JP2008306652A - ソフトハンドオフ制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】音声品質の劣化が少ない屋内用無線通信システムに適したソフトハンドオフ制御方法を提供する。
【解決手段】CDMA方式の移動無線システムにおける基地局制御装置が、移動機のハンドオフ先候補となる基地局からのパイロット信号の受信レベル(Candidate Pilot Strength)と、既に移動機と接続されているソース基地局からからのパイロット信号の受信レベル(Active Pilot Strength)とが所定の条件を満足したか否かを判定し、所定の条件が満足された時、上記ハンドオフ候補となる基地局を上記移動機と接続するためのソフトハンドオフ(Soft-Add)を実行し、上記移動機が複数のソース基地局と同時に通信できる状態とするソフトハンドオフ制御方法。
【選択図】図1
【解決手段】CDMA方式の移動無線システムにおける基地局制御装置が、移動機のハンドオフ先候補となる基地局からのパイロット信号の受信レベル(Candidate Pilot Strength)と、既に移動機と接続されているソース基地局からからのパイロット信号の受信レベル(Active Pilot Strength)とが所定の条件を満足したか否かを判定し、所定の条件が満足された時、上記ハンドオフ候補となる基地局を上記移動機と接続するためのソフトハンドオフ(Soft-Add)を実行し、上記移動機が複数のソース基地局と同時に通信できる状態とするソフトハンドオフ制御方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、移動無線システムにおけるソフトハンドオフ制御方式に関し、特に、屋内をサービスエリアとして設置される無線基地局間での移動機ハンドオフに適したソフトハンドオフ制御方式に関する。
無線通信の分野では、通信方式の異なる各種の無線通信システムが導入されている。携帯電話用の第3世代の無線通信システムとして、複数ユーザの音声信号にそれぞれ異なる拡散符号を適用し、符号拡散された複数の音声信号を合成して、1つの周波数で搬送する符号分割多重接続(CDMA:Code Division Multiple Access)技術を用いた無線通信システムがある。CDMA2000 1x 800MHz方式の無線通信システムの詳細な構成や動作については、例えば、社団法人電波産業会(ARIB:Association of Radio Industries and Businesses)の標準規格「ARIB_STD−T53」(非特許文献1)で規定されている。
1つの周波数(FA)で形成できるトラフィックチャネルの数には上限があるため、CDMAの各基地局は、サービス周波数として、多重化される一群の周波数(FA)を使用して、サービスエリア内でのトラフィックに応じた多数の移動機を接続可能にしている。
移動無線システムでは、移動機と基地局との間の電波の状態、すなわち、移動機における無線信号の受信レベルが、基地局(アンテナ)と移動機との距離や、その間に存在する電波干渉/減衰要因によって経時的に変化する。移動機の通話品質を良好に維持するためには、ハンドオフ領域で移動機を複数の基地局と接続して、通話サービスするソフトハンドオフ(Soft Handoff:SHO)が有効となる。CDMAにおけるSHOの手順については、非特許文献1のARIB_STD−T53−C.S0005の2.6.6.2.7章で詳述されている。上記規格では、ハンドオフを円滑に行うための呼処理手順を定めている。
CDMA方式の移動無線システムにおいて、ハンドオフを起動するための判定処理や、ハンドオフに伴う呼処理については、各キャリアのインタフェース仕様や、装置メーカが提供する機器の性能に依存している。ハンドオフ方式としては、SHOの他に、基地局からの受信電波の強度レベルに応じて、移動機を最適な基地局に接続するハードハンドオフ(Hard Handoff:HHO)があるが、同一メーカが提供する仕様の統一された基地局からなる移動無線システムでは、一般的に、通話品質を良好に維持できるSHOが採用されている。
SOHでは、各移動機は、現在通信中の基地局(ソース基地局)が形成する通信ゾーン(セル領域)と、ソース基地局に隣接する別の基地局(ターゲット基地局)の通信ゾーンとの境界領域(ハンドオフ領域)に位置した時、ソース基地局との間の通信を維持したまま、現在使用中のサービス周波数で、ターゲット基地局との間に新たな通信チャネルを設定する。移動機は、同一のサービス周波数で、複数の基地局(ソース基地局とターゲット基地局)と同時に通信しながら、ハンドオフ領域を移動できる。
移動機が、ハンドオフ領域から、ターゲット基地局(またはソース基地局)のセル領域方向に移動し、ソース基地局(またはターゲット基地局)からの受信電波のレベルが閾値レベル以下に低下した時、ソース基地局(または、ターゲット基地局)との通信チャネルが解放される。この場合、移動機は、ターゲット基地局(またはソース基地局)を介して他の端末との通信を維持できるため、基地局の切り替えが発生しても、移動機は、通話品質に影響を受けることなく、セル間を移動することが可能となる。
ARIB_STD−T53 社団法人電波産業会発行
CDMA無線通信システムをビル等の屋内サービス用として構築する場合、トラフィック量、すなわち、サービスエリア内に存在する移動機の数に応じた適切な台数の基地局を設置する必要がある。屋内の無線通信システムでは、各基地局が形成するセル領域は、屋外用の無線通信システムに比較して狭くなるが、限られた領域内に多数の基地局が密集して配置された場合、ハンドオフ領域が随所に形成され、ハンドオフ(SHO)の発生頻度が屋外用と比べて格段に高くなる。
SHOを実行する時、基地局の上位装置である基地局制御装置RNC(Radio Network Controller)が、移動機に対して、呼処理手順に従って、ハンドオフ制御メッセージ(UHDM:Universal Handoff Direction Message)や一連のトラフィック制御メッセージ:In-Traffic Signaling Message(ITSPM、NLUM、PCNPM)を送信する。これらの制御メッセージは、音声フレームに割り込む形で、トラフィックチャネル(T−ch)で移動機に送信されるため、移動機が制御メッセージの受信中は、音声フレームが欠落するという問題がある。
