器は、室内等の1つの空間内に隣接して配置される。ここに、「熱源機の暖房出力が、運転時の放熱器での放熱量に対して、1.3倍以下である」とは、熱源機の暖房出力が、運転時に熱媒体が放熱器内で放熱して失う熱量に対して、1.3倍以下であるという意味である。すなわち、熱源機が有する加熱装置は、熱媒体が床暖房システムの運転中に失う熱量に対して、1.3倍以下の熱量を熱媒体に与えられるという意味である。
上記本発明において、熱源機(1)が、運転時に熱媒体管(3)内で熱媒体が受ける圧損に対して、1.1倍以下の揚程の循環ポンプ(4)を備えることが好ましい。
運転時に、放熱器に備えられる熱媒体管内を流れる熱媒体は、熱媒体管によって圧損を受ける。本発明にかかる床暖房システムの熱源機には、その熱媒体が熱媒体管で受ける圧損に対して、1.1倍以下の揚程を有する循環ポンプが備えられる。
上記本発明において、放熱器(2)及び熱源機(1)の設置時の距離が、200mm以下であることが好ましい。
上記本発明において、放熱器(2)及び熱源機(1)を設置時、放熱器の上面及び熱源機の上面が略同一平面上に配置されることが好ましい。
上記本発明において、熱源機(1)が、一方の端に第1放熱器接続プラグ(13a)を有し、他方の端に第2放熱器接続プラグ(13b)を有する内部熱媒体配管(7)と、該内部熱媒体配管の第1放熱器接続プラグと第2放熱器接続プラグとの間に設けられる、熱交換器(5a)、循環ポンプ(4)、熱媒体注入口(19、19)、及び、膨張タンク(18)と、熱交換器に接触して設けられる加熱ヒーター(5b)と、商用電源接続端子(14)を有し、加熱ヒーター及び循環ポンプを制御する制御装置(16)と、を備えており、第1放熱器接続プラグ及び第2放熱器接続プラグの少なくとも一部と、内部熱媒体配管と、熱交換器と、循環ポンプと、熱媒体注入口と、膨張タンクと、加熱ヒーターと、制御装置とが、外装ケース(17)内に平面に配置されることが好ましい。
ここに、「第1放熱器接続プラグ」及び「第2放熱器接続プラグ」とは、熱源機が備える内部熱媒体配管と放熱器が備える熱媒体管と、を接続するプラグである。「第1放熱器接続プラグ」は、熱源機が備える熱交換器を通って昇温された熱媒体を、熱源機から放熱器へと供給するための供給口である。「第2放熱器接続プラグ」は、放熱器が備える熱媒体管内で放熱した熱媒体が、放熱器から熱源機へと戻ってくるための戻り口である。「熱交換器」とは、加熱ヒーターの熱を熱媒体に伝える装置である。「循環ポンプ」とは、床暖房システム内に、熱媒体を循環させるためのポンプである。「熱媒体注入口」とは、床暖房システム設置時に、床暖房システム内に、熱媒体を注入するための注ぎ口である。「膨張タンク」とは、温度変化によって熱媒体の体積が増加した場合に、その増加分を吸収できる空間を有する容器である。「加熱ヒーター」とは、熱媒体を加熱するために備えられている装置であって、熱媒体を加熱できるものであれば特に限定はされない。「制御装置」とは、室内の温度が設定温度になるように、熱媒体の量及び温度に応じて、加熱ヒーター及び循環ポンプの制御を行う装置である。「外装ケース」とは、熱源機を構成する各部材を覆うケースであって、床暖房システム設置時に、熱源機を床面と略平行に設置する場合は、熱源機の上面と放熱器の上面が略同一平面上に配置されるように、外装ケースの厚さは概ね放熱器と同じ厚さ(約12mm程度)となっている。ただし、循環ポンプ収容部分は床下側に突出した構成となる場合がある。「平面に配置され」とは、熱源機を構成する各部材が、それぞれ略同一平面上に並べて配置されることをいう。すなわち、平面視した場合に各構成部品が重ならない様に配置されていることを意味する。
上記本発明において、制御装置(16)が熱媒体センサ(11)を有することが好ましい。
ここに、「熱媒体センサ」とは、内部熱媒体配管内における熱媒体の量、及び熱媒体の温度を感知するセンサであって、熱媒体の量、及び熱媒体の温度を感知できるものであれば特に限定はされない。本発明で用いられる熱媒体センサのうち、熱媒体の量を感知するセンサとしては、例えば、浮き子を用いて熱媒体量を検知するものや、電気抵抗を測ることによって熱媒体量を検知するもの等を挙げることができる。また、熱媒体の温度を感知するセンサとしては、例えば、サーミスター等を挙げることができる。
上記本発明において、制御装置(16)が過熱防止センサ(12)を有することが好ましい。
ここに、「過熱防止センサ」とは、熱媒体の異常な過熱を防止するためのセンサである。本発明で用いられる過熱防止センサとして、例えば、市販のサーモスタット等を挙げることができる。
本発明によれば、熱源機及び放熱器が隣接して設置され、かつ、熱源機一台に対して放熱器一台が備えられ、さらに、熱源機の暖房出力を、運転時に放熱器で熱媒体が放熱する放熱量に対して、1.3倍以下とすることで、熱源機の小型化を図れる。かかる構成とすることによって、床面や壁面への設置が容易であり、かつ、高い省エネルギー性を実現可能な床暖房システムを提供することができる。さらに、熱源機一台に対して放熱器一台を備えるため、放熱器毎で熱媒体の流量が変わり易いといった問題がなくなる。
