JP2008292390A - タンパク質の同定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分析対象物と相互作用を有するタンパク質を、効率よく同定する方法を提供すること。
【解決手段】分析対象物と相互作用を有するタンパク質の同定方法であって、(I)分析対象物が共有結合で固定された固相に、タンパク質混合物を接触させる工程、(II)接触により固相上に捕捉されたタンパク質を、固相上でタンパク質分解酵素処理する工程、ついで(III)処理されたタンパク質を質量分析計で測定する工程を含む、同定方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、分析対象物と相互作用を有するタンパク質の同定方法に関し、より詳しくは、分析対象物が共有結合で固定された固相上に捕捉されたタンパク質を、固相上でタンパク質分解酵素処理する工程を含む、該タンパク質の同定方法に関する。
近年、受容体リガンド、酵素阻害剤または基質の候補となるペプチドの生理学的、病理学的機能の検索も精力的に行われており、タンパク質−ペプチド間の相互作用の理解が必要となってきている。こうした理解を深める手段の一つとしてアフィニティー樹脂法が広く活用されている(非特許文献1〜9)。アフィニティー樹脂法においては、アフィニティー樹脂としてアガロースから構成されるゲルが中心に用いられてきたが、その物理的・化学的安定性の低さ、操作性の悪さといったことが課題となっていた。こうした課題の解決を目的として、物理的・化学的に安定で、取扱い性の良い市販のメタクリレート系樹脂に親水性スペーサーを導入することによってリガンドに対する標的分子の捕捉効率を高めようとする取り組みもなされている(非特許文献10および11)。このように、様々な改良法が検討される中でアフィニティー樹脂法が見直されてきている。
一方、質量分析計(MS)を中心とした分析機器の発展・活用により、タンパク質間相互作用、タンパク質−低分子化合物相互作用が解き明かされ、様々なタンパク質の機能が解明されつつある。
通常、アフィニティー樹脂法とマススペクトロメトリーを利用した生理活性リガンドに対する特異的結合分子の検出は、まずタンパク質混合物中からアフィニティー樹脂法によって生理活性リガンドに対して特異的な結合性の期待される吸着タンパク質を、SDS−PAGE後のゲル上において拮抗実験などによって識別する。続いて、ゲル上のタンパク質バンドを切り出した後、ゲル内消化によってMS測定サンプルを調製し、MS測定、解析を行うという手順がとられる。
しかしながら、この方法では、(1)特異的結合性の期待されるタンパク質は、通常SDS−PAGEで分離されたバンドとして目視によって識別されるため、目的とするタンパク質を見逃してしまうという不具合がしばしば生じる。つまりタンパク質混合物中に豊富に存在し、分子量が近似する非特異的結合タンパク質がゲル上に共存する場合は、目的とするタンパク質との識別が困難である。また、目的とするタンパク質の存在量が低い場合には、染色感度上バンドとして認識されないという不具合も生じる。
さらに、(2)ゲル上のバンドを1つずつゲル内消化によりMS測定用のサンプルとして調製する必要があるため、MSサンプル測定サンプルの調製が切り出されたゲルバンドの数だけ必要となり、サンプル調製に多くの労力が必要である。さらにはゲル内消化により調製されたサンプルを1つずつ測定することが必要であり、特にnanoLC/MS/MSで測定を行った場合は、非常に多くの時間が必要となる。
かかる課題に対して、タンパク質を固定化した固相担体上に捕捉されたタンパク質を、固相上でタンパク質分解酵素処理を行い、捕捉されたタンパク質を同定する報告がある(非特許文献12および13)。しかし、抗体カラムやキレートカラムに固定化する方法であるため、分析対象物として用いられるタンパク質は限定され、汎用性が低い。また、非特異的結合タンパク質の吸着が大きく、リガンドに対する特異的結合タンパク質であるかどうかの判別が困難となる場合多い。
固相に低分子化合物を共有結合で固定化する技術は、非特許文献14および15に記載されている。
Proc.Natl.Acad.Sci.,1968,61,636 Annu.Rev.Biochem.,1971,40,259 Anal.Biochem.,1986,157,262 EMBO J.,1991,10,2305 Nature,1989,341,758 Science,1996,272,408 Anal.Chem.,2003,75,2159 Nature Biotechnol.,2000,18,877 Anal.Biochem.2005,338,245 Bioconjugate Chem.,2003,14,1222 Bioorganic & Medicinal Chemistry,2004,12,2831 J.Biol.Chem.,2004,279(11)10176 Mol.Cell Proteomics,2006,5(2)366 Nature,1989,vol.341,758−760 Science,1996,vol.272,408−411
