JP2008273948A - ウイルスまたは細菌ノイラミニダーゼの新規な選択的インヒビター - Google Patents

ウイルスまたは細菌ノイラミニダーゼの新規な選択的インヒビター Download PDF

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Abstract

【課題】ウイルス(特にインフルエンザウイルス)の阻害。特に、ノイラミニダーゼのような解糖酵素の阻害、特にウイルス性または細菌性ノイラミニダーゼインヒビター、その合成法、その組成物及び投与法を提供する。
【解決手段】次式:
Figure 2008273948

の新規化合物。この化合物は、一般に、酸基、塩基性基、置換アミノまたはN−アシル、および必要に応じてヒドロキシル化アルカン部分を有する基を含む。インヒビターを含む薬学的組成物。
【選択図】図8

Description

(発明の背景)
(発明の分野)
ノイラミニダーゼ(シアリダーゼ、アシルノイラミニルヒドロラーゼ、および
EC 3.2.1.18としても公知である)は、動物および多くの微生物の間
で共通の酵素である。これは、糖タンパク質、糖脂質、およびオリゴ糖から末端
α−ケトシド結合したシアル酸を切断する糖加水分解酵素である。ノイラミニダ
ーゼを含む多くの微生物は、ヒト、ならびにニワトリ、ウマ、ブタ、およびアザ
ラシを包含する他の動物に対して病原性である。これらの病原性の有機体として
は、インフルエンザウイルスが挙げられる。
ノイラミニダーゼは、インフルエンザウイルスの病原性に関係してきた。これ
は感染細胞からの新規に合成されたビリオンの溶出に役立ち、そして気道の粘液
を介しての(加水分解酵素活性を通じて)ウイルスの運動を助けると考えられて
いる。
(関連分野の簡単な説明)
Itzstein, M. vonら;「Nature」、363(6428
):418−423(1993)は、インフルエンザウイルス複製のシアリダー
ゼベースインヒビターの理論的なデザインを開示している。
Colman, P.M.ら;国際特許公開番号WO 92/06691(国
際出願番号PCT/AU90/00501、公開日1992年4月30日)、I
tzstein, L.M. vonら、欧州特許公開第0 539 204
A1号(欧州特許出願第92309684.6号、公開日1993年4月28日
)、およびItzstein, L.M. vonら、国際公開番号WO 91
/16320(国際出願番号PCT/AU91/00161、公開日1991年
10月31日)は、ノイラミニダーゼに結合し、そしてインビボで抗ウイルス活
性を示すとされる化合物を開示している。
(発明の目的)
本発明の主な目的は、ウイルス(特にインフルエンザウイルス)の阻害である
。特に、ノイラミニダーゼのような解糖酵素の阻害、特にウイルス性または細菌
性ノイラミニダーゼの選択的阻害を目的とする。
本発明のさらなる目的は、尿による排泄の速度が遅く、全身循環から鼻または
肺の分泌に入り、治療的に有効な充分な経口バイオアベイラビリティーを有し、
向上した効力を有し、臨床的に受容可能な毒性プロファイルを示し、かつ他の所
望の薬理学的特性を有するノイラミニダーゼインヒビターを提供することである
別の目的は、ノイラミニダーゼインヒビターの改善されかつ低コストの合成方
法を提供することである。
またさらなる目的は、公知および新規なノイラミニダーゼインヒビターの改善
された投与方法を提供することである。
さらなる目的は、ポリマー、界面活性剤、または免疫原を調製するに有用であ
り、そして他の工業的プロセスおよび物品に使用するための組成物を提供するこ
とである。
これらおよび他の目的は、全体として本発明を考慮すれば、当業者に容易に明
らかである。
(発明の要旨)
式(I)または(II)を有する化合物または組成物、ならびにそれらの塩、
溶媒和物、分割されたエナンチオマー、および精製されたジアステレオマーが、
本明細書中において提供される:
Figure 2008273948
ここで
1は−C(J1)=または−N=であり;
2は−C(J12−、−N(J1)−、−N(O)(J1)−、−N(O)=
、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、または−O−であり;
1は−(CR11m11であり;
1は、N3、−CN、−OH、−OR6a、−NO2、または−(CR11m1
2であり;
1は、−NR13、複素環であるか、あるいはU1またはG1と一緒になって
以下の構造を有する基を形成し
Figure 2008273948
1はHまたは−X16であり;
1およびJ1aは、独立してR1、Br、Cl、F、I、CN、NO2、または
3であり;
2およびJ2aは、独立してHまたはR1であり;
1は、独立してHまたは1個〜12個の炭素原子を有するアルキルであり;
2は、独立してR3またはR4であり、ここで、各R4は、独立して0個〜3個
のR3基で置換され;
3は、独立して
Figure 2008273948
であり;
4は、独立して1個から12個の炭素原子を有するアルキル、2個〜12個
の炭素原子を有するアルケニル、または2個〜12個の炭素原子を有するアルキ
ニルであり;
5は、独立してR4であり、ここで、各R4は0個〜3個のR3基で置換され;
5aは、独立して1個〜12個の炭素原子を有するアルキレン、2個〜12個
の炭素原子を有するアルケニレン、または2個〜12個の炭素原子を有するアル
キニレンであり、これらのアルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンのう
ちの任意の1つが0個〜3個のR3基で置換され;
6aは、独立してH、あるいはエーテル形成基またはエステル形成基であり;
6bは、独立してH、アミノに対する保護基、またはカルボキシル含有化合物
の残基であり;
6cは、独立してHまたはアミノ含有化合物の残基であり;
1は、酸性水素を含む基、保護酸性基、または酸性水素を含む基のR6cアミ
ドであり;
2は、塩基性ヘテロ原子または保護塩基性ヘテロ原子、または塩基性へテロ
原子のR6bアミドを含む基であり;
3は、W4またはW5であり;
4は、R5または−C(O)R5、−C(O)W5、−SO25、または−SO
25であり;
5は炭素環または複素環であり、ここで、W5は、独立して0個〜3個のR2
基で置換され;
6は、−R5、−W5、−R5a5、−C(O)OR6a、−C(O)R6c、−C
(O)N(R6b2、−C(NR6b)(N(R6b2)、−C(NR6b)(N(H
)(R6b))、−C(N(H)(N(R6b2)、−C(S)N(R6b2、また
は−C(O)R2であり;
1は、結合、−O−、−N(H)−、−N(W6)−、−N(OH)−、−N
(OW6)−、−N(NH2)−、−N(N(H)(W6))−、−N(N(W6
2)−、−N(H)N(W6)−、−S−、−SO−、または−SO2−であり;
そして
各m1は、独立して0〜2の整数であり;
ただし、以下の化合物、ならびにそれらの薬学的に受容し得る塩および溶媒和
物は除く。ここで:
(a)A1は−CH=または−N=であり、そしてA2は−CH2−であり;
(b)E1はCOOH、P(O)(OH)2、SOOH、SO3H、またはテト
ラゾールであり;
(c)G1は、CN、N(H)R20、N3、SR20、OR20、グアニジノ、−N
(H)CN、
Figure 2008273948
であり;
(d)T1は−NHR20であり;
(e)R20はH;1個〜4個の炭素原子を有するアシル基;1個〜6個の炭素
原子を有する直鎖または環状アルキル基またはそのハロゲン置換アナログ;アリ
ル基または未置換アリール基またはハロゲンにより置換されたアリール、OH基
、NO2基、NH2基、またはCOOH基であり;
(f)J1はHであり、そしてJ1aは、H、F、Cl、Br、またはCNであ
り;
(g)J2はHであり、そしてJ2aは、H、CN、またはN3であり;
(h)U1は、CH2YR20a、CHYR20aCH2YR20a、またはCHYR20a
CHYR20aCH2YR20aであり;
(i)R20aは、Hまたは1個〜4個の炭素原子を有するアシルであり;
(j)YはO、S、H、またはNHであり;
(k)0個〜2個のYR20aはHであり、そして
(l)U1基中の連続するY部分は同一かまたは異なり、そしてYがHである
場合はR20aは共有結合であり、ただし、G1がN3である場合にはU1は−CH2
OCH2Phではない。
本発明の別の実施態様は、以下の式を有する化合物、ならびにその塩、溶媒和
物、分割されたエナンチオマー、および精製されたジアステレオマーに関し:
Figure 2008273948
ここで
1は−(CR11m11であり;
1は、N3、−CN、−OH、−OR6a、−NO2、または−(CR11m1
2であり;
1は、−NR13、複素環であるか、あるいはU1またはG1と一緒になって
以下の構造を有する基を形成し
Figure 2008273948
1はHまたは−X16であり、そして−X16である場合にはU1は分枝鎖で
あり;
1およびJ1aは、独立してR1、Br、Cl、F、I、CN、NO2、または
3であり;
2およびJ2aは、独立してHまたはR1であり;
1は、独立してHまたは1個〜12個の炭素原子を有するアルキルであり;
2は、独立してR3またはR4であり、ここで、各R4は、独立して0個〜3個
のR3基で置換され;
3は、独立して
Figure 2008273948
であり;
4は、独立して1個〜12個の炭素原子を有するアルキル、2個〜12個の
炭素原子を有するアルケニル、または2個〜12個の炭素原子を有するアルキニ
ルであり;
5は、独立してR4であり、ここで、各R4は0個〜3個のR3基で置換され;
5aは、独立して1個〜12個の炭素原子を有するアルキレン、2個〜12個
の炭素原子を有するアルケニレン、または2個〜12個の炭素原子を有するアル
キニレンであり、0個〜3個のR3基で置換され;
6aは、独立してH、あるいはエーテル形成基またはエステル形成基であり;
6bは、独立してH、アミノに対する保護基、またはカルボキシル含有化合物
の残基であり;
6cは、独立してHまたはアミノ含有化合物の残基であり;
1は酸性水素を含む基、保護酸性基、または酸性水素を含む基のR6cアミド
であり;
2は、塩基性ヘテロ原子または保護塩基性ヘテロ原子を含む基、あるいは塩
基性へテロ原子のR6bアミドであり;
3はW4またはW5であり;
4は、R5または−C(O)R5、−C(O)W5、−SO25、または−SO
25であり;
5は、炭素環または複素環であり、ここで、W5は独立して0個〜3個のR2
基で置換され;
6は、−R5、−W5、−R5a5、−C(O)OR6a、−C(O)R6c、−C
(O)N(R6b2、−C(NR6b)(N(R6b2)、−C(S)N(R6b2
、または−C(O)R2であり;
1は、結合、−O−、−N(H)−、−N(W6)−、−N(OH)−、−N
(OW6)−、−N(NH2)−、−N(N(H)(W6))−、−N(N(W6
2)−、−N(H)N(W6)−、−S−、−SO−、または−SO2−であり;
そして
各m1は、独立して0〜2の整数である。
本発明の別の実施態様は、以下の式を有する化合物、ならびにその塩、溶媒和
物、分割されたエナンチオマー、および精製されたジアステレオマーに関し:
Figure 2008273948
ここで
1は−(CR11m11であり;
1は、N3、−CN、−OH、−OR6a、−NO2、または−(CR11m1
2であり;
1は、−NR13、複素環であるか、あるいはU1またはG1と一緒になって
以下の構造を有する基を形成し
Figure 2008273948
1はHまたは−X16であり;
1およびJ1aは、独立してR1、Br、Cl、F、I、CN、NO2、または
3であり;
2およびJ2aは、独立してHまたはR1であり;
1は、独立してHまたは1個〜12個の炭素原子を有するアルキルであり;
2は、独立してR3またはR4であり、ここで、各R4は、独立して0個〜3個
のR3基で置換され;
3は、独立して
Figure 2008273948
であり;
4は、独立して1個から12個の炭素原子を有するアルキル、2個〜12個
の炭素原子を有するアルケニル、または2個〜12個の炭素原子を有するアルキ
ニルであり;
5は、独立してR4であり、ここで、各R4は0個〜3個のR3基で置換され;
5aは、独立して1個〜12個の炭素原子を有するアルキレン、2個〜12個
の炭素原子を有するアルケニレン、または2個〜12個の炭素原子を有するアル
キニレンであり、0個〜3個のR3基で置換され;
6aは、独立してH、あるいはエーテル形成基またはエステル形成基であり;
6bは、独立してH、アミノに対する保護基、またはカルボキシル含有化合物
の残基であり;
6cは、独立してHまたはアミノ含有化合物の残基であり;
1は、酸性水素を含む基、保護酸性基、または酸性水素を含む基のR6cアミ
ドであり;
2は、塩基性ヘテロ原子または保護塩基性ヘテロ原子を含む基、あるいは塩
基性へテロ原子のR6bアミドを含む基であり;
3は、W4またはW5であり;
4は、R5または−C(O)R5、−C(O)W5、−SO25、または−SO
25であり;
5は炭素環または複素環であり、ここで、W5は、独立して0個〜3個のR2
基で置換され;
6は、−R5、−W5、−R5a5、−C(O)OR6a、−C(O)R6c、−C
(O)N(R6b2、−C(NR6b)(N(R6b2)、−C(S)N(R6b2
、または−C(O)R2であり;
1は、−O−、−N(H)−、−N(W6)−、−N(OH)−、−N(OW
6)−、−N(NH2)−、−N(N(H)(W6))−、−N(N(W62)−
、−N(H)N(W6)−、−S−、−SO−、または−SO2−であり;そして
各m1は、独立して0〜2の整数である。
本発明の別の実施態様は、以下の式を有する化合物、ならびにその塩、溶媒和
物、分割されたエナンチオマー、および精製されたジアステレオマーに関し:
Figure 2008273948
ここで:
1は−CO21であり;
1は、−NH2、−N(H)(R5)、または−N(H)(C(N(H))(
NH2))であり;
1は−N(H)(C(O)CH3)であり;
1は−OR60であり;
1は、Hまたは1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、
10個、11個、または12個の炭素原子を有するアルキルであり;そして
60は、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、また
は12個の炭素原子を有する分枝アルキルである。
本発明の別の実施態様は、以下の式(VII)または(VIII)を有する化
合物、ならびにその塩、溶媒和物、分割されたエナンチオマー、および精製され
たジアステレオマーに関し:
Figure 2008273948
ここで
1は−(CR11m11であり;
1は、N3、−CN、−OH、−OR6a、−NO2、または−(CR11m1
2であり;
1は、−NR13、複素環であるか、あるいはG1と一緒になって以下の構造
を有する基を形成し
Figure 2008273948
1は−X16であり;
1およびJ1aは、独立してR1、Br、Cl、F、I、CN、NO2、または
3であり;
2およびJ2aは、独立してHまたはR1であり;
1は、独立してHまたは1個〜12個の炭素原子を有するアルキルであり;
2は、独立してR3またはR4であり、ここで、各R4は、独立して0個〜3個
のR3基で置換され;
3は、独立して
Figure 2008273948
であり;
4は、独立して1個〜12個の炭素原子を有するアルキル、2個〜12個の
炭素原子を有するアルケニル、または2個〜12個の炭素原子を有するアルキニ
ルであり;
5は、独立してR4であり、ここで、各R4は0個〜3個のR3基で置換され;
5aは、独立して1個〜12個の炭素原子を有するアルキレン、2個〜12個
の炭素原子を有するアルケニレン、または2個〜12個の炭素原子を有するアル
キニレンであり、これらのアルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンうち
の任意の1つは0個〜3個のR3基で置換され;
6aは、独立してH、あるいはヒドロキシルまたはチオに対する保護基であり

6bは、独立してH、アミノに対する保護基、またはカルボキシル含有化合物
の残基であり;
6cは、独立してHまたはアミノ含有化合物の残基であり;
1は、酸性水素を含む基、保護酸性基、または酸性水素を含む基のR6cアミ
ドであり;
2は、塩基性ヘテロ原子または保護塩基性ヘテロ原子を含む基、あるいは塩
基性へテロ原子のR6bアミドを含む基であり;
3はW4またはW5であり;
4は、R5または−C(O)R5、−C(O)W5、−SO25、または−SO
25であり;
5は、炭素環または複素環であり、ここで、W5は、独立して0個〜3個のR
2基で置換され;
6は、−R5、−W5、−R5a5、−C(O)OR6a、−C(O)R6c、−C
(O)N(R6b2、−C(NR6b)(N(R6b2)、−C(NR6b)(N(H
)(R6b))、−C(N(H)(N(R6b2)、−C(S)N(R6b2、また
は−C(O)R2であり;
1は、結合、−O−、−N(H)−、−N(W6)−、−S−、−SO−、ま
たは−SO2−であり;そして
各m1は、独立して0〜2の整数であり;
ただし、U1がHまたは−CH2CH(OH)CH2(OH)である化合物は除か
れる。
本発明の別の実施態様では、本発明の化合物または組成物は、さらに薬学的に
受容可能なキャリアを含むように提供される。
本発明の別の実施態様では、ノイラミニダーゼの活性は、ノイラミニダーゼを
含有すると予想されるサンプルを本発明の化合物または組成物で処理する工程を
包含する方法により阻害される。
本発明の別の実施態様は、ノイラミニダーゼを含有すると予想されるサンプル
を、本発明の実施態様の組成物と接触させる工程を包含する、ノイラミニダーゼ
の活性を阻害する方法を提供する。
本発明の別の実施態様は、WO 91/16320号、WO 92/0669
1号、または米国特許第5,360,817号に記載の抗ウイルス活性化合物の
治療的有効用量を、気道に対する局所的以外の経路により宿主に投与する工程を
包含する、宿主内のウイルス、特にインフルエンザウイルス感染の治療または予
防のための方法である。
他の実施態様においては、本発明の化合物の新規合成方法が提供される。この
ような実施態様の1つにおいて、式281の化合物を使用する方法が提供され、
ここで、この方法は、化合物281を式R5−X1−Hの化合物で処理して式28
1.1の化合物を形成する工程を包含し
Figure 2008273948
ここで:
1およびR5は上記の通りであり;
51は、カルボン酸に対する酸に安定な保護基であり;そして
54は、アジリジン活性基である。
別の実施態様では、以下の式を有する化合物を使用する方法が提供され:
Figure 2008273948
ここで、該方法は、キナ酸をジェミナルジアルコキシアルカンまたはジェミナル
ジアルコキシシクロアルカンおよび酸で処理して以下の式を有する化合物を形成
する工程:
Figure 2008273948
化合物274を金属アルコキシドおよびアルカノールで処理して以下の式を有す
る化合物を形成する工程:
Figure 2008273948
化合物275をスルホン酸ハロゲン化物およびアミンで処理して以下の式を有す
る化合物を形成する工程:
Figure 2008273948
化合物276を脱水剤で処理し、その後、酸およびアルカノールで処理して以下
の式を有する化合物を形成する工程:
Figure 2008273948
を包含し、ここで:
50は、1,2ジオール保護基であり;
51は、酸に安定なカルボン酸保護基であり;そして
52は、ヒドロキシ活性基である。
1つの好適な実施態様においては、さらに、G1がN3の場合、U1が保護ヒド
ロキシルで置換されたC1〜C3アルキルではない。
1つの好適な実施態様においては、R6aがヒドロキシルまたはチオの保護基で
ある、。
1つの好適な実施態様においては、X1が結合であり、そしてW6がC1〜C4
ルマルアルキルでも1個から3個のOH、SHまたはNH2で置換されたC1〜C
4ノルマルアルキルのいずれでもない。
1つの好適な実施態様においては、X1が結合であり、そしてW6がC1〜C3
ルマルアルキルでも1個から3個のOH、SHまたはNH2で置換されたC1〜C
3ノルマルアルキルのいずれでもない。
1つの好適な実施態様においては、X1が結合であり、そしてW6がC1〜C4
ルマルアルキルでも1個から3個のOH、OR6a、SHまたはNH2で置換され
たC1〜C4ノルマルアルキルのいずれでもなく、ここで該R6aが保護基である。
1つの好適な実施態様においては、X1が結合であり、そしてW6がC1〜C3
ルマルアルキルでも1個から3個のOH、OR6a、SHまたはNH2で置換され
たC1〜C3ノルマルアルキルのいずれでもなく、ここで該R6aが保護基である。
1つの好適な実施態様においては、請求項1に記載の組成物であって、ただし
、さらに、G1が(alk)m4NR6b7bである化合物を除き;
alkが非置換または置換メチレンであり;
4が0または1であり;
6bが、水素、C1-6アルキル、アリール、アラルキル、アミジン、NR7b8
b、あるいは1個またはそれ以上のヘテロ原子を含む不飽和または飽和の環であ
り;
7bが、水素、C1-6アルキル、またはアリル、あるいは必要に応じて1つま
たはそれ以上のさらなるヘテロ原子を含む、必要に応じて置換される5員環また
は6員環を形成するNR6b7bであり;そして
8bが水素またはC1-6アルキルである。
1つの好適な実施態様においては、さらに、G1がNR6b7bである化合物を
除く。
1つの好適な実施態様においては、W6が、1個から3個のOR6aまたはSR6
aで置換されたC1〜C3アルキルであり、ここでOR6aまたはSR6a基が胃腸液
中で加水分解に安定である。
1つの好適な実施態様においては、W6がR3で置換され、そしてR3がOR6a
で置換されているとき、このR6aはアセチルではない。
1つの好適な実施態様においては、W6が、−(CH2m1CH((CH2m3
32、−(CH2m1C((CH2m333;−(CH2m1CH((CH2
m35a52;−(CH2m1CH((CH2m33)((CH2m35a5
;−(CH2m1C((CH2m332((CH2m35a5)、(CH2m1
C((CH2m35a53または−(CH2m1C((CH2m33)((CH
2m35a52であり、そしてm3が1から3の整数である。
1つの好適な実施態様においては、X1が結合であり、そしてW6が−R5、−
5または−R5a5である。
1つの好適な実施態様においては、X1が結合であり、そしてW6がR5である
1つの好適な実施態様においては、前記R5が0個から3個の−OR1で置換さ
れたR4である。
1つの好適な実施態様においては、前記R5が0個から3個の−NO2基または
3基で置換されたR4である。
1つの好適な実施態様においては、前記−OR1が存在し、そして前記R1のう
ち少なくとも1つがC4〜C12である。
1つの好適な実施態様においては、U1
Figure 2008273948
であり;そして
ここで:
該U1−CH2−または−CH−部分の水素が必要に応じて−OR1、−SR1
NO2、N3、F、−CN、ClまたはBrで置換され;
5bが、独立して、1個〜11個の炭素原子を有するアルキル、2個〜11個
の炭素原子を有するアルケニルまたは2個〜11個の炭素原子を有するアルキニ
ルであり、このアルキル、アルケニルまたはアルキニル基のうちどれでもが、0
〜3個のR3基で置換され;
5cが、独立して、1個〜10個の炭素原子を有するアルキル、2個〜10個
の炭素原子を有するアルケニルまたは2個〜10個の炭素原子を有するアルキニ
ルであり、このアルキル、アルケニルまたはアルキニル基のうちどれでもが、0
〜3個のR3基で置換され;
5dが、分枝したR5基であり;そして
ここでR5、R5b、R5cまたはR5dが1個〜3個のR3で置換されている場合、
3は、−OR1、−SR1、NO2、N3、F、CN、ClまたはBrである。
1つの好適な実施態様においては、W6が分枝鎖R5基である。
1つの好適な実施態様においては、前記R5が分枝したR4基である。
1つの好適な実施態様においては、W6がR5eであり、ここでR5eが、1個〜
3個のOR1aまたはSR1aで置換された、1個〜12個の炭素原子を有するノル
マルまたは2級アルキルであり、ここでR1aがC1〜C4アルキルである。
1つの好適な実施態様においては、W6が1個〜3個のR3基で置換されたR5
であり、そして少なくとも1個のR3基がOH、COOH、NH2、C(O)H、
C(O)NH2、S(O)2OH、S(O)OH、N(H)(C(O)OH)、C
(N(H))NH2、N(H)(C(NH2)N(H))、=O、または=N(H
)である場合、R5は、単独の、OH、COOH、NH2、C(O)H、C(O)
NH2、S(O)2OH、S(O)OH、N(H)(C(O)OH)、C(N(H
))NH2、N(H)(C(NH2)N(H))、=O、または=N(H)基で置
換されている。
1つの好適な実施態様においては、前記R5が、0個〜3個のR3基で置換され
た、4個〜8個の炭素原子を有するアルキルである。
1つの好適な実施態様においては、前記R5が0個〜2個のR3基で置換される
1つの好適な実施態様においては、前記R5が1個〜2個のR3基で置換され、
そして少なくとも1個の該R3基がOH、COOH、NH2、C(O)H、C(O
)NH2、S(O)2OH、S(O)OH、N(H)(C(O)OH)、C(N(
H))NH2、N(H)C((NH2)N(H))、=O、または=N(H)であ
る。
1つの好適な実施態様においては、OH、COOH、NH2、C(O)H、C
(O)NH2、S(O)2OH、S(O)OH、N(H)(C(O)OH)、C(
N(H))NH2、N(H)C((NH2)N(H))、=O、または=NH基が
、X1に対して遠位の末端炭素を置換する。
1つの好適な実施態様においては、OH、COOH、NH2、C(O)H、C
(O)NH2、S(O)2OH、S(O)OH、N(H)(C(O)OH)、C(
N(H))NH2、N(H)C((NH2)N(H))、=O、または=NH基が
、X1に対して遠位の末端炭素原子ではない炭素原子を置換する。
1つの好適な実施態様においては、W6が、1個〜7個の炭素原子を有するR4
である。
1つの好適な実施態様においては、U1が、OHあるいはアラルキル、アシル
、ケイ素保護基またはテトラヒドロピランで保護されたOHで置換されたC1
3アルキルではない。
1つの好適な実施態様においては、前記アラルキル保護基が、ベンジル、トリ
フェニルメチルまたはジフェニルメチル;前記アシル基がアセチル;そして前記
ケイ素保護基がトリメチルシリルである。
1つの好適な実施態様においては、X1が−O−、−N(H)−、−N(R5
−、−N(OH)−、N(OR5)−、−S(O)−または−S−である。
1つの好適な実施態様においては、式(I)の化合物を含有する。
1つの好適な実施態様においては、A1とX1との組合せが、C(J1)と−O
−;C(J1)と−NH−;C(J1)と−N(R5)−;C(J1)と−N(OH
)−;C(J1)と−N(OR5)−;C(J1)と−S−;およびC(J1)と−
SO−からなる群から選択される。
1つの好適な実施態様においては、A1とX1との組合せが、−N=と−O−;
−N=と−NH−;−N=と−N(R5)−;−N=と−N(OH)−;−N=
と−N(OR5)−;−N=と−S−;および−N=と−SO−からなる群から
選択される。
1つの好適な実施態様においては、式(II)の化合物を含有する、組成物で
ある。
1つの好適な実施態様においては、A2とX1との組合せが、C(J12と−O
−;C(J12と−NH−;C(J12と−N(R5)−;C(J12と−N(
OH)−;C(J12と−N(OR5)−;C(J12と−S−;およびC(J1
2と−SO−からなる群から選択される。
1つの好適な実施態様においては、A2とX1との組合せが、N(J1)と−O
−;N(J1)と−NH−;N(J1)と−N(R5)−;N(J1)と−N(OH
)−;N(J1)と−N(OR5)−;N(J1)と−S−;およびN(J1)と−
SO−からなる群から選択される。
1つの好適な実施態様においては、A2とX1との組合せが、−O−と−O−;
−O−と−NH−;−O−と−N(R5)−;−O−と−N(OH)−;−O−
と−N(OR5)−;−O−と−S−;および−O−と−SO−からなる群から
選択される。
1つの好適な実施態様においては、A2が、−N(O)(J1)−、−N(O)
−、−S−、−SO−、および−SO2−からなる群から選択される。
1つの好適な実施態様においては、X1が−O−または−N(H)−である。
1つの好適な実施態様においては、X1が−N(OR5)−または−N(R5
−であり、そして該R5が1個〜5個の炭素原子を有するR4である。
1つの好適な実施態様においては、G1
Figure 2008273948
であり;そしてm2が、独立して、0から1の整数である。
1つの好適な実施態様においては、W6の−C(O)R2−が−C(O)R4
あり、そしてX1が結合、N(H)−、−N(R5)−、−N(OH)−、または
−N(OR5)−である。
1つの好適な実施態様においては、W1が−CO21である。
1つの好適な実施態様においては、E1が、カルボキシルのフェネチルエステ
ル、
Figure 2008273948
からなる群から選択される。
1つの好適な実施態様においては、G1が、アミノ、アミジノまたはグアニジ
ノ、あるいはC1〜C6アルキルで置換されたアミノ、アミジノまたはグアニジノ
である。
1つの好適な実施態様においては、W2が、
Figure 2008273948
であり;そしてm2が、独立して、0から1の整数である。
1つの好適な実施態様においては、G1が、C1〜C6モノアルキルアミン、
Figure 2008273948
からなる群から選択される。
1つの好適な実施態様においては、W3が−C(O)−R5である。
1つの好適な実施態様においては、基U1のR5が、0個〜3個のF、Br、C
l、N3、NO2またはCNで置換された、1個〜6個の炭素原子を有するアルキ
ルである。
1つの好適な実施態様においては、W5が、
Figure 2008273948
からなる群から選択される。
1つの好適な実施態様においては、T1が、
Figure 2008273948
からなる群から選択される。
1つの好適な実施態様においては、J1がH、C1〜C2アルキルまたはFであ
る。
1つの好適な実施態様においては、J1aがHである。
1つの好適な実施態様においては、J2aが、HまたはC1〜C2アルキルである
1つの好適な実施態様においては、J2aがHである。
1つの好適な実施態様においては、W6が、非置換の、あるいはNO2、N3
F、Br、Cl、OR1またはSR1で置換されている、4個〜12個の炭素原子
を有する2級または3級アルキルである。
1つの好適な実施態様においては、G1がニトロ、アジドまたはFで置換され
ている。
1つの好適な実施態様においては、W6が、−(CH2m1CH(R1a7
あり、ここでW7が、0個〜3個のR3で置換された1個〜4個の炭素原子を有す
るアルキルであり、aが0または1であり、そしてaが0のとき、W7は二重結
合でCHに結合している。
1つの好適な実施態様においては、U1が−O−CH2CH(R1)W7である。
1つの好適な実施態様においては、W7が−CH2OR1であり、そしてR1がC
4〜C12アルキルである。
1つの好適な実施態様においては、U1が、
Figure 2008273948
である。
1つの好適な実施態様においては、E1が−COOR5
Figure 2008273948
であり;
1が−N(R52、−NH(R52
Figure 2008273948
であり、そして
1が、1個〜12個の炭素原子を有するO−アルキル、2個〜12個の炭素原
子を有するO−アルケニルまたは2個〜12個の炭素原子を有するO−アルキニ
ルであり、そしてU1が、F、Cl、Br、I、−CN、NO2、N3、−OR6a
、−NR6b6b、−SR6a、−O−C(O)R6a、または−NR6b−C(O)R
6aからなる群から選択される0個〜3個の基で置換されている。
1つの好適な実施態様においては、U1が、
Figure 2008273948
からなる群から選択される。
1つの好適な実施態様においては、E1が−COOH、あるいはインビボで加
水分解されて−COOHとなるカルボキシルエステルまたはカルボキシルアミド
である。
1つの好適な実施態様においては、さらに、薬学的に受容可能なキャリアを含
む。
1つの好適な実施態様においては、式
Figure 2008273948
の化合物を含む組成物であって、
ここで:
1が、−CO2H、−CO25、−CO25a5または−CO25であり;
1が、−N(R112、−N(R11)C(N(R11))(N(R112)、ま
たは−C(R112−N(R112であり;
1が、−NH(C(O)CH3)、−NH(C(O)CH2F)、−NH(C
(O)CHF2)、
または−NH(C(O)CF3)であり;
1が、−OR4、−SR4、NHR4またはN(R42であり;
4が、独立して、1個〜12個の炭素原子を有するアルキル、2個〜12個
の炭素原子を有するアルケニル、または2個〜12個の炭素原子を有するアルキ
ニルであり;そして
5が、独立して、R4であり、ここで各R4は0個〜3個のR3基で置換され;
5aが、独立して、1個〜12個の炭素原子を有するアルキレン、2個〜12
個の炭素原子を有するアルケニレン、または2個〜12個の炭素原子を有するア
ルキニレンであり、これらのアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンのう
ちどれでもが、0個〜3個のR3基で置換され;
5が、炭素環または複素環であり、ここでW5が、独立して、0個〜3個のR
2基で置換され;そして
11が、独立して、HまたはR5である。
1つの好適な実施態様においては、G1が、−NH2、−N(H)C(N(H)
(NH2)、−NHCH3、−NHCH2CH3、−N(CH32、−N(CH2
32、−N(CH3)(CH2CH3)、−NHCH2CH2OH、−NHCH2
2NH2、または−CH2−NH2であり;
1が、−N(H)(C(O)CH3)、−N(H)(C(O)CH2F)、−
N(H)(C(O)CHF2)、または−N(H)(C(O)CF3)であり;そ
して
4が、−OR4、−SR4またはNHR4であり、分枝鎖である。
1つの好適な実施態様においては、R4が1個〜12個の炭素原子を有するア
ルキルであり、そしてR11がR4である。
1つの好適な実施態様においては、R4が、1個〜8個の炭素原子を有するア
ルキル、あるいは2個〜8個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルキニルで
あり、そしてR11がR4である。
1つの好適な実施態様においては、R4が、1個〜6個の炭素原子を有するア
ルキル、あるいは2個〜6個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルキニルで
あり、そしてR11がR4である。
1つの好適な実施態様においては、R4が、1個〜6個の炭素原子を有するア
ルキルであり、そしてR11がR4である。
1つの好適な実施態様においては、R4が、1個〜6個の炭素原子を有するア
ルキルであり、そして各R11がHである。
1つの好適な実施態様においては、E1がC(O)OCH2CH3であり;G1
NH2、NHCH3またはNHCH2CH3であり;T1がNH(C(O)CH3)で
あり;そしてU1がOCH(CH2CH32である。
本発明はまた、ノイラミニダーゼを含んでいると推測される試料と上記組成物
とを接触させる工程を包含する、ノイラミニダーゼの活性を阻害する方法に関す
る。
1つの好適な実施態様においては、上記ノイラミダーゼが、インビボのインフ
ルエンザノイラミダーゼである。
本発明はまた、治療的効果量の上に記載の化合物を宿主に投与する工程を包含
する、宿主中のインフルエンザ感染を処置または予防するための、方法に関する
本発明は、また宿主中のウイルス感染を処置または予防するための方法であっ
て、治療効果量の下式を有する化合物を宿主に投与する工程を包含し、
Figure 2008273948
ここで:
1が、−NHC(O)CH3、−NHC(O)CH2F、−NHC(O)CH
2、または−NHC(O)CF3であり;
1が、グアニジノ、アミノ、あるいはC1〜C5アルキルで置換されたグアニ
ジノまたはアミノであり;
1が、1個〜3個のC1〜C12アルコキシ基で置換されたC1〜C3アルキルで
あり;そして
1がCOOHである、方法に関する。
本発明はまた、宿主のウイルス感染を、該宿主に気道への局所投与以外の経路
によって投与することにより、処置または予防するための方法であって、治療効
果用量の下式の抗ウイルス活性化合物およびその薬学的に受容可能な塩または誘
導体を含有し、
Figure 2008273948
ここで:
一般式(x)において、Aは酸素、炭素またはイオウであり、そして一般式(
y)において、Aは窒素または炭素であり;
1はCOOH、P(O)(OH)2、NO2、SOOH、SO3H、テトラゾー
ル、CH2CHO、CHOまたはCH(CHO)2を表し;
2は、H、OR6、F,Cl、Br、CN、NHR6、SR6、またはCH2
であり、ここでXはNHR6、ハロゲンまたはOR6であり;そして
6は、水素;1個〜4個の炭素原子を有するアシル基;1個〜6個の炭素原
子を有する直鎖または環式アルキル基、あるいはそのハロゲン置換アナログ;ア
リル基;もしくは非置換アリール基、あるいはハロゲン、OH基、NO2基、N
2基またはCOOH基で置換されたアリールであり;
3およびR3’は、同一または異なり、そして各々、水素、CN、NHR6
3、SR6、=N−OR6、OR6、グアニジノ、−N(H)CN、
Figure 2008273948
を表し、
4は、NHR6、SR6、OR6、COOR6、NO2、C(R63、CH2CO
OR6、CH2NO2またはCH2NHR6を表し、そして
5は、CH2YR6、CHYR6CH2YR6またはCHYR6CHYR6CH2
6であり、ここでYはO、S、NHまたはHであり、そしてR5基中の連続する
Y部分は、同一または異なり、
ただし、一般式(x)において、
(i)R3またはR3’がOR6または水素であり、そしてAが酸素またはイオ
ウであるとき、該化合物は
(a)水素であるR2、および
(b)NH−アシルであるR4
の両方を同時に有することはなく、そして
(ii)Yが水素のときR6は共有結合を表し、そして一般式(y)において

(i)R3またはR3’がOR6または水素であり、そしてAが窒素であるとき
、該化合物は
(a)水素であるR2、および
(b)NH−アシルであるR4
の両方を同時に有することはなく、そして
(ii)Yが水素のときR6は共有結合を表す、方法に関する。
1つの好適な実施態様においては、前記化合物が下式
Figure 2008273948
を有する。
1つの好適な実施態様においては、前記化合物が経口投与される。
1つの好適な実施態様においては、前記宿主がヒトまたはフェレットである。
1つの好適な実施態様においては、さらに、G1が−N(R21)C(=N(R2
1))N(R212であり、そしてR21が、独立して、H、C1〜C6アルキル、C
3〜C8シクロアルキル、C1〜C6アルコキシ、アリール、アラルキル、アリール
オキシ、アラルキルオキシ、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、COR22
CO222、SO222(ここでR22は、C1〜C6アルキルまたはアラルキルであ
る)、またはCONR23(ここでR23は、独立して、HまたはC1〜C6アルキル
またはアラルキルである)である化合物を除く。
(詳細な説明)
(本発明の組成物)
本発明の化合物は、今までに公知の化合物を除外する。しかし、他の実施態様
において以下でさらに明らかとなるように、今までは抗ウイルス性化合物の調製
における中間体としてのみ製造されかつ使用されてきた公知の化合物を、抗ウイ
ルス剤の目的のために使用することは本発明の範囲内である。米国に関して、本
明細書中の化合物または組成物は、米国特許法第102条に基づいて記載されて
いるか、または米国特許法第103条に基づいて自明である化合物を除く。特に
、添付の請求の範囲は、WO 91/16320号、WO 92/06691号
、および米国特許第5,360,817号、またはChandler, M.ら
