JP2008286715A - 部分放電測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転中の部分放電発生により放射される放射電磁波の強度に基づき部分放電の強度を求めることができかつ運転中に校正を行うことのできる部分放電測定装置を得る。
【解決手段】高圧の誘導電動機1の固定子巻線4から部分放電により放射される放射電磁波を第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bにて受信し、電磁波強度測定手段12aにて強度を求め、メモリ12bに記憶するとともに、部分放電強度換算手段12cにて従来の結合コンデンサ法によるPD(部分放電)強度に換算して、表示部13に表示する。結合コンデンサ法によるPD強度に換算するので、長年にわたる実績のある従来の管理基準値で把握でき、部分放電の把握や管理が容易である。また、第1のパッチアンテナ11aから校正電磁波を放射して第2のパッチアンテナ11bで受信した受信校正電磁波の強度により校正する。この校正は、誘導電動機1の運転中でも実施できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、電気機器の運転中に部分放電を測定することができる部分放電測定装置に関するものである。
回転電機や変圧器などの電気機器の運転中に絶縁状態の信頼性を確認するために部分放電の監視が行われる。従来の変圧器やガス絶縁機器などの電気機器において、電気機器の近傍に配置される部分放電検出用アンテナと、この部分放電検出用アンテナの出力を受信して所定の周波数帯域の受信信号を出力するチューナと、当該チューナの出力を入力として入力信号に所定の変化が生じたときに部分放電が発生したことを示す判定信号を出力する部分放電判定器とを設けて部分放電の監視を行うとともに、部分放電検出用アンテナに電磁的に結合されたチェック用アンテナを配置して、チェック用アンテナにチェック用の高周波信号を供給して、部分放電検出用アンテナに流れる高周波電流が部分放電が検知されたときと同様のものであるか否かにより、装置が正常か否かの判定を行うようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平2−287166号公報(第2頁左上欄第4行〜第19行、第3頁右上欄第6行〜第11行、第4頁左上欄第1行〜第7行及び図1)
従来の電気機器の部分放電測定装置としての絶縁監視装置は以上のように構成され、部分放電検出用アンテナの出力を受信するチューナからの入力信号に所定の変化が生じたときに部分放電が発生したと判定する。また、チェック用アンテナにチェック用の高周波信号を供給して、部分放電検出用アンテナに流れる高周波電流が部分放電が検知されたときと同様のものであるか否かにより、装置が正常か否かの判定を行っている。従って、運転中に装置が正常であるか否かは検知できるものの、装置の校正を行うことができないという問題点があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、次のような部分放電測定装置を得ることを目的とする。
a.運転中の部分放電発生により放射される放射電磁波の強度に基づき部分放電の強度を求めることができる。
b.運転中に校正を行うことができる。
c.校正用のアンテナを校正時及び受信時の両方に活用できる。
d.長年に亘って蓄積された管理基準値である従来の結合コンデサ法によるPD(部分放電)強度に換算した換算PD強度を用いて部分放電の把握や管理を行うことができる。
この発明に係る部分放電測定装置においては、
高周波信号発生手段とアンテナと電磁波検出手段とを有するものであって、
高周波信号発生手段は、所定の高周波信号を発生するものであり、
アンテナは、絶縁物で絶縁され電圧が印加される導体を有する電気機器に対して所定の位置に互いに対向して配置される第1及び第2のアンテナを有するものであって、
第1のアンテナは、高周波信号発生手段から供給された高周波信号を校正電磁波として放射するとともに電気機器の絶縁物における部分放電により放射される放射電磁波を受信するものであり、
第2のアンテナは、第1のアンテナから放射される校正電磁波を受信するとともに上記放射電磁波を受信するものであり、
電磁波検出手段は、第1及び第2のアンテナが受信した放射電磁波に基づき部分放電の強度を求めるとともに高周波信号及び第2のアンテナが受信した校正電磁波に基づき校正を行うものである。
この発明は、
高周波信号発生手段とアンテナと電磁波検出手段とを有するものであって、
高周波信号発生手段は、所定の高周波信号を発生するものであり、
アンテナは、絶縁物で絶縁され電圧が印加される導体を有する電気機器に対して所定の位置に互いに対向して配置される第1及び第2のアンテナを有するものであって、
第1のアンテナは、高周波信号発生手段から供給された高周波信号を校正電磁波として放射するとともに電気機器の絶縁物における部分放電により放射される放射電磁波を受信するものであり、
第2のアンテナは、第1のアンテナから放射される校正電磁波を受信するとともに上記放射電磁波を受信するものであり、
電磁波検出手段は、第1及び第2のアンテナが受信した放射電磁波に基づき部分放電の強度を求めるとともに高周波信号及び第2のアンテナが受信した校正電磁波に基づき校正を行うものであるので、
運転中の部分放電発生により放射される放射電磁波の強度に基づき部分放電の強度を求めることができるとともに運転中に校正を行うことができ、また第1のアンテナを校正時及び受信時の両方に活用できる。
実施の形態1.