本発明が解決しようとする課題は、分析対象物と相互作用を有するタンパク質を、効率よく同定する方法を提供することである。
本願発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、分析対象物を共有結合で固定化された固相上で、分析対象物との相互作用により固相に捕捉されたタンパク質をタンパク質分解酵素処理する技術を見出し、これらの知見に基づき本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下のものに関する。
(1)分析対象物と相互作用を有するタンパク質の同定方法であって、
分析対象物が共有結合で固定された固相に、タンパク質混合物を接触させる工程、
接触により固相上に捕捉されたタンパク質を、固相上でタンパク質分解酵素処理する工程、ついで
処理されたタンパク質を質量分析計で測定する工程を含む、同定方法。
(2)分析対象物と相互作用を有するタンパク質の同定方法であって、
分析対象物が共有結合で固定された第1の固相と、分析対象物が固定されていない第2の固相とに、タンパク質混合物を接触させる工程、
接触により第1および第2の固相上に捕捉されたタンパク質を、それぞれの固相上でタンパク質分解酵素処理する工程、
処理されたタンパク質を質量分析計で測定する工程、ついで
第1の固相を用いて得られた測定結果と、第2の固相を用いて得られた測定結果を比較し、第1の固相に特異的に捕捉されたタンパク質を相対的に識別する工程を含む、同定方法。
(3)分析対象物と相互作用を有するタンパク質の同定方法であって、
タンパク質混合物に、遊離の分析対象物を共存させる工程、
分析対象物が共有結合で固定された固相に、遊離分析対象物共存タンパク質混合物、および遊離分析対象物非共存タンパク質混合物を接触させる工程、
接触により固相上に捕捉されたタンパク質を、固相上でタンパク質分解酵素処理する工程、
処理されたタンパク質を質量分析計で測定する工程、ついで
遊離分析対象物共存タンパク質混合物を用いて得られた測定結果と、遊離分析対象物非共存タンパク質混合物を用いて得られた測定結果とを比較し、遊離分析対象物を共存させることによって固相への捕捉が減弱されたタンパク質を相対的に識別する工程を含む、タンパク質の同定方法。
(4)分析対象物が、低分子化合物である(1)〜(3)のいずれかに記載の同定方法。
(5)固相上でタンパク質分解酵素処理する工程において、そのタンパク質分解酵素処理の前処理として、タンパク質変性を行う、(1)〜(4)のいずれかに記載の同定方法。
本発明により、分析対象物と相互作用を有するタンパク質を、簡便な操作で効率よく同定する方法を提供することができる。
本発明は、分析対象物と相互作用を有するタンパク質の同定方法に関し、(I)分析対象物が共有結合で固定された固相に、タンパク質混合物を接触させる工程、(II)接触により固相上に捕捉されたタンパク質を、固相上でタンパク質分解酵素処理する工程、ついで(III)処理されたタンパク質を質量分析計で測定する工程を含む、同定方法に関する。以下該方法を、便宜上、第1の同定方法ともいう。
本発明において、「分析対象物」とは、生理活性を有する物質であり、その物質を製造する場合に必要な構造等の情報は明らかであるが、かかる物質を生体に投与されたり、細胞に添加された場合、該物質と相互作用するタンパク質が十分に明らかでない物質をいう。本発明の方法において用いられる分析対象物としては、例えば低分子化合物、タンパク質、ペプチドなどが挙げられる。本件明細書において低分子化合物とは、一般的に、高分子化合物、タンパク質またはペプチドとは区別される化合物をいう。具体的には、分子量1000以下の、非ペプチド性である化合物をいうが、高分子化合物、タンパク質またはペプチドと区別されるものであれば、分子量は厳密に考慮されるものではない。
本発明において、「分析対象物と相互作用を有する」とは、例えば、酵素と基質、酵素と補酵素、酵素と阻害剤、レセプターとリガンドのように、分析対象物がタンパク質となんらかの形で強い影響力を及ぼし合う作用を有するということである。
