JP2008274982A - 被ライニング既設配管の穿孔部封止処理工法及び穿孔部封止処理構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】被ライニング既設管路における穿孔部の封止処理を、活管状態で行うことができる。
【解決手段】穿孔部P2に挿入可能で長手方向に収縮変形して外径が拡径変形する円筒部1Aと、円筒部1Aを穿孔部P2に挿入した状態で穿孔部P2の管外周囲に当接する管外当接部1Bとを備えた封止用治具1を用い、穿孔部P2を介して円筒部1Aを管内に挿入させ、管外当接部1Bを穿孔部P2の管外周囲に当接した状態で、円筒部1Aを収縮変形させ、該収縮変形によって拡径変形した円筒部の変形部分1aを穿孔部P2の管内周囲に密着させる。
【選択図】図1
【解決手段】穿孔部P2に挿入可能で長手方向に収縮変形して外径が拡径変形する円筒部1Aと、円筒部1Aを穿孔部P2に挿入した状態で穿孔部P2の管外周囲に当接する管外当接部1Bとを備えた封止用治具1を用い、穿孔部P2を介して円筒部1Aを管内に挿入させ、管外当接部1Bを穿孔部P2の管外周囲に当接した状態で、円筒部1Aを収縮変形させ、該収縮変形によって拡径変形した円筒部の変形部分1aを穿孔部P2の管内周囲に密着させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、内張反転シール工法等によるライニング処理が施された既設配管(被ライニング既設配管)の穿孔部封止処理工法及び穿孔部封止処理構造に関するものである。
既設配管のライニング処理としては、管の内面にシール材を内張りする工法や管の内面に樹脂膜を形成する工法などが知られている。特に、内張反転シール工法は、管内面への接着面を内側から外側に反転しながらホース状のシール材を管の一端側から他端側に向けて順次内張りする工法であり、良好な施工性、高耐久性、管路破損時の気密性維持等の利点が得られることから、老朽化した管路の更生・修理、地震対策の補修等に広く採用されている。
このようなライニング処理が施された既設配管に対して、分岐部を接続する、或いは、遮断バッグを挿入する等の目的で穿孔部を形成することがある。この場合、管壁と共に管内面に形成されたライニング層を穿孔することになるが、穿孔部に分岐継手等を接続する或いは穿孔部をプラグ止めして、管内に流体を流すと、ライニング層の穿孔箇所が管内面から剥がれて、ライニング層と管内面との間に流体が侵入する事態が生じることがある。管内面とライニング層とは完全に密着されていることが望ましいが、管内面とライニング層との間に接着不良箇所があると、この接着不良箇所が漏洩径路となって管路の気密不良箇所に繋がり、管外への漏洩が生じることが問題になる。
このようなライニング層の穿孔による漏洩現象は、管外への漏洩箇所を特定することが極めて困難になるので、流体がライニング層の穿孔箇所からライニング層と管内面との間に侵入する現象を防ぐ以外に有効な解決手段を見いだすことができない。この具体的な解決手段としては、ライニング層の穿孔部周囲を管内面に押圧する押さえ部材を用い、これを管の内側から管の穿孔部に取り付けることが行われている(下記特許文献1,2参照)。
特開平7−248092号公報
特開平6−235493号公報
前述した従来技術によって、被ライニング既設管路における穿孔部の封止処理を行うには、前述した押さえ部材を管路の内部に配備しておく必要があるので、このような封止処理を行うことができる管路は開放された管路でなければならない。
しかしながら、既設管路への穿孔、或いは分岐継ぎ手等が接続されていた穿孔箇所をプラグ止めする作業は、必ずしも管路を開放した状態で行うとは限らない。例えば、ガス管路に分岐継ぎ手を接続する際の穿孔作業は、ガスが管路内を流れている状態(活管状態)で行われ、作業中であっても下流側へのガス供給が遮断されないようにしている。このためには、穿孔部からのガス噴出を防ぐノーブロー作業が行われており、穿孔機支持部材を管路外周に装着し、この穿孔機支持部材に装着されたノーブロー作業バッグ内で被穿孔箇所周囲に気密空間を形成して、この気密空間内で穿孔機を操作する作業を行っている。
前述した従来技術は、管路を一旦開放して管路の内側から穿孔部に押さえ部材を取り付けるものであるから、活管状態で管路に形成された穿孔部に対しては適用することができない。
