JP2008301805A - 細胞精製チップおよび装置および細胞・微粒子分離チップおよび装置 - Google Patents

細胞精製チップおよび装置および細胞・微粒子分離チップおよび装置 Download PDF

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賢二 安田
Akihiro Hattori
明弘 服部
Mamoru Fukushima
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Abstract

【課題】基板上に形成する流路を用いて細胞を精製する細胞精製チップおよび装置および細胞・微粒子分離チップおよび装置を提供すること。
【解決手段】層流を形成し、その中心を一列に一定の間隔で細胞が流れる機能を有する流路と、流路中の細胞を観察し識別する手段と、上記流路の脇に形成された3つ以上の小さな窪みと、その各窪みの底面部分に導入されたゲル電極(導電性アガロース層)と、この各アガロース層に細胞の種類の違いに応じて選択的に電位を与えて、細胞を1個単位でこの窪みに導入する。窪みに導入された細胞は各アガロース層に選択的に導入時と逆電位を与えて流路中に出す。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞精製チップ、細胞精製装置(セルソーター)および細胞・微粒子分離チップおよび装置に関する。
多細胞生物における生体組織は種々細胞が役割を分担して全体として調和の取れた機能を維持している。したがって、医療分野、細胞生理研究用、あるいは、工業的な細胞利用の上で細胞を所定の基準で分類することは重要なことである。
この技術の一つに、例えば、セルソーターがある。セルソーターは、蛍光染色処理後の細胞を電荷を持たせた液滴中に1細胞単位で単離して滴下し、この液滴中の細胞の蛍光の有無、光散乱量の大小を基に、液滴が落下する過程で、落下方向に対して法平面方向に高電界を任意の方向に印加することで、液滴の落下方向を制御して、下部に置かれた複数の容器に分画して回収する技術である(非特許文献1:Kamarck,M.E., Methods Enzymol. Vol.151, p150-165 (1987))。
しかし、この技術は高価であること、装置が大型であること、数千ボルトという高電界が必要であること、試料が多量に必要であること、液滴を作成する段階で細胞に損傷を与える可能性があること、直接試料を観察できないことなどの問題がある。これらの問題を解決するため、発明者らが提案する基板上に微細な流路を作成し、流路内の層流中を流れる細胞を直接顕微鏡観察しながら電界を利用して分離するセルソーターがある(特許文献1:特開2006−180810号公報)。
一方、基板上に作成した微細な流路に沿ってn個の細胞回収部を配置し、流路に流れる細胞を識別するとともに、細胞が所定の細胞回収部まで流下したとき、当該細胞を光圧によって、細胞回収部に取り込むことが提案されている(特許文献2:特開2006−167479号公報)。
Kamarck,M.E., Methods Enzymol. Vol.151, p150-165 (1987) 特開2006−180810号公報 特開2006−167479号公報
上述の特許文献1に限らず、基板上に形成する流路を用いた構成とし、電界を利用して分離する細胞精製チップおよび細胞精製装置は操作性もよく有用な技術であるが、2種の細胞を分離あるいは精製することができるに過ぎないものであった。したがって、たとえば、5種の細胞が混在している試料から5種の細胞に分離、精製するとなれば、少なくとも4回の分離精製操作を行うことが必要であった。一方、特許文献2では、流路に沿ってn個の細胞回収部を配置し、これに細胞を取り込むものであるので、1回の操作でできる。
しかしながら、特許文献2では細胞を光圧によって、細胞回収部に取り込むこと自体については説明されているが、そのためには複雑な光学系を必要とするが具体的には説明されていない。さらに、分離、精製の処理中は流路に緩衝液が常時流れていることに対して、細胞回収部に取り込んだ細胞を分離、精製の処理の間、安定に保持すること、また、一旦、細胞回収部に取り込んだ細胞を回収することについては開示されていない。
本発明は、基板上に形成する流路を用いた構成とするとともに、電界利用によって、簡単な構成で多数の細胞を1回の処理で分離、精製することを可能にする。さらに、流路に緩衝液が常時流れていても細胞回収部に取り込んだ細胞を安定に保持し、また、一旦、細胞回収部に取り込んだ細胞を簡単に回収することのできる細胞精製チップおよび細胞精製装置を提供することが本発明の目的である。さらに、細胞とは異なる微粒子が混在する試料に対して、細胞精製に併せて、微粒子の分類収集を可能とする細胞・微粒子分離チップ及び装置を提供することが本発明の他の目的である。
さらに、多数の細胞の分離、精製のスループットをより向上させることを可能にすることが本発明の他の目的である。
したがって、本発明は、以下の細胞精製チップ、細胞精製装置、細胞・微粒子分離チップ、および細胞・微粒子分離装置を提供する。
(1)細胞を緩衝液とともに供給する手段、
上記細胞を上記緩衝液の層流として流下させる手段、
上記緩衝液の層流の上記細胞を個々に光学的に検出する領域、
上記緩衝液の層流の上記細胞を光学的に検出する領域より下流側に、上記緩衝液の層流に沿って流下方向に所定の間隔で配置された複数の細胞貯留部、
上記複数の細胞貯留部のそれぞれを上記緩衝液の層流に対して連通させるとともに上記細胞1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
上記複数の細胞貯留部の上記開口部と反対側の位置に、上記複数の細胞貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、
上記複数の第1の電極のそれぞれを上記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
上記緩衝液の層流に対して、上記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、
上記第2の電極を上記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、および
上記緩衝液の層流の最下流の位置で流下してきた上記緩衝液を貯留する手段、
を基板上に備えることを特徴とする細胞精製チップ。
(2)基板、該基板上に構成される細胞を含む緩衝液を流下させるための第1の流路、該第1の流路を挟み該第1の流路の両側から細胞を含まない緩衝液を流下させる第2及び第3の流路、上記第1の流路の緩衝液と第2および第3の流路の緩衝液が合流して1本の流路となって緩衝液を流下させる第4の流路、上記第4の流路に設けられ上記緩衝液とともに流下する細胞を検出する細胞検出領域、該細胞検出領域の下流で上記第4の流路に沿って細胞1個の通過を許容する開口を介して設けられた複数の細胞貯留部、該複数の細胞貯留部に対応して独立に設けられた電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、該複数の第1の電極のそれぞれを上記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、上記第4の流路に沿って上記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、ならびに上記第2の電極を上記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、を備えるとともに、上記第1の流路から第4の流路を流下する緩衝液が共通の液面位置を有するリザーバから供給され、上記第4の流路の最下流の位置に流下した緩衝液を貯留するためのリザーバを備えることを特徴とする細胞精製チップ。
(3)上記第1の電極、および上記第2の電極の電解質を含むゲルが導電性アガロース層である上記(1)または(2)記載の細胞精製チップ。
(4)細胞を緩衝液とともに供給する手段、
上記細胞を上記緩衝液の層流として流下させる手段、
上記緩衝液の層流の上記細胞を光学的に検出する領域、
上記緩衝液の層流の上記細胞を光学的に検出する領域より下流側に、上記緩衝液の層流に沿って所定の間隔で配置された複数の細胞貯留部、
上記複数の細胞貯留部のそれぞれを上記緩衝液の層流に対して連通させるとともに上記細胞1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
上記複数の細胞貯留部の上記開口部と反対側の位置に、上記複数の細胞貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、
上記複数の第1の電極のそれぞれを上記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
上記緩衝液の層流に対して、上記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、
上記第2の電極を上記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、および
上記緩衝液の層流の最下流の位置で流下してきた上記緩衝液を貯留する手段、
を基板上に備えたチップを設置するための手段、ならびに
上記緩衝液の層流の細胞を光学的に検出し、上記緩衝液の層流として流下する上記細胞を個々に所定の基準で分類する、光学的検出/分類手段、
上記光学的検出/分類手段により分類された細胞が、細胞の分類が対応する上記細胞貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された上記第1の電極の電位を上記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、および
上記細胞貯留部に貯留された細胞を上記緩衝液の層流に放出するとき、該細胞貯留部に対応して独立に形成された上記複数の第1の電極の一つの電極の電位を上記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
を備えることを特徴とする細胞精製装置。
(5)基板、該基板上に構成される細胞を含む緩衝液を流下させるための第1の流路、該第1の流路を挟み該第1の流路の両側から細胞を含まない緩衝液を流下させる第2及び第3の流路、上記第1の流路の緩衝液と第2および第3の流路の緩衝液が合流して1本の流路となって緩衝液を流下させる第4の流路、上記第4の流路に設けられ上記緩衝液とともに流下する細胞を検出する細胞検出領域、該細胞検出領域の下流で上記第4の流路に沿って細胞1個の通過を許容する開口を介して設けられた複数の細胞貯留部、該複数の細胞貯留部に対応して独立に設けられた電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、該複数の第1の電極のそれぞれを上記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、上記第4の流路に沿って上記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、ならびに上記第2の電極を上記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、を備えるとともに、上記第1の流路から第4の流路を流下する緩衝液が共通の液面位置を有するリザーバから供給され、上記第4の流路の最下流の位置に流下した緩衝液を貯留するためのリザーバを備えたチップを設置する手段を備えるとともに、
上記細胞検出領域において細胞を検出し、分類する手段、
上記分類された細胞が、細胞の分類が対応する上記細胞貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された上記複数の第1の電極の一つの電極の電位を上記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、および
上記細胞貯留部に貯留された細胞を上記第4の流路に放出するとき、該細胞貯留部に対応して独立に形成された上記第1の電極の電位を上記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
を備えることを特徴とする細胞精製装置。
(6)上記第1の電極、および上記第2の電極の電解質を含むゲルが導電性アガロース層である上記(4)または(5)記載の細胞精製装置。