図1〜図8は、この発明を実施するための実施の形態1を示すものであり、図1は部分放電測定装置の構成を示す構成図、図2は図1の部分放電測定装置で測定した部分放電位相特性を示す特性図、図3は図1の部分放電測定装置で測定した受信信号の強度と従来の結合コンデンサ法によるPD強度(Partial Discharge強度)との相関を示す相関図である。図4は、部分放電の校正方法を説明するための説明図、図5は校正電磁波を受信したときの受信校正信号の強度を示す特性図である。図6は第1及び第2のパッチアンテナの放射特性を示す特性図、図7は部分放電測定装置における第1及び第2のパッチアンテナ間の距離を変化させたときの受信校正信号の強度を示す特性図、図8は誘導電動機の運転中におけるパッチアンテナによる放射電磁波の受信状況を示す模式図である。
図1において、電機機器および回転電機としての誘導電動機1は、定格電圧6600(V)である。誘導電動機1は、導電体としての鋼板製のフレーム2内に設けられた固定子鉄心3と、固定子巻線4と、回転子5とを有する。フレーム2の内壁面には、固定子鉄心3の軸方向手前側に、第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bが、フレーム2の内壁面の所定の位置に図1に示すように左右方向に対向してかつその中心軸が一致するようにして配置されている。第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bは、同一設計品でありほぼ同じ特性を有する。
第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bにそれぞれ接続された高周波同軸ケーブル15a,15bは、ポート14に設けた貫通コネクタ16を介してフレーム2の外へ導出され、部分放電検出装置10に接続される。この高周波同軸ケーブル15a及び15bは、信号減衰を考慮して配線長さを同じにし、かつケーブル長が調節されている。この実施の形態においては、SMAケーブルを使用し、長さ4m以下としている。部分放電検出装置10は、電磁波検出器12と表示部13と高周波信号発生器20と切替器24とを有する。電磁検出手段としての電磁波検出器12は、電磁波強度測定手段12aと記憶手段としてのメモリ12bと部分放電強度換算手段12cとを有する。なお、電磁波強度測定手段12aは、第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bからの受信信号の強度を同時に測定できるようになっている。高周波信号発生器20は、校正用の高周波信号を発生する装置であり、発生強度を任意に調整できる。この実施の形態における部分放電測定装置100は、以上のように、第1及び第2のパッチアンテナ11a,11b、高周波同軸ケーブル15a,15b及び部分放電検出装置10を有している。
次に、図2〜図8により動作を説明する。
誘導電動機1の停止中に、図示しない試験用変圧器を用いて固定子巻線4に電圧を印加する。固定子巻線4は、高電圧を印加すると固定子巻線の絶縁体の欠陥部に部分放電が発生する。この部分放電強度は絶縁が健全であれば小さく、絶縁が劣化する程に大きくなる関係が分かっている。そこで、印加電圧を変化させて固定子巻線4で発生する部分放電の大きさを計測する。図2に、この部分放電測定装置100にて測定された部分放電の計測データの例を示す。
以下、順を追って詳細を説明する。
ステップ1:
誘導電動機1の部分放電による放射電磁波Hを受信して第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bから出力される受信信号Jの強度Kを測定することにより、部分放電の測定を行い、部分放電の把握や管理を行うことができる。さらに、これに加えて受信信号Jの強度Kとコンデンサ法によるPD強度Z(pC)との対応関係を求めれば、長年に亘って使用されてきた管理基準値であるコンデンサ法によるPD強度に換算した換算PD強度Xで部分放電を把握し、評価することができるので、一層使いやすい部分放電測定装置とすることができる。電磁波検出手段12の部分放電強度換算手段12cは、この目的のために設けられたものである。そこで、動作の説明に先立ち、まず部分放電強度換算手段12cについて説明する。部分放電強度換算手段12cは、細部の図示を省いているが、電磁波強度測定手段12aから入力された受信信号Jの強度Kに基づいて、予め定められた所定の計算式、この実施の形態では次の一次式(1)に従って、換算PD強度Xを求める。
X=aK+c(a,cは定数) (1)
ここで用いられる上記一次式は、次のようにして求めたものである。