また、熱源機に備えられる循環ポンプの揚程を、運転時に熱媒体管内で熱媒体が受ける圧損に対して、1.1倍以下とすることで、循環ポンプに対する要求性能が従来の温水式床暖房システムに備えられる循環ポンプより低くなるため、熱源機の小型化を図れる。かかる構成とすることによって、床面や壁面への設置が容易であり、かつ、高い省エネルギー性を実現可能な床暖房システムを提供することができる。
また、放熱器及び熱源機の設置時の距離を200mm以下の構成とすることで、放熱器及び熱源機を繋ぐ配管が短くなるため、床暖房システムの設置が容易となる。さらに、当該構成とすることで、放熱器及び熱源機を繋ぐ配管内に保有される熱媒体量が少なくなるため、高い省エネルギー性を実現可能な床暖房システムを提供することができる。
また、放熱器及び熱源機を設置時、放熱器の上面及び熱源機の上面が略同一平面上に配置されることで、室内に障害(段差)が生じない。かかる構成とすることによって、熱源機の設置場所に対する制限が少なくなるといった利点や、室内を広く使えるといった利点がある。さらには、放熱器及び熱源機が一体型となったように見えることで、美観に優れる。
また、熱源機を構成する各部材を小型化して平面に配置することで、熱源機の薄型化を図ることができる。かかる構成とすることによって、設置が容易であり、かつ、高い省エネルギー性を実現できる床暖房システムを提供することができる。
また、熱源機に備えられる制御装置が、熱媒体センサを有することによって、熱媒体の空焚きを防止することができる。
また、熱源機に備えられる制御装置が、過熱防止センサを有することによって、熱媒体の異常過熱を防止することができる。
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明するが、以下に説明するものは本発明の実施形態の一例であって、本発明はその要旨を超えない限り、以下の説明になんら限定されるものではない。
図1は、本発明にかかる床暖房システムの構成例を概略的に示す図である。図1(a)は本発明にかかる床暖房システムの上面図であり、理解を容易にするため、主要な構成部材が透けて見えるように示している。図1(b)は図1(a)に示したx−x´での断面を概略的に示す図である。図1(b)では、紙面上下方向が、床暖房システムの設置時における上下方向である。図2(a)は、本発明にかかる床暖房システムに備えられる熱源機の形態例を概略的に示す図である。図2(b)は、図2(a)に示したy−y´での断面を概略的に示す図である。図2において、図1と同様の構成を採るものには、図1にて使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。図3は、熱源機に備えられる制御装置の制御回路例を概略的に示す図である。図3において、図1及び図2と同様の構成を採るものには、図1及び図2にて使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。図4は、本発明にかかる床暖房システムの使用形態例を概略的に示す図である。図4において、図1と同様の構成を採るものには、図1にて使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。図5は、本発明にかかる床暖房システムの他の使用形態例を概略的に示す図である。図5において、図1及び図4と同様の構成を採るものには、図1及び図4にて使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。図6は、従来の温水式床暖房システムの構成例を概略的に示す図である。図6(a)は熱源機が屋外に設置される温水式床暖房システムを示し、図6(b)は熱源機が屋内に設置される温水式床暖房システムを示す。図1〜6では、図が煩雑になるのを防ぐため、符号を適宜省略して示している。
図1に示すように、本発明にかかる床暖房システム10(以下、単に「床暖房システム10」という。)は、熱源機1と放熱器2とを有しており、熱源機1一台に対して放熱器2一台が備えられる。熱源機1は、少なくとも内部熱媒体配管7と、加熱装置5と、循環ポンプ4とを備えており、放熱器2は、内部に熱媒体が流れる熱媒体管3を備えている。床暖房システム10は、例えば、建物の床面などに載置されたり、貼り付けられたりするものである。図1では、根太9の上に敷かれた下地合板8の上に、床暖房システム10が載置され、さらに、床暖房システム10の上を床仕上げ材6で覆った形態を示している。このとき、熱源機1を構成する各部材の小型化が図られているため、熱源機1の上面と放熱器2の上面とを略同一平面上に設置することができる。ただし、循環ポンプ4の厚みが放熱器2の厚みより厚い場合は、熱源機1の循環ポンプ4収容部分については、図1(b)に示すように、事前に根太9及び下地合板8に穴を開けておいてから、設置する必要がある。熱源機1を構成する各部材の仕様については、後で詳しく述べる。
