JP2008280961A - 火花点火式内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃焼室の断熱化による冷却損失の低減を図りつつ、圧縮比の可変制御とヘッドガスケットへの高熱伝導材の適用とにより、ノッキングを回避しつつ高圧縮比化による熱効率の向上を図る。
【解決手段】 燃焼室7内に点火装置2が設けられ、機関運転条件に応じて機関圧縮比を可変制御可能な火花点火式内燃機関において、燃焼室7の壁面を構成するピストン冠面やシリンダの壁面に、断熱材により形成された断熱部を設ける一方、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装されるヘッドガスケットの中で、少なくとも燃焼室7の周囲の部分に、熱伝導率に優れたカーボンナノチューブ複合材からなる熱交換部を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃焼室内に点火装置が設けられたガソリンエンジンに代表される火花点火式の内燃機関に関する。
例えば非特許文献1には、内燃機関の燃焼室を構成するシリンダの壁面にセラミックなどの断熱材を貼り、冷却損失を低減することにより、機関の熱効率を高める技術が開示されている。
機械学会講演論文 1996年 No.96−1「遮熱エンジンの燃焼と燃焼室」
しかしながら、セラミックのような断熱材は高温下で熱伝達率が上昇するため、吸気の温度が上昇し、圧縮終わりの温度で200℃以上の上昇となる。このような温度上昇により、ガソリンエンジンのような火花点火式の内燃機関では全負荷運転などの運転条件でノッキングの発生が避けられず、機関圧縮比を変更できない一般的な内燃機関の場合、機関圧縮比そのものの設定を下げざるを得ず、このような低圧縮比の設定では、部分負荷時の燃費効果が大幅に損なわれる、という問題があった。なお、圧縮自己着火方式のディーゼルエンジンの場合においては、吸気温度の上昇により噴射燃料の着火までの時間が短縮されて拡散燃焼の割合が増大するため、排気エネルギーが増大する結果となり、排気エネルギーを利用できるターボコンパウンドとの併用が有効ではあるものの、システムが複雑になるという欠点がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、燃焼室の壁面の少なくとも一部を断熱の効果が高いセラミック等の断熱材からなる断熱部として燃焼時の冷却損失を大幅に低減するとともに、機関圧縮比の可変制御により部分負荷域での機関圧縮比を高め、かつ、ヘッドガスケットの燃焼室の最外径部に露出する部分に、高熱伝導材からなる熱交換部を設けることによって、ノッキングの発生を効果的に抑制することにより、ノッキング回避のための圧縮比の低下幅を抑制し、ノッキングの発生を回避しつつ、断熱部による冷却損失低減効果と、高圧縮比化による熱効率の向上と、を高いレベルで両立し得る新規な火花点火式の内燃機関を提供することを主たる目的としている。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、シリンダブロックのシリンダ内を往復動するピストンの上方に形成された燃焼室内に点火装置が設けられた火花点火式内燃機関において、機関運転条件に応じて機関圧縮比を可変制御する可変圧縮比手段を備え、上記燃焼室の壁面の一部に、断熱材により形成された断熱部を設ける一方、上記シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装されるヘッドガスケットの中で、少なくともシリンダ用孔の周囲の部分に、少なくとも上記断熱部よりも熱伝導率の高い高熱伝導材により形成された熱交換部を設けたことを特徴としている。
上記高熱伝導材として特に好ましくは、熱伝導率が例えば銅の約5倍と極めて高いカーボンナノチューブの複合材である。
熱交換部による燃焼室の最外径部の冷却効果を高めるために、好ましくは熱交換部に冷却水が通流する複数の冷却用孔がシリンダ用孔を囲うように形成されている。
上記断熱材は、好ましくは断熱性に優れたセラミック等の非金属材である。
機関圧縮比は、低負荷時には主として燃費向上のために高圧縮比,高負荷時にはノッキング回避のために低圧縮比となるように、機関負荷条件に応じて可変制御される。
そして好ましくは、負荷が変化する過渡変化時には、直前の運転履歴ないしは燃焼室壁温の状態に応じて圧縮比変化に遅れを与えることにより、例えば高負荷運転を継続して燃焼室壁温が高くなった状態で、一時的に低負荷運転した後、再加速したような場合に、再加速時における圧縮比変化の応答遅れに起因する過渡的なノッキングを防止することができ、また、例えば平坦路を長時間走行して燃焼室壁温が低下した状態で急加速したような場合などに、燃焼室壁温が実際に上昇してノッキングが生じやすい状態になるまでの間、比較的高い圧縮比に保たれ、熱効率の向上ひいてはトルクの向上を図ることができる。