(7)上記緩衝液が接地電位とされ、上記第1の電極は上記細胞貯留部に細胞を取り込む時は高い正電位、上記取り込まれた細胞貯留部に細胞を保持しているときは低い正電位とされ、上記第2の電極は上記細胞貯留部に細胞を取り込む時および上記取り込まれた細胞貯留部に細胞を保持しているときは低い負電位とされ、上記第1の電極は上記細胞貯留部に貯留された細胞を上記第4の流路に放出するときは高い負電位とされ、上記第2の電極は上記細胞貯留部に貯留された細胞を上記第4の流路に放出するときは低い正電位とされた上記(4)または(5)記載の細胞精製装置。
(8)細胞および微粒子を緩衝液とともに供給する手段、
上記細胞および上記微粒子を上記緩衝液の層流として流下させる手段、
上記緩衝液の層流の上記細胞および上記微粒子を個々に光学的に検出する領域、
上記緩衝液の層流の上記細胞および上記微粒子を光学的に検出する領域より下流側に、上記緩衝液の層流に沿って流下方向に所定の間隔で配置された複数の細胞貯留部および複数の微粒子貯留部、
上記複数の細胞貯留部のそれぞれを上記緩衝液の層流に対して連通させるとともに上記細胞1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
上記複数の微粒子貯留部のそれぞれを上記緩衝液の層流に対して連通させるとともに上記微粒子1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
上記細胞貯留部の上記開口部と反対側の位置に、上記複数の細胞貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、
上記複数の第1の電極のそれぞれを上記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
上記緩衝液の層流に対して、上記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、
上記第2の電極を上記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、
上記微粒子貯留部の上記開口部と反対側の位置に、上記複数の微粒子貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第3の電極、
上記複数の第3の電極のそれぞれを上記複数の微粒子貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
上記緩衝液の層流に対して、上記微粒子貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第4の電極、
上記第4の電極を上記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、ならびに
上記緩衝液の層流の最下流の位置で流下してきた上記緩衝液を貯留する手段、
を基板上に備えることを特徴とする細胞・微粒子分離チップ。
(9)基板、該基板上に構成される細胞・微粒子を含む緩衝液を流下させるための第1の流路、該第1の流路を挟み該第1の流路の両側から細胞・微粒子を含まない緩衝液を流下させる第2及び第3の流路、上記第1の流路の緩衝液と第2および第3の流路の緩衝液が合流して1本の流路となって緩衝液を流下させる第4の流路、上記第4の流路に設けられ上記緩衝液とともに流下する細胞・微粒子を検出する細胞・微粒子検出領域、該細胞・微粒子検出領域の下流で上記第4の流路に沿って細胞1個の通過を許容する開口を介して設けられた複数の細胞貯留部、該複数の細胞貯留部に対応して独立に設けられた電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、該複数の第1の電極のそれぞれを上記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、上記第4の流路に沿って上記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、上記第2の電極を上記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、上記複数の細胞貯留部下流で上記第4の流路に沿って微粒子1個の通過を許容する開口を介して設けられた複数の微粒子貯留部、該複数の微粒子貯留部に対応して独立に設けられた電解質を含むゲルよりなる複数の第3の電極、該複数の第3の電極のそれぞれを上記複数の微粒子貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、上記第4の流路に沿って上記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第4の電極、ならびに上記第4の電極を上記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口を備えるとともに、上記第1の流路から第4の流路を流下する緩衝液が共通の液面位置を有するリザーバから供給され、上記第4の流路の最下流の位置に流下した緩衝液を貯留するためのリザーバを備えることを特徴とする細胞・微粒子精製チップ。
(10)上記第1の電極から上記第4の電極の電解質を含むゲルが導電性アガロース層である上記(9)記載の細胞・微粒子精製チップ。
(11)細胞および微粒子を緩衝液とともに供給する手段、
上記細胞および上記微粒子を上記緩衝液の層流として流下させる手段、
上記緩衝液の層流の上記細胞および上記微粒子を光学的に検出する領域、
上記緩衝液の層流の上記細胞および上記微粒子を光学的に検出する領域より下流側に、上記緩衝液の層流に沿って所定の間隔で配置された複数の細胞貯留部、
上記複数の細胞貯留部のそれぞれを上記緩衝液の層流に対して連通させるとともに上記細胞1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
上記緩衝液の層流の上記細胞および上記微粒子を光学的に検出する位置より下流側に、上記緩衝液の層流に沿って所定の間隔で配置された複数の微粒子貯留部、
上記複数の微粒子貯留部のそれぞれを上記緩衝液の層流に対して連通させるとともに上記微粒子1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
上記複数の細胞貯留部の上記開口部と反対側の位置に、上記複数の細胞貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、
上記複数の第1の電極のそれぞれを上記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
上記緩衝液の層流に対して、上記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、
上記第2の電極を上記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、
上記複数の微粒子貯留部の上記開口部と反対側の位置に、上記複数の微粒子貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第3の電極、
上記複数の第3の電極のそれぞれを上記複数の微粒子貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
上記緩衝液の層流に対して、上記微粒子貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第4の電極、
上記第4の電極を上記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、ならびに
上記緩衝液の層流の最下流の位置で流下してきた上記緩衝液を貯留する手段、
を基板上に備えたチップを設置する手段を備えるとともに、
上記緩衝液の層流の上記細胞および上記微粒子を光学的に検出し、上記緩衝液の層流として流下する上記細胞および上記微粒子を個々に所定の基準で分類する、光学的検出/分類手段、
上記光学的検出/分類手段により分類された細胞が、細胞の分類が対応する上記細胞貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された上記第1の電極の電位を上記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
上記細胞貯留部に貯留された細胞を上記緩衝液の層流に放出するとき、該細胞貯留部に対応して独立に形成された上記複数の第1の電極の一つの電極の電位を上記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
上記光学的に検出する手段により分類された微粒子が、微粒子の分類が対応する上記微粒子貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された上記第3の電極の電位を上記第4の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、ならびに
上記微粒子貯留部に貯留された微粒子を上記緩衝液の層流に放出するとき、該微粒子貯留部に対応して独立に形成された上記複数の第3の電極の一つの電極の電位を上記第4の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
を備えることを特徴とする細胞・微粒子精製装置。
(12)基板、該基板上に構成される細胞・微粒子を含む緩衝液を流下させるための第1の流路、該第1の流路を挟み該第1の流路の両側から細胞・微粒子を含まない緩衝液を流下させる第2及び第3の流路、上記第1の流路の緩衝液と第2および第3の流路の緩衝液が合流して1本の流路となって緩衝液を流下させる第4の流路、上記第4の流路に設けられ上記緩衝液とともに流下する細胞・微粒子を検出する細胞・微粒子検出領域、該細胞・微粒子検出領域の下流で上記第4の流路に沿って細胞1個の通過を許容する開口を介して設けられた複数の細胞貯留部、該複数の細胞貯留部に対応して独立に設けられた電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、該複数の第1の電極のそれぞれを上記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、上記第4の流路に沿って上記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、上記第2の電極を上記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、上記複数の細胞貯留部の下流で上記第4の流路に沿って微粒子1個の通過を許容する開口を介して設けられた複数の微粒子貯留部、該複数の微粒子貯留部に対応して独立に設けられた電解質を含むゲルよりなる複数の第3の電極、該複数の第3の電極のそれぞれを上記複数の微粒子貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、ならびに上記第4の流路に沿って上記微粒子貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第4の電極、上記第4の電極を上記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口を備えるとともに、上記第1の流路から第4の流路を流下する緩衝液が共通の液面位置を有するリザーバから供給され、上記第4の流路の最下流の位置に流下した緩衝液を貯留するためのリザーバを備えたチップを設置する手段を備えるとともに、
上記細胞・微粒子検出領域において細胞を検出し、分類する手段、
上記分類された細胞が、細胞の分類が対応する上記細胞貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された上記複数の第1の電極の一つの電極の電位を上記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
上記細胞貯留部に貯留された細胞を上記第4の流路に放出するとき、該細胞貯留部に対応して独立に形成された上記第1の電極の電位を上記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
上記細胞・微粒子検出領域において微粒子を検出し、分類する手段、
上記分類された微粒子が、微粒子の分類が対応する上記微粒子貯留部の開口部を通過する時、該微粒子貯留部に対応して独立に形成された上記複数の第3の電極の一つの電極の電位を上記第4の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、および