サービスエリアが広域の屋外用の無線通信システムでは、セル領域が広く、ハンドオフ領域が離散して配置されているため、SHOの発生頻度も少なく、音声フレーム欠落による影響は少ない。しかしながら、上述した屋内用の無線通信システムでは、構造的にSHOの発生頻度が高くなるため、SHO実行時に発生する音声フレームの欠落が、音声の途切れや揺らぎといった形で、音声品質を劣化させる。
SHOの発生頻度を少なくする1つの方法として、例えば、SHOの起動条件となる受信レベルの閾値(T-ADD)を高くすることが考えられる。しかしながら、屋内のサービスエリアでは、基地局の配置や、移動機が受信する電波の強度が、場所によって異なっているため、T-ADD値の安易な変更は、SHOの適切な実行を妨げ、ソース基地局からの受信レベルの低下によって音声品質が劣化すると言う新たな問題が発生する。
本発明の目的は、音声品質の劣化が少ない屋内用無線通信システムに適したソフトハンドオフ制御方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、音声フレームの欠落を低減可能なソフトハンドオフ制御方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、音声フレームの欠落を低減可能なソフトハンドオフ制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によるソフトハンドオフ制御方法では、CDMA方式の移動無線システムにおける基地局制御装置が、移動機のハンドオフ先候補となる基地局からのパイロット信号の受信レベル(Candidate Pilot Strength)と、既に上記移動機と接続されているソース基地局からからのパイロット信号の受信レベル(Active Pilot Strength)とが所定の条件を満足したか否かを判定し、所定の条件が満足された時、上記ハンドオフ候補となる基地局を上記移動機と接続するためのソフトハンドオフ(Soft-Add)を実行し、上記移動機が複数のソース基地局と同時に通信できる状態とする。
更に詳述すると、本発明のハンドオフ制御方法では、基地局制御装置が、移動機のハンドオフ候補となる基地局からのパイロット信号の受信レベル(Candidate Pilot Strength)が、ソフトハンドオフの起動条件となる第1閾値(T-Add)を超えたことを検知した時、上記移動機と既に接続されているソース基地局からのパイロット信号の受信レベル(Active Pilot Strength)と、予め設定された第2閾値(Soft-Add Threshold)とを比較し、Active Pilot Strengthが第2閾値を下回っていた場合にのみ、移動機を上記ハンドオフ候補基地局にソフトハンドオフするための通信手順を実行することを特徴とする。
Active Pilot Strengthが上記第2閾値を下回っていなかった場合は、基地局制御装置は、移動機の上記ハンドオフ候補基地局へのソフトハンドオフを実行せず、上記移動機の監視状態をハンドオフ抑制状態にした後、上記移動機にパイロット信号強度の通知要求(PMRO)を周期的に送信する。
基地局制御装置は、上記移動機からの応答メッセージ(PSMM)が示す複数の基地局のパイロット信号レベルを解析し、ハンドオフ候補となる基地局のパイロット信号強度(Candidate Pilot Strength)が、第1閾値(T-Add)を超え、且つ、ソース基地局のパイロット信号強度(Active Pilot Strength)が第2閾値(Soft-Add Threshold)より低下したとき、移動機を上記ハンドオフ候補基地局にソフトハンドオフ(Soft-Add)するための通信手順を実行する。ハンドオフ候補となる基地局のパイロット信号強度(Candidate Pilot Strength)が、第1閾値(T-Add)よりも低下した場合は、ハンドオフ抑制状態が解除され、移動機は通常の監視状態に戻される。
本発明によれば、ハンドオフ領域が随所に形成される屋内用の移動無線システムにおいて、同一移動機でソフトハンドフ(SHO)が頻繁に繰り返されるのを防止できる。また、本発明によれば、SHOの実行に伴って基地局制御装置から移動機にトラフィックチャネルで送信される呼処理手順の制御メッセージ(UHDM)やIn-Traffic 制御メッセージ(ITSPM、NLUM、PCNPM)の送信回数を削減できるため、移動機がこれらの制御フレームの受信処理中に発生する音声フレームの欠落を減少させて、音声品質を劣化を防止できる。
以下、本発明によるソフトハンドオフ制御方法の1実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明のソフトハンドオフ制御方法では、複数の無線基地局(以下、単に基地局と言う)からの電波到達範囲(ゾーン)が重畳するハンドオフ領域において、移動機が受信する基地局からのパイロット信号の受信レベルが、従来のソフトハンドオフ(SHO)の起動条件を満足した時、基地局制御装置が、移動機をSHO抑制状態にしておき、移動機と既に通信中のソース基地局が送信するパイロット信号のうち、受信レベルが最も高いもの(以下、Best Active PNと言う)の時間的な推移と、フレーム誤り率FER(Frame Error Rate)を監視して、抑制状態にあるSHOの実行要否と実行タイミングを判断することに特徴がある。
本発明のソフトハンドオフ制御方法では、複数の無線基地局(以下、単に基地局と言う)からの電波到達範囲(ゾーン)が重畳するハンドオフ領域において、移動機が受信する基地局からのパイロット信号の受信レベルが、従来のソフトハンドオフ(SHO)の起動条件を満足した時、基地局制御装置が、移動機をSHO抑制状態にしておき、移動機と既に通信中のソース基地局が送信するパイロット信号のうち、受信レベルが最も高いもの(以下、Best Active PNと言う)の時間的な推移と、フレーム誤り率FER(Frame Error Rate)を監視して、抑制状態にあるSHOの実行要否と実行タイミングを判断することに特徴がある。
図1は、本発明が適用される無線通信ネットワークの構成例を示す。
