JP2008283385A - 雑音抑制装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自然な音像を保ちながら、ステレオ信号に含まれる雑音成分を抑圧する雑音抑制装置を提供する。
【解決手段】共通成分抽出部110は、複数の入力チャネルに共通に含まれる成分Mi(n)を抽出する。非共通成分抽出部210は、入力チャネルに共通しない成分Si(n)を抽出する。共通成分雑音抑圧部310は、成分Mi(n)に対して、雑音抑圧処理を行い、信号Mo(n)を得る。非共通成分処理部410は、成分Si(n)に対して、減衰または強調を行い、信号So(n)を得る。複数チャネル生成部510は、信号Mo(n)と信号So(n)を用いて、各入力チャネルの信号In(n,k)から共通成分の雑音を除去し、非共通成分を減衰または強調するようにしたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】共通成分抽出部110は、複数の入力チャネルに共通に含まれる成分Mi(n)を抽出する。非共通成分抽出部210は、入力チャネルに共通しない成分Si(n)を抽出する。共通成分雑音抑圧部310は、成分Mi(n)に対して、雑音抑圧処理を行い、信号Mo(n)を得る。非共通成分処理部410は、成分Si(n)に対して、減衰または強調を行い、信号So(n)を得る。複数チャネル生成部510は、信号Mo(n)と信号So(n)を用いて、各入力チャネルの信号In(n,k)から共通成分の雑音を除去し、非共通成分を減衰または強調するようにしたものである。
【選択図】 図1
Description
この発明は、複数チャネルを有する音声信号の雑音を抑制する雑音抑制装置に関する。
周知のように、stereo信号に対する従来の雑音抑圧法として、例えば、Lチャネル、Rチャネルそれぞれに逆位相の雑音を重畳して雑音を抑圧する方法がある(例えば、特許文献1参照)。この方法では、L、Rの両チャネルに共通に含まれる雑音成分(ea,eb)を抑圧できるが、stereo成分の雑音を抑圧することは難しい。また、抑圧後の音像を考慮していないため、不自然な音像になるという問題がある。
特開平2−205120公報。
従来の雑音抑制装置では、自然な音像を保ちながら、ステレオ信号に含まれる雑音成分を抑圧することができないという問題があった。
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、自然な音像を保ちながら、ステレオ信号に含まれる雑音成分を抑圧する雑音抑制装置を提供することを目的とする。
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、自然な音像を保ちながら、ステレオ信号に含まれる雑音成分を抑圧する雑音抑制装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、この発明は、複数のチャネルの入力信号に含まれる雑音成分を抑圧する雑音抑圧装置において、第1チャネル信号と第2チャネル信号に共通する成分を抽出する共通成分抽出手段と、この共通成分抽出手段が抽出した共通する成分について、雑音を抑圧する共通成分雑音抑圧手段と、第1チャネル信号と第2チャネル信号に共通しない成分を抽出する非共通成分抽出手段と、この非共通成分抽出手段が抽出した共通しない成分について、レベル調整を行う非共通成分処理手段と、共通成分雑音抑圧手段の出力と、非共通成分処理手段の出力とから、雑音成分を抑圧した第1チャネル信号および第2チャネル信号をそれぞれ生成する複数チャネル生成手段とを具備して構成するようにした。
以上述べたように、この発明では、第1チャネル信号と第2チャネル信号に共通する成分を求めて雑音抑圧を行うと共に、第1チャネル信号と第2チャネル信号に共通しない成分を求めてレベル調整を行い、これらに基づいて、雑音成分を抑圧した第1チャネル信号および第2チャネル信号をそれぞれ生成するようにしている。
したがって、この発明によれば、自然な音像を保ちながら、ステレオ信号に含まれる雑音成分を抑圧することが可能な雑音抑制装置を提供できる。
したがって、この発明によれば、自然な音像を保ちながら、ステレオ信号に含まれる雑音成分を抑圧することが可能な雑音抑制装置を提供できる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる雑音抑制装置の構成を示すものである。
