JP2008297456A - タイヤサイドウォール用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐クラック性と低発熱性を両立させたタイヤサイドウォール用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ゴム成分が、天然ゴム又はポリイソプレンゴムより選択される少なくとも一種30〜70重量部と、ポリブタジエンゴム又はスチレンブタジエン共重合体ゴムより選択される少なくとも一種70〜30重量部とから構成されるジエン系ゴム100重量部に対して、CTAB吸着比表面積30〜70m2/gのカーボンブラックを30〜70重量部、及びカルボキシル基を1分子当たり2〜10個有し、数平均分子量が10000〜60000の液状ポリイソプレンを1〜20重量部配合してなるタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
【選択図】なし
【解決手段】ゴム成分が、天然ゴム又はポリイソプレンゴムより選択される少なくとも一種30〜70重量部と、ポリブタジエンゴム又はスチレンブタジエン共重合体ゴムより選択される少なくとも一種70〜30重量部とから構成されるジエン系ゴム100重量部に対して、CTAB吸着比表面積30〜70m2/gのカーボンブラックを30〜70重量部、及びカルボキシル基を1分子当たり2〜10個有し、数平均分子量が10000〜60000の液状ポリイソプレンを1〜20重量部配合してなるタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤサイドウォール用ゴム組成物に関し、更に詳細には、カーボンブラック配合系タイヤサイドウォールコンパウンドにカルボン酸変性液状ポリイソプレンゴムを配合することにより、耐クラック性と低発熱性を両立させたタイヤサイドウォール用ゴム組成物に関する。
従来、乗用車、トラック・バス、建設車両等に装着される空気入りタイヤにおいては、サイドウォールは、タイヤに耐外傷性を付与するという基本的な役割から耐クラック性の向上の検討が、また、転がり抵抗への寄与率がトレッドキャップコンパウンドに次いで高いことからその低発熱性についても種々の検討がなされているが、安全性・環境への配慮といった点で更なる改良が望まれている。
先行技術として、一般のジエン系ゴムからなるタイヤ用ゴム組成物において、練り込み接着剤やフェノール樹脂などの極性有機材料の分散性を向上して、接着耐久性や弾性率などの物性を向上させるために、マレイン酸又はその誘導体を導入した液状ポリイソプレンを配合する技術が以下の特許文献1により知られ、また、同じくジエン系ゴムからなるタイヤトレッド用ゴム組成物において、凍結路面におけるグリップ性に優れ、加速性能、制動性能などが良好なスタッドレスタイヤを得るために、所定量のカルボキシル基を有する液状ポリイソプレンと共に、所定量のシランカップリング剤を配合する技術が以下の特許文献2により知られている。しかしながら、かかるカルボン酸変性液状ポリイソプレンゴムを、上記カーボンブラック配合系のタイヤサイドウォール用ゴム組成物に配合することによって、その耐クラック性と低発熱性との両立を図る技術は、未だ提案されていない。
よって、本発明では、カーボンブラック配合系のサイドウォールコンパウンドに、カルボン酸変性液状ポリイソプレンゴムを所定量配合することにより、ゴム成分とカーボンブラックの混練性を向上し、カーボンブラックの分散性を高めることができ、更に、耐クラック性と低発熱性とを両立させたタイヤサイドウォール用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明によれば、ゴム成分が、天然ゴム又はポリイソプレンゴムより選択される少なくとも一種30〜70重量部と、ポリブタジエンゴム又はスチレンブタジエン共重合体ゴムより選択される少なくとも一種70〜30重量部とから構成されるジエン系ゴム100重量部に対して、CTAB吸着比表面積30〜70m2/gのカーボンブラックを30〜70重量部、及びカルボキシル基を1分子当たり2〜10個有し、数平均分子量が10000〜60000の液状ポリイソプレンを1〜20重量部配合してなるタイヤサイドウォール用ゴム組成物が提供される。
本発明では、カーボンブラック配合系のタイヤサイドウォール用ゴム組成物に対して、加工助剤等として特定のカルボン酸変性液状ポリイソプレンを所定量配合すると、耐クラック性と低発熱性を両立させたまま、当該ゴム成分とカーボンブラックとの混練性の向上が達成でき、カーボンブラックの分散が向上するタイヤサイドウォール用ゴム組成物が得られることを見出したものである。
本発明のタイヤサイドウォール用ゴム組成物に使用されるジエン系ゴム成分としては、天然ゴム(NR)又はポリイソプレンゴム(IR)より選択される少なくとも一種のゴム30〜70重量部と、ポリブタジエンゴム(BR)又はスチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)より選択される少なくとも一種のゴム70〜30重量部とから構成されるジエン系ゴムが用いられる。
また、本発明のタイヤサイドウォール用ゴム組成物には、補強性充填剤として、前記のジエン系ゴム成分100重量部に対して、CTAB吸着比表面積(JISK6217−3により測定)が30〜70m2/gのカーボンブラックが30〜70重量部、好ましくは40〜65重量部の量で配合される。
前記カーボンブラックのCTAB吸着比表面積が30m2/g未満では、得られるタイヤサイドウォール用ゴム組成物の補強性及び強度が低下し、逆に70m2/gを超えると発熱性が悪化する。また、当該補強性充填剤のカーボンブラックの配合量が30重量部未満では、本発明における所期の耐クラック性及び低発熱性の効果が発揮されず、逆に70重量部を超えると、混合加工性が劣り、本発明の所期の効果が低減されるので好ましくない。
本発明のタイヤサイドウォール用ゴム組成物には、更に、加工助剤その他の作用添加剤として、カルボキシ基を1分子当たり2〜10個有し、数平均分子量が10000〜60000の液状ポリイソプレンが1〜20重量部、好ましくは3〜15重量部の量で配合される。当該添加剤の配合量が1重量部未満では、所期の効果を発揮することができず、逆に20重量部を超えると、粘性が大きくなり加工性が低下するので好ましくない。前記液状ポリイソプレンは、例えば、以下の一般式(1)及び(2)で示される、商品名「クラプレンLIR403」及び「クラプレンLIR410」などとして市販され、入手可能である。