上記微粒子貯留部に貯留された微粒子を上記第4の流路に放出するとき、該微粒子貯留部に対応して独立に形成された上記第3の電極の電位を上記第4の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
を備えることを特徴とする細胞・微粒子精製装置。
(13)上記第1の電極から上記第4の電極の電解質を含むゲルが導電性アガロース層である上記(12)記載の細胞・微粒子精製装置。
(14)上記緩衝液が上記複数の細胞貯留部の最上流部、上記複数の細胞貯留部と上記複数の微粒子貯留部との結合部および上記複数の微粒子貯留部の最下流部のそれぞれで接地電位とされ、上記第1の電極は上記細胞貯留部に細胞を取り込む時は高い正電位、上記取り込まれた細胞貯留部に細胞を保持しているときは低い正電位とされ、上記第2の電極は上記細胞貯留部に細胞を取り込む時および上記取り込まれた細胞貯留部に細胞を保持しているときは低い負電位とされ、上記第1の電極は上記細胞貯留部に貯留された細胞を上記第4の流路に放出するときは高い負電位とされ、上記第2の電極は上記細胞貯留部に貯留された細胞を上記第4の流路に放出するときは低い正電位とされ、上記第3の電極は上記微粒子貯留部に細胞を取り込む時は高い負電位、上記取り込まれた微粒子貯留部に微粒子を保持しているときは低い負電位とされ、上記第2の電極は上記微粒子貯留部に微粒子を取り込む時および上記取り込まれた微粒子貯留部に微粒子を保持しているときは低い正電位とされ、上記第1の電極は上記微粒子貯留部に貯留された微粒子を上記第4の流路に放出するときは高い正電位とされ、上記第2の電極は上記微粒子貯留部に貯留された微粒子を上記第4の流路に放出するときは低い負電位とされた上記(11)または(12)記載の細胞・微粒子精製装置。
(15)細胞を緩衝液とともに供給する手段、
上記細胞を上記緩衝液の層流として流下させる手段、
上記緩衝液の層流の上記細胞の複数個を同時に光学的に検出する領域、
上記緩衝液の層流の上記細胞を光学的に検出する領域より下流側に、上記緩衝液の層流に沿って所定の間隔で配置された複数の細胞貯留部、
上記複数の細胞貯留部のそれぞれを上記緩衝液の層流に対して連通させるとともに上記細胞1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
上記複数の細胞貯留部の上記開口部と反対側の位置に、上記複数の細胞貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、
上記複数の第1の電極のそれぞれを上記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
上記緩衝液の層流に対して、上記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、
上記第2の電極を上記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、および
上記緩衝液の層流の最下流の位置で流下してきた上記緩衝液を貯留する手段、
を基板上に備えたチップを設置するための手段、ならびに
上記緩衝液の層流の前記細胞の複数個を同時に光学的に検出し、上記緩衝液の層流として流下する上記複数個の細胞を個々に所定の基準で分類する、光学的検出/分類手段、
上記光学的検出/分類手段により分類された複数個の個々の細胞が、細胞の分類が対応する上記細胞貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された上記第1の電極の電位を上記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、および
上記細胞貯留部に貯留された細胞を上記緩衝液の層流に放出するとき、該細胞貯留部に対応して独立に形成された上記複数の第1の電極の一つの電極の電位を上記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
を備えることを特徴とする細胞精製装置。
(16)基板、該基板上に構成される細胞を含む緩衝液を流下させるための第1の流路、該第1の流路を挟み該第1の流路の両側から細胞を含まない緩衝液を流下させる第2及び第3の流路、上記第1の流路の緩衝液と第2および第3の流路の緩衝液が合流して1本の流路となって緩衝液を流下させる第4の流路、上記第4の流路に設けられ上記緩衝液とともに流下する複数個の細胞を同時に検出する細胞検出領域、該細胞検出領域の下流で上記第4の流路に沿って細胞1個の通過を許容する開口を介して設けられた複数の細胞貯留部、該複数の細胞貯留部に対応して独立に設けられた電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、該複数の第1の電極のそれぞれを上記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、上記第4の流路に沿って上記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、ならびに上記第2の電極を上記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、を備えるとともに、上記第1の流路から第4の流路を流下する緩衝液が共通の液面位置を有するリザーバから供給され、上記第4の流路の最下流の位置に流下した緩衝液を貯留するためのリザーバを備えたチップを設置する手段を備えるとともに、
上記細胞検出領域において複数個の細胞を同時に検出し、該複数個の細胞のそれぞれを分類する手段、
上記分類された複数個の細胞のそれぞれが、細胞の分類が対応する上記細胞貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された上記複数の第1の電極の一つの電極の電位を上記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、および
上記細胞貯留部に貯留された細胞を上記第4の流路に放出するとき、該細胞貯留部に対応して独立に形成された上記第1の電極の電位を上記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
を備えることを特徴とする細胞精製装置。
(17)上記第1の電極、および上記第2の電極の電解質を含むゲルが導電性アガロース層である上記(15)または(16)記載の細胞精製装置。
(18)上記緩衝液が接地電位とされ、上記第1の電極は上記細胞貯留部に細胞を取り込む時は高い正電位、上記取り込まれた細胞貯留部に細胞を保持しているときは低い正電位とされ、上記第2の電極は上記細胞貯留部に細胞を取り込む時および上記取り込まれた細胞貯留部に細胞を保持しているときは低い負電位とされ、上記第1の電極は上記細胞貯留部に貯留された細胞を上記第4の流路に放出するときは高い負電位とされ、上記第2の電極は上記細胞貯留部に貯留された細胞を上記第4の流路に放出するときは低い正電位とされた上記(15)または(16)記載の細胞精製装置。
(19)細胞および微粒子を緩衝液とともに供給する手段、
上記細胞および上記微粒子を上記緩衝液の層流として流下させる手段、
上記緩衝液の層流の上記細胞および上記微粒子の複数個を同時に光学的に検出する領域、
上記緩衝液の層流の上記細胞および上記微粒子の複数個を同時に光学的に検出する領域より下流側に、上記緩衝液の層流に沿って所定の間隔で配置された複数の細胞貯留部、
上記複数の細胞貯留部のそれぞれを上記緩衝液の層流に対して連通させるとともに上記細胞1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
上記緩衝液の層流の上記細胞および上記微粒子を光学的に検出する位置より下流側に、上記緩衝液の層流に沿って所定の間隔で配置された複数の微粒子貯留部、
上記複数の微粒子貯留部のそれぞれを上記緩衝液の層流に対して連通させるとともに上記微粒子1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
上記複数の細胞貯留部の上記開口部と反対側の位置に、上記複数の細胞貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、
上記複数の第1の電極のそれぞれを上記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
上記緩衝液の層流に対して、上記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、
上記第2の電極を上記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、
上記複数の微粒子貯留部の上記開口部と反対側の位置に、上記複数の微粒子貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第3の電極、
上記複数の第3の電極のそれぞれを上記複数の微粒子貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
上記緩衝液の層流に対して、上記微粒子貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第4の電極、
上記第4の電極を上記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、ならびに
上記緩衝液の層流の最下流の位置で流下してきた上記緩衝液を貯留する手段、
を基板上に備えたチップを設置する手段を備えるとともに、
上記緩衝液の層流の上記細胞および上記微粒子の複数個を同時に光学的に検出し、上記緩衝液の層流として流下する上記細胞および上記微粒子の複数個を個々に所定の基準で分類する、光学的検出/分類手段、
上記光学的検出/分類手段により分類された複数個の個々の細胞が、細胞の分類が対応する上記細胞貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された上記第1の電極の電位を上記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
上記細胞貯留部に貯留された細胞を上記緩衝液の層流に放出するとき、該細胞貯留部に対応して独立に形成された上記複数の第1の電極の一つの電極の電位を上記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
上記光学的に検出する手段により分類された複数個の個々の微粒子が、微粒子の分類が対応する上記微粒子貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された上記第3の電極の電位を上記第4の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、ならびに
上記微粒子貯留部に貯留された微粒子を上記緩衝液の層流に放出するとき、該微粒子貯留部に対応して独立に形成された上記複数の第3の電極の一つの電極の電位を上記第4の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
を備えることを特徴とする細胞・微粒子精製装置。
(20)上記第1の電極から上記第4の電極の電解質を含むゲルが導電性アガロース層である上記(19)記載の細胞・微粒子精製装置。
(21)上記緩衝液が上記複数の細胞貯留部の最上流部、上記複数の細胞貯留部と上記複数の微粒子貯留部との結合部および上記複数の微粒子貯留部の最下流部のそれぞれで接地電位とされ、上記第1の電極は上記細胞貯留部に細胞を取り込む時は高い正電位、上記取り込まれた細胞貯留部に細胞を保持しているときは低い正電位とされ、上記第2の電極は上記細胞貯留部に細胞を取り込む時および上記取り込まれた細胞貯留部に細胞を保持しているときは低い負電位とされ、上記第1の電極は上記細胞貯留部に貯留された細胞を上記第4の流路に放出するときは高い負電位とされ、上記第2の電極は上記細胞貯留部に貯留された細胞を上記第4の流路に放出するときは低い正電位とされ、上記第3の電極は上記微粒子貯留部に細胞を取り込む時は高い負電位、上記取り込まれた微粒子貯留部に微粒子を保持しているときは低い負電位とされ、上記第2の電極は上記微粒子貯留部に微粒子を取り込む時および上記取り込まれた微粒子貯留部に微粒子を保持しているときは低い正電位とされ、上記第1の電極は上記微粒子貯留部に貯留された微粒子を上記第4の流路に放出するときは高い正電位とされ、上記第2の電極は上記微粒子貯留部に貯留された微粒子を上記第4の流路に放出するときは低い負電位とされた上記(19)記載の細胞・微粒子精製装置。