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる雑音抑制装置の構成を示すものである。
この雑音抑制装置は、共通成分抽出部110と、非共通成分抽出部210と、共通成分雑音抑圧部310と、非共通成分処理部410と、複数チャネル生成部510とを備えている。
共通成分抽出部110は、複数の入力チャネルの信号In(n,k)(k=1,…,Kin: Kinは入力チャネルの総数、nは時刻)を入力とし、複数の入力チャネルに共通に含まれる成分Mi(n)を抽出する。
非共通成分抽出部210は、複数の入力チャネルの信号In(n,k)を入力とし、これらの入力チャネルに共通しない成分Si(n)を抽出する。
非共通成分抽出部210は、複数の入力チャネルの信号In(n,k)を入力とし、これらの入力チャネルに共通しない成分Si(n)を抽出する。
共通成分雑音抑圧部310は、共通成分抽出部110にて抽出された成分Mi(n)に対して、雑音抑圧処理を行い、信号Mo(n)を得てこれを出力する。
非共通成分処理部410は、非共通成分抽出部210にて抽出された成分Si(n)に対して、所定のレベル調整処理(例えば、減衰または強調)を行い、信号So(n)を得てこれを出力する。
非共通成分処理部410は、非共通成分抽出部210にて抽出された成分Si(n)に対して、所定のレベル調整処理(例えば、減衰または強調)を行い、信号So(n)を得てこれを出力する。
複数チャネル生成部510は、共通成分雑音抑圧部310にて得られた信号Mo(n)と、非共通成分処理部410にて得られた信号So(n)を用いて、複数の入力チャネルの信号In(n,k)から共通成分の雑音を除去し、非共通成分を減衰または強調した各出力信号Out(n,k)(k=1,…,Kout: Koutは出力総チャネル数、nは時刻)を出力する。
ここで、入力チャネル数Kin、Koutの値は、2以上の値であればよいが、以下の説明を簡明にするため、Kin=Kout=2、すなわち、ステレオ入力、ステレオ出力の場合を例に挙げて説明する。この場合、例えば、図1に示した雑音抑制装置の構成を、図2のように構成するようにしてもよい。
共通成分抽出部111では、2つの入力チャネルの信号In(n,1)とIn(n,2)を入力とし、この2つの入力チャネルに共通に含まれる成分Mi(n)を抽出する。例えば、下式(1)に示すような演算により抽出する。すなわち、2つの入力チャネルの信号In(n,1)とIn(n,2)を加算することにより、位相の共通する成分が、より顕著になった信号を得る。なお、必要によって、信号In(n,1)とIn(n,2)の時間軸をずらして位相の同期をとる処理を加えてもよい。
非共通成分抽出部211は、2つの入力チャネルの信号In(n,1)とIn(n,2)を入力とし、この2つの入力チャネルに共通しない成分Si(n)を抽出する。例えば、下式(2)に示すような演算により抽出する。すなわち、2つの入力チャネルの信号In(n,1)とIn(n,2)を減算することにより、位相の共通しない成分が、より顕著になった信号を得る。なお、必要に応じて、信号In(n,1)とIn(n,2)の時間軸をずらして位相の同期をとる処理を加えてもよい。
モノラル成分雑音抑圧部311は、共通成分抽出部111にて抽出された成分Mi(n)に対して、雑音抑圧処理を行い、信号Mo(n)を得てこれを出力する。ここでの、雑音抑圧処理の手法としては、文献(S.F.Boll, ”Suppression of acoustic noise in speech using spectral subtraction, “IEEE Trans. ASSP, vol.27, no.2, pp.113-120, Feb.1979(114頁、第2章C項))に開示されている、いわゆるスペクトルサブトラクション(Spectral Subtraction: SS)法がある。あるいは、Y.Ephraim et a1., ”Speech enhancement using a minimum mean-square error short-time spectral amplitude estimator, “ASSP, vol.32, no.6, pp.1109-1121, 1984(1118頁、式(53))に開示されている、いわゆるMMSE-STSA法や、J.S.Lim and A.V.Oppenheim, ”Enhancement and Bandwidth Compression of Noisy Speech, “Proc. Of the IEEE, vol.67, pp.1586-1604, Dec.1979に開示されているウィーナーフィルタ法などが代表的である。