機関圧縮比を可変とするために、典型的には、ピストンピンを介してピストンに連結される第1リンクと、この第1リンクの他端に揺動可能に連結されるとともに、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に装着された第2リンクと、一端が第2リンクに揺動可能に連結されるとともに、シリンダブロック側に支持される他端を支点として揺動可能な第3リンクと、を備える複リンク式ピストン−クランク機構が用いられる。この場合、可変圧縮比アクチュエータによって第3リンクの他端の支持位置を変更することにより機関圧縮比を変更することができる。
このように本発明によれば、燃焼室の壁面の一部を例えばセラミックなどの断熱材から形成される断熱部とすることで、冷却損失を低減して機関の熱効率を高める一方、機関圧縮比(膨張比)を可変制御する可変圧縮比手段によって、部分負荷時には機関圧縮比を高くして熱効率の向上を図るとともに、高負荷時にはノッキングの発生を回避するために圧縮比を低下させ、かつ、このような高負荷時に圧縮比を低下させる度合いを軽減して熱効率を向上するために、少なくとも上記の断熱材よりも熱伝導率の高い高熱伝導材からなる熱交換部を、適切な位置、つまりシリンダ壁面とともに燃焼室の最外径部を構成するヘッドガスケットのシリンダ用孔の周囲に適用することで、ノッキングの発生を効果的に抑制し、ノッキング回避のための圧縮比の低下幅を最小限に抑制することができる。このように、燃焼室の断熱化による冷却損失の低減を図りつつ、ヘッドガスケットの熱伝導率を高めることで、ノッキングの発生を招くことなく機関圧縮比を有効に高めることができる。
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明に係る火花点火式内燃機関の一実施例を示している。この内燃機関は、火花点火式のガソリン機関であって、ピストンストロークによる幾何学的な圧縮比(膨張比)εを可変制御する可変圧縮比機構1と、ノッキングを検出するノックセンサ(ノック検出手段)3の検出信号に基づいて、微弱なノッキング状態となるように、燃焼室7(図8)に配置された点火プラグによる点火時期を制御する点火装置2と、上記可変圧縮比機構1および点火装置2を制御するエンジンコントロールユニット4と、を備えている。上記エンジンコントロールユニット4は、機関運転条件に対応して目標圧縮比を予め割り付けた圧縮比制御マップ5を備えており、また、温度センサ(壁温検出手段)6により検出される燃焼室7の壁面温度の他、図示せぬセンサ類によって検出された機関回転数信号、負荷信号、冷却水温度信号、燃焼室温度信号、などが入力されている。
図2は、複リンク式ピストン−クランク機構を利用した可変圧縮比機構1の構成を示す図である。クランクシャフト51は、複数のジャーナル部52とクランクピン部53とを備えており、シリンダブロック50の主軸受に、ジャーナル部52が回転自在に支持されている。上記クランクピン部53は、ジャーナル部52から所定量偏心しており、ここに第2リンクとなるロアリンク54が回転自在に連結されている。上記ロアリンク54は、左右の2部材に分割可能に構成されているとともに、略中央の連結孔に上記クランクピン部53が嵌合している。第1リンクとなるアッパリンク55は、下端側が連結ピン56によりロアリンク54の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン57によりピストン58に回動可能に連結されている。上記ピストン58は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック50のシリンダ59内を往復動する。なお、上記シリンダブロック50の一部に、図1に示したように、ノッキングに起因した振動を検出するノックセンサ3や温度センサ6が配置されている。
第3リンクとなるコントロールリンク60は、上端側が連結ピン61によりロアリンク54の他端に回動可能に連結され、下端側が制御軸62を介して機関本体の一部となるシリンダブロック50の下部に回動可能に連結されている。詳しくは、制御軸62は、回転可能に機関本体に支持されているとともに、その回転中心から偏心している偏心カム部62aを有し、この偏心カム部62aに上記コントロールリンク60下端部が回転可能に嵌合している。上記制御軸62は、エンジンコントロールユニット4(図1参照)からの制御信号に基づき、電動モータを用いた圧縮比制御アクチュエータ63によって回動位置が制御される(可変圧縮比手段)。