100は、屋内をサービスエリアとする無線通信ネットワークであり、例えば、同一ベンダから提供されるソフトハンドオフ(SHO)可能な複数の基地局(BTS:Base Transmission Subsystem)50(50A〜50D)からなっている。これらの基地局50は、基地局制御装置(RNC:Radio Network Controller)20に接続され、RNC20は、無線通信ネットワーク100に属するコールエージェント装置(CA:Call Agent)10に接続されている。コールエージェント装置10は、公衆無線通信ネットワークに属した移動交換局(MSC:Mobile Switching Center)90と、IOS標準規格に定められた通信プロトコルに従って、所定のメッセージフォーマットで通信する。
100は、屋内をサービスエリアとする無線通信ネットワークであり、例えば、同一ベンダから提供されるソフトハンドオフ(SHO)可能な複数の基地局(BTS:Base Transmission Subsystem)50(50A〜50D)からなっている。これらの基地局50は、基地局制御装置(RNC:Radio Network Controller)20に接続され、RNC20は、無線通信ネットワーク100に属するコールエージェント装置(CA:Call Agent)10に接続されている。コールエージェント装置10は、公衆無線通信ネットワークに属した移動交換局(MSC:Mobile Switching Center)90と、IOS標準規格に定められた通信プロトコルに従って、所定のメッセージフォーマットで通信する。
基地局制御装置20には、保守システム(OMS:Operation and Maintenance System)30が接続されている。保守システム30は、無線通信ネットワーク100に属する通信装置を統合的に管理するためのシステムであり、ネットワーク管理者が操作する制御端末40と接続されている。ネットワーク管理者は、制御端末40の表示画面を通して、無線通信ネットワークの状態を監視し、システムの運用状態を示す管理情報の取得と、各通信装置に対するシステムパラメータの設定を行う。
実際の応用においては、基地局制御装置20には、より多くの基地局が収容されるが、ここでは、図面を簡略化するため、4台の基地局50A〜50Dのみを示してある。図示した無線通信ネットワーク100では、サービスエリアは、基地局50A〜50Dの電波到達エリア(通信ゾーン)Za、Zb、Zc、Zdで構成される。基地局50A〜50Dは、移動機MSがサービスエリア内でどこに位置しても、SHOによって通信の連続性と音声品質を保証できるように、それぞれの通信ゾーンを適切に重畳させた配置設計となっている。
図1では、移動機MSが、基地局50Aと50Bとのハンドオフ領域において、これら2つの基地局(ソース基地局)と同時に通信可能な状態(Two-Way状態)を示している。Paは、移動機MSが基地局50Aから受信するパイロット信号(Active Pilot)と無線伝播路を意味しており、Pbは、移動機MSが基地局50Bから受信するパイロット信号(Active Pilot)と無線伝播路を意味している。移動機MSが2つの基地局50A、50Bから受信するパイロット信号Pa、Pbのうち、受信レベルの強い方がBest Active PNとなる。以下の説明では、PaをBest Active PNとする。
移動機MSが、ハンドオフ領域内で基地局50A、50BとTwo-way状態にある間、基地局制御装置20は、移動機MSが受信するパイロット信号Pa、Pbを監視している。
移動機MSは、他の基地局50C(または50D)から受信するパイロット信号(Candidate Pilot)Pc(またはPd)の受信レベルが、SHOの起動条件となる第1閾値(T-ADD)を超えると、制御メッセージ(PSMM:Pilot Strength Measurement Message)によって、パイロット信号Pcの受信強度を基地局50Aに送信する。
移動機MSが、ハンドオフ領域内で基地局50A、50BとTwo-way状態にある間、基地局制御装置20は、移動機MSが受信するパイロット信号Pa、Pbを監視している。
移動機MSは、他の基地局50C(または50D)から受信するパイロット信号(Candidate Pilot)Pc(またはPd)の受信レベルが、SHOの起動条件となる第1閾値(T-ADD)を超えると、制御メッセージ(PSMM:Pilot Strength Measurement Message)によって、パイロット信号Pcの受信強度を基地局50Aに送信する。
上記PSMMは、基地局50Aを介して、基地局制御装置20に転送される。基地局制御装置20は、後述するように、パイロット信号Pcに関して、移動機MSをソフトハンドオフ(SHO)抑制状態にして、パイロット信号PcとBest Active PNのその後の受信レベル変化を監視する。
基地局制御装置20は、移動機MSがSHO抑制状態にある間、Best Active PNである無線基地局50Aのパイロット信号Paの受信レベルとフレームエラーエラーレート(FER:Frame Error Rate)を監視し、Paの受信レベルが第2閾値(Soft-Add Threshold)まで低下した時点、または、FERが劣化して所定閾値に達した時点で、移動機MSをパイロット信号Pc(またはPd)の送信元基地局50C(または50D)に接続するためのソフトハンドオフ:SHO(Soft-Add)を実行する。
尚、移動機MSがSHO抑制状態にある間に、監視中のパイロットPc(またはPd)の受信レベルが低下し、第1閾値(T-ADD)を下回った場合、基地局制御装置20は、移動機MSの監視状態をSHO抑制状態から通常状態に戻して、パイロット信号(Best Active PN)Paの受信レベル監視を継続する。
図2は、基地局制御装置(RNC)20と基地局(BTS)50(50A〜50D)のブロック構成を示す。
基地局(BTS)50は、移動機MSと通信するためのアンテナ51と、送受信信号の結合分離部(Combiner & Divider Unit)52と、結合分離部52に接続された送受信部(トランシーバ)53と、信号線54でトランシーバ53に接続された制御部55と、制御部55に接続されたモデム/チャネル処理部56とからなる。制御部55は、プロセッサ551と、このプロセッサが実行するOVHD(オーバヘッド)処理モジュール552及び制御プログラムモジュール553からなり、BTS50内の各ハードウェアの監視と呼処理制御を行なう。