これらの方法は、各周波数帯域の信号対雑音比SNR(k)が大きいときほど、帯域kのゲインを1(すなわち抑圧量= OdB)に近付け、SNR(k)が小さいときほど、帯域kのゲインを0または正の下限値に近付けることによって、入力信号中の雑音成分を抑圧する方法である。
ステレオ成分処理部411では、非共通成分抽出部211にて抽出された成分Si(n)に対して、所定のレベル調整処理(例えば、減衰または強調)を行い、信号So(n)を得てこれを出力する。ここで、減衰させる場合には、ゲインGを使って、下式(3)にしたがった演算を行う。
ただし、0<G<1であり、例えば、G=0.5が用いられる。強調の場合には、1<Gであり、例えば、G_low=2として、式(3)を計算する。また、歪みを抑えるために、G=1、すなわち、ステレオ成分処理部411では何も処理せずに、出力してもよい。
複数チャネル生成部511は、チャネル生成部511aとチャネル生成部511bとを備える。チャネル生成部511aおよびチャネル生成部511bは、それぞれモノラル成分雑音抑圧部311にて得られた信号Mo(n)と、ステレオ成分処理部411にて得られた信号So(n)を用いて、2つの入力チャネルの信号In(n,1)とIn(n,2)から共通成分の雑音を除去し、非共通成分を減衰または強調した各出力信号Out(n,1)とOut(n,2)を出力する。例えば、下式(4)、(5)に示すような演算により求めて出力する。
なお、2つの入力チャネルの信号In(n,1)、In(n,2)と、各出力信号Out(n,1)、Out(n,2)との間の振幅の整合をとるために、下式(6)、(7)に示すような演算を行う構成を追加して、Out(n,1)、Out(n,2)を出力する代わりに、Out_new(n,1)、Out_new(n,2)を出力してもよい。ここで、Kは、入力信号と出力信号の振幅の整合をとるための係数であり、例えば、K=(1+G)などとすればよい。
以上のように、上記構成の雑音抑制装置では、2つの入力チャネルの信号、すなわちステレオ信号のうち、音像がセンター方向にある音の雑音が抑圧され、例えば、スポーツ中継番組などで解説しているアナウンサの声が聞き取りやすくなるような効果が得られ、またステレオ成分については、モノラル成分とは別に、減衰または強調が行える。このため、ステレオ成分に、例えば音量を調整する程度のゲイン調整を行えば、自然な音像で聞くことができる。
次に、この発明の第2の実施形態に係わる雑音抑制装置について説明する。
図3は、その構成を示すものである。この図に示す雑音抑制装置は、共通成分抽出部120と、非共通成分抽出部220と、共通成分雑音抑圧部320と、非共通成分処理部420と、複数チャネル生成部520とを備えている。
図3は、その構成を示すものである。この図に示す雑音抑制装置は、共通成分抽出部120と、非共通成分抽出部220と、共通成分雑音抑圧部320と、非共通成分処理部420と、複数チャネル生成部520とを備えている。
共通成分抽出部120は、複数の入力チャネルの信号In(n,k)(k=1,…,Kin: Kinは入力チャネルの総数、nは時刻)を入力とし、複数の入力チャネルに共通に含まれる成分Mi(n)を抽出する。
非共通成分抽出部220は、複数の入力チャネルの信号In(n,k)を入力とし、これらの入力チャネルに共通しない成分Si(n)を抽出する。
非共通成分抽出部220は、複数の入力チャネルの信号In(n,k)を入力とし、これらの入力チャネルに共通しない成分Si(n)を抽出する。
共通成分雑音抑圧部320は、共通成分抽出部120にて抽出された成分Mi(n)に対して、雑音抑圧処理を行い、信号Mo(n)を得てこれを出力する。また共通成分雑音抑圧部320は、成分Mi(n)に含まれる雑音信号のレベル、すなわち、共通成分の雑音信号レベルを検出し、これを非共通成分処理部420に通知する。