本発明は、このような事情に対処するために提案されたものである。すなわち、被ライニング既設管路における穿孔部の封止処理を、活管状態で行うことができること、穿孔部に対して確実な封止処理を行うことでライニング層の穿孔部を介した漏洩を回避すること、管路の下流側への流体供給を確保した状態で管路の穿孔から穿孔部の封止処理までの一連の作業を行うことができること、等が本発明の目的である。
前述した目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を少なくとも具備するものである。
すなわち、管内面にライニング層が形成された被ライニング既設配管を対象として、管及びライニング層の穿孔部を封止処理する工法であって、前記穿孔部に挿入可能で長手方向に収縮変形して外径が拡径変形する円筒部と、前記円筒部を前記穿孔部に挿入した状態で前記穿孔部の管外周囲に当接する管外当接部とを備えた封止用治具を用い、前記穿孔部を介して前記円筒部を管内に挿入させ、前記管外当接部を前記穿孔部の管外周囲に当接した状態で、前記円筒部を収縮変形させ、該収縮変形によって拡径変形した前記円筒部の変形部分を前記穿孔部の管内周囲に密着させることを特徴とする。
或いは、管内面にライニング層が形成された被ライニング既設配管を対象として、管及びライニング層の穿孔部を封止処理する構造であって、前記穿孔部に挿入可能で長手方向に収縮変形することで外径が拡径変形する円筒部と、前記円筒部を前記穿孔部に挿入した状態で前記穿孔部の管外周囲に当接する管外当接部とを備えた封止用治具を用い、前記穿孔部を介して前記円筒部を管内に挿入させ、前記管外当接部を前記穿孔部の管外周囲に当接した状態で、前記円筒部の収縮変形によって拡径変形した前記円筒部の変形部分を、前記穿孔部の管内周囲に密着させたことを特徴とする。
このような特徴を有することで、既設管路の穿孔時に採用しているノーブロー工法を併用して、被ライニング既設管路に形成された穿孔部を介して管外から管内に封止用治具の円筒部を挿入し、この封止用治具の管外当接部を穿孔部の管外周囲に当接した状態で、円筒部の収縮変形によって拡径変形した当該円筒部の変形部分を、穿孔部の管内周囲に密着させるようにしたので、管路を開放することなく、活管状態で穿孔部の封止処理を行うことができる。また、穿孔部の端部全周を拡径変形した円筒部の変形部分で気密に覆うことによって、穿孔部に対して確実な封止処理を行い、ライニング層の穿孔部を介した管路の漏洩を回避することができる。更には、管路の下流側への流体供給を確保した状態で、管路の穿孔から穿孔部の封止処理までの一連の作業を行うことができる。
本発明の実施形態は、ライニング処理が施された既設配管が対象になっている。以下の説明では、管内面にシールホースが内張りされたものを例に挙げて説明するが、ライニング処理としては、内張反転シール工法、樹脂ライニング工法等によって管内面にライニング層が形成される処理であればどのような処理であっても良い。
そして、このような被ライニング既設配管を穿孔した後に、或いは、予め穿孔部が形成されていた管路に対して、管路の活管状態を維持したまま、管及びライニング層の穿孔部においてライニング層と管の間に管内流体が漏洩しないように封止処理を施す。この封止処理は、穿孔部に挿入可能で長手方向に収縮変形して外径が拡径変形する円筒部と、前記円筒部を前記穿孔部に挿入した状態で前記穿孔部の管外周囲に当接する管外当接部とを備えた封止用治具を用い、前記穿孔部を介して前記円筒部を管内に挿入させ、前記管外当接部を前記穿孔部の管外周囲に当接した状態で、前記円筒部を収縮変形させ、該収縮変形によって拡径変形した前記円筒部の変形部分を前記穿孔部の管内周囲に密着させることによって行う。
これによると、穿孔部に挿入可能で長手方向に収縮変形して外径が拡径変形する円筒部と、前記円筒部を前記穿孔部に挿入した状態で前記穿孔部の管外周囲に当接する管外当接部とを備えた封止用治具を用いることで、穿孔部の管外及び管内全周が前記管外当接部と前記円筒部の変形部分によって挟持されることになり、これによって穿孔部におけるライニング層の捲れが管内面に押さえ付けられて、穿孔部において管内面とライニング層間に管内流体が入り込む現象を確実に防止することができる。
また、前述の封止用治具を用いることで、管外から管内に穿孔部を介して封止用治具の円筒部を挿入することができ、予め管内に封止用治具を挿入しておく必要がない。したがって、既存のノーブロー作業バッグを用いた工程を併用することで、被ライニング既設配管の穿孔部に対して活管状態を維持したままで封止処理を施すことができる。
