JP2008297996A - 単機スクリュー式多段圧縮機およびそれを用いた冷凍・冷却システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】雄・雌一対のスクリューロータからなる低段圧縮機1と高段圧縮機3と、モータ25とを直列に一体に組合せた単機スクリュー式多段圧縮機5において、低段圧縮機1の高段圧縮機3に対する理論風量比を略3.2以上に設定するともに、低段エコノマイザーポート70を低段圧縮機1の雄・雌ロータ7、9を収容するケーシングの雄・雌ロータの軸方向端面に対向した位置にそれぞれ設けてポート開口面積を拡大するように構成ししたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
また、エコノマイザーポートの具体的な設置構造の開示はなく実用的な構造までは示されていない。
すなわち、高段圧縮機は、低段圧縮機で圧縮された流体をさらに圧縮するため、低段圧縮機より風量(押しのけ量)は小さくしてあり、低段圧縮機での風量と高段圧縮機での風量比は性能が最適に発揮されるようにバランスして設定されている。
さらに、低段圧縮機の風量比の増大は、低段圧縮機を大型化するか、または高段圧縮機を小型化することによって達成することができるので、高段圧縮機の小型化が可能になり、単機スクリュー式圧縮機の安全性が高まり設置場所に制限を受けずに設置が可能になる。
このように低段側を水平配置、高段側を縦配置の構成とすることによって、水平配置された低段側のスクリューロータの下方のスペースを利用してバランス通路を設置することができるので、低段圧縮機と高段圧縮機と駆動モータとを直列に一体に組合せた単機スクリュー式多段圧縮機を大型化せずにコンパクトに構成することができる。
このように構成することによって、雄ロータおよび雌ロータの圧縮行程に確実に冷媒を流入することができる。
図3は図1のA−A線拡大断面図であり、図4は図2のB−B線拡大断面図である。
図5は本発明の実施形態にかかわる単機スクリュー式多段圧縮機を用いた冷凍・冷却システムの概略構成図であり、図6は図5の冷凍・冷却システムのモリエル線図である。
図7は本発明の実施形態にかかわる単機スクリュー式多段圧縮機を用いた冷凍・冷却システムの他の実施形態を示す概略構成図であり、図8は図7の冷凍・冷却システムのモリエル線図である。図9は、低段圧縮機と高段圧縮機との風量比と、成績係数(COP)との関係を示す特性図である。
低段圧縮機1は雄・雌一対のスクリューロータ7、9が噛合って回転可能に、低段圧縮機ケーシング11内に収容され、高段圧縮機3は雄・雌一対のスクリューロータ13、15が噛合って回転可能に高段圧縮機ケーシング17内に収容されている。また、図1、2に示すように、低段圧縮機1の雄・雌一対のスクリューロータ7、9は左右に並んで配設され、高段圧縮機3の雄・雌一対のスクリューロータ13、15は上下に並んで配設されるように、低段側を水平配置し高段側を縦配置してそれぞれ直交する方向に並んで配設されている。
モータ25の回転軸27とロータ軸19とロータ軸21とは一体回転するようになっている。
また、高段雄ロータ13のロータ軸21は、軸受43によって高段圧縮機ケーシング17に支持され、軸受45によって吐出口ケーシング47に支持されている。また、高段雌ロータ15のロータ軸22も同様に、軸受49によって高段圧縮機ケーシング17に支持され、軸受51によって吐出口ケーシング47に支持されている。
低段圧縮機1の吐出口59は、吸込口57とは反対側の前記低段雄、雌ロータ7、9の端面に設けられ、吐出通路61を介して中間圧力室63に連通している。
中間圧力室63には、高段圧縮機3の吸込口65が開口し、前記高段雄、雌ロータ13、15の端面から冷媒が流入されるようになっている。
さらに、高段圧縮機3の吐出口67(図2)が、吐出口ケーシング47に形成され、高段圧縮機3で圧縮された冷媒が吐出されるようになっている。
次に、低段エコノマイザーポート70、高段エコノマイザーポート72について図1、2を参照して説明する。
低段エコノマイザーポート70は、低段エコノマイザー冷却器(後述の冷凍システムで説明)からの冷媒を低段圧縮機1の圧縮室内に供給するポートであり、中間ケーシング33に一箇所形成された低段エコノマイザーポート入口74から、低段雄ロータ7の雄側エコノマイザーポート76と、低段雌ロータ9の雌側エコノマイザーポート78へとそれぞれ連通している。