非共通成分処理部420は、非共通成分抽出部220にて抽出された成分Si(n)に対して、共通成分雑音抑圧部320から通知されるレベルに応じた強度で、所定のレベル調整処理(例えば、減衰または強調)を行い、信号So(n)を得てこれを出力する。
複数の入力チャネル間で共通的な成分に含まれる雑音信号と共通的でない成分に含まれる雑音信号は、ある程度、相関があると考えられる。第2の実施形態に係わる雑音抑制装置は、この点に着目したもので、例えば、複数の入力チャネル間で共通な成分の雑音が大きいときは、共通でない成分の雑音も大きいと考えて、非共通成分処理部420における抑圧を強めにする。あるいは逆に、非共通成分処理部420で共通でない成分の雑音レベルを検出し、共通でない成分の雑音が大きいときは、共通な成分の雑音も大きいと考えて、共通成分雑音抑圧部320におけるゲインGを小さくするようにしてもよい。
複数チャネル生成部520は、共通成分雑音抑圧部320にて得られた信号Mo(n)と、非共通成分処理部420にて得られた信号So(n)を用いて、複数の入力チャネルの信号In(n,k)から共通成分の雑音を除去し、非共通成分を減衰または強調した各出力信号Out(n,k)(k=1,…,Kout: Koutは出力総チャネル数、nは時刻)を出力する。
ここで、入力チャネル数Kin、Koutの値は、2以上の値であればよいが、以下の説明を簡明にするため、Kin=Kout=2、すなわち、ステレオ入力、ステレオ出力の場合を例に挙げて説明する。この場合、例えば、図3に示した雑音抑制装置の構成を、図4のように構成するようにしてもよい。
共通成分抽出部121では、2つの入力チャネルの信号In(n,1)とIn(n,2)を入力とし、この2つの入力チャネルに共通に含まれる成分Mi(n)を前述の式(1)に示すような演算により抽出する。すなわち、2つの入力チャネルの信号In(n,1)とIn(n,2)を加算することにより、位相の共通する成分が、より顕著になった信号を得る。
非共通成分抽出部221は、2つの入力チャネルの信号In(n,1)とIn(n,2)を入力とし、この2つの入力チャネルに共通しない成分Si(n)を抽出する。例えば、前述の式(2)に示すような演算により抽出する。すなわち、2つの入力チャネルの信号In(n,1)とIn(n,2)を減算することにより、位相の共通しない成分が、より顕著になった信号を得る。
モノラル成分雑音抑圧部321は、共通成分抽出部121にて抽出された成分Mi(n)に対して、雑音抑圧処理を行い、信号Mo(n)を得てこれを出力する。ここでの、雑音抑圧処理の手法としては、モノラル成分雑音抑圧部311と同様の手法が考えられる。
またモノラル成分雑音抑圧部321は、成分Mi(n)に含まれる雑音信号のレベル、すなわち、モノラル成分の雑音信号レベルを検出し、これをステレオ成分処理部421に通知する。
ステレオ成分処理部421では、非共通成分抽出部221にて抽出された成分Si(n)に対して、モノラル成分雑音抑圧部321から通知されるレベルに応じた強度で、所定のレベル調整処理(例えば、減衰または強調)を行い、信号So(n)を得てこれを出力する。ここで、減衰させる場合には、ゲインGを使って、前述の式(3)にしたがった演算を行う。ゲインGの具体的な決め方としては、例えば、成分Mi(n)のSNR(信号対雑音比)を用いて、G=α×Mi_SNRと計算すればよい。ここで、αは定数、Mi_SNRは成分Mi(n)のSNRである。あるいは、成分Mi(n)のSNR(あるいは前述のMMSE-STSA法の文献に開示されているa priori SNR)から、前述の文献に開示されているスペクトルサブトラクション法、MMSE-STSA法、ウィーナーフィルタ法を用いて雑音抑圧のためのゲインを計算し、
このゲインをゲインGとして利用してもよい。
このゲインをゲインGとして利用してもよい。
また反対に、ステレオ成分処理部421で共通でない成分の雑音レベルを検出し、その雑音が大きいときは、共通な成分の雑音も大きいと考えて、共通成分雑音抑圧部320におけるゲインGを小さくするようにしてもよい。例えば、G=N_c×(N_siのp乗)とすればよい。ここで、N_siは成分Si(n)の雑音レベル、p、N_cは定数であり、例えば、p=−1,N_c=−16[dB]とすればよい。ただし、Gの値は0から1までの値に制限する。
