JP2008292615A - 回折格子設計プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンピュータ12をパラメータ設定手段22、シミュレーション手段24、評価手段25、パラメータ変更手段26として機能させるための回折格子設計プログラム20であって、該シミュレーション手段24は、バーチャルに回折格子を作ってその回折及び結像をシミュレーションし、該評価手段25は、該シミュレーション手段24で得られた回折像の結像状態を評価し、該パラメータ変更手段26は、最適化したいパラメータを順次変更し、該パラメータ変更手段26からのパラメータでのシミュレーション、該評価及び該パラメータの変更を自動に繰り返し、該評価手段25での評価点が最も高くなるパラメータ最適値を自動に探索することを特徴とする回折格子設計プログラム20。
【選択図】図1
Description
図7はその露光を表す模式図であり、点光源S1,S2からの球面波が素子G表面で干渉して干渉縞が生じ、感光性樹脂に焼き付けられる。この配置以外に、図8のように点光源S1,S2からの光を一旦、球面鏡M1,M2で反射させて素子Gに照射する非球面露光と呼ばれる方法も知られている(例えば特許文献1参照)。
このため、ホログラフィック回折格子の設計において、迅速化、最適化の点に関しては、より一層の改善が求められていたが、従来は、これを解決することのできる適切な技術が存在しなかった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、最適な回折格子の設計を、自動かつ迅速に行うことのできる回折格子設計プログラムを提供することにある。
ここで、コンピュータ上において、露光による回折格子の試作をシミュレーションし、その回折格子を適当な光線追跡プログラムに持ち込み、そこで回折・結像の様子をシミュレーションし、その結果を評価し(結像が良いとか悪いとか)、それを経験則に基づいて露光パメータにフィードバックし、試行錯誤を繰り返して回折格子を設計していたのでは、回折格子、それを用いる分光器の設計には、深い経験と莫大な時間が必要となり、かつそれが最適である根拠もない。
これに対し、本発明者は、最適な回折格子の設計を迅速に行うためには、パラメータの最適化を以下のようにして自動に行うことが極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
前記パラメータ設定手段は、分光器の中での回折格子の光学配置を規定するアライメントパラメータ、該回折格子をホログラフィク露光法により作る際の露光条件を規定する露光パラメータ、該回折格子素子の形状を規定する形状パラメータの初期値を設定し、
前記シミュレーション手段は、前記形状パラメータにより規定される形状の回折格子素子及び露光パラメータにより規定される露光条件でバーチャルに回折格子を作り、該回折格子を、前記アライメントパラメータにより規定される光学配置で分光器の中にバーチャルに組み込み、該回折格子の回折及び結像をシミュレーションし、
前記評価手段は、前記シミュレーション手段で得られた回折像の結像状態を、該回折像が小となるに従って高い評価点で評価をし、
前記パラメータ変更手段は、前記アライメントパラメータ、前記露光パラメータ及び前記形状パラメータのうち、最適化したいパラメータを初期値から順次変更し、
前記パラメータ変更手段からのパラメータでの前記シミュレーション、該シミュレーション結果の前記評価手段による評価、該パラメータ変更手段によるパラメータ変更を自動に繰り返し、該評価手段による評価点が最も高くなるパラメータ最適値を自動に探索することを特徴とする。
本発明の露光パラメータとしては、例えば露光用光源S1の位置(回折格子素子中心からの距離と傾き角)、露光用光源S2の位置(回折格子素子中心からの距離と傾き角)、露光用光源S1のための露光用反射鏡M1の曲率半径、位置(回折格子素子中心までの距離と傾き角)、露光用光源S2のための露光用反射鏡M2の曲率半径、位置(回折格子素子中心までの距離と傾き角)等が一例として挙げられる。
本発明の形状パラメータとしては、例えば回折格子素子の曲率半径等が一例として挙げられる。
ここにいうバーチャルに回折格子を作るとは、例えば回折格子素子の表面に感光性樹脂を設け、そこに二点からコヒーレントな光を照射して干渉縞を発生させて露光し、それを現像し、さらにその上に反射材を設けて回折格子を形成することを、コンピュータ上で行うことをいう。
本発明においては、前記パラメータ変更手段が、前記シミュレーションによる回折像が小となる方向に、最適化したいパラメータを自動に変更することにより、最適値を迅速に探索することができるので、前記最適な回折格子の設計を、より迅速に行うことができる。
図1には本発明の一実施形態にかかる回折格子設計装置の概略構成が示されている。