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る被ライニング既設配管の穿孔部封止処理工法及び封止処理構造を示す説明図である。
この実施形態では、例えば、ライニング層としてシールホースP1が内張りされた管路Pを対象としている。穿孔部P2は分岐継ぎ手の接続或いは遮断バッグ挿入用の玉孔等の目的で、管路P及びシールホースP1に形成されるものである。
本発明の実施形態では、穿孔部P2に挿入可能で長手方向に収縮変形して外径が拡径変形する円筒部1Aと、円筒部1Aを穿孔部P2に挿入した状態で穿孔部P2の管外周囲に当接する管外当接部1Bとを備えた封止用治具1が用いられる。
そして、穿孔部P2を介して円筒部1Aを管内に挿入させ(同図(a)参照)、管外当接部1Bを穿孔部P2の管外周囲に当接した状態で、円筒部1Aを収縮変形させ、該収縮変形によって拡径変形した円筒部1Aの変形部分1aを穿孔部P2の管内周囲に密着させる(同図(b))。
封止用治具1の具体的な構造を説明すると、円筒部1Aは、前述したような拡径変形が生じる部分の断面厚さが薄く形成されており、当該部分の下側内面に雌ねじ部1A1が形成されている。また、断面厚さが薄く形成されている部分の上側の内径は下側のねじ部より大きく形成されている。
このような構造の封止用治具1に対して、雌ねじ部1A1に螺合する雄ねじ工具(ボルト等)2を管外からねじ込み操作することで、雌ねじ部1A1が引き上げられて、筒状部1Aを長手方向に収縮変形させ、これによって断面厚さが薄く形成されている部分が拡径変形して、変形部分1aが穿孔部P2の管内周囲に密着することになる。
これによると、穿孔部P2の管外及び管内全周が管外当接部1Bと円筒部1Aの変形部分1aによって挟持されることになり、これによって穿孔部P2におけるライニング層の捲れが管内面に押さえ付けられて、穿孔部P2において管内面とシールホースP1間に管内流体が入り込む現象を確実に防止することができる。
ここで用いられる封止用治具1は、例えば、塑性変形可能で変形状態が維持される金属材料によって形成することができる。変形部分1aの密着によって確実な封止処理は可能であるが、円筒部1Aの拡径変形が生じる部分の外周において、少なくとも穿孔部P2の管内周囲に密着する部分に接着剤を塗布しておくことで、より強固に変形部分1aを穿孔部P2の管内周囲に密着させることができる。
変形部分1aを穿孔部P1の管内周囲に確実に密着させた後には、図2に示すように、雄ねじ工具2を取り除き、封止処理を完了する。この状態で、穿孔部P2を介して円筒部1Aを管内に挿入させ、管外当接部1Bを穿孔部P2の管外周囲に当接した状態で、円筒部1Aの収縮変形によって拡径変形した円筒部1Aの変形部分1aを穿孔部P2の管内周囲に密着させた穿孔部封止処理構造が形成される。そして、封止用治具1の貫通孔1Cによって、穿孔部P2の通気が確保されることになる。
図3は、より具体的な本発明の実施例を示す説明図である(前述の説明と同一箇所には同一符号を付して重複説明を一部省略する)。前述した雄ねじ工具2のねじ込み作業は、ノーブロー作業バッグ内の作業で、レンチ等の工具を用いた手作業で行うことができるが、より作業速度を速め、封止処理の密着性を高めるためには、図3に示したような油圧工具Mを用いることが好ましい。図示の例では、ライニング層としてシールホースP1が内張りされた管路Pの外周に、穿孔箇所を気密に囲むように台座装置Kが装着されており、この台座装置Kの開口部外周にノーブロー作業バッグSNBが取り付けられ、ノーブロー作業バッグSNB内での作業で、穿孔部P2の封止処理が行われる。
この実施形態では、穿孔部P2に雌ねじ部が形成され、封止用治具1の外周に穿孔部P2の雌ねじ部に螺合する雄ねじ部が形成されている。そして、封止用治具1を穿孔部P2にねじ込んだ後、油圧工具Mの駆動部M1が前述した雄ねじ工具2の作用を行う。
図4は、本発明の他の実施形態を示す説明図である(前述の説明と同一箇所には同一符号を付して重複説明を一部省略する)。この実施形態では、円筒部1Aの拡径変形が生じる部分の内側には樹脂溜まりRが形成され、当該部分には、収縮変形によって穿孔部P2の管内周囲に密着する部分(変形部分1a)に樹脂溜まりRを押し出す貫通孔1pが形成されている。樹脂溜まりRはスポンジ等の含浸材に樹脂を含浸させて、円筒部1A内に配備することによって形成することができる。