まず、部分放電測定装置100の対象とする誘導電動機1と類似の、すなわち構造(大きさや機内構造)、電圧、容量などが近いなどの所定の条件を満たし、かつ相当期間使用された別の電気機器としての中古誘導電動機について、上記第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bと同様のパッチアンテナを実際に適用する誘導電動機1に配置されるのと同様に所定の位置に配置する。中古誘導電動機の固定子巻線に印加する電圧を変化させて結合コンデンサ法にてPD強度Z(pC)を測定するとともに、同時にこのときの放射電磁波Hを受信した第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bから出力される受信信号Jの強度K(dBm)を電磁波強度測定手段12aにて測定し、両者の関係を求める。中古誘導電動機を用いるので、比較的小さい印加電圧で必要とするPD強度Z(pC)を与えることができる。
両者の相関は、絶縁が健全とされる部分放電発生開始時の微弱な部分放電強度から絶縁劣化と判定される大きな部分放電強度までの関係を把握する。図3に示すように、横軸に6600(V)の高圧の中古誘導電動機で実施した結合コンデンサ法によるPD強度Z(pC)をとり、縦軸にこの実施の形態における部分放電測定装置100で測定した受信信号Jの強度K(dBm)をプロットすると、ほぼ相関直線Fとなり、高い相関を示すことが確認された。
次に、部分放電測定装置100を設置する誘導電動機1について第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bを所定の位置に配置し、例えば定格電圧の115〜120%程度の電圧を印加して、そのときの部分放電による放射電磁波Hを受信して第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bから出力される受信信号Jの強度Kを測定する。115%及び120%電圧を印加したときの放射電磁波の強度すなわち受信信号Jの強度Kを、測定値P1,P2として、図3に示す。このようにして、対象とする誘導電動機1における測定値P1,P2が、相関直線Fの近傍にあることを確認しておく。
以上のように両者に高い相関関係を有することが明らかとなり、図3の相関直線Fから上記一次式(1)における、係数a,cを決定することができる。
このように、部分放電測定装置100により測定された受信信号Jの強度Kは、従来法の結合コンデンサ法によるPD強度Zと良い相関を示すので、上記相関直線Fに基づいて受信信号Jの強度Kから換算PD強度Xを求めることにより、従来の結合コンデンサ法におけるPD強度Zと同様の換算PD強度Xを求めることができる。
ここで、図3に示す停止中試験と運転中とでは、固定子巻線4に印加される電圧分布が異なるが、部分放電は電圧が高い箇所で発生し、絶縁劣化との対応は部分放電の大きさと関係するので、絶縁監視を行う上では特段の問題はない。
なお、参考までに第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bの対向角度(パッチアンテナの面に垂直な線同士がなす角度)を、0±120度の範囲で変化させたときの放射特性を、縦軸に利得(dBi)をとって図6に示す。この実施の形態では、第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bを図1に示すように図の左右方向に完全に対向するようにして(対向角度零度にてかつ中心軸が一致するようにして)配設しているが、完全に向き合う必要はなく、図6に示す放射特性から見て±20度の範囲であれば十分な感度が得られる。
ステップ2:
使用開始前に、部分放電測定装置100の校正を行う。
誘導電動機1を停止した状態で、図4に示す切替器24のスイッチ(図示せず)を切替えて第1のパッチアンテナ11aが高周波信号発生器20と接続されるようにする。高周波信号発生器20にて発生させた所定の強度の校正用の高周波信号Aを第1の高周波ケーブル15aを介して第1のパッチアンテナ11aに入力する。入力された高周波信号Aは第1のパッチアンテナ11aの放射面から図4に示すように校正電磁波Bとなって誘導電動機1のフレーム2内に放射される。
ステップ3:
第1のパッチアンテナ11aから放射された校正電磁波Bは、第2のパッチアンテナ11bにより受信校正電磁波Cとして受信される。受信校正電磁波Cは受信校正信号Dとして第2の高周波ケーブル15bを介して電磁波強度測定手段12aへ送られ、その強度Eが測定される。受信校正信号Dの強度Eは、電磁波検出器12内のメモリ12bに記憶されるととともに、部分放電強度換算手段12cにより、結合コンデンサ法によるPD強度に換算されて換算PD強度Xとして表示部13に表示される。測定は高周波信号Aのレベルを所定の範囲で変化させて行う。図5は、−60(dBm)の高周波信号Aを送信したときの受信校正信号Dの強度Eを測定した結果を示すものである。このように、第1のパッチアンテナ11aから送信された校正電磁波Bを第2のパッチアンテナ11bにより正確に受信することができることが分かる。