床暖房システム10の運転時には、熱媒体が循環ポンプ4の力により内部熱媒体配管7を通って熱源機1から放熱器2(熱媒体管3)へと送り出される。熱媒体はこの熱媒体管3を流れる間に放熱し、床仕上げ材6を暖める。さらに、熱媒体管3から床仕上げ材6へと伝わった熱は、床仕上げ材6の上面(床面)へと伝わり、そこからの輻射熱により、室内を暖房する。このように、熱媒体は、放熱器2で放熱することによって、熱源機1から送り出されるときに比べて熱源機1へと戻ってくるときは温度が下がっている。放熱器2で放熱し、温度が下がった熱媒体は、熱源機1に備えられる加熱装置5によって所定の温度まで昇温される。昇温された熱媒体は、再び循環ポンプ4の力によって、放熱器2へと送り出される。
従来の温水式床暖房システム(以下、「従来の床暖房システム」という。)には、図6(a)に示すように、熱源機51の設置箇所が屋外であって、放熱器2a、2bの設置箇所が屋内である、床暖房システム50と、図6(b)に示すように、熱源機61と放熱器2c、2dの設置箇所が共に屋内である、床暖房システム60とがある。床暖房システム50では、屋外に設置される一台の熱源機51と、屋内に設置される複数の放熱器2a、2bとが、熱源機51から放熱器2a、2bへと熱媒体を供給する温水往き配管52と、放熱器2a、2bから熱源機51へと熱媒体を戻す温水戻り配管53とによって繋がれている。床暖房システム60では、共に屋内に設置される一台の熱源機61と、複数の放熱器2c、2dとが、熱源機61から放熱器2c、2dへと熱媒体を供給する温水往き配管62と、放熱器2c、2dから熱源機61へと熱媒体を戻す温水戻り配管63とによって繋がれている。床暖房システム50及び床暖房システム60では、放熱器が二台の形態を示したが、暖房面積が広くなれば、それに応じて放熱器の台数は増える。
床暖房システム50を設置する際には、まず、熱源機51の設置場所の選定を行い、温水往き配管52及び温水戻り配管53(以下、「配管52、53」ということがある。)の設計等を行う必要がある。また、床暖房システム50では、熱源機51が屋外に設置され、放熱器2a、2bが屋内に設置されるので、配管52、53が長く、曲がりくねったものとなる。そのため、配管52、53の設計及び配管作業は大掛かりで複雑なものとなり、手間が掛かかる上に、コストが上がる。設計等に不具合があり、熱媒体が流れなかったり、暖房できなかったりといった問題が生じた場合には、設計し直す必要があり、この作業も大掛かりなものとなる。さらに、配管52、53が長く曲がりくねった構造になることで、施工品質上、漏水のリスクがあるという問題がある。さらに、放熱器2a、2bの割付によって熱源機51から放熱器2a、2bまでの配管長が不均一になり易く、放熱器2aと放熱器2bとでの熱媒体の流量が変わり易いといった問題がある。
また、床暖房システム50では、屋外に熱源機51が設置されるため、排熱損失が大きい。さらに、配管52、53を屋外にも引き回すことになるため、配管52、53からの放熱損失が大きくなり易い。さらに、配管52、53が長くなるため、床暖房システム50全体での保有熱媒体量(システム水量)が多くなり、室内を暖房するために加熱しなければならない熱媒体の量が増え、余計な熱量を必要とする。これらの理由から、熱源機51に備えられる加熱装置の出力は、運転時に放熱器2a、2bで放熱される熱量に対して、遥かに上回る大きさの出力(例えば、放熱器2a、2bで放熱される熱量の1.3〜2倍程度)が要求される。
また、熱源機51と放熱器2a、2bとの間の配管52、53が長く曲がりくねった構造になることで、熱媒体が配管52、53で受ける圧損が大きくなり、熱源機51に備えられる循環ポンプは、揚程が高いものにしなければならない。揚程が高いポンプは、大型であり、消費電力が大きくなる。
熱源機51の仕様を決定する際には、上記加熱装置の仕様や、上記循環ポンプの仕様等を決定する必要があり、これらは、暖房箇所での暖房負荷の計算、熱媒体が配管で受ける圧損の計算、熱源機や配管での放熱損失の計算、システム全体での保有熱媒体量の計算等の複雑な計算を行って決定される。
床暖房システム60は、熱源機61が屋内に設置され、放熱器2c、2dも屋内に設置されるので、床暖房システム50に比べて、複雑な配管設計や、大掛かりな配管作業を必要とせず、熱損失も少ない。しかし、床暖房システム60も床暖房システム50と同様に、一台の熱源機61によって、暖房箇所全体を暖房するのに必要な熱媒体を加熱し、複数の放熱器2cと放熱器2dとへと循環させることを前提としている。そのため、暖房箇所の面積が広く(放熱器の数が多く)なれば、設置前に行わなければならない計算や設計が複雑になるといった問題や、配管が複雑になるといった問題が生じる。また、放熱器2c、2dの割付によって熱源機61から放熱器2c、2dまでの配管長が不均一になり易く、放熱器2cと放熱器2dとの熱媒体の流量が変わり易いといった問題がある。さらに、屋内に熱源機61を設置するため、熱源機61を小型化する必要があり、一台の熱源機61で対応できる暖房面積には限界がある。