本発明において、分析対象物は共有結合で固相に固定される。共有結合による固定化は、固相の表面に存在する反応性官能基と分析対象物側反応性官能基を、直接またはリンカーを介して結合させることにより行うことができる。共有結合による固定化に利用できる固相の反応性官能基としては、アミノ基、水酸基、アミド基、カルボキシル基、アルデヒド基、またはチオール基などがあげられる。かかる反応性官能基を有する固相としては、セルロース、架橋デキストラン、アガロースゲル、ポリアクリルアミドゲル、多孔性ガラス(CPG)、アガロースとポリアクリルアミドのコポリマー、ポリヒドロキシメタアクリレートゲル、または親水性ビニルポリマーを重合したゲルなどがあげられる。かかる固相を利用すれば、反応性官能基として、アミノ基、水酸基、チオール基、チロシン残基、カルボキシル基、またはアルデヒド基を有する分析対象物を、固相に共有結合により固定することができる。また、共有結合による固定化は、例えば、「アフィニティークロマトグラフィー」(笠井献一、松本勲武、別府正敏 著 東京化学同人)に記載されている手法により行うことができる。かかる共有結合による固定化は、抗体の取得が困難で抗体カラムを利用できない物質、例えば低分子化合物において特に有効である。
本発明において用いられる固相の材質としては、例えば、樹脂(ポリスチレン、メタクリレート系、ポリアクリルアミドなど)、ガラス、金属(金、銀、鉄、シリコンなど)などが挙げられる。バッチ法(固相をカラムに充填せず、容器中に固相を設置し反応させる方法)を実施する場合は、固相として、板状、ビーズ状、薄膜状、糸状、コイル状などに形状を整えることができる材質を使用することが好ましい。なお、本発明に用いられる固相は、分析対象物の種類やタンパク質混合物によって適宜決定することができ、特に限定されるものではない。
本発明によると、タンパク質混合物中に分析対象物と相互作用を有するタンパク質が存在すれば、分析対象物が共有結合で固定された固相に、タンパク質混合物を接触させることにより、かかるタンパク質は固相に捕捉される。本発明に用いられるタンパク質混合物は、例えば、培養細胞の抽出液、生体試料の抽出液などが挙げられる。かかる培養細胞の抽出液、生体試料の抽出液は、本発明に適用する際、緩衝液を加えて混合し、遠心分離など一連の操作を加えて分画してもよい。培養細胞の抽出液は、当技術分野において一般的に用いられる方法により調製することができる。また所望により、免疫沈降法などの手法を用いて、核内に存在するタンパク質だけ抽出して得られる、特定のタンパク質混合物を使用してもよい。生体試料とは、動物の肝臓や脳などの臓器、人や動物の血液、血清、血漿、尿、喀痰などが挙げられる。生体試料の抽出液は、当技術分野において一般的に用いられる方法により調製することができる。また所望により、抗体カラム精製などの手法を用いて、生体試料中に多量に含まれるタンパク質を除去したタンパク質混合物を使用してもよい。
(I)分析対象物が共有結合で固定された固相に、タンパク質混合物を接触させる工程は、例えば、分析対象物が固定された固相をカラムに充填し、そこへタンパク質混合物を通すカラム法、分析対象物が固定された固相とタンパク質混合物を一つの容器で混ぜ合わせるバッチ法などにより実施することができる。なお、分析対象物が共有結合で固定された固相と、タンパク質混合物とを接触させる手法であれば、特に限定されるものではない。
本発明は、(II)接触により固相上に捕捉されたタンパク質を、固相上でタンパク質分解酵素処理する工程を含む。かかる工程により、固相に捕捉されたタンパク質は断片化され、断片化されたペプチドをMSで測定することにより、捕捉されたタンパク質を同定することができる。
固相上でのタンパク質分解酵素処理は、タンパク質が捕捉された固相に対して、直接タンパク質分解酵素を添加することにより行うことができる。使用されるタンパク質分解酵素としては、MS測定サンプルを調製するのに通常用いられるものであれば特に限定されず、使用するタンパク質混合物の性質などから、最適なものを選択すればよい。例えば、トリプシン、Arg−C、Asp−N、キモトリプシン、Lys−C、V8、APIなどが挙げられる。タンパク質分解酵素処理により断片化されたペプチドは、反応溶液中に溶出するため、固相をバッファーで洗浄しバッファーを回収することにより、ペプチドの回収率を上げることができる。洗浄するバッファーは、一般的にゲル内消化でペプチド断片を回収するときに用いる溶媒であれば特に限定されず、例えば、アセトニトリルや有機酸が含まれる水溶液などが挙げられる。中でも、0.01〜1v/v%のギ酸、または0.01〜1v/v%のトリフルオロ酢酸が含まれている、10〜80v/v%アセトニトリルを含有する水溶液が好ましい。