本発明のタイヤサイドウォール用ゴム組成物には、更に、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、充填剤、軟化剤、可塑剤など、一般タイヤ用に配合される各種配合剤を配合することができ、かかる配合剤は、一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋することができる。これら配合剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例および比較例によって本発明を更に説明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
サンプルの調製
表1に示す配合(重量部)に従って、硫黄及び加硫促進剤を除くゴム、カーボンブラックなどの各配合成分を1.7LのB型バンバリーミキサーに装填して5分間混合し、当該ゴムを混合機外に放出して室温まで冷却したマスターバッチを、再度同バンバリーミキサーに投入し、これに硫黄と加硫促進剤を配合、混合してゴム組成物を得た。次いで、このゴム組成物を所定の金型中で、160℃、20分間プレス加硫して試験サンプルを作製し、以下の試験に供した。
表1に示す配合(重量部)に従って、硫黄及び加硫促進剤を除くゴム、カーボンブラックなどの各配合成分を1.7LのB型バンバリーミキサーに装填して5分間混合し、当該ゴムを混合機外に放出して室温まで冷却したマスターバッチを、再度同バンバリーミキサーに投入し、これに硫黄と加硫促進剤を配合、混合してゴム組成物を得た。次いで、このゴム組成物を所定の金型中で、160℃、20分間プレス加硫して試験サンプルを作製し、以下の試験に供した。
試験方法
1)耐クラック性: JIS K6260に準拠して、DeMattia型屈曲試験機を用いて、亀裂成長長さを測定し、その逆数をもって耐クラック性を評価した。結果は、比較例1を100として指数で示した。指数が大きい程、耐クラック性が良好であることを示す。
2)低発熱性: JIS K6394に準拠して、(株)東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪=10%、振幅=±2%、周波数=20Hzの条件下でtanδ(60℃)を測定し、この値をもって転がり抵抗性を評価した。結果は、比較例1を100として指数で示した。指数が大きい程、転がり抵抗性が良好であることを示す。
1)耐クラック性: JIS K6260に準拠して、DeMattia型屈曲試験機を用いて、亀裂成長長さを測定し、その逆数をもって耐クラック性を評価した。結果は、比較例1を100として指数で示した。指数が大きい程、耐クラック性が良好であることを示す。
2)低発熱性: JIS K6394に準拠して、(株)東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪=10%、振幅=±2%、周波数=20Hzの条件下でtanδ(60℃)を測定し、この値をもって転がり抵抗性を評価した。結果は、比較例1を100として指数で示した。指数が大きい程、転がり抵抗性が良好であることを示す。
表1の結果から、カーボンブラック配合系ゴム組成物に所定配合量の特定のカルボン酸変性液状ポリイソプレンを配合した実施例1〜3のゴム組成物では、耐クラック性及び低発熱性が共に極めて良好であることが分る。
よって、本発明のゴム組成物は、これをタイヤサイドウォール用ゴム組成物として利用すれば極めて有用である。
Claims (1)
- ゴム成分が、天然ゴム又はポリイソプレンゴムより選択される少なくとも一種30〜70重量部と、ポリブタジエンゴム又はスチレンブタジエン共重合体ゴムより選択される少なくとも一種70〜30重量部とから構成されるジエン系ゴム100重量部に対して、CTAB吸着比表面積30〜70m2/gのカーボンブラックを30〜70重量部、及びカルボキシル基を1分子当たり2〜10個有し、数平均分子量が10000〜60000の液状ポリイソプレンを1〜20重量部配合してなるタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
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JP2007145578A JP2008297456A (ja) | 2007-05-31 | 2007-05-31 | タイヤサイドウォール用ゴム組成物 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013189496A (ja) * | 2012-03-12 | 2013-09-26 | Fukoku Co Ltd | シリコーンゴムスポンジ組成物およびスポンジ体 |
EP2743301A1 (de) * | 2012-12-14 | 2014-06-18 | Continental Reifen Deutschland GmbH | Schwefelvernetzbare Kautschukmischung |
KR101527859B1 (ko) * | 2013-08-09 | 2015-06-10 | 한국타이어 주식회사 | 타이어 사이드월용 고무 조성물 및 이를 이용하여 제조한 타이어 |
JP2016060810A (ja) * | 2014-09-17 | 2016-04-25 | 東洋ゴム工業株式会社 | ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
JP2018004552A (ja) * | 2016-07-07 | 2018-01-11 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物及びその評価方法 |
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2007
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