同図に示す回折格子設計装置10は、コンピュータよりなり、コンピュータ本体(コンピュータ)12と、入力デバイス14と、ディスプレイ16と、を含む。
に回折格子設計プログラム20を記憶している。回折格子設計プログラム20は、コンピュータ本体12をパラメータ設定手段22、シミュレーション手段24、評価手段25、パラメータ変更手段26、比較手段27として機能させるためのとする。
アライメントパラメータ設定部28は、アライメントパラメータの初期値を設定する。アライメントパラメータは、分光器の中での、入射スリット及び出射スリットに対する回折格子の光学配置を規定する。
露光パラメータ設定部30は、露光パラメータの初期値を設定する。露光パラメータは、回折格子素子から、回折格子をホログラフィク露光法により作る際の露光条件を規定する。
形状パラメータ設定部32は、形状パラメータの初期値を設定する。形状パラメータは、回折格子素子の形状、曲率半径等を規定する。
評価手段25は、シミュレーション手段24で得られた回折像の結像状態を、出射スリットでの回折像が小となるに従って高い評価点で評価する。
本実施形態においては、パラメータ変更手段26が、評価点が高くなる方向、つまりシミュレーションによる出射スリット上での回折像のスポット形状が小となる方向に、最適化したいパラメータを自動に変更する。これを、シミュレーション手段24に出力する。
シミュレーションされたパラメータは、評価手段25によって評価点が比較される。評価手段25は、評価点が高くなる方向にパラメータの変更を行うように、パラメータ変更方向をパラメータ変更手段26に指示する。
比較手段27は、評価点を比較し、評価点が最高となるパラメータ最適値、つまり出射スリットでの回折像のスポットサイズが最小となるパラメータ最適値を出力する。
ディスプレイ16は、例えばパラメータの設定値、シミュレーションの結果、パラメータの最適値等を表示する。
本実施形態にかかる回折格子設計装置10によれば、回折格子設計プログラム20により、コンピュータ本体12を、パラメータ設定手段22、シミュレーション手段24、評価手段25、パラメータ変更手段26、比較手段27として機能させることができる。
特に本実施形態では、出射スリットでの回折像が小となる方向にパラメータを自動に変えることができるので、パラメータの最適化を自動に行うことができる。これにより、本実施形態は、従来方式、つまり試行錯誤でパラメータを求めていたものに比較し、最適な回折格子の設計を、自動かつ迅速に行うことができる。
すなわち、同図(A)に示されるような露光シミュレーションでは、曲面形状(例えば球面、楕円体面、トロイダル面等)を有する回折格子素子(母材)G´の表面に、二つの点光源S1,S2からコヒーレントな光38を球面球M1,M2を経由して照射し、面上で干渉させてホログラフィック回折格子G´´を形成することができる。
同図(B)に示されるような光線追跡シミュレーションでは、露光シミュレーションで作られた回折格子G´´に入射光源(又はスリット)40から単色光42を入射させたときの回折、結像の様子をシミュレートすることができる。
ここで、本実施形態は、パラメータ変更手段が、シンプレックス法を用いて、最適化したいパラメータを、出射スリット面44上での回折像46のスポット形状を小にする方向にパラメータを自動に変更することにより、最適値の探索を自動に行うことができる。このため、本実施形態は、試行錯誤でパラメータを変更するものに比較し、最適値の探索を迅速に行うことができる。
本実施形態の設計においては、最適化しようとするN個のパラメータに対して、各パラメータをそれぞれ1つの座標軸とするN次元空間を考え、そこに適当な辺長をもつN+1個の頂点を有するシンプレックスを設定している。
次に各頂点の座標値をパラメータ値としてN+1通りの試験を行い、各点での評価点を求めている。
こうして求めた各評価点を順に並べ、最悪評価点を与える頂点を他のN個の頂点で張る面に対して反対側に移し、そこで試験をし、評価点を求める。先の最悪の点を捨て、それを反対側に移して得た点を加えたN+1個の点について、あらためて最悪値を求めてその点を反対側に移す、という操作を繰り返す。
この操作で、最終的にこのシンプレックスは最良の点を含む位置に移動する。
この結果、本実施形態は、パラメータ最適値の探索を、試行錯誤で行うものに比較し、迅速に行うことができる。
同図では、アライメントパラメータとして、回折格子中心からの、入射スリットの距離x1と出射スリットの距離x2を最適化する場合について説明する。
同図(A)に示される初期値の設定では、最適化しようとする2個のパラメータ(x1,x2)をそれぞれ1つの座標軸とする2次元空間を考え、そこに適当な辺長をもつ3個の頂点P1,P2,P3を有するシンプレックスを設定する。