複数チャネル生成部521は、チャネル生成部521aとチャネル生成部521bとを備える。チャネル生成部521aおよびチャネル生成部521bは、それぞれモノラル成分雑音抑圧部321にて得られた信号Mo(n)と、ステレオ成分処理部421にて得られた信号So(n)を用いて、2つの入力チャネルの信号In(n,1)とIn(n,2)から共通成分の雑音を除去し、非共通成分を減衰または強調した各出力信号Out(n,1)とOut(n,2)を求めて出力する。例えば、前述の式(4)、(5)に示すような演算により求めて出力する。
なお、2つの入力チャネルの信号In(n,1)、In(n,2)と、各出力信号Out(n,1)、Out(n,2)との間の振幅の整合をとるために、前述の式(6)、(7)に示すような演算を行う構成を追加して、Out(n,1)、Out(n,2)を出力する代わりに、Out_new(n,1)、Out_new (n,2)を出力してもよい。
以上のように、上記構成の雑音抑制装置では、2つの入力チャネルの信号、すなわちステレオ信号のうち、音像がセンター方向にある音の雑音が抑圧され、例えば、スポーツ中継番組などで解説しているアナウンサの声が聞き取りやすくなるような効果が得られ、またステレオ成分については、モノラル成分とは別に、減衰または強調が行える。このため、ステレオ成分に、例えば音量を調整する程度のゲイン調整を行えば、自然な音像で聞くことができる。
また、共通成分と、非共通成分とが、両者の相関性に基づいて、共通成分および非共通成分の雑音抑圧やゲイン調整などが行われるため、共通成分に含まれる雑音をより自然に抑圧したり、非共通成分の音像をより自然に保つことができ、聞きやすくなるという効果が得られる。例えば、2チャネル入力の場合、スポーツ中継番組などで解説しているアナウンサの声が聴き取りやすくなるといった効果が得られる。
次に、この発明の第3の実施形態に係わる雑音抑制装置について説明する。
図5は、その構成を示すものである。この図に示す雑音抑制装置は、共通成分抽出部130と、共通成分雑音抑圧部330と、複数チャネル生成部530と、利得調整部630a、630bとを備えている。
図5は、その構成を示すものである。この図に示す雑音抑制装置は、共通成分抽出部130と、共通成分雑音抑圧部330と、複数チャネル生成部530と、利得調整部630a、630bとを備えている。
共通成分抽出部130は、複数の入力チャネルの信号In(n,k)(k=1,…,Kin: Kinは入力チャネルの総数、nは時刻)を入力とし、複数の入力チャネルに共通に含まれる成分Mi(n)を抽出する。
共通成分雑音抑圧部330は、共通成分抽出部130にて抽出された成分Mi(n)に対して、雑音抑圧処理を行い、信号Mo(n)を得てこれを出力する。また共通成分雑音抑圧部330は、成分Mi(n)に含まれる雑音信号のレベル、すなわち、共通成分の雑音信号レベルを検出し、これを利得調整部630a、630bに通知する。
利得調整部630a、630bは、それぞれの入力チャネルの信号In(n,k)に対して、共通成分雑音抑圧部330から通知される雑音信号レベルに応じたゲインGで信号レベルの抑圧を行う。なお、ゲインGの具体的な計算方法は、例えば、第2の実施形態において、ステレオ成分処理部421の説明で記載したゲインGの計算方法が考えられる。
複数の入力チャネル間で共通的な成分に含まれる雑音信号と、各入力チャネルの信号に含まれる雑音信号は、ある程度、相関があると考えられる。第3の実施形態に係わる雑音抑制装置は、この点に着目したもので、例えば、複数の入力チャネル間で共通な成分の雑音が大きいときは、各入力チャネルの信号に含まれる雑音も大きいと考えて、利得調整部630a、630bにおける抑圧を強めにする。
あるいは別の構成として、利得調整部630a、630bで各入力チャネルの雑音レベルを検出し、入力チャネルの雑音レベルが大きいときは、共通な成分の雑音も大きいと考えて、共通成分雑音抑圧部330におけるゲインGを小さくするようにしてもよい。ゲインGの具体的な計算方法としては、例えば、第2の実施形態において、ステレオ成分処理部421の説明で記載したゲインGの計算方法が考えられる。
複数チャネル生成部530は、共通成分雑音抑圧部330にて得られた信号Mo(n)と、利得調整部630a、630bにて得られた信号を用いて、各入力チャネルの信号In(n,k)から共通成分の雑音を除去し、各出力信号Out(n,k)(k=1,…,Kout: Koutは出力総チャネル数、nは時刻)から非共通成分の雑音を除去し、それぞれ出力する。