、J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1、1995、
1189−1197に記載されているか、または新規性を有していない化合物を
除く意味に解釈されるべきである。
それにもかかわらず、本発明の実施態様においては、WO 91/16320
号、WO 92/06691号、または米国特許第5,360,817号の一般
的な範囲に入り得る化合物が認識されるが、しかしこれらの化合物は、(a)’
320出願の式Iaを有し、(b)’320出願における基「A」について炭素
を有し、そして(c)’320および’691出願のR5が「−CH2YR6
−CHYR6CH2YR6、または−CHYR6CHYR6CH2YR6」である。こ
こで、YR6はOHまたは保護OHのいずれでもあり得ず、ここで保護基は加水
分解可能であって、ヒトの胃腸管の条件下で遊離OHを生じる(すなわち、この
化合物は胃腸管内での加水分解に適する)。従って、’320または’6
91出願の化合物であって、その出願におけるR5がアセチルまたは1個〜4個
の炭素原子を有する他のカルボアシルである化合物は、代表的には本実施態様か
ら除かれる。
代用の胃腸管分泌液中における化合物の安定性を測定するための処方および方
法は公知である。化合物は、代用の腸液内または胃液内において、37℃で1時
間インキュベートしたときに約50モル%未満の保護基が脱保護される場合、胃
腸管内で安定であると本明細書中で定義される。このような化合物は、本実施態
様の使用に適切である。化合物が胃腸管に対して安定であることのみで、それら
の化合物がインビボで加水分解し得ないことを意味するのではないことに留意す
べきである。プロドラッグは、代表的には消化系において安定であるが、消化管
腔、肝臓、または他の代謝器官内で、または一般に細胞内で実質的に加水分解さ
れて、親薬剤となる。
しかし、以下に、さらに詳細に記載される本発明の他の実施態様は、WO 9
1/16320号、WO 92/06691号、または米国特許第5,360,
817号に事実、具体的に開示されている化合物(YR6が遊離ヒドロキシル、
またはアセチルのような容易に加水分解可能な基により保護されたヒドロキシル
である化合物を包含する)の使用を意図していることを理解すべきである。しか
し、この場合において、化合物は、新規な経路の投与により送達される。
別の実施態様において、本明細書中の化合物は以下の化合物を除く:
(a)E1が、−CO2H、−P(O)(OH)2、−NO2、−SO2H、−S
3H、テトラゾリル、−CH2CHO、−CHO、または−CH(CHO)2
あり;
(b)G1が、−CN、N3、−NHR20、NR20、−OR20、グアニジノ、S
20、−N(R20)→O、−N(R20)(OR20)、−N(H)(R20)N(R
202、非置換ピリミジニル、または非置換(ピリミジニル)メチルであり;
(c)T1が、−NHR20、−NO2であり;そしてR20が、H;1個〜4個の
炭素原子を有するアシル基;1個〜6個の炭素原子を有する直鎖または環状アル
キル基、あるいはそれらのハロゲン置換アナログ;アリル基、もしくは非置換ア
リール基、あるいはハロゲン、OH基、NO2基、NH2基、またはCOOH基に
よって置換されたアリールであり;
(d)各J1がHであり;そして
(e)X1が、結合、−CH2−、または−CH2CH2−であり;
この場合において、W6が、H、W7、または−CH27ではない(ここで、W
7は、H、−OR6a、−OR1、−N(R12、−N(R1)(R6b)、−N(R6
b2、−SR1、または−SR6aである)。
さらなる実施態様において、本発明の化合物は、U1が−CH2OH、−CH2
OAc、または−CH2OCH2Phではない化合物である。
さらなる実施態様において、本発明の化合物は、E1が−CH2OH、−CH2
OTMS、または−CHOではない化合物である。
さらなる実施態様において、本発明の化合物は、U1が炭素原子により核の環
に直接結合していないか、またはU1がヒドロキシルまたはヒドロキシエステル
で置換されておらず、特にU1が、ポリヒドロキシアルカン、とりわけ−CH(
OH)CH(OH)CH2OHではない化合物である。さらなる実施態様におい
て、U1は、以下に記載されるような分枝鎖基R5、または少なくとも1つの基R
5で置換された炭素環である。
さらなる実施態様において、以下の式を有する化合物は本発明から除かれる:
Figure 2008273948
Figure 2008273948
Figure 2008273948
本明細書中に記載される化合物が、1つを越える同じ表現の基(例えば、「R
1」または「R6a」)で置換される場合は、これらの基は、同一または異なり得
る(すなわち、各基は独立して選択される)ことが理解される。
本明細書中に用いられる「複素環」としては、例として、Paquette,
Leo A.、「Principles of Modern Hetero
cyclic Chemistry」(W.A. Benjamin, New
York、1968)、特に第1、3、4、6、7、および9章;「The
Chemistry of Heterocyclic Compounds,
A series of Monographs」(John Wiley
& Sons、New York、1950から現在)、特に第13、14、1
6、19、および28巻;ならびに「J. Am. Chem. Soc.」、
82:5566(1960)に記載されている複素環が挙げられるが、これらの
複素環に限定されない。
複素環の例としては、これらに限定されないが、ピリジル、チアゾリル、テト
ラヒドロチオフェニル、イオウ酸化テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、
フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベ
ンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドレニル、キノリニル、イ
ソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ピペリジニル、4−ピペリドニル、ピロリ
ジニル、2−ピロリドニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロ
キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒド
ロイソキノリニル、アゾシニル、トリアジニル、6H−1,2,5−チアジアジ
ニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、チエニル、チアントレニル、ピ
ラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチイニル
、2H−ピロリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニ
ル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、1H−インダゾリル
(1H−indazoly)、プリニル、4H−キノリジニル、フタラジニル、
ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル
、4aH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニ
ル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノ
チアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イ
ミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペラジニ
ル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルホリニル、オキサ
ゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソキサゾリル、オキシインドリル、
ベンズオキサゾリニル、およびイサチノイルが挙げられる。
例としては、これらに限定されないが、炭素結合複素環は、ピリジンの2、3
、4、5、または6位で;ピリダジンの3、4、5、または6位で;ピリミジン
の2、4、5、または6位で;ピラジンの2、3、5、または6位で;フラン、
テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロール、またはテトラヒドロ
ピロールの2、3、4、または5位で;オキサゾール、イミダゾール、またはチ
アゾールの2、4、または5位で;イソキサゾール、ピラゾール、またはイソチ
アゾールの3、4、または5位で;アジリジンの2または3位で;アゼチジンの
2、3、または4位で;キノリンの2、3、4、5、6、7、または8位で;あ
るいはイソキノリンの1、3、4、5、6、7、または8位で結合される。さら
により代表的には、炭素結合複素環としては、2−ピリジル、3−ピリジル、4
−ピリジル、5−ピリジル、6−ピリジル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニ
ル、5−ピリダジニル、6−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニ
ル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、2−ピラジニル、3−ピラジニル、
5−ピラジニル、6−ピラジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、または5
−チアゾリルが挙げられる。
例としては、これらに限定されないが、窒素結合複素環は、アジリジン、アゼ
チジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、
イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリ
ン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、
インドリン、1H−インダゾールの1位で;イソインドールまたはイソインドリ
ンの2位で;モルホリンの4位で;そしてカルバゾールまたはβ−カルボリンの
9位で結合される。さらにより代表的には、窒素結合複素環としては、1−アジ
リジル、1−アゼテジル、1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、
および1−ピペリジニルが挙げられる。
本明細書中で用いられる「アルキル」は、特に指示のない限り、ノルマル、二
級、三級、または環状炭素原子を含有するC1〜C12炭化水素である。例として
は、
Figure 2008273948
がある。アルキル基の例は、基2〜5、7、9、および100〜399として表
2に示す。
本発明の化合物は、以下のいずれかの式を有する化合物を含む:
Figure 2008273948
代表的な実施態様においては、式Iの化合物が選択される。
1およびJ1aは、独立してR1、Br、Cl、F、I、CN、NO2、または
3であり、代表的にはR1またはFであり、より代表的にはHまたはFであり、
さらにより代表的にはHである。
2およびJ2aは、独立してHまたはR1であり、代表的にはHである。
1は、−C(J1)=または−N=であり、代表的には−C(J1)=であり
、より代表的には−CH=である。
2は、−C(J12−、−N(J1)−、−N(O)(J1)−、−N(O)
=、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、または−O−であり、代表的には
−C(J12−、−N(J1)−、−S−、または−O−であり、より代表的に
は−C(J12−または−O−であり、さらにより代表的には−CH2−または
−O−であり、またさらに代表的には−CH2−である。
1は−(CR11m11である。
代表的には、R1はHまたは1個〜12個の炭素原子を有するアルキルであり
、通常H、あるいは1個〜4個または5個〜10個の炭素原子を有するアルキル
であり、またより代表的にはH、あるいは1、2、3、4、5、6、7、8、9
、10、11、または12個の炭素原子を有するアルキルであり、さらにより代
表的にはH、あるいはメチル、エチル、n−プロピル、およびi−プロピルから
選択される1個〜3個の炭素原子を有するアルキルである。最も代表的にはR1
はHである。
m1は、0〜2の整数であり、代表的には0または1であり、最も代表的には
0である。
m2は0〜1の整数である。
m3は1〜3の整数である。
1は、酸性水素を含有する基、保護酸性基、または酸性水素を含有する基の
6cアミドであり、本発明の文脈においては、塩基により除去され得、アニオン
あるいはその対応する塩または溶媒和物を生じる水素原子を有する基を意味する
。有機物質の酸性および塩基性の一般的原則は、充分に理解されており、そして
1を定義するように理解されるべきである。それらはここで詳述しない。しか
し、説明は、Streitwieser, A.およびHeathcock,
C.H.、「Introduction to Organic Chemis
try, 第二版」(Macmillan、New York、1981)60
〜64頁に示されている。一般に、本発明の酸性基は、水よりも小さいpK値を
有し、通常pK=10未満であり、代表的にはpK=8未満であり、そしてしば
しばpK=6未満である。それらとしては、テトラゾール、ならびに炭素、イオ
ウ、リン、および窒素の酸が挙げられ、代表的には、カルボン酸、硫酸、スルホ
ン酸、スルフィン酸、リン酸、およびホスホン酸、ならびにこれらの酸のR6c
ミドおよびR6bエステルが挙げられる。(R6aおよびR6cは以下で定義する)W
1の例は、−CO2H、−CO26a、−OSO3H、−SO3H、−SO2H、−O
PO32、−PO3(R6a2、−PO32、−PO3(H)(R6a)、および−
OPO3(R6a2である。W1は、代表的にはE1であり、そしてE1は代表的に
は−CO2H、−CO26a、−CO24、またはCO21であり、そして最も代
表的にはCO214であり、ここで、R14はノルマルまたは末端が二級のC1〜C
6アルキルである。
1はまた保護酸性基であり得、これは、本発明の文脈内においては、上記の
ような酸性基であって、このような基について当該分野で一般に用いられる基の
うちのひとつにより保護されている基を意味し、そしてR6aとして以下に記載さ
れている。より代表的には、保護W1は、−CO21−、−SO31−、−S(
O)OR1、−P(O)(OR12、−C(O)NHSO24、または−SO2
HC(O)−R4であり、ここで、R1は上記で定義される通りである。
最も代表的には、E1は、−C(O)O(CH2bCH((CH2cCH32
、(ここで、b=0〜4、c=0〜4、そしてb+c=1〜4)から選択される
か、または以下の群から選択される:
Figure 2008273948
1基の例を、表3a〜3bに示す。
1は、N3、−CN、−OH、OR6a、−NO2、または−(CR11m12
であり、ここで、R1およびm1は、上記で定義された通りである。通常は、G1
は−(CR11m12である。
2は、塩基性ヘテロ原子を含有する基、保護塩基性ヘテロ原子、または塩基
性へテロ原子のR6bアミドである。W2は、一般に塩基性へテロ原子を含む。塩
基性へテロ原子は、本発明の文脈内においては、代表的にはW1について上述し
た範囲の酸性を有する酸性水素によりプロトン化し得る、炭素以外の原子を意味
する。塩基性の基本原則は、StreitwieserおよびHeathcoc
k(前述)に記載されており、そして当業者に理解されるような用語塩基性ヘテ
ロ原子についての意味を与える。一般に、本発明の化合物に用いられる塩基性ヘ
テロ原子は、対応するプロトン化形態について、W1について上述した値の範囲
内にあるpK値を有する。塩基性ヘテロ原子としては、非共有電子対、非結合電
子対、n−型電子対などを有する有機化合物に共通するヘテロ原子が挙げられる
。例としては、これらに限定されないが、代表的な塩基性ヘテロ原子としては、
アルコール、アミン、アミジン、グアニジン、スルフィドなど、多くはアミン、
アミジン、およびグアニジンのような基の酸素原子、窒素原子、および硫黄原子
が挙げられる。通常、W2は、アミノまたはアミノアルキル(一般的には低級ア
ルキル)基(例えば、アミノメチル、アミノエチル、またはアミノプロピル);
アミジニルまたはアミジノアルキル基(例えば、アミジノメチル、アミジノエチ
ル、またはアミジノプロピル);あるいはグアニジニルまたはグアニジノアルキ
ル基(例えば、グアニジノメチル、グアニジノエチル、またはグアニジノプロピ
ル)である(それぞれの場合において、アルキル基は塩基性置換基を炭素環に架
橋する働きをする)。より代表的には、W2は、アミノ、アミジノ、グアニジノ
、複素環、1個または2個のアミノまたはグアニジノ基(通常1個)で置換され
た複素環、あるいはアミノまたはグアニジノで置換された2個または3個の炭素
原子を有するアルキル、あるいはアミノ、ならびにヒドロキシおよびアミノから
なる群より選択される第2の基で置換されたこのようなアルキルである。W2
して有用な複素環は、代表的にはNまたはSを含有する5員環または6員環を包
含し、ここで、該環は1個または2個のヘテロ原子を含有する。このような複素
環は、一般的には環炭素原子で置換される。それらは、飽和または不飽和であり
得、そして低級アルキル(m1=1または2)によるか、または−NR1−によ
り核のシクロヘキセンに結合され得る。さらにより代表的には、
Figure 2008273948
であり;ここで、各m2は、通常0であり、通常R1はHであり、そしてR3はC
(O)N(R12である。
2は、場合によっては保護塩基性ヘテロ原子である。この保護塩基性ヘテロ
原子は、本発明の文脈内においては、当該分野において一般的な基のうちの1つ
のようなR6bにより保護された上記の塩基性ヘテロ原子を意味する。このような
基は、以下に示されるようにGreene(上述)中で詳細に記載されている。
このような基としては、例示する目的であり限定されないがアミド、カルバメー
ト、アミノ、アセタール、イミン、エナミン、N−アルキルまたはN−アリール
ホスフィニル、N−アルキルまたはN−アリールスルフェニルまたはスルホニル
、N−アルキルまたはN−アリールシリル、チオエーテル、チオエステル、ジス
ルフィド、スルフェニルなどが挙げられる。いくつかの実施態様においては、保
護基R6bは、生理学的条件下において開裂可能であり、代表的にはインビボにお
いて開裂可能であり、ここで、例えば、塩基性ヘテロ原子は、R6a基について以
下に記載する天然のアミノ酸またはポリペプチドのような有機酸またはアミノ酸
とアミドを形成する。
代表的には、G1は以下からなる群より選択される:
Figure 2008273948
さらなるG1基の例を表4に示す。
1は−NR13または複素環であるか、あるいはU1またはG1と一緒になっ
て以下の構造を有する基を形成し、
Figure 2008273948
ここで、R6bは、以下に定義される通りであり、そしてR1およびW3は、上記に
定義される通りである。一般に、T1は、以下からなる群より選択される:
Figure 2008273948
1基の例を表5に示す。
3はW4またはW5であり、ここで、W4は、R1、または−C(O)R5、−C
(O)W5、−SO25、または−SO25である。代表的には、W3は−C(O
)R5またはW5である。
2は、独立して以下に定義されるR3またはR4であり、但し、各R4は、独立
して0個〜3個のR3基で置換され;
3は、独立して
Figure 2008273948
である。代表的には、R3は、
Figure 2008273948
である。R6bを含む、より代表的なR3基としては、−C(O)N(R6b2、−
C(O)N(R6b)(R1)、−C(S)N(R6b2、または−C(S)N(R
6b)(R1)が挙げられる。さらにより代表的なR3は、F、Cl、−CN、N3
、−OR1、−N(R12、−SR1、−C(O)OR1、−OC(O)R1、また
は=Oである。さらにより代表的なR3は、F、−OR1、−N(R12、または
=Oである。本明細書の文脈において、「=O」は、二重結合した酸素原子(オ
キソ)を示し、そして「=S」、=N(R6b)および「=N(R1)」はイオウ
および窒素アナログを示す。
4は、1個〜12個の炭素原子を有するアルキル、および2個〜12個の炭
素原子を有するアルキニルまたはアルケニルである。アルキルR4は、代表的に
は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個の炭素原子
を有し、そしてアルケニルおよびアルキニルR4は、代表的には2、3、4、5
、6、7、8、9、10、11、または12個の炭素原子を有する。R4は、通
常、アルキル(上記で定義される通り)である。R4がアルケニルである場合、
代表的には、
Figure 2008273948
である。より代表的には、R4アルケニル基は、2、3、または4個の炭素原子
を有する。R4がアルキニルである場合、代表的には、
Figure 2008273948
である。より代表的には、R4アルキニルは、2、3、または4個の炭素原子を
有する。
5は、上記の定義された通りR4であるか、または0個〜3個のR3基で置換
されたR4である。代表的にはR5は0個〜3個のフッ素原子で置換された1個〜
4個の炭素原子を有するアルキルである。
5aは、1個〜12個の炭素原子を有するアルキレン、2個〜12個の炭素原
子を有するアルケニレン、または2個〜12個の炭素原子を有するアルキニレン
であり、これは0個〜3個のR3基で置換される。R4について上記に定義され
るように、R5aは、アルキレンの場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、
10、11、または12個の炭素原子を有し、そしてアルケニレンまたはアルキ
ニレンの場合、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個の
炭素原子を有する。代表的なR4基のそれぞれは、代表的にはR5a基であり、た
だし、記載されたR4基の水素原子の1つが外れて、R5aに対する第2の結合が
付加する炭素原子に対して、空の原子価(open valence)を形成す
る。
10は、0個〜3個のR2で置換された、1個〜12個の炭素原子を有するア
ルキル、アルケニル、アルキニルである。
11は、独立してHまたはR10である。
12は、3個〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル、または4個〜10
個の炭素原子を有するシクロアルケニルである。
14は、ノルマルまたは末端が2級のC1〜C6アルキルである。
5は,炭素環または複素環であり、ただし、各W5が、独立して0個〜3個の
2基で置換される。W5炭素環ならびにT1およびW5複素環は、安定な化学構造
である。このような構造は、測定可能な収率で、測定可能な純度で、反応混合物
から−78℃〜200℃の温度にて単離可能である。各W5は、独立して0個〜
3個のR2基で置換される。代表的には、T1およびW5は、単環式または二環式
炭素環または複素環を含む飽和、不飽和、また芳香環である。より代表的には、
1またはW5は、3個〜10個の環原子を有し、さらにより代表的には3個〜7
個の環原子を有し、そして通常は3個〜6個の環原子を有する。T1およびW5
は、3個の環原子を含む場合に飽和であり、そして4個の環原子を含む場合に飽
和またはモノ不飽和であり、5個の環原子を含む場合に飽和、あるいはモノ飽和
またはジ不飽和であり、そして6個の環原子を含む場合に飽和、モノ飽和、また
はジ不飽和、あるいは芳香族である。
5が炭素環である場合、これは代表的には3個〜7個の炭素原子の単環、ま
たは7個〜12個の炭素原子の二環である。より代表的には、W5単環式炭素環
は、3個〜6個の環原子を有し、さらにより代表的には5個または6個の環原子
を有する。W5二環式炭素環は、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]
、または[6,6]系として配置される7個〜12個の環原子を有し、さらによ
り代表的には、ビシクロ[5,6]または[6,6]系として配置される9個ま
たは10個の環原子を有する。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シ
クロペンチル、1−シクロペンテ−1−エニル、1−シクロペンテ−2−エニル
、1−シクロペンテ−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセ−1−エ
ニル、1−シクロヘキセ−2−エニル、1−シクロヘキセ−3−エニル、フェニ
ル、スピリル、およびナフチルが挙げられる。
1またはW5複素環は、代表的には3員〜7員(2個〜6個の炭素原子および
N、O、P、およびSから選択される1個〜3個のヘテロ原子)を有する単環、
または7員〜10員(4個〜9個の炭素原子およびN、O、P、およびSから選
択される1個〜3個のヘテロ原子)を有する二環である。より代表的には、T1
およびW5複素環式単環は、3個〜6個の環原子(2個〜5個の炭素原子、およ
びN、O、およびSから選択される1個〜2個のヘテロ原子)を有し、さらによ
り代表的には5個または6個の環原子(3個〜5個の炭素原子、およびNおよび
Sから選択される1個〜2個のヘテロ原子)を有する。T1およびW5複素環式二
環は、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]、または[6,6]系とし
て配置される、7個〜10個の環原子(6個〜9個の炭素原子、およびN、O、
およびSから選択されるヘテロ原子)を有し、さらにより好ましくはビシクロ[
5,6]または[6,6]系として配置される、9個〜10個の環原子(8個〜
9個の炭素原子、およびNおよびSから選択される1個〜2個のヘテロ原子)を
有する。
代表的には、T1およびW5複素環は、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル
、ピラジニル、s−トリアジニル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、
イソキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チオフラニル、チエ
ニル、またはピロリルから選択される。
より代表的には、T1およびW5の複素環は、それらの炭素原子または窒素原子
を介して結合される。さらにより代表的には、T1複素環は、本発明の組成物の
シクロヘキセン環に対し、それらの窒素原子を介して安定な共有結合により結合
され、そしてW5複素環は、本発明の組成物のシクロヘキセン環に対し、それら
の炭素または窒素原子を介して安定な共有結合により結合される。安定な共有結
合は、上記のような化学的に安定な構造である。
5は、必要に応じて以下からなる群より選択される:
Figure 2008273948
1は、Hまたは−X16であるが、代表的には後者である。
1は、結合、−CR55−、−(CR552−、−O−、−N(H)−、−
N(W6)−、−N(OH)−、−N(OW6)−、−N(NH2)−、−N(N
(H)(W6))−、−N(N(W62)−、−N(H)N(W6)−、−S−、
−SO−、または−SO2−であり;代表的には、X1は、結合、−CR55−、
−(CR552−、−O−、−N(H)−、−N(R5)−、−N(OH)−、
−N(OR5)−、−N(NH2)−、−N(N(H)(R5))−、−N(N(
52)−、−N(H)N(R5)−、−S−、−SO−、または−SO2−であ
り、より代表的には、X1は、結合、−CR11−、−(CR112−、−O−
、−NR1−、−N(OR1)−、−N(NR11)−、−S−、−SO−、また
は−SO2−である。通常は、X1は、−O−、−NH−、−S−、−SO−、ま
たは−SO2−である。
6は、−R5、−W5、−R5a5、−C(O)OR6a、−C(O)R6c、−C
(O)N(R6b2、−C(NR6b)(N(R6b2)、−C(NR6b)(N(H
)(R6b))、−C(N(H)(N(R6b2)、−C(S)N(R6b2、また
は−C(O)R2であり、代表的には、−R5、−W5、または−R5a5であり;
いくつかの実施態様においては、W6は、R1、−C(O)−R1、−CHR17
、−CH(R1a7、−CH(W72(ここで、aは0または1であるが、W7
が二価である場合0である)、または−C(O)W7である。いくつかの実施態
様においては、
Figure 2008273948
であり;そしてここで、m3は1〜3の整数である。
7はR3またはR5であるが、代表的には0個〜3個のR3基で置換される1個
〜12個の炭素原子を有するアルキルであり、後者は、代表的には−NR1(R6
b)、−N(R6b2、−OR6a、またはSR6aからなる群より選択される。より
代表的には、W7は−OR1またはOR1で置換された3個〜12個の炭素原子を
有するアルキルである。
一般に、U1は、R1O−、−OCHR17
Figure 2008273948
1基の例を表2に示す。
本発明の実施態様は、以下の式を有する化合物を含む:
Figure 2008273948
ここで、E2はE1であるが、代表的には以下からなる群より選択され:
Figure 2008273948
そしてここで、G2はG1であるが、代表的には以下からなる群から選択され:
Figure 2008273948
そしてここで、T2はR4またはR5である。一般に、T2は、0個〜3個のフッ素
原子で置換された1個〜2個の炭素原子を有するアルキルである。
2は以下のうちの1つであり:
Figure 2008273948
ここで、R7は、H、−CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3、−OCH3
−OAc(−O−C(O)CH3)、−OH、−NH2、または−SHであり、代
表的にはH、−CH3、または−CH2CH3である。
基R6aおよびR6bは重要な官能基ではなく、そして広範に変化し得る。Hでな
い場合、これらの機能は、親薬剤物質のための中間体として作用することである
。これは、それらが生物学的に不活性であることを意味していない。それどころ
か、これらの基の重要な機能は、親薬剤をプロドラッグに変換することであり、
その結果、親薬剤はインビボにおけるプロドラッグの変換によって放出される。
活性プロドラッグは、親薬剤よりも効果的に吸収されるので、それらは、事実、
インビボでしばしば親薬剤よりも大きな効力を有する。R6aおよびR6bは、イン
ビトロ(化学中間体の場合)、またはインビボ(プロドラッグの場合)のいずれ
かで除去される。化学中間体では、得られるプロファンクショナリティ(pro
functionality)生成物(例えば、アルコール)が生理学的に受容
され得ることは特に重要ではないが、一般に、その生成物が薬学的に無毒であれ
ばさらに望ましい。
6aは、Hあるいはエーテル形成基またはエステル形成基である。「エーテル
形成基」は、親分子との間に安定な共有結合を形成し得る基を意味し、そして以
下の式を有する基である:
Figure 2008273948
ここで、Vaは、代表的にはCおよびSiから選択される四価の原子であり;Vb
は、代表的にはB、Al、N、およびP、より代表的にはNおよびPから選択さ
れる三価の原子であり;Vcは、代表的にはO、S、およびSeから選択される
二価の原子であり、より代表的にはSであり;V1は、安定な1つの共有結合に
よりVa、VbまたはVcに結合する基であり、代表的にはV1はW6基であり、よ
り代表的にはV1はH、R2、W5、または−R5a5、さらにより代表的にはHま
たはR2であり;V2は、安定な共有二重結合によりVaまたはVbに結合する基で
あり、ただし、V2は=O、=Sまたは=N−ではなく、代表的にはV2は、=C
(V12であり、ここで、V1は上記に定義される通りであり;そしてV3は安定
な共有三重結合によりVaに結合する基であり、代表的にはV3は≡C(V1)で
あり、ここで、V1は上記に定義される通りである。
「エステル形成基」は、親分子との間に安定な共有結合を形成し得る基を意味
し、そして以下の式を有する基である:
Figure 2008273948
ここで、Va、Vb、およびV1は、上記に定義される通りであり;Vdは、代表的
にはPおよびNから選択される五価の原子であり;Veは、六価の原子(代表的
にはS)であり;そしてV4は、安定な共有二重結合によりVa、Vb、Vdまたは
eに結合する基であり、ただし、少なくとも1つのV4は、=O、=Sまたは=
N−V1であり、代表的にはV4は、=O、=S、または=N−以外の場合、=C
(V12であり、ここで、V1は上記に定義される通りである。
−OH官能性(ヒドロキシ、酸または他の官能性のいずれか)のための保護基
は、「エーテルまたはエステル形成基」の具体例である。
特に重要なものは、本明細書中に示される合成スキーム中で保護基として機能
し得るエーテルまたはエステル形成基である。しかし、いくつかのヒドロキシル
およびチオ保護基は、当業者により理解されるように、エーテル形成基またはエ
ステル形成基のいずれでもなく、そして以下でR6cについて議論されるアミドの
中に含まれる。R6cは、親分子からの加水分解によりヒドロキシルまたはチオを
生じるように、ヒドロキシルまたはチオ基を保護し得る。
エステル形成の役割において、R6aは、代表的には、任意の酸性基(例として
は、限定されないが、−CO2Hまたは−C(S)OH基)に結合し、それによ
り、−CO26aを生じる。R6aは、例えば、WO 95/07920号に列挙
されたエステル基から導き出される。
6aの例としては、(上記の)C3〜C12複素環またはアリールが挙げられる
。これらの芳香基は、必要に応じて多環式または単環式である。例としては、フ
ェニル;スピリル;2−および3−ピロリル;2−および3−チエニル;2−お
よび4−イミダゾリル;2−、4−、および5−オキサゾリル;3−および4−
イソキサゾリル;2−、4−、および5−チアゾリル;3−、4−、および5−
イソチアゾリル;3−および4−ピラゾリル;1−、2−、3−、および4−ピ
リジニル;ならびに1−、2−、4−、および5−ピリミジニルが挙げられる;
ハロ、R1、R1−O−C1−C12アルキレン、C1〜C12アルコキシ、CN、N
2、OH、カルボキシ、カルボキシエステル、チオール、チオエステル、C1
12ハロアルキル、(1個〜6個のハロゲン原子)、C2〜C12アルケニル、ま
たはC2〜C12アルキニルで置換されたC3〜C12複素環またはアリールがある。
このような基としては、2−、3−、および4−アルコキシフェニル(C1〜C1
2アルキル);2−、3−、および4−メトキシフェニル;2−、3−、および
4−エトキシフェニル;2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、
および3,5−ジエトキシフェニル;2−および3−カルボエトキシ−4−ヒド
ロキシフェニル;2−および3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル;2−およ
び3−エトキシ−5−ヒドロキシフェニル;2−および3−エトキシ−6−ヒド
ロキシフェニル;2−、3−、および4−O−アセチルフェニル;2−、3−、
および4−ジメチルアミノフェニル;2−、3−、および4−メチルメルカプト
フェニル;2−、3−、および4−ハロフェニル(2−、3−、および4−フル
オロフェニル、ならびに2−、3−、および4−クロロフェニルを含む);2,
3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、および3,5−ジメチルフェ
ニル;2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、および3,5−ビ
スカルボキシエチルフェニル;2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,
4−、および3,5−ジメトキシフェニル;2,3−、2,4−、2,5−、2
,6−、3,4−、および3,5−ジハロフェニル(2,4−ジフルオロフェニ
ルおよび3,5−ジフルロフェニルを含む);2−、3−、および4−ハロアル
キルフェニル(1個〜5個のハロゲン原子、C1〜C12アルキル(4−トリフル
オロメチルフェニルを含む));2−、3−、および4−シアノフェニル;2−
、3−、および4−ニトロフェニル;2−、3−、および4−ハロアルキルベン
ジル(1個〜5個のハロゲン原子、C1〜C12アルキル(4−トリフルオロメチ
ルベンジル、ならびに2−、3−、および4−トリクロロメチルフェニル、なら
びに2−、3−、および4−トリクロロメチルフェニルを含む));4−N−メ
チルピペリジニル;3−N−メチルピペリジニル;1−エチルピペラジニル;ベ
ンジル;アルキルサリチルフェニル(C1〜C4アルキル(2−、3−、および4
−エチルサリチルフェニルを含む));2−、3−、および4−アセチルフェニ
ル;1,8−ジヒドロキシナフチル(−C106−OH)およびアリールオキシ
エチル[C6〜C9アリール(フェノキシエチルを含む)];2,2’−ジヒドロ
キシビフェニル;2−、3−、および4−N,N−ジアルキルアミ
ノフェノール;−C64CH2−N(CH32;トリメトキシベンジル;トリエ
トキシベンジル;2−アルキルピリジニル(C14アルキル);
Figure 2008273948
2−カルボキシフェニルのC4〜C8エステル;ならびにアリール部分が、3個〜
5個のハロゲン原子、あるいはハロゲン、C1〜C12アルコキシ(メトキシおよ
びエトキシを含む)、シアノ、ニトロ、OH、C1〜C12ハロアルキル(1個〜
6個のハロゲン原子;−CH2−CCl3を含む)、C1〜C12アルキル(メチル
およびエチルを含む)、C2〜C12アルケニルまたはC2〜C12アルキニルから選
択される1個〜2個の原子または基によって置換されたC1〜C4アルキレン−C
3〜C6−アリール(ベンジル、−CH2−ピロリル、−CH2−チエニル、−CH
2−イミダゾリル、−CH2−オキサゾリル、−CH2−イソキサゾリル、−CH2
−チアゾリル、−CH2−イソチアゾリル、−CH2−ピラゾリル、−CH2−ピ
リジニル、および−CH2−ピリミジニルを含む);
アルコキシエチル[C1〜C6アルキル(−CH2−CH2−O−CH3(メトキ
シエチル)を含む)];
アリールについての上述した任意の基、特にOH、または1個〜3個のハロ原
子(−CH3、−CH(CH32、−C(CH33、−CH2CH3、−(CH2
2CH3、−(CH23CH3、−(CH24CH3、−(CH25CH3、−CH2
CH2F、−CH2CH2Cl、−CH2CF3、および−CH2CCl3を含む)に
よって置換されたアルキル;
Figure 2008273948
−N−2−プロピルモルホリノ;2,3−ジヒドロ−6−ヒドロキシインデン;
セサモール;カテコールモノエステル;−CH2−C(O)−N(R12;−C
2−S(O)(R1);−CH2−S(O)2(R1);−CH2−CH(OC(O
)CH21)−CH2(OC(O)CH21);コレステリル;エノールピルベ
ート(HOOC−C(=CH2)−);グリセロール;
5個あるいは6個の炭素の単糖、二糖、またはオリゴ糖(3個〜9個の単糖残
基);
トリグリセリド、例えば、トリグリセリドのグリセリル酸素を介して本明細書
中の親化合物のアシルに結合したα−D−β−ジグリセリド(ここで、グリセリ
ド脂質を構成する脂肪酸は、一般的には天然に存在する飽和または不飽和C62
6、C618、またはC610脂肪酸(例えば、リノール酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミトール酸、リノレン
酸などの脂肪酸)である);
リン脂質のホスフェートを介してカルボキシル基に結合したリン脂質;
フタリジル(Claytonら、Antimicrob. Agents C
hemo. 5(6):670−671[1974]の図1に示されている);
環状カーボネート、例えば、(5−Rd−2−オキソ−1,3−ジオキソレン
−4−イル)メチルエステル(Sakamotoら、Chem. Pharm.