ここで、この実施の形態において用いた第1のパッチアンテナ11aの放射特性と、第1のパッチアンテナ11aと第2のパッチアンテナ11bを用いた電磁波の伝播特性について説明する。第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bは、受信電極の形状寸法と、設置電極の形状寸法と、給電点の位置と、受信電極と接地電極間の誘電体の比誘電率などにより、受信周波数と受信帯域幅、電圧定在波比(VSWR :Voltage standing wave ratio)などが決定され、放射特性も決まる。この実施の形態における第1及び第2のパッチアンテナ11a、11bは、中心周波数が1.8(GHz)、帯域幅が200(MHz)、VSWRが1.5で設計されている。
図6は、第1のパッチアンテナ11aの放射特性である。図6からこの第1のパッチアンテナは±20度の範囲に指向性を有する。つまり、パッチアンテナの中心を基準にして左右20度の範囲で約4dB以上の利得(dBi)を有し、パッチアンテナの中心を基準にして左右20度の範囲に電磁波を放射することができ、左右20度の範囲の電磁波を感度よく受信することができることが分かる。図7に、図1に示す誘導電動機1のフレーム2内において、第1のパッチアンテナ11aへ供給される高周波信号Aの強度と、第1のパッチアンテナ11aから放射された校正電磁波Bを校正電磁波Cとして受信した第2のパッチアンテナ11bから出力される受信校正信号Dの強度E(dBm)との関係を、第1のパッチアンテナ11aと第2のパッチアンテナ11b間の距離を0〜1000(mm)の間で変化させて示した。高周波信号Aの強度は、−70(dBm)と−80(dBm)の2段階で試験した。また、図7にはフレーム2がない状態の開放空間で同様に試験した結果を併せて示した。
図7から分かるように、高周波信号Aの強度が−70(dBm)と−80(dBm)の2ケースとも、受信校正信号Dの強度Eは第1及び第2のパッチアンテナ間の距離の増加とともに減少するが、フレーム2内では散乱や乱反射の効果により1000(mm)離れた位置で2.5(dBm)の減衰にとどまる。一方、開放空間では−70(dBm)送信時で5(dBm)の、−80(dBm)送信時で10(dBm)の減衰となる。フレーム2は鋼板製なので、フレーム2内の電磁波伝播は金属閉鎖空間での伝播となり、第1のパッチアンテナ11aから第2のパッチアンテナ11bへの直接伝播により受信される電磁波に加え、電磁波伝播時の散乱や乱反射の効果により、開放空間よりも受信強度が高くなる。また、フレーム2の縦横内寸法は伝播時の共振周波数と関係しており、フレーム2の共振周波数を考慮して第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bの設計緒元を決定すれば、さらに感度が向上する。
このように導電体である金属閉鎖空間内に配置されることを考慮して設計された緒元を有する第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bを使用することで、固定子巻線4における部分放電強度を正確に校正することができる。また、フレーム2の共振周波数を考慮して第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bの設計緒元を決定することにより、さらに感度が向上する。
ステップ4:
次に、誘導電動機1が運転中の部分放電測定方法について、図8を用いて説明する。図8は、部分放電により誘導電動機1から放射される放射電磁波Gと、第1及び第2のパッチアンテナにより受信される受信放射電磁波Hの様子を示す模式図である。放射電磁波Gとしては、第1及び第2の放射電磁波G1及びG2が考えられる。まず、切替器24を第1のパッチアンテナ11aが電磁波検出器12と接続されるように切替える。誘導電動機1の運転中に、印加される電圧により固定子巻線4から発生する部分放電にともなう放射電磁波G(G1,G2)を第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bを用いて受信し、第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bが受信した受信放射電磁波Hによる受信信号Jの強度Kを電磁波強度測定手段12aにて測定する。測定された受信信号Jの強度Kは、表示装置13に表示される。この測定は一定間隔で行い、受信信号Jの強度Kの変化を記録する。受信信号Jの強度Kの変化を記録することは、経時変化を把握し、管理するために重要である。併せて、部分放電強度換算手段12cにより受信信号Jの強度Kを従来の結合コンデンサ法に対応する換算PD強度Xに換算し、表示装置13に表示する。