上記のような複リンク式ピストン−クランク機構を用いた可変圧縮比機構1においては、上記制御軸62が圧縮比制御アクチュエータ63によって回動されると、偏心カム部62aの中心位置、特に、機関本体に対する相対位置が変化する。これにより、コントロールリンク60の下端の揺動支持位置が変化する。そして、上記コントロールリンク60の揺動支持位置が変化すると、ピストン58の行程が変化し、図3のように、ピストン上死点(TDC)におけるピストン58の位置が高くなったり低くなったりする。これにより、機関圧縮比を変えることが可能となる。図3は、高圧縮比状態と低圧縮比状態とを代表的に示しているが、これらの間で圧縮比を連続的に変化させることができる。
上記可変圧縮比機構1による圧縮比の制御特性、換言すれば圧縮比制御マップ5に設定されている運転条件に対応した目標圧縮比の特性を図4に示す。なお、図4の(A)が後述する高熱伝導材を用いた本実施例のヘッドガスケット10を用いた本実施例の設定例を示し、(B)が高熱伝導材を用いていないヘッドガスケットを用いた比較例の設定例を示している。同図に示すように、本実施例では比較例に比して機関圧縮比εを高く設定でき、この理由については後述する。なお、この圧縮比は、ピストン58のストロークによる燃焼室7の容積変化のみで決まる幾何学的な圧縮比εである。
機関圧縮比は、低負荷時には高圧縮比、高負荷時には低圧縮比となるように、機関負荷に応じて可変制御される。また、高速時には高圧縮比,低速時には低圧縮比となるように、機関回転数に応じて可変制御される。より具体的には、低速の全負荷領域はノッキングが発生しやすい条件であるため、圧縮比はこの場合、12を目標としている。もちろん、冷却水温が高いオーバーヒート気味の条件ではさらに低い圧縮比(例えば10)にすることが必要である。一方、R/L(平坦路走行時)など、部分負荷領域ではノッキングが発生しにくいため、燃費の向上を狙いとして、圧縮比は16程度まで高く設定する。全負荷領域も高速になればノッキングが発生しにくくなるため、熱効率向上による出力向上を狙いとして、圧縮比を比較的高い値とする。
次に、本実施例に係る圧縮比制御の一例を図5を参照して説明する。ここでは、例えば、登坂路走行後に平坦路走行に移り、その後再び登坂路走行に移行する場合の時間経過に伴う各特性値の過渡的な変化を示している。最初の登坂路走行の時間が長いと、この間にピストンなど燃焼室周辺の温度は大幅に上昇し、吸入混合気もこれによって熱せられ、温度上昇する。従ってノッキングが生じやすい条件となるが、この高負荷条件では目標圧縮比εは低めに設定されており、そのためノッキングは発生しない。この条件から平坦路走行に移行し、R/Lの負荷条件となった場合、点火時期は、この負荷の減少に伴って図示のように進角側へ変化する。一方、この定常走行に対応した目標圧縮比εは前述したように相対的に高い(例えば16)ものであるが、本実施例では、このような高負荷運転から低負荷運転へ移行した後に、所定の遅延時間τsを与え、この遅延時間τsの経過時点から目標圧縮比つまり高圧縮比へ向かって制御を開始するようにしている。これにより、ある所定時間τoの経過後に、実際の圧縮比が目標圧縮比に到達する。この間に、燃焼室壁温(ピストン温度)は十分に低下しているため、再登坂開始時におけるノッキングの発生を効果的に低減・回避することができる。
このような平坦路走行の状態が維持された後に、再登坂つまり高負荷運転に移行する際には、ノッキングが発生することのないように、上述したような遅延時間を与えることなく、目標圧縮比を高圧縮比から低圧縮比へと速やかに変化させる。このとき、一般に可変圧縮比機構1の多少の制御遅れがあり、瞬時に圧縮比は下がらないので、高圧縮比のまま高負荷域に移行するが、この例のように十分長い期間低負荷運転を行っていれば、この時点では燃焼室壁温(ピストン温度)が十分に低下しているため、ノッキングは許容レベル以内に収まる。
上記の所定時間τoひいては上記遅延時間τsの必要な値は、低負荷域へ移行する際の燃焼室壁温(ピストン温度)によって左右され、この燃焼室壁温が高いほど、所定時間τoないしは上記遅延時間τsを大きく与える必要がある。従って、例えば熱電対からなる上記の温度センサ6をシリンダブロック50あるいはシリンダヘッド49の燃焼室7の近傍に設けて燃焼室壁温を直接に検出し、これに応じて遅延時間τsを可変的に設定することが望ましい。