Bull. 32(6)2241−2248[1984])、ここでRdは、
1、R4、またはアリールである;ならびに
Figure 2008273948
が挙げられる。
本発明の化合物のヒドロキシル基は、必要に応じてWO 94/21604号
に開示の基III、IV、またはVのうちの1つ、またはイソプロピルで置換さ
れる。
さらなる実施態様として、表Aは、例えば、酸素を介して−C(O)O−およ
び−P(O)(O−)2基に結合し得るR6aエステル部分の例を示す。いくつか
のR6cアミデートもまた示されており、これらは−C(O)−または−P(O)
2に直接結合する。構造1〜5、8〜10、および16、17、19〜22のエ
ステルは、遊離ヒドロキシルを有する本明細書中の化合物と、対応するハロゲン
化物(クロライドまたはアシルクロライドなど)およびN,N−ジシクロヘキシ
ル−N−モルホリンカルボキシアミジン(またはDBU、トリエチルアミン、C
sCO3、N,N−ジメチルアニリンなどのような別の塩基)とをDMF(また
はアセトニトリルまたはN−メチルピロリドンのような他の溶媒)中で反応させ
ることにより合成される。W1がホスホネートである場合、構造5〜7、11、
12、21、および23〜26のエステルは、アルコールまたはアルコキシド塩
(あるいは13、14、および15のような化合物の場合には対応するアミン)
と、モノクロロホスホネートまたはジクロロホスホネート(あるいは別の活性化
ホスホネート)との反応により合成される。
Figure 2008273948
本明細書中での使用に適切な他のエステルは、欧州特許第632,048号に
記載されている。
6aはまた、「二重エステル」形成プロファンクショナリティ(例えば、
Figure 2008273948
あるいは、(酸性基の酸素に結合した)構造−CH(R1またはW5)O((CO
)R37)または−CH(R1またはW5)((CO)OR38)のアルキル−または
アリール−アシルオキシアルキル基であり、ここで、R37およびR38は、アルキ
ル、アリール、またはアルキルアリール基である(米国特許第4,968,78
8号参照)。しばしば、R37およびR38は、嵩高い基(例えば、分枝アルキル、
オルト置換アリール、メタ置換アリール、またはそれらの組合せ)であり、1個
〜6個の炭素原子を有する、ノルマル、二級、イソ、および三級アルキルを含む
。例としては、ピバロイルオキシメチル基がある。これらは、経口投与のために
プロドラッグで特に用いられる。このような有用なR6a基の例は、アルキルアシ
ルオキシメチルエステルおよびそれらの誘導体であり、以下を含む:
Figure 2008273948
プロドラッグの目的のために、代表的に選択されるエステルは、抗生物質薬物
のために以前から用いられているエステルであって、特に環式カーボネート、2
重エステル、またはフタリジル、アリール、またはアルキルエステルである。
指摘したように、R6a、R6c、およびR6b基は必要に応じて用いられ、合成手
順の間の被保護基との副反応を防止する。従って、これらは合成時に保護基(P
RT)として機能する。たいてい、保護を行う場合、どの基を保護するかの決定
、およびPRTの性質は、保護されるべき反応の化学的性質(例えば、酸性、塩
基性、酸化状態、還元状態、または他の状態)および意図する合成方向(dir
ection)に依存する。化合物が複数のPRTで置換されるなら、PRTは
同一である必要ではなく、一般的に同一ではない。一般に、PRTはカルボキシ
ル、ヒドロキシル、またはアミノ基を保護するために用いられる。遊離基を得る
脱保護の順序は、意図される合成方向および用いられる反応条件に依存し、そし
て当業者によって決定される通り、任意の順序で行われる。
非常に多くのR6aヒドロキシ保護基およびR6cアミド形成基、および対応する
化学的切断反応は、「Protective Groups in Organ
ic Chemistry」、Theodora W. Greene(Joh
n Wiley & Sons、Inc.、New York、1991、IS
BN−0−471−62301−6)(「Greene」)に記載されている。
Kocienski、Philip J.;「Protecting Grou
ps」(Georg Thieme Verlag Stuttgart、Ne
w York、1994)(この全体は本明細書中に参考として援用される)も
参照のこと。特に第1章、保護基:概要、1頁〜20頁、第2章、ヒドロキシ保
護基、21頁〜94頁、第3章、ジオール保護基、95頁〜117頁、第4章、
カルボキシ保護基、118頁〜154頁、第5章、カルボニル保護基、155頁
〜184頁を参照のこと。R6aカルボン酸、リン酸、ホスホネート、スルホン酸
、およびW1酸のための他の保護基については、以下で述べるGreeneを参
照のこと。このような基としては、エステル、アミド、ヒドラジドなどが挙げら
れるが、これらは例示のためであり、限定のためではない。
いくつかの実施態様においては、R6a保護された酸性基は、酸性基のエステル
であり、R6aはヒドロキル含有官能基の残基である。他の実施態様においては、
6cアミノ化合物は、酸官能基を保護するために用いられる。適切なヒドロキシ
またはアミノ含有官能基の残基は、上述のものか、またはWO95/07920
に見出される。アミノ酸、アミノ酸エステル、ポリペプチド、またはアリールア
ルコールの残基が特に重要である。代表的なアミノ酸、ポリペプチド、およびカ
ルボキシルエステル化アミノ酸残基は、11頁〜18頁および基L1またはL2
としてWO 95−07920の関連する本文に記載されている。WO 95/
07920は、リン酸のアミデートを明確に教示するが、このようなアミデート
は、本明細書で述べられている任意の酸基とWO 95/07920で述べられ
ている任意のアミノ酸とを用いて形成されることを理解すべきである。
1酸官能基を保護するための代表的なR6aエステルもまた、WO95/07
920に記載されているが、同一のエステルが、’920公開公報のホスホネー
トを用いて形成されるように、本明細書の酸基を用いて形成され得ることをここ
でも理解すべきである。代表的なエステル基は、少なくともWO 95/079
20、89頁〜93頁(R31〜R35として)、105頁の表、および21頁〜2
3頁(Rとして)で定義されている。非置換アリール(例えば、フェニルまたは
アリールアルキル(例えば、ベンジル))のエステルまたはヒドロキシ−、ハロ
−、アルコキシ−、カルボキシ−、および/またはアルキルエステルカルボキシ
−置換アリールもしくはアルキルアリール(特にフェニル、オルト−エトキシフ
ェニル、またはC1〜C4アルキルエステルカルボキシフェニル(サリチル酸C1
〜C12アルキルエステル))のエステルが重要である。
保護された酸性基W1は、特にWO 95/07920のエステルまたはアミ
ドを用いる場合、経口投与用のプロドラッグとして有用である。しかし、本発明
の化合物が経口経路によって有効に投与されるためには、W1酸性基が保護され
ることは必要不可欠ではない。保護された基を有する本発明の化合物(特にアミ
ノ酸アミデート、または置換および非置換アリールエステル)は、全身的に投与
されるか、あるいは経口投与される場合、これらの化合物は、インビボで加水分
解により開裂し得、遊離酸を与える。
1またはそれ以上の酸性ヒドロキシルが保護される。2以上の酸性ヒドロキシ
ルが保護される場合、同一または異なる保護基が用いられる。例えば、エステル
は異なり得、あるいは同一であり得、あるいはアミデートとエステルとの混合物
が用いられ得る。
Greene(14頁〜118頁)に記載されている代表的なR6aヒドロキシ
保護基としては、以下が挙げられる:エーテル(メチル);置換メチルエーテル
(メトキシメチル、メチルチオメチル、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメ
チルシリル)メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、p−メトキシベンジルオ
キシメチル、(4−メトキシフェノキシ)メチル、グアイアコールメチル、t−
ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル、シロキシメチル、2−メトキシ
エトキシメチル、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエ
トキシメチル)、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、テトラヒドロピラ
ニル、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロpチオピラニル(tet
rahydropthiopyranyl)、1−メトキシシクロヘキシル、4
−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4
−メトキシテトラヒドロpチオピラニル(4−Methoxytetrahyd
roptiopyranyl)、S,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4
−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル、35、1,4−ジ
オキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,
3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4
,7−メタノベンゾフラン−2イル));置換エチルエーテル(1−エトキシエ
チル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、
1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2
−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチ
ル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニ
ル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル);置換ベン
ジルエーテル(p−メトキシベンジル、3.4−ジメトキシベンジル、o−ニト
ロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジ
ル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−および4−ピコリル、3
−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロ
ベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジ
フェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフ
ェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−
ブロモフェナシルオキシ)フェニルジフェニルメチル、4,4’,4’’−トリ
ス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリ
ス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(ベンゾ
イルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イルメチル)ビス(4
’,4’’−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニ
ル)−1’−ピレニルメチル、9−アントラニル、9−(9−フェニル)キサン
テニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントラニル、1,3−ベンゾジ
チオラン−2−イル、ベンズイソチアゾリル S,S−ジオキシド);シリルエ
ーテル(トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジメ
チルイソプロピルシリル、ジエトキシイソプロピルシリル、ジメチルテキシルシ
リル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリベンジル
シリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシ
リル、t−ブチルメトキシフェニルシリル);エステル(ホルメート、ベンゾイ
ルホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロ
ロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメ
トキシアセテート、フェノキシアセテート、o−クロロフェノキシアセテート、
p−ポリ−フェニルアセテート、3−フェニルプロピオネート、4−オキソペン
タノエート(レブリネート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート、ピ
バロエート、アダマントエート、クロトネート、4−メトキシクロトネート、ベ
ンゾエート、p−フェニルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾエート
(メシトエート));カーボネート(メチル、9−フルオレニルメチル、エチル
、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)エチル、2−(フ
ェニルスルホニル)エチル、2−(トリフェニルホスホニオ)エチル、イソブチ
ル、ビニル、アリル、p−ニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、
3,4−ジメチルベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、S−ベ
ンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナフチル、メチルジチオカルボネ
ート);開裂を補助する基(2−ヨードベンゾエート、4−アジドブチレート、
4−ニトロ(Niotro)−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチ
ル)ベンゾエート、2−ホルミルベンゼンスルホネート、2−(メチルチオメト
キシ)エチルカーボネート、4−(メチルチオメトキシ)ブチレート、2−(メ
チルチオメトキシメチル)ベンゾエート);その他のエステル(2,6−ジクロ
ロ−4−メチルフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4−ビス(1,1−ジメ
チルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート(Chor
odiphenylacetate)、イソブチレート、モノスクシネート、(
E)−2−メチル−2−ブテノエート(チグロネート)、o−(メトキシカルボ
ニル)ベンゾエート、p−ポリ−ベンゾエート、α−ナフトエート、ニトレート
、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミデート、N−フェ
ニルカルバメート、ボレート、ジメチルホスフィノチオイル、2,4−ジニトロ
フェニルスルフェネート);およびスルホネート(スルホネート、メタンスルホ
ネート(メシレート)、ベンジルスルホネート、トシレート)。
より代表的には、R6aヒドロキシ保護基としては、置換メチルエステル、置換
ベンジルエーテル、シリルエーテル、およびエステル(スルホン酸エステルを含
む)が挙げられ、さらにより代表的には、トリアルキルシリルエーテル、トシレ
ートおよびアセテートが挙げられる。
代表的な1,2−ジオール保護基(従って、一般的に2つのOH基がR6a保護
官能基となっている)は、Greeneの118頁〜142頁に記載されており
、環式アセタールおよびケタール(メチレン、エチリデン、1−t−ブチルエチ
リデン、1−フェニルエチリデン、(4−メトキシフェニル)エチリデン、2,
2,2−トリクロロエチリデン、アセトニド(イソプロピリデン)、シクロペン
チリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ベンジリデン、p−メト
キシベンジリデン、2,4−ジメトキシベンジリデン、3,4−ジメトキシベン
ジリデン、2−ニトロベンジリデン);環式オルトエステル(メトキシメチレン
、エトキシメチレン、ジメトキシメチレン、1−メトキシエチリデン、1−エト
キシエチリデン、1,2−ジメトキシエチリデン、α−メトキシベンジリデン、
1−(N,N−ジメチルアミノ)エチリデン誘導体、α−(N,N−ジメルアミ
ノ)ベンジリデン誘導体、2−オキシシクロペンチリデン);シリル誘導体(ジ
−t−ブチルシリレン基、1,3−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシ
ロキサニリデン)、およびテトラ−t−ブトキシジシロキサン−1,3−ジイリ
デン)、環状カーボネート、環式ボロネート、エチルボロネートおよびフェニル
ボロネートが挙げられる。
より代表的には、1,2−ジオール保護基としては、表Bに示されるものが挙
げられ、さらにより代表的には、エポキシド、アセトニド、環式ケタール、およ
びアリールアセタールである。
Figure 2008273948
9はC1〜C6アルキルである。
6bはH、アミノ保護基、またはカルボキシル含有化合物の残基であり、特に
H、−C(O)R4、アミノ酸、ポリペプチド、もしくは−C(O)R4、アミノ
酸、またはポリペプチドではない保護基である。アミドを形成するR6bは例えば
、G1基において見出される。R6bがアミノ酸またはポリペプチドである場合、
6bは構造R15NHCH(R16)C(O)− (ここで、R15はH、アミノ酸、
またはポリペプチド残基であるか、またはR5であり、そしてR16は以下に定義
される)を有する。
16は低級アルキル、またはアミノ置換低級アルキル(C1〜C6)、カルボキ
シル、アミド、カルボキシエステル、ヒドロキシル、C6〜C7アリール、グアニ
ジニル、イミダゾリル、インドリイル、スルフヒドリル、スルホキシド、および
/またはアルキルホスフェートである。R10もまたアミノ酸αNと一緒になって
プロリン残基(R10=−(CH23−)を形成する。しかし、R10は一般に、天
然のアミノ酸の側鎖(例えば、H、−CH3、−CH(CH32、−CH2−CH
(CH32、−CHCH3−CH2−CH3、−CH2−C65、−CH2CH2−S
−CH3、−CH2OH、−CH(OH)−CH3、−CH2−SH、−CH2−C6
4OH、−CH2−CO−NH2、−CH2−CH2−CO−NH2、−CH2−C
OOH、−CH2−CH2−COOH、−(CH24−NH2および−(CH23
−NH−C(NH2)−NH2)である。R10としてはまた、1−グアニジノプロ
プ−3−イル、ベンジル、4−ヒドロキシベンジル、イミダゾール−4−イル、
インドール−3−イル、メトキシフェニルおよびエトキシフェニルが挙げられる
6bは、その大部分が、カルボン酸の残基であるが、Greeneの315頁
〜383頁に記載されている任意の代表的なアミノ保護基が有用である。これら
としては、カルバメート(メチルおよびエチル、9−フルオレニルメチル、9(
2−スルホ)フルオロエニルメチル、9−(2,7−ジブロモ)フルオレニルメ
チル、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,
10,10−テトラヒドロチオキサンチル]メチル、4−メトキシフェナシル)
;置換エチル(2,2,2−トリクロロエチル(trichoroethyl)
、2−トリメチルシリルエチル、2−フェニルエチル、1−(1−アダマンチル
)−1−メチルエチル、1,1−ジメチル−2−ハロエチル、1,1−ジメチル
−2,2−ジブロモエチル、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチル
、1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エチル、1−(3,5−ジ−t−ブ
チルフェニル)−1−メチルエチル、2,(2’−および4’−ピリジル)エチ
ル、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチル、t−ブチル、1
−アダマンチル、ビニル、アリル、1−イソプロピルアリル、シンナミル、4−
ニトロシンナミル、8−キノリル、N−ヒドロキシピペリジニル、アルキルジチ
オ、ベンジル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、p−ブロモベンジ
ル、p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、4−メチルスルフィニル
ベンジル、9−アントリルメチル、ジフェニルメチル);開裂を補助する基(2
−メチルチオエチル、2−メチルスルホニルエチル、2−(p−トルエンスルホ
ニル)エチル、[2−(1,3−ジチアニル)]メチル、4−メチルチオフェニ
ル、2,4−ジメチルチオフェニル、2−ホスホニオエチル、2−トリフェニル
ホスホニオイソプロピル、1,1−ジメチル−2−シアノエチル、m−クロロ(
choro)−p−アシロキシベンジル、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジル
、5−ベンズイソキサゾリルメチル、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモ
ニルメチル);光分解開裂し得る基(m−ニトロフェニル、3,5−ジメトキシ
ベンジル、o−ニトロベンジル、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジル、フ
ェニル(o−ニトロフェニル)メチル);尿素型誘導体(フェノチアジニル−(
10)−カルボニル、N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル、N’−
フェニルアミノチオカルボニル);その他のカルバメート(t−アミル、S−ベ
ンジルチオカルバメート、p−シアノベンジル、シクロブチル、シクロヘキシル
、シクロペンチル、シクロプロピルメチル、p−デシルオキシベンジル、ジイソ
プロピルメチル、2,2−ジメトキシカルボニルビニル、o−(N,N−ジメチ
ルカルボキサミド)ベンジル、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカル
ボキサミド)プロピル、1,1−ジメチルプロピニル、ジ(2−ピリジル)メチ
ル、2−フラニルメチル、2−ヨードエチル、イソボルニル、イソブチル、イソ
ニコチニル、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジル、1−メチルシクロ
ブチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチル−1−シクロプロピルメチル、
1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチル、1−メチル−1−(
p−フェニルアゾフェニル)エチル、1−メチル−1−フェニルエチル、1−メ
チル−1−(4−ピリジル)エチル、フェニル、p−(フェニルアゾ)ベンジル
、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル、4−(トリメチルアンモニウム)ベ
ンジル、2,4,6−トリメチルベンジル);アミド(N−ホルミル、N−アセ
チル、N−クロロアセチル(N−choroacetyl)、N−トリクロロア
セチル(N−trichoroacetyl)、N−トリフルオロアセチル、N
−フェニルアセチル、N−3−フェニルプロピオニル、N−ピコリノイル、N−
3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル、N−ベンゾイ
ル、N−p−フェニルベンゾイル);開裂を補助するアミド(N−o−ニトロフ
ェニルアセチル、N−o−ニトロフェノキシアセチル、N−アセトアセチル、(
N’−ジチオベンジルオキシカルボニルアミド)アセチル、N−3−(p−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニル、N−3−(O−ニトロフェニル)プロピオニル
、N−2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロピオニル、N−2−メチ
ル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロピオニル、N−4−クロロブチリ
ル、N−3−メチル−3−ニトロブチリル、N−o−ニトロシンナモイル、N−
アセチルメチオニン、N−o−ニトロベンゾイル、N−o−(ベンゾイルオキシ
メチル)ベンゾイル、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン);環
式イミド誘導体(N−フタルイミド、N−ジチアスクシノイル、N−2,3−ジ
フェニルマレオイル、N−2,5−ジメチルピロリル、N−1,1,4,4−テ
トラメチルジシリルアザシクロペンタン付加体、5−置換1,3−ジメチル−1
,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−
1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−
4−ピリドニル);N−アルキルおよびN−アリールアミン(N−メチル、N−
アリル、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル、N−3−アセトキ
シプロピル、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン
−3−イル)、第4級アンモニウム塩、N−ベンジル、N−ジ(4−メトキシフ
ェニル)メチル、N−5−ジベンゾスベリル、N−トリフェニルメチル、N−(
4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル、N−9−フェニルフルオレニル、N
−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレン、N−フェロセニルメチル、N
−2−ピコリルアミンN’−オキシド)、イミン誘導体(N−1,1−ジメチル
チオメチレン、N−ベンジリデン、N−p−メトキシベンジリデン、N−ジフェ
ニルメチレン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレン、N,(N’,N’
−ジメチルアミノメチレン、N,N’−イソプロピリデン、N−p−ニトロベン
ジリデン、N−サリチリデン、N−5−クロロサリチリデン、N−(5−クロロ
−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレン、N−シクロヘキシリデン);エ
ナミン誘導体(N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)
);N−金属誘導体(N−ボラン誘導体、N−ジフェニルほう酸誘導体、N−[
フェニル(ペンタカルボニルクロムまたはタングステン)]カルベニル、N−銅
またはN−亜鉛キレート);N−N誘導体(N−ニトロ、N−ニトロソ、N−オ
キシド);N−P誘導体(N−ジフェニルホスフィニル、N−ジメチルチオホス
フィニル、N−ジフェニルチオホスフィニル、N−ジアルキルホスホリル、N−
ジベンジルホスホリル、N−ジフェニルホスホリル);N−Si誘導体;N−S
誘導体;N−スルフェニル誘導体(N−ベンゼンスルフェニル、N−o−ニトロ
ベンゼンスルフェニル、N−2,4−ジニトロベンゼンスルフェニル、N−ペン
タクロロベンゼンスルフェニル、N−2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフ
ェニル、N−トリフェニルメチルスルフェニル、N−3−ニトロピリジンスルフ
ェニル);およびN−スルホニル誘導体(N−p−トルエンスルホニル、N−ベ
ンゼンスルホニル、N−2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホ
ニル、N−2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホニル、N−2,6−ジメチ
ル−4−メトキシベンゼンスルホニル、N−ペンタメチルベンゼンスルホニル、
N−2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホニル、N−4
−メトキシベンゼンスルホニル、N−2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニ
ル、N−2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホニル、N−2,2,5
,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル、N−メタンスルホニル、N
−β−トリメチルシリエタンスルホニル(trimethylsilyetha
nesulfonyl)、N−9−アントラセンスルホニル、N−4−(4’,
8’−ジメトキシナルチルメチル)ベンゼンスルホニル、N−ベンジルスルホニ
ル、N−トリフルオロメチルスルホニル、N−フェナシルスルホニル)が挙げら
れる。
より代表的には、保護されたアミノ基としては、カルバメートおよびアミドが
挙げられ、よりさらに代表的には、−NHC(O)R1または−N=CR1N(R
12が挙げられる。G1部位、特にアミノまたは−NH(R5)についてプロドラ
ッグとしても有用な他の保護基は以下である:
Figure 2008273948
例えば、Alexander,Jら;J. Med. Chem,1996,3
9,480−486を参照のこと。
6cはHまたはアミノ含有化合物の残基であり、特にアミノ酸、ポリペプチド
、保護基、−NHSO24、NHC(O)R4、−N(R42、NH2、または−
NH(R4)(H)である。ここで例えば、W1のカルボン酸またはリン酸基はこ
のアミンと反応し、−C(O)R6c、−P(O)(R6c2または−P(O)(
OH)(R6c)におけるようにアミドを形成する。一般的には、R6cは構造R17
C(O)CH(R16)NH−(ここで、R17はOH、OR6a、OR5、アミノ酸
またはポリペプチド残基である)を有する。
アミノ酸は低分子量(約1000MW未満のオーダー)の化合物であり、少な
くとも1つのアミノまたはイミノ基、および少なくとも1つのカルボキシル基を
含む。一般に、アミノ酸は天然に見出される。すなわち、アミノ酸は生物学的物
質(例えば、細菌または他の微生物、植物、動物またはヒト)中に検出され得る
。適切なアミノ酸は、代表的にはαアミノ酸である。すなわち、1つのアミノま
たはイミノの窒素原子が、1置換または非置換α炭素原子によって1つのカルボ
キシル基の炭素原子から隔てられていることによって特徴づけられる化合物であ
る。特に重要なのは、疎水性残基(例えば、モノまたはジ−アルキルあるいはア
リールアミノ酸、シクロアルキルアミノ酸など)である。これらの残基は、親薬
剤の分配係数を増加させることにより、細胞浸透性に寄与する。代表的には、残
基はスルフヒドリルまたはグアニジノ置換基を含有しない。
天然のアミノ酸残基は、植物、動物、または微生物(特にこれらのタンパク質
)に天然に見出される。ポリペプチドは、最も代表的には、このような天然のア
ミノ酸残基で実質的に構成される。これらのアミノ酸は、グリシン、アラニン、
バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニ
ン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、
ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、アスパ
ラギン、グルタミン、およびヒドロキシプロリンである。
6bおよびR6cが単一のアミノ酸残基またはポリペプチドである場合、これら
は通常、R3、W6、W1および/またはW2で置換されるが、代表的にはW1また
はW2だけで置換される。これらの結合体(conjugate)は、アミノ酸
のカルボキシル基(または、例えば、ポリペプチドのC末端のアミノ酸)とW2
との間にアミド結合を形成することにより生成される。同様に、W1と、アミノ
酸またはポリペプチドのアミノ基との間で結合が形成される。一般に、親分子の
任意の部分の1つだけが、本明細書に記載されるようなアミノ酸でアミド化され
るが、1つを超える許容された部位でアミノ酸を導入するのは、本発明の範囲内
である。通常、W1のカルボキシル基がアミノ酸でアミド化される。一般に、ア
ミノ酸のα−アミノ基またはα−カルボキシ基、またはポリペプチドの末端アミ
ノ基もしくはカルボキシル基が、親官能基に結合している。すなわち、アミノ酸
側鎖のカルボキシル基またはアミノ基は、通常、親化合物とアミド結合を形成す
るためには用いられない(これらの基は、さらに以下に記載されるように結合体
の合成の間に保護を必要とし得るが)。
アミノ酸またはポリペプチドのカルボキシル含有側鎖に関して、カルボキシル
基は必要に応じて、例えばR6aでブロックされるか、R5でエステル化されるか
、あるいはR6cでアミド化されることが理解される。同様に、アミノ側鎖R16
、必要に応じてR6bでブロックされるか、またはR5で置換される。
側鎖アミノ基またはカルボキシル基でのこのようなエステル結合またはアミド
結合は、親分子でのエステルまたはアミドのように、インビボまたはインビトロ
で、酸性条件下(pH<3)または塩基性条件下(pH>10)で、必要に応じ
て加水分解性である。あるいは、これらはヒトの胃腸管内で実質的に安定である
が、血液内、あるいは細胞内環境において酵素によって加水分解する。エステル
またはアミノ酸、あるいはポリペプチドアミデートはまた、遊離アミノ基または
カルボキシル基を含有する親分子の調製のための、中間体として有用である。親
化合物の遊離酸または塩基は、例えば、本発明のエステル、またはアミノ酸、あ
るいはポリペプチド結合体から通常の加水分解手順により容易に形成される。
アミノ酸残基が1またはそれ以上のキラル中心を含む場合、任意のD、L、メ
ソ、トレオ、またはエリトロ(適切な)ラセミ体、スケールメート(scale
mate)、またはこれらの混合物のいずれもが用いられ得る。(アミドが遊離
酸または遊離アミンの化学的中間体として用いられる場合のように)一般に中間
体が酵素によらずに加水分解されるのならば、D異性体が有用である。他方、L
異性体はより用途が広い。なぜなら、L異性体は酵素によらない加水分解および
酵素による加水分解の両方に鋭敏であり得、そして胃腸管内のアミノ酸またはジ
ペプチジル輸送系によってより効率よく輸送され得る。
残基がR6bおよびR6cによって表現される適切なアミノ酸の例としては、以下
が挙げられる:
グリシン;
アミノポリカルボン酸(例えば、アスパラギン酸、β−ヒドロキシアスパラギ
ン酸、グルタミン酸、β−ヒドロキシグルタミン酸、β−メチルアスパラギン酸
、β−メチルグルタミン酸、β,β−ジメチルアスパラギン酸、γ−ヒドロキシ
グルタミン酸、β,γ−ジヒドロキシグルタミン酸、β−フェニルグルタミン酸
、γ−メチレングルタミン酸、3−アミノアジピン酸、2−アミノピメリン酸、
2−アミノスベリン酸、および2−アミノセバシン酸);
アミノ酸アミド(例えば、グルタミンおよびアスパラギン);
ポリアミノ−または多塩基−モノカルボン酸(例えば、アルギニン、リジン、
β−アミノアラニン、γ−アミノブチリン、オルチニン、シトルリン、ホモアル
ギニン、ホモシトルリン、ヒドロキシリジン、アロヒドロキシリジン、およびジ
アミノ酪酸);
他の塩基性アミノ酸残基(例えば、ヒスチジン);
ジアミノジカルボン酸(例えば、α,α’−ジアミノコハク酸、α,α’−ジ
アミノグルタル酸、α,α’−ジアミノアジピン酸、α,α’−ジアミノピメリ
ン酸、α,α’−ジアミノ−β−ヒドロキシピメリン酸、α,α’−ジアミノス
ベリン酸、α,α’−ジアミノアゼライン酸、およびα,α’−ジアミノセバシ
ン酸);
イミノ酸(例えば、プロリン、ヒドロキシプロリン、アロヒドロキシプロリン
、γ−メチルプロリン、ピペコリン酸、5−ヒドロキシピペコリン酸、およびア
ゼチジン−2−カルボン酸);
モノ−またはジ−アルキル(代表的にはC1〜C8分枝または直鎖)アミノ酸(
例えば、アラニン、バリン、ロイシン、アリルグリシン、ブチリン(butyr
ine)、ノルバリン、ノルロイシン、ヘプチリン、α−メチルセリン、α−ア
ミノ−α−メチル−γ−ヒドロキシ吉草酸、α−アミノ−α−メチル−δ−ヒド
ロキシ吉草酸、α−アミノ−α−メチル−ε−ヒドロキシカプロン酸、イソバリ
ン、α−メチルグルタミン酸、α−アミノイソ酪酸、α−アミノジエチル酢酸、
α−アミノジイソプロピル酢酸、α−アミノジ−n−プロピル酢酸、α−アミノ
ジイソブチル酢酸、α−アミノジ−n−ブチル酢酸、α−アミノエチルイソプロ
ピル酢酸、α−アミノ−n−プロピル酢酸、α−アミノジイソアミル酢酸(α−
aminodiisoamyacetic acid)、α−メチルアスパラギ
ン酸、α−メチルグルタミン酸、1−アミノシクロプロパン−1−カルボン酸、
イソロイシン、アロイソロイシン、tert−ロイシン、β−メチルトリプトフ
ァン、およびα−アミノ−β−エチル−β−フェニルプロピオン酸);
β−フェニルセリニル;
脂肪族α−アミノ−β−ヒドロキシ酸(例えば、セリン、β−ヒドロキシロイ
シン、β−ヒドロキシノルロイシン、β−ヒドロキシノルバリン、およびα−ア
ミノ−β−ヒドロキシステアリン酸);
α−アミノ、α−、γ−、δ−またはε−ヒドロキシ酸(ホモセリン、γ−ヒ
ドロキシノルバリン、δ−ヒドロキシノルバリン、およびε−ヒドロキシノルロ
イシン残基;カナビン(canavine)およびカナリン;γ−ヒドロキシオ
ルチニン;
2−ヘキソサミン酸(hexosaminic acid)(例えば、D−グ
ルコサミン酸、またはD−ガラクトサミン酸);
α−アミノ−β−チオール(例えば、ペニシルアミン、β−チオールノルバリ
ン、またはβ−チオールブチリン);
システインを含む他のイオウ含有アミノ酸残基;ホモシステイン、β−フェニ
ルメチオニン、メチオニン、S−アリル−L−システインスルホキシド、2−チ
オールヒスチジン、シスタチオニン、ならびにシステインまたはホモシステイン
のチオールエーテル;
フェニルアラニン、トリプトファン、および環置換αアミノ酸(例えば、フェ
ニル−またはシクロヘキシルアミノ酸α−アミノフェニル酢酸、α−アミノシク
ロヘキシル酢酸、およびα−アミノ−β−シクロヘキシルプロピオン酸;アリー
ル、低級アルキル、ヒドロキシ、グアニジノ、オキシアルキルエーテル、ニトロ
、イオウ、またはハロ置換フェニルを含有するフェニルアラニンアナログおよび
誘導体(例えば、チロシン、メチルチロシン、およびo−クロロ、p−クロロ、
3,4−ジクロロ、o−、m−、またはp−メチル、2,4,6−トリメチル、
2−エトキシ−5−ニトロ、2−ヒドロキシ−5−ニトロおよびp−ニトロ−フ
ェニルアラニン);フリル−、チエニル−、ピリジル−、ピリミジニル−、プリ
ニル−、またはナフチル−アラニン;およびトリプトファンアナログおよび誘導
体(キヌレニン、3−ヒドロキシキヌレニン、2−ヒドロキシトリプトファンお
よび4−カルボキシトリプトファンを含む);
α−アミノ置換アミノ酸(サルコシン(N−メチルグリシン)、N−ベンジル
グリシン、N−メチルアラニン、N−ベンジルアラニン、N−メチルフェニルア
ラニン、N−ベンジルフェニルアラニン、N−メチルバリンおよびN−ベンジル
バリンを含む);および
α−ヒドロキシおよび置換α−ヒドロキシアミノ酸(セリン、トレオニン、ア
ロトレオニン、ホスホセリン、およびホスホトレオニンを含む)。
ポリペプチドは、あるアミノ酸モノマーのカルボキシル基が、アミド結合で隣
のアミノ酸モノマーのアミノ基またはイミノ基と結合しているアミノ酸のポリマ
ーである。ポリペプチドとしては、ジペプチド、低分子量ポリペプチド(約15
00−5000MW)、およびタンパク質が挙げられる。タンパク質は、必要に
応じて、3、5、10、50、75、100またはこれ以上の残基を含有し、さ
らに適切にはヒト、動物、植物、または微生物タンパク質と実質的に配列が相同
である。これには、酵素(例えば、ヒドロゲンペルオキシダーゼ)およびKLH
のような免疫原、または抗体、あるいはそれに対する免疫反応が生じることが望
まれる任意のタイプのタンパク質が挙げられる。ポリペプチドの性質および種類
は、非常に広範囲で変化し得る。
ポリペプチドアミデートは、ポリペプチド(投与される動物において免疫原性
でなければ)または本発明の化合物の残余部分上のエピトープのいずれかに対す
る抗体を生じることにおいて、免疫原として有用である。
親の非ペプチジル化合物に結合し得る抗体は、例えば、診断または親化合物の
製造において、混合物から親化合物を分離するために用いられる。親化合物とポ
リペプチドとの結合体は、一般に、非常に相同の動物において、そのポリペプチ
ドよりも免疫原性であり、従ってポリペプチドがより免疫原性になり、これに対
する抗体を生じさせることが促進される。従って、ポリペプチドまたはタンパク
質は、抗体を生じるために一般的に用いられる動物(例えば、ウサギ、マウス、
ウマ、またはラット)において免疫原性である必要は必ずしもないが、最終生成
物である結合体は、少なくとも1種のそのような動物において免疫原性であるべ
きである。ポリペプチドは、必要に応じて、酸性ヘテロ原子に近接する第1残基
と第2残基との間のペプチド結合にペプチド分解性酵素切断部位を有する。この
ような切断部位は、酵素認識構造(例えば、ペプチド分解性酵素により認識され
る特定の残基配列)に隣接する。
本発明のポリペプチド結合体を切断するペプチド分解性酵素は周知であり、そ
して特にカルボキシペプチダーゼを包含する。カルボキシペプチダーゼは、C末
端残基を除去することによりポリペプチドを切断し、そして多くの場合、特定の
C末端配列に特異的である。このような酵素およびそれらの一般的な基質に必要
とされる条件は周知である。例えば、(残基の所定の対および遊離カルボキシル
末端を有する)ジペプチドは、そのα−アミノ基により本明細書中の化合物のリ
ン原子または炭素原子に共有結合する。W1がホスホネートである実施態様にお
いては、このペプチドは、適切なペプチド分解性酵素によって切断され、近接す
るアミノ酸残基のカルボキシルが、ホスホノアミデート結合を自己触媒的に切断
するようになると考えられる。
適切なジペプチジル基(これらの1文字コードにより示される)は、
Figure 2008273948
トリペプチド残基もまた、R6bまたはR6cとして有用である。W1がホスホネ
ートである場合、配列 −X4−pro−X5−(ここで、X4は任意のアミノ
酸残基であり、そしてX5はアミノ酸残基、プロリンのカルボキシルエステル、
または水素である)は、管腔内(luminal)カルボキシペプチターゼによ
って切断され、遊離カルボキシルを有するX4を生じ、これは次にホスホノアミ
デート結合を自己触媒的に切断すると考えられる。X5のカルボキシ基は、必要
に応じて、ベンジルでエステル化される。
ジペプチド種またはトリペプチド種は、腸の粘膜または他の細胞型への輸送に
影響を与え得る公知の輸送特性および/またはペプチダーゼへの感受性に基づい
て選択され得る。α−アミノ基を欠くジペプチドまたはトリペプチドは、腸の粘
膜細胞の刷子縁膜に見出されるペプチド輸送体のための輸送基質である(Bai
、J.P.F.、「Pharm Res.」 9:969−978(1992)
)。従って、輸送に適した(transport competent)ペプチ
ドは、アミデート化合物のバイオアベイラビリティを増強するために用いられ得
る。D立体配置で1つまたはそれ以上のアミノ酸を有するジ−またはトリペプチ
ドもまた、ペプチド輸送に適合し、そして本発明のアミデート化合物中に用いら
れ得る。D立体配置のアミノ酸は、刷子縁に一般的なプロテアーゼ(例えば、ア
ミノペプチダーゼN(EC.3.4.11.2))による加水分解に対するジ−
またはトリペプチドの感受性を低下させるために用いられ得る。さらに、ジ−ま
たはトリペプチドは、あるいは、腸の管腔に見出されるプロテアーゼによる加水
分解に対する相対的な耐性に基づいて選択される。例えば、aspおよび/また
はgluを欠くトリペプチドまたはポリペプチドは、アミノペプチダーゼA(E
C.3.4.11.7)に対する基質としては十分でなく、N末端側に疎水性ア
ミノ酸(leu、tyr、phe、val、trp)のアミノ酸残基を欠くジ−
またはトリペプチドは、エンドペプチダーゼ24.11(EC 3.4.24.
11)に対する基質としては十分でなく、そして遊離カルボキシル末端から2番
目の部分のpro残基を欠くペプチドは、カルボキシペプチダーゼP(EC 3
.4.17)に対する基質としては十分ではない。同様の考察が、サイトゾル、
腎臓、肺、血清および他のペプチダーゼによる加水分解に対して比較的耐性であ
るか、あるいは比較的影響を受けやすいかのいずれかであるペプチドの選択に当
てはまる。このような切断されにくいポリペプチドアミデートは、免疫原性であ
るか、または免疫原を調製するためにタンパク質と結合するために有用である。
本発明の他の実施態様は、式(VII)または(VIII)の組成物、および
その塩、溶媒和物、分割されたエナンチオマー、および精製されたジアステレオ
マーに関する:
Figure 2008273948
ここで、E1、G1、T1、U1、J1、J1a、J2およびJ2aは、以下を除き、上
記で定義された通りである:
1は−NR13、ヘテロ環、またはG1と一緒になって以下の構造を有する基
を形成する
Figure 2008273948
1は、結合、−O−、−N(H)−、−N(R5)−、−S−、−SO−、ま
たは−SO2−である;但し、U1がHまたは−CH2CH(OH)CH2(OH)
である化合物を除く。
上記に詳細に記載された式(I)−(VI)の代表的または通常の各々の実施
態様もまた、式(VII)および(VIII)の代表的実施態様である。
式(VII)および(VIII)(ここで、U1はHまたは−CH2CH(OH
)CH2(OH)である)の多くの化合物の合成は、Nishimura、Yら
;J. Antibiotics、1993、46(2)、300;46(12
)、1883;およびNat. Prod. Lett. 1992、1(1)
、39で提供されている。本発明のU1基の付着は、それらに記載されたように
行われる。
立体異性
本発明の化合物は、任意のまたは全ての不斉原子で富化または分割された光学
異性体ある。例えば、表記から明らかなキラル中心体は、キラル異性体またはラ
セミ混合物ととして提供される。ラセミおよびジアステレオマー混合物の両方、
および単離あるいは合成され、エナンチオマーのもう一方あるいはジアステレオ
マーのもう一方が実質的に存在しない個々の光学異性体は、全て本発明の範囲内
である。ラセミ混合物は、その個々の実質的に光学的に純粋な異性体に、周知の
方法(例えば、光学活性な補助体(例えば、酸または塩基)を用いて形成された
ジアステレオマー塩を分離し、次いで光学活性物質に戻す方法)によって分離さ
れる。ほとんどの場合、所望の光学異性体は、(所望の出発物質の適切な立体異
性体を用いて開始する)立体特異的反応によって合成される。
本発明の化合物の例示的な立体化学を以下の表Cに述べる。
Figure 2008273948
本発明の化合物は、特定の場合、互変異性体として存在し得る。例えば、イミ
ダゾール、グアニジン、アミジン、およびテトラゾール系については、エン−ア
ミン互変異性体が存在し得、そして全ての可能な互変異性形態は本発明の範囲内
である。
(例示的に列挙された化合物)
例示を目的とし、制限を目的とせず、実施態様の化合物は、以下の表形式(表
6)で命名される。一般に、各々の化合物は置換された核として表され、核が大
文字で示され、そして各々の置換基は、小文字、または数字の順で示される。表
1aおよび表1bは、主として環の不飽和の位置および環置換基の性質によって
異なる核の一覧表である。各々の核には、表1aおよび表1bからのアルファベ
ット記号が与えられ、そしてこの記号が、各々の化合物の名称の最初にくる。同
様に、表2a〜av、3a〜b、4a〜c、および5a〜dは、選択されたQ1
、Q2、Q3、およびQ4置換基を同様に文字および数字の記号で示して列挙する
。従って各々命名された化合物は、表1a〜1bからの核を示す大文字、次いで
1置換基を示す数字、Q2置換基を示す小文字、Q3置換基を示す数字、および
4置換基を示す小文字(単数または複数)により表記される。従って、スキー
ム1の構造8は、A.49.a.4.iと表される。Q1〜Q4は、基や原子を表
すのではなく、単に連結した(connectivity)記号であると理解さ
れるべきである。
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(塩および水和物)
本発明の組成物は、必要に応じて、本明細書中の化合物の塩、特に、例えば、
Na+、Li+、K+、Ca++、およびMg++を含む薬学的に受容可能な非毒性の
塩を含む。このような塩はアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンま
たはアンモニウムイオンおよび第四級アミノイオンのような適切なカチオンと酸
アニオン部分(代表的にはW1基カルボン酸)との組合せに由来する塩を包含し
得る。水溶性塩が所望であるならば一価の塩が好ましい。
代表的には、金属塩は、金属水酸化物と本発明の化合物との反応により調製さ
れる。このような方法により調製される金属塩の例は、Li+、Na+、およびK
+を含む塩である。より小さい可溶性の金属塩は、適切な金属化合物の添加によ
り、より大きい可溶性の塩の溶液から沈澱する。
さらに、塩は特定の有機酸および無機酸(例えば、HCl、HBr、H2SO4
、または有機スルホン酸)の塩基中心(代表的にはG1基のアミン、またはE1
ような酸性基)への酸付加から形成され得る。最後に、本明細書の組成物が、非
イオン化形態ならびに両性イオンの形態の本発明の化合物、および水和物におけ
るような化学量論量の水との組み合わせを含むことが理解される。
親化合物と1つまたはそれ以上のアミノ酸との塩もまた、本発明の範囲内に包
含される。上記のアミノ酸(特に、タンパク質の成分として見出される天然に存
在するアミノ酸)のいずれもが適切であるが、代表的にはアミノ酸は、塩基性基
または酸性基の側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、またはグ
ルタミン酸)、または中性基の側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、セリ
ン、スレオニン、アラニン、イソロイシン、またはロイシン)である。
(ノイラミニダーゼの阻害の方法)
本発明の別の局面は、ノイラミニダーゼの活性を阻害する方法に関し、ノイラ
ミニダーゼを含有する疑いのあるサンプルを本発明の化合物で処理する工程を包
含する。
本発明の組成物は、ノイラミニミダーゼのインヒビターとして、このようなイ
ンヒビターの中間体として作用するか、または下記のような別の有用性を有する
。インヒビターはノイラミニダーゼに独特のジオメトリを有するノイラミニダー
ゼの表面上または空洞中の位置に結合する。ノイラミニダーゼと結合する組成物
は、種々の可逆性の程度で結合し得る。実質的に不可逆的に結合するそれらの化
合物は、本発明のこの方法において使用するに理想的な候補である。一旦標識さ
れると、実質的に不可逆的に結合する組成物は、ノイラミニダーゼの検出のため
のプローブとして有用である。したがって、本発明はノイラミニダーゼを含有す
る疑いのあるサンプルにおいてノイラミニダーゼを検出する方法に関し、以下の
工程を包含する:ノイラミニダーゼを含む疑いのあるサンプルを標識と結合した
本発明の化合物を含有する組成物で処理する工程;および、この標識の活性に対
するサンプルの効果を観察する工程。適切な標識は、診断の分野において周知で
あり、安定なフリーラジカル、蛍光物質、放射性同位元素、酵素、化学発光基、
および色素原が挙げられる。本明細書中の化合物は、水酸基またはアミノ基のよ
うな官能基を用いて従来の様式で標識される。
本発明の文脈内で、ノイラミニダーゼを含有する疑いのあるサンプルは、天然
物質または人工物質(例えば、生きている生物);組織または細胞培養物;生物
学的物質サンプル(血液、血清、尿、脳脊髄液、涙、痰、唾液、組織サンプルな
ど)のような生物学的サンプル;実験室サンプル;食物、水、または空気サンプ
ル;生物産物(例えば、細胞抽出物、特に所望の糖タンパク質を合成する組換え
細胞)などが挙げられる。代表的には、サンプルは、ノイラミニダーゼを産生す
る生物(頻繁にはウイルスのような病原性生物)を含む疑いがある。サンプルは
任意の培地(水、および有機溶媒/水混合物を含む)中に含まれ得る。サンプル
は、ヒトのような生きている生物体、および細胞培養のような人工物質を含む。
本発明の処置工程は、本発明の組成物をサンプルへ添加する工程を包含するか
、または組成物の前駆物質をサンプルに添加する工程を包含する。添加工程は、
上記のような任意の投与方法を包含する。
所望であれば、組成物の適用後のノイラミニダーゼの活性は、ノイラミニダー
ゼ活性の直接的または間接的検出方法を包含する任意の方法により観察され得る
。ノイラミニダーゼ活性を測定する定量的、定性的、および半定量的方法が全て
意図される。代表的には、上記のスクリーニング方法の1つが適用されるが、生
きている生物の生理学的特性の観察のような他の任意の方法もまた適用可能であ
る。
ノイラミニダーゼを含有する生物としては、細菌(Vibrio chole
rae、Clostridium perfringens、Streptoc
occus pneumoniae、およびArthobacter sial
ophilus)およびウイルス(特に、オルトミクソウイルスまたはパラミク
ソウイルス(例えば、インフルエンザウイルスAおよびB、パラインフルエンザ
ウイルス、ムンプスウイルス、ニューカッスル病ウイルス、家禽ペスト、および
センダイウイルス))が挙げられる。任意のこれらの生物から得られる、または
見出されるノイラミニダーゼ活性の阻害は、本発明の目的内である。インフルエ
ンザウイルスのウイルス学は、「Fundamental Virology」
(Raven Press, New York, 1986)、第24章に記
載される。本発明の化合物は、動物(例えば、カモ、ゲッ歯動物、またはブタ)
における、あるいはヒトにおけるこのような感染の処置または予防に有用である
しかし、インフルエンザウイルスを阻害し得る化合物のスクリーニングにおい
て、Chandlerら、上述の表1に示すように、酵素アッセイの結果が細胞
培養アッセイと相関し得ないことを留意すべきである。したがって、プラーク減
少アッセイは、一次スクリーニングの手段であるべきである。
(ノイラミニダーゼインヒビターのスクリーニング)
本発明の組成物は、酵素活性を評価するための任意の従来の技術によりノイラ
ミニダーゼに対する阻害活性についてスクリーニングされる。本発明の文脈内で
、代表的には組成物は、最初にインビトロでのノイラミニダーゼの阻害について
スクリーニングされ、次いで、阻害活性を示す組成物がインビボでの活性につい
てスクリーニングされる。約5×10-6M未満の、代表的には約1×10-7M未
満の、好ましくは約5×10-8M未満のインビトロKi(阻害定数)を有する組
成物が、インビボでの使用に好ましい。
有用なインビトロスクリーニングが詳細に記載されており、本明細書では詳述
しない。しかし、Itzstein, M,vonら;「Nature」, 3
63(6428): 418−423 (1993)、特に420頁第2欄第3
段落全体〜421頁第2欄第1段落の一部までに、Chong,A.K.J.ら
;「Biochem. Biophys. Acta」, 1077:65−7
1 (1991)により改変されたPotier, M.ら;「Analyt.