本発明では、緩衝液の層流に細胞を含む層流が挟まれて流下する流路に沿って、流下する細胞を検出する細胞検出領域を設け、この下流に、流路に対して開口を備える、細胞を受け入れる複数の細胞貯留部を形成する。細胞の流下に応じて、細胞検出領域で検出され分類された各細胞が受け入れられる所定の細胞貯留部の開口位置を通過するとき、該細胞に電界を作用させて、この細胞をその細胞貯留部に取り込む。各細胞貯留部の流路に対する開口の大きさは、通常、高々細胞1個が通過するのが許容される大きさとする。各細胞貯留部の開口の反対側(底部)に各細胞貯留部に個々に対応する共通の電解質を含むゲル(導電性アガロース層)で満たされている電極を形成する。一方、各細胞貯留部の流路をはさんだ反対側にも、流路に対して並行した全細胞貯留部に共通の電解質を含むゲル(導電性アガロース層)で満たされている電極を形成する。電極のゲルと細胞貯留部の中にある緩衝液とを電気的に接触させるため電極と細胞貯留部の底部との間に狭い幅の開口を複数個形成する。流路に対して並行した共通の電極と流下する緩衝液とを電気的に接触させるため、共通の電極の一面と流路の一面との間にも狭い幅の開口を複数個形成する。
細胞の検出、分類の前に、流路および細胞貯留部を緩衝液で満たす。この際、流路を流下する緩衝液の流速を測定するとよい。
次いで、細胞を流路に流し、細胞を検出し、細胞貯留部に細胞を取り込む処理は以下のように行われる。細胞検出領域を流下する細胞を光学的に監視して細胞検出を行なうとともに、検出された細胞を分類する。さらに、細胞の流下速度(緩衝液の流速)を検出する。検出された細胞の分類に応じて、この細胞がその分類の細胞を貯留している細胞貯留部の開口位置に流下する時間を緩衝液の流速を基礎に予測して、その時間後に、当該細胞貯留部に対応する電極に所定の高い正電位を印加し、共通の電極に所定の低い負電位を印加して細胞貯留部に細胞を取り込む。この正電位が印加される時を除き、細胞貯留部に対応する全ての電極は細胞貯留部に取り込まれた細胞を安定に保持するための所定の低い正電位を印加される。細胞を検出し、細胞貯留部に細胞を取り込む処理をする期間は、流路に対して並行した共通の電極は所定の低い負電位を印加される。この制御は操作者の細胞の取り込み指示信号と細胞検出領域を光学的に監視する装置の信号を受けるパソコンにより行う。
流路を流下する細胞のすべてがそれぞれの細胞貯留部に取り込まれた後、細胞貯留部に取り込まれた細胞を細胞貯留部から排出して回収する処理は以下のように行われる。一旦、十分な緩衝液を流路に流して流路を洗浄する。次いで、流路に緩衝液を流しながら、細胞貯留部の一つに対応する電極に所定の高い負電位を印加する。この負電位により、細胞貯留部の中に取り込まれた細胞は開口を介して流路に排出される。これを流路の末端で取り出せば、一つの細胞貯留部に取り込まれた細胞のみを得ることができる。細胞貯留部から取り込まれた細胞を排出する処理をする期間は、流路に対して並行した共通の電極は所定の低い正電位を印加される。この制御は操作者の細胞の排出指示信号を受けるパソコンにより行う。その後、流路を洗浄するか、あるいは、流路にしばらく緩衝液を流した後、他の細胞貯留部の一つに対応する電極を所定の高い負電位とする。この負電位により、他の細胞貯留部の一つの中に取り込まれた細胞は開口を介して流路に排出される。これを流路の末端で取り出せば、他の一つの細胞貯留部に取り込まれた細胞のみを得る。細胞貯留部の中に取り込まれた細胞を排出する処理をする期間は、流路に対して並行した共通の電極は所定の低い正電位を印加される。この制御は細胞排出を指示する操作者の信号を受けるパソコンにより行う。
細胞とは異なる微粒子が混在する試料に対しては、流路に沿った一連の細胞貯留部の配置に続けて、細胞とは異なる微粒子を取り込むための一連の粒子貯留部を流路に沿って設ける。これらの粒子貯留部に対しても細胞と同様に、粒子検出と取り込み、排出の電位制御を行う。
さらに、細胞検出領域を流下する複数の細胞を同時に光学的に検出を行なうとともに、検出された細胞を個々に分類する。さらに、細胞の流下速度(緩衝液の流速)を検出する。検出された複数の細胞の個々の分類に応じて、複数の細胞の個々の細胞がその分類の細胞を貯留している細胞貯留部の開口位置に流下する時間を緩衝液の流速を基礎に予測して、その時間後に、当該細胞貯留部に対応する電極に所定の高い正電位を印加し、共通の電極に所定の低い負電位を印加して細胞貯留部に細胞を取り込む。
本発明により、基板上に形成する流路を用いて構成する細胞精製チップにより、一度の分離操作により3つ以上の細胞を分離できる。さらに、細胞検出領域を流下する複数の細胞を同時に光学的に検出を行なうとともに、検出された細胞を個々に分類し、細胞貯留部に細胞を取り込む制御を行えば、スループットを向上できる。
図1は、本発明の実施例の一つである細胞精製装置(セルソーター)のシステム構成の一例を模式的に示す平面図である。図2(a)は図1のA−A位置で矢印方向に見た断面図、図2(b)は図1のB−B位置で矢印方向に見た断面図、図2(c)は図1のC−C位置で矢印方向に見た断面図である。
セルソーター100は基板1により構成されている。基板1の下面に流路、細胞貯留部、電極を、上面にこの流路に連通する開口、電極に連通する開口を設ける。流路に連通する開口を試料や必要な緩衝液の供給口とする。また、十分な緩衝液の供給と各流路での流量の調整のためにリザーバを設ける。流路、細胞貯留部、電極の作成はPMMAなどのプラスチックを金型に流し込むいわゆる射出成型で作成することができる。チップ基板1全体のサイズは、たとえば、20×40×1mm(t)である。チップ基板1の下面に刻まれた溝や貫通穴を流路やウェルの形状とするために、溝が刻まれた下面側に、たとえば、0.1mm厚のラミネートフィルムを熱圧着する。開口数1.4、倍率100倍の対物レンズを用いて、0.1mmのラミネートフィルムを通して流路内を流れる細胞を観察できる。もちろんこれより低倍率のレンズでは問題なく観察することができる。チップ基板1の上面には、マイクロ流路に細胞を含む試料緩衝液を導入する穴21、細胞を含まない緩衝液を導入する穴22および23が設けられるとともに、これらを包括するリザーバ24が設けられる。したがって、最初に、リザーバ24に十分な緩衝液を供給すると穴21,22および23は緩衝液でつながる。これにより、穴21に連なる流路21'と穴22および23に連なるマイクロ流路22'およびマイクロ流路23'には同じ液面高さの緩衝液が供給される。したがって、両流路の流路幅、あるいは、断面積、さらに両流路の流路長を実質等しくすれば、両流路の流量を実質同量にすることができる。試料を含む緩衝液を導入する穴21の周辺には、必要なら、細胞を含む試料緩衝液の拡散を防ぐために拡散防止壁を設けてもよい。この場合、拡散防止壁の高さは、リザーバ24の壁よりも低く、緩衝液は拡散防止壁より高い位置まで満たされている。
図2(a)は図1のA−A位置、すなわち、リザーバ24の中央位置で矢印方向に見た断面図であり、穴21,22および23とこれらに連なる流路21'、流路22'および23'には同じ液面高さの緩衝液が供給される状態を示している。また、穴21には細胞が導入されている状態が示される。
穴21に導入された細胞を含む緩衝液は、マイクロ流路21'(たとえば、幅20μm、深さ15μm)を通過して、マイクロ流路22'および23'(たとえば、幅20μm、深さ15μm)から流入するシース流により、細胞を含む緩衝液の流れを挟んだ層流としてマイクロ流路25(たとえば、幅20μm、深さ15μm)を流下する。マイクロ流路25では、細胞を含む緩衝液はマイクロ流路22'および23'から流入するシース流に挟まれた層流となり、細胞は1列に並んで所定の間隔で流下するようになる。ここでは、各種の細胞を丸印、三角印、星印等の4種で表示した。マイクロ流路25の最上流部には、細胞検出領域26が設けられる。細胞検出領域26の下流にはマイクロ流路25の側面に開口31'によりマイクロ流路25と連通した細胞貯留部31が備えられる。同様に、この下流には、それぞれ開口32'、33'、34'、および35'によりマイクロ流路25と連通した細胞貯留部32、33、34、および35が設けられる。これらの開口は、高々細胞1個が通過するのが許容される大きさ(たとえば、幅15μm、深さ15μm)とされ、細胞貯留部は、たとえば、マイクロ流路25に沿った長さが150μm、奥行き80μm、深さ15μmのマイクロ流路25に沿った細長い貯留部とされ、たとえば、10μm間隔で配列される。マイクロ流路25の最下流には細胞回収用の穴となる穴61が設けられ、これを囲うリザーバ62が設けられる。穴61の構造は、穴22と同様にすればよい。
41,42,43,44,45は、それぞれ、独立したゲル電極、すなわち、電解質を含むゲル(導電性アガロース層)で満たされている電極(たとえば、15μm×150μm、深さ15μm)であり、細胞貯留部31,32,33,34,35の開口31',32',33',34',35'の反対側(細胞貯留部の底部)に設けられる。40はゲル電極、すなわち、電解質を含むゲル(導電性アガロース層)で満たされている電極(たとえば、15μm×790μm、深さ15μm)であり、細胞貯留部31,32,33,34,35の開口31',32',33',34',35'の反対側にマイクロ流路25に沿って設けられる。51はゲル電極の一端部に設けられた基板1の上面に連通する開口であり、ゲル注入穴である。52はゲル電極の他端部に設けられた基板1の上面に連通する開口であり、電極へのゲル注入時の空気抜きの穴である。この空気抜きの穴52は必ずしも必要ではないが、電極へのゲル注入が十分に行われたことを確認する意味ではあったほうがよい。すなわち、ゲル注入が十分であれば、この空気抜きの穴52からゲルが溢れ出すようになる。尚、ゲル電極42〜45については、図面が煩雑になるので、参照符号51,52は省略した。ゲル注入穴51および空気抜きの穴52は図面を分かりやすくするため、白抜きとし、ゲル電極40〜45は薄いドットで塗りつぶした表示とした。
図2(b)は図1のB−B位置で矢印方向に見た断面図であり、ゲル電極41〜45のそれぞれと細胞貯留部31,32,33,34,35の底部のそれぞれが離れている状態を、ゲル電極41と細胞貯留部31について示す。また、ゲル電極40と流路25の一面とが離れている状態を示す。図2(c)は図1のC−C位置で矢印方向に見た断面図であり、ゲル電極41〜45のそれぞれと細胞貯留部31,32,33,34,35の底部のそれぞれが狭い幅の開口(たとえば、15μm×深さ15μm)を介して接続されている状態、すなわち、ゲル電極41〜45のそれぞれと細胞貯留部31,32,33,34,35のそれぞれの緩衝液が接触している状態を、ゲル電極41と細胞貯留部31について示す。また、ゲル電極40と流路25の一面とが狭い幅の開口(たとえば、15μm×深さ15μm)を介して接続されている状態、すなわち、ゲル電極40と流路25を流下する緩衝液が接触している状態を示す。それぞれのゲル電極にゲルが注入される際、上記狭い幅の開口(たとえば、15μm×深さ15μm)ではゲルの表面張力により、この開口を通してゲルが細胞貯留部31,32,33,34,35あるいは流路25に流出することはない。
ゲル電極40,41〜45は、それぞれ、ゲル注入穴51に挿入された接続線を介して電圧切り替え制御装置に接続される。各ゲル電極40,41〜45の電位の制御については、後述する。緩衝液は接地電位に接続される。
71は細胞検出装置であり、細胞検出領域26を通過する細胞を検出する。細胞検出は、たとえば、CCDカメラによって細胞の実像を検出するものでも良く、細胞が蛍光標識されていれば、蛍光検出としてもよい。さらには、ミュー散乱、レイリー散乱等の散乱光を利用するものとしてもよい。細胞検出装置71の信号はパソコン72に送られ、細胞検出装置71の検出した細胞を分類する。パソコン72は分類結果にしたがって、検出された細胞を細胞貯留部31〜35のいずれの細胞貯留部に取り込むか判断する。併せて、細胞(緩衝液)の流下速度を基礎として、当該細胞がその細胞貯留部の開口の位置を流下するとき、細胞貯留部の底部の電極に所定の電位を加えるように電圧切り替え制御装置75に細胞貯留部の底部の電極の位置信号と電圧信号を含む制御信号74を送る。