そして、前記雄側および雌側エコノマイザーポート76、78はそれぞれ雄・雌ロータ7、9に形成されているスクリュー羽根の間に位置される大きさに形成されている(図3参照)。
さらに、低段エコノマイザーポート70が雄・雌ロータ7、9の端面側の中間ケーシング33にまとめて形成されるため、エコノマイザーポートの加工、製造が容易になる。
次に、バランス通路80について図1を参照して説明する。
このバランス通路80とは、中間圧力室63とモータケーシング29内のモータ室82とを連通する通路であり、中間圧力室63内の高圧の冷媒をモータ室82内に導くものである。また、中間圧力室63内の圧力でなくても、高段圧縮機3の圧縮行程部の圧力をモータ室82に導くようにしてもよい。
次に、低段雄ロータ7と低段雌ロータ9とのスクリュー羽根の断面形状、および噛合い状態を図3を参照し、高段雄ロータ13と高段雌ロータ15とについては図4を参照して説明する。
図3、図4に示すように、低段雄ロータ7は5枚羽根で、低段雌ロータ9は6枚羽根で構成され、また、高段雄ロータ13も5枚羽根で、高段雌ロータ15も6枚羽根で、高段雄ロータ13も5枚羽根で構成されている。
このように、低段圧縮機1および高段圧縮機3ともに、5枚と6枚の組合で同一枚数に設定している。従って、5枚と6枚との組み合わせによって噛合い長さが長く採れることで、シール性を向上し、高圧縮の圧縮機へ対応できる。
なお、図3、4の矢印方向は、それぞれのロータの回転方向を示す。
次に、低段圧縮機1と高段圧縮機3との風量比について説明する。
高段圧縮機3は、低段圧縮機1で圧縮された冷媒等の流体をさらに圧縮するため、低段圧縮機1より風量(押しのけ量)は小さくしてあり、低段圧縮機1での風量と高段圧縮機3での風量比は性能が最適に発揮されるようにバランスして設定されている。
さらに、低段圧縮機1の風量比の増大は、低段圧縮機1を大型化するか、または高段圧縮機3を小型化することによって達成することができるので、高段圧縮機3の小型化が可能になり、スクリュー式2段圧縮機5の安全性が高まり設置場所に制限を受けずに設置が可能になる。
次に、冷凍・冷却システムについて図5〜8を参照して説明する。
図5は、単機スクリュー式2段圧縮機5を冷凍・冷却システムに適用した場合の構成図であり、冷媒はアンモニアを用いた例である。
冷凍システム100は、前記の単機構造のスクリュー式2段圧縮機5と、凝縮器102と、蒸発器104と、膨張手段106と、によって形成される主冷媒回路108に、前記凝縮器102の下流側でかつ前記蒸発器104の上流側で前記主冷媒回路108に高段エコノマイザー回路110と、低段エコノマイザー回路112とを備えて構成されている。
スクリュー式2段圧縮機5によって圧縮されて高圧、高温(Td2)となった冷媒は、凝縮器102に流入してその熱を外部に放出して凝縮(凝縮温度Tc)して液化、低温化(TL)し、その後冷媒は分流し分流した冷媒は、高段エコノマイザー膨張弁118で減圧低温化(Tm2)されて高段エコノマイザー冷却器120を経て、高段エコノマイザーポート72に流入する。また、分流せずに残った冷媒は、高段エコノマイザー冷却器120で冷却されて低温化(TL1)される。
また、低段、高段それぞれのエコノマイザー回路110、112に注入する冷媒分だけ、低段圧縮機1、高段圧縮機3の圧縮仕事が減り、成績係数COPを向上することができる。
図5、図6に示した実施形態に対して、低段エコノマイザー冷却器124と高段エコのマイザー冷却器120の構造が異なるだけで他の構成は同一のため、同一符号を付して説明は省略する。
また、低段、高段それぞれのエコノマイザー回路に注入する冷媒分だけ、低段圧縮機1、高段圧縮機3の圧縮仕事が減り、冷凍・冷却システム200のCOPを向上することができる。
さらに、高段圧縮機3を小型、小容量化したシステムを構築することが可能になり、安全性が高まり設置場所の自由度が増える。
また、低段圧縮機を高圧縮化してエコノマイザー効果を発揮させるために、低段圧縮機へエコノマイザー冷却器からの冷媒がより流入しやすいエコノマイザーポート構造、および低段圧縮機からの吐出圧力が高くなることに伴う低段圧縮機に作用するスラスト荷重へ対応するための支持構造等を備えた単機スクリュー式多段圧縮機を提供することができる。
さらに、本発明によれば、その単機スクリュー多段圧縮機を用いて冷凍・冷却回路を構成することで、高いCOPを発揮する冷凍・冷却システムを提供することができる。