(II)捕捉されたタンパク質を、固相上でタンパク質分解酵素処理する工程は、タンパク質分解酵素処理の前処理として、(i)固相上で捕捉されたタンパク質を変性させる工程、(ii)捕捉されたタンパク質のシステインジスルフィド結合を還元する工程、ついで(iii)捕捉されたタンパク質のシステインのアルキル化を行う工程を行うのが望ましい。なお、(ii)還元工程、および(iii)アルキル化は省略してもよい。
詳細には、(i)固相上に捕捉されたタンパク質を変性させる工程は、固相をバッファーで洗浄し、固相上で捕捉されなかったタンパク質やタンパク質混合試料に含まれる夾雑物を除去し、その後固相に、タンパク質変性剤が含まれる溶液を加えることにより実施することができる。タンパク質変性剤は、一般的にMS測定サンプル調製用に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、有機酸、カオトロピック試薬、界面活性剤などが挙げられる。有機酸としては、ギ酸、トリフルオロ酢酸などが好ましく、カオトロピック試薬としては、尿素や塩酸グアニジンなどが好ましく、界面活性剤としては、ドデシル酸ナトリウム、RapiGest(ウォーターズ社製)のような、MS用サンプルを調製する際に利用できるタンパク変性用添加物が好ましい。さらには、その後のタンパク質分解酵素処理工程を考慮すれば、該酵素を失活させにくい尿素、塩酸グアニジン、RapiGestなどの界面活性剤が好ましい。尿素の濃度は、1〜10Mが好ましく、さらには8〜9Mが好ましい。塩酸グアニジンの濃度は、1〜10Mが好ましく、さらには6〜8Mが好ましい。RapiGestのような界面活性剤は5w/v%以下の濃度で使用するのが好ましく、さらには2w/v%以下で使用するのが好ましい。
次に、(ii)固相上でシステインジスルフィド結合の還元を行う。試用する試薬は、一般に使用されるものでよく特に限定されないが、例えば、ジチオトレオトール、2−メルカプトエタノール、TCEPなどが挙げられる。中でも、好ましくは、ジチオトレオトール、TCEPが好ましい。
次に、(iii)固相上でシステイン残基のアルキル化を行う。使用する試薬は、一般的に使用されるものでよく特に限定されないが、例えば、ヨードアセトアミド、ヨード酢酸、メチルメタンチオサルフェートなどが挙げられる。
(II)固相上でタンパク質分解酵素処理する工程により、従来行われていたSDS−PAGEで分離されたゲル上のバンドを切り出し、MS測定用のサンプルとして調製する工程を省くことができ、さらに後述する(III)タンパク質分解酵素処理されたタンパク質をMS測定する工程により、簡便な操作で効率よく分析対象物と相互作用を有するタンパク質を同定することができる。
本発明は、(III)処理されたタンパク質をMSで測定する工程を含み、処理により得られたペプチド断片サンプルを、MS測定に供する。サンプルは、使用するMSの種類に応じて、適宜、脱塩操作、濃縮操作、pH調節などを行い調製することができ、かかる調製は当技術分野において一般的に用いられる方法により実施することができる。本発明は、SDS−PAGEで分離する工程を経ないため、複数のタンパク質からペプチド断片が生じ得るが、かかる複数のペプチド断片の同定を行うには、高速液体クロマトグラフィー(LC)などによりペプチド断片を分離したものをサンプルとすると効率的である。また、四重極型TOF、イオントラップTOFなどのハイブリッド型MS、イオントラップ型MSは、フロントにLCを接続してペプチドを分離しながらMS測定することができる。MALDI−TOF、MALDI−TOF/TOF、MALDI−イオントラップ−TOFは、オフラインでLCを用いて分離し、測定プレート上に分画したあと、測定する必要がある。
また本発明は、分析対象物と相互作用を有するタンパク質の同定方法に関し、(I)’分析対象物が共有結合で固定された第1の固相と、分析対象物が固定されていない第2の固相とに、タンパク質混合物を接触させる工程、(II)’接触により第1および第2の固相上に捕捉されたタンパク質を、それぞれの固相上でタンパク質分解酵素処理する工程、(III)処理されたタンパク質を質量分析計で測定する工程、ついで(IV)第1の固相を用いて得られた測定結果と、第2の固相を用いて得られた測定結果を比較し、第1の固相に特異的に捕捉されたタンパク質を相対的に識別する工程を含む、同定方法にも関する。以下該方法を、便宜上、第2の同定方法ともいう。
