JP2008307490A - 油水分離用油吸着材 - Google Patents
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Abstract
【課題】粘性の低い油についても好適に吸着し、油を水から効率よく分離回収できる油水分離用油吸着材を提供すること。
【解決手段】粒状の炭化物を、溶剤で溶かしたシリコーン樹脂等の撥水性の樹脂でコーティングすることで設けられている。その炭化物は、フェノール樹脂のような稠密な可燃物材料を焼成することで得ることができる。また、その炭化物は、前記可燃物材料にベントナイト等の無機質粘結材をコーティングした後に焼成して得ることができる。
【選択図】なし
【解決手段】粒状の炭化物を、溶剤で溶かしたシリコーン樹脂等の撥水性の樹脂でコーティングすることで設けられている。その炭化物は、フェノール樹脂のような稠密な可燃物材料を焼成することで得ることができる。また、その炭化物は、前記可燃物材料にベントナイト等の無機質粘結材をコーティングした後に焼成して得ることができる。
【選択図】なし
Description
本発明は油水分離用油吸着材に関する。
従来、油を水から分離するには、油を撥水性のある繊維に付着させる方法がある。
また、炭化物を利用する油水分離手段としては、木綿を原料とし、焼成して得られた炭化綿からなり、水中に溶解している有機又は無機分子を吸着し、除去する浄化、精製又は脱色フィルターが開示されている(特許文献1参照)。
上記の油水分離の原理は、どちらも油の高い粘性を利用し、その油をからめ取るように繊維状の物に付着させて水から分離させるものである。
また、炭化物を利用する油水分離手段としては、木綿を原料とし、焼成して得られた炭化綿からなり、水中に溶解している有機又は無機分子を吸着し、除去する浄化、精製又は脱色フィルターが開示されている(特許文献1参照)。
上記の油水分離の原理は、どちらも油の高い粘性を利用し、その油をからめ取るように繊維状の物に付着させて水から分離させるものである。
なお、炭化物の製造方法としては、粉末状もしくは粒状をなす、可燃物あるいは可燃物を含む物を出発原料とし、該出発原料に水分を添加し、もしくは添加しないで出発原料の水分量を所要量に調整し、該出発原料とベントナイト等の無機質粘結材とを混練して原料の表面を該無機質粘結材で被覆して該原料を成形することなく、ロータリーキルン中にて酸化雰囲気中で炭化物に焼成する炭化物の製造方法が開示されている(特許文献2参照)。
特開2004−57894号公報(第1頁)
特許第3272182号公報(第1頁)
油水分離用油吸着材に関して解決しようとする問題点は、従来の繊維状の物による場合には、粘性の低い油については分離が難しく、油を分離回収できる容量が小さい点にある。
そこで、本発明の目的は、粘性の低い油についても好適に吸着し、油を水から効率よく分離回収できる油水分離用油吸着材を提供することにある。
そこで、本発明の目的は、粘性の低い油についても好適に吸着し、油を水から効率よく分離回収できる油水分離用油吸着材を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる油水分離用油吸着材の一形態によれば、粒状の炭化物等の多孔質焼成物を撥水性の樹脂でコーティングしたことを特徴とする。
本発明にかかる油水分離用油吸着材の一形態によれば、粒状の炭化物等の多孔質焼成物を撥水性の樹脂でコーティングしたことを特徴とする。
また、本発明にかかる油水分離用油吸着材の一形態によれば、前記炭化物は、稠密な可燃物材料を焼成することで得られたことを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる油水分離用油吸着材の一形態によれば、前記炭化物は、フェノール樹脂を焼成して得られたことを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる油水分離用油吸着材の一形態によれば、前記炭化物は、フェノール樹脂を焼成して得られたことを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる油水分離用油吸着材の一形態によれば、前記炭化物は、可燃物材料に無機質粘結材をコーティングした後に焼成して得られたことを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる油水分離用油吸着材の一形態によれば、前記無機質粘結材は、ベントナイトであることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる油水分離用油吸着材の一形態によれば、前記無機質粘結材は、ベントナイトであることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる油水分離用油吸着材の一形態によれば、撥水性の樹脂を、溶剤で溶かして炭化物にコーティングしたことを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる油水分離用油吸着材の一形態によれば、前記撥水性の樹脂は、シリコーン樹脂であることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる油水分離用油吸着材の一形態によれば、前記撥水性の樹脂は、シリコーン樹脂であることを特徴とすることができる。
本発明にかかる油水分離用油吸着材によれば、粘性の低い油についても好適に吸着し、油を水から効率よく分離回収できるという特別有利な効果を奏する。
以下、本発明にかかる油水分離用油吸着材の最良の形態例を詳細に説明する。
本発明にかかる油水分離用油吸着材は、粒状の炭化物等の多孔質焼成物を撥水性の樹脂でコーティング(以下、「被覆」とも記す。)して得られた物であることを基本的な構成要素とする。
なお、炭化物は多孔質焼成物の一種であり、多孔質焼成物の例としてはセラミックスがある。また、炭化物とセラミックスとが一体的に構成された多孔質焼成物もある。
本発明にかかる油水分離用油吸着材は、粒状の炭化物等の多孔質焼成物を撥水性の樹脂でコーティング(以下、「被覆」とも記す。)して得られた物であることを基本的な構成要素とする。
なお、炭化物は多孔質焼成物の一種であり、多孔質焼成物の例としてはセラミックスがある。また、炭化物とセラミックスとが一体的に構成された多孔質焼成物もある。
前記炭化物は、稠密な可燃物材料を焼成することで得られた物であることで、高い保形性を維持できる。
例えば、その稠密な可燃物材料がフェノール樹脂であって、前記炭化物はそのフェノール樹脂を焼成して得られた物であることで、保形強度のある好適な炭化物を得ることができる。つまり、ベークライトと呼ばれるフェノール樹脂の破砕物(粒状)を可燃物材料として焼成すれば、粒状で崩壊しにくい保形性の高い炭化物を得ることができる。
また、フェノール樹脂が被覆された紙からも保形性の高い炭化物を得ることができる。なお、フェノール樹脂の破砕物としては、電気絶縁基板を製造する際の廃棄物を利用できる。
なお、炭化物の原料となる稠密な可燃物材料として、やし殻等の活性炭の原料となる材料を用いることもできる。また、その炭化物とは、活性炭であってもよい。
例えば、その稠密な可燃物材料がフェノール樹脂であって、前記炭化物はそのフェノール樹脂を焼成して得られた物であることで、保形強度のある好適な炭化物を得ることができる。つまり、ベークライトと呼ばれるフェノール樹脂の破砕物(粒状)を可燃物材料として焼成すれば、粒状で崩壊しにくい保形性の高い炭化物を得ることができる。
また、フェノール樹脂が被覆された紙からも保形性の高い炭化物を得ることができる。なお、フェノール樹脂の破砕物としては、電気絶縁基板を製造する際の廃棄物を利用できる。
なお、炭化物の原料となる稠密な可燃物材料として、やし殻等の活性炭の原料となる材料を用いることもできる。また、その炭化物とは、活性炭であってもよい。
また、前記炭化物は、粒状の可燃物材料に無機質粘結材をコーティングした後に焼成して得られた物とすることができる。そして、その無機質粘結材を、ベントナイトとすることができる。ベントナイトを代表とする無機質粘結材は、膨潤性があって、粘結性が有る。このため、水によって分散され、可燃物材料の表面を薄く好適に被覆できる。
ベントナイト等の無機質粘結材を、可燃物材料の表面に薄くしかも均一に被覆するには、水分調整を適宜に行って混練すればよい。これを焼成すれば、吸水性に極めて富んだ炭化物を得ることができる。これは、その炭化物が良好な多孔質になっているためである。
そして、この吸水性に極めて優れた炭化物に、撥水性の樹脂を薄く均一に被覆することで、極めて高い吸油性を生じる。
そして、この吸水性に極めて優れた炭化物に、撥水性の樹脂を薄く均一に被覆することで、極めて高い吸油性を生じる。
前記炭化物に撥水性の樹脂を被覆するには、撥水性の樹脂を溶剤で溶かして炭化物にコーティングすることで行うことができる。
溶剤としてはシンナーなどの揮発性のある有機溶剤等を用いることができる。その溶剤によって撥水性のある樹脂を溶かして分散させ、炭化物と混合、炭化物にスプレー、又は炭化物を浸漬することでコーティングできる。その溶剤は気化させて飛ばすことで、撥水性のある樹脂を前記炭化物の表面に薄くしかも均一に被覆することができる。このとき、例えば、孔径0.5〜1mm程度のポーラス状となった撥水性樹脂による被膜を形成するとよい。