一方、本発明の床暖房システム10では、上述したように、熱源機1一台に対して放熱器2一台が隣接して設置される形態とすることによって、熱源機1と放熱器2との間の配管(以下、「接続配管」ということがある。)が床暖房システム50、及び床暖房システム60の配管52、53、及び配管62、63に比べて極端に短く、接続配管での放熱損失や熱媒体が接続配管で受ける圧損などを計算する必要がない。さらに、加熱装置5や循環ポンプ4の仕様は暖房面積や配管によって変わるのではなく、熱源機1に組み合わせられる放熱器2での放熱量や床暖房システム10内の熱媒体の循環流量によって決まるため、設置前に暖房箇所に応じた複雑な計算や設計を必要としない。さらに、故障等の問題が生じた場合、床暖房システム10では、熱源機1一台及び放熱器2一台が一対となった形態のため、原因箇所の特定及び対応を容易に行える。また、熱源機1一台対して放熱器2一台を備えるため、放熱器毎の熱媒体の流量が変わり易いといった問題がなくなる。さらに、暖房箇所の面積が広い場合、床暖房システム50、及び床暖房システム60のように放熱器の台数を増やしたり、それに応じて熱源機の仕様を変更したりするのではなく、暖房箇所の面積に応じて床暖房システム10の設置台数を決めれば良いだけなので、様々な暖房箇所に対して容易に対応できる。
また、床暖房システム50、及び床暖房システム60に備えられる配管52、53、及び配管62、63に比べて床暖房システム10の接続配管は極端に短いため、床暖房システム50、及び床暖房システム60に比べて配管での放熱損失が少ないことや、床暖房システム10全体での保有熱媒体量が少ないことによって、熱媒体を加熱するのに要する熱量が少なくて良い。具体的には、床暖房システム10では、熱源機1の暖房出力が、運転時の放熱器2での放熱量に対して、1.3倍以下で良い。ただし、十分に放熱器の温度を上げるためには、熱源機1の暖房出力が、運転時の放熱器2での放熱量に対して、1.0倍以上であることが好ましい。このように、床暖房システム10では、床暖房システム50、及び床暖房システム60に比べて加熱装置に対する要求性能が低いため、加熱装置5を小型化することができる。
また、床暖房システム50、及び床暖房システム60に備えられる配管52、53、及び配管62、63に比べて床暖房システム10の接続配管が極端に短いため、床暖房システム10では、熱媒体が接続配管で受ける圧損が小さくなるので、循環ポンプ4に対する要求性能も床暖房システム50、及び床暖房システム60に備えられる循環ポンプに比べて低くなる。具体的には、床暖房システム10では、循環ポンプ4の揚程が、運転時に熱媒体管3で熱媒体が受ける圧損に対して、1.1倍以下で良い。ただし、熱媒体を十分に循環させるためには、循環ポンプ4の揚程が、運転時に熱媒体管3で熱媒体が受ける圧損に対して、1.0倍以上であることが好ましい。このように、床暖房システム10では、床暖房システム50、及び床暖房システム60に比べて循環ポンプに対する要求性能が低いため、循環ポンプ4を小型化することができる。
さらに、床暖房システム10全体の保有熱媒体量が、床暖房システム50、及び床暖房システム60に比べて少ないため、熱源機1の備えられる膨張タンク18も小型化することができる。
上述したように、床暖房システム10では、熱源機1に備えられる部材に対する要求仕様が、床暖房システム50、及び床暖房システム60に比べて低くなるので、熱源機51、及び熱源機61に対して熱源機1を小型化することができる。そのため、床暖房システム10は設置場所に対して受ける制約が少ない。
したがって、床暖房システム10は、設置が容易であり、かつ、高い省エネルギー性を実現可能となる。また、設置が容易であることから、従来では10畳程度の部屋に放熱器を設置する場合、3日〜5日要していた設置工事を、4時間〜5時間程度で終わらせることが可能となり、既築物件への設置が行い易い。さらに、床暖房システム10は、電気エネルギーを利用して運転するため、商用電源以外に、風力、波力、太陽光、燃料電池、ガスマイクロタービン、熱発電等の様々なエネルギー形態を利用した温水式床暖房システムを構築できる。また、熱源機1が、熱源機51、61に比べて小型化されることで、図1(a)に示すように、床暖房システム10では、熱源機1の上面と放熱器2の上面とが、略同一平面上に配置することが可能となり、床暖房システム10が設置される室内を広く使える、美観に優れる等の利益を得られる。
以下、熱源機1を構成する各部材について、さらに詳しく述べる。
図2(a)に示すように、床暖房システム10に備えられる熱源機1は、一方の端に第1放熱器接続プラグ13a(以下、「供給口13a」という。)を有し、他方の端に第2放熱器接続プラグ13b(以下、「戻り口13b」という。)を有する内部熱媒体配管7を備えている。さらに、内部熱媒体配管7の供給口13aと戻り口13bとの間には、熱交換器5a、循環ポンプ4、熱媒体注入口19、19、及び、膨張タンク18が設けられている。熱交換器5aには銅管が用いられており、その外周面側に加熱ヒーター5bが配設される。さらに、熱源機1は制御装置16を備えており、この制御装置16は、商用電源接続端子14を有し、加熱ヒーター5b及び循環ポンプ4を、熱媒体センサ11、過熱防止センサ12、及び、制御基板15によって制御する。そして、供給口13a、及び、戻り口13bの少なくとも一部と、内部熱媒体配管7と、熱交換器5aと、循環ポンプ4と、熱媒体注入口19、19と、膨張タンク18と、加熱ヒーター5bと、制御装置16とは、外装ケース17に平面に配置して収容され、外装ケース17の一面において、供給口13a、及び、戻り口13bから熱媒体の出入りが行われる。また、外装ケースの厚さは概ね放熱器と同じ厚さ(約12mm程度)となっており、床暖房システム10設置時に、熱源機1を床面と略平行に設置する場合は、熱源機1の上面と放熱器2の上面が略同一平面上に配置される。ただし、循環ポンプ4収容部分は床下側に突出した構成となる場合がある。