Biochem.」, 94:287−296 (1979) の適切なイン
ビトロアッセイが記載されており;そしてColman,P.M.ら;国際公開
番号WO 92/06691( 国際出願番号PCT/AU90/00501号
、公開日1992年4月30日)の34頁13行〜35頁16行は、別の有用な
インビトロスクリーニングを記載している。
インビボスクリーニングもまた、詳細に記載されており(Itzutein,
M. vonら;上掲載中, 特に421頁第2欄第1段落全体〜423頁第
2欄第1段落の一部分までを参照のこと)、そしてCloman,P.M.ら;
上記掲載中, 36頁1行〜38行は、適切なインビボスクリーニングを記載し
ている。
(薬学的処方物および投与経路)
本発明の化合物は、通常の実施に合うように選択される従来のキャリアおよび
賦形剤とともに処方される。錠剤は、賦形剤、滑剤(glidant)、充填剤
、結合剤などを含有する。水性処方物は、滅菌形態で調製され、そして、経口投
与以外による送達について意図される場合、一般的に等張性である。全ての処方
物は、必要に応じて、「Handbook of Pharmaceutica
l Excipients」(1986)に記載のような賦形剤を含む。賦形剤
としては、アスコルビン酸および他の抗酸化剤、EDTAのようなキレート剤、
デキストリンのような炭水化物、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシア
ルキルメチルセルロース、ステアリン酸などが挙げられる。処方物のpHは、約
3〜約11の範囲であるが、通常は約7〜10である。
本発明の1つまたはそれ以上の化合物(本明細書では活性成分という)は、処
置される状態に適切な任意の経路により投与される。適切な経路としては、経口
、直腸、鼻、局所(口腔内、舌下を含む)、膣、および非経口(皮下、筋肉内、
静脈内、皮膚内、髄腔内、および硬膜外を含む)などが挙げられる。好ましい経
路は、例えば、受容者の状態で変化し得ることが理解される。本発明の化合物の
利点は、それらが経口的にバイオアベイラブルであり、そして経口的に投与され
得ることであり;肺内経路または鼻内経路によりそれらを投与する必要はない。
驚くべきことに、WO91/16320号、WO92/06691号、および米
国特許第5,360,817号の抗インフルエンザ化合物は、経口経路または腹
腔内経路により首尾良く投与される。以下の実施例161を参照のこと。
活性成分について単独で投与することは可能であるが、それらが薬学的組成物
として存在することが好ましくあり得る。獣医学のためのおよびヒトの使用のた
めの両方のための本発明の処方物は、上記で定義した少なくとも1つの活性成分
を、それらための1つまたはそれ以上の受容可能なキャリアおよび必要に応じて
他の治療成分とともに含む。1つまたは複数のキャリアは、処方物の他の成分に
適合性である観点から「受容可能」であり、そしてその受容者に対して生理学的
に無害でなくてはならない。
処方物は、前述の投与経路に適切な処方物を含む。処方物は、単位投与形態に
おいて便利よく存在し得、そして薬学の分野において周知の任意の方法により調
製され得る。技術または処方物は、一般的に、Remington’s Pha
rmaceutical Sciences(Mack Publishing
Co., Easton, PA)に見出される。このような方法は、活性成
分を1つ以上の副成分と構成するキャリアとを会合させる工程を包含する。一般
に、処方物は、活性成分と液体キャリアまたは細かく分割された固体キャリア、
あるいはその両方とを均等におよび完全に(intimately)会合させ、
必要であればその生成物を成形することにより調製される。
経口投与に適切な本発明の処方物は、所定の量の活性成分を含む、カプセル剤
、カシェ剤、または錠剤のような分離された単位として;粉剤または顆粒剤とし
て;水性液体または非水性液体中の溶液または懸濁液として;あるいは水中油型
液体エマルジョンまたは油中水型液体エマルジョンとして調製される。活性成分
はまた、ボーラス剤、舐剤、またはパスタ剤として存在し得る。
錠剤は、必要に応じて、1つまたはそれ以上の副成分とともに、圧縮または
成形により作製される。圧縮錠剤は、粉末または顆粒のような自由に流動する形
態の活性成分を、適切な機械で圧縮することにより調製され得、必要に応じて、
結合剤、滑沢剤、不活性な希釈剤、保存剤、表面活性剤または分散剤と混合され
る。湿製錠剤は、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末化された活性成分の混合物
を、適切な機械で成形することにより作製され得る。錠剤は、必要に応じてコー
トされ得るか、または刻み目がつけられ得、そして必要に応じて、錠剤から活性
成分を遅延してまたは制御して放出するように処方される。
眼または他の外面の組織(例えば、口および皮膚)の感染に対して、処方物は
、好ましくは、例えば、(0.1%w/wの増加量(例えば、0.6%w/w、
0.7%w/wなど)で0.1%と20%との間の範囲で1つまたは複数の活性
成分を含む)0.075〜20%w/wの量で、好ましくは0.2〜15%w/
w、および最も好ましくは0.5〜10%w/wの量で活性成分(1つまたは複
数)を含有する局所軟膏またはクリームとして適用される。軟膏において処方さ
れる場合、活性成分は、パラフィン軟膏基剤、または水混和性軟膏基剤のいずれ
かとともに処方される。あるいは、活性成分は、水中油クリーム基剤とともにク
リーム中に処方され得る。
所望であれば、クリーム基剤の水相は、例えば、少なくとも30%w/wの多
価アルコール、すなわち、2つまたはそれ以上の水酸基を有するアルコール(例
えば、プロピレングリコール、ブタン1,3−ジオール、マンニトール、ソルビ
トール、グリセロール、およびポリエチレングリコール(PEG400を含む)
)、およびこれらの混合物を包含し得る。局所用処方物は、望ましくは、皮膚ま
たは他の罹患領域を介する活性成分の吸収または浸透を増強する化合物を含み得
る。このような皮膚の浸透増強剤の例は、ジメチルスルホキシドおよび関連アナ
ログを含む。
本発明のエマルジョンの油相は、公知の方法で公知の成分から構成され得る。
この相は乳化剤(そうでなければ、エマルジェント(emulgent)として
知られる)のみを含み得るが、望ましくは、少なくとも1つの乳化剤と脂肪また
は油との混合物、あるいは脂肪および油の両方との混合物を含む。好ましくは、
親水性乳化剤が安定剤として作用する親油性乳化剤とともに含まれる。また、油
と脂肪の両方を含むことが好ましい。同時に、安定剤(1つまたは複数)を含む
または含まない1つまたは複数の乳化剤は、いわゆる乳化ワックスを作製し、そ
してこのワックスは油および脂肪とともにいわゆる乳化軟膏基剤を作製して、こ
れはクリーム処方物の油性分散相を形成する。
本発明の処方物における使用に適切なエマルジェントおよびエマルジョン安定
剤には、TweenR60、SpanR80、セトステアリルアルコール、ベンジ
ルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、およびラ
ウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
処方物に適切な油または脂肪の選択は、所望の香粧品特性を達成することに基
づく。クリームは、好ましくは、チューブまたは他の容器からの漏出を避けるた
めの適切な稠度を有する非油脂性、非着色性、および洗浄可能な製品であるべき
である。直鎖または分枝鎖、一塩基性または二塩基性アルキルエステル(例えば
、ジイソアジペート、イソセチルステアレート、ヤシ脂肪酸のプロピレングリコ
ールジエステル、イソプロピルミリステート、デシルオレエート、イソプロピル
パルミテート、ブチルステアレート、2−エチルヘキシルパルミテート、または
Crodamol CAPとして公知の分枝鎖エステルのブレンド)が使用され
得、最後の3つが好ましいエステルである。これらは、必要とされる特性に応じ
て、単独または組合せて用いられ得る。あるいは、高融点脂質(例えば、白色軟
パラフィンおよび/または液体パラフィン)または他の鉱油が使用される。
眼への局所投与に適切な処方物はまた、点眼薬を含み、ここで活性成分は活性
成分のための適切なキャリア(特に、水性溶媒)に溶解または懸濁される。活性
成分は好ましくは、0.5〜20%の、好都合には0.5〜10%、特に約1.
5%w/wの濃度でこのような処方物中に存在することが好ましい。
口における局所投与に適切な処方物には、香料基剤(通常はスクロースおよび
アカシアまたはトラガカント)中に活性成分を含有するトローチ剤(lozen
ge);不活性基剤(例えば、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースお
よびアカシア)中に活性成分を含有するトローチ剤(pastille);およ
び適切な液体キャリア中に活性成分を含む洗口剤が挙げられる。
直腸投与用の処方物は、例えば、ココアバターまたはサリチレートを含む適切
な基剤とともに坐剤として存在し得る。
肺内投与または鼻投与に適切な処方物は、例えば、0.1〜500ミクロンの
範囲で(0.5、1、30ミクロン、35ミクロンなどのようなミクロンの増加
で、0.1と500ミクロンとの間の範囲における粒子サイズを含む)で粒子サ
イズを有し、これは肺胞嚢に達するように鼻経路を介する迅速な吸入により、ま
たは口を介する吸入により投与される。適切な処方物は、活性成分の水性溶液ま
たは油性溶液を含む。エアゾール投与または乾燥粉末投与に適切な処方物は、従
来の方法によって調製され得、そして以下に記載のようなインフルエンザAまた
はB感染の処置または予防に使用される本明細書中前記の化合物のような他の治
療剤とともに送達され得る。
膣投与に適切な処方物は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、パスタ、
泡またはスプレー処方物として存在し得、活性成分に加えて、当該分野において
適切であることが知られているようなキャリアを含有する。
非経口投与に適切な処方物は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、およびこの処方物
を意図した受容者の血液と等張にする溶質を含み得る水性および非水性滅菌注射
溶液;ならびに、懸濁化剤および濃稠化剤を含み得る水性および非水性滅菌懸濁
液を含む。
処方物は、単位用量または多数回用量容器(例えば、密封されたアンプルおよ
びバイアル)中に存在し、そして使用直前に滅菌液体キャリア(例えば、注射用
水)の添加のみを必要とする凍結乾燥状態で保管され得る。即時の注射溶液およ
び懸濁液は、既に記載された種類の滅菌された粉末、顆粒剤および錠剤から調製
される。好ましい単位用量の処方物は、本明細書中上記のような日用量または日
単位分割用量、あるいはそれらの適切な画分の活性成分を含む処方物である。
上記の特に記載した活性成分に加えて、本発明の処方物が、問題の処方物のタ
イプを考慮して当該分野における従来の他の薬剤を含み得ることが理解されるべ
きである。例えば、経口投与に適切な薬剤は矯味剤を含み得る。
本発明はさらに、上記で定義したような少なくとも1つの活性成分とともにそ
のための獣医学的キャリアを含む獣医学的組成物を提供する。
獣医学的キャリアは、組成物の投与の目的に有用な物質であり、固体、液体、
または気体物質であり得、これらはそうでなければ、不活性であるかまたは獣医
学的技術において受容可能であり、そして活性成分に適合性である。これらの獣
医学的組成物は、経口的に、非経口的にまたは任意の他の所望の経路により投与
され得る。
本発明の化合物は、活性成分として1つまたはそれ以上の本発明の化合物を含
有する制御放出薬学的処方物(「制御放出処方物」)を提供するために使用され
る。この中で活性成分の放出は制御および調節されて、少ない投与頻度可能にし
、または所定の活性成分の薬物動力学プロフィルまたは毒性プロフィルを改良す
る。
活性成分の有効用量は、少なくとも処置される状態の性質、毒性、化合物が予
防的に使用(低用量)されるかまたは活性なインフルエンザ感染に対して使用さ
れ得るか、送達方法、および薬学的処方物に依存し、そして従来の用量漸増研究
を用いて臨床医により決定される。1日当たり約0.0001〜約100mg/
kg体重であると予測され得る。代表的には、1日当たり約0.01〜約10m
g/kg体重である。より代表的には、1日当たり約0.01〜約5mg/kg
体重である。より代表的には1日当たり約0.05〜約0.5mg/kg体重で
ある。例えば、吸入のための毎日の候補用量は、約70kg体重の成人ヒトにつ
いて1mg〜1000mgの範囲であり、好ましくは5mgと500mgとの間
であり、そして単回または複数回の用量の形態であり得る。
本発明の活性成分はまた、他の活性成分と組み合わせて使用される。このよう
な組み合わせは処置される状態、成分の交差反応性、および組み合わせの薬学的
特性に基づいて選択される。例えば、呼吸器系のウイルス感染(特にインフルエ
ンザ感染)を処置する場合、本発明の組成物は、抗ウイルス剤(アマンチジン、
リマンタジン、およびリバビリン)、粘液溶解剤(mucolytic)、去痰
薬、気管支拡張薬、抗生物質、解熱剤、または鎮痛薬と組み合わされ得る。通常
、抗生物質、解熱剤、および鎮痛薬は、本発明の化合物とともに投与される。
(本発明の化合物の代謝物)
本明細書中に記載される化合物のインビボ代謝産物はまた、このような産物が
先行文献から新規および非自明である範囲まで本発明の範囲内である。このよう
な産物は、投与される化合物の、例えば、酸化、還元、加水分解、アミド化、エ
ステル化などから主に酵素的プロセスにより生じる。したがって、本発明は、本
発明の化合物を、その代謝産物を生じるに十分な期間、哺乳動物と接触させる工
程を包含するプロセスにより生成される新規および非自明な化合物を含む。この
ような産物は、代表的には、放射標識(例えば、C14またはH3)された本発明
の化合物を調製し、検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kgを超える)で
動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、サル)、またはヒトに非経口的に
投与し、十分な時間(代表的には、約30秒〜30時間)代謝してその転換産物
を生じさせ、そして尿、血液、または他の生物学的サンプルから単離することに
より同定される。これらの産物は、それらが標識されているので、容易に単離さ
れる(その他は、代謝物中に残存するエピトープに結合し得る抗体の使用により
単離される)。代謝物の構造は、従来の様式(例えば、MSまたはNMR分析)
において決定される。一般的に、代謝物の分析は当業者に周知の従来の薬物代謝
研究と同様の方法で行われる。転換産物は、他にインビボで見出されない限り、
それら自体のノイラミニダーゼ阻害活性を有さない場合でも、本発明の化合物の
治療用量についての診断アッセイに有用である。
(本発明の化合物の別の使用)
本発明の化合物、あるいは加水分解またはインビボでの代謝によりこれらの化
合物から生じる生物学的に活性な物質は、免疫原として使用されるか、またはタ
ンパク質の結合のために使用される。それにより本発明の化合物は免疫原性組成
物の成分として作用して、免疫学的に認識されるエピトープ(抗体結合部位)を
保持するタンパク質、化合物、またはその代謝産物に特異的に結合し得る抗体を
調製する。それゆえ、免疫原性組成物は、診断、品質管理などの方法、あるいは
化合物またはそれらの新規な代謝産物についてのアッセイにおける使用のために
抗体を調製する中間体として有用である。化合物は、そうでなければ、非免疫原
性のポリペプチドに対して惹起する抗体について有用である。つまり、化合物は
、改変されていない結合タンパク質と交差反応する免疫応答を刺激するハプテン
部位として作用する。
目的の加水分解産物は、上記の保護された酸性基または塩基性基の加水分解の
産物を含む。上記のように、アルブミンまたはキーホールリンペットヘモシアニ
ンのような免疫原性ポリペプチドを含む酸性アミドまたは塩基性アミドは、一般
に、免疫原として有用である。上記の代謝産物は、本発明の化合物との実質的な
程度の免疫学的交差反応性を保持し得る。したがって、本発明の抗体は、保護さ
れた化合物に結合せずに本発明の保護されていない化合物に結合し得る;あるい
は、代謝産物は、本発明の保護された化合物に結合せずに、保護された化合物お
よび/または代謝産物に結合し得るか、または任意の1つまたは3つ全てに特異
的に結合し得る。望ましくは、抗体は天然に存在する物質と実質的に交差反応し
ない。実質的な交差反応性は、アッセイの結果を妨げるに十分な特異的分析物に
ついての特異的アッセイ条件下で反応性である。
本発明の免疫原は、免疫原性基質と会合する所望のエピトープを提示する本発
明の化合物を含む。本発明の文脈内で、このような会合は共有結合を意味し、免
疫原性の結合体(適用可能な場合)または非共有結合した物質の混合物、あるい
は上記の組合せを形成する。免疫原性物質には、アジュバント(例えば、フロイ
ントアジュバント)、免疫原性タンパク質(例えば、ウイルス、細菌、酵母、植
物、および動物のポリペプチド、特に、キーホールリンペットヘモシアニン、血
清アルブミン、ウシチログロブリンまたはダイズトリプシンインヒビター)、お
よび免疫原性ポリサッカライドが挙げられる。代表的には、所望のエピトープの
構造を有する化合物は、多官能性(通常は二官能性)架橋剤を使用することによ
り、免疫原性ポリペプチドまたはポリサッカライドに共有結合される。ハプテン
免疫原を製造する方法は、それ自体一般的であり、そしてハプテンを免疫原性ポ
リペプチドなどに結合するための以前から使用される任意の方法が、架橋に利用
可能である前駆体または加水分解産物上の官能基または、および免疫原性物質と
は対照的に問題となるエピトープに特異的な抗体を生成する可能性を考慮に入れ
て、本発明でも適切に用いられる。
代表的には、ポリペプチドは、認識されるべきエピトープから離れた本発明の
化合物上の部位に結合する。
結合体は、従来の様式で調製される。例えば、架橋剤であるN−ヒドロキシス
クシンイミド、無水コハク酸、またはalkN=C=Nalkは、本発明の結合
体を調製するのに有用である。結合体は、1〜100個、代表的には、1〜25
個、より代表的には1〜10個の炭素原子の結合または結合基により免疫原性物
質に対して付着した本発明の化合物を含む。この結合体は、クロマトグラフィー
などを用いて出発物質および副生成から分離され、次いで滅菌濾過され、そして
保管のためにバイアルに入れる。
本発明の化合物は、例えば、任意の1つまたはそれ以上の以下の基を介して架
橋される:U1の水酸基;E1のカルボキシル基、 U1、E1、G1、またはT1
炭素原子(Hの置換において);およびG1のアミン基。ポリペプチドのアミド
はこのような化合物内に含まれ、ここでポリペプチドは上記のR6c基またはR6b
基として作用する。
動物は、代表的には、従来の様式で調製された免疫原性結合体または誘導体、
および抗血清またはモノクローナル抗体に対して免疫される。
本発明の化合物は、組換え細胞培養における糖タンパク質の構造完全性を維持
するために有用である。すなわち、糖タンパク質が回収のために産生される発酵
に添加されて、所望の糖タンパク質のノイラミニダーゼで触媒される切断を阻害
する。これは、合成されるタンパク質の糖質部分を不利に減成し得る異種宿主細
胞における、タンパク質の組換え合成に特に価値がある。
本発明の化合物は多官能性である。それ自体で本発明の化合物はポリマーの合
成について独特のクラスのモノマーを示す。例として、本発明の化合物から調製
されるポリマーはポリアミドおよびポリエステルを含むが、これらに限定されな
い。
本発明の化合物は、モノマーとして使用され、独特のペンダント官能基を有す
るポリマーへのアクセスを提供する。本発明の化合物は、ホモポリマーにおいて
、または本発明の範囲内に入らないモノマーとのコモノマーとして有用である。
本発明の化合物のホモポリマーは、モレキュラーシーブ(ポリアミド)、織物、
繊維、フィルム、成形品などの調製において、カチオン交換剤(ポリエステルま
たはポリアミド)としての有用性を有する。ここでは酸機能性E1が、U1中の水
酸基にエステル化され、例えば、それによりペンダント塩基性基G1が、精製が
所望されるポリペプチド中に見出されるような酸性官能基を結合し得る。ポリア
ミドは、E1およびG1をU1と架橋することにより調製され、そして環の近隣の
部分は、親水性親和性基または疎水性親和性基として機能するために遊離のまま
であり、U1基の選択に依存している。本発明の化合物からのこれらのポリマー
の調製は、それ自身は従来のものである。
本発明の化合物はまた、独特のクラスの多官能性界面活性剤として有用である
。特にU1が親水性置換基を含まず、そして例えば、アルキルまたはアルコキシ
である場合、化合物は二官能性界面活性剤の特性を有する。このように、これら
は有用な界面活性剤特性、表面コート特性、エマルジョン改変特性、レオロジー
改変特性、および表面湿潤特性を有する。
定義されたジオメトリを有し、そして極性部分および非極性部分を同時に有す
る多官能性化合物であるので、本発明の化合物は独特のクラスの相転移剤(ph
ase transfer agent)として有用である。例として、本発明
の化合物は、相転移触媒反応および液/液イオン抽出(LIX)において有用で
あるが、これらに限定されない。
本発明の化合物は、必要に応じてU1、E1、G1、およびT1基中に不斉炭素原
子を含有する。このように、これらは、他の光学活性物質の合成または分割に用
いるための独特のクラスのキラルな補助剤である。例えば、カルボン酸のラセミ
混合物は、その成分のエナンチオマーに以下の工程により分割され得る:1)ジ
アステレオマーのエステルまたはアミドと本発明の化合物との混合物を形成する
こと(ここで、U1は不斉なヒドロキシアルカン基またはアミノアルカン基);
2)ジアステオマーを分離すること;および3)エステル構造を加水分解するこ
と。ラセミのアルコールはE1の酸基とのエステル形成により分離される。さら
に、このような方法は、光学的に活性な酸またはアルコールがラセミの出発物質
の代わりに使用される場合、本発明の化合物自身を分割するために使用され得る
本発明の化合物は、親和性吸着マトリックス、プロセス制御のための固定化酵
素、またはイムノアッセイ試薬を調製する際にリンカーまたはスペーサーとして
有用である。本明細書の化合物は、所望の物質を架橋するための部位として適切
である多様な官能基を含む。例えば、親和性試薬(例えば、ホルモン、ペプチド
、抗体、薬物など)を不溶性基質に結合することは習慣的である。これらの不溶
化された試薬は、公知の様式で用いられ、製造された調製物、診断サンプル、お
よび他の不純な混合物から、親和性試薬に対する結合パートナーを吸収する。同
様に、固定化酵素は、酵素の容易な回収を伴う触媒転換を行うために使用される
。二官能性化合物は、診断試薬の調製において、分析物を検出可能基に結合する
ために通常使用される。
本発明の化合物の多くの官能基が架橋における使用に適切である。例えば、E
1基のカルボキン酸またはホスホン酸は、架橋される試薬のアルコールとともに
エステル、またはアミンとともにアミドを形成するために使用される。OH、N
HR1、SH、アジド(所望であれば、架橋の前にアミノに還元される)、CN
、NO2、アミノ、グアニジノ、ハロなどで置換されるG1部位は、適切な部位で
ある。反応基の適切な保護が、架橋された試薬を組み立てる間に必要であれば、
本発明の二官能性化合物の重合を妨げるために用いられる。一般に、本明細書の
化合物はカルボン酸またはホスホン酸を介して第一の結合パートナーの水酸基ま
たはアミノ基にそれらを結合し、次いでT1基またはG1基を介して別の結合パー
トナーに共有結合されることにより使用される。例えば、第一の結合パートナー
(例えば、ステロイドホルモン)は、本発明の化合物のカルボン酸にエステル化
され、次いでこの結合体はG1水酸基を介して臭化シアン活性化Sepahar
oseに架橋される。これにより固定化ステロイドが得られる。結合に対する別
の化学は周知である。例えば、Maggio「Enzyme−Immunoas
say」(CRC、1988、71−135頁)およびそこで引用されている参
考文献を参照のこと。
上記のように、本発明の治療的に有用な化合物(ここで、W1、またはG1カル
ボキシル基、水酸基、またはアミノ基が保護されている)は、経口形態または持
続性放出形態として有用である。これらの使用において、保護基はインビボで除
去される(例えば、加水分解または酸化されて、遊離カルボキシル、アミノ、ま
たはヒドロキシルを生じる)。この使用に適切なエステルまたはアミドは、前駆
体の加水分解が所望される細胞内に見出されることが予想されるエステラーゼお
よび/またはカルボキシペプチダーゼの基質特異性に基づいて選択される。これ
らの酵素の特異性が知られていない限りは、所望の基質特異性が見出されるまで
、本発明の化合物の複数をスクリーニングする。これは、遊離の化合物または抗
ウイルス活性の出現から明白である。一般的に、本発明の化合物のアミドまたは
エステルが選択される。これらは、(i)上部消化管中で加水分解されないかま
たは比較的緩やかに加水分解され、(ii)消化管または細胞浸透性であり、そ
して(iii)細胞の細胞質および/または全身の循環中で加水分解される。ス
クリーニングアッセイは、好ましくは、インフルエンザの感染の疑いがある特定
の組織からの細胞(例えば、気管支肺気管の粘膜)を使用する。当該分野におい
て公知のアッセイは、インビボのバイオアベイラビリティーを決定するのに適切
であり、腸管腔安定性アッセイ、細胞浸透性アッセイ、肝臓ホモジネート安定性
アッセイ、および血漿安定性アッセイが挙げられる。しかし、エステル、アミド
、または他の保護された誘導体が、インビボで遊離のカルボキシル基、アミノ基
、または水酸基に転換されない場合であっても、それらはなお化学中間体として
有用である。
(本発明の化合物を作製する例示的な方法)
本発明はまた、本発明の組成物を作製する方法に関する。組成物は、任意の適
用可能な有機合成の技術により調製される。多くのこのような技術は当該分野で
周知である。しかし、公知の方法の多くが、「Compendium of O
rganic Synthetic Methods」(John Wiley
& Sons, New York)、第1巻、Ian T. Harris
on および Shuyen Harrison, 1971;第2巻、Ian
T. Harrison および Shuyen Harrison, 19
74;第3巻、Louis S. Hegedus および Leroy Wa
de, 1977;第4巻、Leroy G. Wade, jr., 198
0; 第5巻、Leroy G. Wade, jr., 1984; および
第6巻、Michael B.Smith;ならびにMarch, J.,「A
dvanced Organic Chemistry, 第3版」、(Joh
n Wiley & Sons, New York, 1985)、「Com
prehensive Organic Synthesis. Select
ivity, Strategy & Efficiency in Mode
rn Organic Chemistry. 第9巻」、Barry M.T
rost、編集主任 (Pergamon Press, New York,
1993出版)に詳述されている。
本発明の組成物の調製のための多くの例示的な方法が、以下に提供される。こ
れらの方法は、このような調製物の性質を例示するために意図され、適用可能な
方法の範囲を制限することを意図しない。
一般的に、反応条件(例えば、温度、反応時間、溶媒、ワークアップ手順など
)は、実施される特定の反応に対して当該分野において通常のものである。引用
される参考物質は、そこで引用された物質とともに、このような条件の詳細な記
載を含む。代表的には、温度は−100℃〜200℃であり、溶媒は非プロトン
性またはプロトン性であり、そして反応時間は10秒〜10日である。ワークア
ップは、代表的には、あらゆる未反応試薬をクエンチした後に、水/有機層系の
間の分配(抽出)をし、そして生成物を含む層を分離することからなる。
酸化反応および還元反応は、代表的には、室温に近い温度(約20℃)で行わ
れるが、金属水素化物の還元については、しばしば温度が0℃〜−100℃まで
低下され、溶媒は代表的には、還元については非プロトン性であり、そして酸化
についてはプロトン性または非プロトン性のいずれかであり得る。反応時間は、
所望の転換が達成されるように調整される。
縮合反応は、代表的には、室温に近い温度で行われるが、非平衡の動力学的に
制御された縮合については、低下した温度(0℃〜−100℃)がまた一般的で
ある。溶媒はプロトン性(平衡化反応において一般的である)または非プロトン
性(動力学的に制御された反応において一般的である)のいずれかであり得る。
標準的な合成技術(例えば、反応副生成物の共沸除去および無水反応条件(例
えば、不活性ガス環境)の使用)は、当該分野において一般的であり、そして適
用可能な場合、適用される。
本発明の化合物を調製する1つの例示的な方法を、以下のスキーム1に示す。
この方法の詳細な説明は以下の実施例の項において見られる。
Figure 2008273948
別の実施態様を形成するためのスキーム1の改変を、スキーム2−4に示す。
Figure 2008273948
(スキーム2)
Utimotoおよび共同研究者「Tetrahedron Lett.」、
31:6379(1990)の手順に従って、アジリジン5は、Yb(CN)3
により触媒されたTMSCNの付加によってアミノニトリル9に転化される。
ニトリル9の対応するアミジン10への転化は、標準的な3つの連続工程:i
)H2S;ii)CH3I;iii)NH4OAcを用いて達成される。代表的な
転化は、「J.Med.Chem.」、36:1811(1993)に見出され
る。
ニトリル9は、「Modern Synthetic Reactions」
第2版 H.O.House, Benjamin/Cummings Pub
lishing Co., 1972において見出される任意の利用可能な方法
を用いて還元することにより、アミノメチル化合物11に転化される。
アミノメチル化合物11は、「Tetrahedron Lett.」、36
:299(1995)において見出される方法に従って、11をN,N’−ビス
−Boc−1H−ピラゾール−1−カルボキシアミンで処理することにより、ビ
ス−Boc保護グアニジノ化合物12に転化される。
Figure 2008273948
(スキーム 3)
アジリジン5は、α−シアノ酢酸t−ブチルエステルで開環することにより1
3を与える。このタイプのアジリジン開環は、「Tetrahedron Le
tt.」、23:5021(1982)において見出される。酸性条件下でのt
−ブチルエステル部分の選択的加水分解と、それに続く脱カルボキシル化により
ニトリル14を与える。
14のアミノエチル誘導体15への還元は、9の11への転化と同様の様式で
達成される。アミン15は次いで、「Tetrahedron Lett.」、
36:299(1995)において見出される方法に従って、N,N’−ビス−
Boc−1H−ピラゾール−1−カルボキシアミジンでグアニジノ誘導体16に
転化される。
ニトリル14は、9の10への転換について上記と同様の順序を用いることに
より、対応するアミジン17に転化される。
Figure 2008273948
(スキーム 4)
エポキシアルコール1は、例えばMOMClで保護される(PG=保護基)。
代表的な条件は「Protective Groups in Organic
Synthesis」第2版、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wu
ts、John Wiley & Sons, New York, NY,1
991に見出される。
エポキシド19は、Sharplessおよび共同研究者、「J.Org.C
hem.」50:1557(1985)の手順に従って、NaN3/NH4Clで
アミノアルコール20に開環される。
20のN−アセチルアジリジン21への還元は、3つの連続した工程:1)M
sCl/トリエチルアミン;2)H2/Pd;3)AcCl/ピリジンにおいて
達成される。このような転換は「Angew. Chem. Int. Ed.