誘導電動機1の固定子巻線4は多数本の導体を有しており、長期稼動により生じる絶縁劣化は固定子巻線4の多数の箇所に発生する。絶縁監視を行うためには、この多数の箇所で発生する部分放電を感度良よく測定する必要がある。部分放電に伴って発生する放射電磁波Gには直線的に伝播して第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bに受信される第1の放射電磁波G1や、フレーム2に反射して第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bに受信される第2の放射電磁波G2などがある。
このようなステップ4により、運転による固定子巻線4の絶縁劣化の状態を、部分放電による放射電磁波Gを受信して受信信号Jの強度Kを測定することにより、高電圧部に非接触で測定することができる。さらに、受信信号Jの強度Kから結合コンデンサ法によるPD強度に相当する換算PD強度X(pC)を求めることにより、誘導電動機1の絶縁の評価や診断を、既に20〜30年蓄積された従来の管理基準値であるPD強度Z(pC)に相当する換算PD強度Xにて把握し、評価することができる。
ステップ5:
次に、誘導電動機1の運転中に校正する方法について述べる。
運転中に、切替器24のスイッチを高周波信号発生器20に接続し、第1のパッチアンテナ11aと高周波信号発生器20とを接続する。この状態で、高周波信号発生器20にて校正用の高周波信号Aを発生する。発生した高周波信号Aは第1のパッチアンテナ11aに入力され、校正電磁波Bとなって誘導電動機1のフレーム2内に放射される。放射された校正電磁波Bは第2のパッチアンテナ11bで受信校正電磁波Cとして受信される。この時、第1のパッチアンテナ11aには、部分放電による受信放射電磁波G1,G2と受信校正電磁波Cが受信される。受信した受信放射電磁波G1,G2及び受信校正電磁波Cによる第2のパッチアンテナ11bからの受信信号J及び受信校正信号Dは、電磁波強度測定手段12aでその強度K,Eが測定され、受信信号Jについてはその強度Kがコンデンサ結合法によるPD強度に相当する換算PD強度Xに換算されて表示される。このようにして、高周波信号Aにより第2のパッチアンテナ11bが受信する校正電磁波Bの校正が行われるとともに、換算PD強度Xを求めることができる。
なお、上記実施の形態では、第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bを1対設けるものを示したが、さらに多数のパッチアンテナを各部に適切に配設して各部から放射される部分放電による放射電磁波を測定してより確実に部分放電を検出するようにすることもできる。例えば、図1では固定子鉄心の陰になる場所であるが、固定子鉄心3の軸方向向こう側のフレーム2の内壁面の所定の位置に、第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bと同様の仕様で受信専用の第3及び第4のパッチアンテナを同様に配置する。また、パッチアンテナが使用しやすいが、これに限られるものではなく、ロッドアンテナ、ダイポールアンテナ、ヘリカルアンテナその他のアンテナを用いることができる。この発明は誘導電動機に限らず、発電機、変圧器、ガス絶縁開閉装置その他の部分放電により電磁波を放射する電気機器に広く適用できる。なお、部分放電強度換算手段12cは、上述した一次式(1)にて近似される換算式にてよって受信信号Jの強度Kから換算PD強度Xを求めるものを示したが、これに限られるものではなく、換算テーブルを使用してもよいし、相関関係が一次式以外の関係にある場合は、当該関係を表す式を用いればよい。
以上のように、この実施の形態によれば、運転中に発生する部分放電による放射電磁波の強度を測定して、この強度と対応させて既に20〜30年蓄積された従来の管理基準である結合コンデンサ法でのPD強度Zに相当するPD強度X(pC)を求めることができる。また、高周波信号Aを第1のパッチアンテナ11aに供給して電磁波強度測定手段12aにて受信校正電磁波Bの強度を測定するようにしたことにより、運転中に装置の校正を行うことができるとともに、第1及び第2のパッチアンテナ11a,11bや、高周波同軸ケーブル15a,15bや、部分放電検出装置10の動作の信頼性を確認することができる。本実施の形態による受信放射電磁波Hによる受信信号Jの強度Kと従来法のPD強度Z(pC)との相関を得ることにより、長期間蓄積され使用されてきた従来の部分放電測定法であるコンデンサ結合法での管理基準値を適用することができ、フィールドデータの蓄積がなくても、運転中に得られた測定データである受信信号Jの強度Kに基づき、絶縁耐力の推定を行うことができる。また、運転開始から絶縁診断時までの経過時間と最低破壊電圧の推定値とから,絶縁劣化の進行速度や残存寿命の推定などを結合コンデンサ法と同様の信頼度で行うことができる。