本発明の第2の同定方法は、同定方法に用いられる固相として、分析対象物が共有結合で固定された第1の固相と、分析対象物が固定されていない第2の固相とを用い、第1および第2の固相について、それぞれ、第1の同定方法と同様、(II)タンパク質分解酵素処理、(III)MS測定を行い、ついで第1の固相を用いて得られた測定結果と、第2の固相を用いて得られた測定結果を比較し、第1の固相に特異的に捕捉されたタンパク質を相対的に識別するものである。かかる第2の同定方法は、第1の同定方法を、MSを利用したタンパク質解析で一般的に行われているタンパク質変動解析方法(特に各サンプルのタンパク質量を相対定量できる技術)に基づき、第1の同定方法を応用したものである。これにより、分析対象物と相互作用するタンパク質か、分析対象物以外の例えば固相への非特異吸着タンパク質かを識別することができる。
分析対象物が固定されていない第2の固相は、単に分析対象物を固定しないものを使用できるだけでなく、分析対象物とは異なる物質を固定したものを使用してもよい。なお、分析対象物とは異なる物質も、前述の分析対象物の固定化と同様に固定化することができる。
本発明の第2の同定方法における、(IV)第1の固相を用いて得られた測定結果と、第2の固相を用いて得られた測定結果を比較し、第1の固相に特異的に捕捉されたタンパク質を相対的に識別する工程は、例えば、ウォーターズ社製エクスプレションモードを用い、各MS測定結果においてMSやMSクロマトのピーク高さ、面積などを比較することにより行うことができる。かかる工程により、第1および第2の固相に捕捉されたタンパク質を相対的に定量することができる。
かかる第2の同定方法を用いれば、固相上でタンパク質分解酵素処理を行えるため、第1の固相より得られた分析対象物と相互作用を有するタンパク質のペプチド断片と、第2の固相より得られた固相との相互作用により捕捉されたタンパク質のペプチド断片とを全てMS測定に供し、そのMS測定結果で比較できるため、従来行われていたSDS−PAGEによる目視での選別では見逃し易いタンパク質混合物中に少量存在するタンパク質も同定することが可能である。
また、第2の同定方法に、SILAC法、ICAT法、またはiTRAQ法を組み合わせて行うこともできる。SILAC法は、細胞培養時に安定同位体を培地に加えて培養し、タンパク質に分子量の異なる原子を導入し、発現の差を数値化できる方法であり、SILAC法の場合、分析対象物が固定された第1の固相に、質量の軽い安定同位体原子でラベルしたタンパク質混合物を接触させ、一方、分析対象物が固定されていない第2の固相に、質量の重い安定同位体原子でラベルしたタンパク質混合物を接触させ、それぞれ固相上で前述した処理を行い、ペプチドMSの同位対比により、固相に捕捉されたタンパク質の中で変動しているタンパク質の量的変化を数値化することができ、分析対象物と特異的結合をしているタンパク質を定量的に識別することができる。
ICAT法は、タンパク質混合物をラベル化する方法であり、ICAT法の場合は、第1および第2の固相に、タンパク質混合物を接触させ、固相に捕捉されたタンパク質を変性させ、システインジスルフィド結合を還元した後に、システイン残基をラベル化する試薬を用いて安定同位体で捕捉されたタンパク質をラベル化する。または、その他のアミノ酸残基にラベル化するものであれば、システイン残基のアルキル化操作前後のどちらかで同様にラベル化を行う。ラベル化した後、固相上でペプチド断片化し、得られたサンプルをプールしてMS測定を行う。
iTRAQ法は、断片化したペプチドにラベル化するものであり、iTRAQ法の場合は、第1および第2の固相に、タンパク質混合物を接触させ、固相に捕捉されたタンパク質分解酵素処理によりペプチド断片化した後に、ペプチドのラベル化を行う。ラベル化後、プールして、MS測定を行う。ICAT法およびiTRAQ法はいずれも、ペプチドMSの同位対比により、固相に捕捉されたタンパク質の中で変動しているタンパク質の量的変化を数値化し、分析対象物と特異的結合をしているタンパク質を定量的に識別することができる。
さらに本発明は、分析対象物と相互作用を有するタンパク質の同定方法に関し、(O)タンパク質混合物に、遊離の分析対象物を共存させる工程、(I)”分析対象物が共有結合で固定された固相に、遊離分析対象物共存タンパク質混合物、および遊離分析対象物非共存タンパク質混合物を接触させる工程、(II)接触により固相上に捕捉されたタンパク質を、固相上でタンパク質分解酵素処理する工程、(III)処理されたタンパク質を質量分析計で測定する工程、ついで(IV)”遊離分析対象物共存タンパク質混合物を用いて得られた測定結果と、遊離分析対象物非共存タンパク質混合物を用いて得られた測定結果とを比較し、遊離分析対象物を共存させることによって固相への捕捉が減弱されたタンパク質を相対的に識別する工程を含む、タンパク質の同定方法にも関する。以下該方法を、便宜上、第3の同定方法ともいう。