次に各頂点P1,P2,P3の座標値をパラメータ値として3通りのシミュレーションを行い、各頂点P1,P2,P3での評価点を求める。
こうして求めた各評価点のうち、同図(B)に示されるように最悪の評価点を与える頂点P1を他の2個の頂点P2,P3で張る線に対して反対側の頂点P4(鏡像点)に移し(パラメータ変更)、頂点P4に対応するパラメータ値でシミュレーションをし、評価点を求める。
先の最悪の頂点P1を捨て、それを反対側(鏡像点)に移して得た頂点P4を加えた3個の頂点P2,P3,P4について、あらためて最悪値を求めて、その頂点P2を反対側(鏡像点)の頂点P5に移す(パラメータ変更)、という操作を繰り返す。この操作で、最終的にこのシンプレックスは最良の頂点を含む位置に移動する。
このため、最終的なシンプレックスの頂点の中から、評価点が最良な頂点を求めれば、頂点から、対応するパラメータ最適値を求めることができる。
第一の階層として、分光器の光学配置(アライメントパラメータ)の最適化を考える。 形状パラメータの初期値で規定される形状の回折格子素子に、露光パラメータの初期値で規定される露光条件で露光して形成された回折格子を想定する。この回折格子を用いたときの最適の光学配置(アライメントパラメータ)を次の手順で最適化する。
最適化するアライメントパラメータとして、回折格子中心から入射スリットまでの距離、回折格子から出射スリットまでの距離、そして入射スリット−回折格子の中心−出射スリットの間の角度を取り上げる。
これらの3つのアライメントパラメータを座標軸とし、適当な値を当てはめた4つの点からなるシンプレックスを構成する。そのシンプレックスの各頂点座標の値をもつ光学配置に対して、光線追跡を行い、出射スリット面上にできる入射スリットの像を計算する。その像を適当な評価関数に当てはめ、評価点を算出する。この評価点が最善となるように、シンプレックス法の手順に従って最適化を進め、最善の点とその評価点を求める。この最善の点は、想定した回折格子に対する最善の光学配置となる。
なお、光学配置を決める3つのアライメントパラメータについて、例えば角度を一定に固定するとか、入射スリットと出射スリットの間の距離を一定に固定するなど、適当な制約を課すことも可能である。
露光パラメータは、球面露光の場合は露光用光源S1の位置座標(回折格子の中心からの距離と傾き角)と露光用光源S2の位置座標(回折格子の中心からの距離と傾き角)の4個となる。
非球面露光を検討するときには、露光用光源S1のための露光用反射鏡(球面鏡を用いる)M1の曲率半径、それを置く位置(回折格子素子から鏡までの距離)と鏡を傾ける角度の3個、あるいは露光用光源S2のための露光用反射鏡M2の3個、あるいは両方の6個が加わり、それぞれ7個、7個、10個となる(したがって、4個、7個、7個、10個の4通りがある)。
これら4通りの各場合について、それぞれ4次元、7次元、7次元、10次元の座標系を考え、ここに5個、8個、8個、11個の頂点と適当な辺の長さをもつシンプレックスを考える。
シンプレックスのそれぞれの頂点座標に対応するパラメータ(露光パラメータ)に従って露光シミュレーションを行い、回折格子を作成する。作成した回折格子の評価点は、第1の階層の最適化を行い、その最適な分光器の光学配置(アライメントパラメータ)の評価点とする。この評価点が最善になるようシンプレックス法による露光パラメータの最適化を進め、最善の点とその評価点を求める。この最善の点は、想定した形状の素子に対する最善の露光パラメータとなる。同時に最善の光学配置(アライメントパラメータ)も求まることになる。
なお、第二の階層の最適化において、分光器の光学配置(アライメントパラメータ)は固定のものとしてその最適化は行わず、1回の光線追跡の結果をもって評価点とすることもありえる。
球面回折格子を考えるときには、その曲率半径(1個)、トロイダル素子を考える時にはそれを規定する2つの曲率半径、楕円体素子の場合、一般的には3個であるが、実際上、回転楕円体なるので、2個が最適化するパラメータとなる。
この階層の場合も同様に、それぞれ1次元、2次元、2次元の座標系を考え、それぞれ2個、3個、3個の頂点と適当な辺の長さをもつシンプレックスを構成する。各頂点の座標に相当する形状の素子に対して、第二階層での露光パラメータの最適化を行い、その評価点を形状パラメータの評価点とし、それが最善となるようシンプレックス法による形状パラメータの最適化を進め、最善の点とその評価点を求める。
この最善の点が、最善の回折格子素子の形状となり、同時に最善の露光パラメータと光学配置(アライメントパラメータ)とも求まることになる。
パラメータ 最適化前 最適化後
球面回折格子の曲率半径(nm) 139 142.356
露光波長(nm) 441.67 441.67
光源1の距離(mm) 148 139.973
角度(°) −8 −45.262
光源2の距離(mm) 154 145.017