基地局(BTS)50は、移動機MSと通信するためのアンテナ51と、送受信信号の結合分離部(Combiner & Divider Unit)52と、結合分離部52に接続された送受信部(トランシーバ)53と、信号線54でトランシーバ53に接続された制御部55と、制御部55に接続されたモデム/チャネル処理部56とからなる。制御部55は、プロセッサ551と、このプロセッサが実行するOVHD(オーバヘッド)処理モジュール552及び制御プログラムモジュール553からなり、BTS50内の各ハードウェアの監視と呼処理制御を行なう。
アンテナ51からの上り方向の受信(RF:Radio Frequency)信号は、結合分離部52を介して送受信部(トランシーバに)53に入力され、BTS内部で処理可能な信号形式に変換した後、信号線54を通じて制御部55に伝達される。制御部55は、送受信部53からの受信信号をモデム/チャネル処理部56に転送する。
この時、制御部55は、モデム/チャネル処理部36にモデム内で使用すべきリソースの割当を要求するための制御も行う。モデム/チャネル処理部36は、受信信号をイーサネット(登録商標)で伝送可能な制御パケットまたはデータパケットに変換し、基地局制御装置(RNC)20の呼処理部21に転送する。逆に、RNC20からの下り方向の送信信号(制御パケットまたはデータパケット)は、モデム/チャネル処理部56から、制御部55を介して送受信部(トランシーバ)53に転送される。下り方向の送信信号は、移動機MSと基地局50との間に通信路を設定する段階において割当られた周波数で、トランシーバから送信される。
基地局制御装置(RNC)20は、呼処理部21と、上記呼処理部21、BTSの制御部55に接続された制御部22とからなる。
制御部22は、RNC内の各ハードウェア監視/制御の他に、コールエージェント(CA)10と通信して呼の全体的な制御を行うため機能ブロックであり、RNCのハードウェアおよびBTS50の監視/制御を行うプロセッサ221と、呼制御部(ルーチン)222と、呼処理部21でSHOを実行すべきものと判断した時、CA10やBTS50などの他装置と通信して、SHOを制御するハンドオフ制御部(ルーチン)223とからなっている。呼処理部21は、モデム/チャネル処理部56からの受信パケットがデータパケットの場合は、制御部22を介してCA10に転送し、制御パケットの場合は、制御メッセージを抽出して、プロセッサ221に転送する。
制御部22は、RNC内の各ハードウェア監視/制御の他に、コールエージェント(CA)10と通信して呼の全体的な制御を行うため機能ブロックであり、RNCのハードウェアおよびBTS50の監視/制御を行うプロセッサ221と、呼制御部(ルーチン)222と、呼処理部21でSHOを実行すべきものと判断した時、CA10やBTS50などの他装置と通信して、SHOを制御するハンドオフ制御部(ルーチン)223とからなっている。呼処理部21は、モデム/チャネル処理部56からの受信パケットがデータパケットの場合は、制御部22を介してCA10に転送し、制御パケットの場合は、制御メッセージを抽出して、プロセッサ221に転送する。
呼処理部21は、呼別の処理を行なうためのものであり、プロセッサ210と、移動機から通知された基地局パイロット信号の受信レベル(Pilot Strength)を判定する受信レベル判定部211と、受信フレームに発生したエラー率を監視するFER監視部212と、メモリ213と、プロセッサ210が実行する呼処理プログラム214及びハンドオフ(HO)制御プログラム215を備える。
メモリ213には、RNCに接続された全ての基地局で扱っている呼設定情報および移動機MSのステータス情報が記憶される。移動機MSのステータス情報には、受信レベル判定部211とFER監視部212から出力される移動機毎のパイロット受信レベルとFERが含まれる。SHO制御プログラム215は、移動機MSから制御メッセージで通知されたPilot Strengthの受信レベル判定部211での判定結果と、FER監視部212で監視するフレームの誤り率FERの値に基いて、SHOの実行要否を判断し、移動機MSと接続されたソース基地局50から送信されるパイロット信号(Best Active PN)Paの状態に応じてSHOを制御するためのものである。
屋内のサービス空間に、トラフィック量に応じて多数の基地局が設置されると、無線ゾーンが随所で重畳し、多数のハンドオフ領域が形成される。また、屋内では、移動機MSと基地局との間の電波の伝搬状態が、瞬間的に急変する場合がある。従って、屋内に構築された無線通信ネットワーク100では、移動機MSがハンドオフ領域にいる間に、SHOによる基地局の切り替えが頻繁に発生する。
SHO制御プログラム215は、移動機MSに対して受信レベル通知要求を周期的に送信する機能と、受信レベル通知要求の発行要否を判定する機能を備えている。本実施例では、SHO制御プログラム215は、屋内の無線環境に依存して頻繁に発生するSHOの実行を抑制するため、移動機から、新たな基地局からのパイロット信号の受信レベルがSHO追加条件(Soft-Add)となる第1閾値(T-ADD以上)を超えたことを示す通知を受信した時、SHO呼制御手順を直ちには起動せずに、Best Active PNと移動機の通信品質を継続的に監視しておき、SHOを実行するべき状態となったと判断したとき、移動機MSをSHO起動条件を満たしている新たな基地局に接続するためのSHO呼制御を実行する。
以下、ハンドオフ領域における受信電波の状態変化に応じて実行される本発明によるソフトハンドオフ(無線チャネルの切り替え)制御方法を説明する。
屋内の無線サービスエリアでは、図1に示す基地局(BTS)50A〜50Dように、トラフィック量に応じた複数の基地局が互いに近接して配置され、これらの無線基地局が形成する複数の通信ゾーンが随所で重畳して、多数のハンドオフ領域を形成している。各無線基地局からの受信電波のレベルは、移動機の位置や環境変化によって変動するために、一旦、ハンドオフ起動条件を満足した或る基地局からのパイロット信号が、その後も安定的にハンドオフ起動条件を満たすとは限らない。
屋内の無線サービスエリアでは、図1に示す基地局(BTS)50A〜50Dように、トラフィック量に応じた複数の基地局が互いに近接して配置され、これらの無線基地局が形成する複数の通信ゾーンが随所で重畳して、多数のハンドオフ領域を形成している。各無線基地局からの受信電波のレベルは、移動機の位置や環境変化によって変動するために、一旦、ハンドオフ起動条件を満足した或る基地局からのパイロット信号が、その後も安定的にハンドオフ起動条件を満たすとは限らない。