また、燃焼室壁温を直接に検出せずに、低負荷域へ移行する直前の運転履歴によって間接的に温度状態を推定するようにしてもよい。図6は、その一例を示すもので、平坦路走行(低負荷運転)へ移行する直前の所定時間(レファレンスタイムとして示す期間)におけるトルク(負荷)の平均値を求め、これを平均負荷率Pmとして、燃焼室壁の温度状態を示すパラメータとすることができる。また、これ以外の適宜な方法で、平均的な負荷条件を求め、温度状態を推定するようにしてもよい。
図7を参照して、(A)は燃焼室7の壁面に断熱材を設けていない参考例を示しており、この参考例の場合、燃焼による熱が図の矢印で示すようにピストン58からシリンダ59へと伝達して、冷却損失が増大する傾向にある。これに対し、図7の(B)は、セラミック等の断熱材からなる断熱部20,21を燃焼室7の壁面に適用した本実施例の構成を示している。本実施例では、燃焼室7の壁面を構成するピストン58の冠面とシリンダ59の内壁面とに、セラミック等の断熱材から形成される断熱部20,21を設けている。より具体的には、アルミニウム合金等からなるピストン58の冠面にセラミック材20をコーティング又は接合し、シリンダ59の内壁面を形成するシリンダライナ21をセラミック製としている。これによって、上記の参考例に比して、ピストン58からシリンダ59への熱の伝達が大幅に抑制され、冷却損失を大幅に低減することができる。但し、セラミックのような断熱材は蓄熱材でもあるために、上述したように全開出力時等の熱負荷の高い条件では、吸気温度の上昇によるノッキングの発生を招き易い傾向にある。単にノッキングの発生を抑制するのであれば、上記の可変圧縮比機構により圧縮比を低くすれば良いのであるが、圧縮比の低下は熱効率の低下を招き、好ましくない。そこで本実施例では、後述する高熱伝導材の適材配置により、ノッキングの発生を効果的に抑制し、ノッキング回避のための圧縮比の低下を大幅に抑制することができる。
図8及び図9は、本実施例に係る局所冷却用のヘッドガスケット10を示している。ヘッドガスケット10は、シリンダヘッド49とシリンダブロック50との間に介装され、両者の間をシールする薄板状のものであり、シリンダ59に対応したシリンダ用孔11の他、ボルト用の孔12や冷却水が通流する冷却用孔13等が多数形成されている。
そして本実施例では、ヘッドガスケット10を、燃焼室7の最外径部7Aに露出することとなるシリンダ用孔11の周囲の部分すなわち熱交換部14を含めて、少なくとも上記の断熱材よりも熱伝導率の高い高熱伝導材により形成している。高熱伝導材として、この実施例では鉄、アルミ、銅などを基材とするカーボンナノチューブ(CNT)の複合材が用いられている。カーボンナノチューブは、複数のグラファイト状の炭素が積み重なってできた多重のチューブであり、その熱伝導率は例えば銅(Cu)に比して約5倍も高い。また、燃焼室7の周囲の熱交換部14には、冷却水が通流する熱交換用の上記の冷却用孔13を比較的大きく形成している。すなわち、図9に示すように、周方向に長尺な複数の冷却用孔13が周方向に間欠的に設けられている。
図8に示すように、ノッキングは、高温下で未燃ガス内にアルデヒドや過酸化物が生成されて自発火に至る現象であり、ガソリンエンジンでは混合気火炎伝播の最終燃焼部分である燃焼室7の最外径部7Aで発生し易いものであるが、本実施例では、この燃焼室7の最外径部7Aで燃焼ガスと接する熱交換部14を含めてヘッドガスケット10を熱伝導率の高いカーボンナノチューブの複合材により形成したので、燃焼室7の最外径部7Aの冷却効果を局所的に高めて、ノッキングの発生を有効に抑制することができる。このために、上記の図4にも示すように、高い熱伝導率のヘッドガスケット10を用いた本実施例(A)では、一般的なヘッドガスケットを用いた比較例(B)に比して、機関圧縮比を高く設定することが可能となるのである。
すなわち、本実施例では、燃焼室7の壁面を構成するシリンダ59の壁面やピストン58の冠面をセラミック製の断熱部20,21とすることで、冷却損失を低減して機関の熱効率を高める一方、機関圧縮比(膨張比)を可変制御することにより、部分負荷時には機関圧縮比を高くして熱効率向上を図るとともに、高負荷時にはノッキングの発生を回避するために圧縮比を低下させ、かつ、シリンダ59の壁面とともに燃焼室最外径部7Aに露出するヘッドガスケット10に熱伝導率の高い熱交換部14を設けることで、ノッキングの発生を招くことなく高負荷時に圧縮比を低下させる度合いを軽減することができ、つまりノッキング回避のための圧縮比の低下幅を最小限に抑制することができる。このように、断熱部20,21を設けることで冷却損失を抑制しつつ、圧縮比の可変制御とヘッドガスケット10の熱交換部14とによって、ノッキングを生じることなく低負荷域から高負荷域にわたって機関圧縮比を有効に高めることができ、燃費性能の向上や出力性能を大幅に改善することができる。