床暖房システム10の運転時には、供給口13aから熱媒体管3(放熱器2)へと供給された熱媒体は、戻り口13bから内部熱媒体配管7(熱源機1)へと戻り、加熱ヒーター5bによって加熱された熱交換器5aと熱交換によって所定の温度に昇温され、再び循環ポンプ4の力によって、供給口13aから熱媒体管3へと送り出される。床暖房システム10の運転時の循環ポンプ4及び加熱ヒーター5bの制御は、制御装置16によって行われる。制御装置16は、制御基板15と、熱媒体センサ11と、過熱防止センサ12とを有しており、制御基板15には、操作盤32、熱媒体センサ11、及び、過熱防止センサ12からの信号を受けて循環ポンプ4及び加熱ヒーター5bを安全に制御するための制御回路が組み込まれている。
熱媒体管3には、架橋ポリエチレン管を用いる。架橋ポリエチレン管を用いることで、熱媒体管3内を流れる熱媒体の温度を床面に効率良く伝えることができる。熱媒体管3の内径は5〜6mm、外径は7〜8mm程度が好ましい。
循環ポンプ4には、床暖房システム10の運転時に熱媒体管3で熱媒体が受ける圧損に対して、1.0倍以上1.1倍以下の揚程を有しているものを用いる。また、循環ポンプ4は、AC100V若しくはAC200Vの商用電源で直接駆動させることが可能である。さらに、熱源機1の厚さを極力抑えるため、外形寸法が極力小さい仕様が好ましく、特に厚みの薄いものがより好ましい。
熱交換器5aには、熱源機1を薄型化し、熱交換率を高くする等の観点から、熱伝導度が高い銅管を用いる。熱交換器5aの内径は5mm〜6mm、外径は7mm〜8mm程度が好ましい。また、熱交換器5aは屈曲状態で外装ケース17に収容されており、曲げ半径は外径の5倍以上が好ましい。熱交換器5aの全長は、熱交換能力の設計値から定められる。例えば、熱交換器5aの表面温度が90℃均一、床暖房システム10内を流れる熱媒体の流量が1L/分の時に、放熱器2から熱源機1へと戻ってくる熱媒体の温度が46℃、熱源機1から放熱器2へと供給される熱媒体の温度が60℃となる管長を、熱伝達量と所要熱交換量から計算することができる。熱交換器5aの両端は、熱媒体の入り側が膨張タンク18側に接続され、熱媒体の出側が循環ポンプ4側に接続される。このとき、必要に応じて、タケノコ継手のような部材を用いる。
熱交換器5aの外周面側には、図2(b)に示すように、絶縁塗布材5dを介して加熱ヒーター(カーボン面状ヒーター)5bが配設される。加熱ヒーター5bの具体的な構造の一例としては、図2(b)に示すように、短絡防止のために熱交換器5aの表面に絶縁塗布材5dが下地塗されており、その外周面側の加熱箇所にカーボンペーストが均一な厚さで塗布されている。絶縁塗布材5dは、酸化金属系かガラス系のような化学的に安定した材料であれば良い。加熱箇所は、熱交換器5aの全長を定めるために行った上記計算によって得られた管長内とする。加熱能力は1000W〜1500W程度を目安にカーボンペーストの仕様を決定する。さらに、加熱ヒーター5bとなるカーボンペーストの両端には、交流電流を印加するための給電端子5c、5cを設ける。給電端子5c、5cは、制御基板15の出力端子と接続され、加熱制御される。
内部熱媒体配管7には、銅管、樹脂管、又はゴム管を用いる。本発明では、熱源機1が暖房箇所に設置されるため、熱源機1(内部熱媒体配管7)内を流れる熱媒体の熱も床面に伝えられた方が暖房効率が良い。熱伝導性の観点からは、内部熱媒体配管7に銅管等を用いることが好ましく、暖房効率を高めることができる。また、熱交換機5aと内部熱媒体管7とを銅管とすることによって、両部材を1つの部材として製造することができる。
膨張タンク18は、温度変化によって熱媒体の体積が増加した場合に、その増加分を吸収できる空間を有する容器であって、床暖房システム10の運転時の環境に耐え得るために耐電蝕性及び耐久性を有している。また、熱源機1を薄型化するために、厚さを極力抑えるという観点から、厚さ1mm程度の銅板を用いるのが好ましい。このとき、膨張タンク18の外形寸法は、厚みが8mm〜10mm程度、縦・横寸法は、床暖房システム10全体での保有熱媒体量、熱媒体の膨張率、初期充填圧、及び系内最大圧力から計算される所要タンク容量から求める。
膨張タンク18内には空気室が設けられており、この空気室は、耐薬品性及び耐熱性に優れた化学的に安定した弾性ゴム系で構成されるエアバックを膨張タンク18内に詰める構造となっている。このことにより、構造の長期安定性、簡単化、及び低価格化を実現できる。
空気室と熱媒体が充填する箇所は、銅板による隔壁で分離され、隔壁には複数の穴若しくはスリットを設けることで、膨張した熱媒体が自由に出入りできる構造となっている。