従って、1つの移動機MSについて、新たな基地局からの受信レベルがSHO追加条件となる第1閾値(T-Add)を満足した時、この移動機MSを新たな基地局に接続するSHO(Soft-Add)を直ちに実行すると、上記基地局の受信レベルがSHOの解放条件となる第3閾値(T-Drop)を満足した時、この基地局と移動機MSとの接続を解放するSHO(Soft-Drop)が実行され、SHO(Soft-Add)とSHO(Soft-Drop)とが繰り返して発生することになる。SHOが発生すると、後述するように、基地局制御装置20から移動機MSに、トラフィックチャネルで一連の制御メッセージが送信されるため、SHO実行の都度、複数の音声フレームが欠落する。従って、短時間にSHOが頻繁に発生すると、移動機MSの音声品質が劣化する。
図1に示すように、移動機MSが、基地局50Aと50Bに接続されたTwo-Way状態にあるとき、現在の通信チャネルを維持しておけば、基地局切替時の移動機MSの通話品質を保証できる。従って、Two-Way状態にある移動機については、新たな基地局、例えば、基地局50Cからのパイロット信号の受信レベルが、SHOの追加条件となる第1閾値(T-Add)を超えた場合でも、SHO(Soft-Add)の実行を抑制した方が、音声品質の劣化防止の点で有利となる。
本発明によるハンドオフ制御方法は、複数基地局の通信ゾーンが重畳するハンドオフ領域内で実際に起こり得る電波の伝搬状況を考慮して、通信品質を維持する上で重要でないSHOは、実行を抑制するようにしたことに特徴がある。
図3は、基地局50A、50B、50Cの通信ゾーンが重なるハンドオフ領域において、移動機MSが受信するパイロット信号の受信レベルの時間的な推移を示している。
ここでは、移動機MSが、既に基地局50A、50Bと接続中(通信中)の状態(Two-Way)にある。Pa、Pbは、移動機MSが基地局50A、50Bから受信するパイロット信号(Active Pilot)の受信レベル、Pcは、移動機MSが新たなハンドオフ候補となる基地局50Cから受信するパイロット信号(Candidate Pilot)の受信レベルを示している。この状態で、移動機MSは、2つの基地局50A、50Bを介して音声データを送受信できるため、エラー率の小さい音声データを選択することによって、音声品質を良好に維持できる。
ここでは、移動機MSが、既に基地局50A、50Bと接続中(通信中)の状態(Two-Way)にある。Pa、Pbは、移動機MSが基地局50A、50Bから受信するパイロット信号(Active Pilot)の受信レベル、Pcは、移動機MSが新たなハンドオフ候補となる基地局50Cから受信するパイロット信号(Candidate Pilot)の受信レベルを示している。この状態で、移動機MSは、2つの基地局50A、50Bを介して音声データを送受信できるため、エラー率の小さい音声データを選択することによって、音声品質を良好に維持できる。
従来のソフトハンドオフの制御手順では、移動機MSがTwo-Way状態にあるとき、例えば、別の基地局50Cからのパイロット信号(Candidate Pilot)Pcの受信レベルが、SHOの追加条件となる第1閾値(T-Add)超えた時点で、移動機MSを基地局50Cに接続するためのSHO(Soft-Add)が実行される。また、一旦接続された基地局50Cからのパイロット信号の受信レベルが低下し、SHOの解放条件となる第3閾値(T-Drop)を下回った場合、移動機MSと基地局50Cとの接続を解放するためのSHO(Soft-Drop)が実行される。
このため、従来のソフトハンドオフ制御によれば、図3に縦の破線で示すように、時刻t1、t3で接続SHO(Soft-Add)が実行され、時刻t2で解放SHO(Soft-Drop)が実行される。しかしながら、既にTwo-Way状態にあって、良好な通話品質を維持できている移動機MSにとって、SHOの追加条件を満した新たな基地局との接続は、通話品質向上への貢献度は少なく、以下の理由から、回避すべきものと言える。
SHO(Soft-Add、Soft-Drop)を実行するためには、呼処理制御手順に従って、基地局制御装置20から移動機MSに、図4に示すように、ハンドオフ制御メッセージ(UHDM)やIn-traffic制御メッセージ(ITSPM、NLUM、PCNPM)を送信する必要がある。これらの制御メッセージは、音声データの送信に利用されるトラフィックチャネル(Tch)で、20msの通信フレームとして送信される。
トラフィックチャネル(Tch)では、図5に示すように、音声データが、20msの音声フレームとして送信されている。制御メッセージUHDM、ITSPM、NLUM、PCNPMは、基地局制御装置20から移動機MSに、音声フレームに割り込む形で送信される。この場合、移動機MSは、制御メッセージを受信処理中は音声フレームを受信できないため、音声データが欠落することになる。従って、既にTwo-Way状態にある移動機MSに対して、更に新たな基地局を接続することは、通話品質を一時的に劣化させるという不利益がある。
音声フレームの欠落が1フレーム程度であれば、音声データの複号化処理で欠落部分を補完することによって、音声品質への影響を回避できる。しかしながら、図5に示すように、複数フレーム分の制御メッセージが連続的に送信された場合、欠落した音声データを復号化処理で補完することは不可能であり、通話中に顕著な音質劣化が発生する。
図6は、本発明におけるSHO起動タイミングの判断をPilot Strengthの観点から説明するために用意された図であり、縦軸はPilot Strength、横軸は時間の経過を示している。
ここでは、基地局50A、B50Bがソース基地局となって、移動機MSと同時通信中(Two-way通信中)であり、基地局50Cが、SHOによって移動機MSに追加接続されるハンドオフ候補(ターゲット基地局)となっている。
ここでは、基地局50A、B50Bがソース基地局となって、移動機MSと同時通信中(Two-way通信中)であり、基地局50Cが、SHOによって移動機MSに追加接続されるハンドオフ候補(ターゲット基地局)となっている。
Paは、移動機MSがソース基地局50Aから受信するActive Pilot信号、Pbは、移動機MSがソース基地局50Bから受信するActive Pilot信号を示し、Pcは、移動機MSがターゲット基地局50Cから受信するCandidate Pilot信号を示している。