ここで、入力チャネル数Kin、Koutの値は、2以上の値であればよいが、以下の説明を簡明にするため、Kin=Kout=2、すなわち、ステレオ入力、ステレオ出力の場合を例に挙げて説明する。この場合、例えば、図5に示した雑音抑制装置の構成を、図6のように構成するようにしてもよい。
共通成分抽出部131では、2つの入力チャネルの信号In(n,1)とIn(n,2)を入力とし、この2つの入力チャネルに共通に含まれる成分Mi(n)を前述の式(1)に示すような演算により抽出する。
共通成分雑音抑圧部331は、共通成分抽出部131にて抽出された成分Mi(n)に対して、雑音抑圧処理を行い、信号Mo(n)を得てこれを出力する。ここでの、雑音抑圧処理の手法としては、モノラル成分雑音抑圧部311と同様の手法が考えられる。
また共通成分雑音抑圧部331は、成分Mi(n)に含まれる雑音信号のレベル、すなわち、モノラル成分の雑音信号レベルを検出し、これを利得調整部631a、631bに通知する。
利得調整部631a、631bは、それぞれの入力チャネルの信号In(n,k)に対して、共通成分雑音抑圧部331から通知される雑音信号レベルに応じたゲインGで信号レベルの抑圧を行う。
また別の構成として、利得調整部631a、631bで各入力チャネルの信号の雑音レベルを検出し、その雑音レベルが大きいときは、共通な成分の雑音も大きいと考えて、共通成分雑音抑圧部331におけるゲインGを小さくするようにしてもよい。
複数チャネル生成部531は、チャネル生成部531aとチャネル生成部531bとを備える。チャネル生成部531aは、共通成分雑音抑圧部331にて得られた信号Mo(n)と、利得調整部631aにて得られた信号を用いて、入力チャネルの信号In(n,1)から共通成分の雑音を除去した出力信号Out(n,1)を求めて、これを出力する。同様に、チャネル生成部531bは、共通成分雑音抑圧部331にて得られた信号Mo(n)と、利得調整部631bにて得られた信号を用いて、入力チャネルの信号In(n,2)から非共通成分の雑音を除去した出力信号Out(n,2)を求めて、これを出力する。
なお、2つの入力チャネルの信号In(n,1)、In(n,2)と、各出力信号Out(n,1)、Out(n,2)との間の振幅の整合をとるために、前述の式(6)、(7)に示すような演算を行う構成を追加して、Out(n,1)、Out(n,2)を出力する代わりに、Out_new(n,1)、Out_new (n,2)を出力してもよい。
以上のように、上記構成の雑音抑制装置では、2つの入力チャネルの信号、すなわちステレオ信号のうち、音像がセンター方向にある音の雑音が抑圧され、例えば、スポーツ中継番組などで解説しているアナウンサの声が聞き取りやすくなるような効果が得られる。
また、共通成分と、各入力チャネルの信号とが、両者の相関性に基づいて、共通成分および入力チャネルの信号の雑音抑圧やゲイン調整などが行われるため、共通成分に含まれる雑音をより自然に抑圧したり、各入力チャネルの信号の音像をより自然に保つことができ、聞きやすくなるという効果が得られる。例えば、2チャネル入力の場合、スポーツ中継番組などで解説しているアナウンサの声が聴き取りやすくなるといった効果が得られる。
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、上記の(1)〜(7)の式で説明した考え方は、時間領域に限らず、周波数領域にも適用できる。この場合、サンプル毎の計算をスペクトル毎の計算、あるいは周波数帯域毎の計算に置き換えることで実現できる。
110,111,120,121,130,131…共通成分抽出部、210,211,220,221…非共通成分抽出部、310,320,330…共通成分雑音抑圧部、311,321,331…モノラル成分雑音抑圧部、410,420…非共通成分処理部、411,421…ステレオ成分処理部、510,511,520,521,530,531…複数チャネル生成部、511a,511b,521a,521b,531a,531b…チャネル生成部、630a,631a…利得調整部。
Claims (5)
- 複数のチャネルの入力信号に含まれる雑音成分を抑圧する雑音抑圧装置において、
第1チャネル信号と第2チャネル信号に共通する成分を抽出する共通成分抽出手段と、