Engl.」,33:599(1994)に見出され得る。
アジリジン21は、「J.Chem.Soc.Perkin Trans I
」、801 (1976)に記載されるように、DMF中、65℃でNaN3
NH4Clを用いて開環することによりアジドアミド22に転化される。
22のMOM保護基の除去は、「Protective Groups in
Organic Synthesis」第2版、T.W.Greene およ
び P.G.M.Wuts,Jhon Wiley & Sons, New
York, NY,1991において記載される方法を用いて達成される。得ら
れるアルコールはピリジン中でTsClを用いてアジリジン24に直接転化され
る。このような転換は「Angew. Chem. Int. Ed. Eng
l.」、33:599(1994)に見出される。
アジリジン24は、次いでROH、RNH2、RSHまたは有機金属(金属−
R)と反応して、それぞれ対応する開環誘導体25、26、27および27.1
を生じる。このタイプのアジリジン開環は、「Tetrahedron Let
t.」23:5021 (1982)および「Angew. Chem. In
t. Ed. Engl.」33:599(1994)に見出される。
(スキーム5)
本発明の別のクラスの化合物は、スキーム5aおよび5bの方法により調製さ
れる。キナ酸はShing,T.K.M.;ら;「Tetrahedron」4
7 (26):4571(1991)の方法により28に転化される。TEA/
CH2Cl2中、MsClを用いるメシル化により29を生じ、29はDMF中、
NaN3と反応して30を生じる。CH2Cl2中での30とTFAとの反応によ
り31が生じ、31はTEA/CH2Cl2中、MsClを用いるメシル化により
32を生じる。水中でトリフェニルフォスフィンと反応して33が生じ、1)ピ
リジン中のCH3C(O)Cl、2)DMF中のNaN3、および3)THF中の
NaHの連続適用により35に転化される。当該分野において一般的な広範な種
々の求核試薬を用いる35のアルキル化は36のような多くの化合物を提供する
。36のような化合物を本発明の他の実施態様にする(elaboration
)ための方法は、上記の方法と同様である。
Figure 2008273948
Figure 2008273948
Figure 2008273948
(スキーム 6)
本発明の化合物の別のクラスは、スキーム6の方法により調製される。保護さ
れたアルコール22(PG=メトキシメチルエーテル)は、「Protecti
ve Groups in Organic Synthesis」第2版、T
.W.Greene および P.G.M.Wuts, John Wiley
& Sons, New York, NY,1991において記載される標
準的な条件下で脱保護される。アルコール51は、標準的な条件下で無水酢酸お
よびピリジンを用いてアセテート52に転化される。アセテート52は、TMS
OTfまたはBF3・OEtで処理されてオキサゾリン53を与える。このよう
な転換は、それぞれ「Liebigs Ann. Chem.」129(199
1)および「Carbohydrate Research」181(1993
)に記載されている。あるいはアルコール51は、対応するメシレートまたはト
シレート23への転換、続いて「J.Org.Chem.」50:1126(1
985)および「J.Chem.Soc」1385(1970)に記載されるよ
うな標準的な条件下でオキサゾリンへと閉環されることによりオキサゾリン53
に転換される。オキサゾリン53は、ROH、RR’NH、またはRSH(ここ
で、RおよびR’は上記W6の定義に一致するように選択される)と反応して、
それぞれ対応する開環誘導体54、55、および56を提供する。このような転
換は、「J.Org.Chem.」49:4889(1984)および「Che
m.Rev.」71:483(1971)に記載されている。
(スキーム 7−35)
本発明の化合物を調製する別の例示的な方法を、下記のスキーム7−35に示
す。方法の詳細な説明は、下記の実施例の項において見出される。
Figure 2008273948
Figure 2008273948
Figure 2008273948
Figure 2008273948
Figure 2008273948
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本発明の組成物の製造および使用方法のさらなる実施態様をスキーム36〜4
0.1に示す。本発明の1つの局面は、スキーム36〜40.1のプロセスA、
B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、
T、U、VまたはWの単独または互いに組み合わせたプロセスを包含する本発明
の化合物の製造方法に関する。表27は、プロセスA〜Wの典型的方法の実施態
様を記載する。各実施態様は、ユニットプロセスA〜Wを単独または組み合わせ
て使用する個々の方法である。表27の各方法の実施態様を、「;」により分け
る。実施態様が1文字表記である場合は、プロセスA〜Wの1つに対応する。実
施態様が1より多い文字である場合は、示された順で連続して行われる各プロセ
スに対応する。
本発明の他の局面は、スキーム36のAとして示される化合物270を調製す
るためにシキミ酸を使用する方法、スキーム36のBとして示される化合物27
1を調製するために化合物270を使用する方法、スキーム36のCとして示さ
れる化合物272を調製するために化合物271を使用する方法、スキーム36
のDとして示される化合物273を調製するために化合物272を使用する方法
、スキーム37のEとして示される化合物274を調製するためにキナ酸を使用
する方法、スキーム37のFとして示される化合物275を調製するために化合
物274を使用する方法、スキーム37のGとして示される化合物276を調製
するために化合物275を使用する方法、スキーム37のHとして示される化合
物272を調製するために化合物276を使用する方法、スキーム38のIとし
て示される化合物277を調製するために化合物273を使用する方法、スキー
ム38のJとして示される化合物278を調製するために化合物277を使用す
る方法、スキーム38のKとして示される化合物279を調製するために化合物
278を使用する方法、スキーム38のLとして示される化合物280を調製す
るために化合物279を使用する方法、スキーム38のMとして示される化合物
281を調製するために化合物280を使用する方法、スキーム39のNとして
示される化合物282を調製するために化合物281を使用する方法、スキーム
39のOとして示される化合物283を調製するために化合物282を使用する
方法、スキーム39のPとして示される化合物284を調製するために化合物2
83を使用する方法、スキーム40のQとして示される化合物285を調製する
ために化合物283を使用する方法、スキーム40のRとして示される化合物2
86を調製するために化合物285を使用する方法、スキーム40.1のSとし
て示される化合物288を調製するために化合物287を使用する方法、スキー
ム40.1のTとして示される化合物289を調製するために化合物288を使
用する方法、スキーム40.1のUとして示される化合物290を調製するため
に化合物289を使用する方法、スキーム40.1のVとして示される化合物2
91を調製するために化合物290を使用する方法、およびスキーム40.1の
Wとして示される化合物292を調製するために化合物291を使用する方法に
関する。
これらの典型的方法の一般的な局面は、以下におよび実施例に記載されている
。以下のプロセスのそれぞれの生成物は、次のプロセスに使用する前に、必要に
応じて、分離、単離、および/または精製される。
「処理される(treated)」、「処理する(treating)」、「
処理(treatment)」などの用語は、接触する、混合する、反応する、
反応させる、接触させる、および1つ以上の化学物質が1つ以上の他の化学物質
に変換されるように処理されることを示すための当該分野で普通の他の用語を意
味する。これは、「化合物1を化合物2で処理する」が、「化合物1を化合物2
と反応させる」、「化合物1を化合物2と接触させる」、「化合物1が化合物2
と反応する」、および化合物1が化合物2と「処理される」、「反応する」、「
反応させる」などのことを正当に示す有機合成の技術分野で普通の他の表現と同
義語であることを意味する。
「処理する」とは、有機化合物が反応する正当なおよび普通の様式を示す。通
常の濃度(0.01M〜10M、代表的には0.1M〜1M)、温度(−100
℃〜250℃、代表的には−78℃〜150℃、より代表的には−78℃〜10
0℃、さらにより代表的には0℃〜100℃)、反応容器(代表的には、ガラス
、プラスチック、金属)、溶媒、圧力、大気(代表的には、酸素および水に不感
応性反応用の空気あるいは酸素または水に感応性用の窒素またはアルゴン)など
が、他に指示がなければ意図される。有機合成の技術分野で公知の同様の反応の
知見が、所定のプロセスで「処理する」ための条件および装置を選択することに
おいて用いられる。特に、有機合成の分野の当業者は、この技術分野の知見に基
づいて、記載されたプロセスの化学反応を成功裏に行うことを正当に予測する条
件および装置を選択する。
(プロセスA、スキーム36)
シキミ酸を用いて以下のプロセスにより化合物270を調製する。
シキミ酸のcis−4,5−ジオール機能は、これらの2つの機能性の選択的
保護により炭素1でカルボン酸と区別される。代表的には、cis−4,5−ジ
オール機能は環状ケタールとして保護され、そしてカルボン酸機能はエステルと
して保護される。
50は、上記引用されたGreeneの文献に記載されるような酸不安定性1
,2−ジオール保護基であり、代表的には環状ケタールまたはアセタール、より
代表的にはシクロヘキサノンまたはアセトンのケタールである。R51は、上記引
用されたGreeneの文献に記載されるような酸安定性カルボン酸保護基であ
り、代表的には、表2のグループ2〜7、9〜10、15、または100〜66
0として示されるような1〜12個の炭素原子の直鎖、分枝、または環状のアル
キル、アルケニル、またはアルキニル、より代表的には表2のグループ2〜5、
9、または100〜358として示されるような1〜8個の炭素原子の直鎖また
は分枝のアルキル、さらにより代表的には表2のグループ2〜5、9、または1
00〜141として示されるような1〜6個の炭素原子の直鎖または分枝のアル
キルであり、さらにより代表的には、R51はメチル、エチル、n−プロピル、i
−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、i−ブチル、またはt−ブチルであ
る。
シキミ酸を反応させて、カルボン酸をR51基で保護し、そしてcis−4,5
−ジオールをR50基で保護する。代表的には、シキミ酸は、アルコール(例えば
、メタノール、エタノール、n−プロパノール、またはi−プロパノール)、お
よび酸触媒(例えば、鉱酸またはスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸、またはトルエンスルホン酸))で処理され、次いで、アセトン
またはシクロヘキサノンのような対応するケトンまたはアルデヒドの存在下で、
2,2−ジメトキシ−プロパンまたは1,1−ジメトキシ−シクロヘキサンのよ
うなケトンまたはアルデヒドのジアルキルケタールまたはアセタールで処理され
る。必要に応じて、アルコールおよび酸触媒処理の生成物は、ジアルキルケター
ルまたはアセタールでの処理前に、分離、単離、および/または精製される。あ
るいは、シキミ酸はCH22で処理される。
代表的には、このプロセスは、シキミ酸をアルカノールおよびスルホン酸で処
理する工程、次いでジェミナル−ジアルコキシアルカンまたはジェミナルジアル
コキシシクロアルカンおよびアルカノンまたはシクロアルカノンで処理して化合
物270を形成する工程を包含する。より代表的には、このプロセスは、シキミ
酸をアルカノールおよびスルホン酸で処理する工程;過剰のアルカノールをエバ
ポレートして残渣を形成する工程;この残渣をジェミナル−ジアルコキシアルカ
ンまたはジェミナル−ジアルコキシシクロアルカンおよびアルカノンまたはシク
ロアルカノンで処理して化合物270を形成する工程を包含する。さらにより代
表的には、このプロセスは、シキミ酸をメタノールおよびパラ−トルエンスルホ
ン酸で処理する工程;過剰のメタノールをエバポレートして残渣を形成する工程
;この残渣を2,2−ジメトキシプロパンおよびアセトンで処理して化合物27
0を形成する工程を包含する。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例55に示す。
(プロセスB、スキーム36)
化合物270を用いて以下のプロセスにより化合物271を調製する。
3位のヒドロキシ基を活性化する、代表的には、置換反応のために活性化する
。より代表的には、4位のアルコールと一緒にエポキシド環形成置換のために活
性化する。
52はアルコール活性化基であり、代表的には置換反応のための活性化基であ
る。より代表的には、4位のアルコールと一緒にエポキシド環形成置換のための
活性化基である。このような基には、スルホン酸エステル、代表的にはメタンス
ルホン酸エステル、ベンゼンスルホン酸エステルまたはトルエンスルホン酸エス
テルのような当該技術分野で代表的な基が挙げられる。1つの実施態様では、R
52は、O(すなわち、−OR52)とともに、当該技術分野で普通の脱離基である
代表的には、このプロセスは、化合物270を酸ハライドで処理して化合物2
71を形成する工程を包含する。より代表的には、このプロセスは、適切な溶媒
中で化合物270をスルホン酸ハライドで処理して化合物271を形成する工程
を包含する。さらにより代表的には、このプロセスは、適切な溶媒(例えば、ア
ミン)中で、必要に応じてハロアルカンのような共溶媒の存在下で、化合物27
0をスルホン酸ハライドで処理して化合物271を形成する工程を包含する。な
おより代表的には、このプロセスは、トリエチルアミン/ジクロロメタン中で、
化合物270をスルホニルクロリドで処理して化合物271を形成する工程を包
含する。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例56に示す。
(プロセスC、スキーム36)
化合物271を用いて以下のプロセスにより化合物272を調製する。
4位および5位でのヒドロキシ基に対する酸不安定性保護基(R50)が除去さ
れる。代表的には、塩基不安定性カルボン酸保護基(例えば、R51)またはヒド
ロキシ活性化基(例えば、R52)を実質的に除去することなく、R50は除去され
る。さらにより代表的には、R50は酸性条件下で切り離される。
代表的には、このプロセスは、化合物271をプロトン性溶媒で、より代表的
には、上記のような酸触媒の存在下で処理する工程を包含する。さらにより詳細
には、このプロセスは、化合物271を上記のようなアルカノールおよび上記の
ような酸触媒で処理する工程を包含する。なおより代表的には、このプロセスは
、化合物271をメタノールおよびパラ−トルエンスルホン酸で処理して化合物
272を製造する工程を包含する。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例57に示す。
(プロセスD、スキーム36)
化合物272を用いて以下のプロセスにより化合物273を調製する。
化合物272の3位の活性化ヒドロキシ基は、化合物272の4位のヒドロキ
シにより置換されて、エポキシド化合物273を製造する。代表的には、この置
換は、適切な塩基、より代表的にはDBUまたはDBNのようなアミン塩基によ
り触媒される。
代表的には、このプロセスは、化合物272を塩基性触媒で、必要に応じて、
適切な溶媒の存在下で処理する工程を包含する。さらにより詳細には、このプロ
セスは、ジエチルエーテルまたはTHFのような極性の非プロトン性溶媒中で、
化合物272をアミン塩基で処理する工程を包含する。なおより代表的には、こ
のプロセスは、化合物272をTHF中でDBUで処理して化合物273を製造
する工程を包含する。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例58に示す。
(プロセスE、スキーム37)
キナ酸を用いて以下のプロセスにより化合物274を調製する。
キナ酸のcis−4,5−ジオール機能は、これらの2つの機能性の選択的保
護により炭素1でカルボン酸と区別される。代表的には、cis−4,5−ジオ
ール機能は環状ケタールとして保護され、そしてカルボン酸機能は3位のヒドロ
キシ基とともにラクトンとして保護される。
50は、上記の通りである。
代表的には、このプロセスは、必要に応じて上記のように酸触媒の存在下で、
上記のようにジェミナル−ジアルコキシアルカンまたはジェミナルジアルコキシ
シクロアルカン、および上記のようにアルカノンまたはシクロアルカノンでキニ
ン酸を処理して化合物274を形成する工程を包含する。より代表的には、この
プロセスは、キナ酸をジェミナル−ジアルコキシアルカンまたはジェミナル−ジ
アルコキシシクロアルカン、アルカノンまたはシクロアルカノン、および酸触媒
で処理して化合物270を形成する工程を包含する。さらにより代表的には、こ
のプロセスは、キナ酸を2,2−ジメトキシプロパン、アセトン、およびパラ−
トルエンスルホン酸で処理して化合物274を形成する工程を包含する。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例101に示す。
(プロセスF、スキーム37)
化合物274を用いて以下のプロセスにより化合物275を調製する。
ラクトンは、開環されて化合物275を形成する。代表的には、ラクトンは開
環されて1位に保護されたカルボン酸および3位に遊離のヒドロキシを製造する
。より代表的には、ラクトンは塩基性条件下で開環されて、1位にカルボン酸を
保護したR51および3位に遊離のヒドロキシ基を製造する。
51は、上記の通りである。
代表的には、化合物274は、適切なプロトン性溶媒中で適切な塩基で処理さ
れる。より代表的には、化合物275は、上記のようなアルカノール中で、金属
アルコキシド塩基(例えば、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、
またはリチウムアルコキシド)で処理される。さらにより代表的には、化合物2
74はMeOH中でNaOMeで処理されて化合物275を製造する。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例102に示す。
(プロセスG、スキーム37)
化合物275を用いて以下のプロセスにより化合物276を調製する。
3位のヒドロキシ基が活性化され、代表的には置換反応のために活性化される
。より代表的には、4位のアルコールと一緒にエポキシド環形成置換のために活
性化される。
52はアルコール活性化基であり、代表的には置換反応のための活性化基であ
り、より代表的には4位のアルコールと一緒にエポキシド環形成置換するための
活性化基である。このような基には、スルホン酸エステル、代表的にはメタンス
ルホン酸エステル、ベンゼンスルホン酸エステルまたはトルエンスルホン酸エス
テルのような当該技術分野で代表的な基が挙げられる。1つの実施態様では、R
52は、O(すなわち、−OR52)とともに、当該技術分野で普通の脱離基である
代表的には、このプロセスは、化合物275を酸ハライドで処理して化合物2
76を形成する工程を包含する。より代表的には、このプロセスは、適切な溶媒
中で化合物275をスルホン酸ハライドで処理して化合物276を形成する工程
を包含する。さらにより代表的には、このプロセスは、適切な溶媒(例えば、ア
ミン)中で、必要に応じてハロアルカンのような共溶媒の存在下で、化合物27
5をスルホン酸ハライドで処理して化合物276を形成する工程を包含する。な
おより代表的には、このプロセスは、ピリジンジクロロメタン中で、化合物27
5をp−トルエンスルホニルクロリドで処理して化合物276を形成する工程を
包含する。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例103に示す。
(プロセスH、スキーム37)
化合物276を用いて以下のプロセスにより化合物272を調製する。
1位のヒドロキシ基が脱離され、そしてcis−4,5−ジオール保護基が除
去される。1位のヒドロキシ基が脱離されて1位と6位との間にオレフィン結合
を形成し、そしてcis−4,5−ジオール保護基が除去されてcis−4,5
−ジオールを再生する。
代表的には、このプロセスは、化合物276を適切な脱水剤(例えば、鉱酸(
HCl、H2SO4)またはSO2Cl2)で処理する工程を包含する。より代表的
には、化合物276は、SO2Cl2で処理され、次いで、必要に応じて酸触媒の
存在下で、アルカノールで処理される。さらにより代表的には、化合物276は
、適切な極性の非プロトン性溶媒(例えば、アミン)中で、SO2Cl2で処理さ
れてオレフィンを形成し;このオレフィンは上記のようなアルカノール、および
上記のような酸触媒で処理されて化合物272を形成する。より代表的にはなお
、化合物276は、ピリジン/CH2Cl2中で、−100℃と0℃との間、代表
的には−100℃と−10℃との間、より代表的には−78℃の温度でSO2
2で処理されてオレフィンを形成し;このオレフィンはメタノールおよびパラ
−トルエンスルホン酸で処理されて化合物272を形成する。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例104に示す。
(プロセスI、スキーム38)
化合物273を用いて以下のプロセスにより化合物277を調製する。
5位のヒドロキシ基は保護されている。代表的には、保護基は酸不安定性ヒド
ロキシ保護である。より代表的には、保護基は、隣接するヒドロキシ基への転位
を妨げる。
53は、上記引用されたGreeneの文献に記載されるような酸不安定性ヒ
ドロキシ保護基である。より代表的には、R53は、酸開裂性エーテルであり、さ
らに代表的には、R53はメトキシメチル(MOM、CH3−O−CH2−)である
代表的には、このプロセスは、化合物273をGreeneに記載されるよう
なヒドロキシ保護基試薬で処理する工程を包含する。より代表的には、このプロ
セスは、適切な溶媒(例えば、極性の非プロトン性溶媒)中で、メトキシメチル
クロリド(MOMクロリド、CH3−O−CH2−Cl)のような置換または非置
換のハロアルカンまたはアルケンで化合物273を処理する工程を包含する。さ
らにより代表的には、このプロセスは、アミン溶媒中で、化合物273をMOM
クロリドで処理する工程を包含する。さらにより代表的には、このプロセスは、
ジイソプロピルエチルアミン中で、化合物273をMOMクロリドで処理する工
程を包含する。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例59に示す。
(プロセスJ、スキーム38)
化合物277を用いて以下のプロセスにより化合物278を調製する。
3位および4位のエポキシドは開環されて、アジ化物を形成する。より代表的
には、3位および4位のエポキシドは開環されて、3−アジド−4−ヒドロキシ
化合物278を形成する。
代表的には、このプロセスは、適切な溶媒中で、化合物277をアジ化物塩で
処理する工程を包含する。より代表的には、このプロセスは、極性のプロトン性
溶媒(例えば、アルカノールまたは水)中で、化合物277をアジ化ナトリウム
および弱塩基(例えば、アンモニウムハライド)で処理する工程を包含する。さ
らにより代表的には、このプロセスは、水/メタノール溶液中で、化合物277
をアジ化ナトリウムおよび塩化アンモニウムで処理して、化合物278を製造す
る工程を包含する。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例60に示す。
(プロセスK、スキーム38)
化合物278を用いて以下のプロセスにより化合物279を調製する。
化合物278の4位のヒドロキシ基は3−アジド基により置換されてアジリジ
ン化合物279を形成する。
代表的には、このプロセスは、化合物278を上記のヒドロキシ活性化基、オ
ルガノホスフィンおよび塩基で処理する工程を包含する。より代表的には、この
プロセスは、化合物278を上記のようなスルホン酸ハライドで処理して活性化
ヒドロキシ化合物を形成する工程、この活性化ヒドロキシ化合物をトリフェニル
ホスフィンのようなトリアルキルまたはトリアリールホスフィンで処理してホス
ホニウム塩を形成する工程、およびこのホスホニウム塩をアミンのような塩基で
処理して化合物279を形成する工程を包含する。さらに代表的には、このプロ
セスは、化合物278をメシルクロリドで処理して活性化ヒドロキシ化合物を形
成する工程、この活性化ヒドロキシ化合物をトリフェニルホスフィンで処理して
ホスホニウム塩を形成する工程、およびこのホスホニウム塩をトリエチルアミン
およびH2Oで処理して化合物279を形成する工程を包含する。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例61および62に示す。
(プロセスL、スキーム38)
化合物279を用いて以下のプロセスにより化合物280を調製する。
アジリジン化合物279はアジ化物で開環されてアジドアミン280を形成す
る。
代表的には、このプロセスは、適切な溶媒中で、化合物279をアジ化物塩で
処理する工程を包含する。より代表的には、このプロセスは、極性の非プロトン
性溶媒(例えば、エーテル、アミン、またはアミド)中で、化合物279をアジ
化ナトリウムおよび弱塩基(例えば、アンモニウムハライド)で処理する工程を
包含する。さらにより代表的には、このプロセスは、DMF溶液中で、化合物2
79をアジ化ナトリウムおよび塩化アンモニウムで処理して化合物280を製造
する工程を包含する。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例63に示す。
(プロセスM、スキーム38)
化合物280を用いて以下のプロセスにより化合物281を調製する。
5位の保護されたヒドロキシ基は4位のアミンにより置換されてアジリジン2
81を形成する。代表的には、アジリジン281は酸不安定性基で置換され、よ
り代表的には、アジリジン活性化基で置換される。
54は、酸不安定性基であり、代表的には上記引用されたGreeneの文献
に記載されるような酸不安定性アミン保護基である。より代表的には、R54は、
アジリジン活性化基であり、さらに代表的には、酸で触媒される開環反応に対し
てアジリジンを活性化し得る基である。代表的には、R54基は、1〜12個の炭
素の直鎖または分枝鎖の1−オクソ−アルク−1−イル基を例として包含するが
これらに限定されない:ここで、アルキル部分は、1〜11個の炭素の直鎖また
は分枝鎖アルキル基(例えば、CH3(CH2zC(O)−、zは0〜10の整
数、すなわち、アセチルCH3C(O)−など)、置換メチル(例えば、トリフ
ェニルメチル、Ph3C−、トリチル、Tr)、あるいは、BOCまたはCbz
などのカルバメート、またはスルホネート(例えば、メチルスルホネートのよう
なアルキルスルホネート)である。より代表的には、R54基は、トリフェニルメ
チルおよび1〜8個の炭素原子、さらにより代表的には、1、2、3、4、5、
または6個の炭素原子、さらにより代表的には、2または3個の炭素原子の1−
オクソ−アルク−1−イル基を包含する。
代表的には、このプロセスは、化合物280を脱保護剤で処理し、R53基を除
去する工程を包含し、R53基は、Greeneに記載されるようなR54生成試薬
(アセチルクロリドのようなR54−ハライド、またはTr−Cl、あるいは無水
酢酸のようなR54−O−R54)、およびスキーム36のプロセスBに記載されて
いるようなヒドロキシ活性化基である。より代表的には、このプロセスは、必要
に応じて上記の酸触媒の存在下で、化合物280を極性のプロトン性溶媒で処理
して第1の中間体を形成する工程;極性の非プロトン性溶媒(例えば、アミン)
中で、この第1の中間体をTr−Clで処理して第2の中間体を形成する工程;
および、極性の非プロトン性溶媒中で、この第2の中間体を、メシルクロリドま
たはパラトルエンスルホニルクロリドのようなスルホン酸ハライドで処理して化
合物281を製造する工程を包含する。さらにより代表的には、このプロセスは
、化合物280をメタノールおよびHClで処理して第1の中間体を形成する工
程;この第1の中間体をTr−Clおよびトリエチルアミンで処理して第2の中
間体を形成する工程;およびこの第2の中間体をメシルクロリドおよびトリエチ
ルアミンで処理して化合物281を製造する工程を包含する。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例64に示す。
(プロセスN、スキーム39)
化合物281を用いて以下のプロセスにより化合物282を調製する。
アジリジン281は開環されて、そして得られるアミンはR55基で置換されて
化合物282を形成する。代表的には、アジリジン281は酸で触媒される開環
反応により開環されて、そして得られるアミンはアシル化される。
55は上記で定義されたようにW3である。代表的には、R55は−C(O)R5
である。より代表的には、R55は−C(O)R1である。さらにより代表的には
、R55は−C(O)CH3である。
56は上記で定義されたようにU1である。代表的には、R56はW6−O−、W
6−S−、またはW6−N(H)−である。より代表的には、R56はR5−O−、
5−S−、またはR5−N(H)−であり、さらにより代表的には、R56はR5
−O−であり、なおさらに代表的には、R56はR1−O−である。
代表的には、このプロセスは、化合物281を酸触媒および式W6−X1−Hの
化合物(ここで、X1はアミン中間体を形成するように上記で定義されている)
で処理する工程;および、このアミン中間体を式W3−X1−W3、W3−X10の化
合物(ここで、X10は脱離基である)で処理して化合物282を形成する工程を
包含する。酸触媒は、代表的には、当該技術分野で通常のLewis酸触媒であ
り、例えば、BF3・Et2O、TiCl3、TMSOTf、SmI2(THF)2
、LiClO4、Mg(ClO42、Ln(OTf)3(ここでLn=Yb、Gd
、Nd)、Ti(Oi−Pr)4、AlCl3、AlBr3、BeCl2、CdCl
2、ZnCl2、BF3、BCl3、BBr3、GaCl3、GaBr3、TiCl4
TiBr4、ZrCl4、SnCl4、SnBr4、SbCl5、SbCl3、BiC
3、FeCl3、UCl4、ScCl3、YCl3、LaCl3、CeCl3、Pr
Cl3、NdCl3、SmCl3、EuCl3、GdCl3、TbCl3、LuCl3
、DyCl3、HoCl3、ErCl3、TmCl3、YbCl3、ZnI2、Al(
OPri3、Al(acac)3、ZnBr2、およびSnCl4である。X1は、
代表的には、−O−、−S−、または−N(H)−である。X10は、代表的には
、Cl、Br、またはIのようなハライドである。より代表的には、このプロセ
スは、化合物281を式R5−OH、R5−SH、またはR5−NH2の化合物、お
よびBF3・Et2Oで処理して中間体を形成する工程;および、この中間体をア
ルカノン酸無水物で処理して化合物282を形成する工程を包含する。さらによ
り代表的には、このプロセスは、化合物281を式R5−OHの化合物およびB
3・Et2Oで処理して中間体を形成する工程;および、この中間体を置換また
は非置換無水酢酸で処理して化合物282を形成する工程を包含する。式R5
OHの典型的化合物は、表2のグループ2〜7、9〜10、15、および100
〜660(ここでQ1は−OHである)により記載される化合物を包含する。式
5−OHのさらに典型的化合物は、以下の表25に示される化合物(それらの
Chemical Abstracts Service Registry
Numberとともに)および表26に示される化合物(それらのChemic
al Abstracts Service Registry Number
、およびAldrich Chemical Company Product
Numberとともに)である。式R5−OHのより代表的な典型的な化合物
は、表2のグループ2〜5、9、および100〜141(ここでQ1は−OHで
ある)により記載される化合物である。
プロセスN、スキーム39の他の実施態様では、R55はHである。
代表的には、このプロセスの実施態様は、化合物281を酸触媒および式R56
−X1−Hの化合物(ここで、X1はアミン中間体を形成するように上記で定義さ
れている)で処理して化合物282を形成する工程を包含する。酸触媒およびX
1は上記のとおりである。より代表的には、このプロセスは、化合物281を式
5−OH、R5−SH、またはR5−NH2の化合物、およびBF3・Et2Oで処
理して化合物282を形成する工程を包含する。さらにより代表的には、このプ
ロセスは、化合物281を式R5−OHの化合物およびBF3・Et2Oで処理し
て化合物282を形成する工程を包含する。式R5−OHの典型的化合物は上記
のとおりである。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例65、86、92、および95
に示す。
(プロセスO、スキーム39)
化合物282を用いて以下のプロセスにより化合物283を調製する。
アジ化物化合物282は還元されてアミノ化合物283を形成する。
代表的には、このプロセスは、化合物282を還元剤で処理して化合物283
を形成する工程を包含する。より代表的には、このプロセスは、化合物282を
水素ガスおよび触媒(例えば、炭素上の白金またはリンドラー(Lindlar
)触媒)、あるいは還元剤(例えば、上記のトリアルキルホスフィンまたはトリ
アリールホスフィン)で処理する工程を包含する。さらにより代表的には、この
プロセスは、水/THF中で化合物282をトリフェニルホスフィンで処理して
化合物283を形成する工程を包含する。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例87、93、および96に示す
(プロセスP、スキーム39)
化合物283を用いて以下のプロセスにより化合物284を調製する。
カルボン酸保護基が除去される。
代表的には、このプロセスは、化合物283を塩基で処理する工程を包含する
。より代表的には、このプロセスは、非プロトン性の極性溶媒のような適切な溶
媒中で、化合物283を金属水酸化物で処理する工程を包含する。さらにより代
表的には、このプロセスは、THF中で化合物283を水酸化カリウム水溶液で
処理して化合物284を製造する工程を包含する。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例88、94、および97に示す
(プロセスQ、スキーム40)
化合物283を用いて以下のプロセスにより化合物285を調製する。
アミンは保護されたグアニジンに変換される。
57は、BOCまたはMeのような当該技術分野で通常のグアニジン保護基で
ある。
代表的には、このプロセスは、化合物283を当該技術分野で通常のグアニジ
ル化試薬で処理する工程を包含する。典型的試薬は、Bis−BOC Thio
−Ureaアミノイミノメタンスルホン酸(Kimら;「Tet. Lett.
」29(26):3183−3186(1988)および1−グアニルピラゾー
ル(Bernatowiczら、「Tet. Lett.」34(21):33
89−3392(1993)を包含する。より代表的には、このプロセスは、化
合物283をBis−BOC Thio−Urea酸で処理して化合物285を
形成する工程を包含する。さらにより代表的には、このプロセスは、化合物28
3をBis−BOC Thio−Urea酸およびHgCl2で処理して化合物
285を形成する工程を包含する。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例67に示す。
プロセスR、スキーム40
化合物285を用いて以下のプロセスにより化合物286を調製する。
カルボン酸保護基およびグアニジン保護基が除去される。
代表的には、このプロセスは、化合物285を塩基で処理する工程;次いで上
記のように酸で処理する工程を包含する。より代表的には、このプロセスは、上
記のように化合物285を金属水酸化物で処理して中間体を形成する工程;およ
び、この中間体を酸で処理して化合物286を形成する工程を包含する。さらに
より代表的には、このプロセスは、化合物285を水酸化カリウム水溶液および
THFで処理して中間体を形成する工程;および、この中間体をTFAで処理し
て化合物286を形成する工程を包含する。
(プロセスS、スキーム40.1)
化合物287を用いて以下のプロセスにより化合物288を調製する。
化合物287および288のE1、J1、およびJ2は上記のとおりである。代
表的には、E1は上記のように−CO251である。代表的には、J1は、H、F
、またはメチルであり、より代表的には、Hである。代表的には、J2はHある
いは1〜6個の炭素原子の直鎖または分枝鎖アルキルであり、より代表的には、
H、メチル、エチル、n−プロピル、またはi−プロピルであり、さらにより代
表的には、Hである。
60およびR61は、化合物288のアジリジン環を置換したR63(以下で定義
される)を形成するように反応し得る基である。代表的には、R60またはR61
一方は、一級または二級アミン、あるいは一級または二級アミンへ変換され得る
基である。R60およびR61についてのこのような基は、−NH2、−N(H)(
6b)、−N(R6b2、−N(H)(R1)、−N(R1)(R6b)、および−
3が例として包含されるがこれらに限定されない。R60およびR61の他方は、
代表的には、一級または二級アミンにより置換されてアジリジンを形成し得る基
である。このような基は、以下の例により包含されるがこれらに限定されない:
−OH、−OR6a、Br、Cl、およびI。代表的には、R60およびR61は、ト
ランスの立体配置にある。より代表的には、R60は、一級または二級アミン、あ
るいは一級または二級アミンへ変換され得る基であり、そしてR61は、一級また
は二級アミンにより置換されてアジリジンを形成し得る基である。さらにより代
表的には、R60は、β−アジドまたはβ−NH2、そしてR61は、α−OH、α
−OMesyl、またはα−OTosylである。
62は以下のプロセスU、スキーム40.1に記載される。
このプロセスは、化合物287を処理して化合物288を形成する工程を包含
する。これは、代表的には、R61をR60により置換するために化合物287を処
理する工程により達成される。より代表的には、化合物287は、R60による置
換に対してR61を活性化するように処理される。さらにより代表的には、化合物
287は、R60による置換に対してR61を活性化するように処理され、そしてR
61による置換に対してR60が活性化される。R60およびR61の両方が活性化され
る場合、この活性化は同時または連続的に行われ得る。この活性化が連続的に行
われる場合、これは任意の順序で行われ得、代表的には、R61の活性化がR60
活性化の先に行われる。
60による置換に対するR61の活性化は、代表的には、化合物287をメシル
クロリドまたはトシルクロリドのようなヒドロキシ活性化試薬で処理することに
より達成される。R61による置換に対するR60の活性化は、代表的には、化合物
287を処理して一級または二級アミンを形成し、そしてこのアミンを塩基で処
理することにより達成される。例としてでありこれに限定されないが、化合物2
87は、アジ化物をアミンに還元し得る還元剤および塩基で処理される。
このプロセスの1つの実施態様では、化合物287は、R61活性化試薬、およ
びR60活性化試薬で処理されて化合物288を製造する。他の実施態様では、化
合物287は、適切な溶媒中で、R61活性化試薬、およびR60活性化試薬で処理
されて化合物288を製造する。他の実施態様では、化合物287は、R61活性
化試薬、R60活性化試薬、および塩基で処理されて化合物288を製造する。他
の実施態様では、化合物287は、適切な溶媒中で、R61活性化試薬、R60活性
化試薬、および塩基で処理されて化合物288を製造する。他の実施態様では、
60がアジ化物である化合物287は、R61活性化試薬、およびアジ化物還元試
薬で処理されて化合物288を製造する。他の実施態様では、R60がアジ化物で
ある化合物287は、適切な溶媒中で、R61活性化試薬、およびアジ化物還元試
薬で処理されて化合物288を製造する。他の実施態様では、R60がアジ化物で
ある化合物287は、R61活性化試薬、アジ化物還元試薬、および塩基で処理さ
れて化合物288を製造する。他の実施態様では、R60がアジ化物である化合物
287は、適切な溶媒中で、R61活性化試薬、アジ化物還元試薬、および塩基で
処理されて化合物288を製造する。他の実施態様では、R60がアジ化物であり
、かつR61がヒドロキシである化合物287は、ヒドロキシ活性化試薬、および
アジ化物還元試薬で処理されて化合物288を製造する。他の実施態様では、R
60がアジ化物であり、かつR61がヒドロキシである化合物287は、適切な溶媒
中で、ヒドロキシ活性化試薬、およびアジ化物還元試薬で処理されて化合物28
8を製造する。他の実施態様では、R60がアジ化物であり、かつR61がヒドロキ
シである化合物287は、ヒドロキシ活性化試薬、アジ化物還元試薬、および塩
基で処理されて化合物288を製造する。他の実施態様では、R60がアジ化物で
あり、かつR61がヒドロキシである化合物287は、適切な溶媒中で、ヒドロキ
シ活性化試薬、アジ化物還元試薬、および塩基で処理されて化合物288を製造
する。
このプロセスの典型的実施態様を上記のプロセスK、スキーム38に示す。
(プロセスT、スキーム40.1)
化合物288を用いて以下のプロセスにより化合物289を調製する。
64は、代表的には、H、R6b、あるいはHまたはR6bに変換され得る基であ
る。より代表的には、R64はHである。R65は、代表的には、G1またはG1に変
換され得る基である。より代表的には、R65は、−N3、−CN、または−(C
11m12である。より代表的には、R65は、−N3、−NH2、−N(H)
(R6b)、−N(R6b2、−CH23、または−CH2CNである。
代表的には、化合物288は処理されてアミン289を形成する。より代表的
には、化合物288は、求核剤、代表的には、R65、R65のカチオン性塩、また
はR65のプロトン化アナログのような窒素求核剤で処理される(例えば、NH3
、アジ化物塩(例えば、NaN3、KN3など)、HCN、シアン化物塩(例えば
、NaCN、KCNなど)、またはシアノアルキル(例えば、(CH2CN)-
の塩(例えば、NaCH2CN、KCH2CNなど)の例があるがこれらに限定さ
れない)。さらにより代表的には、化合物288はアジ化物塩で処理される。必
要に応じて、塩基、代表的にはアンモニウムハライドのような弱塩基、および溶
媒、代表的にはエーテル、アミン、またはアミドのような極性の非プロトン性溶
媒が用いられる。
1つの実施態様では、化合物288は、求核剤で処理される。他の実施態様で
は、化合物288は、適切な溶媒中で、求核剤で処理されて化合物289を製造
する。他の実施態様では、化合物288は、求核剤および塩基で処理されて化合
物289を製造する。他の実施態様では、化合物288は、適切な溶媒中で、求
核剤および塩基で処理されて化合物289を製造する。他の実施態様では、化合
物288は、窒素求核剤で処理されて化合物289を製造する。他の実施態様で
は、化合物288は、適切な溶媒中で、窒素求核剤で処理されて化合物289を
製造する。他の実施態様では、化合物288は、窒素求核剤および塩基で処理さ
れて化合物289を製造する。他の実施態様では、化合物288は、適切な溶媒
中で、窒素求核剤および塩基で処理されて化合物289を製造する。他の実施態
様では、化合物288は、アジ化物塩で処理されて化合物289を製造する。他
の実施態様では、化合物288は、適切な溶媒中で、アジ化物塩で処理されて化
合物289を製造する。他の実施態様では、化合物288は、アジ化物塩および
塩基で処理されて化合物289を製造する。他の実施態様では、化合物288は
、適切な溶媒中で、アジ化物塩および塩基で処理されて化合物289を製造する
このプロセスの典型的実施態様を上記のプロセスL、スキーム38に示す。
(プロセスU、スキーム40.1)
化合物289を用いて以下のプロセスにより化合物290を調製する。
62は、アミンと反応して化合物290のアジリジン環が置換されたR66(以
下で定義されている)を形成し得る基である。代表的には、R62は、一級または
二級アミンにより置換されてアジリジンを形成し得る基である。このような基は
、−OR53、−OH、−OR6a、Br、Cl、およびIを例として含むがこれら
に限定されない。代表的には、R62は、4位の窒素に関してトランスの立体配置
にある。より代表的には、R62は−OR53である。
64はHまたはR6bであり、代表的には、R54のような酸不安定性保護基であ
る。
66はH、R6b、またはR54である。
このプロセスは、化合物289を処理して化合物290を形成する工程を包含
する。これは、代表的には、4位でアミンによりR62を置換するために化合物2
89を処理することにより達成される。より代表的には、化合物289は、R62
の置換に対して4位でアミンを活性化するために処理される。さらにより代表的
には、化合物289は、R62の置換に対して4位でアミンを活性化するために処
理され、そしてR62は、4位でアミンによる置換に対して活性化される。R62
よび4位でのアミンの両方が活性化される場合、この活性化は同時または連続的
に行われ得る。この活性化が連続的に行われる場合、それらは任意の順序で行わ
れ得、代表的には、R62の活性化が4位でのアミンの活性化の先に行われる。
4位でアミンによる置換に対するR62の活性化は、代表的には、プロセスB、
スキーム36に記載されたようなヒドロキシ活性化剤で化合物289を処理する
ことにより達成される。必要に応じて、R62は、活性化の前に脱保護される。R
62置換に対する4位でのアミンの活性化は、代表的には、化合物289を処理し
て一級または二級アミンを形成する工程、およびこのアミンを上記プロセスN、
スキーム39に記載されたような酸触媒で処理する工程により達成される。
代表的には、R62が−OR53であり、そしてR66がR56である場合、このプロ
セスは、化合物289を脱保護剤で処理して、R53基、Greeneに記載され
るようなR54保護基試薬(アセチルクロリドのようなR54−ハライド、またはT
r−Cl、あるいは無水酢酸のようなR54−O−R54)、およびプロセスB、ス
キーム36に記載されているようなヒドロキシ活性化基を除去する工程を包含す
る。より代表的には、このプロセスは、必要に応じて上記の酸触媒の存在下で、
化合物289を極性のプロトン性溶媒で処理して第1の中間体を形成する工程;
極性の非プロトン性溶媒(例えば、アミン)中で、この第1の中間体をTr−C
lで処理して第2の中間体を形成する工程;および、極性の非プロトン性溶媒(
例えば、アミン)中で、この第2の中間体を、メシルクロリドまたはパラトルエ
ンスルホニルクロリドのようなスルホン酸ハライドで処理して化合物290を製
造する工程を包含する。さらにより代表的には、このプロセスは、化合物289
をメタノールおよびHClで処理して第1の中間体を形成する工程;この第1の
中間体をTr−Clおよびトリエチルアミンで処理して第2の中間体を形成する
工程;およびこの第2の中間体をメシルクロリドおよびトリエチルアミンで処理
して化合物290を製造する工程を包含する。
1つの実施態様では、化合物289は、酸触媒で処理されて化合物290を製
造する。他の実施態様では、化合物289は、適切な溶媒中で、酸触媒で処理さ
れて化合物290を製造する。他の実施態様では、化合物289は、ヒドロキシ
活性化剤および酸触媒で処理されて化合物290を製造する。他の実施態様では
、化合物289は、適切な溶媒中で、ヒドロキシ活性化剤および酸触媒で処理さ
れて化合物290を製造する。他の実施態様では、化合物289は、ヒドロキシ
脱保護剤、ヒドロキシ活性化剤、および酸触媒で処理されて化合物290を製造
する。他の実施態様では、化合物289は、適切な溶媒中で、ヒドロキシ活性化
剤、および酸触媒で処理されて化合物290を製造する。
このプロセスの典型的実施態様を上記のプロセスM、スキーム38に示す。
(プロセスV、スキーム40.1)
化合物290を用いて以下のプロセスにより化合物291を調製する。
アジリジン290は処理されて化合物291を形成する。代表的には、アジリ
ジン290は、酸で触媒される開環反応により開環されて、そして得られるアミ
ンはアシル化される。
68は、独立して、H、R6b、R1、または上記のR55である。代表的には、
55は−C(O)R5である。代表的には、一方のR68はHまたはR6bであり、
そして他方はW3である。
67は上記のU1である。代表的には、R67は、W6−O−、W6−S−、また
はW6−N(H)−である。より代表的には、R67はR5−O−、R5−S−、ま
たはR5−N(H)−である。
代表的には、このプロセスは、化合物290を酸触媒および式W6−X1−Hの
化合物(ここで、X1はアミン中間体を形成するように上記で定義されている)
で処理する工程;および、このアミン中間体を式W3−X1−W3、またはW3−X
10の化合物(ここで、X10は脱離基である)で処理して化合物291を形成する
工程を包含する。式W6−X1−Hの化合物および酸触媒での処理は、式W3−X1
−W3、またはW3−X10の化合物での処理の前または同時であり得る。酸触媒は
、代表的には、上記のプロセスN、スキーム39に記載される酸触媒の1つであ
る。より代表的には、このプロセスは、化合物290を、式R5−OH、R5−S
H、またはR5−NH2の化合物、および酸触媒で処理する工程;および、中間体
をアルカノン酸無水物で処理して化合物291を形成する工程を包含する。
1つの実施態様は、化合物290を式W6−X1−Hの化合物および酸触媒で処
理して、化合物291を製造する工程を包含する。他の実施態様は、適切な溶媒
中で、化合物290を式W6−X1−Hの化合物および酸触媒で処理して、化合物
291を製造する工程を包含する。他の実施態様は、化合物290を式W6−X1
−Hの化合物、酸触媒、および式W3−X1−W3、またはW3−X10の化合物で処
理して、化合物291を製造する工程を包含する。他の実施態様は、適切な溶媒
中で、化合物290を式W6−X1−Hの化合物、酸触媒、および式W3−X1−W
3、またはW3−X10の化合物で処理して、化合物291を製造する工程を包含す
る。
このプロセスの典型的実施態様を上記のプロセスN、スキーム39に示す。
(プロセスW、スキーム40.1)
化合物291を用いて以下のプロセスにより化合物292を調製する。
化合物291は処理されて化合物292を形成する。代表的には、R65は変換
されてG1を形成する。U1はR67の1つの実施態様であり、そしてT1は上記の
プロセスV、スキーム40.1で調製された−N(R682の1つの実施態様で
ある。
1つの実施態様では、R65は、脱保護され、アルキル化され、グアニジニル化
され、酸化され、または還元されて、G1を形成する。任意の数のこのような処
理は、任意の順序でまたは同時に行われ得る。例であってこれに限定されないが
、R65がアジドである場合、このプロセスの実施態様は、プロセスO、OQ、O
QR、およびOPを包含する。代表的なアルキル化剤は、以下を含む当該技術分
野で通常のものであり、例であってこれらに限定されない:ヨウ化メチル、臭化
メチル、ヨウ化エチル、臭化エチル、ヨウ化n−プロピル、臭化n−プロピル、
ヨウ化i−プロピル、臭化i−プロピルなどのアルキルハライド;および、エチ
レンオキシドまたはプロピレンオキシドのようなオレフィンオキシド。本明細書
に記載の塩基触媒は、必要に応じて、アルキル化工程に用いられ得る。
1つの実施態様は、R65がアジドである化合物291を還元剤で処理して、化
合物292を製造する工程を包含する。他の実施態様では、適切な溶媒中で、R
65がアジドである化合物291を還元剤で処理して、化合物292を製造する工
程を包含する。他の実施態様では、R65がアミノである化合物291をアルキル
化剤で処理して、化合物292を製造する工程を包含する。他の実施態様では、
適切な溶媒中で、R65がアミノである化合物291をアルキル化剤で処理して、
化合物292を製造する工程を包含する。他の実施態様では、R65がアジドであ
る化合物291を還元剤およびアルキル化剤で処理して、化合物292を製造す
る工程を包含する。他の実施態様では、適切な溶媒中で、R65がアジドである化
合物291を還元剤およびアルキル化剤で処理して、化合物292を製造する工
程を包含する。他の実施態様では、R65がアミノである化合物291をアルキル
化剤および塩基触媒で処理して、化合物292を製造する工程を包含する。他の
実施態様では、適切な溶媒中で、R65がアミノである化合物291をアルキル化
剤および塩基触媒で処理して、化合物292を製造する工程を包含する。他の実
施態様では、R65がアジドである化合物291を、還元剤、アルキル化剤、およ
び塩基触媒で処理して、化合物292を製造する工程を包含する。他の実施態様
では、適切な溶媒中で、R65がアジドである化合物291を、還元剤、アルキル
化剤、および塩基触媒で処理して、化合物292を製造する工程を包含する。
このプロセスの典型的実施態様を上記のプロセスO、スキーム39に示す。
このプロセスの典型的実施態様を以下の実施例68および69に示す。
Figure 2008273948
Figure 2008273948
Figure 2008273948
Figure 2008273948
Figure 2008273948
Figure 2008273948
Figure 2008273948
Figure 2008273948
Figure 2008273948
Figure 2008273948
Figure 2008273948
Figure 2008273948
(スキーム41)
アミン300(実施例52における中間体、必要に応じて使用前に精製される
)はBoc無水物で処理されて、モノBoc保護されたアミン301を得る。こ
のような転換は、Greene, T.W.「Protective Grou
ps in Organic Synthesis」第2版(John Wil
ey & Sons、New York、1991)327−328頁に見出さ
れる。
メチルエステル301は、低い温度でDIBALを用いて、対応する一級アリ
ル性アルコール302に還元される。このような変換は、Garner, P.