この実施形態によると、前述した実施形態と同様に、変形部分1aが穿孔部P2の管内周囲に密着することになるが、その際に、変形部分1aの潰れによって樹脂溜まりRの樹脂が貫通孔1pから筒状部1Aの外に押し出されることになり、変形部分1aを含む穿孔部P2の管内周囲を覆う樹脂層R1が形成されることになる。これによると、穿孔部P2の管内周囲が樹脂で覆われることになるので、より高い気密性を有する封止処理を実現することができる。
以上説明したように、本発明の実施形態によると、被ライニング既設管路における穿孔部P2の封止処理を、活管状態で行うことができ、また、穿孔部P2に対して確実な封止処理を行うことでライニング層の穿孔部を介した漏洩を回避することができる。更には、管路の下流側への流体供給を確保した状態で管路の穿孔から穿孔部の封止処理までの一連の作業を行うことができる。
1 封止用治具
1A 円筒部
1A1 雌ねじ部
1a 変形部分
1B 管外当接部
2 雄ねじ工具
P 管路
P1 シールホース(ライニング層)
P2 穿孔部
1A 円筒部
1A1 雌ねじ部
1a 変形部分
1B 管外当接部
2 雄ねじ工具
P 管路
P1 シールホース(ライニング層)
P2 穿孔部
Claims (6)
- 管内面にライニング層が形成された被ライニング既設配管を対象として、管及びライニング層の穿孔部を封止処理する工法であって、
前記穿孔部に挿入可能で長手方向に収縮変形して外径が拡径変形する円筒部と、前記円筒部を前記穿孔部に挿入した状態で前記穿孔部の管外周囲に当接する管外当接部とを備えた封止用治具を用い、
前記穿孔部を介して前記円筒部を管内に挿入させ、前記管外当接部を前記穿孔部の管外周囲に当接した状態で、前記円筒部を収縮変形させ、該収縮変形によって拡径変形した前記円筒部の変形部分を前記穿孔部の管内周囲に密着させることを特徴とする被ライニング既設配管の穿孔部封止処理工法。 - 前記円筒部は、前記拡径変形が生じる部分の断面厚さが薄く形成され、当該部分の下側内面に雌ねじ部が形成されており、
前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ工具を管外からねじ込み操作することで、前記雌ねじ部が引き上げられて、前記筒状部を長手方向に収縮変形させることを特徴とする請求項1に記載された被ライニング既設配管の穿孔部封止処理工法。 - 前記雄ねじ工具のねじ込み操作は、前記穿孔部を覆うように装着されたノーブロー作業バッグ内で、油圧工具を用いて行われることを特徴とする請求項2に記載された被ライニング既設配管の穿孔部封止処理工法。
- 前記円筒部の前記拡径変形が生じる部分の外周には、前記穿孔部の管内周囲に密着する部分に接着剤が塗布されていることを特徴とする請求項1又は2に記載された被ライニング既設配管の穿孔部封止処理工法。
- 前記円筒部の前記拡径変形が生じる部分の内側には樹脂溜まりが形成され、当該部分には、前記収縮変形によって前記穿孔部の管内周囲に密着する部分に前記樹脂溜まりを押し出す貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載された被ライニング既設配管の穿孔部封止処理工法。
- 管内面にライニング層が形成された被ライニング既設配管を対象として、管及びライニング層の穿孔部を封止処理する構造であって、
前記穿孔部に挿入可能で長手方向に収縮変形することで外径が拡径変形する円筒部と、前記円筒部を前記穿孔部に挿入した状態で前記穿孔部の管外周囲に当接する管外当接部とを備えた封止用治具を用い、
前記穿孔部を介して前記円筒部を管内に挿入させ、前記管外当接部を前記穿孔部の管外周囲に当接した状態で、前記円筒部の収縮変形によって拡径変形した前記円筒部の変形部分を、前記穿孔部の管内周囲に密着させたことを特徴とする被ライニング既設配管の穿孔部封止処理構造。
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- 2007-04-25 JP JP2007115934A patent/JP2008274982A/ja active Pending
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