この共通成分抽出手段が抽出した共通する成分について、雑音を抑圧する共通成分雑音抑圧手段と、
前記第1チャネル信号と前記第2チャネル信号に共通しない成分を抽出する非共通成分抽出手段と、
この非共通成分抽出手段が抽出した共通しない成分について、レベル調整を行う非共通成分処理手段と、
前記共通成分雑音抑圧手段の出力と、前記非共通成分処理手段の出力とから、雑音成分を抑圧した第1チャネル信号および前記第2チャネル信号をそれぞれ生成する複数チャネル生成手段と
を具備することを特徴とする雑音抑圧装置。 - 複数のチャネルの入力信号に含まれる雑音成分を抑圧する雑音抑圧装置において、
第1チャネル信号と第2チャネル信号に共通する成分を抽出する共通成分抽出手段と、
この共通成分抽出手段が抽出した共通する成分に含まれる雑音レベルを検出する検出手段と、
前記共通成分抽出手段が抽出した共通する成分について、雑音を抑圧する共通成分雑音抑圧手段と、
前記第1チャネル信号と前記第2チャネル信号に共通しない成分を抽出する非共通成分抽出手段と、
この非共通成分抽出手段が抽出した共通しない成分について、前記検出手段が検出した雑音レベルに応じたレベル調整を行う非共通成分処理手段と、
前記共通成分雑音抑圧手段の出力と、前記非共通成分処理手段の出力とから、雑音成分を抑圧した第1チャネル信号および前記第2チャネル信号をそれぞれ生成する複数チャネル生成手段と
を具備することを特徴とする雑音抑圧装置。 - 複数のチャネルの入力信号に含まれる雑音成分を抑圧する雑音抑圧装置において、
第1チャネル信号と第2チャネル信号に共通する成分を抽出する共通成分抽出手段と、
前記第1チャネル信号と前記第2チャネル信号に共通しない成分を抽出する非共通成分抽出手段と、
この非共通成分抽出手段が抽出した共通しない成分に含まれる雑音レベルを検出する検出手段と、
この非共通成分抽出手段が抽出した共通しない成分について、レベル調整を行う非共通成分処理手段と、
前記共通成分抽出手段が抽出した共通する成分について、前記検出手段が検出した雑音レベルに応じた雑音抑圧を行う共通成分雑音抑圧手段と、
この共通成分雑音抑圧手段の出力と、前記非共通成分処理手段の出力とから、雑音成分を抑圧した第1チャネル信号および前記第2チャネル信号をそれぞれ生成する複数チャネル生成手段と
を具備することを特徴とする雑音抑圧装置。 - 前記共通成分抽出手段は、前記第1チャネル信号と前記第2チャネル信号とを加算することにより、両信号に共通する成分が顕著となった信号を抽出し、
前記非共通成分抽出手段は、前記第1チャネル信号と前記第2チャネル信号とを減算することにより、両信号に共通しない成分が顕著となった信号を抽出し、
前記複数チャネル生成手段は、第1チャネル生成手段と第2チャネル生成手段とを備え、
前記第1チャネル生成手段は、前記共通成分雑音抑圧手段の出力と、前記非共通成分雑音抑圧手段の出力とを加算することで、雑音成分を抑圧した第1チャネル信号を生成し、
前記第2チャネル生成手段は、前記非共通成分雑音抑圧手段の出力と、前記非共通成分雑音抑圧手段の出力とを加算することで、雑音成分を抑圧した第2チャネル信号を生成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の雑音抑圧装置。 - 複数のチャネルの入力信号に含まれる雑音成分を抑圧する雑音抑圧装置において、
第1チャネル信号と第2チャネル信号に共通する成分を抽出する共通成分抽出手段と、
この共通成分抽出手段が抽出した共通する成分に含まれる雑音レベルを検出する検出手段と、
前記共通成分抽出手段が抽出した共通する成分について、雑音を抑圧する共通成分雑音抑圧手段と、
前記第1チャネル信号について、前記検出手段が検出した雑音レベルに応じたレベル調整を行う第1レベル調整手段と、
前記第2チャネル信号について、前記検出手段が検出した雑音レベルに応じたレベル調整を行う第2レベル調整手段と、
前記共通成分雑音抑圧手段の出力と、前記第1レベル調整手段の出力と、前記第2レベル調整手段の出力とから、雑音成分を抑圧した第1チャネル信号および前記第2チャネル信号をそれぞれ生成する複数チャネル生成手段と
を具備することを特徴とする雑音抑圧装置。
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