また、膨張タンク18の両端には接続用口20a、20bが設けられており、接続用口20aは、加熱装置5側に接続され、接続用口20bは、放熱器2(熱媒体管3)側に接続される。図1(a)では、接続用口20a、20bと熱媒体注入口19、19とが一体になっている形態を例示しているが、これらは一体構造でも、それぞれが分離された構造でも良い。
熱媒体注入口19、19は床暖房システム10を設置時に、熱媒体管3等に熱媒体を注入するための開口部である。上述したように、熱媒体注入口19、19は膨張タンクの接続用口20a、20bと一体型のプラグとして設置されても良く、分離した構造で設置されても良い。熱媒体注入口19、19には、熱媒体の注入完了後に熱媒体の逆流を防止できる弁構造が付加されることが好ましい。
熱媒体センサ11は、内部熱媒体配管7内の熱媒体の量、及び熱媒体の温度を検知するセンサである。熱媒体センサ11のうち、熱媒体の量を検知するセンサとしては、浮き子を用いて内部熱媒体配管7内の熱媒体の有無を検知するセンサを用いる。また、熱媒体の温度を検知するセンサとしては、サーミスター等を挙げることができる。かかる形態とすることによって、設計や回路を単純にすることができる。
過熱防止センサ12は、内部熱媒体配管7内の熱媒体の温度を検知し、制御するセンサである。過熱防止センサ12としては、例えば、開動作温度90℃、閉温度80℃以下の市販のサーモスタットを用いることができる。
制御基板15は、図3に示すような、熱媒体センサ11からの信号で開閉する熱媒体センサ回路27、及び過熱防止センサ12からの信号で開閉する過熱防止センサ回路28によって循環ポンプ4及び加熱ヒーター5bを安全に制御するための制御回路が組み込まれている。また、制御基板15には、AC100V若しくはAC200Vの商用電源と接続するための商用電源接続端子14(以下、単に「端子14」という。)が設けられており、電圧を入力することで直ちに循環ポンプ4及び加熱ヒーター5bの制御を開始することができる。
制御基板15は、端子14にAC100V若しくはAC200Vが接続されると、抵抗21及び抵抗22で分圧された信号が、熱媒体センサ回路27及び過熱防止センサ回路28を介してトライアック25のゲートへ、また、熱媒体センサ回路27を介してトライアック26のゲートへと入力されて、トライアック25及び26がON状態となり、循環ポンプ4及び加熱ヒーター5bが作動を開始する。内部熱媒体配管7に熱媒体が無いときは、熱媒体センサ回路27がオープンとなり、トライアック25及び26へのゲート信号が遮断されるため、循環ポンプ4及び加熱ヒーター5bが停止する。熱媒体が内部熱媒体配管7に充満状態であり、かつ、循環ポンプ4及び加熱ヒーター5bが作動している時に、何らかの原因で過熱防止センサ12が働いた場合は、過熱防止センサ回路28がオープンとなり、加熱ヒーター5bが停止する。このとき、循環ポンプ4は停止しない。
トライアック25としては、耐圧400V以上で制御電流10A以上のトライアックが好ましい。また、トライアック26としては、耐圧400V以上で制御電流0.5A以上のトライアックが好ましい。
本発明の床暖房システムにおいて、熱媒体管は、熱媒体が有する熱量を床面等に伝えられ、床暖房システムを運転中の環境に耐えられるものであれば、特に限定されない。熱媒体管の具体例として、例えば、ポリエチレン管等の樹脂管や、銅管やアルミニウム管等の金属管を挙げることができる。ただし、熱伝導効率を良くするといった観点からは、熱伝導性の良好な銅管が好ましい。
本発明の床暖房システムにおいて、内部熱媒体配管は、熱源機を運転中の環境に耐えられるものであれば、特に限定されない。内部熱媒体配管の具体例として、例えば、ポリエチレン管等の樹脂管や、銅管やアルミニウム管等の金属管を挙げることができる。ただし、本発明では、熱源機が暖房箇所に設置されるため、熱源機(内部熱媒体配管)内を流れる熱媒体の熱も床面に伝えられた方が暖房効率が良い。そのため、熱伝導効率を良くするといった観点からは、熱伝導性の良好な銅管等を用いるのが好ましい。
本発明の床暖房システムにおいて、熱交換器は、熱媒体に適切な熱量を伝えられるものであれば、特にその形態を問わない。ただし、熱源機を薄型化し、熱交換率を高くする等の観点からは、内径5mm〜6mm、外径7mm〜8mm程度の熱伝導度が高い銅管を用いることが好ましい。
本発明の床暖房システムにおいて、加熱ヒーターは、熱交換器に適切な熱量を伝えられるものであれば、特にその形態を問わない。加熱ヒーターの具体例として、例えば、ニクロム線ヒーター、カーボン面状ヒーター等を挙げることができる。ただし、熱源機を薄型化するために、厚さを極力抑え、さらに、加熱効率を良くする等の観点からは、カーボン面状ヒーターが好ましい。
本発明の床暖房システムにおいて、循環ポンプは、床暖房システムの運転時に熱媒体管で熱媒体が受ける圧損に対して、1.1倍以下の揚程を有しており、床暖房システムの運転時の環境に耐えられるものであれば、特にその形態を問わない。ただし、熱媒体を十分に循環させるためには、循環ポンプの揚程が、床暖房システムの運転時に熱媒体管で熱媒体が受ける圧損に対して、1.0倍以上であることが好ましい。また、AC100V若しくはAC200Vの商用電源で直接駆動できる軽量なものが好ましく、さらに、熱源機の厚さを極力抑えるといった観点からは、外形寸法が極力小さい仕様が好ましく、特に厚みの薄いものがより好ましい。