もちろん、放射電磁波Gの強度を用いることにより、高電圧部に接触することなく測定することができ、固定子巻線や固定子鉄心の近傍にアンテナを埋設したり設置のための特別な加工をしたりする必要がないので、設置が容易である。第1のパッチアンテナ11aは、校正電磁波の発信に使用していない普段は他のパッチアンテナとともに放射電磁波の受信に使用されるので、少ないパッチアンテナ数でより多くの箇所での放射電磁波を受信することができ、取り付けスペースや部品数を削減することができる。また、測定のため誘導電動機の運転をわざわざ停止する必要もない。
この発明の実施の形態1である部分放電測定装置の構成を示す構成図である。 図1の部分放電測定装置で測定した部分放電位相特性を示す特性図である。 図1の部分放電測定装置で測定した受信信号の強度と従来の結合コンデンサ法によるPD(部分放電)強度との相関を示す相関図である。 装置の校正方法を説明するための説明図である。 校正電磁波を受信したときの受信校正信号の強度を示す特性図である。 第1及び第2のパッチアンテナの放射特性を示す特性図である。 第1及び第2のパッチアンテナ間の距離を変化させたときの校正電磁波の強度を示す特性図である。 誘導電動機の運転中におけるパッチアンテナによる電磁波の受信状況を示す模式図である。
符号の説明
1 誘導電動機、2 フレーム、3 固定子鉄心、4 固定子巻線、
10 部分放電検出装置、11a,11b 第1及び第2のパッチアンテナ、
12 電磁波検出器、12a 電磁波強度測定手段、12b メモリ、
12c 部分放電強度換算手段、20 高周波信号発生器、100 部分放電測定装置。

Claims (5)

  1. 高周波信号発生手段とアンテナと電磁波検出手段とを有するものであって、
    上記高周波信号発生手段は、所定の高周波信号を発生するものであり、
    上記アンテナは、絶縁物で絶縁され電圧が印加される導体を有する電気機器に対して所定の位置に互いに対向して配置される第1及び第2のアンテナを有するものであって、
    上記第1のアンテナは、上記高周波信号発生手段から供給された高周波信号を校正電磁波として放射するとともに上記電気機器の上記絶縁物における部分放電により放射される放射電磁波を受信するものであり、
    上記第2のアンテナは、上記第1のアンテナから放射される上記校正電磁波を受信するとともに上記放射電磁波を受信するものであり、
    上記電磁波検出手段は、上記第1及び第2のアンテナが受信した上記放射電磁波に基づき上記部分放電の強度を求めるとともに上記高周波信号及び上記第2のアンテナが受信した上記校正電磁波に基づき校正を行うものである
    部分放電測定装置。
  2. 上記電磁波検出手段は、上記求められた部分放電の強度を記憶する記憶手段を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の部分放電測定装置。
  3. 上記電磁波検出手段は、上記電気機器と所定の条件が共通する別の電気機器についてその導体に印加する電圧を変化させたときに得られる結合コンデンサ法による部分放電強度と、上記別の電気機器の所定の位置に上記アンテナあるいは上記アンテナと同様のアンテナを配設して上記別の電気機器の導体に印加する電圧を変化させたときに得られる上記アンテナあるいは上記アンテナと同様のアンテナが受信した上記放射電磁波の強度と、の関係に基づき上記部分放電の強度を求めるものであることを特徴とする請求項1に記載の部分放電測定装置。
  4. 上記電気機器は上記絶縁物及び上記導体を収容する導電材料製の収容ケースを有するものであって、上記第1及び第2のアンテナは上記収容ケースに収容されるものであることを特徴とする請求項1に記載の部分放電測定装置。
  5. 上記電気機器は固定子鉄心及び上記導体としての固定子巻線を有する回転電機であり、上記収容ケースは上記固定子鉄心並びに上記絶縁物及び上記固定子巻線を収容する鋼板製のフレームであり、上記アンテナは上記第1及び第2のアンテナの他に少なくとも1本のアンテナを有するものであって上記第1及び第2のアンテナは上記フレーム内にあって上記固定子鉄心の軸方向の一方の端部側に配設され、上記少なくとも1本のアンテナは上記フレーム内にあって上記固定子鉄心の軸方向の他方の端部側に配設されるものであることを特徴とする請求項4に記載の部分放電測定装置。
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