前記撥水性の樹脂は、シリコーン樹脂とすることができる。シリコーン樹脂は溶剤に溶け、優れた撥水性を有する。
溶剤としてはシンナーなどの揮発性のある有機溶剤等を用いることができる。その溶剤によって撥水性のある樹脂を溶かして分散させ、炭化物と混合、炭化物にスプレー、又は炭化物を浸漬することでコーティングできる。その溶剤は気化させて飛ばすことで、撥水性のある樹脂を前記炭化物の表面に薄くしかも均一に被覆することができる。このとき、例えば、孔径0.5〜1mm程度のポーラス状となった撥水性樹脂による被膜を形成するとよい。
前記撥水性の樹脂は、シリコーン樹脂とすることができる。シリコーン樹脂は溶剤に溶け、優れた撥水性を有する。
このように製造された油水分離用油吸着材は、ベッド型の活性炭フィルタと同様に、所要の厚さのベッド(層)をなすフィルタの形状として用いることができる。
また、この油水分離用油吸着材を適宜な袋に詰めて、油の浮遊する水面に投じても、効果的に油を吸着できる。
これに限らず、この油水分離用油吸着材は、種々のフィルタ等の吸着材としての構成素材として広く用いることができるのは勿論である。特に、極めて優れた多孔質構造となっているため、吸着容量が大きいという特長もある。
また、この油水分離用油吸着材を適宜な袋に詰めて、油の浮遊する水面に投じても、効果的に油を吸着できる。
これに限らず、この油水分離用油吸着材は、種々のフィルタ等の吸着材としての構成素材として広く用いることができるのは勿論である。特に、極めて優れた多孔質構造となっているため、吸着容量が大きいという特長もある。
この油水分離用油吸着材によれば、例えば、廃油が混じった汚水やタンカー事故等で油が混濁された海水から、油分を好適に分離回収できる。また、この油水分離用油吸着材は炭化物と樹脂であり、焼却処分を好適に行うことができる。
また、フェノール樹脂等の廃棄物を利用し、前記炭化物を得ることができるため、廃棄物を好適に減量化でき、環境保護にも貢献できる。
また、フェノール樹脂等の廃棄物を利用し、前記炭化物を得ることができるため、廃棄物を好適に減量化でき、環境保護にも貢献できる。
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
Claims (7)
- 粒状の炭化物等の多孔質焼成物を撥水性の樹脂でコーティングしたことを特徴とする油水分離用油吸着材。
- 前記炭化物は、稠密な可燃物材料を焼成することで得られたことを特徴とする請求項1記載の油水分離用油吸着材。
- 前記炭化物は、フェノール樹脂を焼成して得られたことを特徴とする請求項1又は2記載の油水分離用油吸着材。
- 前記炭化物は、可燃物材料に無機質粘結材をコーティングした後に焼成して得られたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の油水分離用油吸着材。
- 前記無機質粘結材は、ベントナイトであることを特徴とする請求項4記載の油水分離用油吸着材。
- 撥水性の樹脂を、溶剤で溶かして炭化物にコーティングしたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の油水分離用油吸着材。
- 前記撥水性の樹脂は、シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の油水分離用油吸着材。
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JP2007159542A JP2008307490A (ja) | 2007-06-15 | 2007-06-15 | 油水分離用油吸着材 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8809228B2 (en) | 2009-07-08 | 2014-08-19 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Oil adsorbent and method of manufacturing oil adsorbent |
-
2007
- 2007-06-15 JP JP2007159542A patent/JP2008307490A/ja active Pending
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