ここで、注意しなければならないのは、細胞検出領域26で検出された細胞が細胞貯留部に取り込まれるタイミングである。すなわち、図1において、細胞貯留部34の開口34'の位置にある星印の細胞91は、細胞検出領域26で検出された後マイクロ流路25を流下して、3つの細胞貯留部31,32および34を通り過ぎた後の4つ目の細胞貯留部34に達したときに細胞貯留部34に取り込まれることになる。一方、星印の細胞92が細胞検出領域26で検出された後、マイクロ流路25を流下しているとき、丸印の細胞93が細胞検出領域26で検出されると、星印の細胞92が細胞貯留部34に達するよりも早く丸印の細胞93が細胞貯留部31に達するから、丸印の細胞93が細胞貯留部31に達した時点で細胞貯留部31に丸印の細胞93を取り込むことが必要である。さらには、細胞(緩衝液)の流下速度によっては、全く同じ時点で二つ以上の細胞貯留部に細胞を取り込むことになる可能性もある。パソコン72はこれらのことも考慮して電圧切り替え制御装置75に制御信号74を送るものとする。
穴21に入れられた細胞が緩衝液とともに流下して、穴21に入れられた細胞がなくなったら、すなわち、細胞検出領域26で細胞が検出されなくなったら、操作者は細胞貯留部に取り込まれた細胞を排出する段階になったことを操作信号70としてパソコン72に与える。その後、リザーバ24に十分な緩衝液を追加して、マイクロ流路21'、25に細胞が残らないように洗浄する。パソコン72は電圧切り替え制御装置79に信号73を送り、細胞貯留部の一つ、たとえば、細胞貯留部34の底部の電極44に所定の電位を加え、細胞貯留部34に貯留されている星印の細胞を開口34'を介してマイクロ流路25に排出してマイクロ流路25を介して回収用の穴61から星印の細胞を回収する。このとき、他の細胞貯留部31〜33の底部に対応する電極41〜43に所定の電位を加え、これら細胞貯留部31〜33に貯留されている細胞を安定して細胞貯留部内に保持する。この後、しばらく、マイクロ流路25に緩衝液を流して、マイクロ流路25を洗浄する、この後、他の細胞貯留部33の底部の電極43に所定の電位を加え、細胞貯留部33に貯留されている菱形印の細胞を開口33'を介してマイクロ流路25に排出してマイクロ流路25を介して回収用の穴61から菱形印の細胞を回収する。以下、順次、細胞貯留部に貯留されている細胞を回収用の穴61から回収する。
電極41〜45および電極40に加える電圧について説明する。操作者は細胞を分類して細胞貯留部に細胞を取り込む段階であるか、細胞貯留部に取り込まれた細胞を排出する段階であるかを操作信号70としてパソコンに与える。操作者は細胞精製装置の使用に必要なその他の情報も操作信号70としてパソコン72に与える。
電圧切り替え制御装置75には電極41〜45のゲル注入穴に挿入された接続線が設けられるとともに、電圧源76,77および78が接続される。細胞の電位は細胞表面の糖鎖によるものと考えられているため、弱い負電位を持っているので、電圧源76は細胞を細胞貯留部に取り込むための高い正電位の電圧(+V1、たとえば+5V)を供給する。電圧源77は細胞を細胞貯留部に取り込む段階で細胞貯留部に取り込まれた細胞を安定に細胞貯留部に保持しておくための低い正電位の電圧(+V2、たとえば+0.5V)を供給する。電圧源78は細胞貯留部に取り込まれた細胞を細胞貯留部から排出する段階で細胞貯留部から細胞を排出するための高い負電位の電圧(−V3、たとえば−10V)を供給する。また、細胞貯留部に取り込まれた細胞を細胞貯留部から排出する段階でも、一つの細胞貯留部から細胞を排出しているときには、他の細胞貯留部では細胞を安定に保持しておくための低い正電位の電圧(+V2、たとえば+0.5V)を電圧源77から供給する。これら電圧(+V1)、電圧(+V2)および電圧(−V3)の相対的な関係を電圧源
76〜78、電圧切り替え制御装置75の下部に折れ線で示す。ここで、細胞の取り込み段階では、タイミングに応じて、電圧(+V1)、電圧(+V2)が選択的に採用される。すなわち、制御信号74は電極41〜45に加える電圧の大きさのみならず電圧印加のタイミングをも含むものである。
電圧切り替え制御装置79には電極40のゲル注入穴に挿入された接続線が設けられるとともに、電圧源80および電圧源81が接続される。電圧源81は細胞を細胞貯留部に取り込む段階の間、連続的に負電位の電圧(−V4、たとえば−5V)を供給する。電圧源80は細胞貯留部に取り込まれた細胞を細胞貯留部から排出する段階の間、連続的に正電位の電圧(+V1)を供給する。これら電圧(+V1)および電圧(−V4)の相対的な関係を電圧源80および81、電圧切り替え制御装置79の下部に折れ線で示す。すなわち、制御信号73は電極40に加える電圧を、細胞の取り込み段階か細胞貯留部から排出する段階かで電圧を切り替える信号である。
図1では、作図の便宜上、電極41〜45の電圧切り替え制御装置75と電極40の電圧切り替え制御装置79を別のものとして示したが、これは一体のものとしてよい。その場合、電圧源77と電圧源80とは一つにしてよい。
図3は、本発明の他の実施例の一つとして、上流部を細胞精製装置(セルソーター)とし、その下流部を細胞・微粒子分離装置としたシステム構成の一例を模式的に示す平面図である。図1と対比して容易に分かるように、細胞貯留部31,32,33,34,35および電極41〜45および電極40の部分の構成は図1の構成と同じである。マイクロ流路25がこの下流にまで延伸され、その両側に細胞貯留部31,32,33,34,35および電極41〜45および電極40に対応するとともに、同じ構造の微粒子貯留部16,17,18,19,20および電極51〜55および電極10が設けられる。これら微粒子貯留部16,17,18,19,20および電極51〜55および電極10の構成は細胞貯留部31,32,33,34,35および電極41〜45および電極40と同様であり、マイクロ流路25をはさんで対称に構成されている。なお、マイクロ流路25の最上流部、最下流部および中間位置で緩衝液が接地される。これにより、細胞精製装置の部分と細胞・微粒子分離装置の部分が電気的に干渉することが防止できる。
図3では、細胞と微粒子とが混合された試料がマイクロ流路25を流下するのを分離することになる。便宜上、細胞は黒で塗りつぶした表示とし、微粒子は白抜きで表示するものとした。上流部で細胞を細胞貯留部31,32,33,34,35に取り込み、下流部で弱い正電位を持つ微粒子を分離する。ここでは、細胞検出装置71は細胞検出領域26を通過する細胞のみならず微粒子をも検出する。細胞検出装置71の信号はパソコン72に送られ、細胞検出装置71の検出した細胞、微粒子を分類する。パソコン72は分類結果にしたがって、検出された細胞を細胞貯留部31〜35、微粒子貯留部16〜20のいずれに取り込むか判断する。この判断結果と取り込みのタイミングに応じた信号を、細胞については信号73,74として電圧切り替え制御装置75,79に送り、微粒子については信号83,84として電圧切り替え制御装置85,86に送る。
細胞の取り込み、排出については、図1で説明したとおりであるので、ここの説明は省略するが、微粒子は正電位を持つものとしているので、電極に印加する電位の極性が逆となる。すなわち、電圧源76'は微粒子を微粒子貯留部に取り込むための高い負電位の電圧(−V1、たとえば−5V)を供給する。電圧源77'は微粒子を微粒子貯留部に取り込む段階で微粒子貯留部に取り込まれた微粒子を安定に微粒子貯留部に保持しておくための低い正電位の電圧(+V2、たとえば+0.5V)を供給する。電圧源78'は微粒子貯留部に取り込まれた微粒子を微粒子貯留部から排出する段階で微粒子貯留部から微粒子を排出するための高い正電位の電圧(+V3、たとえば+10V)を供給する。また、微粒子貯留部に取り込まれた微粒子を微粒子貯留部から排出する段階でも、一つの微粒子貯留部から微粒子を排出しているときには、他の微粒子貯留部では微粒子を安定に保持しておくための低い負電位の電圧(−V2、たとえば−0.5V)を電圧源77'から供給する。これら電圧(−V1)、電圧(−V2)および電圧(+V3)の相対的な関係を電圧源76'〜78'、電圧切り替え制御装置75の下部に折れ線で示す。ここで、微粒子の取り込み段階では、タイミングに応じて、電圧(−V1)、電圧(−V2)が選択的に採用される。すなわち、制御信号83は電極41〜45に加える電圧の大きさのみならず電圧印加のタイミングをも含むものである。
電圧切り替え制御装置86には電極40のゲル注入穴に挿入された接続線が設けられるとともに、電圧源80'および電圧源81'が接続される。電圧源81'は微粒子を微粒子貯留部に取り込む段階の間、連続的に正電位の電圧(+V4、たとえば+5V)を供給する。電圧源80'は微粒子貯留部に取り込まれた微粒子を微粒子貯留部から排出する段階の間、連続的に負電位の電圧(−V1)を供給する。これら電圧(−V1)および電圧(+V4)の相対的な関係を電圧源80'および81'、電圧切り替え制御装置86の下部に折れ線で示す。すなわち、制御信号84は電極40に加える電圧を、微粒子の取り込み段階か微粒子貯留部から排出する段階かで電圧を切り替える信号である。
なお、図3の実施例において、細胞貯留部31〜35、微粒子貯留部16〜20を配列する位置をマイクロ流路25に対して互いに反対側としたのは以下の理由であるが、これは、同じ側としても、本質的には支障はない。細胞および微粒子の取り込み段階では、電極40は負電位とされているので、負電位を持つ細胞はマイクロ流路22'から供給される緩衝液によるシース流側に沿って流れ、正電位を持つ微粒子はマイクロ流路23'から供給される緩衝液によるシース流側に沿って流れる。したがって、細胞貯留部31〜35をマイクロ流路22'から供給される緩衝液によるシース流側に設け、微粒子貯留部16〜20をマイクロ流路23'から供給される緩衝液によるシース流側に設けるのが細胞および微粒子の取り込みに有利である。
図3の例においても、それぞれの貯留部に貯留された細胞、微粒子を排出する段階では、図1の例で説明したと同様に、他の貯留部から排出された細胞、微粒子による汚染を受けないように、緩衝液で洗浄しながら、段階的に排出することが重要である。
図4は、本発明の他の実施例の一つである細胞精製装置(セルソーター)のシステム構成の一例を模式的に示す平面図である。図1に示した実施例と本質的に同じ構造であり、同じ構成要素には同じ参照符号を付した。図4と図1とを対比して容易に分かるように、図4に示す実施例では、マイクロ流路25を流下する細胞の密度が、図1に示す実施例のそれよりも高い。その結果、マイクロ流路25の最上流部の細胞検出領域26には、一時に、複数(図4の例では三つであるがこれに限定されない。)の細胞が存在している。ここで、図4に示す実施例の構造は、図1に示す実施例のそれと本質的に同じである。しかし、図4に示す実施例のマイクロ流路22'およびマイクロ流路23'の幅のみが、図1に示す実施例のマイクロ流路22'およびマイクロ流路23'の幅に比較して狭いものとされている。他の構造は同じである。
マイクロ流路22'およびマイクロ流路23'から供給される緩衝液は、マイクロ流路21'を緩衝液とともに流下する細胞をマイクロ流路25で、シース流に挟まれた層流として、細胞がその層流を1列に並んで所定の間隔で流下するようにさせるものである。したがって、マイクロ流路25を緩衝液とともに流下する細胞の密度は、マイクロ流路21'を流下する緩衝液の量とマイクロ流路22'および23'から流入する緩衝液の量の比により変化する。
図5(a)、(b)はこのことを模式的に説明する図である。図5(a)は一つの細胞とともにマイクロ流路21'を流下する緩衝液の量101が3V0であり、マイクロ流路22'および23'から流入する緩衝液の量102および103がそれぞれ実質的に同じ3V0である場合を説明する図である。図5(b)は一つの細胞とともにマイクロ流路21'を流下する緩衝液の量101に対してマイクロ流路22'および23'のそれぞれから流入する緩衝液の量102’および103’が1/3の場合を説明する図である。図5(a)では、一つの細胞が緩衝液の量9V0(=3V0×3)とともにマイクロ流路25に流入するのに対して、図5(b)では、一つの細胞が緩衝液の量5V0(=3V0+V0+V0)とともにマイクロ流路25に流入する。
すなわち、図5(a)に示す例では、図5(b)に示す例とくらべて、マイクロ流路22'およびマイクロ流路23'から供給される緩衝液は1/3であるため、マイクロ流路25を流下する細胞の密度は、9/5に増加するのである。ここで、マイクロ流路22'およびマイクロ流路23'から供給される緩衝液はマイクロ流路21’から流入する細胞をマイクロ流路25内の層流に整列させて流下させる目的もあるから、それぞれのマイクロ流路の幅は、このことも考慮した設計とすることが必要である。