図6では、図面を簡略化するため、各パイロットの受信レベル(Pilot Strength)の経時的変化を模式的に表しているが、実際のPilot Strengthは、無線ゾーン内の環境によってもっと複雑な変化を示す。本例のように、移動機MSが複数のActive Pilot信号を受信している場合、受信レベルが高い方のパイロット信号、ここでは、Paが、SHO制御手順における閾値との比較対象Active Pilot (Best Active PN)となる。
移動機MSは、ソース基地局50A、50Bとの間で、ARIB_STD_T53に定められた通信プロトコルに従って通信する。ターゲット基地局50CのCandidate Pilot信号Pcの受信レベルが、時刻t0で、SHO起動条件となる第1閾値(T-ADD)を超えると、移動機MSは、Candidate Pilot信号Pcの受信強度情報(Pilot Strength情報)を示す制御メッセージPSMM(Pilot Strength Measurement Message)をソース基地局50A、50Bを介して基地局制御装置(RNC)20に送信し、基地局制御装置20からのハンドオフ制御メッセージUHDM(Universal Handoff Direction Message)を待つ。
本発明において、基地局制御装置20は、上記制御メッセージPSMMを受信した時点t0では、ハンドオフ制御メッセージUHDMを送信せずに、移動機MSの監視状態をSHO抑制状態(SHO Holding State)に遷移して、移動機MSとソース基地局との接続(チャネル)を維持する。移動機MSがSHO抑制状態にある間、基地局制御装置20の呼処理部21は、移動機MSにおけるパイロット信号の受信レベルを継続的に監視するため、制御パラメータ(Value3)が示す所定の周期で、移動機MSにパイロット信号測定要求メッセージPMRO(Pilot Measurement Request Order)を送信する。
本実施例において、基地局制御装置20は、次の何れかの条件が満足した時、移動機MSのターゲット基地局へのSHO抑制状態(SHO Holding State)を解除する。
(1)Best Active PN(Pa)の受信レベルが低下し、システム運用者によって設定可能なベストアクティブパイロットの最小閾値Velue 1(第2閾値:Soft-Add Thresh)を下回った時(図6のt1)、SHO抑制状態を解除し、移動機のターゲット基地局50CへのSHO(Soft-Add)を実行する。
(2)Best Active PN(Pa)の受信レベルがValue 1を満たさない場合であって、移動機MSが受信するトラフィック情報(音声データ等)のフレームエラーレートFERの値が、可変のFER閾値:Value2(FER_Threshold)を超えた時、SHO抑制状態を解除し、移動機のターゲット基地局50CへのSHO(Soft-Add)を実行する。
(3)Candidate Pilot信号Pcの受信レベルが低下し、第1閾値(T-ADD)値を下回った状態が一定時間継続した時、SHO抑制状態を解除する。この場合、ターゲット基地局50Cは、パイロット信号の受信レベルの監視対象から除外される。
これらの条件をマトリックスで示すと、図7のようになる。
(1)Best Active PN(Pa)の受信レベルが低下し、システム運用者によって設定可能なベストアクティブパイロットの最小閾値Velue 1(第2閾値:Soft-Add Thresh)を下回った時(図6のt1)、SHO抑制状態を解除し、移動機のターゲット基地局50CへのSHO(Soft-Add)を実行する。
(2)Best Active PN(Pa)の受信レベルがValue 1を満たさない場合であって、移動機MSが受信するトラフィック情報(音声データ等)のフレームエラーレートFERの値が、可変のFER閾値:Value2(FER_Threshold)を超えた時、SHO抑制状態を解除し、移動機のターゲット基地局50CへのSHO(Soft-Add)を実行する。
(3)Candidate Pilot信号Pcの受信レベルが低下し、第1閾値(T-ADD)値を下回った状態が一定時間継続した時、SHO抑制状態を解除する。この場合、ターゲット基地局50Cは、パイロット信号の受信レベルの監視対象から除外される。
これらの条件をマトリックスで示すと、図7のようになる。
図8は、移動機MSと基地局制御装置(RNC)20との間で実行されるSHO(Soft-Add)の制御メッセージの通信シーケンスの1実施例を示す。
本実施例では、音声フレームの連続的な欠落を回避するため、基地局制御装置(RNC)20は、SHO制御手順で必要な一連の制御メッセージ、すなわち、ハンドオフ制御メッセージ(UHDM)とIn-traffic制御メッセージ(ITSPM、NLUM、PCNPM)を時間的に離散させて送信する。
本実施例では、音声フレームの連続的な欠落を回避するため、基地局制御装置(RNC)20は、SHO制御手順で必要な一連の制御メッセージ、すなわち、ハンドオフ制御メッセージ(UHDM)とIn-traffic制御メッセージ(ITSPM、NLUM、PCNPM)を時間的に離散させて送信する。
移動機MSにSHOの実行を指示するUHDMは、図5では2フレーム連続して送信されているが、本実施例では、例えば、300msの送信間隔で不連続的に送信する。また、UHDMの後で送信されるIn-traffic制御メッセージも、移動機への通知情報の重要性を考慮した送信順序(ここでは、NLUM、ITSPM、PCNPMの順)で、互いに300msの送信間隔をおいて送信する。制御メッセージの送信間隔は、トラフィックチャネル(T−ch)で欠落する音声データが複号化処理で回復可能となる範囲内で任意に設定できる。本実施例によれば、SHOの実行時に、音声フレームの送信チャネルに対して、20ms単位の制御フレームの割り込みが、音声フレームで複数フレーム分の送信間隔(300ms)をおいて離散的に発生するため、音声フレームの連続的な欠落を回避でき、音声品質劣化の少ない通話が可能となる。
次に、図9を参照して、本発明による無線チャネルのSHO起動/抑制制御について詳細に説明する。図9は、RNC20の呼処理部21で実行されるSHO制御プログラム215のフローチャートを示している。SHO制御プログラム215は、受信レベル判定部211及びFER監視部212と連携して実行される。
図9において、記号Fは、監視対象呼が、既にSHO抑制状態(SHO Holding State)にあるか否かの判定に使用されるフラグである。