角度(°) 40 4.857
入射スリット−回折格子の距離(mm) 150 150
出射スリット−回折格子の距離(mm) 130 130
開き角(°) 30 30
スリット像の波長方向の幅(nm) 1.12
偏差標準(nm) 0.18
これに対し、曲率半径と露光パラメータとの最適化を本実施形態の最適化方法で行うと、表1の最適化後となり、そのときの回折の様子の光線追跡は図5のようになる。その結果、スリットの像(出射スリット44での回折像46)は極めてよく集光し、そのピーク幅は波長方向で1.12nm、標準偏差で0.18nmとなる。
なお、両方の図中の左上の図形は、出射スリット面上に各光線が集光するスポットを図示したものである。
ところで、本実施形態においては、回折格子設計の更なる迅速化のために、下記のディスプレイ表示を行うことも非常に好ましい。
<ディスプレイ表示画面>
図6には本実施形態にかかる回折格子設計装置10のディスプレイの表示画面の一例が示されている。
同図において、画面50には、選択エリア52、設定エリア54、実行指示エリア56、表示エリア58を含む。そして、使用者は、設定したいエリアにマウスのカーソル(図示省略)を合わせ、選択、設定、指示する。
以下、前記選択エリア52、設定エリア54、実行指示エリア56、表示エリア58について、具体的に説明する。
選択エリア52は、形状選択エリア60と、方向選択エリア62と、露光光源1選択エリア64と、露光光源2選択エリア66と、シミュレーション選択エリア68を備える。
ここで、球面は曲率半径Rzの球面とした。
また、楕円は、下記の数式f(x,y,z)=x2/Rx2+y2/Ry2+(z−Rz)2/Rz2−1=0で表せる曲面とした。
トロイダルX−>Yは、Y=0のXZ平面上、半径Rxの(原点に接する)円が、X軸に平行な回転軸の周りに半径Ryで回転してできる曲面である。
トロイダルY−>Xは、X=0のYZ平面上、半径Ryの(原点に接する)円が、Y軸に平行な回転軸の周りに半径Ryで回転してできる曲面である。
露光光源1選択エリア64では、露光用光源S1から光を回折格子素子に、球面鏡M1を経由して照射するか、球面鏡M1を介さずに直接照射するかを選択する。
露光光源2選択エリア66では、露光用光源S2から光を回折格子素子に、球面鏡M2を経由して照射するか、球面鏡M2を介さずに直接照射するかを選択する。
シミュレーション選択エリア68では、回折をシミュレーションするとき、光源の1点から回折格子上の1点に入射する光の状況(1点/1点)を見るか、該光源の1点から回折格子上の全部の点に入射する光の状況(1点/Full)を見るか、入射スリットの全部の点から回折格子上の全部の点に入射する光の状況(Full/Full)を見るかを選択する。
設定エリア54は、サイズ設定エリア70と、Rxyz設定エリア72と、露光波長設定エリア74と、中心刻線数エリア76と、光源1のL,θ,Yの設定エリア78と、参照球面の半径と中心のXYZ設定エリア80と、光源2のL,θ,Yの設定エリア82と、参照球面の半径と中心のXYZの設定エリア84と、波長設定エリア86と、角度設定エリア88と、回折次数設定エリア90と、入射スリットのL,α,Y設定エリア92と、スリットのW,H,ピッチ設定エリア94と、出射スリットのL,β設定エリア96と、回折点のXY設定エリア98と、直径とピッチ設定エリア100とを含む。
そして、設定エリア54は、設定するパラメータの内容を示す。
Rxyz設定エリア72では、回折格子素子の曲率半径(mm単位)を設定する。球面の場合はRz、トロイダルの場合はRxとRyとが使われる。
露光波長設定エリア74では、露光に用いるコヒーレントな光の波長を設定する。
中心刻線数エリア76では、回折格子素子の中心(平均)での刻線数を設定する。
光源1のL,θ,Yの設定エリア78では、露光用光源S1の、回折格子素子中心からの距離(mm)と法線からの傾きとで設定する。Yの値(面からの浮き分)も設定可能である。
参照球面の半径と中心のXYZ設定エリア80では、反射鏡M1の曲率半径と設置位置とを設定する。
光源2のL,θ,Yの設定エリア82では、露光用光源S2の、回折格子素子の中心からの距離(mm)と法線からの傾きとで設定する。Yの値(面からの浮き分)も設定可能である。
参照球面の半径と中心のXYZ設定エリア84では、反射鏡M2の曲率半径と設置位置とを設定する。
波長設定エリア86、角度設定エリア88では、回折をシミュレートする単色光の波長と、そのときの回折格子の回転角を設定する。
回折次数設定エリア90では、回折をシミュレートする回折次数を設定する。
入射スリットのL,α,Y設定エリア92では、入射スリットの中心位置を、回折格子の中心からの距離と法線からの傾きで設定する。
スリットのW,H,ピッチ設定エリア94では、入射スリットのサイズの、そこをスキャンするときのピッチを設定する。