図6は細胞検出領域と該領域内に存在する細胞画像の識別を説明する図である。図6には、細胞検出領域26に三つの細胞931,932,933が存在する。111,112および113は、それぞれの細胞の細胞画像の識別領域である。細胞検出領域26は細胞の実像を検出するCCDカメラを備える細胞検出装置71により、細胞が3個通過するごとにCCDカメラにより撮像される。細胞検出装置71の信号はパソコン72に送られる。パソコン72は細胞検出装置71の検出した細胞画像の信号を識別領域111,112および113のそれぞれについて識別領域内の画像を、あらかじめ準備されている細胞画像と対比して細胞を分類する。パソコン72は分類結果にしたがって、検出された細胞を細胞貯留部31〜35のいずれの細胞貯留部に取り込むか判断し、この結果と細胞の流下速度に応じて細胞貯留部に対応する電極の電位を制御する。なお、図6に示す長さLは、細胞貯留部31〜35の開口31',32',33',34',35'の入り口幅の長さを示す。すなわち、細胞の流下の密度を上げる場合、隣接する細胞間の距離が、ほぼ入り口幅の長さ程度とより大きくなるようにして、異なった分類の細胞が一つの細胞貯留部に取り込まれないようにすることが必要である。
図4に示す実施例では、複数の細胞を単位として細胞検出領域26でワンショットで取り込んでパソコン72で処理して細胞貯留部31〜35に取り込むものである。したがって、細胞検出領域26内の細胞の撮像を1/2,000[S]の高速で行い、ワンショットで取り込む細胞検出領域26内の細胞の数を10とすれば、結果として、1秒間に20,000個の細胞の処理が出来ることになる。ワンショットで細胞検出装置71に取り込まれた10個の細胞画像は、パソコン72により細胞ごとに、細胞の情報解析を行うが、これには画像のみならず、細胞の重心位置の評価も行うものとする。細胞の重心位置の情報に基づいて各細胞の重心間距離を評価するとともに細胞の判定をすることにより、より高精度に細胞の判定が出来る。
上述の実施例では、図1と図4との対比の形で細胞の流下密度を大きくした場合の工夫として説明したが、例えば、図1の実施例において、マイクロ流路25を流下する緩衝液の流下速度が大きい場合に、マイクロ流路25の長さ方向に細胞検出領域26を大きくとり、この領域に複数の細胞が存在する状態で撮像してスループットを向上させるようにすることも出来る。
本発明の細胞精製装置(セルソーター)のシステム構成の1例を模式的に示す平面図である。 (a)は図1のA−A位置で矢印方向に見た断面図、(b)は図1のB−B位置で矢印方向に見た断面図(c)は図1のC−C位置で矢印方向に見た断面図である。 本発明の他の実施例の一つとして、上流部を細胞精製装置(セルソーター)とし、その下流部を細胞・微粒子分離装置としたシステム構成の一例を模式的に示す平面図である。 本発明の他の実施例の一つである細胞精製装置(セルソーター)のシステム構成の一例を模式的に示す平面図である。 (a)、(b)はマイクロ流路25を緩衝液とともに流下する細胞の密度が、マイクロ流路21'を流下する緩衝液の量とマイクロ流路22'および23'から流入する緩衝液の量の比により変化することを模式的に説明する図である。 細胞検出領域と該領域内に存在する細胞画像の識別を説明する図である。
符号の説明
100…セルソーター、1…基板、2…ラミネートフィルム、10,11,12,13,14,15…ゲル電極、21,22,23,61…穴、21',22',23',25…流路、24,62…リザーバ、16,17,18,19,20…微粒子貯留部、16',17',18',19',20'…微粒子貯留部の開口、31,32,33,34,35…細胞貯留部、31',32',33',34',35'…細胞貯留部の開口、40,41,42,43,44,45…ゲル電極、51…ゲル注入穴、52…空気抜きの穴、71…細胞検出装置、72…パソコン、73,74,83,84…制御信号、75,79,85,86…電圧切り替え制御装置、91,92,93,931,932,933,94…細胞、101,102,103,102’,103’…緩衝液の量、111,112,113…それぞれの細胞の細胞画像の識別領域。

Claims (21)

  1. 細胞を緩衝液とともに供給する手段、
    前記細胞を前記緩衝液の層流として流下させる手段、
    前記緩衝液の層流の前記細胞を個々に光学的に検出する領域、
    前記緩衝液の層流の前記細胞を光学的に検出する領域より下流側に、前記緩衝液の層流に沿って流下方向に所定の間隔で配置された複数の細胞貯留部、
    前記複数の細胞貯留部のそれぞれを前記緩衝液の層流に対して連通させるとともに前記細胞1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
    前記複数の細胞貯留部の前記開口部と反対側の位置に、前記複数の細胞貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、
    前記複数の第1の電極のそれぞれを前記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
    前記緩衝液の層流に対して、前記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、
    前記第2の電極を前記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、および
    前記緩衝液の層流の最下流の位置で流下してきた前記緩衝液を貯留する手段、
    を基板上に備えることを特徴とする細胞精製チップ。
  2. 基板、該基板上に構成される細胞を含む緩衝液を流下させるための第1の流路、該第1の流路を挟み該第1の流路の両側から細胞を含まない緩衝液を流下させる第2及び第3の流路、前記第1の流路の緩衝液と第2および第3の流路の緩衝液が合流して1本の流路となって緩衝液を流下させる第4の流路、前記第4の流路に設けられ前記緩衝液とともに流下する細胞を検出する細胞検出領域、該細胞検出領域の下流で前記第4の流路に沿って細胞1個の通過を許容する開口を介して設けられた複数の細胞貯留部、該複数の細胞貯留部に対応して独立に設けられた電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、該複数の第1の電極のそれぞれを前記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、前記第4の流路に沿って前記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、ならびに前記第2の電極を前記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、を備えるとともに、前記第1の流路から第4の流路を流下する緩衝液が共通の液面位置を有するリザーバから供給され、前記第4の流路の最下流の位置に流下した緩衝液を貯留するためのリザーバを備えることを特徴とする細胞精製チップ。
  3. 前記第1の電極、および前記第2の電極の電解質を含むゲルが導電性アガロース層である請求項1または2記載の細胞精製チップ。
  4. 細胞を緩衝液とともに供給する手段、
    前記細胞を前記緩衝液の層流として流下させる手段、
    前記緩衝液の層流の前記細胞を光学的に検出する領域、
    前記緩衝液の層流の前記細胞を光学的に検出する領域より下流側に、前記緩衝液の層流に沿って所定の間隔で配置された複数の細胞貯留部、
    前記複数の細胞貯留部のそれぞれを前記緩衝液の層流に対して連通させるとともに前記細胞1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
    前記複数の細胞貯留部の前記開口部と反対側の位置に、前記複数の細胞貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、
    前記複数の第1の電極のそれぞれを前記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
    前記緩衝液の層流に対して、前記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、
    前記第2の電極を前記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、および
    前記緩衝液の層流の最下流の位置で流下してきた前記緩衝液を貯留する手段、を基板上に備えたチップを設置するための手段、ならびに
    前記緩衝液の層流の細胞を光学的に検出し、前記緩衝液の層流として流下する前記細胞を個々に所定の基準で分類する、光学的検出/分類手段、
    前記光学的検出/分類手段により分類された細胞が、細胞の分類が対応する前記細胞貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された前記第1の電極の電位を前記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、および
    前記細胞貯留部に貯留された細胞を前記緩衝液の層流に放出するとき、該細胞貯留部に対応して独立に形成された前記複数の第1の電極の一つの電極の電位を前記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
    を備えることを特徴とする細胞精製装置。
  5. 基板、該基板上に構成される細胞を含む緩衝液を流下させるための第1の流路、該第1の流路を挟み該第1の流路の両側から細胞を含まない緩衝液を流下させる第2及び第3の流路、前記第1の流路の緩衝液と第2および第3の流路の緩衝液が合流して1本の流路となって緩衝液を流下させる第4の流路、前記第4の流路に設けられ前記緩衝液とともに流下する細胞を検出する細胞検出領域、該細胞検出領域の下流で前記第4の流路に沿って細胞1個の通過を許容する開口を介して設けられた複数の細胞貯留部、該複数の細胞貯留部に対応して独立に設けられた電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、該複数の第1の電極のそれぞれを前記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、前記第4の流路に沿って前記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、ならびに前記第2の電極を前記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、を備えるとともに、前記第1の流路から第4の流路を流下する緩衝液が共通の液面位置を有するリザーバから供給され、前記第4の流路の最下流の位置に流下した緩衝液を貯留するためのリザーバを備えたチップを設置する手段を備えるとともに、
    前記細胞検出領域において細胞を検出し、分類する手段、
    前記分類された細胞が、細胞の分類が対応する前記細胞貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された前記複数の第1の電極の一つの電極の電位を前記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、および
    前記細胞貯留部に貯留された細胞を前記第4の流路に放出するとき、該細胞貯留部に対応して独立に形成された前記第1の電極の電位を前記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
    を備えることを特徴とする細胞精製装置。
  6. 前記第1の電極、および前記第2の電極の電解質を含むゲルが導電性アガロース層である請求項4または5記載の細胞精製装置。
  7. 前記緩衝液が接地電位とされ、前記第1の電極は前記細胞貯留部に細胞を取り込む時は高い正電位、前記取り込まれた細胞貯留部に細胞を保持しているときは低い正電位とされ、前記第2の電極は前記細胞貯留部に細胞を取り込む時および前記取り込まれた細胞貯留部に細胞を保持しているときは低い負電位とされ、前記第1の電極は前記細胞貯留部に貯留された細胞を前記第4の流路に放出するときは高い負電位とされ、前記第2の電極は前記細胞貯留部に貯留された細胞を前記第4の流路に放出するときは低い正電位とされた請求項4または5記載の細胞精製装置。
  8. 細胞および微粒子を緩衝液とともに供給する手段、
    前記細胞および前記微粒子を前記緩衝液の層流として流下させる手段、