本発明の床暖房システムにおいて、膨張タンクは、温度変化によって熱媒体の体積が増加した場合に、その増加分を吸収できる空間を有する容器であって、床暖房システムの運転時の環境に耐え得るために耐電蝕性及び耐久性を有するものであれば、特にその形態を問わない。ただし、熱源機を小型化するために、厚さを極力抑えるという観点からは、例えば、厚さ1mm程度の銅板を用いるのが好ましい。このとき、膨張タンクの外形寸法は、厚みが8mm〜10mm程度、縦・横寸法は、床暖房システム全体での保有熱媒体量、熱媒体の膨張率、初期充填圧、及び系内最大圧力から計算される所要タンク容量から求める。
本発明の床暖房システムにおいて、熱媒体センサは、内部熱媒体配管内の熱媒体の量、及び熱媒体の温度を検知できるものであれば、特にその形態を問わない。本発明で用いることができる熱媒体センサとして、例えば、熱媒体の電気抵抗を測ることによって内部熱媒体配管内の熱媒体の有無を検知するセンサや、浮き子を用いて内部熱媒体配管内の熱媒体の有無を検知するセンサ等を挙げることができる。ただし、設計を単純なものとする観点からは、回路が単純な浮き子センサを用いるセンサが好ましい。また、熱媒体の温度を検知するセンサとしては、サーミスター等を挙げることができる。
以下に、図4及び図5を用いて、床暖房システム10の使用形態について説明する。
図4は、一台の床暖房システム10が使用される形態を概略的に示している。図4に示すように、床暖房システム10は、開閉器31、漏電ブレーカ33を介して、商用電源34に接続して使用される。開閉器31は、通信線35を介して操作盤32と接続されており、操作盤32を操作することによって間欠的に開閉(ON/OFF)することができる。
図5は、複数の暖房箇所に床暖房システム10、10、…が使用される形態を概略的に示している。図5に示すように、面積が広い暖房箇所に床暖房システム10、10、…を使用する場合は、その面積に応じた台数の床暖房システム10を設置する。そして、暖房箇所毎(暖房箇所(1)及び暖房箇所(2))で床暖房システム10、10、…は電気的に並列に接続され、それらの床暖房システム10、10、…が開閉器31、漏電ブレーカ33を介して、商用電源34に接続して使用される。
本発明で用いることができる商用電源34としては、AC100V、AC200Vを問わず、どちらでも良い。本発明で用いることができる開閉器31としては、機械式接点方式、半導体方式の何れでも良い。本発明で用いることができる操作盤32としては、室温設定、室温検知の機能があり、室温に応じて開閉器31を制御できるものであれば、特に限定しない。漏電ブレーカ33、開閉器31、及び、操作盤32の制御容量は、開閉器31以降に接続される床暖房システム10の総数によって決定される。
これまでの説明では、熱源機1と放熱器2が同一平面(床面)上に配置される形態について説明したが、本発明はかかる形態に限定されるものではない。例えば、放熱器2を床面に設置し、熱源機1を壁面に固定する形態も考えられる。
図7は、本発明にかかる床暖房システムの設置方法を簡略化して示すフローチャートである。
図7に示すように、床暖房システム10の設置方法は、放熱器敷設工程(工程S71)、配管接続工程(工程S72)、注水工程(工程S73)、電源入力工程(工程S74)、エア抜き工程(工程S75)、及び、昇温確認工程(工程S76)を備える。以下、図1、図2、及び、図7を参照しつつ、床暖房システム10の設置方法について具体的に説明する。
<放熱器敷設工程S71>
工程S71は、放熱器2及び熱源機1を下地合板8上に設置する工程である。このとき、循環ポンプ4が放熱器2より厚い場合は、熱源機1の循環ポンプ4収容部分が載置される下地合板8及び根太9には、事前に穴あけ加工が必要となる。
<配管接続工程S72>
工程S72は、熱源機1と放熱器2とを接続する工程である。具体的には、従来の床暖房システムの様な配管が必要なく、供給口13a及び戻り口13bを介して、内部熱媒体配管7と熱媒体管3を接続するだけで良い。
<注水工程S73>
工程S73は、熱源機1の備えられる注水バルブ19から、熱媒体を注入する工程である。注水バルブ19は二つ備えられている。注水バルブ19、19両方を開放し、一方から熱媒体を注入することで、他方からは配管内の空気等を押し出すことができる。熱媒体注入後、熱媒体の漏れがないか確認する。
<電源入力工程S74>
工程S74は、熱源機1に商用電源を入力する工程である。商用電源は、AC100V、AC200Vの何れでも良い。
<エア抜き工程S75>
工程S75は、床暖房システム10の配管内の残存エアを抜く工程である。熱媒体管3、内部熱媒体配管7、循環ポンプ4等に完全に熱媒体を張り、エア抜きを行う。エア抜き完了後、再度熱媒体の漏れがないか確認する。
<昇温確認工程S76>
工程S76は、床暖房システム10が正常に運転できるか確認する工程である。熱源機1を運転させて、熱媒体の温度の立ち上がりを確認する。このとき、熱媒体の漏れや、スイッチ類が正常に作動するかも確認する。