およびPark, J.M.「J. Org. Chem.」、52:2361
(1987)に記載されている。
一級アルコール302は、塩基性条件下、4−メトキシベンジルクロリドでの
処理により、そのp−メトキシベンジルエーテル誘導体303として保護される
。このような変換は、Horita, K.ら、「Tetrahedron」、
42:3021(1986)に記載されている。
303のMOMおよびBoc保護基は、TFA/CH2Cl2での処理により除
去されて、アミノアルコール304を得る。このような転換は、Greene,
T.W「Protective Groups in Organic Sy
nthesis」第2版(John Wiley & Sons、New Yo
rk、1991)に見出される。
304の対応するトリチル保護されたアジリジン305への変換は、1ポット
反応(one pot reaction)の2連続工程:1)TrCl/TE
A、2)MsCl/TEAで達成される。このような転換は、既に記載されてい
る。
次いで、アジリジン305は、対応するBoc保護された誘導体307に変換
され、HCl/アセトンでのトリチル基の最初の除去により306を得る。この
ような転換は、Hanson, R.W.およびLaw, H.D.「J. C
hem. Soc.」、7285(1965)に記載されている。アジリジン3
06は、次いで、Boc無水物での処理により、対応するBoc誘導体307に
変換される。このような変換は、Fitremann,J.ら「Tetrahe
dron Lett.」、35:1201(1994)に記載される。
アリル性アジリジン307は、低い温度でBF3・Et2O存在下、より高級の
有機銅酸塩(organocuprate)を介して送達される炭素求核剤を用
いて、アリル性位で選択的に開環されて、開環された付加物308を得る。この
ような開環は、Hudlicky, T.ら「Synlett.」1125(1
995)に記載される。
Boc保護されたアミン308は、2連続工程:1)TFA/CH2Cl2;2
)Ac2O/ピリジンで、N−アセチル誘導体309に変換される。このような
転換は、Greene, T.W.「Protective Groups i
n Organic Synthesis」第2版(John Wiley &
Sons、New York、1991)327−328頁および351−3
52頁に見出される。
ベンジルエーテル309は、室温でDDQを用いて脱保護されて、一級アリル
性アルコール310を得る。このような転換は、Horita, K.ら、「T
etrahedron」、42:3021(1986)に見出される。
アルコール310は、MnO2/AcOH/MeOH/NaCNを用いるCo
rey酸化を介して、1ポット反応でメチルエステル311に酸化され、そして
変換される。このような転換は、Corey, E.J.ら「J. Am. C
hem. Soc.」90:5616(1968)に見出され得る。
アジドエステル311は、2連続工程:1)Ph3P/H2O/THF;2)K
OH/THFで、アミノ酸312に変換される。このような変換は既に記載され
ている。
Figure 2008273948
(スキーム42)
公知のフルオロアセテート320(Sutherland, J.K.ら「J
. Chem. Soc. Chem. Commun.」464(1993)
)は、遊離のアルコールに脱保護されて、次いで、2工程:1)NaOMe;2
)MsCl/TEAで対応するメシレート321に変換される。このような転換
は、Greene, T.W.「Protective Groups in
Organic Synthesis」第2版(John Wiley & S
ons、New York、1991)に記載される。
酸性条件下での321の脱保護は、ジオール322を与え、これは塩基性条件
下でエポキシアルコール323に環化される。このような変換は、既に記載され
ている。
323のN−トリチル保護されたアジリジン324への変換は、以下の連続工
程を用いて達成される:1)MOMCl/TEA;2)NaN3/NH4Cl;3
)MsCl/TEA;4)PPh3/TEA/H2O;5)NaN3/NH4Cl;
6)HCl/MeOH;7)i)TrCl、ii)MsCl/TEA。このよう
な連続工程は既に記載されている。
次いで、アジリジン324は、Lewis酸条件下で適切なアルコールで開環
され、次いで、Ac2O/ピリジンで処理されてアセチル化された生成物325
を得る。このような転換は既に記載されている。
エステル325は、2連続工程:1)PPh3/H2O/THF;2)KOH/
THFで、対応するアミノ酸326に変換される。このような転換は、既に記載
されている。
米国特許第5,214,165号、および特に第9欄61行〜第18欄26行
の「説明および実施例」(「Description and Example
s」)は、6αおよび6βフルオロシキミ酸の調製を記載している。これらのフ
ルオロ化合物は、シキミ酸を使用する本発明の化合物の製造方法に適切な出発物
質である。
Figure 2008273948
(スキーム43)
不飽和エステル330(Campbell, M.M.ら、「Synthes
is」179(1993)に記載されているアセトニドアルコールからの標準的
アセチル化方法により得られ得る)は、R’が有機銅酸塩から転位されるリガン
ドである適切な有機銅酸塩と反応させられる。次いで、得られた中間体は、Ph
SeClで捕捉され、331を得る。これは、次いで30%H22で処理されて
α,β−不飽和エステル332を得る。このような転換は、Hayashi,
Y.ら「J. Org. Chem.」47:3428(1982)に見出され
得る。
アセテート332は、次いで、2連続工程:1)NaOMe/MeOH;2)
MsCl/TEAで、対応するメシレート333に変換される。このような転換
は、既に記載されており、そしてまた、Greene, T.W.「Prote
ctive Groups in Organic Synthesis」第2
版(John Wiley & Sons、New York、1991)に見
られ得る。
アセトニド333は、次いで、2連続工程:1)p−TsOH/MeOH/Δ
;2)DBU/THFで、エポキシアルコール334に変換される。このような
転換は既に記載されている。
エポキシド334のN−トリチルアジリジン335への変換は、以下の連続工
程で達成される:1)MOMCl/TEA;2)NaN3/NH4Cl;3)Ms
Cl/TEA;4)PPh3/TEA/H2O;5)NaN3/NH4Cl;6)H
Cl/MeOH;7)i)TrCl、ii)MsCl/TEA。このような連続
工程は既に記載されている。
アジリジン335は、次いで、Lewis酸条件下で適切なアルコールで開環
され、次いで、Ac2O/ピリジンで処理されてアセチル化された生成物336
を得る。このような転換は既に記載されている。
アジドエステル336は、2連続工程:1)PPh3/H2O/THF;2)K
OH/THFで、対応するアミノ酸337に変換される。このような転換は既に
記載されている。
スキーム44および45は、以下の実施例において参照される。
Figure 2008273948
種々のE1基を形成するための典型的な出発物質の改変は、詳細に記載されて
おり、そして本明細書では詳細には述べない。Fleet G.W.J.ら;「
J. Chem. Soc. Perkin Trans. I」905−90
8(1984)、Fleet G.W.J.ら;「J. Chem. Soc.
Chem. Commun.」849−850(1983)、Yee, Yi
ng K.ら;「J. Med. Chem.」33:2437−2451(1
990);Olsen, R.E.ら;「Bioorganic & Medi
cinal Chemistry Letters」4(18):2229−2
234(1994);Santella, J.B. IIIら;「Bioor
ganic & Medicinal Chemistry Letters」
4(18):2235−2240(1994);Judd, D.B.ら「J.
Med. Chem.」37:3108−3120(1994)、およびLo
mbaert, S. Deら;「Bioorganic & Medicin
al Chemistry Letters」5(2):151−154(19
94)を参照のこと。
本発明のカルボン酸化合物のE1イオウアナログは、任意の標準的技法により
調製される。例であって限定ではないが、このカルボン酸は、標準的方法により
アルコールに還元される。このアルコールは、標準的方法によりハライドまたは
スルホン酸エステルに変換され、そして得られる化合物はNaSHと反応してス
ルフィド化合物を製造する。このような反応は、Patai「The Chem
istry of the Thiol Group」(John Wiley
、New York、1974)第2部および特に721−735頁に記載され
る。
上記スキームのそれぞれの改変は、上記の製造された特定の典型的物質の種々
のアナログを導く。有機合成の適切な方法を記載している上記引用された引用文
献は、このような改変に適用可能である。
上記典型的スキームのそれぞれにおいて、反応生成物を、お互いにおよび/ま
たは出発物質から分離することは有利であり得る。各工程または一連の工程の所
望の生成物は、当該技術分野で通常の技法により、所望の程度の均一性にまで分
離および/または精製される(本明細書では以後、分離されるという)。代表的
には、このような分離は、多相抽出、溶媒または溶媒混合物からの結晶化、蒸留
、昇華、またはクロマトグラフィーを包含する。クロマトグラフィーは、例えば
、サイズ排除クロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィー、高圧、
中圧、または低圧液体クロマトグラフィー、小規模および分取薄層クロマトグラ
フィーまたは厚層クロマトグラフィーを含むどのような方法も、ならびに小規模
薄層およびフラッシュクロマトグラフィーの技術を包含し得る。
他のクラスの分離方法は、所望の生成物、未反応出発物質、反応副生成物など
に結合するために、あるいはそれらを分離可能にするために選択される試薬との
混合物の処理を包含する。このような試薬は、活性炭、モレキュラーシーブ、イ
オン交換媒体などのような吸着剤または吸収剤を包含する。あるいは、試薬は、
塩基性物質の場合は酸、酸性物質の場合は塩基、結合試薬(例えば、抗体、結合
タンパク質)、選択的キレート剤(例えば、クラウンエーテル)、液/液イオン
抽出試薬(LIX)などであり得る。
適切な分離方法の選択は、含まれる物質の性質に依存する。例えば、蒸留およ
び昇華においては沸点および分子量、クロマトグラフィーにおいては極性官能基
の存在または非存在、多相抽出においては酸性および塩基性媒体中での物質の安
定性などである。当業者は、所望の分離を達成するに最も有望な技法を適用する
上記のすべての文献および特許の引用は、その文献引用の位置において本明細
書中に特に参考として援用される。上記引用された文献の詳細に引用された項ま
たは頁は、特に参考として援用される。本発明は、以下の請求の範囲の主題を当
業者が製造しおよび使用するに十分に詳細に記載されている。以下の請求の範囲
の方法および組成物の特定の改変が本発明の範囲および意図内でなされ得ること
は明らかである。
実施例
(全般的)
以下の実施例をスキームに示す。
いくつかの実施例は複数回行った。繰り返した実施例において、時間、温度、
濃度などの反応条件および収率は通常の実験範囲内であった。重要な改変を行っ
て繰り返した実施例において、結果が記載される結果より著しく変化した場合、
これらを記す。異なる出発物質を使用した実施例において、これらを記す。繰り
返した実施例が化合物の「対応する」アナログ(例えば、「対応するエチルエス
テル」)を示す場合、これは、それ以外に存在する基(この場合、代表的にはメ
チルエステル)が、指示されるのと同様の改変された基であることを意図する。
例えば、「化合物1の対応するエチルエステル」は、以下の通りである:
Figure 2008273948
(実施例1)
エポキシアルコール1:McGowanおよびBerchtold、「J.O
rg.Chem.」、46:2381(1981)の手順によりシキミ酸から調
製した。
(実施例2)
エポキシアリルエーテル2:乾燥ベンゼン(50ml)中のエポキシアルコー
ル1(2.37g、14.08mmol)の溶液に、タリウム(I)エトキシド
(1.01ml)を1度に添加した。2時間後、反応物を減圧下で濃縮し、そし
て残渣をアセトニトリルに溶解した。ヨウ化アリル(3.0ml)を添加し、そ
して混合物を暗所で16時間撹拌した。固体をセライトパッドを通して濾過し、
そしてクロロホルムで洗浄した。減圧下で濃縮し、続いてフラッシュクロマトグ
ラフィー(ヘキサン中40% EtOAc)により1.24g(42%)の2を
淡白色の粘稠なオイルを得た。
Figure 2008273948
(実施例3)
アジドアルコール3:エポキシド2(1.17g、5.57mmol)、アジ
化ナトリウム(1.82g)および塩化アンモニウム(658mg)をMeOH
/H2O(8:1)(35ml)中で18時間還流した。次いで、反応物を減圧
下で濃縮し、そして残渣をエチルエーテルを水との間で分配した。有機層をブラ
インで洗浄し、そして乾燥した。減圧下で濃縮して3を淡白色のオイル1.3g
(92%)として得、これをさらに精製することなく使用した。
Figure 2008273948
(実施例4)
アジリジン4:0℃に冷却したCH2Cl2(20ml)中のアルコール3(6
37mg、2.52mmol)の溶液に、DMAP(結晶がほとんどない)およ
びトリエチルアミン(442μl)を添加した。次いで、MsCl(287μl
)を添加し、そして反応物を2時間0℃で撹拌した。揮発分を除き、そして残渣
をエチルエーテルと水との間で分配した。有機層を飽和重炭酸塩、ブラインで洗
浄して、次いで乾燥した。減圧下で濃縮して881mgの粗メシレートを得た。
Figure 2008273948
粗メシレートを乾燥THF(20ml)に溶解し、そしてPh3P(727m
g)で処理した。室温で3時間撹拌後、水(15ml)および固体NaHCO3
(1.35g)を添加し、そして混合物を一晩室温で撹拌した。次いで反応物を
減圧下で濃縮し、そして残渣をEtOAc、飽和重炭酸塩およびブラインの間で
分配した。有機層を分離し、そしてMgSO4で乾燥した。減圧下で濃縮し、そ
して残渣をフラッシュクロマトグラフィーにかけてアジリジン4 170mg(
33%)を淡黄色のオイルとして得た。
Figure 2008273948
(実施例5)
N−アセチルアジリジン5:アジリジン4(170mg、0.814mmol
)をCH2Cl2(2ml)およびピリジン(4ml)中に溶解し、そして0℃に
冷却した。次いで、アセチルクロリド(87μl)を添加し、そして反応物を0
℃で1時間撹拌した。揮発分を減圧下で除き、そして残渣をエチルエーテル、飽
和重炭酸塩およびブラインの間で分配した。有機層を分離し、そしてMgSO4
で乾燥した。濃縮により粗5 196mg(96%)を得、これをさらに精製す
ることなく使用した。
Figure 2008273948
(実施例6)
アジドアリルエーテル6:乾燥DMF(7ml)中のアジリジン5(219m
g、0.873mmol)、アジ化ナトリウム(426mg)および塩化アンモ
ニウム(444mg)をアルゴン下で一晩65℃にて加熱した。反応物を飽和重
炭酸塩/ブライン中に注ぎ、そしてエチルエーテルで数回抽出した。合わせたエ
ーテル層をブラインで洗浄し、そして乾燥した。濃縮し、続いてフラッシュクロ
マトグラフィー(EtOAcのみ)にかけてアジドアミン 77mg(35%)
を得、これをCH2Cl2(1ml)およびピリジン(1ml)中に溶解し、0℃
に冷却した。アセチルクロリド(38μl)を添加し、そして45分後、固体N
aHCO3を添加し、揮発分を減圧下で除去した。残渣をEtOAcとブライン
との間で分配した。有機層をMgSO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。フ
ラッシュクロマトグラフィー(EtOAcのみ)により6を90mg(99%)
で得た。
Figure 2008273948
(実施例7)
アジドジオール7:アセトン(3ml)および水(258μl)中のオレフィン
6(90mg、0.306mmol)の溶液に、N−メチルモルホリン−N−オ
キシド(39mg)およびOsO4(t−ブタノール中の2.5% w/wの7
3μl)を添加した。次いで、反応物を室温で3日間撹拌した。固体の亜硫酸水
素ナトリウムを添加し、そして20分間の撹拌後、反応物をセライトパッドを通
して濾過し、そして十分量のアセトンで洗浄した。減圧下で濃縮し、続いてフラ
ッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中の10% MeOH)にかけてジオー
ル7 50mg(50%)を得た。
Figure 2008273948
(実施例8)
アミノ酸ジオール8:THF(1ml)中のジオール7(23mg、0.07
mmol)の溶液を室温でKOH水溶液(223μlの0.40M溶液)で処理
した。1.5時間の撹拌後、反応物をAmberlite IR−120(+)
イオン交換樹脂を用いてpH=4に酸性化した。樹脂を濾過し、そしてMeOH
で洗浄した。減圧下で濃縮して粗カルボン酸を得、これをエタノール(1.5m
l)に溶解した。この溶液にリンドラー触媒(20mg)を添加し、そして反応
物を水素雰囲気(バルーン(balloon)を介して1気圧)下で20時間撹
拌した。反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、そして熱エタノールおよ
び水で洗浄した。エタノールを減圧下で除き、そして得られた水層を凍結乾燥し
て所望のアミノ酸8および出発アジド7の混合物を白色粉末として得た。化合物
8:
Figure 2008273948
(実施例9)
化合物62:ベンゼン(450ml)中のキナ酸(60g)、シクロヘキサノ
ン(160ml)およびトルエンスルホン酸(600mg)の懸濁液をディーン
スターク(Dean−Stark)を用いて14時間還流した。反応混合物を室
温まで冷却し、飽和NaHCO3溶液(150ml)に注いだ。水層をCH2Cl
2(3×)で抽出した。合わせた有機層を水(2×)、ブライン(1×)で洗浄
し、そしてNa2SO4で乾燥した。濃縮により白色固体を得、これをエーテルか
ら再結晶した(75g、95%):
Figure 2008273948
(実施例10)
化合物63:メタノール(300ml)中のラクトン62(12.7g、50
mmol)の溶液に、ナトリウムメトキシド(2.7g、50mmol)を1度
に添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、そして酢酸(3ml)でクエンチし
、10分間撹拌した。混合物を飽和NH4Cl溶液(300ml)に注ぎ、そし
てCH2Cl2(3×)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×)で洗浄し
、そしてMgSO4で乾燥した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン/EtOAc=1/1〜1/2)により精製して、ジオール(11.5g、8
0%)および出発物質(1.2g、10%)を得た:
Figure 2008273948
(実施例11)
化合物64:CH2Cl2(15ml)中のジオール63(1.100g、3.
9mmol)、モレキュラシーブ(3A、2.2g)およびピリジン(1.1g
)の混合物に、PCC(3.3g、15.6mmol)を1度に添加した。混合
物を室温で26時間撹拌し、そしてエーテル(30ml)で希釈した。懸濁液を
セライトパッドを通して濾過し、そしてエーテル(2×20ml)で洗浄した。
合わせたエーテルをブライン(2×)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。濃縮お
よびフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=3/1)に
よる精製によりケトン(0.690g、67%)を得た:
Figure 2008273948
(実施例12)
化合物28:MeOH(12ml)中のケトン64(0.630g、2.4m
mol)の溶液に、0℃にてNaBH4を30分かけて添加した。混合物を0℃
でさらに1.5時間撹拌し、そして15mlの飽和NH4Cl溶液でクエンチし
た。溶液をCH2Cl2(3×)で抽出し、そして合わせた有機抽出物をMgSO
4で乾燥した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=
2/1)により精製してアルコール(0.614g、97%)を得た:
Figure 2008273948
(実施例13)
化合物66:アルコール28(2.93g、10.9mmol)およびトルエ
ンスルホン酸(1.5g)をアセトン(75ml)に溶解し、そして混合物を室
温で15時間撹拌した。反応を水(30ml)でクエンチし、そして濃NH3
2Oを用いてpH=9になるまで塩基性にした。アセトンを減圧下で除き、そ
して水相をCH2Cl2(3×)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(1
×)で洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥した。濃縮により所望の生成物を得た:
Figure 2008273948
(実施例14)
化合物67:CH2Cl2(60ml)中のアルコール66(10.9mmol
)の溶液に、0℃にてピリジン(4.4ml、54.5mmol)を添加し、続
いてトリメチルアセチルクロリド(2.7ml、21.8mmol)を添加した
。混合物を室温まで加温し、そして14時間撹拌した。混合物をCH2Cl2で希
釈し、そして水(2×)、ブライン(1×)で洗浄し、そしてMgSO4で乾燥
した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=9/1)
により精製してジエステル(2.320g、68%)を得た:
Figure 2008273948
(実施例15)
化合物68:ジエステル67(2.32g、2.3mmol)をアセトン/H
2O(1/1、100ml)に溶解し、そして55℃で16時間加熱した。溶媒
を除き、水(2×50ml)を添加し、そしてエバポレートした。トルエン(2
×50ml)を用いて濃縮し、ジオールを得、これをさらに精製することなく使
用した:
Figure 2008273948
(実施例16)
化合物69:THF(8ml)中のジオール68(0.410g、1.5mm
ol)の溶液に、0℃にてトリエチルアミン(0.83ml、6.0mmol)
を添加し、続いてチオニルクロリド(0.33ml、4.5mmol)をゆっく
り添加した。混合物を室温まで加温し、そして3時間撹拌した。混合物をCHC
3で希釈し、そして水(3×)、ブライン(1×)で洗浄し、そしてMgSO4
で乾燥した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=5
/1)により精製してエキソ/エンド混合物(0.430g、90%)を得た:
Figure 2008273948
(実施例17)
化合物70:DMF(10ml)中のスルホン69(0.400g、1.3m
mol)およびアジ化ナトリウム(0.410g、6.29mmol)の混合物
を20時間撹拌した。次いで、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NH4
l溶液、水、ブラインで洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。濃縮によりアジ
ド(0.338g、90%)を得た:
Figure 2008273948
(実施例18)
化合物71:CH2Cl2(11ml)中のアルコール70(0.338g、1
.1mmol)の溶液に、0℃にてトリエチルアミン(0.4ml、2.9mm
ol)を添加し、続いてメチルスルホン酸クロリド(0.18ml、2.3mm
ol)をゆっくり添加した。混合物を0℃で30分間撹拌し、そしてCH2Cl2
で希釈した。有機層を水(2×)、ブラインで洗浄し、そしてMgSO4で乾燥
した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=3/1)
により精製して所望の化合物(0.380g、82%)を得た:
Figure 2008273948
(実施例19)
化合物72:THF(19ml)中のアジド71(0.380g、0.94m
mol)およびトリフェニルホスフィン(0.271g、1.04mmol)の
混合物を2時間撹拌した。反応を水(1.9ml)およびトリエチルアミン(0
.39ml、2.82mmol)でクエンチし、そして混合物を14時間撹拌し
た。溶媒を減圧下で除き、そして混合物を次工程のために使用した。CH2Cl2
(20ml)中の上記混合物の溶液に、0℃にてピリジン(0.68ml、8.
4mmol)を添加し、続いてアセチルクロリド(0.30ml、4.2mmo
l)をゆっくり添加した。混合物を0℃で5分間撹拌し、そして酢酸エチルで希
釈した。混合物を水(2×)、ブライン(1×)で洗浄し、そしてMgSO4
乾燥した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=3/
1)により精製してアジリジン(0.205g、83%)を得た:
Figure 2008273948
(実施例20)
化合物73:DMF(10ml)中のアジリジン72(0.200g、0.6
8mmol)、アジ化ナトリウム(0.221g、3.4mmol)、および塩
化アンモニウム(0.146g、2.7mmol)の混合物を室温で14時間撹
拌した。次いで、混合物を酢酸エチルで希釈し、そして水(5×)、ブライン(
1×)で洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。フラッシュカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン/EtOAc=2/1)により精製して所望の生成物および脱
アセチルアミン(0.139g)を得た。混合物を無水酢酸(2ml)に溶解し
、そして2時間撹拌した。過剰の無水物を減圧下で除き、そして所望の生成物(
149mg)を得た:
Figure 2008273948
(実施例21)
化合物74:MeOH/H2O中の水酸化カリウムの溶液(0.5M、4.4
ml、2.2mmol)をエステル73(149mg、0.44mmol)に添
加し、そして混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、Ambe
rlite(酸性)を用いてpH=3〜4に酸性化した。混合物を濾過し、そし
てMeOHで洗浄した。濃縮してカルボン酸を白色固体(73mg、69%)と
して得た:
Figure 2008273948
(実施例22)
化合物75:エタノール(2ml)中のアジド74(8mg)およびPd−C
(リンドラー)(15mg)の混合物を水素下で16時間撹拌した。混合物をセ
ライトを通して濾過し、そして熱MeOH−H2O(1/1)で洗浄した。濃縮
により固体を得た。この固体を水に溶解し、そして短いC−8カラムに通し、そ
して水で洗浄した。濃縮により白色固体(6mg)を得た:
Figure 2008273948
(実施例23)
化合物76:カルボン酸74(68mg、0.28mmol)およびジフェニ
ルジアゾメタン(61mg、0.31mmol)をエタノール(12ml)に溶
解し、そして16時間撹拌した。反応を酢酸(0.5ml)でクエンチし、そし
て混合物を10分間撹拌した。溶媒を減圧下で除いた。フラッシュカラムクロマ
トグラフィー(EtOAc)により精製してエステル(56mg、50%)を得
た:
Figure 2008273948
(実施例24)
化合物77:CH2Cl2(1ml)中のアルコール76(20mg、0.05
mmol)の溶液に、ピリジン(40μl、0.5mmol)を添加し、続いて
無水酢酸(24μl、0.25mmol)を添加した。混合物を24時間撹拌し
、そして溶媒および試薬を減圧下で除いた。フラッシュカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン/EtOAc=1/2)により精製して、ジエステル(20mg、
91%)を得た:
Figure 2008273948
(実施例25)
化合物78:CH2Cl2(1ml)中のジエステル77(20mg、0.04
5mmol)、アニソール(50μl、0.45mmol)、およびTFA(1
ml)の混合物を20分間撹拌した。溶媒および試薬を減圧下で除いた。フラッ
シュカラムクロマトグラフィー(EtOAc対EtOAc/AcOH=100/
1)により精製して、カルボン酸(6mg)を得た:
Figure 2008273948
(実施例26)
化合物79:EtOH/H2O(2.2ml、10/1)中のアジド78(6
mg、0.02mmol)およびPd−C(リンドラー)(15mg)の混合物
を水素下にて3時間撹拌した。混合物をセライトパッドを通して濾過し、そして
熱MeOH/H2O(1/1)で洗浄した。エバポレートして白色固体を得た。
この固体を水に溶解し、C−8カラムに通した。水をエバポレートして白色粉末
(3mg)を得た:
Figure 2008273948
(実施例27)
化合物80:CH2Cl2(1ml)中のアルコール76(35mg、0.08
6mmol)、Boc−グリシン(30mg、0.172mmol)、および触
媒量のDMAPの溶液に、DCC(35mg、0.172mmol)を添加した
。混合物を30分間撹拌し、そして濾過し、そしてCHCl3で洗浄した。CH
Cl3溶液を水(2×)で洗浄した。濃縮により白色固体を得た。フラッシュカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=1/2)により精製して、生
成物(30mg)を得た:
Figure 2008273948
(実施例28)
化合物81:CH2Cl2(1ml)中のジエステル80(30mg、0.05
mmol)、アニソール(150μl)、およびTFA(1ml)の混合物を3
時間撹拌した。溶媒および試薬をエバポレートした。混合物を水に溶解し、そし
てCHCl3(3×)で洗浄した。水相をエバポレートして、白色固体(15m
g)を得た:
Figure 2008273948
(実施例29)
化合物82:EtOH/H2O(4ml、1/1)中のアジド81(15mg
、0.05mmol)およびPd−C(リンドラー)(30mg)の混合物を水
素下にて3時間撹拌した。混合物をセライトパッドを通して濾過し、そして熱M
eOH/H2O(1/1)で洗浄した。濃縮によりガラス状固体を得た。この固
体を水に溶解し、そしてC−8カラムに通した。水をエバポレートしてアミノ酸
を得た:
Figure 2008273948
(実施例30)
ビス−Bocグアニジニルメチルエステル92:KimおよびQian、「T
etrahedron Lett.」、34:7677(1993)の手順に従
って処理した。0℃に冷却した乾燥DMF(310μl)中のアミン91(42
mg、0.154mmol)、ビス−Bocチオ尿素(43mg、0.155m
mol)およびトリエチルアミン(72μl)の溶液に、塩化水銀(46mg、
0.170mmol)を1度に添加した。30分後、反応物を室温まで加温し、
そしてさらに2.5時間撹拌した。次いで反応混合物をセライトパッドを通して
濾過し、濃縮し、そしてフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%酢酸エ
チル)により精製して、70mg(89%)の92を無色の発泡体として得た。
Figure 2008273948
(実施例31)
ビス−Bocグアニジニルカルボン酸93:0℃に冷却したTHF(3ml)
中のエステル92(70mg、0.136mmol)の溶液に、KOH水溶液(
0.476M溶液の350μl)を添加した。次いで、反応物を室温まで加温し
、そして2時間撹拌した。次いで、反応物をAmberlite IR−120
(+)酸性樹脂を用いてpH=4.5まで酸性化した。次いで、樹脂を濾過し、
そしてエタノールおよびH2Oで洗浄した。減圧濃縮により66mg(97%)
のカルボン酸93を白色固体として得た。
Figure 2008273948
(実施例32)
グアニジンカルボン酸TFA塩94:0℃に冷却したCH2Cl2(1ml)中
のビス−Boc−グアニジニルカルボン酸93(23mg、0.046mmol
)の溶液に、トリフルオロ酢酸(500μl)をニートで添加した。30分後、
反応物を室温まで加温し、そしてさらに1.25時間撹拌した。揮発分を減圧下
で除き、そして残渣を数回のH2Oを用いて共エバポレート(co−evapo
rate)して淡燈色固体を得た。残渣を、溶離液としてH2Oを用いる逆相C1
8クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含有する画分をプールし
、そして凍結乾燥して15mgの93を白色粉末として得た。
Figure 2008273948
(実施例33)
102の合成:エタノール(1ml)中のアジドアリルエーテル6(24mg
、0.082mmol)の溶液を、水素ガス(1atm)を用いてリンドラー触
媒(30mg)で1.5時間処理した。反応混合物をセライトパッドを通して濾
過し、そして熱エタノールで洗浄した。減圧濃縮により淡白色固体を得、そして
これをTHF(1.5ml)に溶解し、そしてKOH水溶液(246μlの0.
50M溶液)で処理した。周囲温度で2時間撹拌した後、反応物をAmberl
ite IR−120(+)酸性樹脂を用いてpH=4.0に酸性化し、濾過し
、そしてエタノールおよびH2Oで洗浄した。減圧濃縮により燈色固体を得、こ
れを、水で溶出するC18カラムクロマトグラフィーにより精製した。この生成物
を含有する画分をプールし、そして凍結乾燥して、102および完全に飽和され
た化合物103の2:1混合物を白色粉末として得た。化合物102についての
1H NMRデータは次の通りである:
Figure 2008273948
(実施例34)
115の合成:0℃に冷却した水(1.3ml)中のアミノ酸114(10.
7mg、0.038mmol)の溶液を1.0M NaOHを用いてpH=9.
0に調節した。次いで、ベンジルホルムイミデート塩酸塩(26mg、0.15
3mmol)を1度に添加し、そして反応物を1.0M NaOHを用いてpH
を8.5〜9.0の間に維持しながら、0〜5℃の間で3時間撹拌した。次いで
、反応物を減圧下で濃縮し、そして残渣をC18カラムに供し、そして、水で溶出
した。この生成物を含有する画分をプールし、そして凍結乾燥してホルマミジン
カルボン酸115(10mg)を白色粉末として得た。
Figure 2008273948
(実施例35)
化合物123:ピリジン(40ml)中のアルコール63(5.842g、2
0.5mmol)およびDMAP(200mg)の溶液に、トシルクロリド(4
.3g、22.6mmol)を添加した。混合物を室温で40時間撹拌し、そし
てピリジンを減圧下で除いた。反応を水でクエンチし、そしてEtOAc(3×
)で抽出した。合わせた有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、そしてMgSO4
で乾燥した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=2
/1)により精製して、トシレート(8.04g、89%)を得た:
Figure 2008273948
(実施例36)
化合物124:ピリジン(3ml)中のアルコール123(440mg、1.
0mmol)の溶液にPOCl3(100μl、1.1mmol)を添加した。
混合物を室温で12時間撹拌し、そして飽和NH4Cl溶液でクエンチした。水
相をエーテル(3×)で抽出した。合わせたエーテル層を、水(2×)、2N
HCl溶液(2×)、ブラインで洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。フラッ
シュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=2/1)により精製し
て所望の生成物124およびいくらかの不純物の混合物(350mg、83%、
2/1)を得た。
(実施例37)
化合物1:ジクロロメタン(15ml)中のメチルシキメートの公知のアセト
ニド(877mg、3.85mmol、「Tetrahedron Lett」
、26:21(1985))の溶液に、−10℃にてメタンスルホニルクロリド
(330μl、4.23mmol)を添加し、続いてトリエチルアミン(640
μl、4.62mmol)を滴下した。溶液を−10℃で1時間、次いで0℃で
2時間撹拌し、その時に、メタンスルホニルクロリド(30μl)、トリエチル
アミン(64μl)を添加した。1時間後、冷水を添加し、有機層を分離し、水
で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、エバポレートした。粗生成物をシリカゲルで
クロマトグラフィー(1/1−ヘキサン/酢酸エチル)にかけ、メシレート13
0(1.1g、93%)をオイルとして得た。メシレート130(990mg、
3.2mmol)をテトラヒドロフラン(5ml)に溶解し、そして1M HC
l(5ml)で処理した。溶液を室温で19時間撹拌し、水(5ml)で希釈し
、そしてさらに7時間撹拌した。有機溶媒をエバポレートしてオイルの残渣を沈
殿させ、これを酢酸エチル中に抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄
し、乾燥(MgSO4)し、そしてエバポレートした。粗残渣にCH2Cl2を添
加して白色固体を沈殿させ、これを濾過し、そしてCH2Cl2で洗浄してジオー
ル131(323mg、38%)を得た。THF(5ml)中のジオール131
(260mg、0.98mmol)の部分懸濁液に、0℃にてDBU(154μ
l、1.03mmol)を添加した。溶液を0℃で3時間撹拌し、次いで、室温
まで加温して5時間撹拌した。溶媒をエバポレートし、そして粗残渣を酢酸エチ
ル(40ml)と5%クエン酸(20ml)との間で分配した。有機相をブライ
ンで洗浄した。水相を酢酸エチル(15ml)で逆抽出し、そして合わせた有機
抽出物を乾燥(MgSO4)し、そしてエバポレートしてエポキシド(117m
g、70%)を白色固体として得た。これは、文献の方法により調製される構造
1と一致する1H NMRスペクトルを示す。
(実施例38)
アルコール51:CH2Cl2(10ml)中の保護アルコール(342mg、
1.15mmol)(PG =メトキシメチル)の溶液に、0℃にてトリフルオ
ロ酢酸(8ml)を添加した。0℃で5分後、溶液を室温で1時間撹拌し、そし
てエバポレートした。粗生成物をシリカゲルで精製(酢酸エチル)してアルコー
ル51(237mg、82%)をオイルとして得た:
Figure 2008273948
(実施例39)
メチルエーテル150:THF(0.7ml)中のアルコール51(46mg
、0.18mmol)およびヨウ化メチル(56μl、0.90mmol)の溶
液に、0℃にて60%鉱油分散物としてのNaH(8mg、0.20mmol)
を添加した。溶液を0℃で2.5時間撹拌し、そして2回目のNaH(2mg)
を添加した。0℃でさらに1時間、そして室温で4時間後、溶液を0℃まで冷却
し、5%クエン酸(0.5ml)を添加した。混合物を酢酸エチル(4×2ml
)で抽出し、そして合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO4)し、そしてエバポ
レートした。粗残渣をシリカゲルで精製(酢酸エチル)してメチルエーテル15
0(12mg、25%)を固体として得た:
Figure 2008273948
(実施例40)
アミノ酸151:THF(1ml)/水(100μl)中のメチルエーテル1
50(12mg、0.45mmol)の溶液に、ポリマー支持Ph3P(75m
g、3mmol P/g樹脂)を添加した。混合物を室温で19時間撹拌した。
樹脂を濾過し、THFで数回洗浄し、そして合わせた濾液および洗液を、エバポ
レートして8mgの粗残渣を得た。残渣をTHF(0.5ml)に溶解し、そし
て0.5M KOH(132μl)/水(250μl)を添加した。溶液を室温
で1.25時間撹拌し、pHをIR120イオン交換樹脂を用いて3〜4に調節
した。樹脂を濾過し、そして1M HClを用いて撹拌した。濾過後、酸性洗液
が、ニンヒドリンを用いてアミンに対し、もはや陽性と試験されなくなるまで、
樹脂を1M HClを用いて同様の処理に供した。合わせた樹脂洗液をエバポレ
ートし、そして残渣を水で溶出するC−18逆相シリカで精製し、凍結乾燥後、
アミノ酸151(1.8mg、15%)を白色固体として得た:
Figure 2008273948
(実施例41)
アミノ酸アリルエーテル153:THF(0.5ml)およびH2O(35μ
l)中のアジド6(16mg、0.054mmol)の溶液に、ポリスチレン支
持PPh3(50mg)を添加した。反応物を周囲温度で24時間撹拌し、焼結
ガラス漏斗を通して濾過し、そして熱メタノールで洗浄した。減圧濃縮により粗
アミノエステルを得、これをTHF(1.0ml)に溶解し、そしてKOH水溶
液(0.5M溶液の220μl)で処理した。周囲温度で2時間撹拌した後、溶
液がpH=4.5となるまで、Amberlite IR−120(+)酸性樹
脂を添加した。樹脂を濾過し、そしてエタノールおよびH2Oで洗浄した。減圧
濃縮により淡燈色固体を得、溶離液として水を用いる逆相C18クロマトグラフィ
ーにより精製した。所望の生成物を含有する画分をプールし、そして凍結乾燥し
て、アミノ酸を白色粉末として得た。
Figure 2008273948
(実施例42)
エポキシド161:MCPBA(690mg)を、0℃に冷却したジクロロメ
タン(15ml)中のオレフィン160(532mg、1.61mmol、実施
例14により調製され、粗メシレートを、使用前に30%EtOAc/ヘキサン
を用いてシリカゲルを通して濾過した)の溶液に添加した。混合物を室温まで加
温し、そして一晩撹拌した。大部分の溶媒を減圧下で除き、そして混合物を酢酸
エチルで希釈した。有機層を重亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和重炭酸ナトリウム
、ブラインで洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。減圧濃縮し、残渣をフラッ
シュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル中の30%ヘキサン)にかけて、4
37mg(78%)の161を淡白色のオイルとして得た。
Figure 2008273948
(実施例43)
ジオール162:エポキシド161(437mg、1.23mmol)を、5
滴の70%HClO4を含有するTHF(20ml)およびH2O(10ml)中
で1時間穏やかに還流した。固体NaHCO3を添加し、そして混合物を減圧下
で濃縮した。残渣をEtOAcに溶解し、ブラインで洗浄し、そして乾燥した。
減圧濃縮により粗ジオール162を淡白色のオイルとして定量的な収率で得た。
次の反応のために精製することなく使用した。
(実施例44)
アルデヒド163:ジオール162の酸化を、Vo−Quangおよび共同研
究者、Synthesis、68(1988)の手順に従って行った。ジクロロ
メタン(30ml)中のシリカゲル(4.3g)のスラリーに、NaIO4(0
.65M水溶液の4.4ml)の溶液を添加した。このスラリーに、EtOAc
(5ml)およびジクロロメタン(15ml)中の粗ジオール162(520m
g)の溶液を添加した。1時間後、固体を濾過し、そして20%ヘキサン/Et
OAcで洗浄した。濃縮して、オイル状の残渣を得、これをEtOAcに溶解し
、そしてMgSO4で乾燥した。減圧濃縮によりアルデヒド163を淡白色のオ
イルとして得、これを直ちに次の反応のために使用した。
Figure 2008273948
(実施例45)
アルコール164:粗アルデヒド163を、Borchおよび共同研究者、「
J.Amer.Chem.Soc.」、93:2897(1971)の手順に従
い、NaCNBH3を用いて処理し、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル中の40%ヘキサン)にかけた後、269mg(65%)のアルコール164
を得た。
Figure 2008273948
(実施例46)
アジリジン165:アルコール164(208mg、0.62mmol)を通
常の方法(AcCl、ピリジン、ジクロロメタン、触媒DMAP)でアセチル化
し、アセテート(241mg、100%)を得た。粗アセテート(202mg、
0.54mmol)を、室温でTHF(12ml)中のPh3P(155mg)
を用いて2時間処理した。次いでH2O(1.1ml)およびトリエチルアミン
(224μl)を添加し、そして溶液を一晩撹拌した。反応混合物を濃縮し、そ
して残渣を酢酸エチルと飽和重炭酸塩/ブラインとの間で分配した。有機層を乾
燥し、減圧下で濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc中の
10%MeOH)により精製して125mg(90%)のアジリジン165を白
色固体として得た。
Figure 2008273948
(実施例47)
N−Bocアジリジン166:Boc無水物(113mg、0.52mmol
)を、ジクロロメタン(7ml)中のアジリジン165(125mg、0.49
mmol)、トリエチルアミン(70μl)DMAP(触媒量)の溶液に添加し
た。1時間後、反応物を濃縮し、そして残渣をフラッシュクロマトグラフィー(
ヘキサン中の40%EtOAc)に供して154mg(88%)のN Bocア
ジリジン166を淡白色のオイルとして得た。
Figure 2008273948
(実施例48)
アジドエステル167:アジリジン166(154mg、0.43mmol)
、アジ化ナトリウム(216mg)、および塩化アンモニウム(223mg)を
、DMF(5ml)中で100℃にて18時間加熱した。冷却した反応混合物を
エチルエーテルとブラインとの間で分配した。エーテル層をH2O、ブラインで
洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。濃縮して粗残渣を得、これを40%TF
Aを用いてジクロロメタン中で室温にて処理した。2時間後、反応物を減圧下で
濃縮して淡白色のオイルを得、これをEtOAcで溶出するシリカゲルの短カラ
ムに通した。次いで生成物を、通常の方法(AcCl、ピリジン、ジクロロメタ
ン、触媒DMAP)でアシル化し、フラッシュクロマトグラフィー(クロロホル
ム中の5%MeOH)にかけた後、アジドエステル167を淡黄色のオイル16
mg(3工程に対して11%)を得た。
Figure 2008273948
(実施例49)
アミノ酸168:0℃に冷却したTHF(1ml)中のエステル167(16
mg、0.047mmol)の溶液に、KOH水溶液(0.476M溶液の20
8μl)を添加した。次いで、反応物を室温まで加温し、そして2時間撹拌した
。次いで、反応物をAmberlite IR−120(+)酸性樹脂を用いて
pH=4.0に酸性化した。次いで、樹脂を濾過し、そしてエタノールおよびH
2Oで洗浄した。減圧濃縮により14mg(100%)のアジドカルボン酸を白
色固体として得た。アジド酸をエタノール(2ml)に溶解し、そしてCore
yおよび共同研究者、「Synthesis」、590(1975)の手順に従
い、リンドラー触媒(15mg)で16時間水素ガス(1atm)で処理した。
反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、そして熱エタノールおよびH2
で洗浄した。減圧濃縮により燈色固体を得、これをH2Oで溶出するC18カラム
クロマトグラフィーにより精製した。この生成物を含有する画分をプールし、そ
して凍結乾燥して9.8mgの168を白色粉末として得た。
Figure 2008273948
(実施例50)
エポキシMOMエーテル19(PG=メトキシメチル):Mordiniおよ
び共同研究者、J.Org.Chem.、59:4784(1994)の手順に
従い、エポキシアルコール1から74%で調製した。
Figure 2008273948
(実施例51)
アジリジン170:実施例3および4に記載の一般的なプロトコルに従い、エ
ポキシド19(PG=メトキシメチル)から全体で77%で調製した。
Figure 2008273948
(実施例52)
アジドエステル22(PG=メトキシメチル):アジリジン170(329m
g、1.54mmol)、NaN3(446mg)およびNH4Cl(151mg
)を、DMF(20ml)中で18時間65℃にて加熱した。冷却した反応混合
物をエチルエーテルとブラインとの間で分配した。エーテル層をH2O、ブライ
ンで洗浄し、MgSO4で乾燥した。減圧濃縮により粗アジドアミンを淡白色の
オイルとして得、これをCH2Cl2(15ml)中で溶解し、そしてピリジン(
4ml)およびAcCl(150μl)で処理した。水溶液にし、続いて残渣を
フラッシュクロマトグラフィーにかけて、350mg(76%)のアジドエステ
ル22(PG=メトキシメチル)を淡白色のオイルとして得た。
Figure 2008273948
(実施例53)
アミノ酸114:Coreyおよび共同研究者、「Synthesis」、5
90(1975)の手順に従い、アジド22(PG=メトキシメチル)(39m
g、0.131mmol)をエタノール中のリンドラー触媒(39mg)で2.