なお、本実施例ではヘッドガスケットを全て高熱伝導材により形成しているが、これに限らず、少なくとも燃焼室7の周囲の熱交換部14が高熱伝導材により形成されていれば、上記実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
ノッキングの発生をより確実に防止するために、以下のような条件、つまり、負荷を含む運転条件の履歴からノック余裕度の指数を算出し、この指数に基づいてノッキングが発生すると予測される場合、また、上記のノックセンサ3等により検出・推定されるノッキングの検出頻度または検出レベルが所定値以上になる場合、更には、上記の温度センサ7等により検出・推定される燃焼室7の壁温が所定値よりも高い場合に、機関圧縮比を低下させるようにしても良い。
この発明の一実施例に係る火花点火式の内燃機関のシステム全体を示す構成説明図。 図1の可変圧縮比機構を示す正面図。 可変圧縮比機構の動作説明図。 本実施例(A)及び比較例(B)の圧縮比制御特性を示す特性図。 本実施例に係る高負荷→低負荷→高負荷と変化した場合の種々のパラメータの変化を示すタイミングチャート。 平均負荷率Pmの説明図。 参考例(A)及び本実施例(B)のピストンを示す概略断面図。 本実施例に係るヘッドガスケットを適用した内燃機関を簡略的に示す断面図。 本実施例に係るヘッドガスケットの要部を示す斜視図。
符号の説明
1…可変圧縮比機構(複リンク式ピストン−クランク機構)
2…点火装置
4…エンジンコントロールユニット(可変圧縮比手段)
7…燃焼室
10…ヘッドガスケット
14…熱交換部
20,21…断熱部
50…シリンダブロック
58…ピストン
59…シリンダ

Claims (8)

  1. シリンダブロックのシリンダ内を往復動するピストンの上方に形成された燃焼室内に点火装置が設けられた火花点火式内燃機関において、
    機関運転条件に応じて機関圧縮比を可変制御する可変圧縮比手段を備え、
    上記燃焼室の壁面の一部に、断熱材により形成された断熱部を設ける一方、
    上記シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装されるヘッドガスケットの中で、少なくともシリンダ用孔の周囲の部分に、少なくとも上記断熱部よりも熱伝導率の高い高熱伝導材により形成された熱交換部を設けたことを特徴とする火花点火式内燃機関。
  2. 上記高熱伝導材が、カーボンナノチューブの複合材であることを特徴とする請求項1に記載の火花点火式内燃機関。
  3. 上記熱交換部には、冷却水が通流する複数の冷却用孔がシリンダ用孔を囲うように形成されている請求項1又は2に記載の火花点火式内燃機関。
  4. 上記断熱材が非金属材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の火花点火式内燃機関。
  5. 上記断熱材がセラミックであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の火花点火式内燃機関。
  6. 上記可変圧縮比手段は、低負荷時には高圧縮比,高負荷時には低圧縮比となるように、機関負荷条件に応じて機関圧縮比を可変制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の火花点火式内燃機関。
  7. 上記可変圧縮比手段は、負荷が変化する過渡変化時に、直前の運転履歴ないしは燃焼室壁温の状態に応じて圧縮比変化に遅れを与えることを特徴とする請求項6に記載の火花点火式内燃機関。
  8. ピストンピンを介してピストンに連結される第1リンクと、この第1リンクの他端に揺動可能に連結されるとともに、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に装着された第2リンクと、一端が第2リンクに揺動可能に連結されるとともに、シリンダブロック側に支持される他端を支点として揺動可能な第3リンクと、を備える複リンク式ピストン−クランク機構を有し、
    上記可変圧縮比手段が、上記第3リンクの他端の支持位置を変更することにより機関圧縮比を変更する可変圧縮比アクチュエータを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の火花点火式内燃機関。
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