出射スリットのL,β設定エリア96では、出射スリットの中心位置を、回折格子の中心からの距離と法線からの傾きとで設定する。
回折点のXY設定エリア98では、入射スリット(1点)から回折格子上の1点に入射する光線の回折方向をシミュレートするときの、回折格子上の点の座標を設定する。
直径とピッチ設定エリア100では、回折状態を、回折格子全面に亘ってシミュレートするときの、回折格子面の刻みを設定する。
実行指示エリア56は、露光シミュレーションボタン102と、回折シミュレーションボタン104と、アライメント最適化ボタン106と、露光+アライメント最適化ボタン108と、形状+露光+アライメント最適化ボタン110と、露光条件最適化ボタン112と、形状+露光最適化ボタン114と、を含む。
回折シミュレーションボタン104をクリックすると、シミュレーション手段による露光で作成した回折格子での回折をシミュレートする。
アライメント最適化ボタン106をクリックすると、前記回折格子で回折をシミュレートし、回折像が最小になるよう、にアライメントパラメータ、例えば入射スリットの位置(距離だけ)と出射スリット(距離だけ)を最適化する。
露光+アライメント最適化ボタン108をクリックすると、露光条件(露光パラメータ)を変えながら、回折をシミュレートし、回折像が最小になるように、露光条件(露光パラメータ)と、入射スリット(距離だけ)と出射スリット(距離だけ)を最適化する。
形状+露光+アライメント最適化ボタン110をクリックすると、回折格子の曲率半径(形状パラメータ)と露光条件(露光パラメータ)を変えながら、回折をシミュレートし、回折像が最小になるように、曲率半径(形状パラメータ)と露光条件(露光パラメータ)と、アライメントパラメータである入射スリット(距離だけ)及び出射スリット(距離だけ)を最適化する。
露光条件最適化ボタン112をクリックすると、露光条件(露光パラメータ)を変えながら、回折をシミュレートし、回折像が最小になるように、露光条件(露光パラメータ)だけを最適化する。
形状+露光最適化ボタン114をクリックすると、露光条件(露光パラメータ)を変えながら、回折をシミュレートし、回折像が最小になるように、曲率半径(形状パラメータ)と露光条件(露光パラメータ)を最適化する。
表示エリア58では、入射光源(又は入射スリット)40の中心、回折格子G´´、出射スリット44、回折格子G´´の法線、出射スリット44面上での回折像46、シミュレーションの結果等を表示可能である。
パラメータ設定手段が、初期値として適当な回折格子素子の曲率半径(形状パラメータ)、露光パラメータ、分光器におけるスリットの位置座標(アライメントパラメータ)を設定する。その総数をNとし、これら全部まとめて1組のパラメータと呼ぶことにする。このN個1組のパラメータに適当な変化分を適宜加えてN個(N+1)組のパラメータ群を作る。
シミュレーション手段が、続いて各パラメータ群について、該パラメータを用いて露光して回折格子を作り、それを組み込んで分光器の光線追跡を行い、評価手段が、出射スリット面上にできる回折像を計算し、例えばそのヨコ幅(波長分散幅)を求め、これを小さくなる方を良とする評価点とする。
そして、この一連の操作をシンプレックス法の試験として、シンプレックス法の手順に従って繰り返し実行する。
このようにして本発明のパラメータ最適化を行っても、最適化したいパラメータを自動に変更し、その最適値を自動に探索することができるので、最適な回折格子の設計を、より迅速に行うことができる。
12 コンピュータ本体
14 入力デバイス
16 ディスプレイ
20 回折格子設計プログラム
22 パラメータ設定手段
24 シミュレーション手段
25 評価手段
26 パラメータ変更手段
27 比較手段
Claims (3)
- コンピュータを、パラメータ設定手段、シミュレーション手段、評価手段、パラメータ変更手段として機能させるための回折格子設計プログラムであって、
前記パラメータ設定手段は、分光器の中での回折格子の光学配置を規定するアライメントパラメータ、回折格子をホログラフィク露光法で作る際の露光条件を規定する露光パラメータ、回折格子素子の形状を規定する形状パラメータの初期値を設定し、
前記シミュレーション手段は、前記形状パラメータにより規定される形状の回折格子素子及び前記露光パラメータにより規定される露光条件でバーチャルに回折格子を作り、該回折格子を前記アライメントパラメータにより規定される光学配置で分光器の中にバーチャルに組み込み、該回折格子の回折及び結像をシミュレーションし、
前記評価手段は、前記シミュレーション手段で得られた回折像の結像状態を、該回折像が小となるに従って高い評価点で評価をし、
前記パラメータ変更手段は、前記アライメントパラメータ、前記露光パラメータ及び前記形状パラメータのうち、最適化したいパラメータを初期値から順次変更し、