本発明の第3の同定方法は、タンパク質混合物に遊離の分析対象物を共存させたものと、共存させていないものとを用い、遊離分析対象物共存タンパク質混合物、および遊離分析対象物非共存タンパク質混合物を、それぞれ、分析対象物が共有結合で固定された固相に接触させ、第1の同定方法と同様、(II)タンパク質分解酵素処理、(III)MS測定を行い、ついで(IV)”遊離分析対象物共存タンパク質混合物を用いて得られた測定結果と、遊離分析対象物非共存タンパク質混合物を用いて得られた測定結果を比較し、遊離分析対象物非共存タンパク質混合物を用いて得られた測定結果に比べ、遊離分析対象物共存タンパク質混合物を用いて得られた測定結果において捕捉が減弱したタンパク質を相対的に識別するものである。かかる第3の同定方法は、第1の同定方法を、各タンパク質混合物中の、分析対象物と相互作用するタンパク質のみを固相に吸着させにくくする拮抗実験に応用させたものである。第3の同定方法は、分析対象物と相互作用するタンパク質が固相に捕捉されにくくすることにより、分析対象物と、分析対象物と相互作用するタンパク質との相互作用の程度を検出することができ、またその相互作用の程度により分析対象物と相互作用するタンパク質を識別することができる。
第3の同定方法において、タンパク質混合物に共存される遊離の分析対象物は、例えば、分析対象物に安定同位体などでラベルされたものを使用することができる。安定同位体などによるラベル化は、当技術分野において一般的に用いられる方法により調製することができ、例えば、SILAC法、ICAT法またはiTRAQ法により調製することができる。
第3の同定方法において、(I)”接触工程は、第1の同定方法と同様にして行うことができるが、バッチ法を適用すれば、固相に固定化された分析対象物と結合したタンパク質を除去するのに大量の分析対象物を使用する必要があるカラム法に比べ、タンパク質混合物に比較的少量の分析対象物を共存させることで、分析対象物の使用量を減らすことができる。
本発明の第3の同定方法における、(IV)”遊離分析対象物共存タンパク質混合物を用いて得られた測定結果と、遊離分析対象物非共存タンパク質混合物を用いて得られた測定結果とを比較し、遊離分析対象物を共存させることによって固相への捕捉が減弱されたタンパク質を相対的に識別する工程は、第2の同定と同様、例えば、ウォーターズ社製エクスプレションモードを用い、各MS測定結果においてMSやMSクロマトのピーク高さ、面積などを比較することにより行うことができる。かかる工程により、遊離分析対象物を共存させることによって固相への捕捉が減弱されたタンパク質を相対的に識別することができる。
かかる第3の同定方法を用いれば、固相上でタンパク質分解酵素処理を行えるため、従来行われていたSDS−PAGEによる目視での選別では見逃し易いタンパク質混合物中に少量存在するタンパク質も同定することが可能である。
以下、製造例ならびに実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例になんら限定されるものではない。
製造例1(図1参照):
市販の4−カルボキシベンゼンスルホンアミド(60mg,0.3mmol)、TOYOパール樹脂(TSKgel AF−amino,1000μL,遊離アミノ基は0.1mmol)、EDC/HCl(60mg,0.3mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt;40mg,0.3mmol)およびジメチルホルムアミド(DMF;3mL)の混合物を室温で14時間撹拌した。反応の進行はニンヒドリン反応で残存アミノ基の観測を行うことで確認した。この時の反応率を換算すると約70%であった。反応終了確認後、DMFで樹脂を5回洗浄した。ここに無水酢酸(500μL)およびDMF(2000μL)を加え1時間室温で撹拌した。その後DMFで十分洗浄し、得られた4−カルボキシベンゼンスルホン酸を結合したアフィニティー樹脂は後述する結合実験に用いた。
[実施例1]カルボニックアンハイドラーゼ標準溶液を用いた結合実験
(1)カルボニックアンハイドラーゼ溶液の調製
市販のカルボニックアンハイドラーゼ(2mg)を、混合液A(0.25Mシュクロース,25mM Trisバッファー(pH7.4)1mL)に溶解し、該溶解物15μLと、混合液A985μLを混合してカルボニックアンハイドラーゼ標準溶液を調製した。
(2)結合実験
製造例1で調製した4−カルボキシベンゼンスルホン酸を結合したアフィニティー樹脂を用いて以下の手順で結合実験を行った。4−カルボキシベンゼンスルホン酸を結合したアフィニティー樹脂は10μL使用した。