5時間、1気圧にて水素ガスで処理した。反応混合物をセライトパッドを通して
濾過し、熱エタノールで洗浄し、そして濃縮して粗アミン33mg(92%)を
淡白色の発泡体として得た。THF(1ml)中のアミンをKOH水溶液(0.
476M溶液の380μl)で処理した。1時間後、反応物をAmberlit
e IR−120(+)酸性樹脂を用いてpH=4.0に酸性化した。次いで、
樹脂を濾過し、そしてH2Oで洗浄し、そして濃縮して淡白色の固体を得、これ
をH2Oで溶出するC18カラムクロマトグラフィーにより精製した。この生成物
を含有する画分をプールし、そして凍結乾燥して20mgの114を白色粉末と
して得た。
Figure 2008273948
(実施例54)
アミノ酸171:固体アミノ酸114(4mg、0.015mmol)に、C
2Cl2中の40%TFA(1ml、添加前0℃まで冷却)を添加した。室温で
1.5時間撹拌後、反応混合物を濃縮して白色の発泡体を得た。H2Oから数回
共エバポレーションし、続いて凍結乾燥して、白色固体で、5.5mgの117
をTFA塩として得た。
Figure 2008273948
(実施例55)
アセトニド180:メタノール(300ml)中のシキミ酸(25g、144
mmol、Aldrich)の懸濁液に、p−トルエンスルホン酸(274mg
、1.44mmol、1mol%)を添加し、そして混合物を加熱して2時間還
流した。さらにp−トルエンスルホン酸(1mol%)を添加した後、反応物を
26時間還流し、そしてエバポレートした。粗メチルエステル(28.17g)
をアセトン(300ml)中に懸濁させ、そしてジメトキシプロパン(35ml
、288mmol)で処理し、そして室温で6時間撹拌し、次いで、エバポレー
トした。粗生成物を酢酸エチル(400ml)に溶解し、そして飽和NaHCO
3(3×125ml)および飽和NaClで洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4
)し、濾過し、そしてエバポレートして粗アセトニド180(約29.4g)を
得、これを直接使用した:
Figure 2008273948
(実施例56)
メシレート130:CH2Cl2(250ml)中のアセトニド180(29.
4g、141mmol)溶液に、0℃にてトリエチルアミン(29.5ml、2
12mmol)を加え、続いて、メタンスルホニルクロライド(13.6ml、
176mmol)を、10分間にわたって加えた。反応物を、0℃で1時間撹拌
し、そして氷冷水(250ml)を加えた。分液漏斗に移した後、有機相を水、
5%クエン酸(300ml)、飽和NaHCO3(300ml)で洗浄し、乾燥
(MgSO4)し、濾過し、そしてエバポレートした。粗生成物を、酢酸エチル
で溶出するフリット化ガラス漏斗でシリカゲルの短いプラグを通して濾過した。
濾液をエバポレートして、メシレート130(39.5g、91%)を、次工程
において直接使用する粘稠なオイルとして得た:
Figure 2008273948
(実施例57)
ジオール131:メタノール(500ml)中のメシレート130(35.8
5g、117mmol)溶液に、p−トルエンスルホン酸(1.11g、5.8
5mmol、5mol%)加え、そしてこの溶液を1.5時間還流し、そしてエ
バポレートした。残渣をメタノール(500ml)に再溶解し、そしてさらに4
時間還流した。溶媒をエバポレートし、そして粗オイルを、ジエチルエーテル(
250ml)で粉砕した。0℃で一晩の結晶化を終了させた後、この固体を濾過
し、そして冷ジエチルエーテルで洗浄し、そして乾燥してジオール131(24
.76g)を白色固体として得た。濾液のエバポレートし、そしてメタノール/
ジエチルエーテルから残渣を結晶化させることにより、さらに1.55gを得た
。26.3g(85%)のジオール131を得た:
Figure 2008273948
(実施例58)
エポキシアルコール1:テトラヒドロフラン(400ml)中のジオール13
1(20.78g、78mmol)の懸濁液を、0℃にて1,8−ジアザビシク
ロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(11.7ml、78mmol)で処理し
、そして室温で9時間撹拌し、その後反応を終了させた。反応物をエバポレート
し、そして粗残渣をCH2Cl2(200ml)中に溶解し、そして飽和NaCl
(300ml)で洗浄した。水相をCH2Cl2(2×200ml)で抽出した。
合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO4)し、濾過し、そしてエバポレートした
。粗生成物をシリカゲル(酢酸エチル)で精製してエポキシアルコール1(12
g、90%)を白色固体として得た。この1H NMRスペクトルは、文献:M
cGowan, D.A.;Berchtold, G.A., 「J.Org
.Chem.」 46: 2381(1981)に報告されたスペクトルと一致
した。
(実施例59)
メトキシメチルエーテル22(PG=メトキシメチル):CH2Cl2(100
ml)中のエポキシアルコール1(4g、23.5mmol)の溶液に、N,N
’−ジイソプロピルエチルアミン(12.3ml、70.5mmol)、続い
てクロロメチルメチルエーテル(3.6ml、47mmol、工業グレードから
蒸留)を加えた。この溶液を3.5時間還流し、そして溶媒をエバポレートした
。残渣を、酢酸エチル(200ml)と水(200ml)との間で分配した。水
相を酢酸エチル(100ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaCl
(100ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、そしてエバポレート
して4.9gの固体残渣を得た。これは、次工程において直接使用するに適切な
純度であった:融点62〜65℃(粗);融点64〜66℃(ジエチルエーテル
/ヘキサン);
Figure 2008273948
化合物22のエチルエステルアナログ:
CH2Cl2(277ml)中の化合物1(12.0g、0.065mol)の
対応するエチルエステル溶液に、室温にてジイソプロピルエチルアミン(34.
0ml、0.13mol)、続いてクロロメチルメチルエーテル(10.0ml
、0.19mol)を加えた。次いで、反応混合物を、穏やかに2時間還流し、
冷却し、減圧下で濃縮し、そしてEtOAcと水との間で分配した。有機層を分
離し、そして希HCl、飽和重炭酸塩、ブラインで連続して洗浄し、MgSO4
で乾燥した。減圧下で濃縮し、続いてシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフ
ィー(EtOAc中の50%ヘキサン)により、化合物22の対応するエチルエ
ステルの13.3g(90%)を、無色の液体として得た。
Figure 2008273948
(実施例60)
アルコール181:8/1−MeOH/H2O(175ml、v/v)中のメ
トキシメチルエーテル22(PG=メトキシメチル)(4.9g、22.9mm
ol)溶液に、アジ化ナトリウム(7.44g、114.5mmol)および塩
化アンモニウム(2.69g、50.4mmol)と加え、そしてこの混合物を
15時間還流した。反応物を水(75ml)で希釈して沈澱した塩を溶解し、こ
の溶液を濃縮してメタノールを除いた。得られた沈澱したオイル状の残渣を含有
する水相を、水で200mlの容量まで希釈し、そして酢酸エチル(3×100
ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を、飽和NaCl(100ml)で洗浄
し、乾燥し(MgSO4)し、濾過し、そしてエバポレートした。粗生成物をシ
リカゲル(1/1−ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、アルコール181(5
.09g、86%)を、淡黄色のオイルとして得た。その後、アルコール181
を調製することにより、さらに精製することなく、次工程における使用に十分な
純度である物質を得た。
Figure 2008273948
(実施例61)
メシレート184:CH2Cl2(100ml)中のアルコール181(6.4
7g、25.2mmol)溶液に、0℃にてまずトリエチルアミン(4.4ml
、31.5mmol)、次いで、メタンスルホニルクロライド(2.14ml、
27.7mmol)を加えた。反応物を0℃で45分間撹拌し、次いで室温まで
加温し15分間撹拌した。反応物をエバポレートし、そして残渣を酢酸エチル(
200ml)と水(100ml)との間で分配した。有機相を、水(100ml
)、飽和NaHCO3(100ml)、飽和NaCl(100ml)で洗浄した
。水洗液を、同様のNaHCO3/NaCl溶液で洗浄した、酢酸エチルで1度
抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO4)し、濾過し、そしてエバポ
レートした。粗生成物は、次工程において直接使用するに適切な純度であった:
Figure 2008273948
(実施例62)
アジリジン170:THF(150ml)中のメシレート184(8.56g
、25mmol)溶液に、0℃にてPh3P(8.2g、31mmol)をまず
、冷却しながら1/3量を加え、次いで氷浴を取り除いた後、残りのPh3Pを
10〜15分間かけて加えた。Ph3Pの添加終了後、反応物を室温で3時間撹
拌すると、白色の沈殿物が形成した。この懸濁液にトリエチルアミン(5.2m
l、37.5mmol)および水(10ml)を加え、混合物を室温で12時間
撹拌した。反応物を濃縮してTHFを除き、そして残渣をCH2Cl2(200m
l)と飽和NaCl(200ml)との間で分配した。水相をCH2Cl2で数回
に分けて抽出し、そして合わせた有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、
そしてエバポレートして、粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲル(10%
MeOH/EtOAc)で精製して、アジリジン170(4.18g、78%)
をオイルとして得た。これは、代表的には、微量のトリフェニルホスフィンオキ
シド不純物を含んでいた:
Figure 2008273948
(実施例63)
アミン182:DMF(30ml)中のアジリジン170(3.2g、15m
mol)溶液に、ロータリーエバポレーター(40℃)により数分間減圧して、
この溶液を脱気した。この溶液に、アジ化ナトリウム(4.9g、75mmol
)および塩化アンモニウム(1.6g、30mmol)を加えて、混合物を65
〜70℃で21時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル(約1
00ml)で希釈し、そして濾過した。濾液をエバポレートし、そして残渣をジ
エチルエーテル(100ml)と飽和NaCl(100ml)との間で分配した
。有機相を、飽和NaCl(100ml)で再び洗浄し、乾燥(MgSO4)し
、濾過し、そしてエバポレートした。さらなる粗生成物を、酢酸エチルでの抽出
による水性洗液から得、そして上記と同様の方法で処理した。粗生成物をシリカ
ゲル(5%MeOH/CH2Cl2)で精製して、アミン182(2.95g)を
オイルとして得た。これは、前工程に由来する少量のトリフェニルホスフィンオ
キシド不純物を含んでいた:
Figure 2008273948
(実施例64)
N−トリチルアジリジン183:アミン182(2.59g、10.2mmo
l)を5%HCl/MeOH(30ml)に溶解し、そしてこの溶液を室温で3
時間撹拌した。さらなる5%HCl/MeOH(10ml)を加えて1時間撹拌
し、そして溶媒をエバポレートして、高減圧後に黄褐色の固体として2.52g
のHCl塩を得た。CH2Cl2(50ml)中のHCl塩の懸濁液に、0℃にて
トリエチルアミン(3.55ml、25.5mmol)を加え、続いて固体トリ
チルクロライド(5.55g、12.8mmol)を1度に加えた。混合物を0
℃で1時間撹拌し、次いで室温まで加温して2時間撹拌した。反応物を0℃まで
冷却し、トリエチルアミン(3.6ml、25.5mmol)を加え、そしてメ
タンスルホニルクロライド(0.97ml、12.5mmol)を加え、得られ
た混合物を1時間0℃でそして22時間室温で撹拌した。反応物をエバポレート
し、そして残渣を、ジエチルエーテル(200ml)と水(200ml)との間
で分配した。有機相を水(200ml)で洗浄し、そして合わせた水相をジエチ
ルエーテル(200ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水(100ml
)、飽和NaCl(200ml)で洗浄し、そして乾燥(Na2SO4)し、濾過
し、そしてエバポレートした。粗生成物をシリカゲル(1/1−ヘキサン/CH
2Cl2)で精製して、N−トリチルアジリジン183(3.84g、86%)を
白色の発泡体として得た:
Figure 2008273948
(実施例65)
化合物190:N−トリチルアジリジン183(100mg、0.23mmo
l)、シクロヘキサノール(2ml)および三フッ化ホウ素エーテル錯化合物(
42μL、0.35mmol)の溶液を70℃で1.25時間加熱し、そしてエ
バポレートした。残渣をピリジン(2ml)に溶解し、そして無水酢酸(110
μL、1.15mmol)および触媒DMAPで処理した。室温で3時間の撹拌
した後、反応物をエバポレートした。残渣を、酢酸エチルと5%クエン酸との間
で分配した。水相を酢酸エチルで抽出し、そして合わせた有機抽出物を飽和Na
HCO3、および飽和NaClで洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4)し、濾過
し、そしてエバポレートした。粗生成物をシリカゲル(1/1−ヘキサン/酢酸
エチル)で精製して、化合物190(53mg、69%)を固体として得た:融
点105〜107℃(酢酸エチル/ヘキサン);
Figure 2008273948
(実施例66)
化合物191:THF中の化合物190(49mg、0.15mmol)溶液
に、トリフェニルホスフィン(57mg、0.22mmol)および水(270
μL)を加え、この溶液を50℃で10時間加熱した。反応物をエバポレートし
、残渣を酢酸エチルに溶解し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、そしてエバポレ
ートした。粗生成物をシリカゲル(1/1−メタノール/酢酸エチル)で精製し
て淡黄色の固体としてアミン(46mg)を得た。THF(1.5ml)中のア
ミン溶液を、1.039N KOH溶液(217μL)および水(200μL)
に加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、0℃まで冷却し、そしてIR
120イオン交換樹脂でpH6〜6.5に酸性化した。樹脂を濾過し、メタノ
ールで洗浄し、そして濾液をエバポレートした。固体残渣を水に溶解し、そして
水、次いで2.5%アセトニトリル/水で溶出するC−18逆相シリカゲルのカ
ラム(4×1cm)を通過させた。生成物画分を合わせ、そしてエバポレートし
、そして残渣を水に溶解し、そして凍結乾燥してアミノ酸191(28mg)を
白色固体として得た:
Figure 2008273948
(実施例67)
ビス−Bocグアニジノエステル201:KimおよびQian、「Tetr
ahedron Lett.」, 34:7677(1993)の手順に従って
処理した。0℃に冷却した、乾燥DMF(5.0ml)中のアミン200(52
9mg、1.97mmol、実施例109の方法により調製)、ビス−Bocチ
オ尿素(561mg、2.02mmol)およびEt3N(930μL)の溶液
に、HgCl2(593mg、2.18mmol)を1度に加えた。不均一な反
応混合物を45分間0℃で、次いで室温で15分間撹拌した。その後、反応物を
EtOAcで希釈し、そしてセライトパッドを通して濾過した。減圧下で濃縮し
、続いて、シリカゲル(酢酸エチル中10%のヘキサン)で残渣をフラッシュク
ロマトグラフィーにかけ、904mg(90%)の201を淡白色のオイルとし
て得た。
Figure 2008273948
(実施例68)
カルボン酸202:THF(10ml)中のメチルエステル201(904m
g、1.77mmol)溶液に、KOH水溶液(3.45mlの1.039N溶
液)を加えた。反応混合物を室温で17時間撹拌し、0℃まで冷却し、そしてA
mberlite IR−120(H+)酸性樹脂でpH4.0に酸性化した。
樹脂を濾過し、そして水およびメタノールで洗浄した。減圧下で濃縮して、遊離
酸を淡白色の発泡体として得、これを次の反応において、さらに精製することな
く使用した。
(実施例69)
グアニジンカルボン酸203:0℃に冷却したCH2Cl2(40ml)中のビ
ス−Bocグアニドニル酸(guanidnyl acid)202(先の反応
の粗生成物)溶液に、ニートなトリフルオロ酢酸(25ml)を加えた。反応混
合物を0℃で1時間、次いで室温で2時間撹拌した。減圧下で濃縮し、淡橙色の
固体を得た。これを、水で溶出するC18逆相クロマトグラフィーにより精製した
。所望の生成物を含有する画分をプールし、そして凍結乾燥して、495mg(
68%、2工程)のグアニジンカルボン酸203をトリフルオロ酢酸塩として得
た。
Figure 2008273948
(実施例70)
ホルムアミジンカルボン酸204:水(500μL)中のアミノ酸102(2
5mg、0.10mmol、実施例110の方法により調製)溶液を、0〜5℃
にて1.0N NaOHでpH8.5に調節した。ベンジルホルムイミデート塩
酸塩(45mg、0.26mmol)を1度に加え、反応混合物を、1.0N
NaOHでpHを8.5〜9.0に維持しながら、3時間この温度で撹拌した。
次いで、反応物を減圧下で濃縮し、そして水で溶出するC18逆相クロマトグラフ
ィーによって精製した。所望の生成物を含有する画分をプールし、そして凍結乾
燥して4.0mg(13%)のホルムアミジンカルボン酸204を得た。
Figure 2008273948
(実施例71)
アミノ酸206:THF(1.0ml)中のアミノメチルエステル205(8
4mg、0.331mmol、実施例107により調製)溶液に、KOH水溶液
(481μLの1.039N溶液)を加えた。反応混合物を室温で2.5時間撹
拌し、Amberlite IR−120(H+)酸性樹脂でpH6.5に酸性
化した。この樹脂を濾過し、水およびメタノールで洗浄した。減圧下で濃縮して
、アミノ酸を白色の固体として得た。これを、水で溶出するC18逆相クロマトグ
ラフィーによって精製した。所望の生成物を含有する画分をプールし、そして凍
結乾燥して59mg(74%)のアミノ酸206を得た。
Figure 2008273948
(実施例72)
トリフルオロアセトアミド207:乾燥メタノール(1.0ml)中のアミノ
酸206(59mg、0.246mmol)の脱気した溶液に、アルゴン下にて
Et3N(35μL)、続いてトリフルオロ酢酸メチル(35μL)を加えた。
反応物を1週間室温で撹拌し、そして濃縮した。1H NMRによる分析によっ
て、反応が40%終了していたことが示された。粗反応生成物を、乾燥メタノー
ル(1.0ml)、トリフルオロ酢酸メチル(1.0ml)およびEt3N(0
.5ml)に再び溶解し、そして室温で5日間撹拌した。次いで、反応物を減圧
下で濃縮し、50%THF水溶液(2.0ml)に溶解し、Amberlite
IR−120(H+)酸性樹脂でpH4に酸性化し、そして濾過した。濃縮し
て、粗トリフルオロアセトアミドカルボン酸を得た。これを、次の反応のために
さらに精製することなく使用した。
(実施例73)
アミノ酸208:THF(2.0ml)および水(160μL)中のアジド2
07(先の反応の粗生成物)溶液を、室温にて、ポリマー支持トリフェニルホス
フィン(225mg)で処理した。20時間撹拌した後、このポリマーを濾過し
、メタノールで洗浄した。減圧下で濃縮して、淡白色の固体を得た。これを、水
で溶出するC18逆相クロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物を含有
する画分をプールし、そして凍結乾燥して6.5mg(9%)のトリフルオロア
セトアミドアミノ酸208を得た。
Figure 2008273948
(実施例74)
メチルスルホンアミドメチルエステル209:メタンスルホニルクロライド(
19μL)を、0℃でCH2Cl2(1.0ml)中のアミン205(58mg、
0.23mmol、実施例107により調製)、Et3N(97μL)および触
媒量のDMAP(結晶がほとんどなし)に加えた。30分後、反応混合物を室温
まで加温し、そしてさらに1時間撹拌した。減圧下で濃縮し、続いて、シリカゲ
ル(酢酸エチル中50%ヘキサン)で残渣をフラッシュクロマトグラフィーにか
け、61mg(79%)のスルホンアミド209を得た。
Figure 2008273948
(実施例75)
アミノエステル210:THF(2.0ml)および水(118μL)中のア
ジド209(61mg、0.183mmol)溶液を、室温で、ポリマー支持ト
リフェニルホスフィン(170mg)を用いて処理した。17.5時間撹拌した
後、このポリマーを濾過し、そしてメタノールで洗浄した。減圧下で濃縮し、続
いて、短いシリカゲルカラム(100%メタノール)を通して残渣をフラッシュ
クロマトグラフィーにかけ、45mg(80%)のアミノエステル210を淡白
色の発泡体として得た。
Figure 2008273948
(実施例76)
アミノ酸211:THF(200μL)中のメチルエステル210(21mg
、0.069mmol)溶液を、KOH水溶液(135μLの1.039N溶液
)で処理した。反応混合物を室温で40分間撹拌し、そしてAmberlite
IR−120(H+)酸性樹脂でpH7.0に中和した。この樹脂を濾過し、
そして水およびメタノールで洗浄した。減圧下で濃縮し、アミノ酸を淡白色の固
体として得た。これを、水で溶出するC18逆相クロマトグラフィーにより精製し
た。所望の生成物を含有する画分をプールし、そして凍結乾燥して3.5mg(
17%)のアミノ酸211を得た。
Figure 2008273948
(実施例77)
ビス−Bocグアニジノエステル212:KimおよびQian、「Tetr
ahedron Lett.」, 34:7677(1993)の手順に従って
処理した。0℃に冷却した、乾燥DMF(203μL)中のアミン210(31
mg、0.101mmol)、ビス−Bocチオ尿素(28.5mg、0.10
3mmol)およびEt3N(47μL)の溶液に、HgCl2(30mg、0.
11mmol)を1度に加えた。不均一な反応混合物を0℃で30分間、次いで
室温で30分間撹拌した。その後、反応物をEtOAcで希釈し、そしてセライ
トパッドを通して濾過した。減圧下で濃縮し、続いて、シリカゲル(酢酸エチル
の中40%ヘキサン)で残渣をフラッシュクロマトグラフィーにかけ、49mg
(89%)の212を淡白色のオイルとして得た。
Figure 2008273948
(実施例78)
カルボン酸213:THF(1.0ml)中のメチルエステル212(49m
g、0.090mmol)溶液に、KOH水溶液(260μLの1.039N溶
液)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、0℃まで冷却し、そしてA
mberlite IR−120(H+)酸性樹脂でpH4.0に酸性化した。
この樹脂を濾過し、そして水およびメタノールで洗浄した。減圧下で濃縮して、
遊離酸を淡白色の発泡体として得た。これを、次の反応において、さらに精製す
ることなく使用した。
(実施例79)
グアニジンカルボン酸214:0℃に冷却したCH2Cl2(2.0ml)中の
ビス−Bocグアニドニル酸213(先の反応の粗生成物)溶液に、ニートなト
リフルオロ酢酸(2.0ml)を加えた。反応混合物を0℃で1時間、次いで室
温で1時間撹拌した。減圧下で濃縮し、淡橙色の固体を得た。これを、水で溶出
するC18逆相クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含有する画分
をプールし、そして凍結乾燥して、10mg(25%、2工程)のグアニジンカ
ルボン酸214を得た。
Figure 2008273948
(実施例80)
プロピオンアミドメチルエステル215:プロピオニルクロライド(96μL
、1.1mmol)を、0℃に冷却した、CH2Cl2(2.0ml)中のアミン
205(178mg、0.70mmol、実施例107により調製)およびピリ
ジン(1.5ml)の溶液に加えた。0℃で30分後、反応物を濃縮し、そして
酢酸エチルとブラインとの間で分配した。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウ
ム、ブラインで続けて洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。減圧下で濃縮し、
続いて、シリカゲル(酢酸エチル中の40%ヘキサン)で残渣をフラッシュクロ
マトグラフィーにかけ、186mg(86%)のプロピオンアミドメチルエステ
ル215を淡黄色の固体として得た。
Figure 2008273948
(実施例81)
アミノメチルエステル216:THF(5.0ml)および水(400μL)
中のアジド215(186mg、0.60mmol)溶液を、室温にてポリマー
支持トリフェニルホスフィン(560mg)で処理した。21時間撹拌した後、
このポリマーを濾過し、そしてメタノールで洗浄した。減圧下で濃縮して、粗ア
ミノエステル216を得た。これを、次工程のためにさらに精製することなく使
用した。
(実施例82)
アミノ酸217:THF(500μL)中のメチルエステル216(先の反応
の粗生成物)溶液をKOH水溶液(866μLの1.039N溶液)で処理した
。反応混合物を室温で3時間撹拌し、そしてAmberlite IR−120
(H+)酸性樹脂でpH7.0に中和した。この樹脂を濾過し、そして水および
メタノールで洗浄した。減圧下で濃縮して、アミノ酸を淡白色の固体として得た
。これを、水で溶出するC18逆相クロマトグラフィーにより精製した。所望の生
成物を含有する画分をプールし、そして凍結乾燥して、49mg(31%、2工
程)のアミノ酸217を得た。
Figure 2008273948
(実施例83)
(モノメチル)ビス−Bocグアニジノエステル218:乾燥DMF(1.0
ml)中のアミン200(51mg、0.19mmol)およびモノメチルビス
−Bocチオ尿素(36mg、0.19mmol)の溶液に、1−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(38mg)およびEt
3N(56μL)を室温で加えた。室温で1.5時間後、HgCl2(約75mg
、過剰)を1度に加えた。不均一な反応混合物を45分間撹拌し、酢酸エチルで
希釈し、そしてセライトパッドを通して濾過した。濾液を、さらなる酢酸エチル
で希釈し、そして希HCl、飽和重炭酸ナトリウム、ブラインで洗浄し、そして
MgSO4で乾燥した。減圧下で濃縮し、続いて、シリカゲル(酢酸エチル中の
10%メタノール)で残渣をフラッシュクロマトグラフィーにかけ、13mg(
16%)の(モノメチル)ビス−Bocグアニジノエステル218を無色の発泡
体として得た。
Figure 2008273948
(実施例84)
(モノメチル)ビス−Bocグアニジノ酸219:THF(500μL)中の
メチルエステル218(13mg、0.031mmol)溶液に、KOH水溶液
(60μLの1.039N溶液)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、
次いで1時間穏やかに還流した。反応物を0℃まで冷却し、そしてAmberl
ite IR−120(H+)酸性樹脂でpH6.0に酸性化した。この樹脂を
濾過し、そして水およびメタノールで洗浄した。減圧下で濃縮して、遊離酸21
9を得た。これを、次の反応において、さらなる精製をすることなく使用した。
(実施例85)
(モノメチル)グアニジノアミノ酸220:0℃に冷却したCH2Cl2(1.
0ml)中の(モノメチル)ビス−Bocグアニドニル酸219(先の反応の粗
生成物)溶液に、ニートなトリフルオロ酢酸(1.0ml)を加えた。反応混合
物を0℃で1時間、次いで室温で1時間撹拌した。減圧下で濃縮し、淡白色の固
体を得た。これを、水で溶出するC18逆相クロマトグラフィーにより精製した。
所望の生成物を含有する画分をプールし、そして凍結乾燥して、4.4mg(3
3%、2工程)のグアニジンカルボン酸220を得た。
Figure 2008273948
(実施例86)
(R)−メチルプロピルエステル221:BF3・Et2O(63μL、0.5
1mmol)を、(R)−(−)−2−ブタノール(1.2ml)中のN−トリ
チルアジリジン183(150mg、0.341mmol)溶液に、アルゴン下
で室温にて撹拌しながら加えた。淡白色の溶液を70℃で2時間加熱し、次いで
減圧下で濃縮して茶褐色の残渣を得た。これを、乾燥ピリジン(2.0ml)に
溶解し、そして0℃で無水酢酸(225μL)および触媒量のDMAP(結晶ほ
とんどなし)で処理した。この反応物を室温まで加温し、そして2時間撹拌し、
減圧下で濃縮し、そして酢酸エチルとブラインとの間で分配した。有機層を分離
し、そして希HCl、飽和重炭酸ナトリウム、ブラインで続けて洗浄し、そして
MgSO4で乾燥した。減圧下で濃縮し、続いて、シリカゲル(酢酸エチル中の
50%ヘキサン)で残渣をフラッシュクロマトグラフィーにかけ、75mg(7
2%)の(R)−メチルプロピルエステル221を淡白色の固体として得た。
Figure 2008273948
(実施例87)
(R)−メチルプロピルアミノエステル222:Ph3P(95mg、0.3
6mmol)を、THF(3.0ml)中のアジド221(75mg、0.24
mmol)および水(432μL)の溶液に、1度に加えた。次いで、淡黄色の
溶液を50℃で10時間加熱し、冷却し、そして減圧下で濃縮して淡白色の固体
を得た。シリカゲル(酢酸エチル中の50%メタノール)でのフラッシュクロマ
トグラフィーにより精製して、66mg(97%)のアミノエステル222を淡
白色の固体として得た。
(実施例88)
アミノ酸223:THF(1.0ml)中のメチルエステル222(34mg
、0.12mmol)溶液を、KOH水溶液(175μLの1.039N溶液)
で処理した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、そしてAmberlite I
R−120(H+)酸性樹脂でpH6.0に酸性化した。この樹脂を濾過し、そ
して水およびメタノールで洗浄した。減圧下で濃縮して、アミノ酸を淡白色の固
体として得た。これを、水で溶出するC18逆相クロマトグラフィーによって精製
した。所望の生成物を含有する画分をプールし、そして凍結乾燥して11.5m
g(36%)のアミノ酸223を得た。
Figure 2008273948
(実施例89)
ビス−Bocグアニジノエステル224:KimおよびQian、「Tetr
ahedron Lett.」, 34:7677(1993)の手順に従って
処理した。0℃に冷却した、乾燥DMF(350μL)中のアミン222(32
mg、0.113mmol)、ビス−Bocチオ尿素(32mg、0.115m
mol)およびEt3N(53μL)の溶液に、HgCl2(34mg、0.12
5mmol)を1度に加えた。不均一な反応混合物を45分間0℃で、次いで室
温で1時間撹拌した。その後、反応物をEtOAcで希釈し、そしてセライトパ
ッドを通して濾過した。減圧下で濃縮し、続いて、シリカゲル(酢酸エチル中の
20%ヘキサン)で残渣をフラッシュクロマトグラフィーにかけ、57mg(9
6%)の224を無色の発泡体として得た。
Figure 2008273948
(実施例90)
カルボン酸225:THF(1.5ml)中のメチルエステル224(57m
g、0.11mmol)溶液に、KOH水溶液(221μLの1.039N溶液
)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、0℃まで冷却し、そしてAm
berlite IR−120(H+)酸性樹脂でpH4.0に酸性化した。こ
の樹脂を濾過し、そして水およびメタノールで洗浄した。減圧下で濃縮して、遊
離酸を淡白色の発泡体として得た。これを、次の反応において、さらに精製する
ことなく使用した。
(実施例91)
グアニジンカルボン酸226:0℃に冷却したCH2Cl2(4.0ml)中の
ビス−Bocグアニドニル酸225(先の反応の粗生成物)溶液に、ニートなト
リフルオロ酢酸(4.0ml)を加えた。反応混合物を0℃で1時間、次いで室
温で2時間撹拌した。減圧下で濃縮して、淡橙色の固体を得た。これを、水で溶
出するC18逆相クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含有する画
分をプールし、そして凍結乾燥して、18.4mg(40%、2工程)のグアニ
ジンカルボン酸226を得た。
Figure 2008273948
(実施例92)
(ジエチル)メチルエーテルエステル227:BF3・Et2O(6.27ml
、51mmol)を、3−ペンタノール(230ml)中のN−トリチルアジリ
ジン183(15g、34mmol)溶液に、アルゴン下にて室温で撹拌しなが
ら加えた。淡白色の溶液を70〜75℃で1.75時間加熱し、次いで減圧下で
濃縮して茶褐色の残渣を得た。これを、乾燥ピリジン(2.0ml)に溶解し、
そして無水酢酸(16ml、170mmol)および触媒量のDMAP200m
gで処理した。この反応物を室温で18時間撹拌し、減圧下で濃縮し、そして酢
酸エチルと1M HClとの間で分配した。有機層を分離し、そして飽和重炭酸
ナトリウム、ブラインで続けて洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。減圧下で
濃縮し、続いて、シリカゲル(酢酸エチル中の50%ヘキサン)で残渣をフラッ
シュクロマトグラフィーにかけ、7.66gの(ジエチル)−メチルエーテルエ
ステルを得た。これを酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させて、227(7.
25g、66%)を無色の針状結晶体として得た:
Figure 2008273948
(実施例93)
(ジエチル)メチルエーテルアミノエステル228:Ph3P(1.21g、
4.6mmol)を、THF(30ml)中のアジド227(1g、3.1mm
ol)および水(5.6ml)の溶液に、1度に加えた。次いで、淡黄色の溶液
を50℃で10時間加熱し、冷却し、そして減圧下で濃縮した。水性のオイル状
の残渣をEtOAcと飽和NaClとの間で分配した。有機相を乾燥(MgSO
4)し、濾過し、そしてエバポレートした。シリカゲル(酢酸エチル中の50%
メタノール)でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、830mg(9
0%)のアミノエステル228を淡い白色の固体として得た。
Figure 2008273948
(実施例94)
アミノ酸229:THF(15ml)中のメチルエステル228(830mg
、2.8mmol)溶液を、KOH水溶液(4mlの1.039N溶液)で処理
した。反応混合物を室温で40分間撹拌し、そしてDowex 50WX8酸性
樹脂でpH5.5〜6.0に酸性化した。この樹脂を濾過し、そして水およびメ
タノールで洗浄した。減圧下で濃縮して、アミノ酸を淡白色の固体として得た。
これを、水で溶出し、次いで5%CH3CN/水で溶出するC18逆相クロマトグ
ラフィーによって精製した。所望の生成物を含有する画分をプールし、そして凍
結乾燥して600mg(75%)のアミノ酸229を得た。
Figure 2008273948
(実施例95)
t−アミルエーテルエステル230:BF3・Et2O(43μL、0.35m
mol)を、t−アミルアルコール(2.5ml)中のN−トリチルアジリジン
183(104mg、0.24mmol)溶液に、アルゴン下にて室温で撹拌し
ながら加えた。淡白色の溶液を75℃で3時間加熱し、次いで減圧下で濃縮して
茶褐色の残渣を得た。これを、乾燥ピリジン(2.0ml)に溶解し、そして無
水酢酸(250μL)および触媒量のDMAP(結晶ほとんどなし)で処理した
。この反応物を室温で1.5時間撹拌し、減圧下で濃縮し、そして酢酸エチルと
ブラインとの間で分配した。有機層を分離し、そして希HCl、飽和重炭酸ナト
リウム、ブラインで続けて洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。減圧下で濃縮
し、続いて、シリカゲル(酢酸エチル中の50%ヘキサン)で残渣をフラッシュ
クロマトグラフィーにかけ、27mg(35%)のt−アミルエーテルエステル
230を淡橙色のオイルとして得た。
Figure 2008273948
(実施例96)
t−アミルエーテルアミノエステル231:Ph3P(35mg、0.133
mmol)を、THF(1.5ml)中のアジド230(27mg、0.083
mmol)および水(160μL)の溶液に、1度に加えた。次いで、淡橙色の
溶液を50℃で10時間加熱し、冷却し、そして減圧下で濃縮して淡白色の固体
を得た。シリカゲル(酢酸エチル中の50%メタノール)でのフラッシュクロマ
トグラフィーにより精製して、20mg(82%)のアミノエステル231を淡
白色のオイルとして得た。
(実施例97)
アミノ酸232:THF(1.0ml)中のメチルエステル231(20mg
、0.068mmol)溶液を、KOH水溶液(131μLの1.039N溶液
)で処理した。反応混合物を室温で2.5時間撹拌し、そしてAmberlit
e IR−120(H+)酸性樹脂でpH5.0に酸性化した。この樹脂を濾過
し、そして水およびメタノールで洗浄した。減圧下で濃縮して、アミノ酸を淡白
色の固体として得た。これを、水で溶出するC18逆相クロマトグラフィーによっ
て精製した。所望の生成物を含有する画分をプールし、そして凍結乾燥して8.