プロセッサ210は、受信レベル判定部211によって、図6で説明した時刻t0、すなわち、Candidate Pilot StrengthがSHOの開始条件となる第1閾値(T-ADD)を超えたことが検出された時、SHO制御プログラム215を開始し、先ず、フラグFを初期値である0にクリアする(S100)。呼処理部21が移動機MSから送信されたPSMMを受信し、受信レベル判定部211が、第1閾値(T-ADD)を使って、SHO Holding State条件(従来のSHO条件)が満たされているか否かを判断する(S101)。Candidate Pilot Strengthが、第1閾値(T-ADD)を超えた時、移動機MSはSHO Holding Stateとなる。
プロセッサ210は、受信レベル判定部211によって、図6で説明した時刻t0、すなわち、Candidate Pilot StrengthがSHOの開始条件となる第1閾値(T-ADD)を超えたことが検出された時、SHO制御プログラム215を開始し、先ず、フラグFを初期値である0にクリアする(S100)。呼処理部21が移動機MSから送信されたPSMMを受信し、受信レベル判定部211が、第1閾値(T-ADD)を使って、SHO Holding State条件(従来のSHO条件)が満たされているか否かを判断する(S101)。Candidate Pilot Strengthが、第1閾値(T-ADD)を超えた時、移動機MSはSHO Holding Stateとなる。
移動機MSがSHO Holding Stateにあるとき、プロセッサ210は、フラグFの状態をチェックする(S102)。SHO Holding Stateに遷移した直後は、フラグFは初期値0となっているため、プロセッサ210は、所定周期TでPMROを送信するPMRO送信処理を開始し(S103)、フラグFの値を1に設定して(S104)、移動機MSからのPMRMの受信有無を判定する(S105)。尚、ステップS102で、フラグFが初期値(0)でなければ、既にPMROの送信処理が開始されているため、プロセッサ210は、ステップS103とS104を省略して、ステップS105を実行する。
SHO Holding State中は、Best Active PNの受信レベルは、移動機MSが良好な通信を維持するのに十分なレベルを維持している。しかしながら、様々な電波干渉要因によって、フレームエラーが発生する場合がある。フレームエラーが発生すると、移動機MSは、CAI(CDMA Air Interface)を介して、現在通信中の基地局50A、50Bの上位装置である基地局制御装置(RNC)20に、PMRM(Power Measurement Report Message)でフレームエラーの発生を通知する。
呼処理制御部21が、移動機MSからのPMRMを受信する(S105)と、FER監視部212が、移動機MSから通知されたFERと閾値(Value 2)とを比較し(S106)、SHO起動の要否を判断する。FERが閾値(Value 2)を超えていれば、ソース基地局から移動機MSに向かう下り方向の電波が劣化している。この場合、プロセッサ210は、通信品質を維持するため、Best Active PNがSoft-Add Thresh値を下回らなくても、ターゲット基地局のSHO(Soft-Add)を直ちに実行して(S111)、このプログラムを終了する。
上記ステップS111では、PNC20のプロセッサ210が、ターゲット基地局にハンドオフ要求メッセージを送信し、該ターゲット基地局からの応答(Ack)メッセージを受信した時、移動機MSにハンドオフ制御メッセージUHDM(Universal Handoff Direction Message)を送信し、これを受信した移動機がSHOを実行後、SHO完了のメッセージHCM(Handoff completion Message)をRNC20に返信することで、SHO処理が完了する。
FERが閾値(Value 2)を超えていなかった場合、プロセッサ210は、SHO Holding Stateを維持するため、移動機MSに制御メッセージPMROを送信する(S107)。このステップS107では、PMRO送信の都度、PMRO送信周期Tをカウントしている内部タイマがリセットされる。この後、プロセッサ210は、送信周期Tで移動機MSにPMROを送信し(S108)、これに応答して移動機MSが返信するPSMM受信を待つ(S109)。
移動機MSからPSMMを受信すると、受信レベル判定部211が、Best Active PNが、Value1が示す第2閾値(図6のSoft-Add Thresh)を下回ったか否かを判定する(S110)。Best Active PNがValue1を下回っていた場合は、プロセッサ210は、SHOを実行して(S111)、このプログラムを終了し、Best Active PNが第2閾値Value1以上の場合は、S101以降の動作を繰り返す。
尚、ステップS105で、移動機MSからのPMRMの受信がなかった場合は、ステップS108以降の動作が繰り返される。また、ステップS101において、Candidate Pilot Strengthの受信レベルがSHO Holding Stateに遷移する条件となる第1閾値(T-ADD)を満たさない状態が2回連続か否かを判定(S120)し、連続していた場合、プロセッサ210は、PMROの送信を停止して(S121)、ステップS100に戻る。
一般に、移動機は、パイロット信号の受信レベルが第1閾値T-ADDを満足した時、基地局制御装置(RNC)20にPSMMを送信して、SHOの制御メッセージであるUHDMが受信されるのを待っている。本発明のように、基地局制御装置(RNC)20が、移動機にUHDMを送信せずにSHO Holding Stateに遷移した場合、UHDMの受信待ち状態となっている移動機は、その後の自律的なPSMM送信を行わない。そこで、基地局制御装置20は、SHO Holding State中の移動機に対して、PMROを送信してPSMMを周期的に要求する。
基地局制御装置20が、移動機をターゲット基地局にSHOすることなく、SHO Holding Stateを解除(PMRO送信停止)した場合、移動機MSは、その後、ターゲット基地局からのパイロット信号Pcの受信レベルが、Best Active PNの受信レベルよりも第3閾値(T-COMP)以上、上回った時にのみ、基地局制御装置20に自律的にPSMMを送信する。基地局制御装置20は、上記PSMMの受信を契機に、Best Active PNの送信元ソース基地局とターゲット基地局とを入れ替えるSHO(soft-Swap)を実行する。