    前記緩衝液の層流の前記細胞および前記微粒子を個々に光学的に検出する領域、
    前記緩衝液の層流の前記細胞および前記微粒子を光学的に検出する領域より下流側に、前記緩衝液の層流に沿って流下方向に所定の間隔で配置された複数の細胞貯留部および複数の微粒子貯留部、
    前記複数の細胞貯留部のそれぞれを前記緩衝液の層流に対して連通させるとともに前記細胞1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
    前記複数の微粒子貯留部のそれぞれを前記緩衝液の層流に対して連通させるとともに前記微粒子1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
    前記細胞貯留部の前記開口部と反対側の位置に、前記複数の細胞貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、
    前記複数の第1の電極のそれぞれを前記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
    前記緩衝液の層流に対して、前記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、
    前記第2の電極を前記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、
    前記微粒子貯留部の前記開口部と反対側の位置に、前記複数の微粒子貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第3の電極、
    前記複数の第3の電極のそれぞれを前記複数の微粒子貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
    前記緩衝液の層流に対して、前記微粒子貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第4の電極、
    前記第4の電極を前記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、ならびに
    前記緩衝液の層流の最下流の位置で流下してきた前記緩衝液を貯留する手段、
    を基板上に備えることを特徴とする細胞・微粒子分離チップ。
  9. 基板、該基板上に構成される細胞・微粒子を含む緩衝液を流下させるための第1の流路、該第1の流路を挟み該第1の流路の両側から細胞・微粒子を含まない緩衝液を流下させる第2及び第3の流路、前記第1の流路の緩衝液と第2および第3の流路の緩衝液が合流して1本の流路となって緩衝液を流下させる第4の流路、前記第4の流路に設けられ前記緩衝液とともに流下する細胞・微粒子を検出する細胞・微粒子検出領域、該細胞・微粒子検出領域の下流で前記第4の流路に沿って細胞1個の通過を許容する開口を介して設けられた複数の細胞貯留部、該複数の細胞貯留部に対応して独立に設けられた電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、該複数の第1の電極のそれぞれを前記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、前記第4の流路に沿って前記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、前記第2の電極を前記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、前記複数の細胞貯留部下流で前記第4の流路に沿って微粒子1個の通過を許容する開口を介して設けられた複数の微粒子貯留部、該複数の微粒子貯留部に対応して独立に設けられた電解質を含むゲルよりなる複数の第3の電極、該複数の第3の電極のそれぞれを前記複数の微粒子貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、前記第4の流路に沿って前記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第4の電極、ならびに前記第4の電極を前記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口
    を備えるとともに、前記第1の流路から第4の流路を流下する緩衝液が共通の液面位置を有するリザーバから供給され、前記第4の流路の最下流の位置に流下した緩衝液を貯留するためのリザーバを備えることを特徴とする細胞・微粒子精製チップ。
  10. 前記第1の電極から前記第4の電極の電解質を含むゲルが導電性アガロース層である請求項9記載の細胞・微粒子精製チップ。
  11. 細胞および微粒子を緩衝液とともに供給する手段、
    前記細胞および前記微粒子を前記緩衝液の層流として流下させる手段、
    前記緩衝液の層流の前記細胞および前記微粒子を光学的に検出する領域、
    前記緩衝液の層流の前記細胞および前記微粒子を光学的に検出する領域より下流側に、前記緩衝液の層流に沿って所定の間隔で配置された複数の細胞貯留部、
    前記複数の細胞貯留部のそれぞれを前記緩衝液の層流に対して連通させるとともに前記細胞1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
    前記緩衝液の層流の前記細胞および前記微粒子を光学的に検出する位置より下流側に、前記緩衝液の層流に沿って所定の間隔で配置された複数の微粒子貯留部、
    前記複数の微粒子貯留部のそれぞれを前記緩衝液の層流に対して連通させるとともに前記微粒子1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
    前記複数の細胞貯留部の前記開口部と反対側の位置に、前記複数の細胞貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、
    前記複数の第1の電極のそれぞれを前記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
    前記緩衝液の層流に対して、前記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、
    前記第2の電極を前記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、
    前記複数の微粒子貯留部の前記開口部と反対側の位置に、前記複数の微粒子貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第3の電極、
    前記複数の第3の電極のそれぞれを前記複数の微粒子貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
    前記緩衝液の層流に対して、前記微粒子貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第4の電極、
    前記第4の電極を前記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、ならびに
    前記緩衝液の層流の最下流の位置で流下してきた前記緩衝液を貯留する手段、
    を基板上に備えたチップを設置する手段を備えるとともに、
    前記緩衝液の層流の前記細胞および前記微粒子を光学的に検出し、前記緩衝液の層流として流下する前記細胞および前記微粒子を個々に所定の基準で分類する、光学的検出/分類手段、
    前記光学的検出/分類手段により分類された細胞が、細胞の分類が対応する前記細胞貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された前記第1の電極の電位を前記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
    前記細胞貯留部に貯留された細胞を前記緩衝液の層流に放出するとき、該細胞貯留部に対応して独立に形成された前記複数の第1の電極の一つの電極の電位を前記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
    前記光学的に検出する手段により分類された微粒子が、微粒子の分類が対応する前記微粒子貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された前記第3の電極の電位を前記第4の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、ならびに
    前記微粒子貯留部に貯留された微粒子を前記緩衝液の層流に放出するとき、該微粒子貯留部に対応して独立に形成された前記複数の第3の電極の一つの電極の電位を前記第4の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
    を備えることを特徴とする細胞・微粒子精製装置。
  12. 基板、該基板上に構成される細胞・微粒子を含む緩衝液を流下させるための第1の流路、該第1の流路を挟み該第1の流路の両側から細胞・微粒子を含まない緩衝液を流下させる第2及び第3の流路、前記第1の流路の緩衝液と第2および第3の流路の緩衝液が合流して1本の流路となって緩衝液を流下させる第4の流路、前記第4の流路に設けられ前記緩衝液とともに流下する細胞・微粒子を検出する細胞・微粒子検出領域、該細胞・微粒子検出領域の下流で前記第4の流路に沿って細胞1個の通過を許容する開口を介して設けられた複数の細胞貯留部、該複数の細胞貯留部に対応して独立に設けられた電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、該複数の第1の電極のそれぞれを前記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、前記第4の流路に沿って前記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、前記第2の電極を前記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、前記複数の細胞貯留部の下流で前記第4の流路に沿って微粒子1個の通過を許容する開口を介して設けられた複数の微粒子貯留部、該複数の微粒子貯留部に対応して独立に設けられた電解質を含むゲルよりなる複数の第3の電極、該複数の第3の電極のそれぞれを前記複数の微粒子貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、ならびに前記第4の流路に沿って前記微粒子貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第4の電極、前記第4の電極を前記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口を備えるとともに、前記第1の流路から第4の流路を流下する緩衝液が共通の液面位置を有するリザーバから供給され、前記第4の流路の最下流の位置に流下した緩衝液を貯留するためのリザーバを備えたチップを設置する手段を備えるとともに、
    前記細胞・微粒子検出領域において細胞を検出し、分類する手段、
    前記分類された細胞が、細胞の分類が対応する前記細胞貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された前記複数の第1の電極の一つの電極の電位を前記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
    前記細胞貯留部に貯留された細胞を前記第4の流路に放出するとき、該細胞貯留部に対応して独立に形成された前記第1の電極の電位を前記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
    前記細胞・微粒子検出領域において微粒子を検出し、分類する手段、
    前記分類された微粒子が、微粒子の分類が対応する前記微粒子貯留部の開口部を通過する時、該微粒子貯留部に対応して独立に形成された前記複数の第3の電極の一つの電極の電位を前記第4の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、および
    前記微粒子貯留部に貯留された微粒子を前記第4の流路に放出するとき、該微粒子貯留部に対応して独立に形成された前記第3の電極の電位を前記第4の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