6mg(45%)のアミノ酸232を得た。
Figure 2008273948
(実施例98)
n−プロピルチオエーテルエステル233:BF3・Et2O(130μL、1
.06mmol)を、1−プロパンチオール(8.0ml)中のN−トリチルア
ジリジン183(300mg、0.68mmol)溶液に、アルゴン下にて室温
で撹拌しながら加えた。次いで、淡白色の溶液を65℃で45分間加熱し、濃縮
し、そして酢酸エチルとブラインとの間で分配した。有機層を分離し、そして飽
和重炭酸ナトリウム、ブラインで洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。減圧下
で濃縮し、続いて、シリカゲル(酢酸エチル中の30%ヘキサン)で残渣をフラ
ッシュクロマトグラフィーにかけ、134mg(73%)のn−プロピルチオエ
ーテルエステル233を淡白色のオイルとして得た。
Figure 2008273948
(実施例99)
n−プロピルチオエーテルアジドエステル234:0℃に冷却した、ピリジン
(1.5ml)中のアミン233(134mg、0.50mmol)に、ニート
なアセチルクロライド(60μL、0.84mmol)を加えた。1時間撹拌し
た後、反応物混合物を室温まで加温し、そしてさらに15分間撹拌した。反応物
を濃縮し、そして酢酸エチルとブラインとの間で分配し、そして希HCl、水、
飽和重炭酸ナトリウム、ブラインで続けて洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した
。減圧下で濃縮し、続いて、シリカゲル(酢酸エチル中の30%ヘキサン)で残
渣をフラッシュクロマトグラフィーにかけ、162mg(100%)のn−プロ
ピルチオエーテルアジドエステル234を淡黄色の固体として得た。
Figure 2008273948
(実施例100)
n−プロピルチオエーテルアミノエステル235:酢酸エチル(10ml)中
のアジド234(130mg、0.416mmol)を、リンドラー触媒(15
0mg)で、18時間室温にて水素化(1気圧)した。次いで、この触媒をセラ
イトパッドを通して濾過し、そして熱酢酸エチルおよびメタノールで洗浄した。
減圧下で濃縮し、続いて、橙色の残渣をフラッシュクロマトグラフィーかけ、6
2mg(53%)のn−プロピルチオエーテルアミノエステル235を得た。
Figure 2008273948
(実施例101)
化合物240:アセトン(700ml)中のキナ酸(103g)、2,2−ジ
メトキシプロパン(200ml)およびトルエンスルホン酸(850mg)の懸
濁液を、室温で4日間撹拌した。溶媒および過剰な試薬を減圧下にて取り除いた
。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=2/1〜1.
5/1)により精製して、ラクトン240(84g、73%)を得た:
Figure 2008273948
反応を還流温度で4時間行って、水溶液とし(aqueous work−up
;酢酸エチル/水分配)、そして酢酸エチル/ヘキサンからの粗生成物を再結晶
化して後、ラクトン240を71%の収率で得た。
(実施例102)
化合物241:メタノール(1200ml)中のラクトン240(43.5g
、203mmol)溶液に、ナトリウムメトキシド(4.37M、46.5ml
、203mmol)を1度に加えた。この混合物を室温で3時間撹拌し、そして
酢酸(11.62ml)でクエンチした。メタノールを減圧下にて取り除いた。
混合物を水で希釈し、そしてEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機相を
水(1×)およびブライン(1×)で洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。フ
ラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=1/1〜1/4)
により精製して、ジオール(43.4g、87%)を得た:
Figure 2008273948
あるいは、エタノール中の触媒ナトリウムエトキシド(1mol%)でのラクト
ン240の処理により、酢酸エチル/ヘキサンからの粗生成物の結晶化後に、対
応するエチルエステルを67%で得た。母液(出発物質および生成物からなる)
から得られた残渣を、同一の反応条件に再び曝して、再結晶化後にさらなる生成
物を得た。全収率は83%であった。
(実施例103)
化合物242:ピリジン(230ml)中のジオール241(29.8g、1
21mmol)および4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(500mg)
の溶液に、トシルクロライド(27.7g、145mmol)を加えた。混合物
を室温で3日間撹拌し、そしてピリジンを減圧下で取り除いた。混合物を水で希
釈し、そしてEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機相を水(2×)およ
びブライン(1×)で洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。濃縮し、そしてフ
ラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=2/1〜1/1)
により精製して、トシレート242(44.6g、92%)を得た:
Figure 2008273948
化合物241の対応するエチルエステルを、0℃にてCH2Cl2中のメタンスル
ホニルクロライドおよびトリエチルアミンで処理して、水溶液にした後に、メシ
レート誘導体を定量的な収率で得た。このメシレートをさらに精製することなく
直接使用した。
(実施例104)
化合物243:CH2Cl2(450ml)中のトシレート242(44.6g
、111.5mmol)溶液に、−78℃にてピリジン(89ml)を加え、続
いてSO2Cl2(26.7ml、335mmol)をゆっくりと加えた。混合物
を−78℃で5時間撹拌し、そしてメタノール(45ml)を滴下により加えた
。この混合物を室温まで加温し、12時間撹拌した。エチルエーテルを加えて、
そして混合物を水(3×)およびブライン(1×)で洗浄し、そしてMgSO4
で乾燥した。濃縮により、オイルとして中間体を得た(44.8g)。MeOH
(500ml)中のこの中間体(44.8g、111.5mmol)の溶液に、
TsOH(1.06g、5.6mmol)を加えた。混合物を4時間還流した。
反応混合物を室温まで冷却し、そしてメタノールを減圧下で取り除いた。新しい
メタノール(500ml)を加え、そして混合物全体をさらに4時間環流した。
反応混合物を室温まで冷却し、そしてメタノールを減圧下で取り除いた。フラッ
シュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=3/1〜1/3)によ
り精製して、2種の異性体の混合物(26.8g)を得た。EtOAc/ヘキサ
ンからの再結晶化により、純粋な所望の生成物243(20.5g、54%)を
得た:
Figure 2008273948
化合物242の対応するメシレート−エチルエステル誘導体を、上記と同様の方
法で処理した。アセトニド保護基の除去を、還流しているエタノール中の酢酸を
用いて行い、粗反応混合物からエーテルで直接沈澱させることにより、ジオール
を39%の収率で得た。
(実施例105)
化合物1:THF(300ml)中のジオール243(20.0g、58.5
mmol)溶液に、0℃にてDBU(8.75ml、58.5mmol)を加え
た。反応混合物を室温まで加温し、そして12時間撹拌した。溶媒(THF)を
減圧下で取り除いた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtO
Ac=1/3)により精製して、エポキシド1(9.72g、100%)を得た
Figure 2008273948
化合物243の対応するメシレート−エチルエステル誘導体を、上記と同様の方
法で処理して、エポキシドをほぼ定量的な収率で得た。
(実施例106)
アジリジン244:無水エタノール(8.0ml)中のアリルエーテル4(2
23mg、1.07mmol)およびリンドラー触媒(200mg)の溶液を、
水素ガス(1気圧)で、室温にて50分間処理した。次いで、触媒をセライトパ
ッドを通して濾過し、そして熱メタノールで洗浄した。減圧下で濃縮して、約2
30mgの244を淡黄色のオイルとして得た。これを、さらに精製することな
く、次の反応に使用した。
(実施例107)
アジドアミン205:乾燥DMF(10ml)中の粗アジリジン244(23
0mg)、アジ化ナトリウム(309mg、4.75mmol)および塩化アン
モニウム(105mg、1.96mmol)を、70℃で16時間、アルゴン雰
囲気下で加熱した。反応物を冷却し、フリット化ガラス漏斗を通して濾過して固
体を取り除き、そして酢酸エチルとブラインとの間で分配した。有機層を分離し
、そしてMgSO4で乾燥した。減圧下で濃縮し、続いて、シリカゲル(酢酸エ
チル中の10%ヘキサン)で残渣をフラッシュクロマトグラフィーにかけ、15
4mg(57%、2工程)の205を、次の反応に十分な純度の黄色の粘稠なオ
イルとして得た。
(実施例108)
N−アセチルアジド245:アセチルクロライド(70μl、0.98mmo
l)を、0℃に冷却したCH2Cl2(4.0ml)中のアミン205(154m
g、0.61mmol)およびピリジン(1.3ml)の溶液に加えた。0℃で
1.5時間後、反応物を濃縮し、そして酢酸エチルとブラインとの間で分配した
。有機層を分離し、そして飽和重炭酸ナトリウム、ブラインで続けて洗浄し、そ
してMgSO4で乾燥した。減圧下で濃縮し、続いて、シリカゲル(酢酸エチル
)で残渣をフラッシュクロマトグラフィーにかけ、167mg(93%)の24
5を淡黄色の固体として得た。
(実施例109)
アミノエステル200:トリフェニルホスフィン(1.7g、6.48mmo
l)を、THF(40ml)および水(1.5ml)中の245(1.78g、
6.01mmol)溶液に、数度に分けて加えた。次いで、反応物を室温で42
.5時間撹拌した。揮発分を減圧下で取り除き、そして粗固体をシリカゲルに吸
着させ、そしてシリカゲル(100%酢酸エチル、次いで100%メタノール)
でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、1.24g(77%)の2
00を淡白色の固体として得た。
(実施例110)
アミノ酸102:0℃に冷却したTHF(4.0ml)中のメチルエステル2
00(368mg、1.37mmol)溶液に、NaOH水溶液(1.37ml
の1.0N溶液)を加えた。反応混合物を0℃で10分間、室温で1.5時間撹
拌し、次いでAmberlite IR−120(H+)酸性樹脂でpH7.0
〜7.5に酸性化した。この樹脂を濾過し、そして水およびメタノールで洗浄し
た。減圧下で濃縮して、アミノ酸を白色の固体として得た。これを、水で溶出す
るC18逆相クロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物を含有する画分
をプールし、そして凍結乾燥して290mg(83%)のアミノ酸102を得た
(実施例111)
アミン塩酸塩250:アミン228(15.6mg、0.05mmol)を0
.1N HClで処理し、そしてエバポレートした。残渣を水に溶解し、そして
C−18逆相シリカゲルの小さなカラムを通して濾過した。凍結乾燥後、塩酸塩
250(12mg)を固体として得た。
Figure 2008273948
(実施例112)
ビス−Boc−グアニジン251:DMF(4ml)中のアミン228(12
6mg、0.42mmol)、N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル
チオ尿素(127mg、0.46mmol)、およびトリエチルアミン(123
μL、0.88mmol)の溶液に、0℃にてHgCl2(125mg、0.4
6mmol)を加えた。混合物を0℃で30分間および室温で1.5時間撹拌し
た。反応物を酢酸エチルで希釈し、そしてセライトを通して濾過した。溶媒をエ
バポレートし、そして残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を飽和N
aClで洗浄し、そして乾燥(MgSO4)し、濾過し、そして溶媒をエバポレ
ートした。粗生成物をシリカゲル(2/1,1/1−ヘキサン/酢酸エチル)で
精製して、ビス−Boc−グアニジン251(155mg、69%)を固体とし
て得た:
Figure 2008273948
(実施例113)
グアニジノ−酸252:THF(3ml)中のビス−Boc−グアニジン25
1(150mg、0.28mmol)溶液に、1.039N KOH溶液(33
7μL)および水(674μL)を加えた。混合物を3時間撹拌し、さらなる1
.039N KOH溶液(67μL)を加え、そして撹拌を2時間続けた。反応
物を濾過して、少量の薄黒い沈殿物を取り除いた。濾液を0℃に冷却し、そして
IR−120イオン交換樹脂でpH4.5〜5.0に酸性化した。この樹脂を濾
過し、そしてメタノールで洗浄した。濾液をエバポレートして残渣を得た。これ
を、CH2Cl2(3ml)に溶解し、0℃に冷却し、そしてトリフルオロ酢酸(
3ml)で処理した。0℃で10分間撹拌した後、反応物を室温で2.5時間撹
拌した。溶媒をエバポレートし、そして残渣を水に溶解し、そしてまず水で溶出
し、次いで5%アセトニトリル/水で溶出する短いカラム(3×1.5cm)の
C−18逆相シリカゲルでクロマトグラフィーにかけた。生成物画分を合わせ、
そしてエバポレートした。残渣を水に溶解し、そして凍結乾燥してグアニジノ−
酸252(97mg、79%)を白色の固体として得た。
(実施例114)
アジド酸260:THF(7.0ml)中のメチルエステル227(268m
g、0.83mmol)溶液に、室温でKOH水溶液(1.60mlの1.03
9N溶液)を加えた。室温で19時間撹拌した後、反応物をAmberlite
IR−120(H+)酸性樹脂でpH4.0に酸性化した。この樹脂を濾過し
、そして水およびエタノールで洗浄した。減圧下で濃縮して、粗アジド酸260
を淡橙色の発泡体として得た。これを、次の反応において、さらに精製すること
なく使用した。
(実施例115)
アジドエチルエステル261:CH2Cl2(6.0ml)中のカルボン酸26
0(先の反応からの粗生成物、0.83mmolと仮定する)、エチルアルコー
ル(150μL)、および触媒DMAPの溶液に、室温で、DCC(172mg
、0.83mmol)を1度に加えた。数分後、沈澱物が形成し、そしてさらに
1時間撹拌した後、反応物を濾過し、そしてCH2Cl2で洗浄した。減圧下で濃
縮して、淡白色の固体を得た。これを、シリカゲル(酢酸エチル中の50%ヘキ
サン)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、272mg(96
%、少量のDCU不純物が存在)の261を白色の固体として得た。DCCをジ
イソプロピルカルボジイミドによって置換した場合、261の収率は93%であ
った。しかし、DCC使用した場合、クロマトグラフィー精製により存在する尿
素不純物が除去された。
(実施例116)
アミノエチルエステル262:トリフェニルホスフィン(342mg、1.3
0mmol)を、THF(17ml)および水(1.6ml)中の261(27
2g、0.80mmol)の溶液に1度に加えた。次いで、反応物を50℃で1
0時間加熱し、冷却し、そして減圧下で濃縮して淡い白色の固体を得た。シリカ
ゲル(酢酸エチル中の50%メタノール)でのフラッシュクロマトグラフィーに
より粗固体を精製して、242mg(96%)のアミノエチルエステル262を
淡白色の固体として得た。アミノエチルエステルを3N HClに溶解し、そし
て凍結乾燥して対応する水可溶性HCl塩形態を得た。
Figure 2008273948
(実施例117)
ビス−Bocグアニジノエチルエステル263:KimおよびQian、「T
etrahedron Lett.」, 34:7677(1993)の手順に
従って処理した。0℃に冷却した乾燥DMF(600μL)中のアミン262(
72mg、0.23mmol)、ビス−Bocチオ尿素(66mg、0.24m
mol)およびEt3N(108μL)の溶液に、HgCl2(69mg、0.2
5mmol)を1度に加えた。不均一な反応混合物を1時間0℃で、次いで室温
で15分間撹拌した。その後、反応物をEtOAcで希釈し、そしてセライトパ
ッドを通して濾過した。減圧下で濃縮し、続いて、シリカゲル(酢酸エチル中の
20%ヘキサン)で残渣をフラッシュクロマトグラフィーにかけ、113mg(
89%)の263を無色の発泡体として得た。
Figure 2008273948
(実施例118)
グアニジノエチルエステル264:0℃に冷却したCH2Cl2(5.0ml)
中のビス−Bocグアニドニルエチルエステル263(113mg、0.20m
mol)溶液に、ニートなトリフルオロ酢酸(5.0ml)を加えた。反応混合
物を0℃で30分間、次いで室温で1.5時間撹拌した。次いで、反応物を減圧
下で濃縮して、淡橙色の固体を得た。これを、水で溶出するC18逆相クロマトグ
ラフィーにより、精製した。所望の生成物を含有する画分をプールし、そして凍
結乾燥して63mg(66%)のグアニジンエチルエステル264を白色の固体
として得た。
Figure 2008273948
(実施例119)
酵素阻害:上記のインビトロでの活性のスクリーニング方法を使用して以下の
活性を観察した(+10〜100μm、++1〜10μm、+++<1.0μm
):
Figure 2008273948
(実施例120)
化合物A.113.b.4.iおよびA.113.x.4.iを別々に酵素ア
ッセイ緩衝液中でインキュベートし、そして実施例119に記載のように活性を
試験した。活性は両方とも>100μmであった。実施例119に記載のように
試験する前に、各化合物をラット血漿中で別々にインキュベートした場合、両方
の活性は化合物A.113.a.4.iと同様であった。
(実施例121)
研究を、化合物203(実施例69)、GG167、およびリバビリンの比較
の抗インフルエンザA活性を決定するために、Institute for A
ntiviral Research of Utah State Univ
ersityのRobert Sidwell博士の監督下で、マウスにおいて
インビボで腹腔内投与経路または経口投与経路により行った。GG167、およ
びリバビリンは、抗インフルエンザウイルス化合物として公知である。
Figure 2008273948
マウス:雌の13〜15gの特定の病原菌がないBALB/cマウスを、Si
monsen Laboratories (Gilroy,CA)から得た。
これらを、使用の24時間前に検疫し、そしてWayne Lab Bloxお
よび水道水で維持した。一旦感染したら、2次細菌感染の可能性を制御するため
に、飲料水に0.006%オキシテトラサイクリン(Pfizer, New
York, NY)を含有させた。
ウイルス:インフルエンザA/NWS/33(H1N1)を、K.W.Coc
hran, University of Michigan (Ann Ar
bor, MI)から得た。ウイルスプールをコンフルエントな単層のMadi
n Darby犬腎臓(MDCK)細胞に感染させる工程、これらを5%CO2
中37℃でインキュベートする工程、およびウイルスの細胞変性効果が90〜1
00%となった3〜5日目に細胞を採集する工程により調製した。このウイルス
ストックをアンプルに詰め、そして使用するまで−80℃にて保管した。
化合物:化合物203およびGG167を、この研究のために滅菌生理食塩水
に溶解した。
動脈血酸素飽和度(SaO2)測定:SaO2を、Ohmeda Biox 3
740パルス酸素濃度計(Ohmeda, Louisville, OH)を
使用して測定した。耳探針付属品を使用し、探針を選択した緩慢な装置様式で動
物の腿に置いた。読み取りを、各動物ごとに30秒間の安定化時間の後に行った
。動脈血酸素飽和度におけるインフルエンザウイルスの効果を測定するためのこ
の装置の使用は、Sidwellら, Antimicrob.Agents
Chemother. 36: 473−476 (1992)により記載され
ている。
経口投与研究についての実験設計:約95%致死用量のウイルスを鼻腔内感染
した11匹のマウス群に、各用量の試験化合物を与えた。203およびGG16
7の両方の用量は、50、10、2、および0.5mg/kg/日であった。処
置は、4時間のプレウイルス曝露で始めて、5日間、1日に2回腹腔内で処置し
た。各用量で処置した8匹の感染マウスおよび生理食塩水処置した16匹の感染
コントロールを、SaO2レベルについて3日目〜10日目までアッセイした;
これらの動物について21日間毎日、死亡数を記録した。各群における残りの3
匹の動物ならびに6匹の生理食塩水処置したコントロールマウスを6日目に屠殺
し、そしてこれらの肺を取り出し、計量し、硬化スコアを肺の暗紫色の程度に基
づいて与えた(0=正常、4=100%の肺が感染した)。203の300mg
/kg/日の用量で毒性は見られず、そして文献はGG167が同様に非毒性で
あることを示すと報告しているので、毒性の制御はこの研究に含めなかった。
腹腔内投与研究についての実験設計:11匹のマウスの群を、約95%致死用
量のウイルスで鼻腔内感染させ、そして250、50、または10mg/kg/
日の203またはGG167あるいは100、32、または10mg/kg/日
のリバビリンで処置した。4時間のプレウイルス曝露で始めて、5日間、1日2
回、経口強制投与法(経口投与)により処置した。各群8匹の動物を、死亡数を
毎日記録しながら21日間保持し、そしてSaO2レベルを3〜10日目に測定
した。各群の残りの3匹の感染マウスを6日目に屠殺し、そしてこれらの肺を取
り出し、計量し、そして0(正常)〜4(100%の肺が感染した)の硬化スコ
アを与えた。15匹の感染マウスを生理食塩水のみで処置し、そして上記のよう
にSaO2を測定しながら21日間保持し、そして生理食塩水で処置した6匹の
別の感染マウスを肺アッセイのために6日目に屠殺した。3匹の正常なコントロ
ールを、上記と平行してSaO2を測定しながら21日間保持し、そして3匹の
別の正常な動物を肺の重量およびスコアのために6日目に屠殺した。
低用量の経口投与研究についての実験設計:約90%致死用量のウイルスで鼻
腔内感染した8匹のマウス群に各用量の化合物を与えた。各化合物の用量は、1
0、1、および0.1mg/kg/日であった。4時間のプレウイルス曝露で始
めて、5日間、1日2回、経口強制投与法により処置した。各用量で処置した8
匹の感染マウスおよび生理食塩水処置した16匹の感染コントロールを、SaO
2レベルについて3〜11日目にアッセイした;死亡数を、これらの動物におい
て毎日、21日間記録した。
統計的評価:生存数の増加を、Yates’補正を伴うχ2分析により評価し
た。平均生存期間の増加ならびにSaO2、肺の重量および肺のウイルス力価に
おける差異を、t検定により分析した。肺のスコアの差異を、階級総和分析(r
anked sum analysis)により評価した。全ての場合において
、薬物処置と生理食塩水処置コントロールとの間の差異を研究した。
腹腔内投薬実験の結果を、表Iならびに図1および図2にまとめる。このモデ
ルでは、両方の化合物は使用した高用量で有意に阻害性であったが、203処置
はまた、10mg/kg/日の用量で有意な生存性をもたらした。SaO2低下
は、50mg/kg/日の用量で両方の化合物により特に阻害された。さらに、
GG167はまた10および2mg/kg/日の用量であってもこの低下を妨げ
るようである。肺のスコアデータは、1より多い用量で効果的であるGG167
の同様の傾向を示すようである。肺の重量に幾らかの不規則性が示され、最も高
い用量のGG167を受けたマウスから取り出した肺では、生理食塩水処置コン
トロールよりも大きな平均重量を有する。
経口投薬研究を、毎日のSaO2値を図3〜5に示すとともに表IIにまとめ
る。このモデルにおける3つ全ての薬物での経口処置は、インフルエンザウイル
ス感染に対して有意に阻害性であり、死亡を防止し、肺スコアおよび感染関連性
の肺の重量を低下させ、そして通常のSaO2における減少を阻害した。
経口低用量研究の結果を、表IIIおよび図6〜8にまとめる。この実験では
、感染は16匹の生理食塩水処置動物のうち14匹に致死的であり、平均生存期
間はこの群では9.6日であった。3つの化合物全てがウイルス感染に対して、
ある程度の阻害効果を示したが、262(エチルエステルプロドラッグ)は、生
存数、平均生存期間、およびSaO2低下の防止により証明されたように、全て
の用量で最も効果的であった。
表IIIは、全てのアッセイ時間についての平均SaO2%を共に示す。各化
合物に対する毎日の値を、グラフにより図6〜図8に示す。図6は、最も高い濃
度の各化合物についてのSaO2データを例示し;図7は、各化合物の中間的な
用量での値を示し;そして低用量の各化合物についてのSaO2値を図8におい
て比較する。
表IIIおよび図6〜8は、3つ全ての化合物が実験的に誘導されるインフル
エンザA(H1N1)ウイルスの感染に対して経口的に活性であるが、262が
最も活性と考えられることを示す。262の改善された抗ウイルス有効性が、同
時に生じる増加した動物の毒性を伴わないかどうかは決定しなかったが、しかし
これは付随しないようである。なぜなら、より大きな効力は、その上昇した経口
バイオアベイラビリティーの結果であると期待されるからである。
Figure 2008273948
Figure 2008273948
表I〜表IIIについての脚注
a4時間のプレウイルス曝露で始めた5回の施行。
b21日目以前に死亡した動物。
c3日目〜10日目に測定した値の平均。
d6日目に測定した。
生理食塩水処置コントロールと比較して*P<0.05、**P<0.01、***
<0.001。
驚くべきことに、Ryanら(Antimicrob.Agents Che
mother.,38 (10): 2270−2275)[1994])の結
論にも関わらず、上述のように、このモデルにおいて、GG167の経口投与ま
たは腹腔内投与が、実際の治療用量においてインフルエンザ感染マウスの死亡を
減少させることに効果的であることを示す。Ryanらの結論は、「良好なバイ
オアベイラビリティーにも関わらず、腹腔内投与後にマウス内でGG167につ
いて見られるインビボ活性が比較的低いことは血漿からのその迅速なクリアラン
スに起因しており、その結果、呼吸器分泌物への浸透が乏しくなり、細胞の内側
への浸透および内側での維持能力がないことにつながるようである。……同様に
、経口投薬後の乏しい効力は、おそらくこれらの他の要因に加えて、乏しい経口
バイオアベイラビリティーの結果であろう。」(2274頁)である。これらの
観察は、Von Izsteinら、WO 91/16320号、WO 92/
06691号および米国特許第5,360,817号と一致する。これらは、特
にGG167を包含するかまたはGG167に関する。これらの特許文献は、G
G167を鼻腔内以外の任意の経路により投与することを何ら教示または示唆し
ていない。しかし、鼻腔内投与は、ある条況では不都合であり、そして高価であ
ると考えられる。GG167および、WO 91/16320号、WO 92/
06691号および米国特許第5,360,817号に記載されているその関連
化合物についてより容易な投与経路を用い得るならば、有利である。
従って、本発明の1つの実施態様は、宿主におけるインフルエンザウイルス感
染の処置または予防の方法である。この方法は、呼吸器系への局所投与以外の経
路により、以下の式(X)または(Y)を有する、治療的有効用量の抗ウイルス
活性化合物、および薬学的に受容可能なそれらの塩または誘導体を宿主に投与す
る工程を包含する:
Figure 2008273948
ここで、一般式(x)において、Aは、酸素、炭素、またはイオウであり、そし
て一般式(y)において、Aは窒素または炭素である;
1は、COOH、P(O)(OH)2、NO2、SOOH、SO3H、テトラゾ
ール、CH2CHO、CHO、またはCH(CHO)2を示し、
2は、H、OR6、F、Cl、Br、CN、NHR6、SR6、またはCH2
を示し、ここでXは、NHR6、ハロゲン、またはOR6であり、そして
6は、水素;1〜4個の炭素原子を有するアシル基;1〜6個の炭素原子を
有する直鎖状または環状のアルキル基、またはそれらのハロゲン置換アナログ;
アリル基、あるいは非置換アリール基またはハロゲン、OH基、NO2基、NH2
基、またはCOOH基で置換されたアリールであり、
3およびR3’は、同一または異なり、そしてそれぞれは水素、CN、NH
6、N3、SR6、=N−OR6、OR6、グアニジノ、
Figure 2008273948
を示し、
4は、NHR6、SR6、OR6、COOR6、NO2、C(R63、CH2CO
OR6、CH2NO2、またはCH2NHR6を示し、そして
5は、CH2YR6、CHYR6CH2YR6、またはCHYR6CHYR6CH2
YR6を示し、ここで、Yは、O、S、NH、またはHであり、そしてR5基中の
連続するY部分は同一または異なり、
ただし一般式(x)において
(i)R3またはR3’がOR6または水素であり、かつAが酸素またはイオ
ウである場合、上記化合物は
(a)水素であるR2、および
(b)NH−アシルであるR4を同時に有し得ず、そして
(ii)Yが水素である場合、R6は、共有結合を示し、そして一般式(y)
において
(i)R3またはR3’がOR6または水素であり、かつAが窒素である場合
、上記化合物は
(a)水素であるR2、および
(b)NH−アシルであるR4を同時に有し得ず、そして
(ii)Yが水素である場合、R6は共有結合を示す。
式xおよびyの化合物は、WO 91/16320号、3頁、23行〜7頁1
行、WO 92/06691号、および米国特許第5,360,817号におい
てより十分に記載され、そしてxおよびyはこれらの中でそれぞれ「I」および
「Ia」として記載されている。
本明細書の目的のために、「気道手段に対する局所投与以外の」経路による投
与は、頬または舌下経路による化合物の投与を除外せず、かつ経口、頬、または
舌下投与の間の、食道における化合物の副次的な吸収を除外しない。ただし、例
えば、頬、経口、舌下、または食道吸収は、吸入剤などによる肺経路または鼻腔
経路への投与に対して副次的でない。通常、化合物は成形物、スラリー、または
溶液として投与される。
本発明の代表的な実施態様において、化合物はGG167であり、宿主はマウ
ス以外の動物(例えば、フェレットまたはヒト)であり、投与経路は経口であり
、そして処置および予防の目的は死亡数の減少である。必要に応じて、式(X)
または(Y)の化合物のプロドラッグが用いられ、上記に示すように経口投与に
より抗ウイルス効果を達成するようにするためにそのようにする必要は必ずしも
ない。GG167のプロドラッグおよびその同時に開示した化合物について、任
意のエステル、アミドまたは本発明の化合物について本明細書中の他の場所に記
載した他のプロドラッグは、式(X)および(Y)の化合物の類似の基(例えば
、カルボキシルエステルまたはアミド)と共に使用するに適切である。
経口経路または他の非鼻腔投与経路により投与される場合の、GG167およ
びその関連化合物の治療有効用量は、本発明の化合物の用量に関して上述した考
察を考慮して当業者の臨床医により決定される。たいていは、主な考察は、投与
経路および宿主種である。一般に、静脈内投与から皮下投与、皮下投与から経口
投与経路にするとより多い用量が必要となる。そして従来の薬理学的なスケーリ
ングの原則によれば、より大きな動物にするとより多い用量が必要である。治療
活性用量の決定は、十分に当業者の範囲内であるが、しかし一般に、用量は実質
的に本発明の化合物に用いられる用量と同一である。
(実施例122)
表50に示すそれぞれの反応を、スキーム50に従って前もって行った。予備
反応を、「V」で示す。表50に示してなければ、工程AA、AB、およびAC
を、それぞれ実施例92、93、および94に従って前もって行い、そして工程
ADを実施例112および113の組み合わせに従って前もって行った。
Figure 2008273948
Figure 2008273948
Figure 2008273948
表50(注)
a)アジド還元前のエステル加水分解
b)室温でPh3Pを使用するアジド還元
c)水性KOH/MeOHを使用するエステル加水分解
d)室温でのポリマーに担持したPh3Pを使用するアジド還元
e)HCl塩として単離した
f)MeOH/THF/H2O中でPh3Pを使用するアジド還元
g)ジアステレオマー混合物、主要なジアステレオマーを示す
h)また、Me3Pとともに行ったアジド還元
i)55℃で行ったアジリジン開環
j)C−アルキル化生成物を単離した
Figure 2008273948
(実施例123)
トリフルオロアセトアミド340:0℃でCH2Cl2(3.5mL)中、アミ
ン228(100mg、0.34mmol)溶液に、ピリジン(41μL、0.
51mmol)およびトリフルロ酢酸無水物(TFAA)(52μL、0.37
mmol)を添加し、そして溶液を45分間撹拌し、このとき、さらにTFAA
(0.5当量)を添加した。15分後、反応系を減圧下でエバポレートし、残渣
を酢酸エチルと1M HClとの間で分配した。有機層を飽和NaHCO3、飽
和NaClで洗浄し、そして乾燥(MgSO4)し、濾過し、そしてエバポレー
トした。残渣をシリカゲル(2/1−ヘキサン/酢酸エチル)上でクロマトグラ
フして、トリフルオロアセトアミド340(105mg、78%)を与えた:
Figure 2008273948
(実施例124)
N−メチルトリフルオロアセトアミド341:0℃でDMF(2mL)中、ト
リフルオロアセトアミド340(90mg、0.23mmol)溶液に、水素化
ナトリウム(10mg、鉱物油中60%分散液、0.25mmol)を添加した
。15分後、0℃でヨウ化メチル(71μL、1.15mmol)を添加し、そ
して反応液を0℃で2時間、および室温で1時間撹拌した。酢酸(28μL)を
添加し、溶液をエバポレートした。残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。有
機層を飽和NaClで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、そしてエバポレ
ートした。残渣をシリカゲル(1/1−ヘキサン/酢酸エチル)上でクロマトグ
ラフして、N−メチルトリフルオロアセトアミド341(81mg、87%)を
無色ガラス状物として与えた:
Figure 2008273948
(実施例125)
N−メチルアミン342:THF(3mL)中のN−メチルトリフルオロアセ
トアミド341(81mg、0.20mmol)溶液に、1.04N KOH(
480μL、0.50mmol)を添加し、そして混合液を室温で14時間撹拌
した。反応系をIR120イオン交換樹脂でpH約4に酸性化した。樹脂を濾過
し、THFで洗浄し、そして濾液をエバポレートした。残渣を10% TFA/
水(5mL)中に溶解し、そしてエバポレートした。残渣を、水で溶出するC−
18逆相シリカゲルのカラム(1.5×2.5cm)に通した。生成物画分をプ
ールし、そして凍結乾燥して、白色固体としてN−メチルアミン342(46m
g、56%)を与えた:
Figure 2008273948
(実施例126)
化合物346:8/1−MeOH/H2O(440mL、v/v)中、エポキ
シド345(13.32g、58.4mmol)溶液に、アジ化ナトリウム(1
9.0g、292.0mmol)および塩化アンモニウム(2.69g、129
.3mmol)を添加し、そして混合液を15時間還流した。反応液を冷却し、
減圧下で濃縮し、そしてEtOAcとH2Oとの間で分配した。有機層を飽和重
曹と塩水で連続的に洗浄し、そしてMgSO4上で乾燥した。真空内での濃縮後
、シリカゲル上(ヘキサン中の30% EtOAc)でのフラッシュクロマトグ
ラフィーにより、粘性油として11.81g(75%)のアジドアルコール34
6を与えた:
Figure 2008273948
(実施例127)
化合物347:−78℃まで冷却した乾燥THF(8.0mL)中のエチルエ
ステル346(420mg、1.55mmol)溶液に、DIBAL(トルエン
中の1.0M溶液を5.1mL)を注射器により滴下した。鮮黄色の反応混合液
を−78℃で1.25時間撹拌し、次いでMeOH(1.2mL)をゆっくりと
添加してゆるやかに加水分解した。揮発物を減圧下で除去し、そして残渣をEt
OAcと冷希釈HClとの間で分配した。有機層を分離し、そして水性層をEt
OAcで逆抽出した。有機層を合わせて、そして飽和重曹と塩水で連続的に洗浄
し、そしてMgSO4上で乾燥した。真空内での濃縮後、シリカゲル上(EtO
Ac中の20%ヘキサン)でのフラッシュクロマトグラフィーにより、無色の粘
性油として127mg(36%)のジオール347を与えた:
Figure 2008273948
以下の請求の範囲は、本発明の実施態様に関し、そして実質的なそれらの改変
を含むように解釈されるべきである。
本願発明によれば、ウイルス(特にインフルエンザウイルス)の阻害、特に、
ノイラミニダーゼのような解糖酵素の阻害、特にウイルス性または細菌性ノイラ
ミニダーゼの選択的阻害がなされ得た。
図1は、公知の抗インフルエンザ化合物であるGG167(4−グアニジノ−2,4−ジデオキシ−2,3−デヒドロ−N−アセチルノイラミン酸)(図1)、および本発明の化合物203(図2)のi.p.用量を変化させて処置したインフルエンザ−A感染マウスの動脈酸素飽和(SaO2)レベルを示す:50、10、2、および0.5mpk(mg/kg/日)のテスト化合物および生理食塩水コントロールを、それぞれ四角、黒丸、三角、菱形、および白丸で表す。全ての図面において、生理食塩水コントロールと比較して*P<0.05、**P<0.01である。 図2は、公知の抗インフルエンザ化合物であるGG167(4−グアニジノ−2,4−ジデオキシ−2,3−デヒドロ−N−アセチルノイラミン酸)(図1)、および本発明の化合物203(図2)のi.p.用量を変化させて処置したインフルエンザ−A感染マウスの動脈酸素飽和(SaO2)レベルを示す:50、10、2、および0.5mpk(mg/kg/日)のテスト化合物および生理食塩水コントロールを、それぞれ四角、黒丸、三角、菱形、および白丸で表す。全ての図面において、生理食塩水コントロールと比較して*P<0.05、**P<0.01である。 図3は、リバビリン(三角)、化合物203(四角)、およびGG167(黒丸)のp.o.用量を用いて処置したインフルエンザA感染マウスにおいて達成されたSaO2レベルを比較する;生理食塩水コントロールは白丸である:図3:150mpkの化合物203およびGG167のそれぞれ、100mpkのリバビリン;図4:50mpkの化合物203およびGG167のそれぞれ、32mpkのリバビリン;図5:10mpkの化合物203およびGG167のそれぞれ、10mpkのリバビリン。 図4は、リバビリン(三角)、化合物203(四角)、およびGG167(黒丸)のp.o.用量を用いて処置したインフルエンザA感染マウスにおいて達成されたSaO2レベルを比較する;生理食塩水コントロールは白丸である:図3:150mpkの化合物203およびGG167のそれぞれ、100mpkのリバビリン;図4:50mpkの化合物203およびGG167のそれぞれ、32mpkのリバビリン;図5:10mpkの化合物203およびGG167のそれぞれ、10mpkのリバビリン。 図5は、リバビリン(三角)、化合物203(四角)、およびGG167(黒丸)のp.o.用量を用いて処置したインフルエンザA感染マウスにおいて達成されたSaO2レベルを比較する;生理食塩水コントロールは白丸である:図3:150mpkの化合物203およびGG167のそれぞれ、100mpkのリバビリン;図4:50mpkの化合物203およびGG167のそれぞれ、32mpkのリバビリン;図5:10mpkの化合物203およびGG167のそれぞれ、10mpkのリバビリン。 図6は、化合物262(丸)および260(黒四角)およびGG167(三角)の低p.o.用量で処置されたインフルエンザA感染マウスにおけるSaO2レベルを示す;生理食塩水コントロールは白丸であり、そして非感染コントロールは白四角である:図6:mpkの各テスト化合物;図7:1mpkの各テスト化合物;図8:0.1mpkの各テスト化合物。 図7は、化合物262(丸)および260(黒四角)およびGG167(三角)の低p.o.用量で処置されたインフルエンザA感染マウスにおけるSaO2レベルを示す;生理食塩水コントロールは白丸であり、そして非感染コントロールは白四角である:図6:mpkの各テスト化合物;図7:1mpkの各テスト化合物;図8:0.1mpkの各テスト化合物。 図8は、化合物262(丸)および260(黒四角)およびGG167(三角)の低p.o.用量で処置されたインフルエンザA感染マウスにおけるSaO2レベルを示す;生理食塩水コントロールは白丸であり、そして非感染コントロールは白四角である:図6:mpkの各テスト化合物;図7:1mpkの各テスト化合物;図8:0.1mpkの各テスト化合物。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
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