SHO抑制状態(SHO Holding State)からSHO実行状態に遷移するための閾値(Value1、Value2、Value3)の最適値は、基地局の設置環境によって変化する。そこで、事前の机上検討によって、例えば、Value1=−10〜−14dBm、Value2=20〜50%、Value3=1〜3秒(0.5秒単位)の如く、候補となる閾値の範囲を或る程度絞り込んでおき、現地でフィールド試験(例えば、FER値、音声品質、SHO実行回数等を指標とした検証試験)を行い、特にValue1については、ハンドオフ領域付近での各基地局のパイロット信号強度を実測した上で、最適値を決定することが望ましい。
また、フィールド試験における評価指標を次の重み付けで総合的に判断することによって、適用すべき閾値の最適値を判断できる。
(1)ハンドオフゾーン付近でのPilot信号強度
(2)音声品質(主観的評価:Good/Normal/Badのカウント数)
(3)Average FER
(4)SHO実行回数
(1)ハンドオフゾーン付近でのPilot信号強度
(2)音声品質(主観的評価:Good/Normal/Badのカウント数)
(3)Average FER
(4)SHO実行回数
10:CA(Call Agent)、20:基地局制御装置(RNC)、30:OMS(Operation & Maintenance System)、40:制御端末、50〜80:基地局(BTS)、90:MSC(Mobile Switching Center)。
Claims (7)
- 符号分割多重接続(CDMA)方式の移動無線システムにおけるソフトハンドフ(SHO)制御方法であって、複数の基地局に接続された基地局制御装置が、
移動機がソフトハンドオフ候補となる基地局から受信したパイロット信号の受信レベル(Candidate Pilot Strength)が、第1閾値(T-ADD)を超えたとき、該移動機と既に接続済みソース基地局の中で最も受信レベルの高いパイロット信号のレベル(Best Active PN)が第2閾値(Soft-Add Threshold)より低下していなければ、上記移動機の監視状態をSHO抑制状態にし、
上記ソース基地局からのパイロット信号レベル(Best Active PN)が上記第2閾値(Soft-Add Threshold)よりも低下した時点で、上記SHO抑制状態にある移動機を上記ハンドオフ候補の基地局にソフトハンドオフするための通信手順を実行することを特徴とするソフトハンドオフ制御方法。 - 前記基地局制御装置が、
前記SHO抑制状態にある移動機が前記ソフトハンドオフ候補の基地局から受信するパイロット信号の受信レベル(Candidate Pilot Strength)が前記第1閾値(T-ADD)を下回った時、上記移動機を監視状態を前記SHO抑制状態から通常状態に戻すことを特徴とする請求項1に記載のソフトハンドオフ制御方法。 - 前記基地局制御装置が、
前記ソース基地局を介して、前記SHO抑制状態にある移動機に対して、パイロット信号強度の通知要求(PMRO)を周期的に送信し、
上記移動機からの応答メッセージ(PSMM)に含まれるパイロット信号強度情報に基づいて、該移動機のソフトハンドオフ実行要否を判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のソフトハンドオフ制御方法。 - 前記基地局制御装置が、
前記SHO抑制状態にある移動機におけるフレームエラーレートが所定の閾値を超えた時、該移動機を前記ソフトハンドオフ候補の基地局にソフトハンドオフするための通信手順を実行することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のソフトハンドオフ制御方法。 - 前記基地局制御装置が、
前記SHO抑制状態にある移動機からフレームエラーレート通知メッセージ(PMRM)を受信した時、受信メッセージが示す受信レベルの最も高いパイロット信号(Best Active PN)の送信元基地局のフレームエラーレートを所定の閾値と比較し、上記フレームエラーレートが所定閾値を超えていた場合は、上記移動機を前記ソフトハンドオフ候補の基地局にソフトハンドオフするための通信手順を実行し、上記フレームエラーレートが所定閾値を超えていなかった場合は、上記移動機に対して、パイロット信号強度の通知要求(PMRO)を周期的に送信することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のソフトハンドオフ制御方法。 - 前記基地局制御装置が、
前記ソフトハンドオフの実行時に、前記移動機にトラフィックチャネルで送信すべき一連の制御メッセージを所定の送信間隔をおいて離散的に送信することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載のソフトハンドオフ制御方法。 - 前記一連の制御メッセージが、ハンドオフ制御メッセージ(UHDM)と複数のIn-Traffic 制御メッセージを含み、1つの制御メッセージと次の制御メッセージとの間に、音声フレームで複数フレーム分の送信間隔をおくことを特徴とする請求項6に記載のソフトハンドオフ制御方法。
Priority Applications (1)
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JP2007154111A JP2008306652A (ja) | 2007-06-11 | 2007-06-11 | ソフトハンドオフ制御方法 |
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CN103563446A (zh) * | 2011-04-04 | 2014-02-05 | 高通股份有限公司 | 用于能够使处于非专用信道状态下的用户设备进行更软切换的系统和方法 |
-
2007
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CN103563446B (zh) * | 2011-04-04 | 2016-11-16 | 高通股份有限公司 | 用于能够使处于非专用信道状态下的用户设备进行更软切换的系统和方法 |
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