    を備えることを特徴とする細胞・微粒子精製装置。
  13. 前記第1の電極から前記第4の電極の電解質を含むゲルが導電性アガロース層である請求項12記載の細胞・微粒子精製装置。
  14. 前記緩衝液が前記複数の細胞貯留部の最上流部、前記複数の細胞貯留部と前記複数の微粒子貯留部との結合部および前記複数の微粒子貯留部の最下流部のそれぞれで接地電位とされ、前記第1の電極は前記細胞貯留部に細胞を取り込む時は高い正電位、前記取り込まれた細胞貯留部に細胞を保持しているときは低い正電位とされ、前記第2の電極は前記細胞貯留部に細胞を取り込む時および前記取り込まれた細胞貯留部に細胞を保持しているときは低い負電位とされ、前記第1の電極は前記細胞貯留部に貯留された細胞を前記第4の流路に放出するときは高い負電位とされ、前記第2の電極は前記細胞貯留部に貯留された細胞を前記第4の流路に放出するときは低い正電位とされ、前記第3の電極は前記微粒子貯留部に細胞を取り込む時は高い負電位、前記取り込まれた微粒子貯留部に微粒子を保持しているときは低い負電位とされ、前記第2の電極は前記微粒子貯留部に微粒子を取り込む時および前記取り込まれた微粒子貯留部に微粒子を保持しているときは低い正電位とされ、前記第1の電極は前記微粒子貯留部に貯留された微粒子を前記第4の流路に放出するときは高い正電位とされ、前記第2の電極は前記微粒子貯留部に貯留された微粒子を前記第4の流路に放出するときは低い負電位とされた請求項11または12記載の細胞・微粒子精製装置。
  15. 細胞を緩衝液とともに供給する手段、
    前記細胞を前記緩衝液の層流として流下させる手段、
    前記緩衝液の層流の前記細胞の複数個を同時に光学的に検出する領域、
    前記緩衝液の層流の前記細胞の複数個を同時に光学的に検出する領域より下流側に、前記緩衝液の層流に沿って所定の間隔で配置された複数の細胞貯留部、
    前記複数の細胞貯留部のそれぞれを前記緩衝液の層流に対して連通させるとともに前記細胞1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
    前記複数の細胞貯留部の前記開口部と反対側の位置に、前記複数の細胞貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、
    前記複数の第1の電極のそれぞれを前記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
    前記緩衝液の層流に対して、前記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、
    前記第2の電極を前記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、および
    前記緩衝液の層流の最下流の位置で流下してきた前記緩衝液を貯留する手段、
    を基板上に備えたチップを設置するための手段、ならびに
    前記緩衝液の層流の前記細胞の複数個を同時に光学的に検出し、前記緩衝液の層流として流下する前記複数個の細胞を個々に所定の基準で分類する、光学的検出/分類手段、
    前記光学的検出/分類手段により分類された複数個の個々の細胞が、細胞の分類が対応する前記細胞貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された前記第1の電極の電位を前記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、および
    前記細胞貯留部に貯留された細胞を前記緩衝液の層流に放出するとき、該細胞貯留部に対応して独立に形成された前記複数の第1の電極の一つの電極の電位を前記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
    を備えることを特徴とする細胞精製装置。
  16. 基板、該基板上に構成される細胞を含む緩衝液を流下させるための第1の流路、該第1の流路を挟み該第1の流路の両側から細胞を含まない緩衝液を流下させる第2及び第3の流路、前記第1の流路の緩衝液と第2および第3の流路の緩衝液が合流して1本の流路となって緩衝液を流下させる第4の流路、前記第4の流路に設けられ前記緩衝液とともに流下する複数個の細胞を同時に検出する細胞検出領域、該細胞検出領域の下流で前記第4の流路に沿って細胞1個の通過を許容する開口を介して設けられた複数の細胞貯留部、該複数の細胞貯留部に対応して独立に設けられた電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、該複数の第1の電極のそれぞれを前記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、前記第4の流路に沿って前記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、ならびに前記第2の電極を前記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、を備えるとともに、前記第1の流路から第4の流路を流下する緩衝液が共通の液面位置を有するリザーバから供給され、前記第4の流路の最下流の位置に流下した緩衝液を貯留するためのリザーバを備えたチップを設置する手段を備えるとともに、
    前記細胞検出領域において複数個の細胞を同時に検出し、該複数個の細胞のそれぞれを分類する手段、
    前記分類された複数個の細胞のそれぞれが、細胞の分類が対応する前記細胞貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された前記複数の第1の電極の一つの電極の電位を前記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、および
    前記細胞貯留部に貯留された細胞を前記第4の流路に放出するとき、該細胞貯留部に対応して独立に形成された前記第1の電極の電位を前記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
    を備えることを特徴とする細胞精製装置。
  17. 前記第1の電極、および前記第2の電極の電解質を含むゲルが導電性アガロース層である請求項15または16記載の細胞精製装置。
  18. 前記緩衝液が接地電位とされ、前記第1の電極は前記細胞貯留部に細胞を取り込む時は高い正電位、前記取り込まれた細胞貯留部に細胞を保持しているときは低い正電位とされ、前記第2の電極は前記細胞貯留部に細胞を取り込む時および前記取り込まれた細胞貯留部に細胞を保持しているときは低い負電位とされ、前記第1の電極は前記細胞貯留部に貯留された細胞を前記第4の流路に放出するときは高い負電位とされ、前記第2の電極は前記細胞貯留部に貯留された細胞を前記第4の流路に放出するときは低い正電位とされた請求項15または16記載の細胞精製装置。
  19. 細胞および微粒子を緩衝液とともに供給する手段、
    前記細胞および前記微粒子を前記緩衝液の層流として流下させる手段、
    前記緩衝液の層流の前記細胞および前記微粒子の複数個を同時に光学的に検出する領域、
    前記緩衝液の層流の前記細胞および前記微粒子の複数個を同時に光学的に検出する領域より下流側に、前記緩衝液の層流に沿って所定の間隔で配置された複数の細胞貯留部、
    前記複数の細胞貯留部のそれぞれを前記緩衝液の層流に対して連通させるとともに前記細胞1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
    前記緩衝液の層流の前記細胞および前記微粒子を光学的に検出する位置より下流側に、前記緩衝液の層流に沿って所定の間隔で配置された複数の微粒子貯留部、
    前記複数の微粒子貯留部のそれぞれを前記緩衝液の層流に対して連通させるとともに前記微粒子1個相当の通過を許す大きさの複数の開口部、
    前記複数の細胞貯留部の前記開口部と反対側の位置に、前記複数の細胞貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第1の電極、
    前記複数の第1の電極のそれぞれを前記複数の細胞貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
    前記緩衝液の層流に対して、前記細胞貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第2の電極、
    前記第2の電極を前記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、
    前記複数の微粒子貯留部の前記開口部と反対側の位置に、前記複数の微粒子貯留部に対応して独立に形成された電解質を含むゲルよりなる複数の第3の電極、
    前記複数の第3の電極のそれぞれを前記複数の微粒子貯留部内の緩衝液とそれぞれ接触させる複数の微細な開口、
    前記緩衝液の層流に対して、前記微粒子貯留部と反対側の位置に形成された電解質を含むゲルよりなる第4の電極、
    前記第4の電極を前記緩衝液の層流と接触させる複数の微細な開口、ならびに
    前記緩衝液の層流の最下流の位置で流下してきた前記緩衝液を貯留する手段、
    を基板上に備えたチップを設置する手段を備えるとともに、
    前記緩衝液の層流の前記細胞および前記微粒子の複数個を同時に光学的に検出し、前記緩衝液の層流として流下する前記細胞および前記微粒子の複数個を個々に所定の基準で分類する、光学的検出/分類手段、
    前記光学的検出/分類手段により分類された複数個の個々の細胞が、細胞の分類が対応する前記細胞貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された前記第1の電極の電位を前記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
    前記細胞貯留部に貯留された細胞を前記緩衝液の層流に放出するとき、該細胞貯留部に対応して独立に形成された前記複数の第1の電極の一つの電極の電位を前記第2の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
    前記光学的に検出する手段により分類された複数個の個々の微粒子が、微粒子の分類が対応する前記微粒子貯留部の開口部を通過する時、該細胞貯留部に対応して独立に形成された前記第3の電極の電位を前記第4の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、ならびに
    前記微粒子貯留部に貯留された微粒子を前記緩衝液の層流に放出するとき、該微粒子貯留部に対応して独立に形成された前記複数の第3の電極の一つの電極の電位を前記第4の電極の電位に対して所定の極性に制御する手段、
    を備えることを特徴とする細胞・微粒子精製装置。
  20. 前記第1の電極から前記第4の電極の電解質を含むゲルが導電性アガロース層である請求項19記載の細胞・微粒子精製装置。
  21. 前記緩衝液が前記複数の細胞貯留部の最上流部、前記複数の細胞貯留部と前記複数の微粒子貯留部との結合部および前記複数の微粒子貯留部の最下流部のそれぞれで接地電位とされ、前記第1の電極は前記細胞貯留部に細胞を取り込む時は高い正電位、前記取り込まれた細胞貯留部に細胞を保持しているときは低い正電位とされ、前記第2の電極は前記細胞貯留部に細胞を取り込む時および前記取り込まれた細胞貯留部に細胞を保持しているときは低い負電位とされ、前記第1の電極は前記細胞貯留部に貯留された細胞を前記第4の流路に放出するときは高い負電位とされ、前記第2の電極は前記細胞貯留部に貯留された細胞を前記第4の流路に放出するときは低い正電位とされ、前記第3の電極は前記微粒子貯留部に細胞を取り込む時は高い負電位、前記取り込まれた微粒子貯留部に微粒子を保持しているときは低い負電位とされ、前記第2の電極は前記微粒子貯留部に微粒子を取り込む時および前記取り込まれた微粒子貯留部に微粒子を保持しているときは低い正電位とされ、前記第1の電極は前記微粒子貯留部に貯留された微粒子を前記第4の流路に放出するときは高い正電位とされ、前記第2の電極は前記微粒子貯留部に貯留された微粒子を前記第4の流路に放出するときは低い負電位とされた請求項19記載の細胞・微粒子精製装置。
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