既築住宅等に設置する際は、床暖房システムの設置開始から完了までの間、床暖房システム設置予定箇所でお客様が生活することは困難である。従来の床暖房システムでは、設置期間として10畳程度の部屋に放熱器を設置する場合、3日〜5日もの時間を要していたため、既築物件に床暖房システムを設置する際は、長期間お客様の日常生活に支障をきたすことがあった。しかし、本発明にかかる床暖房システムは設置が容易であり、上記工程S71〜76を4時間〜5時間で終わらせることができる。したがって、本発明の床暖房システムによれば、既築物件への設置も非常に有効である。
以上、現時点において、最も実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う床暖房システムもまた、本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明にかかる床暖房システムの構成例を概略的に示す図である。(a)は本発明にかかる床暖房システムの上面図であり、(b)は(a)に示したx−x´での断面を概略的に示す図である。 (a)は本発明にかかる床暖房システムに備えられる熱源機の形態例を概略的に示す図である。(b)は(a)に示したy−y´での断面を概略的に示す図である。 本発明にかかる熱源機に備えられる制御装置の制御回路例を概略的に示す図である。 本発明にかかる床暖房システムの使用形態例を概略的に示す図である。 本発明にかかる床暖房システムの他の使用形態例を概略的に示す図である。 従来の温水式床暖房システムの構成例を概略的に示す図である。(a)は熱源機が屋外に設置される温水式床暖房システムを示し、(b)は熱源機が屋内に設置される温水式床暖房システムを示す。 本発明にかかる床暖房システムの設置方法を簡略化して示すフローチャートである。
符号の説明
1 熱源機
2、2a、2b、2c、2d 放熱器
3 熱媒体管
4 循環ポンプ
5 加熱装置
5a 熱交換器
5b 加熱ヒーター
5c 給電端子
5d 絶縁塗布材
6 床仕上げ材
7 内部熱媒体配管
8 下地合板
9 根太
10 床暖房システム
11 熱媒体センサ
12 過熱防止センサ
13a 第1放熱器接続プラグ(供給口)
13b 第2放熱器接続プラグ(戻り口)
14 商用電源接続端子
15 制御基板
16 制御装置
17 外装ケース
18 膨張タンク
19 熱媒体注入口
20a、20b 接続用口
21、22、23 抵抗
24 コンデンサ
25、26 トライアック
27 熱媒体センサ回路
28 過熱防止センサ回路
31 開閉器
32 操作盤
33 漏電ブレーカ
34 商用電源
35 通信線
50 従来の床暖房システム
51 熱源機
52 温水往き配管
53 温水戻り配管
60 従来の床暖房システム
61 熱源機
62 温水往き配管
63 温水戻り配管

Claims (7)

  1. 熱源機、及び、熱媒体が流れる熱媒体管を内部に有する放熱器、を具備する床暖房システムであって、
    前記熱源機が、前記放熱器毎に、前記放熱器と同空間で隣接して設置され、
    前記熱源機の暖房出力が、運転時の前記放熱器での放熱量に対して、1.3倍以下であることを特徴とする、床暖房システム。
  2. 前記熱源機が、運転時に前記熱媒体管内で前記熱媒体が受ける圧損に対して、1.1倍以下の揚程の循環ポンプを備えることを特徴とする、請求項1に記載の床暖房システム。
  3. 前記放熱器及び前記熱源機の設置時の距離が、200mm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の床暖房システム。
  4. 前記放熱器及び前記熱源機を設置時、前記放熱器の上面及び前記熱源機の上面が略同一平面上に配置されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の床暖房システム。
  5. 前記熱源機が、一方の端に第1放熱器接続プラグを有し、他方の端に第2放熱器接続プラグを有する内部熱媒体配管と、
    該内部熱媒体配管の前記第1放熱器接続プラグと前記第2放熱器接続プラグとの間に設けられる、熱交換器、前記循環ポンプ、熱媒体注入口、及び、膨張タンクと、
    前記熱交換器に接触して設けられる加熱ヒーターと、
    商用電源接続端子を有し、前記加熱ヒーター及び前記循環ポンプを制御する制御装置と、
    を備えており、
    前記第1放熱器接続プラグ及び前記第2放熱器接続プラグの少なくとも一部と、前記内部熱媒体配管と、前記熱交換器と、前記循環ポンプと、前記熱媒体注入口と、前記膨張タンクと、前記加熱ヒーターと、前記制御装置とが、外装ケース内に平面に配置されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の床暖房システム。
  6. 前記制御装置が熱媒体センサを有することを特徴とする、請求項5に記載の床暖房システム。
  7. 前記制御装置が過熱防止センサを有することを特徴とする、請求項5又は6に記載の床暖房システム。
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