前記パラメータ変更手段からのパラメータでの前記シミュレーション、該シミュレーション結果の前記評価手段による評価、該パラメータ変更手段によるパラメータ変更を自動に繰り返し、該評価手段による評価点が最も高くなるパラメータ最適値を自動に探索することを特徴とする回折格子設計プログラム。 - 請求項1記載の回折格子設計プログラムにおいて、
前記パラメータ変更手段は、前記評価点が高くなる方向に、前記最適化したいパラメータ値を自動に変更することを特徴とする回折格子設計プログラム。 - 請求項2記載の回折格子設計プログラムにおいて、
前記パラメータ変更手段は、最適化したいN個のパラメータをそれぞれ1つの座標軸とするN次元空間内に、(N+1)個の頂点をもつシンプレックスを自動に設定し、前記シンプレックスの各頂点に対応するパラメータ値で前記シミュレーションを自動に行い、(N+1)個の頂点のうち前記評価点が最悪となった頂点をその鏡像点で置き換え、前記シンプレックスを自動に移行させることで、前記評価点が高くなる方向にパラメータ値を自動に変更することを特徴とする回折格子設計プログラム。
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JP4395315B2 (ja) | 2003-04-11 | 2010-01-06 | 三菱重工業株式会社 | 排ガス中の水銀除去方法およびそのシステム |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6230201A (ja) * | 1985-04-11 | 1987-02-09 | Shimadzu Corp | 回折格子 |
JP2000171704A (ja) * | 1998-12-09 | 2000-06-23 | Asahi Optical Co Ltd | 回折レンズの設計方法 |
JP2000347015A (ja) * | 1999-03-26 | 2000-12-15 | Fuji Electric Co Ltd | 回折型光学素子の設計方法 |
JP2003015704A (ja) * | 2001-06-29 | 2003-01-17 | Aie Research Inc | 最適化計算方法、最適化システムおよびプログラム |
JP2003042846A (ja) * | 2001-08-01 | 2003-02-13 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 高分解能収差補正分光器 |
JP2008511019A (ja) * | 2004-08-20 | 2008-04-10 | アポロ オプティカル システムズ インコーポレーテッド | 視力矯正用回折レンズ |
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2007
- 2007-05-23 JP JP2007136205A patent/JP5220345B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (6)
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JPS6230201A (ja) * | 1985-04-11 | 1987-02-09 | Shimadzu Corp | 回折格子 |
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Non-Patent Citations (1)
Title |
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JPN6012023555; Wayne R.McKinney and Christopher Palmer: 'Numerical design method for aberration-reduced concave grating spectrometers' APPLIED OPTICS Vol.26,No.15, 19870801, 3108-3118 * |
Cited By (1)
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JP2010271590A (ja) * | 2009-05-22 | 2010-12-02 | Fujifilm Corp | 回折光学素子を用いた光学系および装置 |
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JP5220345B2 (ja) | 2013-06-26 |
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