このため、単機スクリュー多段圧縮機を用いて構成する冷凍・冷却回路への適用に際して有益である。
3 高段圧縮機
5 単機スクリュー式2段(多段)圧縮機
7 低段雄ロータ
9 低段雌ロータ
13 高段雄ロータ
15 高段雌ロータ
25 モータ
57、65 吸込口
59、67 吐出口
63 中間圧力室
70 低段エコノマイザーポート
72 高段エコノマイザーポート
76 雄側エコノマイザーポート
78 雌側エコノマイザーポート
80 バランス通路
102 凝縮器
104 蒸発器
106 膨張手段
108 主冷媒回路
124、132 低段エコノマイザー冷却器
120、136 高段エコノマイザー冷却器
110、134 高段エコノマイザー回路
112、130 低段エコノマイザー回路
Claims (9)
- 雄・雌一対のスクリューロータからなる低段圧縮機と高段圧縮機と、駆動モータとを直列に一体に組合せた単機スクリュー式多段圧縮機において、
前記低段圧縮機には低段エコノマイザー冷却器が接続される低段エコノマイザーポートが設けられるとともに、前記高段圧縮機には高段エコノマイザー冷却器が接続される高段エコノマイザーポートが設けられ、前記低段圧縮機と前記高段圧縮機との理論風量比が略3.2以上に設定されていることを特徴とする単機スクリュー式多段圧縮機。 - 前記低段圧縮機と前記高段圧縮機との理論風量比が3.2〜4.5に設定されていることを特徴とする請求項1記載の単機スクリュー式多段圧縮機。
- 雄・雌一対のスクリューロータからなる低段圧縮機と高段圧縮機と、駆動モータとを直列に一体に組合せた単機スクリュー式多段圧縮機において、
前記低段圧縮機には低段エコノマイザー冷却器が接続される低段エコノマイザーポートが設けられ、前記モータを密閉式モータによって構成し、該モータを前記低段圧縮機の吸入側に連結し、前記低段圧縮機の吐出口と前記高段圧縮機の吸入口とを連結する中間圧力室の圧力、または前記高段圧縮機の圧縮行程部の圧力を前記モータ室に導くバランス通路が設けられていることを特徴とする単機スクリュー式多段圧縮機。 - 前記低段圧縮機の軸受けに供給された冷媒溶解潤滑油を前記密閉式モータのモータ室内に戻すように構成したことを特徴とする請求項3記載の単機スクリュー式多段圧縮機。
- 前記低段圧縮機のスクリューロータを水平配置し、前記高段圧縮機のスクリューロータを前記低段圧縮のスクリューロータの配置方向に直角に縦配置し、前記バランス通路を前記低段圧縮機の水平配置されたスクリューロータの下方を通って配置されることを特徴とする請求項3記載の単機スクリュー式多段圧縮機。
- 雄・雌一対のスクリューロータからなる低段圧縮機と高段圧縮機と、駆動モータとを直列に一体に組合せた単機スクリュー式多段圧縮機において、
前記低段圧縮機には冷凍機のエコノマイザー冷却器が接続される低段エコノマイザーポートが設けられ、該低段エコノマイザーポートが前記低段圧縮機の雄・雌ロータを収容するケーシングの雄・雌ロータの軸方向端面に対向する位置に形成されていることを特徴とする単機スクリュー式多段圧縮機。 - 前記低段エコノマイザーポートは前記雄ロータおよび雌ロータのそれぞれにおける同一端面側に形成された雄側エコノマイザーポートと雌側エコノマイザーポートとからなり、一箇所の低段エコノマイザーポート入口から連通していることを特徴とする請求項6記載の単機スクリュー式多段圧縮機。
- 前記雄側および雌側エコノマイザーポートはそれぞれ雄・雌ロータの羽根の間に位置される大きさに形成されることを特徴とする請求項7記載の単機スクリュー式多段圧縮機。
- 請求項1乃至8の何れか1項に記載の単機スクリュー式多段圧縮機と凝縮器と蒸発器と膨張手段とによって形成される主冷媒回路と、前記凝縮器の下流側でかつ前記蒸発器の上流側で前記主冷媒回路に高段エコノマイザー回路と、低段エコノマイザー回路とを備え、前記高段エコノマイザー回路の高段エコノマイザー通路を前記高段圧縮機の高段エコノマイザーポートに接続し、前記低段エコノマイザー回路の低段エコノマイザー通路を前記低段圧縮機の低段エコノマイザーポートに接続したことを特徴とする冷凍・冷却システム。
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JP5014880B2 (ja) | 2012-08-29 |
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