4−カルボキシベンゼンスルホン酸結合アフィニティー樹脂と標準溶液(1mL)を4℃で1時間、静かに振とうした。その後、上清を除き、残った4−カルボキシベンゼンスルホン酸結合アフィニティー樹脂を混合液Aで5回十分に洗浄して4−カルボキシベンゼンスルホン酸結合アフィニティー樹脂表面を十分に洗浄した。
[実施例2]ラット脳ライセートを用いた結合実験
(1)ライセートの調製
ラットの脳(2.2g)へ混合液A(0.25Mシュクロース,25mM Trisバッファー(pH7.4),22mL)を注ぎ、ホモジネートを作成した後、9500rpmで20分間遠心分離した。この上清を取り、50000rpmでさらに30分間遠心分離した。このようにして得られた上清をライセートとして使用した。なお、実験はすべて4℃あるいは氷上で行った。
(2)結合実験
上記のように調製した4−カルボキシベンゼンスルホン酸を結合したアフィニティー樹脂を用いて以下の手順でライセートとの結合実験を行った。なお、ライセートは混合液Aで1/2に希釈して使用した。4−カルボキシベンゼンスルホン酸を結合したアフィニティー樹脂は10μL使用した。
4−カルボキシベンゼンスルホン酸結合アフィニティー樹脂とライセート(1mL)を4℃で1時間、静かに振とうした。その後、上清を除き、残った4−カルボキシベンゼンスルホン酸結合アフィニティー樹脂を混合液Aで5回十分に洗浄して4−カルボキシベンゼンスルホン酸結合アフィニティー樹脂表面を十分に洗浄した。
[実施例3]ラット脳ライセートを用いた拮抗実験
製造例1で調製した4−カルボキシベンゼンスルホン酸を結合したアフィニティー樹脂を用いて以下の手順により実施例2で調製したライセートとの拮抗実験を行った。なお、ライセートは混合液Aで1/2に希釈した後、4−カルボキシベンゼンスルホンアミド(7.5μg、0.0375μmol)含有のジメチルスルホキシド(DMSO)溶液 5μLを加え、4℃で1時間緩やかに攪拌した。ここでも4−カルボキシベンゼンスルホン酸を結合したアフィニティー樹脂は10μl使用した。
4−カルボキシベンゼンスルホン酸結合アフィニティー樹脂と、上記4−カルボキシベンゼンスルホンアミドで処理したライセート(1mL)とを、4℃で1時間静かに振とうした。その後、上清を除き、残った4−カルボキシベンゼンスルホン酸結合アフィニティー樹脂を混合液Aで5回十分に洗浄して4−カルボキシベンゼンスルホン酸結合アフィニティー樹脂表面を十分に洗浄した。
[実施例4]4−カルボキシベンゼンスルホン酸を結合した樹脂上に吸着したタンパク質の処理
実施例1、2、および3によって得られた4−カルボキシベンゼンスルホン酸結合アフィニティー樹脂それぞれに、混合液B(ウレア 195mg、1M Tris−バッファー(pH8.5)250μL、0.1M エチレンジアミンテトラアセテート2ナトリウム塩(EDTA2Na)50μLを混合したもの)13μLを注ぎ、40mgの(±)−ジチオトレオトール(DTT)を50μlの混合液Bで溶解して得られた混合液C(2μL)を加え、60℃で1時間緩やかに攪拌した。ここへ40mgのヨードアセトアミド(IAA)を50μlの混合液Bで溶解した混合液D(6μL)を加え、遮光下、37℃で30分間緩やかに攪拌した。ここへ50μLの超純水を加えた後、30μLの酵素溶液(トリプシン、Promega社製#V5280、添付の方法に従い酵素溶液は調製法した)を加え、37℃で16時間緩やかに攪拌した。ここへ30μLの0.1v/v%の蟻酸を含む50v/v%アセトニトリル溶液を注ぎ、室温で激しく攪拌した後、上清を回収した。この回収された溶液を質量分析測定用サンプルとして用い、それぞれ測定・解析を行った。
[実施例5]サンプル測定
[測定サンプル調製]
測定サンプルは実施例4で回収された溶液を、それぞれ、減圧濃縮により10μL程度まで濃縮した。
[使用機器]
以下に記載のある装置、機器を使用した。
ナノLCシステム :Dina(ケーワイエーテクノロジーズ社製)
質量分析装置 :q−TOF Premier(ウォーターズ社製)
[ナノLC条件]
ナノLCの分析条件は、分析カラムとしてHiQ−SiL C18(75μmI.D.、50mmL、粒子径5μm、ケーワイエーテクノロジーズ社製)、トラッピングカラムとしてHiQ−SiL C18(0.5mmI.D.、1mmL、粒子径5μm、ケーワイエーテクノロジーズ社製)を使用し、移動相は0.1v/v%蟻酸、2v/v%アセトニトリル含有水溶液(A液)および0.1v/v%蟻酸、70v/v%アセトニトリル含有水溶液(B液)を使用し、分析用ポンプの流速300nL/min、トラップカラム用ポンプはA液を流速5μL/minでサンプル注入後10分間流した。分析用ポンプは表1に示すグラジエント条件で全量を注入した。
Figure 2008292390
[質量分析装置条件]
実施例1のサンプルを実施例4の条件で処理したサンプルに対する質量分析は、イオン化法:ESI、使用プローブ:ナノイオンスプレー、ポジティブモードに設定し、サーベイスキャンにより、MSが検出されると、そのMSに対してMS/MSを行う条件で行った。
また、実施例2、3のサンプルを実施例4の条件で処理したサンプルに対する質量分析は、イオン化法:ESI、使用プローブ:ナノイオンスプレー、ポジティブモードに設定し、エクスプレション(ウォーターズ社独自の設定)条件で行った。
[実施例6]データ解析(タンパク質同定)
実施例1のサンプルを実施例4の条件で処理し、実施例5の条件で測定したデータを、サーチエンジンとしてMascot(マトリックスサイエンス社製)、タンパク質データベースとしてスイスプロットを利用して検索したところ、カルボニックアンハイドラーゼが同定された(カバー率27%。スコア173)。この結果は、カルボニックアンハイドラーゼが、4−カルボキシベンゼンスルホン酸と特異的に結合することが一般的に知られていることと矛盾しない。
[実施例7]データ解析(タンパク質定量)
実施例2、3のサンプルを実施例4の条件で処理し、実施例5の条件で測定したデータをProteinLynx Global Server(ウォーターズ社製)を利用して解析したところ、実施例2における結合実験サンプルでは、カルボニックアンハイドラーゼがカバー率74%、スコア300で同定されたが、実施例3における拮抗実験サンプルではカルボニックアンハイドラーゼが同定されなかった。次にエクスプレションによる変動解析を行い、同時に同定されたチューブリンなどの非特異吸着タンパク質は結合、拮抗実験サンプルともに同程度含有していたが、カルボニックアンハイドラーゼは結合実験で非常に含有量が多いが、拮抗実験では全く含まれていないという結果になり、確かにカルボニックアンハイドラーゼが4−カルボキシベンゼンスルホン酸と特異的に結合するタンパク質であることがわかった。この結果は、生体組織、細胞など夾雑物が多く含まれるタンパク質混合物からも、分析対象物特異的結合タンパク質を同定することができることを示している。
以上により、本発明を利用すれば、分析対象物を固定化した固相に捕捉されたタンパク質を、簡便な操作で一斉に効率よく同定、定量することが可能となる。
図1は、共有結合による分析対象物の固相への固定についての模式図である。

Claims (5)

  1. 分析対象物と相互作用を有するタンパク質の同定方法であって、
    分析対象物が共有結合で固定された固相に、タンパク質混合物を接触させる工程、
    接触により固相上に捕捉されたタンパク質を、固相上でタンパク質分解酵素処理する工程、ついで
    処理されたタンパク質を質量分析計で測定する工程を含む、同定方法。
  2. 分析対象物と相互作用を有するタンパク質の同定方法であって、
    分析対象物が共有結合で固定された第1の固相と、分析対象物が固定されていない第2の固相とに、タンパク質混合物を接触させる工程、
    接触により第1および第2の固相上に捕捉されたタンパク質を、それぞれの固相上でタンパク質分解酵素処理する工程、
    処理されたタンパク質を質量分析計で測定する工程、ついで
    第1の固相を用いて得られた測定結果と、第2の固相を用いて得られた測定結果を比較し、第1の固相に特異的に捕捉されたタンパク質を相対的に識別する工程を含む、同定方法。
  3. 分析対象物と相互作用を有するタンパク質の同定方法であって、
    タンパク質混合物に、遊離の分析対象物を共存させる工程、
    分析対象物が共有結合で固定された固相に、遊離分析対象物共存タンパク質混合物、および遊離分析対象物非共存タンパク質混合物を接触させる工程、
    接触により固相上に捕捉されたタンパク質を、固相上でタンパク質分解酵素処理する工程、
    処理されたタンパク質を質量分析計で測定する工程、ついで
    遊離分析対象物共存タンパク質混合物を用いて得られた測定結果と、遊離分析対象物非共存タンパク質混合物を用いて得られた測定結果とを比較し、遊離分析対象物を共存させることによって固相への捕捉が減弱されたタンパク質を相対的に識別する工程を含む、タンパク質の同定方法。
  4. 分析対象物が、低分子化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の同定方法。
  5. 固相上でタンパク質分解酵素処理する工程において、そのタンパク質分解酵素処理の前処理として、タンパク質変性を行う、請求項1〜4のいずれかに記載の同定方法。
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